説明

紙又は板紙ウェブの表面サイジング用の方法及び装置

本発明は、紙又は板紙の表面サイジング方法及び装置に関する。本発明による方法では、表面サイズされるべきウェブ(W)の少なくとも一方の面にでんぷん溶液のような表面サイズが塗工装置(1)により塗工され、当該ウェブの片面当たり一以上の段階で表面サイジングが実行される。表面サイズの塗布に関連して、ウェブを負圧及び/又は過剰圧力に晒すことにより、圧力作用をウェブに対して付与することで、該圧力作用により、表面サイズをウェブの孔内へとウェブ内を浸透させる。最も好ましくは、ウェブの孔に、ウェブの表面に塗工された表面サイズを内側の層の孔内へとウェブの表面から吸引する負圧が生成される。この場合、表面サイズは、ウェブの第1面(W1)に塗工され、吸引作用は、ウェブの反対側、即ち第2面(W2)に付与されることで、ウェブを通って空気が流れるようにして、表面サイズが、第1面から第2面に向かう方向でウェブ内を移動するようにする。同様の態様で、ウェブの両面を一以上の連続した段階で処理できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙又は板紙ウェブの表面サイジング用の方法であって、表面サイズされるべきウェブの少なくとも一方の面にでんぷん溶液のような表面サイズが塗工装置により塗工され、当該ウェブの片面当たり一以上の段階で表面サイジングが実行される方法に関する。
【0002】
また、本発明は、紙又は板紙ウェブの表面サイジング用の装置であって、表面サイズされるべきウェブの少なくとも一方の面に、でんぷん溶液のような表面サイズが一以上の段階で塗工装置により塗工されるように構成された装置に関する。
【背景技術】
【0003】
文書用紙及び多くの梱包板紙の製造において、紙又は板紙に希釈のでんぷん溶液が塗布される表面サイジングが用いられる。しかし、表面サイジングの目的は、処理対象のウェブ(紙匹)の表面上に特別な層を形成するだけではなく、希釈のでんぷん溶液のようなサイズは、均質な層へとウェブの表面層内の繊維を結合させるためにウェブ内へとある程度まで浸透しなければならない。紙又は板紙にサイズを拡散し塗布するための幾つかの異なる方法及び装置が先行技術として知られている。これらの先行技術は、とりわけ、ボンドコーティングを含み、その場合、被覆されるべきウェブは、ロールにより形成されるサイズプレスニップに通され、サイズポンドは、ロールにより画成される閉じた隙間内のニップの入口側に配置され、被覆されるべきウェブは、当該サイズポンドを通過される。その他の知られたコーティング及び表面サイジング方法は、フィルム転写コーティングであり、その場合、コーティング材料又はサイズは、例えば、ブレード又はロッドを用いてフィルムプレスロールの表面上にフィルム(膜)を形成するといったような、適切な態様で拡散され、そこから、当該フィルムは、ロールの表面からニップを通って走行する被覆対象のウェブにフィルムプレスロール間のニップで転写される。本分野で知られるコーティング方法は、更に、異なるブレードコーティング構成を含み、この場合、例えば、被覆又は表面サイズされるべきウェブは、バッキングロール上を通され、コーティング剤又はその類の表面サイズが、ブレードコーターによりウェブ上に拡散され平滑化される。ウェブ上へのサイズの拡散は、最新の表面サイジング技術を代表する、例えばフィンランド国特許第108993号によるジェット式塗工装置、カーテンコーティング装置又はスプレー式塗工装置により、生ずるように構成することもできる。スプレー式コーティング方法によって、所望の厚さの非常に均一なコーティング剤又は表面サイズの層をウェブの表面上に形成することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述及び従来から知られている表面サイジング方法は、現に使用されており、動作するが、ある問題点ないし異なる制約がそれらのそれぞれに関連して存在する。このように、知られているように、表面サイジングにおいて、サイズ材料は、ウェブの内側の層へと所望の態様で浸透されなければならない。特に、表面サイジングがより厚い板紙のとき、でんぷんの浸透が臨界的なファクターとなる。ポンドサイジングでは、浸透は極めて良好になすことができるが、この方法の重大な欠点は方法の速度の制限である。サイズ材料の飛び散り(液跳ね)が原因で、速度を、非常に高いレベルまで上げることができない。フィルムサイジングでは、より速い速度を用いることは一般的に可能であるが、この表面サイジング方法では、特に厚い板紙グレードに関して、処理されている板紙ウェブへのサイズ材料の不十分な浸透が問題となる。これは、サイズプレスニップにおいて優勢な線形荷重により所望のレベルまで浸透を至らせようとする試みがなされている事実にも拘らず生ずる場合である。スプレー及びジェット(噴射)塗工装置は、薄い紙及び板紙グレードのコーティング及び表面サイジングに非常に適しており、更に、これらのコーティング方法では極めて高い速度を達成できる。しかしながら、これらのコーティング方法は、非接触のコーティングがコーティング方法として用いられるので、でんぷんの浸透を必要とする紙及び板紙グレードの製造には適していない。
【0005】
表面サイズの浸透を改善するため、従来から提案されてきたものとして、表面サイジングは、例えば、ウェブの乾燥が加熱により開始される前にウェブに全体のサイズの量の一部が先ず付与され、乾燥が開始された後にウェブの表面にサイズの全体量の少なくとも一部が付与されるといったような、2以上の連続的な段階で実行される。かかる方法の1つは、文献WO03/004769に記載されている。この文献に記載の方法では、サイズの全体量は、上述のように単一の段階で付与されず、幾つかの段階で付与される。浸透を改善するため、文献WO03/004770は、更に、サイズの付与後にロール間のニップでウェブをプレスすることを提案する。
【0006】
本発明の目的は、でんぷん溶液がウェブ内へと所望の深さまで浸透するのを可能とする構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、本発明による方法により達成され、当該方法は、表面サイズの塗布に関連して、前記ウェブを負圧及び/又は過剰圧力に晒すことにより、圧力作用を前記ウェブに対して付与することで、該圧力作用により、表面サイズを前記ウェブの孔内へと前記ウェブ内を浸透させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
効果的には、ウェブの孔に、ウェブの表面に塗工された表面サイズを内側の層の孔内へとウェブの表面から吸引する負圧が生成される。この場合、表面サイズは、前記ウェブの第1面に塗工され、吸引作用は、前記ウェブの反対側、即ち第2面に付与されることで、前記ウェブを通って空気が流れるようにして、表面サイズが、前記ウェブの第1面からウェブの第2面に向かう方向で前記ウェブ内を移動するようにする。ウェブの片面当たりの表面サイズの塗工は、一以上の連続した段階で実行されることができる。吸引作用についても、一以上の連続した段階でウェブに付与することができる。
【0009】
一の効果的な実施例によれば、ウェブへの表面サイズの塗工は、前記ウェブが吸引作用を受ける前に開始される。表面サイズは、前記ウェブに吸引作用が付与される前に、ウェブ全体に塗工されることができる。しかし、少なくとも1層の表面サイズが、前記ウェブが吸引作用を受ける前に前記ウェブに塗工され、その後、少なくとも更なる1層の表面サイズが、前記ウェブが吸引作用を受けている間に前記ウェブに塗工される。ウェブは、前記吸引作用が表面サイズの塗工のポイント後も維持されるように、前記ウェブへの表面サイズの塗工が開始される前に吸引作用を受けることもできる。
【0010】
その他の実施例によれば、表面サイズは、ウェブの第1面に塗布され、真空作用は、同一側、即ちウェブの第1面に付与される。この場合、真空作用は、ウェブへの表面サイズの塗工が開始される前に付与される。ウェブへの表面サイズの塗工は、前記ウェブへの吸引作用の印加が停止した直後に開始される。前記ウェブのバランスを保つべく、吸引作用は、ウェブの反対側、即ち第2面にも付与される。効果的には、この実施態様において、前記ウェブの孔内へと表面サイズを付勢するため、表面サイズの塗工後、過剰圧力作用がウェブに付与される。
【0011】
ウェブは、その両面が、連続した段階でサイズされることができ、表面サイズのウェブの孔内への吸収は、前記ウェブの両面上での圧力作用により促進される。前記ウェブ内への表面サイズの浸透は、前記ウェブに付与される圧力作用を制御することで制御されることができる。ウェブに付与される真空レベルは、5−80kPaの範囲内に、効果的には5−40kPaの範囲内に制御され維持される。前記ウェブに付与される真空は、前記ウェブの2面性を制御するために用いられる。両面の表面サイジングでは、ウェブは、ウェブの異なる側の表面サイジングの間に乾燥される。
【0012】
本発明による装置は、同様に、ウェブに表面サイズを塗工する塗工装置と、表面サイズを前記ウェブの孔内へと前記ウェブ内を浸透させるために前記ウェブに負圧及び/又は過剰圧力を付与する装置とを含むことを特徴とする。効果的には、当該装置は、ウェブの表面に塗工された表面サイズを、内側の層の前記孔内へと前記ウェブの表面から吸引するために、前記ウェブの孔内に負圧を生成する真空装置を含む。効果的には、前記真空装置は、前記ウェブの表面サイズが塗布された面とは反対側の面に、前記ウェブ上に真空作用を生成するように構成され、前記ウェブを通して空気を流し、前記表面サイズを、前記ウェブの第1面から第2面に向かう方向で前記ウェブ内へと移動させるようにする。塗工装置は、前記ウェブの片面当たりの表面サイズの塗工が一以上の連続した段階で実行されるように構成されることができる。
【0013】
一の実施態様では、前記塗工装置及び真空装置は、前記ウェブの走行方向で連続的に配置され、前記真空装置により生成される真空作用が、前記塗工装置により表面サイズの塗工が実行された後にだけ開始されるようにする。他方で、真空装置は、前記塗工装置に対して、前記真空装置により前記ウェブ上で生成される真空作用が、前記塗工装置により表面サイズの塗工が実行されるサイズ塗工ポイントと少なくとも同時に開始されるように、配置されることができる。更に、前記真空装置は、前記塗工装置に対して、表面サイズの塗工ポイントが真空作用の領域内に位置するように配置されることができる。
【0014】
前記真空装置により生成される真空は、効果的には、制御可能である。一の実施態様では、前記真空装置は、真空作用の領域を形成する吸引ゾーンを備えている吸引ロールを含む。前記真空装置は吸引ボックスや真空シューであってもよい。
【0015】
前記塗工装置は、非接触塗工装置、特にスプレー塗工装置を含むことができる。前記塗工装置は、フィルムサイジング装置であってよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、現在の技術に対して多くの有意な効果を奏し、その効果の中でも、とりわけ、次のものが言及される。本発明による構成は、速度に制限の無いプロセスにおいて、処理されているウェブ内への完全なでんぷんの浸透を提供する。でんぷんの浸透は、例えばでんぷんの粘度のような、他のプロセスパラメータから独立して、真空により追加的に制御されることができる。本発明による構成は、例えば剛性と内部の結合強度間における、品質の迅速な最適化を可能とする。異なるパラメータで処理されている紙又は板紙の2面性は、所望の態様で、本発明による装置に属する吸引装置の真空、及び、これに伴うでんぷんの浸透により制御されることができる。本発明のその他の効果及び特徴は、次の本発明の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明は、添付図面の各図を参照して説明されるが、本発明は、これらに示される例に狭く限定されることは無い。
【0018】
本発明による方法では、第1の段階では、でんぷん溶液が、塗工装置によりウェブの一の側に塗布され、第2の段階では、ウェブ内にでんぷん溶液を吸引するための真空がウェブの他の側又は反対側に、当該反対側に配設された別の真空装置により付与されるという具合に、ウェブの表面サイジングが2段階で実行される。図1では、ウェブWは、ガイド及びターニングロール4,5によりガイドされながら、ウェブの第1面W1にでんぷん溶液を塗布する塗工装置1を通り過ぎる。図1の例では、塗工装置1は、スプレーコーターであり、これにより、ウェブWの表面、即ちウェブの第1面W1にでんぷん溶液が特別なノズル2により非接触の態様で吹き付けられる。
【0019】
ウェブWの走行方向で、塗工装置1の後、塗工装置1に対してウェブWの反対側、即ち、ウェブWの第2面側W2には真空装置3が配置され、真空装置3は、真空によりウェブWをその第2面で当該真空装置3と接触するように吸引する。真空装置3で用いられる真空レベルは、ウェブWを通って空気を流させるのに十分なほど高い。適切な必要な真空レベルは、5−80kPaであるが、最も効果的には5−40kPaのオーダーである。ウェブWの全厚みに亘って作用するこの圧力差を用いて、でんぷん溶液は、ウェブの第1面W1からウェブ内へと移動し、その場合、真空装置3における支配する真空を調整することによりでんぷん溶液の浸透を制御することが可能である。図1の例では、真空装置3としては、従来的な態様で、軸方向のシール6によりそれらの間に画成される吸引ゾーン7を含む吸引ロールが用いられている。真空装置3の後流では、ウェブWは、必要な更なる処理、例えば乾燥へと通される。図1の例では、表面サイジングの段階は明確に連続的に配置されている。従って、図1の実施例では、第1の段階、即ち塗工装置1による表面サイズの塗布が先ず実行され、その後にだけ、既に塗布された表面サイズをウェブW内に吸引するため、真空装置3によりウェブWの反対側に真空が生成される。
【0020】
図2は、図1とは異なる本発明のその他の実施例を示す。図2では、ウェブWは、ガイド及びターニングロール4,5によりガイドされながら、ウェブの第1面W1にでんぷん溶液を塗布する塗工装置11を通り過ぎる。図2の例では、スプレーコーターが同様に、ウェブWの表面、即ちウェブの第1面W1にでんぷん溶液が特別なノズル22により非接触の態様で吹き付ける塗工装置11として用いられる。
【0021】
図2の実施例は、図1の例に対して、ウェブWの反対側、即ちウェブの第2面W2の側に配置されている真空装置13が、塗工装置11のノズル12の位置にてウェブWの他の側で配置されている点が異なる。この構成では、真空装置13における真空は、でんぷん溶液のような表面サイズが塗工装置によりウェブの第1面W1に塗布されると同時に且つ同一の場所で、ウェブWの第2面W2を真空装置13と接触する状態に吸引する。図2の例では、真空装置13は、また、吸引ゾーン17が軸方向のシール16により画成される吸引ロールが用いられる。図2の例では、吸引ロール13は、塗工装置11のノズル12よりも前に吸引ゾーン17が明確に既に開始されているように配置され、吸引がサイズの塗布前に既に開始されているようにする。この種の構成は、技術的な意味では必要でないが、実現可能である。図2に示す吸引ロールのような真空装置13は、吸引ゾーン17のちょうど開始位置にノズル12が配置されるように、配置することができ、吸引がサイズ塗工ポイントで直ぐに実効的に開始するようにする。この実施例では、真空装置13で用いられる真空レベルは、ウェブWを通って空気が流れるのに十分なほど高い。安定的な真空レベルは、ここでは5−80kPaと思われるが、最も効果的には5−40kPaのオーダーである。塗工装置11及び真空装置13の後、ウェブWは、ガイド及びターニングロール18上を通って、必要な更なる処理、例えば乾燥へと通される。
【0022】
図1及び図2に示す例ではウェブWはその一の側だけ表面サイズされるときであり、図3は、ウェブWの両面を表面サイジングするために用いられる例を示す。図3に示す例では、ウェブWは、第1の塗工装置1aに通され、それにより、でんぷん溶液がウェブの第1面W1に塗布される。その後、ウェブは、第1の真空装置3aに通され、当該真空装置において支配する真空により圧力差がウェブの全厚さに亘って生成され、でんぷん溶液が、ウェブW内に所望の深さまで移動し浸透される。図3の例では、ウェブの第1面W1の表面サイジングは、図1に関して上述した通りに実行される。これに関しては,図1が参照される。ウェブWの両面に表面サイズを行うことが望ましい場合、塗工装置及び真空装置は、例えば図3に示す態様で、連続的に配置される。図3の例では、ウェブWは、ガイド及びアラインメントロール8により第1の真空装置3aの後流へと通され、図3は、その一部のみを示すが、ウェブの第2面W2の他の側に配置される第2の塗工装置1bへと導かれる。図3の例では、第2の塗工装置1bは、図2に関して上述したものと類似するスプレー式塗工装置であり、これにより、でんぷん溶液は、でんぷん溶液ジェット2bにより非接触の態様でウェブの第2面W2にでんぷん溶液が塗布される。第2の塗工装置1bの後、ウェブWは、ウェブの第1面W1の側に配置される第2の真空装置3bへと通される。この第2の真空装置は、ウェブW内へ所望の深さまででんぷん溶液を浸透させることができる真空を生成する。この点、動作は、図1に関して上述したものと完全に対応する。ウェブの第1面W1の表面サイジングの後、ウェブWを少なくともある程度まで、その第2面W2が表面サイズされる前に、乾燥させることは必要でありうる。これは、参照符号9で指示された非接触ドライヤにより図3に示され、当該ドライヤは、例えば、赤外線ドライヤである。図3は、追加的に、参照符号4a,5aにより指示されるターニング及びガイドロールを示し、これにより、ウェブWの走行方向が所望の態様で変化される。両面での表面サイジングの場合、装置の配置は、例えば図2に示すようなものであることができる。
【0023】
図1乃至図3の例では、スプレー型塗工装置は、塗工装置として用いられることが提案されていた。しかし、これに代えて、塗工装置として、例えばフィルムサイジング装置、ブレードコーター又はその類を用いることは可能である。しかしながら、非接触型のスプレー型塗工装置を用いることにより、他の種類の塗工装置に対してある相違を達成することが可能であり、その相違は、とりわけ、空間の利用性の利点と共に速度の利点である。図1乃至図3は、真空装置として吸引ロール3,13,3a,3bを示したが、吸引ロールに代えて、所望の真空レベルを生成する他の真空装置を用いることも可能である。異なる吸引ボックス、真空シュー及びその類がそれらの一例として挙げられる。しかし、吸引ロールは、例えば吸引ボックスとは異なり、ウェブWに磨耗作用を引き起こさない点で最も効果的であると考えられる。
【0024】
図4は、紙又は板紙ウェブ内へのサイズ材料のようなコーティング剤の浸透を改善するためのその他の実施例を示す。図4の実施例では、コーティング材料又はその類が塗布されるウェブの側W1上へと、コーティング材料の塗布の前に、負圧が、被覆又は表面サイズされるウェブWの孔内に生成され、コーティング材料の実際の塗布段階で、ウェブの孔において負圧が支配するようにし、これにより、ウェブW内へのコーティング材料の浸透が改善される。この状況で、ウエッブWは塗布されるコーティング材料をウエッブに吸引する。更にコーティング材料の浸透を改善するため、図4の実施例では、過剰圧が、コーティング直後にウェブW内に形成され、これにより、負圧を受けるウェブの孔内にコーティング剤が押される。
【0025】
図4における技術的な構成は、次のように示される。ウェブWは、ウェブが塗工装置21に到着する前にその走行方向が変化するように、即ち、移動するウェブWがロール23により湾曲されるように、塗工装置21へと導かれる。湾曲部では、“外側の湾曲”の側に、即ち、コーティング材料が後に付与されるウェブの第1面W1の側に、ウェブの当該第1面W1からウェブWと共に来る空気流れAの主要部分を案内して取り除くトラフ(谷部)24が配置される。更に、真空ノズル25は、ウェブの第1面W1の側でロール23の後流に配置され、当該真空ノズルにより生成される真空は、孔内に残る空気を可能な限り吸引する。この構成により、負圧がウェブの第1面W1でウェブWの孔内に供給される。しかしながら、ウェブWがバランスを保った状態を維持すべく、第2の真空ノズルは、ウェブの第2面W2の側にロール23の後に配置される。この第2の真空ノズル25aは、また、ウェブWの孔に真空を引き起こす作用を有する。ウェブWのコーティングは、真空ノズル25の直後に実行される。図4の例では、ジェット型塗工装置は、ウェブの第1面W1上にコーティング材料の噴流(ジェット)22を生成するための塗工装置として用いられる。他の種類のコーティング装置及び方法を用いることも可能である。
【0026】
塗工装置21のコーティング材料の噴流22の直後、図4に示す実施例では、過剰圧力(オーバープレッシャー)ノズル26は、ウェブの被覆される側にウェブWの表面にエアをブローするためにウェブの第1面W1の側に配置される。このようにして、コーティング材料をウェブWの孔内に付勢する試みが過剰圧力によりなされる。ウェブWがバランスを保った状態を維持すべく、過剰圧力ノズル26aは、ウェブの第2面W2、即ちウェブWの被覆されない側に配置される。被覆されない側では、例えばウェブのバランスを維持するための補助として、穿孔プレート27を用いることも可能である。
【0027】
コーティング材料の噴流22の前後での過剰圧力及び/又は負圧の使用は、低圧の方向にコーティング材料の噴流を偏向させる。しかし、これに対する適切なバランスは、コーティング材料の噴流及び圧力差の方向により求めることができる。図4の例では、真空ノズル25とジェット塗工装置21の噴出口との間の隙間は、シール28により塞がれる。しかしながら、コーティング材料の噴流の偏向は、当該隙間がシーリング無しで残されている場合、異なりうる。図4に示す実施例では、最善の作用は、図に示す態様で、負圧及び過剰圧力の双方をコーティングに関連して用いることによって達成される。しかし、負圧及び過剰圧力の何れかのみを用いる可能性は考えられうる。
【0028】
図5及び図6は、吸引ロール又は対応する真空ロール33が、ウェブWへの表面サイズ、でんぷん又はその類の塗布に関連して、ロールシェルの周囲の全長に亘って吸引及び真空作用を発生させる真空装置として用いられる、実施例を示す。ロール真空装置3の内側には、吸引ボックス又はその類が存在せず、これにより、真空作用が、ある領域に向けられるだろう。この実施例では、ウェブWは、第1のガイドロール34により真空ロール33に導かれ、その結果、第2のガイドロール35により真空ロールを通って離れる。紙又は板紙ウェブであるウェブWは、ワイヤの支持又はワイヤ無しで、表面サイズ、でんぷん又はその類の塗布のために、真空ロール33と接触するまで通されることができる。ワイヤが用いられた場合、ワイヤが真空ロール33と接触することになるウェブWの面側に配置される。
【0029】
ウェブWへの表面サイズ、でんぷん等の塗布は、従来的な方法により実行されることができる。従って、塗布は、参照符号31aで示すように、例えばスプレー技術や可能性としてはブレード技術によっても、ウェブWに直接的に実行することできる。ある条件では、カーテンコーティングを用いることも可能である。塗布は、また、サイズプレス技術(いわゆるサイザー技術)により第1のガイドロール34の表面に実行されることができ、第1のガイドロール34の表面から、ガイドロール34と真空ロールの間のニップ内のウェブWへと表面サイズ、でんぷん等がウェブWに移転される。塗布は、また、参照符号31cにより指示されるように、真空ロール33をバッキングロールとして用いるブレード技術又はサイザー技術により、ウェブの表面に直接的に実行されることもできる。表面サイズ、でんぷん等は、参照符号31d,31eにより示されるのが望まれるように、その後、必要なときに更に添加されることができる。
【0030】
ウェブの乾燥は、必要とされたとき、真空ロール33に接してドライヤ36により既に開始されることができる。ドライヤ36は、例えば赤外線ドライヤ、インピンジメント装置又はその類であってよい。
【0031】
図5の例では、第1のガイドロールと第2のガイドロール35の間の距離は、十分大きく、ある例では、極めて大きく、漏れた空気が真空ロール内へと大きな距離で運ばれることができないようにしてよい。当然、これは真空ロール33により生成されるウェブ上の吸引を低減する。図6の例では、ガイドロール34,35を互いに近くに移動させ、更にシーリングロール37を設けることによりこの欠点を低減しようとする試みがなされている。これにより、漏れた空気は、十分小さい隙間を通って真空ロール33内に至ることができる。
【0032】
図7及び図8は、吸引ボックス及びそれに伴い吸引ゾーン42を備える吸引ロール43は、真空を生成するために用いられる実施例を示す。吸引ゾーン42は、軸方向のシール48により従来的な態様で画成される。図7の例では、ウェブWは、吸引ロール43に通され、その上で吸引ゾーン42上を走行する。表面サイズ又はでんぷんは、ポイント41a及び/又は41cでウェブの第1面W1に塗布され、この場合、塗布方法としては、例えば図5及び図6に関連して説明した方法を使用することが可能である。表面サイズ/でんぷんは、吸引ゾーン42により生成される真空によりウェブWの孔内へと吸引される。ウェブの乾燥は、必要なときに、真空ロール43に接してドライヤ46により既に開始されることができる。ドライヤ46は、例えば赤外線ドライヤ、インピンジメント装置又はその類であってよい。
【0033】
図8は、ウェブWがガイドロール44により真空ロール43に導かれる実施例を示す。表面サイズ又はでんぷんは、ウェブの第1面W1に、例えば図5及び図6に関連して説明した方法及び装置を用いて、塗布される。サイズの塗布ポイントは、参照符号41a,41b,41c,41d,41eにより示される。図8では、ウェブWは、非接触のエアターニング装置49による更なる処理のために吸引ロールから案内される。
【0034】
図9及び図10は、必要な真空が吸引ボックス及び吸引ロール又は吸引シューにより生成される実施例を示す。吸引ボックス52,57及び吸引ロール53は、図9の例に用いられ、これ応じて、吸引ボックス62,67及び吸引シュー63は、図10の例で用いられる。双方の例では、ワイヤが、ウェブWを支持するために用いられ、このワイヤにより、ウェブWは、表面サイズの塗工のために導かれる。更に、双方の場合、ワイヤは、吸引ボックス52,57;62,67及び吸引ロール/吸引シュー53/63の側であるウェブの側に位置する。ウェブWは、第1のガイドロール54,64により吸引ボックス52,57;62,67及び吸引ロール/吸引シュー53/63まで導かれ、これに応じて、第2のガイドロール55;65によりそこから離れる方向に導かれる。サイズ塗布に対して、例えば、図5乃至図8に関連して上述した塗布技術を用いることは可能である。考えられるサイズ塗布ポイントは、図9で参照符号51a、51b,51c,51d,51eにより図示され、図10に関して参照符号61a、61b,61cにより示される。図9は、ウェブWの乾燥が、更に、赤外線ドライヤやインピンジメント装置のような、非接触ドライヤ56により、既にサイズ塗布ステーションで開始できることを示す。また、図示しないが、図10の例と同様の態様で進行することも可能である。
【0035】
図11及び図12は、ロールと協働する湾曲した吸引ボックスにより真空が生成される実施例を示す。図11は、ウェブWが、表面サイズの塗布に対して乾燥セクション又はドライヤグループの最後の乾燥シリンダからワイヤ(図示せず)の支持で運ばれてき、サイズ塗布後、続く乾燥セクション又はドライヤグループの最初の乾燥シリンダ75まで導かれる、実施例を示す。ウェブWへの表面サイズの塗布が乾燥セクション又はグループの中間で実行され、図11に示す乾燥シリンダ74,75が同一の乾燥セクション又はグループの連続する乾燥シリンダである構成も可能である。ウェブWは、吸引ロール73aに乾燥シリンダ74から導かれ、そこから更にガイドロール73cを介して第2の吸引ロール73bまで導かれ、そこから、ウェブは、乾燥シリンダ75へとワイヤの支持で走行する。図11の例では、吸引ボックス72は、第1の吸引ロール73aからガイドロール71bまでのウェブWの走行路に配置され、更に、第2の吸引ボックス77は、破線のように、ガイドロール73cから第2の吸引ロール73bまでのウェブWの走行路に配置されることができる。湾曲した吸引ボックス73は、ウェブWがガイドロールと湾曲した吸引ボックス73との間をワイヤの支持で走行するように、ガイドロール73cに対して配置される。ウェブWの乾燥は、第2の吸引ロールに対して配置される、例えば赤外線ドライヤやインピンジメント装置のような非接触ドライヤ76により、乾燥シリンダ74,75間のサイズ塗布領域で既に開始することができる。サイズの塗布は、例えば上述した方法及び装置のいずれかにより実行でき、考えられるサイズ塗布ポイントは、参照符号71a,71bを用いて図11で指示される。
【0036】
図12の例では、ウェブWは、ガイドロール84から、湾曲の吸引ボックス83とそれに接して配置されるガイドロール83cとの間に導かれ、それから、非接触空気ターニング装置89を通って更なる処理へと導かれる。図11の例のように、この場合、ウェブの処理は、非常に“粗い”ので、ウェブは、ワイヤ(図示せず)の支持でサイズ塗布段階を通って走行する。ウェブWへの実際のサイズの塗布は、上述の方法のいずれかにより実行され、考えられるサイズ塗布ポイントは、参照符号81aを用いて図12で指示される。
【0037】
図13は、両面が被覆される構成の考えられる1つのレイアウトを示す。図13の例では、ウェブWは、このようにワイヤの支持なしで、サイズ塗布段階を通って走行する。ウェブWは、吸引ボックス及び吸引ゾーン92aを備える吸引ロールである第1の吸引ロール93aまで導かれる。ウェブが第1の吸引ロール93aまで導かれる前に、表面サイズ、でんぷん等が、上述の方法のいずれかによりウェブの第1面W1に塗布される。考えられる第1のサイズ塗布ポイントは、参照符号91aを用いて図13で指示される。ウェブWは、第1の非接触空気ターニング装置/ドライヤ99aへと第1の吸引ロール93aからガイドされ、そこから更に、ガイドロール95によりガイドされながら、吸引ボックス及び吸引ゾーン92bを備える吸引ロールである第2の吸引ロール93bまで導かれる。ウェブが第2の吸引ロール93bまで導かれる前に、表面サイズ、でんぷん等が、上述の方法のいずれかによりウェブの第2面W2に塗布される。考えられる第2のサイズ塗布ポイントは、参照符号91bを用いて図13で指示される。第2の吸引ロール93bから、ウェブWは、第2の非接触空気ターニング装置/ドライヤ99bにガイドされ、そこから更に更なる処理へと導かれる。
【0038】
上述の実施例を例示する全ての共通の特徴は、コーティング材料、表面サイズ、でんぷん等の塗布に関連し、真空作用は、ウェブ内に生成され、ウェブに塗布された材料をウェブ内へとより良好に吸収させるためのものである。
【0039】
以上、本発明は、添付図面の各図に示される例を参照して例により説明されている。しかし、本発明は、各図に示す例に排他的に限定されるのではなく、本発明の異なる実施例は、添付の特許請求の範囲で定義される発明的な思想内で変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】ウェブの一の側での処理、即ち表面サイジングに用いられる、本発明による方法を実行するための装置の一例を示す概略図である。
【図2】ウェブの一の側での処理、即ち表面サイジングに用いられる、本発明による方法を実行するための装置のその他の一例を示す概略図である。
【図3】図1に示すサイズ塗布方法を適用して、ウェブの両側での処理、即ち表面サイジングに用いられる、本発明による方法を実行するための装置の一例を示す概略図である。
【図4】紙又は板紙ウェブの内部へのサイズ材料のようなコーティング剤の浸透を改善するためのその他の実施例を示す図である。
【図5】吸引ロールは、吸引ゾーンを提供する特別な吸引ボックスが内部に存在せず、真空を生成するために用いられる、本発明による方法の実施例を示す図である。
【図6】吸引ロールは、吸引ゾーンを提供する特別な吸引ボックスが内部に存在せず、真空を生成するために用いられる、本発明による方法の実施例を示す図である。
【図7】吸引ボックスを備え、それ故に吸引ゾーンを備える吸引ロールが真空を生成するために用いられる、本発明による方法の実施例を示す図である。
【図8】吸引ボックスを備え、それ故に吸引ゾーンを備える吸引ロールが真空を生成するために用いられる、本発明による方法の実施例を示す図である。
【図9】真空が吸引ボックス及び吸引ロールにより生成される実施例を示す図である。
【図10】真空が吸引ボックス及び吸引シューにより生成される実施例を示す図である。
【図11】真空が、ロールと協働する湾曲の吸引ボックスにより生成される実施例を示す図である。
【図12】真空が、ロールと協働する湾曲の吸引ボックスにより生成される実施例を示す図である。
【図13】ウェブの両面が被覆される構成の考えられる1つのレイアウトを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙又は板紙ウェブの表面サイジング用の方法であって、表面サイズされるべきウェブの少なくとも一方の面にでんぷん溶液のような表面サイズが塗工装置により塗工され、当該ウェブの片面当たり一以上の段階で表面サイジングが実行される方法において、
表面サイズの塗布に関連して、前記ウェブを負圧又は過剰圧力に晒すことにより、圧力作用を前記ウェブに対して付与することで、該圧力作用により、表面サイズを前記ウェブの孔内へと前記ウェブ内を浸透させるようにしたことを特徴とする、方法。
【請求項2】
負圧が前記ウェブの孔内で生成され、該負圧により、ウェブの表面に塗工された表面サイズが、内側の層の前記孔内へと前記ウェブの表面から吸引されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
表面サイズは、前記ウェブの第1面に塗工され、吸引作用は、前記ウェブを通って空気が流れるように前記ウェブの反対側、即ち第2面に付与されることで、表面サイズが、前記第1面から第2面に向かう方向で前記ウェブ内を移動するようにしたことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウェブの片面当たりの表面サイズの塗工は、一以上の連続した段階で実行されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記吸引作用は、一以上の連続した段階で前記ウェブに付与されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記ウェブへの表面サイズの塗工は、前記ウェブが吸引作用を受ける前に開始されることを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記表面サイズは、前記ウェブに吸引作用が付与される前に、ウェブ全体に塗工されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1層の表面サイズが、前記ウェブが吸引作用を受ける前に前記ウェブに塗工され、その後、少なくとも更なる1層の表面サイズが、前記ウェブが吸引作用を受けている間に前記ウェブに塗工されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェブは、前記ウェブへの表面サイズの塗工が開始される前に、吸引作用を受け、前記吸引作用は、表面サイズの塗工のポイント後も継続されることを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
表面サイズは、前記ウェブの第1面に塗工され、吸引作用は、前記ウェブの同一側、即ち第1面に付与されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記ウェブへの吸引作用は前記ウェブへの表面サイズの塗工がなされる前に印加されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ウェブへの表面サイズの塗工は、前記ウェブへの吸引作用の印加が停止した直後に開始されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記ウェブのバランスを保つべく、吸引作用は、ウェブの反対側、即ち第2面にも付与されることを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
表面サイズの塗工後、過剰圧力作用を前記ウェブに付与することで、前記ウェブの孔内へと表面サイズを付勢することを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記ウェブは、連続的な段階で両面が表面サイズされ、表面サイズのウェブの孔内への吸収は、前記ウェブの両面上での圧力作用により促進されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記ウェブ内への表面サイズの吸収は、前記ウェブに付与される圧力作用を制御することで制御されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記ウェブに付与される真空レベルは、5−80kPaの範囲内に制御され維持されることを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記ウェブに付与される真空レベルは、5−40kPaの範囲内に制御され維持されることを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記ウェブの2面性は、前記ウェブに付与される真空により制御されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記ウェブは、前記ウェブの異なる側の表面サイジングの間に乾燥されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項21】
紙又は板紙ウェブの表面サイジング用の装置であって、表面サイズされるべきウェブの少なくとも一方の面に、でんぷん溶液のような表面サイズが一以上の段階で塗工装置により塗工されるように構成された装置において、
前記ウェブに表面サイズを塗工する塗工装置と、前記ウェブに負圧又は過剰圧力を付与して、表面サイズを前記ウェブの孔内へと前記ウェブ内を浸透させる装置とを含むことを特徴とする、装置。
【請求項22】
ウェブの表面に塗工された表面サイズを、内側の層の前記孔内へと前記ウェブの表面から吸引するために、前記ウェブの孔内に負圧を生成する真空装置を含むことを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記真空装置は、前記ウェブの表面サイズが塗布された面とは反対側の面に、前記ウェブ上に真空作用を生成し、前記ウェブを通して空気を流し、前記表面サイズを、前記ウェブの第1面から第2面に向かう方向で前記ウェブ内へと移動させるように構成されることを特徴とする、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記塗工装置は、前記ウェブの片面当たりの表面サイズの塗工が一以上の連続した段階で実行されるように構成されることを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記塗工装置及び真空装置は、前記ウェブの走行方向で連続的に配置され、前記真空装置により生成される真空作用が、前記塗工装置により表面サイズの塗工が実行された後にだけ開始されるようにすることを特徴とする、請求項21〜24のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
前記真空装置は、前記塗工装置に対して、前記真空装置により前記ウェブ上で生成される真空作用が、前記塗工装置により表面サイズの塗工が実行されるサイズ塗工ポイントと少なくとも同時に開始されるように、配置されることを特徴とする、請求項21〜24のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記真空装置は、前記塗工装置に対して、表面サイズの塗工ポイントが真空作用の領域内に位置するように配置されることを特徴とする、請求項21〜26のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
前記真空装置により生成される真空は制御可能であることを特徴とする、請求項21〜27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
前記真空装置は吸引ロールを含むことを特徴とする、請求項21〜28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
前記吸引ロールは、真空作用の領域を形成する吸引ゾーンを備えていることを特徴とする、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記真空装置は吸引ボックスであることを特徴とする、請求項21〜28のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
前記真空装置は真空シューであることを特徴とする、請求項21〜28のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
前記塗工装置は、非接触塗工装置、特にスプレー塗工装置を含むことを特徴とする、請求項21〜32のいずれかに記載の装置。
【請求項34】
前記塗工装置は、フィルムサイジング装置であることを特徴とする、請求項21〜32のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2006−526497(P2006−526497A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508331(P2006−508331)
【出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【国際出願番号】PCT/FI2004/000345
【国際公開番号】WO2004/109015
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(501249157)メッツォ ペーパー インコーポレイテッド (33)
【Fターム(参考)】