説明

自動倉庫の制御装置

【課題】作業者が携帯可能な操作手段の操作を有効とする接続部を移動体の停止位置に対して最寄りの接続部から選択することにより、移動体の各個操作の作業効率を向上させること。
【解決手段】自動倉庫1には送信機23を接続する複数の接続部(第1〜第6接続部24a〜24f)が設けられている。地上コントローラ19は、スタッカクレーン8の停止位置をもとに当該停止位置に対して最寄りの接続部を、スタッカクレーン8に配設した第1,第2接続部24a,24bを除く他の第3〜第6接続部24c〜24fの中から選択する。そして、地上コントローラ19は、選択した接続部に接続された送信機23の操作を有効とし、スタッカクレーン8を動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫に設けられ、移動体としてのスタッカクレーンの各個操作を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動倉庫に配備されたスタッカクレーンは、荷崩れなどの荷姿異常が発生した場合に、作業者が手動で操作できるように構成されている。スタッカクレーンを手動で操作する場合には、荷や倉庫設備を破損させることがないように、作業者が目視確認をしつつ、スタッカクレーンを動作させる必要がある。このため、作業者が手動で操作するための操作盤は、スタッカクレーンの目視がし易い位置に設置されていることが好ましく、目視のし易さをより追及するのであれば複数箇所に操作盤を配置することが考えられる。しかしながら、複数の操作盤を配置した場合には、複数の操作盤から同時に操作が行われないように、スタッカクレーンの排他制御が必要となる。
【0003】
このような排他制御は、例えば、特許文献1で開示されている。特許文献1は、プラント機器に対する操作指令信号を無線で発信する携帯操作端末を備えるプラント制御システムにおいて、複数の携帯操作端末のいずれか1つに制御権を与えるようにしたものである。そして、特許文献1では、制御権を持っている携帯操作端末からの操作指令信号にだけ応答してプラント機器を制御している。
【特許文献1】特開2003−67002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、制御権を有する携帯操作端末を変更する場合、該制御権を有する携帯操作端末が制御権を取り消し、その制御権を獲得したい他の携帯操作端末から制御権獲得要求をコントローラに送信する必要があり、制御権を獲得するための設定が非常に面倒である。このため、特許文献1の手法を自動倉庫に適用した場合には、エラーの発生時に、スタッカクレーンの目視がし易い作業環境を作業者が作り出さなければならず、作業効率が非常に悪い。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、作業者が携帯可能な操作手段の操作を有効とする接続部を移動体の停止位置に対して最寄りの接続部から選択することにより、移動体の各個操作の作業効率を向上させることができる自動倉庫の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、荷移載装置を有する移動体の走行路に沿って荷を収容可能な複数の荷棚が構築された自動倉庫に設けられ、作業者が携帯可能な操作手段の操作に基づき前記移動体の各個操作を制御する自動倉庫の制御装置において、前記自動倉庫には前記操作手段を接続する複数の接続部が設けられているとともに、前記複数の接続部は前記移動体に配設した接続部と前記移動体を除く他の部位に配設した少なくとも2以上の接続部とからなり、前記移動体の停止位置をもとに当該停止位置に対して最寄りの接続部を前記移動体に配設した接続部を除く他の接続部の中から選択する選択部と、前記選択部が選択した接続部に接続された操作手段の操作を有効とし、前記移動体を動作させる動作制御部と、を備えたことを要旨とする。
【0007】
これによれば、操作手段の操作が有効とされる接続部は、移動体の停止位置をもとに当該停止位置に対して最寄りの接続部が選択され、その選択された接続部に接続された操作手段によって移動体の各個操作が許容される。すなわち、選択部により、移動体の停止位置を把握した上で最寄りの接続部に接続された操作手段からの操作を有効とする排他制御が実現される。このため、移動体を各個操作させる場合に作業者が、他の操作手段との同時操作を回避し得る環境を操作手段の操作などによって作り出す必要がない。したがって、移動体の各個操作の作業効率を向上し得る。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動倉庫の制御装置において、前記動作制御部は、前記選択部が選択した接続部と前記移動体に配設した接続部を除く他の接続部に接続された前記操作手段の操作を無効とすることを要旨とする。
【0009】
これによれば、移動体の状況や荷の状況を把握し易い位置での操作手段の操作を促すことができ、作業性を向上し得る。また、複数の操作手段からの同時操作を確実に防止し得る。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の自動倉庫の制御装置において、前記移動体の各個操作は、前記移動体を前記走行路に沿って走行させる走行操作と、前記荷移載装置を昇降させる昇降操作と、前記荷移載装置に移載動作させる移載操作とからなり、前記動作制御部は、前記選択部が選択した接続部に接続された前記操作手段の操作のうち、前記移動体の移載操作に係る操作のみを有効とすることを要旨とする。
【0011】
これによれば、移動体の停止位置に対して最寄りの接続部に接続した操作手段の操作を許容しつつも、その操作手段において操作可能な操作内容を走行操作、上昇操作及び移載操作からなる各個操作のうち、移載操作のみに制限した。移動体に配設した接続部を除く他の接続部に操作手段を接続して操作を行う操作環境は、移動体に配設した接続部に操作手段を接続して操作を行う操作環境に比べて、自動倉庫全体に対する視認性が低下している環境での作業となる。このため、操作手段の操作内容を移載操作のみに制限することで、操作手段の操作に対してより高い安全性を実現し得る。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の自動倉庫の制御装置において、前記移動体の各個操作は、前記移動体を前記走行路に沿って走行させる走行操作と、前記荷移載装置を昇降させる昇降操作と、前記荷移載装置に移載動作させる移載操作とからなり、前記動作制御部は、前記移動体に配設した接続部に接続された前記操作手段については前記移動体の各個操作に係る全ての操作を有効とすることを要旨とする。
【0013】
これによれば、最寄りの接続部に接続した操作手段から移動体を各個操作した時に必要とする結果を得られなかった場合には、移動体に配設した接続部に操作手段を直接接続し、移動体における全ての各個操作を許容した状態で移動体を各個操作させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の自動倉庫の制御装置において、前記自動倉庫には、当該自動倉庫に入庫する荷及び前記自動倉庫から出庫する荷を載置する複数の荷受台が設けられており、前記移動体に配設した接続部を除く他の接続部は、前記荷受台単位で配設されていることを要旨とする。
【0015】
これによれば、自動運転中の自動倉庫で最もエラーが発生し易く、移動体が停止し易い荷受台において、操作手段の操作により移動体を各個操作させることができる。すなわち、移動体の状況や荷の状況を把握し易い位置において、作業者に操作手段を操作させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、作業者が携帯可能な操作手段の操作を有効とする接続部を移動体の停止位置に対して最寄りの接続部から選択することにより、移動体の各個操作の作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、自動倉庫1は通路を挟んで左右両側に枠組棚(ラック)2a,2bが並設されている。枠組棚2a,2bは、通路の長手方向(連方向)に沿って配設された複数の支柱3と、隣り合う支柱3で対をなすように通路の高さ方向(段方向)に沿って配設された複数の棚板4とから構成されている。そして、枠組棚2a,2bは、支柱3と棚板4の枠組みにより構築した荷を収納する荷棚5が連方向及び段方向にそれぞれ複数ずつ配設されている。なお、図1では、片側の枠組棚2bについて第1端部(本実施形態では自動倉庫1のホームポジション側)の枠のみ図示しており、枠組棚2bは枠組棚2aと同様に支柱3と棚板4から構成され、荷棚5が連方向及び段方向にそれぞれ複数ずつ配設されている。
【0018】
また、本実施形態の自動倉庫1には、入出庫口(入出庫部)としての複数の荷受台6a〜6eが装備されている。具体的には、図2(a)に示すように、通路の第1端部側(本実施形態では自動倉庫1のホームポジション側)であって、枠組棚2a,2bの外方に荷受台6a,6bが通路を挟んで対向するように配設されている。また、通路の第2端部側(本実施形態では自動倉庫1のオポジットポジション側)には、枠組棚2aの外方に荷受台6cが配設されている。また、枠組棚2aには、通路の第1端部と第2端部の間に荷受台6dが配設されているとともに、枠組棚2bには、通路の第1端部と第2端部の間に荷受台6eが配設されている。本実施形態において荷受台6dと荷受台6eは、通路の長手方向において異なる位置に配置されている。これらの荷受台6a〜6eは、枠組棚2a,2bの最下段に位置する荷棚5や、最下段に位置する荷棚5よりも高い段の荷棚5と同じ高さに配設されており、荷Wを載置可能に構成されている。
【0019】
通路の底面には、その長手方向(連方向)に沿って走行路としての走行レール7が敷設され、走行レール7上には移動体としてのスタッカクレーン8が走行可能に配備されている。スタッカクレーン8は、走行レール7上を走行自在な前後2つの走行輪9,10を有する走行台11と、その上に立設された一対のマスト12と、マスト12間に上下動可能に配設された昇降キャリッジ13とを備えている。昇降キャリッジ13上には、荷移載装置としてのフォーク装置14が設けられ、フォーク装置14は昇降キャリッジ13上において水平に左右方向(スタッカクレーン8の走行方向と直交する方向)に移動可能なフォーク(図示しない)を備えている。昇降キャリッジ13は、ワイヤを介してマスト12間に吊り下げられている。
【0020】
走行台11には、走行用モータ15と昇降用モータ16が設けられている。走行台11の走行輪9,10は、走行用モータにより回転駆動される。そして、スタッカクレーン8は、走行輪9,10が走行レール7上を転動することにより、走行レール7に沿ってホームポジションとオポジットポジションとの間を走行する。また、昇降キャリッジ13は、図示しない巻上げ装置が昇降用モータ16により駆動されることで、前記巻上げ装置にてワイヤが巻き上げ及び繰り出しされることによって昇降する。また、昇降キャリッジ13には、フォーク装置14のフォークを動作させるフォーク用モータ17(図3に示す)が設けられている。フォーク装置14のフォークは、フォーク用モータ17により、荷棚5に対して前記フォークを差し込む方向と、荷棚5に対して前記フォークを引き込む方向に動作する。
【0021】
スタッカクレーン8には、マスト12の下部と対応する位置にクレーンコントローラ18が配設されている。クレーンコントローラ18は、通路の第1端部に配設された地上コントローラ(遠隔操作盤)19からの指令信号に基づいて走行用モータ15や昇降用モータ16などを制御するようになっている。地上コントローラ19には、情報を表示するディスプレイ20aや各種データを入力するキーボード20bが設けられている。また、地上コントローラ19の周囲には、開閉扉21aを有する安全柵21が立設されている。そして、自動倉庫1は、安全柵21の開閉扉21aを開くことにより、作業者が通路内に侵入できるようになっている。
【0022】
スタッカクレーン8及び地上コントローラ19は、クレーンコントローラ18と地上コントローラ19との間で無線により信号の授受を行う送受信装置22a,22bを備えている。地上コントローラ19は、「クレーン自動操作」モードにおいて、図示しない在庫管理コンピュータから入出庫指令を受信すると、スタッカクレーン8に入庫先の荷棚5あるいは出庫元の荷棚5の位置を指令する。入出庫作業には、荷棚5と荷受台6a〜6eとの間における荷Wを搬出(出庫)して入庫先の荷棚5へ荷Wを搬入(入庫)する作業もある。そして、クレーンコントローラ18は、地上コントローラ19の指令に基づいて、入庫作業又は出庫作業を行うように、スタッカクレーン8の走行用モータ15、昇降用モータ16及びフォーク用モータ17を制御する。クレーンコントローラ18は、コンピュータ及びメモリを備え、当該メモリに記憶された各種の制御プログラムにしたがって各種の処理を実行する。
【0023】
また、本実施形態の自動倉庫1には、作業者がスタッカクレーン8に対し、各個操作(手動操作)を指示するための携帯可能な操作手段としての送信機(リモートコントローラ)23を接続する接続部24が、自動倉庫1において予め定めた所定箇所に設けられている。本実施形態において接続部24は、複数箇所(本実施形態では6箇所)に配設されている。なお、本実施形態において各個操作とは、走行操作と、昇降操作と、移載操作からなる。走行操作は、スタッカクレーン8を走行レール7に沿って走行動作させる操作であり、スタッカクレーン8の走行動作には前進動作と後進動作がある。本実施形態において前進動作とはスタッカクレーン8をオポジットポジション側に向けて走行させることであり、後進動作とはスタッカクレーン8をホームポジション側に向けて走行させることである。昇降操作とは、フォーク装置14を装備する昇降キャリッジ13をマスト12に沿って昇降動作させる操作であり、昇降キャリッジ13の昇降動作には上昇動作と下降動作がある。移載操作とは、フォーク装置14のフォークを荷棚5及び荷受台6a〜6eに対して移載動作させる操作であり、前記フォークの移載動作には前記フォークを差し込む方向に動作させる差込動作と前記フォークを引き込む方向に動作させる引込動作がある。
【0024】
本実施形態において接続部24となる第1接続部24aと第2接続部24bは、図2(a)に示すように、スタッカクレーン8に直接設けられている。また、本実施形態において接続部24となる第3接続部24cは、図2(a)に示すように、荷受台6a,6bに対応させて当該荷受台6a,6bの近傍に配置した地上コントローラ19に設けられている。また、本実施形態において接続部24となる第4接続部24dは、図2(a)に示すように、荷受台6cに対応させて当該荷受台6cの近傍に設けられている。また、本実施形態において接続部24となる第5接続部24eは、図2(a)に示すように、荷受台6dに対応させて当該荷受台6dの近傍に設けられている。また、本実施形態において接続部24となる第6接続部24fは、図2(a)に示すように、荷受台6eに対応させて当該荷受台6eの近傍に設けられている。そして、本実施形態において6つの接続部24のうち、第1,第2接続部24a,24bを除く他の4つの第3〜第6接続部24c〜24fは、荷受台6a〜6eの近傍に配設されており、荷受台単位で配設されている。
【0025】
送信機23には、情報を表示するディスプレイ25と、各個操作を各別に指示する複数(本実施形態では6つ)の操作ボタン26a〜26fが設けられている。操作ボタン26a,26bは、スタッカクレーン8の走行操作を指示する操作ボタンとして設けられており、操作ボタン26aの操作によりスタッカクレーン8の前進動作を指示し、操作ボタン26bの操作によりスタッカクレーン8の後進動作を指示する。操作ボタン26c,26dは、スタッカクレーン8の昇降操作を指示する操作ボタンとして設けられており、操作ボタン26cの操作により昇降キャリッジ13の昇降動作を指示し、操作ボタン26dの操作により昇降キャリッジ13の下降動作を指示する。操作ボタン26e,26fは、スタッカクレーン8の移載操作を指示する操作ボタンとして設けられており、操作ボタン26eの操作によりフォーク装置14のフォークの差込動作を指示し、操作ボタン26fの操作によりフォーク装置14のフォークの引込動作を指示する。
【0026】
また、送信機23には、制御回路(マイクロプロセッサ)27が内蔵されている。また、送信機23には、当該送信機23を第1〜第6接続部24a〜24fに接続するための接続用プラグ28(図4に示す)が設けられている。送信機23は、接続用プラグ28が第1〜第6接続部24a〜24fに接続された状態において、クレーンコントローラ18及び地上コントローラ19に電気信号を送信するとともに、クレーンコントローラ18及び地上コントローラ19が出力する電気信号を受信するようになっている。
【0027】
次に、本実施形態の自動倉庫1の電気的構成を説明する。
図3に示すように、クレーンコントローラ18は、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit )18aとメモリ18bを備えている。メモリ18bは、読み出し専用メモリ(ROM:Read Only Memory)であるプログラムメモリと、読み出し及び書き換え可能なメモリ(メモリ:Random Access Memory)である作業用メモリからなる。プログラムメモリには、スタッカクレーン8の走行動作及び昇降キャリッジ13の昇降動作を制御するための各種制御用プログラムが記憶されている。作業用メモリには、各種演算処理結果や、地上コントローラ19からの各種指令データなどが一時記憶される。クレーンコントローラ18には、走行用モータ15と、昇降用モータ16と、フォーク用モータ17が接続されている。
【0028】
また、クレーンコントローラ18には、送信機23を接続可能な第1接続部24aと第2接続部24bが接続されている。第1接続部24aと第2接続部24bは、クレーンコントローラ18に対して双方向通信を許容した形態で、信号線を介して電気的に接続されている。一方、地上コントローラ19には、送信機23を接続可能な第3〜第6接続部24c〜24fが接続されている。第3〜第6接続部24c〜24fは、地上コントローラ19に対して双方向通信を許容した形態で、信号線を介して電気的に接続されている。
【0029】
また、本実施形態の送信機23は、単数又は複数の送信機23によりスタッカクレーン8を各個操作させる場合であっても、同一構成の送信機23を使用することから、第1〜第6接続部24a〜24fの何れに接続されているかを自動的に認識する接続認識機能を備えている。図4は、送信機23の接続認識機能を実現するための回路図である。
【0030】
図4に示すように、送信機23の接続用プラグ28には、複数(本実施形態では5つ)の端子が設けられている。「1」〜「4」の符号を付した4つの接続端子は、制御回路27と電源Vccに接続されている。また、接続用プラグ28のCOM端子は、グランドGNDに接続されている。
【0031】
一方、接続部24(第1〜第6接続部24a〜24f)には、送信機23の接続用プラグ28に設けた複数の端子と対応するように、これらの端子と電気的に接続される複数の端子(「1」〜「4」の符号を付した4つの接続端子とCOM端子)が設けられている。そして、本実施形態において接続部24(第1〜第6接続部24a〜24f)の「1」〜「4」の符号を付した4つの接続端子とCOM端子は、接続部24毎(第1〜第6接続部24a〜24f毎)に予め定めた異なる接続パターンによって接続されている。図4に示す接続部24(第1〜第6接続部24a〜24fの中の1つ)では、COM端子に対して符号「2」と符号「3」を付した接続端子が接続されている。なお、その他の接続部24については、例えば、COM端子に対して符号「1」と符号「2」を付した接続端子が接続されていたり、COM端子に対して符号「1」と符号「4」を付した接続端子が接続されていたりする。
【0032】
このような構成によって送信機23の制御回路27は、接続用プラグ28を接続部24(第1〜第6接続部24a〜24f)に接続した際、接続用プラグ28の4つの接続端子の短絡状態を検出することにより、何れの接続部24(第1〜第6接続部24a〜24f)に接続されているかを認識し得る。図4の場合、接続部24に対して接続用プラグ28を接続すると、符号「2」と符号「3」を付した接続端子同士が接続されるとともに、COM端子同士が接続されることになる。このため、図4の場合には、符号「1」と符号「4」を付した接続端子の信号レベルが電源Vccとなる一方、符号「2」と符号「3」を付した接続端子の信号レベルがグランドGNDとなる。したがって、制御回路27は、短絡状態を形成する接続パターンから第1〜第6接続部24a〜24fの何れに接続されているかを特定する。
【0033】
以下、本実施形態の自動倉庫1に設けられ、作業者が携帯可能な送信機23からの操作指令をもとにスタッカクレーン8の各個操作を制御する制御装置の制御内容を、図5にしたがって説明する。なお、本実施形態において制御装置は、選択部及び動作制御部を構成するクレーンコントローラ18と地上コントローラ19からなる。
【0034】
地上コントローラ19は、自動倉庫1の自動運転時において、自動運転を継続し得ないエラーが発生したか否かを常時、監視する。自動運転を継続し得ないエラーとは、例えば、スタッカクレーン8に装備され、荷棚5や荷受台6a〜6eに載置されている荷の荷姿(段ボール箱が開蓋されているなど)を検出する荷姿センサの検出結果から荷姿の異常が検出された場合に発生するエラーなどである。そして、地上コントローラ19は、エラーの発生に伴ってスタッカクレーン8の自動制御が不能になると、「クレーン自動操作」モードから「クレーン手動操作」モードへ切り替え、作業者による送信機23を使ったスタッカクレーン8の各個操作を許可する。なお、「クレーン手動操作」モードでは、作業者が地上コントローラ19を直接操作し、スタッカクレーン8を各個操作できるようにもなっている。
【0035】
次に、「クレーン手動操作」モードへ切り替えた地上コントローラ19は、クレーンコントローラ18からスタッカクレーン8の現位置に関する情報を受け取り、スタッカクレーン8の停止位置をもとに送信機23の操作を有効とする接続部24を選択する。このとき、本実施形態において地上コントローラ19は、送信機23の操作を有効とする接続部24として、スタッカクレーン8の停止位置に対して最寄りの接続部24を第1,第2接続部24a,24bを除く他の第3〜第6接続部24c〜24fの中から1つ選択する。そして、地上コントローラ19は、選択した接続部24については当該接続部24に接続された送信機23の操作を有効、すなわち送信機23からの操作指令を有効とするように設定する。一方、地上コントローラ19は、選択しなかった接続部24については当該接続部24に接続された送信機23の操作を無効、すなわち送信機23からの操作指令を無効とするように設定する。
【0036】
例えば、図2に示すように、スタッカクレーン8が荷受台6dから荷Wを受け取るべく荷受台6dで停止している際にエラーが発生した場合、地上コントローラ19は、送信機23の操作を有効とする接続部24として第5接続部24eを選択し、第5接続部24eに接続された送信機23の操作を有効とする。一方、地上コントローラ19は、選択しなかった第3接続部24c、第4接続部24d及び第6接続部24fについて、これらの第3,第4,第6接続部24c,24d,24fに接続された送信機23の操作を無効とする。なお、本実施形態において第1,第2接続部24a,24bに接続された送信機23については、スタッカクレーン8の停止位置に関係なく、「クレーン手動操作」モード時に常時、操作が有効とされるようになっている。
【0037】
そして、本実施形態では、図5に示すように、第1〜第6接続部24a〜24f毎に、送信機23が接続された際に当該送信機23の操作に基づきスタッカクレーン8を各個操作する場合の操作内容が定められている。具体的に言えば、第1,第2接続部24a,24bに送信機23が接続された場合は、スタッカクレーン8の停止位置に制限なく、送信機23から全ての各個操作が行え、走行操作、昇降操作及び移載操作の全てが「可」とされるようになっている。また、第3〜第6接続部24c〜24fに送信機23が接続された場合は、スタッカクレーン8の停止位置に応じて、送信機23から行える各個操作の操作内容に制限が掛けられるようになっている。具体的に言えば、第3〜第6接続部24c〜24fのうち、スタッカクレーン8の停止位置に対して最寄りの位置に存在し、地上コントローラ19によって送信機23の操作が有効とされた接続部24は、走行操作及び昇降操作が「不可」とされる一方で、移載操作のみが「可」とされるようになっている。また、第3〜第6接続部24c〜24fのうち、スタッカクレーン8の停止位置に対して最寄りの位置に存在せずに、地上コントローラ19によって送信機23の操作が無効とされた接続部24は、全ての各個操作(走行操作、昇降操作及び移載操作)が「不可」とされるようになっている。
【0038】
送信機23は、第1〜第6接続部24a〜24fに接続されると、前述した接続認識機能により接続認識を行い、接続された接続部24を特定可能な接続認識指令(接続認識信号)を地上コントローラ19に送信する。また、地上コントローラ19は、受信した接続認識指令から送信機23が接続された接続部24を特定し、その特定した接続部24が送信機23の操作を有効とする接続部24であるか否かを判定する。
【0039】
この判定結果が肯定の場合、すなわち送信機23の操作を有効とする接続部24からの接続認識指令を受信した場合、地上コントローラ19は、前記接続認識指令を送信した接続部24に対して「有効」である旨を指示する有効指令(有効信号)を送信する。一方、前記判定結果が否定の場合、すなわち送信機23の操作を無効とする接続部24からの接続認識指令を受信した場合、地上コントローラ19は、前記接続認識指令を送信した接続部24に対して「無効」である旨を指示する無効指令(無効信号)を送信する。この有効指令及び無効指令は、前記接続認識指令を送信した接続部24に接続されている送信機23によって受信され、送信機23は、接続した接続部24が有効であるか又は無効であるかを送信機23のディスプレイ25に表示させる。これにより、作業者に対し、送信機23からスタッカクレーン8の各個操作を行えるか否かを認識させることが可能となる。
【0040】
そして、地上コントローラ19は、送信機23の操作ボタン26a〜26fが操作されることに伴って送信される操作指令(操作信号)を受信すると、その操作指令が送信機23の操作を有効とした接続部24から送信されているか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、地上コントローラ19は、受信した操作指令が移載操作の指令であるか否かをさらに判定する。そして、この判定結果が肯定の場合、地上コントローラ19は、操作指令をもとにスタッカクレーン8に移載動作を行わせるように、クレーンコントローラ18に動作指令(差込動作又は引込動作を指示する動作信号)を送信する。前記動作指令を受信したクレーンコントローラ18は、フォーク用モータ17を駆動させ、フォーク装置14のフォークを動作させる。
【0041】
一方、地上コントローラ19は、受信した操作指令が移載操作の指令ではなく前記判定結果が否定の場合、受信した操作指令(走行操作又は昇降操作の指令)を無効とし、フォーク装置14のフォークを動作させない。すなわち、地上コントローラ19は、クレーンコントローラ18に対して動作指令を送信しない。また、地上コントローラ19は、操作指令が送信機23の操作を有効とした接続部24から送信されていない場合、無効とした接続部24から送信された操作指令(全ての各個操作に係る指令)を無効とし、スタッカクレーン8を動作させない。すなわち、地上コントローラ19は、クレーンコントローラ18に対して動作指令を送信しない。
【0042】
なお、クレーンコントローラ18は、第1,第2接続部24a,24bに接続された送信機23から操作指令を受信すると、その操作指令に基づきスタッカクレーン8を動作させる。すなわち、本実施形態では、第1,第2接続部24a,24bについては、送信機23の操作が全て有効とされている。このため、クレーンコントローラ18は、送信機23から、走行操作に係る操作指令を受信した場合にはスタッカクレーン8を走行動作させるとともに、昇降動作に係る操作指令を受信した場合にはスタッカクレーン8を昇降動作させる。また、クレーンコントローラ18は、送信機23から、移載操作に係る操作指令を受信した場合にはフォーク装置14のフォークを移載動作させる。
【0043】
次に、本実施形態の自動倉庫1の作用を説明する。
なお、以下の説明では、図2(a)に示すように、スタッカクレーン8が荷受台6dに載置された荷Wを受け取る際にエラーが発生し、「クレーン手動操作」モードへ切り替わった場合を例にする。
【0044】
この場合、地上コントローラ19は、クレーンコントローラ18からスタッカクレーン8の現位置に関する情報を受け取り、その情報をもとに送信機23の操作を有効とする接続部24として、スタッカクレーン8の停止位置に対し最寄りの第5接続部24eを選択する。そして、作業者が第5接続部24eに送信機23を接続した場合、送信機23は、前述した接続確認機能により、第5接続部24eに接続されたことを認識し、接続認識指令を地上コントローラ19に送信する。前記接続認識指令を受信した地上コントローラ19は、第5接続部24eに接続された送信機23に対して「有効」である旨を指示する有効指令を送信し、送信機23のディスプレイ25には「有効」である旨が表示される。なお、作業者が、第1,第2,第5接続部24a,24b,24e以外の接続部24(第3,第4,第6接続部24c,24d,24f)に送信機23を接続した場合、これらの接続部24に接続された送信機23には「無効」である旨が表示されるとともに、送信機23の操作が無効とされる。
【0045】
そして、作業者により、第5接続部24eに接続された送信機23の操作ボタン26e,26fが操作されると、これらの操作は有効とされているので、操作指令を受信した地上コントローラ19はクレーンコントローラ18に対して動作指令を送信する。この動作指令を受信したクレーンコントローラ18は、フォーク装置14のフォークを移載動作させるようにフォーク用モータ17を駆動させる。これにより、作業者が、エラーの発生時においてスタッカクレーン8の各個操作(移載操作)を、第5接続部24eに接続した送信機23から行わせることができる。一方、作業者により、第5接続部24eに接続された送信機23の操作ボタン26a〜26dが操作されると、これらの操作は無効とされているので、操作指令を受信した地上コントローラ19はクレーンコントローラ18に対して動作指令を送信しない。その結果、スタッカクレーン8は、走行動作及び昇降動作を行わない。すなわち、作業者は、第5接続部24eに接続した送信機23からスタッカクレーン8の走行操作と昇降操作を行えない。
【0046】
また、作業者が、第1,第2,第5接続部24a,24b,24e以外の接続部24(第3,第4,第6接続部24c,24d,24f)に送信機23を接続した場合、これらの接続部24に接続された送信機23の操作は無効とされる。このため、第3,第4,第6接続部24c,24d,24fに送信機23が接続されて操作されても、地上コントローラ19はクレーンコントローラ18に対して動作指令を送信しない。その結果、スタッカクレーン8は、各個操作に係る全ての動作を行わない。すなわち、作業者は、第3,第4,第6接続部24c,24d,24fに接続した送信機23からスタッカクレーン8の各個操作を行えない。
【0047】
また、作業者が、第1,第2接続部24a,24bに接続した場合、これらの接続部24に接続された送信機23の操作は有効とされる。このため、第1,第2接続部24a,24bに送信機23が接続されて操作された場合、クレーンコントローラ18はスタッカクレーン8を制御し、送信機23の操作指令に対応する動作を行わせる。
【0048】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)地上コントローラ19は、第3〜第6接続部24c〜24fのうち、スタッカクレーン8の停止位置に対して最寄りの接続部24を選択し、その選択した接続部24に接続された送信機23の操作を有効とするようにした。このため、スタッカクレーン8を各個操作させる場合に作業者が、他の送信機23との同時操作を回避し得る環境を送信機23の操作などによって作り出す必要がない。したがって、スタッカクレーン8の各個操作の作業効率を向上させることができる。
【0049】
(2)そして、最寄りの接続部24を選択することで、スタッカクレーン8を各個操作させる際に、スタッカクレーン8の状況や荷Wの状況を把握し易く、スタッカクレーン8などの自動倉庫1の設備や荷Wの破損を防止することができる。
【0050】
(3)地上コントローラ19は、選択した接続部24とスタッカクレーン8に配設した第1,第2接続部24a,24bを除く他の接続部24に接続された送信機23の操作を無効とするようにした。このため、スタッカクレーン8の状況や荷Wの状況を把握し易い位置での送信機23の操作を促すことができ、作業性を向上し得る。また、複数の送信機23からの同時操作を確実に防止し得る。
【0051】
(4)地上コントローラ19は、選択した接続部24に接続された送信機23の操作のうち、移載操作に係る操作のみを有効とし、その他の各個操作である走行操作や昇降操作に係る操作を無効とするようにした。すなわち、スタッカクレーン8の停止位置に対して最寄りの接続部24に接続した送信機23の操作を許容しつつも、その送信機23において操作可能な操作内容を移載操作のみに制限した。スタッカクレーン8に配設した第1,第2接続部24a,24bを除く他の接続部24に送信機23を接続して操作を行う操作環境は、第1,第2接続部24a,24bに送信機23を接続して操作を行う操作環境に比べて、自動倉庫1全体に対する視認性が低下している環境での作業となる。このため、最寄りの接続部24に接続された送信機23の操作内容を移載操作のみに制限することで、送信機23の操作に対してより高い安全性を実現し得る。
【0052】
(5)地上コントローラ19は、スタッカクレーン8に配設した第1,第2接続部24a,24bに接続された送信機23についてはスタッカクレーン8の各個操作に係る全ての操作を有効とするようにした。このため、最寄りの接続部24に接続した送信機23から各個操作を行った時に必要とする結果が得られなかった場合(エラーが解消しなかった場合)には、送信機23を第1,第2接続部24a,24bに接続し、スタッカクレーン8における全ての各個操作を許容した状態でスタッカクレーン8を各個操作させることができる。
【0053】
(6)なお、第1,第2接続部24a,24bに送信機23を接続してスタッカクレーン8を各個操作させる手法は、従前から行われている手法である。このため、本実施形態のようにスタッカクレーン8の停止位置に対して最寄りの接続部24を選択し、その選択した接続部24に接続した送信機23の操作を有効とする手法を新たに採用したとしても、従前と同様に第1,第2接続部24a,24bに接続した送信機23からの各個操作を行わせることができる。
【0054】
(7)スタッカクレーン8に配設した第1,第2接続部24a,24bを除く他の接続部24(第3〜第6接続部24c〜24f)は、自動倉庫1に設けられる複数の荷受台6a〜6e単位で配設した。自動運転中の自動倉庫1では、スタッカクレーン8が荷受台6a〜6eに停止している時にエラーが発生し易い。このため、荷受台6a〜6eに停止しているスタッカクレーン8の状況や荷Wの状況を把握し易い位置において、作業者に送信機23を操作させることができる。
【0055】
(8)そして、スタッカクレーン8を各個操作させる際には、安全柵21の開閉扉21aを開放させて自動倉庫1の軌道内部に侵入せずにスタッカクレーン8を操作することができる。
【0056】
(9)作業者が携帯可能な送信機23の操作によってスタッカクレーン8を各個操作させる形態を採用しているので、自動倉庫1に複数の地上コントローラ19を設置する必要がなく、自動倉庫1のコスト高を抑制することができる。
【0057】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、第3〜第6接続部24c〜24fは、対応する荷受台a〜eに直接設けても良い。
【0058】
○ 実施形態において、スタッカクレーン8に対しては1つの接続部24のみを設けても良い。
○ 実施形態において、自動倉庫1に配置する荷受台6a〜6eの数を増減させることにより、スタッカクレーン8以外の箇所に設ける接続部24の数を増減させても良い。すなわち、接続部24は、少なくとも2以上設ければ良い。
【0059】
○ 実施形態において、スタッカクレーン8以外の箇所に設ける接続部24の配置を変更しても良い。すなわち、接続部24に接続した送信機23を操作する作業者からスタッカクレーン8を目視可能であれば、接続部24を、荷受台6a〜6eから離間した位置に配置しても良い。
【0060】
○ 実施形態において、地上コントローラ19は、スタッカクレーン8が走行する走行レール7の延長線上に配置され、通路内を見渡せるようになっているため、最寄りの接続部24に加えて第3接続部24cに接続された送信機23の操作を有効とするようにしても良い。この場合、スタッカクレーン8に撮影装置(カメラ)が搭載されていれば、第3接続部24cに送信機23を接続しても、ディスプレイ20aに表示されるスタッカクレーン8周辺の画像を参照しつつ、スタッカクレーン8を各個操作させることができる。また、第3接続部24cに接続された送信機23からは、全ての操作を行えるようにしても良い。
【0061】
○ 実施形態において、送信機23の制御回路27が操作指令を送信するか否かを制御するようにしても良い。すなわち、制御回路27は、送信機23の操作が有効とされる接続部24に接続された送信機23からは操作指令を送信し、送信機23の操作が無効とされる接続部24に接続された送信機23からは送信指令を送信しない。
【0062】
○ 実施形態において、送信機23の操作が有効とされる接続部24に接続された送信機23の操作内容を変更しても良い。例えば、移載操作に加えて昇降操作を行えるようにしても良い。
【0063】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記動作制御部は、前記自動倉庫の自動運転を継続し得ないエラー発生時に前記最寄りの接続部を選択することを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の自動倉庫の制御装置。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】自動倉庫の概略を示す斜視図。
【図2】(a)は自動倉庫の概略を示す模式図、(b)は送信機を示す模式図。
【図3】自動倉庫の電気的構成を示すブロック図。
【図4】接続認識機能を実現するために接続部及び送信機に装備した回路構成を示す回路図。
【図5】接続部と、スタッカクレーンの停止位置と、各個操作の操作内容を対応付けた説明図。
【符号の説明】
【0065】
1…自動倉庫、5…荷棚、6a〜6e…荷受台、7…走行レール、14…フォーク装置、18…クレーンコントローラ、19…地上コントローラ、23…送信機、24…接続部、24a〜24f…第1〜第6接続部、W…荷。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷移載装置を有する移動体の走行路に沿って荷を収容可能な複数の荷棚が構築された自動倉庫に設けられ、作業者が携帯可能な操作手段の操作に基づき前記移動体の各個操作を制御する自動倉庫の制御装置において、
前記自動倉庫には前記操作手段を接続する複数の接続部が設けられているとともに、前記複数の接続部は前記移動体に配設した接続部と前記移動体を除く他の部位に配設した少なくとも2以上の接続部とからなり、
前記移動体の停止位置をもとに当該停止位置に対して最寄りの接続部を前記移動体に配設した接続部を除く他の接続部の中から選択する選択部と、
前記選択部が選択した接続部に接続された操作手段の操作を有効とし、前記移動体を動作させる動作制御部と、を備えたことを特徴とする自動倉庫の制御装置。
【請求項2】
前記動作制御部は、前記選択部が選択した接続部と前記移動体に配設した接続部を除く他の接続部に接続された前記操作手段の操作を無効とすることを特徴とする請求項1に記載の自動倉庫の制御装置。
【請求項3】
前記移動体の各個操作は、前記移動体を前記走行路に沿って走行させる走行操作と、前記荷移載装置を昇降させる昇降操作と、前記荷移載装置に移載動作させる移載操作とからなり、
前記動作制御部は、前記選択部が選択した接続部に接続された前記操作手段の操作のうち、前記移動体の移載操作に係る操作のみを有効とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動倉庫の制御装置。
【請求項4】
前記移動体の各個操作は、前記移動体を前記走行路に沿って走行させる走行操作と、前記荷移載装置を昇降させる昇降操作と、前記荷移載装置に移載動作させる移載操作とからなり、
前記動作制御部は、前記移動体に配設した接続部に接続された前記操作手段については前記移動体の各個操作に係る全ての操作を有効とすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の自動倉庫の制御装置。
【請求項5】
前記自動倉庫には、当該自動倉庫に入庫する荷及び前記自動倉庫から出庫する荷を載置する複数の荷受台が設けられており、
前記移動体に配設した接続部を除く他の接続部は、前記荷受台単位で配設されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の自動倉庫の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−57160(P2009−57160A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226233(P2007−226233)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】