説明

積層体フイルムのハーフカット方法及び装置

【課題】簡単な工程及び構成で、積層体フイルムを高品質にハーフカットするとともに、カット屑の発生を可及的に阻止することを可能にする。
【解決手段】ハーフカット装置36は、感光性ウエブ22の幅方向に移動可能な移動機構52を備え、前記移動機構52には、第1カッタ機構56と第2カッタ機構58とが装着される。第1カッタ機構56は、保護フイルムの剥離方向後端部を構成する第1ハーフカット部位34aを形成する回転自在な回転丸刃66を設ける。第2カッタ機構58は、保護フイルムの剥離方向先端部を構成する第2ハーフカット部位34bを形成する回転不能に固定された固定丸刃72が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも第1樹脂層上に第2樹脂層が積層された積層体フイルムを、前記第2樹脂層側から積層方向の一部を残してハーフカットする積層体フイルムのハーフカット方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶パネル用基板、プリント配線用基板、PDPパネル用基板では、感光性樹脂層を有する感光性積層体フイルム(感光性ウエブ)を基板表面に貼り付けた積層体基板として構成されている。この感光性積層体フイルムは、通常、ベースフイルム(可撓性プラスチック支持層)上に熱可塑性樹脂層(以下、クッション層ともいう)、感光材料層(レジスト層)及び保護フイルムが、順次、積層されている。
【0003】
そこで、この種の感光性積層体フイルムの貼り付けに使用される貼り付け装置は、通常、ガラス基板や樹脂基板等の基板を所定の間隔ずつ離間させて搬送するとともに、前記基板に貼り付けられる感光性樹脂層の範囲に対応して、前記感光性積層体フイルムから保護フイルムを剥離する方式が採用されている。
【0004】
このため、感光性積層体フイルムは、貼り付け装置に搬送される前に、予め保護フイルムを所定の位置で切断する必要がある。その際、感光性積層体フイルムには、積層方向の一部を残して少なくとも保護フイルムが切断される、すなわち、ハーフカット処理が施されている。
【0005】
この種のハーフカットを行う装置として、例えば、特許文献1に開示されているフイルム切断装置が知られている。このフイルム切断装置は、図12に示すように、積層体フイルム1がガイドローラ2a、2bを介して矢印方向に搬送されるとともに、この搬送方向に交差する方向に延在するレール3上には、可動部材4が進退可能に載置されている。
【0006】
可動部材4上には、水平方向に延在する中空軸5を介して回転軸6が配設されるとともに、前記回転軸6の端部には、ディスクカッタ7が装着されている。この可動部材4上には、ディスクカッタ7を左右反転した構造を有するディスクカッタ9が配設されている。
【0007】
一方、積層体フイルム1を挟んでディスクカッタ7、9に対向してカッタ台8が配設されるとともに、このカッタ台8には、前記ディスクカッタ7、9の切刃7a、9aに係合するカッタ受け8a、8bが設けられている。
【0008】
【特許文献1】特開平11−179693号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記のフイルム切断装置では、回転不能に保持されたディスクカッタ7、9を積層体フイルム1の幅方向に移動させて、前記ディスクカッタ7、9の切刃7a、9aにより前記積層体フイルム1をハーフカットしている。このため、切刃7a、9aは、積層体フイルム1の切断部位に摺接するため、カット屑(塵埃)が発生し易くなるという問題がある。
【0010】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な工程及び構成で、積層体フイルムを高品質にハーフカットするとともに、カット屑の発生を可及的に阻止することが可能な積層体フイルムのハーフカット方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、少なくとも第1樹脂層上に第2樹脂層が積層された積層体フイルムを、前記第2樹脂層側から積層方向の一部を残してハーフカットする積層体フイルムのハーフカット方法及び装置に関するものである。
【0012】
そして、回転自在なカッタを積層体フイルムの幅方向に沿って相対的に移動させることにより、第2樹脂層の剥離方向後端部を構成する第1ハーフカット部位が形成される。ここで、回転自在なカッタとは、積層体フイルムの幅方向に沿って移動する際に、この積層体フイルムをハーフカットしながら連れ回りするカッタであり、円板状のカッタ(以下、回転丸刃ともいう)の他、多角形状のカッタ(回転多角刃)等を含む。
【0013】
一方、回転不能に固定されたカッタを積層体フイルムの幅方向に沿って相対的に移動させることにより、第2樹脂層の剥離方向先端部を構成する第2ハーフカット部位が形成される。ここで、回転不能に固定されたカッタとは、積層体フイルムの幅方向に沿って移動する際に、同一の姿勢に保持されたままこの積層体フイルムをハーフカットするカッタであり、円板状のカッタ(以下、固定丸刃ともいう)の他、多角形状のカッタ(固定多角刃)やナイフ刃や押し切り刃(固定刃)等を含む。
【0014】
また、ハーフカット装置は、積層体フイルムの幅方向に沿って移動可能な移動機構を備え、前記移動機構には、回転自在なカッタと回転不能に固定されたカッタとが、ハーフカット間隔に対応して一体に装着されることが好ましい。
【0015】
さらに、ハーフカット装置は、回転自在なカッタを装着し積層体フイルムの幅方向に沿って移動可能な第1移動機構と、回転不能に固定されたカッタを装着し前記積層体フイルムの幅方向に沿って移動可能な第2移動機構とを備えることが好ましい。
【0016】
さらにまた、ハーフカット装置は、積層体フイルムの幅方向に沿って移動可能な移動機構を備え、前記移動機構には、回転自在なカッタと回転不能に固定されたカッタとに選択的に機能する固定機構付きカッタが装着されることが好ましい。
【0017】
また、積層体フイルムは、第1樹脂層が感光性樹脂層である感光性積層体フイルムであることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、回転自在なカッタにより第2樹脂層の剥離方向後端部を構成する第1ハーフカット部位が形成されるため、前記第1ハーフカット部位にカット屑が発生することを良好に阻止することができる。その際、第1ハーフカット部位には、第1樹脂層の剥がれが発生し易いが、この第1ハーフカット部位が第2樹脂層の剥離方向後端部であり、前記第2樹脂層が剥離される際に、第1樹脂層の不要な剥がれが惹起されることがない。
【0019】
一方、回転不能に固定されたカッタにより第2樹脂層の剥離方向先端部を構成する第2ハーフカット部位が形成されるため、前記第2ハーフカット部位に第1樹脂層の剥がれが発生することを確実に阻止することができる。
【0020】
従って、第2樹脂層を剥離する際に、剥離方向先端部に第1樹脂層の不要な剥がれが惹起されることがなく、品質の向上を図ることが可能になる。このため、カット品質を確保するとともに、カッタへのカット屑の付着が阻止されて清浄作業等の作業効率の向上が容易に図られる。
【0021】
これにより、簡単な工程及び構成で、積層体フイルムを高品質にハーフカットするとともに、カット屑の発生を可及的に阻止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るハーフカット装置を組み込む積層体基板の製造装置20の概略構成図である。この製造装置20は、液晶又は有機EL用カラーフィルタ等の製作工程で、長尺状感光性ウエブ(感光性積層体フイルム)22の感光性樹脂層29(後述する)をガラス基板24に熱転写する作業を行う。
【0023】
図2は、製造装置20に使用される感光性ウエブ22の断面図である。この感光性ウエブ22は、帯電防止層25が設けられる可撓性ベースフイルム(支持層)26、クッション層(熱可塑性樹脂層)27、中間層(酸素遮断膜)28、レジスト層である感光性樹脂層(第1樹脂層)29及び保護フイルム(第2樹脂層)30を積層して構成される。なお、感光性ウエブ22は、ベースフイルム26、感光性樹脂層29及び保護フイルム30により構成されていてもよい。
【0024】
ベースフイルム26は、ポリエチレンテレフタレート(PET)で形成され、クッション層27は、エチレンと酸化ビニル共重合体で形成され、中間層28は、ポリビニルアルコール(PVA)で形成され、感光性樹脂層29は、アルカリ可溶性バインダとモノマーと光重合開始材と着色剤を含む着色感光性樹脂組成物で形成され、保護フイルム30は、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等で形成される。
【0025】
図1に示すように、製造装置20は、感光性ウエブ22をロール状に巻回した感光性ウエブロール22aを収容し、この感光性ウエブロール22aから前記感光性ウエブ22を送り出すウエブ送り出し機構32と、送り出された前記感光性ウエブ22の保護フイルム30に、幅方向に切断可能な第1ハーフカット部位34a及び第2ハーフカット部位34bを形成する第1の実施形態に係るハーフカット装置36と、一部に非接着部38aを有する接着ラベル38(図3参照)を前記保護フイルム30に接着させるラベル接着機構40とを備える。
【0026】
ラベル接着機構40の下流には、感光性ウエブ22をタクト送りから連続送りに変更するためのリザーバ機構42と、前記感光性ウエブ22から保護フイルム30を所定の長さ間隔で剥離させる剥離機構44と、ガラス基板24を所定の温度に加熱した状態で貼り付け位置に搬送する加熱機構45と、前記保護フイルム30の剥離により露出した感光性樹脂層29を前記ガラス基板24に貼り付ける貼り付け機構46とが配設される。なお、貼り付け機構46によりガラス基板24に感光性ウエブ22が貼り付けられた被処理物を、以下、単に基板24aという。
【0027】
貼り付け機構46における貼り付け位置の上流近傍には、感光性ウエブ22の境界位置である第1ハーフカット部位34a及び/又は第2ハーフカット部位34b(以下、単に第1ハーフカット部位34aともいう)を直接検出する検出機構47が配設されるとともに、前記貼り付け機構46の下流には、各ガラス基板24間の前記感光性ウエブ22を切断する基板間ウエブ切断機構48が配設される。この基板間ウエブ切断機構48の上流には、運転開始時及び運転終了時に使用されるウエブ切断機構48aが設けられる。
【0028】
ウエブ送り出し機構32の下流近傍には、略使用済みの感光性ウエブ22の後端と、新たに使用される感光性ウエブ22の先端とを接合させる接合台49が配設される。この接合台49の下流には、感光性ウエブロール22aの巻きずれによる幅方向のずれを制御するために、フイルム端位置検出器51が配設される。
【0029】
ハーフカット装置36は、ウエブ送り出し機構32に収容巻回されている感光性ウエブロール22aのロール径を算出するためのローラ対50の下流に配置される。図4及び図5に示すように、ハーフカット装置36は、感光性ウエブ22の搬送方向(矢印A方向)に直交する幅方向(矢印B方向)に沿って移動可能な移動機構52を備える。
【0030】
移動機構52は、矢印B方向に延在するレール54を有するリニアモータを構成しており、前記移動機構52には、それぞれ高さ調整可能な第1カッタ機構56及び第2カッタ機構58が装着される。なお、移動機構52は、リニアモータの他、ラック・ピニオンを使用した自走式構造等、種々の構造が採用可能である。
【0031】
第1カッタ機構56は、第1基台60を設けるとともに、この第1基台60には、回転軸62がベアリング64を介して回転自在に支持される(図5参照)。回転軸62の先端には、回転刃、例えば、回転丸刃(カッタ)66が前記回転軸62と一体的に回転自在に固着される。回転丸刃66は、両刃又は片刃を構成する刃先66aを有しており、保護フイルム30の剥離方向後端部を構成する第1ハーフカット部位34aを形成する。回転軸62には、回転丸刃66によるハーフカット等に感光性ウエブ22を押圧保持するための押さえローラ67が軸着される。
【0032】
第2カッタ機構58は、第2基台68を備えるとともに、この第2基台68には、固定軸70が所定の角度ずつ位置調整可能に支持される。固定軸70の先端には、回転不能に固定されたカッタ、例えば、固定丸刃72が固着される。この固定丸刃72は、両刃又は片刃を構成する刃先72aを有する。固定軸70の先端側には、ベアリング74を介して押さえローラ76が回転自在に支持される。固定丸刃72は、保護フイルム30の剥離方向先端部を構成する第2ハーフカット部位34bを形成する。
【0033】
第2カッタ機構58では、固定丸刃72による第2ハーフカット部位34bの形成時に、固定軸70を所定角度ずつ角度調整して前記固定丸刃72の刃先72aの位置を順次変更させるために、例えば、図示しないラチェット機構を採用してもよい。なお、このラチェット機構は、例えば、特許文献1に開示されているラチェット機構が採用可能である。
【0034】
図6に示すように、回転丸刃66及び固定丸刃72に対向する位置には、感光性ウエブ22を挟んでカット受台80が配設される。このカット受台80は、金属プレートで構成されて矢印B方向に延在する。カット受台80の上面には、回転丸刃66及び固定丸刃72の矢印B方向への移動範囲にわたって凹部81a、81bが形成され、この凹部81a、81bに樹脂製受部82a、82bが収容される。
【0035】
図2に示すように、第1ハーフカット部位34a及び第2ハーフカット部位34bは、少なくとも保護フイルム30を切断する必要があり、実際上、この保護フイルム30を確実に切断するために感光性樹脂層29乃至中間層28まで切り込むように、回転丸刃66及び固定丸刃72の切り込み深さが設定される。
【0036】
第1ハーフカット部位34aと第2ハーフカット部位34bとの距離は、隣り合うガラス基板24同士の間隔を設定するものであり、例えば、両側の前記ガラス基板24にそれぞれ10mmずつ入り込んだ位置に設定される。ガラス基板24間の第1ハーフカット部位34aと第2ハーフカット部位34bとで挟まれた部分は、後述する貼り付け機構46において感光性樹脂層29を前記ガラス基板24に額縁状に貼り付ける際のマスクとして機能するものである。
【0037】
ラベル接着機構40は、ガラス基板24間に対応して保護フイルム30の残存部分30bを残すため、剥離側前方の剥離部分30aaと剥離側後方の剥離部分30abとを連結する接着ラベル38を供給する。図2に示すように、保護フイルム30は、残存部分30bを挟んで、先に剥離される部分を前方の剥離部分30aaとする一方、後に剥離される部分を後方の剥離部分30abとする。
【0038】
図3に示すように、接着ラベル38は、短冊状に構成されており、例えば、保護フイルム30と同一の樹脂材で形成される。接着ラベル38は、中央部に粘着剤が塗布されない非接着部(微粘着を含む)38aを有するとともに、この非接着部38aの両側、すなわち、前記接着ラベル38の長手方向両端部に、前方の剥離部分30aaに接着される第1接着部38bと、後方の剥離部分30abに接着される第2接着部38cとを有する。
【0039】
図1に示すように、ラベル接着機構40は、最大5枚の接着ラベル38を所定間隔ずつ離間して貼り付け可能な吸着パッド84a〜84eを備えるとともに、前記吸着パッド84a〜84eによる前記接着ラベル38の貼り付け位置には、感光性ウエブ22を下方から保持するための受台86が昇降自在に配置される。
【0040】
リザーバ機構42は、上流側の感光性ウエブ22のタクト搬送と、下流側の前記感光性ウエブ22の連続搬送との速度差を吸収するが、さらにテンション変動を防ぐために、揺動自在な2連のローラ90で構成されるダンサー91を備える。なお、ローラ90は、リザーブ量に応じて1連又は3連以上であってもよい。
【0041】
このリザーバ機構42の下流に配置される剥離機構44は、感光性ウエブ22の送り出し側のテンション変動を低減し、ラミネート時のテンションを安定化させるためのサクションドラム92を備える。サクションドラム92の近傍には、剥離ローラ93が配置されるとともに、この剥離ローラ93を介して感光性ウエブ22から鋭角の剥離角で剥離される保護フイルム30は、残存部分30bを除いて保護フイルム巻き取り部94に巻き取られる。
【0042】
剥離機構44の下流側には、感光性ウエブ22にテンションを付与可能なテンション制御機構96が配設される。テンション制御機構96は、シリンダ98を備え、このシリンダ98の駆動作用下に、テンションダンサー100が揺動変位することにより、このテンションダンサー100が摺接する感光性ウエブ22のテンションが調整可能である。なお、テンション制御機構96は、必要に応じて使用すればよく、削除することもできる。
【0043】
検出機構47は、レーザセンサやフォトセンサ等の光電センサ102を備えており、前記光電センサ102は、第1ハーフカット部位34aの楔状の溝形状部や、保護フイルム30の厚さによる段差、あるいは、これらの組み合わせによる変化を直接検出し、この検出信号を境界位置信号とする。光電センサ102は、バックアップローラ103に対向して配置される。なお、光電センサ102に代えて、非接触変位計やCCDカメラ等の画像検査手段等を用いてもよい。
【0044】
検出機構47により検出される第1ハーフカット部位34aの位置データは、リアルタイムで統計処理及びグラフ化が可能であり、ばらつき異常や偏りの発生時に警報を出すことができる。
【0045】
また、第1ハーフカット部位34aを直接検出するのではなく、この第1ハーフカット部位34aに対応してハーフカット装置36の近傍で孔部や切り欠きを形成したり、レーザ加工やアクアジェット加工による孔開けや切り込みを設けたり、インクジェットやプリンタ等によるマーキングを設けたりしてマーク部を形成し、このマーク部を検出して境界位置信号としてもよい。
【0046】
加熱機構45は、被処理物であるガラス基板24を矢印C方向に搬送するための搬送機構104を備え、この搬送機構104は、矢印C方向に配列される複数の樹脂製円板状搬送ローラ106を有する。搬送機構104の矢印C方向上流側には、ガラス基板24を受け取る受け取り部108が設けられる。受け取り部108の下流側には、複数の加熱炉110が配列される。
【0047】
加熱機構45では、ガラス基板24の温度を常時監視し、異常時には、搬送ローラ106の停止や警報を発生するとともに、異常情報を発信して異常なガラス基板24を後工程でNG排出、品質管理又は生産管理等に活用することができる。また、搬送機構104では、図示しないエア浮上プレートが配設され、ガラス基板24が浮上されて矢印C方向に搬送される構成を採用してもよい。
【0048】
加熱機構45の上流には、複数のガラス基板24が収容される基板ストッカー120が設けられる。基板ストッカー120には、投入及び取り出し口以外の3方の側面に、除塵用ファンユニット(又はダクトユニット)122が付設される。ファンユニット122は、基板ストッカー120内に除電クリーンエアの吹き出しを行う。基板ストッカー120に収容されている各ガラス基板24は、ロボット124のハンド部124aに設けられた吸着パッド126に吸着されて取り出され、受け取り部108に搬入される。
【0049】
貼り付け機構46は、上下に配設されるとともに、所定温度に加熱されるラミネート用ゴムローラ130a、130bを備える。ゴムローラ130a、130bには、バックアップローラ132a、132bが摺接するとともに、前記バックアップローラ132bは、ローラクランプ部134を介してゴムローラ130b側に押圧される。
【0050】
ゴムローラ130aの近傍には、感光性ウエブ22が前記ゴムローラ130aに接触することを防止するための接触防止ローラ136が移動可能に配設される。貼り付け機構46の上流近傍には、感光性ウエブ22を予め所定温度に予備加熱するための予備加熱部137が配設される。この予備加熱部137は、例えば、赤外線バーヒータ等の加熱手段を備える。
【0051】
貼り付け機構46と基板間ウエブ切断機構48との間には、フイルム搬送ローラ138aと基板搬送ローラ138bとが配設される。基板間ウエブ切断機構48の下流側には、冷却機構140が配置されるとともに、この冷却機構140の下流側には、ベース剥離機構142が配置される。冷却機構140は、基板間ウエブ切断機構48を介して基板24a間の感光性ウエブ22が切断された後、この基板24aに冷風を供給して冷却処理を施す。具体的には、冷風温度が10℃で、風量が1.0〜2.0m/minに設定される。なお、冷却機構140を使用することがなく、後述する感光性積層体ストッカー156で自然冷却してもよい。
【0052】
冷却機構140の下流に配置されるベース剥離機構142は、基板24aを下方から吸着する複数の吸着パッド144を備え、この吸着パッド144に前記基板24aが吸着保持された状態で、ロボットハンド146を介してベースフイルム26及び残存部分30bを剥離する。吸着パッド144の上流、下流及び両側方には、基板24aのラミネート部分全体に4方向の側面から除電クリーンエアを噴射する除電ブロー(図示せず)が配設されている。なお、剥離は、除塵のためテーブルを垂直にして、あるいは傾斜させて、又は裏返にして行ってもよい。
【0053】
ベース剥離機構142の下流には、複数の積層体基板150が収容される感光性積層体ストッカー156が設けられる。ベース剥離機構142で基板24aからベースフイルム26及び残存部分30bが剥離された積層体基板150は、ロボット152のハンド部152aに設けられた吸着パッド154に吸着されて取り出され、感光性積層体ストッカー156に収容される。
【0054】
感光性積層体ストッカー156には、投入及び取り出し口以外の3方の側面に、ファンユニット(又はダクトユニット)122が付設される。ファンユニット122は、感光性積層体ストッカー156内に除電クリーンエアの吹き出しを行う。
【0055】
製造装置20では、ウエブ送り出し機構32、ハーフカット装置36、ラベル接着機構40、リザーバ機構42、剥離機構44、テンション制御機構96及び検出機構47が、貼り付け機構46の上方に配置されているが、これとは逆に、前記ウエブ送り出し機構32から前記検出機構47を前記貼り付け機構46の下方に配置し、感光性ウエブ22の上下が逆になって感光性樹脂層29がガラス基板24の下側に貼り付けされてもよく、また、前記製造装置20全体を直線上に構成してもよい。
【0056】
製造装置20は、ラミネート工程制御部160を介して全体制御されており、この製造装置20の各機能部毎に、例えば、ラミネート制御部162、基板加熱制御部164及びベース剥離制御部166等が設けられ、これらが工程内ネットワークにより繋がっている。
【0057】
ラミネート工程制御部160は、工場ネットワークに繋がっており、図示しない工場CPUからの指示情報(条件設定や生産情報)の生産管理や稼動管理等、生産のための情報処理を行う。
【0058】
ラミネート制御部162は、工程全体のマスターとして各機能部の制御を行うものであり、検出機構47により検出された感光性ウエブ22のハーフカット部位34の位置情報に基づいて、例えば、加熱機構45を制御する制御機構を構成している。
【0059】
ベース剥離制御部166は、貼り付け機構46から供給される基板24aからベースフイルム26を剥離し、さらに下流工程に積層体基板150を排出する動作の制御を行うとともに、前記基板24a及び前記積層体基板150の情報をハンドリング制御する。
【0060】
製造装置20内は、仕切り壁170を介して第1クリーンルーム172aと第2クリーンルーム172bとに仕切られる。第1クリーンルーム172aには、ウエブ送り出し機構32からテンション制御機構96までが収容されるとともに、第2クリーンルーム172bには、検出機構47以降が収容される。第1クリーンルーム172aと第2クリーンルーム172bとは、貫通部174を介して連通する。
【0061】
このように構成される製造装置20の動作について、第1の実施形態に係るハーフカット方法との関連で以下に説明する。
【0062】
先ず、図1に示すように、ウエブ送り出し機構32に取り付けられている感光性ウエブロール22aから感光性ウエブ22が繰り出され、この感光性ウエブ22は、ハーフカット装置36に送られる。
【0063】
ハーフカット装置36では、図4〜図6に示すように、感光性ウエブ22が矢印A方向に送られながら、移動機構52がこの感光性ウエブ22に同期して矢印B方向に移動し、前記感光性ウエブ22にハーフカット加工が行われる。なお、ハーフカット加工は、感光性ウエブ22を停止した状態で行ってもよい。
【0064】
具体的には、移動機構52には、第1カッタ機構56及び第2カッタ機構58が装着されており、前記第1カッタ機構56の回転丸刃66と前記第2カッタ機構58の固定丸刃72とは、一体に矢印B方向に移動する。
【0065】
その際、回転丸刃66は、感光性ウエブ22の第1ハーフカット部位34aに刃先66aを所望の深さまで切り込んだ状態で、矢印B方向に移動しながら回転する(連れ回り)。このため、感光性ウエブ22には、保護フイルム30から所望の深さに切り込んだ第1ハーフカット部位34aが形成される(図2参照)。
【0066】
一方、固定丸刃72は、感光性ウエブ22の第2ハーフカット部位34bに所望の深さまで切り込んだ状態で、回転不能に固定されたまま矢印B方向に移動する。従って、感光性ウエブ22には、保護フイルム30から所望の深さに切り込み、且つ第1ハーフカット部位34aから所定の距離だけ離間して第2ハーフカット部位34bが形成される(図2参照)。
【0067】
この場合、第1の実施形態では、回転可能な回転丸刃66により第1ハーフカット部位34aが形成されるため、この第1ハーフカット部位34aには、カット屑が発生することを有効に阻止することができる。
【0068】
その際、図7に示すように、第1ハーフカット部位34aには、感光性樹脂層29の剥れが発生し易い。ところが、第1ハーフカット部位34aは、保護フイルム30の剥離方向後端部を構成しており、後述するように、この保護フイルム30が剥離される際、感光性樹脂層29の不要な剥れが惹起されることはない。
【0069】
また、第1ハーフカット部位34aの剥れ部分は、保護フイルム30の残存部分30bの先端側に存在しており、この残存部分30bは、転写部として使用されずに、後に廃棄される部分である。従って、第1ハーフカット部位34aを回転丸刃66により形成することによって、カッタ屑が有効に削減されるとともに、画質低下を阻止することが可能になる。
【0070】
一方、第2ハーフカット部位34bは、固定丸刃72により形成されている。このため、第2ハーフカット部位34bに感光性樹脂層29の剥れが発生することを阻止することができる。この第2ハーフカット部位34bは、保護フイルム30の剥離方向先端部を構成しており、感光性樹脂層29の剥離が良好に阻止されるため、前記保護フイルム30のみを確実且つ円滑に剥離することが可能になる。
【0071】
これにより、簡単な工程及び構成で、感光性ウエブ22を高品質にハーフカットするとともに、カット屑の発生を可及的に阻止することができるという効果が得られる。特に、回転丸刃66では、カット屑の付着が防止されるため、清浄作業等の作業効率の向上が容易に図られる。
【0072】
そこで、第1ハーフカット部位34a及び第2ハーフカット部位34bを固定丸刃で形成する従来例と、前記第1ハーフカット部位34aを回転丸刃66で形成し、第2ハーフカット部位を固定丸刃72で形成する本願発明とによる加工状態を比較したところ、図8に示す結果が得られた。
【0073】
すなわち、従来例では、第1ハーフカット部位34a及び第2ハーフカット部位34bにそれぞれ固定丸刃を使用するため、カット屑の発生が著しくなった。このため、各固定丸刃に付着するカット屑の除去処理が煩雑化するとともに、カット品質が低下するという問題があった。
【0074】
これに対して、本願発明では、カット屑の発生が良好に削減されるとともに、転写部における感光性樹脂層29の剥れが良好に阻止されるという効果が得られた。
【0075】
ところで、上記のように、ハーフカット加工された感光性ウエブ22は、図1に示すように、ラベル接着機構40に搬送されて、保護フイルム30の所定の貼り付け部位が受台86上に配置される。ラベル接着機構40では、所定枚数の接着ラベル38が吸着パッド84b〜84eにより吸着保持され、各接着ラベル38が保護フイルム30の残存部分30bを跨いで、前方の剥離部分30aaと後方の剥離部分30abとに一体的に接着される(図3参照)。
【0076】
例えば、5本の接着ラベル38が接着された感光性ウエブ22は、図1に示すように、リザーバ機構42を介して送り出し側のテンション変動を防いだ後、剥離機構44に連続的に搬送される。剥離機構44では、感光性ウエブ22のベースフイルム26がサクションドラム92に吸着保持されるとともに、保護フイルム30が残存部分30bを残して前記感光性ウエブ22から剥離される。この保護フイルム30は、剥離ローラ93を介して鋭角の剥離角で剥離されて保護フイルム巻き取り部94に巻き取られる。なお、剥離部位には、除電エアを吹き付けることが好ましい。
【0077】
その際、感光性ウエブ22は、サクションドラム92により強固に保持されており、この感光性ウエブ22から保護フイルム30を剥離する時の衝撃が下流の前記感光性ウエブ22に作用することがない。これにより、貼り付け機構46に剥離の衝撃が伝わることがなく、ガラス基板24のラミネート部分にスジ状の不良個所等が発生することを良好に阻止することができる。
【0078】
剥離機構44の作用下に、保護フイルム30が残存部分30bを残してベースフイルム26から剥離された後、感光性ウエブ22は、テンション制御機構96によってテンション調整が行われ、さらに検出機構47で光電センサ102によりハーフカット部位34の検出が行われる。
【0079】
感光性ウエブ22は、ハーフカット部位34の検出情報に基づいて、フイルム搬送ローラ138aの回転作用下に、貼り付け機構46に定量搬送される。その際、接触防止ローラ136が上方に待機するとともに、ゴムローラ130bが下方に配置されている。
【0080】
一方、加熱機構45では、貼り付け機構46におけるラミネート温度に対応して各加熱炉110内の加熱温度が設定されている。そこで、ロボット124は、基板ストッカー120に収容されているガラス基板24を把持し、このガラス基板24を受け取り部108に搬入する。ガラス基板24は、搬送機構104を構成する搬送ローラ106の回転作用下に、受け取り部108から各加熱炉110に、順次、タクト搬送される。
【0081】
矢印C方向後段に配置されている加熱炉110では、ガラス基板24が所定の停止位置に正確に停止されるとともに、このガラス基板24は、感光性ウエブ22の感光性樹脂層29の貼り付け部分に対応してゴムローラ130a、130b間に一旦配置される。
【0082】
この状態で、ローラクランプ部134を介してバックアップローラ132b及びゴムローラ130bを上昇させることにより、ゴムローラ130a、130b間にガラス基板24が所定のプレス圧力で挟み込まれる。さらに、ゴムローラ130aの回転作用下に、このガラス基板24には、感光性樹脂層29が加熱溶融により転写(ラミネート)される。
【0083】
ここで、ラミネート条件としては、速度が1.0m/min〜10.0m/min、ゴムローラ130a、130bの温度が100℃〜140℃、前記ゴムローラ130a、130bのゴム硬度が40度〜90度、該ゴムローラ130a、130bのプレス圧(線圧)が50N/cm〜400N/cmである。
【0084】
ガラス基板24に感光性ウエブ22が貼り付けられた基板24aは、矢印C方向に定量搬送され、冷却機構140を通って冷却された後、ベース剥離機構142に移送される。このベース剥離機構142では、吸着パッド144に基板24aが吸着保持された状態で、ロボットハンド146を介してベースフイルム26及び残存部分30bが剥離され、積層体基板150が得られる。
【0085】
その際、吸着パッド144の上流、下流及び両側方には、基板24aのラミネート部分全体に4方向の側面から除電クリーンエアが噴射されている。なお、積層体基板150は、ロボット152のハンド部152aに保持されて感光性積層体ストッカー156に所定の数だけ収容される。
【0086】
図9は、本発明の第2の実施形態に係るハーフカット装置180の概略構成説明図である。なお、第1の実施形態に係るハーフカット装置36と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
【0087】
ハーフカット装置180は、第1カッタ機構56を装着し、感光性ウエブ22の幅方向(矢印B方向)に沿って移動可能な第1移動機構182と、第2カッタ機構58を装着し、前記幅方向に沿って移動可能な第2移動機構184とを備える。
【0088】
この第2の実施形態では、第1移動機構182と第2移動機構184とが個別に駆動制御されることにより、第1カッタ機構56を構成する回転丸刃66による第1ハーフカット部位34aの形成と、第2カッタ機構58を構成する固定丸刃72による第2ハーフカット部位34bの形成とが個別に行われる。従って、例えば、固定丸刃72により第2ハーフカット部位34bが形成された後、感光性ウエブ22を矢印A方向に搬送し、次いで、回転丸刃66により第1ハーフカット部位34aを形成することもできる。
【0089】
図10は、本発明の第3の実施形態に係るハーフカット装置190の概略斜視説明図であり、図11は、前記ハーフカット装置190のラチェット側背面斜視説明図である。
【0090】
ハーフカット装置190は、感光性ウエブ22の幅方向に沿って移動可能な移動機構192を備え、この移動機構192には、カッタ機構194が装着される。カッタ機構194には、回転軸196が回転可能に支持されるとともに、前記回転軸196の一端部には、丸刃198が固着されるとともに、ベアリング200を介して押さえローラ202が一方向にのみ回転自在に設けられる。
【0091】
回転軸196の他端部には、図11に示すように、固定機構203が装着される。固定機構203は、回転軸196に軸着されるラチェットホイール204を備え、このラチェットホイール204には、ラチェット爪206が噛み合う。このラチェット爪206の端部は、支軸208を支点に揺動可能であり、前記ラチェット爪206には、アクチュエータ210の駆動軸212が連結される。
【0092】
アクチュエータ210は、例えば、エアシリンダや電磁ソレノイド等で構成される他、モータとカムとの組み合わせによっても構成することができる。また、固定機構203は、ラチェットホイール204とラチェット爪206とによる固定構造に代えて、回転軸196を電磁ブレーキやクラッチ等により固定ロックするようにしてもよい。
【0093】
この第3の実施形態では、アクチュエータ210の作用下に、駆動軸212を内方に変位させると、この駆動軸212に連結されたラチェット爪206は、支軸208を支点にラチェットホイール204から離間する方向に揺動する。このため、ラチェット爪206とラチェットホイール204との噛み合い状態が解除され、回転軸196がカッタ機構194に対して回転自在となって、丸刃198は、回転丸刃として機能する。
【0094】
従って、移動機構192の移動作用下に、丸刃198は、感光性ウエブ22の幅方向に沿って矢印B1方向に移動しながら回転し、前記感光性ウエブ22に第1ハーフカット部位34aを形成する。その際、押さえローラ202は、ベアリング200を介して回転軸196と一体に回転する。
【0095】
第1ハーフカット部位34aが形成された後、固定機構203を構成するアクチュエータ210が駆動される。従って、ラチェット爪206がラチェットホイール204側に揺動し、前記ラチェット爪206と前記ラチェットホイール204とが噛み合う。このため、回転軸196は、カッタ機構194に対し回転不能に支持され、丸刃198は、固定丸刃として機能する。
【0096】
そして、移動機構192が矢印B2方向に移動すると、丸刃198は、回転不能に固定された状態で、感光性ウエブ22の幅方向に沿って移動し、第2ハーフカット部位34bが形成される。その際、押さえローラ202は、ベアリング200を介して回転軸196に対し回転自在であり、感光性ウエブ22上を回転しながら、この感光性ウエブ22を押圧保持する。
【0097】
これにより、第3の実施形態では、カッタ機構194を構成する単一の丸刃198が、固定機構203の駆動作用下に、回転丸刃としての機能と、固定丸刃としての機能とを選択的に有することができる。従って、ハーフカット装置190全体の小型化が容易に遂行される他、上記の第1及び第2実施形態と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るハーフカット装置を組み込む製造装置の概略構成図である。
【図2】前記製造装置に使用される長尺状感光性ウエブの断面図である。
【図3】前記長尺状感光性ウエブに接着ラベルが接着された状態の説明図である。
【図4】前記ハーフカット装置の概略斜視説明図である。
【図5】前記ハーフカット装置の概略構成を示す平面図である。
【図6】前記ハーフカット装置の側面説明図である。
【図7】前記ハーフカット装置により形成される第1及び第2ハーフカット部位の説明図である。
【図8】従来例と第1の実施形態と加工状態の比較説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るハーフカット装置の概略斜視説明図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るハーフカット装置の概略斜視説明図である。
【図11】前記ハーフカット装置の背面側の概略斜視説明図である。
【図12】従来技術に係るフイルム切断装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0099】
20…製造装置 22…感光性ウエブ
22a…感光性ウエブロール 24…ガラス基板
26…ベースフイルム 27…クッション層
29…感光性樹脂層 30…保護フイルム
32…ウエブ送り出し機構 34…ハーフカット部位
36、180、190…ハーフカット装置
40…ラベル接着機構 42…リザーバ機構
44…剥離機構 46…貼り付け機構
47…検出機構 48…基板間ウエブ切断機構
52、182、184、192…移動機構
56、58、194…カッタ機構 62、196…回転軸
66、72…回転丸刃 66a、72a…刃先
67、76、202…押さえローラ 70…固定軸
92…サクションドラム 96…テンション制御機構
104…搬送機構 130a、130b…ゴムローラ
140…冷却機構 142…ベース剥離機構
160…ラミネート工程制御部 162…ラミネート制御部
164…基板加熱制御部 166…ベース剥離制御部
198…丸刃 203…固定機構
204…ラチェットホイール 206…ラチェット爪
210…アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1樹脂層上に第2樹脂層が積層された積層体フイルムを、前記第2樹脂層側から積層方向の一部を残してハーフカットする積層体フイルムのハーフカット方法であって、
回転自在なカッタを前記積層体フイルムの幅方向に沿って相対的に移動させることにより、前記第2樹脂層の剥離方向後端部を構成する第1ハーフカット部位を形成する工程と、
固定されたカッタを前記積層体フイルムの幅方向に沿って相対的に移動させることにより、前記第2樹脂層の剥離方向先端部を構成する第2ハーフカット部位を形成する工程と、
を有することを特徴とする積層体フイルムのハーフカット方法。
【請求項2】
少なくとも第1樹脂層上に第2樹脂層が積層された積層体フイルムを、前記第2樹脂層側から積層方向の一部を残してハーフカットする積層体フイルムのハーフカット装置であって、
前記積層体フイルムの幅方向に沿って相対的に移動することにより、前記第2樹脂層の剥離方向後端部を構成する第1ハーフカット部位を形成する回転自在なカッタと、
前記積層体フイルムの幅方向に沿って相対的に移動することにより、前記第2樹脂層の剥離方向先端部を構成する第2ハーフカット部位を形成する回転不能に固定されたカッタと、
を備えることを特徴とする積層体フイルムのハーフカット装置。
【請求項3】
請求項2記載のハーフカット装置において、前記積層体フイルムの幅方向に沿って移動可能な移動機構を備え、
前記移動機構には、前記回転自在なカッタと前記回転不能に固定されたカッタとが、ハーフカット間隔に対応して一体に装着されることを特徴とする積層体フイルムのハーフカット装置。
【請求項4】
請求項2記載のハーフカット装置において、前記回転自在なカッタを装着し前記積層体フイルムの幅方向に沿って移動可能な第1移動機構と、
前記回転不能に固定されたカッタを装着し前記積層体フイルムの幅方向に沿って移動可能な第2移動機構と、
を備えることを特徴とする積層体フイルムのハーフカット装置。
【請求項5】
請求項2記載のハーフカット装置において、前記積層体フイルムの幅方向に沿って移動可能な移動機構を備え、
前記移動機構には、前記回転自在なカッタと前記回転不能に固定されたカッタとに選択的に機能する固定機構付きカッタが装着されることを特徴とする積層体フイルムのハーフカット装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載のハーフカット装置において、前記積層体フイルムは、前記第1樹脂層が感光性樹脂層である感光性積層体フイルムであることを特徴とする積層体フイルムのハーフカット装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−260865(P2007−260865A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91148(P2006−91148)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】