説明

線維芽細胞増殖促進能を有する組成物

【課題】 顕著な線維芽細胞増殖促進能を有する組成物を提供すること。
【解決手段】 本発明は、(A)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上と、(B)ダイズタンパク質のサーモリシン分解物とを含有する組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線維芽細胞の増殖を促進するための新規組成物、並びにそれに関連する発明に関する。
【背景技術】
【0002】
真皮の主細胞である線維芽細胞は、皮膚のハリを保っているコラーゲンや、皮膚の弾力性を維持しているエラスチン、皮膚の保湿力に大きな影響を与えるムコ多糖類(例、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等)等を産生する。ところが、紫外線の照射、空気の著しい乾燥、過度の皮膚洗浄等のある種の外的因子の影響や、加齢により、線維芽細胞自体の増殖能力が低下し、皮膚の保湿機能や弾力性が低下し、皮膚の老化(例えば、皮膚の弾力性もしくはハリの低下や、皮膚のシワもしくはタルミ等)が加速されることが知られている。
従って、線維芽細胞の増殖を促進することは、皮膚の弾力性もしくはハリの低下に対する予防及び/又は改善や、皮膚のシワもしくはタルミの予防及び/又は改善に寄与すると考えられ、この観点から、線維芽細胞増殖促進作用を有する植物抽出物等を含有する化粧料や美容用飲食物が種々提案されている。
【0003】
ところで、特許文献1には、豆類(ダイズ等)の種子あるいはそれらの加工品の水抽出物をタンパク質分解酵素で加水分解し、その分子量10000以下の画分を有効成分とすることを特徴とする皮膚外用剤が記載されている。より具体的には、タンパク質加水分解酵素によるダイズ分解物、ヒアルロン酸等を含有するエッセンス(処方例6)が記載されている。
特許文献2には、加水分解されたタンパク質等;少なくとも1つの有機パウダーあるいは表面処理された有機パウダー;並びに皮膚科学的に許容可能なキャリアであって、このキャリアがエマルジョンの形態であるキャリア;を特徴とする局所用パーソナルケア組成物が記載されている。より具体的には、ヒアルロン酸ナトリウム、加水分解されたダイズタンパク質等を含有する局所用クリーム(表5)が記載されている。
しかしながら、特許文献1及び2には、ダイズタンパク質をサーモリシンという特定のプロテアーゼで分解して得られる産物についての記載は一切ない。
【0004】
一方、特許文献3には、ダイズタンパク質をサーモリシンという特定のプロテアーゼで分解して得られる産物が、コラーゲン及びヒアルロン酸からなる群より選択される少なくとも一種の産生促進能を有し、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸量の低下に起因する疾患の治療剤又は予防剤;コラーゲン及び/又はヒアルロン酸量の低下に起因する状態の改善用又は予防用の食品;紫外線曝露、加齢等による皮膚のシワもしくはタルミの予防及び/又は改善のための化粧料;皮膚の弾力性もしくはハリの低下に対する予防及び/又は改善のための化粧料;等として有用であることが記載されているが、当該産物とヒアルロン酸等とを併用することは一切記載も示唆もされていない。
【特許文献1】特開平9−025225号公報
【特許文献2】特表2005−516048号公報
【特許文献3】国際公開第2007/049400号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような生体における線維芽細胞の果たす役割の重要性に鑑み、顕著な線維芽細胞増殖促進能を有する有用な新規組成物の開発が望まれている。本発明は、かかる従来の問題に鑑み、顕著な線維芽細胞増殖促進能を有する新規組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上と、ダイズタンパク質をサーモリシンという特定のプロテアーゼで分解して得られる産物とを併用することにより、それぞれを単独で用いる場合と比較して、線維芽細胞の増殖が顕著に促進されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
従って、本発明は以下を提供する。
(1) (A)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上と、
(B)ダイズタンパク質のサーモリシン分解物
とを含有する組成物。
(2) 線維芽細胞増殖を促進するために使用され得る、上記(1)に記載の組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、線維芽細胞の増殖を顕著に促進する新規組成物が提供される。本発明の組成物は、美容上の問題を予防又は治療するための組成物、例えば、紫外線曝露や加齢等による皮膚のシワもしくはタルミの予防及び/又は改善のための組成物、皮膚の弾力性もしくはハリの低下に対する予防及び/又は改善のための組成物等として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書中において使用される用語は、特に他に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられていることが理解されるべきである。
【0010】
本発明は、(A)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体及びこれらの塩からなる群から選択される1種以上と、(B)ダイズタンパク質のサーモリシン分解物とを含有する組成物である。
【0011】
本発明には、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上が用いられる〔以下、本明細書において、これを総称して「ヒアルロン酸類」ということがある〕。本発明に用いるヒアルロン酸類の由来(鶏冠、微生物など)は特に制限されず、医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品の分野において通常用いられ得るものを特に限定されず用いることができる。
【0012】
ヒアルロン酸誘導体としては、ヒアルロン酸のカルボキシル基の水素原子が、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたエステル誘導体;ヒアルロン酸の水酸基の水素原子が、アシル基で置換されたエステル誘導体や、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたエーテル誘導体;ヒアルロン酸のアミノ基の水素原子が、アシル基で置換されたアミド誘導体や、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたアミン誘導体;等が挙げられる。ヒアルロン酸誘導体は、構成単位(2糖)あたりの置換数が1〜6のものが通常使用され、置換数2〜4のものが好ましい。
【0013】
エステル誘導体としては、ヒアルロン酸のカルボキシル基の水素原子が、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたもの;ヒアルロン酸の水酸基の水素原子がアルカノイル基、アリールカルボニル基等のアシル基で置換されたもの;等が挙げられる。
【0014】
アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜12のアルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基である。具体例としては、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
これらアルキル基及びアルケニル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0015】
アリール基としては、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。具体例としては、フェニル基、ナフチル基(1−ナフチル基、2−ナフチル基)等が挙げられる。また、アリール基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0016】
アルカノイル基としては炭素数1〜12のアルカノイル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜7のアルカノイル基である。具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。また、アルカノイル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
アリールカルボニル基としては炭素数7〜15のアリールカルボニル基が挙げられ、好ましくは炭素数7〜12のアリールカルボニル基である。具体例としては、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基(1−ナフチルカルボニル基、2−ナフチルカルボニル基)等が挙げられる。また、アリールカルボニル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0017】
エーテル誘導体としては、ヒアルロン酸の水酸基の水素原子がアルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたものなどが挙げられる。
エーテル誘導体の置換基として例示した「アルキル基」、「アルケニル基」及び「アリール基」としては、前記エステル誘導体の置換基として例示した「アルキル基」、「アルケニル基」及び「アリール基」とそれぞれ同様のものが挙げられる。
【0018】
アミド誘導体としては、ヒアルロン酸のアミノ基の水素原子が、アルカノイル基、アリールカルボニル基等のアシル基で置換されたものなどが挙げられる。
アミド誘導体の置換基として例示した「アルカノイル基」及び「アリールカルボニル基」としては、前記エステル誘導体の置換基として例示した「アルカノイル基」及び「アリールカルボニル基」とそれぞれ同様のものが挙げられる。
【0019】
アミン誘導体としては、ヒアルロン酸のアミノ基の水素原子が、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたものなどが挙げられる。
アミン誘導体の置換基として例示した「アルキル基」、「アルケニル基」及び「アリール基」としては、前記エステル誘導体の置換基として例示した「アルキル基」、「アルケニル基」及び「アリール基」とそれぞれ同様のものが挙げられる。
【0020】
ヒアルロン酸、及びヒアルロン酸誘導体の塩としては、薬学的・生理学的に許容される塩が好ましい。例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン等のアルカノールアミン塩;等を挙げることができ、好ましくはナトリウム塩などのアルカリ金属塩である。
【0021】
本発明の組成物において、ヒアルロン酸類の平均分子量は特に制限されないが、通常1000〜400万であり、好ましくは1000〜120万であり、より好ましくは5000〜100万であり、特に好ましくは5000〜40万である。
【0022】
本発明において、ヒアルロン酸類は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、ヒアルロン酸類は、市販品がある場合、市販品をそのまま使用してもよい。
【0023】
本発明に用いられるヒアルロン酸類としては、具体的には、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸マグネシウム、ヒアルロン酸カルシウム、アセチル化ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸カリウム、アセチル化ヒアルロン酸マグネシウム、アセチル化ヒアルロン酸カルシウム等が挙げられる。
本発明に用いられるヒアルロン酸類としては、好ましくは、溶解度及び安定性の観点から、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0024】
本発明の組成物に配合するヒアルロン酸類の配合量は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、組成物全体に対して、通常は0.0005重量%以上、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上であり、配合上限は好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0.25重量%以下とするのがよい。
【0025】
本発明にはさらに、ダイズタンパク質のサーモリシン分解物が用いられる〔以下、本明細書においてこれを「ダイズサーモリシン分解物」ということがある〕。
【0026】
ダイズ(Glycin max)は、背丈約60〜70cm程度となるマメ科の一年草植物である。その種子は、枝豆などとして、あるいは豆腐や味噌、醤油などに加工されて、食用に供されることが多いことで知られる。
【0027】
本発明に用いられるダイズタンパク質は、上述のダイズ植物に由来する任意のタンパク質であり得るが、好ましくは、ダイズ植物の種子に由来する任意のタンパク質であり得る。
【0028】
従って、本発明においては、ダイズ植物そのものやダイズ植物の種子そのもの、該植物や該種子の破砕物又は粉砕物等を、ダイズタンパク質として用いてもよいが、好ましくはダイズ植物中の全成分からタンパク質成分を分離・精製したもの、より好ましくは、ダイズ植物の種子中の全成分からタンパク質成分を分離・精製したものが用いられる。このように分離・精製して得られたダイズタンパク質は、そのサーモリシン分解物が本願効果を奏し得る限り、ダイズ植物又はダイズ植物の種子中に含まれる実質的に全種類のタンパク質を含むものでもよく、また、一部の種類のタンパク質を含むものであってもよい。
【0029】
ダイズタンパク質としては、市販品も好適に用いられ得、例えば、日清コスモフーズ(株)、ADMファーイースト(株)、昭和産業(株)、不二製油(株)、(株)光洋商会などの製造業者又は供給業者から容易に入手可能である。
【0030】
なお、本明細書において、ダイズ植物の種子とは、ダイズ種子と通常呼ばれる構造物全体を指すのみならず、例えば、脱皮ダイズ種子、脱脂ダイズ種子(粉末)、ダイズ種子全体より得られる雪花菜(オカラ)等でもあり得る。
【0031】
本発明に用いられるサーモリシン(EC3.4.24.27)は、Bacillus thermoproteolyticusという耐熱性菌によって生産される耐熱性のプロテアーゼである。サーモリシンは一般に、大きな側鎖をもった疎水性のアミノ酸残基(例えば、イソロイシン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、アラニンなど)のアミノ基側のペプチド結合を切断することが知られている。
【0032】
サーモリシンは、市販品も好適に用いられ得、例えば、大和化成(株)などの製造業者から容易に入手可能である。また、本発明においては、サーモリシンと同等のペプチド切断特性(切断配列特異性など)を有するプロテアーゼとして当該分野で公知のプロテアーゼを、サーモリシンとして用いることができる。
【0033】
本発明に用いられるサーモリシンは、サーモリシンや上記のようなサーモリシンと同等のペプチド切断特性(切断配列特異性など)を有するプロテアーゼを1種類のみでもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0034】
ダイズタンパク質をサーモリシンで加水分解する場合に用いられる反応条件は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、市販のサーモリシンを使用する場合には、その使用説明書に従って使用することができる。具体的な例としては、水などの溶媒に、ダイズタンパク質濃度が、一般的には0.1〜30%(w/v)、好ましくは1〜10%(w/v)程度となるようにダイズタンパク質又はダイズタンパク質を含む原料を懸濁し、この懸濁液に、一般的には0.001〜3%(w/v)、好ましくは0.01〜0.125%(w/v)程度となるようにサーモリシンを加えて加水分解反応を行う態様が挙げられる。一般的には、30〜80℃、好ましくは40〜70℃、より好ましくは50〜60℃の反応温度が使用され得る。また一般的には、2〜30時間、好ましくは3〜24時間、より好ましくは10〜20時間、さらに好ましくは12〜18時間の反応時間が使用され得る。反応液のpHとしては、使用するサーモリシンの至適pH付近であることが好ましく、例えば、7.0〜8.5付近であることが好ましい。
【0035】
反応の停止手段についても、特に制限はなく、公知の手段を用いることができる。かかる手段としては、例えば、加熱処理等が挙げられる。例えば、上記反応物を80〜100℃程度の温度で3〜20分間、好ましくは5〜15分間、加熱処理することにより、反応物中に含まれるサーモリシンを失活させることができる。例えば、かかる加熱処理としては、85℃で15分間の加熱処理や100℃で5分間の加熱処理などが挙げられる。
【0036】
上記のような加水分解反応により得られるサーモリシン分解物は、必要に応じて、当業者に公知の任意の方法によりさらに処理され得る。例えば、ろ過等の処理により、該加水分解物中の大きな固体粒子を取り除くことが好ましい。ろ過条件等は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、ろ紙が目詰まりを起こしやすい場合等には、ろ過助剤等も好適に用いられ得る。
【0037】
また、前記加水分解物を減圧濃縮し、次いで凍結乾燥することにより、粉末化することもできる。減圧濃縮及び凍結乾燥の際に使用される条件や機器類は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。このようにして粉末化された加水分解物は、そのまま又は水などの溶媒に溶かして、用いることができる。
【0038】
本発明に用いられる加水分解物は、ダイズタンパク質をサーモリシンで分解することにより生じた多種多様なペプチドを実質的に全て含んだ状態であってもよいし、又は、そのような多種多様なペプチドを、線維芽細胞の増殖促進能の有無を指標として、公知の方法でさらに分画・精製して得られる一部分であってもよい。しかし簡便には、ダイズタンパク質をサーモリシンで分解して得られる多種多様なペプチドを実質的に全て含んだ状態でそのまま用いる。線維芽細胞増殖促進能の有無は、例えば、後述の実施例等に記載のようにして確認することができる。
【0039】
なお、本発明において用語「線維芽細胞増殖促進能を有する」とは、被験物を線維芽細胞に作用させた場合に、当該被験物を作用させない場合と比較して、線維芽細胞の増殖が促進されることを意味する。特定の態様では、当該用語における線維芽細胞とは皮膚線維芽細胞を意味する。
【0040】
本発明に用いられるダイズタンパク質のサーモリシン分解物の平均分子量は、好ましくは300〜10000である。該平均分子量は、細胞への浸透性を高めてより高い効果を得る観点から、より好ましくは400〜5000であり、さらに好ましくは500〜3500であり、さらにより好ましくは550〜3200である。従って、該平均分子量は、例えば、1000〜2000であり得る。加水分解物の平均分子量は、当業者に公知の任意の方法により測定され得、例えば、下記実施例に記載のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により容易に測定され得る。
【0041】
本発明の組成物に配合するダイズサーモリシン分解物の配合量は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、組成物全体に対して、通常は0.1重量%以上、好ましくは0.25重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは0.75重量%以上、特に好ましくは1.0重量%以上であり、配合上限は好ましくは10重量%以下、より好ましくは7.5重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2.5重量%以下とするのがよい。
【0042】
また、本発明の組成物におけるヒアルロン酸類とダイズサーモリシン分解物との重量比は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、ヒアルロン酸類1重量部に対して、ダイズサーモリシン分解物が、通常は0.02〜20000重量部、好ましくは0.2〜2000重量部、より好ましくは2〜200重量部、さらに好ましくは20〜50重量部の範囲内とするのがよい。
【0043】
本発明の組成物には、前述したようなヒアルロン酸類及びダイズサーモリシン分解物に加えて、ヒアルロン酸類又はダイズサーモリシン分解物の作用を増強又は補足する目的で、あるいは本願組成物に他の有用な作用を付加するため、美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、ヒアルロン酸等の生体成分合成促進成分、血行促進成分、保湿成分、老化防止成分等の各種成分を1種又は2種以上組み合わせて配合することができる。好ましくは美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分又は保湿成分の1種又は2種以上の成分である。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、食品又は化粧品分野において使用され得るものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
【0044】
本発明の組成物は、上記各成分に加えて組成物の用途あるいは剤形に応じて、医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品の分野に通常使用される成分を適宜配合しても良い。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、アミノ酸類、アルコール類、多価アルコール類、糖類、ガム質・多糖類などの高分子化合物、界面活性剤、可溶化成分、油脂類、経皮吸収促進成分、防腐・抗菌・殺菌剤、pH調整剤、キレート剤、抗酸化剤、酵素成分、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、清涼化剤の他、ミネラル類、細胞賦活剤、滋養強壮剤、賦形剤、増粘剤、安定化剤、保存剤、等張化剤、分散剤、吸着剤、崩壊補助剤、湿潤剤又は湿潤調節剤、防湿剤、着色料、着香剤又は香料、芳香剤、還元剤、可溶化剤、溶解補助剤、発泡剤、粘稠剤又は粘稠化剤、溶剤、基剤、乳化剤、可塑剤、緩衝剤、光沢化剤、甘味料、酸味料、食物繊維、果汁粉末、有機酸、調味料、旨味成分、膨張剤、漂白剤、発色剤などをあげることができる。
【0045】
本発明の組成物は、その用途に応じて、医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品に通常使用される剤形をとることができ、通常、固形剤、半固形剤又は液剤である。具体的には、錠剤(口腔内速崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤、コーティング錠、チュアブル錠などを含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(ドリンク剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゲル剤、リポソーム剤、エキス剤、チンキ剤、レモネード剤、軟膏剤、ゼリー剤などの公知の形態をとることができる。また、必要に応じてその他の溶媒や通常使用される基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。
これらの剤形は当該分野の通常の方法にて製造することができる。
【0046】
本発明の組成物は、内服用組成物又は外用組成物とすることができる。
内服用組成物としては、内服用医薬品(医薬部外品を含む)の他に、菓子、飲料、健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメント等を含む)、栄養機能食品、特定保健用食品等の食品が含まれる。食品では、具体的には、牛乳、乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、菜汁飲料、茶飲料、イオン飲料、スポーツ飲料、機能性飲料、ビタミン補給飲料、栄養補給バランス飲料、ゼリー飲料、アルコール飲料、スープ類等の飲料;カスタードプリン、ミルクプリン及び果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー類、ドレッシング類、クリーム類等のゲル状食品;チューインガム、風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガム等)、チョコレート類(無垢チョコレート、コーティングチョコレートや、イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート、メロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート等)、ソフトキャンディ(キャラメル、ヌガー、グミキャンディ、マシュマロ等を含む)、タフィ等のキャラメル類、ビスケット類(ハードビスケット、ソフトビスケット、ソフトクッキー、クラッカー、半生ビスケット等)、ケーキ類等の菓子類;アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓類;パン類;麺類;液体(水、牛乳、ジュース等)を加えることにより容易に飲料となる、粉末飲料、ペースト、錠剤等の再形成用食品;粉末、カプセル、錠剤等の形態を有するサプリメント類;などとすることができる。
【0047】
また、外用組成物としては、外用医薬品(医薬部外品を含む)の他に、化粧品が含まれる。化粧品では、具体的には、ファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;乳液、クリーム(マッサージクリーム、パッククリームなどを含む)、ローション、美容液、オイル及びパックなどの基礎化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料などの洗浄料、入浴剤などとすることができる。
【0048】
本発明の組成物は、線維芽細胞増殖促進能を有するので、例えば、線維芽細胞の減少や不活性化などに起因する美容上の問題を予防又は治療するための組成物(例えば、紫外線曝露や加齢等による線維芽細胞の減少や不活性化などに起因する皮膚のシワもしくはタルミの予防および/または改善のための組成物、或いは線維芽細胞の減少や不活性化などに起因する皮膚の弾力性もしくはハリの低下に対する予防および/または改善のための組成物等)等として好適に用いることができる。
【実施例】
【0049】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0050】
実施例1
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物の調製
脱脂ダイズ粉末(商品名プロファム974、ADMファーイースト株式会社製)50gを2Lの蒸留水に分散し、0.1N NaOHでpH8.5に調整した。これに500mgのサーモリシン(製品名「サモアーゼPC10F」、大和化成株式会社製)を添加して、60℃で15時間での分解を行った。反応後、100℃で10分間煮沸してサーモリシンを失活させた。放冷後、25gのろ過助剤(ラジオライト500、昭和化学工業株式会社)を添加し、撹拌した後、ろ過を行った。
【0051】
上述のようにして得られたろ液を、強酸性イオン交換樹脂(商品名「Dowex 50W×2,H+form,50−100mesh」、ダウケミカルカンパニー製)を充填したカラムに通した後、カラムの5倍容の脱イオン水で洗浄し、非ペプチド成分を除去した。2Mのアンモニア溶液を通液し、カラム吸着成分を溶出させて、ペプチド画分を回収した。エバポレーターを用いてアンモニアを除去し、更に濃縮して乾固させた。そこに水を加えて乾固物を溶解した後、遠心分離(10,000rpm、30分間)を行い、不溶物を除去した。その上清を凍結乾燥した結果、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物として、最終的に約26gのダイズタンパク質サーモリシン分解物が得られた。
【0052】
このようにして得られた分解物の平均分子量をGPC法により測定した。凍結乾燥後のダイズタンパク質のサーモリシン分解物100mgを、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)2.0ml中に溶解し、被験溶液とした。Sephadex G25(Mediumタイプ、Amersham Biosciences社製)を充填したカラム(φ2.6×100cm)を、同じ0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化した。このカラムに被験溶液を2.0ml負荷して、流速1.0ml/分で溶出した。分子量既知のペプチド標品として、Insulin(ウシ膵臓由来、シグマ社製、分子量5733)、Insulin A chain(ウシ膵臓由来、シグマ社製、分子量2532)、及びBradykinin(シグマ社製、分子量1050)を用いた。214nmでペプチドを検出し、溶出時間から分子量分布及び平均分子量を推定した。その結果、上記方法により得られたダイズタンパク質のサーモリシン分解物の平均分子量は、約1500であることが推定された。
【0053】
実施例2
線維芽細胞の増殖促進試験
ヒト正常皮膚由来線維芽細胞(CRL−2089;ATCC,Lot#204741)を、96ウェルカルチャープレート中で培養した。より詳細には、5.0×10細胞/cmの密度でプレートに播種し、37℃で、5%炭酸ガスおよび95%空気の環境下で48時間培養を行った。培養液は、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(D−MEM)を各ウェル200μlずつ使用した。その後、培養液を除去して、下記の表1に示す被験薬をそれぞれの濃度で溶解した培地に交換して培養した。一方、何も添加しない培地を200μl添加したものをコントロールとして用いた。48時間培養した後、汎用的な細胞数測定法(Cell Counting Kit−8;株式会社同仁化学研究所製)で各ウェル中の生細胞数を計測した。測定結果をもとに、コントロールにおける生細胞数を100%として各被験薬添加群の生細胞数(%)を算出した。
【0054】
【表1】

【0055】
本結果から、ヒアルロン酸とダイズサーモリシン分解物とを併用した培養液で培養した細胞では、成分単独の培養液で培養した場合よりも線維芽細胞の増殖が顕著に増加し、ダイズタンパク質をサーモリシンという特定のプロテアーゼで処理することにより得られる分解物がECM成分の作用を飛躍的に増強し得ることが実証された。
また、ヒアルロン酸とダイズサーモリシン分解物とを組み合わせることにより得られる線維芽細胞増殖促進作用は、相乗効果的なものであることも同時に認められた。
【0056】
以下に製剤実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
【0057】
製剤実施例1:乳液
〔成分〕 〔比率〕
ヒアルロン酸 0.1
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.5
スクワラン 2.0
流動パラフィン 5.0
セタノール 0.5
モノステアリン酸グリセリル 2.0
POE(25)セチルエーテル 2.0
トリエタノールアミン 0.8
グリセリン 4.0
1,3-ブチレングリコール 6.0
防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 適量
100.0重量%
【0058】
製剤実施例2:クリーム
〔成分〕 〔比率〕
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.3
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 1.0
ワセリン 1.0
スクワラン 5.0
流動パラフィン 10.0
ステアリン酸 1.5
ステアリルアルコール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 2.0
POE(20)セチルエーテル 3.0
トリエタノールアミン 1.0
グリセリン 6.0
1,3−ブチレングリコール 8.0
防腐剤(エチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 適量
100.0重量%
【0059】
製剤実施例3:化粧水
〔成分〕 〔比率〕
アセチル化ヒアルロン酸 0.05
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.5
POE(20)ソルビタンモノイソステアリン酸エステル 0.3
コハク酸 0.2
コハク酸ナトリウム 0.5
エデト酸三ナトリウム 0.05
1,3−ブチレングリコール 6.0
防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 適量
100.0重量%
【0060】
製剤実施例4:ソフトカプセル
〔成分〕 〔比率〕
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 7.5
メロン抽出物 5.0
セラミド含有物 1.0
ヘマトコッカス藻色素抽出物(アスタキサンチン含有) 1.0
ゼラチン 30.0
グリセリン 15.0
サフラワー油 残量
100.0重量%
【0061】
製剤実施例5:飲料
〔成分〕 〔比率〕
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 2.0
ローヤルゼリー抽出物 1.0
レモン果汁 1.0
ビタミンB2 0.005
ビタミンB6 0.05
ビタミンC 0.5
エリスリトール 5.0
還元麦芽糖水飴 5.0
水溶性食物繊維 5.0
安定剤(ペクチン) 0.2
甘味料(アセスルファムカリウム、スクラロース) 0.008
乳酸カルシウム 0.05
塩化マグネシウム 0.015
塩化カリウム 0.015
香料 0.025
防腐剤(安息香酸ナトリウム、ブチルパラベン) 適量
酸味料 適量
(pHを3.5に調整)
精製水 残量
100.0重量%
【0062】
製剤実施例6:飲料
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 2.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.8
メチルスルフォニルメタン 2.0
フィッシュコラーゲン 0.1
グルコサミン 1.0
ハチミツ 6.0
マルチトール 4.0
グルコン酸カルシウム 0.3
甘味料(アセスルファムカリウム、スクラロース) 0.02
防腐剤(安息香酸ナトリウム、ブチルパラベン) 0.05
酸化防止剤(ヤマモモ抽出物) 0.04
ビタミンB2 0.005
香料 0.025
酸味料 適量
(pHを3.6に調整)
精製水 残量
100.0重量%
【0063】
製剤実施例7:化粧水
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 1.0
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.25
ホエイ・BG混液 1.0
ジプロピレングリコール 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50 0.25
トリエタノールアミン 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
【0064】
製剤実施例8:化粧水
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 2.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
濃グリセリン 5.0
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 3.0
水溶性コラーゲン 0.5
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 0.2
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
【0065】
製剤実施例9:乳液
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.2
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
ジプロピレングリコール 3.0
テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビン 0.05
トリ2−エチルへキサン酸グリセリル 8.0
シア脂 1.5
エデト酸ナトリウム 0.5
ポリソルベート60 5.0
防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
【0066】
製剤実施例10:クリーム
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.7
ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
濃グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
テルミナリアエキス 0.01
スクワラン 4.0
シア脂 2.0
加水分解エラスチン 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 0.2
(アクリル酸ヒドロキシエチル/
アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 1.5
防腐剤(エチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
【0067】
製剤実施例11:パッククリーム
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.5
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
ホエイ・BG混液 1.0
α−オレフィンオリゴマー 5.0
ジプロピレングリコール 10.0
テトラ2−エチルへキサン酸ペンタエリスリット 5.0
トルメンチラエキス 0.01
トコフェロール酢酸エステル 0.05
POE(20)セチルエーテル 4.0
防腐剤(エチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製 残量
100.0重量%
【0068】
製剤実施例12:ソフトカプセル
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 10.0
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 2.0
コラーゲントリペプチド 1.5
リコピン 2.0
ビタミンC 1.0
ゼラチン 35.0
グリセリン 10.0
月見草オイル 30.0
植物油 残量
100.0重量%
【0069】
製剤実施例13:錠剤
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 5.0
ヒアルロン酸ナトリウム 5.0
セラミド 1.5
ビタミンB2 0.5
ビタミンC 4.0
ショ糖脂肪酸エステル 3.0
結晶セルロース 残量
100.0重量%
【0070】
製剤実施例14:コーティング錠
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
ブドウ種子抽出物 5.0
メロン抽出物 2.0
ステアリン酸マグネシウム 3.0
とうもろこしでんぷん 30.0
シェラック 3.0
乳糖 残量
100.0重量%
【0071】
製剤実施例15:チュアブル錠
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 1.0
ヒアルロン酸 0.1
コラーゲン 5.0
エラスチン 3.0
甘味料 0.1
香料 微量
ステアリン酸カルシウム 1.0
還元麦芽糖水あめ 残量
100.0重量%
【0072】
製剤実施例16:顆粒剤
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 3.0
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
バラ抽出物 5.0
栗皮タンニン 5.0
甘味料 0.1
クエン酸 0.3
香料 微量
乳糖 35.0
結晶セルロー 残量
100.0重量%
【0073】
製剤実施例17:飲料
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 2.5
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
コラーゲン 2.0
ローヤルゼリー 0.3
ハス胚芽エキス 0.01
甘味料(スクラロース) 0.05
クエン酸 0.5
クエン酸三ナトリウム 0.02
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
【0074】
製剤実施例18:炭酸飲料
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 1.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
ツバメの巣抽出物 0.1
ペクチン 0.3
ビタミンB1 0.01
ビタミンC 1.0
果糖ぶどう糖液糖 12.0
クエン酸 0.5
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上と、
(B)ダイズタンパク質のサーモリシン分解物
とを含有する組成物。
【請求項2】
線維芽細胞増殖を促進するために使用され得る、請求項1に記載の組成物。

【公開番号】特開2009−79043(P2009−79043A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226717(P2008−226717)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】