空気弁
【課題】雨水等の外部からの侵入に対する阻止能力を増大させた簡便な構造の空気弁を提供する。
【解決手段】この空気弁1は、上方端部に通気口2a、下方端部に通水口2b、通気口2aの下方内部に中空部2c、その下方に導水部2dを有する弁箱2と、大空気孔3aを有して弁箱2の通気口2aに装着される内蓋体3と、大空気孔3aの上方を覆うように設けられる外蓋体4と、中空部2cに配される弁体案内5と、フロート弁体6と、上下方向に貫通する小空気孔7aを有し、上端面が内蓋体3の大空気孔3aを塞ぎ得る遊動弁体7と、を備え、内蓋体3と外蓋体4の間に装着されて大空気孔3aを塞ぎ得て、大空気孔3aを塞いだ状態で小空気孔7aに連通する内空部8aと、その壁80aを貫通する第2小空気孔8bと、を有し、壁80aの外面に所定の弾性力でもって密接して第2小空気孔8bを塞ぎ得るリング状の弾性体81が設けられている栓体8を更に備えてなる。
【解決手段】この空気弁1は、上方端部に通気口2a、下方端部に通水口2b、通気口2aの下方内部に中空部2c、その下方に導水部2dを有する弁箱2と、大空気孔3aを有して弁箱2の通気口2aに装着される内蓋体3と、大空気孔3aの上方を覆うように設けられる外蓋体4と、中空部2cに配される弁体案内5と、フロート弁体6と、上下方向に貫通する小空気孔7aを有し、上端面が内蓋体3の大空気孔3aを塞ぎ得る遊動弁体7と、を備え、内蓋体3と外蓋体4の間に装着されて大空気孔3aを塞ぎ得て、大空気孔3aを塞いだ状態で小空気孔7aに連通する内空部8aと、その壁80aを貫通する第2小空気孔8bと、を有し、壁80aの外面に所定の弾性力でもって密接して第2小空気孔8bを塞ぎ得るリング状の弾性体81が設けられている栓体8を更に備えてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道管の内部に溜まった空気を管外へ排出する空気弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、水道管の内部に空気が溜まることによる弊害を防止するために、水道管内部の空気を外部に排出する空気弁がいろいろな場所で広く用いられている。空気弁は、水道管の設置、水道管の調査、及び水道管の工事などの後に水道管の中の多量の空気を排出(排気)する多量排気(急速排気)の機能と、水道水が通常の圧力で水道管を流れている状態で様々な原因で水道管に混入した空気を少量ずつ排出する少量排気の機能と、を有するものが一般的に用いられている。
【0003】
図14に示す空気弁101は、従来の構造を示すものであり、本願発明者が発明者である特許文献1で開示された一つと略同様の構造のものである。空気弁101は、基本構造として、上方端部に通気口102a、下方端部に通水口102bを有し、通気口102aの下方内部に中空部102c、その下方に導水部102dを有する弁箱102と、大空気孔103aを有して弁箱102の通気口102aに装着される内蓋体103と、大空気孔103aの上方を覆うように設けられる外蓋体(レバーカバー)104と、弁箱102の中空部102cに配される弁体案内105と、弁体案内105の内方に配されるフロート弁体106と、弁体案内105の内方であってフロート弁体106の上方に配され、上下方向に貫通する小空気孔107aを有し、上端面が内蓋体103の大空気孔103aを塞ぎ得る遊動弁体107と、を備えるものである。フロート弁体106と遊動弁体107とは、水よりも比重が小さいものであり、遊動弁体107は、フロート弁体106よりも軽量である。
【0004】
この弁箱102は、通常は、空気弁101と水道管の間に、中空部102cへの水の浸入を制御するコックの部分を有する別体の補修弁100が連接されて用いられる。また、弁体案内105には、底部や側部の適宜位置に空気や水の流通が可能な窓孔105aが形成されている。
【0005】
この空気弁101の動作は、以下の通りである。水道管から補修弁100を介して弁箱102の中空部102cへ水が浸入する前、すなわち多量排気が行われる前は、図14(b)に示すように、遊動弁体107及びフロート弁体106は弁体案内105の底部の上に重なった状態にある。補修弁100のコックが開かれ、水道管から補修弁100を介して弁箱102の中空部102cへ水が浸入してくると、弁箱102の中空部102cの空気は、弁体案内105の窓孔105aを経由しながら水圧に押されて大空気孔103aから急速に排出(多量排気)される。同時に、遊動弁体107及びフロート弁体106は、弁体案内105の内側面にガイドされながら水位の上昇に従って浮き上がる。これにより、遊動弁体107が内蓋体103に密接して大空気孔103aを塞ぐ。
【0006】
このようにして多量排気が終わった後は、少量排気が行われる。遊動弁体107とフロート弁体106の間には、比較的少量の空気が溜まっており、この空気溜まりAにより、喫水線(空気と水の境界)とともに、図15(a)に示すように、フロート弁体106が押し下げられ、他方、遊動弁体107は押し上げられたままの状態となる。そうすると、空気は小空気孔107aを経て、弁箱102の外方へ放出(少量排気)される。そして、空気溜まりAの空気が少なくなると、図15(b)に示すように、フロート弁体106が上昇して遊動弁体107に密接してその小空気孔107aを塞ぎ、弁箱102の中空部102cは密封状態となる。その後、水道管から補修弁100を介して弁箱102の中空部102cへ空気が水に混じって浸入し空気溜まりAの空気が再度多くなると、再度少量排気が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−121678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、空気弁は屋外のいろいろな場所に設置されているが、その使用状況や使用環境によっては雨水等が外部から浸入するのを阻止する対策が必要となる。その対策としては、空気弁101の外蓋体104のように、大空気孔103aや小空気孔107aを覆うようにして、それらから外部につながる空気の経路は、屈曲して外部には下向きに開口するようにしている。
【0009】
しかし、空気弁101が設置される場所によっては、雨水等の量が多くなったり圧力が高くなったりして、雨水等が外部から浸入し易い状況になる可能性もあり、外蓋体104だけでは、大空気孔103aや小空気孔107aへの雨水等の浸入を十分に阻止することが困難な場合も有り得る。この場合、その状況に極力対応できるよう、雨水等の外部からの浸入に対する阻止能力を増大させた構造とするのが好ましい。
【0010】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、雨水等の外部からの侵入に対する阻止能力を増大させた簡便な構造の空気弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の空気弁は、上方端部に通気口、下方端部に通水口を有し、通気口の下方内部に中空部、その下方に導水部を有する弁箱と、大空気孔を有して前記弁箱の通気口に装着される内蓋体と、前記弁箱の中空部に配される弁体案内と、前記弁体案内の内方に配されるフロート弁体と、前記弁体案内の内方であって前記フロート弁体の上方に配され、上下方向に貫通する小空気孔を有し、上端面が前記内蓋体の大空気孔を塞ぎ得る遊動弁体と、を備える空気弁において、前記大空気孔を塞ぎ得るものであって、前記大空気孔を塞いだ状態で前記小空気孔に連通する内空部と、該内空部を形成する壁を貫通する第2小空気孔と、を有し、前記壁の外面に所定の弾性力でもって密接して第2小空気孔を塞ぎ得る弾性体が設けられている栓体を更に備えてなることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の空気弁は、請求項1に記載の空気弁において、前記大空気孔の上方を覆うように設けられる外蓋体を更に備え、前記栓体は、前記内蓋体と前記外蓋体との間に装着されることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の空気弁は、請求項1に記載の空気弁において、前記栓体は、固定具によって前記内蓋体に装着されることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の空気弁は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気弁において、第2小空気孔の断面積は、前記小空気孔における直径が最小の部分の断面積よりも大きいことを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の空気弁は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気弁において、第2小空気孔は1個だけ形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る空気弁によれば、少量排気時に、栓体が大空気孔を塞ぎ、栓体において弾性体が第2小空気孔に密接して塞ぐため、適正に少量排気の動作を行うことができるとともに、簡便に雨水等の外部からの浸入に対する阻止能力を非常に高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る空気弁の(a)正面図、(b)断面図である。
【図2】同上の空気弁の少量排気時の二つの状態を示す断面図である。
【図3】同上の空気弁の内蓋体の装着操作を説明する平面図である。
【図4】同上の空気弁の少量排気時の栓体を装着した後の二つの状態を示す断面図である。
【図5】同上の空気弁の少量排気時の栓体を装着した後の一つの状態を示す断面拡大部分図である。
【図6】同上の空気弁の少量排気時の栓体を装着した後のもう一つの状態を示す断面拡大部分図である。
【図7】同上の空気弁の栓体を拡大して示すものであって、(a)が平面図、(b)が側面図、(c)が底面図である。
【図8】同上の別の空気弁の(a)正面図、(b)断面図である。
【図9】同上の別の空気弁の少量排気時の二つの状態を示す断面図である。
【図10】同上の別の空気弁の少量排気時の栓体を装着した後の二つの状態を示す断面図である。
【図11】同上の別の空気弁の少量排気時の栓体を装着した後の一つの状態を示す断面拡大部分図である。
【図12】同上の別の空気弁の少量排気時の他の形状の栓体を装着した後の一つの状態を示す断面拡大部分図である。
【図13】同上の空気弁の別の装着方法を用いる栓体で装着した後の一つの状態を示す断面拡大部分図である。
【図14】従来の空気弁の(a)正面図、(b)断面図である。
【図15】従来の空気弁の少量排気時の二つの状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための好ましい形態を説明する。本発明の実施形態に係る空気弁1は、上記の空気弁101の構造に栓体8を追加した構造である。
【0019】
この空気弁1は、基本構造として、図1及び図2に示すように、上方端部に通気口2a、下方端部に通水口2bを有し、通気口2aの下方内部に中空部2c、その下方に導水部2dを有する弁箱2と、大空気孔3aを有して弁箱2の通気口2aに装着される内蓋体3と、大空気孔3aの上方を覆うように設けられる外蓋体(レバーカバー)4と、弁箱2の中空部2cに配される弁体案内5と、弁体案内5の内方に配されるフロート弁体6と、弁体案内5の内方であってフロート弁体6の上方に配され、上下方向に貫通する小空気孔7aを有し、上端面が内蓋体3の大空気孔3aを塞ぎ得る遊動弁体7と、を備えるものである。フロート弁体6と遊動弁体7とは、水よりも比重が小さいものであり、遊動弁体7は、フロート弁体6よりも軽量である。
【0020】
空気弁1のより具体的な構造は、以下の通りである。弁箱2は、その外側面の周方向に2個のレバー21、21を有している。レバー21は、それに触れて操作するところのレバー操作部21aの部分と、内蓋体3の後述する係合溝3bに対し圧接し得る係合部21bの部分と、を有している。また、この弁箱2は、通常は、空気弁1と水道管の間に、中空部2cへの水の浸入を制御するコックの部分を有する別体の補修弁100が連接されて用いられる。
【0021】
内蓋体3は、中央部に前述した大空気孔3aを有する内蓋本体部3Aと、内蓋本体部3Aの上面の周縁部に設けられた2個の内蓋体操作部3B、3Bと、が一体的に形成されてなる(図3参照)。内蓋本体部3Aの外側面には、前述したレバー21の係合部21bが圧接し得る凹状の係合溝3bが環状に形成されている。内蓋体操作部3Bは、その端部である差し込み部分3Baが薄くなるように段差が形成されており、差し込み部分3Baは内蓋本体部3Aの外側面よりも外方に突出している(図3(a)参照)。
【0022】
内蓋体3の装着は、内蓋体操作部3B、3Bを把持し、その差し込み部分3Ba、3Baが弁箱2の凹み部2e、2eに位置するようにして、内蓋本体部3Aを弁箱2の通気口2aに嵌め込む(図1など参照)。そして、内蓋体3を回転(図3では時計回りに回転)させ、内蓋体操作部3B、3Bの差し込み部分3Ba、3Baを弁箱2の凹み部2e、2eから周方向に形成した溝に差し込む(図3(b)参照)。それから、レバー21、21を倒して、その係合部21b、21bが係合溝3bを両側から圧接するようにする。
【0023】
外蓋体4は、頂部を有した円筒状であり、取手付き螺子41によって横方向から、ボルト42によって上側から弁箱2に取り付けられる。
【0024】
弁体案内5は、有底円筒状であって、空気や水の流通が可能な窓孔5aを有している。窓孔5aは、底部や側部の適宜位置に設けられている。
【0025】
フロート弁体6は、略円柱状であり、また、その上下方向の長さが横方向の長さ(直径)よりも長い、すなわち長尺である。また、その上端部6aは円錐台状に先細りになっており、その先端である上端面6aaは略平坦である。上端面6aaは、平坦度が高いほどそれだけ弁座71に密接し易くなるが、その一方で弁座71と固着状態となって密接した状態から離れ難くなる場合もあり得るので、若干の曲率を有するようにしてもよい。
【0026】
遊動弁体7は、大略円板状であり、下面に凹部7bが形成されている。その凹部7bの中央には、フロート弁体6に密接可能なようにわずかに下方に突出して表面が略平坦であり、弾性を有する弁座71を有しており、前述した小空気孔7aが弁座71の中心に上下に貫通して形成されている。凹部7bは、フロート弁体6が弁座71に接触できるように、フロート弁体6の上端部6aが余裕を持って入り込み得る大きさになっている。また、遊動弁体7の外周面から凹部7bに空気が通過できるように横方向に貫通孔7cが形成されている。また、遊動弁体7は、その上端面の中央部に凸部7dが形成されており、この凸部7dは、内蓋体3の大空気孔3aに入り得るように、それより小さくなっている。また、遊動弁体7は、その上端面の周辺部に、内蓋体3に良好に密接できるように0リング72が設けられている。
【0027】
栓体8は、空気弁1が少量排気の状態のときに、図4〜図6に示すように、内蓋体3と外蓋体4の間に装着して用いられる。つまり、当初に多量排気を行った後に、外蓋体4を取り外して大空気孔3aを塞ぐように栓体8を載置し、再び外蓋体4を取り付けることにより栓体8の装着を行う。そのとき、栓体8は、内蓋体3及び外蓋体4の両方に押さえ付けられることによって、それら両方に隙間なく密接し、上下に移動しないように固定される。よって、内蓋体3と栓体8との接触部は、空気が漏れない状態となる。
【0028】
栓体8は、図7に示すように、略円柱状の基部80の中に、下方が開口した内空部8aが形成されている。栓体8が内蓋体3と密接したときには、大空気孔3aを塞ぎ、かつ、内空部8aが遊動弁体7の小空気孔7aに連通する。また、基部80の一部分は内空部8aを形成する壁80aであり、内空部8aから壁80aの外面に貫通する第2小空気孔8bが形成されている。従って、栓体8が内蓋体3に密接すると、内空部8aは、第2小空気孔8bと小空気孔7a以外に、空気の通路はない。なお、内空部8aは、上下に貫通するものであってもよいが、その場合は、栓体8と外蓋体4との間は空気が漏れない状態にする必要がある。
【0029】
内空部8aを形成する壁80aの外面には、所定の弾性力でもって密接して第2小空気孔8bを塞ぎ得るリング状の弾性体81が設けられている。この弾性体81の直径は、第2小空気孔8bの直径よりも大きいものである。弾性体81は、壁80aの外面によって拡げられて、常にテンションがかかった状態(張った状態)になっており、それにより所定の弾性力でもって密接している。より詳細には、壁80aの外面における第2小空気孔8bの開口部の位置にリング状の凹部が形成されており、それに弾性体81が嵌り込んでいる。
【0030】
なお、栓体8は、内蓋体3と外蓋体4の間に装着され易いように、適度に柔軟性を有するABS樹脂などの合成樹脂製のものが好適に用いられ、また、内蓋体3との間が良好に空気が漏れない状態になるように、図7等に示すように、ゴム製等のパッキン(Oリング)82が用いられるのが好ましい。
【0031】
この空気弁1の動作は、以下の通りである。水道管から補修弁100を介して弁箱2の中空部2cへ水が浸入する前、すなわち多量排気が行われる前は、図1(b)に示すように、遊動弁体7及びフロート弁体6は弁体案内5の底部の上に重なった状態である。栓体8は、別のところに保管されている。補修弁100のコックが開かれ、水道管から補修弁100を介して弁箱2の中空部2cへ水が浸入すると、弁箱2の中空部2cの空気は、弁体案内5の側部等の窓孔5aを経由しながら水圧に押されて大空気孔3aから急速に排気(多量排気)される。同時に、遊動弁体7及びフロート弁体6は水位の上昇に従って浮き上がる。これにより、遊動弁体7が内蓋体3に密接して大空気孔3aを塞ぐ(図2(a)等参照)。
【0032】
このようにして多量排気が終わった後は、少量排気が行われる。遊動弁体7とフロート弁体6の間には、比較的少量の空気が溜まっており、この空気溜まりAにより、喫水線とともに、図2(a)に示すように、フロート弁体6が押し下げられ、他方、遊動弁体7は押し上げられたままの状態となる。そうすると、空気は小空気孔7aを経て、弁箱2の外方へ放出(少量排気)される。そして、空気溜まりAの空気が少なくなると、図2(b)に示すように、フロート弁体6が上昇して遊動弁体7に密接してその小空気孔7aを塞ぎ、弁箱2の中空部2cは密封状態となる。その後、水道管から補修弁100を介して弁箱2の中空部2cへ空気が水に混じって浸入し空気溜まりAの空気が再度多くなると、再度少量排気が行われる。
【0033】
この少量排気時になった後は、適当なときに、栓体8を内蓋体3と外蓋体4の間に装着する。具体的には、補修弁100のコックを閉じ、取手付き螺子41とボルト42を弁箱2から外して外蓋体4を取り外し、それから、大空気孔3aを塞ぐように栓体8を載置し、再び外蓋体4を取り付けて補修弁100のコックを開くようにする。栓体8を装着した後の少量排気の動作は以下の通りである。水道管から補修弁100を介して弁箱2の中空部2cへ空気が水に混じって浸入し空気溜まりAの空気が多くなると、図4(a)及び図5に示すように、フロート弁体6が押し下げられ、他方、遊動弁体7は押し上げられたままとなる。そうすると、空気は小空気孔7aから栓体8の内空部8aに入る。
【0034】
栓体8の内空部8aには、遊動弁体7の小空気孔7aから排出された空気が溜まり、予め設定した圧力(設定圧力)よりも高くなると、第2小空気孔8bの外側に所定の弾性力でもって密接しているリング状の弾性体81を押し広げる。そうすると、弾性体81と壁80aの間に隙間ができて第2小空気孔8bから内空部8aの空気が流出し、弁箱2の外方へ排出される。なお、内空部8aの設定圧力は、弁箱2の中空部2cの圧力を考慮して決められる。
【0035】
そして、空気溜まりAの空気が少なくなると、図4(b)及び図6に示すように、フロート弁体6が上昇して遊動弁体7に密接してその小空気孔7aを塞ぎ、弁箱2の中空部2cは密封状態となる。それとともに、内空部8aの空気の圧力が設定圧力よりも低くなると、弾性体81は第2小空気孔8bを塞ぎ、内空部8aも完全に密封状態となる。その後、水道管から補修弁100を介して弁箱2の中空部2cへ空気が水に混じって浸入し空気溜まりAの空気が再度多くなると、再度少量排気が行われる。
【0036】
このように、栓体8が装着された空気弁1は、外部の圧力が弁箱2の中空部2cの圧力よりも低いときは、適正に少量排気の動作をすることができる。
【0037】
他方、雨水等の圧力が高くて外部からそれらが浸入しようとしたときは、面積が広い大空気孔3aは栓体8が塞いでおり、第2小空気孔8bはテンションがかかった状態で弾性体81が密接して塞いでいるので、雨水等の浸入が阻止される。よって、この空気弁1の阻止能力は、非常に高く、また、空気弁1が傾いていても弱まらない。
【0038】
このように、空気弁1は、簡便な構造で雨水等の外部からの浸入に対する阻止能力を増大させた構造となっている。
【0039】
第2小空気孔8bの断面積は、小空気孔7aにおける直径が最小である部分の断面積よりも大きくするのが好ましい。そうすると、少量排気時に、小空気孔7aから内空部8aに排出された空気は、第2小空気孔8bからスムーズに外部に向かって排出される。よって、少量排気時の動作、すなわち弁箱2の中空部2c上部に溜まった所定気圧の空気を中空部2c外に排出するという動作は、内空部8aによってほとんど妨げられないようにすることができ、内空部8aの存在による影響をほぼ無くすことができる。なお、第2小空気孔8bは、複数個形成することもできるが、その場合の断面積は、総断面積を指すことになる。
【0040】
好ましくは、第2小空気孔8bは1個だけ形成するようにする。そうすると、雨水等の浸入のルートが1つなのでその阻止能力が高くなるのは勿論、少量排気時に第2小空気孔8bから内空部8aの空気を排出するとき、弾性体81を押し広げる圧力が安定し易くなる。
【0041】
なお、空気弁1は、上記の空気弁101の構造に栓体8を追加した構造のものであるから、空気弁101の中で、雨水等が外部から浸入する可能性が高いものだけを空気弁1の形にすることも容易にできる。
【0042】
栓体8は、大きさや形状等を変形して、空気弁1以外にもさまざまな空気弁に適用できる。図8〜図11に示す空気弁1’は、上記の特許文献1で従来技術として説明したものと同様の典型的な構造に、栓体8を変形した栓体8’を追加した構造である。
【0043】
この空気弁1’は、基本構造として、上方端部に通気口2a’、下方端部に通水口2b’を有し、通気口2a’の下方内部に中空部2c’、その下方に導水部2d’を有する弁箱2’と、大空気孔3a’を有して弁箱2’の通気口2a’に装着される内蓋体3’と、大空気孔3a’の上方を覆うように設けられる外蓋体4’と、弁箱2’の中空部2c’に配される弁体案内5’と、弁体案内5’の内方に配されるフロート弁体6’と、弁体案内5’の内方であってフロート弁体6’の上方に配され、上下方向に貫通する小空気孔7a’を有し、上端面が内蓋体3’の大空気孔3a’を塞ぎ得る遊動弁体7’と、を備えるものである。フロート弁体6’と遊動弁体7’とは、水よりも比重が小さいものであり、また遊動弁体7’は、フロート弁体6’よりも軽量である。
【0044】
空気弁1’のより具体的な構造は、以下の通りである。弁箱2’は、導水部2d’の中間部に、中空部2c’への水の浸入を制御するコック24’を有している。内蓋体3’は、上側内蓋体3A’と下側内蓋体3B’が重ねられている。内蓋体3’は軸方向両側に雄ねじが形成された蓋体固定ボルト42’、42’、・・・によって一方の雄ねじが弁箱2’に螺着固定され、外蓋体4’は蓋体固定ボルト42’、42’、・・・の他方の雄ねじとナット43’、43’、・・・によって内蓋体3’に固定される。弁体案内5’は、側部上側と底部の適宜位置に、空気や水の流通が可能な窓孔5a’を有している。フロート弁体6’は、球体状をなしている。遊動弁体7’は、中央においてわずかに下方に突出する弁座71’を有しており、これに前述した小空気孔7a’が形成されている。
【0045】
空気弁1’の栓体8’は、上記の栓体8の上面を外蓋体4’の形状に合わせて曲面としたものであり、他の構造については栓体8と同様である。
【0046】
栓体8’を内蓋体3’と外蓋体4’の間に装着するときには、コック24’を閉じ、蓋体固定ボルト42’、42’、・・・からナット43’、43’、・・・を外して外蓋体4’を取り外し、それから、大空気孔3a’を塞ぐように栓体8’を載置し、再び外蓋体4’を取り付けてコック24’を開くようにする。また、空気弁1’の動作は空気弁1と同様であるので、その動作の説明は省略するが、図8(b)は、水道管100’から弁箱2’の中空部2c’へ水が浸入する前の状態を示している。また、図9(a)、(b)は、少量排気時において栓体8’を内蓋体3’と外蓋体4’の間に装着する前の状態を示しており、図9(a)はフロート弁体6’が押し下げられて空気が小空気孔7a’を経て弁箱2’の外方へ放出されている状態、図9(b)はフロート弁体6’が上昇して小空気孔7a’を塞いだ状態である。また、図10(a)、(b)及び図11は、少量排気時において栓体8’を内蓋体3’と外蓋体4’の間に装着した後の状態を示しており、図10(a)及び図11はフロート弁体6’が押し下げられて空気が小空気孔7a’を経て弁箱2’の外方へ放出されている状態、図10(b)はフロート弁体6’が上昇して小空気孔7a’を塞いだ状態である。
【0047】
また、栓体8’は、図12に示すように、更に変形し、パッキン(Oリング)82を下端面の周辺部に嵌め込むようにしてもよい。
【0048】
以上、本発明の実施形態に係る空気弁について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、栓体をその両者間に装着する内蓋体と外蓋体は、様々なものが可能である。また、栓体は、内蓋体と外蓋体との間に装着し上下に移動しないように固定することで、簡便な構造で迅速かつ確実に大空気孔を塞ぐことができるが、場合によっては、外蓋体を用いずに、固定具(例えば、螺子、ボルト、ナットなど)によって栓体を内蓋体に装着することも可能である。例えば、図13に示すように、内蓋体3に雌ねじ、栓体8に貫通孔を形成しておいて、螺子83で栓体8を内蓋体3に固定することもできる。このようにすると、使用状況や使用環境によっては外蓋体を外したまま、或いは、外蓋体が元々存在しないような特別形状のものにも、適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 空気弁
2 弁箱
2a 弁箱の通気口
2b 弁箱の通水口
2c 弁箱の中空部
2d 弁箱の導水部
3 内蓋体
3a 大空気孔
4 外蓋体
5 弁体案内
6 フロート弁体
7 遊動弁体
7a 遊動弁体の小空気孔
8 栓体
8a 内空部
8b 第2小空気孔
80a 内空部を形成する壁
81 弾性体
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道管の内部に溜まった空気を管外へ排出する空気弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、水道管の内部に空気が溜まることによる弊害を防止するために、水道管内部の空気を外部に排出する空気弁がいろいろな場所で広く用いられている。空気弁は、水道管の設置、水道管の調査、及び水道管の工事などの後に水道管の中の多量の空気を排出(排気)する多量排気(急速排気)の機能と、水道水が通常の圧力で水道管を流れている状態で様々な原因で水道管に混入した空気を少量ずつ排出する少量排気の機能と、を有するものが一般的に用いられている。
【0003】
図14に示す空気弁101は、従来の構造を示すものであり、本願発明者が発明者である特許文献1で開示された一つと略同様の構造のものである。空気弁101は、基本構造として、上方端部に通気口102a、下方端部に通水口102bを有し、通気口102aの下方内部に中空部102c、その下方に導水部102dを有する弁箱102と、大空気孔103aを有して弁箱102の通気口102aに装着される内蓋体103と、大空気孔103aの上方を覆うように設けられる外蓋体(レバーカバー)104と、弁箱102の中空部102cに配される弁体案内105と、弁体案内105の内方に配されるフロート弁体106と、弁体案内105の内方であってフロート弁体106の上方に配され、上下方向に貫通する小空気孔107aを有し、上端面が内蓋体103の大空気孔103aを塞ぎ得る遊動弁体107と、を備えるものである。フロート弁体106と遊動弁体107とは、水よりも比重が小さいものであり、遊動弁体107は、フロート弁体106よりも軽量である。
【0004】
この弁箱102は、通常は、空気弁101と水道管の間に、中空部102cへの水の浸入を制御するコックの部分を有する別体の補修弁100が連接されて用いられる。また、弁体案内105には、底部や側部の適宜位置に空気や水の流通が可能な窓孔105aが形成されている。
【0005】
この空気弁101の動作は、以下の通りである。水道管から補修弁100を介して弁箱102の中空部102cへ水が浸入する前、すなわち多量排気が行われる前は、図14(b)に示すように、遊動弁体107及びフロート弁体106は弁体案内105の底部の上に重なった状態にある。補修弁100のコックが開かれ、水道管から補修弁100を介して弁箱102の中空部102cへ水が浸入してくると、弁箱102の中空部102cの空気は、弁体案内105の窓孔105aを経由しながら水圧に押されて大空気孔103aから急速に排出(多量排気)される。同時に、遊動弁体107及びフロート弁体106は、弁体案内105の内側面にガイドされながら水位の上昇に従って浮き上がる。これにより、遊動弁体107が内蓋体103に密接して大空気孔103aを塞ぐ。
【0006】
このようにして多量排気が終わった後は、少量排気が行われる。遊動弁体107とフロート弁体106の間には、比較的少量の空気が溜まっており、この空気溜まりAにより、喫水線(空気と水の境界)とともに、図15(a)に示すように、フロート弁体106が押し下げられ、他方、遊動弁体107は押し上げられたままの状態となる。そうすると、空気は小空気孔107aを経て、弁箱102の外方へ放出(少量排気)される。そして、空気溜まりAの空気が少なくなると、図15(b)に示すように、フロート弁体106が上昇して遊動弁体107に密接してその小空気孔107aを塞ぎ、弁箱102の中空部102cは密封状態となる。その後、水道管から補修弁100を介して弁箱102の中空部102cへ空気が水に混じって浸入し空気溜まりAの空気が再度多くなると、再度少量排気が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−121678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、空気弁は屋外のいろいろな場所に設置されているが、その使用状況や使用環境によっては雨水等が外部から浸入するのを阻止する対策が必要となる。その対策としては、空気弁101の外蓋体104のように、大空気孔103aや小空気孔107aを覆うようにして、それらから外部につながる空気の経路は、屈曲して外部には下向きに開口するようにしている。
【0009】
しかし、空気弁101が設置される場所によっては、雨水等の量が多くなったり圧力が高くなったりして、雨水等が外部から浸入し易い状況になる可能性もあり、外蓋体104だけでは、大空気孔103aや小空気孔107aへの雨水等の浸入を十分に阻止することが困難な場合も有り得る。この場合、その状況に極力対応できるよう、雨水等の外部からの浸入に対する阻止能力を増大させた構造とするのが好ましい。
【0010】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、雨水等の外部からの侵入に対する阻止能力を増大させた簡便な構造の空気弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の空気弁は、上方端部に通気口、下方端部に通水口を有し、通気口の下方内部に中空部、その下方に導水部を有する弁箱と、大空気孔を有して前記弁箱の通気口に装着される内蓋体と、前記弁箱の中空部に配される弁体案内と、前記弁体案内の内方に配されるフロート弁体と、前記弁体案内の内方であって前記フロート弁体の上方に配され、上下方向に貫通する小空気孔を有し、上端面が前記内蓋体の大空気孔を塞ぎ得る遊動弁体と、を備える空気弁において、前記大空気孔を塞ぎ得るものであって、前記大空気孔を塞いだ状態で前記小空気孔に連通する内空部と、該内空部を形成する壁を貫通する第2小空気孔と、を有し、前記壁の外面に所定の弾性力でもって密接して第2小空気孔を塞ぎ得る弾性体が設けられている栓体を更に備えてなることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の空気弁は、請求項1に記載の空気弁において、前記大空気孔の上方を覆うように設けられる外蓋体を更に備え、前記栓体は、前記内蓋体と前記外蓋体との間に装着されることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の空気弁は、請求項1に記載の空気弁において、前記栓体は、固定具によって前記内蓋体に装着されることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の空気弁は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気弁において、第2小空気孔の断面積は、前記小空気孔における直径が最小の部分の断面積よりも大きいことを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の空気弁は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気弁において、第2小空気孔は1個だけ形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る空気弁によれば、少量排気時に、栓体が大空気孔を塞ぎ、栓体において弾性体が第2小空気孔に密接して塞ぐため、適正に少量排気の動作を行うことができるとともに、簡便に雨水等の外部からの浸入に対する阻止能力を非常に高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る空気弁の(a)正面図、(b)断面図である。
【図2】同上の空気弁の少量排気時の二つの状態を示す断面図である。
【図3】同上の空気弁の内蓋体の装着操作を説明する平面図である。
【図4】同上の空気弁の少量排気時の栓体を装着した後の二つの状態を示す断面図である。
【図5】同上の空気弁の少量排気時の栓体を装着した後の一つの状態を示す断面拡大部分図である。
【図6】同上の空気弁の少量排気時の栓体を装着した後のもう一つの状態を示す断面拡大部分図である。
【図7】同上の空気弁の栓体を拡大して示すものであって、(a)が平面図、(b)が側面図、(c)が底面図である。
【図8】同上の別の空気弁の(a)正面図、(b)断面図である。
【図9】同上の別の空気弁の少量排気時の二つの状態を示す断面図である。
【図10】同上の別の空気弁の少量排気時の栓体を装着した後の二つの状態を示す断面図である。
【図11】同上の別の空気弁の少量排気時の栓体を装着した後の一つの状態を示す断面拡大部分図である。
【図12】同上の別の空気弁の少量排気時の他の形状の栓体を装着した後の一つの状態を示す断面拡大部分図である。
【図13】同上の空気弁の別の装着方法を用いる栓体で装着した後の一つの状態を示す断面拡大部分図である。
【図14】従来の空気弁の(a)正面図、(b)断面図である。
【図15】従来の空気弁の少量排気時の二つの状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための好ましい形態を説明する。本発明の実施形態に係る空気弁1は、上記の空気弁101の構造に栓体8を追加した構造である。
【0019】
この空気弁1は、基本構造として、図1及び図2に示すように、上方端部に通気口2a、下方端部に通水口2bを有し、通気口2aの下方内部に中空部2c、その下方に導水部2dを有する弁箱2と、大空気孔3aを有して弁箱2の通気口2aに装着される内蓋体3と、大空気孔3aの上方を覆うように設けられる外蓋体(レバーカバー)4と、弁箱2の中空部2cに配される弁体案内5と、弁体案内5の内方に配されるフロート弁体6と、弁体案内5の内方であってフロート弁体6の上方に配され、上下方向に貫通する小空気孔7aを有し、上端面が内蓋体3の大空気孔3aを塞ぎ得る遊動弁体7と、を備えるものである。フロート弁体6と遊動弁体7とは、水よりも比重が小さいものであり、遊動弁体7は、フロート弁体6よりも軽量である。
【0020】
空気弁1のより具体的な構造は、以下の通りである。弁箱2は、その外側面の周方向に2個のレバー21、21を有している。レバー21は、それに触れて操作するところのレバー操作部21aの部分と、内蓋体3の後述する係合溝3bに対し圧接し得る係合部21bの部分と、を有している。また、この弁箱2は、通常は、空気弁1と水道管の間に、中空部2cへの水の浸入を制御するコックの部分を有する別体の補修弁100が連接されて用いられる。
【0021】
内蓋体3は、中央部に前述した大空気孔3aを有する内蓋本体部3Aと、内蓋本体部3Aの上面の周縁部に設けられた2個の内蓋体操作部3B、3Bと、が一体的に形成されてなる(図3参照)。内蓋本体部3Aの外側面には、前述したレバー21の係合部21bが圧接し得る凹状の係合溝3bが環状に形成されている。内蓋体操作部3Bは、その端部である差し込み部分3Baが薄くなるように段差が形成されており、差し込み部分3Baは内蓋本体部3Aの外側面よりも外方に突出している(図3(a)参照)。
【0022】
内蓋体3の装着は、内蓋体操作部3B、3Bを把持し、その差し込み部分3Ba、3Baが弁箱2の凹み部2e、2eに位置するようにして、内蓋本体部3Aを弁箱2の通気口2aに嵌め込む(図1など参照)。そして、内蓋体3を回転(図3では時計回りに回転)させ、内蓋体操作部3B、3Bの差し込み部分3Ba、3Baを弁箱2の凹み部2e、2eから周方向に形成した溝に差し込む(図3(b)参照)。それから、レバー21、21を倒して、その係合部21b、21bが係合溝3bを両側から圧接するようにする。
【0023】
外蓋体4は、頂部を有した円筒状であり、取手付き螺子41によって横方向から、ボルト42によって上側から弁箱2に取り付けられる。
【0024】
弁体案内5は、有底円筒状であって、空気や水の流通が可能な窓孔5aを有している。窓孔5aは、底部や側部の適宜位置に設けられている。
【0025】
フロート弁体6は、略円柱状であり、また、その上下方向の長さが横方向の長さ(直径)よりも長い、すなわち長尺である。また、その上端部6aは円錐台状に先細りになっており、その先端である上端面6aaは略平坦である。上端面6aaは、平坦度が高いほどそれだけ弁座71に密接し易くなるが、その一方で弁座71と固着状態となって密接した状態から離れ難くなる場合もあり得るので、若干の曲率を有するようにしてもよい。
【0026】
遊動弁体7は、大略円板状であり、下面に凹部7bが形成されている。その凹部7bの中央には、フロート弁体6に密接可能なようにわずかに下方に突出して表面が略平坦であり、弾性を有する弁座71を有しており、前述した小空気孔7aが弁座71の中心に上下に貫通して形成されている。凹部7bは、フロート弁体6が弁座71に接触できるように、フロート弁体6の上端部6aが余裕を持って入り込み得る大きさになっている。また、遊動弁体7の外周面から凹部7bに空気が通過できるように横方向に貫通孔7cが形成されている。また、遊動弁体7は、その上端面の中央部に凸部7dが形成されており、この凸部7dは、内蓋体3の大空気孔3aに入り得るように、それより小さくなっている。また、遊動弁体7は、その上端面の周辺部に、内蓋体3に良好に密接できるように0リング72が設けられている。
【0027】
栓体8は、空気弁1が少量排気の状態のときに、図4〜図6に示すように、内蓋体3と外蓋体4の間に装着して用いられる。つまり、当初に多量排気を行った後に、外蓋体4を取り外して大空気孔3aを塞ぐように栓体8を載置し、再び外蓋体4を取り付けることにより栓体8の装着を行う。そのとき、栓体8は、内蓋体3及び外蓋体4の両方に押さえ付けられることによって、それら両方に隙間なく密接し、上下に移動しないように固定される。よって、内蓋体3と栓体8との接触部は、空気が漏れない状態となる。
【0028】
栓体8は、図7に示すように、略円柱状の基部80の中に、下方が開口した内空部8aが形成されている。栓体8が内蓋体3と密接したときには、大空気孔3aを塞ぎ、かつ、内空部8aが遊動弁体7の小空気孔7aに連通する。また、基部80の一部分は内空部8aを形成する壁80aであり、内空部8aから壁80aの外面に貫通する第2小空気孔8bが形成されている。従って、栓体8が内蓋体3に密接すると、内空部8aは、第2小空気孔8bと小空気孔7a以外に、空気の通路はない。なお、内空部8aは、上下に貫通するものであってもよいが、その場合は、栓体8と外蓋体4との間は空気が漏れない状態にする必要がある。
【0029】
内空部8aを形成する壁80aの外面には、所定の弾性力でもって密接して第2小空気孔8bを塞ぎ得るリング状の弾性体81が設けられている。この弾性体81の直径は、第2小空気孔8bの直径よりも大きいものである。弾性体81は、壁80aの外面によって拡げられて、常にテンションがかかった状態(張った状態)になっており、それにより所定の弾性力でもって密接している。より詳細には、壁80aの外面における第2小空気孔8bの開口部の位置にリング状の凹部が形成されており、それに弾性体81が嵌り込んでいる。
【0030】
なお、栓体8は、内蓋体3と外蓋体4の間に装着され易いように、適度に柔軟性を有するABS樹脂などの合成樹脂製のものが好適に用いられ、また、内蓋体3との間が良好に空気が漏れない状態になるように、図7等に示すように、ゴム製等のパッキン(Oリング)82が用いられるのが好ましい。
【0031】
この空気弁1の動作は、以下の通りである。水道管から補修弁100を介して弁箱2の中空部2cへ水が浸入する前、すなわち多量排気が行われる前は、図1(b)に示すように、遊動弁体7及びフロート弁体6は弁体案内5の底部の上に重なった状態である。栓体8は、別のところに保管されている。補修弁100のコックが開かれ、水道管から補修弁100を介して弁箱2の中空部2cへ水が浸入すると、弁箱2の中空部2cの空気は、弁体案内5の側部等の窓孔5aを経由しながら水圧に押されて大空気孔3aから急速に排気(多量排気)される。同時に、遊動弁体7及びフロート弁体6は水位の上昇に従って浮き上がる。これにより、遊動弁体7が内蓋体3に密接して大空気孔3aを塞ぐ(図2(a)等参照)。
【0032】
このようにして多量排気が終わった後は、少量排気が行われる。遊動弁体7とフロート弁体6の間には、比較的少量の空気が溜まっており、この空気溜まりAにより、喫水線とともに、図2(a)に示すように、フロート弁体6が押し下げられ、他方、遊動弁体7は押し上げられたままの状態となる。そうすると、空気は小空気孔7aを経て、弁箱2の外方へ放出(少量排気)される。そして、空気溜まりAの空気が少なくなると、図2(b)に示すように、フロート弁体6が上昇して遊動弁体7に密接してその小空気孔7aを塞ぎ、弁箱2の中空部2cは密封状態となる。その後、水道管から補修弁100を介して弁箱2の中空部2cへ空気が水に混じって浸入し空気溜まりAの空気が再度多くなると、再度少量排気が行われる。
【0033】
この少量排気時になった後は、適当なときに、栓体8を内蓋体3と外蓋体4の間に装着する。具体的には、補修弁100のコックを閉じ、取手付き螺子41とボルト42を弁箱2から外して外蓋体4を取り外し、それから、大空気孔3aを塞ぐように栓体8を載置し、再び外蓋体4を取り付けて補修弁100のコックを開くようにする。栓体8を装着した後の少量排気の動作は以下の通りである。水道管から補修弁100を介して弁箱2の中空部2cへ空気が水に混じって浸入し空気溜まりAの空気が多くなると、図4(a)及び図5に示すように、フロート弁体6が押し下げられ、他方、遊動弁体7は押し上げられたままとなる。そうすると、空気は小空気孔7aから栓体8の内空部8aに入る。
【0034】
栓体8の内空部8aには、遊動弁体7の小空気孔7aから排出された空気が溜まり、予め設定した圧力(設定圧力)よりも高くなると、第2小空気孔8bの外側に所定の弾性力でもって密接しているリング状の弾性体81を押し広げる。そうすると、弾性体81と壁80aの間に隙間ができて第2小空気孔8bから内空部8aの空気が流出し、弁箱2の外方へ排出される。なお、内空部8aの設定圧力は、弁箱2の中空部2cの圧力を考慮して決められる。
【0035】
そして、空気溜まりAの空気が少なくなると、図4(b)及び図6に示すように、フロート弁体6が上昇して遊動弁体7に密接してその小空気孔7aを塞ぎ、弁箱2の中空部2cは密封状態となる。それとともに、内空部8aの空気の圧力が設定圧力よりも低くなると、弾性体81は第2小空気孔8bを塞ぎ、内空部8aも完全に密封状態となる。その後、水道管から補修弁100を介して弁箱2の中空部2cへ空気が水に混じって浸入し空気溜まりAの空気が再度多くなると、再度少量排気が行われる。
【0036】
このように、栓体8が装着された空気弁1は、外部の圧力が弁箱2の中空部2cの圧力よりも低いときは、適正に少量排気の動作をすることができる。
【0037】
他方、雨水等の圧力が高くて外部からそれらが浸入しようとしたときは、面積が広い大空気孔3aは栓体8が塞いでおり、第2小空気孔8bはテンションがかかった状態で弾性体81が密接して塞いでいるので、雨水等の浸入が阻止される。よって、この空気弁1の阻止能力は、非常に高く、また、空気弁1が傾いていても弱まらない。
【0038】
このように、空気弁1は、簡便な構造で雨水等の外部からの浸入に対する阻止能力を増大させた構造となっている。
【0039】
第2小空気孔8bの断面積は、小空気孔7aにおける直径が最小である部分の断面積よりも大きくするのが好ましい。そうすると、少量排気時に、小空気孔7aから内空部8aに排出された空気は、第2小空気孔8bからスムーズに外部に向かって排出される。よって、少量排気時の動作、すなわち弁箱2の中空部2c上部に溜まった所定気圧の空気を中空部2c外に排出するという動作は、内空部8aによってほとんど妨げられないようにすることができ、内空部8aの存在による影響をほぼ無くすことができる。なお、第2小空気孔8bは、複数個形成することもできるが、その場合の断面積は、総断面積を指すことになる。
【0040】
好ましくは、第2小空気孔8bは1個だけ形成するようにする。そうすると、雨水等の浸入のルートが1つなのでその阻止能力が高くなるのは勿論、少量排気時に第2小空気孔8bから内空部8aの空気を排出するとき、弾性体81を押し広げる圧力が安定し易くなる。
【0041】
なお、空気弁1は、上記の空気弁101の構造に栓体8を追加した構造のものであるから、空気弁101の中で、雨水等が外部から浸入する可能性が高いものだけを空気弁1の形にすることも容易にできる。
【0042】
栓体8は、大きさや形状等を変形して、空気弁1以外にもさまざまな空気弁に適用できる。図8〜図11に示す空気弁1’は、上記の特許文献1で従来技術として説明したものと同様の典型的な構造に、栓体8を変形した栓体8’を追加した構造である。
【0043】
この空気弁1’は、基本構造として、上方端部に通気口2a’、下方端部に通水口2b’を有し、通気口2a’の下方内部に中空部2c’、その下方に導水部2d’を有する弁箱2’と、大空気孔3a’を有して弁箱2’の通気口2a’に装着される内蓋体3’と、大空気孔3a’の上方を覆うように設けられる外蓋体4’と、弁箱2’の中空部2c’に配される弁体案内5’と、弁体案内5’の内方に配されるフロート弁体6’と、弁体案内5’の内方であってフロート弁体6’の上方に配され、上下方向に貫通する小空気孔7a’を有し、上端面が内蓋体3’の大空気孔3a’を塞ぎ得る遊動弁体7’と、を備えるものである。フロート弁体6’と遊動弁体7’とは、水よりも比重が小さいものであり、また遊動弁体7’は、フロート弁体6’よりも軽量である。
【0044】
空気弁1’のより具体的な構造は、以下の通りである。弁箱2’は、導水部2d’の中間部に、中空部2c’への水の浸入を制御するコック24’を有している。内蓋体3’は、上側内蓋体3A’と下側内蓋体3B’が重ねられている。内蓋体3’は軸方向両側に雄ねじが形成された蓋体固定ボルト42’、42’、・・・によって一方の雄ねじが弁箱2’に螺着固定され、外蓋体4’は蓋体固定ボルト42’、42’、・・・の他方の雄ねじとナット43’、43’、・・・によって内蓋体3’に固定される。弁体案内5’は、側部上側と底部の適宜位置に、空気や水の流通が可能な窓孔5a’を有している。フロート弁体6’は、球体状をなしている。遊動弁体7’は、中央においてわずかに下方に突出する弁座71’を有しており、これに前述した小空気孔7a’が形成されている。
【0045】
空気弁1’の栓体8’は、上記の栓体8の上面を外蓋体4’の形状に合わせて曲面としたものであり、他の構造については栓体8と同様である。
【0046】
栓体8’を内蓋体3’と外蓋体4’の間に装着するときには、コック24’を閉じ、蓋体固定ボルト42’、42’、・・・からナット43’、43’、・・・を外して外蓋体4’を取り外し、それから、大空気孔3a’を塞ぐように栓体8’を載置し、再び外蓋体4’を取り付けてコック24’を開くようにする。また、空気弁1’の動作は空気弁1と同様であるので、その動作の説明は省略するが、図8(b)は、水道管100’から弁箱2’の中空部2c’へ水が浸入する前の状態を示している。また、図9(a)、(b)は、少量排気時において栓体8’を内蓋体3’と外蓋体4’の間に装着する前の状態を示しており、図9(a)はフロート弁体6’が押し下げられて空気が小空気孔7a’を経て弁箱2’の外方へ放出されている状態、図9(b)はフロート弁体6’が上昇して小空気孔7a’を塞いだ状態である。また、図10(a)、(b)及び図11は、少量排気時において栓体8’を内蓋体3’と外蓋体4’の間に装着した後の状態を示しており、図10(a)及び図11はフロート弁体6’が押し下げられて空気が小空気孔7a’を経て弁箱2’の外方へ放出されている状態、図10(b)はフロート弁体6’が上昇して小空気孔7a’を塞いだ状態である。
【0047】
また、栓体8’は、図12に示すように、更に変形し、パッキン(Oリング)82を下端面の周辺部に嵌め込むようにしてもよい。
【0048】
以上、本発明の実施形態に係る空気弁について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、栓体をその両者間に装着する内蓋体と外蓋体は、様々なものが可能である。また、栓体は、内蓋体と外蓋体との間に装着し上下に移動しないように固定することで、簡便な構造で迅速かつ確実に大空気孔を塞ぐことができるが、場合によっては、外蓋体を用いずに、固定具(例えば、螺子、ボルト、ナットなど)によって栓体を内蓋体に装着することも可能である。例えば、図13に示すように、内蓋体3に雌ねじ、栓体8に貫通孔を形成しておいて、螺子83で栓体8を内蓋体3に固定することもできる。このようにすると、使用状況や使用環境によっては外蓋体を外したまま、或いは、外蓋体が元々存在しないような特別形状のものにも、適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 空気弁
2 弁箱
2a 弁箱の通気口
2b 弁箱の通水口
2c 弁箱の中空部
2d 弁箱の導水部
3 内蓋体
3a 大空気孔
4 外蓋体
5 弁体案内
6 フロート弁体
7 遊動弁体
7a 遊動弁体の小空気孔
8 栓体
8a 内空部
8b 第2小空気孔
80a 内空部を形成する壁
81 弾性体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方端部に通気口、下方端部に通水口を有し、通気口の下方内部に中空部、その下方に導水部を有する弁箱と、大空気孔を有して前記弁箱の通気口に装着される内蓋体と、前記弁箱の中空部に配される弁体案内と、前記弁体案内の内方に配されるフロート弁体と、前記弁体案内の内方であって前記フロート弁体の上方に配され、上下方向に貫通する小空気孔を有し、上端面が前記内蓋体の大空気孔を塞ぎ得る遊動弁体と、を備える空気弁において、
前記大空気孔を塞ぎ得るものであって、前記大空気孔を塞いだ状態で前記小空気孔に連通する内空部と、該内空部を形成する壁を貫通する第2小空気孔と、を有し、前記壁の外面に所定の弾性力でもって密接して第2小空気孔を塞ぎ得る弾性体が設けられている栓体を更に備えてなることを特徴とする空気弁。
【請求項2】
請求項1に記載の空気弁において、
前記大空気孔の上方を覆うように設けられる外蓋体を更に備え、
前記栓体は、前記内蓋体と前記外蓋体との間に装着されることを特徴とする空気弁。
【請求項3】
請求項1に記載の空気弁において、
前記栓体は、固定具によって前記内蓋体に装着されることを特徴とする空気弁。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気弁において、
第2小空気孔の断面積は、前記小空気孔における直径が最小の部分の断面積よりも大きいことを特徴とする空気弁。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気弁において、
第2小空気孔は1個だけ形成されていることを特徴とする空気弁。
【請求項1】
上方端部に通気口、下方端部に通水口を有し、通気口の下方内部に中空部、その下方に導水部を有する弁箱と、大空気孔を有して前記弁箱の通気口に装着される内蓋体と、前記弁箱の中空部に配される弁体案内と、前記弁体案内の内方に配されるフロート弁体と、前記弁体案内の内方であって前記フロート弁体の上方に配され、上下方向に貫通する小空気孔を有し、上端面が前記内蓋体の大空気孔を塞ぎ得る遊動弁体と、を備える空気弁において、
前記大空気孔を塞ぎ得るものであって、前記大空気孔を塞いだ状態で前記小空気孔に連通する内空部と、該内空部を形成する壁を貫通する第2小空気孔と、を有し、前記壁の外面に所定の弾性力でもって密接して第2小空気孔を塞ぎ得る弾性体が設けられている栓体を更に備えてなることを特徴とする空気弁。
【請求項2】
請求項1に記載の空気弁において、
前記大空気孔の上方を覆うように設けられる外蓋体を更に備え、
前記栓体は、前記内蓋体と前記外蓋体との間に装着されることを特徴とする空気弁。
【請求項3】
請求項1に記載の空気弁において、
前記栓体は、固定具によって前記内蓋体に装着されることを特徴とする空気弁。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気弁において、
第2小空気孔の断面積は、前記小空気孔における直径が最小の部分の断面積よりも大きいことを特徴とする空気弁。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気弁において、
第2小空気孔は1個だけ形成されていることを特徴とする空気弁。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−36504(P2013−36504A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171409(P2011−171409)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(397007066)協和工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(397007066)協和工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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