説明

納豆充填装置

【課題】生産効率の向上が図れる納豆充填装置を提供する。
【解決手段】計量升11A、11Bを定ピッチで複数有する計量升ユニット10と、計量升11A、11Bの下方に配設され、計量升11A、11Bのピッチと同じピッチで配置された容器61を搬送する容器搬送コンベア60とを備えている。容器搬送コンベア60は、連続的に一定速度で駆動され、計量升ユニット10は、容器搬送コンベア60の搬送方向と平行方向に往復移動可能に設けられて往復駆動され、容器搬送コンベア60と同方向には同期して駆動されると共に計量升11A、11Bに充填されている納豆を容器61に充填し、次に充填する容器61が計量升ユニット10と容器搬送コンベア60と同期スタート位置に移動するまでに計量升ユニット10は同期スタート位置に戻ると共にその移動間に計量升11A、11Bに一定量の納豆が計量される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定量の納豆を容器に充填させる納豆充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
納豆は、計量升で計量した後に容器に充填している。容器は容器搬送コンベアに一定ピッチに配置して送られる。従来の納豆充填装置は、容器に納豆を充填する時は、容器搬送コンベアを一時停止して計量升より納豆を落下させて容器に充填し、次に充填する容器を計量升の充填部に搬送し、この間に計量升に納豆を一定量計量している。なお、この種の納豆充填装置として、例えば特許文献1が挙げられる。
【特許文献1】特開平6−156425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術は、容器搬送コンベアを間欠駆動するので、生産効率が悪いという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、生産効率の向上が図れる納豆充填装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の請求項1は、計量升を定ピッチで複数有する計量升ユニットと、前記計量升の下方に配設され、該計量升のピッチと同じピッチで配置された容器を搬送する容器搬送コンベアとを備えた納豆充填装置において、前記容器搬送コンベアは、連続的に一定速度で駆動され、前記計量升ユニットは、前記容器搬送コンベアの搬送方向と平行方向に往復移動可能に設けられて往復駆動され、前記容器搬送コンベアと同方向には同期して駆動されると共に前記計量升に計量されている納豆を前記容器に充填し、次に充填する容器が計量升ユニットと容器搬送コンベアと同期スタート位置に移動するまでに前記計量升ユニットは同期スタート位置に戻ると共にその移動間に前記計量升に一定量の納豆が計量されることを特徴とする。
【0006】
上記課題を解決するための本発明の請求項2は、請求項1において、前記計量升ユニットと前記容器搬送コンベアとは1個の駆動源により、計量升ユニットは往復駆動され、容器搬送コンベアは連続的に一定速度で駆動されることを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するための本発明の請求項3は、請求項1において、前記計量升ユニットと前記容器搬送コンベアとは、それぞれ別個の駆動源で駆動され、計量升ユニットが容器搬送コンベアと同方向に駆動される時は、前記両駆動源は同期駆動されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
容器搬送コンベアが等速度で駆動されている間に計量升より納豆が容器に充填され、かつ計量升に所定量の納豆が計量されるので、生産性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の納豆充填装置の一実施の形態を図1乃至図4により説明する。本実施の形態は、計量升ユニット10と、この計量升ユニット10の上方及び下方に配設された納豆ガイド部40と、計量升ユニット10及び納豆ガイド部40を支持するユニット支持部50と、容器61を搬送する容器搬送コンベア60と、ユニット支持部50及び容器搬送コンベア60を駆動する駆動部70とから構成されている。次に各部の構造について説明する。
【0010】
まず、計量升ユニット10の構造を図2及び図3により説明する。2分割された計量升11A、11Bを有しており、それぞれ計量升支持板12A、12Bに固定されている。本実施の形態は、6個の計量升11A、11Bが設けられた場合を示す。計量升支持板12A、12Bの両端部には、作動レバー13A、13Bが固定されており、作動レバー13A、13Bは支持枠板14A、14Bに固定されたエアシリンダ15A、15Bの作動ロッドに連結されている。支持枠板14A、14Bの両側は、支持枠板16で一体に固定されている。作動レバー13A、13Bはガイド板17A、17Bに摺動自在に設けられており、ガイド板17A、17Bは支持枠板16に固定されている。
【0011】
計量升11A、11Bの上面には、それぞれ一対の上シャッター板20A、20Bが配設されており、上シャッター板20A、20A,20B、20Bは2個一組としてそれぞれ上シャッター支持板21A、21Bに固定されている。上シャッター支持板21A、21Bにはエアシリンダ22A、22Bが固定されており、エアシリンダ22A、22Bは支持枠板14A、14Bに固定されている。また上シャッター支持板21A、21Bは支持枠板14A、14Bに固定されたガイド棒23A、23Bに摺動自在に嵌挿されている。
【0012】
計量升11A、11Bの下面には、3個の計量升11A、11Bに対応した一対の下シャッター板30A、30Bが配設されており、下シャッター板30A、30Bはそれぞれ下シャッター支持板31A、32Bに固定されている。下シャッター支持板31A、32Bにはエアシリンダ32A、32Bの作動ロッドが固定されており、エアシリンダ32A、32Bは支持枠板14A、14Bに固定されている。また下シャッター支持板31A、32Bは支持枠板14A、14Bに固定されたガイド棒33A、33Bに摺動自在に嵌挿されている。
【0013】
次に納豆ガイド部40を図1及び図2により説明する。上シャッター板20A、20Bの直上には、通路枠体41が配設されており、通路枠体41は支持枠体14A、14Bに固定された支持板42に固定されている。通路枠体41にはホッパー43に入れられた納豆が傾斜樋部44より納豆が供給される。下シャッター板30A、30Bの直下には支持板45に固定された通路筒体46が各計量升11A、11Bに対応そて配設されており、支持板45は支持枠体14A、14Bに固定された支持板47に固定されている。通路筒体46の下方には、容器搬送コンベア60で搬送される容器61が配置される。
【0014】
次にユニット支持部50の構造を図1及び図2により説明する。支持枠体14Aの両側はL字形の支持板51に固定されており、支持板51は移動板52に固定されている。また移動板52には振動体53が固定され、振動体53にはホッパー43及び傾斜樋部44が搭載されている。移動板52の下面には、容器61の搬送方向と平行にスライダ54が固定されており、スライダ54はガイド板55に摺動自在に嵌挿されている。ガイド板55は前板56と後板57の上面に固定されたベース板58に固定されている。
【0015】
次に容器搬送コンベア60の構造について説明する。容器61はチェーン62に固定されたキャリア63に保持されており、チェーン62は駆動スプロケット64及び従動スプロケット65に巻回されている。駆動スプロケット64のコンベア駆動軸66は後記する駆動部70により駆動される。ここで、容器61は計量升11A、11Bのピッチと同じピッチでキャリア63に保持されて搬送される。
【0016】
次に駆動部70の構造を図1により説明する。モータ71の出力軸に連結された減速機72の回転軸73はコンベア駆動軸66と平行に配設されている。また回転軸73とコンベア駆動軸66間には、コンベア駆動軸66と平行に中間軸74及びカム軸75が配設されており、中間軸74及びカム軸75の両端は前板56と後板57に回転自在に支承されている。回転軸73と中間軸74にはスプロケット76、77が固定され、スプロケット76と77にはチェーン78が掛け渡されている。中間軸74とコンベア駆動軸66にはスプロケット79、80が固定され、スプロケット79と80にはチェーン81が掛け渡されている。中間軸74とカム軸75にはスプロケット82、83が固定され、スプロケット82と83にはチェーン84が掛け渡されている。
【0017】
カム軸75には溝カム90が固定されており、溝カム90のカム溝にはカムフォロア91が嵌挿されており、カムフォロア91はレバー92に回転自在に支承されている。レバー92の下端部には支軸93が固定されており、支軸93は図示しない装置の固定部に回転自在に支承されている。移動板52の下面には作動レバー94が固定されており、レバー92の上端部と作動レバー94とは、連結レバー95の両端が回転自在に支承されている。ここで、溝カム90が半回転(180度)すると、移動板52、即ち通路筒体46は図4(a)(b)に示すように容器搬送コンベア60と同期して(同じ速度で)該容器搬送コンベア60で搬送する容器61の3個分移動し、溝カム90の残りの半回転で元のスタート位置に戻り、次に納豆を供給する容器61に対応するようになっている。
【0018】
次に作用について説明する。まず、計量升ユニット10及び納豆ガイド部40の作用について説明する。下シャッター板30A、30Bが閉じ、上シャッター板20A、20Bが開いた状態で、ホッパー43に入れられた納豆は、傾斜樋部44、通路枠体41より計量升11A、11Bに落下させて供給される。次にエアシリンダ22A、22Bの作動ロッドが突出して上シャッター板20A、20Bが閉じて計量升11A、11B内に所定量の納豆が計量される。続いてエアシリンダ32A、32Bの作動ロッドが引っ込むと同時にエアシリンダ15A、15Bの作動ロッドも引っ込む。エアシリンダ32A、32Bが作動すると、下シャッター板30A、30Bが開く。またエアシリンダ15A、15Bが作動すると、計量升支持板12A、12Bが外側に移動して計量升11A、11Bの納豆収納容積が拡大する。これにより、計量升11A、11Bの納豆は通路筒体46を通して容器61内に充填される。
【0019】
その後、エアシリンダ32A、32B及びエアシリンダ15A、15Bが前記と逆方向に作動して下シャッター板30A、30Bが閉じると同時に、計量升11A、11Bも閉じる。続いてエアシリンダ22A、22Bが前記と逆方向に作動して上シャッター板20A、20Bが開く。このように、計量升11A、11Bは2分割され、下シャッター板30A、30Bが開いて計量升11A、11B内の納豆を容器61に充填させる時は、計量升11A、11Bは開いて納豆収納容積が拡大するので、計量升11A、11Bとの抵抗が無くなり、納豆はスムーズに落下し、計量升11A、11Bへのへばり付きが防止される。
【0020】
次に本発明の特徴とする駆動部70の作用について説明する。モータ71が回転してスプロケット76が矢印A方向に回転すると、チェーン78、スプロケット77を介して中間軸74が同方向に回転する。またスプロケット79、チェーン81、スプロケット80を介してコンベア駆動軸66も同方向に回転すると共に、スプロケット82、チェーン84、スプロケット83を介してカム軸75が同方向に回転する。即ち、コンベア駆動軸66及びカム軸75が同方向に回転する。コンベア駆動軸66が矢印A方向に回転させられると、チェーン62によって容器61は矢印B方向に搬送される。
【0021】
カム軸75が回転すると、レバー92は支軸93を支点として溝カム90のカム溝に沿って揺動する。レバー92の動きは連結レバー95、作動レバー94、移動板52、振動体53を介して計量升ユニット10、納豆ガイド部40(通路枠体41、ホッパー43、傾斜樋部44)に伝達される。前記したように、溝カム90の半回転は、計量升ユニット10、納豆ガイド部40が容器搬送コンベア60と同期して同方向に同速度で駆動される。溝カム90の残りの半回転で計量升ユニット10、納豆ガイド部40は元の位置に戻る。
【0022】
溝カム90の半回転で計量升ユニット10が容器搬送コンベア60と同期して移動する間に、計量升11A、11Bに計量されていた納豆が容器61に充填される。即ち、計量升ユニット10及び納豆ガイド部40の作用の項で説明したように、上シャッター板20A、20B及び下シャッター板30A、30Bが閉じ、計量升11A、11B内に所定の納豆が計量されていた状態で、前記したように計量升ユニット10が容器搬送コンベア60と同期して移動する間に下シャッター板30A、30Bが開く。本実施の形態においては、6個の計量升11A、11Bより通路筒体46を通して一度に6個の容器61に納豆を充填する。従って、計量升ユニット10と容器搬送コンベア60が同期して移動する間に、図4(a)から図4(b)に示すように6個の通路筒体46A、46B・・・46Fより6個の容器61A、61B・・・61Fに納豆が充填される。
【0023】
溝カム90の残りの半回転で計量升ユニット10、納豆ガイド部40は元の位置に戻る。即ち、通路筒体46A、46B・・・46Fは図4(c)の状態になる。このように計量升ユニット10、納豆ガイド部40が元の位置に戻る間に計量升11A、11Bには所定量の納豆が計量される。即ち、計量升ユニット10及び納豆ガイド部40の作用の項で説明したように、下シャッター板30A、30Bが閉じ、上シャッター板20A、20Bが開き、計量升11A、11Bに納豆が供給された後に上シャッター板20A、20Bが閉じて計量升11A、11Bに所定量の納豆が計量される。この場合、容器搬送コンベア60は等速度で回転している。従って、次に納豆を供給する容器61G、61H・・・61Lが計量升ユニット10と同期するまで移動する間に、通路筒体46A、46B・・・46Fは図4(c)に示すように元の同期位置に戻る。この一連の動作を繰り返して容器61に納豆が連続的に供給される。
【0024】
このように、容器搬送コンベア60が等速度で駆動されている間に計量升11A、11Bより納豆が容器61に充填され、かつ計量升11A、11Bに所定量の納豆が計量されるので、生産性に優れている。
【0025】
なお、上記実施の形態においては、計量升11A、11Bは6個設けた場合について説明したが、1個以上であればよい。また2分割された計量升11A、11Bに適用した場合について説明したが、一体化した計量升でもよいことは言うまでもない。また計量升ユニット10と容器搬送コンベア60を同期駆動させるのに、1個のモータ71を用いたが、計量升ユニット10と容器搬送コンベア60をそれぞれ別個のモータを用い、計量升ユニット10より納豆を容器61に充填する時に両モータを同期駆動させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の納豆充填装置の一実施の形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】縦断面図である。
【図3】計量升ユニットの平面図である。
【図4】計量升と容器との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0027】
10 計量升ユニット
20A、20B 上シャッター板
30A、30B 下シャッター板
40 納豆ガイド部
41 通路枠体
43 ホッパー
44 傾斜樋部
46(46A、46B・・・46F) 通路筒体
50 ユニット支持部
52 移動板
53 振動体
54 スライダ
55 ガイド板
60 容器搬送コンベア
61(61A、61B・・・) 容器
70 駆動部
71 モータ
73 回転部
75 カム軸
78、81、84 チェーン
90 溝カム
91 カムフォロア
94 作動レバー
95 連結レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量升を定ピッチで複数有する計量升ユニットと、前記計量升の下方に配設され、該計量升のピッチと同じピッチで配置された容器を搬送する容器搬送コンベアとを備えた納豆充填装置において、前記容器搬送コンベアは、連続的に一定速度で駆動され、前記計量升ユニットは、前記容器搬送コンベアの搬送方向と平行方向に往復移動可能に設けられて往復駆動され、前記容器搬送コンベアと同方向には同期して駆動されると共に前記計量升に計量されている納豆を前記容器に充填し、次に充填する容器が計量升ユニットと容器搬送コンベアと同期スタート位置に移動するまでに前記計量升ユニットは同期スタート位置に戻ると共にその移動間に前記計量升に一定量の納豆が計量されることを特徴とする納豆充填装置。
【請求項2】
前記計量升ユニットと前記容器搬送コンベアとは1個の駆動源により、計量升ユニットは往復駆動され、容器搬送コンベアは連続的に一定速度で駆動されることを特徴とする請求項1記載の納豆充填装置。
【請求項3】
前記計量升ユニットと前記容器搬送コンベアとは、それぞれ別個の駆動源で駆動され、計量升ユニットが容器搬送コンベアと同方向に駆動される時は、前記両駆動源は同期駆動されることを特徴とする請求項1記載の納豆充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−18954(P2008−18954A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−191044(P2006−191044)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(506239474)有限会社フォース (6)
【Fターム(参考)】