説明

組成物およびその使用

本発明は、グルタミン酸および/もしくはグルタミン、システイン、リボフラビン、コハク酸、フマル酸、コエンザイムQ10、ナイアシン、任意でビタミンC、ならびに/またはこれらの物質のプロドラックおよび/もしくはこれらの物質の塩を含む組成物に関する。この組成物は、いくつかの疾患状態、特に、高血糖および関連する疾患または障害を予防または治療するための栄養補助食品および/または医用薬剤として使用することができる。結果として、本発明はまた、人間医学および獣医学において使用するための薬学的組成物ならびに前記疾患を治療する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルタミン酸および/もしくはグルタミン、システイン、リボフラビン、コハク酸、フマル酸、コエンザイムQ10、ナイアシン、任意でビタミンC、ならびに/またはこれらの物質のプロドラックおよび/もしくはこれらの物質の塩を含む組成物に関する。この組成物は、いくつかの疾患状態、特に、高血糖および関連する疾患または障害を予防または治療するための栄養補助食品および/または医用薬剤として使用することができる。結果として、本発明はまた、人間医学および獣医学において使用するための薬学的組成物ならびに前記疾患を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
高血糖は様々な疾患状態に関連する状態である。症状として高血糖を伴う最も顕著な疾患状態の1つが糖尿病である。糖尿病は継続的な高血糖値から始まる全身疾患である。健常人は、典型的には、ホルモンのインシュリンによって血糖値を制御し、空腹状態で血糖値を約80〜約100mg/dlに保っている。糖尿病患者では、血糖値は125mg/dlを超えることがある。
【0003】
インシュリンが治療に最初に用いられてから、糖尿病は治療可能であるが慢性的な疾患状態になっており、主な健康リスクはこの疾患に関連する特有の長期合併症である。これらは、心血管疾患のリスク上昇、慢性腎不全、失明につながる可能性のある網膜障害、神経損傷、勃起不全(不能)、および切断リスクの伴う壊疽を含む。糖尿病の検査だけでなく、インスリン抵抗性の検査にも通常用いられるアッセイの1つが糖負荷試験である。診療における糖負荷試験は、投与されたグルコースがどれくらいの速さで血液から除去されるかを測定する。グルコースは、ほとんどの場合、経口投与されるので、一般的な試験は技術的には経口糖負荷試験(OGTT)である。糖尿病治療に利用可能な薬物がいくつかある。糖尿病治療用の経口薬は4つのカテゴリーに分類される。第1のカテゴリーにはグルコース吸収阻害剤、例えば、αグルコシダーゼ阻害剤がある。第2のカテゴリーには、肝臓におけるグルコース生成の阻害剤、例えば、ビグアニドがある。第3のカテゴリーは、身体のインシュリン感受性を改善する薬物、例えば、チアゾリジン誘導体を含む。第4のカテゴリーには、インシュリン分泌刺激剤、例えば、スルホニル尿素またはテナグリニド(tenaglinid)が属する。これらの薬物は、グルコース代謝を制御するインシュリンの作用に本質的に依存している。
【0004】
一般的に、個体の健康状態を改善するために非常に多くの栄養補助食品を利用することができる。通常、これらの栄養補助食品は、ビタミンおよび代謝に関連する他の物質の使用に基づいている。これらの一部は、糖尿病または糖尿病に関連する状態に罹患している患者にも有益であるとも主張している。例えば、米国特許出願第2002155163号(特許文献1)では、デイリーマルチビタミン(daily multi-vitamin)と無機質の組み合わせが糖尿病の人の補助的治療において有用であり得ると提案されている。この組成物は、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンB6、フォレート、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、コリン、イノシトール、パラアミノ安息香酸、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、ヨウ素、セレン、マンガン、クロム、モリブデン、ホウ素、亜鉛、カリウム、ケイ素、硫黄、バナジウム、シトラスビオフラボノイド複合体、ヘスペリジン複合体、ルチン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、リコペン、ルテイン、コエンザイムQ10、およびαリポ酸を含む。別の例では、糖尿病性ニューロパシーを治療するために、活性成分としてビタミンC、ビタミンE、イチョウ(Gingko biloba)、ならびにビタミン、無機質、アミノ酸、およびハーブからなる群より選択される少なくとも1つの物質を含み、生理学的に許容される薬学的な担体または希釈剤も含む薬学的組成物を使用することが提案されている(WO2005/117924(特許文献2))。
【0005】
以前は、栄養を改善し、全身の健康を向上させるために栄養補助食品に代謝に関連する非常に多くの成分を含めることはありふれたことだったので、これらの物質を併用することによって患者に有益な効果が本当に生まれるかどうか確認されることなく、数十種類の物質を含む組成物が作られてきた。さらに悪いことには、無制限の数の成分を常軌を逸して組み合わせると消費者において重篤な副作用が生じる可能性がある。従って、このような組成物中の成分は、好ましくは、無作為に組み合わせるべきではなく、注意深く、かつ深い知識に基づいて選択すべきであることがますます明らかになっている。
【0006】
従って、糖尿病などの高血糖関連疾患を予防および/または治療するために、投与しやすく、薬学的に許容され、副作用が無いか、またはほとんど無い薬物および組成物が依然として必要とされている。特に、インシュリンの作用に頼らず(またはごくわずかしか頼らず)、妥当な数の成分を含む薬物が必要とされている。従って、本発明の目的は、糖尿病などの高血糖関連疾患の治療および/または予防のために血糖を下げるのに有効な組成物を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第2002155163号
【特許文献2】WO2005/117924
【発明の概要】
【0008】
発明の簡単な概要
ビタミンC、グルタミン酸および/またはグルタミン、システイン、リボフラビン、コハク酸、フマル酸、コエンザイムQ10、ならびにナイアシンを含む組成物を投与すると血糖値が下がることが発見された。この発見は本発明を開発するのに利用された。本発明は、少なくとも部分的には、高血糖および/もしくは高血糖関連疾患、例えば、糖尿病を治療するための組成物、高血糖および/もしくは高血糖関連疾患を予防するための組成物、または高血糖および/もしくは高血糖関連疾患の症状の発症を遅延するための組成物、ならびに高血糖および/もしくは高血糖関連疾患を治療する方法、高血糖および/もしくは高血糖関連疾患を予防する方法、または高血糖および/もしくは高血糖関連疾患の症状の発症を遅延する方法に関する。
【0009】
従って、一局面において、本発明は、グルタミン酸、グルタミン、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;システイン、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;リボフラビン、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;コハク酸、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;フマル酸、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;ナイアシン、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;コエンザイムQ10、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;および、任意で、ビタミンC、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のものを含む組成物を特徴とする。1つの態様において、組成物は他の成分を含む。
【0010】
別の態様では、組成物はさらなる成分を含まない。例えば、組成物は、さらなるビタミン、アミノ酸、有機酸、ヌクレオチド、多糖、オリゴ糖、二糖、または単糖を含まない。
【0011】
ある態様では、組成物は、約0.01g〜約50g、例えば、約0.1g〜約10g、例えば、約0.25g〜約5g、例えば、約0.5g〜約3g、例えば、約0.75g〜約2g、例えば、約1.5gのグルタミン酸、グルタミン、またはグルタミン酸およびグルタミンの組み合わせを含む。
【0012】
ある態様では、組成物は、約0.01g〜約50g、例えば、約0.1g〜約10g、例えば、約0.2g〜約5g、例えば、約0.25g〜約3g、例えば、約0.3g〜約1g、例えば、約0.5gのシステインを含む。
【0013】
他の態様では、組成物は、約0.001g〜約50g、例えば、約0.005g〜約10g、例えば、約0.01g〜約1g、例えば、約0.01g〜約0.1g、例えば、約0.04gのリボフラビンを含む。
【0014】
ある態様では、組成物は、約0.001g〜約50g、例えば、約0.001g〜約10g、例えば、約0.01g〜約2g、例えば、約0.01g〜約1g、例えば、約0.1gのコハク酸を含む。
【0015】
さらに他の態様では、組成物は、約0.001g〜約50g、例えば、約0.001g〜約10g、例えば、約0.01g〜約2g、例えば、約0.01g〜約1g、例えば、約0.1gのフマル酸を含む。
【0016】
他の態様では、組成物は、約0.001g〜約50g、例えば、約0.001g〜約10g、例えば、約0.001g〜約1g、例えば、約0.001g〜約0.1g、例えば、約0.001g〜約0.05g、例えば、約0.001g〜約0.03g、例えば、約0.005g〜約0.02g、例えば、約0.01g〜約0.015gのナイアシンを含む。ある態様では、組成物は、約0.005g、約0.01g、約0.015g、または約0.02gのナイアシンを含む。
【0017】
ある態様では、組成物は、約0.001g〜約50g、例えば、約0.001g〜約10g、例えば、約0.01g〜約2g、例えば、約0.01g〜約1g、例えば、約0.25gのコエンザイムQ10を含む。
【0018】
さらに他の態様では、組成物は、任意で、約0.01g〜約50g、例えば、約0.1g〜約10g、例えば、約0.25g〜約5g、例えば、約0.5g〜約3g、例えば、約0.75g〜約1.5g、例えば、約1gのビタミンCを含む。
【0019】
1つの態様では、組成物は、約1.5gのグルタミン酸、約1.5gのグルタミン、または約1.5gのグルタミン酸およびグルタミンの組み合わせ;約0.5gのシステイン;約0.04gのリボフラビン;約0.1gのコハク酸;約0.1gのフマル酸;約0.01gのナイアシン;約0.25gのコエンザイムQ10;および約1gのビタミンCを含む。
【0020】
他の態様では、組成物は、図12に記載の組成物の1つである。
【0021】
好ましい態様では、組成物はグルコースを含まない。他の態様では、組成物はビタミンCを含まない。
【0022】
ある態様では、組成物は、錠剤形態、カプセル形態、散剤形態、または液体形態である。
【0023】
別の局面では、本発明は、本明細書に記載の組成物を含む栄養補助食品を特徴とする。栄養補助食品は、例えば、食べ物もしくは飲み物を摂取する前、食べ物もしくは飲み物を摂取すると同時に、または食べ物もしくは飲み物を摂取した後に摂取することができる。ある態様では、食べ物または飲み物は、炭水化物、例えば、高濃度の炭水化物を含有する。
【0024】
ある態様では、補助食品は、ビタミン、アミノ酸、または代謝に重要な他の物質などのさらなる物質を含んでもよい。しかしながら、特に好ましい態様では、補助食品は、本明細書に記載の組成物を含むが、さらなるビタミン、アミノ酸、有機酸、ヌクレオチド、多糖、オリゴ糖、二糖、または単糖を含まない。好ましい態様では、補助食品はグルコースを含有しない。
【0025】
ある態様では、補助食品はヒトに使用するためのものである。他の態様では、補助食品は非ヒトに使用するためのもの、例えば、動物の餌、例えば、ペットフードの補助食品として使用するためのものである。
【0026】
別の局面では、本発明は、本明細書に記載の組成物を含む薬学的組成物を特徴とする。ある態様では、薬学的組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤、例えば、本明細書に記載の薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤を含む。
【0027】
別の局面では、本発明は、被験体における高血糖を治療または予防する方法を特徴とする。この方法は、本明細書に記載の組成物、栄養補助食品、または薬学的組成物、例えば、治療的有効量の本明細書に記載の組成物、栄養補助食品、または薬学的組成物を被験体に投与して、被験体における高血糖を治療または予防する工程を含む。
【0028】
ある態様では、高血糖は、食べ物および/または飲み物の摂取に伴うものである。他の態様では、高血糖は異常な値の高血糖であり、例えば、疾患または障害の結果としての異常な値の高血糖である。ある態様では、被験体は高血糖を有するか、罹患している。他の態様では、被験体は高血糖を発症するリスクがある。ある態様では、組成物、補助食品、または薬学的組成物は、高血糖に対する1つまたは複数のさらなる療法と併用して投与される。
【0029】
別の局面では、本発明は、高血糖に関連する疾患または障害の治療または予防を必要とする被験体において、高血糖に関連する疾患または障害を治療または予防する方法を特徴とする。この方法は、本明細書に記載の組成物、栄養補助食品、または薬学的組成物、例えば、治療的有効量の本明細書に記載の組成物、栄養補助食品、または薬学的組成物を被験体に投与して、高血糖に関連する疾患または障害を治療する工程を含む。
【0030】
高血糖に関連する疾患または障害は、例えば、I型糖尿病、II型糖尿病、ステロイド糖尿病、妊娠糖尿病、二次性糖尿病、バセドー病(Morbus Basedow)、先端肥大症、急性心臓発作、副腎機能亢進、褐色細胞腫、吸入麻酔、ショック、一酸化炭素中毒、髄膜炎、頭蓋脳損傷、脳腫瘍、特発性高血糖、空腹時血糖異常(IFG)、または耐糖能障害(IGT)でもよい。ある態様では、被験体は、本明細書に記載の高血糖に関連する疾患または障害を有するか、罹患している。他の態様では、被験体は、本明細書に記載の高血糖に関連する疾患または障害を発症するリスクがある。ある態様では、組成物、補助食品、または薬学的組成物は、高血糖に関連する疾患または障害に対する1つまたは複数のさらなる療法と併用して投与される。
【0031】
別の局面では、本発明は、被験体において糖尿病を治療する方法を特徴とする。この方法は、本明細書に記載の組成物、栄養補助食品、または薬学的組成物、例えば、治療的有効量の本明細書に記載の組成物、栄養補助食品、または薬学的組成物を被験体に投与して、糖尿病を治療する工程を含む。ある態様では、組成物、栄養補助食品、または薬学的組成物は、1つまたは複数のさらなる糖尿病療法、例えば、インシュリン療法と併用して投与され、それによって被験体における糖尿病を治療する。
【0032】
別の局面では、本発明は、被験体における糖尿病の症状の発症を阻止または遅延する方法を特徴とする。この方法は、本明細書に記載の組成物、栄養補助食品、または薬学的組成物、例えば、治療的有効量の本明細書に記載の組成物、栄養補助食品、または薬学的組成物を、糖尿病を発症するリスクのある被験体に投与して、糖尿病を治療する工程を含む。
【0033】
別の局面では、本発明は、被験体における糖尿病の症状の発症を阻止または遅延する方法を特徴とする。この方法は、糖尿病を発症するリスクのある被験体を特定し、本明細書に記載の組成物、栄養補助食品、または薬学的組成物、例えば、治療的有効量の本明細書に記載の組成物、栄養補助食品、または薬学的組成物を被験体に投与し、それによって被験体における糖尿病の症状の発症を阻止または遅延する工程を含む。
【0034】
ある態様では、特定する工程は、糖尿病を発症する危険因子、例えば、本明細書に記載の危険因子が存在するかどうか被験体を評価する工程を含む。
【0035】
定義
本明細書で使用する「高血糖」という用語は、被験体における基底値と比較して高い血糖値を意味する。本明細書で使用する「基底値」は、空腹時の正常被験体の血糖値を意味する。一般的に、高血糖は約100mg/dlを超える血糖値を指す。特に、高血糖は、空腹時に約110mg/dlを超え、食事をして2時間後に約140mg/dlを超える血糖値を指す。
【0036】
本明細書で使用する「高血糖に関連する疾患または障害」という用語は、不適切に高い血糖値を症状として有する(すなわち、高血糖を示す)疾患または障害、および高血糖、例えば、反復性または慢性の高血糖の結果であり得る疾患または障害を意味する。非限定的で例示的な、高血糖に関連する疾患および障害は、いくつかの型の糖尿病(特に、I型糖尿病およびII型糖尿病、ステロイド糖尿病(クッシング病)、妊娠糖尿病、ならびに他の疾患状態(例えば、膵炎、肥満)によって誘発される二次性糖尿病)、バセドー病、先端肥大症、急性心臓発作、副腎機能亢進、褐色細胞腫、吸入麻酔、ショック、一酸化炭素中毒、中枢神経系障害(例えば、髄膜炎、頭蓋脳損傷、脳腫瘍など)、ならびに新生児における特発性高血糖を含む。
【0037】
本明細書で使用する「糖尿病」という用語は、高血糖値に関連する任意の種類の糖尿病を意味する。「糖尿病」は、例えば、I型糖尿病およびII型糖尿病、ステロイド糖尿病(クッシング病)、妊娠糖尿病、ならびに他の疾患状態(例えば、膵炎、肥満)によって誘発される数種の二次性糖尿病を含む。
【0038】
本明細書で使用する「剤形」は、一度に服用される、任意で定期的に服用される量の薬剤を意味する。
【0039】
本明細書で使用する「補助食品」という用語は、食事または飲み物に加えて摂取される組成物を意味する。補助食品の摂取は、食事もしくは飲み物が取り込まれる前に、食事もしくは飲み物が取り込まれるのと同時に、または食事もしくは飲み物が取り込まれた後に行われてもよい。摂取が食事または飲み物と同時に行われるのであれば、補助食品は、それぞれの食事または飲み物それ自体の構成要素、すなわち、添加物でもよく、食事または飲み物とは異なる供給源から摂取されてもよい。本明細書で使用する「構成要素」は、組成物の一部をなす物質または成分である。
【0040】
本明細書で使用する「プロドラッグ」という用語は、ヒトまたは動物に取り込まれた後に物質が代謝された結果として、本明細書に記載の組成物の少なくとも1つの活性成分に変換される物質を意味する。この用語は、代謝後に、本明細書に記載の組成物の活性成分の1つを、ごくわずかな程度にしか生じない物質を意味することを目的としない。例えば、タンパク質およびペプチドは、代謝の間に、個々のアミノ酸に消化される。従って、グルタミン酸、グルタミン、および/またはシステインに富むタンパク質またはペプチドはプロドラッグとして機能することができるが、グルタミン酸、グルタミン、および/またはシステインの頻度がほぼ平均的な、またはわずかに高いタンパク質またはペプチドは、その物質のプロドラッグとみなされるにすぎない。特に、「プロドラッグ」という用語は、5回、好ましくは4回、さらにより好ましくは3回、さらにより好ましくは2回、最も好ましくは1回の代謝反応で、本明細書に記載の組成物の活性成分に代謝される物質を意味する。
【0041】
本明細書で使用する「治療」または「治療する」という用語は、統計的に有意な程度または当業者に検出可能な程度まで、疾患もしくは障害に関連する状態、症状、もしくはパラメータを改善するのに、または疾患もしくは障害の進行を阻止もしくは遅くするのに有効な量、やり方、および/もしくは形式で療法を施すことを意味する。有効な量、やり方、または形式は被験体によって異なってもよく、被験体に合わせてもよい。
【0042】
本明細書で使用する「〜を必要とする被験体」という表現は、本明細書に記載の1つまたは複数の疾患または障害の治療を必要とするヒトまたは非ヒト動物を意味する。「〜を必要とする被験体」は、本明細書に記載の疾患もしくは障害の1つもしくは複数の症状を有する、または本明細書に記載の疾患もしくは障害の危険因子を有するもしくは示す、ヒトまたは非ヒト動物でもよい。このような被験体は、本明細書に記載の1つまたは複数の疾患または障害の臨床診断を受けているヒトまたは非ヒト動物でもよいが、必ずしも、本明細書に記載の1つまたは複数の疾患または障害の臨床診断を受けているヒトまたは非ヒト動物とは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
以下の説明を添付の図面と共に読めば、本発明の前述の目的および他の目的、本発明の様々な特徴、ならびに本発明それ自体がさらに十分に理解され得る。
【図1】補助食品を用いた、または補助食品を用いない経口糖負荷試験(OGTT)の間の血糖値のグラフである。
【図2】補助食品を用いた、または補助食品を用いない経口糖負荷試験(OGTT)の間の血中インシュリン濃度のグラフである。
【図3】補助食品を用いて、または補助食品を用いずに食べ物が取り込まれた後の血糖値のグラフである。
【図4】補助食品を用いて、または補助食品を用いずに食べ物が取り込まれた後の血中インシュリン濃度のグラフである。
【図5】グルタミンまたはグルタミン酸を含有する補助食品を用いた、または補助食品を用いない経口糖負荷試験(OGTT)の間の血糖値のグラフである。
【図6】グルタミンまたはグルタミン酸を含有する補助食品を用いた、または補助食品を用いない経口糖負荷試験(OGTT)の間の血中インシュリン濃度のグラフである。
【図7】補助食品が低血糖値に及ぼす効果のグラフである。
【図8】カニクイザルにおける、補助食品を用いた、または補助食品を用いない経口糖負荷試験(OGTT)の間の血糖値のグラフである。
【図9】カニクイザルにおける、補助食品を用いた、または補助食品を用いない経口糖負荷試験(OGTT)の間の血中インシュリン濃度のグラフである。
【図10】ビタミンCを欠く補助食品または様々な量のビタミンCを含有する補助食品を用いた、または用いない経口糖負荷試験(OGTT)の間の血糖値のグラフである。
【図11】ビタミンCを欠く補助食品または様々な量のビタミンCを含有する補助食品を用いた、または用いない経口糖負荷試験(OGTT)の間の血中インシュリン濃度のグラフである。
【図12A】本明細書に記載の組成物の例のリストである。
【図12B】本明細書に記載の組成物の例のリストである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
詳細な説明
本発明は、例えば、補助食品(例えば、健康補助食品もしくは栄養補助食品)または医薬であり得る組成物、高血糖または高血糖関連疾患を有する被験体を本明細書に記載の組成物で治療する方法、ならびにこのような組成物を投与することによって被験体における高血糖および/または高血糖関連疾患を治療および/または予防する方法を特徴とする。本明細書に記載のように、組成物は、グルタミン酸、グルタミン、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;システイン、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;リボフラビン、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;コハク酸、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;フマル酸、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;ナイアシン、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;コエンザイムQ10、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;および、任意で、ビタミンC、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のものを含んでもよい。
【0045】
ビタミンCはアスコルビン酸とも呼ばれ、身体によって多くの目的に用いられる。それの群を抜く主な目的は還元剤として機能することである。本明細書に記載の組成物において、ビタミンC(アスコルビン酸)ならびにその塩、例えば、アスコルビン酸塩を使用することができる。
【0046】
グルタミン酸は非必須アミノ酸である。グルタミン酸はヒト代謝において重要な役割を果たしており、神経伝達物質として機能することができる。後者のために、グルタミン酸はしばしば栄養補助食品中に用いられる。本明細書に記載の組成物において、グルタミン酸ならびにその塩、例えば、グルタミン酸塩を使用することができる。
【0047】
グルタミンは、タンパク質の重要な成分であることに加えて、窒素代謝において重要な役割を果たす非必須アミノ酸である。グルタミンは、ウェートリフティング、ボディービル、持久運動(endurance)、および他のスポーツの補助食品として、ならびに筋痙攣または疼痛に苦しんでいる人、特に、老人に用いられる。本明細書に記載の組成物において、グルタミンならびにグルタミン塩を使用することができる。
【0048】
システインは、チオール基を有し、ほとんどのタンパク質において見られる天然アミノ酸である。システインは空気に曝露されると酸化して、弱いジスルフィド結合によってつながった2個のシステイン分子の二量体であるシスチンを形成する。硫黄をベースとするアミノ酸として、システイン自体が体内の抗酸化物質として作用することができる。システインはヒト代謝における重要な硫黄源である。システインは非必須アミノ酸として分類されるが、乳児、老人、代謝病または吸収不良症候群に罹患している人に不可欠なものである場合がある。システインは、ある時点では、必須アミノ酸または条件つきの必須アミノ酸(conditionally essential amino acid)と認められることがある。本明細書に記載の組成物において、システイン、その塩、およびシスチンを使用することができる。場合によっては、シスチンは、システインの例示的なプロドラッグとして用いられる。
【0049】
リボフラビン(ビタミンB2)は、ヒトを含む高等動物に必須の化合物である。リボフラビンは、ビタミン欠乏症において使用するためのビタミン調合物として、および栄養補助食品として商業的に用いられる。さらに、リボフラビンは、食用色素、例えば、マヨネーズ、アイスクリームなどの食用色素としても用いられる。リボフラビンは化学的または微生物学的に調製することができ、いくつかの製造業者から入手することができる。生物学的に活性なリボフラビンは、フラビンモノヌクレオチド(FMN)またはフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)である。これらの活性型およびその還元型であるFMNH2およびFADH2は全て本明細書に記載の組成物において使用することができる。
【0050】
コハク酸はブタン二酸、アンバー酸、およびE363とも呼ばれ、栄養補助食品として、例えば、規定食(dietary meal)の中の料理用塩の代用品として、または風味相乗剤として用いられる。クエン酸回路の中で、コハク酸の塩であるコハク酸塩は受容体シュウ酸の再生に関与している。本明細書に記載の組成物において、コハク酸、ならびにスクシナートおよびその無水型であるコハク酸無水物を使用することができる。
【0051】
フマル酸は2-ブテン二酸、アロマレイン酸、ボレチン酸、および地衣酸とも呼ばれ、フレーバーとして用いられ、従って、食品添加物および健康補助食品の一般的な成分である。本明細書に記載の組成物において、フマル酸ならびにその塩、例えば、フマル酸塩を使用することができる。
【0052】
コエンザイムQ10はCoQ10、ユビキノン-10、およびユビキノン50としても知られ、ヒトミトコンドリアにおいて最もよくみられるCoQである。ヒトミトコンドリアにおいて、それは電子伝達系に関与している。それは、その抗酸化機能のために補助食品として用いられる。
【0053】
ナイアシンは、ニコチン酸(ニコチネート)およびビタミンB3としても知られる。この用語はまた、アミド型であるニコチンアミドまたはナイアシンアミドも含む。生物学的に活性な形態であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、ならびにその還元型であるNADHおよびNADPHは、全ての生物の代謝において必須の役割を果たしている。ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、デスアミド-NAD、デアミノ-NAD(ニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチドとも知られる)は、ナイアシン分子を含有する代謝中間体である。本明細書に記載の組成物において、これらの形態の全てを使用することができる。ナイアシン分子を含有するNAD、NADH、NADP、NADPH、NMN、デアミド-NAD、および/またはデアミノ-NADも本明細書に記載の組成物において使用することができる。
【0054】
タンパク質およびペプチド、すなわち、アミノ酸の重合体は小腸において容易に消化される。従って、かなりの程度でシステイン、グルタミン酸、および/またはグルタミン、ならびにその組み合わせからなるタンパク質およびペプチドもまた本明細書に記載の組成物において使用することができる。例えば、システイン、グルタミン、および/またはグルタミン酸のアミノ酸頻度が30パーセント、35パーセント、40パーセント、50パーセント、またはそれ以上のパーセントであるタンパク質およびペプチドは、本明細書に記載の組成物においてプロドラッグとして機能することができ、かつグルタミン酸、グルタミン、および/またはシステインの代替として、またはこれらに加えて使用することができる。未知のペプチドおよび/またはタンパク質のアミノ酸含有量は、例えば、アミノ酸分析計によって求めることができる。合成により生成されたペプチドの場合、合成ペプチドの設計から特定のタイプのアミノ酸の量が分かる。ペプチド、例えば、合成ペプチドの分子量、ペプチド、例えば、合成ペプチド中の望ましいアミノ酸の分子量および望ましいアミノ酸種の残基の数を用いれば、当業者は、本明細書に記載の組成物の投与に必要なペプチド、例えば、合成ペプチドの量を容易に求めることができる。
【0055】
補助食品
本明細書に記載の組成物は補助食品でもよく、食べ物または飲み物、例えば、炭水化物含有量が多い食べ物または飲み物を摂取する前、摂取すると同時に、または摂取した後に摂取することができる。補助食品は様々な配合物として存在することができる。
【0056】
例えば、ある配合物では、本明細書に記載の補助食品は液体でもよい。液体中で、本明細書に記載の組成物は、食べ物または飲み物の摂取後に血糖値を基底値まで下げるのに有効な投与量で存在する。液体は、例えば、シロップ型の液体でもよく、シロップ型の液体は食べ物または飲み物に添加することができる。または、液体はそれだけで摂取することができる。場合によっては、補助食品は、摂取前に希釈される液体、例えば、水で希釈される液体である。
【0057】
別の配合物において、補助食品は錠剤またはカプセルである。例えば、このような錠剤またはカプセルは、嚥下を容易にする形状および寸法のものでもよい。または、錠剤またはカプセルは、摂取のために液体、例えば、水に溶解されてもよい。それぞれの錠剤またはカプセルは、食べ物または飲み物の摂取後に血糖値を下げるのに十分な投与量の補助食品を含有してもよい。他の場合では、有効な投与量は複数の錠剤および/またはカプセルを含む。このような場合、錠剤および/またはカプセルは、適切な数の錠剤および/またはカプセルを含む投薬用容器に入れられてもよい。
【0058】
他の配合物において、本明細書に記載の補助食品の成分は別々に、例えば、別々の液体、カプセル、または錠剤の中に存在してもよい。例えば、成分の一部を含む配合物、例えば、カプセルと、残りの成分を含む第2の配合物、例えば、第2のカプセルを提供することが可能である。このような場合、別々の配合物は同時に、または短い間隔で摂取されることが好ましい。
【0059】
錠剤またはカプセルはまた適切な担体物質も含んでよい。担体物質の例は当業者に公知である。例示的な担体物質は、ソルビトール、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、ゼラチン、およびメチルセルロースである。
【0060】
他の状況では、補助食品は立方体型で配合されてもよく、軟ゲルで配合されてもよい。
【0061】
他の配合物において、補助食品は、散剤、例えば、凍結散剤(cryopowder)である。散剤は、食べ物および/または液体に直接添加されてもよく、最初に溶解され、例えば、水に溶解され、その後に使用されてもよい。
【0062】
配合物は、甘味剤、フレーバー、防腐剤、安定剤、着色剤、および色素などの添加物を含んでもよい。好ましい配合物において、このような添加物はグルコース化合物に基づかない。例示的な添加物は、適量のフルーツジュース抽出物、ウコン、タンニン、パナクス・ノトジンセン(Panax notoginseng)の粉末、およびツルニチニチソウ(Vinca rosea)を含む。他の添加物は、ウーロン茶、アロエベラ、およびスパイラルウォーターアルガエ(spiral water algae)を含む。
【0063】
場合によっては、補助食品は、糖尿病食と適合するように調製される。例えば、糖尿病食は、甘いものの摂取を制限すること、(食事1回あたりに摂取される量を減らしながら)1日あたりの食事の回数を増やすこと、摂取される炭水化物の量およびタイプをモニタリングすること、全粒食品、果物、および/または野菜を食事に加えること、低脂肪食品を摂取すること、ならびにアルコールの摂取を減らすか、またはやめることを含んでもよい。特に、糖尿病食が1日あたりの食事の回数を増やすことを含むのであれば、本明細書に記載の補助食品はそれぞれの食事と同時に摂取されてもよく、好ましくは、それに応じて配合される。
【0064】
場合によっては、補助食品は、補助食品を必要とする被験体によって定期的に摂取されるように配合される。例えば、補助食品は、毎日摂取されるように、1日おきに摂取されるように、毎週摂取されるように、1日に数回(例えば、1日に2回、3回、4回、5回、もしくはそれ以上)摂取されるように配合されてもよく、被験体の健康状態に適した他の任意の投与計画のために配合されてもよい。
【0065】
他の場合では、補助食品は、食事および/または飲み物が摂取される前に摂取される。特に、補助食品は、食事をとるおよび/または飲み物を飲む約5分前、約10分前、約15分前、約20分前、約25分前、約30分前、約40分前、約45分前、約60分前、約120分前、またはそれよりさらに前に摂取することができる。食事および/または飲み物を摂取する約20〜約30分前に補助食品を摂取することが特に好ましい。
【0066】
薬学的組成物
本明細書に記載の組成物は、薬学的組成物として、例えば、固体または液体の薬学的に許容される適切な担体、賦形剤、または希釈剤と共に製剤化することができる。このような薬学的に許容される担体、賦形剤、および希釈剤は従来のものであり、当業者に公知である(例えば、Harrison's Principles of Internal Medicine, 14th Edition, McGraw-Hill, 1998を参照されたい)。担体の一例は生理食塩水のビヒクルであるが、生理学的濃度の他の無毒の塩、滅菌水などの他の薬学的に許容される担体も使用できることが意図される。場合によっては、適切な緩衝液を使用することが望ましい。
【0067】
適切な担体、賦形剤、および希釈剤のいくつかの例は、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、ケイ酸カルシウム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、ゼラチン、シロップ、メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、マグネシウム、ステアレート、水、鉱油などを含む。さらに、薬学的組成物は、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、防腐剤、甘味剤、またはフレーバー剤を含んでもよい。薬学的組成物は、当技術分野において周知の手順を用いることによって、被験体に投与された後に活性成分の迅速な放出、持続放出または遅延放出を提供するために製剤化されてもよい。製剤はまた、タンパク質分解を減らし、吸収を促進する物質、例えば、界面活性剤を含有してもよい。
【0068】
担体はまた、製剤のpH、浸透圧モル濃度、粘性、透明性、色、無菌性、安定性、溶解速度、または匂いを改変または維持するために、薬学的に許容される他の賦形剤を含有してもよい。同様に、担体は、放出、または吸収、または血液脳関門の透過を改変または維持するために、薬学的に許容されるさらに他の賦形剤を含有してもよい。賦形剤はまた、連続注入または定期注入用の投与量を製剤化するために通常および習慣的に用いられる物質でもよい。
【0069】
本明細書に記載の組成物はまた、例えば、インビボでの半減期、貯蔵寿命、バイオアベイラビリティ、または味を改善する薬物担体を用いて製剤化されてもよい。場合によっては、組成物は、薬理学的に作用する特定の組織または特定の部位への組成物の適用および/または薬剤の標的化送達を容易にするように製剤化されてもよい。例えば、組成物は、例えば、徐放薬物送達系の一成分として、ナノ粒子、ナノエマルジョン、リポソーム、プロドラッグ、ポリマーミセル、またはコロイド薬物担体に組み込まれてもよい(例えば、Remington, The Science and Practice of Pharmacology, 20th Edition, Lippincott Williams & Wilkins, 2000を参照されたい)。
【0070】
薬学的組成物の剤形は、選択された投与形式によって決まる。例えば、経口製剤に加えて、注射用液体および局所製剤を使用することができる。経口製剤は、液体(例えば、シロップ、溶液、もしくは懸濁液)でもよく、固体(例えば、散剤、丸剤、錠剤、もしくはカプセル)でもよい。局所製剤は点眼薬、軟膏、スプレーなどを含んでもよい。固体組成物の場合、従来の無毒の固体担体は、薬学的グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムを含んでもよい。このような剤形を調製する実際の方法は当業者に公知であるか、当業者に明らかであろう。
【0071】
投与
本明細書に記載の組成物は、当業者に公知の様々なやり方でヒトまたは他の動物に投与することができ、例えば、経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、およびくも膜下腔内投与することができる(例えば、Harrison's Principles of Internal Medicine, 14th Edition、McGraw-Hill, 1998を参照されたい)。経口投与の場合、薬学的組成物は、補助食品について前述したように製剤化することができる。特定の投与形式および投与計画は、主治医が症例の詳細(例えば、関与する被験体および疾患状態)を考慮することによって選択することができる。
【0072】
薬学的組成物は、血糖値またはインシュリン濃度が既に高くなっている場合に投与することができるが、血糖値もしくはインシュリン濃度が近い将来に(例えば、食事をとった結果として)上昇すると予想される場合、または血糖値もしくは血中インシュリン濃度の上昇が患者の健康および/もしくは状態に有害な場合にも前もって投与することができる。後者の(有害作用の)場合、薬学的組成物は、血糖値および/もしくはインシュリン濃度のピークの先手を打つように、ならびに血糖値および/もしくはインシュリン濃度のピークを阻止するように投与することができる。
【0073】
場合によっては、薬学的組成物は、薬学的組成物を必要とする被験体への定期的な投与のために製剤化される。例えば、薬学的組成物は、毎日投与されるように、1日おきに投与されるように、毎週投与されるように、1日に数回(例えば、1日に2回、3回、4回、5回、もしくはそれ以上)投与されるように製剤化されてもよく、または被験体の健康状態に適した他の任意の用法のために製剤化されてもよい。特に、薬学的組成物は、食べ物が取り込まれる前に投与されるように製剤化することができる。
【0074】
他の場合では、薬学的組成物は、食事および/または飲み物が摂取される前に、特に、食事をとるおよび/または飲み物を飲む約5分前、約10分前、約15分前、約20分前、約25分前、約30分前、約40分前、約45分前、約60分前、約120分前、またはそれよりさらに前に投与される。好ましくは、薬学的組成物は、食事および/または飲み物が摂取される約20分〜約30分前に投与される。
【0075】
併用療法
場合によっては、本明細書に記載の薬学的組成物は、第2の薬学的組成物または別の治療方法と併用して投与することができる。糖尿病治療の場合、第2の薬学的組成物または治療方法は、例えば、グルコース吸収阻害剤(例えば、αグルコシダーゼ阻害剤)、肝臓におけるグルコース生成の阻害剤(例えば、ビグアニド)、インシュリン感受性を改善する薬物(例えば、チアゾリジン誘導体)、ならびに/またはインシュリン分泌刺激剤(例えば、スルホニル尿素および/もしくはテナグリニド)を投与することを含んでもよい。好ましくは、薬学的組成物はまた、糖尿病食、例えば、本明細書に記載の糖尿病食、または高血糖を低下もしくは予防するための他の食事療法とも適合する。この併用投与は、組成物がビタミンCを含まない場合に特に好ましい。この態様において、医用薬剤は、例えば、血糖値に影響を及ぼすが、血中インシュリン濃度には影響を及ぼさない、または不十分にしか影響を及ぼさない、さらなる薬学的組成物または治療方法と併用することができる。
【0076】
特に、本明細書に記載の組成物は、インシュリン治療が既に定期的に行われている場合に使用することができる。この併用療法において、本明細書に記載の組成物を投与すると、本明細書に記載の組成物の非存在下で投与しなければならないインシュリン濃度と比較して、患者に投与するのに必要であり得るインシュリン量を減らすことができる。これにより、例えば、糖尿病治療の保健コストが下がる。従って、本明細書に記載の組成物は、インシュリンと併用して投与するために製剤化することができる。
【0077】
疾患および障害
本明細書に記載の組成物は、一般的には、被験体の高血糖値および/または高い血中インシュリン濃度を下げるために、特に、高血糖および高血糖関連疾患状態、例えば、糖尿病、例えば、I型糖尿病および/またはII型糖尿病、ステロイド糖尿病(クッシング病)、妊娠糖尿病、および他の疾患状態(例えば、膵炎、肥満)によって誘発される二次性糖尿病;バセドー病、先端肥大症、急性心臓発作、副腎機能亢進、褐色細胞腫、吸入麻酔、ショック、一酸化炭素中毒、中枢神経系障害(例えば、髄膜炎、頭蓋脳損傷、および脳腫瘍)、ならびに新生児における特発性高血糖を予防および/または治療するために、ならびに体内のグルコース代謝を適度にすることによって前述の疾患の発症のリスクを下げるか、または前述の疾患の進行を遅らせるために被験体に投与することができる。
【0078】
本明細書に記載の組成物はまた、空腹時血糖異常(IFG)および/もしくは耐糖能障害(IGT)または他の前糖尿病状態の治療において使用することもできる。IFGおよびIGTは両方とも糖尿病より数年先に生じてもよい。従って、本明細書に記載の組成物は、真の糖尿病状態の発症を阻止するために、前糖尿病状態に罹患している被験体の高血糖値を下げるのに使用することができる。当然、本明細書に記載の組成物はまた、被験体が、高血糖に関連する疾患または障害、例えば、糖尿病状態を発症するリスクを高める遺伝的危険因子を示す場合、予防薬として使用することもできる。このような危険因子は本明細書に記載されており、例えば、インシュリン、インシュリン受容体遺伝子、および他のインシュリン代謝経路遺伝子の変異を含む。
【0079】
被験体
本明細書に記載の組成物は、年齢または性別に関係なく、本明細書に記載の組成物を必要とする任意の種類の被験体、例えば、ヒトまたは非ヒト動物に投与することができる。獣医学では、例えば、ネコ、イヌ、鳥類、ウシ、ウマ、げっ歯類などを治療することができる。
【0080】
本明細書に記載のある特定の方法では、糖尿病を発症するリスクのある被験体に本明細書に記載の組成物が投与される。このような被験体は、例えば、糖尿病の危険因子、例えば、遺伝的危険因子が存在するかどうか被験体を評価することによって特定することができる。
【0081】
このような危険因子は当技術分野において公知であり、例えば、HLA-DR3、HLA-DR4、およびHLA-DR3/HLA-DR4表現型を含んでもよい。他の危険因子は、米国特許第6,902,888号、同第7,173,119号、同第6,326,141号、同第6,316,209号、同第6,291,172号、同第6,274,549号、同第5,908,627号、同第5,786,221号、同第5,407,802号、および同第5,200,318号に記載されている。ヒトと、糖尿病好発系(diabetes-prone)非肥満糖尿病(non-obese diabetic)(NOD) マウスの両方において、主要組織適合複合体にマッピングされた遺伝子が糖尿病感受性と関連付けられ、疾患プロセスにおいて非常に重要であることが示されている(Todd, Immunol. Today 11 :122, 1990)。NODマウスの研究によって、少なくとも12の他の感受性遺伝子が特定の染色体位置にマッピングされている(Prochazka et al., Science 237:286, 1987; Todd et al., Nature 351:542, 1991; De Gouyon et al., Proc. Nat. Acad. Sci. USA 90:1877, 1993; Morahan et al., Proc. Nat. Acad. Sci. USA 91:5998, 1994; Serreze et al., J. Exp. Med. 180:1553, 1994; Cornall et al., Nature 353:262, 1991; Garchon et al., Nature 353:260, 1991)。ヒトでは、インシュリン/インシュリン様増殖因子遺伝子座の近くにあるマーカーも糖尿病と関連付けられている(Bell et al., Diabetes 33:176, 1984)。特定の遺伝子のゲノム全域にわたる研究および分析から、疾患に寄与する少なくとも 17の遺伝子座が特定されている(Concannon et al., Nat Genet 19:292-6, 1998; Hashimoto et al., Nature 371:161-4, 1994; Davies et al., Nature 371:130-136, 1994; Mein et al., Nat Genet 19:297-300, 1998; Verge et al., J. Clin. Invest. 102:1569-1575, 1998)。アンギオテンシノゲン(AGY)遺伝子を含有する染色体1q42-43上の約7cM領域について、連鎖の重要な証拠が報告された(Concannon et al., Nat Genet 19:292-6, 1998)。これらの遺伝子ならびに当技術分野において公知の他の遺伝子はいずれも、糖尿病を発症するリスクのある被験体を特定するためのマーカーとして使用することができる。
【0082】
当業者であれば、本明細書に記載の特定の物質および手順に対する非常に多くの均等物を認識するか、または決まりきった手順にしかすぎない実験を用いて突き止めることができるだろう。このような均等物は、以下の実施例に続く特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【0083】
実施例
実施例1:補助食品およびボランティア
1グラムのビタミンC、1.5グラムのグルタミン酸、500mgのシステイン、40mgのリボフラビン、100mgのコハク酸、100mgのフマル酸、および10mgのナイアシン、および250mgのAQUAQ10P40(100mgのコエンザイムQ10)を混合することによって、補助食品を調製した。コエンザイムQ10を除く補助食品の全成分をSigma Aldrich Japan(Tokyo, Japan)から購入した。AQUAQ10P40(Nissin Pharma, Tokyo Japan)は40体積%のコエンザイムQ10を含有し、コエンザイムQ10として使用した。グルタミン酸およびグルタミンの効果を比較する実験では、グルタミン酸の代わりとしてグルタミンを補助食品において同様に使用した。ボランティアには、経口糖負荷試験を開始する20分前に補助食品を水100mlと共に服用させた。
【0084】
この実験には4人のボランティア、26〜48才(平均38才)、体重45〜75kg(平均62kg)、男性2人および女性2人が参加した。実験前の血液検査によって、ボランティアは全員、糖尿病も肝機能不全も無いことが確かめられた。
【0085】
水に溶解した75グラムのD-グルコースを用いて、標準的な経口糖負荷試験(OGTT)を行った。少なくとも7時間超、絶食状態にあり、結果として空腹のボランティアに対して実験を行った。水に溶解したD-グルコースを2分以内にボランティアに摂取させた。以下の時点:0:実験開始前;D-グルコース溶液を飲んで30分後、60分後、90分後、および120分後にボランティアから血液を採取した。サンプリング後すぐに血液を遠心分離し、BML(Shibuya, Tokyo, Japan)が、血糖、インシュリン(免疫反応性インシュリン:IRI)、肝機能および腎機能、ならびに脂肪関連検査因子を分析した。結果の統計解析はt2検定によって行い、p<0.5を有意水準と定義した。それぞれの実験は異なる日に行った。
【0086】
異なるボランティアの肝機能および腎機能には有意差はなく、血清の脂肪関連検査に関しても有意差はなかった。これらのOGTT実験における血糖値およびインシュリン濃度に及ぼす補助食品の効果を、それぞれ、図1および図2に示した(IRI:免疫反応性インシュリン)。
【0087】
図1に示したように、補助食品が摂取された時には、血糖値は食事後に中程度にしか増加せず、補助食品を摂取していない対照ボランティアと比較して早期に正常値に戻った。従って、補助食品は、過度の血糖値からヒト身体を保護し、血中のグルコースの滞留時間を短くする。さらに、これらの利益は低い血中インシュリン濃度を伴った(図2)。このことから、食事後に血液からグルコースを除去するには、少量のインシュリンの分泌で十分であることが分かる。従って、インシュリンの産生および/または分泌に関して膵機能が低い患者は、記載の組成物から利益を得るだろう。
【0088】
実施例2:経口糖負荷試験(OGTT)およびスナックパン試験
スナックパン試験のために、ボランティア1人につきアズキペーストの付いたパンを1枚、甘いクリームの付いたパンを1枚使用した。2枚のパンの全栄養成分は、カロリー:780Kcal、タンパク質:20グラム、脂肪:18グラム、炭水化物:130グラムであった。各ボランティアは2枚のスナックパンを10分以内に食べ、血液サンプリングを実施例1に記載したものと同じ時点で行った。結果の統計解析はt2検定によって行い、p<0.5を有意水準と定義した。スナックパン実験における血糖値および血中インシュリン濃度に及ぼす補助食品の効果を、それぞれ、図3および図4に示した(IRI:免疫反応性インシュリン)。実施例1のOGTT結果と一致して、補助食品は、より複雑な食べ物が摂取された時に、同じ有利な効果をボランティアにもたらした。すなわち、血糖ピークは低下し、血糖は血液から早期に除去され、グルコースクリアランスには少量のインシュリンしか必要とされなかった。
【0089】
実施例1および2の結果に基づき、補助食品が用いられると血液から高血糖値が非常に速くなくなるので、本明細書に記載の組成物は高血糖に関連する疾患状態の治療に理想的なものである。
【0090】
実施例3:L-グルタミン酸またはL-グルタミンを含有する補助食品の比較
L-グルタミン酸またはL-グルタミンが補助食品に用いられた場合に、OGTTグルコース分解に及ぼす効果に差があるかどうか調べるために、一部の試験ではL-グルタミン酸の代わりにL-グルタミンを補助食品に使用した。これらのグルタミン混合実験でも、血糖およびIRIをモニタリングした。結果の統計解析はt2検定によって行い、p<0.5を有意水準と定義した。
【0091】
血糖値およびインシュリン濃度に及ぼす、L-グルタミン酸混合物またはL-グルタミン混合物を含有する補助食品の効果の比較を、それぞれ、図5および図6に示した(IRI:免疫反応性インシュリン;グルタミン混合物:グルタミンを含むがグルタミン酸を含まない補助食品;グルタミン酸混合物:グルタミン酸を含むがグルタミンを含まない補助食品;対照:補助食品を投与する前のOGTT)。グルタミン酸の代わりにグルタミンを含む補助食品は血糖絶対値に対して有効であるようには見えなかったが、少量の血中インシュリンで血糖値を早期に下げた。
【0092】
実施例4:空腹状態における血糖に及ぼす補助食品の効果
補助食品が、低すぎる血糖値(低血糖)の原因となり得るかどうか評価するために、空腹状態のボランティアに、追加の食べ物も飲み物も与えず補助食品を服用させた。OGTTの血液サンプリングと同じ時点で、血糖およびIRIをモニタリングした。
【0093】
血糖値は実験全体を通じて安定し、低すぎる血糖の副作用は検出されなかった。血中インシュリン濃度も低く、安定していた(データ示さず)。このことは、補助食品がそれ自体では低すぎる血糖値を引き起こさず、補助食品の血糖制御効果は過剰な血糖値のみに限られることを意味している。空腹状態のボランティアの血糖値に及ぼす補助食品の効果を図7に示した。血糖値は影響を受けず、ボランティアが空腹の時に、すなわち、血糖値が正常に戻っているのであれば、補助食品によって低血糖は生じないことは明らかである。
【0094】
実施例5:カニクイザルを用いた経口糖負荷試験(OGTT)
カニクイザルを非投与群または実施例1に記載の補助食品を投与した群の2つに分けて、経口糖負荷試験(OGTT)を行った。1群あたり3匹の動物を用いた。100mg補助食品/kg体重を水10mlに溶解し、経口胃挿管を介して10分間投与した後に、胃挿管を介してグルコース溶液(100mg/kg体重)も与えた。血液試料を、グルコース溶液を与えて0分後、30分後、60分後、90分後、120分後、150分後、および180分後に集め、グルコース濃度およびインシュリン濃度を求めた。
【0095】
図8に示したように、補助食品を与えた動物では、血糖値は30分の時点から急速に減少し始め、補助食品を与えていない動物(「対照」)と比較して常に低レベルを維持した。
【0096】
結果の統計解析はt2検定によって行い、p<0.5を有意水準と定義した。グルコース溶液を投与して30分後、60分後、および90分後の時点で、統計的に有意な差(t検定)が観察された。
【0097】
図9に示したように、血漿インシュリン濃度に関して、補助食品を与えたサルの群の血中インシュリンは、グルコース溶液を加えて60分後および90分後に著しく減少した(データは相対インシュリン値(%)としてプロットした)。この差はt検定で求められた時に統計的に有意であった(有意水準:p<0.5)。
【0098】
実施例6:補助食品における様々なビタミンC濃度の効果
補助食品におけるビタミンCの役割およびOGTTの結果に及ぼすそれの効果を調べるために、ヒト健常ボランティアのうちの3人に対して実験を行った。実験は、投与される補助食品の中に様々な量/濃度のビタミンCを用いたOGTTとして行った。初回の実験において、ボランティアには、4.0gのビタミンCをさらに添加した実施例1に記載の補助食品(総ビタミンCは5.0gであった)を与えた。後の実験では、同じボランティアに、ビタミンCを含まない実施例1に記載の補助食品を与えた。ボランティアには、D-グルコース溶液を飲む20分前に補助食品を摂取させた。血糖値およびIRI値を、D-グルコース溶液を飲んで0分後、30分後、60分後、90分後、および120分後にモニタリングした。結果を、それぞれ、図10および図11に示した(対照:補助食品を前投与のないOGTT;補助食品:補助食品の前投与のあるOGTT;補助食品-ビタミンC:ビタミンCを含まない補助食品の前投与のあるOGTT;補助食品+ビタミンC 4g:ビタミンC含有量を増やした補助食品(1g+4g=5g)の前投与のあるOGTT)。結果を実施例1のデータと比較した。結果の統計解析はt2検定によって行い、p<0.5を有意水準と定義した。
【0099】
図10および図11に示したように、補助食品中のビタミンC量が1.0gから5.0gに増加しても明らかな影響はなかった。両補助食品とも速い血糖代謝回転速度と低い免疫反応性インシュリン値を同時に誘導した。さらに、ビタミンCを含まない補助食品には、ビタミンCを含有する補助食品について観察されたような血液からのグルコースクリアランスに対して顕著な効果が無かった。しかしながら、ビタミンCが無くても補助食品は、糖負荷前に補助食品が与えられなかった対照ボランティアと比較して、血糖上昇に応じて必要とされる血中免疫反応性インシュリンを依然として減らした。
【0100】
当業者であれば、本明細書に記載の特定の組成物および手順に対する非常に多くの均等物を認識するか、または決まりきった手順にしかすぎない実験を用いて突き止めることができるだろう。このような均等物は、本発明の範囲にあり、以下の特許請求の範囲に含まれるとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)グルタミン酸、グルタミン、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;
(b)システイン、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;
(c)リボフラビン、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;
(d)コハク酸、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;
(e)フマル酸、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;
(f)ナイアシン、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;
(g)コエンザイムQ10、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの;および、任意で、
(h)ビタミンC、そのプロドラッグ、またはその塩のうちの1つまたは複数のもの
を含む、組成物。
【請求項2】
(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、および任意で(h)からなる、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
グルコースを含まない、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
(h)を含まない、請求項1〜3のいずれか一項記載の組成物。
【請求項5】
(a)〜(g)および任意で(h)を含む組成物であって、
(a)が約0.1g〜約10gのグルタミン酸、グルタミン、またはグルタミン酸およびグルタミンの組み合わせを含み;
(b)が約0.1g〜約10gのシステインを含み;
(c)が約0.01g〜約1gのリボフラビンを含み;
(d)が約0.01g〜約1gのコハク酸を含み;
(e)が約0.01g〜約1gのフマル酸を含み;
(f)が約1mg〜約30mgのナイアシンを含み;
(g)が約0.01g〜約1gのコエンザイムQ10を含み;かつ
(h)が約0.1g〜約10gのビタミンCを含む、
請求項1〜4のいずれか一項記載の組成物。
【請求項6】
(a)〜(g)および任意で(h)からなる組成物であって、
(a)が約0.1g〜約10gのグルタミン酸、グルタミン、またはグルタミン酸およびグルタミンの組み合わせを含み;
(b)が約0.1g〜約10gのシステインを含み;
(c)が約0.01g〜約1gのリボフラビンを含み;
(d)が約0.01g〜約1gのコハク酸を含み;
(e)が約0.01g〜約1gのフマル酸を含み;
(f)が約1mg〜約30mgのナイアシンを含み;
(g)が約0.01g〜約1gのコエンザイムQ10を含み;かつ
(h)が約0.1g〜約10gのビタミンCを含む、
請求項1〜5のいずれか一項記載の組成物。
【請求項7】
(a)が約1.5gのグルタミン酸、グルタミン、またはグルタミン酸およびグルタミンの組み合わせを含む、請求項1〜6のいずれか一項記載の組成物。
【請求項8】
(b)が約0.5gのシステインを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の組成物。
【請求項9】
(c)が約0.04gのリボフラビンを含む、請求項1〜8のいずれか一項記載の組成物。
【請求項10】
(d)が約0.1gのコハク酸を含む、請求項1〜9のいずれか一項記載の組成物。
【請求項11】
(e)が約0.1gのフマル酸を含む、請求項1〜10のいずれか一項記載の組成物。
【請求項12】
(f)が約0.01gのナイアシンを含む、請求項1〜11のいずれか一項記載の組成物。
【請求項13】
(g)が約0.25gのコエンザイムQ10を含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の組成物。
【請求項14】
(h)が約1gのビタミンCを含む、請求項1〜13のいずれか一項記載の組成物。
【請求項15】
錠剤形態、カプセル形態、散剤形態、または液体形態である、請求項1〜14のいずれか一項記載の組成物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項記載の組成物を含む、栄養補助食品。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれか一項記載の組成物を含む、薬学的組成物。
【請求項18】
治療的有効量の請求項1〜15のいずれか一項記載の組成物を被験体に投与し、それによって高血糖を治療または予防する工程を含む、高血糖の治療または予防を必要とする被験体において高血糖を治療または予防する方法。
【請求項19】
治療的有効量の請求項1〜15のいずれか一項記載の組成物を被験体に投与し、それによって高血糖関連疾患を治療または予防する工程を含む、高血糖関連疾患の治療または予防を必要とする被験体において高血糖関連疾患を治療または予防する方法。
【請求項20】
高血糖関連疾患が、I型糖尿病、II型糖尿病、ステロイド糖尿病、妊娠糖尿病、二次性糖尿病、バセドー病、先端肥大症、急性心臓発作、副腎機能亢進、褐色細胞腫、吸入麻酔、ショック、一酸化炭素中毒、髄膜炎、頭蓋脳損傷、脳腫瘍、特発性高血糖、空腹時血糖異常(IFG)、または耐糖能障害(IGT)である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
インシュリン療法と併用して請求項1〜15のいずれか一項記載の組成物を被験体に投与し、それによって被験体における糖尿病を治療する工程を含む、被験体における糖尿病を治療する方法。
【請求項22】
請求項1〜15のいずれか一項記載の組成物を、糖尿病を発症するリスクのある被験体に投与し、それによって被験体における糖尿病の症状の発症を阻止または遅延する工程を含む、被験体における糖尿病の症状の発症を阻止または遅延する方法。
【請求項23】
糖尿病を発症するリスクのある被験体を特定し、被験体に請求項1〜15のいずれか一項記載の組成物を投与し、それによって被験体における糖尿病の症状の発症を阻止または遅延する工程を含む、被験体における糖尿病の症状の発症を阻止または遅延する方法。
【請求項24】
糖尿病を発症するリスクのある被験体を特定し、被験体に請求項1〜15のいずれか一項記載の組成物を投与し、それによって被験体における糖尿病の症状の発症を阻止または遅延する工程を含む、被験体における糖尿病の症状の発症を阻止または遅延する方法。
【請求項25】
人間医学および獣医学において使用するための請求項1〜15のいずれか一項記載の組成物。
【請求項26】
高血糖および高血糖関連疾患状態、特に、I型糖尿病、II型糖尿病、ステロイド糖尿病、妊娠糖尿病、二次性糖尿病、バセドー病、先端肥大症、急性心臓発作、副腎機能亢進、褐色細胞腫、吸入麻酔、ショック、一酸化炭素中毒、髄膜炎、頭蓋脳損傷、脳腫瘍、特発性高血糖、空腹時血糖異常(IFG)および/または耐糖能障害(IGT)を治療または予防するための医薬を製造するための、請求項1〜15のいずれか一項記載の組成物の使用。
【請求項27】
インシュリンと併用して投与するために製剤が製剤化される、請求項26記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【公表番号】特表2010−513250(P2010−513250A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540783(P2009−540783)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063970
【国際公開番号】WO2008/071790
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(508028313)ティーマ ファウンデーション (3)
【Fターム(参考)】