説明

粉末状材料の静電層を塗工する装置並びに3次元物体を製造する装置及び方法

本発明は、塗工表面に粉末を塗工する装置に関する。該装置は、粉末容器35と、粉末容器と塗工表面との間に電圧を印加する電圧源32とを有する。粉末容器35は、少なくとも部分的には導電性材料によって構成され、電圧印加中に塗工表面に面する側で、開口35aを有し又は完全に開く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末形態の成形材料の静電層塗工のための層塗工装置、並びに、特に、該層塗工装置を適用する3次元物体を層状に製造する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
選択的レーザ焼結によって3次元物体を製造する装置及び方法が、例えば特許文献1により開示されている。対応する装置を図1に示し、以下で簡単に説明する。
【0003】
図1に示すレーザ焼結装置は、上部が開口している容器1を有し、容器1の中に、形成される物体6を支持する支持台4が設けられる。容器内の駆動装置を用いて、支持台4を垂直方向に上下移動させることができる。容器1の上には、指向性光ビーム15を放射する照射装置としてレーザ14が配置される。この光ビーム15は、偏向装置16によって、層状に製造される物体6の方に偏向される。
【0004】
さらに、支持表面5又はすでに固化した層に、固化される粉末材料7を塗工する塗工装置12が設けられる。従来技術では、粉末を機械的に塗工し平滑化する様々な塗工装置が知られている。一例として、図2は、図平面と平行な図示されていない2つの側壁によって側部で繋ぎ合わせられている2つのブレード21a及び21bを有する、特許文献2からの塗工装置24を示す。2つのブレード及び2つの側壁は、上部及び下部が開口しており1層分の粉末材料を収容する役割を果たす供給チャンバ22を共同で形成する。塗工装置24を矢印Bの方向に移動させることによって、供給チャンバ22からの粉末27が表面5に広げられて、粉末層がブレード21a及び21bによって均される。
【0005】
特許文献3には、2つの成形チャンバ及び2つの粉末供給チャンバが、それぞれ円の四等分点で互いに対向し、物体を直接に製造する装置が記載されている。この場合、成形チャンバにおける粉末塗工は、2つの隣接するチャンバをそれぞれ覆う半円形のカバープレートを回転させるようにして行われる。ドクタになるように形成されるカバープレートの直線縁によって、粉末は、続いて供給容器から隣接する成形容器へ移される。
【0006】
特許文献4では、粉末塗工は、リングの形状を有するように設計される回転可能なドクタによっても行われ、リング全体は、リングの外側にある回転軸の周りを回転させられる。
【0007】
特許文献5にも、選択的焼結を用いて物体を製造する方法及び装置が開示されている。該文献では、所定量の粉末材料を、下降可能な支持台上に載せ、支持台上での移動方向とは逆の方向に回転させながら、支持台にわたって移動可能であるローラを用いて広げる。
【0008】
従来技術の全ての方法で、ブレード、ローラ又はドクタが層塗工に用いられる。しかしながら、いずれの場合も、ブレード、ドクタ又はローラが力を加えるのは粉末だけではない。製造される部品のすでに固化した層の上に粉末層が塗工されると、その部品のすでに存在している部分が、概して剪断的に働くこの力を必然的に受ける。これにより、特に脆弱構造又は薄壁構造において割れ又は変形が生じ得る。これは、形成される物体のアスペクト比及び寸法精度に悪影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,908,569号明細書
【特許文献2】国際公開第WO2006/122645号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第19952998号明細書
【特許文献4】独国特許第102004022385号明細書
【特許文献5】米国特許第5,017,753号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上述の問題が生じることのない非接触層塗工のための装置を提供することである。特に、こうして最適化された、焼結を用いて部品を層状に製造する装置及び対応する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1及び請求項6に記載の装置と請求項16に記載の方法とによって達成される。
【0012】
本発明のさらなる発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0013】
以下で、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来技術のレーザ焼結装置を示す。
【図2】従来技術の粉末塗工装置を示す。
【図3】粉末塗工中の本発明の第1の実施形態による装置を示す。
【図4】選択的層固化中の本発明の第1の実施形態による装置を示す。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す。
【図6】本発明の第3の実施形態を示す。
【図7】本発明の第4の実施形態による複数の粉末容器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態1
図3及び図4は、本発明の第1の実施形態を示す。図3及び図4には、レーザ焼結装置で用いられる本発明による層塗工装置が示されている。この場合、図3は、層塗工中のレーザ焼結装置を示し、図4は、レーザ固化中のレーザ焼結装置を示す。
【0016】
3次元物体を成形プラットフォーム31上で層状に製造する成形容器34が、詳細に示されている。成形プラットフォーム31は、昇降装置36に機械的に接続され、昇降装置は、成形プラットフォームを垂直方向に上下移動させることができる。図3では、成形プラットフォーム31の下に、物体の成形用の成形材料としての粉末が入った粉末容器35が配置されている。高圧源32を用いて、成形プラットフォーム31と粉末容器35との間に、通常は100V〜40kVの範囲内、例えば10kVの高電圧が印加される。成形プラットフォーム31は、電気的隔離を保証するために絶縁体33を介して昇降装置36に機械的に接続される。
【0017】
図示の構成を用いて、以下のように非接触で成形プラットフォームに粉末層を塗工することができる。
【0018】
電圧の印加によって、粉末容器35と成形プラットフォーム31との間でコンデンサの場合と同様に電界が発生する。この電界は、粉末容器35から重力に逆らって成形プラットフォーム31の方への粉末の移動を引き起こす。その結果、粉末は成形プラットフォームに堆積する。必要な電圧は、必要な電界強度から決まり、必要な電界強度は、さらに粉末容器35から成形プラットフォーム31までの距離及び粉粒の重量に応じて決まる。粒径10μmのステンレス鋼粉末316Lを用いる場合、20mmの距離及び7kVの電圧で有利な結果が得られ、電界強度は1000V/mよりも高いことが良い。粒径20μmの青銅系多成分金属粉末(EOS GmbH Electro Optical Systemsによって流通している「Direct Metal 20」)、粒径6μmのタングステン粉末、及び粒径10μmのAlセラミック粉末等のさらなる材料が成功裏に用いられた。
【0019】
粒子は、自らの電荷に応じて陽極又は陰極(それぞれ成形プラットフォーム及び粉末容器)に引き寄せられるため、電界中で移動し始める。粉末容器内の粒子は、全体では中性である。しかしながら、それらは、多かれ少なかれ絶縁されている電荷とみなさなければならない。したがって、電極は、反対の電荷を有する粒子を引き寄せて同じ電荷を有する粒子を反発させることによって、異なる電荷を有する粒子を互いに分離させる。
【0020】
粒子は、表面への打ち込みによって、粘着力によって、ファンデルワールス力によって、及び電荷がまだ補償されていない状態では静電引力によって、成形プラットフォームに付着する。同じ電荷を有する隣接する別個の粉末粒子が互いに反発することは、この場合に重要である。これは、成形プラットフォーム表面上の粒子の均一な充填密度につながり、表面上の集塊の形成を防止する。不均一に帯電した粒子は、互いに引き寄せ合うが電界中で分離されるため、最終的には電界中の粒子は互いに一定の距離に保たれ、不均一に帯電した粒子に起因する層内の欠陥がなくなる。
【0021】
上記の説明から、静電塗工される粉末層の特性及び塗工に必要な電界強度が、粉末の導電率に応じて決まることが明らかとなるであろう。粉末の導電率が高い場合、隣接する粒子間の電荷補償がより迅速に行われ得る。しかしながら、両方の粒子が同じ電荷を有するとすぐに、それらが互いに反発することでより均一な層塗工が得られる。
【0022】
上記の説明によって示されるように、必要な電界を与えるだけで、成形プラットフォーム又はすでに固化した層の表面(以下では「塗工表面」と呼ぶ)に層を塗工することができる。このプロセスにおいて、層塗工は、電極間で発生する電界強度及び電界を印加する持続時間によって制御される。このとき、必要な電界強度は、印加電圧のみによって調整される必要はない。粉末容器と成形プラットフォームとの間の距離によって電界強度を調整することも可能である。これは、昇降装置36を用いて行うことができる。このとき、粉末容器は、空間内で移動させること及び/又は粉末容器外にある(例えば、垂直)軸の周りで回転させることによって移動させることができる。
【0023】
電界が粉末容器内の粉末の望ましくない圧縮も引き起こし得るため、粉末容器35に振盪機構又は振動機構43が設けられ、これによってそのような圧縮にうまく対抗することができる。例えば、粉末容器は、粉末容器の下面に取り付けられるモータと共に弾性的に吊り下げることができ、モータの回転軸には偏心錘が付いている。しかしながら、代替的に、粉末容器のマウンティングの振盪運動も行われ得る。さらに、様々な振盪装置若しくは振動子、超音波振動子、又は攪拌装置が用いられ得る。振盪運動及び電界の効果により、付着粉末し再反発した粉末が電極(成形プラットフォーム/粉末容器)間で平衡に達し、この様子は図中に雲で示されている。
【0024】
層の塗工後、電界はオフに切り替えられ、選択的固化が電磁放射線を用いて実行される。このとき、これは必ずしもレーザ光である必要はなく、熱放射線又は粒子放射線も考えられる。代替的に、接着剤が選択的に噴霧される場合もある。図4は、塗工された粉末層が固化されている状態の、第1の実施形態による装置を示す。この場合、一例として、偏向装置38によって偏向されたビームを、ビーム入射窓40を通して成形プラットフォーム31上の粉末層に向けるレーザビーム源39が示されている。このために、粉末容器は、装置37によって成形プラットフォーム31から遠ざけられ、照射装置38、39が成形プラットフォーム31の下に移動させられる。当然ながら、照射装置が固定型であり粉末容器のみを移動させることも可能である。曝露中、高電圧はオフに切り替えられる。しかしながら、粉末容器35と成形プラットフォーム31との間が大きな距離であることから粉末塗工に必要な電界強度が生じないため、電圧を印加したままにすることも考えられる。
【0025】
実施形態2
第1の実施形態による下向きの成形プラットフォーム31から粉末粒子が徐々に落ちるのを防止するために、粉末塗工中にのみ成形プラットフォーム31を下向きにすることが有利である。したがって、図5に示す第2の実施形態によれば、成形プラットフォーム31は、昇降装置36に強固に接続されるのではなく、回転装置41を用いて水平軸42の周りで回転させることができる。それにより、塗工工程の終了後に回転軸42の周りでの回転によって成形プラットフォームを上向きにすることができるため、塗工された層がビーム入射窓の方を向くようになる。このとき、成形プラットフォーム31は、絶縁体33を用いて昇降装置36におけるマウンティングから空間的に分離され、それと同時に、絶縁体33は昇降装置から成形プラットフォームを電気的に隔離する。図5の図に関して、成形プラットフォーム31が上方曝露位置及び下方粉末塗工位置を同時にとることができないことに留意しなければならない。したがって、成形プラットフォームの両方の位置が異なる時点で占められることを明確にするために、成形プラットフォームの曝露位置が破線で示されている。
【0026】
図5の上方位置では、曝露が必ずしも行われる必要はない。粉末塗工位置と曝露位置との間で90度の角度だけ回転が行われるように、曝露装置は、回転軸42に対して横方向に位置付けられてもよいだろう。ごく一般的には、180度以外の任意の角度を選択することが可能である。
【0027】
なお、第2の実施形態では、第1の実施形態に関して説明した変形形態が可能である。
【0028】
実施形態3
図6は、回転軸42の位置から見た場合の本発明の第3の実施形態による装置の図を示す。互いに90度の角度で回転軸42の周りに配置される成形プラットフォーム31a、31b、31c、31dを見ることができる。この複数の成形プラットフォーム及びそれらに伴うそれぞれのマウンティングを除いて、第3の実施形態による装置は、第2の実施形態の装置と同一である。
【0029】
第3の実施形態によれば、例えば、成形プラットフォーム31aへの粉末塗工中に、成形プラットフォーム31cにすでに塗工されている粉末層を同時に上から曝露させることが可能である。これは、成形時間の短縮につながる。図6には、一例として4つの成形プラットフォームが示されているが、異なる数の成形プラットフォーム、互いに対向する2つの成形プラットフォームを用いることも可能である。さらに、第3の実施形態では、曝露は、上向きの成形プラットフォーム(図6では、成形プラットフォーム31c)で必ずしも行われる必要はなく、左向き又は右向き(それぞれ成形プラットフォーム31d及び31b)で行われてもよいだろう。さらに、複数の固化装置を設けることも同じく可能である。
【0030】
実施形態4
図7は、本発明の第4の実施形態による装置を示す。
【0031】
先の実施形態の装置と比較して、第4の実施形態では複数の粉末容器35(図7では、一例として2つ)が設けられる。個々の粉末容器が異なる材料を収容し得るため、異なる粉末材料の層を連続して塗工することが可能である。例えば、最初に、図7の右側の容器によって粉末層を塗工して焼結することができる。続いて、次の層塗工手順で、図7で左側に示す容器を下向きの成形プラットフォーム31の下に移動させることができる。当然ながら、任意の連続した材料層が可能である。さらに、1つの成形プラットフォーム上で異なる材料から異なる物体を生産することも可能であろう。最後に、構造勾配に加えて水平成形方向及び垂直成形方向の3次元の材料勾配を部品に導入することさえ可能である。1つの粉末層の塗工中に、該1層の塗工のために成形プラットフォーム31の下で複数の粉末容器を移動させることによって、複数の異なる容器からの粉末を混合することも可能である。
【0032】
第1の実施形態から第3の実施形態のそれぞれにおいて、複数の粉末容器を設けることが可能である。
【0033】
さらなる変更形態
上述の実施形態の全てにおいて、以下の変更形態も可能である。
【0034】
高電圧を印加したときに成形プラットフォームに衝突する粉末粒子の速度は、電界強度に応じて、したがって加速電圧に応じて変わる。粉末粒子を特に良好に付着させるために、成形プラットフォーム31に向かう粉末粒子の断続的移動を引き起こすパルス直流電圧の形態の高電圧を用いることで、「打ち込み(knocking in)」が行われるようにすることがさらに可能である。
【0035】
さらに、粉末容器をそれぞれ振盪及び振動させる代わりに攪拌装置を用いて粉末容器内の粉末を攪拌することによって、粉末容器内の粉末の圧縮を防止することが可能である。
【0036】
全ての実施形態及び変更代替形態において、成形プロセス中の粉末粒子の酸化を回避するために不活性ガスを導入することができるガス入口を、成形容器34に設けることがさらに可能である。
【0037】
特に、例えば案内路としての役割を果たすため高磨耗を受けやすい可能性がある、機能表面、つまり大きな表面のうちの一部及び切欠部のそれぞれは、本発明による方法によって耐摩耗性を選択的に高めることができる。このとき、そのような案内面の表面を仕上げることによってそれらの耐摩耗性を特に高めるために、静電粉末塗工によって、セラミック材料又は別の材料の少なくとも1つの層を塗工することができる。
【0038】
全ての図において、粉末容器35は、成形プラットフォーム31の方に完全に開いているが、全ての実施形態で、粉末容器35は、振動機構43の振動子インサートに挿入される金属導電交換カートリッジであるように設計することができる。カートリッジには、いずれの場合も、カートリッジを粉末塗工前に開き、粉末取り出し後に閉じるように設計される開放機構が設けられる。このとき、カートリッジを開くためにカートリッジの完全なカバーを取り外すことが絶対的に必要とは限らない。適切に言えば、成形プラットフォームに向いたカバーの開口35aのみを粉末の塗工中に露出させることも可能である。
【0039】
ドクタの縁と部品との間の破片によって部品破壊が生じ得ないことが、本発明の特別な利点である。粉末塗工装置との機械的相互作用は一切ない。
【0040】
さらに、本発明による方法及び本発明による装置から、部品を製造するために粉末床を用意しておく必要がないという利点が得られる。それどころか、部品の実際の体積を占める量の粉末しか必要ない。このことから、特に高コストの貴金属を用いる際に材料を節約できる。重力に起因して、成形プラットフォームには薄い粉末層しか形成され得ず、この粉末層は均一な粉末厚さで表面に重なる。固化プロセス後、余剰未焼結材料は、粉末が再度塗工されるときに(高電圧の印加前に)重力によって粉末容器内に戻り落ちる。
【0041】
さらに、軽い粉末粒子ほど粉末容器から上昇する可能性が高いため、静電層塗工中に粉末出発原料の粒径が選択される。それにより、成形プラットフォーム31上で非常に薄く高密度の粉末層が可能であり、塗工された層が非常に均一になる。
【0042】
さらに、構造及び物体を既存の物体に組み込むことができるが、これはドクタベースの焼結機では不可能であろう。静電塗工では、粉末の塗工を凹部で行うこともできることにより、空洞等の既存の幾何学体に対して、後から粉末を塗工してから固化することができる。それにより、複雑な物体を成形するための焼結壁に関連した半製品の混合成形が可能である。例えば、耐摩耗性の歯付きリングを有する歯車を、高精度且つ費用効果的に生産することができる。別の用途は、従来通りに製造されたパッケージ等への精密な壁又は幾何学的構造の挿入がある。
【0043】
最後に、ドクタブレードでの時間のかかる一面に広げるプロセスがないため、静電粉末塗工によって成形時間の短縮が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗工表面に粉末を塗工する塗工装置であって、粉末容器(35)と、前記粉末容器(35)と前記塗工表面との間に電圧を印加する電圧源(32)とを有し、前記粉末容器(35)は、少なくとも部分的には導電性材料によって構成され、該粉末容器(35)は、電圧が印加されるときに、前記塗工表面に面する側で、開口(35a)を有するか又は完全に開くことを特徴とする塗工装置。
【請求項2】
印加電圧に関する電界強度が前記粉末容器(35)から前記塗工表面に粉末を搬送するために十分高くなるように、前記粉末容器と前記塗工表面との間の距離を調整する位置決め装置(37)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
【請求項3】
調整可能な電界強度が1000V/mよりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の塗工装置。
【請求項4】
前記塗工装置は、3次元物体を製造する装置で用いることができ、該3次元物体を製造する装置において、粉末材料の層が前記物体のそれぞれの断面に応じた位置で固化される
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の塗工装置。
【請求項5】
粉末塗工中に前記粉末容器を振盪させるのに適している振盪装置若しくは振動装置(43)、又は前記粉末容器の中身を混合するのに適している攪拌装置をさらに有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
3次元物体のそれぞれの断面に応じた位置で粉末形態の材料の層を固化することによって、前記3次元物体を製造する装置であって、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の塗工装置と、形成される前記物体を支持する成形プラットフォーム(31)であって、該成形プラットフォームの上に、前記粉末塗工装置を用いて、前記粉末が塗工される成形プラットフォーム(31)とを有することを特徴とする3次元物体を製造する装置。
【請求項7】
前記粉末を塗工するために前記成形プラットフォーム(31)の下に前記粉末容器(35)を位置決めする位置決め装置(37)を有することを特徴とする請求項6に記載の3次元物体を製造する装置。
【請求項8】
絶縁体(33)を介して前記成形プラットフォーム(31)が接続される回転装置(41)を備え、前記回転装置(41)は、粉末塗工中に、前記成形プラットフォームの上方に位置付けられる水平軸(42)の周りでの前記成形プラットフォームの回転を可能にすることを特徴とする請求項6又は7に記載の3次元物体を製造する装置。
【請求項9】
固化装置(38、39、40)をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の3次元物体を製造する装置。
【請求項10】
前記固化装置(38、39、40)は、前記成形プラットフォームを粉末層塗工が行われる位置から固化が行われる位置に180度の角度だけ回転させた位置に配置されることを特徴とする請求項9に記載の3次元物体を製造する装置。
【請求項11】
前記固化装置は、粉末層に電磁放射線を放射する放射源であることを特徴とする請求項9又は10に記載の3次元物体を製造する装置。
【請求項12】
前記固化装置は、レーザ(39)とレーザビームを粉末層に向ける偏向装置(38)とから構成されることを特徴とする請求項11に記載の3次元物体を製造する装置。
【請求項13】
前記固化装置は、熱放射線を用いて固化するための熱放射源を備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の3次元物体を製造する装置。
【請求項14】
前記固化装置は、粒子線を放射する放射源を備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の3次元物体を製造する装置。
【請求項15】
2つ以上の粉末容器(35)を備えることを特徴とする請求項7ないし14のいずれか1項に記載の3次元物体を製造する装置。
【請求項16】
3次元物体を層状に製造する方法であって、粉末形態の成形材料の層を成形プラットフォーム(31)の塗工表面又はすでに固化した層に塗工するステップと、前記物体の断面に対応する位置で、塗工された層を選択的に固化するステップとを含み、粉末は、前記粉末容器(35)と前記成形プラットフォーム(31)との間に電界を発生させることによって塗工されることを特徴とする3次元物体を製造する方法。
【請求項17】
前記粉末容器(35)は振動若しくは振盪プロセスにさらされ、又は前記粉末容器(35)内の粉末は攪拌装置を用いて層塗工中に動かされ続けることを特徴とする請求項16に記載の3次元物体を製造する方法。
【請求項18】
前記電界は、前記粉末容器(35)と前記成形プラットフォーム(31)との間の距離を変えることによって調整されることを特徴とする請求項16又は17に記載の3次元物体を製造する方法。
【請求項19】
前記固化は、粉末への電磁放射よって行われることを特徴とする請求項16ないし18のいずれか1項に記載の3次元物体を製造する方法。
【請求項20】
前記物体は、前記塗工表面の凹部内又は別の物体の空洞内に作られることを特徴とする請求項16ないし19のいずれか1項に記載の3次元物体を製造する方法。
【請求項21】
金属粉末、貴金属粉末、セラミック粉末、酸化物粉末、又はプラスチック粉末が、成形材料として用いられることを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1項に記載の3次元物体を製造する方法。
【請求項22】
複数の異なる粉末容器(35)からの材料及び/又は粉末粒径の異なる粉末が層塗工に用いられることを特徴とする請求項16ないし21のいずれか1項に記載の3次元物体を製造する方法。
【請求項23】
複数の異なる粉末容器(35)が1層の塗工に用いられることを特徴とする請求項22に記載の3次元物体を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−531929(P2010−531929A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513687(P2010−513687)
【出願日】平成20年5月6日(2008.5.6)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003622
【国際公開番号】WO2009/000360
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(503267906)イーオーエス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング イレクトロ オプティカル システムズ (50)
【出願人】(510000068)3ディ−マイクロマック アクチェンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】