説明

緊急情報通知装置、緊急情報通知方法及び緊急情報通知プログラム

【課題】被介護者に緊急状態が生じた場合であっても、緊急状態が生じたことを外部に迅速かつ確実に通知することができる緊急情報通知装置、緊急情報通知方法及び緊急情報通知プログラムを提供すること。
【解決手段】緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とを入力する緊急検知入力部2と、サービスシナリオを記憶するサービスシナリオ記憶部4と、サービスコンポーネントを記憶するサービスコンポーネント記憶部5と、前記被介護者の識別情報と前記サービスコンポーネントの識別情報とを記憶するサービス登録記憶部7と、緊急サービスシナリオを実行し、サービスコンポーネント及びサービスコンポーネントの識別情報を取得するサービス合成部3と、緊急情報及び緊急位置情報を、サービスコンポーネントに対応する入力形式に変換して、当該変換した情報を、サービスコンポーネントに対応する機器に送信するデータ変換部6とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被介護者に緊急事態が発生したときに、介護者などに緊急通知する緊急情報通知装置、緊急情報通知方法及び緊急情報通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自宅にいる高齢者などの被介護者の容態が急変して、不測の事態が発生したときには、あらかじめ契約した警備保障サービス会社から支給された機器の緊急ボタンを被介護者が押すことにより、警備保障サービス会社の派遣員が緊急に被介護者宅に出向して被介護者を救助していた(例えば、特許文献1,2及び非特許文献1参照。)。
また、警備保障サービスなどと契約していない場合には、緊急状態が生じると、携帯電話や固定電話などの通信端末によって、被介護者が自ら救急車や係りつけの医者に連絡していた。
【特許文献1】特開2003−333214号公報
【特許文献2】特開2006−025234号公報
【非特許文献1】“ココセコム”、[online]、[平成19年9月13日検索]、インターネット<URL:http://www.855756.com>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のように、緊急状態が生じたときに、緊急ボタンを押したり電話したりする場合、被介護者自身が自ら能動的に通知のためのアクションをおこす必要がある。そのため、判断能力が低下したり、適切に体を動かすことができなくなったりした場合には、被介護者が外部に通知することが困難になるという問題がある。
例えば、遠方において一人で暮らしている高齢な親が倒れた場合、その親の体調を常に心配している子供達や親戚が、早急な通知を受けることは困難であった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被介護者に緊急状態が生じた場合であっても、緊急状態が生じたことを外部に迅速かつ確実に通知することができる緊急情報通知装置、緊急情報通知方法及び緊急情報通知プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、被介護者宅に設置され被介護者の状態を検知する検知部から送信された緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とを入力する緊急検知入力部と、サービスコンポーネントを組み合わせることによって実現されるサービスについて記述されたサービスシナリオを記憶するサービスシナリオ記憶部と、前記サービスコンポーネントを記憶するサービスコンポーネント記憶部と、前記被介護者の識別情報と前記サービスコンポーネントの識別情報とを対応付けて記憶するサービス登録記憶部と、前記緊急検知入力部から入力された緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とに基づいて、前記サービスシナリオ記憶部から緊急サービスシナリオを取得して実行し、前記緊急サービスシナリオに組み込まれた前記サービスコンポーネントについての指示に対応するサービスコンポーネントを前記サービスコンポーネント記憶部から取得して、前記被介護者の識別情報に対応する前記サービスコンポーネントの識別情報を前記サービス登録記憶部から取得するサービス合成部と、前記サービス合成部から入力された緊急情報及び緊急位置情報を、前記サービス合成部から入力されたサービスコンポーネントに対応する入力形式に変換して、当該変換した情報を、前記サービス合成部から入力された前記サービスコンポーネントの識別情報に対応する機器に送信するデータ変換部とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、前記緊急サービスシナリオが、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を検知するためのプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、前記プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに連携するサービスコンポーネントであって、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を光デバイス機器によって通知するための光デバイス機器サービスコンポーネント、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を音声出力機器によって通知するための音声出力サービスコンポーネント、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を電話によって通知するための電話サービスコンポーネント、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を電子メールによって通知するための電子メールサービスコンポーネント、又は、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を前記被介護者及びあらかじめ登録される介護者以外の第三者に通知するための第三者サービスコンポーネントの少なくとも一つのサービスコンポーネントとを有しており、前記データ変換部は、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記少なくとも一つのサービスコンポーネントに対応する入力形式に変換することを特徴とするを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記緊急サービスシナリオが、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を検知するためのプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、前記プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに連携するサービスコンポーネントであって、発光素子の点灯により前記緊急情報及び前記緊急位置情報を通知するための光デバイス機器サービスコンポーネントとを有しており、前記データ変換部は、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記発光素子を点灯させるための点灯情報に変換することを特徴とすることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記緊急サービスシナリオが、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を検知するためのプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、前記プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに連携するサービスコンポーネントであって、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を音声出力機器によって通知するための音声出力サービスコンポーネントを有しており、前記データ変換部は、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記音声出力機器に入力可能な文章データに変換することを特徴とすることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記緊急サービスシナリオが、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を検知するためのプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、前記プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに連携するサービスコンポーネントであって、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を電話によって通知するための電話サービスコンポーネントとを有しており、前記データ変換部は、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記電話に接続される音声合成装置に入力可能な文章データに変換することを特徴とすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記緊急サービスシナリオが、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を検知するためのプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、前記プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに連携するサービスコンポーネントであって、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を電子メールによって通知するための電子メールサービスコンポーネントとを有しており、前記データ変換部は、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、電子メールサーバに入力可能な文章データに変換することを特徴とすることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記緊急サービスシナリオが、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を検知するためのプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、前記プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに連携するサービスコンポーネントであって、前記被介護者及びあらかじめ登録される介護者以外の第三者に、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を通知するための第三者サービスコンポーネントとを有しており、前記データ変換部は、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記第三者サービスコンポーネントに対応する入力形式に変換することを特徴とすることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記緊急サービスシナリオが、前記第三者に代わって前記被介護者に対する介護料金を前記介護者に課金するための課金サービスコンポーネントを有し、前記サービス登録記憶部には、前記介護者の識別情報が前記被介護者の識別情報と対応して記憶されており、前記第三者サービスコンポーネントに対応する機器から課金サーバを介して送信される前記被介護者の識別情報と前記介護者の識別情報の送信要求とを受信し、当該受信した被介護者の識別情報に基づいて前記サービス登録記憶部から介護者の識別情報を取得して、前記課金サーバに送信する送受信部が設けられていることを特徴とすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記サービス合成部が、前記緊急検知入力部が前記緊急情報を入力する時間と、前記緊急位置情報とに基づいて、前記サービスコンポーネント記憶部から前記サービスコンポーネントを取得することを特徴とすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、介護者の緊急状態を通知する緊急情報通知装置における緊急情報通知方法であって、被介護者宅に設置され被介護者の状態を検知する検知部から送信された緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とを入力する緊急検知入力工程と、サービスコンポーネントを組み合わせることによって実現されるサービスについて記述されたサービスシナリオをサービスシナリオ記憶部に記憶するサービスシナリオ記憶工程と、前記サービスコンポーネントをサービスコンポーネント記憶部に記憶するサービスコンポーネント記憶工程と、前記被介護者の識別情報と前記サービスコンポーネントの識別情報とを対応付けてサービス登録記憶部に記憶するサービス登録記憶工程と、前記緊急検知入力工程によって入力された緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とに基づいて、前記サービスシナリオ記憶部から緊急サービスシナリオを取得して実行し、前記緊急サービスシナリオに組み込まれたサービスコンポーネントについての指示に対応するサービスコンポーネントを前記サービスコンポーネント記憶部から取得して、前記被介護者の識別情報に対応する前記サービスコンポーネントの識別情報を前記サービス登録記憶部から取得するサービス合成工程と、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記サービス合成工程によって取得されたサービスコンポーネントに対応する入力形式に変換して、当該変換したデータを、前記サービス合成工程によって取得された前記サービスコンポーネントの識別情報に対応する機器に送信するデータ変換工程とを含むことを特徴とすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、コンピュータに、被介護者宅に設置され被介護者の状態を検知する検知部から送信された緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とを入力する緊急検知入力ステップと、サービスコンポーネントを組み合わせることによって実現されるサービスについて記述されたサービスシナリオをサービスシナリオ記憶部に記憶するサービスシナリオ記憶ステップと、前記サービスコンポーネントをサービスコンポーネント記憶部に記憶するサービスコンポーネント記憶ステップと、前記被介護者の識別情報と前記サービスコンポーネントの識別情報とを対応付けてサービス登録記憶部に記憶するサービス登録記憶ステップと、前記緊急検知入力ステップによって入力された緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とに基づいて、前記サービスシナリオ記憶部から緊急サービスシナリオを取得して実行し、前記緊急サービスシナリオに組み込まれたサービスコンポーネントについての指示に対応するサービスコンポーネントを前記サービスコンポーネント記憶部から取得して、前記被介護者の識別情報に対応する前記サービスコンポーネントの識別情報を前記サービス登録記憶部から取得するサービス合成ステップと、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記サービス合成ステップによって取得されたサービスコンポーネントに対応する入力形式に変換して、当該変換したデータを、前記サービス合成ステップによって取得された前記サービスコンポーネントの識別情報に対応する機器に送信するデータ変換ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、被介護者に緊急状態が生じた場合であっても、緊急状態が生じたことを外部に迅速かつ確実に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る緊急情報通知装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る緊急情報通知装置を、危険緊急情報通知装置として危険緊急情報通知システムに適用した例を示すシステム構成図である。
図2は、光デバイス機器の一部を示す正面図である。
図3は、危険緊急情報と危険緊急位置情報とを通知するサービスコンポーネントを組み合わせた危険緊急情報サービスシナリオを示す説明図である。
図4は、危険緊急情報通知システムの動作を示すシーケンス図である。
【0018】
危険緊急情報通知システム100は、一人で遠方に住んでいる高齢の親など被介護者の体調が急変して危険緊急状態が発生したときに、赤外線式人感知センサによって危険緊急状態を検知し、危険緊急情報サービスシナリオに基づいて、様々な対応による手段で、危険緊急情報と危険緊急位置情報とを介護者や第三者に通知するシステムである。
【0019】
危険緊急情報通知システム100は、被介護者宅に設けられた被介護者ホームネットワーク14と、介護者宅に設けられた介護者ホームネットワーク21と、介護者が有する介護者端末18とを備えている。介護者端末18は、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などからなるものである。
また、危険緊急情報通知システム100は、危険緊急情報と危険緊急位置情報とを介護者などに通知するための危険緊急情報通知装置1と、警備保障サービス会社12に設置される緊急情報サーバ13とを備えている。
警備保障サービス会社12は、被介護者及びあらかじめ登録される介護者以外の第三者である。
緊急情報サーバ13は、危険緊急情報と危険緊急位置情報とを受信することにより、警備保障サービス会社12の派遣員に対して、緊急状態を通知する。
これら被介護者ホームネットワーク14と、介護者ホームネットワーク21と、介護者端末18と、危険緊急情報通知装置1と、緊急情報サーバ13とは、ネットワーク11を介して互いに接続されている。
【0020】
また、危険緊急情報通知システム100は、サービスコンポーネントに対応する機器として、ネットワーク11に接続された種々のサーバを備えている。たとえば、課金サーバ8、音声合成SIPサーバ(音声合成装置)9及び電子メールサーバ10などである。
課金サーバ8は、通信サービス事業者によって管理されており、警備保障サービス会社12に代わって、介護者に課金を請求し代行課金処理する。
音声合成・SIPサーバ9は、危険緊急情報及び危険緊急位置情報の文章(テキスト)データを音声データに変換し、出力する。
電子メールサーバ10は、各種電子メールの送受信の制御・管理を行う。
なお、ネットワーク11は、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)や公衆回線網などで構成されるものである。
【0021】
被介護者ホームネットワーク14は、被介護者の緊急状態を検知するためのセンサネットワーク(検知部)15を備えている。センサネットワーク15は、複数の人感知センサ16と、これら人感知センサ16に無線によって接続されたホームゲートウェイ17とを備えている。
人感知センサ16は、赤外線センサからなり、風呂、和室、洋室、玄関又はリビングルームなどの任意の箇所に設置される。また、人感知センサ16は、それぞれに固有のセンサIDが記憶されており、介護者が発する赤外線を検知すると、超広帯域の無線方式により、その検知結果とセンサIDとをホームゲートウェイ17に送信する。
【0022】
ホームゲートウェイ17は、センサネットワーク15のゾーンをネットワーク11に接続するゲートウェイ機能と、人感知センサ16の検知結果をどこからでも確認可能にするWeb機能とを有している。
また、ホームゲートウェイ17は、センサIDと危険緊急位置情報(風呂、和室、洋室、玄関又はリビングルームなどの設置場所)とが対応付けられたテーブルを有している。また、ホームゲートウェイ17には、被介護者に固有の被介護者ID(被介護者の識別情報)が記憶されている。
そして、ホームゲートウェイ17は、人感知センサ16から送信された検知結果とセンサIDとを受信すると、テーブルを利用してセンサIDから危険緊急位置情報を抽出し、危険緊急情報と危険緊急位置情報と被介護者IDとを、ネットワーク11を介して危険緊急情報通知装置1に送信する。
なお、ホームゲートウェイ17は、人感知センサ16から出力された検知結果とセンサIDとを受信し続けている間は、所定の時間間隔で周期的に、危険緊急情報と危険緊急位置情報と被介護者IDとを送信する。
【0023】
危険緊急情報通知装置1は、ホームゲートウェイ17から送信された危険緊急情報と危険緊急位置情報と被介護者IDとを受信するプレゼンス危険緊急検知サーバ(緊急検知入力部)2と、サービス合成エンジンなどのサービス合成部3と、課金サーバ8に接続可能なID送受信部(送受信部)30とを備えている。また、危険緊急情報通知装置1は、サービス合成部3に接続されたサービスシナリオデータベース(サービスシナリオ記憶部)4、サービスコンポーネントデータベース(サービスコンポーネント記憶部)5、データ変換機能部(データ変換部)6及びサービス登録データベース(サービス登録記憶部)7を備えている。
【0024】
プレゼンス危険緊急検知サーバ2は、ホームゲートウェイ17から送信された危険緊急情報と危険緊急位置情報と被介護者IDとを受信する。また、プレゼンス危険緊急検知サーバ2は、危険緊急情報と危険緊急位置情報と被介護者IDとの最初の受信開始時から連続してどれくらいの時間、同じ情報を受信しているかを表す連続受信時間と、後述するサービスシナリオとが対応付けられたテーブルを有している。
そして、プレゼンス危険緊急検知サーバ2は、危険緊急情報と危険緊急位置情報と被介護者IDとを連続して受信すると、連続受信時間を演算し、テーブルから、その連続受信時間に対応するサービスシナリオを起動する起動命令と、危険緊急情報、危険緊急位置情報及び被介護者IDとをサービス合成部3に入力する。
具体的には、連続受信時間が20分を超えると、プレゼンス危険緊急検知サーバ2は、テーブルから危険緊急情報サービスシナリオの指示を抽出して、その起動命令を出力する。
【0025】
サービスシナリオデータベース4には、危険緊急状態のときに利用する危険緊急情報サービスシナリオなどの複数のサービスシナリオが記憶されている。サービスシナリオとは、サービスコンポーネントを組み合わせることによって実現されるサービスが記述されたサービステンプレートのことをいう。例えば、コンピュータで読み取り可能なテキストデータ又はバイナリデータなどである。
サービスコンポーネントデータベース5には、複数のサービスコンポーネントが記憶されている。サービスコンポーネントとは、機器を規定する情報をいう。
サービス登録データベース7には、被介護者ID、被介護者を介護する介護者の介護者ID、サービスコンポーネントに対応する各機器のIDやアドレス(オーディオ装置アドレス、光デバイス機器アドレス、電話ID、介護者端末ID等)などが対応付けられて記憶されている。
【0026】
また、サービス合成部3は、各種サービスシナリオに基づいて、サービスに関する処理を起動し実行するものである。このサービス合成部3は、プレゼンス危険緊急検知サーバ2から入力された起動命令に基づいて、サービスシナリオデータベース4から、起動命令に対応するサービスシナリオを取得して実行する。
ここでの危険緊急情報サービスシナリオは、図3に示すように、危険緊急情報と危険緊急位置情報とを検知するプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、危険緊急位置情報と危険緊急情報とを後述するオーディオ装置(音声出力機器)25によって通知する音声出力サービスコンポーネントと、点灯色の変化によって危険緊急情報レベルと危険緊急位置情報とを通知する光デバイス機器サービスコンポーネントと、危険緊急情報と危険緊急位置情報とを電話24によって通知する電話サービスコンポーネントと、警備保障サービス会社12に危険緊急情報と危険緊急位置情報とを通知する警備保障サービス会社サービスコンポーネント(第三者サービスコンポーネント)と、介護者端末18に電子メールによって通知する電子メールサービスコンポーネントと、警備保障サービス会社12などに代行課金処理する課金サービスコンポーネントとが組み合わされたサービスシナリオ構成である。
【0027】
また、サービス合成部3は、危険緊急情報サービスシナリオを実行すると、当該シナリオに組み込まれている各種サービスコンポーネントについての指示に対応するサービスコンポーネント(プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネント、音声出力サービスコンポーネント、光デバイス機器サービスコンポーネント、電話サービスコンポーネント、警備保障サービス会社サービスコンポーネント、電子メールサービスコンポーネント、及び、課金サービスコンポーネント)をサービスコンポーネントデータベース5から取得する。
さらに、サービス合成部3は、危険緊急情報サービスシナリオを実行すると、プレゼンス危険緊急検知サーバ2から入力された被介護者IDに基づいて、危険緊急情報サービスシナリオで指示されたサービスコンポーネントに対応する各機器のうち被介護者IDに対応する機器アドレスや機器ID(サービスコンポーネントの識別情報)を、サービス登録データベース7から取得する。
そして、サービス合成部3は、危険緊急情報、危険緊急位置情報、各サービスコンポーネント、機器アドレス及び機器IDをデータ変換機能部6に入力する。
【0028】
データ変換機能部6は、サービス合成部3から、危険緊急情報、危険緊急位置情報、各サービスコンポーネント、機器アドレス及び機器IDが入力されると、危険緊急情報と危険緊急位置情報とを、他のサービスコンポーネント(音声出力サービスコンポーネント、光デバイス機器サービスコンポーネント、電話サービスコンポーネント、警備保障サービス会社サービスコンポーネント、電子メールサービスコンポーネント、及び、課金サービスコンポーネント)に対応する入力データ書式に変換する。すなわち、データ変換機能部6は、危険緊急情報と危険緊急位置情報とを、サービスコンポーネントに対応する機器(オーディオ装置25、光デバイス機器23、音声合成・SIPサーバ9、緊急情報サーバ13、電子メールサーバ10、課金サーバ8)の入力データ書式に合わせた形式に変換する。
また、データ変換機能部6は、サービス合成部3によって入力された各サービスコンポーネントと機器アドレス及び機器IDとに基づいて、介護者宅20及び警備保障サービス会社12に設置された各機器に通知するサービスシナリオを生成する。
そして、データ変換機能部6は、生成した各種サービスシナリオに基づいて、ネットワーク11を介して、変換した危険緊急情報や危険緊急位置情報などを各機器に送信する。
【0029】
また、介護者ホームネットワーク21は、オーディオ装置25と、光デバイス機器23と、電話24と、ホームゲートウェイ22とを備えている。
電話24は、ネットワーク11に接続されており、音声合成・SIPサーバ9から出力された音声データを受信し、不図示のスピーカから危険緊急情報や危険緊急位置情報などを通知する。
ホームゲートウェイ22は、ネットワーク11と、オーディオ装置25及び光デバイス機器23とに接続されている。そして、ホームゲートウェイ22は、ネットワーク11から受信した各種情報を、オーディオ装置25又は光デバイス機器23に選択的に入力する。
オーディオ装置25は、スピーカ25aを備えており、ホームゲートウェイ22から入力された音声データを、スピーカ25aを介して音声として放音する。
【0030】
光デバイス機器23は、被害者の通常状態、注意状態、又は危険状態などの危険度レベルと、危険緊急位置情報とを表示する。
すなわち、光デバイス機器23は、図2に示すように、危険緊急位置情報と危険度レベルを表示するようになっている。危険緊急位置情報には、例えば「和室」や「風呂場」などの位置情報が表示されており、それら位置情報に対応させて、LEDなどの発光素子が設けられている。
また、危険度レベルには、「通常」、「注意」、「危険」などの3段階の危険度レベルが表示されており、それらレベルに対応させて、LEDなどの発光素子が設けられている。
そして、人感知センサ16の取り付け場所によって、例えば和室が緑色、風呂場が橙色に点灯するようになっており、危険度レベルに応じて、通常状態が青色、注意状態が黄色、危険状態が赤色などで点灯するようになっている。これにより、例えば、被介護者が和室で危険緊急状態にあるときには、危険緊急位置情報が和室として光デバイス機器23に入力され、その結果、「和室」の発光素子が緑色に点灯し、「危険」の発光素子が赤色に点灯することによって、被介護者がどこの位置でどういう状態にあるかを、介護者が直ちに直感的に認識することができる。
なお、光デバイス機器23とホームゲートウェイ22との間は、シリアルケーブルで接続されている。
【0031】
また、ID送受信部30は、課金サーバ8から接続要求があると、課金サーバ8に接続し、所定の介護者IDをサービス登録データベース7から取得して、課金サーバ8に送信する。
【0032】
次いで、危険緊急情報サービスシナリオについて、図3を参照して説明する。
(オーディオ装置に通知するサービスシナリオ)
図3の例1は、危険緊急情報と危険緊急位置情報とをオーディオ装置25を介して通知するサービスシナリオ(以下「オーディオ装置サービスシナリオ」という。)を示すものである。
オーディオ装置サービスシナリオにおいて、データ変換機能部6は、プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに続けて、音声出力サービスコンポーネントを呼び出す際に、サービス合成部3から入力された危険緊急情報と危険緊急位置情報とを、「危険緊急位置は、○○宅の和室で発生し、危険緊急状態であり、ホームゲートウェイに接続し、介護者宅のオーディオ装置に通知」と、音声出力サービスコンポーネントに対応する入力データ書式に合わせた文章形式に変換する。そして、データ変換機能部6は、変換したデータを、ネットワーク11を介してホームゲートウェイ22に送信する。ホームネットワーク21の各機器には、UPnP(Universal Plug and Play)等の機器制御プロトコルが実装されているので、ホームゲートウェイ22は、オーディオ装置25の電源制御をONして、スピーカ25aから被介護者に関する危険緊急情報と危険緊急位置情報とを通知する。
サービスシナリオとしては、「プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネント」→「音声出力サービスコンポーネント」→「ホームゲートウェイ22」→「オーディオ装置25」という構成になる。
【0033】
(光デバイス機器に通知するサービスシナリオ)
図3の例2は、危険緊急位置情報と危険緊急情報とを光デバイス機器23を介して通知するサービスシナリオ(以下「光デバイス機器サービスシナリオ」という。)を示すものである。
光デバイス機器サービスシナリオにおいて、データ変換機能部6は、プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに続けて、光デバイス機器サービスコンポーネントを呼び出す際に、サービス合成部3から入力された危険緊急情報と危険緊急位置情報とを、「危険緊急位置は、○○宅の和室で発生し、危険緊急状態であり、ホームゲートウェイに接続し、光デバイス機器を赤色点灯」と、光デバイス機器サービスコンポーネントの入力データ書式に合わせた形式に変換する。すなわち、この変換されたデータは、光デバイス機器23のどの発光素子を何色で点灯させるかという情報を含む点灯情報となる。そして、データ変換機能部6は、変換したデータ(点灯情報)を、ネットワーク11を介してホームゲートウェイ22に送信する。これにより、例えば、光デバイス機器23の「和室」に対応する発光素子が緑色に点灯し、「危険状態」に対応する発光素子が赤色に点灯する。これにより、危険緊急位置情報と危険緊急情報とが介護者に通知される。
サービスシナリオとしては、「プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネント」→「光デバイスサービスコンポーネント」→「ホームゲートウェイ22」→「光デバイス機器23が赤色点灯」という構成になる。
【0034】
(電話に通知するサービスシナリオ)
図3の例3は、危険緊急位置情報と危険緊急情報とを電話24を介して通知するサービスシナリオ(以下「電話サービスシナリオ」という。)を示すものである。
電話サービスシナリオにおいて、データ変換機能部6は、プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに続けて、サービス合成部3から入力された危険緊急情報と危険緊急位置情報とを、例えば、「危険緊急位置は、○○宅の和室で発生し、危険緊急状態であり、音声合成・SIPサーバに接続し、介護者宅の電話に通知」と、電話サービスコンポーネントの入力データ書式に合わせた文章形式に変換する。そして、データ変換機能部6は、変換したデータと電話IDとを、ネットワーク11を介して音声合成・SIPサーバ9に送信する。そして、音声合成・SIPサーバ9は、文章形式のテキストデータを音声データに変換して、電話IDに対応する電話24に出力する。これにより、危険緊急情報と危険緊急位置情報とが、電話24を介して、介護者に通知される。
サービスシナリオとしては、「プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネント」→「電話サービスコンポーネント」→「音声合成・SIPサーバ9」→「電話24」という構成になる。
【0035】
(警備保障サービス会社に通知するサービスシナリオ)
図3の例4は、危険緊急位置情報と危険緊急情報とを緊急情報サーバ13を介して通知するサービスシナリオ(以下「警備会社サービスシナリオ」という。)を示すものである。
警備会社サービスシナリオにおいて、データ変換機能部6は、プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに続けて、警備保障サービス会社サービスコンポーネントを呼び出す際に、サービス合成部3から入力された危険緊急情報と危険緊急位置情報とを、「○○宅の和室の位置で、危険緊急状態が発生し、危険伏態であり、近くの警備保障サービス会社が○○宅に至急出向し救助する」と、警備保障サービス会社サービスコンポーネントの入力データ書式に合わせた文章形式などに変換する。そして、データ変換機能部6は、変換したデータを、ネットワーク11を介して、緊急情報サーバ13に送信する。緊急情報サーバ13は、当該文章や被介護者宅19の地図を表示部などに表示する。これにより、危険緊急情報と危険緊急位置情報とが、緊急情報サーバ13によって、警備保障サービス会社12の派遣員に通知される。
サービスシナリオとしては、「プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネント」→「警備保障サービス会社サービスコンポーネント」→「緊急情報サーバ13」→「危険緊急位置情報の地図表示」という構成になる。
【0036】
(介護者端末に通知するサービスシナリオ)
図3の例5は、危険緊急位置情報と危険緊急情報とを介護者端末18を介して通知するサービスシナリオ(以下「介護者端末サービスシナリオ」という。)を示すものである。
介護者端末サービスシナリオにおいて、データ変換機能部6は、プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに続けて、電子メールサービスコンポーネントを呼び出す際に、サービス合成部3から入力された危険緊急情報と危険緊急位置情報とを、電子メールサービスコンポーネントの入力データ書式に合わせた文章形式に変換する。そして、データ変換機能部6は、変換したデータと介護者端末IDとを、ネットワーク11を介して、電子メールサーバ10に送信する。電子メールサーバ10は、介護者端末IDに対応する介護者端末18に当該文章を送信する。介護者端末18は、当該文章を受信して表示部に表示する。これにより、危険緊急情報と危険緊急位置情報とが、介護者端末18を介して、介護者に通知される。
サービスシナリオとしては、「プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネント」→「電子メールサービスコンポーネント」→「電子メールサーバ10」→「介護者端末18においてメールによる表示」という構成になる。
【0037】
(課金サーバが代行課金するサービスシナリオ)
図3の例6は、課金サーバ8を管理する通信サービス事業者が、警備保障サービス会社12に代わって、介護者に課金請求するサービスシナリオ(以下「課金サービスシナリオ」という。)を示すものである。
課金サービスシナリオにおいて、警備保障サービス会社12の派遣員によって、被介護者が救助されると、オペレータの操作により、緊急情報サーバ13は、被介護者IDと支払い要求とをネットワーク11を介して課金サーバ8に送信する。課金サーバ8は、被介護者IDと支払い要求とを受信すると、被介護者IDと介護者IDの送信要求とを、ネットワーク11を介して危険緊急情報通知装置1に送信する。ID送受信部30は、被介護者IDと介護者IDの送信要求とを受信すると、被介護者IDに対応する介護者IDをサービス登録データベース7から取得する。そして、ID送受信部30は、介護者IDを、ネットワーク11を介して課金サーバ8に送信する。そして、課金サーバ8は、介護者IDを受信すると、介護者IDに課金請求を通知するとともに、警備保障サービス会社12に対して支払い処理を行う。
【0038】
なお、危険緊急情報及び危険緊急位置情報の通知は、すべて上記記載の機器に同時に通
知がされる。
また、介護者が登録するときには、危険緊急情報と危険緊急位置情報とを介護者の各機器に送信する優先順位を指定することができ、この場合、各機器に送信する優先順位が登録される。そして、優先順位が登録されている場合には、優先順位に応じて、各機器に送信される。
また、危険緊急情報と危険緊急位置情報とを通知するサービスシナリオにおけるコンポーネントとしては、上記の各種コンポーネントに限ることはなく、例えば、情報家電機器、又は、警察署や消防署などに設置される緊急サーバなど適宜変更可能である。
【0039】
次に、危険緊急情報通知システム100の動作について、図4を参照して説明する。
図4は、危険緊急情報通知システム100における各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
ここでは、危険緊急状態を各機器に通知する動作について説明する。
まず、介護者は、本サービス利用するにあたって、自身の名前や住所など介護者IDと、被介護者の名前や住所など被介護者IDと、緊急情報通知を受信する各機器のアドレスなどをサービス登録データベース7にあらかじめ登録しておく(ステップS1)。
そして、被介護者が、風呂場などに入ると、人感知センサ16が被介護者を検知し、検知結果とセンサIDとを無線モジュールからホームゲートウェイ17に送信する(ステップS2)。ホームゲートウェイ17は、人感知センサ16から送信された検知結果とセンサIDとを受信し、センサIDに基づいて、あらかじめ記憶されたテーブルから危険緊急位置情報を抽出する。
【0040】
そして、ホームゲートウェイ17は、危険緊急情報と、テーブルから抽出した危険緊急位置情報と、被介護者IDとを、ネットワーク11を介して、危険緊急情報通知装置1に送信する(ステップS3)。
プレゼンス緊急検知サーバ2は、ホームゲートウェイ17から送信された危険緊急情報と危険緊急位置情報と被介護者IDとを受信し、それら情報とIDとを最初に受信してから連続して受信し続けている時間が閾値を超えたか否かを判定する。例えば、閾値が20分に設定されていたとすると、被介護者が、風呂場などで体調が悪くなり、約20分経過してもほとんど動かない場合、プレゼンス緊急検知サーバ2は、連続受信時間が閾値の20分を越えたと判定し、危険緊急情報、危険緊急位置情報及び被介護者IDと、危険緊急サービスシナリオの起動命令とをサービス合成部3に入力する(ステップS4)。
サービス合成部3は、起動命令に基づいて、サービスシナリオデータベース4から危険緊急情報サービスシナリオを検索して取得し、危険緊急情報サービスシナリオ起動を実行する(ステップS5)。そして、サービス合成部3は、危険緊急情報サービスシナリオに組み込まれている各サービスコンポーネントについての指示に対応するサービスコンポーネントを、サービスコンポーネントデータベース5から検索して取得する(ステップS6)。ここでのサービスコンポーネントは、オーディオ装置25、光デバイス機器23、電子メールサーバ10、音声合成・SIPサーバ9、緊急情報サーバ13、課金サーバ8について規定する情報である。
【0041】
そして、サービス合成部3は、プレゼンス危険緊急検知サーバから入力された被介護者IDに対応したサービスコンポーネントの各機器アドレスや機器IDを検索して取得する(ステップS7)。具体的には、オーディオ装置アドレス、光デバイス機器アドレス、電話ID、介護者端末IDなどである。そして、サービス合成部3は、これらの各サービスコンポーネントと、各機器アドレス及び機器IDと、危険緊急情報及び危険緊急位置情報とをデータ変換機能部6に入力する。
データ変換機能部6は、危険緊急情報と危険緊急位置情報とを通知するために、上述したようなそれぞれのサービスコンポーネントに合わせた文章形式や点灯情報に変換する。そして、各機器アドレスや機器IDに対して、文章化した危険緊急情報と危険緊急位置情報とを送信する(ステップS8)。
【0042】
具体的には、データ変換機能部6が、オーディオ装置25に対応する文章化された危険緊急情報と危険緊急位置情報とを、ネットワーク11を介して、ホームゲートウェイ22に送信する(ステップS9)。
ホームゲートウェイ22は、データ変換機能部6から送信された危険緊急情報と危険緊急位置情報とを受信すると、オーディオ装置25の電源をONして、オーディオ装置25用に文章化された危険緊急情報と危険緊急位置情報とをオーディオ装置25に入力する。これにより、危険緊急情報と危険緊急位置情報とが、スピーカ25aから音声により放音される。
【0043】
また、データ変換機能部6は、光デバイス機器23に対応する危険緊急情報と危険緊急位置情報と(点灯情報)を、ネットワーク11を介して、ホームゲートウェイ22に送信する(ステップS10)。
ホームゲートウェイ22は、データ変換機能部6から送信された危険緊急情報と危険緊急位置情報とを受信すると、光デバイス機器23用の危険緊急情報と危険緊急位置情報とを、当該アドレスに対応する光デバイス機器23に入力する。これにより、光デバイス機器の危険緊急位置情報の所定の発光素子が点灯するとともに、危険度レベルの「危険」に対応する発光素子が赤色に点灯する。
【0044】
また、データ変換機能部6は、ネットワーク11を介して音声合成・SIPサーバ9に接続し、音声合成・SIPサーバ9に対応する文章化された危険緊急情報と危険緊急位置情報と電話IDとを音声合成・SIPサーバ9に送信する(ステップS11)。
音声合成・SIPサーバ9は、文章化された危険緊急情報と危険緊急位置情報とを音声データに変換し、電話IDに対応する電話24に通知する。
【0045】
また、データ変換機能部6は、ネットワーク11を介して電子メールサーバ10に接続し、電子メールサーバ10に対応する危険緊急情報と危険緊急位置情報と介護者端末IDとを電子メールサーバ10に送信する(ステップS12)。
電子メールサーバ10は、介護者端末IDに対応する介護者端末18に対して、危険緊急情報と危険緊急位置情報とを、ネットワーク11を介して通知する。
【0046】
また、データ変換機能部6は、ネットワーク11を介して緊急情報サーバ13に接続し、緊急情報サーバ13に対応する危険緊急情報と危険緊急位置情報とを緊急情報サーバ13に送信する(ステップS13)。
緊急情報サーバ13は、危険緊急情報や危険緊急位置の地図などを表示部に表示する。これにより、警備保障サービス会社12の派遣員に危険緊急情報や危険緊急位置を知らしめることができ、直ちに派遣員が被介護者宅に向かうことになる。
【0047】
また、警備保障サービス会社12は、被介護者を救助した後、緊急救助料金を通信サービス事業者に請求する。すなわち、オペレータの操作により、緊急情報サーバ13が、ネットワーク11を介して、課金サーバ8に被介護者IDと支払い要求とを送信する(ステップS14)。課金サーバ8は、被介護者IDと支払い要求とを受信すると、被介護者IDと介護者IDの送信要求とを、ネットワーク11を介して危険緊急情報通知装置1に送信する。ID送受信部30は、被介護者IDと介護者IDの送信要求とを受信すると、被介護者IDに対応する介護者IDをサービス登録データベース7から取得する。そして、ID送受信部30は、介護者IDを、ネットワーク11を介して課金サーバ8に送信する。そして、課金サーバ8は、介護者IDを受信すると、介護者IDに課金請求を通知するとともに、警備保障サービス会社12に対して支払い処理を行う(ステップS15)。
【0048】
このようにして、危険緊急状態が発生したときに、危険緊急情報と危険緊急位置情報とが介護者や第三者(警備保障サービス会社12)に各機器を介して通知される。
なお、危険緊急状態でない場合には、通常状態シナリオや注意状態シナリオに基づいて、上記と同様の動作により、危険緊急位置情報と危険度レベルとが光デバイス機器23に通知される。
【0049】
以上より、本実施形態における危険緊急情報システム100によれば、被介護者が急に危険緊急状態に陥ったときでも、被介護者が人感知センサ16に近づくだけで、危険緊急状態とその場所とを確実に検知することができ、それら危険緊急状態と場所とを、各機器に迅速かつ確実に送信することができる。そのため、危険緊急状態が発生した場合に、介護者や警備保障サービス会社12の派遣員が迅速に対応することができ、そのため被介護者にも安心感を与えることができる。
また、課金サーバ8が代行して課金処理することから、介護者の支払いの便宜を向上させることができ、これにより、通信サービス事業者及び警備保障サービス会社12は、簡易かつ確実に料金を回収することができる。
【0050】
なお、危険緊急情報サービスシナリオについては、上記のものに限ることはなく、適宜変更可能である。
例えば、図5に示すように、音声出力サービスコンポーネントと、光デバイス機器サービスコンポーネントと、電話サービスコンポーネントと、電子メールサービスコンポーネントとを総合して、「通知サービスコンポーネント」としてもよい。この場合、通知サービスコンポーネントをプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントの次に記述すればよい。
このとき、サービス合成部3は、危険緊急情報が入力された時刻や危険緊急位置情報に基づく位置などに応じて、実際に抽出するサービスコンポーネントを決定するようにしてもよい。例えば、夜間に緊急情報が入力された場合には、サービス合成部3が、電話サービスコンポーネントやメールサービスコンポーネントを抽出したり、重要度が低い緊急情報が入力された場合には、メールサービスコンポーネントや電話サービスコンポーネントを抽出する代わりに光デバイス機器サービスコンポーネントのみを抽出する、といった緊急事態の発生場所、発生時刻、発生内容の組み合わせとその対応を、通知サービスコンポーネントに登録しておくことで、緊急事態の内容に応じた対応ができる。
【0051】
また、危険緊急情報通知装置1における機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより危険緊急情報や危険緊急位置情報の通知を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0052】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0053】
なお、人感知センサ16として、赤外線センサを利用するものとしたが、これに限ることは無く、赤外線以外の電波などを用いたセンサであってもよい。
また、危険緊急情報及び危険緊急位置情報が、各機器に同時に送信されるものとしたが、これに限ることはなく、例えば上述のように優先順位などを設定し、各機器間で時間差を設けて送信してもよい。
また、各サービスコンポーネントについては、上述のものに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、残りのサービスコンポーネントのうち少なくとも一つのサービスコンポーネントとがあればよい。また、他のサービスコンポーネントを追加してもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る緊急情報通知装置を危険緊急情報通知システムに適用した例を示すシステム構成図である。
【図2】図1の光デバイス機器の一部を示す正面図である。
【図3】危険緊急サービスシナリオを示す説明図である。
【図4】危険緊急情報通知システムの動作を示すシーケンス図である。
【図5】サービスコンポーネントの変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0055】
1 緊急情報通知装置
2 プレゼンス危険緊急検知サーバ(緊急検知入力部)
3 サービス合成部
4 サービスシナリオデータベース(サービスシナリオ記憶部)
5 サービスコンポーネントデータベース(サービスコンポーネント記憶部)
6 データ変換機能部(データ変換部)
7 サービス登録データベース(サービス登録記憶部)
8 課金サーバ
9 音声合成・SIPサーバ(音声合成装置)
10 電子メールサーバ
15 センサネットワーク(検知部)
23 光デバイス機器
24 電話
25 オーディオ装置(音声出力機器)
30 ID送受信部(送受信部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被介護者宅に設置され被介護者の状態を検知する検知部から送信された緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とを入力する緊急検知入力部と、
サービスコンポーネントを組み合わせることによって実現されるサービスについて記述されたサービスシナリオを記憶するサービスシナリオ記憶部と、
前記サービスコンポーネントを記憶するサービスコンポーネント記憶部と、
前記被介護者の識別情報と前記サービスコンポーネントの識別情報とを対応付けて記憶するサービス登録記憶部と、
前記緊急検知入力部から入力された緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とに基づいて、前記サービスシナリオ記憶部から緊急サービスシナリオを取得して実行し、前記緊急サービスシナリオに組み込まれた前記サービスコンポーネントについての指示に対応するサービスコンポーネントを前記サービスコンポーネント記憶部から取得して、前記被介護者の識別情報に対応する前記サービスコンポーネントの識別情報を前記サービス登録記憶部から取得するサービス合成部と、
前記サービス合成部から入力された緊急情報及び緊急位置情報を、前記サービス合成部から入力されたサービスコンポーネントに対応する入力形式に変換して、当該変換した情報を、前記サービス合成部から入力された前記サービスコンポーネントの識別情報に対応する機器に送信するデータ変換部とを備えることを特徴とする緊急情報通知装置。
【請求項2】
前記緊急サービスシナリオは、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を検知するためのプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、
前記プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに連携するサービスコンポーネントであって、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を光デバイス機器によって通知するための光デバイス機器サービスコンポーネント、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を音声出力機器によって通知するための音声出力サービスコンポーネント、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を電話によって通知するための電話サービスコンポーネント、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を電子メールによって通知するための電子メールサービスコンポーネント、又は、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を前記被介護者及びあらかじめ登録される介護者以外の第三者に通知するための第三者サービスコンポーネントの少なくとも一つのサービスコンポーネントとを有しており、
前記データ変換部は、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記少なくとも一つのサービスコンポーネントに対応する入力形式に変換することを特徴とする請求項1に記載の緊急情報通知装置。
【請求項3】
前記緊急サービスシナリオは、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を検知するためのプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、
前記プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに連携するサービスコンポーネントであって、発光素子の点灯により前記緊急情報及び前記緊急位置情報を通知するための光デバイス機器サービスコンポーネントとを有しており、
前記データ変換部は、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記発光素子を点灯させるための点灯情報に変換することを特徴とする請求項1に記載の緊急情報通知装置。
【請求項4】
前記緊急サービスシナリオは、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を検知するためのプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、
前記プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに連携するサービスコンポーネントであって、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を音声出力機器によって通知するための音声出力サービスコンポーネントを有しており、
前記データ変換部は、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記音声出力機器に入力可能な文章データに変換することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の緊急情報通知装置。
【請求項5】
前記緊急サービスシナリオは、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を検知するためのプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、
前記プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに連携するサービスコンポーネントであって、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を電話によって通知するための電話サービスコンポーネントとを有しており、
前記データ変換部は、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記電話に接続される音声合成装置に入力可能な文章データに変換することを特徴とする請求項1,3,4のいずれか一項に記載の緊急情報通知装置。
【請求項6】
前記緊急サービスシナリオは、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を検知するためのプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、
前記プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに連携するサービスコンポーネントであって、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を電子メールによって通知するための電子メールサービスコンポーネントとを有しており、
前記データ変換部は、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、電子メールサーバに入力可能な文章データに変換することを特徴とする請求項1,3,4,5のいずれか一項に記載の緊急情報通知装置。
【請求項7】
前記緊急サービスシナリオは、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を検知するためのプレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントと、
前記プレゼンス危険緊急検知サービスコンポーネントに連携するサービスコンポーネントであって、前記被介護者及びあらかじめ登録される介護者以外の第三者に、前記緊急情報及び前記緊急位置情報を通知するための第三者サービスコンポーネントとを有しており、
前記データ変換部は、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記第三者サービスコンポーネントに対応する入力形式に変換することを特徴とする請求項1,3,4,5,6のいずれか一項に記載の緊急情報通知装置。
【請求項8】
前記緊急サービスシナリオは、
前記第三者に代わって前記被介護者に対する介護料金を前記介護者に課金するための課金サービスコンポーネントを有し、
前記サービス登録記憶部には、前記介護者の識別情報が前記被介護者の識別情報と対応して記憶されており、
前記第三者サービスコンポーネントに対応する機器から課金サーバを介して送信される前記被介護者の識別情報と前記介護者の識別情報の送信要求とを受信し、当該受信した被介護者の識別情報に基づいて前記サービス登録記憶部から介護者の識別情報を取得して、前記課金サーバに送信する送受信部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の緊急情報通知装置。
【請求項9】
前記サービス合成部は、
前記緊急検知入力部が前記緊急情報を入力する時間と、前記緊急位置情報とに基づいて、前記サービスコンポーネント記憶部から前記サービスコンポーネントを取得することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の緊急情報通知装置。
【請求項10】
介護者の緊急状態を通知する緊急情報通知装置における緊急情報通知方法であって、
被介護者宅に設置され被介護者の状態を検知する検知部から送信された緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とを入力する緊急検知入力工程と、
サービスコンポーネントを組み合わせることによって実現されるサービスについて記述されたサービスシナリオをサービスシナリオ記憶部に記憶するサービスシナリオ記憶工程と、
前記サービスコンポーネントをサービスコンポーネント記憶部に記憶するサービスコンポーネント記憶工程と、
前記被介護者の識別情報と前記サービスコンポーネントの識別情報とを対応付けてサービス登録記憶部に記憶するサービス登録記憶工程と、
前記緊急検知入力工程によって入力された緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とに基づいて、前記サービスシナリオ記憶部から緊急サービスシナリオを取得して実行し、前記緊急サービスシナリオに組み込まれたサービスコンポーネントについての指示に対応するサービスコンポーネントを前記サービスコンポーネント記憶部から取得して、前記被介護者の識別情報に対応する前記サービスコンポーネントの識別情報を前記サービス登録記憶部から取得するサービス合成工程と、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記サービス合成工程によって取得されたサービスコンポーネントに対応する入力形式に変換して、当該変換したデータを、前記サービス合成工程によって取得された前記サービスコンポーネントの識別情報に対応する機器に送信するデータ変換工程とを含むことを特徴とする緊急情報通知方法。
【請求項11】
コンピュータに、
被介護者宅に設置され被介護者の状態を検知する検知部から送信された緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とを入力する緊急検知入力ステップと、
サービスコンポーネントを組み合わせることによって実現されるサービスについて記述されたサービスシナリオをサービスシナリオ記憶部に記憶するサービスシナリオ記憶ステップと、
前記サービスコンポーネントをサービスコンポーネント記憶部に記憶するサービスコンポーネント記憶ステップと、
前記被介護者の識別情報と前記サービスコンポーネントの識別情報とを対応付けてサービス登録記憶部に記憶するサービス登録記憶ステップと、
前記緊急検知入力ステップによって入力された緊急情報と緊急位置情報と被介護者の識別情報とに基づいて、前記サービスシナリオ記憶部から緊急サービスシナリオを取得して実行し、前記緊急サービスシナリオに組み込まれたサービスコンポーネントについての指示に対応するサービスコンポーネントを前記サービスコンポーネント記憶部から取得して、前記被介護者の識別情報に対応する前記サービスコンポーネントの識別情報を前記サービス登録記憶部から取得するサービス合成ステップと、
前記緊急情報及び前記緊急位置情報を、前記サービス合成ステップによって取得されたサービスコンポーネントに対応する入力形式に変換して、当該変換したデータを、前記サービス合成ステップによって取得された前記サービスコンポーネントの識別情報に対応する機器に送信するデータ変換ステップとを実行させるための緊急情報通知プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−86899(P2009−86899A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254269(P2007−254269)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】