説明

繊維強化樹脂ペレットの製造方法及び装置

【課題】本発明は、押出機の先端のダイスの手前にギヤポンプ装置を設け、樹脂に混合される繊維の繊維切断や短小化を防止しつつ高品質の繊維強化樹脂ペレットを製造することを目的とする。
【解決手段】本発明による繊維強化樹脂ペレットの製造方法及び装置は、押出機(1)の溶融樹脂に対してサイドフィード用供給口(6)又はベント穴部(9)から供給される繊維(7a)が供給されて混合され、押出機(1)の先端に設けられたギヤポンプ装置(11)及びダイス(10)を介して繊維強化ストランド(12)として成形され、ストランドカッタ(15)で切断されて繊維強化樹脂ペレット(14)を製造する方法と構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化樹脂ペレットの製造方法及び装置に関し、特に、押出機の先端のダイスの手前にギヤポンプ装置を設け、樹脂に混合される繊維の繊維切断や短小化を防止しつつ良品質の繊維強化樹脂ペレットを製造するための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にプラスチック製品と呼ばれる製品の多くは、熱可塑性樹脂を原材料とする製品であり、熱可塑性樹脂ペレットを成形装置により成形加工し製品化されている。このような熱可塑性樹脂製品において、製品特性の改善が要求される場合、特性を向上させる一つの改善方法として、より高度の各種特性を備える炭素繊維を熱可塑性樹脂に混入することが行われている。通常、単繊維状ある手は束状の炭素繊維が、ペレットの製造過程において熱可塑性樹脂原料に混入されている。
【0003】
束状の繊維を熱可塑性樹脂原料に混入するために、特許文献1として、ワイヤーケーブル用の電線被覆装置を用いる方法がある。すなわち、電線被覆装置において、連続的に供給される束状の炭素繊維に溶融した熱可塑性樹脂を供給して炭素繊維束の外周を被覆する。その後、被覆された熱可塑性樹脂を冷却装置により冷却固化し、切断装置により切断し、炭素繊維束を混入したペレットを製造している。
【0004】
また、同様に束状の炭素繊維を熱可塑性樹脂原料に混入する方法が、特許文献2に開示されている。すなわち、連続的に供給される炭素繊維の繊維束を幅方向に開繊した後、マトリックス樹脂を開繊繊維束間に含浸させる含浸工程を有する長繊維ペレットの製造方法において、開繊繊維束を、曲面を有するダイとダイの曲面部と対向する位置に設けられた加熱部材との間のダイの曲面に当接して通過させ、薄膜状のマトリックス樹脂をダイから吐出して開繊繊維束に塗布してダイ側に付着させ、マトリックス樹脂を開繊繊維束の内部までしみ込ませて含浸させる方法である。
【0005】
【特許文献1】特開昭59−62114号公報
【特許文献2】特開2002−187127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、特許文献1の方法では繊維束への樹脂の含浸性が乏しく、その後の射出成形工程などで樹脂と繊維が分離するなど、多くの問題があった。また、特許文献2のように、押出機へ直接的に繊維を供給し、溶融樹脂に混錬混合することで、樹脂に繊維を分散させる方法では、押出機内の圧力やせん断力により繊維が必要以上に切断され、狙った長さに保ちながら、分散性を上げることは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による繊維強化樹脂ペレットの製造方法及び装置は、押出機の上流から搬送されてくる熱可塑性の溶融樹脂に対してサイドフィード用供給口又はベント穴部から供給される繊維が供給されて混合され、前記繊維が混合された溶融樹脂は前記押出機の先端に設けられたギヤポンプ装置及びダイスを介して繊維強化ストランドとして成形され、ストランドカッタで切断されて繊維強化樹脂ペレットを製造する方法と構成であり、また、前記繊維強化樹脂ペレット中の前記繊維の繊維長は、少なくとも1mm以上である方法と構成であり、また、前記ギヤポンプ装置の回転数を制御することにより、前記押出機の先端圧を最小限とする方法と構成であり、また、前記サイドフィード用供給口又はベント穴部からなる繊維供給部は、前記押出機の下流吐出部からL/Dで4〜7Dとする方法と構成であり、また、前記ギヤポンプ装置は、上下ギヤを片軸側で駆動してつれ舞う方式、または、上下ギヤがそれぞれ単独で駆動して両軸駆動し、回転数を同調させる方式の何れかを用いる方法と構成であり、また、前記溶融樹脂は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、予め押出機で改質されたポリマーアロイ又はポリマーブレンドの何れかを用いる方法と構成であり、また、前記繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、無機質繊維、有機質繊維の何れかを用いる方法と構成であり、また、前記押出機中には、超臨界ガスを供給し、前記溶融樹脂の粘度を低下させると共に、前記繊維強化樹脂ペレットは発泡している樹脂をマトリックスとしている方法と構成であり、また、前記ダイスのダイス穴は、直径5mm以上で、少なくとも3個以上設けられており、前記ストランドカッタの前記繊維強化ストランドの引き取り速度を可変として前記繊維強化樹脂ペレットの直径を制御する方法と構成であり、また、前記繊維強化樹脂ペレットは、円柱状、シート状、直方体の何れかの形状よりなる方法と構成である。
【発明の効果】
【0008】
本発明による繊維強化樹脂ペレットの製造方法及び装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、押出機の上流から搬送されてくる熱可塑性の溶融樹脂に対してサイドフィード用供給口又はベント穴部から供給される繊維が供給されて混合され、前記繊維が混合された溶融樹脂は前記押出機の先端に設けられたギヤポンプ装置及びダイスを介して繊維強化ストランドとして成形され、ストランドカッタで切断されて繊維強化樹脂ペレットを製造することにより、押出機からの排出圧を低減化し、せん断応力を最小限に抑制し、繊維の破損を最小限に食い止め、樹脂中に分散された繊維の長さを少なくとも1mm以上に保つことができ、良品質の繊維強化ペレットを得ることができる。
また、前記繊維強化樹脂ペレット中の繊維の繊維長は、少なくとも1mm以上とすることができる。
また、前記ギヤポンプ装置の回転数を制御することにより、前記押出機の先端圧を自在とし、最小限として繊維の短小化を効果的に防止することができる。
また、前記サイドフィード用供給口又はベント穴部からなる繊維供給部は、前記押出機の下流吐出部からL/Dで4〜7Dとすることにより、繊維供給後の押出機における繊維の滞留時間をできるだけ短くでき、繊維の短小化防止に寄与できる。
また、前記ギヤポンプ装置は、上下ギヤを片軸側で駆動してつれ舞う方式、または、上下ギヤがそれぞれ単独で駆動して両軸駆動し、回転数を同調させる方式の何れかを用いることにより、押出機の先端部における溶融樹脂の排出圧低減に効果的に寄与できる。
また、前記溶融樹脂は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、予め押出機で改質されたポリマーアロイ又はポリマーブレンドの何れかを用いることにより、あらゆる種類の繊維強化樹脂ペレットのニーズに対応することができる。
また、前記繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、無機質繊維、有機質繊維の何れかを用いることにより、あらゆる種類の射出成形品に対応することができる。
また、前記押出機中には、超臨界ガスを供給し、前記溶融樹脂の粘度を低下させると共に、前記繊維強化樹脂ペレットは発泡している樹脂をマトリックスとしていることにより、熱可塑性樹脂の粘度低減性を効率化できる。
また、前記ダイスのダイス穴は、直径5mm以上で、少なくとも3個以上設けられており、前記ストランドカッタの前記繊維強化ストランドの引き取り速度を可変として前記繊維強化樹脂ペレットの直径を制御することにより、任意の直径の繊維強化樹脂ペレットを得ることができる。
また、前記繊維強化樹脂ペレットは、円柱状、シート状、直方体の何れかの形状に成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、押出機の先端のダイスの手前にギヤポンプ装置を設け、樹脂に混合される繊維の繊維切断や短小化を防止しつつ良品質の繊維強化樹脂ペレットを製造するための繊維強化樹脂ペレットの製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【実施例】
【0010】
以下、図面と共に本発明による繊維強化樹脂ペレットの製造方法及び装置の好適な実施の形態について説明する。
図1において符号1で示されるものは、モータ2及び減速機3により回転駆動される単軸又は二軸のスクリュ(図示せず)が内設され高精度熱可塑性樹脂を溶融混錬するための押出機であり、この押出機1の上流の原料供給口4には、熱可塑性樹脂4aを供給するための熱可塑性樹脂供給装置5が配設されている。
【0011】
前記押出機1の上流側の側部に形成されたサイドフィード用供給口6(繊維供給部)には、繊維供給装置7から供給されたチョップドストランド繊維からなる繊維7aが前記側部へ直付けされたサイドフィード供給装置8を介して定量的に供給され、押出機1内の溶融樹脂と混合されるように構成されている。
【0012】
前記繊維7aの押出機1への供給は、前述の図1の構成に限ることなく、図2に示されるように、保持体8Aに巻回された周知のロービング状の繊維7aを押出機1に設けられたベント穴部9(繊維供給部)を介して押出機1内に供給するように構成することもできる。尚、このロービング状の繊維7aは溶融混錬時にある程度の長さに切断され、ギヤポンプ装置11を経由してダイス穴部から繊維強化ストランド12として排出されるが、繊維7aの切断は比較的長繊維状態に保たれる。また、前記ベント穴部9へは、繊維供給装置7から供給されたチョップドストランド繊維を直接的に供給することもできる。
【0013】
前記押出機1に供給された繊維7aは、上流から搬送されてくる溶融樹脂と混合され、例えば、二軸スクリュ押出機1の場合、混錬用のニーディングエレメントを使用することもできるが、搬送用スクリュで輸送しつつ樹脂自体の圧力下で発生する樹脂のせん断応力で、繊維7aを樹脂中に分散することもできる。
【0014】
一般に押出機1の先端部はダイス10を装着するため、流路が狭くなり、吐出時の圧力が急激に立ち上がる。押出機(処理能力)と押出の搬送能力のバランスにもよるが、先端部の圧力は押出機1内の充満する樹脂の充満状態で左右され、下流側にいくほど高くなる傾向を持つ。従って、最先端での圧力が高い充満状態では、樹脂同士あるいは樹脂同士の接し合う力は大きくなり、特に繊維は細かく破断されてしまう現象が生じる。
【0015】
本発明では、前述のように、押出機1の先端部における圧力の上昇を避けるため、前記押出機1の先端部1aと低圧損型のダイス10との間にギヤポンプ装置11が設けられ、このギヤポンプ装置11によって押出機1内の溶融樹脂をこのギヤポンプ装置11のその時に設定されている送り能力によって下流側に送るため、このギヤポンプ装置11の回転数を自在に制御することにより、この先端部1aの圧力上昇を最小限に制御することもできる。
【0016】
前記ギヤポンプ装置11は、周知の上下ギヤが噛み合う片軸駆動型、又は、上下ギヤが噛み合わない両軸駆動型の何れかを用いており、このギヤポンプ装置11の下流側には、ダイス10から吐出される繊維強化ストランド12を冷却するための水槽であるストランドバス13が設けられ、このストランドバス13の下流側には、この繊維強化ストランド12をカットして繊維強化樹脂ペレット14を製造するためのストランドカッタ15が配設されている。
【0017】
前記溶融樹脂中すなわち繊維強化樹脂ペレット14中の繊維7aは、ガラス繊維、炭素繊維、無機質繊維、有機質繊維の何れかを用い、その繊維長は、少なくとも1mm以上となるように制御され、繊維供給部としての前記サイドフィード用供給口6又はベント穴部9は、押出機1の先端部1aである下流吐出部1bから周知のL/Dで4〜7Dが最適である。
すなわち、L/Dを4〜7Dとした理由は、最下流(先端)のベント穴部9は、シリンダのシリンダブロック数で下流から1番目か2番目に設置することに基づいている。
尚、前記下流吐出部1bは、押出機1の先端のギヤポンプ装置11との接続箇所を示している。
【0018】
前記溶融樹脂は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、予め、押出機で改質されたポリマーアロイ又はポリマーブレンドの何れかが最適である。
【0019】
前記ダイス10のダイス穴(図示せず)は、直径5mm以上で、少なくとも3個以上設けられており、前記ストランドカッタ15の繊維強化ストランド12の引き取り速度を可変として前記繊維強化樹脂ペレット14の直径を制御することができ、この繊維強化樹脂ペレット14の形状は、前記ダイス穴の形状を変えることにより、円柱状、シート状、直方体等の任意の形状とすることができる。
尚、前述の製造装置においては、溶融樹脂中に分散された繊維の長さを少なくとも1mm以上に保つことができるため、次工程における射出成形品の表面状態や強度などにおいても良品位の品質を保つことができる。
【0020】
図3はギヤポンプ装置11の有無による先端圧力の比較例を示す。ギヤポンプ(G/P)装置11を取り付けた場合、サクション圧力の任意設定ができるため、先端での圧力を例えば0.2Mpaにすると、押出機1の先端では0.2Mpa以上に圧力は上昇しない。一方、ギヤポンプ装置11が無い場合、排出部の圧力上昇により、図のように約5Mpaまで上昇する。従って、この箇所では樹脂中のせん断応力は大きなものとなり、繊維を破断してしまう力となる。そのため、本発明のようにギヤポンプ装置11を使用することで、先端圧を最小限に制御し、繊維7aの破断を防止することができる。
また、図1に示すダイス10は通常のストランドダイとは異なり、ダイス穴部は径を5mm以上で複数個とする。このため、ダイス10での圧力損失は少なく、上流のギヤポンプ装置11の下流側に掛かる樹脂圧力を小さくすることができる。従って、ギヤポンプ装置11の回転数も低く設定できるため、磨耗などに対しても、最小限の影響に留めることができる。また、ダイス10から吐出された繊維強化樹脂はストランドカッタ15で巻き取られ、ストランドバス13(水槽)にて冷却され、その後、ストランドカッタ15にてペレット状に切断され、繊維強化樹脂ペレット化される。
【0021】
図4は炭素繊維強化樹脂ペレット14中の炭素繊維の長さをギヤポンプ装置11の有り無しによる比較結果の一例である。ギヤポンプ装置11なしの場合、約0.8〜1.2mmにピークがあり、これに対し、ギヤポンプ装置11有りの場合は3.1〜3.4mmにピークが存在する。このように、ギヤポンプ装置11を使用して、繊維強化複合樹脂のペレットを製造する場合、ギヤポンプ装置11を押出機1と組み合わせて使用することで、繊維破断を防止できることがわかる。
尚、前述の製造工程において、押出機1中に、周知の超臨界ガスを図示しない注入口から供給することにより、溶融樹脂の粘度を低下させて溶融混錬が用意となり、繊維強化樹脂ペレット14は発泡している樹脂を周知のマトリックスとしている。
【0022】
前述の繊維強化樹脂ペレットの製造方法をまとめると、次の通りである。
すなわち、押出機1の上流から搬送されてくる熱可塑性の溶融樹脂に対してサイドフィード用供給口6又はベント穴部9から供給される繊維7aが供給されて混合され、前記繊維7aが混合された溶融樹脂は前記押出機1の先端に設けられたギヤポンプ装置11及びダイス10を介して繊維強化ストランド12として成形され、ストランドカッタ15で切断されて繊維強化樹脂ペレット14を製造する。
また、前記繊維強化樹脂ペレット14中の繊維7aの繊維長は、少なくとも1mm以上である。
また、前記ギヤポンプ装置11の回転数を制御することにより、前記押出機1の先端圧を最小限とする。
また、前記サイドフィード用供給口6又はベント穴部9からなる繊維供給部は、前記押出機1の下流吐出部1bからL/Dで4〜7Dとする。
また、前記ギヤポンプ装置11は、上下ギヤを片軸側で駆動してつれ舞う方式、または、上下ギヤがそれぞれ単独で駆動して両軸駆動し、回転数を同調させる方式の何れかを用いる。
また、前記溶融樹脂は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、予め押出機で改質されたポリマーアロイ又はポリマーブレンドの何れかを用いる。
また、前記繊維7aは、ガラス繊維、炭素繊維、無機質繊維、有機質繊維の何れかを用いる。
また、前記押出機1中には、超臨界ガスを供給し、前記溶融樹脂の粘度を低下させると共に、前記繊維強化樹脂ペレット14は発泡している樹脂をマトリックスとしている。
また、前記ダイス10のダイス穴は、直径5mm以上で、少なくとも3個以上設けられており、前記ストランドカッタ15の前記繊維強化ストランド12の引き取り速度を可変として前記繊維強化樹脂ペレット14の直径を制御する。
また、前記繊維強化樹脂ペレット14は、円柱状、シート状、直方体の何れかの形状よりなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による繊維強化樹脂ペレットの製造方法及び装置を示す構成図である。
【図2】図1の繊維供給部の他の形態を示す構成図である。
【図3】図1におけるギヤポンプ装置の有無による先端圧力の比較の特性図である。
【図4】図1におけるギヤポンプ装置の有無による繊維強化樹脂ペレットの繊維長比較の特性図である。
【符号の説明】
【0024】
1 押出機
1a 先端部
1b 下流吐出部
2 モータ
3 減速機
4 原料供給口
4a 熱可塑性樹脂
5 熱可塑性樹脂供給装置
6 サイドフィード用供給口(繊維供給部)
7 繊維供給装置
7a 繊維
8 サイドフィード供給装置
8A 保持体
9 ベント穴部(繊維供給部)
10 ダイス
11 ギヤポンプ装置
12 繊維強化ストランド
13 ストランドバス(水槽)
14 繊維強化樹脂ペレット
15 ストランドカッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出機(1)の上流から搬送されてくる熱可塑性の溶融樹脂に対してサイドフィード用供給口(6)又はベント穴部(9)から供給される繊維(7a)が供給されて混合され、前記繊維(7a)が混合された溶融樹脂は前記押出機(1)の先端に設けられたギヤポンプ装置(11)及びダイス(10)を介して繊維強化ストランド(12)として成形され、ストランドカッタ(15)で切断されて繊維強化樹脂ペレット(14)を製造することを特徴とする繊維強化樹脂ペレットの製造方法。
【請求項2】
前記繊維強化樹脂ペレット(14)中の繊維(7a)の繊維長は、少なくとも1mm以上であることを特徴とする請求項1記載の繊維強化樹脂ペレットの製造方法。
【請求項3】
前記ギヤポンプ装置(11)の回転数を制御することにより、前記押出機(1)の先端圧を最小限とすることを特徴とする請求項1又は2記載の繊維強化樹脂ペレットの製造方法。
【請求項4】
前記サイドフィード用供給口(6)又はベント穴部(9)からなる繊維供給部は、前記押出機(1)の下流吐出部(1b)からL/Dで4〜7Dとすることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造方法。
【請求項5】
前記ギヤポンプ装置(11)は、上下ギヤを片軸側で駆動してつれ舞う方式、または、上下ギヤがそれぞれ単独で駆動して両軸駆動し、回転数を同調させる方式の何れかを用いることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造方法。
【請求項6】
前記溶融樹脂は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、予め押出機で改質されたポリマーアロイ又はポリマーブレンドの何れかを用いることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造方法。
【請求項7】
前記繊維(7a)は、ガラス繊維、炭素繊維、無機質繊維、有機質繊維の何れかを用いることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造方法。
【請求項8】
前記押出機(1)中には、超臨界ガスを供給し、前記溶融樹脂の粘度を低下させると共に、前記繊維強化樹脂ペレット(14)は発泡している樹脂をマトリックスとしていることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造方法。
【請求項9】
前記ダイス(10)のダイス穴は、直径5mm以上で、少なくとも3個以上設けられており、前記ストランドカッタ(15)の前記繊維強化ストランド(12)の引き取り速度を可変として前記繊維強化樹脂ペレット(14)の直径を制御することを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造方法。
【請求項10】
前記繊維強化樹脂ペレット(14)は、円柱状、シート状、直方体の何れかの形状よりなることを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造方法。
【請求項11】
押出機(1)の上流から搬送されてくる熱可塑性の溶融樹脂に対してサイドフィード用供給口(6)又はベント穴部(9)から供給される繊維(7a)が供給されて混合され、前記繊維(7a)が混合された溶融樹脂は前記押出機(1)の先端に設けられたギヤポンプ装置(11)及びダイス(10)を介して繊維強化ストランド(12)として成形され、ストランドカッタ(15)で切断されて繊維強化樹脂ペレット(14)を製造することを特徴とする繊維強化樹脂ペレットの製造装置。
【請求項12】
前記繊維強化樹脂ペレット(14)中の繊維(7a)の繊維長は、少なくとも1mm以上であることを特徴とする請求項11記載の繊維強化樹脂ペレットの製造装置。
【請求項13】
前記ギヤポンプ装置(11)の回転数を制御することにより、前記押出機(1)の先端圧を最小限とすることを特徴とする請求項11又は12記載の繊維強化樹脂ペレットの製造装置。
【請求項14】
前記サイドフィード用供給口(6)又はベント穴部(9)からなる繊維供給部は、前記押出機(1)の下流吐出部(1b)からL/Dで4〜7Dとすることを特徴とする請求項11ないし13の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造装置。
【請求項15】
前記ギヤポンプ装置(11)は、上下ギヤを片軸側で駆動してつれ舞う方式、または、上下ギヤがそれぞれ単独で駆動して両軸駆動し、回転数を同調させる方式の何れかよりなることを特徴とする請求項11ないし14の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造装置。
【請求項16】
前記溶融樹脂は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、予め押出機で改質されたポリマーアロイ又はポリマーブレンドの何れかを用いることを特徴とする請求項11ないし15の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造装置。
【請求項17】
前記繊維(7a)は、ガラス繊維、炭素繊維、無機質繊維、有機質繊維の何れかを用いることを特徴とする請求項11ないし16の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造装置。
【請求項18】
前記押出機(1)中には、超臨界ガスを供給し、前記溶融樹脂の粘度を低下させると共に、前記繊維強化樹脂ペレット(14)は発泡している樹脂をマトリックスとしていることを特徴とする請求項11ないし17の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造装置。
【請求項19】
前記ダイス(10)のダイス穴は、直径5mm以上で、少なくとも3個以上設けられており、前記ストランドカッタ(15)の前記繊維強化ストランド(12)の引き取り速度を可変として前記繊維強化樹脂ペレット(14)の直径を制御することを特徴とする請求項11ないし18の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造装置。
【請求項20】
前記繊維強化樹脂ペレット(14)は、円柱状、シート状、直方体の何れかの形状よりなることを特徴とする請求項11ないし19の何れかに記載の繊維強化樹脂ペレットの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−654(P2010−654A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−160574(P2008−160574)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】