説明

箱詰め装置

【課題】定量カット精度に優れ、適量の物品を高速かつ連続的に箱詰めできる箱詰め装置を提供する。
【解決手段】箱詰め装置200は、複数の物品Mを複数列に整列させて供給する供給部21nと、供給部21nの各列に対応して配され、各列から排出された物品の重量を測定する複数の計量部71nと、各計量部71nにより計量される物品Mの重量が所定の単重量範囲内か否かを判定する制御部150と、各計量部71nに対応して配され、制御部150による判定結果に基づいて単重量範囲外の物品Mを排除するように、物品Mを振り分ける複数の振分部91nと、各振分部91nに対応して配され、単重量範囲内として振り分けられた物品Mの通過を開閉により調整する複数のカットゲート111nと、各カットゲート111nを通過した物品Mを集合させて収納箱13に投入する投入部12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱詰め装置に係り、更に詳しくは、定量カット精度に優れ、物品を高速かつ連続的に箱詰めできる箱詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
青果物や工業部品などの箱詰め用の物品は、処理施設から出荷される際には、ダンボール箱に収納される。このため、物品の形状や出荷形態に合わせて、物品の箱詰めを効率的に行える様々な箱詰め技術が従来から提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
特許文献1には、青果物が定量箱詰めされたダンボール箱を、複数の自動箱詰め機から送出し、1台の自動封函機で効率良く封函できる従来技術が記載されている。
【0004】
特許文献2には、青果物が供給された載せ台上の収納箱を自動計量して、定量の青果物を収納箱に正確かつ効率的に投入できる従来技術が記載されている。
【0005】
特許文献3には、カートン当たりの重量分自動的に切出された球体を適切に整列でき、カートンに自動的に充填できる従来技術が記載されている。
【特許文献1】特公昭62−46401号公報
【特許文献2】特開平8−40411号公報
【特許文献3】特開2001−287712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、本件発明者等は、半導体パッケージの封止材として使用されるエポキシ製の円柱状のタブレットを定量分、高速かつ連続的に箱詰できる箱詰め装置の高精度化(定量カット精度の改善)に取り組んでいる。
【0007】
既存のタブレットの箱詰め処理は、例えば、カットゲート付きフィーダ排出口から台秤上に載荷した収納箱への連続的な落下投入によりなされている。この場合、台秤で計量されるトータルのタブレットの重量が、収納箱と排出口との間の落差による落下途中のタブレットの個数を予め見込んで目標値に到達したタイミングで、カットゲートを用いてフィーダ排出口が閉じられる。これにより、定量分のタブレットが、収納箱に箱詰めされる。
【0008】
ところが、収納箱と排出口との間の落差による落下途中のタブレットの推定個数には誤差がある。特にタブレットの高速排出の際には、この誤差が無視できなくなっている。つまり、上述の技術には、定量カットの精度において難点がある。
【0009】
また、台秤による正確な重量測定には、台秤の秤安定時間を確保する必要があり、このことが、高速箱詰めの障害になっている。
【0010】
そこで、本件発明者等は、多連式の重量選別機能およびカットゲート機能を箱詰め装置に組み込むことにより、上述の問題を克服できると考えているが、特許文献1〜3記載の従来技術には、このような観点において参酌に値するものがない。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、定量カット精度に優れ、適量の物品を高速かつ連続的に箱詰めできる箱詰め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、複数の物品を複数列に整列させて供給する供給部と、
前記供給部の各列に対応して配され、前記各列から排出された物品の重量を測定する複数の計量部と、
前記各計量部により計量される物品の重量が所定の単重量範囲内か否かを判定する制御部と、
前記各計量部に対応して配され、前記制御部による判定結果に基づいて前記単重量範囲外の物品を排除するように、前記物品を振り分ける複数の振分部と、
前記各振分部に対応して配され、前記単重量範囲内として振り分けられた物品の通過を開閉により調整する複数のカットゲート部と、
前記各カットゲート部を通過した物品を集合させて収納箱に投入する投入部と、
前記収納箱を移送する移送手段と、を備える箱詰め装置を提供する。
【0013】
ここで、前記箱詰め装置によるカットゲート部の動作例として、前記制御部は、前記カットゲート部が開いている状態において、前記単重量範囲内として振り分けられた物品の重量を累積加算する際に、前記物品の累積重量値が、前記収納箱に投入する物品の目標重量範囲に到達したタイミングで、前記累積重量値を零にリセットして、前記カットゲート部を閉めることにより、前記投入部に向けた前記物品の通過を中断させてもよい。
【0014】
そして、この場合、前記制御部は、前記カットゲート部が閉まっている状態において、前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入を開始させ、その後、前記投入が完了したタイミングで、前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入を停止させ、前記カットゲート部を開けることにより、前記投入部に向けた前記物品の通過を開始させてもよい。
【0015】
更に、前記制御部は、前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入停止時から次回の前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入開始時までの間に、前記移送手段を用いて、前記物品が投入された収納箱を、空の収納箱に切り替えてもよい。
【0016】
このようにして、本発明の箱詰め装置は、多連式の重量選別機能およびカットゲート機能を有しており、単重量範囲内として選別された物品の通過を、定量カット精度に優れた多連式のカットゲートにより適切に調整しているので、物品のトータル重量が目標重量範囲になるように、収納箱に物品を高精度に箱詰めできる。
【0017】
また、投入部による物品の収納箱への投入時においては、カットゲートに到達する後続の物品は、現在、待機中の収納箱に投入せずに、次回の箱詰め時の収納箱に投入する必要がある。このため、カットゲートを閉めることにより、物品を一時的にカットゲートに貯めることができる。このようなカットゲートの物品の通過調整の作用により、物品を高速かつ連続的に箱詰めできる。
【0018】
また、前記箱詰め装置によるカットゲート部の他の動作例として、前記制御部は、前記カットゲート部が開いている状態において、前記単重量範囲内として振り分けられた物品の個数を累積加算する際に、前記物品の累積個数が、前記収納箱に投入する物品の目標個数に到達したタイミングで、前記累積個数を零にリセットして、前記カットゲート部を閉めることにより、前記投入部に向けた前記物品の通過を中断させてもよい。
【0019】
そして、この場合、前記制御部は、前記カットゲート部が閉まっている状態において、前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入を開始させ、その後、前記投入が完了したタイミングで、前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入を停止させ、前記カットゲート部を開けることにより、前記投入部に向けた前記物品の通過を開始させてもよい。
【0020】
更に、前記制御部は、前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入停止時から次回の前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入開始時までの間に、前記移送手段を用いて、前記物品が投入された収納箱を、空の収納箱に切り替えてもよい。
【0021】
このようにして、本発明の箱詰め装置は、多連式の重量選別機能およびカットゲート機能を有しており、単重量範囲内として選別された物品の通過を、多連式のカットゲートにより適切に調整しているので、物品のトータル個数が目標個数になるように、収納箱に物品を容易に箱詰めできる。
【0022】
また、投入部による物品の収納箱への投入時においては、カットゲートに到達する後続の物品は、現在、待機中の収納箱に投入せずに、次回の箱詰め時の収納箱に投入する必要がある。このため、カットゲートを閉めることにより、物品を一時的にカットゲートに貯めることができる。このようなカットゲートの物品の通過調整の作用により、物品を収納箱に高速かつ連続的に箱詰めできる。
【0023】
また、前記箱詰め装置の他の処理例として、前記制御部は、前記単重量範囲内として振り分けられた物品の重量および個数を累積加算して、前記物品の累積重量値を、前記物品の累積個数で除した前記物品の平均単重値を取得し、
前記収納箱に投入する物品の目標個数から前記累積個数を減じた個数に、前記平均単重値を乗じて得られる見込み加算重量値を取得し、
前記見込み加算重量値と前記累積重量値との和が、前記収納箱に投入する物品の目標重量範囲から逸れる場合、所定の警告を発してもよい。
【0024】
このように制御部が、「平均単重値」や「見込み加算重量値」を演算して取得することにより、作業者は、箱詰め装置による物品の収納箱への箱詰め完了前に、適量の物品を収納箱に箱詰めできるか否かを察知することができる。
【0025】
その結果、適量の物品を収納箱に箱詰めできないと予測される場合、作業者は、収納箱内の物品を回収して再処理を行う手間を省力化することができ、ひいては、箱詰め装置の復帰動作など適切な対応を迅速に取ることができる。
【0026】
例えば、多数の物品の重量が、単重量範囲内の下限値や上限値に偏っている場合、目標個数の物品を収納箱に投入すると、目標重量範囲から逸れることがあり、このような場合に、上述の警告が有用になる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、定量カット精度に優れ、適量の物品を高速かつ連続的に箱詰めできる箱詰め装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態による箱詰め装置の一構成例を示した概略図であり、箱詰め装置を側方視した図である。
【0030】
また、図2は、本実施形態による箱詰め装置の信号処理に関するハードウェア構成例を示したブロック図である。
【0031】
なお、図1において、以下の説明の便宜上、箱詰め装置200における重力の作用方向を「下方向」といい、その逆方向を「上方向」という。また、後述のV型振動フィーダ21nにおける物品Mの搬送方向を「後方向」といい、その逆方向を「前方向」という。更に、上述の「上下方向」および「前後方向」に鉛直な方向を「幅方向」という。
【0032】
箱詰め装置200は、図1に示すように、物品Mの供給元として機能する供給機能部100と、物品Mの重量を測定する計量機能部110と、物品Mの重量に基づいて物品Mの重量選別を行うように物品Mを振り分ける振分機能部120と、物品Mの通過を調整するカットゲート機能部130と、収納箱13に物品Mを集合させるように投入して箱詰めする投入機能部140と、収納箱13を移送する収納箱切り替えコンベヤ14(移送手段)と、制御部150と、を備える。
【0033】
供給機能部100は、分散供給用フィーダ1と複数列(ここではn列;n>1)に並んだV型振動フィーダ21nと、を備える。
【0034】
V型振動フィーダ21nは、ミニタブレットのような円柱形状の物品Mを、その長手方向を前後方向に向かせてn列に整列させる機能を有する。つまり、V型振動フィーダ21nは、振動エネルギーを物品Mの搬送力として利用した公知の搬送装置である。また、各V型振動フィーダ21nには、前後方向に延びるV字状の溝(図示せず)が形成され、これにより、物品Mの長手方向が、前後方向を向くように、各V型振動フィーダ21nのV溝に物品Mが嵌まって配列される。そして、V型振動フィーダ21n上の物品Mが1個ずつ整列搬送され、後述の計量機能部110に排出される。
【0035】
分散供給用フィーダ1は、例えば、公知の回旋式コンベヤであり、上下方向から見た場合、分散供給用フィーダ1の前端を中心にしてスイングするように構成されている。これにより、分散供給用フィーダ1の後端から各V型振動フィーダ21nに物品Mが均等供給される。
【0036】
なお、図2に示すように、CPU28(後述)は、各V型振動フィーダ21nに内蔵される加振部(図示せず)に振動用の駆動信号を与えるV型振動フィーダ駆動回路22を用いて各V型振動フィーダ21nによる物品Mの供給動作を制御する。また、CPU28は、分散供給用フィーダ1に駆動信号を与える分散供給用フィーダ駆動回路21を用いて分散供給用フィーダ1による物品Mの供給動作を制御する。
【0037】
計量機能部110は、図1に示すように、V型振動フィーダ21nの各列に対応して配される移送コンベヤ41nと、V型振動フィーダ21nの各列に対応して配される複数個(n個)の計量ホッパ71n(計量部)と、各計量ホッパ71nに対応して配される複数個(n個)の計量センサ61nと、各計量ホッパ71nに対応して配される複数個(n個)の物品検出センサ51nと、を備える。
【0038】
移送コンベヤ41nは、V型振動フィーダ21nの後端から搬送される物品Mを載せることができるよう、V型振動フィーダ21nの後端近傍に配設されたベルト式のコンベヤである。これらの移送コンベヤ41nにより、物品Mは、前後方向に連なるように整列して搬送される。
【0039】
なお、図2に示すように、CPU28は、第1コンベヤ駆動回路23を用いて移送コンベヤ41nによる当該物品Mの移送動作を制御する。
【0040】
各計量ホッパ71nは、移送コンベヤ41nの後端から自重落下した物品Mを格納できるように、移送コンベヤ41nの後端の下方近傍に配設された漏斗状の部材である。
【0041】
各計量ホッパ71nへの物品Mの投入の有無は、各計量ホッパ71nの上方に配された物品検出センサ51nにより検出される。物品検出センサ51nとして、例えば、光電センサを用いることができる。
【0042】
また、各計量ホッパ71nは、計量センサ61nにより、計量ホッパ71n内の物品Mの重量を測定可能なように支持されている。各計量センサ61nとして、例えば、ロードセルを用いることができる。
【0043】
更に、各計量ホッパ71nは、シャッターゲート81nを有し、各計量ホッパ71n内の物品Mの重量の測定が終了する度に、この各計量ホッパ71n内に格納された物品Mを外部に排出できるよう、シャッターゲート81nを開閉可能に構成されている。つまり、シャッターゲート81nは、図1に示すように、支点8A1nを中心にしてスイング移動可能に支持されたスイング板からなり、CPU28から出力された制御信号に基づいて、図2のゲート駆動回路26により、このスイング板をスイング駆動させ(図1中に実線と点線を付した位置にスイング移動)、これにより、シャッターゲート81nが開閉される。
【0044】
図2に示すように、各物品検出センサ51nの出力側は、I/O回路24を介してCPU28に接続されている。そして、CPU28は、物品検出センサ51nにより検知された出力信号に基づいて、計量センサ61nを用いて物品Mの計量を開始するとともに、計量センサ61nにより検知された物品Mの重量が、所定の単重量範囲内か否かを判定する。各計量センサ61nの出力側は、増幅器(図示せず)を通してA/D(アナログ/デジタル)変換回路25の入力側に接続され、A/D変換回路25の出力側は、CPU28に接続されている。
【0045】
なお、所定の単重量範囲とは、個々の物品Mの重量選別の基準となる運転パラメータであり、物品Mの重量が単重量範囲内であれば、物品Mは良品として処理され、物品Mの重量が単重量範囲外であれば、物品Mは不良品として処理される。
【0046】
振分機能部120は、図1に示すように、各計量ホッパ71nに対応して配された複数の振分ゲート91n(振分部)を有し、各計量センサ61nにおいて計量された物品Mの重量に基づいて、振分ゲート91nの切り替え動作により、個々の物品Mを単重量範囲外の物品Mと単重量範囲内の物品Mとを振り分ける。つまり、振分ゲート91nは、図1に示すように、支点9A1nを中心にしてスイング移動可能に支持されたスイング板からなり、CPU28から出力された制御信号に基づいて、図2のゲート駆動回路26により、このスイング板がスイング駆動される。
【0047】
より詳しくは、物品Mの重量が単重量範囲内であれば、振分ゲート91nは、図1中に実線で付した位置にスイング移動し、これにより、単重量範囲内として振り分けられた物品Mは、後述のカットゲート機能部130に移送される。一方、物品Mの重量が単重量範囲外であれば、振分ゲート91nは、図1中に点線で付した位置にスイング移動し、これにより、単重量範囲外として振り分けられた物品Mは、後述の搬送コンベヤ10に移送される。
【0048】
搬送コンベヤ10は、図1に示すように、各計量ホッパ71nの下方に配設されたベルト式のコンベヤである。この搬送コンベヤ10は、各振分ゲート91nにより単重量範囲外として振り分けられた物品Mを、箱詰め装置200から排除するように搬送できる。
【0049】
なお、図2に示すように、CPU28は、第2コンベヤ駆動回路27を用いて搬送コンベヤ10による当該物品Mの搬送動作を制御する。
【0050】
カットゲート機能部130は、図1に示すように、各振分ゲート91nに対応して配された複数のカットゲート111n(カットゲート部)を有し、カットゲート111nの開閉動作により、単重量範囲内として振り分けられた物品Mの集合搬送コンベヤ12(後述)に向けた通過を調整できる。つまり、カットゲート111nは、図1に示すように、支点11A1nを中心にしてスイング移動可能に支持されたスイング板からなり、CPU28から出力された制御信号に基づいて、図2のゲート駆動回路26により、このスイング板がスイング駆動される。
【0051】
なお、カットゲート111nの開閉動作(カットゲート111nによる物品Mの通過調整動作)の詳細は、後述する。
【0052】
投入機能部140の集合搬送コンベヤ12は、図1に示すように、各カットゲート111nの下方に配設されたベルト式のコンベヤである。この集合搬送コンベヤ12は、各振分ゲート91nにより単重量範囲内として振り分けられた物品Mを集合させて、収納箱13に投入するように搬送できる。
【0053】
なお、図2に示すように、CPU28は、第2コンベヤ駆動回路27を用いて集合搬送コンベヤ12による当該物品Mの搬送動作を制御する。
【0054】
また、箱詰め装置200の収納箱切り替えコンベヤ14は、物品Mの箱詰めが完了した収納箱13を、空の収納箱13と切り替えるように、収納箱13を移送することができる。
【0055】
なお、図2に示すように、CPU28は、第2コンベヤ駆動回路27を用いて収納箱切り替えコンベヤ14による収納箱13の切り替え動作を制御する。
【0056】
制御部150は、マイクロプロセッサ等からなるCPU28と、ROM(リードオンリーメモリ)やRAM(ランダムアクセスメモリ)等からなるメモリ部29と、操作設定表示部30とを備える。
【0057】
CPU28は、メモリ部29に予め記憶されている制御プログラムに従って動作し、箱詰め装置200による物品Mの箱詰め動作を制御する。
【0058】
メモリ部29は、CPU28に接続され、上述の制御プログラムや、物品Mの箱詰め動作に必要な各種の運転パラメータ(例えば、上述の単重量範囲や後述の目標重量範囲)を記憶している。
【0059】
操作設定表示部30は、上述の運転パラメータの入力用の設定ボタンを配設した操作設定部(例えばキーボード;図示せず)と、CPU28から出力されたメッセージや箱詰め装置200の運転状況等を表示する表示部(例えば、液晶パネル;図示せず)と、を備える。
【0060】
なお、制御部150は、所定の警告(後述)を作業者に認識させる通報装置(例えばスピーカ;図示せず)を備えてもよい。
【0061】
また、図1および図2に記載された制御部150は、必ずしも単独のCPUで構成される必要はなく、複数のCPUが分散配置されていて、それらが協働して箱詰め装置200の動作を制御するよう構成されていてもよい。
【0062】
次に、本実施形態による箱詰め装置200のカットゲート111nの開閉動作例について、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0063】
図3は、本実施形態による箱詰め装置のカットゲートの開閉動作例を示したフローチャートである。
【0064】
CPU28に接続される操作設定表示部30の運転開始スイッチを押すと、その表示画面には複数の測定メニューが表示され、操作設定表示部30の操作により、以下の処理を開始できる。
【0065】
本処理を以下のように実行するにあたり、作業者の行う各種入力手順の指示は、表示部にメッセージ表示される。また、メモリ部29から制御プログラムがCPU28に読み込まれる。そして、この制御プログラムが、本処理を箱詰め装置200の各種機器を制御しながら実行する。
【0066】
なお、ここでは、物品Mの収納箱13への投入開始から完了までの箱詰めの一サイクルを示しているが、実際には、箱詰め装置200による複数個の収納箱13への物品Mの箱詰めを想定しているので、図3に示された箱詰めサイクルが、継続的に繰り返される。
【0067】
まず、カットゲート111nが開いている状態での処理(A)について述べる。
【0068】
CPU28は、振分ゲート91nにより単重量範囲内として振り分けられた物品Mの重量を累積加算する際に(ステップS301)、物品Mの累積重量値が、所定の目標重量範囲に到達した否かを判定する(ステップS302)。この所定の目標重量範囲とは、収納箱13に投入する物品Mのトータル重量の目標範囲であり、予めメモリ部29に記憶されている。
【0069】
物品Mの累積重量値が目標重量範囲に到達したタイミングで(ステップS302において「YES」)、CPU28は、上述の累積重量値を「0(零)」にリセットするとともに、多連式のカットゲート111nを閉めることにより、集合搬送コンベヤ12に向けた物品Mの通過を中断させる(ステップS303)。但し、物品Mの重量の累積加算は継続されている。
【0070】
このようにカットゲート111nが多連式に構成され、定量カット精度に優れているので、物品Mの累積重量値を高精度に調整できる。つまり、多連式のカットゲート111nのスイング板を閉めるタイミングを、個々に調整することにより、物品Mの累積重量値を確実に目標重量範囲に入れることができるようになり好適である。
【0071】
そして、CPU28は、第2コンベヤ駆動回路27を用いて集合搬送コンベヤ12の作動をオン(ON)することにより、集合搬送コンベヤ12に載った物品Mの収納箱13への投入を開始させる(ステップS303)。
【0072】
次に、カットゲート111nが閉まっている状態での処理(B)について述べる。
【0073】
CPU28は、単重量範囲内として振り分けられた物品Mの重量を累積加算する際に(ステップS304)、集合搬送コンベヤ12に載った物品Mの収納箱13への投入が完了したか否かを判定する(ステップS305)。なお、本実施形態では、この判定動作の間に、物品Mの累積重量値が、再び、上述の目標重量範囲に到達しないものと仮定する。
【0074】
物品Mの収納箱13への投入が完了したタイミングで(ステップS305において「YES」)、CPU28は、カットゲート111nを開けることにより、集合搬送コンベヤ12に向けた物品Mの通過を開始させ、第2コンベヤ駆動回路27を用いて集合搬送コンベヤ12の作動をオフ(OFF)することにより、集合搬送コンベヤ12に載った物品Mの収納箱13への投入を停止させる(ステップS306)。但し、物品Mの重量の累積加算は継続されている。なお、CPU28は、集合搬送コンベヤ12の搬送長とコンベヤ搬送速度とに基づいて、上述の投入完了タイミングを見積もることができる。
【0075】
このようにして、CPU28は、物品Mの収納箱13への投入開始から完了までの箱詰めの一サイクルを終え、次回のカットゲート111nが開いている状態での処理(A)に再び移行する。
【0076】
また、CPU28は、次回の箱詰めサイクルに備えて、第2コンベヤ駆動回路27を用いて、集合搬送コンベヤ12の作動オフ(物品Mの収納箱13への投入停止時)から次回の作動オン(次回の物品Mの収納箱13への投入開始時)までの間に、収納箱切り替えコンベヤ14を用いて、物品Mの箱詰めが完了した収納箱13を、空の収納箱13と切り替える。これにより、収納箱13の切り替え動作が効率的に行える。
【0077】
本実施形態の箱詰め装置200は、以上に述べた如く、物品Mを複数列に整列させて供給するV型振動フィーダ21nと、V型振動フィーダ21nの各列に対応して配され、各列から排出された物品の重量を測定する計量ホッパ71nと、計量ホッパ71nにより計量される物品Mの重量が所定の単重量範囲内か否かを判定する制御部150と、計量ホッパ71nに対応して配され、制御部150による判定結果に基づいて単重量範囲外の物品Mを排除するように、物品Mを振り分ける振分ゲート91nと、振分ゲート91nに対応して配され、単重量範囲内として振り分けられた物品Mの通過を開閉により調整するカットゲート111nと、カットゲート111nを通過した物品Mを集合させて収納箱13に投入(搬送)する集合搬送コンベヤ12と、物品Mの箱詰めが完了した収納箱13を、空の収納箱13と切り替えるように、収納箱13を移送する収納箱切り替えコンベヤ14と、を備える。
【0078】
そして、制御部150は、カットゲート111nが開いている状態では、単重量範囲内として振り分けられた物品Mの重量を累積加算する際に、物品Mの累積重量値が、収納箱13に投入する物品Mの目標重量範囲に到達したタイミングで、この累積重量値を零にリセットして、カットゲート111nを閉めることにより、集合搬送コンベヤ12に向けた物品Mの通過を中断させるように構成されている。
【0079】
また、制御部150は、カットゲート111nが閉まっている状態では、集合搬送コンベヤ12による物品Mの収納箱13への投入を開始させ、その後、この投入が完了したタイミングで、集合搬送コンベヤ12による物品Mの収納箱13への投入を停止させ、カットゲート111nを開けることにより、集合搬送コンベヤ12に向けた物品Mの通過を開始させるように構成されている。
【0080】
このようにして、本実施形態の箱詰め装置200は、多連式の重量選別機能およびカットゲート機能を有しており、単重量範囲内として選別された物品Mの通過を、定量カット精度に優れた多連式のカットゲート111nにより適切に調整しているので、物品Mのトータル重量が目標重量範囲になるように、収納箱13に物品Mを高精度に箱詰めできる。
【0081】
ここで、本実施形態の箱詰め装置200によれば、以下の如く、物品Mの高精度箱詰めが可能であると見積もれる。
【0082】
個々のばらつきを持った複数の集合体における総合ばらつきについては、統計的に以下の式(1)で表される。
(総合ばらつき)=√(A12+A22+A32+・・・・An2)・・(1)
式(1)において、「A1」、「A2」、「A3」は、個々のばらつきを表している。
【0083】
本実施形態の箱詰め装置200のばらつき(誤差)は、±20mg(3σであることから、例えば、1.4gの物品Mを20kg箱詰めする場合、物品Mの総個数を14286個とすると、総合ばらつきは、√(0.022×14286)=±2.39g(3σ)となる。
【0084】
なお、物品Mの重量と、20kg相当の物品Mのトータル個数、総合ばらつき、および、個数換算ばらつき(MAX個数)の関係を、以下の表1にまとめて示している。

表1 本実施形態の箱詰め装置200の精度(誤差)評価結果を示した表
【0085】
【表1】

表1から理解されるように、1.4gの物品Mの場合、総合ばらつきが約±2.4gであることにより、0〜4.8gの誤差が生じ、これを、個数換算ばらつき(MAX個数)で表すと、物品Mの個数は4個に相当する。同様に、表1に示すように、2.0gの物品Mの場合には、物品Mの総個数は10000個であり、物品Mの個数換算ばらつきは、最大でも2個である。また、4.0gの物品Mの場合には、物品Mの総個数は5000個であり、物品Mの個数換算ばらつきは、最大でも1個である。
【0086】
以上の精度評価により、本実施形態の箱詰め装置200は、物品Mを高精度に箱詰めできると期待される。
【0087】
更に、集合搬送コンベヤ12による物品Mの収納箱13への投入時においては、カットゲート111nに到達する後続の物品Mは、現在、待機中の収納箱13に投入せずに、次回の箱詰め時の収納箱13に投入する必要がある。このため、本実施形態では、カットゲート111nを閉めることにより、物品Mを一時的にカットゲート111nに貯めることができる。このようなカットゲート111nの物品Mの通過調整の作用により、物品Mを収納箱13に高速かつ連続的に箱詰めできる。
(変形例1)
本実施形態の箱詰め装置200では、収納箱13に投入する物品Mのトータル重量を目標重量範囲内に調整する例を述べた。これに代えて、本変形例の箱詰め装置200の如く、制御部150(CPU28)が、収納箱13に投入する物品Mのトータル個数を目標個数になるように調整してもよい。つまり、本変形例では、箱詰め装置200により、目標個数の物品Mを収納箱13に箱詰めする状況が想定されている。
【0088】
なお、この場合、CPU28は、計量センサ61nにより検知された物品Mの重量を取得しているので、この重量のデータに基づいて、振分ゲート91nにより単重量範囲内として振り分けられた物品Mの個数を計数することができ、その結果、収納箱13に投入される物品Mの個数を把握できる。
【0089】
図4は、本変形例による箱詰め装置のカットゲートの他の開閉動作例を示したフローチャートである。
【0090】
CPU28に接続される操作設定表示部30の運転開始スイッチを押すと、その表示部には複数の測定メニューが表示され、操作設定表示部30の操作により、以下の処理を開始できる。
【0091】
本処理を以下のように実行するにあたり、作業者の行う各種入力手順の指示は、表示部にメッセージ表示される。また、メモリ部29から制御プログラムがCPU28に読み込まれる。そして、この制御プログラムが、本処理を箱詰め装置200の各種機器を制御しながら実行する。
【0092】
なお、ここでは、物品Mの収納箱13への投入開始から完了までの箱詰めの一サイクルを示しているが、実際には、箱詰め装置200による複数個の収納箱13への箱詰めを想定しているので、図4に示された箱詰めサイクルが、継続的に繰り返される。
【0093】
まず、カットゲート111nが開いている状態での処理(A)について述べる。
【0094】
CPU28は、振分ゲート91nにより単重量範囲内として振り分けられた物品Mの個数を累積加算する際に(ステップS401)、物品Mの累積個数が、所定の目標個数に到達した否かを判定する(ステップS402)。この所定の目標個数とは、収納箱13に投入する物品Mのトータル個数の目標値であり、予めメモリ部29に記憶されている。
【0095】
物品Mの累積個数が目標個数に到達したタイミングで(ステップS402において「YES」)、CPU28は、上述の累積個数を「0(零)」にリセットするとともに、多連式のカットゲート111nを閉めることにより、集合搬送コンベヤ12に向けた物品Mの通過を中断させる(ステップS403)。但し、物品Mの個数の累積加算は継続されている。
【0096】
このようにカットゲート111nを閉めることにより、物品Mの累積個数を容易に調整できる。
【0097】
そして、CPU28は、第2コンベヤ駆動回路27を用いて集合搬送コンベヤ12の作動をオン(ON)することにより、集合搬送コンベヤ12に載った物品Mの収納箱13への投入を開始させる(ステップS403)。
【0098】
次に、カットゲート111nが閉まっている状態での処理(B)について述べる。
【0099】
CPU28は、単重量範囲内として振り分けられた物品Mの個数を累積加算する際に(ステップS404)、集合搬送コンベヤ12に載った物品Mの収納箱13への投入が完了したか否かを判定する(ステップS405)。なお、本実施形態では、この判定動作の間に、物品Mの累積個数が、再び、上述の目標個数に到達しないものと仮定する。
【0100】
物品Mの収納箱13への投入が完了したタイミングで(ステップS405において「YES」)、CPU28は、カットゲート111nを開けることにより、集合搬送コンベヤ12に向けた物品Mの通過を開始させ、第2コンベヤ駆動回路27を用いて集合搬送コンベヤ12の作動をオフ(OFF)することにより、集合搬送コンベヤ12に載った物品Mの収納箱13への投入を停止させる(ステップS406)。但し、物品Mの個数の累積加算は継続されている。なお、CPU28は、集合搬送コンベヤ12の搬送長とコンベヤ搬送速度とに基づいて、上述の投入完了タイミングを見積もることができる。
【0101】
このようにして、CPU28は、物品Mの収納箱13への投入開始から完了までの箱詰めの一サイクルを終え、次回のカットゲート111nが開いている状態での処理(A)に再び移行する。
【0102】
また、CPU28は、次回の箱詰めサイクルに備えて、第2コンベヤ駆動回路27を用いて、集合搬送コンベヤ12の作動オフ(物品Mの収納箱13への投入停止時)から作動オン(次回の物品Mの収納箱13への投入開始時)までの間に、収納箱切り替えコンベヤ14により物品Mの箱詰めが完了した収納箱13を、空の収納箱13と切り替える。これにより、収納箱13の切り替え動作が効率的に行える。
【0103】
本変形例の箱詰め装置200では、制御部150は、カットゲート111nが開いている状態では、単重量範囲内として振り分けられた物品Mの個数を累積加算する際に、物品Mの累積個数が、収納箱13に投入する物品Mの目標個数に到達したタイミングで、累積個数を零にリセットし、カットゲート111nを閉めることにより、集合搬送コンベヤ12に向けた物品Mの通過を中断させるように構成されている。
【0104】
また、制御部150は、カットゲート111nが閉まっている状態では、集合搬送コンベヤ12による物品Mの収納箱13への投入を開始させ、その後、この投入が完了したタイミングで、集合搬送コンベヤ12による物品Mの収納箱13への投入を停止させ、カットゲート111nを開けることにより、集合搬送コンベヤ12に向けた物品Mの通過を開始させるように構成されている。
【0105】
このようにして、本変形例の箱詰め装置200は、多連式の重量選別機能およびカットゲート機能を有しており、単重量範囲内として選別された物品Mの通過を、多連式のカットゲート111nにより適切に調整しているので、物品Mのトータル個数が目標個数になるように、収納箱13に物品Mを容易に箱詰めできる。
【0106】
更に、集合搬送コンベヤ12による物品Mの収納箱13への投入時においては、カットゲート111nに到達する後続の物品Mは、現在、待機中の収納箱13に投入せずに、次回の箱詰め時の収納箱13に投入する必要がある。このため、本変形例では、カットゲート111nを閉めることにより、物品Mを一時的にカットゲート111nに貯めることができる。このようなカットゲート111nの物品Mの通過調整の作用により、物品Mを収納箱13に高速かつ連続的に箱詰めできる。
(変形例2)
本実施形態の箱詰め装置200では、制御部150(CPU28)が、物品Mの重量を累積加算するとともに、この累積重量値を収納箱13に投入する物品Mのトータル重量としての目標重量範囲と比較する例を述べた。
【0107】
本変形例の箱詰め装置200では、制御部150(CPU28)は、物品Mの重量と個数の両方を累積加算して、これらの数値を以下のように処理する。つまり、本変形例では、箱詰め装置200により、目標個数の物品Mを目標重量範囲内になるように、収納箱13に箱詰めする状況が想定されている。
【0108】
図5は、本変形例による箱詰め装置の処理ルーチン例を示したフローチャートである。
【0109】
CPU28に接続される操作設定表示部30の運転開始スイッチを押すと、その表示画面には複数の測定メニューが表示され、操作設定表示部30の操作により、以下の処理を開始できる。
【0110】
本処理を以下のように実行するにあたり、作業者の行う各種入力手順の指示は、表示部にメッセージ表示される。また、メモリ部29から制御プログラムがCPU28に読み込まれる。そして、この制御プログラムが、本処理を箱詰め装置200の各種機器を制御しながら実行する。
【0111】
まず、CPU28は、振分ゲート91nにより単重量範囲内として振り分けられた物品Mの重量および個数を累積加算する(ステップS501)。なお、当該累積加算は、継続的になされている。
【0112】
次に、CPU28は、物品Mの累積重量値を、物品Mの累積個数で除した物品Mの「平均単重値」を演算して取得する(ステップS502)。
【0113】
次に、CPU28は、物品Mの所定の目標個数から累積個数を減じた個数に、ステップS502で求めた「平均単重値」を乗じて得られる「見込み加算重量値」を演算して取得する(ステップS503)。
【0114】
なお、所定の目標個数とは、収納箱13に投入する物品Mのトータル個数の目標値であり、予めメモリ部29に記憶されている。
【0115】
ここで、CPU28は、ステップS503で求めた「見込み加算重量値」とステップS501で求めた物品Mの累積重量値との和が、物品Mの所定の目標重量範囲内か否かを判定する(ステップS504)。
【0116】
なお、所定の目標重量範囲とは、収納箱13に投入する物品Mのトータル重量の目標範囲であり、予めメモリ部29に記憶されている。
【0117】
上述の両者の和が、物品Mの目標重量範囲から逸れる場合(ステップS504において「NO」の場合)、CPU28は、スピーカ(図示せず)や操作設定表示部30を用いて、『このまま箱詰め作業を続けても、適量の物品を収納箱に収納できない可能性が高い』などの音声や表示による警告を作業者に発信する。
【0118】
一方、上述の両者の和が、物品Mの目標重量範囲内である場合(ステップS504において「YES」の場合)、CPU28は、何等警告を発することなく、本処理を終える。
【0119】
本変形例の箱詰め装置200では、制御部150は、単重量範囲内として振り分けられた物品Mの重量および個数を累積加算して、物品Mの累積重量値を、物品Mの累積個数で除した物品Mの「平均単重値」を取得し、収納箱13に投入する物品Mの目標個数から累積個数を減じた個数に、上述の「平均単重値」を乗じて得られる「見込み加算重量値」を取得し、上述の「見込み加算重量値」と物品Mの累積重量値との和が、収納箱13に投入する物品Mの目標重量範囲から逸れる場合、所定の警告を発するように構成されている。
【0120】
このようにして、制御部150が、「平均単重値」や「見込み加算重量値」を演算して取得することにより、作業者は、箱詰め装置200による物品Mの収納箱13への箱詰め完了前に、適量の物品Mを収納箱13に箱詰めできるか否かを察知することができる。
【0121】
その結果、適量の物品Mを収納箱13に箱詰めできないと予測される場合、作業者は、収納箱13内の物品Mを回収して再処理を行う手間を省力化することができ、ひいては、箱詰め装置200の復帰動作など適切な対応を迅速に取ることができる。
【0122】
例えば、多数の物品Mの重量が、単重量範囲内の下限値や上限値に偏っている場合、目標個数の物品Mを収納箱13に投入すると、目標重量範囲から逸れることがあり、このような場合に、上述の警告が有用になる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明の箱詰め装置は、定量カット精度に優れ、適量の物品を高速かつ連続的に箱詰めでき、物品を高精度かつ効率的に箱詰めできる自動箱詰め機器等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の実施形態による箱詰め装置の一構成例を示した概略図である。
【図2】本発明の実施形態による箱詰め装置の信号処理に関するハードウェア構成例を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施形態による箱詰め装置のカットゲートの開閉動作例を示したフローチャートである。
【図4】本発明の変形例1による箱詰め装置の箱詰め装置のカットゲートの他の開閉動作例を示したフローチャートである。
【図5】本発明の変形例2による箱詰め装置の処理ルーチン例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0125】
1 分散供給用フィーダ
1n V型振動フィーダ
1n 移送コンベヤ
1n 物品検知センサ
1n 計量センサ
1n 計量ホッパ
1n シャッターゲート
1n 振分ゲート
10 搬送コンベヤ
111n カットゲート
8A1n、9A1n、11A1n 支点
12 集合搬送コンベヤ
13 収納箱
14 収納箱切り替えコンベヤ
21 分散供給用フィーダ駆動回路
22 V型振動フィーダ駆動回路
23 第1コンベヤ駆動回路
24 I/O回路
25 A/D変換回路
26 ゲート駆動回路
27 第2コンベヤ駆動回路
28 CPU
29 メモリ部
30 操作設定表示部
100 供給機能部
110 計量機能部
120 振分機能部
130 カットゲート機能部
140 投入機能部
150 制御部
200 箱詰め装置
M 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を複数列に整列させて供給する供給部と、
前記供給部の各列に対応して配され、前記各列から排出された物品の重量を測定する複数の計量部と、
前記各計量部により計量される物品の重量が所定の単重量範囲内か否かを判定する制御部と、
前記各計量部に対応して配され、前記制御部による判定結果に基づいて前記単重量範囲外の物品を排除するように、前記物品を振り分ける複数の振分部と、
前記各振分部に対応して配され、前記単重量範囲内として振り分けられた物品の通過を開閉により調整する複数のカットゲート部と、
前記各カットゲート部を通過した物品を集合させて収納箱に投入する投入部と、
前記収納箱を移送する移送手段と、
を備える箱詰め装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記カットゲート部が開いている状態において、前記単重量範囲内として振り分けられた物品の重量を累積加算する際に、前記物品の累積重量値が、前記収納箱に投入する物品の目標重量範囲に到達したタイミングで、前記累積重量値を零にリセットして、前記カットゲート部を閉めることにより、前記投入部に向けた前記物品の通過を中断させる、請求項1記載の箱詰め装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記カットゲート部が閉まっている状態において、前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入を開始させ、
その後、前記投入が完了したタイミングで、前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入を停止させ、前記カットゲート部を開けることにより、前記投入部に向けた前記物品の通過を開始させる、請求項2記載の箱詰め装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入停止時から次回の前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入開始時までの間に、前記移送手段を用いて、前記物品が投入された収納箱を、空の収納箱に切り替える、請求項3記載の箱詰め装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記カットゲート部が開いている状態において、前記単重量範囲内として振り分けられた物品の個数を累積加算する際に、前記物品の累積個数が、前記収納箱に投入する物品の目標個数に到達したタイミングで、前記累積個数を零にリセットして、前記カットゲート部を閉めることにより、前記投入部に向けた前記物品の通過を中断させる、請求項1記載の箱詰め装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記カットゲート部が閉まっている状態において、前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入を開始させ、
その後、前記投入が完了したタイミングで、前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入を停止させ、前記カットゲート部を開けることにより、前記投入部に向けた前記物品の通過を開始させる、請求項5記載の箱詰め装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入停止時から次回の前記投入部による前記物品の前記収納箱への投入開始時までの間に、前記移送手段を用いて、前記物品が投入された収納箱を、空の収納箱に切り替える、請求項6記載の箱詰め装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記単重量範囲内として振り分けられた物品の重量および個数を累積加算して、前記物品の累積重量値を、前記物品の累積個数で除した前記物品の平均単重値を取得し、
前記収納箱に投入する物品の目標個数から前記累積個数を減じた個数に、前記平均単重値を乗じて得られる見込み加算重量値を取得し、
前記見込み加算重量値と前記累積重量値との和が、前記収納箱に投入する物品の目標重量範囲から逸れる場合、所定の警告を発する、請求項1記載の箱詰め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−302938(P2008−302938A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148997(P2007−148997)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】