説明

結晶材料の真空保管方法および装置

【課題】 高品質の焼結金属製品の製造や、結晶成長を行う事前作業として、原材料の表面に吸着している水分や吸着ガスの除去を確実に行い、製品品質、結晶品質の改善を行う準備作業に関する。
【解決手段】 原材料の表面に吸着している水分や吸着ガスを高真空下で除去し、さらに、高温不活性ガスで原材料を昇温し、原材料表面に吸着しているガス成分や、水分の再吸着を防止し、焼結製品品質、結晶品質の改善を行うことを目的とした焼結金属材料や結晶材料準備作業方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属溶解材料、焼結金属材料の保管方法と移送に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、焼結金属材料や、半導体用のガリュームヒ素結晶、シリコン単結晶またはシリコン多結晶の成長を行う場合の原材料の保管やその後の結晶成長方法として、プラスチックフィルム包装によって保管され、これを使用時に開封し、工程容器に投入する方法が取られてきた。
特に、結晶の製造工程においては、石英ルツボに原材料を常温でチャージし、保管あるいは炉への組込を行ってきた。
【0003】
例えば、長期保存可能な金属微粒子の乾燥体を得る表面処理方法とその乾燥体として保存する方法として、特許文献1には、界面活性剤と脂質が吸着した金属微粒子の水分散液に凝集剤を添加し、該金属微粒子を凝集・沈降させ、沈降した該金属微粒子の凝集体を真空乾燥させることによって、該金属微粒子が水に再分散可能な乾燥物を得る方法が記載されている。
【0004】
しかしながら、極めて純度の高い半導体結晶の成長に用いる原材料結晶においては、極端に不純物を低減する必要が有り、空気中に曝された間に、微量の空気や水分が吸着するため、これらの吸着物を初期段階で大略取り除くことが、後の製品品質改善や炉内部品の高寿命化に影響する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−127085
前記の従来例において、例えば特許文献1では、水に再分散可能な乾燥物を得る方法が記載されているが、焼結金属材料や半導体結晶の成長に用いる多結晶原材料の場合は、高純度で且つ、表面に吸着されている微量の水分がその後の結晶成長工程で炉内部品の劣化の問題となり、また、水分と反応した炭素が成長結晶に混入する不具合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、例えば焼結金属材料や、半導体用単結晶成長法であるCZ法を用いるシリコン単結晶成長の過程でホットゾーンと呼ばれる炉内カーボン部品の劣化防止と、成長結晶中の炭素濃度低減、単結晶のポリ化する割合を改善することを目的としたものである。また、同時に、炉の開放時に炉内部品に水分が焼結金属材料や、半導体用原料結晶に吸着し、その影響でカーボン部品の消耗が激しくなり、炉の経時変化の影響や、結晶中へのカーボンの混入、溶融シリコンとカーボンが反応し、SiCが生成され、これが成長中の結晶に取込まれて有転移化するなどの問題解決を果たすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、高真空を保持できる焼結金属材料およびその型枠や、半導体用単結晶成長を行う坩堝および坩堝に充填された原料結晶に吸着した水分を乾燥し、除去し、または、残留吸着物を化学的に積極的に反応させ、無害化、真空排気することによって、焼結金属製品の品質を高めまたは成長中のシリコン単結晶の有転移化を防止し、炭素濃度の低い高品質結晶を高い歩留で得られる単結晶成長工程及び単結晶成長方法を提供するものである。
【0008】
本発明では第一に、焼結金属材料または、ガリュームヒ素結晶および、シリコン単結晶またはシリコン多結晶の半導体用結晶成長を行うための原材料を乾燥し、保管する工程において、
前記焼結金属材料を充填した型枠または、前記半導体用結晶成長を行うための原材料を坩堝に充填し、型枠または、前記坩堝の内面を高真空状態に保持し、その後、高温不活性ガスを充填し、原材料を昇温し、乾燥し、保管することを特徴とする原材料の保管方法が記載されている。焼結金属材料は、多種の金属粉を混ぜ合わせ高温下で焼き固め、部品形状とするが、この場合、空気中の湿度として含まれる水分や空気、その他のガス成分が混入し、品質低下に繋がる場合があるが、乾燥、脱ガスによって高品質焼結合金製品が得られる。また、シリコンや、ガリュームヒ素の結晶を成長させるVGF法(一方向凝固結晶成長法)においても、原料のチャージ工程で乾燥、脱ガス、水分除去が更に品質向上に重要であり、また、単結晶の成長においては、結晶品質の改善のみならず、炉内部品の寿命を延ばす効果が得られる。
【0009】
第二には、 前記高真空状態に保持する真空排気装置として真空粗引きの後、クライオポンプまたは拡散ポンプまたは、分子ポンプを用いて、高真空度に真空引きを行なうことを特徴とする請求項1に記載の原材料の保管方法が記載されている。すなわち、ロータリーポンプなどの真空ポンプで粗引きした後、クライオポンプまたは拡散ポンプまたは、分子ポンプを用いて、高真空度に真空引きを行なうことにより、短時間で高真空度に真空引きが行えるため、残留ガスや特に水分除去に有効である。
【0010】
また第三には、請求項1から2のいずれかにおいて、
前記真空排気装置により初期真空到達度を10のマイナス四乗トール以下とし、前記充填する高温不活性ガスは、50℃以上200℃以下のアルゴンガスまたはヘリュームガスであることを特徴とする原材料の保管方法記載されている。
一旦真空雰囲気で水分が除去されても、その後短時間でも空気にふれると原材料の表面には、空気中の水分の再吸着が生じる。しかし、不活性ガスで該原材料結晶や、焼結金属材料が昇温されていれば、再吸着を防止でき、品質の高い製品結晶や、焼結製品が得られる。
【0011】
また、第四には、請求項1から3のいずれかにおいて、
一旦前記高温不活性ガスによって原材料を昇温した後、再び真空引きを行い、真空引きと高温不活性ガス置換を繰り返すことを特徴とする原材料の保管方法が記載されている。すなわち、ガス置換と真空引きを繰り返すことで雰囲気をより改善し、原材料を昇温し、吸着ガスや水分の低減を図ることができる。
【0012】
さらに、第5には、請求項1から4のいずれかにおいて、
前記高温不活性ガスによって昇温した原材料を高温且つ、真空乾燥状態のまま、次工程に移送することを特徴とする原材料の保管方法が記載されている。
発明の第六は、請求項1から5のいずれかにおいて、
前記焼結金属材料を充填した型枠または、前記半導体用結晶成長を行うための原材料を充填した坩堝の外側から加熱することを特徴とする原材料の保管方法が記載されている。
つまり、昇温ガスによって型枠や坩堝の中の原材料を昇温するばかりではなく、型枠や坩堝の外側からも昇温し、短時間で原材料を昇温することができる。
【0013】
また、第七には、請求項1から6のいずれかにおいて、
前記焼結金属材料を充填した型枠または、前記半導体用結晶成長を行うための原材料を充填した坩堝の中に不活性ガスで希釈したモノシランガスを供給することを特徴とする原材料の保管方法が記載されている。
昇温した不活性ガスで希釈したモノシランガスは、残留水分や吸着ガスの排気の効果的であり、炉の内部の多孔質の炉材に含まれる水分などをその後の炉内加熱時に除去するのに優れている。
【0014】
また更に、第八には、請求項1から7のいずれかにおいて、
原材料の保管後、次工程に移送することを特徴とする装置が記載されている。
焼結炉への移送、結晶成長炉への移送は、減圧または真空状態で型枠や坩堝の吸着したキャップの搬送腕脱着部に嵌め込み、そのまま搬送腕木を次工程に動かして搬送を行うことができる。
【0015】
密封状態の原材料に供給する昇温した不活性ガス供給時に、不活性ガスに0.01%から3%のモノシランガスやシランガスを混合して炉内に供給することにより、微量のモノシランガスやシランガスが、下記の化学反応1式又は2式により、次工程で更に加熱された場合、焼結金属や炉内部品やシリコン原料への吸着水分を他の物質に転換し、炉外に水分を効果的に排出することができる。
SiH+2HO=SiO+4H −1
SiClH+2HO=SiO+HCl+3H −2
【0016】
本発明によれば、型枠や坩堝に充填した焼結金属材料や、半導体結晶材料の真空乾燥を確実に行い、同材料を焼結炉や結晶成長炉に移送することが出来る。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、焼結金属材料や、半導体結晶材料の真空乾燥を確実に行い、昇温後一旦空気に曝されても昇温しているために、空気中の水分が原材料に吸着することがなく、また、同材料を焼結炉や結晶成長炉に移送することが出来るため、その後の焼結時や結晶成長工程において、真空レベルの向上と、短時間に高真空度に到達でき、また、吸着物質として水分などの除去を確実に行なえるため、高品位の焼結合金が得られまた、単結晶成長時の有転移化の防止や、多結晶化の防止が確実にできるため、結晶歩留の向上を図ることができるとともに、炉内部品の長寿命化が出来る。また、結晶成長においては、不純物レベルの低減と欠陥核の低減が図れる。
【0018】
炉内に残留する空気や、水分を持ち込まないため、その後の加熱工程で炭化水素化合物の生成を抑えることができる。シリコンの溶解工程に至る以前にシリコンとの反応し易いこれらの物質を除去することができるため、単結晶の成長を妨げるシリコンの炭化物、酸化物などの異物の生成が無くなり、これによって結晶成長の歩留を改善できる効果が得られた。また、従来、炉内のカーボン部品は、水分がある場合、ハイドロカーボン化し、形状劣化を生じていたが、本発明により、カーボン部品の形状劣化が防止できるようになった。
また、成長中の結晶中に炭素が取込まれる量を低減できるため、その後のウエーハプロセスの熱処理時に生じる炭素起因の酸素析出の低減が可能になると同時に炭素起因の結晶欠陥が低減出来るようになった。
更に、本発明によって、更に炉内部品が劣化しないため、従来プロセス条件の経時的変化を抑止することが出来たため、品質の安定化が実現できる効果が得られた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づき説明する。
【実施例】
【0020】
本発明の実施例を図1から図3によって説明する。
図1に、本発明における昇温、真空乾燥と搬送システムの模式図を示す。
図において、保管システム1は、型枠、坩堝3に、キャップ2を被せ、バルブ4を開いて、真空分配器5、真空排気弁10、排気弁12を経由し、真空ポンプ11によってキャップ2を被せた型枠、坩堝3の内部を真空引きする。
この時、不活性ガスを供給する側のアルゴンガス弁15は閉じており、ガス流量調節器7、ガスフィルタ8、昇温熱交換器9、およびこれに接続されたバルブ4は開いており、アルゴンガス弁15直前までのガス供給系の配管も真空状態にある。また、型枠、坩堝3の内部圧力は、真空ゲージ6によって計測することが出来る。真空ゲージ6は、真空レベルに応じ、ピラニ−真空計や電離真空計を用いる。真空レベルがクライオポンプ14の領域に入ったら、真空弁12を閉じ、真空弁13を開いて真空排気を行う。
クライオポンプ14により、高真空が得られた後、真空弁13を閉じ、昇温熱交換器9を動作させアルゴンガス弁15を開き、昇温したアルゴンガスで型枠、坩堝3の内部を充填する。真空ポンプ11を動作させながら真空排気弁10、排気弁12を調節し、温度が下がった昇温ガスを一部抜き取りながら、新しい昇温ガスを流し、型枠、坩堝3の内部の原材料を昇温する。
【0021】
これら一連の操作は、PLC(プログラマブル・ロジックコントローラ)やマイコンシステムで自動制御しても良い。特に多数の型枠、坩堝3を並列で接続し、管理する場合、前述の自動制御は一層有効でさる。
この場合、温度センサにより、型枠、坩堝3内部の温度を同時に自動監視でき、便利である。(図示せず)
また、このガス昇温熱交換器9は、焼結炉や結晶成長炉のガスの充填にも供用出来る。
【0022】
型枠、坩堝3に原材料が充填された原材料は、このように高真空と不活性昇温ガスによって、良好な乾燥状態で保管される。また、炉への移送は、ハンドリングロボットや、簡易重量物搬送機によって型枠、坩堝3に、キャップ2を被せた上部に取り付けられた搬送腕脱着部20を搬送機構と接続して移動を行うことができる。
図1のガス供給ラインおよび真空排気配管を自在に動かせる配管とすれば、配管を接続した状態で搬送ができる。また、型枠、坩堝3内部に充填された原材料は、昇温されているため、その後一旦空気中に曝されても原材料表面に水分が吸着されない。
【0023】
図2は、本発明における昇温、真空乾燥と搬送システムにモノシランガスの供給と外部加熱装置を付加した模式図である。型枠、坩堝3の外側から外部加熱ヒータ19によって加熱することによって、熱容量の大きい型枠、坩堝3や、型枠、坩堝3の中に充填された原材料を短時間で温めることが可能になる。
また、アルゴンガス弁15の上流側を分岐し、純粋なアルゴンガスに微量のモノシランガス(SiH)を、モノシランガス弁17を介して、ガス流量調節器7で流量調節し、前述のアルゴンガス弁15 からガスフィルタ8とガス流量調節器7、さらに昇温熱交換器9を介してバルブ4から型枠、坩堝3に昇温ガスを供給することができる。
【0024】
図において、キャップ2に取り付けられたガス供給配管の途中に配管着脱ユニット18を、また、に取り付けられた真空排気の配管にも配管着脱ユニット18を取り付けることによって、型枠、坩堝3がキャップ2によって閉ざされた内部の真空状態または、ガス充填状態で独立し、切り離すことができる。なお、配管着脱ユニット18は、ストップ弁を有しており、減圧あるいは真空状態を保持することができる構造となっている。
キャップ2には、搬送腕脱着部20がハンドリングロボットや、簡易重量物搬送機と脱着できるため、前述のように型枠、坩堝3がキャップ2によって閉ざされた内部の真空状態または、減圧状態で搬送機構と接続して移動を行うことができる。
【0025】
また、図2において真空排気用の真空ポンプ11の排気口にガス除害装置21を装着し、微量ではあるが、モノシランガス(SiH)取り扱い状の安全対策を施すことができる。
また、図では不活性ガスとしてアルゴンガスを用いているが、同じく不活性ガスとしてヘリュームガスを用いても良い。(図示せず)
【0026】
また、昇温熱交換器9を含む不活性ガス供給システムや、モノシランガス(SiH)の混合供給機構は、その後の工程の焼結工程や、結晶育成工程と共有することができる。このようにすれば、真空乾燥や保管のシステムと焼結工程や、結晶育成工程でそれぞれ昇温熱交換器9を含む不活性ガス供給システムや、モノシランガス(SiH)の混合供給機構を独立して持つ必要はなく、経済的であり、且つ装置の簡素化ができる。
【0027】
図3は、本発明における原材料の保管後、次工程に移送する装置の操作フロー図を示す。
焼結金属の製造工程や、半導体結晶製造工程の原料・坩堝準備において、型枠、坩堝3に原材料を充填する工程がある(STEP−1)。この工程は、不純物の混入を嫌う半導体結晶製造においては、清浄度の高い空気中雰囲気で作業が行われる。例えば、クリーンルームであるとか、クリーンブースと呼ばれる簡易的にクリーン領域を実現するための覆いの上部にクリーンフィルタを設け、送風機によって覆いの内部に清浄度の高い空気を送り込む仕組みの中で作業を行う。これによって、充填中の原材料に塵埃が付着することが無いようにしている。
【0028】
この型枠、坩堝3に原材料を充填するのが原料組込工程である(STEP−2)。焼結金属の場合においては、粉末状の原材料であり、種々の金属粉を混ぜた粉体を容器から型枠に移し込み、型枠に満たすが、半導体結晶を成長させるには、手作業で、クリーン手袋を手に装着し、塊状の原材料を汚染することなく充填作業を行う。
【0029】
その後、原材料が充填された型枠、坩堝3にキャップ2を被せて、密封し、型枠、坩堝3内部を真空粗引きする(STEP−3)。
真空粗引きは、ロータリー型の真空ポンプや、さらに真空を加速するブースターポンプをロータリー型の真空ポンプに直列作動させて真空引きを行う。
【0030】
真空粗引きを行った後、高真空引きを行う(STEP−4)。
高真空引きは、クライオポンプや拡散ポンプを用い、短時間でキャップ2を被せて、密封し、型枠、坩堝3内部の真空度を高い真空レベルに到達させる。
【0031】
キャップ2を被せて、密封し、型枠、坩堝3内部の真空度の到達真空度が10のマイナス4乗トール以下(真空到達度<10E−4torr)になったかを判断する(STEP−5)。
到達真空度が10のマイナス4乗トール以下にならない場合は、高真空引き(STEP−4)を行う。
【0032】
到達真空度が10のマイナス4乗トール以下になった場合は、昇温ガス供給をキャップ2を被せて、密封し、型枠、坩堝3内部に供給する(STEP−6)。この場合、クライオポンプや拡散ポンプなどの真空ポンプの一次側ゲートバルブは閉じる。
この場合、図2の如く、アルゴンガスに微量のモノシランガス(SiH)を混合し供給してもよく、アルゴンガス中のモノシランガスの比率は0.01%から3%程度で良い。
【0033】
真空ゲージでキャップ2を被せて、密封し、型枠、坩堝3内部の圧力が常圧になったか確認する(STEP−7)。常圧になるまで昇温ガスを流し、(圧力=常圧)更にキャップ2を被せて、密封し、型枠、坩堝3内部の温度が50℃以上になったか(温度>50℃)確認する(STEP−8)。
【0034】
キャップ2を被せて、密封し、型枠、坩堝3内部の温度が50℃以上になったら図2の搬送腕脱着部20をハンドリングロボットの腕木または、簡易重量物搬送装置の腕木に装着し、原材料を移送する(STEP−9)。
移送が完了すると、次工程である焼結こうていや、半導体結晶成長工程に移る。
【0035】
本発明において、原材料や、型枠、坩堝3内部を昇温した後、空気中で開放すれば、原材料に空気中の水分が吸着しにくくなる。そのため、その後の焼結工程や半導体結晶成長において良質の焼結金属や半導体結晶が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明における昇温、真空乾燥と搬送システムの模式図を示す。
【図2】本発明における昇温、真空乾燥と搬送システムにモノシランガスの供給と外部加熱装置を付加した模式図を示す。
【図3】本発明における原材料の保管後、次工程に移送する装置の操作フロー図を示す。
【符号の説明】
【0037】
1、22 保管システム 2 キャップ 3 型枠、坩堝
4 ガス供給バルブ 5 真空分配器 6 真空ゲージ
7 ガス流量調節器 8 ガスフィルタ 9 昇温熱交換器
10 真空排気弁 11 真空ポンプ 12 排気弁
13 真空弁 14 クライオポンプ
15、16 アルゴンガス弁 17 モノシランガス弁
18 配管着脱ユニット 19 外部加熱ヒータ
20 搬送腕脱着部 21 ガス除害装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結金属材料または、ガリュームヒ素結晶および、シリコン単結晶またはシリコン多結晶の半導体用結晶成長を行うための原材料を乾燥し、保管する工程において、
前記焼結金属材料を充填した型枠または、前記半導体用結晶成長を行うための原材料を坩堝に充填し、型枠または、前記坩堝の内面を高真空状態に保持し、その後、高温不活性ガスを充填し、原材料を昇温し、乾燥し、保管することを特徴とする原材料の保管方法。
【請求項2】
前記高真空状態に保持する真空排気装置として真空粗引きの後、クライオポンプまたは拡散ポンプまたは、分子ポンプを用いて、高真空度に真空引きを行なうことを特徴とする請求項1に記載の原材料の保管方法。
【請求項3】
請求項1から2のいずれかにおいて、
前記真空排気装置により初期真空到達度を10のマイナス四乗トール以下とし、前記充填する高温不活性ガスは、50℃以上200℃以下のアルゴンガスまたはヘリュームガスであることを特徴とする原材料の保管方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかにおいて、
一旦前記高温不活性ガスによって原材料を昇温した後、再び真空引きを行い、真空引きと高温不活性ガス置換を繰り返すことを特徴とする原材料の保管方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかにおいて、
前記高温不活性ガスによって昇温した原材料を高温且つ、真空乾燥状態のまま、次工程に移送することを特徴とする原材料の保管方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかにおいて、
前記焼結金属材料を充填した型枠または、前記半導体用結晶成長を行うための原材料を充填した坩堝の外側から加熱することを特徴とする原材料の保管方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかにおいて、
前記焼結金属材料を充填した型枠または、前記半導体用結晶成長を行うための原材料を充填した坩堝の中に不活性ガスで希釈したモノシランガスを供給することを特徴とする原材料の保管方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかにおいて、
原材料の保管後、次工程に移送することを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−178646(P2011−178646A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59869(P2010−59869)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(508040371)
【出願人】(390004879)三菱マテリアルテクノ株式会社 (201)
【Fターム(参考)】