説明

耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤ及びその調製方法、並びにその方法で利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料

本願発明は、タイヤの内壁へダメージ処理することなく、インナーチューブを含まないタイヤの内壁へ2〜8mmの厚さで漏れ防止、密閉架橋高分子材料の層をスプレーコーティングするだけで、−45℃〜120℃で耐パンク、防弾、及び漏れ防止性能を有することに特徴付けられる、耐パンク、防弾及び漏れ防止安全タイヤの一種を提供する。本願発明はさらに、前記漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分及び前記耐パンク、防弾及び漏れ防止安全タイヤの調製方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤの一種及びその調製方法、並びにその方法で利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の一種に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のところ、タイヤはインナーチューブを含むタイヤとインナーチューブを含まないタイヤの2種類に分類される。現在、インナーチューブを含まないタイヤは、乗用車の大半に利用され、さらに政府による呼び掛けで貨物トラックにも利用されるよう促進的に導入される。インナーチューブを含まないタイヤは、優れたヒート・シンク性能、延性、快適性、気密性、及び2度の装填間の長期使用間隔を有する。しかしながら、インナーチューブを含まないタイヤが尖鋭な物体により突き抜かれた場合、尖鋭な物体がタイヤ上に残っている間は徐々に、尖鋭な物体がタイヤから抜け落ちた後は急速に、タイヤの圧力ガスは突き抜かれた穴を通して短期間に漏れる。高速運転でのその状況により生じる結果は、予測不能である。
【0003】
[先行技術文献]
パンク後のタイヤのガス漏出により生じる危険を防ぐはるかに多くの方法が報告されてきた。主に以下のものを含む。
【0004】
1.2001年1月24日に発表された中国特許ZL00213646.5は、タイヤボディーとタイヤボディー上のパターンから成るタイヤの一種を提供し、タイヤボディーとパターンとの間に、セラミック、織布、及びエピコート複合体(epikote composite)から成る層があることを特徴とする。
【0005】
2.2003年8月13日に発表された中国特許ZL02241949.1は、トレッド、インナーチューブ、及び漏れ防止液体から成る構造修飾された防爆タイヤの一種を提供する。前記漏れ防止液体は、インナーチューブ内縁のシール部分に満たされ、漏れを防ぐ。
【0006】
3.2005年6月1日に発表された中国特許ZL200420045236.9は、架橋を除いてインナーチューブを含まないタイヤの一種を提供する。前記タイヤは、タイヤの内部表面に接着したシリカゲル又はシリコンガラス・セメントの漏れ防止層により特徴付けられる。また、漏れ防止層上に圧力均一化層(pressure−equalizing layer)がある。
【0007】
4.2006年7月9日(CN1803482A)に公開された中国特許出願は、スチレン−イソプレン複合体漏れ防止層の一種及び切断、研磨、ナイフの切り落とし等による特定の粗度を得る処理を提供する。前記粗度は、タイヤに特定の損傷効果を示し、タイヤが安全でない状態になる。
【0008】
5.2001年7月11日(CN1303409A)に公開された中国特許出願は、物質の重量で以下の割合から成る耐パンクタイヤ複合体の一種を提供する。すなわち、100部のスチレン群を含む熱可塑性エラストマー、110〜190部の結合剤、80〜140部の液体可塑剤及び2〜20部の添加剤である。液体可塑剤の含有量が20%より高いため、前記複合体は、強い流力(strong flowing power)を有する。高速運転時に複合体は、遠心力下でタイヤ・リムの中心部分に流れ、これによりタイヤとタイヤ・エッジ・パンクの不均衡を生じ、次に、ガス漏出が起こる。そうでなければ、当該発明により、タイヤの高温及び低温耐性の問題は解決されない。
【0009】
前記発明は大抵において、タイヤの漏れ防止問題を解決するが、多くの欠点も存在する。タイヤ製品は単純に見えるが、事実、それは複雑であり、その車両運転の安全性における基本的な保証のために高い技術が要求される。さらに、タイヤは、広範囲の温度差及び耐荷重性の下での長時間運用試験に合格することが要求される。特にタイヤは、動的バランス、高速性、持続性等の多くの高い安全性指数を有することが要求される。タイヤは−45℃の低温度に耐えなければならず、また、たとえ約120℃の高温で長年運転した後であっても、ガス漏出は高速運転時のパンク後に起こるべきでない。しかしながら、前記発明は、これらの要件を満たすことが出来ないか、又は、これらの発明で漏れ防止層が老化することにより、漏れ防止層とタイヤとの間の接着が弱くなり、漏れ防止層がタイヤから剥がれるため、タイヤは漏れ防止性能を失う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願発明の目的は、現在のタイヤが高温、低温、及び長年の利用に耐性でなく、優れた動的バランスを有さないという課題を解決すること、耐パンク、防弾及び漏れ防止安全タイヤの一種、その調製方法、及びその方法で利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の一種を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤは、タイヤの内壁へダメージ処理することなく、インナーチューブを含まないタイヤの内壁へ2〜8mmの厚さで漏れ防止、密閉架橋及び弾性高分子コロイドの層をスプレーコーティングするだけで、−45℃〜120℃での耐パンク、防弾、及び漏れ防止性能を有することに特徴付けられる。
【0012】
好ましくは、前記漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子コロイド層上に、前記弾性コロイドを保護出来る有機保護層がコーティングされる。
【0013】
好ましくは、前記漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子コロイドは、物質の重量で以下の割合から成る。
【0014】
弾性体 42〜62%
増粘剤 34〜54%
軟化剤 3〜8%
抗老化剤 0.5〜1.5%
発泡剤 0〜3%
充填剤 0〜15%
架橋剤 0〜1%
好ましくは、前記漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子コロイドは、物質の重量で以下の割合から成る。
【0015】
弾性体 45〜50%
増粘剤 40〜45%
軟化剤 3〜5%
抗老化剤 0.5〜1%
発泡剤 0.5〜1%
充填剤 1.5〜5%
架橋剤 0.2〜0.5%
好ましい前記弾性体は、SBS熱可塑性エラストマー、SIS熱可塑性エラストマー、SEBS熱可塑性エラストマー、SEPS熱可塑性エラストマー、ハイスチレン・ゴム、天然ゴム、及びポリイソプレン・ゴムから成る群から選択される。
【0016】
好ましい前記増粘剤は、テルペン樹脂、石油樹脂、水素化ロジン、ロジンのグリセロールエステル、ロジン乳液、石油樹脂乳液、水素化ロジンのグリセロールエステル、アビエチン酸ペンタエリスリトールエステル、テルペンフェノール樹脂、水素化石油樹脂、クマロンインデン樹脂、及びロジンクマロンから成る群から選択される。
【0017】
好ましい前記抗老化剤は、テトラ−[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシル−フェニル)プロピオン酸]ペンタエリスリトールエステル(抗老化剤1010)、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシル−フェニル)プロピオン酸オクタデシルエステル(抗老化剤1076)、2,2,4−トリメチル−1,2−ジ−ヒドロキノリン(抗老化剤RD)の二量体、三量体又は四量体、及びN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(抗老化剤4010NA)から成る群から選ばれる。
【0018】
好ましい前記軟化剤は、ナフテン油、芳香油、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、及び液状ポリブタジエンから成る群から選択される。
【0019】
好ましい前記充填剤は、ナノ相炭酸カルシウム、石英粉末、黒炭、及びリオポーン(Riopone)から成る群から選ばれる。
【0020】
好ましい前記発泡剤は、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)である。
【0021】
好ましい前記架橋剤は、酸化亜鉛、ベークライト又はそれらの混合物である。
【0022】
本願発明において、多くの試験と調査の後に3〜8%か3〜5%の比較的低い割合の軟化剤が選択され、延性(すなわち、流動性)だけではなく、シール材料の強度と硬度も増加させる得る。その結果、高速運転時のタイヤの要件を満たし、タイヤは高温と低温に耐え得、さらに長年の利用に耐え得る。
【0023】
本願発明において発泡剤は、タイヤの漏れ防止性能をさらに増加させるのに利用される。
【0024】
本願発明において利用される充填剤は、濃化、可溶化、防火、及び防腐の効果を有し、タイヤの運用年数を延ばす耐熱及び老化抑制性能を促進し得る。
【0025】
本願発明において架橋剤は、耐熱性能と持続性を促進し得る。
【0026】
また本願発明は、以下の工程を含む前記耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤの調製方法も提供する。
【0027】
(1)中温で半分完成しているマスタータイヤを洗い、マスタータイヤの内壁がスプレーコーティングの接着要件を満たすようにする工程、
(2)50℃〜80℃の定温で、タイヤの種類に従ってコントロールされる2〜8時間のいずれかの時間中、マスタータイヤを乾燥室か乾燥チャンネルに入れる工程であって、それにより、タイヤは均等に伸張し、コロイドのスプレー中に起きるタイヤとコロイドとの広範囲の温度差によるタイヤの収縮を減少させ、タイヤとコロイドとの接着が促進され得る工程、
(3)170℃〜320℃の温度で0.5〜3時間、次の割合で成分を混合し、漏れ防止密閉架橋及び弾性の高分子コロイドを調製する工程、及び最終的に
(4)高圧スプレーコーティングかナイフコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に融合相中の調製された漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子コロイドをコーティングする工程。
【0028】
好ましくは工程(4)において、漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子のコロイド液体は、スプレーコーティングの間、冷却される。急速冷却及び凝固のため、ガス流チャンネルを通した−30℃のガス流より、160〜240℃の漏れ防止密閉架橋及び弾性の高分子コロイド液体をタイヤの内壁のゴム層に吹きかけて、タイヤへ接着したコロイド液体層を形成し、前記温度が40℃に低下した時に、前記コロイド層の固形化処理及び形成が終了され、その後、冷却処理が停められる。
【0029】
さらに本願発明は、耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤの調製で適用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の一種を供給する。
【発明の効果】
【0030】
本願発明は、以下の有利な点を含む。
1.本願発明の耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤは、−45℃〜120℃で耐パンク、防弾及び漏れ防止性能を有する。
2.尖鋭な物体で穴をあけられたか、又は、弾丸で射撃された後、本願発明の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤは、長距離間、ガス漏れすることなしに高速運転を維持出来る。また、優れた持続性と動的バランスを有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤの内壁構造の3種類を示す。 この図において、1はタイヤ基本構造、2はベルト、3は弾性コロイド漏れ防止層を示す。
【図2】図2は、タイヤの側壁が弾丸で射撃された後、本願発明の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤは正常の運用のままであることを示めした基本構想である。 この図において、1はタイヤ基本構造、2はベルト、3は弾性コロイド漏れ防止層、4は尖鋭な物体(弾丸)を示す。
【図3】図3は、比較的長く、厚く、尖鋭な物体(大きいスクリュードライバー)によりタイヤの側壁及びトレッドに穴をあけられた後でも、本願発明の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤは正常の運用のままであることを示めした基本構想である。 この図において、1はタイヤ基本構造、2はベルト、3は弾性コロイド漏れ防止層、4は尖鋭な物体(大きいスクリュードライバー)、5は尖鋭な物体(スチール釘)を示す。
【図4】図4は、鉄釘によりタイヤのトレッドに穴をあけられた後でも、本願発明の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤは正常の運用のままであることを示めした基本構想である。 この図において、1はタイヤ基本構造、2はベルト、3は弾性コロイド漏れ防止層、4は尖鋭な物体(スチール釘)を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0032】
以下の実施例は、本願発明についての更なる説明に用いられ、本願発明の範囲を制限するものではない。
【0033】
実施例1
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、48%の弾性体、40%の増粘剤、8%の軟化剤、3%の充填剤、及び1%の抗老化剤である。前記成分は1時間210℃で以下の割合(表1参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、高圧スプレーコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(2mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表1】

【0034】
実施例2軍事用及び民用特別型
軍事用及び民用特別型のタイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、50%の弾性体、37%の増粘剤、2%の発泡剤、7%の軟化剤、2%の充填剤、1%の抗老化剤、及び1%の架橋剤である。前記成分は1.5時間250℃で以下の割合(表2参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、高圧スプレーコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(2mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表2】

【0035】
実施例3軍事用及び民用普通型
軍事用及び民用普通型のタイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、49%の弾性体、40%の増粘剤、5%の軟化剤、2%の発泡剤、3%の充填剤、及び1%の抗老化剤である。前記成分は2時間200℃で以下の割合(表3参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、高圧スプレーコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(2mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表3】

【0036】
実施例4トランク型
トランク型のタイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、45%の弾性体、43%の増粘剤、5%の充填剤、6%の軟化剤、及び1%の抗老化剤である。前記成分は2.5時間190℃で以下の割合(表4参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、ナイフコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(6mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表4】

【0037】
実施例5軽量及び自動二輪型
軽量及び自動二輪型のタイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、48%の弾性体、45%の増粘剤、6%の軟化剤、及び1%の抗老化剤である。前記成分は1時間170℃で以下の割合(表5参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、ナイフコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(6mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表5】

【0038】
実施例6
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、43%の弾性体、53%の増粘剤、3%の軟化剤、及び1%の抗老化剤である。前記成分は3時間180℃で以下の割合(表6参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、高圧スプレーコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(2mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表6】

【0039】
実施例7
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、62%の弾性体、34%の増粘剤、3.5%の軟化剤、及び0.5%の抗老化剤である。前記成分は1.5時間320℃で以下の割合(表7参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、ナイフコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(5mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表7】

【0040】
実施例8
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、52%の弾性体、43.5%の増粘剤、3%の軟化剤、及び1.5%の抗老化剤である。前記成分は1.5時間300℃で以下の割合(表8参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、ナイフコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(7mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表8】

【0041】
実施例9
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、53%の弾性体、38%の増粘剤、8%の軟化剤、1%の抗老化剤、及び1%の架橋剤である。前記成分は2時間280℃で以下の割合(表9参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、高圧スプレーコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(3mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表9】

【0042】
実施例10
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、45%の弾性体、46.2%の増粘剤、5%の軟化剤、3%の発泡剤、及び0.8%の抗老化剤である。前記成分は2時間200℃で以下の割合(表10参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、ナイフコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(6mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表10】

【0043】
実施例11
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、45%の弾性体、34.8%の増粘剤、4%の軟化剤、15%の充填剤、及び1.2%の抗老化剤である。前記成分は0.5時間320℃で以下の割合(表11参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、ナイフコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(8mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表11】

【0044】
実施例12
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、45%の弾性体、48%の増粘剤、5.3%の軟化剤、0.7%の抗老化剤、及び1%の架橋剤である。前記成分は2時間200℃で以下の割合(表12参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、高圧スプレーコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(8mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表12】

【0045】
実施例13
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、50%の弾性体、39%の増粘剤、7.5%の軟化剤、1%の発泡剤、1.5%の充填剤、0.7%の抗老化剤、及び0.3%の架橋剤である。前記成分は3時間170℃で以下の割合(表13参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、ナイフコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(5mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表13】

【0046】
実施例14
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、44.5%の弾性体、34%の増粘剤、3%の軟化剤、3%の発泡剤、15%の充填剤、及び0.5%の抗老化剤である。前記成分は2.5時間190℃で以下の割合(表14参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、高圧スプレーコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(6mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表14】

【0047】
実施例15
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、42.5%の弾性体、37.5%の増粘剤、3.3%の軟化剤、15%の充填剤、0.7%の抗老化剤、及び1%の架橋剤である。前記成分は3時間240℃で以下の割合(表15参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、ナイフコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(8mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表15】

【0048】
実施例16
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、46.6%の弾性体、43%の増粘剤、6%の軟化剤、3%の発泡剤、0.5%の抗老化剤、及び0.9%の架橋剤である。前記成分は2時間180℃で以下の割合(表16参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、高圧スプレーコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(2mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表16】

【0049】
実施例17
耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤの調製に利用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の成分とそれらの割合(重量で100%を基準として)は、45%の弾性体、44.5%の増粘剤、4.8%の軟化剤、0.5%の発泡剤、4%の充填剤、0.2%の架橋剤、及び1%の抗老化剤である。前記成分は2時間190℃で以下の割合(表17参照)に応じて混合され、次に、調製された融合生成物は、高圧スプレーコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に(2mmの厚みで)コーティングされ、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤが調製される。
【表17】






【0050】
これらの実施例において、漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料の調製に加えて、耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤの調製は以下の工程を含む。すなわち、
中温で半分完成しているマスタータイヤを洗い、マスタータイヤの内壁がスプレーコーティングの接着要件を満たすようにする工程、
次に、50℃〜80℃の定温で、タイヤの種類に従ってコントロールされる2〜8時間のいずれかの時間中、マスタータイヤを乾燥室か乾燥チャンネルに入れる工程であって、それにより、タイヤは均等に伸張し、コロイドのスプレー中に起きるタイヤとコロイドとの広範囲の温度差によるタイヤの収縮を減少させ、タイヤとコロイドとの接着が促進され得る工程、
高圧スプレーコーティングかナイフコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に融合相中の調製された漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子コロイドをコーティングする工程である。
【0051】
あるいは、漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子のコロイド液体は、スプレーコーティングの間、冷却される。急速冷却及び凝固のため、ガス流チャンネルを通した−30℃のガス流より、160〜240℃の漏れ防止密閉架橋及び弾性の高分子コロイド液体をタイヤの内壁のゴム層に吹きかけて、タイヤへ接着したコロイド液体層を形成し、前記温度が40℃に低下した時に、前記コロイド層の固形化処理及び形成が終了され、その後、冷却処理が停められる。その結果、耐パンク、防弾、及び漏れ防止高分子複合体弾性のコロイドは、インナーチューブを含まないタイヤの内壁の関連部位の長半径肘タイヤ基本構造(long−radius elbow tire carcass)に硬く接着することが出来る。
【0052】
本願発明において、異なる要件に従い、2〜8mmの間で架橋を除くシール層の厚さ(thichness of the seal layer exempt from repair)をコントロール出来る。好ましい範囲の厚さは2.5〜4mmである。薄過ぎるコロイド層は、漏れ防止性能を減少させる。一方、厚過ぎるコロイド層は、タイヤの重量が増す。最終的にコロイド層の厚さは、方法における各工程の作動温度、コロイドの温度、設備温度、冷却温度、及び操作温度に依存する。コロイドが比較的強い接着及び粘結性を有することを確実とすることが重要になり、それにより、真空タイヤの制御部分の内壁へ硬く接着することを可能にする。
【0053】
あるいは、前記漏れ防止密閉架橋及び弾性の高分子コロイド層上に、前記弾性コロイドを保護できる有機保護層がコーティングされる。
【0054】
効果例1
中国警察の安全及び治安のためのデジタル製品の品質決定センター(中国公安部安全与警用電子産品質量検測中心)により、本願発明に係るタイヤを用いた耐パンク及び防弾性能試験を行った。
【0055】
(1)耐パンク性能試験(スチール釘)
タイヤは、パジェロ(PaJeRo)V6 3000型、三菱、Go−anywhere Vehicleに取付けられた。次に、前記車両は、直径Ф4.8mm及び42mmの突出長の釘が設置された釘板を速度20km/hで5回通った。試験前後におけるタイヤの気圧に違いはなく、要件が満たされた。
(2)耐パンク性能試験(スクリュードライバー)
スチール釘による耐パンク性能試験後のタイヤを直径Ф8mm又はФ6mm、150mm−200mm長のスクリュードライバーで突き抜いた。試験前後におけるタイヤの気圧に違いはなく、要件が満たされた。
(3)防弾性能試験
本願発明のタイヤは、56型7.62mmの一般的弾丸を積んだ56型7.62mm半自動ライフル銃により10回射撃され、また、51型7.62mmのピストル弾を積んだ54型7.62mmピストルにより5回射撃され、ともに銃口からの距離は5mであった。全ての弾丸はタイヤを通り抜けた。別のタイヤは、51B型7.62mmのピストル弾(スチール芯)を積んだ54型7.62mmピストルにより5回射撃された。試験前のタイヤの気圧は0.30MPaであった。射撃後すぐにタイヤは、V73型、三菱、Go−anywhere Vehicleに取り付けられた。次に、前記車両は昌平山道(昌平山区公路)上を50km/hの速度で200kmの距離走行した。その後、タイヤの気圧は、依然0.30MPaであることが検証された。走行中、加速、ブレイク、旋回試験が行われ、最高速度は最大94km/hであった。
【0056】
結論:耐パンク及び防弾性能テストにより、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤには優れた耐パンク及び防弾性能があることが示めされた。スチール釘及びスクリュードライバーにより穴をあけられたか、又は、54型7.62mmピストル及び56型7.62mm半自動ライフル銃に各々5回射撃された後でも、本願発明の耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤは、依然200km以上の距離を走ることが出来た。
【0057】
効果例2
防弾製品品質決定の中国兵器産業管理センター(中国兵器工業防弾器材質量監督検測中心)により、本願発明のタイヤを用いた耐パンク及び防弾性能試験を行った。
【0058】
1.試験設備
(1)空挺部隊及び空挺落下部隊攻撃車両
(2)5本の245/75R16耐パンク及び防弾タイヤ
それらのうち4本は耐パンク試験に用いられ、残りの1本は防弾試験に用いられた。
(3)47mmの突出長を有する9本の釘が比例して釘先が上を向いた状態で設置された2枚の釘板
板の種類−1000×215×31mm
釘先の種類−Φ4.7×80mm
(4)5本のスクリュードライバー
スクリュードライバーナイフ先の種類−Φ5×73mm.
(5)銃及び弾丸
54型7.62mmピストル、56型7.62mm自動小銃
5本の51型7.62mmピストル弾、5本の56型7.62mmの一般的弾丸
【0059】
2.試験方法
(1)タイヤを用いた釘板の走行試験
工程1−4本の245/75R16耐パンク及び防弾タイヤが空挺部隊及び空挺落下部隊攻撃車両に取り付けられた。
【0060】
工程2−2枚の釘板が空挺部隊及び空挺落下部隊攻撃車両の2本の前輪の中央下部下に設置された。
【0061】
工程3−車両は発車し、前方へ走行して前輪及び後輪が4回釘板を通り抜けた。
【0062】
(2)タイヤを用いたスクリュードライバーパンク試験
工程1−釘板を幾度か走行した後、4本のタイヤは5本のスクリュードライバーで各々突き抜かれ、次に、スクリュードライバーは引き抜かれた。
【0063】
工程2−前記タイヤは5本のスクリュードライバーで各々突き抜かれ、次に、スクリュードライバーは再度引き抜かれ、さらに同じ動作が再度繰り返された。
【0064】
(3)タイヤを用いた防弾試験
工程1−試験場上の銃口からの5m離れたところの距離でタイヤを設置する。
【0065】
工程2−51型7.62mmピストル弾を積んだ54型7.62mmピストル及び56型7.62mmの一般的弾丸を積んだ56型7.62mm自動小銃によりタイヤ側面部の異なる箇所が射撃された。
【0066】
3.試験結果
攻撃車両が釘板を走行した1回目の後、9本の釘が各タイヤに穴をあけたが、ガス漏出は生じなかった。攻撃車両が釘板を走行した2回目の後、9本の釘が各タイヤに穴をあけ、2本の釘がタイヤ内で壊れたが、ガス漏出は生じなかった。攻撃車両が釘板を走行した3回目の後、8本の釘が各タイヤに穴をあけ、4本の釘がタイヤ内で壊れたが、ガス漏出は生じなかった。攻撃車両が釘板を走行した4回目の後、6本の釘が各タイヤに穴をあけ、2本の釘がタイヤ内で壊れたが、ガス漏出は生じなかった。
【0067】
釘板を走行した幾度目かの後、各タイヤは5本のスクリュードライバーにより突き抜かれ、次に、前記スクリュードライバーが引き抜かれ、さらに同じ動作が二回繰り返された。ガス漏出は生じなかった。
【0068】
前述の2つの試験の後、タイヤは4時間放置され、その後、200km走行した。ガス漏出は生じなかった。
【0069】
54型7.62mmピストル及び56型7.62mmの自動小銃により各々有効に5回射撃された(10個の弾丸、すべての弾丸がタイヤのインコースに直面していました)後、前記タイヤは、車両に設置され、3時間放置された後、200km走行した。ガス漏出は生じなかった。
【0070】
4、結論
耐パンク及び防弾性能テストにより、本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤには優れた耐パンク及び防弾性能があることが示めされた。スチール釘及びスクリュードライバーにより穴をあけられたか、又は、54型7.62mmピストル及び56型7.62mm自動小銃に各々5回射撃された後でも、本願発明の耐パンク、防弾、及び漏れ防止タイヤは、200km以上の距離を走ることが出来た。
【0071】
効果例3
試験工程
本願発明のタイヤをホイール・ハブに設置し、標準圧力(3kg/cm)で完全に装填した。長さ80mm及び直径Φ5mmの100本のスチール釘をタイヤの走行面まで突き抜いた。次に、前記タイヤを水中に入れ、漏れ防止性能試験を行った。目視試験後、いずれの釘の周辺からもガス漏出は生じなかった。その後、70本の釘を引き抜いた。釘及びタイヤ中の高圧ガスが引き抜かれる間、釘の穴をはみ出たコロイド複合体、シールコロイド、漏れ防止層、粘着性物質がふさいだため、いずれのタイヤにおいてもガス漏出は生じなかった。しかしながら、30本の釘をタイヤの走行面に依然残した。次に、タイヤを車両に設置し、各々100km/mpn、120km/mpn、及び150km/mpnの速度で高速道路を走行した。車両を上海から杭州まで走行し、次に、走行し帰還した。ガス漏出は生じなかった。車両からタイヤを取り外した。別の20本のスチール釘を引き抜き、10本の釘を依然残した。前記タイヤを水中に入れ、漏れ防止性能試験を行ったが、ガス漏出は生じていなかった。タイヤに残った10本のスチール釘と共にタイヤを低温凍結冷蔵庫の低温凍結室に持ち込み、追加の低温試験を行った(低温凍結室の最低温度は−60℃であった)。ガス圧力指示計が観測のために設置された。12時間−45℃での低温凍結試験の後、ガス圧力指示計からガス漏出は生じていなかった。当該試験の後、前記タイヤを3時間120℃のオーブンに運んだ。ガス圧力指示計からガス漏出は生じていなかった。その後、残りの10本のスチール釘を引き抜き、前記タイヤを試験のため水中に入れたが、気泡は現れず、またガス漏出も生じなかった。2日目に、これらのタイヤを設置した車両を、80km/mpn〜180km/mpnの速度で上海から高速道路で北京、鄭州、西安、宝鶏、武漢、及び広州へと走行した。合計10万キロメートルより長い距離を走行した長距離試験の後、タイヤの気圧は、依然3kg/cmであることが検証された。
【0072】
結論:
本願発明に係る耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤには−45℃〜120℃で耐パンク、防弾、及び漏れ防止性能があることが示めされた。前記タイヤは、穴をあけられた後、長距離高速運転を維持でき、漏出することがない。前記タイヤは、優れた持続性と動的バランスを有する。
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図2a】

【図2b】

【図2c】

【図2d】

【図3a】

【図3b】

【図3c】

【図3d】

【図4a】

【図4b】

【図4c】

【図4d】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤの内壁へダメージ処理することなく、インナーチューブを含まないタイヤの内壁へ2〜8mmの厚さで漏れ防止、密閉架橋及び弾性高分子コロイドの層をスプレーコーティングするだけで、−45℃〜120℃で耐パンク、防弾、及び漏れ防止性能を有することに特徴付けられる、耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤ。
【請求項2】
前記漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子コロイド層上に、前記弾性コロイドを保護出来る有機保護層がコーティングされる、請求項1に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤ。
【請求項3】
前記漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子コロイドが、物質の重量で
弾性体 42〜62%
増粘剤 34〜54%
軟化剤 3〜8%
抗老化剤 0.5〜1.5%
発泡剤 0〜3%
充填剤 0〜15%
架橋剤 0〜1%
の割合から成る、請求項1に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤ。
【請求項4】
前記漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子コロイドが、物質の重量で
弾性体 45〜50%
増粘剤 40〜45%
軟化剤 3〜5%
抗老化剤 0.5〜1%
発泡剤 0.5〜1%
充填剤 1.5〜5%
架橋剤 0.2〜0.5%
の割合から成る、請求項3に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤ。
【請求項5】
前記弾性体が、SBS熱可塑性エラストマー、SIS熱可塑性エラストマー、SEBS熱可塑性エラストマー、SEPS熱可塑性エラストマー、ハイスチレン・ゴム、天然ゴム、及びポリイソプレン・ゴムから成る群から選択される、請求項3又は請求項4に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤ。
【請求項6】
前記増粘剤が、テルペン樹脂、石油樹脂、水素化ロジン、ロジンのグリセロールエステル、ロジン乳液、石油樹脂乳液、水素化ロジンのグリセロールエステル、アビエチン酸ペンタエリスリトールエステル、テルペンフェノール樹脂、水素化石油樹脂、クマロンインデン樹脂、及びロジンクマロンから成る群から選択される、請求項3又は請求項4に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤ。
【請求項7】
前記抗老化剤が、テトラ−[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシル−フェニル)プロピオン酸]ペンタエリスリトールエステル、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシル−フェニル)プロピオン酸オクタデシルエステル、2,2,4−トリメチル−1,2−ジ−ヒドロキノリンの二量体、三量体又は四量体、及びN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンから成る群から選ばれる、請求項3又は請求項4に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤ。
【請求項8】
前記軟化剤が、ナフテン油、芳香油、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、及び液状ポリブタジエンから成る群から選択される、請求項3又は請求項4に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤ。
【請求項9】
前記充填剤が、ナノ相炭酸カルシウム、石英粉末、黒炭、及びリオポーン(Riopone)から成る群から選ばれる、請求項3又は請求項4に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤ。
【請求項10】
前記発泡剤が、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)である、請求項3又は請求項4に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤ。
【請求項11】
前記架橋剤が、酸化亜鉛、ベークライト又はそれらの混合物である、請求項3又は請求項4に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤの調製方法であって、
(1)中温で半分完成しているマスタータイヤを洗い、マスタータイヤの内壁がスプレーコーティングの接着要件を満たすようにする工程、
(2)50℃〜80℃の定温で、タイヤの種類に従ってコントロールされる2〜8時間のいずれかの時間中、マスタータイヤを乾燥室か乾燥チャンネルに入れる工程であって、それにより、タイヤは均等に伸張し、コロイドのスプレー中に起きるタイヤとコロイドとの広範囲の温度差によるタイヤの収縮を減少させ、タイヤとコロイドとの接着が促進され得る工程、
(3)成分の割合に応じて170℃〜320℃の温度で0.5〜3時間、成分を混合し、漏れ防止密閉架橋及び弾性の高分子コロイドを調製する工程、及び最終的に
(4)高圧スプレーコーティングかナイフコーティングによりインナーチューブを含まないタイヤの内壁に融合相中の調製された漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子コロイドをコーティングする工程
を含む、前記調製方法。
【請求項13】
前記工程(4)において、漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子のコロイド液体を、スプレーコーティングの間冷却する、請求項12に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤの調製方法であって、急速冷却及び凝固のため、ガス流チャンネルを通した−30℃のガス流より、160〜240℃の漏れ防止密閉架橋及び弾性の高分子コロイド液体をタイヤの内壁のゴム層に吹きかけて、タイヤへ接着したコロイド液体層を形成し、前記温度が40℃に低下した時に、前記コロイド層の固形化処理及び形成を終了し、その後、冷却処理を停める、前記方法。
【請求項14】
前記漏れ防止、密閉架橋及び弾性の高分子コロイド層上に、前記弾性コロイドを保護出来る有機保護層をコーティングする、請求項12又は請求項13に記載の耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤの調製方法。
【請求項15】
物質の重量で
弾性体 42〜62%
増粘剤 34〜54%
軟化剤 3〜8%
抗老化剤 0.5〜1.5%
発泡剤 0〜3%
充填剤 0〜15%
架橋剤 0〜1%
の割合を含む、耐パンク、防弾、及び漏れ防止安全タイヤの調製で適用される漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料。
【請求項16】
前記漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料が、物質の重量で
弾性体 45〜50%
増粘剤 40〜45%
軟化剤 3〜5%
抗老化剤 0.5〜1%
発泡剤 0.5〜1%
充填剤 1.5〜5%
架橋剤 0.2〜0.5%
の割合から成る、請求項15に記載の漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料。
【請求項17】
前記弾性体が、SBS熱可塑性エラストマー、SIS熱可塑性エラストマー、SEBS熱可塑性エラストマー、SEPS熱可塑性エラストマー、ハイスチレン・ゴム、天然ゴム、及びポリイソプレン・ゴムから成る群から選択される、請求項15又は請求項16に記載の漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料。
【請求項18】
前記増粘剤が、テルペン樹脂、石油樹脂、水素化ロジン、ロジンのグリセロールエステル、ロジン乳液、石油樹脂乳液、水素化ロジンのグリセロールエステル、アビエチン酸ペンタエリスリトールエステル、テルペンフェノール樹脂、水素化石油樹脂、クマロンインデン樹脂、及びロジンクマロンから成る群から選択される、請求項15又は請求項16に記載の漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料。
【請求項19】
前記抗老化剤が、テトラ−[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシル−フェニル)プロピオン酸]ペンタエリスリトールエステル、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシル−フェニル)プロピオン酸オクタデシルエステル、2,2,4−トリメチル−1,2−ジ−ヒドロキノリンの二量体、三量体又は四量体、及びN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンから成る群から選ばれる、請求項15又は請求項16に記載の漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料。
【請求項20】
前記軟化剤が、ナフテン油、芳香油、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、及び液状ポリブタジエンから成る群から選択される、請求項15又は請求項16に記載の漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料。
【請求項21】
前記充填剤が、ナノ相炭酸カルシウム、石英粉末、黒炭、及びリオポーン(Riopone)から成る群から選ばれる、請求項15又は請求項16に記載の漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料。
【請求項22】
前記発泡剤が、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)である、請求項15又は請求項16に記載の漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料。
【請求項23】
前記架橋剤が、酸化亜鉛、ベークライト又はそれらの混合物である、請求項15又は請求項16に記載の漏れ防止かつ密閉架橋高分子材料。

【公表番号】特表2010−515614(P2010−515614A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545046(P2009−545046)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【国際出願番号】PCT/CN2007/001908
【国際公開番号】WO2008/083534
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(509196958)
【出願人】(509286536)シャンハイ・シンティアンイー・タイヤ・エス・アンド・ティー・デヴェロップメント・カンパニー・リミテッド (1)
【出願人】(509286547)シャンハイ・ティアンイー・カンパニー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】