説明

等速ジョイント用ローラ装着装置

【課題】スパイダのトラニオンに対し、ローラを自動的に装着し得る装置を構成する。
【解決手段】等速ジョイント用ローラ装着装置50は、円環形状体からなる基盤62と、該基盤62の略中心に配置された台座64と、この台座64を三方向から囲繞する3個のローラ保持具66a〜66cと、軸部としての位置合わせ用軸68を有する3個の位置合わせ具70a〜70cとを具備する装着用治具52を有する。ローラ保持具66a〜66c及び位置合わせ具70a〜70cは、台座64(スパイダ16)に対して接近・離間可能である。さらに、位置合わせ具70a〜70cの各々には位置合わせ用軸68が設けられている。この位置合わせ用軸68は、トラニオン28a〜28cの軸線方向に沿って延在し、位置合わせ具70a〜70cが前進動作した際には、ローラ保持具66a〜66cのポケット部96に収容されたローラ30a、30bに通される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパイダのトラニオンにローラを組み付けるための等速ジョイント用ローラ装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図14は、一般的なトリポート型等速ジョイントの要部分解斜視図である。このトリポート型等速ジョイント10は、アウタ部材12と、駆動力伝達軸14の先端部に連結されたスパイダ(インナ部材)16とを備える。
【0003】
この中、アウタ部材12は、有底円筒形状のカップ状部18と、該カップ状部18の一端部に突出形成された軸部20とを有する。この軸部20は、例えば、図示しないミッションの回転軸に連結され、その回転駆動力を、カップ状部18及びスパイダ16を介して駆動力伝達軸14に伝達する。
【0004】
カップ状部18の内壁には、互いに120°の間隔で離間する3本のトラック溝22a〜22cが形成されている。一方、スパイダ16は、図1に示すように、円盤形状体に貫通孔24が形成されることでリング形状をなす円環状部26と、該円環状部26の側壁に突出形成された3本のトラニオン28a〜28cとを有し、トラニオン28a〜28cの各々は、トラック溝22a〜22cに向かって延在する。
【0005】
トラニオン28a〜28cには、それぞれ、ローラ30a〜30cが装着される。すなわち、トラック溝22a〜22cの壁部とトラニオン28a〜28cとの間には、ローラ30a〜30cが介在する。
【0006】
なお、ローラ30a〜30cとトラニオン28a〜28cとの間には、複数本のニードルベアリング32等の転動体が介在される。このため、ローラ30a〜30cは、その中心を回転中心として、トラニオン28a〜28cに対して回転自在である。
【0007】
ローラ30a〜30cには、その直径方向内方に向かって突出する1組のフランジ部34a、34bが形成されている。全てのニードルベアリング32は、これらフランジ部34a、34bに挟持されることによってローラ30a〜30cに保持される。
【0008】
前記貫通孔24の内壁には、該貫通孔24の軸線方向に沿って延在するスプライン36が設けられる。一方、駆動力伝達軸14の一端部にもスプライン(図示せず)が形成される。この図示しないスプラインは、駆動力伝達軸14の一端部がスパイダ16の貫通孔24に通される際、該貫通孔24の内壁に形成されたスプライン36に噛合する。
【0009】
以上のように構成されるトリポート型等速ジョイント10は、一般的には、作業者による手作業で組み立てられる。すなわち、作業者は、駆動力伝達軸14の先端に形成されたスプラインに対してスパイダ16のスプライン36を噛合させる。その後、トラニオン28a〜28cのそれぞれに対し、内壁にニードルベアリング32(転動部材)が保持されたローラ30a〜30cを通し、さらに、ローラ30a〜30cをアウタ部材12のトラック溝22a〜22cに挿入している。
【0010】
このように、作業者が手作業でトリポート型等速ジョイントを組み立てることは煩雑であり、また、作業効率に優れているとは言い難い。この観点から、トリポート型等速ジョイントを自動的に組み立てるための組立装置を構築することが要望されており、例えば、特許文献1においては、トラニオンにローラが装着されたスパイダの貫通孔に対し、駆動力伝達軸の端部を圧入するための組付装置が提案されている。
【0011】
また、特許文献2には、カップ状部内へのグリスの充填タイミングに主眼を置いた組立装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−194088号公報
【特許文献2】特開平6−312326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上のように、トラニオンにローラを装着した後の工程を自動的に行うための自動組立装置に関する技術は提案されてはいるものの、トラニオンにローラを装着することを自動化し得る装置は未だ提案されていない。
【0014】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、トラニオンに対してローラを自動的に装着することが可能な等速ジョイント用ローラ装着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記の目的を達成するために、本発明は、等速ジョイントのインナ部材を構成し、環状部と、該環状部の外周壁に突出形成されたトラニオンとを有するスパイダの前記トラニオンにローラを装着するための等速ジョイント用ローラ装着装置であって、
前記トラニオンと前記ローラとの位置合わせ、及び前記トラニオンへの前記ローラの移送を行うための装着用治具を有し、
前記装着用治具は、基盤と、
前記スパイダを、前記環状部を囲繞するとともに前記トラニオンを露呈した状態で保持するスパイダ保持手段と、
前記基盤に設けられ、前記スパイダ保持手段に保持された前記スパイダの前記トラニオンに対向する位置に前記ローラを収容するための収容部が形成されるとともに、前記トラニオンに対して接近又は離間可能なローラ保持手段と、
前記基盤に設けられ、前記スパイダ保持手段に保持された前記スパイダの前記トラニオンに対向し且つ前記収容部に収容された前記ローラの貫通孔に対して進入又は離脱可能な軸部を有するとともに、前記ローラ保持手段とは別個に前記トラニオンに対して接近又は離間可能な位置合わせ手段と、
を具備することを特徴とする。
【0016】
この等速ジョイント用ローラ装着装置においては、先ず、位置合わせ手段が前進動作することに伴って軸部が前記ローラの貫通孔を通り、さらに、その先端面がトラニオンの先端面に近接する。次に、ローラ保持手段が前進動作し、収容部に収容されたローラがトラニオンに向かって進行する。この過程で、ローラが軸部からトラニオンに受け渡される。
【0017】
すなわち、上記のように構成したことにより、トラニオンに対してローラを自動的に装着することが可能となる。従って、作業者が煩雑な手作業を行う必要がないので、負担が軽減する。また、ローラの装着効率、ひいては等速ジョイントの組立効率も向上する。
【0018】
位置合わせ手段が前進端に位置するときには、軸部の先端面を、トラニオンの先端面に当接させることが好ましい。この場合、軸部とトラニオンとの間にクリアランスが存在しないので、上記したローラの受け渡しが確実且つ容易となるからである。
【0019】
また、前記スパイダ保持手段が前記基盤に対して着脱自在であることが好ましい。この場合、スパイダ保持手段を、スパイダの寸法に対応する寸法のものに交換することが容易となる。このため、様々な寸法のスパイダに対してローラを装着することが可能となる。
【0020】
さらに、ローラがトラニオンに装着されたスパイダを保持して前記スパイダ保持手段から離脱させるための離脱手段を設けることが好ましい。これにより、ローラが装着されたスパイダを取り出す作業をも自動化することが可能となる。
【0021】
なお、スパイダ保持手段に対して位置合わせ手段を接近させるためには、例えば、位置合わせ手段をスパイダ保持手段側に向かって押圧することで該スパイダ保持手段側に変位させる第1押圧手段を設けるようにすればよい。ローラ保持手段についても同様に、該ローラ保持手段をスパイダ保持手段側に向かって押圧する第2押圧手段を設けることによって、該ローラ保持手段をスパイダ保持手段に対して接近させることができる。
【0022】
一方、ローラ保持手段をスパイダ保持手段から離間させるためには、例えば、ローラ保持手段を前記スパイダ保持手段から離間する方向に弾発付勢する第1弾発手段を設けるようにすればよい。位置合わせ手段についても同様に、該位置合わせ手段をスパイダ保持手段から離間する方向に弾発付勢する第2弾発手段を設けることによって、該位置合わせ手段をスパイダ保持手段から離間させることができる。
【0023】
この場合、第1弾発手段と第2弾発手段とを基盤に設ける一方、第1押圧手段と第2押圧手段とを、前記基盤から離間した支持盤に配置するようにすればよい。これにより、基盤が過度に大型化することを回避することができる。
【0024】
また、第2押圧手段によるローラ保持手段への押圧が解除された際、第2弾発手段による弾発付勢に抗してローラ保持手段の位置を維持させる位置維持手段を設けるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、スパイダ保持手段、ローラ保持手段及び位置合わせ手段を設けるとともに、前進動作した位置合わせ手段の軸部をローラ保持手段の収容部に収容されたローラの貫通孔に通し、さらに、該軸部の先端面をトラニオンの先端面に近接させ、その後、ローラ保持手段を前進動作させてローラを前記軸部からトラニオンに受け渡すことが可能な構成としている。このような構成を採用したことにより、トラニオンに対してローラを自動的に装着することが可能となる。
【0026】
従って、作業者が煩雑な手作業を行う必要がなくなり、このために作業者の負担が軽減する。また、ローラの装着効率が向上するので、等速ジョイントの組立効率も向上するという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係る等速ジョイント用ローラ装着装置の要部平面図である。
【図2】前記等速ジョイント用ローラ装着装置の要部側面一部縦断面図である。
【図3】前記等速ジョイント用ローラ装着装置が具備する装着用治具の全体概略斜視図である。
【図4】前記装着用治具を構成する台座、ローラ保持具、及び位置合わせ具のみを示した斜視図である。
【図5】前記装着用治具の支持盤の近傍を拡大した要部拡大平面図である。
【図6】図5のVI−VI線矢視断面図である。
【図7】図5の側面図である。
【図8】図3から、台座にスパイダを保持するとともにローラ保持具のポケット部にロータを保持した状態を示す装着用治具の全体概略斜視図である。
【図9】図8の要部側面一部縦断面図である。
【図10】前記位置合わせ具が押圧されて前進した状態を示す要部概略平面図である。
【図11】図10のXI−XI線矢視断面図である。
【図12】前記ローラ保持具が押圧されて前進した状態を示す要部概略平面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線矢視断面図である。
【図14】トリポート型等速ジョイントの要部概略斜視分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る等速ジョイント用ローラ装着装置につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、図14に示される構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0029】
図1は、本実施の形態に係る等速ジョイント用ローラ装着装置50の要部平面図であり、図2は、要部側面一部縦断面図である。この等速ジョイント用ローラ装着装置50は、装着用治具52と、3個の支持盤54a〜54cの各々に配置された第1シリンダ56a〜56c(第1押圧手段)及び第2シリンダ58a〜58c(第2押圧手段)と、図2に示されるようにスパイダ16を保持した後に該スパイダ16を上昇させて装着用治具52から離脱させるチャック機構60(離脱手段)とを備える。なお、装着用治具52と支持盤54a〜54cは、それぞれ、図示しない基台上に堅牢に位置決め固定されている。
【0030】
先ず、装着用治具52につき詳細に説明する。
【0031】
図3は、装着用治具52の全体概略斜視図である。この装着用治具52は、円環形状体からなる基盤62と、該基盤62の略中心に配置された台座64(スパイダ保持手段)と、この台座64を三方向から囲繞する3個のローラ保持具66a〜66c(ローラ保持手段)と、軸部としての位置合わせ用軸68を有する3個の位置合わせ具70a〜70c(位置合わせ手段)とを具備する。以下の説明では、これらローラ保持具66a〜66c及び位置合わせ具70a〜70cを構成する各部材や、その他の部材における台座64に近接する側の端面(端部)を「前端面(前端部)」と指称し、一方、台座64から離間する側の端面(端部)を「後端面(後端部)」と指称するものとする。
【0032】
なお、説明の便宜上、ローラ保持具66a〜66cには別個の参照符号を付しているが、これらローラ保持具66a〜66cの構成は全て同一である。同様に、位置合わせ具70a〜70cも別個の参照符号を付しているものの、互いの構成は同一である。
【0033】
基盤62の略中心には、略真円形状の中央孔72が貫通形成されている(図2参照)。台座64は、この中央孔72に通された台座保持具74の上端面に位置決めされる。すなわち、台座保持具74の上端面には、略直方体形状に切り欠かれた係合用穴76が形成される。一方、台座64の底壁外方からは、前記係合用穴76の形状に対応する略直方体形状の突起状係合部78が突出している。係合用穴76に突起状係合部78が係合することにより、台座保持具74に台座64が取り付けられる。
【0034】
台座64は、係合用穴76に対して突起状係合部78が係合することによってのみ、台座保持具74に対して取り付けられる。従って、台座64は、台座保持具74から容易に脱着可能である。
【0035】
なお、係合用穴76及び突起状係合部78が略直方体形状であるので、前記係合によって台座保持具74に対する台座64の回り止めがなされる。係合用穴76及び突起状係合部78の隅角部同士が当接するからである。
【0036】
図2及び図3に示すように、台座64の底壁からは略三角形状の保持壁80が略垂直に立ち上がっている。この保持壁80には、その上端面から底壁の近傍に至る保持用穴82が形成されるとともに、各側面に、露呈用窓84a〜84cがそれぞれ切欠形成される。図3及び図4から容易に諒解されるように、保持用穴82にスパイダ16の円環状部26が挿入されるとともに、露呈用窓84a〜84cからトラニオン28a〜28cが突出する。なお、図4では、理解を容易にするために、台座64、ローラ保持具66a、及び位置合わせ具70aのみを示している。
【0037】
基盤62の上端面には、互いに平行に延在する1対の第1案内レール86a、86bが敷設される。第1案内レール86a、86bには、それぞれ、第1ブロック部材88a、88bが摺動自在に係合する。
【0038】
第1ブロック部材88a、88bの各々の上方には、第1コイルスプリング90a、90b(第1弾発手段)の各々が係止された第1被弾発部材92a、92bがボルト94によって連結される。さらに、これら第1被弾発部材92a、92bには、ローラ30aを収容するためのポケット部96(収容部)が形成された収容部材98が橋架される。収容部材98は、第1被弾発部材92a、92bの上方に位置する幅広な部位に通されたボルト100が第1被弾発部材92a、92bに形成されたボルト穴(図示せず)に螺合されることにより、これら第1被弾発部材92a、92bに連結される。
【0039】
第1被弾発部材92a、92bの後端面には、当接ボルト102が螺合される。後述するように、この当接ボルト102の露呈した頭部の平坦な頂面には、前記第2シリンダ58aを構成する第2押圧ロッド104(図1参照)の先端面が当接する。
【0040】
収容部材98に設けられたポケット部96には、後端面、前端面及び上端面のそれぞれに開口が形成される。この中、前端面の開口には、U字状溝106が切欠形成されたカバー部材108がボルト110を介して連結される。このカバー部材108により、ローラ30aが前端面の開口を通過してポケット部96から脱落することが防止される。
【0041】
図3に示すように、ローラ保持具66a、66bの間、ローラ保持具66b、66cの間、ローラ保持具66c、66aの間には、それぞれ、柱状部が図3における上方に指向して延在する第1スプリング保持部材112a〜112cが配設されている。第1スプリング保持部材112aには、ローラ保持具66aの第1被弾発部材92a、ローラ保持具66bの第2被弾発部材92b、ひいてはローラ保持具66a、66bを弾発付勢する第1コイルスプリング90a、90bが係止される。また、第1スプリング保持部材112bには、ローラ保持具66b、66cを弾発付勢する第1コイルスプリング90a、90bが係止され、第1スプリング保持部材112cには、ローラ保持具66c、66aを弾発付勢する第1コイルスプリング90a、90bが係止される。
【0042】
すなわち、ローラ保持具66a〜66cは、第1コイルスプリング90a、90bによって台座64から離間する方向に弾発付勢される。なお、第1ブロック部材88a、88bの近傍には、四角柱体形状の第1ストッパ114が配置される。この第1ストッパ114により、弾発付勢されるローラ保持具66a〜66cのそれ以上の変位が阻止される。
【0043】
第1案内レール86a、86bの間には、これら第1案内レール86a、86bに対して平行に延在する2本の第2案内レール116a、116bが敷設される。第2案内レール116a、116bの各々には、位置合わせ具70a〜70cを構成する第2ブロック部材118a、118bが摺動可能に係合される。
【0044】
位置合わせ具70a〜70cは、前記第2ブロック部材118a、118bの他、側面視が横臥したL字形状をなす第2被弾発部材120と、これら第2被弾発部材120とともに第2ブロック部材118a、118bを囲繞する門柱形状を形成するストッパ当接部材122と、前記位置合わせ用軸68を保持する軸保持部材124とを有する。前記第2ブロック部材118a、118b及びストッパ当接部材122は、図示しないボルトによって第2被弾発部材120に連結され、第2被弾発部材120は、ボルト125によって軸保持部材124に連結される。
【0045】
図4に示すように、ローラ保持具66a〜66cを構成する第1ブロック部材88a、88b同士の間には、四角柱形状をなす第2スプリング保持部材126が配設される。なお、この第2スプリング保持部材126は、基盤62の上端面に連結される。
【0046】
第2被弾発部材120の隅角部中、後端部の前記第1ストッパ114に近接する側の隅角部には、図3及び図4における下方に指向して延在する着座部128が突出して設けられる。この着座部128と、前記第2スプリング保持部材126との間に、第2コイルスプリング130が介装される。すなわち、位置合わせ具70a〜70cは、第2コイルスプリング130によって台座64から離間する方向に弾発付勢される。
【0047】
なお、ストッパ当接部材122の近傍には、四角柱体形状の第2ストッパ132が配置される。この第2ストッパ132により、弾発付勢される位置合わせ具70a〜70cのそれ以上の変位が阻止される。
【0048】
第2被弾発部材120の上端面に位置決め固定された軸保持部材124の長手方向略中腹部には、位置合わせ用軸68を挿入するための中空筒部134が隆起するようにして設けられる。位置合わせ用軸68の後端面には、中空筒部134の外方から内方に挿入された当接ボルト136が螺合される。また、位置合わせ用軸68の側壁には図示しないボルト穴が穿設されており、このボルト穴には、中空筒部134の側壁から挿入された止めボルト138が螺合する。これら当接ボルト136及び止めボルト138が螺合することにより、位置合わせ用軸68が堅牢に位置決めされる。
【0049】
位置合わせ用軸68は、その軸線がトラニオン28a〜28cの軸線に合致するようにして対向する。この位置合わせ用軸68の前端部は、位置合わせ具70a〜70cが台座64に対して接近又は離間するように変位することに伴い、ローラ保持具66a〜66cを構成する収容部材98のポケット部96における後端面の開口から、前記ポケット部96に進入又は離脱することが可能である。
【0050】
上記したように、ローラ保持具66b、66cの構成はローラ保持具66aと同一であり、また、位置合わせ具70b、70cの構成は位置合わせ具70aと同一である。従って、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、ローラ保持具66b、66cの各ポケット部96には、それぞれ、ローラ30b、30cが収容される。
【0051】
ローラ保持具66a〜66cは、トラニオン28a〜28cの離間角度に合致して、互いの中心軸が120°離間する位置に配設されている。
【0052】
このように構成された装着用治具52の周囲には、図1に示すように、3個の支持盤54a〜54cが配置される。これらの支持盤54a〜54cも、互いの中心軸が120°離間する位置に配設される。なお、支持盤54a〜54cの構成は全て同一であるが、説明の便宜上、別個の参照符号を付す。
【0053】
図5は、支持盤54aの近傍を拡大した要部拡大平面図であり、図6は図5のVI−VI線矢視断面図、図7はその側面図である。この中の図6及び図7に示すように、支持盤54a〜54cには、互いに平行に延在する第3案内レール140(図6参照)、第4案内レール142(図7参照)が敷設される。また、図5及び図6から諒解されるように、第3案内レール140によって前記第1シリンダ56a〜56cの第1延長継手144が案内され、一方、図5及び図7から諒解されるように、第4案内レール142によって前記第2シリンダ58a〜58cの第2延長継手146が案内される。
【0054】
図5に示すように、第1シリンダ56a〜56c及び第2シリンダ58a〜58cの後端部は、共通の支持用ブラケット148によって支持される。これにより、第1押圧手段である第1シリンダ56a〜56cと、第2押圧手段である第2シリンダ58a〜58cとが並列するように設けられる。
【0055】
第1シリンダ56a〜56cは、後端部側から順に、第1押出ロッド150と、前記第1延長継手144と、第1押圧ロッド152とを有する。第1押出ロッド150と第1押圧ロッド152は第1延長継手144を介して連結されており、従って、第1押出ロッド150が前進又は後退動作することに追従して、第1押圧ロッド152も前進又は後退動作する。
【0056】
第1延長継手144は、図6に示すように、前記第3案内レール140に摺動自在に係合された第1スライダ154a、154bに連結される幅広且つ長尺な長尺平板形状部156を有する。換言すれば、第1延長継手144は、第1スライダ154a、154bを介して第3案内レール140に下方から支持される。このようにして第1延長継手144が下方から支持されることにより、第1押圧ロッド152の前端部が自重によって鉛直下方に撓むことが回避され、該第1押圧ロッド152が、位置合わせ用軸68を中空筒部134に保持する当接ボルト136に指向して直線状に延在する。
【0057】
以上により、第1シリンダ56a〜56c、第1押出ロッド150、第1押圧ロッド152の各軸線が、前記当接ボルト136の軸線と一致する。
【0058】
一方、第2シリンダ58a〜58cは、第2押出ロッド158と、前記第2延長継手146と、前記第2押圧ロッド104とを有する(図5参照)。すなわち、第2シリンダ58a〜58cにおいても、第2押出ロッド158と第2押圧ロッド104が第2延長継手146を介して連結される。従って、第2押出ロッド158が前進又は後退動作するときには、これに伴って第2押圧ロッド104も前進又は後退動作する。
【0059】
図7に示すように、第2延長継手146は、第2スライダ160を介して第4案内レール142に下方から支持される。すなわち、第4案内レール142には第2スライダ160が摺動自在に係合される。この第2スライダ160の上端面に前記第2延長継手146の幅広な平板形状部162が連結されることによって、第2延長継手146が下方から支持される。
【0060】
従って、第2押圧ロッド104の前端部が自重によって鉛直下方に撓むことが回避される。換言すれば、該第2押圧ロッド104が当接ボルト102に指向して直線状に延在する。
【0061】
第2押圧ロッド104は、平面視でL字形状をなす。すなわち、第1シリンダ56a〜56cの軸線は、ローラ保持具66a〜66cを構成する第1被弾発部材92a、92bに螺合された当接ボルト136の軸線と一致しているが、第2押圧ロッド104の軸線は、第2シリンダ58a〜58cの軸線からオフセットされて当接ボルト102の軸線と一致する。
【0062】
以上から諒解されるように、第2押圧ロッド104として平面視でL字形状をなすものを採用したことにより、第1押圧ロッド152と第2押圧ロッド104を互いに干渉させることなく当接ボルト136、102にそれぞれ当接させることが可能となる。
【0063】
支持盤54aの上記した構成は、支持盤54b、54cにおいても同一である。従って、支持盤54b、54cにおける支持盤54aと同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0064】
図2に示すように、装着用治具52の周囲には支持枠164が設けられる。この支持枠164には、スパイダ16の貫通孔24に進入する爪部166a、166bを備えたチャック機構60と、ローラ保持具66a〜66cの各収容部材98を押止する3個の押止部材168(位置維持手段)とを、昇降板170を介して昇降動作させるための図示しないアクチュエータが支持される。すなわち、チャック機構60及び押止部材168は昇降板170に保持されており、前記アクチュエータは、この昇降板170を昇降動作させることによって、図2における上下方向に沿ってチャック機構60及び押止部材168を昇降動作させる。
【0065】
チャック機構60を構成する爪部166a、166bは、その先端部がカバー部材171から露呈している。この露呈した先端部は、スパイダ16の貫通孔24に進入可能である。
【0066】
また、爪部166a、166bは、互いに接近又は離間するように変位可能であり、互いに離間するように変位した際には、スパイダ16の貫通孔24の内壁を押圧する。この押圧により、スパイダ16が爪部166a、166bに保持される。
【0067】
一方、押止部材168は、側面視が略L字形状をなし、その水平部172の先端面でローラ保持具66a〜66cの各収容部材98を押止する。この押止により、ローラ保持具66a〜66c、ひいてはローラ30a〜30cの位置が維持される。
【0068】
押止部材168の垂直部は、昇降板170に支持された第3シリンダ174a〜174cを構成する第3押出ロッド176の前端に対し、連結板178を介して連結される。すなわち、押止部材168は、第3押出ロッド176が前進・後退動作することに追従して前進・後退動作する。図2においては、押止部材168がローラ保持具66a〜66cの収容部材98の後端面まで前進動作した状態を示しているが、第3押出ロッド176が後進端に位置するときには、シリンダチューブの前端面に対して連結板178の後端面が着座する。
【0069】
押止部材168の下端部には、図示しないU字形状溝が形成されている。押止部材168が降下した際、位置合わせ具70a〜70cを構成する軸保持部材124の中空筒部134は、このU字形状溝に挿入される。
【0070】
以上の構成において、第1シリンダ56a〜56c、第2シリンダ58a〜58c、前記アクチュエータ及び第3シリンダ174a〜174cは、図示しない制御回路に電気的に接続されている。
【0071】
本実施の形態に係る等速ジョイント用ローラ装着装置50は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
【0072】
スパイダ16のトラニオン28a〜28cに対するローラ30a〜30cの装着は、以下のようにして実施される。すなわち、はじめに、作業者は、スパイダ16を台座64に保持する。この際には、保持用穴82にスパイダ16の円環状部26を挿入するとともに、露呈用窓84a〜84cからトラニオン28a〜28cを突出させる。
【0073】
この作業の前、又は後に、ローラ保持具66a〜66cを構成する収容部材98のポケット部96にローラ30a〜30cを収容する。なお、ローラ30a〜30cにはニードルベアリング32を予め組み付けておく(図3参照)。
【0074】
以上により、図8及び図9に示す状態が形成される。
【0075】
次に、制御回路の制御作用下に3個の第1シリンダ56a〜56cが付勢され、第1押出ロッド150が略同一速度で前進動作する。これに伴って第1延長継手144が第3案内レール140に案内されながら前進動作し、さらに、第1押圧ロッド152が前進動作する。
【0076】
このようにして前進動作する第1押圧ロッド152の先端面が当接ボルト136に当接すると、該当接ボルト136が押圧される。その結果、図10及び図11に示すように、位置合わせ具70a〜70cがローラ保持具66a〜66cに向かって前進動作する(なお、図10及び図11においては、理解を容易にするために位置合わせ具70b、70c及びローラ保持具66b、66c等の図示を省略している)。この際には、位置合わせ具70a〜70cは、第2ブロック部材118a、118bを介して第2案内レール116a、116bに案内されるとともに、第2コイルスプリング130を圧縮する。
【0077】
位置合わせ具70a〜70cが前進動作することに追従し、軸保持部材124に設けられた位置合わせ用軸68が前進動作する。第1押圧ロッド152が前進端に位置したとき、位置合わせ用軸68は、ローラ30a〜30cを通ってトラニオン28a〜28cの先端面に当接する。
【0078】
この状態で、次に、制御回路の制御作用下に3個の第2シリンダ58a〜58cが付勢される。そして、上記と同様に、第2押出ロッド158が略同一速度で前進動作することに伴って第2延長継手146が第4案内レール142に案内されながら前進動作し、さらに、第2押圧ロッド104が前進動作して、その先端面が当接ボルト102に当接する。
【0079】
第2押圧ロッド104がさらに前進動作すると、当接ボルト102が押圧されるようになる。その結果、図12及び図13に示すように、ローラ保持具66a〜66cがトラニオン28a〜28cに向かって前進動作する(上記と同様の理由から、図12及び図13においても、位置合わせ具70b、70c及びローラ保持具66b、66c等の図示を省略している)。この際には、ローラ保持具66a〜66cは、第1ブロック部材88a、88bを介して第1案内レール86a、86bに案内されるとともに、第1コイルスプリング90a、90bを圧縮する。
【0080】
ローラ保持具66a〜66cが前進動作することに追従し、ポケット部96に収容されたローラ30a〜30cがトラニオン28a〜28cに向かって前進動作する。換言すれば、ローラ30a〜30cが位置合わせ用軸68から離脱し始める。最終的に、第2押圧ロッド104が前進端に到達すると、位置合わせ用軸68から離脱したローラ30a〜30cがトラニオン28a〜28cに通される。
【0081】
トラニオン28a〜28cの軸線が位置合わせ用軸68の軸線に対して傾斜している場合には、トラニオン28a〜28cにローラ30a〜30cが通ることは困難である。これに対し、本実施の形態においては、位置合わせ用軸68とトラニオン28a〜28cの軸線同士の延在方向を合致させた状態で、位置合わせ用軸68からトラニオン28a〜28cにローラ30a〜30cを受け渡すようにしている。従って、トラニオン28a〜28cがローラ30a〜30cを通ることが容易となる。このため、本実施の形態によれば、トラニオン28a〜28cにローラ30a〜30cを装着する作業を自動的に実施することができる。
【0082】
次に、制御回路の制御作用下に第1シリンダ56a〜56cの各第1押出ロッド150が略同一速度で後退動作されることに伴い、第1延長継手144及び第1押圧ロッド152が後退動作する。その結果、当接ボルト136、ひいては位置合わせ具70a〜70cが第1押圧ロッド152の押圧から解除される。
【0083】
第1押圧ロッド152の押圧から解除された位置合わせ具70a〜70cは、第2コイルスプリング130によって弾発付勢され、第2案内レール116a、116bに案内されながら後退動作して元の位置に戻る。この際には、ストッパ当接部材122が第2ストッパ132に当接することによって、位置合わせ具70a〜70cが堰止される。
【0084】
次に、前記アクチュエータが付勢される。この付勢により昇降板170(図2参照)が図2における下方に降下し、チャック機構60の爪部166a、166bがスパイダ16の貫通孔24に進入する。
【0085】
同時に、押止部材168も下降する。そして、該押止部材168の下端部に形成された前記U字形状溝に、軸保持部材124の中空筒部134が挿入される。
【0086】
その後、第3シリンダ174a〜174cが付勢されて第3押出ロッド176が前進動作する。押止部材168の水平部172の先端面がローラ保持具66a〜66cの収容部材98に当接するまで前進動作すると、この当接によってそれ以上の前進が停止される。
【0087】
この動作と同時、又はその後に、チャック機構60の爪部166a、166bが互いに離間するように変位し、スパイダ16の貫通孔24の内壁に押接する。この押接により、スパイダ16が爪部166a、166bに保持される。
【0088】
この状態で、前記アクチュエータの作用下に昇降板170が図2における上方に指向して上昇する。このため、爪部166a、166bによって保持されたスパイダ16も上昇する。該スパイダ16のトラニオン28a〜28cにローラ30a〜30cが通されているため、ローラ30a〜30cも同時に上昇してポケット部96から離脱し始める。また、第3シリンダ174a〜174c及び押止部材168も上昇する。
【0089】
ローラ30a〜30cがポケット部96から露呈すると、第3押出ロッド176が若干のさらなる前進動作を行う。この前進動作により、押止部材168の水平部172の先端面がローラ30a〜30cの後端面に当接する。すなわち、ローラ30a〜30cがトラニオン28a〜28cから脱落することが阻止される。
【0090】
トラニオン28a〜28cにローラ30a〜30cが装着されたスパイダ16は、昇降板170が適宜移動することにより、次工程を行うステーションに移送される。次工程では、例えば、ローラ30a〜30cが装着されたスパイダ16をアウタ部材に収容した後、スパイダ16の貫通孔24に駆動力伝達軸14を嵌合する作業が自動的に実施される。
【0091】
このように、本実施の形態によれば、スパイダ16のトラニオン28a〜28cに対してローラ30a〜30cを自動的に装着することが可能となる。従って、作業者の負担が大幅に軽減されるとともに、等速ジョイントの組立効率が飛躍的に向上するという利点が得られる。
【0092】
その一方で、制御回路の制御作用下に第1押出ロッド150が略同一速度で後退動作され、第1延長継手144及び第1押圧ロッド152が後退動作する。その結果、ローラ保持具66a〜66cが第1押圧ロッド152の押圧から解除されるとともに第1コイルスプリング90a、90bの弾発作用下に付勢され、第1案内レール86a、86bに案内されながら後退動作して元の位置に戻る。この際には、第1ストッパ114によってローラ保持具66a〜66cが堰止される。
【0093】
寸法が異なるスパイダ16に対してローラ30a〜30cを装着する際には、台座64を、そのスパイダ16の寸法に対応する寸法のものに交換した後、上記の操作を行うようにすればよい。このことから諒解されるように、台座64を基盤62に対して着脱可能とした本実施の形態においては、様々な寸法のスパイダ16に対してローラ30a〜30cを装着することが可能である。換言すれば、汎用性がある。
【0094】
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記した実施の形態においては、チャック機構60によってスパイダ16を保持・移送するようにしているが、作業者がスパイダ16を手で把持して搬送するようにしてもよい。
【0095】
また、第1シリンダ56a〜56c、第2シリンダ58a〜58c、前記アクチュエータ及び第3シリンダ174a〜174cの前進・後退動作を、その都度、ON/OFFスイッチにて行うようにしてもよい。
【0096】
さらに、作業に支障のない限り、説明した動作の順序を逆にしてもよいことは勿論である。例えば、押止部材168が降下してローラ保持具66a〜66cの収容部材98を押止した後、昇降板170を上昇させる前に第1押出ロッド150、第1延長継手144及び第1押圧ロッド152を後退動作させてもよい。この時点では、押止部材168の先端面が収容部材98に当接しているため、ローラ保持具66a〜66cは、前進端に位置した状態を保つことができる。
【0097】
さらにまた、この実施の形態では、1個のローラ保持具66a(66b、66c)を弾発付勢する第1コイルスプリングとして90a、90bの2個を用いるようにしているが、十分な剛性や弾発付勢力を示す1個のコイルスプリングで1個のローラ保持具66a(66b、66c)を弾発付勢するようにしてもよい。すなわち、第1コイルスプリングを90aのみとしてもよいし、90bのみとしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
10…トリポート型等速ジョイント 12…アウタ部材
14…動力伝達軸 16…スパイダ
22a〜22c…トラック溝 24…貫通孔
26…円環状部 28a〜28c…トラニオン
30a〜30c…ローラ 50…等速ジョイント用ローラ装着装置
52…装着用治具 54a〜54c…支持盤
56a〜56c…第1シリンダ 58a〜58c…第2シリンダ
60…チャック機構 62…基盤
64…台座 66a〜66c…ローラ保持具
68…位置合わせ用軸 70a〜70c…位置合わせ具
82…保持用穴 84a〜84c…露呈用窓
90a、90b…第1コイルスプリング 96…ポケット部
98…収容部材 104…第2押圧ロッド
108…カバー部材 112a〜112c…第1スプリング保持部材
126…第2スプリング保持部材 130…第2コイルスプリング
152…第1押圧ロッド 166a、166b…爪部
168…押止部材 170…昇降板
174a〜174c…第3シリンダ 176…第3押出ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
等速ジョイントのインナ部材を構成し、環状部と、該環状部の外周壁に突出形成されたトラニオンとを有するスパイダの前記トラニオンにローラを装着するための等速ジョイント用ローラ装着装置であって、
前記トラニオンと前記ローラとの位置合わせ、及び前記トラニオンへの前記ローラの移送を行うための装着用治具を有し、
前記装着用治具は、基盤と、
前記スパイダを、前記環状部を囲繞するとともに前記トラニオンを露呈した状態で保持するスパイダ保持手段と、
前記基盤に設けられ、前記スパイダ保持手段に保持された前記スパイダの前記トラニオンに対向する位置に前記ローラを収容するための収容部が形成されるとともに、前記トラニオンに対して接近又は離間可能なローラ保持手段と、
前記基盤に設けられ、前記スパイダ保持手段に保持された前記スパイダの前記トラニオンに対向し且つ前記収容部に収容された前記ローラの貫通孔に対して進入又は離脱可能な軸部を有するとともに、前記ローラ保持手段とは別個に前記トラニオンに対して接近又は離間可能な位置合わせ手段と、
を具備することを特徴とする等速ジョイント用ローラ装着装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、さらに、前記位置合わせ手段を前記スパイダ保持手段側に向かって押圧することで該スパイダ保持手段側に変位させる第1押圧手段と、
前記ローラ保持手段を前記スパイダ保持手段側に向かって押圧することで該スパイダ保持手段側に変位させる第2押圧手段と、
前記ローラ保持手段を前記スパイダ保持手段から離間する方向に弾発付勢する第1弾発手段と、
前記位置合わせ手段を前記スパイダ保持手段から離間する方向に弾発付勢する第2弾発手段と、
を備えることを特徴とする等速ジョイント用ローラ装着装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、前記第1弾発手段と前記第2弾発手段とが前記基盤に設けられるとともに、前記第1押圧手段と前記第2押圧手段とが前記基盤から離間した支持盤に配置されることを特徴とする等速ジョイント用ローラ装着装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の装置において、前記第2押圧手段による前記ローラ保持手段への押圧が解除された際、前記第2弾発手段による弾発付勢に抗して前記ローラ保持手段の位置を維持させる位置維持手段をさらに有することを特徴とする等速ジョイント用ローラ装着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−149543(P2011−149543A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13295(P2010−13295)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】