説明

紫外線照射装置

【課題】紫外光を検出するセンサーの劣化を抑えるとともに、制御系統を増やすことなく照度分布のフィードバック制御の実現を図る。
【解決手段】ランプハウス11内に配置された紫外光を発する無電極ランプ12から照射される紫外光を、開口222を介してランプハウス11外に放射させる。開口222は、シャッター24で開閉可能となる。シャッター24の先端には紫外光の照度を検出するためのセンサー25が取着され、シャッター24の開閉に伴い照度の検出を行う。この検出結果に基づきランプ12の照度を調整するようにした。センサー24未使用時には紫外光が照射されないように、遮蔽板261,262を配置する。これにより、紫外光を検出するセンサーの劣化を抑えるとともに、制御系統を増やすことなく照度分布のフィードバック制御が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紫外線を発光させ、印刷関連におけるインク乾燥、半導体関連の微細露光、液晶関連の接着剤硬化等の用途に用いられる紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から紫外線照射装置では、複数本のランプを平行配置して照射エリアの長尺化を図ることが行われている。また、ランプ交換や被照射物の交換、さらには紫外光の積算管理のために、照射面への露光・非露光を切り換える機械式シャッターが用いられている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−277605号公報(第4頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1の技術は、複数のランプを配置していることから照射面での照度の均斉度を保つために、ランプ毎に紫外光をモニターし、各ランプへの入力電圧を可変するフィードバック制御が行われている。この場合、制御系統が増えることから高コストや制御を複雑化する要因となっていた。
【0005】
また、ランプ交換後などにおいて均斉度の確認を行うには、照射面の複数のポイントに照度計を移動させながら配置し、ポイント毎の照度を測定する手法が用いられており、大変な労力を必要とする、という問題があった。
【0006】
この発明の目的は、紫外光を検出するセンサーの劣化を抑えるとともに、制御系統を増やすことなく照度分布のフィードバック制御を実現することのできる紫外線照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、この発明の紫外線照射装置では、ランプハウス内に配置された紫外線ランプから照射される紫外光に基づき、前記ランプハウス外に配置される被処理物を紫外線処理する紫外線照射装置において、前記紫外光を放射させる前記ランプハウスに形成された開口と、前記開口を開閉させるシャッターと、前記シャッターに取着し、該シャッターの開閉に伴い前記紫外光の照度を検出するためのセンサーと、前記センサーの検出結果に基づき、前記ランプの照度を調整する制御部と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、紫外光を検出するセンサーの劣化を抑えるとともに、制御系統を増やすことなく照度分布のフィードバック制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の紫外線照射装置に関する第1の実施形態について説明するためのシステム構成図である。
【図2】図1に使用する無電極ランプの一例について説明するための構成図である。
【図3】(a)〜(c)は、図1のシャッターの移動に伴うセンサーと遮蔽板との関係について説明するための説明図である。
【図4】この発明の紫外線照射装置に関する第2の実施形態について説明するためのシステム構成図である。
【図5】図4とともに、シャッターの移動に伴うセンサーと遮蔽板との関係について説明するための説明図である。
【図6】この発明の紫外線照射装置に関する第3の実施形態の概略的なシステム構成について説明するためのもので、(a)は上面図、(b)側面図である。
【図7】この発明の紫外線照射装置に関する第4の実施形態について説明するための概略的なシステム構成図で、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図8】図7とともに、シャッターの移動に伴うセンサーと開閉板との関係について説明するための、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図9】図7の要部について説明するための斜視図である。
【図10】図9の要部を拡大して示した斜視図である。
【図11】センサーが検出する配光分布例について説明するための説明図である。
【図12】図11で検出された配光分布に基づき照度の均斉度の向上を図る制御例について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1、図2は、この発明の紫外線照射装置に関する第1の実施形態について説明するための、図1はシステム構成図、図2は図1に使用する無電極ランプの一例について説明するための構成図である。
【0012】
先ず、図1において、11はマイクロ波が外部に漏れないように遮蔽する機能を備えた、例えばステンレス製のランプハウスである。このランプハウス11の中央下方部には電極を備えない、いわゆる無電極ランプ12をランプハウス11の側面の一部に取り付けてある。13は、例えば2.45GHzのマイクロ波を発生させるマグネトロンであり、マグネトロン13には電源14から電力が供給される。15は、マグネトロン13で発生させたマイクロ波をアンテナ16から送信し、無電極ランプ12に伝達させる導波管である。
【0013】
ここで、図2を参照して無電極ランプ12の構成例について説明する。12aは紫外光を透過させる石英ガラス製の長さが240mm程度の円筒形状のバルブである。バルブ12aは、中央部12bをその両端部12c,12dよりも細くなるようにテ―パをつけたもので、両端部12c,12dの外径は例えば17mm程度、中央部12bの外径は10mm程度である。バルブ12aの発光空間12e内には、不活性ガスと水銀、鉄等の放電媒体を封入する。バルブ12aの両端にはバルブ12aを支持する支持部12f,12gを、バルブ12aと一体的に形成する。無電極ランプ12は、マイクロ波を照射することにより放電媒体を発光させることができる。
【0014】
再び図1において、ランプハウス11の上面には、吸気口17が設置され、ブロア18から送風される冷却媒体である空気を、ランプハウス11内に取り込む。ブロア18と吸気口17間には、図示しないダクトが設けられ、ブロア18から送られる風を取り込むようになっている。
【0015】
無電極ランプ12の背面側には照射される紫外光を集光あるいは拡散させる反射板19が設置される。また、反射板19の前面には、照射窓を構成するRFスクリーン20がランプハウス11の一部に設けられている。RFスクリーン20は、金属でありかつ開口部が設けられ、マイクロ波は遮断し、紫外光と送風は通過させる。RFスクリーン20は、例えば、金属線をメッシュ状に編み込んで形成したり、金属板にパンチング加工で形成したりして開口部を有するようになっている。
【0016】
なお、無電極ランプ12と対向するRFスクリーン20の反対面は、紫外光の照射面21となる。
【0017】
22は、ランプハウス11の下部と密着して配置された排気用のダクトである。このダクト22は、箱状の形状を有しており、RFスクリーン20の位置する上面板と下面板には、RFスクリーン20と同形状で同大きさの開口221,222がそれぞれ形成される。さらに、ダクト22は通気孔223を介して排気口224が形成されている。開口222には、送風は遮断させ、紫外光は通過させる、例えば多層膜のフィルタ23が取着される。
【0018】
マグネトロン13および無電極ランプ12は、ブロア18から吸気口17、ランプハウス11内に送風を行い、ダクト22の排気口224から排気させて冷却行い、これら一連の空気の流れは冷却機構を構成している。
【0019】
ここで、マグネトロン13が駆動されている状態下では、ブロア18から送風が行われ吸気口17を介してランプハウス11内に取り込まれる。取り込まれた送風は、図1中の波線矢印で示すように、マグネトロン13、無電極ランプ12、RFスクリーン20、ダクト22を介してダクト22の排気口224から排熱される。
【0020】
このとき、マグネトロン13のマイクロ波で励起された無電極ランプ12は、紫外光を発し、RFスクリーン20、フィルタ23を介して図示しない被照射物を照射させることができる。
【0021】
24は、紫外光の照射を遮蔽するためのシャッターであり、シャッター24は、無電極ランプ12の管軸に直交する矢印X方向に移動させることによって、フィルタ23を塞ぎ、紫外光がダクト22から図示しない被照射物側に照射されないようにする。
【0022】
25は、シャッター24の上面に取着された紫外光を検出するためのセンサーであり、シャッター24の移動に伴い、開口221を介して照射される紫外光の照度を検出することができる。シャッター24が開放された状態では遮蔽板261により紫外光がセンサー25に照射されることを防止し、シャッター24で閉鎖された状態では、遮蔽板262により紫外光がセンサー25に照射されることを防止している。つまり、センサー25はシャッター24が開放状態から閉鎖状態に移動する間のみ紫外光の照射を受けるようにしている。
【0023】
センサー25の出力は、制御部27に供給する。制御部27では、予め設定された照度情報に基づき、照度が暗い場合は電源14の出力を上げてランプ12の照度を上昇させ、明るい場合は電源14の出力を下げてランプ12の照度を下降させるような制御を行う。また、制御部27はランプ12の照度の上昇、下降に従い、ブロア18の送風量を、ランプ12の照度が明るい場合は上げ、暗い場合は下げる制御も行うようにしている。
【0024】
図3(a)〜(c)は、図1のシャッターの移動に伴うセンサーと遮蔽板との関係について説明するための説明図である。
【0025】
図3(a)では、シャッター24が開放されて、ランプ12から発光された紫外光がRFスクリーン20、フィルタ23を介して図示しない被照射物を照射させることができる。このとき、センサー25は遮蔽板261により紫外光が照射されない位置関係にあることから、紫外光によるセンサー25の劣化を防止することができる。
【0026】
図3(b)では、シャッター24が矢印X方向に移動されるが、このときセンサー25は紫外光照度を検出しながら移動する。センサー25の情報は、制御部27に取り込まれる。制御部27では、予め設定された紫外光照度に対し、センサー25が検出した照度情報に対して電源14の電圧を低い場合は上昇させ、高い場合は下降させる制御が行われる。
【0027】
図3(c)では、シャッター24がさらに矢印X方向に移動し、完全に閉じた状態を示している。このとき、センサー25は遮蔽板262と対向する位置にあり、紫外光が照射されない位置関係にあることから、紫外光よりシャッター24の劣化を防止することができる。
【0028】
なお、シャッター24の開閉は、ランプの交換時、定期的な均斉度検査、システム稼動時等において、紫外光の照射を受ける影響を防止するために行われる。
【0029】
この実施形態では、センサーをシャッターに取り付け、シャッターの移動に合わせて紫外光をモニターすることで、所定エリアの配光分布をスキャンすることができる。このため、共通のセンサーで広範囲の照度情報を得ることができる。
【0030】
また、シャッターが開または閉の状態で紫外光センサーへの紫外光を遮断する遮断機構を設けることで、センサーが常時紫外光に曝されることがなくなり、非検出時の劣化を防止することができる。
【0031】
図4、図5は、この発明の紫外線照射装置に関する第2の実施形態について説明するための図4はシステム構成図、図5は図4とともに、シャッターの移動に伴うセンサーと遮蔽板との関係について説明するための説明図である。この実施形態および以下の実施形態においても、上記した実施形態と同様の機能部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0032】
図4、図5において、ブロア181は、ランプハウス11内の熱を、図1の構成とは逆に外側に送出するものである。120は、紫外光を発生させる高圧水銀ランプである。さらに、縦置きされた遮蔽板261,262は、ランプ120を中心に回動するシャッター24に取り付けられたセンサー25を、シャッター24の開閉時における紫外光の照射を防止する。
【0033】
なお、シャッター24は、ランプ120の管軸の周りを、非接触状態で回動させる方向に移動させる構造となっている。
【0034】
この実施形態の場合も、センサーをシャッターに取り付け、シャッターを移動されることにより所定エリアの紫外光照度を検出することができる。このため、共通のセンサーで広範囲の照度情報を得ることができる。
【0035】
ランプは高圧水銀ランプとしたが、マイクロ波により紫外光を発生させる無電極ランプでも構わない。この場合、シャッター24が紫外光をランプハウス11から照射させる状態の開放時に、マグネトロンがシャッター24と反射板19との間に配置させればよい。また、RFフィルタもフィルタ23と対向するランプ120側に設置すればよい。
【0036】
図6は、この発明の紫外線照射装置に関する第3の実施形態の概略的なシステム構成について説明するためのもので、(a)は上面図、(b)側面図である。
【0037】
図6(a),(b)において、紫外光を発生させる例えば6本の高圧水銀ランプ121〜126は、同一平面状に並設させた状態でランプハウス11の一部に配置されている。ランプ121〜126で発生された紫外光は、直接あるいは反射板19に反射させて照射面61に置かれた被照射物に照射させる。
【0038】
シャッター62は、例えば3枚の開閉板621〜623を重ね、一番上の開閉板621を基準に二番目の開閉板622をスライドさせて伸ばし、さらに開閉板622から三番目の開閉板623をスライドさせて伸ばす構成となっている。開閉板623の幅w1は、開閉板621,622の幅w2よりも狭くしてある。開閉板621〜623は、ランプ120の管軸に直交する方向に、互いに異なる方向から合わさるようにして開閉される。
【0039】
同様に、シャッター63は、例えば3枚の遮蔽坂631〜633を重ね、一番上の開閉板631を基準に二番目の開閉板632をスライドさせて伸ばし、さらに開閉板632から三番目の開閉板633をスライドさせて伸ばす構成となっている。開閉板633の幅w1は、開閉板631,632の幅w2よりも狭くしてある。
【0040】
開閉板623と開閉板633の移動方向の先端には、それぞれセンサー251,252が取り付けられている。センサー251,252は、それぞれ半分のエリアをスキャンすることになる。
【0041】
センサー251は、開閉板621〜623が重なって開放の状態にある場合は、開閉板622の陰に隠れて紫外光の影響を受けない。同様にセンサー252は、開閉板631〜633が重なって開放の状態にある場合は、開閉板632の陰に隠れて紫外光の影響を受けない。
【0042】
従って、センサー251,252は、紫外光が照射面61に照射されている場合には紫外光の影響を受けないことから紫外光による劣化を防止することが可能となる。さらに、複数のランプ121〜126の広範囲な配光分布を、少ないセンサー251,252でスキャンを行うことにより実現可能となる。
【0043】
図7〜図10は、この発明の紫外線照射装置に関する第4の実施形態について説明するための、図7は概略的なシステム構成図を示し、(a)は上面図、(b)は側面図、図8は図7におけるシャッターの移動に伴うセンサーと開閉板との関係について説明するための(a)は上面図、(b)は側面図、図9はシャッターの機構例について説明するための斜視図、図10は図9の要部の拡大斜視図である。
【0044】
この実施形態は、第3の実施形態と同様に複数のランプと複数のセンサーを用いた場合であるが、ここではシャッター62,63が閉鎖された状態においても、センサー251,252に紫外光が照射されないようにしたものである。
【0045】
図7(a),(b)において、シャッター62,63は閉鎖された場合に開閉板623と開閉板633の互いの側面が当接するもので、これによりシャッター62,63が閉鎖されたときに、紫外光が照射面61に漏れることを防止することが可能となる。
【0046】
すなわち、開閉板623と開閉板633の対向する側面同士が当接される状態にあるときのセンサー251は、対応する開閉板633の側面に形成された収容部71に収納され、センサー252は、対応する開閉板623の側面に形成された収容部72に収納される。これにより、開閉板623と開閉板633の当接面を、図8に示すように密着させることができる。
【0047】
ところで、開閉板621〜623の移動方向と直交する両側面には、図9、図10に示すように、例えば2個のローラ91が取り付けられ、ランプハウス内に取り付けられた図示しないレールを走行させることにより、シャッター62,63の開閉をスムースに行うことができる。
【0048】
次に、図11を参照し、シャッターを移動してセンサーをスキャンさせて紫外光の配光分布を測定例について説明する。図12では、図11の測定結果に基づき、複数のランプの均斉度を向上させる制御について説明する。
【0049】
なお、図11、図12は、図7で説明したランプ121〜126が照射面61に照射される紫外光の配光分布を、センサー251,252でスキャンする紫外線照射装置を用いた例を示している。また、各図の下側にはセンサーが検出した紫外光の照度レベルが予め設定した上限と下限内にあるかどうかのレベルが示されている。
【0050】
まず、ランプ141〜146にそれぞれ対応のエリアA1〜A6における配光分布の測定について、図11を用いて説明する。図11(a)はシャッター62,63を閉鎖した状態を、図11(b)はシャッター62,63を開放する途中段階を、図11(c)はシャッター62,63を完全に開放する直前の状態をそれぞれ示している。
【0051】
図11(a)では、シャッター62,63が閉鎖されていることから、センサー251,252は紫外光の検出がなく発光分布が表れない。図11(b)では、シャッター62,63が半開きの状態であることから、開閉板623と開閉板633の間を通過した照射エリアA3,A4の一部の紫外光が得られる。ここでの紫外光は、予め制御部27に設定された基準値の下限よりも小さいレベルである。
【0052】
図11(c)では、シャッター62,63が開放された状態となり、センサー251,252は残りの照射エリアA1,A2それにA5,A6をスキャンする。スキャンし得られたエリアA1,A2,A5の紫外光は、上限と下限のレベルにあり、エリアA6では上限を超える量であることが判る。
【0053】
なお、図11(b)でのエリアA3は、下限よりも照度が低いものの、シャッター62がさらに開放方向に移動した部分では下限よりも照度が高くなり、平均した場合のエリアA3の紫外光は基準値であると判断する。同様に、エリアA5では、下限よりも低い量の部分もあるが、平均した場合のこのエリアの紫外光は基準値であると判断する。
【0054】
シャッター62,63が完全に開放され、センサー251,252が開閉板622,632に隠れる状態になると、照度分布は図11(a)の状態となる。
【0055】
このように、図11の配光分布の測定では、エリアA4の照度が低く、エリアA6の照度が高い、という結果となった。この結果は、制御部27内のメモリに記憶される。
【0056】
次に、図11(c)で得られた配光分布の情報に基づいて均斉度を向上させる制御について、図12とともに説明する。図12(a)〜(c)では、図11(c)で得られた配光分布の情報を破線Bで示している。
【0057】
図11の配光分布の測定では、エリアA4では下限よりも照度が低く、エリアA6では上限よりも照度が高いという結果で、換言すればランプ144の放射強度が低く,ランプ146の放射強度が高い、ということである。
【0058】
エリアA4,A6の照度情報は、制御部27内のメモリに記憶されている。図12(a)では、シャッター62,63を開放させる。次に、図12(b)では、シャッター62,63を閉じる過程で、センサー252がランプ126と対向する位置に来た場合に制御部27は、ランプ126の照度を落とすように、ランプ126を駆動させる電源146の出力を低減させてランプ126によるエリアA6の照度が上限と下限のレベル内に入るように制御を行う。
【0059】
さらに、シャッター62,63を閉じて行き、図12(c)において、センサー252がランプ124と対向する位置に来た場合に制御部27は、ランプ124の照度を上げるように、ランプ124を駆動させる電源144の出力を増大させてランプ124の照度を、上限と下限のレベル内に入るように上げる制御を行う。
【0060】
このように、シャッター62,63の開閉と連動させてセンサー251,252をスキャンさせることで現状の認識、補正、照度分布の再確認行うことができる。
【0061】
この発明は、上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、センサーは1個と2個の例で説明したが、広範囲の配光分布を調べるために、センサーの数を増やしても構わない。ただし、あまり数を増やすと折角センサーを移動させたことによりセンサーの数を減らし制御系統を増やすことなく照度分布のフィードバック制御を実現する、この発明の目的との兼ね合いからその増やす限度は、センサーを固定し、必要な配光分布の状態が検出できる数未満とする。
【0062】
また、ランプは無電極ランプと水銀高圧ランプについて説明したが、所望波長の紫外光を発するものであれば、これらに限定されるものではない。さらに、ランプの照度制御は、一度配光分布を測定した後に照度の制御をするようにしたが、測定しながら照度制御を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0063】
11 ランプハウス
12 無電極ランプ
120〜126 ランプ
14,141〜146 電源
15 導波管
19 反射板
22 ダクト
222 開口
24,62,63 シャッター
25,251,252 センサー
261,262 遮蔽板
27 制御部
621〜623,631〜633 開閉板
71,72 収容部
91,92 ローラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプハウス内に配置された紫外線ランプから照射される紫外光に基づき、前記ランプハウス外に配置される被処理物を紫外線処理する紫外線照射装置において、
前記紫外光を放射させる前記ランプハウスに形成された開口と、
前記開口を開閉させるシャッターと、
前記シャッターに取着し、該シャッターの開閉に伴い前記紫外光の照度を検出するためのセンサーと、
前記センサーの検出結果に基づき、前記ランプの照度を調整する制御部と、を具備したことを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
前記シャッターは、前記ランプの管軸と直交する方向に移動させることを特徴とする請求1記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記シャッターは、互いに異なる方向から前記ランプの管軸と直交する方向に移動させ合わせるようにしたことを特徴とする請求1記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記シャッターは、前記ランプの管軸を非接触状態で回動させて移動させることを特徴とする請求1記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
前記センサーは、前記シャッターが開放した状態にある場合には前記紫外光の影響を受けないように配置したことを特徴とする請求項1記載の紫外線照射装置。
【請求項6】
前記センサーは、前記シャッターが閉鎖および開放した状態にある場合には前記紫外光の影響を受けないように配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項7】
前記シャッターは複数枚で構成し、該シャッターには少なくとも1個のセンサーを取着したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項8】
前記ランプは複数個で構成し、それぞれのランプの照度を前記センサーで検出し、該検出結果に基づき複数個の前記ランプの照度を個別に調整したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の紫外線照射装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−147909(P2011−147909A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12817(P2010−12817)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】