説明

腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ

【課題】永久磁石キャンド・モータポンプの構成部品の薬液による腐食を防ぎ、モータの放熱の問題を解決すること。
【解決手段】
永久磁石キャンド・モータポンプは、強化ブラケットと、モータ・ケーシングと、モータ・リアケーシングとを含む、その腐食保護ハウジングを特徴としている。強化ブラケットは耐腐食性プラスチックでできており、モータ・ケーシングとモータ・リアケーシングはアルミニウム合金でできている。これによると、腐食保護ハウジングによって、アルミニウム合金製の構成部品の薬液による腐食を防ぐことができる。また、この永久磁石キャンド・モータポンプは、腐食保護ハウジングの構造的要求を満たす一方で、モータが十分な放熱率で熱を放散させることができるような放熱機構を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
シールレス・ポンプの1つは、永久磁石キャンド・モータポンプであり、これは、モータとポンプが完全なユニットとして一体化された装置であって、巻線固定子は耐腐食性の格納シェルによって隔離されており、カプセル化された内側回転子が、輸送される液体と直接接触する。もう1つは、誘導モータにより駆動される磁気ポンプであって、そのシールレス機能は、メカニカルシールに代えて電磁結合を用いている。従って、シールレス・ポンプは、産業におけるゼロリーク要件、特に高温で有毒の可燃性かつ腐食性の液体が輸送される用途におけるゼロリーク要件を満たすことができる。
【背景技術】
【0002】
永久磁石キャンド・ポンプは、モータとポンプを統合した装置であって、従来、永久磁石キャンド・ポンプは、以下ではモータ・ケーシング、モータ・リアケーシングとそれぞれ呼ばれる、巻線固定子を備えたアルミニウム合金製モータ・ケーシングと、アルミニウム合金製モータ・リアケーシングとからなるアウタシェルを有している。アウタシェルのこれらの構成部品は、十分な熱放散能力を提供するための冷却フィンを有し、腐食性の液滴が落下し得る環境での運用に備えた耐腐食性材料のコーティング(例えばフッ素樹脂)が施されている。
ところが、長期的運用におけるこの種のソリューションの性能は、耐腐食性能力において満足のいくものではない。具体的には、薬液の濾過に使用される濾過槽システムの用途で、薬液のポンプ輸送に使用される永久磁石キャンド・モータポンプが槽の下に設置されている場合に、運用期間を終えた槽内のカートリッジ・フィルタを取り出して新しいものと取り換える必要があるが、この状況で、多少の薬液滴がアウタシェルに直接落下することがある。
そこで、腐食性薬液に耐えるためのアウタシェルの能力を向上させなければならない。腐食性液体に耐えるアウタシェルの能力を向上させるための1つのソリューションは、耐腐食性プラスチックでできたモータガードを永久磁石キャンド・モータポンプの上に配置することである。しかしながら、モータガードは配管によって制限されて、例えば、モータガードの長さは短く制限されたものとなり、モータガードから露出した金属部品は腐食性の薬液滴に悩まされることになる。
【0003】
従来の永久磁石キャンド・モータポンプおよび従来の磁気駆動ポンプとしては、以下のものがあり、これらはいずれも薬液滴による腐食に対する効果的なソリューションを提供していない。
【0004】
2009年に発行された特許文献1(以下、‘391と呼ぶ)は、高温での運用が可能で、化学的腐食に耐え得る、改良された永久磁石キャンド・モータポンプを開示している。
【0005】
このソリューションは、ポンプ軸の剛性改良に焦点を当てたものであり、その特徴の1つは、モータの高剛性の片持ち固定軸であり、また、モータは径方向の磁気ギャップを備えている。適用のため、‘391におけるカプセルの厚さは、3mmの腐食許容値を考慮しなければならない。つまり、磁気ギャップの全幅は、少なくとも8mmとなる。高温および高出力要件という作動条件を満たすために、剛性の複合材固定軸が用いられる。
‘391は、磁気カプラと誘導モータがキャンド・モータで置き換えられるので、‘391の永久磁石キャンド・モータポンプの構造は、磁気駆動ポンプよりも簡潔であることを示している。結果として、この永久磁石キャンド・モータポンプは、大きさが限られた設備内に設置するのに、より適している。しかしながら、‘391は、落下する腐食性の薬液によって生じる腐食の問題に対するソリューションを提供するものではない。
【0006】
従来の濾過槽システムについての別のソリューションは、プリント回路基板(PCB)を製造するために使用されるものである(図1参照)。濾過槽システム1は、磁気駆動ポンプ12と、メインフレーム114と、濾過室113から構成されている。
磁気駆動ポンプ12はメインフレーム114に組み付けられており、PCB製造装置の槽には入口管121が接続され、この槽は薬液を収容するのに用いられる。出口管122は、加圧された薬液を濾過室113に出力するために、濾過室113の入口に接続されている。薬液は、フィルタを通過した後に、出口116を通ってPCB製造装置の槽に戻る。ところで、濾過室113の中のフィルタは、一定期間の後に、濾過室113の上蓋115を開いて、詰まったフィルタを取り出すことで、交換する必要があるが、このとき、詰まったフィルタの表面から薬液滴が落下することがある。
薬液が磁気駆動ポンプ12の上に落下することを防ぐために、モータガード123が使用される。実際には、メインフレーム114は高さに制限があり、また、出口116の高さは、PCB製造装置の槽の入口管の高さと合っていなければならない。結果として、モータガード123は、磁気駆動ポンプ12のすべての金属部品を完全に覆うことができず、例えば、図1のブラケット124は鋳鉄製であるが、モータガード123は高さがタンク出口116と干渉する。このため、薬液が落下して、ブラケットを腐食させるおそれがある。
【0007】
上記のことから、基準を満たすサイズのポンプ入口および出口を有する永久磁石キャンド・モータポンプは、長手方向の長さが磁気ポンプよりも短くなっており、この特徴によって、製造装置内部に設置しやすいことがわかる。さらには、薬液が落下し得る面積も削減される。
しかしながら、落下する薬液の問題は、改善することだけが可能であって、根絶することはできないため、薬液によって生じる腐食を防ぐという要求は依然として残り、また、薬液の落下を引き起こすオペレータの過失は予測不可能である。そこで、本発明者らは、克服することが必要な以下の問題を認識している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】台湾実用新案第M369391号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
<問題1:モータの放熱>
耐腐食性プラスチックでできた強化ブラケットは、薬液によって生じる腐食の問題を防ぐことができるが、同時に、強化ブラケットは、アウタシェルの冷却フィンの配置を難しくする。よって、モータ用の新規の放熱機構が必要である。IEC60034‐30規格の効率クラスIE3よりも高い高効率を特徴とする永久磁石モータは、放熱負荷を劇的に減少させることができるが、それでも問題は依然として残る。
【0010】
<問題2:薬液の透過>
‘391のアルミニウム合金製モータ・ケーシングは、ポンプ・ケーシングに接続されて、薬液のリークを防ぐように格納シェルのフランジに押し付けられる。ところが、モータ・ケーシングに落下する薬液滴が、ネジボルトのネジ部を通って、モータ・ケーシングのフロントフランジのネジ穴に透過することがある。その後、ネジ穴の中の薬液が、アルミニウム合金製モータ・ケーシングを腐食させて透過することがあり、さらには巻線固定子を腐食させることがある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、耐腐食性プラスチックの強化ブラケットによりアルミニウム合金製モータ・ケーシングとアルミニウム合金製モータ・リアケーシングを保護する、永久磁石キャンド・ポンプの腐食保護ハウジングに焦点を当てたものである。さらに、本発明は、十分な放熱率を保証して、モータにより発生する熱を放散する新規の放熱機構も提供するものである。
【0012】
本発明の目的の1つは、以下でキャンド・ポンプと呼ぶ永久磁石キャンド・モータポンプの構成部品の、薬液による腐食を、腐食保護ハウジングによって防ぐことであり、その腐食保護ハウジングは、以下でモータ・ケーシングと呼ぶアルミニウム合金製モータ・ケーシングと、以下でモータ・リアケーシングと呼ぶアルミニウム合金製モータ・リアケーシングと、耐腐食性プラスチックでできた強化ブラケットとを含む。
また、以下でキャンド・モータと呼ぶキャンド・ポンプの永久磁石モータは、以下でモータシェルと呼ぶ、上記アルミニウム合金製モータ・ケーシングとアルミニウム合金製モータ・リアケーシングとを有している。もう1つの目的は、モータの放熱の問題に対するソリューションを見つけることである。
【0013】
最初に、薬液によるモータシェルの構成部品の腐食の問題に対するソリューションは以下の通りである。
【0014】
腐食保護ハウジングは、強化ブラケットを利用してモータシェルを保護する。強化ブラケットの形状は、両端に開口を備えた柱状のものである。強化ブラケットは、モータシェル上に落下する薬液滴による腐食を防ぐためのものであるが、そのような材料は、モータシェルの熱放散能力を制限する。強化ブラケットの底部は、キャンド・ポンプを設置するために用いられるブランケット・フットプレートになっている。腐食保護ハウジングのフロントフランジは、強化ブラケットのブラケット・フロントフランジと、モータ・ケーシングのポンプ側フランジとによって形成されており、このフロントフランジには、ボルトネジによってポンプ・ケーシングにしっかりと結合させるためのネジ穴が形成されている。
フロントフランジは、ボルトネジによってポンプ・ケーシングに対して押し付けられる。また、格納シェルのシェルフランジは、背面側でフロントフランジによって封止するように圧迫されて、これによりキャンド・ポンプからの腐食性液体のリークが防止され、フロントフランジ表面には、モータ・ケーシング内の巻線固定子を保護するためにOリングが配置される。ブラケット・フロントフランジの縁には封止ガスケットを配置することができ、これによって、落下する腐食性液滴がモータ・ケーシングおよびボルトネジまで透過することを防止し、ひいては、薬液がボルトネジとネジ穴との隙間またはボルトネジのネジ部を通って透過することを防止する。
【0015】
キャンド・モータを組み立てるプロセスは、以下の通りである。最初に、強化ブラケットの内部空間は、環状リブによって前側内部空間と後側内部空間とに分割されている。キャンド・モータの巻線固定子がモータ・ケーシング内に固定されて、そしてそのモータ・ケーシングは前側内部空間に配置され、モータ・リアケーシングが後側内部空間に配置される。
モータ・ケーシングとモータ・リアケーシングはボルトネジで1つに結合され、両側から固定されるそれらの間には、強化ブラケット内の環状リブがある。環状リブ上の位置決めブロックがモータ・ケーシングの固定スロットに挿入され、これにより、腐食保護ハウジングは、完全なユニットである腐食保護ハウジングとして一体化される。巻線のための電力線が、モータ・リアケーシングのターミナルボックスの端子に電気的に接続される。その後、インペラと内側回転子が完全なユニットとして結合されて、格納シェルの内部空間に配置される。最後に、フロントフランジは、ポンプケースにしっかりと結合され、格納シェルのシェルフランジに押し付けられて、これを封止する。
【0016】
第二に、モータ用の放熱機構は以下のように説明される。
【0017】
モータ用の放熱機構の重要な要素は、巻線固定子によって発生する熱が、伝熱速度を低下させることなく冷却フィンに伝達されることであり、また、冷却フィンが放熱のための十分な表面および空間を有していることである。本発明の一部の実施形態では、電磁鋼板の熱伝導率の4倍の高さであるアルミニウム合金の熱伝導率を利用する。巻線固定子によって発生する熱が、固定子の継鉄を通して径方向外向きに伝達される際に、固定子とモータ・ケーシングとの間の接触面の熱伝導率は、表面のざらつきと絶縁塗料とによって低下する。そして、モータ・ケーシングの径方向の断面積は、固定子の電磁鋼板の積層の外面の面積の5分の1ほどである。つまり、モータ・ケーシングの断面は、より低い熱抵抗で、ケイ素鋼板から長手方向に熱を伝達することが可能である。
モータ・ケーシングの長手方向の長さは短く、よって、電磁鋼板の積層の外面とモータ・ケーシングの後端との間の温度差が小さく、つまり、固定子によって発生する熱はモータ・ケーシングの後端部にスムーズに伝達されることが可能である。モータ・ケーシングのカップ状構造は、モータ・リアケーシングに熱を伝達するように構成された大きな接触面を有しており、接触面の面積は、モータ・ケーシングの径方向の断面積以上の大きさである。
モータ・リアケーシングの形状は円盤状であり、軸後部金属サポートがモータ・リアケーシングの中心にあって、内向きに突き出している。モータ・リアケーシングの垂直冷却フィンとターミナルボックスは、十分な放熱面を有して、外側に配置されており、これによって、熱をその中に蓄積させることなく、自然対流によって熱をスムーズに空気に放散させる。
【0018】
強化ブラケットのブラケット後端部は円形開口部を有し、その上部である上側カバープレートは下部よりも長くなっており、円形開口部の断面のエッジは円弧状であって、円形開口部の下部は、冷却フィンの下部を露出させており、このため、冷却フィンの間の狭い空間に空気が相対的に低い温度で入って、その空気が表面の熱を吸収し、自然対流により冷却フィンの下部から冷却フィンの上部に上向きに漂流し、そして熱気が強化ブラケットの後端の頂部から流れ出る。下側円形開口部は、ターミナルボックスを電力線に電気的に接続するように構成され、上側カバープレートは、ターミナルボックスと冷却フィンの後部を覆っており、また、下側円形開口部の高さは、冷却フィンおよびターミナルボックスを保護するように、ターミナルボックスの下部に達している。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプに焦点を当てたものであり、その腐食保護ハウジングは、アルミニウム合金のモータ・ケーシングと、アルミニウム合金のモータ・リアケーシングと、耐腐食性プラスチックの強化ブラケットとで構成されているため、PCB製造プロセスにおける薬液などの化学薬品の滴が外から多少落下しても、ポンプの部品が損傷することはない。
本発明は、さらに、濾過槽システムでの使用にも適しており、永久磁石キャンド・モータポンプは、濾過槽の下に設置されて薬液を加圧するために用いられ、フィルタが交換されるときに薬液が落下してポンプのモータの構成部品を腐食させる問題が回避される。すべては、ポンプのポンプ・ケーシング上に固定されたプラスチック強化ブラケットによって可能となり、このようにしてシール面でのゼロリークを維持している。プラスチック強化ブラケットによって、アルミニウム合金製モータ・ケーシングの外面の熱放散能力が制限される。よって、本発明の別の目的は、モータにより発生する熱を十分な放熱率で放散させるための新規の放熱機構を提供することである。
【0020】
本発明による改良によって、中型および小型の永久磁石キャンド・モータポンプおける落下薬液による腐食の問題を、合理的コストで防ぐことができる。さらには、この改良によって放熱の問題も克服される。結果として、本発明の永久磁石キャンド・モータポンプは、限られた内部空間を持つ製造装置の中に組み付けられる場合に、より適している。
【0021】
本開示は、本明細書において単に説明を目的として以下で提示する、よって本開示を限定するものではない、詳細な説明によって、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】PCBの製造に使用される従来の濾過システムである。
【図2】本発明の一実施形態による腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプの実施形態である。
【図3】図2における強化ブラケットの概略図である。
【図4】キャンド・モータの放熱経路の概略図である。
【図5】図2における冷却フィンの概略図である。
【図6】図2におけるモータ・ケーシングの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の具体的な特徴および効果について、つぎの実施形態によって、以下で極めて詳細に説明する。この詳細な説明の内容は、当業者が本開示の技術的内容を理解するために、また、本明細書の開示を実施するために、十分なものである。当業者であれば、明細書、請求項、および図面の内容に基づいて、本開示に関連する目的および効果を容易に理解することができる。
【0024】
図2を参照する。これは、本発明の一実施形態による腐食保護ハウジングを有する、以下でキャンド・ポンプと呼ぶ永久磁石キャンド・モータポンプの実施形態である。強化ブラケットが、モータ・ケーシングとモータ・リアケーシングを保護するように構成されている。モータ・ケーシングのポンプ側フランジと強化ブラケットのブラケット・フロントフランジとが、一緒になって腐食保護ハウジングのフロントフランジを形成している。
また、強化ブラケットにはネジ穴が形成されており、その内部にはスクリューナットがあって、モータ・ケーシングの貫通穴にネジを配置することにより、強化ブラケットはしっかりと締め付けられて、格納シェルのシェルフランジが封止される。その結果、永久磁石キャンド・モータポンプからの腐食性液体のリークが防止される。キャンド・ポンプは、ポンプ・ケーシング4と、三角フロントサポート31と、インペラ5と、格納シェル41と、固定軸3と、キャンド・モータ8とを備えている。
【0025】
ポンプ・ケーシング4は、インペラ5を収容するように構成された流路47を有し、さらに、入口44と出口45とを備えている。ポンプ・ケーシング4の内面には、インペラ5の入口近くの位置にフロント・スラストリング46が配置されており、このインペラ5の入口側近くにあるフロント・スラストリング46とスラスト軸受53とが一緒になって、軸スラスト軸受を形成している。ポンプ・ケーシング4と、強化ブラケット9のブラケット・フロントフランジ911とは、1つに結合されて、格納シェル41のシェルフランジ411に固定されるとともに、これを封止するように構成されている。
【0026】
三角フロントサポート31は、ポンプ・ケーシング4の入口の近くに固定されており、インペラ5のハブ開口部54を軸方向に通って、固定軸3の端部を支持している。
【0027】
インペラ5は、ポンプ・ケーシング4の中に収容されている。ハブプレート52が、内側回転子7の軸方向延出部76に接続されており、これにより、インペラ5と内側回転子7は一体化されている。
【0028】
格納シェル41の形状はカップに似ており、その底部にブランク後部軸サポート413を有している。また、格納シェル41は貫通孔を持たないので、格納シェル41からの腐食性液体のリークが回避される。キャンド・ポンプからの腐食性液体のリークを防ぐため、格納シェル41の前端にあるシェルフランジ411は、ポンプ・ケーシング4とモータ・ケーシング81のポンプ側フランジ811との間に嵌め込まれている。
ブランク後部軸サポート413は、格納シェルの底部の中央に位置しており、縁に設けられたリア・スラストリング414が、内側回転子7の(図4に示す)セラミック軸受79と一緒になって、軸スラスト軸受を形成している。ブランク後部軸サポート413は、相互に密着したモータ・リアケーシング82の(図4に示す)軸後部金属サポート824による支持を、外面から受けている。
【0029】
耐腐食性かつ耐摩耗性のセラミック材料で作られている固定軸3は、両端で支持されている。具体的には、固定軸3の前端は、三角フロントサポート31によって支持されており、固定軸3の後端は、軸方向に延びるブランク後部軸サポート413によって支持および固定されている。前端と後端の間の中間部分は、(図4に示す)セラミック軸受79と一緒になって、内側回転子7を支持しており、これにより、内側回転子7は固定軸3に沿って回転することができる。
【0030】
腐食保護ハウジングを有するキャンド・ポンプのキャンド・モータ8は、巻線固定子83と、内側回転子7と、モータ・ケーシング81と、モータ・リアケーシング82と、強化ブラケット9とを備えている。
【0031】
巻線固定子83は、歯部(図2では記号の付与なし)に巻回され、モータ・ケーシング81の中に固定された巻線を有している。内側回転子7の磁界と相互作用する磁束を発生させるためのPWM電源が巻線に接続されており、これにより、内側回転子7の回転を引き起こすトルクを発生させ、内側回転子7はインペラ5を駆動して流体動力を発生させる。格納シェル41は、腐食性液体により生じる腐食から固定子を保護している。
【0032】
内側回転子7は、主磁石群と、主継鉄と、軸方向延出部76とを含む環状構造である。また、内側回転子7は、耐腐食性プラスチックによってカプセル化されて、(図2および図4に示す)密封型回転子樹脂エンクロージャ74を形成しており、その形状は環状であって、内側に(図4に示す)セラミック軸受79が設けられている。内側回転子7の軸方向延出部76は、ハブプレート52に接続されており、これにより、内側回転子7とインペラ5は完全なものとして結合されている。
【0033】
モータ・ケーシング81は、強化ブラケット9に固定されて、そのポンプ側フランジ811が格納シェルのシェルフランジ411の背面に押し付けられている。ポンプ側フランジ811のフランジ外径に配置されたOリングによって、腐食性液体のリークを防ぐことができる。モータ・ケーシングにおいて、後部812は、(図6に示す)開口部812aを備えたカップ状構造を有し、これによって、モータ・ケーシング81は、熱を伝達する大きな面積を有している。開口部812aを備えたカップ構造を利用して、モータ・リアケーシング82がネジで固定される。モータ・ケーシングの厚みは、熱をモータ・リアケーシング82の冷却フィン821およびターミナルボックス822に伝達することができるように、設計されている。
【0034】
モータ・リアケーシング82は、モータ・ケーシング81のカップ状構造を通して、強化ブラケット9内に固定されており、冷却フィン821およびターミナルボックス822は、自然対流によって熱を空気に放散させることが可能である。軸方向内向きに延出する軸後部金属サポート824は、固定軸3の強力な支持を提供している。巻線固定子83は、モータ・ケーシング81の開口部812aを通るワイヤによってターミナルボックス822の端子825に電気的に接続されており、端子825は、ケーブルアダプタ823を介して、電力線からの電源に接続されている。
【0035】
強化ブラケット9は、耐腐食性プラスチックでできた、両端に開口を備えた柱状のものである。強化ブラケットにはネジ穴(図3では記号の付与なし)が形成されており、その内部には(図3に示していない)スクリューナットがあって、ポンプ・ケーシング4の(図2に示していない)貫通穴に(図2に示していない)ネジを配置することにより、強化ブラケット9はしっかりと締め付けられて、格納シェル41のシェルフランジ411が封止される。
ブラケット・フロントフランジ911は、ブラケット・フロントフランジ911とポンプ・ケーシング4との間にシール面を形成するように、ポンプ・ケーシング4にネジで固定されており、これによって、薬液がシール面を透過して、ネジのネジ部とアルミニウム合金製モータ・ケーシング81のネジ穴との間の隙間に入ることができなくなっている。ブラケット・フロントフランジ911の(図3に示す)封止スロット911aが、格納シェル41のシェルフランジ411の背面に押し付けられて、その結果、シェルフランジ411とポンプ・ケーシング4の間の封止用Oリング(図2では記号の付与なし)が圧迫され、これにより、腐食性液体のリークが防止される。
一部の厳しい条件下では、ブラケット・フロントフランジ911とポンプ・ケーシング4との間のシール面を腐食性液滴が透過するのを防ぐため、(図2に示していない)封止ガスケットがブラケット・フロントフランジ911の縁に設けられることがあり、これによって、ネジ穴のネジに薬液が及ばないように保護する。また、強化ブラケット9は、モータ・リアケーシング82のターミナルボックス822および冷却フィン821を強化ブラケット9の後端部が覆うように、十分な長さになっている。
【0036】
(図3に示す)位置決めブロック917を備えた環状リブ916が、強化ブラケット9の内側表面の中央部分に配置されている。環状リブ916は、強化ブラケット9の内部空間を、(図3に示す)前側内部空間914と後側内部空間915とに分割している。モータ・ケーシング81は前側内部空間914に嵌め込まれ、モータ・リアケーシング82は後側内部空間915に嵌め込まれて、その双方がネジでしっかりと1つに組み付けられている。
また、環状リブ916の位置決めブロック917は、モータ・ケーシング81の背面に形成された(図6に示す)固定スロット813に挿入されて、これにより、モータ・ケーシング81と、モータ・リアケーシング82と、強化ブラケット9とが、完全なユニットとして組み立てられる。これがすなわち(図5に示す)腐食保護ハウジングであって、キャンド・モータ8は、ブランケット・フットプレート912によってしっかりと支持される。腐食保護ハウジングは、ブランケット・フットプレート912によってしっかりと取り付けられる。
腐食保護ハウジングのフロントフランジ面は、強化ブラケット9のブラケット・フロントフランジ911とモータ・ケーシング81のポンプ側フランジ811とによって形成されている。アルミニウム合金製モータ・ケーシング81のポンプ側フランジ811のフランジ外径にはOリングが配置されており、これによって、ポンプ側フランジ811および固定子83の巻線の腐食を防ぐことができる。ポンプ側フランジ811は、格納シェル41のシェルフランジ411の背面に押し付けられ、Oリングがポンプ側フランジ811とポンプ・ケーシング4との間で圧迫されることで封止され、これにより、キャンド・ポンプからの腐食性液体のリークが防止される。
【0037】
ポンプが作動しているときには、流線6に沿って流れる流体が、キャンド・ポンプの入口に入り、流体は流入流線61に沿って流れてインペラ5を通り、このときインペラ5から流れ出る流体は加圧されており、そしてこの加圧された流体は、出口45を通って流出される。また、流動する流体の僅かな部分が、流線62に沿ってインペラの出口を通ってから引き返し、そしてインペラ5の背後を通って格納シェル41の内部空間に入る。
その後、内部空間を流動する流体は、内側回転子7の外面と格納シェル41の内面との間の隙間を通って格納シェル41の底部に流れ、さらに、固定軸3とセラミック軸受79との間の隙間を通って流れて、最後に、流線65で示すように、流体はハブ開口部54を通って流れ出て、インペラ5の入口に戻る。このような循環する流体は、セラミック軸受79を潤滑するとともに、内側回転子7により発生する熱を運び去る。
【0038】
図3を参照すると、これは、図2の強化ブラケット9の三次元図である。強化ブラケット9は、耐腐食性プラスチックでできた、両端に開口を備えた柱状のものである。封止スロット911aを備えたブラケット・フロントフランジ911が一端にあり、底部には平板であるブランケット・フットプレート912があって、内側表面の中央部分には位置決めブロック917を備えた環状リブ916が配置されている。また、環状リブ916は、強化ブラケット9の内部空間を、前側内部空間914と後側内部空間915とに分割しており、(図2に示す)モータ・ケーシング81が前側内部空間914に嵌め込まれ、(図2に示す)モータ・リアケーシング82が後側内部空間915に嵌め込まれる。
強化ブラケット9は、(図5に示す)下側円形開口部913bを備えたブラケット後端部913を有しており、(図5に示す)モータ・リアケーシング82の(図5に示す)冷却フィン821の下部が露出している。ブラケット後端部913は、さらに、(図5に示す)ターミナルボックス822と冷却フィン821の両方の後端部を覆う上側カバープレート913aを備えている。
また、(図5に示す)冷却フィン821と(図5に示す)ターミナルボックス822が保護されるように、(図5に示す)下側円形開口部913bの高さは、ターミナルボックス822の下部に達している。
【0039】
図4および図5を参照すると、これらは、キャンド・モータの放熱経路と冷却フィンの概略図である。具体的には、図4は、熱伝導機構および冷却フィン821の機能を説明するための、キャンド・モータ8の断面図である。巻線固定子83によって発生する熱は、巻線固定子83の歯部から径方向外向きに継鉄を通って伝達されるが、その熱は、固定子からの伝熱経路66として示すように、まずモータ・ケーシング81に伝達される。
固定子83とモータ・ケーシング81との間の接触面の熱伝導率は、表面のざらつきと絶縁塗料とによって、僅かに低下する。モータ・ケーシング81の径方向の断面積は、固定子83の電磁鋼板の積層の外面の面積の5分の1以上である。つまり、モータ・ケーシング81の径方向の断面積は、より低い熱抵抗で、電磁鋼板の積層から長手方向に熱を伝達することが可能になっている。モータ・ケーシング81の長手方向の長さは短く、よって、電磁鋼板の積層の外面とモータ・ケーシング81の後端との間の温度差が小さく、モータ・ケーシングからの伝熱経路67は図示のようになる。
また、モータ・ケーシング後部812におけるモータ・ケーシング81のカップ状構造は、モータ・ケーシング81の径方向の断面積の1.5倍以上の大きさの、大きな接触面を有しており、このため、熱が容易にモータ・リアケーシング82に伝達され、冷却フィンへの伝熱経路68は図示のようになる。モータ・リアケーシング82の冷却フィン821およびターミナルボックス822は、十分な放熱面を有して、外側に突き出している。冷却フィン821とターミナルボックス822の放熱面の面積の合計は、固定子83の外面の面積の4倍を超えており、これによって、熱をその中に蓄積させることなく、自然対流の流線69として示すように、自然対流によって熱をスムーズに空気に放散させることができる。
【0040】
十分な放熱面の他に、自然対流速度も、もう1つの重要な要素である。強化ブラケット9の後端部の下側円形開口部913bによって、モータ・リアケーシング82の冷却フィン821の下部は露出しており、このため、空気が相対的に低い温度で冷却フィン821の表面上を漂って、自然対流により熱を吸収することが容易である。そして熱気は、強化ブラケット9の後端の頂部から流れ出て、自然対流の流線69a、69b、69cは図示のようになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプであって、高温で有毒の可燃性かつ腐食性の液体が輸送される用途において、ポンプ・ケーシングと、三角サポートと、インペラと、格納シェルと、固定軸と、キャンド・モータと、を備え、
前記ポンプ・ケーシングは、前記インペラを収容するように構成された流路と、入口と、出口と、該ポンプ・ケーシングの内面の前記入口に近い位置に配置されたフロント・スラストリングと、を有することにより、前記フロント・スラストリングと、前記インペラの入口側近くにあるスラスト軸受とで、一緒に軸スラスト軸受を形成しており、
前記三角サポートは、前記ポンプ・ケーシングの前記入口の内側に固定されて、前記固定軸の端部を支持するように、前記インペラのハブ開口部を軸方向に貫通しており、
前記インペラは、前記ポンプ・ケーシング内に収容され、ハブプレートが内側回転子の軸方向延出部に接続されていることにより、前記インペラと、前記キャンド・モータの前記内側回転子とはユニットとして一体化されており、
前記格納シェルは、カップ状をなし、その底部の中心に、軸方向内向きに延出するブランク後部軸サポートを有し、当該ブランク後部軸サポートは、モータ・リアケーシングの軸後部金属サポートによって外面から支持されて、前記ブランク後部軸サポートと前記軸後部金属サポートは相互に密着しており、前記ブランク後部軸サポートの縁にはリア・スラストリングが設けられて、当該スラストリングが前記内側回転子のセラミック軸受と一緒になって軸スラスト軸受を形成しており、前記格納シェルの前端にあるシェルフランジは、前記ポンプ・ケーシングと腐食保護ハウジングのフロントフランジとの間に嵌め込まれていることにより、当該キャンド・ポンプからの腐食性液体のリークを防止しており、
前記固定軸は、耐腐食性かつ耐摩耗性のセラミック材料製であって、両端で支持されており、前記固定軸の前端は前記三角フロントサポートによって支持され、前記固定軸の後端は前記ブランク後部軸サポートによって支持および固定されており、前記前端と前記後端との間の中間部分は、前記セラミック軸受と一緒になって前記内側回転子を支持していることによって、前記内側回転子は前記固定軸に沿って回転することが可能であり、
前記キャンド・モータは、巻線固定子と、前記内側回転子と、モータ・ケーシングと、前記モータ・リアケーシングと、強化ブラケットと、を備え、
前記モータ・ケーシングの内部に挿入されている前記巻線固定子は、歯部に巻回された巻線を有し、前記内側回転子と前記巻線固定子との間の磁気的相互作用によって前記内側回転子を回転させるトルクを発生させ、そして前記内側回転子は前記インペラを回転させて流体動力を発生させ、また、前記格納シェルは腐食性液体により生じる腐食から前記巻線固定子を保護しており、
前記内側回転子は、主磁石群と、主継鉄と、前記軸方向延出部とを含む環状構造であって、前記内側回転子は、耐腐食性プラスチックによってカプセル化されて、密封型回転子樹脂エンクロージャを形成しており、内側には前記セラミック軸受が設けられ、また、前記内側回転子の前記軸方向延出部は前記ハブプレートに接続されていることにより、前記内側回転子と前記インペラは完全なユニットとして結合されており、
前記モータ・ケーシングは、後部に開口部を有するカップ状構造であって、内部に前記巻線固定子が挿入されており、
前記モータ・リアケーシングは、円盤状であって、垂直冷却フィンと、ターミナルボックスと、前記軸後部金属サポートと、を有し、前記軸後部金属サポートは、前記モータ・ケーシングの前記開口部を通って軸方向内向きに延出することで、前記固定軸の強力な支持を提供し、また、前記開口部を通るワイヤによって、前記巻線固定子は、前記ターミナルボックスの端子に電気的に接続されており、
前記強化ブラケットは、耐腐食性プラスチック製であり、両端に開口を備えた柱状をなし、前記強化ブラケットの底部は、平板であるブランケット・フットプレートであり、前記強化ブラケットの内部空間は、環状リブによって、前側内部空間と後側内部空間とに分割されて、前記前側内部空間に嵌め込まれた前記モータ・ケーシングと、前記後側内部空間に嵌め込まれた前記モータ・リアケーシングは、完全なユニットである前記腐食保護ハウジングとして結合されており、
前記腐食保護ハウジングの前記フロントフランジは、前記強化ブラケットのブラケット・フロントフランジと、前記モータ・ケーシングのポンプ側フランジとによって形成されており、前記フロントフランジには、前記ポンプ・ケーシングを堅固に結合するためのネジ穴が形成され、前記フロントフランジは、封止するように前記格納シェルの前記シェルフランジの背面に当接することで、当該キャンド・ポンプからの腐食性液体のリークを防いでおり、前記強化ブラケットの前端は、前記ポンプ・ケーシングに押し付けられることで、薬液滴の透過を防ぐように構成されており、前記腐食保護ハウジングは、前記強化ブラケットの前記ブランケット・フットプレートによって堅固に取り付けられ、また、前記強化ブラケットは、前記モータ・リアケーシングの前記ターミナルボックスおよび前記冷却フィンを該強化ブラケットの後端部が覆うように、十分な長さとなっていることを特徴とする、
腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ。
【請求項2】
前記ブラケット・フロントフランジには、前記ポンプ・ケーシングをボルトネジで締め付けるためのネジ穴が形成されており、前記ブラケット・フロントフランジは、前記格納シェルの前記シェルフランジの背面側で、封止するように前記ボルトネジによって前記ポンプ・ケーシングに押し付けられることで、当該キャンド・ポンプの腐食性液体のリークを防いでいることを特徴とする請求項1に記載の腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ。
【請求項3】
前記モータ・ケーシングと前記モータ・リアケーシングは、前記内部空間の内部に嵌め込まれてボルトネジで締め付けられており、双方の間には前記強化ブラケット内の前記環状リブがあり、前記環状リブ上の位置決めブロックが、前記モータ・ケーシングの固定スロットに挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ。
【請求項4】
前記強化ブラケットの前記ブラケット・フロントフランジには、前記ポンプ・ケーシングに押し付けられる封止ガスケットが配置されていることによって、腐食性液体がシール面を通して透過することを防いで、腐食保護機能を強化していることを特徴とする請求項1に記載の腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ。
【請求項5】
前記強化ブラケットの後端部は、上部が下部より長い円形開口部を有し、前記円形開口部の断面のエッジは円弧状であって、前記円形開口部の下部は、前記冷却フィンの下部を露出させており、前記下側円形開口部は、前記ターミナルボックスを電力線に電気的に接続するように構成されており、また、前記ターミナルボックスおよび前記冷却フィンの後側部分を上側円形カバープレートが覆っており、前記下側円形開口部の高さは、前記冷却フィンおよび前記ターミナルボックスを保護するように、前記ターミナルボックスの下部に達していることを特徴とする請求項1に記載の腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ。
【請求項6】
前記モータ・ケーシングは、前記強化ブラケットに嵌め込まれており、前記モータ・ケーシングのポンプ側フランジに配置されたOリングによって、腐食性液体の透過を防ぐことが可能であることを特徴とする請求項1に記載の腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ。
【請求項7】
前記ブラケット・フロントフランジは、腐食性液体の透過を防ぐためのOリングを受け取る封止スロットを備えたことを特徴とする請求項1に記載の腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ。
【請求項8】
前記モータ・ケーシングのポンプ側フランジは、前記格納シェルの前記シェルフランジの背面側に当接して、前記ポンプ・ケーシングと前記シェルフランジとの間のOリングを圧迫することで、当該キャンド・ポンプのリークを防いでいることを特徴とする請求項1に記載の腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ。
【請求項9】
腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプであって、高温で有毒の可燃性かつ腐食性の液体が輸送される用途において、そのキャンド・モータの放熱機構に関連する構成要素として、巻線固定子と、モータ・ケーシングと、モータ・リアケーシングと、強化ブラケットとを含み、
前記巻線固定子によって発生する熱は、前記固定子の巻線の歯部から継鉄を通して径方向外向きに伝達され、当該熱はまず前記モータ・ケーシングに伝達され、
前記モータ・ケーシングのカップ状構造の底部の背面側には、前記モータ・リアケーシングに熱を伝達させることが可能な大きさの接触面があり、
前記モータ・リアケーシングは、円盤状であって、前記モータ・ケーシングの底部を通した熱を伝達して、垂直冷却フィンとターミナルボックスの表面とによって、熱を自然対流により空気に放散させ、
前記強化ブラケットのブラケット後端部は上部が下部より長い円形開口部を有し、前記円形開口部の断面のエッジは円弧状であって、前記円形開口部の下部は、前記冷却フィンの下部を露出させていることにより、前記冷却フィンの間の狭い空間に空気が相対的に低い温度で入って、その空気が前記表面の熱を吸収し、自然対流によって前記冷却フィンの下部から上部に上向きに漂流し、そして熱気が前記強化ブラケットの後端の頂部から流れ出ることを特徴とする
腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ。
【請求項10】
前記巻線固定子によって発生する熱は、前記固定子の巻線の歯部から継鉄を通して径方向外向きに伝達され、当該熱は、まず前記モータ・ケーシングに伝達され、前記モータ・ケーシングの径方向の断面積は、前記固定子の電磁鋼板の積層の外面の面積の5分の1以上である、請求項9に記載の、腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ。
【請求項11】
前記モータ・リアケーシングの前記垂直冷却フィンと前記ターミナルボックスは、前記固定子の電磁鋼板の積層の外面の面積の4倍を超える面積を有することを特徴とする請求項9に記載の腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ。
【請求項12】
前記モータ・ケーシング後部における該モータ・ケーシングの前記カップ状構造の前記接触面は、該モータ・ケーシングの径方向の断面積以上の大きさであることを特徴とする請求項9に記載の腐食保護ハウジングを有する永久磁石キャンド・モータポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−100816(P2013−100816A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−242776(P2012−242776)
【出願日】平成24年11月2日(2012.11.2)
【出願人】(510109198)協磁股▲ふん▼有限公司 (4)
【Fターム(参考)】