説明

等速ジョイント、駆動装置および画像形成装置

【課題】低周波の伝達回転ムラを抑制することのできる等速ジョイント、駆動装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】一端が開口する環状空間を有し、その環状空間の外壁面と内壁面の少なくとも一方に周方向に等間隔をおいて複数形成した軸方向に延びるトラック溝を有する外輪と、トラック溝に沿って摺動するボールを保持するケージとを有し、ケージの一部を環状空間内に挿入し且つケージに保持されるボールをトラック溝に係合させた状態で、ボールを介して、ケージ及び外輪の何れか一方の回転駆動力を他方に伝達する等速ジョイントにおいて、外輪および/またはケージを、曲げ弾性率が7400MPa以上の合成樹脂で形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、等速ジョイント、駆動装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のドライブシャフトの回転トルクを車軸に伝達する駆動伝達機構の一つとして、等速ジョイントが知られている。等速ジョイントは、互いに軸線方向に並ぶ原動側の出力軸と従動側の被駆動軸との間の偏角を許容しつつ、両者間で駆動力を回転方向に等速に伝達することができる。等速ジョイントは、自動車に限らず、様々な産業機械にも用いられている駆動伝達機構である。
【0003】
等速ジョイントとしては、例えば特許文献1に記載のような、トリボールジョイントが一般的に知られている。トリボールジョイントは、互いに軸線方向に並ぶ外輪とケージとを備えている。外輪は、一端が開口する環状空間を有し、その環状空間の外壁面に軸方向に延在しながら互いに円周方向に120°の間隔をおいて並ぶトラック溝たる外溝が形成されている。また、環状空間の内壁面に軸方向に延在しながらそれぞれ外溝と対向するトラック溝たる内溝が形成されている。一方、ケージは、外輪の環状空間内に挿入される中空円筒状の周壁に、ボール保持穴が円周方向に120°の間隔をおいて並ぶように形成されており、それぞれのボール保持穴にボールを保持している。ケージは、これらのボールを外輪の内溝および外溝に係合させるようにして、外輪の環状空間内に挿入される。この状態で外輪又はケージの何れか一方が原動側となって回転すると、その回転力が内溝および外溝に係合している複数のボールを介してもう一方に伝達される。
【0004】
かかる構成の従来のトリボールジョイントは、外輪やケージが金属からなるため、重量が大きいという欠点があった。また、動作音がボールとトラック溝との摺擦によって大きくなるという欠点もあった。更には、ボールをスムーズに転動させる目的で、外輪の環状空間内にグリースを充填しているが、このグリースの漏洩による周囲環境へのグリース汚染が懸念される。これらの結果、事務機、音響機器、医療機器、家庭用電化製品、食品製造機器などへの適用が困難であった。
【0005】
特許文献2には、外輪を摩擦抵抗の非常に小さな合成樹脂(ポリアセタール樹脂)で形成したトリボールジョイントが記載されている。外輪を樹脂材料で形成することで、金属材料で形成していた従来の構成に比べて、外輪の重量を小さくすることができる。また、摩擦抵抗が非常に小さいので、外輪の環状空間内にグリースを充填しなくても、外輪やケージをスムーズに回転させ、しかも動作音も金属製のものに比べて小さくすることができる。その結果、事務機、音響機器、医療機器、家庭用電化製品、食品製造機器などにもトリボールジョイントを適用することができる。
【0006】
【特許文献1】特公昭52−34699号公報
【特許文献2】特開2006−38204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、等速ジョイントを合成樹脂で形成した場合、低周波の伝達回転ムラが発生するという問題があった。この問題点について、本発明者らが鋭意研究を行った結果、合成樹脂の強度不足が原因であることが判明した。すなわち、合成樹脂の強度が不足していると、駆動伝達時に合成樹脂で形成した外輪やケージがねじれ、等速ジョイントにねじり振動が発生してしまう。このねじり振動によって、低周波の伝達回転ムラが発生してしまうのである。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、低周波の伝達回転ムラを抑制することのできる等速ジョイント、駆動装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、一端が開口する環状空間を有し、その環状空間の外壁面と内壁面の少なくとも一方に周方向に等間隔をおいて複数形成した軸方向に延びるトラック溝を有する外輪と、前記トラック溝に沿って摺動するボールを保持するケージとを有し、前記外輪および/またはケージが合成樹脂で成形されており、前記ケージの一部を前記環状空間内に挿入し且つ前記ケージに保持されるボールを前記トラック溝に係合させた状態で、前記ボールを介して、前記ケージ及び外輪の何れか一方の回転駆動力を他方に伝達する等速ジョイントにおいて、前記外輪および/またはケージを形成する合成樹脂として、曲げ弾性率が7400MPa以上の合成樹脂を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の等速ジョイントにおいて、前記ケージを形成する合成樹脂として、曲げ強さが200MPa以上の合成樹脂を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、出力軸を有し回転体軸を有する回転体を回転させる駆動源と、前記出力軸と前記回転体軸との間で回転駆動力を伝達する駆動伝達手段とを備えた駆動装置において、前記駆動伝達手段として、請求項1または2の等速ジョイントを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の駆動装置において、前記駆動源として、ダイレクトドライブモータを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3または4の駆動装置において、前記等速ジョイントは、前記出力軸が圧入される軸取付け部を有することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、駆動源を有し回転体を駆動させる駆動装置を備えた画像形成装置において、上記駆動装置として請求項3乃至5いずれかの駆動装置を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、前記外輪を前記出力軸に取付けたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6の画像形成装置において、回転体を有し、装置本体に対して脱着可能なユニットに設けられ、前記回転体に駆動力を伝達するための回転体軸に前記外輪を取付けたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明者らは、後述する鋭意研究の結果、曲げ弾性率が7400MPa以上の合成樹脂で外輪および/またはケージを形成することによって、等速ジョイントのねじり振動を許容レベル以下に抑えることができることを見出した。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、曲げ弾性率が7400MPa以上の合成樹脂で外輪および/またはケージを形成するので、低周波の伝達回転ムラを抑制することができ、等速精度を良好に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、本プリンタは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスカートリッジ1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。以下の説明では、各プロセスカートリッジ1Y,C,M,Kの構成はすべて同じであるため、色分け用の符号Y,C,M,Kについては省略する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ1は、像担持体たるドラム状の感光体2、ドラムクリーニングユニット3、帯電ユニット4、現像ユニット5、潤滑剤塗布ユニット6、等を図示しない枠体に収めている。このプロセスカートリッジ1は、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0013】
帯電ユニット4は、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体2の表面を一様帯電せしめる。同図においては、図示しない電源によって帯電バイアスが印加されながら、図中反時計回りに回転駆動される回転体たる帯電ローラ4aを感光体2と非接触にして、感光体2を一様帯電せしめる非接触帯電ローラ方式の帯電ユニット4を示している。帯電ユニット4としては、上記以外に、スコロトロン方式、コロトロン方式、接触ローラ方式等を用いることができる。
【0014】
接触方式、非接触方式帯電ローラ4aに印加する帯電バイアスは、直流に対して交流を重畳する方式や、直流のみを印加する方式がある。接触方式の帯電ローラ4aにおける直流に対して交流を重畳する帯電バイアスは、交流を定電流制御にすることで環境変化によって帯電ローラ4aの抵抗値が変化しても帯電ローラ4aの表面電位がその影響を受けないメリットがある。しかし、電源装置のコストが高くなり、また交流高周波の音が問題としてある。一方、非接触方式の帯電ローラ4aにおいて、直流に対して交流を重畳する帯電バイアスでは、感光体2と帯電ローラ4aとのギャップ変動の影響により、感光体表面を均一に帯電することができず、画像にムラが出てしまう。このため、ギャップ変動に対応した帯電バイアス補正手段が必要となってくる。
帯電ローラ4aの駆動は、感光体2ととも回りさせる方式や、感光体2を駆動させる駆動源からギアなどを介して駆動力をもらう方式などがある。低速機の場合は、感光体2ととも回りさせる方式が一般的である。高速・高画質を要求される装置では、後者の方式が一般的である。
【0015】
また、同図においては、帯電ローラ4aの表面をクリーニングする帯電ローラクリーナ4bを設けている。これにより、帯電ローラ4aに付着した汚れにより、感光体2が狙いの電位に帯電されなくなるのを抑制することができる。その結果、帯電不良による異常画像を抑制することができる。帯電ローラクリーナ4bは、一般的にメラニンで構成されており、帯電ローラ4aと連れ回りする構成としている。
【0016】
現像手段たる現像ユニット5は、第1搬送スクリュウ5aが配設された第1剤収容部5eを有している。また、透磁率センサからなるトナー濃度センサ5c、第2搬送スクリュウ5b、現像ロール5g、ドクターブレード5dなどが配設された第2剤収容部5fも有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のトナーとからなる図示しない現像剤が内包されている。第1搬送スクリュウ5aは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、第1剤収容部5e内の現像剤を図中手前側から奥側へと搬送する。そして、第1剤収容部5eと第2剤収容部5fとの間の仕切壁に設けられた図示しない連通口を経て、第2剤収容部5f内に進入する。第2剤収容部5f内の第2搬送スクリュウ5bは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、現像剤を図中奥側から手前側へと搬送する。搬送途中の現像剤は、第2剤収容部5fの底部に固定されたトナー濃度センサ5cによってそのトナー濃度が検知される。このようにして現像剤を搬送する第2搬送スクリュウ5bの図中上方には、図中反時計回りに回転駆動せしめられる現像スリーブ5h内にマグネットローラ5iを内包する現像ロール5gが平行配設されている。第2搬送スクリュウ5bによって搬送される現像剤は、マグネットローラ5iの発する磁力によって現像スリーブ5h表面に汲み上げられる。そして、現像スリーブ5hと所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード5dによってその層厚が規制された後、感光体2と対向する現像領域まで搬送され、感光体2上の静電潜像にトナーを付着させる。この付着により、感光体2上にYトナー像が形成される。現像によってトナーを消費した現像剤は、現像ロール5gの現像スリーブ5hの回転に伴って第2搬送スクリュウ5b上に戻される。そして、図中手前端まで搬送されると、図示しない連通口を経て第1剤収容部5e内に戻る。
【0017】
トナー濃度センサ5cによる現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。現像剤の透磁率は、現像剤のトナー濃度と相関を示すため、トナー濃度センサ5cはトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。上記制御部はRAMを備えており、この中にトナー濃度センサ5cからの出力電圧の目標値であるVtrefのデータを格納している。現像ユニット5については、トナー濃度センサ5cからの出力電圧の値とVtrefを比較し、図示しないトナー供給装置を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。この駆動により、現像に伴ってトナーを消費してトナー濃度を低下させた現像剤に対して第1剤収容部5eで適量のトナーが供給される。このため、第2剤収容部5e内の現像剤のトナー濃度が所定の範囲内に維持される。
【0018】
クリーニングユニット3は、転写されずに感光体2の表面に残留した転写残トナーを感光体2の表面から除去するものである。このクリーニングユニット3は、カウンター方向に感光体表面に当接するブレード部材たるクリーニングブレード3aを設けている。また、クリーニングユニット3は、クリーニングブレード3aによって除去された感光体2表面上の転写残トナーを回収する回収部3bを備えている。回収部3bには、回収部に回収されたトナーを図示しない廃トナーボトルへ搬送する搬送オーガ3cを備えている。
【0019】
感光体2表面上の転写残トナーは、クリーニングブレード3aに除去される。クリーニングブレード3aの先端に溜まった転写残トナーは、回収部3bに落下する。そして、搬送オーガ3cにより廃トナーとして図示しない廃トナーボトルへ搬送され、ここに蓄えられる。このようにして廃トナーボトルに蓄えられた廃トナーは、サービスマンなどにより回収される。なお、回収部3bに回収された転写残トナーを、リサイクルトナーとして現像ユニット5などに搬送し、再度現像に使用するようにしてもよい。
【0020】
潤滑剤塗布手段たる潤滑剤塗布ユニット6は、感光体2の表面に潤滑剤を塗布して感光体2表面の摩擦係数を低くするものである。感光体2の表面への潤滑剤の塗布は、潤滑剤を固形状に成型して固形潤滑剤6aとし、固形潤滑剤6aを加圧バネ6bで回転するファーブラシ6cに押圧して、ファーブラシ6cを介して感光体2に塗布している。潤滑剤としては、ZnSt(ステアリン酸亜鉛)が最も一般的に用いられる。また、ファーブラシ6cのブラシは、絶縁PET、導電PET、アクリル繊維などが用いられる。感光体表面に塗布された潤滑剤は、潤滑剤塗布ブレード6dによって均一な厚さになって感光体表面に定着する。感光体2表面に潤滑剤を塗布することで、感光体2のフィルミングを防止することができる。
【0021】
先の図1に示すように、プロセスカートリッジ1Y,C,M,Kの図中下方には、光書込ユニット20が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各プロセスカートリッジ1Y,C,M,Kにおける各感光体に照射する。これにより、感光体2Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体2Y,C,M,Kに照射するものである。
【0022】
光書込ユニット20の図中下側には、第1給紙カセット31、第2給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録体たる転写紙Pが複数枚重ねられた転写紙束の状態で収容されており、一番上の転写紙Pには、第1給紙ローラ31a、第2給紙ローラ32aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ31aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第1給紙カセット31内の一番上の転写紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第2給紙カセット32内の一番上の転写紙Pが、給紙路33に向けて排出される。給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路33に送り込まれた転写紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を図中下側から上側に向けて搬送される。
【0023】
給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、転写紙Pを搬送ローラ対34から送られてくる転写紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
【0024】
各プロセスカートリッジ1Y,C,M,Kの図中上方には、中間転写体たる中間転写ベルト41を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット40が配設されている。転写手段たる転写ユニット40は、中間転写ベルト41の他、ベルトクリーニングユニット42、第1ブラケット43、第2ブラケット44などを備えている。また、4つの1次転写ローラ45Y,C,M,K、2次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。中間転写ベルト41は、これら8つのローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの1次転写ローラ45Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト41を感光体2Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体2Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0025】
2次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された2次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト41上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ50と2次転写バックアップローラ46との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で転写紙Pに一括2次転写される。そして、転写紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
【0026】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。
【0027】
2次転写ニップの図中上方には、加圧ローラ61や定着ベルトユニット62などを備える定着ユニット60が配設されている。この定着ユニット60の定着ベルトユニット62は、定着ベルト64を、加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66によって張架しながら、図中反時計回りに無端移動せしめる。加熱ローラ63は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包しており、定着ベルト64を裏面側から加熱する。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63の掛け回し箇所には、図中時計回りに回転駆動される加圧ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
【0028】
2次転写ニップを通過した転写紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が定着せしめられる。
【0029】
このようにして定着処理が施された転写紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された転写紙Pは、このスタック部68に順次スタックされる。
【0030】
転写ユニット40の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ120Y,C,M,Kが配設されている。トナーカートリッジ120Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、それぞれプロセスカートリッジ1Y,C,M,Kの現像ユニットに適宜供給される。これらトナーカートリッジ120Y,C,M,Kは、プロセスカートリッジ1Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
【0031】
以上の構成の本プリンタにおいては、4つのプロセスカートリッジ1Y,C,M,K、光書込ユニット20、転写ユニット40などの組合せにより、記録体たる転写紙Pにトナー像を形成するトナー像形成手段が構成されている。
【0032】
図3(a)は、プリンタ内にセットされたプロセスカートリッジ1とその周囲構成とを示す縦断面図であり、図3(b)は、プリンタから取り外されている最中のプロセスカートリッジ1をその周囲構成とともに示す縦断面図である。これらの図の左右方向において、左側はプリンタの正面側に相当し、右側はプリンタの後面側に相当する。図3(a)に示すように、回転体を有し、装置本体に対して脱着可能なユニットであるプロセカートリッジ1は、プリンタ本体の前端付近に配設された前側板71と、プリンタ本体の後側板70との間に位置している。円柱状の感光体2の円中心には、図3(b)に示すように、軸線方向の一端側から他端側に向けて貫通する中心穴が形成されている。そして、後側板70は、回転体軸たる感光体軸172を図示しない軸受によって回転自在に支持している。そして、図3(a)に示すように、プロセスカートリッジ1がプリンタ内にセットされると、後側板70に支持されている感光体軸172が、回転体たる感光体2の中心穴に感光体軸172が挿入される。この中心穴の横断面形状は、例えばD字型や小判型などといった非円形状になっており、感光体軸172の横断面形状も同様の形状になっている。これにより、中心穴に挿入された感光体軸172が穴内で空転することなく、感光体軸172の回転駆動力が感光体2Yに伝達される。
【0033】
上述の感光体軸172は、プリンタ本体の後側板70を貫通しているため、その後端部は後側板70の更に後側に位置している。プリンタ本体の後側板70における前側板71と対向する面と反対の面には、ブラケット82、駆動源たる駆動モータ81、駆動伝達手段たる等速ジョイント130などからなる駆動装置80が固定されている。駆動モータ81と、感光体軸172とは一直線上に並んでおり、駆動モータ81からの回転駆動力が等速ジョイント130を介して感光体軸172に伝達される。
【0034】
駆動モータ81は、ギヤなどを介さずに感光体2に回転駆動力を伝達するいわゆるダイレクトドライブモータとなっている。ギヤを介さずに出力軸81aと感光体軸172との間で駆動力を繋ぐことで、ギヤの偏心や歯のピッチムラに起因する感光体2の速度変動を回避することができる。
【0035】
プロセスカートリッジ1をプリンタから取り外すときには、移動可能な前側板71を後側板70との対向位置から待避させる。そして、プロセスカートリッジ1をプリンタ後側から前側に向けて引き出す。なお、感光体2は、プロセスカートリッジ1の枠体90に保持されている。
【0036】
図4は、駆動装置80を示す断面図である。同図において、後側板70の図中左側は、図示しないプロセスカートリッジ1が収納されるユニット側であり、図中右側は駆動装置80などが収納される駆動伝達側である。駆動装置80は、後側板70の駆動伝達側の面に固定されたブラケット82と、ブラケット82の背面に固定された駆動モータ81と、ブラケット82の内部に収納された駆動伝達手段たる等速ジョイント130とを有している。
【0037】
ブラケット82は、板金がプレス加工などの曲げ成形によって成形されたものである。そして、後側板70の2つの位置決め孔74、75にそれぞれ挿入されて後側板70上におけるブラケット82の位置決めを行うための2つの位置決めピン82a、82bを有している。また、後側板70にネジ固定するための固定部82cを有している。固定部82cには、ブラケット82を後側板70にねじ止め固定するための図示しないねじ孔が設けられている。
【0038】
ブラケット82の背面に固定された駆動モータ81は、その出力軸たる出力軸81aをブラケット82の背面に形成された丸穴に貫通させることで、モータ本体をブラケット82の外部に位置させた状態で出力軸81aの先端側をブラケット82の内部に位置させている。
【0039】
回転体軸としての感光体軸172は、後側板70に固定された軸受73に圧入されながら後側板70を貫通している。感光体軸172の軸線方向における所定箇所には、感光体軸172よりも大径の固定リング173が嵌め込まれており、この固定リング173が軸受73のユニット側の側面に突き当たることで、装置本体に対する感光体軸172の軸線方向の位置決めがなされている。
【0040】
等速ジョイント130は、ブラケット82の内部において、互いに軸線方向に並ぶ出力軸81aと感光体軸172とを連結している。上述のように、ブラケット82は板金の曲げ加工によるものであり、加工時に曲げ角のバラツキが生じ易いために、後側板70に対して駆動モータ81を精度良く位置決めすることが困難である。そして、感光体軸172に対して、駆動モータ81の出力軸81aを傾けてしまい易い。本プリンタでは、このように出力軸81aのスキューが起こっても、出力軸81aと感光体軸172とを等速ジョイント130で連結することで、出力軸81aから感光体軸172に対して回転駆動力を等速で伝達することが可能になっている。
【0041】
次に、等速ジョイントについて、図4乃至図9に基づき説明する。
【0042】
等速ジョイント130は、外輪140と、ケージ150とを有している。そして、ケージ150の軸線方向の図中左側端部には、感光体軸172が接続されている。また、外輪140の軸線方向の図中右側端部には、駆動モータ81の出力軸81aが接続されている。
【0043】
外輪140は、軸線方向の一端側に設けられた開口からケージ150の一部が挿入される円筒状のカップ部141を備えている。このカップ部141の他端側からは、円筒状の軸取付け部147がカップ部141の中心軸線上に延在するように突出している。また、カップ部内には、内ボス部143がカップ部141の中心軸線上に設けられており、カップ部141と内ボス部143との間に環状空間144が形成される。外輪140を構成するカップ部141と軸取付け部147と内ボス部143とは同一の樹脂材料によって一体形成(一体成形)されたものである。
【0044】
外輪140は、カップ部141の内周面に設けられた3つのトラック溝たる外溝145と、内ボス部143の外周面に設けられた3つのトラック溝たる内溝146とを有している。そして、図4に示したように、環状空間144における軸線方向の一端側を開口させつつ他端側を塞いでおり、その開口からケージ150が挿入される。また、円筒状の軸取付け部147の内部空間に出力軸81aが嵌合固定されている。
【0045】
図5に示したように、カップ部141の内周面に設けられた3つの外溝145は、カップ部141の軸線方向に延在しながら、互いに120[°]の位相差をもって円方向に並ぶように形成されている。内ボス部143の外周面に設けられた3つの内溝146も、内ボス部143の軸線方向に延在しながら、互いに120[°]の位相差をもって円方向に並ぶように形成されている。そして、外溝145と内溝146とは環状空間144を介して互いに対面している。
【0046】
また、図6に示すように、外溝145の開口端側には、開口端に向かうにつれて軸中心から離れ、かつ、溝幅が拡大するテーパ状の外溝案内部145aが設けられている。また、内溝146の開口端部には、開口端に向かうにつれて軸中心に近づき、かつ、溝幅が拡大するテーパ状の内溝案内部146aが設けられている。このように、案内部145a、146aを設けることにより、ボール152を外溝145と内溝146とが対向する環状空間144に案内することができ、ケージ150の外輪140への挿入を容易に行うことができる。
【0047】
また、カップ部141の開口端において、各内溝案内部146aの縁部が交わっている。このように構成することで、ケージ150と外輪140とを組み付けるときに、トラック溝(外溝145および内溝146)とボール152との位相が60°付近であっても、ボール152を内溝案内部146aの開口端に接触させることができる。これにより、ボール152とトラック溝(内溝146および外溝145)との位相が60°付近であっても、内ボス部143に加わる軸方向の力の一部を、内溝案内部146aによって回転方向の力に変換することができ、ケージ150が外輪140に対して相対的にスムーズに回転させることができる。よって、ケージ150に保持されたボール152を外輪140の外溝145と内溝146との間の環状空間144へ挿入するときの挿入抵抗を低減することができ、ボール152を外輪140の外溝145と内溝146との間の環状空間144にスムーズに挿入することができる。
【0048】
ケージ150は、その先端側が円筒状の挿入部151になっている。この挿入部151は、図7に横断面を示すように、互いに120[°]の位相差をもって周方向に沿って並ぶように円筒状の周壁に設けられた3つのボール保持部たる貫通穴151aを有しており、それぞれの貫通穴151a内に球体としてのボール152を回転可能に保持している。
【0049】
貫通穴151aの穴径Aは、ボール152の直径Bよりも大きくしている。また、貫通穴151aの内側面の内周側端部から突出する内周抜け止め突起151cが180°の位相差をもって設けられている。また、貫通穴151aの内側面の外周側端部から突出する外周抜け止め突起151bが180°の位相差をもって設けられている。また、外周抜け止め突起151bは、内周抜け止め突起151cと90°の位相差をもって設けられている。外周抜け止め突起151bによって、貫通穴151a内のボール152が、挿入部151の外周面から抜け落ちることがない。また、内周抜け止め突起151cによって、貫通穴151a内のボール152が、挿入部151の内周面から抜け落ちることがない。抜け止め突起151b、151cの内接円の直径Cは、ボール152の直径Bの80〜99%の範囲に設定するのがよい。80%未満にすると、抜け止め突起151b、151cが貫通穴151aから突出しすぎてしまい、貫通穴151aにボール152を挿入することができなくなる。また、抜け止め突起151b、151cは、金型を無理抜きすることによって成形しているが、突出しすぎてしまうと、射出成形後の型抜き時に抜け止め突起151b、151cが破損するおそれがある。このため、抜け止め突起151b、151cの内接円の直径Cは、ボール152の直径Bの80%以上に設定するのが好ましい。
【0050】
また、貫通穴151aの穴径Aを、ボール152の直径Bよりも大きくすることにより、ボール152が貫通穴151a内を径方向に移動可能とすることができる。これにより、ケージ150の挿入部151を外輪の環状空間に挿入するとき、ボール152が外輪140のカップ部141に突き当たったとき、ボール152が、軸中心方向へ移動する。これにより、ケージ150の挿入部151が外輪140の環状空間144へスムーズに挿入することができる。
【0051】
また、貫通穴151aの穴径Aを、ボール152の直径Bよりも大きくすることにより、ボールが貫通穴内でスムーズに回転する。これにより、駆動時における内溝および外溝内をボールが回転しながら摺動するので、内溝および外溝の磨耗を抑制することができ、長期に亘り等速性を確保することができる。
【0052】
先に示した図4においては、ケージ150の円筒状の挿入部151が、外輪140のカップ部141における環状空間144内に挿入されている。この状態では、図8に示すように、貫通穴151aに保持される3つのボール152が、それぞれ、外輪のカップ部141の内周面に設けられた外溝145と、内ボス部143の外周面に設けられた内溝146との間に挟まれて、法線方向への動きが阻止される。但し、外溝145、内溝146はそれぞれ軸線方向に延在しているので、ボール152の軸線方向の動きは許容される。
【0053】
ケージ150の円筒状の挿入部151は、図8に示すように外輪のカップ部141の環状空間144内に挿入されて、自らが保持している3つのボール152を図8に示したように環状空間144内で外溝145及び内溝146に係合させる。そして、図4に示した駆動モータ81の出力軸81aとともに回転すると、3つのボール152を介してその回転駆動力をケージ150に等速で伝達する。これにより、感光体軸172、ひいては図示しない感光体が等速で回転する。
【0054】
なお、カップ部141の内周面と内ボス部143の外周面との両方にそれぞれボール152を係合させるための溝を設けた例について説明したが、何れか一方だけに溝を形成してもよい。
【0055】
図4に示したカップ部141、軸取付け部147、内ボス部143を一体物としている樹脂材料は、射出成形が可能な合成樹脂からなる。射出成形が可能であれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れであってもよい。射出成形が可能な合成樹脂には結晶性樹脂と、非結晶性樹脂とがある。何れの樹脂を使用してもよいが、非結晶性樹脂は靱性が低く、許容量以上のトルクがかかった場合に急激な破壊が生じるため、結晶性樹脂を用いるのが好ましい。また、潤滑特性の比較的高いものを用いることが望ましい。かかる合成樹脂としては、ポリアセタール(POM)、ナイロン、射出成形可能なフッ素樹脂(例えば、PFA、FEP、ETFEなど)、射出成形可能なポリイミド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、全芳香族ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド等を例示することができる。これらの合成樹脂を単独で使用しても、2種類以上を混合したポリマーアロイとして使用してもよい。また、これら以外の合成樹脂で且つ潤滑特性の比較的低い樹脂であっても、前述した合成樹脂を配合したポリマーアロイとすれば、使用することが可能である。
【0056】
カップ部141等に最も適した合成樹脂は、POM、ナイロン、PPS、PEEKである。ナイロンはナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、分子鎖中に芳香族環を有する半芳香族ナイロン等である。中でも、POM、ナイロン、PPSは、耐熱性、潤滑性に優れて比較的安価であるため、コストパフォーマンスの優れた等速ジョイント130を実現することができる。また、PEEKは補強材や潤滑剤を配合しなくても機械的強度や潤滑性に優れるため、高機能な等速ジョイントを実現することができる。
【0057】
かかる構成の等速ジョイント130においては、カップ部141を樹脂材料で形成したことで、カップ部141を金属材料で形成していた従来の構成に比べて、外輪140の重量を小さくすることができる。また、カップ部141の内周面を樹脂材料としたことから、環状空間144にグリースを充填しなくても、外輪140とケージ150とをスムーズに回転させつつ、金属材料で形成していた従来の構成に比べて動作音を小さくすることもできる。以上の結果、本プリンタにおける等速ジョイント130は、軽量化を図り、トルク伝達時の動作音を小さくし、且つグリースの充填を不要にすることができる。そして、これにより、騒音やグリース汚染の制限を受けることがなくなり、従来では困難であった事務機、音響機器、医療機器、家庭用電化製品、食品製造機器などへの適用を可能にすることができる。
【0058】
なお、カップ部141等を構成する樹脂材料に固体潤滑剤や潤滑油を添加して潤滑特性を高めることも可能である。固体潤滑剤としては、PTFE、黒鉛、二硫化モリブデン等を例示することができる。また、樹脂材料にガラス繊維、炭素繊維、各種鉱物性繊維(ウィスカー)を配合して強度を高めてもよく、固体潤滑剤等と併用してもよい。
【0059】
ボール152としては、軸受鋼、ステンレス球、セラミックス球、合成樹脂からなる球などを利用することができる。中でも、ステンレス球は発錆の心配が無く、低価格であるため好適である。
【0060】
本プリンタでは、外輪140だけでなく、ケージ150についても、樹脂材料からなるものを用いている。ケージ150に好適な樹脂材料としては、外輪140に好適なものと同様である。ケージ150を樹脂材料で構成することで更なる軽量化を図ることができる。
【0061】
また、本プリンタでは、図3(b)に示したように、潜像担持体として、回転体軸たる感光体軸172を中心に回転する感光体2を用い、感光体軸172を等速ジョイント130で連結している。そして、ブラケット82の折り曲げ加工精度のバラツキによって駆動モータ81の出力軸81aを感光体軸172に対してスキューさせたとしても、感光体2に対して回転駆動力を等速で伝達することができることは既に述べた通りである。また、図3に示すように、感光体2は、その軸線方向に穿たれた中心穴に感光体軸172を貫通係合させる。かかる構成では、感光体軸172を装置本体側に固定した状態で、感光体2やプロセスカートリッジ1を装置本体に対して着脱することができる。
【0062】
先に示した図4において、外輪140は、カップ部の軸線方向の一端部から軸線方向に突出する円筒状の軸取付け部147を有している。そして、軸部153の中空の空間に、駆動モータ81の出力軸81aが圧入されていることで、外輪140と、出力軸81aとが軸線方向に接続される。
感光体軸172は、その一端部が中空構造になっており、その中空構造の中にケージ150の軸部153が挿入されることで、感光体軸172とケージ150とが接続されている。また、感光体軸172の一端部には、その外側にスラスト押さえ部材174が嵌め込まれる。これにより、感光体軸172の一端側では、スラスト押さえ部材174と感光体軸172と軸部153とがオーバーラップしている。感光体軸172及び軸部153には、それぞれ軸線方向と直交する方向に貫通する不図示の貫通穴が設けられている。また、中空のスラスト押さえ部材174の周面における一部にも、軸線方向と直交する不図示の貫通穴が設けられている。更には、中空を介してこの貫通穴に対向するネジ穴も設けられている。それぞれの貫通穴やネジ穴を一直線上に位置させた状態で、ネジ175がスラスト押さえ部材174、感光体軸172、軸部153の貫通穴に挿入された後、スラスト押さえ部材174のネジ穴に螺合せしめられている。これにより、ケージ150が感光体軸172に固定される。
【0063】
筒状部材たるスラスト押さえ部材174は、図示のように、挿入部151と軸受73との間に隙間無く挟み込まれている。これにより、感光体軸172の軸受73からの抜けが阻止されている。このように、本プリンタでは、感光体軸172よりも大きな径のスラスト押さえ部材174に感光体軸172を挿入してスラスト押さえ部材174をケージ150と軸受73との間に位置させたことで、感光体軸172の軸受73からの抜けが阻止することが可能になる。
【0064】
次に、感光体軸172と出力軸81aとの連結方法について説明する。
図4に示すように、プリンタ本体の後側板70に固定された軸受73に対して、感光体軸172を図示しないプロセスカートリッジ側から圧入する。そして、感光体軸172に固定された固定リング173を軸受73のプロセスカートリッジ側面に突き当てることで、プリンタ本体に対する感光体軸172の軸線方向の位置決めを行う。
【0065】
次に、感光体軸172の後側板70から駆動装置80側へ貫通した一端部に、スラスト押さえ部材174を挿入し、中空部分にケージの軸部153を挿入して、ネジ175でケージ150およびスラスト押さえ部材174を感光体軸172に固定する。
【0066】
以上のようにして感光体軸172を装置本体に取付けたら、次に、図9に示すように、駆動モータ81の出力軸と、出力軸に取付けられている外輪とを、ブラケット82の背面に形成された丸穴に挿入し、外輪のカップ部内に感光体軸172に取付けられているケージの挿入部151を挿入して外輪とケージと係合させる。このとき、ボール152の位相と、トラック溝(内溝146および外溝145)の位相とが異なっていた場合、内溝案内部146aおよび外溝案内部145aにボール152が案内されて、駆動モータ81の挿入動作に連動してケージ150または外輪140が回転し、ボール152の位相とトラック溝(内溝146および外溝145)の位相とが合わせられる。ボール152とトラック溝(内溝146および外溝145)との位相が合うと、ケージ150の挿入部151が外輪140の環状空間内へ挿入されて、自らが保持している3つのボール152を環状空間144内で外溝145及び内溝146に係合する。このようにして、ケージ150と外輪140とが係合したら、駆動モータ81をブラケット82にネジ固定する。
【0067】
外輪140とケージ150のどちらを出力軸81aに取付けてもよいが、図に示すように、外輪140を出力軸81aに取付けた方が好ましい。これは、外輪140は、ボール152との摺動量がケージ150に比べて多いため、ケージ150に比べて磨耗の進行が早く、早期に寿命到達してしまう。外輪140を感光体軸172に取付けた場合、外輪140の交換は、ブラケット82を後側板70から取り外して、後側板70に支持された装置本体内の感光体軸から取り外すことで行われる。このように、外輪140を感光体軸に取付けた場合は、装置本体内から外輪を取り外すこととなるため、交換作業性がわるい。一方、外輪140を出力軸81aに取付けた場合は、ブラケット82から駆動モータ81を取り外して装置本体から取り出すことで、外輪140を交換することができる。このように、外輪140を出力軸81aに取付けた場合は、装置本体外で外輪の交換作業を行うことができ、作業性がよい。よって、外輪140を出力軸81aに取付けた方が、感光体軸に取付けたときよりも外輪140の交換作業が容易となる。そして、寿命がケージ150よりも早期にくる外輪140を出力軸81aに取付けた方が、ケージ150を出力軸81aに取付けた場合よりもメンテナンス性を向上することができる。
【0068】
次に、本実施形態に係る等速ジョイントの特徴的な構成について説明する。
外輪140やケージ150を合成樹脂とした等速ジョイントにおいては、使用する樹脂によっては、等速ジョイントに0〜100[Hz]の低周波領域において、振動が発生し、低周波の伝達回転ムラが発生した。このように、低周波の伝達回転ムラによって、バンディングなどの異常画像が形成される不具合があった。
そこで、本発明者らは、等速ジョイントの低周波振動について、鋭意研究したところ、この等速ジョイントの低周波振動は、駆動時に等速ジョイントがねじれることによって発生するねじり振動であることが判明した。
【0069】
そこで、本発明者らは、曲げ弾性率の異なる合成樹脂で、それぞれ外輪140およびケージ150を形成し、回転伝達変動周波数解析を実施した。その結果を、図10に示す。なお、図10(a)は、曲げ弾性率が約3700[MPa]の合成樹脂(PK5030(NTN精密樹脂社製(非強化PEEK)))で外輪140およびケージ150を形成した等速ジョイントを用いたときの結果である。(b)は、曲げ弾性率が約7400[MPa]の合成樹脂(PK5900(NTN精密樹脂社製(強化PEEK)))で外輪140およびケージ150を形成した等速ジョイントを用いたときの結果である。(c)は、曲げ弾性率が約35000[MPa]の合成樹脂(AS5910(NTN精密樹脂社製(強化PPS)))で外輪およびケージを形成した等速ジョイントを用いたときの結果である。
【0070】
図に示すように、曲げ弾性率が7400[MPa]以上の合成樹脂で形成した等速ジョイントにおいては、低周波の伝達回転ムラを許容値である0.3%以下に抑えることができ、良好な等速精度を得ることができた。
【0071】
また、図10(b)、(c)に示すように、曲げ弾性率が7400[MPa]以上の合成樹脂で形成した等速ジョイントは、図10(a)に示す曲げ弾性率が3700[MPa]の合成樹脂で形成した等速ジョイントに比べて低周波領域における各回転伝達変動周波数のピーク(伝達回転ムラ)が小さく抑えられている。
このことを、図11、図12を用いてより詳しく説明する。
図11は、0〜50[Hz]の周波数のピーク値の和を計算した結果である。図12は、0〜100[Hz]の周波数のピーク値の和を形成した結果である。
図11、12の計算結果からわかるように、曲げ弾性率が7400[MPa]以上の合成樹脂で形成した等速ジョイントは、曲げ弾性率が3700[MPa]の合成樹脂で形成した等速ジョイントに比べて低周波領域における各回転伝達変動周波数のピークが小さいので、曲げ弾性率が3700[MPa]の合成樹脂で形成した等速ジョイントに比べて低周波領域における各回転伝達変動周波数のピークの和が小さく抑えられる。特に、曲げ弾性率が7400[MPa]以上の合成樹脂を用いた等速ジョイントは、0〜50[Hz]の周波数領域におけるピーク(回転伝達ムラ)の和が、抑えられていることがわかる。
このように、低周波領域における各周波数のピークを抑えることで、駆動モータやギヤなどに低周波振動が発生して、等速ジョイントの低周波振動と共振しても、低周波の伝達回転ムラを抑えることができる。
【0072】
なお、曲げ弾性率が7400[MPa]以上の合成樹脂は、上述した合成樹脂(潤滑特性の高い合成樹脂、例えば、ポリアセタール(POM)、ナイロン、PFAやFEP、ETFE等の射出成形可能なフッ素樹脂、射出成形可能なポリイミド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、全芳香族ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド)に、曲げ弾性率が7400[MPa]以上となるようにガラス繊維、炭素繊維、各種鉱物性繊維(ウィスカー)等の補強材の配合量を調整することで得ることができる。
【0073】
また、本実施形態においては、上述したように、外輪の挿入部の貫通穴に形成される抜け止め突起は、金型を無理抜きすることによって成形している。このため、曲げ弾性率が高い合成樹脂を用いた場合は、材質によっては、金型無理抜き時に抜け止め突起が破損してしまう。よって、ケージの合成樹脂は、曲げ弾性率が7400[MPa]以上、かつ、曲げ強さが200[MPa]以上のものが好ましい。曲げ強さを200[MPa]以上の合成樹脂を用いることで、金型を無理抜きしても、抜け止め突起が破損することがない。
【0074】
また、図13に示すように、装置本体に対して着脱可能なユニットであるプロセスカートリッジ1と一体となって装置本体から着脱される感光体軸172に外輪140を取付け、駆動モータ81の駆動軸81aにケージ150を取付けて、プロセスカートリッジ1の装置本体への装着動作によって、外輪140とケージ150とを係合させてもよい。
【0075】
図14(a)は、プリンタ本体にプロセスカートリッジ1を装着する前の等速ジョイント130の周辺を示す概略構成図であり、(b)は、プリンタ本体にプロセスカートリッジ1を装着したときの等速ジョイント130の周辺を示す概略構成図である。
装置本体の不図示の前側板71を開放した状態で、プロセスカートリッジ1をプリンタ本体へ挿入して、図14(a)に示すように、プロセスカートリッジ1のガイド穴90aに後側板70から延びるガイドピン76を挿入する。そして、ガイド穴90aにガイドピン76を挿入した状態で、プロセスカートリッジ1を装置本体内へ挿入していくと、プロセスカートリッジ1は、ガイドピン76によって外輪140がケージ150と係合可能な位置に案内される。
【0076】
そして、ケージ150の挿入部151が外輪140の環状空間内へ挿入される。このとき、ボール152の位相と、トラック溝(内溝146および外溝145)の位相とが異なっていた場合、内溝案内部146aおよび外溝案内部145aにボール152が案内されて、プロセスカートリッジ1の挿入方向への移動に連動してケージ150または外輪140が回転し、ボール152の位相とトラック溝(内溝146および外溝145)の位相とが合わせられる。
【0077】
ボール152とトラック溝(内溝146および外溝145)との位相が合うと、ケージ150の挿入部151が外輪140の環状空間内へ挿入されて、自らが保持している3つのボール152を環状空間144内で外溝145及び内溝146に係合させる。これにより、プロセスカートリッジ1が装置本体に対して、ラジアル方向に位置決めされて、プロセスカートリッジ1が、装置本体内に装着される。
【0078】
感光体2の感光体軸172をプロセスカートリッジ1の装置本体に対する位置決めの主基準としているため、感光体軸172と、出力軸81aとの間に軸心ずれが生じることがない。しかしながら、例えば、組み付け誤差や製造誤差などによって、後側板70が傾いて装置装置に取付けられていた場合、出力軸81aが傾き、出力軸81aと感光体軸172との間に偏角が生じてしまう。
【0079】
しかし、出力軸81aと感光体軸172との連結に等速ジョイント130を用いることで、このように出力軸81aと感光体軸172との間に偏角が生じても、ボール152が外輪140の外溝145と内溝146との間の環状空間内を軸方向に摺動することで、偏角があっても、感光体軸172を等速で回転させることができる。これにより、出力軸81aと感光体軸172との間に偏角θが生じないように取付け精度や部品の精度を高めなくても、感光体2を等速で回転駆動させることができ、濃度ムラなどの異常画像を抑制することができる。よって、製造コスト、部品コストを抑えて、濃度ムラなどの異常画像を抑制することができる。
【0080】
また、等速ジョイント130は、外輪140と、ケージ150と、ボール152との3部品で構成されている。よって、少ない部品点数で、感光体軸172の等速回転と、感光体軸172と出力軸81aとの連結とを行うことができ、装置のコストを低減することができる。
【0081】
また、着脱可能なユニットと駆動装置との連結に等速ジョイント130を用いる場合は、ユニットの回転体軸に外輪140を取付るのが好ましい。このように構成することで、ケージ150よりも寿命が早い外輪140をプロセスカートリッジ1とともに、装置本体から容易に取り出せることができる。これにより、外輪の交換を容易に行うことができ、メンテナンス性を上げることができる。
【0082】
また、装置本体に対して着脱可能な定着ユニットの定着ローラ軸と出力軸との連結手段、装置本体に対して着脱可能な二次中間転写ユニットの2次転写ローラ軸と出力軸との連結手段、装置本体に対して着脱可能な中間転写ユニットの駆動ローラの軸と出力軸との連結手段、などにも本発明の等速ジョイントを適用することができる。また、現像ユニットの現像ローラのローラ軸と装置本体側の出力軸とを連結する連結手段として本発明の等速ジョイントを設けてもよい。
【0083】
また、図15に示すように、中間転写タンデム方式の電子写真式カラー画像形成装置における中間転写ベルト41に代えてドラム状の中間転写体141を用いたカラー画像形成装置にも本発明を適用することができる。また、図16に示すように、直接転写タンデム方式のカラー画像形成装置にも本発明を適用できる。さらに、図17に示すように、上述したようなプロセスカートリッジ1を1つ備え、そのプロセスカートリッジ1の感光体2に画像を形成してその画像を転写ローラ50で転写して記録材に画像を記録する直接転写タイプのモノクロ画像形成装置にも、本発明を適用することができる。
【0084】
以上、本実施形態の等速ジョイントによれば、曲げ弾性率が7400MPa以上の合成樹脂で外輪および/またはケージを形成するので、低周波の伝達回転ムラを抑制することができ、等速精度を良好に維持することができる。
【0085】
また、曲げ強さが200MPa以上の合成樹脂でケージを形成することで、ケージの挿入部の貫通穴に形成される抜け止め突起を金型の無理抜きによって形成することができる。これにより、切削加工などによって貫通孔や抜け止め突起を形成するものに比べて、安価に外輪を製造することができる。
【0086】
また、本実施形態の駆動装置によれば、出力軸81aと回転体軸たる感光体軸172との間で回転駆動力を伝達する駆動伝達手段として、上述の等速ジョイント130を用いる。これにより、出力軸81aと感光体軸172との間に偏角が生じても、等速で回転体を回転駆動させることができる。
【0087】
また、駆動源たる駆動モータ81として、ギヤなどからなる減速機を介さずに出力軸81aに回転力を出力する所謂ダイレクトドライブモータを用いる。これにより、モータ内の減速機のギヤなどの偏心や歯のピッチムラによる速度変動が生じることなく出力軸81aにモータの駆動力を伝達することができる。
【0088】
また、等速ジョイント130は、出力軸81aが圧入される軸取付け部147を有している。このように構成することで、出力軸81aを軸取付け部147に圧入することで、等速ジョイント130と出力軸81aとが接続される。よって、出力軸81aの直径よりも大きい中空部を有する円筒状の軸取付け部に出力軸を挿入してピン固定する場合に比べて、等速ジョイント130と出力軸81aとの偏心に起因する回転体の速度変動を抑えることができる。
【0089】
また、本実施形態の画像形成装置によれば、回転体を駆動させる駆動装置80として、上述の駆動装置を用いることで、回転ムラを抑制することができ、濃度ムラのない良好な画像を得ることができる。
【0090】
また、ケージ150よりも寿命の短い外輪140を出力軸81aに取付けることで、駆動モータ81を装置本体から取り出すことで、外輪140の交換を行うことができ、ケージ150を出力軸81aに取付けた場合に比べて、メンテナンス性を上げることができる。
【0091】
また、等速ジョイント130が接続される感光体軸172が装置本体から着脱可能なユニットに設けられたものである場合は、感光体軸172に外輪140を取付けてもよい。これにより、ユニットたるプロセスカートリッジ1を装置本体から取り出すことで、ケージ150よりも寿命の短い外輪140の交換を行うことができ、ケージ150を感光体軸172に取付けた場合に比べて、メンテナンス性を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】プロセスカートリッジを示す拡大構成図。
【図3】(a)はプリンタ内にセットされたプロセスカートリッジとその周囲構成とを示す縦断面図、(b)は同プリンタから取り外されている最中のプロセスカートリッジをその周囲構成とともに示す縦断面図。
【図4】等速ジョイントの軸方向断面図。
【図5】外輪のカップ部を示す横断面図。
【図6】外輪のカップ部を示す図。
【図7】ケージの球体保持部を示す横断面図。
【図8】図4に示す等速ジョイントの横断面図。
【図9】カップ部が挿入部に係合せしめられながらブラケットに固定されようとしている駆動モータを示す側面図。
【図10】(a)は、曲げ弾性率約3700[MPa]の合成樹脂からなる等速ジョイントの回転伝達変動周波数解析を行った結果である。(b)は、曲げ弾性率約7400[MPa]の合成樹脂からなる等速ジョイントの回転伝達変動周波数解析を行った結果である。(c)は、曲げ弾性率約35000[MPa]の合成樹脂からなる等速ジョイントの回転伝達変動周波数解析を行った結果である。
【図11】各等速ジョイントの0〜50[Hz]のピーク値の和を計算した結果を示す図。
【図12】各等速ジョイントの0〜100[Hz]のピーク値の和を計算した結果を示す図。
【図13】駆動装置とプロセスカートリッジとの連結に等速ジョイントを用いた実施形態の要部概略構成図。
【図14】(a)は、プリンタ本体にプロセスカートリッジを装着する前の等速ジョイントの周辺を示す概略構成図であり、(b)は、プリンタ本体にプロセスカートリッジを装着したときの等速ジョイントの周辺を示す概略構成図。
【図15】直接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置を示す図。
【図16】中間転写ドラムを用いた中間転写方式のタンデム型カラー画像形成装置を示す図。
【図17】モノクロ画像形成装置を示す図。
【符号の説明】
【0093】
1Y,C,M,K:プロセスカートリッジ
2Y,C,M,K:感光体
80:駆動装置
81:駆動モータ
82:ブラケット
90:枠体
130:等速ジョイント
140:外輪
141:カップ部
143:内ボス部
144:環状空間
145:外溝
146:内溝
150:ケージ
151:挿入部
152:ボール
153:軸部
172:感光体軸
173:固定リング
174:スラスト押さえ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開口する環状空間を有し、その環状空間の外壁面と内壁面の少なくとも一方に周方向に等間隔をおいて複数形成した軸方向に延びるトラック溝を有する外輪と、
前記トラック溝に沿って摺動するボールを保持するケージとを有し、
前記外輪および/またはケージが合成樹脂で成形されており、
前記ケージの一部を前記環状空間内に挿入し且つ前記ケージに保持されるボールを前記トラック溝に係合させた状態で、前記ボールを介して、前記ケージ及び外輪の何れか一方の回転駆動力を他方に伝達する等速ジョイントにおいて、
前記外輪および/またはケージを形成する合成樹脂として、曲げ弾性率が7400MPa以上の合成樹脂を用いたことを特徴とする等速ジョイント。
【請求項2】
請求項1の等速ジョイントにおいて、
前記ケージを形成する合成樹脂として、曲げ強さが200MPa以上の合成樹脂を用いたことを特徴とする等速ジョイント。
【請求項3】
出力軸を有し回転体軸を有する回転体を回転させる駆動源と、
前記出力軸と前記回転体軸との間で回転駆動力を伝達する駆動伝達手段とを備えた駆動装置において、
前記駆動伝達手段として、請求項1または2の等速ジョイントを用いたことを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項3の駆動装置において、
前記駆動源として、ダイレクトドライブモータを用いたことを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項3または4の駆動装置において、
前記等速ジョイントは、前記出力軸が圧入される軸取付け部を有することを特徴とする駆動装置。
【請求項6】
駆動源を有し回転体を駆動させる駆動装置を備えた画像形成装置において、
上記駆動装置として請求項3乃至5いずれかの駆動装置を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6の画像形成装置において、
前記外輪を前記出力軸に取付けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項6の画像形成装置において、
回転体を有し、装置本体に対して脱着可能なユニットに設けられ、前記回転体に駆動力を伝達するための回転体軸に前記外輪を取付けたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−41640(P2009−41640A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206368(P2007−206368)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】