説明

置換4−フェニルテトラヒドロイソキノリン、それらの製造方法、薬物としてのそれらの使用およびそれらを含む薬物

本発明は、式(I)の化合物に関し、R1〜R8、W、XおよびZは特許請求の範囲に定義されている。この種類の化合物を含む薬物は、種々の疾患の予防または治療に使用するのに適切である。本発明の化合物は、とりわけ、急性または慢性の腎不全のような腎疾患、胆管機能障害およびいびきまたは睡眠時無呼吸(sleep apnoea)のような呼吸障害に使用することができる。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、置換4−フェニルテトラヒドロイソキノリンに関する。この種類の化合物を含む医薬は、種々の障害の予防または治療において有用である。例えば、本化合物は、とりわけ、急性または慢性の腎不全のような腎障害の事象、胆管機能障害の事象およびいびきまたは睡眠時無呼吸のような呼吸障害の事象に使用することができる。
【0002】
本発明は、式I:
【化1】

の化合物ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートに関する。
式中、
R1、R2、R3およびR4が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、I、CN、NO2またはR11−(Cm2m)−An−であり;
mが0、1、2、3または4であり;
nが0または1であり;
R11が、水素、メチルまたはCp2p+1であり;
Aが、酸素、NH、N(CH3)またはS(O)qであり;
pが1、2または3であり;
qが0、1または2であり;
R5が、水素、1、2、3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
R6が、水素、OH、F、CF3、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
R7およびR8が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、CN、CO2R12、NR13R14またはR16−(Cmm2mm)−Bnn−であり;
R12が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
R13およびR14が、それぞれ独立して、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであるか;または
R13およびR14が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4−、5−、6−または7−員環を形成し、ここで、1つのCH2基がNR15、Sまたは酸素で置き換っていてもよく;
R15が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
mmが0、1、2、3または4であり;
nnが0または1であり;
R16が、水素、メチルまたはCpp2pp+1であり;
Bが、酸素またはS(O)qqであり;
ppが1、2または3であり;
qqが0、1または2であり;
Wが、Cr2rまたはCs2s-2であり;
ここで、Cr2rおよびCs2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基がNR17、酸素またはSで置き換っていてもよく;
R17が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
rが1、2、3、4、5、6、7または8であり;
sが2、3、4、5、6、7または8であり;
Xが、−C(O)−または−S(O)2−であり;
Zが、−C(O)−または結合である。
【0003】
1つの実施形態において、
R1、R2、R3およびR4が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、CNまたはR11−(Cm2m)−An−であり;
mが0または1であり;
nが0または1であり;
R11が、水素、メチルまたはCp2p+1であり;
Aが、酸素、NCH3またはS(O)qであり;
pが1または2であり;
qが0、1または2であり;
R5が、水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり;
R6が、水素またはメチルであり;
R7およびR8が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、CN、CO2R12、NR13R14またはR16−(Cmm2mm)−Bnn−であり;
R12が、水素、メチルまたはエチルであり;
R13およびR14が、それぞれ独立して、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであるか;または
R13およびR14が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5−、6−または7−員環を形成し、ここで、1つのCH2基がNR15、Sまたは酸素で置き換っていてもよく;
R15が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
mmが0、1または2であり;
nnが0または1であり;
R16が、水素、メチルまたはCpp2pp+1であり;
Bが、酸素またはS(O)qqであり;
ppが1または2であり;
qqが0、1または2であり;
Wが、Cr2rまたはCsH2s-2であり;
ここで、Cr2rおよびCs2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基がNR17、酸素またはSで置き換っていてもよく;
R17が、水素、1、2,3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
rが2、3、4、5、6、7または8であり;
sが2、3、4、5、6、7または8であり;
Xが、−C(O)−または−S(O)2−であり;
Zが、−C(O)−である、式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートが好ましい。
【0004】
R1およびR3が、それぞれ水素であり;
R2およびR4が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、NH2、NHCH3またはN(CH3)2であり;
R5が、水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり;
R6が、水素またはメチルであり;
R7およびR8が、それぞれ水素であり;
Wが、Cr2rまたはCs2s-2であり;
ここで、Cr2rおよびCs2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基がNR17、酸素またはSで置き換っていてもよく;
R17が、水素またはメチルであり;
rが2、3、4、5または6であり;
sが2、3、4、5または6であり;
Xが、−C(O)−または−S(O)2−であり;
Zが、−C(O)−である、式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートが特に好ましい。
【0005】
さらなる実施形態において、
R1およびR3が、それぞれ水素であり;
R2およびR4が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、NH2、NHCH3またはN(CH3)2であり;
R5が、水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり;
R6が、水素またはメチルであり;
R7およびR8が、それぞれ水素であり;
Wが、Cr2rまたはCs2s-2であり;
ここで、Cr2rおよびCs2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基が、NR17、酸素またはSで置き換っていてもよく;
R17が、水素またはメチルであり;
rが2、3、4、5または6であり;
sが2、3、4、5または6であり;
Xが−C(O)−または−S(O)2−であり;
Zが−C(O)−である、式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートが好ましい。
【0006】
以下:
1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2
,5−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
【0007】
4−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]モルホリン−3,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,5−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,3−ジメチル−ピロリジン−2,5−ジオン、
【0008】
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロール−2,5−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
【0009】
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−オキサゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
(3R,4S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,4−ジメチルピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ピロール−2,5−ジオン、
【0010】
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
3−[3−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
1−[2−((R)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−5−イソプロピル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−5−イソブチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
(RおよびS)−3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−5−(2−メチルスルファニルエチル)イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−5,5−ジメチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
【0011】
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−チアゾリジン−2,4−ジオン、
1−[2−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((S)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,3,4,4−テトラメチルピロリジン−2,5−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチルピペリジン−2,6−ジオン、
1−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−4,4−ジメチルピペリジン−2,6−ジオン、および
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロール−2,5−ジオン
からなる群から選択される式Iの化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートが非常に特に好ましい。
【0012】
以下:
1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
4−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]モルホリン−3,5−ジオン、
【0013】
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ピロリジン−2,5−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピペリジン−2,6−ジオ
ン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
【0014】
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,5−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,3−ジメチル−ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
【0015】
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロール−2,5−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
【0016】
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−オキサゾリジン−2,4−ジオン、
【0017】
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−フェニル]−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
(3R,4S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−フェニル]−3,4−ジメチル−ピロリジン−
2,5−ジオン、
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−フェニル]−ピロール−2,5−ジオン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−フェニル]−ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−2,6−ジオン、および
3−[3−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)−フェニル]−イミダゾリジン−2,4−ジオン
からなる群から選択される式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートが特に好ましい。
【0018】
以下:
1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
【0019】
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
4−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]モルホリン−3,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
【0020】
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,5−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,3−ジメチルピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
【0021】
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロール−2,5−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
【0022】
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、および
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−オキサゾリジン−2,4−ジオン
からなる群から選択される式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートが特に好ましい。
【0023】
さらなる実施形態は、式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートを包含し、ここで:
R1、R2、R3およびR4が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、CNまたはR11−(Cm2m)−An−であり;
mが0または1であり;
nが0または1であり;
R11が、水素、メチルまたはCp2p+1であり;
Aが、酸素、NCH3またはS(O)qであり;
pが1または2であり;
qが0、1または2であり;
R5が、水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり;
R6が、水素またはメチルであり;
R7およびR8が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、CN、CO2R12、NR13R14またはR16−(Cmm2mm)−Bnn−であり;
R12が、水素、メチルまたはエチルであり;
R13、R14が、それぞれ独立して、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであるか;または
R13およびR14が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5−、6−または7−員環を形成し、ここで、1つのCH2基がNR15、Sまたは酸素で置き換っていてもよく;
R15が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
mmが0、1または2であり;
nnが0または1であり;
R16が、水素、メチルまたはCpp2pp+1であり;
Bが、酸素またはS(O)qqであり;
ppが1または2であり;
qqが0、1または2であり;;
Wが、Cr2rまたはCs2s-2であり;
ここで、Cr2rおよびCs2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基が、NR17、酸素またはSで置き換っていてもよく;
R17が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
rが1、2、3、4、5、6、7または8であり;
sが2、3、4、5、6、7または8であり;
Xが、−C(O)−または−S(O)2−であり;
Zが、結合である。
【0024】
R1およびR3が、それぞれ水素であり;
R2およびR4が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、NH2、NHCH3またはN(CH3)2であり;
R5が、水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり;
R6が、水素またはメチルであり;
R7およびR8が、それぞれ水素であり;
WがCr2rまたはCs2s-2であり;
ここで、Cr2rおよびCsH2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基が、NR17、酸素またはSで置き換っていてもよく;
R17が、水素またはメチルであり;
rが1、2、3、4、5または6であり;
sが2、3、4、5または6であり;
Xが、−C(O)−または−S(O)2−であり;
Zが、結合である、式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートが好ましい。
【0025】
R1およびR3が、それぞれ水素であり;
R2およびR4が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、NH2、NHCH3またはN(CH3)2であり;
R5が、水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり;
R6が、水素またはメチルであり;
R7およびR8が、それぞれ水素であり;
Wが、Cr2rまたはCs2s-2であり;
ここで、Cr2rおよびCs2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基がNR17、酸素またはSで置き換っていてもよく;
R17が、水素、メチルであり;
rが1、2、3、4、5または6であり;
sが2、3、4、5または6であり;
Xが−C(O)−または−S(O)2−であり;
Zが結合である、式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートが特に好ましい。
【0026】
以下:
1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−1,3−ジヒドロイミダゾール−2−オン、
(R)−6,8−ジクロロ−4−[2−(1,1−ジオキソ−1−λ6−イソチアゾリジン−2−イル)フェニル]−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−オキサゾリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
【0027】
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2−オン、および
6,8−ジクロロ−4−[4−(1,1−ジオキソ−1−λ6−[1,2,5]チアジアゾリジン−2−イル)フェニル]−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
からなる群から選択される式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートが非常に特に好ましい。
【0028】
以下:
1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−1,3−ジヒドロイミダゾール−2−オン、
(R)−6,8−ジクロロ−4−[2−(1,1−ジオキソ−1−λ6−イソチアゾリジン−2−イル)フェニル]−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2−オン、
【0029】
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、および
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−オキサゾリジン−2−オン
からなる群から選択される式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートが特に好ましい。
【0030】
以下:
1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−1,3−ジヒドロイミダゾール−2−オン、
(R)−6,8−ジクロロ−4−[2−(1,1−ジオキソ−1−λ6−イソチアゾリジン−2−イル)フェニル]−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、および
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン
からなる群から選択される式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテートが特に好ましい。
【0031】
さらなる実施形態において、R1基、R2基、R3基およびR4基が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、CNまたはR11−(Cm2m)−An−で表され、ここでm
およびnが、それぞれ独立して、0または1であり、R11が、水素、メチルまたはCp2p+1であり、そしてAが酸素、NCH3またはS(O)qであり、ここでpが1または2であり、そしてqが0、1または2である式Iの化合物が好ましく;R1およびR3が、それぞれ水素であり、そしてR2およびR4が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、NH2、NHCH3またはN(CH3)2、例えば、ClまたはBrである式Iの化合物が特に好ましい。1つの実施形態において、R1およびR3が、それぞれ水素であり、そしてR2およびR4が、それぞれ独立して、F、Cl、NH2、NHCH3またはN(CH3)2、例えば、Clである式Iの化合物が好ましい。
【0032】
さらなる実施形態において、R5が、水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルで表される式Iの化合物が好ましく;R5が、水素、メチルまたはシクロプロピル、例えば、メチルである式Iの化合物が特に好ましい。
【0033】
さらなる実施形態において、R6が、水素またはメチル、例えば、水素で表される式Iの化合物が好ましい。
さらなる実施形態において、R7基およびR8基が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、CN、CO2R12、NR13R14またはR16−(Cmm2mm)−Bnn−で表され、ここでR12が、水素、メチルまたはエチルであり、R13およびR14が、それぞれ独立して、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであるか、またはR13およびR14が、それらが結合する窒素原子と一緒になって5−、6−または7−員環を形成し、ここで、1つのCH2基が、NR15、Sまたは酸素で置き換っていてもよく、そしてここでR15が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり、そしてmmが0、1または2であり、nnが0または1であり、そしてR16が、水素、メチルまたはCpp2pp+1であり、ここでBが、酸素またはS(O)qqであり、ここで、ppが1または2であり、そしてqqが0、1または2である式Iの化合物が好ましく;R7およびR8が、それぞれ水素である式Iの化合物が特に好ましい。
【0034】
さらなる実施形態において、Wが、Cr2rまたはCs2s-2で表され、ここで、Cr2rおよびCs2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基が、NR17、酸素またはSで置き換っていてもよく、ここでR17が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキル、特に、水素またはメチル、例えば、水素であり、そしてここで、rが2、3、4、5、6、7または8、特に、2、3、4、5または6であり、そしてsが2、3、4、5、6、7または8、特に、2、3、4、5または6である式Iの化合物が好ましい。
【0035】
さらなる実施形態において、Xが、−C(O)−または−S(O)2−である式Iの化合物が好ましい。
さらなる実施形態において、Zが−C(O)−ある式Iの化合物が好ましい。別の実施形態において、Zが結合である式Iの化合物が好ましい。
【0036】
式Iの化合物が1つまたはそれ以上の不斉中心を含む場合、これらは、それぞれ独立してS立体配置またはR立体配置のいずれかを有し得る。化合物は、光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはそれらの全ての比率の混合物として存在してもよい。式Iの化合物はまた、回転異性体の形態で存在してもよい。
【0037】
本発明は、式Iの化合物の全ての可能な互変異性型の形態を包含する。
本発明はまた、式Iの化合物の誘導体、例えば、水和物およびアルコール付加物のような溶媒和物、エステル、プロドラッグおよび式Iの化合物の他の生理的に受容可能な誘導
体、また式Iの化合物の活性代謝物を包含する。同様に、本発明は、式Iの化合物の全ての結晶変態を包含する。
【0038】
アルキル基は直鎖または分枝鎖であり得る。また、それらが置換基を有するか、または他の基の置換基として存在する場合、例えば、フルオロアルキル基またはアルコキシ基においてもこのことが言える。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル(=1−メチルエチル)、n−ブチル、イソブチル(=2−メチルプロピル)、sec−ブチル(=1−メチルプロピル)、tert−ブチル(=1,1−ジメチルエチル)、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチルおよびヘキシルが挙げられる。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびn−ブチルである。アルキル基において、1つまたはそれ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個)の水素原子が、フッ素原子で置換されていてもよい。このようなフルオロアルキル基の例としては、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロイソプロピルが挙げられる。置換アルキル基は、任意の位置で置換されていてもよい。
【0039】
アルキレン基、例えば、Cm2m、Cmm2mmまたはCr2rは、直鎖または分枝鎖であり得る。また、それらが置換基を有するか、または他の基の置換基として存在する場合、例えば、フルオロアルキレン基(例えば、Cp2pおよびCpp2pp)においてもこのことが言える。アルキレン基の例としては、メチレン、エチレン、1−メチルメチレン、プロピレン、1−メチルエチレン、ブチレン、1−プロピルメチレン、1−エチル−1−メチルメチレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1−ジメチルメチレン、1−エチルエチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、ペンチレン、1−ブチルメチレン、1−プロピルエチレン、1−メチル−2−エチルエチレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、2,2−ジメチルプロピレン、ヘキシレンおよび1−メチルペンチレンが挙げられる。アルキレン基において、1つまたはそれ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個)の水素原子が、フッ素原子で置換されていてもよい。置換アルキレン基は、任意の位置で置き換わっていてもよい。アルキレン基において、1つまたはそれ以上のCH2基が、酸素、S、NH、N−アルキルまたはN−シクロアルキルで置換されていてもよい。直鎖および分枝鎖のアルキレンの両方において、CH2基が、酸素、S、NH、N−アルキルまたはN−シクロアルキルで、例えば、1−ヒドロキシエチレン基のように置き換っていてもよい。
【0040】
アルケニレン基、例えば、Cs2s-2は、直鎖または分枝鎖であり得る。また、それらが置換基を有する場合、例えば、フルオロアルケニレン基においてもこのことが言える。アルケニレン基は、種々の位置において不飽和であってよい。アルケニレン基の例としては、エテニレン、1−メチルエテニレン、プロペニレン、ブタ−1−エニレン、ブタ−2−エニレン、1−メチルプロパ−1−エニレン、1,2−ジメチルエチレン、ペンテニレンまたはヘキセニレンが挙げられる。アルケニレン基において、1つまたはそれ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個)の水素原子が、フッ素原子で置き換わっていてもよい。置換アルケニレン基は、任意の位置で置き換っていてもよい。アルケニレン基において、1つまたはそれ以上のCH2基が、酸素、S、NH、N−アルキルまたはN−シクロアルキルで置換されていてもよい。直鎖および分枝鎖のアルケニレンの両方において、CH2基が、酸素、S、NH、N−アルキルまたはN−シクロアルキルで置き換っていてもよい。
【0041】
シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが挙げられる。シクロアルキル基において、1つまたはそれ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個)の水素原子はフッ
素原子で置換されていてもよい。置換シクロアルキル基は、任意の位置で置換されていてもよい。シクロアルキル基はまた、アルキルシクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル(例えばメチルシクロヘキシルまたはシクロヘキシルメチル)として分枝形態で存在してもよい。
【0042】
R13およびR14が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4−、5−、6−または7−員環を形成するNR13R14環の例としては、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンおよびN−メチルピペラジンが挙げられる。
【0043】
アルキル基中の末端CH3基はまた、CH2単位と考えられ、そしてこの文脈においてCH2−H基であると解釈される。これはまた、分枝鎖アルキレン基(例えば、Cm2m、Cmm2mmまたはCr2r)においても適用される。
【0044】
可変部(variable)(例えば、シクロアルキルまたはR1)が構成要素として2個以上存在する場合、可変部の定義は、それぞれの場合で、お互いに独立している。
【0045】
式Iの化合物が、1つもしくはそれ以上の酸性基または塩基性基または1つもしくはそれ以上の塩基性複素環を含む場合、対応する生理的または毒物学的に受容可能な塩、特に、医薬上使用可能な塩はまた、本発明に包含される。例えば、式Iの化合物は、酸性基で脱プロトン化可能で、そして、例えば、アルカリ金属塩の形態(好ましくは、ナトリウム塩もしくはカリウム塩)、またはアンモニウム塩の形態(例えばアンモニアまたは有機アミンまたはアミノ酸との塩として)で使用することができる。式Iの化合物は少なくとも1つの塩基性基を常に有するので、これらはまた、例えば、以下の酸との生理的に受容可能な酸付加塩の形態に製造することができる:無機酸(塩化水素酸、硫酸もしくはホスホン酸)または有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マロン酸、メタンスルホン酸、フマル酸)。有用な酸付加塩としては、全ての薬学的に受容可能な塩、例えば、ハロゲン化物(特に、塩酸塩)、乳酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、リン酸塩、メチルスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、アジピン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロールリン酸塩、マレイン酸塩およびパモエート(この基はまた、薬学的に受容可能なアニオンに対応する);ならびにトリフルオロアセテートが挙げられる。
【0046】
本発明はまた、式Iの化合物を製造するための以下に記載される方法を提供する。
本明細書中に記載されている式Iの化合物は、例えば、式VIIIのアニリン誘導体から出発する文献方法またはそれに類似する方法に従って製造し得る。
【化2】

【0047】
式VIIIのアニリンを、例えば、ポリリン酸(PPA)中で、式XXIIの対応する酸と共に加熱することによって、式Iaの化合物に変換することができ(Tetrahedron
Letters 2003,44,2133)、ここで、R1〜R8およびWは、それ
ぞれ上で定義される通りであり、そしてXおよびZは、それぞれ−C(O)−に対応する。
【化3】

【0048】
別法として、以下の反応により式Iaの化合物を得ることができ;ジクロロメタンのような非プロトン性溶媒中の式VIIIのアニリンとXXIX型の無水物とを反応させ、中間体アミド酸を得る。次いで、Hunigの塩基のような塩基の存在下、ジクロロメタンのような非プロトン性溶媒中の中間体と、EDCのような適切な環化剤で閉環させることによって、式Iaの所望のイミドを得る。あるいは、中間体をまた、ジフェニルエーテルのような高沸点溶媒(high−boiling solvent)中で、または溶媒を全く使用することなく加熱すると、水を失って、閉環が形成される、ここでR1基〜R8基およびW基は、それぞれ、上で定義される通りであり、そしてXおよびZは、それぞれ−C(O)−に対応する。
【化4】

【0049】
式Ibの化合物は、例えば、式XIIのイソシアナトカルボン酸エステルから出発する二工程反応で、形成し得る。この場合において、初めに、アニリン窒素とイソシアネート基の反応により尿素が中間体として形成され、続いて酸触媒下、閉環させる、ここで、R1〜R8は、それぞれ上で定義される通りであり、そして
XおよびZは、それぞれ−C(O)−に対応し、
R22は、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり、
−VN−NH−は、末端CH2基がNHによって置き換えられているW基であり、そして
−V'−NCOは、末端CH2基がイソシアネート基によって置き換えられているW基である。
【化5】

【0050】
続いて、R17基への変換は、塩基(例えば、リチウムジイソプロピルアミド、またはリチウムもしくはナトリウムヘキサメチルジシラジドの存在下、式XIIIのアルキル化剤を用いて、式Ibの化合物をアルキル化することによって、達成することができ、
ここで、R1〜R8およびR17は、それぞれ上で定義される通りであり、
XおよびZは、それぞれ−C(O)−に対応し、
−VN−NH−は、末端CH2基がNHによって置き換えられているW基であり、
−VN−NR17−は、末端CH2基がNR17によって置き換えられているW基であり、そして
LGは、アルキル化で一般的な脱離基(例えば、臭化物、塩化物、トシレートまたはメシレート)に対応する。
【化6】

【0051】
あるいは、この環は、三工程連続法で形成することもできる。この目的を達成するために、カルボニル基を、初めにアニリン窒素(anilinic nitrogen)に移す。これは、例えば、式XIVのクロロギ酸誘導体またはカルボニルジイミダゾールを用いて行われる。
【0052】
続いて、式XVのアミノエステルと反応させ、次いで酸触媒または塩基触媒で(好ましくは、塩化水素酸またはナトリウムヘキサメチルジシラジドを用いて)環化させて、式Icの化合物にする、
ここで、R1〜R8、R17および−VN−NR17−は、それぞれ上で定義される通りであり、
R23は、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり、そして
R24は、場合により置換されたフェニル基(例えば、フェニルまたは4−ニトロフェニル)である。
【化7】

【0053】
式Ibの環状尿素は、式VIIIのアニリンを式XIVのクロロギ酸誘導体と反応させ、その生成物の形成されたカルバメートと、式XVIのアミンとを反応させ、次いで塩基(例えば、水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたはナトリウムヘキサメチルジシラジド)の存在下、環化工程を行うことによって得ることができ、
ここで、
R1〜R8、R17、R24、−VN−NR17−および−VN−NHR17は、それぞれ上で定義される通りであり、そして
Yは脱離基(例えば、塩素)または脱離基への前駆体(例えば、ヒドロキシ)(次いで、これは、脱離基(例えば、塩化メシル)に変換される)である。
【化8】

【0054】
式Ieのラクタムは、式VIIIのアニリンと式XVIIのラクトン(Synlett 2001,1485)とを反応させ、中間体として形成されたヒドロキシアミド中に、そのヒドロキシル基から例えば、塩化スルホニル、無水物または強酸と反応させて良好な脱離基を作り、次いで、好ましくは、塩基(例えば、水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたはナトリウムヘキサメチルジシラジド)の存在下、この良好な脱離基を、アニリン窒素で置換することによって製造することができ、ここで
R1〜R8およびWは、それぞれ上で定義される通りであり、
Xは、−C(O)−に対応し、そして
Zは結合である。
【化9】

【0055】
あるいは、触媒(例えば、ヨウ化銅)の存在下、式XVIIIのハロ芳香族化合物を式XIXのラクタムと直接反応させ、式Ieの化合物を得ることもまた可能であり(J.Am.Chem.Soc.2001,7727,ibid.2002,7421)、ここで
R1〜R8およびWは、それぞれ上で定義される通りであり、
Xは、−C(O)−に対応し、
Zは結合であり、そして
Halは、Cl、Br、Iまたは−O−トリフレートである。
【化10】

【0056】
式XVIIIのハロ芳香族化合物は、以下に記載される式VIIIのアニリン誘導体の形成に類似する式VIのカルボニル誘導体から出発する反応で製造する。
さらなる変法は、式Ieの化合物を得るための式VIIIのアニリンと式XXVの酸塩化物との反応である。次いで、中間体として得られたアミドを、水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたはナトリウムヘキサメチルジシラジドのような塩基の存在下、THF、DMSOおよびDMFのような溶媒中で環化する。R1基〜R8基、LG基およびW基は、それぞれ上で定義される通りであり、
Zは、結合に対応し、そして
Xは、−C(O)−である。
【化11】

【0057】
式Ifのスルホンアミドは、式VIIIのアニリンから出発して、式XXのクロロアルキルスルファミルクロリド(Tetrahedron Letters 44,5483(2003))と反応させることによって製造し得、ここで
R1〜R8、R17および−VN−NR17−は、それぞれ上で定義される通りであり、
Tは、ClまたはBrであり、
Xは、−SO2−に対応し、そして
Zは、結合である。
【化12】

【0058】
式Igの化合物は、酸触媒環化反応によって形成し得る。上述の方法の1つによって製造され得る式XXIの尿素から出発して、酸(例えば、塩化水素酸またはギ酸)の存在下、ケタールまたはアセタールを脱離して、式Igの化合物を製造し、ここで
R1〜R8およびR17は、それぞれ上で定義される通りであり、
Xは、−C(O)−に対応し、
Zは、結合であり、
−NR17−V''−CV*HCV'''(ORa)2は、Cr2rの定義を有するW基に対応しており、ここで、末端CH2基はNR17で置換されており、そしてさらなるCH2基はアセタール/ケタール基で置換されており、そしてV*およびV'''はアルキレン基の可能な分枝を表し、ここでRaは、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキル(例えば、メチルまたはエチル)であるか、または2つのRa基が一緒になってエチレン基を形成し、そして
−NR17−V''−CV*=CV'''−はCs2s-2の定義を有するW基であり、ここで、末端CH2基はNR17で置換されており、そしてV*およびV'''は、アルキレン基の
可能な分枝を表す。
【化13】

【0059】
式Ihの化合物は、初めに、アニリンVIIIを式XXVIのクロロチオホルメート(例えば、フェニルクロロチオホルメート)と反応させ、その後、得られた中間体チオカルバメートを、ナトリウムメトキシド溶液で処理した後、XXVII型の酸塩化物と反応させることによって、得ることができる。R1基〜R8基、R24基およびLG基は、それぞれ上で定義される通りである。
Kは、1つのCH2基によって短縮されているW基であり、
S−Sは、1つのCH2基が硫黄で置き換っているW基であり、そして
XおよびZは、それぞれ−C(O)−に対応する。
【化14】

【0060】
式Iiの化合物は、以下のような三工程連続法で合成し得る。初めに、VIII型のアニリンを、THFのような非プロトン性溶媒中で、ナトリウムヘキサメチルジシラジドのような塩基の存在下、XXVIII型の酸塩化物と反応させ、中間体アミドを得る。続いて、メタノール中で、求核試薬および炭酸カリウムのような塩基の存在下、保護基Pを酸素から除去する。最後に、得られたアルコールを、THFのような非プロトン性溶媒中で、ナトリウムヘキサメチルジシラジドのような塩基の存在下、1,1−カルボニルジイミダゾールのようなカルボニル等価物またはホスゲンと反応させる。R1基〜R8基は、それぞれ上で定義される通りであり、
O−O−は、1つのCH2基が酸素で置き換っているW基に対応し、
Pは、アセチル、ベンゾイル、ベンゾオキシカルボニルまたはトリチルのような保護基に対応し、そして
XおよびZは、それぞれ−C(O)−に対応する。
【化15】

【0061】
式Ijの化合物は、THFのような非プロトン性溶媒中で、式VIIIのアニリンと式XXXのクロロホルメートとを反応させ、次いで、水素化ナトリウムのような塩基の存在下、THFのような非プロトン性溶媒中に形成された中間体カルバメートを閉環させることにより製造し得る。R1基〜R8基、LG基およびVO−O基は、それぞれ上で定義される通りであり、そして
Zは、結合に対応し、そして
Xは、−C(O)−である。
【化16】

【0062】
式Ikの化合物は、THFのような非プロトン性溶媒中で、ナトリウムヘキサメチルジシラジドのような塩基の存在下、式VIIIのアニリンと式XXXIの塩化スルホニルを反応させることによって、得ることができる。R1基〜R2基、T基およびW基は、それぞれ上で定義される通りであり、そして
Zは、結合に対応し、そして
Xは、−SO2−である。
【化17】

【0063】
式XII、XIII、XIV、XV、XVI、XVII、XIX、XX、XXII、XXV、XXVI、XXVII、XXVIII、XXIX、XXXおよびXXXIの化合物は、市販されているか、または文献に記載され、当業者に公知である方法または類似する方法に従って製造され得る。
【0064】
式VIIIの出発化合物を、以下のように製造し得る:
公知の方法によって式VIの化合物のカルボニル基を還元し、次いで式VIIの対応するアルコールを酸触媒環化して(Tetrahedron Lett.1989,30,5837;Org.Prep.Proced.Int.1995,27,513を参照のこと)、式VIIIaのテトラヒドロイソキノリンを得ることができ、ここでR1〜R8は、それぞれ上で定義される通りであり、そしてR20は、当業者に公知の窒素保護基(例えば、アセチル基)である。
続いて、式VIIIaの型の化合物から出発して当業者に公知の様式で、保護基R20を除去することによって、式VIIIの化合物を得る。水または低級アルコールのようなプロトン性溶媒中、好ましくは酸触媒下(例えば、塩化水素酸もしくはトリフルオロ酢酸と共に)または塩基触媒下(例えば、ナトリウムメトキシドまたはエトキシドの存在下)、これを行う。
【0065】
あるいは、還元の完了時に、環化の前に保護基R20を除去することができ、これは、強塩基(例えば、ナトリウムメトキシドまたはエトキシド)の存在下、メタノールまたはエタノール中で有利に成功する。しかし、メタノールまたはエタノールのようなアルコールの存在下、塩化水素酸のような酸を用いてR20を有利に除去することもまたできる。オルト−アミノ誘導体の場合において、R20を先に除去することが、特に望ましい。従って、式VIIIの非保護アニリンを直接得ることができる。
【化18】

【0066】
R6が水素でない式Iのアルキル分枝化合物を製造するためには、公知の方法によって、式IXの対応するジフェニル酢酸エステルのα位にR6でアルキル化し得る。有利には、アニリン水素原子を、保護基R21(例えば、アリルまたはベンジル)で置換する。式Xの化合物を標準的な方法によって式XIの対応するアミドに変換し、これを、Pictet−Spengler−様反応で、式VIIIbの所望のテトラヒドロイソキノリンに変換し(Tetrahedron 1987,43,439;Chem.Pharm.Bull.1985,33,340を参照のこと)、ここで
R1〜R8およびR20は、それぞれ上で定義される通りであり、
R21は、保護基(例えば、アリルまたはベンジル)であり、そして
LGは、アルキル化において一般的な脱離基(例えば、塩化物、臭化物、トシレートまたはメシレート)に対応する。
【化19】

【0067】
当業者に公知の方法による式VIIIbの化合物の脱保護は、式VIIIの遊離アニリンを提供する。保護基の種類に依存して、アセチルのようなカルボニル保護基は、酸触媒(例えば、HCl溶液)または塩基触媒(例えば、ナトリウムメトキシドまたはエトキシドによって)下、有利に除去されるが、ベンジルまたはアリル保護基は、水素化によって最も良く除去される。
【0068】
式IXの化合物は市販されるか、または文献に記載され、当業者に公知である方法またはそれに類似する方法に従って製造され得る。
【0069】
上で使用される式VIの化合物は、好ましくは、当業者に公知の様式で、式IVのベンジルアミンおよび適切な式Vのアミノ置換α−ブロモアセトフェノン化合物から製造され、ここで
R1〜R8およびR20は、それぞれ上で定義される通りである。
【化20】

【0070】
式Vのα−ブロモアセトフェノン化合物は、文献方法において、対応するアセトフェノン前駆体から臭素化により得ることができる。
【0071】
市販されていない場合、式IVのベンジルアミン前駆体を当業者に公知の標準的な方法によって、式IIIの対応する塩化ベンジルまたは臭化ベンジルおよび対応するアミンから合成することができ、ここで、
R1〜R5は、それぞれ上で定義される通りであり、そして
Xは、F、Cl、BrまたはI、特にClまたはBrである。
【化21】

【0072】
あるいは、式IVの化合物はまた、当業者に公知の標準的な方法によって、式IIIaのアルデヒドの還元アミノ化によって得ることができ、ここで
R1〜R5は、それぞれ上で定義される通りである。
【化22】

【0073】
式IIIおよびIIIaの化合物およびR5−NH2は市販されるか、または文献に記載され、当業者に公知である方法またはそれに類似する方法に従って製造され得る。
【0074】
生成物および/または中間体はワークアップし、所望の場合、抽出、クロマトグラフィ
ーまたは結晶化および通常の乾燥工程のような通常の方法によって精製する。
【0075】
式Iの化合物は、ナトリウム−水素交換輸送体(NHE)、特にサブタイプ3のナトリウム−水素交換輸送体(NHE3)の優れたインヒビターであることを示すことができた。
【0076】
今日まで、公知のNHE3インヒビターは、例えば、アシルグアニジン型(EP825178)、ノルボルニルアミン型(WO0144164)、2−グアニジノキナゾリン型(WO0179186)またはベンズアミジン型(WO0121582、WO0172742)の化合物から誘導されている。同様に、NHE3インヒビターとして記載されているスクアラミン(squalamine)(M.Donowitz et al.,Am.J.Physiol.276(Cell Physiol.45):C136−C144)は、現状の認識に従うと、式Iの化合物のように直接的に作用はしないが、むしろ間接的に機構に作用し、従ってその最も強い作用は1時間後に初めて到達する。
【0077】
サブタイプ3のナトリウム−水素交換輸送体(NHE3)のインヒビターとしてのテトラヒドロイソキノリンは、特許出願公開WO03048129、WO2004085404およびドイツ出願番号102004046492.8にすでに記載されている。特許出願公開WO03055880は、NHE3インヒビターとしてのテトラヒドロイソキノリニウム塩の関連化合物の種類を記載している。驚くべきことに、本明細書に記載される式Iの化合物が、NHE3の強力なインヒビターを同様に構成し、かつ有利な薬理学的特性および薬物動態学的特性を有することが今やわかった。
【0078】
NHE3は、様々な種の身体中、特に、胆嚢、腸および腎臓に見られるが(Larry
Fliegel et al.,Biochem.Cell.Biol.76:735−741,1998)、脳内においても見出されている(E.Ma et al.,Neuroscience 79:591−603)。
【0079】
式Iの化合物は、それらのNHE阻害性のため、NHEの活性化によって、または活性化NHEによって引き起こされる障害、および二次的原因としてNHE関連損傷を有する障害を、予防および治療するのに適切である。式Iの化合物はまた、例えば、低用量で使用することよって、NHEが部分的にのみ阻害される障害を治療および予防するのに使用することができる。
【0080】
本発明の化合物の使用は、獣医学およびヒト医学における急性および慢性の障害の予防および治療に関連する。
【0081】
それらの薬理学的作用の結果として、式Iの化合物は、呼吸駆動を改善するのに特に適切である。従って、それらは、例えば、以下の臨床状態および障害の事象において起こり得るような乱れた呼吸状態を治療するために利用できる:乱れた中枢性呼吸駆動(例えば、中枢性睡眠時無呼吸症、乳幼児突然死、術後低酸素血症)、筋肉関連の呼吸障害、長期的な人工呼吸後の呼吸障害、高山に適合過程中の呼吸障害、閉塞型および混合型の睡眠時無呼吸、低酸素症および高炭酸ガス血症を伴う急性および慢性の肺疾患。
【0082】
さらに、化合物は、上気道の筋緊張を高めて、いびきを抑える。従って、前述の化合物は、睡眠時無呼吸および筋肉関連の呼吸障害を予防および治療する医薬を製造するため、ならびにいびきを予防および治療するための医薬を製造するため、有利に使用される。
【0083】
式IのNHEインヒビターと炭酸脱水酵素インヒビター(例えば、アセタゾラミド)との組合せは、有利と考えることができ、後者は代謝アシドーシスをもたらし、従ってそれ
自体呼吸活性を増大させ、その結果活性成分の作用の増強および使用量の低減が達成される。
【0084】
それらのNHE3阻害作用の結果として、本発明の化合物は、毒性事象および病原事象において迅速に消耗されることによって細胞損傷または細胞死の原因となる細胞エネルギーの蓄えを保護する。近位細管におけるエネルギー集約型ATP消費ナトリウム吸収は、NHE3インヒビターの影響を受けて一時的に中断するので、細胞は急性の病原性状態、虚血性状態または毒性状態をしのぎ得る。従って、本化合物は、例えば、虚血性病毒(ischemic noxae)(例えば、急性腎不全)を治療するための医薬として適切である。さらに、本化合物はまた、全ての慢性腎障害およびタンパク質の沈着の増加の結果として慢性腎不全をもたらす腎炎型(nephritis form)を治療するのに適切である。従って、式Iの化合物は、後期糖尿病性損傷、糖尿病性ネフロパシーおよび慢性腎障害、特に増加したタンパク質/アルブミン沈着に関連する全ての腎臓の炎症(腎炎(nephritides))を治療するための医薬を製造するのに適切である。
【0085】
本発明に従って使用される化合物は、緩下剤効果を有し、従って下剤としてまたは切迫した便秘の事象において、有利に使用できることがわかった。
【0086】
さらに、本発明の化合物は、例えば、腸領域における虚血性状態、および/またはその後の再潅流、または炎症性の状態および事象によって誘発される急性または慢性の腸管障害を予防および治療するのに有利に使用され得る。このような合併症は、例えば外科的介入後便秘の事象において頻繁に観察されるような、例えば不十分な腸蠕動運動または非常に低下した腸活性の結果として、生じ得る。
【0087】
本発明の化合物を用いると、胆石形成を予防する可能がある。
本発明のNHEインヒビターは、一般的に、虚血および再潅流によって引き起こされる障害を治療するのに適切である。
【0088】
それらの薬理学的特性の結果として、本発明の化合物は、不整脈治療薬として適切である。それらの心臓保護成分の結果として、NHEインヒビターは、梗塞の予防および梗塞の治療、ならびに狭心症の治療にも、著しく適切であり、その場合には、それらはまた、虚血誘発状態の発症において、特に虚血誘発性心不整脈発症の引き金において、病態生理学的過程を、阻害するかまたは非常に低下させる。病的低酸素のおよび虚血状況に対するその保護作用のために、本発明に従って使用される式Iの化合物は、細胞のNa+/H+交換輸送機構の阻害の結果として、虚血によって誘発された全ての急性もしくは慢性の損傷またはそれによって一次的もしくは二次的に誘発された疾患を治療するための医薬として使用され得る。
【0089】
本発明はまた、外科的介入のための医薬としてのそれらの使用に関する。例えば、本発明の化合物は、臓器移植において使用され得、その場合、化合物は、摘出前および摘出中のドナーの臓器を保護するため、および摘出した臓器の保護のため、例えば、生理学的な浴液を用いた処置の際、または生理学的な浴液の中でそれを保存する際に、そしてまた、式Iの化合物を用いて前処理した臓器をレセピエント内へ移入する際に摘出された臓器を保護するための両方に使用することができる。
【0090】
同様に、本化合物は、血管形成外科的介入(例えば、心臓の、ならびに末梢器官および末梢血管の)を行う際の、有用な保護医薬である。
さらに、本発明の化合物は、バイパス術、例えば冠状血管上のバイパス術でおよび冠動脈バイパス移植片(CABG)のバイパス術を行う場合に使用し得る。
【0091】
虚血誘発損傷に対するそれらの作用により、本発明の式Iの化合物は、心拍停止後の蘇生に使用し得る。
虚血誘発損傷に対するそれらの保護作用により、本化合物はまた、神経系、特にCNSの虚血を治療する医薬としても適切であり、それらの場合、これらは、例えば発作または脳水腫の治療に適切である。
【0092】
NHEインヒビターは、特に、虚血および再潅流により引き起こされる損傷に対してだけでなく、特にガン治療および自己免疫疾患の治療において使用されるような医薬の細胞毒性作用に対してもヒトの組織および臓器を効果的に保護するので、式Iの化合物とそれらの組合せ投与は、治療の細胞毒性を減少または抑制するのに適切である。NHEインヒビターとの共投薬(co−medication)の結果として、細胞毒性が減少(特に、心臓毒性の減少)すると、細胞毒性を有する治療薬の用量を増加させ、そして/またはこのような医薬を用いる薬物治療の延長を可能にする。このような細胞毒性治療の治療上の利点は、NHEインヒビターとの組み合わせにより大幅に増大し得る。式Iの化合物は、望ましくはない心臓毒性成分を有する医薬を用いる治療を改善するのに特に適切である。
【0093】
一般的に、本明細書中に記載されるNHEインヒビターは、同様に、細胞内のpHを調整する他の化合物と有利に組み合わせることができ、それらの場合、可能な組合せパートナーは、炭酸脱水酵素の酵素グループのインヒビター、重炭酸イオン輸送システム(例えば、重炭酸ナトリウム共輸送体(NBC)またはナトリウム依存性塩化物−重炭酸塩交換輸送体(NCBE))のインヒビターであり、そして他のNHEサブタイプに対して阻害作用を有する他のNHEインヒビターとも有利に組み合わせることができ、本明細書中に記載されるNHEインヒビターの薬理学的に関連したpH調整作用を増強または調節し得るためである。
【0094】
虚血誘発損傷に対するそれらの保護作用により、本発明の化合物はまた、神経系、特に中枢神経系の虚血を治療する医薬として適切であり、それらの場合、これらは、例えば、発作または脳水腫を治療するのに適切である。
【0095】
式Iの化合物はまた、さらに、本明細書に記載された化合物は、中枢神経系の過剰興奮能により誘発された疾患および障害を治療および予防するのに、特にてんかん性障害、中枢系に誘発された間代性および緊張性の痙攣、心理的うつ状態、不安障害および精神病を治療するのに適切である。これらの場合において、本発明のNHEインヒビターは、単独でまたは他の抗てんかん活性物質(antiepileptically active
substance)もしくは抗精神病活性成分、または炭酸脱水酵素インヒビター(例えば、アセタゾラミド)、そしてまたNHEまたはナトリウム依存性塩化物−重炭酸塩交換輸送体(NCBE)のさらなるインヒビターと組み合わせて利用してもよい。
【0096】
さらに、本発明の式Iの化合物は、同様に、ある種のショック(例えば、アレルギー性ショック、心臓性ショック、血液量減少性ショックおよび細菌性ショック)を治療するのに適切である。
【0097】
式Iの化合物はまた、同様に、NHEインヒビターとして、それら自体が血小板凝集も阻害することができるので、血栓性障害の予防および治療のために使用され得る。それらはまた、虚血および再灌流の後に起こる、炎症メディエーターおよび血液凝固メディエーター、特に、フォン・ビルブランド因子および血栓形成性セレクチンタンパク質の過剰放出を阻害または予防し得る。これは、血栓形成性因子および炎症関連因子の病原性作用を低減および排除できる。従って、本発明のNHEインヒビターは、さらなる抗凝固活性および/または血栓溶解活性の成分(例えば、組み換えまたは天然の組織プラスミノーゲン
アクチベーター、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、アセチルサリチル酸、トロンビンアンタゴニスト、第Xa因子アンタゴニスト、線維素溶解(fibrinolytically)活性薬、トロンボキサンレセプターアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼインヒビター、第VIIa因子アンタゴニスト、クロピドグレル、チクロピジンなど)と組み合わせることができる。本発明のNHEインヒビターとNCBEインヒビターおよび/または炭酸脱水酵素のインヒビター(例えば、アセタゾラミド)との組み合わせ使用が、特に有利である。
【0098】
さらに、本発明のNHEインヒビターは、細胞増殖(例えば、線維芽細胞増殖および血管平滑筋細胞の増殖)に対する強い阻害作用を特徴とする。従って、式Iの化合物は、細胞増殖が一次的または二次的原因となる障害に対する有益な治療剤として有用であり、従って抗アテローム性動脈硬化薬、慢性腎不全、癌に対する薬物として使用され得る。従って、これらは、器官、例えば心臓および前立腺の肥大および過形成を治療するために使用され得る。従って、式Iの化合物は、心不全(うっ血性心不全=CHF)の予防および治療に、また前立腺過形成または前立腺肥大の治療および予防に適切である。
【0099】
NHEインヒビターはまた、腺維性障害の遅延または予防を特徴とする。従って、それらは、心臓線維症、ならびに肺線維症、肝線維症、腎線維症および他の腺維性障害を治療するための優れた薬剤として適切である。
【0100】
本態性高血圧においてはNHEの有意な上昇があるので、式Iの化合物は、高血圧および心臓血管障害の予防および治療に適切である。これらの場合、それらは高血圧の治療および心臓血管障害の治療のために、単独でまたは適切な組み合わせパートナーと共に使用され得る。例えば、チアジド様作用を有する利尿薬、ループ利尿薬、アルドステロンおよび仮性アルドステロンアンタゴニスト(例えばヒドロクロロチアジド、インダパミド、ポリチアジド、フロセミド、ピレタニド、トラセミド、ブメタニド、アミロライド、トリアムテレン、スピロノラクトンまたはエプレロン(eplerone))の1種またはそれ以上を、式Iの化合物と組み合わせてもよい。さらに、本発明のNHEインヒビターは、カルシウムアンタゴニスト(例えば、ベラパミル、ジルチアゼム、アムロジピンもしくはニフェジピン)およびACEインヒビター(例えば、ラミプリル、エナラプリル、リシノプリル、フォシノプリルもしくはカプトプリル)と組み合わせて使用してもよい。さらに好ましい組み合わせのパートナーはまた、β遮断薬(例えば、メトプロロール、アルブテロールなど)、アンギオテンシンレセプターおよびそのレセプターサブタイプのアンタゴニスト(例えば、ロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン)、オマパトリラト、ゲモパトリラト(gemopatrilat)、エンドセリンアンタゴニスト、レニンインヒビター、アデノシンレセプターアゴニストおよびカリウムチャンネルのインヒビターおよびアクチベーター(例えば、グリベンクラミド、グリメピリド、ジアゾキシド、クロマカリム、ミノキシジル、およびそれらの誘導体)、ミトコンドリアATP感受性カリウムチャンネル(mitoK(ATP)チャンネル)のアクチベーター、さらなるカリウムチャネルのインヒビター(例えば、Kv1.5など)が挙げられる。
【0101】
それらの抗炎症作用のために、本発明のNHEインヒビターは、抗炎症薬として使用し得る。メカニズム用語(mechanistic term)では、炎症メディエーターの放出阻害がこれに関連して注目に値する。従って、本化合物は、慢性および急性の炎症性疾患の予防または治療に単独で、または抗炎症薬と組合せて使用され得る。有利に使用される組合せパートナーは、ステロイド系および非ステロイド系抗炎症薬である。
【0102】
NHEインヒビターは血清リポタンパク質に対して有益な作用を示すことがさらにわかった。従って、それらは、原因となる危険因子を排除することによって、アテローム性動脈硬化症病変を予防しおよび退縮させるために使用され得る。これらとしては、一次性高脂血症だけでなく、例えば糖尿病の場合に起る特定の二次性高脂血症もまた含まれる。さらに、NHEインヒビターは、代謝異常により誘発される梗塞を明確に低減させ、特に、誘発された梗塞の大きさおよびそれらの重症度を有意に低減させる。従って、式IのNHEインヒビターは、高コレステロール血症を治療する医薬を製造するため;アテローム発生を予防する医薬を製造するため;アテローム性動脈硬化症を予防および治療する医薬を製造するため;上昇したコレステロールレベルにより誘発される疾患を予防および治療する医薬を製造するため;内皮機能障害により誘発される疾患を予防および治療する医薬を製造するため;アテローム性動脈硬化症が誘発する高血圧症を予防および治療する医薬を製造するため;アテローム性動脈硬化症が誘発する血栓症を予防および治療する医薬を製造するため;高コレステロール血症が誘発するおよび内皮機能障害が誘発する虚血性損傷および虚血後再潅流損傷を予防および治療する医薬を製造するため;心臓肥大および心筋症ならびにうっ血性心不全(CHF)を予防および治療する医薬を製造するため;高コレステロール血症が誘発するおよび内皮機能障害が誘発する冠動脈攣縮および心筋梗塞を予防および治療する医薬を製造するため;血圧降下剤、好ましくはアンギオテンシン変換酵素(ACE)インヒビターおよびアンギオテンシンレセプターアンタゴニストと組合せた前記障害を治療する医薬を製造するために、有利に使用される。式IのNHEインヒビターと血中脂肪レベルを低下させる活性成分、好ましくは、HMG−CoA還元酵素インヒビター(例えば、ロバスタチンまたはプラバスタチン)の組合せは、効果が増強され、活性成分の使用を減少させる有利な組合せを構成する(後者は脂質低下作用をもたらし、従って式IのNHEインヒビターの脂質低下特性を増大させる)。
【0103】
従って、NHEインヒビターは、種々の原因による内皮損傷に対して効果的な保護をもたらす。内皮機能障害症候群に対するこのような血管保護作用は、NHEインヒビターが冠動脈攣縮、末梢血管疾患、特に間欠性跛行、アテローム発生およびアテローム性動脈硬化症、左心室肥大および拡張型心筋症ならびに血栓性障害を予防および治療するための価値ある医薬であることを意味する。
NHEインヒビターは、例えば、抑制されたインスリン抵抗性を有する非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)の治療に適切であることがさらにわかった。この場合、本発明の化合物を、ビグアニド類(例えば、メトホルミン)と、抗糖尿病性スルホニル尿素(例えば、グリブリド、グリメピリド、トルブタミドなど)と、グルコシダーゼインヒビターと、PPARアゴニスト(例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾンなど)と、種々の投薬形態のインスリン製品と、DB4インヒビターと、インスリン感受性増強薬と、またはメグリチニドと組み合わせることによって、本発明の化合物の抗糖尿病活性および作用の質を増強することが好ましい。
【0104】
急性の抗糖尿病作用に加えて、NHEインヒビターは、糖尿病の後期合併症の進行を妨げ、従って糖尿病からの後期損傷(例えば、糖尿病性ネフロパシー、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性心筋症および糖尿病の結果として起る他の障害)を予防および治療する医薬として使用され得る。それらを、NIDDM治療のもとに上記した抗糖尿病薬と有利に組み合わせてもよい。この点に関連して、インスリンの効果的な投薬形態との組み合わせが特に重要であり得る。
【0105】
急性の虚血事象およびその後の同じく急性のストレス性再灌流事象(stressing reperfusion event)に対する保護作用に加えて、NHEインヒビターはまた、慢性的に進行する加齢過程の兆候に関連し、そして急性の虚血状態および正常な非虚血状態とは無関係に起こり得る全哺乳類生物の疾患および障害に対して直接的な治療上有用な作用を示す。今や、NHEインヒビターを用いる治療を可能にする、長い加齢期間を経て誘発されたこれらの病理学的な加齢兆候(例えば、疾患、病弱および死亡)は、重要器官およびそれらの機能における加齢関連の変化により本質的に引き起こされる疾患および障害であり、老化する生命体においてますます重要性を増している。
【0106】
加齢に伴う機能障害または加齢に伴う器官損耗の兆候と関係がある障害は、例えば、収縮および弛緩反応に対する血管の不十分な応答および反応性である。心臓血管系、すなわち生命および健康の重要な過程である収縮および弛緩の刺激に対する血管の反応性の加齢に伴う低下は、NHEインヒビターにより有意に排除または軽減され得る。血管の反応性の維持の1つの重要な機能および尺度は、内皮機能障害の加齢に伴う進行の遮断または遅延であり、それはNHEインヒビターにより極めて有意に排除され得る。従って、NHEインヒビターは、内皮機能障害、特に、間欠性跛行の加齢に伴う進行を治療および予防するのに極めて適切である。従って、NHEインヒビターはまた、心筋梗塞、うっ血性心不全(CHF)を予防および治療するのに、および加齢に伴う癌の形成を治療、特に予防するのに極めて適切である。
これに関連して、血圧降下剤(例えば、ACEインヒビター、アンギオテンシンレセプターアンタゴニスト、利尿薬、Ca2+アンタゴニストなど)とまたは代謝正常化剤(metabolism−normalizing medicament)(例えば、コレステロール低下薬)との組み合わせが有用である。従って、式Iの化合物は、加齢に伴う組織の変化の予防のため、健康維持のためおよび質の高い生活を維持しながらの延命のためにも適している。
【0107】
本発明の化合物は、多くの障害(本態性高血圧、アテローム性動脈硬化症、糖尿病など)において容易に測定可能な細胞(例えば、赤血球、血小板または白血球)中でさえも上昇している細胞ナトリウム/プロトン対向輸送体(Na/H交換輸送体)の有効なインヒビターである。従って、本発明に従って使用される化合物は、例えば、様々な種類の高血圧症だけでなく、アテローム性動脈硬化症、糖尿病および糖尿病の後期合併症、増殖性障害などの測定および識別のための診断剤としてのそれらの使用において優れた簡便な科学的道具として適切である。
【0108】
さらに、NHEインヒビターは、細菌および原生動物によって引き起こされる障害(ヒトおよび動物)の治療に適切である。原生動物によって引き起こされる疾患としては、特に、ヒトにおけるマラリアまたは家禽におけるコクシジウム病が挙げられる。本化合物はまた、ヒト医学および獣医学および作物保護において吸汁寄生虫(sucking parasite)を防除する薬物として適切である。ヒト医学および獣医学において吸血寄生虫(blood sucking parasite)に対する薬物として使用するのが好ましい。
【0109】
従って、上述の化合物は、呼吸駆動の障害の、呼吸障害、睡眠関連呼吸障害、睡眠時無呼吸の、いびきの、急性および慢性の腎障害の、急性腎不全のおよび慢性腎不全の、腸機能の障害の、高血圧の、本態性高血圧の、中枢神経系の障害の、CNS過剰興奮能、てんかんおよび中枢誘発性痙攣により生じる障害の、または不安状態、うつ病および精神病の、末梢または中枢神経系の虚血状態のまたは発作の、虚血事象または再灌流事象により引き起こされる末梢器官または四肢に対する急性および慢性の損傷およびそれらの障害の、アテローム性動脈硬化症の、脂質代謝障害の、血栓症の、胆管機能の障害の、外部寄生虫による侵襲の、内皮機能障害により引き起こされる障害の、原虫性障害の、マラリアの、治療または予防のため、外科的処置のための移植片の保存および貯蔵のため、外科手術および臓器移植における使用のため、またはショック状態のまたは糖尿病および糖尿病からの後期損傷の、または細胞増殖が一次的もしくは二次的原因を構成する疾患の治療のため、ならびに健康を維持および寿命を延ばすため、の医薬を製造するために、単独で、または他の医薬もしくは活性成分と組み合わせて有利に使用される。
【0110】
本発明は、さらに、医薬として使用するための式Iの化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩の使用に関する。
本発明はまた、有効量の式Iの化合物および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有する、ヒト、動物または植物保護(phytoprotective)に使用するための薬物に関し、そしてまた、有効量の式Iの化合物および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩を単独でまたは1種またはそれ以上の他の薬理学的活性成分または医薬と組み合わせて含有する、ヒト、動物または植物保護に使用するための薬物に関する。
【0111】
式Iの化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有する医薬は、例えば、経口的、非経口的、筋肉内、静脈内、直腸、経鼻的に、吸入により、皮下に、または適切な経皮投与形態で投与され得、好ましい投与は、障害の特性に依存する。式Iの化合物は、獣医学およびヒト医学の両方において、ならびに作物保護において、単独で、または医薬品賦形剤と共に使用され得る。医薬は、一般的に、投薬単位あたり0.01mg〜1gの量で式Iの活性成分および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩を含有する。
【0112】
所望の医薬製剤に適切な賦形剤は、専門知識に基づいて当業者によく知られている。溶媒、ゲル化剤、坐剤基剤、錠剤賦形剤および他の活性成分担体に加えて、例えば抗酸化剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、矯味矯臭料、保存剤、可溶化剤または着色剤を使用することができる。
【0113】
経口投与形態用には、活性化合物は、この目的に適切な添加剤(例えば、担体、安定剤または不活性希釈剤)と混合され、そして通常の方法によって適切な投薬形態(例えば、錠剤、コーティング錠剤、ゼラチン硬カプセル剤、水性、アルコール性または油性の液剤)に変換する。有用な不活性担体の例としては、アラビアゴム、マグネシア、炭酸マグネシウム、リン酸カリウム、ラクトース、グルコースまたはデンプン(特にコーンスターチ)が挙げられる。その調製は、乾式顆粒剤または湿式顆粒剤のいずれかの形態であり得る。有用な油性担体または有用な溶媒の例としては、植物油または動物油(例えば、ひまわり油または肝油)が挙げられる。
【0114】
皮下投与、経皮投与または静脈内投与用には、使用される活性化合物を、必要に応じてこの目的のための慣用的な物質(例えば、可溶化剤、乳化剤またはさらなる賦形剤)と共に溶液、懸濁液または乳濁液に変換する。有用な溶媒の例としては、水、生理食塩水またはアルコール(例えば、エタノール、プロパノール、グリセロール)そしてさらにまた糖溶液(例えば、グルコース溶液もしくはマンニトール溶液)、または記載された種々の溶媒の混合物が挙げられる。
【0115】
エアゾールまたはスプレーの形態での投与に適切な医薬製剤の例は、薬学的に受容可能な溶媒(特に、エタノールまたは水)、またはこのような溶媒の混合物中の式Iの活性成分の液剤、懸濁剤または乳剤である。必要に応じて、製剤はまた、他の医薬賦形剤(例えば、界面活性剤、乳化剤および安定剤)およびプロペラントガスを含有してもよい。このような製剤は、一般的に、約0.1〜10質量%、特に約0.3〜3質量%の濃度で活性成分を含有する。
【0116】
投与すべき式Iの活性成分の投薬量および投与頻度は、使用される化合物の効能および作用持続時間;さらにまた、治療しようとする疾患の性質および重症度、そしてまた、治療しようとする哺乳動物の性別、年齢、体重および個々の反応性に依存する。
【0117】
平均して、体重約75kgの患者の場合、式Iの化合物の日用量は、少なくとも0.001mg/kg体重、好ましくは0.1mg/kg体重〜多くとも30mg/kg体重、好ましくは1mg/kg体重までである。急性状況において、例えば、高山において無呼吸状態(apnetic states)に罹った直後には、かなり高い投薬量さえ必要となり得る。特に、静脈内投与の場合、例えば、集中治療室の心臓発作患者では、1日あたり300mg/kgまでが必要となり得る。日用量は、1回またはそれ以上(例えば、4回まで)の個々の用量に分割することができる。
【実施例】
【0118】
実験の説明および実施例
使用される略語リスト:
TFA トリフルオロ酢酸
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
Rt 保持時間
THF テトラヒドロフラン
DMSO ジメチルスルホキシド
abs. 無水
DMF ジメチルホルムアミド
ACN アセトニトリル
min. 分
h 時間
EDC N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド
AiBN 2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)
NBS N−ブロモスクシンイミド
CI 化学イオン化
ESI エレクトロスプレーイオン化
m 多重線
d 二重線
s 一重線
【0119】
概略:
式IのC−4でのエピマーについて、通常、1つのエピマーが他のものよりも活性がある。
【化23】

従って、使用されるオルトアミン、メタアミンおよびパラアミンのいくつかの鏡像異性体(2−、3−または4−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン、例えば、2−、3−または4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン)を、WO2004085404に記載されるように、キラル相で分離した。式VIIIのラセミ体アミンを、WO2004085404に記載されるように製造し:例えば、ラセミ体パラ−アミン:4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(実施例1、中間体6);メタ−アミン:3−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(実施例2、中間体1)、オルト−アミン:2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(実施例3、中間体5)、次いでWO2004085404に記載されるようにそれらの鏡像異性体に分離し得る:例えば、鏡像異性的に純粋なパラ−アミン:(S)−4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(実施例42、中間体1、鏡像異性体B);メタ−アミン:(S)−3−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(実施例20、中間体、鏡像異性体B);オルト−アミン:(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(実施例41、中間体1、鏡像異性体B)。2−(6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミンおよび対応するそれらの(R)−鏡像異性体および(S)−鏡像異性体を、実施例41b)に記載されるように製造し得る。
【0120】
他に規定されない限り、記載される合成を、アルゴンのような保護ガスの存在下、必要な場合、撹拌棒、クーラー、滴下漏斗などを備える一つ口、二つ口または三つ口フラスコのような標準的な反応容器中で、当業者に公知の様式で行った。他に規定されない限り、溶媒は、適切な真空度および適切な温度で回転エバポレーターを用いて取り除いた。
【0121】
条件:
分取用HPLC:
以下の条件下で分取用HPLCを行った:
固定相:Merck Purospher RP18(10μM) 250×25mm
移動相:90%H2O(0.05%TFA)→40分で90%アセトニトリル;25ml/分
分析用HPLC/MS
HPLC方法
【0122】
方法A:
固定相:YMC J'sphere ODS H80 20×2.1mm
移動相:90%H2O(0.05%TFA)→1.9分で95%;アセトニトリル;0.5分で95%アセトニトリル→0.05分で10%アセトニトリル;1ml/分。
【0123】
方法B:
固定相:YMC J'sphere ODS H80 20×2.1mm
移動相:96%H2O(0.05%TFA)→2.0分で95%アセトニトリル;0.4分で95%アセトニトリル→0.05分で4%アセトニトリル;1ml/分
【0124】
質量分析
質量分析計をHPLCに直接連結した(LC−MS)。使用されるイオン化法は、他に規定されない限り、エレクトロスプレー(ESI+)であった。報告される保持時間は、上記のHPLC条件でLC−MSカップリングにおいて得られたような適切な化合物のイオン電流の最大シグナルに関連する。
【0125】
実施例1:3−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−イミダゾリジン−2,4−ジオン
【化24】

【0126】
a)エチル{3−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ウレイド}アセテート塩酸塩;
【化25】

4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(95mg;WO2004085404に記載されるように製造)を、アセトニトリル(2ml)に溶解し、そして撹拌しながらエチルイソシアナトアセテート(30mg)を滴下して加えた。4時間後、溶液を濃縮し、そして残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を炭酸カリウムで中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで乾燥状態まで濃縮した。残留物を塩酸水溶液に溶解し、そして凍結乾燥させた。所望の化合物(107mg)を得た。
LC−MS Rt(A):1.14分;
[M+H+]:436.5
【0127】
b)3−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン
初めに、エチル{3−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ウレイド}アセテート塩酸塩(30mg)を入れた。水(3ml)および10%塩酸(231μl)を添加し、次いで3時間撹拌しながら還流させた。反応溶液を冷却し、そして凍結乾燥させた後、白色固体を得た。
LC−MS Rt(A):0.98分;
[M+H+]:390.4
【0128】
実施例2:3−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩
【化26】

実施例2を実施例1と同様に合成した。この目的のために必要な(S)−4−(6,8−ジクロロ−2メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を、キラル相で分離することによってラセミ化合物から得た。
LC−MS Rt(B):0.89分;
[M+H+]:390.1
【0129】
実施例3:3−[3−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−イミダゾリジン−2,4−ジオン
【化27】

実施例3を実施例1と同様に合成した。この目的のために必要な3−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミンを、WO2004085404に記載されるように製造した。
LC−MS Rt(A):0.96分;
[M+H+]:390.3
【0130】
実施例4:3−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−イミダゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩
【化28】

実施例4を実施例1と同様に合成した。この目的のために必要な(S)−3−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を、キラル相で分離することによってラセミ化合物から得た。
LC−MS Rt(B):0.90分;
[M+H+]:390.0
【0131】
実施例5:3−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−イミダゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩
【化29】

実施例5を実施例1と同様に合成した。この目的のために必要な2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミンを、WO2004085404に記載されように得た。
LC−MS Rt(A):1.04分;
[M+H+]:390.4
【0132】
実施例6:3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩
【化30】

実施例6を実施例1と同様に合成した。この目的のために必要な(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を、キラル相で分離することによってラセミ化合物から得た。
LC−MS Rt(B):0.98分;
[M+H+]:390.0
【0133】
実施例7:1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ピロリジン−2,5−ジオン塩酸塩
【化31】

初めに、(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(100mg;鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を、コハク酸(58mg)と共にフラスコに入れた。これにポリリン酸(約2ml)を添加した。次いで、反応混合物を135℃で撹拌した。4時間後、少量のコハク酸(約9mg)を添加した。135℃でさらに2時間後、混合物を室温で一晩放置した。ワークアップのために、混合物を氷水上に注ぎ、そして酸性相を飽和炭酸カリウム溶液でpH10に調整し、次いで酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。粗生成物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を炭酸カリウムで中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。これを硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。残留物を塩酸水溶液に溶解し、そして凍結乾燥させた。
LC−MS Rt(B):1.03分;
[M+H+]:389.0
【0134】
実施例8:6,8−ジクロロ−4−[4−(1,1−ジオキソ−1−λ6−[1,2,5]チアジアゾリジン−2−イル)フェニル]−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
【化32】

2−クロロエチルアミン塩酸塩(75mg)を、アセトニトリル(10ml)中塩化スルフリル(0.32ml)と共に、75〜80℃で一晩撹拌した。室温に冷却した混合物
を濃縮し、残留物を無水エーテル(1ml)に溶解した。クロロスルホンアミドを含むエーテル相を、−70℃で4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(110mg、WO2004085404に記載されるように製造)、無水ジエチルエーテル(1ml)およびトリエチルアミン(85μl)の溶液に滴下して加えた。添加が終了した後、反応混合物をそのままにして室温になるにまかせ、そしてさらに2.5時間撹拌した。次いで、これを、水および飽和炭酸水素ナトリウム溶液(3:1)の混合物と混合し、そして少量のエーテルを添加した。相を分離し、そして水相をジエチルエーテルで2回抽出した。合わせたエーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。
【0135】
粗生成物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を炭酸カリウムで中和し、そしてジクロロメタンで3回抽出した。これを硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。このようにして得た生成物の一部(20mg)を、DMSO(0.5ml)に溶解し、炭酸カリウム(6.2mg)と混合し、そして室温で6時間撹拌した。冷凍庫で一晩保存した後、DMSOを高真空下で除去し、そして残留物を少量の水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびエーテルと混合した。相を分離し、そして水相をジエチルエーテルで2回より多く抽出した。合わせたエーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。粗生成物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を炭酸カリウムで中和し、そしてジクロロメタンで3回抽出した。これを硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。残留物を塩酸水溶液に溶解し、そして凍結乾燥させた。
LC−MS Rt(B):1.02分;
[M+H+]:412.1
【0136】
対応するアミン(これらのいくつかは鏡像異性的に純粋な形態で使用した)および対応するジカルボン酸から開始して、以下の化合物を同様に製造した。
【0137】
【表1】

【0138】
【表2】

【0139】
【表3】

【0140】
【表4】

【0141】
【表5】

【0142】
【表6】

【0143】
【表7】

【0144】
実施例35:1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ピロリジン−2−オントリフルオロアセテート
【化33】

【0145】
a)N−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−4ヒドロキシブチルアミド
【化34】

初めに、(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(100mg、鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を、無水THF(8ml)中γ−ブチロラクトン(84mg)と共に入れ、次いで0℃でナトリウムヘキサメチルジシラジド(NaHMDS;2M/THF;0.65ml)を15分内に滴下して加えた。0℃で10分間撹拌した後、氷浴を取り除き、そして混合物をさらに2時間撹拌した。反応系を飽和塩化アンモニウム溶液(0.6ml)、酢酸エチルおよび水と混合した。相を分離し、そして水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。粗生成物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を炭酸カリウムで中和し、そしてジクロロメタンで3回抽出した。合わせたジクロロメタン相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。
LC−MS Rt(B):0.98分;
[M+H+]:393.1
【0146】
b)1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オントリフルオロアセテート
N−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−4−ヒドロキシブチルアミド(100mg)を、無水THF(4ml)に溶解し、そしてトリエチルアミン(77μl)および塩化メタンスルホニル(44μl)のTHF(0.5ml)溶液を滴下して加えた。室温にて6時間撹拌した後、THFを除去し、そして残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液と混合した。酢酸エチルで3回抽出した後、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物の一部(44mg)を無水THF(2ml)に溶解し、そして反応混合物を0℃に冷却した。この温度でナトリウムヘキサメチルジシラジド(96μl)を10分内に滴下して加えた。続いて、混合物を0℃でさらに10分間撹拌した後、氷浴を取り除いた。1.5時間後、反応系を飽和塩化アンモニウム溶液(0.2ml)および水と混合した。次いで、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。粗生成物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を炭酸カリウムで中和し、そしてジクロロメタンで3回抽出した。合わせたジクロロメタン相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。
LC−MS Rt(B):1.04分;
[M+H+]:375.1
【0147】
実施例36:1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン塩酸塩
【化35】

【0148】
a)4−クロロ−N−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ブチルアミド
【化36】

2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(250mg)を無水THF(20ml)に溶解した。撹拌しながら4−クロロブチリルクロリド(115mg)およびトリエチルアミン(208μl)を添加した。混合物を室温で約3時間撹拌した。一晩放置した後、反応混合物を濃縮し、そして残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を炭酸水素ナトリウムで中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、これらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。油状の生成物(290mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.14分;
[M+H+]:411.0
【0149】
b)1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン塩酸塩
4−クロロ−N−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ブチルアミド(249mg)を無水DMSO(10ml)に溶解し、そして微粉状の乾燥炭酸カリウム(250mg)を添加した。防湿しながら、混合物を室温で4時間激しく撹拌した。一晩放置した後、反応混合物を水(50ml)で希釈し、次いで酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を炭酸水素ナトリウムで中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。残留物を水/アセトニトリルに溶解し、そして0.1N HClでpH2に調整した。一晩かけて凍結乾燥させた後、所望の生成物(116mg)を白色粉末として得た。
LC−MS Rt(B):1.06分;
[M+H+]:375.1
【0150】
実施例37:1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]ピロリジン−2−オン
【化37】

2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(実施例41b)から出発して、実施例36と同様に、表題化合物を合成した。
LC−MS Rt(B):1.12分;
[M+H+]:401.0
【0151】
実施例38:1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ピペリジン−2−オン
【化38】

(S)−3−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニルアミン(鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)およびδ−バレロラクトンから出発して、実施例35と同様に、1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]ピペリジン−2−オンを合成した。
LC−MS Rt(B):1.05分;
[M+H+]:389.1
【0152】
実施例39:1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−イミダゾリジン−2−オン塩酸塩
【化39】

【0153】
a)1−(2−クロロエチル)−3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]尿素
【化40】

(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(100mg、鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を無水ジクロロメタン(5ml)に溶解し、そして撹拌しながら4−ニトロフェニルクロロホルマート(79mg)と混合した。室温で4時間撹拌した後、混合物を一晩放置した。次の日、追加の4−ニトロフェニルクロロホルマート(10mg)を添加し、そして混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で乾燥状態まで濃縮し、そして残留物を無水ジクロロメタン(5ml)に溶解した。トリエチルアミン(180μl)を添加した後、2−クロロエチルアミン塩酸塩(61mg)の無水ジクロロメタン(3ml)溶液を滴下して加え、そして混合物を室温で4時間撹拌した。続いて、混合物を追加の塩化メチレンおよび希炭酸カリウム溶液と混合し、そして有機相を希炭酸カリウム溶液で3回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして濾過した後、有機相を濃縮し、そして分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。所望の生成物(50mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.05分;
[M+H+]:412.1
【0154】
b)1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−イミダゾリジン−2−オン塩酸塩
1−(2−クロロエチル)−3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]尿素(40mg)を無水DMSO(1ml)に溶解し、そして撹拌しながら炭酸カリウム(14mg)と混合した。室温で4時間撹拌した後、少量の炭酸カリウム(7mg)を添加した。一晩放置した後、DMSOを減圧下除去し、残留物を少量の水および飽和炭酸水素ナトリウム溶液と混合し、続いて、得られた混合物をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製したが、1つの不純物が除去できなかったので、さらにシリカゲルクロマトグラフィー(80分内に100/0〜88/12 ジクロロメタン/メタノール)に付した。きれいな画分を合わせ、そして乾燥状態まで濃縮し、続いて、残留物を水および少量の塩酸を用いて凍結乾燥させた。
LC−MS Rt(B):1.00分;
[M+H+]:376.0
【0155】
実施例40:1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1,3−ジヒドロイミダゾール−2−オン塩酸塩
【化41】

【0156】
a)1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−(2,2−ジエトキシエチル)−尿素
【化42】

(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(75mg、鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を、実施例25a)と同様に、4−ニトロフェニルクロロホルマート(64mg)、次いで2,2−ジエトキシエチルアミン(46mg)と反応させた。
LC−MS Rt(B):1.14分;
[M+H+]:466.1
【0157】
b)1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1,3−ジヒドロイミダゾール−2−オン塩酸塩
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−(2,2−ジエトキシエチル)尿素(65mg)をギ酸(0.4ml)に溶解し、そして室温で2時間撹拌した。続いて、混合物を水と混合し、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和した。酢酸エチルで3回抽出した後、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、濃縮し、そして分取用クロマトグラフィーで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。残留物をHCl水溶液に溶解し、そして凍結乾燥させた。
LC−MS Rt(B):1.05分;
[M+H+]:374.0
【0158】
実施例41:3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]チアゾリジン−2,4−ジオン
【化43】

【0159】
a)1−(2−アミノフェニル)−2−[シクロプロピル(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]エタノールおよび2−{2−[シクロプロピル(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]−1−メトキシエチル}フェニルアミン
【化44】

N−(2−{2−[シクロプロピル(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}フェニル)アセトアミド(46g、WO0348129中の実施例15と同様にして得た)をメタノール(250ml)に溶解した。撹拌しながら30%ナトリウムメトキシド溶液をそれらに添加し、次いで混合物を10時間還流させた。反応を完了させるために、固体ナトリウムメトキシド(10g)を添加し、そして混合物をさらに4時間還流させた。ワークアップのために、続いて、反応混合物を氷水(1.5l)に添加し、そして酢酸エチルで3回溶離した。合わせた酢酸エチル相を飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製した後、1−(2−アミノフェニル)−2−[シクロプロピル(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]エタノール(14g)
LC−MS Rt(B):1.03分;
[M+H+]:351.0、
2−{2−[シクロプロピル(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]−1−メトキシエチル}フェニルアミン(13.8g)
LC−MS Rt(B):1.18分;
[M+H+]:365.0
および2つの生成物の混合画分(5.5g)を得た。
以下のb)の下で、1−(2−アミノフェニル)−2−[シクロプロピル−(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]エタノールについて以下に記載されるように、3つの画分の全てを硫酸を用いて環化し、2−(6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミンを得た。
【0160】
b)2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミンおよび2−((S)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン
【化45】

1−(2−アミノフェニル)−2−[シクロプロピル(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]エタノール(14g)をジクロロメタン(250ml)に溶解し、そして撹拌しながら0℃に冷却した。冷却条件下、濃硫酸(50ml)を滴下して加えた。添加が終了した後、混合物を室温で約7時間、次いで45℃で2時間撹拌し、この過程においてジクロロメタンをゆっくりとエバポレートさせた。室温にて一晩放置した後、硫酸(5ml)を再び添加して、そして12時間温度を65℃に維持させて反応を完了させた。その後、反応混合物を氷水に添加し、10N水酸化ナトリウム溶液でpH11に調整した。水相をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。粗生成物(12.3g)をシリカゲルクロマトグラフィー(1:1〜4:1 酢酸エチル/n−ヘプタン)に供した。続いて、得られた精製ラセミ生成物(10.7g)をキラルHPLC(Chiralpak ADH/45、溶離液:20:1:1 ヘプタン/イソプロパノール/メタノール+0.1%TFA)でその鏡像異性体に分離した。初めに溶離した2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニルアミン P1(7g)およびより遅く溶離した2−((S)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン P2(6g)を、それらの2つのTFA塩の形態で得た。
キラルHPLC:
カラム:Chiralpak ADH/45、250×4.6mm;
溶離液:20/1/1 ヘプタン/イソプロパノール/メタノール+0.1% TFA
流速:30℃で1ml/分
P1:Rt:7.27分
P2:Rt:12.81分
【0161】
c)フェニル[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−チオカルバメート
【化46】

2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(300mg)を無水THF(5ml)に溶解し、そして無水THF(1ml)に溶解したフェニルクロロチオホルマート(75μl)を滴下して加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌し、そして一晩放置した。次いで、溶媒を除去し、そして残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。
LC−MS Rt(B):1.87分;
[M+H+]:469.0
【0162】
d)3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]チアゾリジン−2,4−ジオン
フェニル[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−チオカルバメート(50mg)を、メタノール(5ml)中30%ナトリウムメトキシド溶液に溶解した。溶解させるために、混合物をホットエアガン(hot−air gun)を用いてゆっくりと加熱した。透明溶液を室温で約3時間撹拌し、そして一晩放置した。続いて、反応混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。このようにして得た粗生成物(45mg)を無水塩化メチレン(3.5ml)に溶解し、そしてブロモアセチルクロリド(16.5mg)を添加した。防湿しながら、混合物を室温で3時間撹拌した。冷凍庫中で一晩放置した後、溶媒および過剰な酸塩化物をエバポレートして除去し、そして残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。得られた残留物(15mg)の一部(12mg)を水/アセトニトリルに溶解し、少量の塩酸を添加し、そして透明溶液を一晩かけて凍結乾燥させた。
LC−MS Rt(B):1.40分;
[M+H+]:433.0
【0163】
実施例42:3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−チアゾリジン−2,4−ジオン
【化47】

(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を、実施例41と同様に反応させた。粗生成物は、LC−MSにおいて同一質量の二重ピークを示し、従って2つの生成物を分取用HPLCで分離し、続いて同定した。不純物画分に加えて、2つの回転異性体P1およびP2を単離した。
【0164】
P1:
LC−MS Rt(B):1.09分;
[M+H+]:407.0
1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):7.51−7.28(m,4H),7.11(m,1H),6.72(s,1H),4.51(d,15 Hz,1 H),
4.34(d,15 Hz,1 H),4.18(m,1 H),3.64(d,15 Hz,1 H),3.50(d,15 Hz,1 H),2.70(m,1 H),2.49(m,DMSOを伴う),2.33(s,3H)[ppm]
【0165】
P2:
LC−MS Rt(B):1.14分;
[M+H+]:407.0
1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):7.52−7.26(m,4 H),7.19−7.09(m,1H),6.72(s,1H),4.49(d,15 Hz,1 H),4.35(d,15 Hz,1 H),4.12(m,1 H),3.65(d,15 Hz,1 H),3.50(d,15 Hz,1 H),2.72(m,1 H),2.48(m,DMSOを伴う),2.33(s,3H)[ppm]
【0166】
代替の合成:
ブロモアセチルクロリドの代わりに、クロロアセチルクロリドを使用した場合、分取用HPLCによって、P1(<10% 1H NMRにより)をわずかにだけ含んだP2が主に得られた。
【0167】
実施例43:3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−オキサゾリジン−2,4−ジオン
【化48】

【0168】
a)[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル−カルバモイル]酢酸メチル
【化49】

(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(300mg、鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を、無水THF(10ml)に溶解し、そして室温で撹拌しながら、ナトリウムヘジサメチルジシラジド溶液(0.5ml;THF中2M)と混合した。30分後、アセトキシアセチルクロリド(77μl)を添加し、そして混合物を室温で2時間撹拌した。続いて、反応混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチル/水に溶解し、そして炭酸水素ナトリウム溶液で塩基性化し、そして相を分離した。水相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。所望の生成物(380mg)を得た。その40mgをアセトニトリル/水に溶解し、0.1N塩酸で酸性化し、そして凍結乾燥させた。
LC−MS Rt(B):1.02分;
[M+H+]:407.0
【0169】
b)N−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−2−ヒドロキシアセトアミド
【化50】

酢酸[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル−カルバモイル]メチル(180mg)をメタノール(5ml)に溶解した。撹拌しながら、炭酸カリウム(305mg、微粉状)を添加し、次いで、混合物を室温で4時間効率的に撹拌した。続いて、溶媒をエバポレートして除去し、残留物を酢酸エチルに溶解し、そして水で3回洗浄した。酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。所望の生成物(160mg)を得た。
LC−MS Rt(B):0.94分;
[M+H+]:365.0
【0170】
c)3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2,4−ジオン
N−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−2−ヒドロキシ−アセトアミド(20mg)を無水THF(2ml)に溶解し、そして室温で撹拌しながらナトリウムヘキサメチルジシラジド溶液(0.5ml;THF中2M)と反応させた。その後、1,1−カルボニルジイミダゾール(13mg)を添加し、そして混合物を室温で2時間撹拌した。一晩放置した後、反応混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチル/水に溶解し、そして炭酸水素ナトリウム溶液で塩基性化し、そして相を分離した。水相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。残留物を水/アセトニトリルに溶解し、そして透明溶液を一晩かけて凍結乾燥させた。所望の生成物(10mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.09分;
[M+H+]:391.0
【0171】
実施例43a:3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]オキサゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩
【化51】

実施例43の手順と同様に、表題化合物(25mg)を合成した。環化工程において、1,1−カルボニルジイミダゾールの代わりにトリクロロメチルクロロホルマートを使用し、塩酸の存在下、凍結乾燥を行った。
LCMS−Rt(B):1.31分;
[M+H+]:417.0
【0172】
実施例44:4−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−モルホリン−3,5−ジオントリフルオロ酢酸塩
【化52】

a)4{[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルカルバモイル]メトキシ}酢酸トリフルオロ酢酸塩
【化53】

(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(70mg、鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を、撹拌しながら無水ジクロロメタン(5ml)に溶解し、そしてジグリコール酸無水物(27mg)と混合した。混合物を室温で数時間撹拌し、そして一晩放置した。追加のジグリコール酸無水物(26mg)を添加した後、混合物を10時間撹拌し、一晩放置した。溶媒を除去した後、残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、そしてアセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を凍結乾燥させた。
LC−MS Rt(B):0.93分;
[M+H+]:423.1
【0173】
b)4−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−モルホリン−3,5−ジオントリフルオロ酢酸塩
4{[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルカルバモイル]−メトキシ}酢酸トリフルオロ酢酸塩(50mg)を、撹拌しながら無水ジクロロメタン(2ml)に溶解し、Hunigの塩基(46μl)と混合した。次いで、EDC(22mg)を添加し、そして混合物を室温で数時間撹拌した。一晩放置した後、追加のEDC(22mg)およびHunigの塩基(46μl)を添加した。24時間後、溶媒を除去し、そして残留物を分取用HPLCで精製した。生成物含有画分を合わせ、アセトニトリルを取り除き、そして凍結乾燥させた。
LC−MS Rt(B):1.07分;
[M+H+]:405.0
【0174】
実施例45:3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]オキサゾリジン−2−オン
【化54】

【0175】
a)2−クロロエチル[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]カルバメート
【化55】

2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(400mg)を、無水THF(25ml)に溶解し、そして2−クロロエチルクロロホルマート(102mg)を撹拌しながら添加した。室温で3時間撹拌した後、混合物を一晩放置した。次いで、溶媒を除去し、そして残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。所望の生成物(380mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.66分;
[M+H+]:439.0
【0176】
b)3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−オキサゾリジン−2−オン
2−クロロエチル[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]カルバメート(320mg)を、無水THF(20ml)に溶解した。撹拌しながら、水素化ナトリウム(35mg)を添加した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、そして残留物を酢酸エチルに溶解し、そして水で2回洗浄した。酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリル(acetonintrile)を回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。残留物をアセトニトリル/水に溶解し、0.1N塩酸で酸性化し、凍結乾燥させた。塩酸塩として所望の生成物(176mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.16分;
[M+H+]:403.0
【0177】
実施例46:3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−オキサゾリジン−2−オン
【化56】

【0178】
a)2−クロロエチル[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]カルバメート
【化57】

実施例45a)と同様に、(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(300mg、鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を、2−クロロエチルクロロホルマート(140mg)と反応させた。所望の生成物(400mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.15分;
[M+H+]:413.0
【0179】
b)3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロイソキノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2−オン
実施例45b)と同様に、2−クロロエチル[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]カルバメート(340mg)を、水素化ナトリウム(39mg)と反応させた。塩酸塩として所望の生成物(230mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.01分;
[M+H+]:377.0
【0180】
実施例47:(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン
【化58】

初めに、((S)−5−オキソ−2−トリクロロメチル[1,3]ジオキソラン−4−イル)酢酸(171mg、Synthesis 2002,2165を参照のこと)および塩化チオニル(2ml)を入れ、そして撹拌しながら4時間加熱還流した。続いて、過剰の塩化チオニルをRotavaporで蒸留して除き、残留物を無水トルエン(14ml)に溶解し、(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミンおよびトリエチルアミン(0.91ml)を添加し、そして混合物を2時間還流させた。一晩放置した後、反応混合物を濃縮し、そして残留物を酢酸エチル/水と混合し、炭酸水素ナトリウム溶液でpH8に調整し、そして飽和塩化ナトリウム溶液で3回洗浄した。酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物を酢酸エチル/ヘプタンから再結晶した。所望の化合物(65mg)を得、これは回転異性体を示した。しかし、LC−MSにおいては、弱く、定量できない分裂のみが見られた。
LC−MS Rt(B):1.02分;
[M+H+]:405.0
【0181】
実施例48:(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン
【化59】

初めに、((R)−5−オキソ−2−トリクロロメチル[1,3]ジオキソラン−4−
イル)酢酸(214mg、Synthesis 2002、2165を参照のこと)および塩化チオニル(2.5ml)を入れ、そして撹拌しながら4時間加熱還流した。続いて、過剰の塩化チオニルをRotavaporで蒸留して除き、残留物を無水トルエン(18ml)に溶解し、(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(250mg)およびトリエチルアミン(1.13ml)を添加し、そして混合物を2時間還流させた。続いて、反応混合物を濃縮し、そして残留物を酢酸エチル/水と混合し、炭酸水素ナトリウム溶液でpH8に調整し、そして飽和塩化ナトリウム溶液で3回洗浄した。酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。続いて、酢酸エチル/n−ヘプタンから結晶化させ、所望の化合物(240mg)を得、これは回転異性体を示し、従ってLC−MSにおいて同一質量の2つのシグナルが見られた。
LC−MS Rt(B):0.99および1.04分;
[M+H+]:405.0
【0182】
実施例49:(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン
【化60】

初めに、((R)−5−オキソ−2−トリクロロメチル[1,3]ジオキソラン−4−イル)酢酸(94mg、Synthesis 2002,2165を参照のこと)および塩化チオニル(2ml)を入れ、そして撹拌しながら4時間加熱還流した。過剰の塩化チオニルをRotavaporで蒸留して除き、残留物を無水トルエン(15ml)に溶解した。固形の2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミントリフルオロ酢酸塩(200mg)を添加し、次いでトリエチルアミン(0.5ml)を添加した。続いて、混合物を室温で2時間、ついで60℃で1時間、次いで80℃で2時間、最後に100℃で6時間撹拌した。冷却し、そして溶媒を除去した後、混合物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を凍結乾燥させた。さらなるワークアップのために、次いで、混合物をシリカゲルでさらに精製した(100:0〜90:10 ジクロロメタン/メタノール)。きれいな画分を合わせ、溶媒を取り除いた。水/アセトニトリルから凍結乾燥させ、所望の生成物(20mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.15分;
[M+H+]:431.0
【0183】
実施例50:(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン
【化61】

実施例49と同様に、((R)−5−オキソ−2−トリクロロメチル[1,3]ジオキソラン−4−イル)酢酸(94mg、Synthesis 2002,2165を参照のこと)、塩化チオニル(2ml)および2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミントリフルオロ酢酸塩(200mg)を反応させた。水/アセトニトリルから凍結乾燥させ、所望の生成物(31mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.13分;
[M+H+]:413.0
【0184】
実施例51:(R)−6,8−ジクロロ−4−[2−(1,1−ジオキソ−1−λ6−イソチアゾリジン−2−イル)フェニル]−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン塩酸塩
【化62】

初めに、(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(100mg)を無水THF(8ml)に入れ、そして室温で3−クロロプロパンスルホニルクロリド(116mg、無水THF(1.5ml)に溶解した)を滴下して加え、続いて反応混合物を16時間還流させた。反応を完了させるために、クロロプロパンスルホニルクロリド(8mg)をもう一度添加し、次いでナトリウムヘキサメチルジシラジド溶液(0.2ml;THF中2M)を添加した。室温で30分間撹拌し、次いで還流させた後、さらに当量のナトリウムヘキサメチルジシラジド溶液を添加し、そして再び還流させ、反応を完了させた。続いて、混合物を室温で水と混合し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。続いて、残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。残留物を水/塩酸に溶解し、そして凍結乾燥させた。表題化合物(12mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.05分;
[M+H+]:411.0
【0185】
実施例52:1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ピロリジン−2,5−ジオントリフルオロ酢酸塩
【化63】

【0186】
a)N−{2−[2−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]フェニル}アセトアミド
【化64】

2,4−ジクロロベンジルアミン(2.1ml)を無水エタノール(20ml)に溶解し、そして無水エタノール(50ml)に溶解したN−[2−(2−ブロモアセチル)フェニル]アセトアミド(2g)を、室温で撹拌しながら滴下して加えた。30分後、水素化ホウ素ナトリウム(600mg)を氷冷しながら添加し、そしてさらに1.5時間撹拌した。続いて、溶媒を除去し、そして残留物を酢酸エチル/水の混合物に溶解した。相を分離し、水相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物を分取用クロマトグラフィーで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を炭酸カリウムで塩基性化し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。表題化合物(720mg)を得た。
LC−MS Rt(B):0.93分;
[M+H+]:353.0
【0187】
b)1−(2−アミノフェニル)−2−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)エタノール
【化65】

N−{2−[2−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]フェニル}アセトアミド(100mg)をメタノール(5ml)に溶解し、そしてナトリウムメトキシド溶液(0.3ml;メタノール中30%)と混合した。6時間還流した後、反応混合物を氷水に注ぎ、2N塩酸で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた
有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸カリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。所望の化合物(34mg)を得、これを直接さらに反応させた。
LC−MS Rt(B):0.90分;
[M+H+]:311.0
【0188】
c)2−((R)−6,8−ジクロロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン
【化66】

1−(2−アミノフェニル)−2−(2,4−ジクロロベンジルアミノ)エタノール(34mg)をジクロロメタン(1ml)に溶解し、そして氷冷し、撹拌しながら濃硫酸と混合した。続いて、氷浴を取り除き、そしてジクロロメタンをエバポレートして除去しながら、混合物を80℃で10時間撹拌した。冷却後、反応混合物を、氷冷しながら氷水と混合し、そして10M水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にした。水相をジクロロメタンで3回抽出し、そして合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物をシリカゲル上で精製した。所望の化合物(22mg)を得た。
LC−MS Rt(B):0.99分;
[M+H+]:293.0
【0189】
d)1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオントリフルオロ酢酸塩
2−((R)−6,8−ジクロロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(22mg)を、密閉したねじぶた付試験管中でコハク酸(10mg)およびポリリン酸(2ml)と共に150℃で3時間加熱した。ワークアップのために、まだ温かい反応混合物を氷水に添加し、そして飽和炭酸カリウム溶液でアルカリ性にした。水相を酢酸エチルで3回抽出し、そして合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして残留物を凍結乾燥させた。表題化合物(7mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.04分;
[M+H+]:375.0
【0190】
実施例53:3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩
【化67】

2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(実施例41b)およびエチルイソシアナトアセテートから出発して、実施例1と同様にして、表題化合物(39mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.14分;
[M+H+]:416.0
【0191】
実施例54:3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩
【化68】

【0192】
a)4−ニトロフェニル[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]カルバメート
【化69】

(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(200mg、鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を無水ジクロロメタン(6ml)に溶解し、そして撹拌しながら4−ニトロフェニルクロロホルマート(157mg)と混合した。4時間後、追加の4−ニトロフェニルクロロホルマート(0.1当量)を添加した。一晩放置した後、ジクロロメタンを除去し、そして残留物を直接次の工程に使用した。
LC−MS Rt(B):1.29分;
[M+H+]:472.0
【0193】
b)3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩
4−ニトロフェニル[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]カルバメート(125mg)を無水THF(5ml)に溶解し、そしてサルコシンメチルエステル塩酸塩およびトリエチルアミンを、撹拌しながら滴下して加えた。5時間撹拌した後、反応混合物から溶媒を取り除き、そして残留物を水および2N塩酸と混合し、そして2時間還流させた。一晩放置した後、反応混合物を濃縮し、そして酢酸エチル、水および飽和炭酸カリウム溶液と混合した。相を分離した後、有機相を飽和炭酸カリウム溶液で5回、そして飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、次いで濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エ
バポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸カリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。残留物を水/塩酸に溶解し、そして凍結乾燥させた。表題化合物(60mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.02分;
[M+H+]:404.0
【0194】
実施例55:3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]−1−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩
【化70】

2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(実施例41b)から出発して、実施例54と同様に、表題化合物を合成し、表題化合物(55mg)を塩酸塩として得た。
LC−MS Rt(B):1.17分;
[M+H+]:430.0
【0195】
実施例56:3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩
【化71】

(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(50mg、鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を無水ジクロロメタン(5ml)に溶解し、そしてメチル2−イソシアナト−2−メチルプロピオネートを撹拌しながら滴下して加えた。3時間撹拌し、一晩放置した後、混合物を水と混合し、相を分離し、そして水相をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を精製し、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸カリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。残留物をアセトニトリル(1ml)に溶解し、そして10%塩酸と混合した。2時間撹拌した後、混合物を水(3ml)で希釈し、そして凍結乾燥させた。表題化合物(68mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.08分;
[M+H+]:418.0
【0196】
実施例57:(RおよびS)−3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−5−(2−メチルスルファニルエチル)イミダゾリジン−2,4−ジオントリフルオロ酢酸塩
【化72】

(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(50mg、鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)を、実施例56と同様に、塩化メチレン中エチル2−イソシアナト4−(メチルチオ)ブチラート(33mg)と反応させ、精製し、そして閉環させた。次いで、得られた粗生成物を分取用HPLCで精製し、次いでそのジアステレオマー(より極性のあるP1および極性乏しいP2)に分離することができた。
【0197】
P1:
LC−MS Rt(B):1.11分;
[M+H+]:464.0
P2:
LC−MS Rt(B):1.16分;
[M+H+]:464.0
【0198】
(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)および対応するイソシアネートから出発して、実施例56と同様に、以下の生成物をジアステレオマー混合物として得た:
【0199】
【表8】

【0200】
実施例61:1−[2−((R)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン塩酸塩
【化73】

水素化装置中、活性炭上のパラジウム(5%)(スパチュラの先端に一かき)を、1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン(68mg、実施例7)のメタノール(15ml)溶液に添加し、水素雰囲気を適用させた後、2時間撹拌した。水素を除去した後、装置をアルゴン下で一晩放置し、次いで結晶を濾別し、メタノールで洗浄した。濾液を乾燥状態まで濃縮した。粗生成物(10mg)を水および10%塩酸に溶解し、そして凍結乾燥させた。表題化合物(10mg)を得た。
LC−MS Rt(B):0.87分;
[M+H+]:312.1
【0201】
実施例62:1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−1,3−ジヒドロイミダゾール−2−オン塩酸塩
【化74】

(R)−2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(鏡像異性体B、WO2004085404に記載されるように製造)、4−ニトロフェニルクロロホルマートおよびメチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールを、実施例40と同様に反応させ、続いて、得られた中間体(85mg)を水(1ml)および10%塩酸(3.2ml)の混合物を用いて環化させた。ワークアップおよび精製は、実施例40と同様であった。表題化合物(65mg)を単離した。
LC−MS Rt(B):1.02分;
[M+H+]:388.0
【0202】
実施例63:1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン塩酸塩
【化75】

a)2−ブロモ−1−ブロモメチル−4−クロロベンゼン
【化76】

初めに、2−ブロモ−4−クロロトルエン(5g)を四塩化炭素(120ml)に入れ、次いで、撹拌しながらAIBN(400mg)およびNBS(4.8g)を連続して導入した。続いて、反応混合物を6時間加熱還流し、次いで室温で追加のNBS(0.6g)を添加した。還流状態でさらに2時間後、ヒーターを取り除き、そして混合物を一晩放置した。沈殿を濾別した後、混合物を四塩化炭素で洗浄し、次いで濾液を0.5N炭酸水素ナトリウム溶液で3回抽出し、次いで洗浄溶液のpHが中性になるまで水で数回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーに供した後、表題化合物(3.57g)を得た。
LC−MS Rt(B):1.85分;
[M+H+]:202.6(Cl+
【0203】
b)(2−ブロモ−4−クロロベンジル)メチルアミン
【化77】

初めに、33%エタノール性メチルアミン溶液(13ml)に入れ、そして撹拌しながら無水エタノール(20ml)に溶解した2−ブロモ−1−ブロモメチル−4−クロロベンゼン(3g)を30分内に滴下して加えた。室温で4時間撹拌した後、混合物を一晩放置した。溶媒を除去し、残留物を酢酸エチルに溶解し、そして1N塩酸で1回抽出した。水相を10N水酸化ナトリウム溶液でpH11に調整し、次いで酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。所望の化合物(1.7g)を得た。
LC−MS Rt(B):0.76分;
[M+H+]:233.9
【0204】
c)N−(2−{2−[(2−ブロモ−4−クロロベンジル)メチルアミノ]アセチル}フェニル)アセトアミド
【化78】

初めに、(2−ブロモ−4−クロロベンジル)メチルアミン(1.7g)を、無水エタノール(5ml)に入れた。炭酸水素ナトリウム(1.2g)を添加した後、撹拌しながらエタノール(80ml)に溶解したN−[2−(2−ブロモアセチル)−フェニル]アセトアミド(2g)を滴下して加えた。室温で4時間撹拌した後、混合物を一晩放置した。ワークアップのために、溶媒を除去し、残留物を酢酸エチル/水と混合し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、続いて、合わせた酢酸エチル画分を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。粗生成物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、混合物を濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。所望の生成物(1.5g)を得た。
LC−MS Rt(B):1.07分;
[M+H+]:409.0
【0205】
d)N−(2−{2−[(2−ブロモ−4−クロロベンジル)メチルアミノ]−1−ヒドロキシエチル}フェニル)アセトアミド
【化79】

初めに、N−(2−{2−[(2−ブロモ−4−クロロベンジル)メチルアミノ]アセチル}フェニル)アセトアミド(1.5g)をメタノール(45ml)に入れ、そして氷浴を用いて0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(266mg)を一部ずつ導入し、混合物をそのままにして室温になるにまかせ、次いでさらに2時間撹拌した。溶媒を除去し、そして残留物を酢酸エチル/水と混合し、そして酢酸エチルで3回抽出し、そして合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。表題化合物(1.44g)を得た。
LC−MS Rt(B):0.94分;
[M+H+]:411.0
【0206】
e)1−(2−アミノフェニル)−2−[(2−ブロモ−4−クロロベンジル)メチルアミノ]エタノール
【化80】

N−(2−{2−[(2−ブロモ−4−クロロベンジル)メチルアミノ]−1−ヒドロキシエチル}フェニル)アセトアミド(1.4g)を無水メタノール(50ml)に溶解し、そしてナトリウムメトキシド溶液(3.5ml)と混合し、そして8時間加熱還流した。ナトリウムメトキシド溶液(1.5ml)を再び添加し、混合物をさらに4時間加熱還流した。反応混合物を氷水に添加し、そして酢酸エチルで3回抽出し、そして合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸カリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。表題化合物(801mg)を得た。
LC−MS Rt(B):0.92分;
[M+H+]:369.0
【0207】
f)2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン
【化81】

1−(2−アミノフェニル)−2−[(2−ブロモ−4−クロロベンジル)メチルアミノ]エタノール(800mg)をジクロロメタン(1ml)に溶解し、そして氷冷しながら濃硫酸(8ml)と混合した。続いて、混合物を60℃で7時間撹拌した。ワークアップのために、反応混合物を氷水に添加し、10N水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にし、そして酢酸エチルで3回洗浄した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、そして濃縮した。残留物を分取用HPLCで精製した。生成物を含有する画分を合わせ、アセトニトリルを回転エバポレーターで除去し、そして水性残留物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、それらを濾過して、そして乾燥状態まで濃縮した。所望の化合物(438mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.03分;
[M+H+]:351.0
【0208】
g)1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ピロリジン−2,5−ジオン塩酸塩
実施例7と同様に、2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(60mg)をコハク酸(22mg
)と混合し、そしてポリリン酸中で反応させた。表題化合物(7.47mg)を得た。
LC−MS Rt(B):1.04分;
[M+H+]:433.0
【0209】
実施例64:1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]ピロリジン−2−オン
【化82】

実施例36と同様に、2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニルアミン(80mg)を4−クロロブチリルクロリド(35mg)と反応させ、続いて、得られたアミドをDMSO中で炭酸カリウムを用いて閉環させた。
LC−MS Rt(B):1.05分;
[M+H+]:419.0
【0210】
薬理的データ
試験の説明
この試験において、酸性化後、ナトリウム−プロトン交換輸送体サブタイプ3(NHE3)を安定に発現するLAP1細胞の細胞内pH(pHi)の回復を測定した。NHE3が機能する場合、この回復は、重炭酸塩を含まない条件下でさえ起こる。このために、pH−感受性蛍光染料BCECF(Molecular Probes,Eugene,OR,USA;前駆体BCECF−AMを使用する)を用いて、pHiを測定した。初めに
、NH4Cl緩衝液(NH4Cl緩衝液:115mM コリンCl、20mM NH4Cl、5mM KCl、1mM CaCl2、1mM MgCl2、20mM Hepes、5mM グルコース;1M KOHを用いてpH7.4にする)中BCECF(5μM BCECF−AM)を用いて、細胞をインキュベートした。NH4Cl緩衝液中でインキュベートした細胞をNH4Cl−を含まない緩衝液(133.8mM 塩化コリン、4.7mM KCl、1.25mM CaCl2、1.25mM MgCl2、0.97mM K2HPO4、0.23mM KH2PO4、5mM Hepes、5mM グルコース;1M KOHを用いてpH7.4にする)で洗浄することによって、細胞内酸性化を誘導した。洗浄操作後、NH4Clを含まない緩衝液(90μl)に細胞をつけたままにした。分析装置(FLIPR,「Fluorometric Imaging Plate Reader」,Molecular Devices,Sunnyvale,Ca.,USA)中で、pH回復をNa+−含有緩衝液(133.8mM NaCl、4.7mM KCl、1.25mM CaCl2、1.25mM MgCl2、0.97mM Na2HPO4、0.23mM NaH2PO4、10mM Hepes、5mM グルコース;1M NaOHを用いてpH7.4にする)(90μl)を添加することによって開始した。BCECF蛍光を、498nmの励起波長およびFLIPR発光フィルター1(510〜570nmのバンドギャップ)で測定した。その後の蛍光変化を、pH回復の尺度として2分間記録した。試験物質のNHE3阻害可能性を計算するために、初めに、完全にpH回復を行うか、全くpH回復を行わない緩衝液中で細胞を試験した。完全pH回復(100%)について、Na+−含有緩衝液(上記を参照のこと)中で細胞をインキュベートし、そして0%値(上記を参照のこと)の測定について、Na+を含まない緩衝液中で細胞をインキュベートした。試験しようとする物質をNa+−含有緩衝液中で構成した。各々の濃度で試験した物質の細胞内pHの回復を最大回復の割合で表した。pH回復の割合から、NHE3に対する特定の物質のIC50値をプログラムXLFit(idbs,Surrey,UK)で計算した。
【0211】
NHE3に対する種々の実施例化合物の阻害作用(IC50値)を以下の表に記載した。
【表9】

【0212】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物、ならびにその薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテート。
式中、
R1、R2、R3およびR4が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、I、CN、NO2またはR11−(Cm2m)−An−であり;
mが0、1、2、3または4であり;
nが0または1であり;
R11が、水素、メチルまたはCp2p+1であり;
Aが、酸素、NH、N(CH3)またはS(O)qであり;
pが1、2または3であり;
qが0、1または2であり;
R5が、水素、1、2、3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
R6が、水素、OH、F、CF3、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
R7およびR8が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、CN、CO2R12、NR13R14またはR16−(Cmm2mm)−Bnn−であり;
R12が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
R13およびR14が、それぞれ独立して、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであるか;または
R13およびR14が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4−、5−、6−または7−員環を形成し、ここで、1つのCH2基がNR15、Sまたは酸素で置き換っていてもよく;
R15が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
mmが0、1、2、3または4であり;
nnが0または1であり;
R16が、水素、メチルまたはCpp2pp+1であり;
Bが、酸素またはS(O)qqであり;
ppが1、2または3であり;
qqが0、1または2であり;
Wが、Cr2rまたはCs2s-2であり;
ここで、Cr2rおよびCs2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基がNR17、酸素またはSで置き換っていてもよく;
R17が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
rが1、2、3、4、5、6、7または8であり;
sが2、3、4、5、6、7または8であり;
Xが、−C(O)−または−S(O)2−であり;
Zが、−C(O)−または結合である。
【請求項2】
R1、R2、R3およびR4が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、CNまたはR11−(Cm2m)−An−であり;
mが0または1であり;
nが0または1であり;
R11が、水素、メチルまたはCp2p+1であり;
Aが、酸素、NCH3またはS(O)qであり;
pが1または2であり;
qが0、1または2であり;
R5が、水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり;
R6が、水素またはメチルであり;
R7およびR8が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、CN、CO2R12、NR13R14またはR16−(Cmm2mm)−Bnn−であり;
R12が、水素、メチルまたはエチルであり;
R13およびR14が、それぞれ独立して、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであるか;または
R13およびR14が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5−、6−または7−員環を形成し、ここで、1つのCH2基がNR15、Sまたは酸素で置き換っていてもよく;
R15が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
mmが0、1または2であり;
nnが0または1であり;
R16が、水素、メチルまたはCpp2pp+1であり;
Bが、酸素またはS(O)qqであり;
ppが1または2であり;
qqが0、1または2であり;
Wが、Cr2rまたはCs2s-2であり;
ここで、Cr2rおよびCs2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基がNR17、酸素またはSで置き換っていてもよく;
R17が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
rが2、3、4、5、6、7または8であり;
sが2、3、4、5、6、7または8であり;
Xが、−C(O)−または−S(O)2−であり;
Zが、−C(O)−である、
請求項1に記載の式Iの化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテート。
【請求項3】
R1およびR3が、それぞれ水素であり;
R2およびR4が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、NH2、NHCH3またはN(CH3)2であり;
R5が、水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり;
R6が、水素またはメチルであり;
R7およびR8が、それぞれ水素であり;
Wが、Cr2rまたはCs2s-2であり;
ここで、Cr2rおよびCs2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基がNR17、酸素またはSで置き換っていてもよく;
R17が、水素またはメチルであり;
rが2、3、4、5または6であり;
sが2、3、4、5または6であり;
Xが−C(O)−または−S(O)2−であり;
Zが−C(O)−である、
請求項1または2に記載の式Iの化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテート。
【請求項4】
以下:
1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
4−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]モルホリン−3,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ピロリジン−2,5−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,5−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,3−ジメチル−ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロール−2,5−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−オキサゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−5−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン、
(3R,4S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,4−ジメチルピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ピロール−2,5−ジオン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
3−[3−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
1−[2−((R)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−5−イソプロピルイミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン−4−イル)フェニル]−5−イソブチルイミダゾリジン−2,4−ジオン、
(RおよびS)−3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−5−(2−メチルスルファニルエチル)イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
1−[2−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((S)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)−フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,3,4,4−テトラメチルピロリジン−2,5−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチルピペリジン−2,6−ジオン、
1−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−4,4−ジメチルピペリジン−2,6−ジオン、および
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロール−2,5−ジオン
からなる群から選択される請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iの化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテート。
【請求項5】
以下:
1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−イミダゾリジン−2,4−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、
4−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]モルホリン−3,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ピロリジン−2,5−ジオン、
(S)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
(R)−1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,5−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3,3−ジメチル−ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2,6−ジオン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロール−2,5−ジオン、
1−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2,5−ジオン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[2−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[4−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、
3−[4−(6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン、および
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−オキサゾリジン−2,4−ジオン、
からなる群から選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の式Iの化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテート。
【請求項6】
R1、R2、R3およびR4が、それぞれ独立して、F、Cl、Br、CNまたはR11−(Cm2m)−An−であり;
mが0または1であり;
nが0または1であり;
R11が、水素、メチルまたはCp2p+1であり;
Aが、酸素、NCH3またはS(O)qであり;
pが1または2であり;
qが0、1または2であり;
R5が、水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり;
R6が、水素またはメチルであり;
R7およびR8が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、CN、CO2R12、NR 13R14またはR16−(Cmm2mm)−Bnn−であり;
R12が、水素、メチルまたはエチルであり;
R13、R14が、それぞれ独立して、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであるか;または
R13およびR14が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5−、6−または7−員環を形成し、ここで、1つのCH2基がNR15、Sまたは酸素で置き換っていてもよく;
R15が、水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
mmが0、1または2であり;
nnが0または1であり;
R16が、水素、メチルまたはCpp2pp+1であり;
Bが、酸素またはS(O)qqであり;
ppが1または2であり;
qqが0、1または2であり;;
Wが、Cr2rまたはCs2s-2であり;
ここで、Cr2rおよびCs2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基が、NR17、酸素またはSで置き換っていてもよく;
R17が水素、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキルまたは3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり;
rが1、2、3、4、5、6、7または8であり;
sが2、3、4、5、6、7または8であり;
Xが、−C(O)−または−S(O)2−であり;
Zが、結合である;
請求項1に記載の式Iの化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテート。
【請求項7】
R1およびR3が、それぞれ水素であり;
R2およびR4が、それぞれ独立して、水素、F、Cl、Br、NH2、NHCH3またはN(CH3)2であり;
R5が、水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり;
R6が、水素またはメチルであり;
R7およびR8が、それぞれ水素であり;
Wが、Cr2rまたはCs2s-2であり;
ここで、Cr2rおよびCs2s-2中の1つまたはそれ以上のCH2基が、NR17、酸素またはSで置き換っていてもよく;
R17が、水素またはメチルであり;
rが1、2、3、4、5または6であり;
sが2、3、4、5または6であり;
Xが、−C(O)−または−S(O)2−であり;
Zが、結合である;
請求項1または6に記載の式Iの化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテート。
【請求項8】
以下:
1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−1,3−ジヒドロイミダゾール−2−オン、
(R)−6,8−ジクロロ−4−[2−(1,1−ジオキソ−1−λ6−イソチアゾリジ
ン−2−イル)フェニル]−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
1−[3−((S)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピペリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−ピロリジン−2−オン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−シクロプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2−オン、および
6,8−ジクロロ−4−[4−(1,1−ジオキソ−1−λ6−[1,2,5]チアジアゾリジン−2−イル)フェニル]−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、
からなる群から選択される請求項1、6および7のいずれか1項に記載の式Iの化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテート。
【請求項9】
以下:
1−[2−(8−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−3−メチル−1,3−ジヒドロイミダゾール−2−オン、
(R)−6,8−ジクロロ−4−[2−(1,1−ジオキソ−1−λ6−イソチアゾリジン−2−イル)フェニル]−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、
3−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]オキサゾリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]イミダゾリジン−2−オン、
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、および
1−[2−((R)−6,8−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン、
からなる群から選択される請求項1、6、7および8のいずれか1項に記載の式Iの化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩およびトリフルオロアセテート。
【請求項10】
医薬として使用するための請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物およびその薬学的に受容可能な塩。
【請求項11】
呼吸駆動の障害の、呼吸障害、睡眠関連呼吸障害、睡眠時無呼吸の、いびきの、急性および慢性の腎障害の、急性腎不全のおよび慢性腎不全の、腸機能障害の、高血圧の、本態性高血圧の、中枢神経系の障害の、CNS過剰興奮能、てんかんおよび中枢誘発性痙攣により生じる障害の、または不安状態、うつ病および精神病の、末梢もしくは中枢神経系の虚血状態のまたは発作の、虚血事象または再灌流事象により引き起こされる末梢器官または四肢に対する急性および慢性の損傷およびそれらの障害の、アテローム性動脈硬化症の、脂質代謝障害の、血栓症の、胆管機能障害の、外部寄生虫による侵襲の、内皮機能障害により引き起こされる障害の、原虫性障害の、マラリアの治療または予防のため、外科的処置のための移植片の保存および貯蔵のため、外科手術および臓器移植における使用のため、バイパス術、心拍停止後の蘇生における使用のため、またはショック状態のまたは糖尿病および糖尿病からの後期損傷のまたは細胞増殖が一次的もしくは二次的原因を構成する疾患の、治療のため、ならびに健康を維持および寿命を延ばすための医薬を製造するための請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物およびその薬学的に受容可能な塩。
【請求項12】
呼吸駆動の障害の、呼吸障害、睡眠関連呼吸障害、睡眠時無呼吸の、いびきの、急性および慢性の腎障害の、急性腎不全のおよび慢性腎不全の、腸機能障害の、高血圧の、本態性高血圧の、中枢神経系の障害の、CNS過剰興奮能、てんかんおよび中枢誘発性痙攣により生じる障害の、または不安状態、うつ病および精神病の、末梢もしくは中枢神経系の虚血状態のまたは発作の、虚血事象または再灌流事象により引き起こされる末梢器官または四肢に対する急性および慢性の損傷およびそれらの障害の、アテローム性動脈硬化症の、脂質代謝障害の、血栓症の、胆管機能障害の、外部寄生虫による侵襲の、内皮機能障害により引き起こされる障害の、原虫性障害の、マラリアの治療または予防のため、外科的処置のための移植片の保存および貯蔵のため、外科手術および臓器移植における使用のため、バイパス術、心拍停止後の蘇生における使用のため、またはショック状態のまたは糖尿病および糖尿病からの後期損傷のまたは細胞増殖が一次的もしくは二次的原因を構成する疾患の治療のため、ならびに健康を維持および寿命を延ばすための医薬を製造するために、他の医薬または活性成分と組み合わせた、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物およびその薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項13】
呼吸駆動の障害のおよび/または睡眠時無呼吸のような睡眠関連呼吸障害の治療または予防のための医薬を製造するための、単独でのまたは他の医薬または活性成分と組み合わせた請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物および/またはその薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項14】
いびきを治療または予防する医薬を製造するための、単独でのまたは他の医薬または活性成分と組み合わせた請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物および/またはその薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項15】
急性または慢性の腎障害の、急性腎不全のまたは慢性腎不全の治療または予防のための医薬を製造するための、単独でのまたは他の医薬または活性成分と組み合わせた請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物および/またはその薬学的に受容可能な塩の使
用。
【請求項16】
腸機能障害を治療または予防する医薬を製造するための、単独でのまたは他の医薬または活性成分と組み合わせた請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物および/またはその薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項17】
有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物および/またはその薬学的に受容可能な塩を含む、ヒト、動物または植物保護に使用するための医薬製剤。
【請求項18】
有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物および/またはその薬学的に受容可能な塩と他の薬理学的活性成分または医薬を組み合わせて含む、ヒト、動物または植物保護に使用するための医薬製剤。

【公表番号】特表2008−526906(P2008−526906A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550712(P2007−550712)
【出願日】平成17年12月30日(2005.12.30)
【国際出願番号】PCT/EP2005/014127
【国際公開番号】WO2006/074813
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】