空調設備起動システム、空調設備起動装置、空調設備起動方法及びコンピュータプログラム
【課題】自宅へと向かうユーザが遠隔地から自宅に設置された空調設備を起動させる場合において、ユーザの意図に反して空調設備が起動されることを防止した空調設備起動システム、空調設備起動装置、空調設備起動方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】自宅4へと向かうユーザに対して、自宅4に設置された空調設備であるエアコン6の起動タイミングとなった場合に、該エアコン6を起動するか否かの問い合わせを行い(S3)、問い合わせにおいてユーザがエアコン6を起動することを選択した場合に、エアコン6を起動させる(S5)。その後、ユーザの自宅への到着が遅れる要因を検出した場合には、ユーザに対してエアコン6の起動を停止するか否かの問い合わせを行い(S8)、問い合わせにおいてユーザがエアコン6の起動を停止することを選択した場合に、エアコン6の起動を停止させる(S10)ように構成する。
【解決手段】自宅4へと向かうユーザに対して、自宅4に設置された空調設備であるエアコン6の起動タイミングとなった場合に、該エアコン6を起動するか否かの問い合わせを行い(S3)、問い合わせにおいてユーザがエアコン6を起動することを選択した場合に、エアコン6を起動させる(S5)。その後、ユーザの自宅への到着が遅れる要因を検出した場合には、ユーザに対してエアコン6の起動を停止するか否かの問い合わせを行い(S8)、問い合わせにおいてユーザがエアコン6の起動を停止することを選択した場合に、エアコン6の起動を停止させる(S10)ように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔地点から空調設備の起動を行う空調設備起動システム、空調設備起動装置、空調設備起動方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エアコン等の空調設備は、その動作状態を利用者が希望する時刻に合わせて制御するためにタイマ機能が備えられているものがある。例えば、タイマに自分の帰宅予定時刻の30分前等の所望の時刻を設定することにより、所望の時間から冷房又は暖房運転を開始させることが可能となる。
【0003】
ここで、上記タイマ機能を備えた従来の空調設備においては、帰宅予定時刻又は帰宅予定時刻の所定時間前に運転を開始させたい場合に、ユーザは外出前に自分の帰宅時刻を予想し、この予想した帰宅予定時刻に合わせてタイマを設定していた。しかし、帰宅予定時刻と実際に帰宅する時刻とにズレが生じる場合が多かった。そこで、例えば特開2001−264077号公報には、ナビゲーション装置において車両の現在位置と自宅までの経路から自宅への到着予定時刻を算出し、到着予定時刻の所定時間前になった時点や自宅からの距離が所定距離以内となった時点で家電製品へ運転開始指示を出力し、家電製品の運転を開始させる技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−264077号公報(第5−7頁、図5、図9、図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1の記載の技術では、ユーザが予め起動条件を設定しておくと、到着予定時刻の所定時間前になった時点や自宅からの距離が所定距離以内となった時点で、ユーザへの確認を行わずに家電製品へ運転開始指示を自動的に出力していた。しかしながら、引用文献1のようにユーザへの確認を行わずに自動的に運転開始指示を出力することとすると、ユーザの意図に反して家電製品が起動される場合がある。例えば、ユーザが起動条件を設定した後に、寄り道を行うことを決定した場合や、経路を急に変更した場合等がある。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、自宅へと向かうユーザが遠隔地から自宅に設置された空調設備を起動させる場合において、ユーザの意図に反して空調設備が起動されることを防止した空調設備起動システム、空調設備起動装置、空調設備起動方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る空調設備起動システム(1)は、自宅(4)へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備(6)を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせ手段(13)と、前記起動問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定手段(13)と、前記起動選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動手段(13)と、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出手段(13)と、前記遅延要因検出手段によって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせ手段(13)と、前記停止問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定手段(13)と、前記停止選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止手段(13)と、を有することを特徴とする。
尚、「空調設備」としては、エアコン以外にも、換気扇、空気清浄機、加湿器等も該当する。
【0008】
また、請求項2に係る空調設備起動システム(1)は、請求項1に記載の空調設備起動システムであって、渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段(13)を有し、前記遅延要因検出手段(13)は、前記ユーザと前記自宅(4)の間で発生する渋滞を、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因として検出することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る空調設備起動システム(1)は、請求項1又は請求項2に記載の空調設備起動システムであって、前記ユーザの進行方向を取得する進行方向取得手段(13)を有し、前記遅延要因検出手段(13)は、前記ユーザの進行方向が前記ユーザから前記自宅(4)への方向と異なることを、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因として検出することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る空調設備起動システム(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の空調設備起動システムであって、前記ユーザの現在位置を取得する現在位置取得手段(13)と、施設(63)に関する施設情報を取得する施設情報取得手段(13)と、を有し、前記遅延要因検出手段(13)は、前記ユーザの現在位置が前記自宅(4)以外の施設内に位置することを、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因として検出することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る空調設備起動システム(1)は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の空調設備起動システムであって、前記ユーザから前記自宅(4)までの距離を取得する距離取得手段(13)を有し、前記起動問い合わせ手段(13)は、前記ユーザから前記自宅までの距離が所定距離以内となった場合に、前記ユーザに対して前記自宅に設置された前記空調設備(6)を起動するか否かの問い合わせを行うことを特徴とする
【0012】
また、請求項6に係る空調設備起動システム(1)は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の空調設備起動システムであって、前記ユーザの乗車する車両(2)のACCがオンされたことを検出する電源検出手段(13)を有し、前記起動問い合わせ手段(13)は、前記電源検出手段によって前記車両のACCがオンされたことを検出した場合に、前記ユーザに対して前記自宅(4)に設置された前記空調設備(6)を起動するか否かの問い合わせを行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る空調設備起動装置(3)は、自宅(4)へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備(6)を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせ手段(13)と、前記起動問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定手段(13)と、前記起動選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動手段(13)と、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出手段(13)と、前記遅延要因検出手段によって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせ手段(13)と、前記停止問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定手段(13)と、前記停止選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止手段(13)と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る空調設備起動方法は、自宅(4)へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備(6)を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせステップと、前記起動問い合わせステップによる問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定ステップと、前記起動選択判定ステップによって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動ステップと、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出ステップと、前記遅延要因検出ステップによって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせステップと、前記停止問い合わせステップによる問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定ステップと、前記停止選択判定ステップによって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
更に、請求項9に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、自宅(4)へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備(6)を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせ機能と、前記起動問い合わせ機能による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定機能と、前記起動選択判定機能によって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動機能と、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出機能と、前記遅延要因検出機能によって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせ機能と、前記停止問い合わせ機能による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定機能と、前記停止選択判定機能によって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止機能と、をプロセッサ(41)に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
前記構成を有する請求項1に記載の空調設備起動システムによれば、自宅へと向かうユーザが遠隔地から自宅に設置された空調設備を起動させる場合において、ユーザの意図に反して空調設備が起動されることを防止することが可能となる。また、起動後にユーザの自宅への到着が遅れることが予測される場合において、不要となる空調設備の起動を削減することが可能となる。更に、ユーザの意図に反して空調設備の起動が停止されることについても防止することが可能となる。
【0017】
また、請求項2に記載の空調設備起動システムによれば、ユーザと自宅の間で渋滞が発生した場合に、ユーザの自宅への到着が遅れることを予測するので、渋滞によるユーザの自宅への到着の遅れを考慮して空調設備の起動を適切に行うことが可能となる。
【0018】
また、請求項3に記載の空調設備起動システムによれば、ユーザの進行方向が自宅への方向と異なる場合に、ユーザの自宅への到着が遅れることを予測するので、走行経路の変更によるユーザの自宅への到着の遅れを考慮して空調設備の起動を適切に行うことが可能となる。
【0019】
また、請求項4に記載の空調設備起動システムによれば、ユーザの現在位置が自宅以外の施設に位置する場合に、ユーザの自宅への到着が遅れることを予測するので、ユーザが寄り道をしたことによるユーザの自宅への到着の遅れを考慮して空調設備の起動を適切に行うことが可能となる。
【0020】
また、請求項5に記載の空調設備起動システムによれば、ユーザから自宅までの距離が所定距離以内となった場合に、ユーザに対して自宅に設置された空調設備を起動するか否かの問い合わせを行うので、自宅に設置された空調設備をユーザが自宅に到着する前の適切なタイミングで起動させることが可能となる。
【0021】
また、請求項6に記載の空調設備起動システムによれば、車両のACCがオンされたことを検出した場合に、ユーザに対して自宅に設置された空調設備を起動するか否かの問い合わせを行うので、自宅に設置された空調設備をユーザが自宅に到着する前の適切なタイミングで起動させることが可能となる。
【0022】
また、請求項7に記載の空調設備起動装置によれば、自宅へと向かうユーザが遠隔地から自宅に設置された空調設備を起動させる場合において、ユーザの意図に反して空調設備が起動されることを防止することが可能となる。また、起動後にユーザの自宅への到着が遅れることが予測される場合において、不要となる空調設備の起動を削減することが可能となる。更に、ユーザの意図に反して空調設備の起動が停止されることについても防止することが可能となる。
【0023】
また、請求項8に記載の空調設備起動方法によれば、自宅へと向かうユーザが遠隔地から自宅に設置された空調設備を起動させる場合において、ユーザの意図に反して空調設備が起動されることを防止することが可能となる。また、起動後にユーザの自宅への到着が遅れることが予測される場合において、不要となる空調設備の起動を削減することが可能となる。更に、ユーザの意図に反して空調設備の起動が停止されることについても防止することが可能となる。
【0024】
更に、請求項9に記載のコンピュータプログラムによれば、自宅へと向かうユーザが遠隔地から自宅に設置された空調設備を起動させる場合において、ユーザの意図に反して空調設備が起動されることを防止することが可能となる。また、起動後にユーザの自宅への到着が遅れることが予測される場合において、不要となる空調設備の起動を削減することが可能となる。更に、ユーザの意図に反して空調設備の起動が停止されることについても防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る空調設備起動システムを示した概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る空調設備起動システムの内、特にナビゲーション装置の構成を示したブロック図である。
【図3】渋滞情報DBに記憶される渋滞情報の一例を示した図である。
【図4】本実施形態に係る空調設備起動処理プログラムのフローチャートである。
【図5】ステップ3において液晶ディスプレイに表示される起動問い合わせ画面の一例を示した図である。
【図6】ステップ3において液晶ディスプレイに表示される起動問い合わせ画面の一例を示した図である。
【図7】ユーザの自宅への到着が遅れる要因の一例について説明した図である。
【図8】ユーザの自宅への到着が遅れる要因の一例について説明した図である。
【図9】ユーザの自宅への到着が遅れる要因の一例について説明した図である。
【図10】エアコンの冷房や暖房運転を開始した場合に表示される起動停止問い合わせ画面の一例を示した図である。
【図11】エアコンを予約状態とした場合に表示される起動停止問い合わせ画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る空調設備起動システムについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る空調設備起動システム1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る空調設備起動システム1を示した概略構成図である。
【0027】
図1に示すように、本実施形態に係る空調設備起動システム1は、車両2に搭載されたナビゲーション装置3と、車両2(即ちユーザ)が向かうユーザの自宅4に設置された家電制御ユニット5と、家電制御ユニット5に接続された複数の空調設備(例えばエアコン6)と、から基本的に構成されている。尚、以下の実施形態では、車両2が向かう施設としてユーザの自宅を例に挙げて説明するが、ユーザの自宅以外であっても良い。例えば、ユーザの職場や店舗等であっても良い。また、自宅に設置された空調設備としてエアコンを例に挙げて説明するが、エアコン以外であっても良い。例えば、換気扇、空気清浄機、加湿器等であっても良い。
【0028】
ここで、ナビゲーション装置3は、全国の各道路を走行する車両2に設置され、格納する地図情報に基づいて車両位置周辺の地図を表示したり、設定された目的地までの経路の探索及び案内を行う車載機である。また、ナビゲーション装置3は、通信モジュールを介して通信ネットワーク網に接続され、自宅4に設置された家電制御ユニット5と双方向通信可能に構成されている。そして、後述のように所定のタイミング(例えば車両2のACCがオンされた時点)でユーザに対してエアコン6を起動させるか否かの問い合わせを行い、ユーザがエアコン6を起動させることを選択した場合に、エアコン6を起動させる起動信号を家電制御ユニット5に対して送信する。また、後述のようにユーザが自宅への到着が遅れる要因を検出した場合には、ユーザに対してエアコン6の起動を停止させるか否かの問い合わせを行い、ユーザがエアコン6の起動を停止させることを選択した場合に、エアコン6の起動を停止させる停止信号を家電制御ユニット5に対して送信する。尚、ナビゲーション装置3の詳細については後述する。
【0029】
また、家電制御ユニット5は、自宅4に設置されたエアコン6等の複数の空調設備と接続され、エアコン6等の空調設備を含む家電製品の動作を制御する制御ユニットである。家電制御ユニット5は、図示しない演算装置としてのCPU、記憶装置としてのRAM、ROM等を備える。また、通信機器を介して通信ネットワーク網に接続され、ナビゲーション装置3と双方向通信可能に構成されている。そして、後述のようにナビゲーション装置3からエアコン6を起動させる起動信号を受信した場合には、エアコン6を起動させる。尚、起動とは、エアコン6の冷房や暖房運転を開始させることに加えて、冷房や暖房運転を開始させる時間を設定した状態(以下、予約状態)とすることも含む。また、後述のようにナビゲーション装置3からエアコン6の起動を停止させる停止信号を受信した場合には、エアコン6の起動を停止させる。尚、起動の停止とは、エアコン6の冷房や暖房運転を停止させることに加えて、予約状態を解除することも含む。
【0030】
尚、ナビゲーション装置3と家電制御ユニット5は通信センタ等を介して双方向通信可能に接続しても良いし、通信センタ等を介さずに直接的に双方向通信可能に接続しても良い。また、家電制御ユニット5は、エアコン6などの空調設備内に含む構成(即ち、家電制御ユニット5と空調設備が一体の構成)としても良い。
【0031】
続いて、空調設備起動システム1を構成するナビゲーション装置3の構成について図2を用いてより詳細に説明する。図2は本実施形態に係るナビゲーション装置3を示したブロック図である。
【0032】
図2に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置3は、ナビゲーション装置3が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して車両周辺の地図や施設の関する施設情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、プローブセンタやVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。
【0033】
以下に、ナビゲーション装置3を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置3が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置3が備える構成としても良い。
【0034】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や渋滞情報DB32や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部12をハードディスクの代わりにメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。
【0035】
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、施設に関する施設データ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。尚、地図情報DB31には、ナビゲーション装置3において登録されたユーザの自宅の位置座標についても記憶される。また、施設データには、施設の位置を特定する位置座標についても記憶される。
【0036】
また、渋滞情報DB32は、VICSセンタ等の交通情報センタから取得した渋滞情報が一定期間累積的に記憶される記憶手段である。ここで、渋滞情報DB32に格納されている渋滞情報は、渋滞の度合いを示す渋滞度、渋滞区間を示す渋滞長、旅行時間等を含む。ここで、渋滞度とは、渋滞の程度を示した情報であり、渋滞の程度の高い方から、『渋滞』、『混雑』、『空き』のデータがある。そして、この渋滞度は、道路の属性(都市間高速道路、都市内高速道路、一般道路)と道路を通過する車両の平均車速に基づいて決定される。一例として、一般道路では、平均車速が10km以下であれば“渋滞”と決定し、平均車速が10kmより大きく20km未満であれば“混雑”と決定し、平均車速が20km以上であれば“空き”と決定している。そして、ナビゲーション装置3は、所定時間毎(例えば5分毎)にVICSセンタ等の交通情報センタから新たな渋滞情報を取得し、渋滞情報DB32へと格納する。そして、渋滞情報DB32に格納された渋滞情報は、後述のようにユーザの自宅への到着が遅れる要因として検出される。
【0037】
以下に、図3を用いて渋滞情報DB32に記憶される渋滞情報についてより詳細に説明する。図3は渋滞情報DB32に記憶される渋滞情報の一例を示した図である。
図3に示すように渋滞情報は、リンクを識別するVICSリンク番号と、そのリンクについての渋滞度、渋滞の区間を示す渋滞長、旅行時間等から構成される。例えば、図3に示す渋滞情報は、2011年3月6日の13時56分から14時1分までの5分間に生成され14時1分に配信される情報であり、VICSリンク番号『533945−4−4』のリンクについて、全区間において渋滞度が『渋滞』であり、旅行時間が7分であることを示している。また、VICSリンク番号『533946−10−2』のリンクについて、全区間において渋滞度が『混雑』であり、旅行時間が5分であることを示している。更に、VICSリンク番号『533947−6−1』のリンクについて、地点Aから200m区間において渋滞度が『混雑』であり、旅行時間が3分であることを示している。
【0038】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、ナビゲーション装置3の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の空調設備起動処理プログラム(図4参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU13は、処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、案内経路設定手段は、出発地(例えば車両の現在位置)から目的地までの案内経路を設定する。起動問い合わせ手段は、自宅4へと向かうユーザに対して、自宅に設置された空調設備(例えばエアコン6)を起動するか否かを問い合わせる。起動選択判定手段は、起動問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、ユーザが空調設備を起動することを選択したか否か判定する。起動手段は、起動選択判定手段によってユーザが空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、空調設備を起動させる。遅延要因検出手段は、車両(即ちユーザ)の自宅への到着が遅れる要因を検出し、停止問い合わせ手段は、車両(即ちユーザ)の自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、ユーザに対して空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる。停止選択判定手段は、停止問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、ユーザが空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する。起動停止手段は、停止選択判定手段によってユーザが空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、空調設備の起動を停止させる。渋滞情報取得手段は渋滞情報を取得し、進行方向取得手段は、車両(即ちユーザ)の進行方向を取得する。現在位置取得手段は、車両(即ちユーザ)の現在位置を取得し、施設情報取得手段は、施設に関する施設情報を取得する。距離取得手段は、車両(即ちユーザ)から自宅までの距離を取得し、電源検出手段は、ユーザの乗車する車両のACCがオンされたことを検出する。
【0039】
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。また、本実施形態ではユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6を起動するか否かの問い合わせが行われた場合に、エアコン6を起動させるか否かのユーザの選択を受け付ける際にも使用される。更に、本実施形態ではユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止するか否かの問い合わせが行われた場合に、エアコン6の起動を停止させるか否かのユーザの選択を受け付ける際にも使用される。尚、操作部14は液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【0040】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの走行予定経路、走行予定経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。特に本実施形態では、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6を起動するか否かを問い合わせる為の起動問い合わせ画面(図5、図6参照)や、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止するか否かを問い合わせる為の起動停止問い合わせ画面(図10、図11参照)についても表示する。
【0041】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて走行予定経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。特に本実施形態では、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6を起動するか否かを問い合わせる音声や、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止するか否かを問い合わせる音声についても出力する。
【0042】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。
【0043】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。更に、通信モジュール18は、自宅4に設置された家電制御ユニット5に対して、エアコン6を起動させる為の起動信号や、エアコン6の起動を停止させる為の起動停止信号を送信する際にも用いられる。
【0044】
続いて、前記構成を有する空調設備起動システム1を構成するナビゲーション装置3において実行する空調設備起動処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係る空調設備起動処理プログラムのフローチャートである。ここで、空調設備起動処理プログラムは車両2のACCがオンされた場合に実行され、自宅4に設置されたエアコン6の起動及び起動の停止を行うプログラムである。尚、以下の図4にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーションECU13が備えているRAM42やROM43等に記憶されており、CPU41により実行される。
【0045】
空調設備起動処理プログラムでは、先ずステップ(以下、Sと略記する)1においてCPU41は、車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)が自宅4へと向かうか否か判定する。ここで、車両2が自宅へと向かうと判定する場合としては、例えば、ナビゲーション装置3において自宅が目的地に設定された場合、職場で車両2のACCがオンされた場合、17時〜24時までの間に自宅以外で車両のACCがオンされた場合等がある。尚、車両2の現在位置はGPS21等により検出する。
【0046】
そして、車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)が自宅4へと向かうと判定された場合(S1:YES)には、S2へと移行する。それに対して、車両2が自宅4へと向かわないと判定された場合(S1:NO)には、自宅4に設置されたエアコン6を起動させることなく当該空調設備起動処理プログラムを終了する。
【0047】
S2においてCPU41は、自宅4に設置されたエアコン6を起動させるタイミングか否かを判定する。ここで、自宅4に設置されたエアコン6を起動させるタイミングとしては、例えば、以下の(A)〜(C)のタイミングがある。
(A)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)から自宅4までの距離が所定距離(例えば3km)以内となったタイミング。
(B)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)が自宅4へ到着する到着予定時刻の所定時間(例えば15分)前となったタイミング。
(C)車両2のACCがオンされたタイミング。
【0048】
尚、(A)において車両2から自宅4までの距離を算出する場合には、案内経路が設定されている場合には、案内経路に沿った車両2の現在位置から自宅4までの距離を算出する。一方、案内経路が設定されていない場合には、車両の現在位置から自宅までの推奨経路又は最短経路を特定し、推奨経路又は最短経路に沿った車両2の現在位置から自宅4までの距離を算出する。尚、車両2の現在位置から自宅4までの直線距離を算出しても良い。
【0049】
また、(B)において自宅4へ到着予定時刻を算出する場合には、案内経路が設定されている場合には、案内経路に沿って走行する車両2の自宅4への到着予定時刻をリンクの旅行時間等から算出する。一方、案内経路が設定されていない場合には、車両の現在位置から自宅までの推奨経路又は最短経路を特定し、推奨経路又は最短経路に沿って走行する車両2の自宅4への到着予定時刻をリンクの旅行時間等から算出する。尚、VICSセンタ等から取得した渋滞情報(図3参照)についても考慮して、到着予定時刻を算出することが望ましい。
【0050】
そして、前記S2の判定処理において、自宅4に設置されたエアコン6を起動させるタイミングであると判定された場合(S2:YES)には、S3へと移行する。それに対して、自宅4に設置されたエアコン6を起動させるタイミングでないと判定された場合(S2:NO)には、エアコン6を起動させるタイミングとなるまで待機する。
【0051】
S3においてCPU41は、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6を起動するか否かを問い合わせる為の起動問い合わせ画面を液晶ディスプレイ15に表示する。また、スピーカ16から出力する音声によって問い合わせを行っても良い。尚、起動とは、エアコン6の冷房や暖房運転を開始させることに加えて、冷房や暖房運転を開始させる時間を設定した状態(予約状態)とすることも含む。
【0052】
ここで、図5及び図6は、ステップ3において液晶ディスプレイ15に表示される起動問い合わせ画面50の一例を示した図である。
図5に示すように、起動問い合わせ画面50は、車両周辺の地図画像を示した走行案内画面51に重畳して表示された問い合わせウィンドウ52から構成される。また、問い合わせウィンドウ52には、「エアコンの運転を開始しますか?」との文章とともに、エアコンの運転の種類(例えば、『自動』、『冷房』、『暖房』の3種)を選択する運転選択部53と、選択された運転の種類でエアコンの運転を開始させる場合にユーザによって選択される運転開始選択部54と、エアコンの運転を開始させない場合にユーザによって選択される運転非開始選択部55と、が表示される。そして、ユーザは図5に示す起動問い合わせ画面50において、自宅4のエアコン6の運転を開始するか否かを選択する。更に、運転を開始させる場合には、その運転の種類についても選択する。
【0053】
一方、図6に示すように、起動問い合わせ画面50では、冷房や暖房運転を開始させる時間を設定した予約状態とするか否かの問い合わせを行っても良い。図6に示す問い合わせウィンドウ56には、「エアコンの運転予約を行いますか?」との文章とともに、エアコンの運転の種類(例えば、『自動』、『冷房』、『暖房』の3種)を選択する運転選択部57と、エアコンの運転開始時刻を選択する時刻選択部58と、選択された運転の種類で選択された時刻にエアコンの運転を開始させる予約を行う場合にユーザによって選択される運転予約開始選択部59と、エアコンの運転予約を行わない場合にユーザによって選択される運転予約非開始選択部60と、が表示される。そして、ユーザは図6に示す起動問い合わせ画面50において、自宅4のエアコン6を予約状態とするか否かを選択する。更に、予約状態とする場合には、その運転の種類や運転開始時刻についても選択する。
【0054】
次に、S4においてCPU41は、前記S3で表示された起動問い合わせ画面50において、自宅4に設置されたエアコン6を起動させることが選択されたか否か判定する。具体的には、図5に示す起動問い合わせ画面50において運転開始選択部54が選択された場合や、図6に示す起動問い合わせ画面50において運転予約開始選択部59が選択された場合に、自宅4に設置されたエアコン6を起動させることが選択されたと判定する。
【0055】
そして、自宅4に設置されたエアコン6を起動させることが選択されたと判定された場合(S4:YES)には、S5へと移行する。それに対して、自宅4に設置されたエアコン6を起動させることが選択されなかったと判定された場合(S4:NO)には、エアコン6を起動させることなく当該空調設備起動処理プログラムを終了する。
【0056】
S5においてCPU41は、エアコン6を起動させる起動信号を家電制御ユニット5に対して送信する。そして、ナビゲーション装置3から起動信号を受信した家電制御ユニット5は、エアコン6を起動させる。
【0057】
次に、S6においてCPU41は、ユーザの自宅4への到着が遅れる要因を検出したか否か判定する。ここで、ユーザの自宅4への到着が遅れる要因としては、例えば、以下の(a)〜(c)の要因がある。
(a)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)と自宅4との間に渋滞が生じていること。
(b)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)の進行方向が自宅4の方向と異なる方向となったこと。
(c)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)の現在位置が自宅4以外の施設内に位置すること(即ち、ユーザが寄り道していること)。
【0058】
尚、(a)において“車両2と自宅4との間に渋滞が生じていること”は、VICSセンタ等から取得した渋滞情報(図3参照)に基づいて検出される。具体的には、図7に示すように、CPU41は案内経路が設定されている場合には、案内経路中に渋滞度が『渋滞』又は『混雑』に設定される区間が存在する場合に、車両2と自宅4との間に渋滞が生じていると検出する。案内経路が設定されていない場合には、車両の現在位置から自宅までの推奨経路又は最短経路を特定し、推奨経路又は最短経路中に渋滞度が『渋滞』又は『混雑』に設定される区間が存在する場合に、車両2と自宅4との間に渋滞が生じていると検出する。
【0059】
また、(b)において“車両2の進行方向が自宅4の方向と異なる方向になったこと”は、ジャイロセンサ24等により検出した車両方位と、GPS21等により検出した車両の現在位置と、自宅4の位置座標とに基づいて検出される。具体的には、図8に示すように、CPU41は、車両2の現在位置と自宅4の位置座標とに基づいて、車両2の現在位置に対する自宅4への方位を、自宅方向61として算出する。その後、ジャイロセンサ24等により検出した車両2の進行方向(車両方位)62と算出された自宅方向61とを比較し、各方向のなす角度θが所定角度以上(例えば100度以上)である場合に、車両2の進行方向が自宅4の方向と異なる方向になったと検出する。
【0060】
また、(c)において“車両2の現在位置が自宅4以外の施設内に位置すること”は、GPS21等により検出した車両の現在位置と、地図情報DB31に記憶された施設データとに基づいて検出される。具体的には、図9に示すように、CPU41は、車両2の現在位置と施設データに含まれる各施設の位置座標とに基づいて、車両2が自宅以外の施設内に位置するか否か判定する。そして、車両2が自宅以外の施設(図9に示す例では施設63)内に位置すると判定した場合に、車両2の現在位置が自宅以外の施設内に位置すると検出する。
【0061】
尚、前記S6では、車両2の現在位置が自宅以外の施設内に位置し、且つ車両2のイグニションがオフされたことをユーザの自宅4への到着が遅れる要因として検出しても良い。又は、車両2の現在位置が自宅以外の施設内に位置する状態で所定時間以上経過したことをユーザの自宅4への到着が遅れる要因として検出しても良い。
【0062】
そして、前記S6の判定処理において、ユーザの自宅4への到着が遅れる要因を検出したと判定された場合(S6:YES)には、S8へと移行する。それに対して、ユーザの自宅4への到着が遅れる要因を検出していないと判定された場合(S6:NO)には、S7へと移行する。
【0063】
S7においてCPU41は、車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)が自宅4へと到着したか否かを判定する。具体的には、GPS21等により検出した車両2の現在位置が自宅4の位置座標の所定距離以内(例えば200m以内)となった場合に、車両2が自宅4へ到着したと判定する。
【0064】
そして、車両2が自宅4へ到着したと判定された場合(S7:YES)には、当該空調設備起動処理プログラムを終了する。それに対して、車両2が自宅4へ到着していないと判定された場合(S7:NO)には、S6へと戻る。
【0065】
一方、S8においてCPU41は、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止するか否かを問い合わせる為の起動停止問い合わせ画面を液晶ディスプレイ15に表示する。また、スピーカ16から出力する音声によって問い合わせを行っても良い。尚、起動の停止とは、エアコン6の冷房や暖房運転を停止させることに加えて、冷房や暖房運転を開始させる時間を設定した状態(予約状態)を解除することも含む。
【0066】
ここで、図10及び図11は、ステップ8において液晶ディスプレイ15に表示される起動停止問い合わせ画面70の一例を示した図である。尚、図10は前記S5でエアコン6の冷房や暖房運転を開始した場合に表示される起動停止問い合わせ画面70の例であり、図11は前記S5でエアコン6を予約状態とした場合に表示される起動停止問い合わせ画面70の例である。
図10に示すように、起動停止問い合わせ画面70は、車両周辺の地図画像を示した走行案内画面71に重畳して表示された問い合わせウィンドウ72から構成される。また、問い合わせウィンドウ72には、「エアコンの運転を停止しますか?」との文章とともに、現在のエアコンの運転状態(例えば、『自動』、『冷房』、『暖房』の3種)を示す運転報知部73と、エアコンの運転を停止させる場合にユーザによって選択される運転停止選択部74と、エアコンの運転を停止させない場合にユーザによって選択される運転非停止選択部75と、が表示される。そして、ユーザは図10に示す起動停止問い合わせ画面70において、前記S5で開始された自宅4のエアコン6の運転を停止するか否かを選択する。
【0067】
一方、図11に示す起動停止問い合わせ画面70では、問い合わせウィンドウ72には、「エアコンの運転予約を取り消しますか?」との文章とともに、現在のエアコンの予約内容を報知する予約内容報知部77と、エアコンの予約状態を解除する場合にユーザによって選択される運転予約解除選択部78と、エアコンの予約状態を解除しない場合にユーザによって選択される運転予約非解除選択部79と、が表示される。そして、ユーザは図11に示す起動停止問い合わせ画面70において、前記S5で設定した自宅4のエアコン6の予約状態を解除するか否かを選択する。
【0068】
次に、S9においてCPU41は、前記S8で表示された起動停止問い合わせ画面70において、自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止させることが選択されたか否か判定する。具体的には、図10に示す起動停止問い合わせ画面70において運転停止選択部74が選択された場合や、図11に示す起動停止問い合わせ画面70において運転予約解除選択部78が選択された場合に、自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止させることが選択されたと判定する。
【0069】
そして、自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止させることが選択されたと判定された場合(S9:YES)には、S10へと移行する。それに対して、自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止させることが選択されなかったと判定された場合(S9:NO)には、エアコン6を起動させた状態で当該空調設備起動処理プログラムを終了する。
【0070】
S10においてCPU41は、エアコン6の起動を停止させる停止信号を家電制御ユニット5に対して送信する。そして、ナビゲーション装置3から停止信号を受信した家電制御ユニット5は、エアコン6の起動を停止させる。
【0071】
次に、S11においてCPU41は、前記S10で一旦起動が停止された自宅4に設置されたエアコン6を、再度起動させるタイミングとなったか否かを判定する。ここで、自宅4に設置されたエアコン6を再起動させるタイミングとしては、例えば、以下の(1)〜(5)のタイミングがある。
(1)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)から自宅4までの距離が所定距離(例えば1km)以内となったタイミング。
(2)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)が自宅4へ到着する到着予定時刻の所定時間(例えば10分)前となったタイミング。
(3)前記S6においてユーザの自宅4への到着が遅れる要因として、特に(a)の要因が検出された場合には、車両と自宅4との間の渋滞が解消されたタイミング。
(4)前記S6においてユーザの自宅4への到着が遅れる要因として、特に(b)の要因が検出された場合には、車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)の進行方向が自宅4の方向と同一方向となったタイミング。
(5)前記S6においてユーザの自宅4への到着が遅れる要因として、特に(c)の要因が検出された場合には、車両2のACCがオンされたタイミング、又は施設から退出したタイミング。
【0072】
そして、前記S11の判定処理において、自宅4に設置されたエアコン6を再起動させるタイミングであると判定された場合(S11:YES)には、S3へと移行する。そして、前述したように起動問い合わせ画面50(図5、図6)を液晶ディスプレイ15に表示する。それに対して、自宅4に設置されたエアコン6を再起動させるタイミングでないと判定された場合(S11:NO)には、S12へと移行する。
【0073】
S12においてCPU41は、車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)が自宅4へと到着したか否かを判定する。
【0074】
そして、車両2が自宅4へ到着したと判定された場合(S12:YES)には、当該空調設備起動処理プログラムを終了する。それに対して、車両2が自宅4へ到着していないと判定された場合(S12:NO)には、S11へと戻る。
【0075】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る空調設備起動システム1、ナビゲーション装置3、空調設備起動システム1による空調設備起動方法及びナビゲーション装置3で実行されるコンピュータプログラムでは、自宅4へと向かうユーザに対して、自宅4に設置された空調設備であるエアコン6の起動タイミングとなった場合に、該エアコン6を起動するか否かの問い合わせを行い(S3)、問い合わせにおいてユーザがエアコン6を起動することを選択した場合に、エアコン6を起動させる(S5)とともに、ユーザの自宅への到着が遅れる要因を検出した場合には、ユーザに対してエアコン6の起動を停止するか否かの問い合わせを行い(S8)、問い合わせにおいてユーザがエアコン6の起動を停止することを選択した場合に、エアコン6の起動を停止させる(S10)ので、自宅4へと向かうユーザが遠隔地から自宅4に設置されたエアコン6を起動させる場合において、ユーザの意図に反してエアコン6が起動されることを防止することが可能となる。また、起動後にユーザの自宅4への到着が遅れることが予測される場合において、不要となるエアコン6の起動を削減することが可能となる。更に、ユーザの意図に反してエアコン6の起動が停止されることについても防止することが可能となる。
また、ユーザと自宅4の間で渋滞が発生した場合に、ユーザの自宅4への到着が遅れることを予測するので、渋滞によるユーザの自宅4への到着の遅れを考慮してエアコン6の起動を適切に行うことが可能となる。
また、ユーザの進行方向が自宅4への方向と異なる場合に、ユーザの自宅4への到着が遅れることを予測するので、走行経路の変更によるユーザの自宅4への到着の遅れを考慮してエアコン6の起動を適切に行うことが可能となる。
また、ユーザの現在位置が自宅4以外の施設に位置する場合に、ユーザの自宅4への到着が遅れることを予測するので、ユーザが寄り道をしたことによるユーザの自宅4への到着の遅れを考慮してエアコン6の起動を適切に行うことが可能となる。
また、ユーザから自宅4までの距離が所定距離以内となった場合に、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6を起動するか否かの問い合わせを行うので、自宅4に設置されたエアコン6をユーザが自宅4に到着する前の適切なタイミングで起動させることが可能となる。
また、車両2のACCがオンされたことを検出した場合に、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6を起動するか否かの問い合わせを行うので、自宅4に設置されたエアコン6をユーザが自宅4に到着する前の適切なタイミングで起動させることが可能となる。
【0076】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では前記S6で自宅4に設置されたエアコン6を起動させるタイミングとして、上記(A)〜(C)のタイミングを挙げているが、他のタイミングを用いても良い。同様に、ユーザの自宅4への到着が遅れる要因として、上記(a)〜(c)の要因を挙げているが、他の要因を用いても良い。また、自宅4に設置されたエアコン6を再起動させるタイミングとして、上記(1)〜(5)のタイミングを挙げているが、他のタイミングを用いても良い。
【0077】
また、本実施形態では自宅4に設置された空調設備の起動を停止(S10)した後に、再度空調設備を起動させるタイミングであるか否かの判定処理(S11)を行うこととしているが、S11の処理は省略しても良い。
【0078】
また、ユーザの自宅への到着が遅れる要因を検出する為に取得される渋滞情報は、VICSセンタから取得した渋滞情報に限ることなく、他の渋滞情報であっても良い。例えば、プローブセンタから取得した渋滞情報でも良いし、ナビゲーション装置3に予め記憶される統計交通情報であっても良い。
【0079】
また、本発明はナビゲーション装置以外に、ユーザに問い合わせを行う為のディスプレイやスピーカを備えた装置に対して適用することが可能である。例えば、携帯電話機やPDA等の携帯端末、パーソナルコンピュータ、携帯型音楽プレイヤ等(以下、携帯端末等という)に適用することも可能である。また、サーバと携帯端末等から構成されるシステムに対しても適用することが可能となる。その場合には、上述した空調設備起動処理プログラム(図4)の各ステップは、サーバと携帯端末等のいずれが実施する構成としても良い。また、本発明を携帯端末等に適用する場合には、走行案内画面では、車両以外の移動体、例えば、携帯端末等のユーザや2輪車等の現在位置周辺の地図を示す場合もある。更に、自宅4に設置されたエアコン6を起動させるタイミングとしては、上記した(A)〜(C)のタイミング以外に、以下の(D)〜(F)のタイミングを用いても良い。
(D)車両以外の移動体、例えば、携帯端末等のユーザや2輪車等から自宅4までの距離が所定距離となったタイミング。
(E)車両以外の移動体、例えば、携帯端末等のユーザや2輪車等が自宅4へ到着する到着予定時刻の所定時間前となったタイミング。
(F)携帯端末等の電源がONされたタイミング。
【符号の説明】
【0080】
1 空調設備起動システム
2 車両
3 ナビゲーション装置
4 自宅
5 家電制御ユニット
6 エアコン
13 ナビゲーションECU
41 CPU
42 RAM
43 ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔地点から空調設備の起動を行う空調設備起動システム、空調設備起動装置、空調設備起動方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エアコン等の空調設備は、その動作状態を利用者が希望する時刻に合わせて制御するためにタイマ機能が備えられているものがある。例えば、タイマに自分の帰宅予定時刻の30分前等の所望の時刻を設定することにより、所望の時間から冷房又は暖房運転を開始させることが可能となる。
【0003】
ここで、上記タイマ機能を備えた従来の空調設備においては、帰宅予定時刻又は帰宅予定時刻の所定時間前に運転を開始させたい場合に、ユーザは外出前に自分の帰宅時刻を予想し、この予想した帰宅予定時刻に合わせてタイマを設定していた。しかし、帰宅予定時刻と実際に帰宅する時刻とにズレが生じる場合が多かった。そこで、例えば特開2001−264077号公報には、ナビゲーション装置において車両の現在位置と自宅までの経路から自宅への到着予定時刻を算出し、到着予定時刻の所定時間前になった時点や自宅からの距離が所定距離以内となった時点で家電製品へ運転開始指示を出力し、家電製品の運転を開始させる技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−264077号公報(第5−7頁、図5、図9、図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1の記載の技術では、ユーザが予め起動条件を設定しておくと、到着予定時刻の所定時間前になった時点や自宅からの距離が所定距離以内となった時点で、ユーザへの確認を行わずに家電製品へ運転開始指示を自動的に出力していた。しかしながら、引用文献1のようにユーザへの確認を行わずに自動的に運転開始指示を出力することとすると、ユーザの意図に反して家電製品が起動される場合がある。例えば、ユーザが起動条件を設定した後に、寄り道を行うことを決定した場合や、経路を急に変更した場合等がある。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、自宅へと向かうユーザが遠隔地から自宅に設置された空調設備を起動させる場合において、ユーザの意図に反して空調設備が起動されることを防止した空調設備起動システム、空調設備起動装置、空調設備起動方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る空調設備起動システム(1)は、自宅(4)へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備(6)を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせ手段(13)と、前記起動問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定手段(13)と、前記起動選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動手段(13)と、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出手段(13)と、前記遅延要因検出手段によって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせ手段(13)と、前記停止問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定手段(13)と、前記停止選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止手段(13)と、を有することを特徴とする。
尚、「空調設備」としては、エアコン以外にも、換気扇、空気清浄機、加湿器等も該当する。
【0008】
また、請求項2に係る空調設備起動システム(1)は、請求項1に記載の空調設備起動システムであって、渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段(13)を有し、前記遅延要因検出手段(13)は、前記ユーザと前記自宅(4)の間で発生する渋滞を、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因として検出することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る空調設備起動システム(1)は、請求項1又は請求項2に記載の空調設備起動システムであって、前記ユーザの進行方向を取得する進行方向取得手段(13)を有し、前記遅延要因検出手段(13)は、前記ユーザの進行方向が前記ユーザから前記自宅(4)への方向と異なることを、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因として検出することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る空調設備起動システム(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の空調設備起動システムであって、前記ユーザの現在位置を取得する現在位置取得手段(13)と、施設(63)に関する施設情報を取得する施設情報取得手段(13)と、を有し、前記遅延要因検出手段(13)は、前記ユーザの現在位置が前記自宅(4)以外の施設内に位置することを、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因として検出することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る空調設備起動システム(1)は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の空調設備起動システムであって、前記ユーザから前記自宅(4)までの距離を取得する距離取得手段(13)を有し、前記起動問い合わせ手段(13)は、前記ユーザから前記自宅までの距離が所定距離以内となった場合に、前記ユーザに対して前記自宅に設置された前記空調設備(6)を起動するか否かの問い合わせを行うことを特徴とする
【0012】
また、請求項6に係る空調設備起動システム(1)は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の空調設備起動システムであって、前記ユーザの乗車する車両(2)のACCがオンされたことを検出する電源検出手段(13)を有し、前記起動問い合わせ手段(13)は、前記電源検出手段によって前記車両のACCがオンされたことを検出した場合に、前記ユーザに対して前記自宅(4)に設置された前記空調設備(6)を起動するか否かの問い合わせを行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る空調設備起動装置(3)は、自宅(4)へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備(6)を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせ手段(13)と、前記起動問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定手段(13)と、前記起動選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動手段(13)と、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出手段(13)と、前記遅延要因検出手段によって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせ手段(13)と、前記停止問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定手段(13)と、前記停止選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止手段(13)と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る空調設備起動方法は、自宅(4)へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備(6)を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせステップと、前記起動問い合わせステップによる問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定ステップと、前記起動選択判定ステップによって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動ステップと、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出ステップと、前記遅延要因検出ステップによって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせステップと、前記停止問い合わせステップによる問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定ステップと、前記停止選択判定ステップによって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
更に、請求項9に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、自宅(4)へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備(6)を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせ機能と、前記起動問い合わせ機能による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定機能と、前記起動選択判定機能によって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動機能と、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出機能と、前記遅延要因検出機能によって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせ機能と、前記停止問い合わせ機能による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定機能と、前記停止選択判定機能によって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止機能と、をプロセッサ(41)に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
前記構成を有する請求項1に記載の空調設備起動システムによれば、自宅へと向かうユーザが遠隔地から自宅に設置された空調設備を起動させる場合において、ユーザの意図に反して空調設備が起動されることを防止することが可能となる。また、起動後にユーザの自宅への到着が遅れることが予測される場合において、不要となる空調設備の起動を削減することが可能となる。更に、ユーザの意図に反して空調設備の起動が停止されることについても防止することが可能となる。
【0017】
また、請求項2に記載の空調設備起動システムによれば、ユーザと自宅の間で渋滞が発生した場合に、ユーザの自宅への到着が遅れることを予測するので、渋滞によるユーザの自宅への到着の遅れを考慮して空調設備の起動を適切に行うことが可能となる。
【0018】
また、請求項3に記載の空調設備起動システムによれば、ユーザの進行方向が自宅への方向と異なる場合に、ユーザの自宅への到着が遅れることを予測するので、走行経路の変更によるユーザの自宅への到着の遅れを考慮して空調設備の起動を適切に行うことが可能となる。
【0019】
また、請求項4に記載の空調設備起動システムによれば、ユーザの現在位置が自宅以外の施設に位置する場合に、ユーザの自宅への到着が遅れることを予測するので、ユーザが寄り道をしたことによるユーザの自宅への到着の遅れを考慮して空調設備の起動を適切に行うことが可能となる。
【0020】
また、請求項5に記載の空調設備起動システムによれば、ユーザから自宅までの距離が所定距離以内となった場合に、ユーザに対して自宅に設置された空調設備を起動するか否かの問い合わせを行うので、自宅に設置された空調設備をユーザが自宅に到着する前の適切なタイミングで起動させることが可能となる。
【0021】
また、請求項6に記載の空調設備起動システムによれば、車両のACCがオンされたことを検出した場合に、ユーザに対して自宅に設置された空調設備を起動するか否かの問い合わせを行うので、自宅に設置された空調設備をユーザが自宅に到着する前の適切なタイミングで起動させることが可能となる。
【0022】
また、請求項7に記載の空調設備起動装置によれば、自宅へと向かうユーザが遠隔地から自宅に設置された空調設備を起動させる場合において、ユーザの意図に反して空調設備が起動されることを防止することが可能となる。また、起動後にユーザの自宅への到着が遅れることが予測される場合において、不要となる空調設備の起動を削減することが可能となる。更に、ユーザの意図に反して空調設備の起動が停止されることについても防止することが可能となる。
【0023】
また、請求項8に記載の空調設備起動方法によれば、自宅へと向かうユーザが遠隔地から自宅に設置された空調設備を起動させる場合において、ユーザの意図に反して空調設備が起動されることを防止することが可能となる。また、起動後にユーザの自宅への到着が遅れることが予測される場合において、不要となる空調設備の起動を削減することが可能となる。更に、ユーザの意図に反して空調設備の起動が停止されることについても防止することが可能となる。
【0024】
更に、請求項9に記載のコンピュータプログラムによれば、自宅へと向かうユーザが遠隔地から自宅に設置された空調設備を起動させる場合において、ユーザの意図に反して空調設備が起動されることを防止することが可能となる。また、起動後にユーザの自宅への到着が遅れることが予測される場合において、不要となる空調設備の起動を削減することが可能となる。更に、ユーザの意図に反して空調設備の起動が停止されることについても防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る空調設備起動システムを示した概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る空調設備起動システムの内、特にナビゲーション装置の構成を示したブロック図である。
【図3】渋滞情報DBに記憶される渋滞情報の一例を示した図である。
【図4】本実施形態に係る空調設備起動処理プログラムのフローチャートである。
【図5】ステップ3において液晶ディスプレイに表示される起動問い合わせ画面の一例を示した図である。
【図6】ステップ3において液晶ディスプレイに表示される起動問い合わせ画面の一例を示した図である。
【図7】ユーザの自宅への到着が遅れる要因の一例について説明した図である。
【図8】ユーザの自宅への到着が遅れる要因の一例について説明した図である。
【図9】ユーザの自宅への到着が遅れる要因の一例について説明した図である。
【図10】エアコンの冷房や暖房運転を開始した場合に表示される起動停止問い合わせ画面の一例を示した図である。
【図11】エアコンを予約状態とした場合に表示される起動停止問い合わせ画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る空調設備起動システムについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る空調設備起動システム1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る空調設備起動システム1を示した概略構成図である。
【0027】
図1に示すように、本実施形態に係る空調設備起動システム1は、車両2に搭載されたナビゲーション装置3と、車両2(即ちユーザ)が向かうユーザの自宅4に設置された家電制御ユニット5と、家電制御ユニット5に接続された複数の空調設備(例えばエアコン6)と、から基本的に構成されている。尚、以下の実施形態では、車両2が向かう施設としてユーザの自宅を例に挙げて説明するが、ユーザの自宅以外であっても良い。例えば、ユーザの職場や店舗等であっても良い。また、自宅に設置された空調設備としてエアコンを例に挙げて説明するが、エアコン以外であっても良い。例えば、換気扇、空気清浄機、加湿器等であっても良い。
【0028】
ここで、ナビゲーション装置3は、全国の各道路を走行する車両2に設置され、格納する地図情報に基づいて車両位置周辺の地図を表示したり、設定された目的地までの経路の探索及び案内を行う車載機である。また、ナビゲーション装置3は、通信モジュールを介して通信ネットワーク網に接続され、自宅4に設置された家電制御ユニット5と双方向通信可能に構成されている。そして、後述のように所定のタイミング(例えば車両2のACCがオンされた時点)でユーザに対してエアコン6を起動させるか否かの問い合わせを行い、ユーザがエアコン6を起動させることを選択した場合に、エアコン6を起動させる起動信号を家電制御ユニット5に対して送信する。また、後述のようにユーザが自宅への到着が遅れる要因を検出した場合には、ユーザに対してエアコン6の起動を停止させるか否かの問い合わせを行い、ユーザがエアコン6の起動を停止させることを選択した場合に、エアコン6の起動を停止させる停止信号を家電制御ユニット5に対して送信する。尚、ナビゲーション装置3の詳細については後述する。
【0029】
また、家電制御ユニット5は、自宅4に設置されたエアコン6等の複数の空調設備と接続され、エアコン6等の空調設備を含む家電製品の動作を制御する制御ユニットである。家電制御ユニット5は、図示しない演算装置としてのCPU、記憶装置としてのRAM、ROM等を備える。また、通信機器を介して通信ネットワーク網に接続され、ナビゲーション装置3と双方向通信可能に構成されている。そして、後述のようにナビゲーション装置3からエアコン6を起動させる起動信号を受信した場合には、エアコン6を起動させる。尚、起動とは、エアコン6の冷房や暖房運転を開始させることに加えて、冷房や暖房運転を開始させる時間を設定した状態(以下、予約状態)とすることも含む。また、後述のようにナビゲーション装置3からエアコン6の起動を停止させる停止信号を受信した場合には、エアコン6の起動を停止させる。尚、起動の停止とは、エアコン6の冷房や暖房運転を停止させることに加えて、予約状態を解除することも含む。
【0030】
尚、ナビゲーション装置3と家電制御ユニット5は通信センタ等を介して双方向通信可能に接続しても良いし、通信センタ等を介さずに直接的に双方向通信可能に接続しても良い。また、家電制御ユニット5は、エアコン6などの空調設備内に含む構成(即ち、家電制御ユニット5と空調設備が一体の構成)としても良い。
【0031】
続いて、空調設備起動システム1を構成するナビゲーション装置3の構成について図2を用いてより詳細に説明する。図2は本実施形態に係るナビゲーション装置3を示したブロック図である。
【0032】
図2に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置3は、ナビゲーション装置3が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して車両周辺の地図や施設の関する施設情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、プローブセンタやVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。
【0033】
以下に、ナビゲーション装置3を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置3が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置3が備える構成としても良い。
【0034】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や渋滞情報DB32や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部12をハードディスクの代わりにメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。
【0035】
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、施設に関する施設データ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。尚、地図情報DB31には、ナビゲーション装置3において登録されたユーザの自宅の位置座標についても記憶される。また、施設データには、施設の位置を特定する位置座標についても記憶される。
【0036】
また、渋滞情報DB32は、VICSセンタ等の交通情報センタから取得した渋滞情報が一定期間累積的に記憶される記憶手段である。ここで、渋滞情報DB32に格納されている渋滞情報は、渋滞の度合いを示す渋滞度、渋滞区間を示す渋滞長、旅行時間等を含む。ここで、渋滞度とは、渋滞の程度を示した情報であり、渋滞の程度の高い方から、『渋滞』、『混雑』、『空き』のデータがある。そして、この渋滞度は、道路の属性(都市間高速道路、都市内高速道路、一般道路)と道路を通過する車両の平均車速に基づいて決定される。一例として、一般道路では、平均車速が10km以下であれば“渋滞”と決定し、平均車速が10kmより大きく20km未満であれば“混雑”と決定し、平均車速が20km以上であれば“空き”と決定している。そして、ナビゲーション装置3は、所定時間毎(例えば5分毎)にVICSセンタ等の交通情報センタから新たな渋滞情報を取得し、渋滞情報DB32へと格納する。そして、渋滞情報DB32に格納された渋滞情報は、後述のようにユーザの自宅への到着が遅れる要因として検出される。
【0037】
以下に、図3を用いて渋滞情報DB32に記憶される渋滞情報についてより詳細に説明する。図3は渋滞情報DB32に記憶される渋滞情報の一例を示した図である。
図3に示すように渋滞情報は、リンクを識別するVICSリンク番号と、そのリンクについての渋滞度、渋滞の区間を示す渋滞長、旅行時間等から構成される。例えば、図3に示す渋滞情報は、2011年3月6日の13時56分から14時1分までの5分間に生成され14時1分に配信される情報であり、VICSリンク番号『533945−4−4』のリンクについて、全区間において渋滞度が『渋滞』であり、旅行時間が7分であることを示している。また、VICSリンク番号『533946−10−2』のリンクについて、全区間において渋滞度が『混雑』であり、旅行時間が5分であることを示している。更に、VICSリンク番号『533947−6−1』のリンクについて、地点Aから200m区間において渋滞度が『混雑』であり、旅行時間が3分であることを示している。
【0038】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、ナビゲーション装置3の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の空調設備起動処理プログラム(図4参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU13は、処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、案内経路設定手段は、出発地(例えば車両の現在位置)から目的地までの案内経路を設定する。起動問い合わせ手段は、自宅4へと向かうユーザに対して、自宅に設置された空調設備(例えばエアコン6)を起動するか否かを問い合わせる。起動選択判定手段は、起動問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、ユーザが空調設備を起動することを選択したか否か判定する。起動手段は、起動選択判定手段によってユーザが空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、空調設備を起動させる。遅延要因検出手段は、車両(即ちユーザ)の自宅への到着が遅れる要因を検出し、停止問い合わせ手段は、車両(即ちユーザ)の自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、ユーザに対して空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる。停止選択判定手段は、停止問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、ユーザが空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する。起動停止手段は、停止選択判定手段によってユーザが空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、空調設備の起動を停止させる。渋滞情報取得手段は渋滞情報を取得し、進行方向取得手段は、車両(即ちユーザ)の進行方向を取得する。現在位置取得手段は、車両(即ちユーザ)の現在位置を取得し、施設情報取得手段は、施設に関する施設情報を取得する。距離取得手段は、車両(即ちユーザ)から自宅までの距離を取得し、電源検出手段は、ユーザの乗車する車両のACCがオンされたことを検出する。
【0039】
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。また、本実施形態ではユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6を起動するか否かの問い合わせが行われた場合に、エアコン6を起動させるか否かのユーザの選択を受け付ける際にも使用される。更に、本実施形態ではユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止するか否かの問い合わせが行われた場合に、エアコン6の起動を停止させるか否かのユーザの選択を受け付ける際にも使用される。尚、操作部14は液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【0040】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの走行予定経路、走行予定経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。特に本実施形態では、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6を起動するか否かを問い合わせる為の起動問い合わせ画面(図5、図6参照)や、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止するか否かを問い合わせる為の起動停止問い合わせ画面(図10、図11参照)についても表示する。
【0041】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて走行予定経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。特に本実施形態では、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6を起動するか否かを問い合わせる音声や、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止するか否かを問い合わせる音声についても出力する。
【0042】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。
【0043】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。更に、通信モジュール18は、自宅4に設置された家電制御ユニット5に対して、エアコン6を起動させる為の起動信号や、エアコン6の起動を停止させる為の起動停止信号を送信する際にも用いられる。
【0044】
続いて、前記構成を有する空調設備起動システム1を構成するナビゲーション装置3において実行する空調設備起動処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係る空調設備起動処理プログラムのフローチャートである。ここで、空調設備起動処理プログラムは車両2のACCがオンされた場合に実行され、自宅4に設置されたエアコン6の起動及び起動の停止を行うプログラムである。尚、以下の図4にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーションECU13が備えているRAM42やROM43等に記憶されており、CPU41により実行される。
【0045】
空調設備起動処理プログラムでは、先ずステップ(以下、Sと略記する)1においてCPU41は、車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)が自宅4へと向かうか否か判定する。ここで、車両2が自宅へと向かうと判定する場合としては、例えば、ナビゲーション装置3において自宅が目的地に設定された場合、職場で車両2のACCがオンされた場合、17時〜24時までの間に自宅以外で車両のACCがオンされた場合等がある。尚、車両2の現在位置はGPS21等により検出する。
【0046】
そして、車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)が自宅4へと向かうと判定された場合(S1:YES)には、S2へと移行する。それに対して、車両2が自宅4へと向かわないと判定された場合(S1:NO)には、自宅4に設置されたエアコン6を起動させることなく当該空調設備起動処理プログラムを終了する。
【0047】
S2においてCPU41は、自宅4に設置されたエアコン6を起動させるタイミングか否かを判定する。ここで、自宅4に設置されたエアコン6を起動させるタイミングとしては、例えば、以下の(A)〜(C)のタイミングがある。
(A)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)から自宅4までの距離が所定距離(例えば3km)以内となったタイミング。
(B)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)が自宅4へ到着する到着予定時刻の所定時間(例えば15分)前となったタイミング。
(C)車両2のACCがオンされたタイミング。
【0048】
尚、(A)において車両2から自宅4までの距離を算出する場合には、案内経路が設定されている場合には、案内経路に沿った車両2の現在位置から自宅4までの距離を算出する。一方、案内経路が設定されていない場合には、車両の現在位置から自宅までの推奨経路又は最短経路を特定し、推奨経路又は最短経路に沿った車両2の現在位置から自宅4までの距離を算出する。尚、車両2の現在位置から自宅4までの直線距離を算出しても良い。
【0049】
また、(B)において自宅4へ到着予定時刻を算出する場合には、案内経路が設定されている場合には、案内経路に沿って走行する車両2の自宅4への到着予定時刻をリンクの旅行時間等から算出する。一方、案内経路が設定されていない場合には、車両の現在位置から自宅までの推奨経路又は最短経路を特定し、推奨経路又は最短経路に沿って走行する車両2の自宅4への到着予定時刻をリンクの旅行時間等から算出する。尚、VICSセンタ等から取得した渋滞情報(図3参照)についても考慮して、到着予定時刻を算出することが望ましい。
【0050】
そして、前記S2の判定処理において、自宅4に設置されたエアコン6を起動させるタイミングであると判定された場合(S2:YES)には、S3へと移行する。それに対して、自宅4に設置されたエアコン6を起動させるタイミングでないと判定された場合(S2:NO)には、エアコン6を起動させるタイミングとなるまで待機する。
【0051】
S3においてCPU41は、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6を起動するか否かを問い合わせる為の起動問い合わせ画面を液晶ディスプレイ15に表示する。また、スピーカ16から出力する音声によって問い合わせを行っても良い。尚、起動とは、エアコン6の冷房や暖房運転を開始させることに加えて、冷房や暖房運転を開始させる時間を設定した状態(予約状態)とすることも含む。
【0052】
ここで、図5及び図6は、ステップ3において液晶ディスプレイ15に表示される起動問い合わせ画面50の一例を示した図である。
図5に示すように、起動問い合わせ画面50は、車両周辺の地図画像を示した走行案内画面51に重畳して表示された問い合わせウィンドウ52から構成される。また、問い合わせウィンドウ52には、「エアコンの運転を開始しますか?」との文章とともに、エアコンの運転の種類(例えば、『自動』、『冷房』、『暖房』の3種)を選択する運転選択部53と、選択された運転の種類でエアコンの運転を開始させる場合にユーザによって選択される運転開始選択部54と、エアコンの運転を開始させない場合にユーザによって選択される運転非開始選択部55と、が表示される。そして、ユーザは図5に示す起動問い合わせ画面50において、自宅4のエアコン6の運転を開始するか否かを選択する。更に、運転を開始させる場合には、その運転の種類についても選択する。
【0053】
一方、図6に示すように、起動問い合わせ画面50では、冷房や暖房運転を開始させる時間を設定した予約状態とするか否かの問い合わせを行っても良い。図6に示す問い合わせウィンドウ56には、「エアコンの運転予約を行いますか?」との文章とともに、エアコンの運転の種類(例えば、『自動』、『冷房』、『暖房』の3種)を選択する運転選択部57と、エアコンの運転開始時刻を選択する時刻選択部58と、選択された運転の種類で選択された時刻にエアコンの運転を開始させる予約を行う場合にユーザによって選択される運転予約開始選択部59と、エアコンの運転予約を行わない場合にユーザによって選択される運転予約非開始選択部60と、が表示される。そして、ユーザは図6に示す起動問い合わせ画面50において、自宅4のエアコン6を予約状態とするか否かを選択する。更に、予約状態とする場合には、その運転の種類や運転開始時刻についても選択する。
【0054】
次に、S4においてCPU41は、前記S3で表示された起動問い合わせ画面50において、自宅4に設置されたエアコン6を起動させることが選択されたか否か判定する。具体的には、図5に示す起動問い合わせ画面50において運転開始選択部54が選択された場合や、図6に示す起動問い合わせ画面50において運転予約開始選択部59が選択された場合に、自宅4に設置されたエアコン6を起動させることが選択されたと判定する。
【0055】
そして、自宅4に設置されたエアコン6を起動させることが選択されたと判定された場合(S4:YES)には、S5へと移行する。それに対して、自宅4に設置されたエアコン6を起動させることが選択されなかったと判定された場合(S4:NO)には、エアコン6を起動させることなく当該空調設備起動処理プログラムを終了する。
【0056】
S5においてCPU41は、エアコン6を起動させる起動信号を家電制御ユニット5に対して送信する。そして、ナビゲーション装置3から起動信号を受信した家電制御ユニット5は、エアコン6を起動させる。
【0057】
次に、S6においてCPU41は、ユーザの自宅4への到着が遅れる要因を検出したか否か判定する。ここで、ユーザの自宅4への到着が遅れる要因としては、例えば、以下の(a)〜(c)の要因がある。
(a)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)と自宅4との間に渋滞が生じていること。
(b)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)の進行方向が自宅4の方向と異なる方向となったこと。
(c)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)の現在位置が自宅4以外の施設内に位置すること(即ち、ユーザが寄り道していること)。
【0058】
尚、(a)において“車両2と自宅4との間に渋滞が生じていること”は、VICSセンタ等から取得した渋滞情報(図3参照)に基づいて検出される。具体的には、図7に示すように、CPU41は案内経路が設定されている場合には、案内経路中に渋滞度が『渋滞』又は『混雑』に設定される区間が存在する場合に、車両2と自宅4との間に渋滞が生じていると検出する。案内経路が設定されていない場合には、車両の現在位置から自宅までの推奨経路又は最短経路を特定し、推奨経路又は最短経路中に渋滞度が『渋滞』又は『混雑』に設定される区間が存在する場合に、車両2と自宅4との間に渋滞が生じていると検出する。
【0059】
また、(b)において“車両2の進行方向が自宅4の方向と異なる方向になったこと”は、ジャイロセンサ24等により検出した車両方位と、GPS21等により検出した車両の現在位置と、自宅4の位置座標とに基づいて検出される。具体的には、図8に示すように、CPU41は、車両2の現在位置と自宅4の位置座標とに基づいて、車両2の現在位置に対する自宅4への方位を、自宅方向61として算出する。その後、ジャイロセンサ24等により検出した車両2の進行方向(車両方位)62と算出された自宅方向61とを比較し、各方向のなす角度θが所定角度以上(例えば100度以上)である場合に、車両2の進行方向が自宅4の方向と異なる方向になったと検出する。
【0060】
また、(c)において“車両2の現在位置が自宅4以外の施設内に位置すること”は、GPS21等により検出した車両の現在位置と、地図情報DB31に記憶された施設データとに基づいて検出される。具体的には、図9に示すように、CPU41は、車両2の現在位置と施設データに含まれる各施設の位置座標とに基づいて、車両2が自宅以外の施設内に位置するか否か判定する。そして、車両2が自宅以外の施設(図9に示す例では施設63)内に位置すると判定した場合に、車両2の現在位置が自宅以外の施設内に位置すると検出する。
【0061】
尚、前記S6では、車両2の現在位置が自宅以外の施設内に位置し、且つ車両2のイグニションがオフされたことをユーザの自宅4への到着が遅れる要因として検出しても良い。又は、車両2の現在位置が自宅以外の施設内に位置する状態で所定時間以上経過したことをユーザの自宅4への到着が遅れる要因として検出しても良い。
【0062】
そして、前記S6の判定処理において、ユーザの自宅4への到着が遅れる要因を検出したと判定された場合(S6:YES)には、S8へと移行する。それに対して、ユーザの自宅4への到着が遅れる要因を検出していないと判定された場合(S6:NO)には、S7へと移行する。
【0063】
S7においてCPU41は、車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)が自宅4へと到着したか否かを判定する。具体的には、GPS21等により検出した車両2の現在位置が自宅4の位置座標の所定距離以内(例えば200m以内)となった場合に、車両2が自宅4へ到着したと判定する。
【0064】
そして、車両2が自宅4へ到着したと判定された場合(S7:YES)には、当該空調設備起動処理プログラムを終了する。それに対して、車両2が自宅4へ到着していないと判定された場合(S7:NO)には、S6へと戻る。
【0065】
一方、S8においてCPU41は、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止するか否かを問い合わせる為の起動停止問い合わせ画面を液晶ディスプレイ15に表示する。また、スピーカ16から出力する音声によって問い合わせを行っても良い。尚、起動の停止とは、エアコン6の冷房や暖房運転を停止させることに加えて、冷房や暖房運転を開始させる時間を設定した状態(予約状態)を解除することも含む。
【0066】
ここで、図10及び図11は、ステップ8において液晶ディスプレイ15に表示される起動停止問い合わせ画面70の一例を示した図である。尚、図10は前記S5でエアコン6の冷房や暖房運転を開始した場合に表示される起動停止問い合わせ画面70の例であり、図11は前記S5でエアコン6を予約状態とした場合に表示される起動停止問い合わせ画面70の例である。
図10に示すように、起動停止問い合わせ画面70は、車両周辺の地図画像を示した走行案内画面71に重畳して表示された問い合わせウィンドウ72から構成される。また、問い合わせウィンドウ72には、「エアコンの運転を停止しますか?」との文章とともに、現在のエアコンの運転状態(例えば、『自動』、『冷房』、『暖房』の3種)を示す運転報知部73と、エアコンの運転を停止させる場合にユーザによって選択される運転停止選択部74と、エアコンの運転を停止させない場合にユーザによって選択される運転非停止選択部75と、が表示される。そして、ユーザは図10に示す起動停止問い合わせ画面70において、前記S5で開始された自宅4のエアコン6の運転を停止するか否かを選択する。
【0067】
一方、図11に示す起動停止問い合わせ画面70では、問い合わせウィンドウ72には、「エアコンの運転予約を取り消しますか?」との文章とともに、現在のエアコンの予約内容を報知する予約内容報知部77と、エアコンの予約状態を解除する場合にユーザによって選択される運転予約解除選択部78と、エアコンの予約状態を解除しない場合にユーザによって選択される運転予約非解除選択部79と、が表示される。そして、ユーザは図11に示す起動停止問い合わせ画面70において、前記S5で設定した自宅4のエアコン6の予約状態を解除するか否かを選択する。
【0068】
次に、S9においてCPU41は、前記S8で表示された起動停止問い合わせ画面70において、自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止させることが選択されたか否か判定する。具体的には、図10に示す起動停止問い合わせ画面70において運転停止選択部74が選択された場合や、図11に示す起動停止問い合わせ画面70において運転予約解除選択部78が選択された場合に、自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止させることが選択されたと判定する。
【0069】
そして、自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止させることが選択されたと判定された場合(S9:YES)には、S10へと移行する。それに対して、自宅4に設置されたエアコン6の起動を停止させることが選択されなかったと判定された場合(S9:NO)には、エアコン6を起動させた状態で当該空調設備起動処理プログラムを終了する。
【0070】
S10においてCPU41は、エアコン6の起動を停止させる停止信号を家電制御ユニット5に対して送信する。そして、ナビゲーション装置3から停止信号を受信した家電制御ユニット5は、エアコン6の起動を停止させる。
【0071】
次に、S11においてCPU41は、前記S10で一旦起動が停止された自宅4に設置されたエアコン6を、再度起動させるタイミングとなったか否かを判定する。ここで、自宅4に設置されたエアコン6を再起動させるタイミングとしては、例えば、以下の(1)〜(5)のタイミングがある。
(1)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)から自宅4までの距離が所定距離(例えば1km)以内となったタイミング。
(2)車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)が自宅4へ到着する到着予定時刻の所定時間(例えば10分)前となったタイミング。
(3)前記S6においてユーザの自宅4への到着が遅れる要因として、特に(a)の要因が検出された場合には、車両と自宅4との間の渋滞が解消されたタイミング。
(4)前記S6においてユーザの自宅4への到着が遅れる要因として、特に(b)の要因が検出された場合には、車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)の進行方向が自宅4の方向と同一方向となったタイミング。
(5)前記S6においてユーザの自宅4への到着が遅れる要因として、特に(c)の要因が検出された場合には、車両2のACCがオンされたタイミング、又は施設から退出したタイミング。
【0072】
そして、前記S11の判定処理において、自宅4に設置されたエアコン6を再起動させるタイミングであると判定された場合(S11:YES)には、S3へと移行する。そして、前述したように起動問い合わせ画面50(図5、図6)を液晶ディスプレイ15に表示する。それに対して、自宅4に設置されたエアコン6を再起動させるタイミングでないと判定された場合(S11:NO)には、S12へと移行する。
【0073】
S12においてCPU41は、車両2(即ち、車両2に乗車するユーザ)が自宅4へと到着したか否かを判定する。
【0074】
そして、車両2が自宅4へ到着したと判定された場合(S12:YES)には、当該空調設備起動処理プログラムを終了する。それに対して、車両2が自宅4へ到着していないと判定された場合(S12:NO)には、S11へと戻る。
【0075】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る空調設備起動システム1、ナビゲーション装置3、空調設備起動システム1による空調設備起動方法及びナビゲーション装置3で実行されるコンピュータプログラムでは、自宅4へと向かうユーザに対して、自宅4に設置された空調設備であるエアコン6の起動タイミングとなった場合に、該エアコン6を起動するか否かの問い合わせを行い(S3)、問い合わせにおいてユーザがエアコン6を起動することを選択した場合に、エアコン6を起動させる(S5)とともに、ユーザの自宅への到着が遅れる要因を検出した場合には、ユーザに対してエアコン6の起動を停止するか否かの問い合わせを行い(S8)、問い合わせにおいてユーザがエアコン6の起動を停止することを選択した場合に、エアコン6の起動を停止させる(S10)ので、自宅4へと向かうユーザが遠隔地から自宅4に設置されたエアコン6を起動させる場合において、ユーザの意図に反してエアコン6が起動されることを防止することが可能となる。また、起動後にユーザの自宅4への到着が遅れることが予測される場合において、不要となるエアコン6の起動を削減することが可能となる。更に、ユーザの意図に反してエアコン6の起動が停止されることについても防止することが可能となる。
また、ユーザと自宅4の間で渋滞が発生した場合に、ユーザの自宅4への到着が遅れることを予測するので、渋滞によるユーザの自宅4への到着の遅れを考慮してエアコン6の起動を適切に行うことが可能となる。
また、ユーザの進行方向が自宅4への方向と異なる場合に、ユーザの自宅4への到着が遅れることを予測するので、走行経路の変更によるユーザの自宅4への到着の遅れを考慮してエアコン6の起動を適切に行うことが可能となる。
また、ユーザの現在位置が自宅4以外の施設に位置する場合に、ユーザの自宅4への到着が遅れることを予測するので、ユーザが寄り道をしたことによるユーザの自宅4への到着の遅れを考慮してエアコン6の起動を適切に行うことが可能となる。
また、ユーザから自宅4までの距離が所定距離以内となった場合に、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6を起動するか否かの問い合わせを行うので、自宅4に設置されたエアコン6をユーザが自宅4に到着する前の適切なタイミングで起動させることが可能となる。
また、車両2のACCがオンされたことを検出した場合に、ユーザに対して自宅4に設置されたエアコン6を起動するか否かの問い合わせを行うので、自宅4に設置されたエアコン6をユーザが自宅4に到着する前の適切なタイミングで起動させることが可能となる。
【0076】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では前記S6で自宅4に設置されたエアコン6を起動させるタイミングとして、上記(A)〜(C)のタイミングを挙げているが、他のタイミングを用いても良い。同様に、ユーザの自宅4への到着が遅れる要因として、上記(a)〜(c)の要因を挙げているが、他の要因を用いても良い。また、自宅4に設置されたエアコン6を再起動させるタイミングとして、上記(1)〜(5)のタイミングを挙げているが、他のタイミングを用いても良い。
【0077】
また、本実施形態では自宅4に設置された空調設備の起動を停止(S10)した後に、再度空調設備を起動させるタイミングであるか否かの判定処理(S11)を行うこととしているが、S11の処理は省略しても良い。
【0078】
また、ユーザの自宅への到着が遅れる要因を検出する為に取得される渋滞情報は、VICSセンタから取得した渋滞情報に限ることなく、他の渋滞情報であっても良い。例えば、プローブセンタから取得した渋滞情報でも良いし、ナビゲーション装置3に予め記憶される統計交通情報であっても良い。
【0079】
また、本発明はナビゲーション装置以外に、ユーザに問い合わせを行う為のディスプレイやスピーカを備えた装置に対して適用することが可能である。例えば、携帯電話機やPDA等の携帯端末、パーソナルコンピュータ、携帯型音楽プレイヤ等(以下、携帯端末等という)に適用することも可能である。また、サーバと携帯端末等から構成されるシステムに対しても適用することが可能となる。その場合には、上述した空調設備起動処理プログラム(図4)の各ステップは、サーバと携帯端末等のいずれが実施する構成としても良い。また、本発明を携帯端末等に適用する場合には、走行案内画面では、車両以外の移動体、例えば、携帯端末等のユーザや2輪車等の現在位置周辺の地図を示す場合もある。更に、自宅4に設置されたエアコン6を起動させるタイミングとしては、上記した(A)〜(C)のタイミング以外に、以下の(D)〜(F)のタイミングを用いても良い。
(D)車両以外の移動体、例えば、携帯端末等のユーザや2輪車等から自宅4までの距離が所定距離となったタイミング。
(E)車両以外の移動体、例えば、携帯端末等のユーザや2輪車等が自宅4へ到着する到着予定時刻の所定時間前となったタイミング。
(F)携帯端末等の電源がONされたタイミング。
【符号の説明】
【0080】
1 空調設備起動システム
2 車両
3 ナビゲーション装置
4 自宅
5 家電制御ユニット
6 エアコン
13 ナビゲーションECU
41 CPU
42 RAM
43 ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自宅へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせ手段と、
前記起動問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定手段と、
前記起動選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動手段と、
前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出手段と、
前記遅延要因検出手段によって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせ手段と、
前記停止問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定手段と、
前記停止選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止手段と、を有することを特徴とする空調設備起動システム。
【請求項2】
渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段を有し、
前記遅延要因検出手段は、前記ユーザと前記自宅の間で発生する渋滞を、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因として検出することを特徴とする請求項1に記載の空調設備起動システム。
【請求項3】
前記ユーザの進行方向を取得する進行方向取得手段を有し、
前記遅延要因検出手段は、前記ユーザの進行方向が前記ユーザから前記自宅への方向と異なることを、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因として検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空調設備起動システム。
【請求項4】
前記ユーザの現在位置を取得する現在位置取得手段と、
施設に関する施設情報を取得する施設情報取得手段と、を有し、
前記遅延要因検出手段は、前記ユーザの現在位置が前記自宅以外の施設内に位置することを、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因として検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の空調設備起動システム。
【請求項5】
前記ユーザから前記自宅までの距離を取得する距離取得手段を有し、
前記起動問い合わせ手段は、前記ユーザから前記自宅までの距離が所定距離以内となった場合に、前記ユーザに対して前記自宅に設置された前記空調設備を起動するか否かの問い合わせを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の空調設備起動システム。
【請求項6】
前記ユーザの乗車する車両のACCがオンされたことを検出する電源検出手段を有し、
前記起動問い合わせ手段は、前記電源検出手段によって前記車両のACCがオンされたことを検出した場合に、前記ユーザに対して前記自宅に設置された前記空調設備を起動するか否かの問い合わせを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の空調設備起動システム。
【請求項7】
自宅へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせ手段と、
前記起動問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定手段と、
前記起動選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動手段と、
前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出手段と、
前記遅延要因検出手段によって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせ手段と、
前記停止問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定手段と、
前記停止選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止手段と、を有することを特徴とする空調設備起動装置。
【請求項8】
自宅へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせステップと、
前記起動問い合わせステップによる問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定ステップと、
前記起動選択判定ステップによって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動ステップと、
前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出ステップと、
前記遅延要因検出ステップによって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせステップと、
前記停止問い合わせステップによる問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定ステップと、
前記停止選択判定ステップによって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止ステップと、を有することを特徴とする空調設備起動方法。
【請求項9】
コンピュータに搭載され、
自宅へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせ機能と、
前記起動問い合わせ機能による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定機能と、
前記起動選択判定機能によって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動機能と、
前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出機能と、
前記遅延要因検出機能によって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせ機能と、
前記停止問い合わせ機能による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定機能と、
前記停止選択判定機能によって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止機能と、
をプロセッサに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
自宅へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせ手段と、
前記起動問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定手段と、
前記起動選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動手段と、
前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出手段と、
前記遅延要因検出手段によって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせ手段と、
前記停止問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定手段と、
前記停止選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止手段と、を有することを特徴とする空調設備起動システム。
【請求項2】
渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段を有し、
前記遅延要因検出手段は、前記ユーザと前記自宅の間で発生する渋滞を、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因として検出することを特徴とする請求項1に記載の空調設備起動システム。
【請求項3】
前記ユーザの進行方向を取得する進行方向取得手段を有し、
前記遅延要因検出手段は、前記ユーザの進行方向が前記ユーザから前記自宅への方向と異なることを、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因として検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空調設備起動システム。
【請求項4】
前記ユーザの現在位置を取得する現在位置取得手段と、
施設に関する施設情報を取得する施設情報取得手段と、を有し、
前記遅延要因検出手段は、前記ユーザの現在位置が前記自宅以外の施設内に位置することを、前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因として検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の空調設備起動システム。
【請求項5】
前記ユーザから前記自宅までの距離を取得する距離取得手段を有し、
前記起動問い合わせ手段は、前記ユーザから前記自宅までの距離が所定距離以内となった場合に、前記ユーザに対して前記自宅に設置された前記空調設備を起動するか否かの問い合わせを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の空調設備起動システム。
【請求項6】
前記ユーザの乗車する車両のACCがオンされたことを検出する電源検出手段を有し、
前記起動問い合わせ手段は、前記電源検出手段によって前記車両のACCがオンされたことを検出した場合に、前記ユーザに対して前記自宅に設置された前記空調設備を起動するか否かの問い合わせを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の空調設備起動システム。
【請求項7】
自宅へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせ手段と、
前記起動問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定手段と、
前記起動選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動手段と、
前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出手段と、
前記遅延要因検出手段によって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせ手段と、
前記停止問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定手段と、
前記停止選択判定手段によって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止手段と、を有することを特徴とする空調設備起動装置。
【請求項8】
自宅へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせステップと、
前記起動問い合わせステップによる問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定ステップと、
前記起動選択判定ステップによって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動ステップと、
前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出ステップと、
前記遅延要因検出ステップによって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせステップと、
前記停止問い合わせステップによる問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定ステップと、
前記停止選択判定ステップによって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止ステップと、を有することを特徴とする空調設備起動方法。
【請求項9】
コンピュータに搭載され、
自宅へと向かうユーザに対して、前記自宅に設置された空調設備を起動するか否かを問い合わせる起動問い合わせ機能と、
前記起動問い合わせ機能による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したか否か判定する起動選択判定機能と、
前記起動選択判定機能によって前記ユーザが前記空調設備を起動することを選択したと判定された場合に、前記空調設備を起動させる起動機能と、
前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出する遅延要因検出機能と、
前記遅延要因検出機能によって前記ユーザの前記自宅への到着が遅れる要因を検出した場合に、前記ユーザに対して前記空調設備の起動を停止するか否かを問い合わせる停止問い合わせ機能と、
前記停止問い合わせ機能による問い合わせ結果に基づいて、前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したか否か判定する停止選択判定機能と、
前記停止選択判定機能によって前記ユーザが前記空調設備の起動を停止することを選択したと判定された場合に、前記空調設備の起動を停止させる起動停止機能と、
をプロセッサに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−189427(P2012−189427A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52852(P2011−52852)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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