説明

耐圧ホースおよびその製造方法、製造装置

【課題】本発明は、隣接する2つの金属ワイヤ層を形成する金属ワイヤ同士が直接に接触することが抑制される耐圧ホース、前記耐圧ホースの製造方法および製造装置の提供を目的とする。
【解決手段】内管2の外周に金属ワイヤを螺旋状に巻回して形成された複数の金属ワイヤ層3、5と、金属ワイヤ層3と金属ワイヤ層5との間に位置し、前記金属ワイヤ3、5層相互の干渉を防止する干渉防止繊維層4とを備える耐圧ホース、前記耐圧ホースの製造方法、および前記耐圧ホースの製造装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐圧ホースおよびその製造方法、製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
耐圧ホースとしては、ゴムなどからなる内管の周囲に複数層の金属ワイヤ層を設けたものが知られている。これらの耐圧ホースにおいては、金属ワイヤ層の間に層間ゴム層を設け、金属ワイヤ層を形成する金属ワイヤ同士が直接接触するのを防止している(特許文献1、2)。
【特許文献1】特開2004−60747号公報
【特許文献2】特開平11−315968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記耐圧ホースにおいては、製造時に層間ゴム層が未加硫であると、前記層間ゴム層上に金属ワイヤを巻回したときに、金属ワイヤが層間ゴム層に食い込み、前記層間ゴム層を挟んで隣接する一の金属ワイヤ層と他の金属ワイヤ層との間で金属ワイヤが点接触した状態になることがある。
【0004】
そのため、前記耐圧ホースに高圧流体を流通させると、点接触する金属ワイヤ同士が高圧流体からの内圧によって強く擦れ合い、破断する可能性がある。
【0005】
したがって、層間ゴム層を有する形態の耐圧ホースを製造する際には、層間ゴム層を形成する度毎に加硫し、金属ワイヤが層間ゴム層に食い込まないようにする必要がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、隣接する2つの金属ワイヤ層を形成する金属ワイヤ同士が直接に接触することが抑制される耐圧ホース、前記耐圧ホースの製造方法および製造装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、耐圧ホースにおいて、内管の外周に螺旋状に金属ワイヤを巻回して形成された複数の金属ワイヤ層と、前記金属ワイヤ層の間に位置し、前記金属ワイヤ層相互の干渉を防止する干渉防止繊維層とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の耐圧ホースにおいては、互いに隣接する一および他の金属ワイヤ層のうち内側の金属ワイヤ層を形成した後、その上から繊維を巻回して干渉防止繊維層を形成し、干渉防止繊維層を形成した後に、その外側に更に金属ワイヤを巻回して他の金属ワイヤ層を形成している。したがって前記他の金属ワイヤ層を形成する際に、金属ワイヤが干渉防止繊維層に食い込むことがないから、前記干渉防止繊維層を挟んで隣接する一および他の金属ワイヤ層の間で金属ワイヤ点接触することが防止される。
【0009】
そのため、前記耐圧ホースに高圧流体を流通させても、前記一および他の金属ワイヤ層を構成する金属ワイヤ同士が高圧流体からの内圧によって強く擦れ合って破断することが防止される。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の耐圧ホースにおいて、最外層の金属ワイヤ層を被覆する被覆層を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の耐圧ホースにおいては、最外層の金属ワイヤ層は、被覆層によって被覆され、露出してはいない。したがって使用時の安全性に優れる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、耐圧ホース製造方法において、内管の外周に金属ワイヤを螺旋状に巻回して金属ワイヤ層を形成する第1金属ワイヤ巻回工程と、前記第1金属ワイヤ巻回工程で形成された金属ワイヤ層の表面に繊維を巻回して干渉防止繊維層を形成する干渉防止繊維層形成工程と、前記干渉防止繊維層形成工程で形成された干渉防止繊維層の表面に金属ワイヤを螺旋状に巻回して金属ワイヤ層を形成する第2金属ワイヤ巻回工程とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の耐圧ホース製造方法によれば、互いに隣接する一および他の金属ワイヤ層の間に干渉防止繊維層が配設された請求項1〜3の何れか1項に記載の耐圧ホースを効果的に製造できる。
【0014】
また、前記干渉防止繊維層形成工程と第2金属ワイヤ巻回工程とを繰り返すことにより、金属ワイヤ層を3層以上有する耐圧ホースも製造できる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項4に記載の耐圧ホース製造方法において、前記第1金属ワイヤ巻回工程で形成された金属ワイヤ層に接着剤を塗布する第1接着剤塗布工程、および前記第2金属ワイヤ巻回工程で形成された金属ワイヤ層に接着剤を塗布する第2接着剤塗布工程を有し、前記第1接着剤塗布工程で金属ワイヤ層に接着剤を塗布した後に前記干渉防止繊維層形成工程を実施することを特徴とする。
【0016】
前記耐圧ホース製造方法においては、前記第1金属ワイヤ巻回工程で形成された金属ワイヤ層に接着剤が塗布された上から繊維が巻回されて干渉防止繊維層が形成されるから、金属ワイヤ層と干渉防止繊維層とが強固に固着する。したがって、前記耐圧ホース製造方法で製造された耐圧ホースを屈曲させたときに金属ワイヤ層と干渉防止繊維層とが剥離する可能性は極めて小さい。
【0017】
請求項5に記載の発明は、耐圧ホース製造装置において、内管を所定の方向に沿って走行させる内管走行手段と、前記内管走行手段によって前記方向に沿って走行する内管の表面に金属ワイヤを巻回して第1金属ワイヤ層を形成するワイヤ巻回手段と、前記内管の走行方向に沿って前記ワイヤ巻回手段の下流側に位置し、前記金属ワイヤ層の外側に金属ワイヤ同士の干渉を防止する干渉防止繊維を巻回して干渉防止繊維層を形成する干渉防止繊維巻回手段と、前記内管の走行方向に沿って前記干渉防止繊維巻回手段の下流側に位置し、前記干渉防止繊維層の外側に金属ワイヤを巻回して最も外側の金属ワイヤ層を形成する最外層ワイヤ巻回手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の耐圧ホース製造装置においては、内管走行手段によって内管を所定方向に走行させながら、前記ワイヤ巻回手段で金属ワイヤを巻回することにより、金属ワイヤは螺旋状に巻回され、内側の金属ワイヤ層が形成される。そして、前記金属ワイヤ層の上から前記干渉防止繊維巻回手段によって繊維を螺旋状に巻回し、更にその上から前記最外層ワイヤ巻回手段で金属ワイヤを螺旋状に巻回して外側の金属ワイヤ層を形成することにより、請求項1〜3の何れか1項に記載の耐圧ホースにおいて、金属ワイヤ層を2層またはそれ以上有し、干渉防止繊維層を1層またはそれ以上有する形態のものを1工程で能率よく製造できる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の耐圧ホース製造装置において、前記ワイヤ巻回手段と前記干渉防止繊維巻回手段とからなる組を2以上備え、前記最外層ワイヤ巻回手段が、最も下流側に位置する組における干渉防止繊維巻回手段の下流側に位置することを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の耐圧ホース製造装置においては、前記ワイヤ巻回手段と前記干渉防止繊維巻回手段とからなる組を2組配設することにより、請求項1〜3の何れか1項に記載の耐圧ホースにおいて、金属ワイヤ層を3層有し、干渉防止繊維層を2層有するものを1工程で能率よく製造できる。
【0021】
また、前記組を3組配設すれば、金属ワイヤ層を4層有し、干渉防止繊維層を3層有する耐圧ホースを1工程で能率よく製造できる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の耐圧ホース製造装置において、前記ワイヤ巻回手段と前記干渉防止繊維巻回手段との間に、接着剤を塗布する接着剤塗布手段が配設されていることを特徴とする。
【0023】
請求項7に記載の耐圧ホース製造装置においては、ワイヤ巻回手段で金属ワイヤが巻回されて金属ワイヤ層が形成されると、前記接着剤塗布手段によって前記金属ワイヤ層に接着剤が塗布され、更に前記干渉防止繊維巻回手段において繊維が巻回されて干渉防止繊維層が形成される。したがって、金属ワイヤ層と干渉防止繊維層とが強固に固着した耐圧ホースが得られる。
【0024】
得られた耐圧ホースは、屈曲時や高圧流体流通時に、外力や流体からの内圧によって金属ワイヤ層と干渉防止繊維層とが剥離する可能性が極めて小さい。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明によれば、隣接する2つの金属ワイヤ層を形成する金属ワイヤ同士が直接に接触することが抑制される耐圧ホース、前記耐圧ホースの製造方法および製造装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
1.実施形態1
実施形態1に係る耐圧ホース10は、図1において(A)に示すように、内管2と、内管2の外周に金属ワイヤを螺旋状に巻回して形成された金属ワイヤ層3および金属ワイヤ層5と、金属ワイヤ層3と金属ワイヤ層5との間に形成された干渉防止繊維層4と、金属ワイヤ層5を被覆する被覆層1とを有する。
【0027】
金属ワイヤ層3は金属ワイヤを右巻きに、金属ワイヤ層5は、金属ワイヤを左巻きに巻回して形成されている。このように、金属ワイヤ層3、5における金属ワイヤの巻回方向を互いに反対にすることにより、耐圧ホース10が加圧時に捩れることが防止される。なお、図1とは反対に金属ワイヤ層3は金属ワイヤを左巻きに、金属ワイヤ層5は金属ワイヤを右巻きに巻回して形成してもよい。なお、金属ワイヤの巻回ピッチは、金属ワイヤ層3、5において同一であっても異なっていてもよい。前記金属ワイヤとしてはステンレス鋼線および炭素鋼線が挙げられる。
【0028】
干渉防止繊維層4は、金属ワイヤ層3の表面に各種繊維を巻回または編組して形成される。干渉防止繊維層4に使用される繊維としては、脂肪族ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、各種ポリエステル繊維、綿繊維、ビニロン繊維などが使用される。
【0029】
実施形態1においては、繊維を左巻きに巻回して干渉防止繊維層4が形成されているが、繊維の巻回方向は左巻きには限定されず、右巻きであってもよい。
【0030】
なお、内管2の材質は、内部を流通させる流体および耐圧ホース10全体に要求される柔軟性に応じて任意に選択できる。
【0031】
たとえば流体が潤滑油の場合は、内管2の材質としては、クロロプレンゴムやニトリルゴム、アクリルゴムなどの耐油性ゴムを使用することができる。また流体が水性作動油や通常の水の場合は、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、塩化ビニル系、ポリオレフィン系などの各種熱可塑性エラストマが使用できる。
【0032】
2.実施形態2
実施形態1に係る耐圧ホース11は、図1において(B)に示すように、内管2の回りに金属ワイヤを巻回して形成された4層の金属ワイヤ層3、5、7、9と、金属ワイヤ層3、5、7、9の間に挿入された干渉防止繊維層4、6、8と、最も外側の金属ワイヤ層である金属ワイヤ層9を被覆する外被層1とを備える。ここで、干渉防止繊維層4は、金属ワイヤ層3、5の間に位置し、干渉防止繊維層6は、金属ワイヤ層5、7の間に位置し、干渉防止繊維層8は、金属ワイヤ層7、9の間に位置する。
【0033】
本実施形態においては、金属ワイヤ層3、7は、金属ワイヤを右巻きに、金属ワイヤ層5、9は、金属ワイヤを左巻きに巻回して形成されているが、金属ワイヤ層3、7においては金属ワイヤの巻回方向を左巻きとし、金属ワイヤ層5、9においては、金属ワイヤの巻回方向を右巻きとしてもよい。但し、金属ワイヤ層3、5、7、9は層毎に層反する巻回方向としないと、耐圧ホース11を加圧したときに捩れが生じ、好ましくない。
【0034】
干渉防止繊維層4、6、8は、夫々繊維を左巻きに巻回して形成されているが、繊維の巻回方向は右巻きであってもよいし、干渉防止繊維層4、6、8で夫々繊維の巻回方向が異なっていてもよい。
【0035】
金属ワイヤおよび繊維については、夫々実施形態1における金属ワイヤ層3、5および干渉防止繊維層4のところで述べたとおりである。
【0036】
3.実施形態3
実施形態3に係る耐圧ホース製造装置100は、実施形態1に係る耐圧ホース10を製造するための装置であって、内管2の走行方向aに沿って上流から下流に向かって内管2を送り出すワークドラム140と、ワークドラム140から送り出された内管2を冷却する冷却槽110と、冷却槽110で冷却された内管2に金属ワイヤを巻回して金属ワイヤ層3を形成する金属ワイヤ巻回手段である金属ワイヤ巻回装置150と、金属ワイヤ巻回装置150で金属ワイヤが巻回されて形成された金属ワイヤ層3に接着剤を塗布する接着剤塗布装置120と、接着剤塗布装置120で接着剤が塗布された金属ワイヤ層3に繊維を巻回して干渉防止繊維層4を形成する干渉防止繊維巻回手段である干渉防止繊維巻回装置130と、干渉防止繊維巻回装置130で繊維が巻回された内管2を冷却する冷却槽111と、干渉防止繊維巻回装置130で形成された干渉防止繊維層4の外側に金属ワイヤを巻回して金属ワイヤ層5を形成する金属ワイヤ巻回手段である金属ワイヤ巻回装置151と、金属ワイヤ巻回装置151で形成された金属ワイヤ層5の表面に接着剤を塗布して被覆層1を形成して耐圧ホース10とする接着剤塗布装置121と、形成された耐圧ホース10を巻き取る巻取りドラム141とを備える。ワークドラム140と巻取りドラム141は本発明における内管走行手段に相当する。
【0037】
金属ワイヤ巻回装置150、151、および干渉防止繊維巻回装置130は、図3(A)、(B)に示すように、ドーナツ状の平面形状を有し、矢印bに示すように軸線の回りに回転する面盤202と、面盤202に等間隔に12個立設され、金属ワイヤまたは繊維が巻回されたボビン200とを備える。面盤202の中心部には、内管2が通過する開口部202Aが開口している。但し、金属ワイヤ巻回装置150、151と干渉防止繊維巻回装置130とでは、面盤202の回転方向は互いに逆である。
【0038】
金属ワイヤ巻回装置150、151、および干渉防止繊維巻回装置130においては、内管2は、面盤202の軸線上を走行方向aに沿って走行し、開口部202Aを通過する。同時に、面盤202は矢印bの方向に回転し、ボビン200から供給された金属ワイヤまたは繊維が巻回されて金属ワイヤ層3、5または干渉防止繊維層4が形成される。
【0039】
以下、耐圧ホース製造装置100の作用について説明する。
【0040】
ワークドラム140から送り出された内管2は、冷却槽110で所定の温度に冷却された後、金属ワイヤ巻回装置150において金属ワイヤが巻回され、これによって内管に金属ワイヤ層3が形成される。そして、接着剤塗布装置120において金属ワイヤ層3に接着剤が塗布される。金属ワイヤ層3に接着剤が塗布されたあと、金属ワイヤ層3の表面に干渉防止繊維巻回装置130によって繊維が巻回され、干渉防止繊維層4が形成される。次いで、金属ワイヤ巻回装置151において金属ワイヤが巻回され、金属ワイヤ層5が形成される。最後に接着剤塗布装置121において接着剤が塗布されて被覆層1が形成されて耐圧ホース10とされる。このようにして形成された実施例1に係る耐圧ホース10は巻取りドラム141に巻き取られる。
【0041】
4.実施形態4
実施形態4に係る耐圧ホース製造装置101は、図2(B)に示すように、実施形態3の耐圧ホース製造装置100において、接着剤塗布装置121の下流に更に干渉防止繊維巻回装置131、冷却槽112、金属ワイヤ巻回装置152、干渉防止繊維巻回装置132、冷却槽113、金属ワイヤ巻回装置153を配設した構成を有している。更に、金属ワイヤ巻回装置152と干渉防止繊維巻回装置132との間に接着剤塗布装置122が配設され、金属ワイヤ巻回装置153の下流側に接着剤塗布装置123が配設されている。
【0042】
金属ワイヤ巻回装置152、153、干渉防止繊維巻回装置131、132は、金属ワイヤ巻回装置150、151、および干渉防止繊維巻回装置130と同様に図3に示す構成を有している。
【0043】
以下、耐圧ホース製造装置101の作用について説明する。
【0044】
ワークドラム140から送り出された内管2は、冷却槽110で所定の温度に冷却された後、金属ワイヤ巻回装置150において金属ワイヤが巻回され、これによって内管に金属ワイヤ層3が形成される。そして、接着剤塗布装置120において金属ワイヤ層3に接着剤が塗布される。金属ワイヤ層3に接着剤が塗布されたあと、金属ワイヤ層3の表面に干渉防止繊維巻回装置130によって繊維が巻回され、干渉防止繊維層4が形成される。次いで、金属ワイヤ巻回装置151において金属ワイヤが巻回され、金属ワイヤ層5が形成され、接着剤塗布装置121で金属ワイヤ層5に接着剤が塗布される。そして、干渉防止繊維巻回装置131によって繊維が巻回され、干渉防止繊維層6が形成される。干渉防止繊維層6が形成された後、冷却槽112で所定の温度に冷却され、金属ワイヤ巻回装置152において金属ワイヤが巻回され、金属ワイヤ層7が形成され、接着剤塗布装置122で金属ワイヤ層7に接着剤が塗布される。そして、干渉防止繊維巻回装置132によって繊維が巻回され、干渉防止繊維層8が形成される。干渉防止繊維層8が形成された後、冷却槽113で所定の温度に冷却され、金属ワイヤ巻回装置153において金属ワイヤが巻回され、金属ワイヤ層9が形成され、接着剤塗布装置123で金属ワイヤ層9に接着剤が塗布されて被覆層1が形成される。このようにして形成された実施形態2に係る耐圧ホース11は巻取りドラム141に巻き取られる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、実施形態1および2に係る耐圧ホースの構成を示す説明図である。
【図2】図2は、実施形態1および2に係る耐圧ホースを製造する耐圧ホース製造装置の構成を示す説明図である。
【図3】図3は、図2に示す耐圧ホース製造装置の備える金属ワイヤ巻回装置および繊維巻回装置の構成を示す正面図および側面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 外被層
2 内管
3 金属ワイヤ層
4 干渉防止繊維層
5 金属ワイヤ層
6 干渉防止繊維層
7 金属ワイヤ層
8 干渉防止繊維層
9 金属ワイヤ層
10 耐圧ホース
11 耐圧ホース
100 耐圧ホース製造装置
101 耐圧ホース製造装置
110 冷却槽
111 冷却層
112 冷却槽
113 冷却槽
120 接着剤塗布装置
121 接着剤塗布装置
122 接着剤塗布装置
123 接着剤塗布装置
130 干渉防止繊維巻回装置
131 干渉防止繊維巻回装置
132 干渉防止繊維巻回装置
140 ワークドラム
141 巻取りドラム
150 金属ワイヤ巻回装置
151 金属ワイヤ巻回装置
152 金属ワイヤ巻回装置
153 金属ワイヤ巻回装置
200 ボビン
202A 開口部
202 面盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内管の外周に金属ワイヤを螺旋状に巻回して形成された複数の金属ワイヤ層と、前記金属ワイヤ層の間に位置し、前記金属ワイヤ層相互の干渉を防止する干渉防止繊維層とを備えることを特徴とする耐圧ホース。
【請求項2】
最外層の金属ワイヤ層を被覆する被覆層を備える請求項1に記載の耐圧ホース。
【請求項3】
内管の外周に金属ワイヤを螺旋状に巻回して金属ワイヤ層を形成する第1金属ワイヤ巻回工程と、
前記第1金属ワイヤ巻回工程で形成された金属ワイヤ層の表面に繊維を巻回して干渉防止繊維層を形成する干渉防止繊維層形成工程と、
前記干渉防止繊維層形成工程で形成された干渉防止繊維層の表面に金属ワイヤを螺旋状に巻回して金属ワイヤ層を形成する第2金属ワイヤ巻回工程と
を有する耐圧ホース製造方法。
【請求項4】
前記第1金属ワイヤ巻回工程で形成された金属ワイヤ層に接着剤を塗布する第1接着剤塗布工程、および前記第2金属ワイヤ巻回工程で形成された金属ワイヤ層に接着剤を塗布する第2接着剤塗布工程を有し、
前記第1接着剤塗布工程で金属ワイヤ層に接着剤を塗布した後に前記干渉防止繊維層形成工程を実施する請求項3に記載の耐圧ホース製造方法。
【請求項5】
内管を所定の方向に沿って走行させる内管走行手段と、
前記内管走行手段によって前記方向に沿って走行する内管の表面に金属ワイヤを巻回して金属ワイヤ層を形成するワイヤ巻回手段と、
前記内管の走行方向に沿って前記ワイヤ巻回手段の下流側に位置し、前記金属ワイヤ層の外側に金属ワイヤ同士の干渉を防止する干渉防止繊維を巻回して干渉防止繊維層を形成する干渉防止繊維巻回手段と、
前記内管の走行方向に沿って前記干渉防止繊維巻回手段の下流側に位置し、前記干渉防止繊維層の外側に金属ワイヤを巻回して最も外側の金属ワイヤ層を形成する最外層ワイヤ巻回手段と
を備えることを特徴とする耐圧ホース製造装置。
【請求項6】
前記ワイヤ巻回手段と前記干渉防止繊維巻回手段とからなる組を2以上備え、前記最外層ワイヤ巻回手段は、最も下流側に位置する組における干渉防止繊維巻回手段の下流側に位置する請求項5に記載の耐圧ホース製造装置。
【請求項7】
前記ワイヤ巻回手段と前記干渉防止繊維巻回手段との間に、接着剤を塗布する接着剤塗布手段が配設されている請求項5または6に記載の耐圧ホース製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−279657(P2008−279657A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125746(P2007−125746)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(390034452)ブリヂストンフローテック株式会社 (80)
【Fターム(参考)】