説明

自動変速機の制御装置

【課題】シフトレバーがDレンジのまま停車した場合に、その後の車両の発進性を向上した自動変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】シフトレバーがDレンジの状態で停車し、前進クラッチを解放状態にする場合に、プライマリプーリ回転数センサによってパルスを検出できない時は、前進クラッチの指示油圧の下限値を第1所定油圧に制限し(S212)、前進クラッチが解放状態から締結状態へ切り換わる油圧が第1所定油圧よりも低いと判定された場合には、前進クラッチを解放状態にする際の指示油圧の下限値を第1所定油圧よりも低い第2所定油圧に更新する(S213)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動変速機の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ベルト式無段変速機においては、車両の停止時に例えば前進クラッチを解放し、エンジンの回転速度をアイドル時の回転速度に制御することで、燃費を向上させるものが知られている。
【0003】
特許文献1においては、車両停止し、クラッチが解放された時に、例えばドライブシャフトの捩り変形分の戻りによって生じるプライマリプーリの回転をパルスセンサによって検出する。これにより、例えば前進クラッチが解放されたことを検知し、この時の油圧を学習することで、上記制御を正確に行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−133881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の発明では、プライマリプーリの回転を検出するパルスセンサの異常によりパルスが検出されない場合には、例えば前進クラッチに供給されている油圧が下がり過ぎてしまう。そのため、その後、アクセルペダルが踏み込まれて車両を発進させる時に、前進クラッチが締結する油圧まで油圧を高くするための時間が長くなり、車両の発進性が悪くなるといった問題点がある。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するために発明されたもので、車両の発進性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様に係る自動変速機の制御装置は、シフトレバーが走行レンジとなっており、かつ車両が停車状態である場合に、油圧が給排されることで締結または解放する摩擦締結要素が締結状態から解放状態へ変化するように摩擦締結要素へ供給される油圧を低下させる油圧制御手段と、摩擦締結要素が締結状態から解放状態へ変化したことを検出する解放状態検出手段と、解放状態検出手段によって摩擦締結要素が締結状態から解放状態へ変化したことが検出された時の摩擦締結要素に作用する油圧に基づいて、摩擦締結要素が解放状態から締結状態へと切り換わる油圧を推定する油圧推定手段と、を備え、摩擦締結要素が解放状態から締結状態へと切り換わる油圧を学習する自動変速機の制御装置において、油圧制御手段によって摩擦締結要素へ供給される油圧を第1所定油圧まで低下させたときに解放状態検出手段によって摩擦締結要素が締結状態から解放状態へ変化したことを検出できない場合は、油圧制御手段によって低下される油圧の下限値を第1所定油圧に制限する油圧制限手段と、摩擦締結要素が解放状態から締結状態へ切り換わる油圧が第1所定油圧よりも低い油圧であると判定された場合に、摩擦締結要素に供給されている油圧の下限値を第1所定油圧よりも低い第2所定油圧に更新する油圧更新手段と、を備える。
【0008】
この態様によれば、シフトレバーが走行レンジとなった状態で車両が停止している時に、例えば前進クラッチの供給油圧が下がり過ぎるのを防止し、次回の発進をスムーズに行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、車両の発進性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態におけるVベルト式無段変速機の概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態におけるクラッチ圧調整装置の概略構成図である。
【図3】本発明の実施形態のDレンジ変更制御を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態のクラッチ締結油圧学習制御を示すフローチャートである。
【図5】シフトレバーがNレンジからDレンジへ変更された場合の前進クラッチの油圧変化を示すタイムチャートである。
【図6】クラッチ締結油圧学習制御を説明するためのタイムチャートである。
【図7】クラッチ締結油圧学習制御を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について図1を用いて説明する。図1はVベルト式無段変速機の概略構成図を示す。
【0012】
図1において、無段変速機は、エンジン1に連結された前後進切り換え機構4と、前後進切り換え機構4の出力軸に連結された無段変速機5を主体に構成され、無段変速機5は、一対の可変プーリとして入力軸側のプライマリプーリ10と、出力軸13に連結されたセカンダリプーリ11とを備え、これら一対の可変プーリ10、11はVベルト12によって連結されている。なお、出力軸13はアイドラギアやディファレンシャルギアを介して駆動輪14に連結される。また、前後進切り換え機構4の入力側と、エンジン1との間には、トルクコンバータなどの発進要素(図示せず)が介装される。
【0013】
前後進切り換え機構4は、エンジン1側とプライマリプーリ10との動力伝達経路を切り換える遊星歯車40、前進クラッチ41及び後退クラッチ42から構成され、車両の前進時には前進クラッチ41を締結し、車両の後退時には後退クラッチ42を締結し、中立位置(ニュートラルやパーキング)では前進クラッチ41及び後退クラッチ42を共に解放する。
【0014】
これら前進クラッチ41、後退クラッチ42は、コントロールユニット20からの指令に応じて前進クラッチ41と後退クラッチ42に所定油圧の作動油を供給するクラッチ圧調整装置30によって締結状態の制御が行われる。
【0015】
なお、クラッチ圧調整装置30は、油圧ポンプ15からの油圧を元圧として前進クラッチ41及び後退クラッチ42への供給油圧を調整する。また、油圧ポンプ15は、前後進切り換え機構4の入力側などに連結されてエンジン1に駆動される。
【0016】
コントロールユニット20は、CPU、ROM、RAMなどによって構成され、CPUがROMに格納されたプログラムを読み込みことで、油圧制御などが実行される。
【0017】
コントロールユニット20は、車速センサ21からの車速信号、シフトレバー17に応動するインヒビタスイッチ22からのレンジ信号、エンジン1(またはエンジン制御装置)からのエンジン回転速度信号、プライマリプーリ回転数センサ23からのプライマリプーリ10の回転数等の運転状態及び運転操作に基づいて、油圧指令値を決定してクラッチ圧調整装置30へ指令する。なお、インヒビタスイッチ22は、前進(Dレンジ)、中立位置=ニュートラル(Nレンジ)、後退(Rレンジ)のいずれか一つを選択する例を示す。
【0018】
クラッチ圧調整装置30は、この油圧指令値に応じて前進クラッチ41及び後退クラッチ42への供給油圧を調整して前進クラッチ41と後退クラッチ42の締結または解放を行う。
【0019】
これら前進クラッチ41及び後退クラッチ42の締結は排他的に行われ、前進時(レンジ信号=Dレンジ)では、前進クラッチ圧を供給して前進クラッチ41を締結させる一方、後退クラッチ圧をドレンに接続して後退クラッチ42を解放する。後退時(レンジ信号=Rレンジ)では、前進クラッチ圧をドレンに接続して前進クラッチ41を解放させる一方、後退クラッチ圧を供給して後退クラッチ42を締結させる。また、中立位置(レンジ信号=Nレンジ)では、前進クラッチ圧と後退クラッチ圧をドレンに接続し、前進クラッチ41及び後退クラッチ42を共に解放させる。
【0020】
図2は、クラッチ圧調整装置30の構成を示す図である。クラッチ圧調整装置30は、油圧ポンプ15から供給される作動油の油圧を所定の油圧の元圧へ調圧するレギュレータ弁31と、レギュレータ弁31からの作動油を下流側に元圧のまま供給する場合と、圧力制御弁32を介して減圧して供給する場合とを選択するコントロールバルブ33と、コントロールバルブ33からの作動油を前進クラッチ41または後進クラッチ42へ、シフトレバー17の操作に応動して選択的に切り換えられるマニュアルバルブ34とから構成される。圧力制御弁32とコントロールバルブ33は、コントロールユニット20からの指示信号により制御される。
【0021】
なお、無段変速機5の変速比やVベルトの接触摩擦力は、コントロールユニット20からの指令に応動する油圧コントロールユニット(図示せず)によって制御される。
【0022】
プライマリプーリ10の回転数を検出するプライマリプーリ回転数センサ23は、プライマリプーリ10に取り付けられた出力ギヤ(不図示)に対面し、出力ギアの外周には等間隔で歯が形成されている。このため、プライマリプーリ回転数センサ23で検出される出力波形は、一定車速では等ピッチのパルス状となる。つまり、プライマリプーリ回転数センサ23は、プライマリプーリ10の回転と同期したパルス信号を出力するパルスセンサで構成される。
【0023】
このように構成されたVベルト式無段変速機では、前進クラッチ41または後退クラッチ42の回転数を検出するセンサを設けておらず、検出したクラッチ回転数の変化に基づいてニュートラル状態を検出することができない。
【0024】
本実施形態は、プライマリプーリ10の回転数を検出するプライマリプーリ回転数センサ23のパルス信号を用いてニュートラル状態、つまり前進クラッチ41または後退クラッチ42が解放状態にあることを検出する。具体的には例えば、前進クラッチ41がトルク伝達を行っている状態から減圧して所定のトルク容量となったときに、前進クラッチ41の被締結部材側(例えば、ドライブシャフト)に伝達トルクによる捩り変形分の戻りが生じ、プライマリプーリ回転数センサ23がこれを検出し、パルス信号をコントロールユニット20に出力する。なお、ドライブシャフトが捩れ及び捩れ分の戻りを生じても駆動輪14が回転することはない。
【0025】
前後進切り換え機構4は、油圧系や前進クラッチ41、後退クラッチ42の部品精度などのばらつきによって、例えば前進クラッチ41の指示油圧に対して実際の供給油圧にばらつきが生じる場合がある。例えば前進クラッチ41を解放する場合には、指示油圧に対する供給油圧が基準油圧よりも小さい前後進切り換え機構4では、通常よりも早いタイミングで前進クラッチ41が解放される。
【0026】
なお、上記するばらつきについては、指示油圧に対する供給油圧が基準油圧よりも大きい場合もある。以下において指示油圧に対する供給油圧が基準油圧よりも大きい側にばらついていることを上限側とし、基準油圧よりも小さい側にばらついていることを下限側とする。
【0027】
コントロールユニット20は、入力されたパルス信号に基づいて、前進クラッチ41および後退クラッチ42がトルクの伝達を開始する油圧であるクラッチ締結油圧を学習する。
【0028】
シフトレバー17が走行レンジ、例えばDレンジ、Rレンジとなっており、かつ車両が停車している場合には、前後進切り換え機構4は、例えば前進クラッチ41または後退クラッチ42を締結状態から解放状態にすることで、燃費を向上させることができる。このとき例えば前進クラッチ41は、前進クラッチ41への供給油圧を大きく低下させるのではなく、締結状態となる寸前の解放状態に対応する供給油圧まで低下させることが望ましい。これにより、アクセルペダルが踏み込まれた際に素早く前進クラッチ41を締結させて、車両の発進性を良くすることができる。以下においては、前進クラッチ41、後退クラッチ42が締結する寸前の解放状態を単に解放状態とし、締結する寸前の解放状態となる油圧よりも油圧を低くして前進クラッチ41、後退クラッチ42を解放した状態を完全解放状態として説明する。
【0029】
次に、本実施形態におけるDレンジ変更制御について図3のフローチャートを用いて説明する。ここではシフトレバー17がNレンジとなっており、車両が停止しているものとする。以下では、前進クラッチ41について説明を行うが、後退クラッチ42についても同様の制御を行う。
【0030】
ステップS100では、シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更されたかどうか判定する。シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更された場合にはステップS101へ進む。
【0031】
ステップS101では、前進クラッチ41の締結制御を開始する。ここでは前進クラッチ41の指示油圧を徐々に高くする。これに伴い、前進クラッチ41の供給油圧が徐々に高くなる。なお、前進クラッチ41の指示油圧は、予め設定されたプログラムに基づいて制御されている。また、前進クラッチ41の締結油圧が詳しくは後述する図4に示すフローチャートによって学習されている場合には、学習した前進クラッチ41の締結油圧に基づいて、前進クラッチ41の指示油圧は新たに設定され、設定された指示油圧に基づいて制御される。なお、複数のマップを用意しておき、そのマップに基づいて制御してもよい。
【0032】
ステップS102では、タイマーを起動させて、シフトレバー17がDレンジへ変更されてからの時間をカウントする。
【0033】
ステップS103では、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルスが検出されたかどうか判定する。パルスが検出された場合にはステップS104へ進む。一方、パルスが検出されない場合には、ステップS102へ戻り、タイマーのカウントをアップさせる。前進クラッチ41が締結を開始すると、エンジン1で発生した回転がプライマリプーリ10に伝達されるために、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルスが検出される。
【0034】
ステップS104では、シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更されてプライマリプーリ回転数センサ23がパルスを検出した回数をカウントする。
【0035】
ステップS105では、パルスを検出した回数と所定回数とを比較する。パルスを検出した回数が所定回数以上である場合にはステップS106へ進む。一方、パルスを検出した回数が所定回数よりも小さい場合にはステップS100へ戻り、シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更されてプライマリプーリ回転数センサ23がパルスを検出する回数をカウントする。所定回数は予め設定された値であり、パルスの誤検出を考慮して、シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更されてからプライマリプーリ回転数センサ23がパルスを検出するまでの時間の信頼性を確保できると判断できる値である(ステップS105が摩擦締結要素締結検出手段を構成する)。
【0036】
ステップS106では、第1時間と基準値とを比較する。第1時間は、今回の制御から直近5回における本制御において、シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更されてからプライマリプーリ回転数センサ23がパルスを検出するまでの時間の平均値である。基準値は、予め設定された時間であり、前進クラッチ41が締結するときに基準油圧となる時間である。前進クラッチ41は供給油圧が基準油圧となった時に締結を開始するように設計されている。第1時間が基準値よりも短い場合には、シフトレバー17がDレンジへ変更されてから前進クラッチ41が締結するまでの時間が短いことを意味しており、前後進切り換え機構4が上限側にばらついたユニットであることを示している。第1時間が基準値よりも小さい場合には、前後進切り換え機構4が上限側にばらついたユニットであると判定してステップS107へ進む。一方、第1時間が基準値以上である場合には、前後進切り換え機構4が上限側にばらついたユニットではないと判定して、本制御を終了する。なお、第1時間は、直近5回における平均値に限られることはない(ステップS106が判定手段を構成する)。
【0037】
本実施形態においては、指示油圧に対する実際の供給油圧が上限側にばらついているか、下限側にばらついているかを、シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更されてからプライマリプーリ回転数センサ23がパルスを検出するまでの時間を基準にして判定している。これは以下の理由による。
【0038】
前進クラッチ41が完全に解放している状態から締結させる場合に、締結動作の初期と後期とを比較すると、指示油圧と実際の供給油圧との乖離は前進クラッチ41のガタに起因して締結動作の初期では、後期と比較して大きくなる。そのため、前進クラッチ41が締結を開始した時点の指示油圧で判定を行うと、誤判定を行う可能性が高くなる。例えば、仮に指示油圧として締結が完了する最大油圧に設定した場合に、実際の供給油圧は徐々に上昇を始め、供給油圧が所定の締結開始油圧となった時に前進クラッチ41は締結を開始し、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルスが検出される。このパルスを検出した時の指示油圧は最大油圧となっているので、常に下限側にばらついていると判断されることになり、指示油圧に対する実際の供給油圧のばらつきを正確に判定するができない。つまり、指示油圧と実際の供給油圧とには乖離があるため、指示油圧に対する実際の供給油圧のばらつきを指示油圧に基づいて判定しようとしても正確に判定できないのである。そのため、本実施形態では、パルスが検出されるまでの第1時間と基準値とを比較することで、指示油圧に対する実際の供給油圧が上限側にばらついているか、下限側にばらついているかを正確に判定する。
【0039】
ステップS107では、前進クラッチ41の締結油圧学習禁止を解除する。
【0040】
ステップS108では、後述する図4に示すクラッチ締結油圧学習制御によって前進クラッチ41の締結油圧を学習しているかどうか判定する。前進クラッチ41の締結油圧を学習している場合にはステップS109へ進む。一方、前進クラッチ41の締結油圧を学習していない場合にはステップS110へ進む。
【0041】
ステップS109では、本制御における判定と詳しくは後述するクラッチ締結油圧学習制御における判定とが異なる、または前進クラッチ41の締結油圧を学習しているが、その値が間違っているので、現在の前進クラッチ41の締結油圧の学習値をクリアし、学習制御を禁止する。
【0042】
ステップS110では、シフトレバー17がDレンジへ変更されてからの時間のカウントしているタイマーをリセットする。
【0043】
次に本実施形態のシフトレバー17が走行レンジにある場合のクラッチ締結油圧学習制御について図4のフローチャートを用いて説明する。ここでは、シフトレバー17がDレンジとなったまま、車両が停止し、前進クラッチ41の解放制御を開始するものとする。
【0044】
ステップS200では、前進クラッチ41への指示油圧を現在の指示油圧から所定量低下させる。所定量は、予め定められた油圧の低下量である。これに伴い前進クラッチ41の実際の供給油圧も低下する(ステップS200が油圧制御手段を構成する)。
【0045】
ステップS201では、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルス信号が検出されたかどうか判定する。プライマリプーリ回転数センサ23によってパルス信号が検出された場合にはステップS202へ進み、検出されなかった場合にはステップS209へ進む(ステップS201が解放状態検出手段を構成する)。
【0046】
ステップS202では、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルス信号が検出された時の前進クラッチ41の指示油圧に対する供給油圧が基準油圧よりも小さい場合には、前後進切り換え機構4が下限側のユニットであると判定し、ステップS203へ進む。一方、前進クラッチ41の指示油圧に対する供給油圧が、基準油圧以上である場合には前後進切り換え機構4が上限側のユニットであると判定し、ステップS207へ進む。
【0047】
ステップS203では、図3を用いて説明したDレンジ変更制御において、前後進切り換え機構4が上限側のユニットであると判定されているかどうか検出する。Dレンジ変更制御で、前後進切り換え機構4が上限側のユニットであると判定されている場合にはステップS204へ進む。一方、前後進切り換え機構4が上限側のユニットではないと判定されている場合にはステップS205へ進む。
【0048】
ステップS204では、本制御におけるばらつき判定の結果と、Dレンジ変更制御におけるばらつき判定の結果とが異なるので、現在学習している前進クラッチ41の締結油圧をクリアし、前進クラッチ41の締結油圧学習を禁止する(ステップS204が学習禁止手段を構成する)。
【0049】
ステップS203において前後進切り換え機構4が上限側のユニットではないと判定されると、ステップS205において、現在の指示油圧を前進クラッチ41が締結状態から解放状態へ切り替わる油圧、言い換えると前進クラッチ41が解放状態から締結状態へ変化を開始する油圧であると判定し、現在の指示油圧を前進クラッチ41の締結油圧として推定し、学習する(ステップS205が油圧推定手段を構成する)。
【0050】
前進クラッチ41の締結油圧を、前進クラッチ41が締結状態から解放状態へと変更される本制御で学習させるのは、以下の理由による。
【0051】
シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更された場合に、コントロールユニット20がシフトレバー17がDレンジとなったことを検知する前の状態、つまり現在Dレンジであることが表示されていない状態で、前進クラッチ41に油圧が供給されて車両が発進すると運転者に違和感を与える。そのため、Dレンジ信号がコントロールユニット20に入力される前に前進クラッチ41に油圧が供給されないように自動変速機は構成されている。具体的には、本実施形態ではインヒビタスイッチ22がDレンジ信号を出力する領域を、マニュアルバルブ34がDレンジ位置に切り換わる領域よりも広くしている。
【0052】
このように構成されている自動変速機においては、運転者がシフトレバー17をゆっくりとNレンジからDレンジに移動させると、インヒビタスイッチ22がDレンジ信号を出力する時点から、マニュアルバルブ34がDレンジ位置に移動して前進クラッチ41に実際に油圧が供給される時点までの時間が長くなってしまう。そのため、前進クラッチ41の供給油圧が増加して前進クラッチ41が完全解放状態から解放状態を経て締結状態へ変化したことを検出したときの経過時間が予め設定されている基準値よりも長かった場合、その原因が指示油圧に対して供給油圧が低い側、すなわち下限側にばらついたユニットであることに起因するのか、それとも運転者がシフトレバー17をゆっくり動かしたことに起因するのか、を区別できない。
【0053】
したがって、本実施形態では、前進クラッチ41を締結状態から解放状態に変化した時の油圧を前進クラッチ41の締結油圧として推定し、学習する。
【0054】
ステップS206では、Dレンジ変更制御のタイマー値をクリアする。ステップS206へ進む場合には、ステップS205によって前進クラッチ41の締結油圧を学習している。そのため、この後のDレンジ変更制御においては、学習した前進クラッチ41の締結油圧に基づいて、前進クラッチ41の締結制御が行われる。そして、図3に示すステップS106では、Dレンジ変更制御の直近5回における平均値を第1時間として算出している。そのため、本制御で前進クラッチ41の締結油圧を学習する前のDレンジ変更制御のタイマー値をクリアしなければ、次回のDレンジ変更制御以降のステップS106で正確な判定ができない。そのため、ステップS206ではDレンジ変更制御のタイマー値をクリアする。
【0055】
ステップS202において、パルス信号が検出された時の前進クラッチ41の指示油圧に対する供給油圧が基準油圧以上である場合には、ステップS207において、現在の指示油圧を前進クラッチ41の締結油圧として学習する。
【0056】
ステップS208では、Dレンジ変更制御のタイマー値をクリアする。
【0057】
ステップS201において、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルスが検出されなかった場合には、ステップS209において、現在の指示油圧がリミッタ以下であるかどうか判定する。リミッタはまず第1所定油圧に設定されている。そして、詳しくは後述するようにリミッタが更新された場合には、リミッタは第1所定油圧よりも小さい値である第2所定油圧に設定されている。第1所定油圧は、予め設定された油圧であり、供給油圧が基準油圧となる時の指示油圧である。つまり、指示油圧が第1所定油圧となると、供給油圧は基準油圧となるように設計されている。第2所定油圧は、予め設定された油圧であり、この第2所定油圧となっても前進クラッチ41が解放状態へと変化したことを検出できないときに前進クラッチ41の異常と判断できる油圧である。現在の指示油圧がリミッタ以下である場合には、ステップS210へ進む。一方、現在の指示油圧がリミッタよりも大きい場合には、ステップS200へ戻り、指示油圧を所定量低下させて、上記制御を繰り返す。
【0058】
プライマリプーリ回転数センサ23によってパルスが検出されない場合には、前進クラッチ41の指示油圧は、リミッタに到達するまで徐々に下がっていく。そして、リミッタに到達してもパルスが検出されない場合には、ステップS210へ進む。
【0059】
ステップS210では、前進クラッチ41の締結油圧学習を禁止する。
【0060】
ステップS211では、リミッタが第1所定油圧から第2所定油圧へ更新されているかどうか判定する。リミッタが更新されていない場合にはステップS212へ進む。一方、リミッタが更新されている場合には、本制御を終了する。リミッタが第2所定油圧へ更新され、指示油圧が第2所定油圧となってもパルスが検出されない場合には、指示油圧は第2所定油圧に制限される。
【0061】
ステップS212では、Dレンジ変更制御において、前後進切り換え機構4が上限側のユニットであると判定されているかどうか検出する。Dレンジ変更制御で、前後進切り換え機構4が上限側のユニットであると判定されている場合にはステップS213へ進む。一方、前後進切り換え機構4が上限側のユニットではないと判定されている場合には本制御を終了する。前後進切り換え機構4が上限側のユニットではないと判定されている場合には、前進クラッチ41の指示油圧は第1所定油圧に制限される(ステップS212が油圧制限手段を構成する)。
【0062】
ステップS213では、リミッタを第2所定油圧に更新する。前後進切り換え機構4が上限側にばらついたユニットである場合には、前進クラッチ41の供給油圧は基準油圧に対して高くなっている。そのため、前進クラッチ41の指示油圧が第1所定油圧となっていても、供給油圧は基準油圧よりも高くなっている場合がある。そのため、本実施形態では、ステップS212において前後進切り換え機構4が上限側にばらついたユニットであると判定されている場合に限り、リミッタを第2所定油圧に設定し、前進クラッチ41の供給油圧をさらに低下させる(ステップS213が油圧更新手段を構成する)。
【0063】
ステップS214では、前進クラッチ41の締結油圧学習禁止を解除する。この後ステップS200へ戻り、上記制御を繰り返す。
【0064】
以上の制御により、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルスが検出されない場合には、前進クラッチ41の指示油圧を第1所定油圧に制限することで、前進クラッチ41の供給油圧が下がり過ぎることを防止する。
【0065】
また、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルスが検出されない場合でも、前後進切り換え機構4が上限側のユニットであると判定されている場合には、指示油圧を第2所定油圧まで下げて、前進クラッチ41の締結油圧学習を行う。なお、指示油圧を第2所定油圧まで下げても、パルスが検出されない場合には、指示油圧を第2所定油圧に制限することで、前進クラッチ41の供給油圧が下がり過ぎることを防止する。
【0066】
次に車両が制動状態(ブレーキONかつアクセルOFF)でシフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更された際の前進クラッチ41の油圧変化について図5のタイムチャートを用いて説明する。
【0067】
時間t0において、シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更されると、前進クラッチ41への指示油圧は、予め設定された第3所定油圧に設定される。第3所定油圧は、前進クラッチ41の遊びをなくすための油圧である。また、シフトレバー17がDレンジへ変更されてからの時間をカウントするタイマーを起動させる。
【0068】
時間t1において、前進クラッチ41への指示油圧は、第3所定油圧よりも低い油圧に設定され、その油圧から徐々に指示油圧を高くする。これに伴い、前進クラッチ41の供給油圧も徐々に高くなり、前進クラッチ41は完全解放状態から解放状態へ移行する。
【0069】
時間t2において、前進クラッチ41がトルク伝達を開始するトルク容量となり、前進クラッチ41の非締結部材側に微小の捩りトルクが伝達され、非締結部材(例えば、ドライブシャフト)が捩れ、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルスが検出される。
【0070】
時間t3において、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルスが検出されると、第1時間を算出し、基準値と比較する。第1時間が基準値よりも小さい場合には、前後進切り換え機構4が上限側にばらついたユニットであると判定される。
【0071】
時間t4において、前進クラッチ41が締結すると、指示油圧を予め設定された油圧まで高くして前進クラッチ41の締結制御を終了する。
【0072】
次に、クラッチ締結油圧学習制御について図6のタイムチャートを用いて説明する。なお、ここでは前進クラッチ41の締結油圧を学習する場合について説明する。
【0073】
時間t0において、シフトレバー17がDレンジであり、車両が停止していると判定されると、前進クラッチ41の指示油圧を徐々に低下させる。
【0074】
時間t1において、前進クラッチ41が解放状態となり、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルスが検出されると、現在の指示油圧を前進クラッチ41の締結油圧として学習する。
【0075】
時間t2において、前進クラッチ41の締結油圧の学習が終了すると、前進クラッチ41の指示油圧を上昇させて、前進クラッチ41を締結させる。
【0076】
次に、クラッチ締結油圧学習制御において、リミッタを更新して前進クラッチ41の締結油圧を学習する場合について、図7のタイムチャートを用いて説明する。なお、ここでは前進クラッチ41の締結油圧を学習する場合について説明する。また、Dレンジ変更制御で、前後進切り換え機構4が上限側にばらついたユニットであると判定されているものとする。
【0077】
時間t0において、シフトレバー17がDレンジであり、車両が停止していると判定されると、前進クラッチ41の指示油圧を徐々に低下させる。
【0078】
前進クラッチ41の指示油圧が、リミッタとして設定された第1所定油圧となっても、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルスが検出されない場合には、時間t1においてリミッタを第2所定油圧に更新し、前進クラッチ41の指示油圧を更に低下させる。
【0079】
時間t2において、前進クラッチ41が解放状態となり、プライマリプーリ回転数センサ23によってパルスが検出されると、現在の指示油圧を前進クラッチ41の締結油圧として学習する。
【0080】
時間t3において、前進クラッチ41の締結油圧の学習が終了すると、前進クラッチ41の指示油圧を上昇させて、前進クラッチ41を締結させる。
【0081】
本実施形態では、プライマリプーリ回転数センサ23が出力するパルス信号を検出することによって前進クラッチ41が解放状態から締結状態に変化したことを検出するものを示したが、これに限定されるものではなく、例えばタービン回転数センサの出力値が所定量減少したことをもって前進クラッチ41が解放状態から締結状態に変化したことを検出するものであってもよく、前進クラッチ41が解放状態から締結状態に変化したことを検出できるものであればよい。
【0082】
同様に、本実施形態では、プライマリプーリ回転数センサ23が出力するパルス信号を検出することによって前進クラッチ41が締結状態から解放状態に変化したことを検出するものを示したが、これに限定されるものではなく、例えばタービン回転数センサの出力値が所定量増加したことをもって前進クラッチ41が締結状態から解放状態に変化したことを検出するものであってもよく、前進クラッチ41が締結状態から解放状態に変化したことを検出できるものであればよい。
【0083】
本実施形態では、シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更された時点から前進クラッチ41が締結状態へ変化したことが検出された時点までの経過時間に基づいて、上限側にばらついたユニットであることを判断するものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、前進クラッチ41を締結状態から解放状態に変化させたときに基準油圧よりも高い油圧ではパルスを検出できなかったことが複数回連続したことをもって、上限側にばらついたユニットであることを判断するものであってもよい。
【0084】
本実施形態では、無段変速機における制御について示したが、これに限定されるものではなく、複数の摩擦締結要素を切り換えることで複数の変速段を得る自動変速機であっても適用可能である。
【0085】
本発明の実施形態の効果について説明する。
【0086】
シフトレバー17がDレンジであり、かつ車両が停車している場合に、前進クラッチ41の指示油圧が第1所定油圧よりも低くならないように前進クラッチ41の指示油圧を制限する。これによって、例えばプライマリプーリ回転数センサ23の異常によってパルスを検出できない場合でも、前進クラッチ41の油圧が下がり過ぎることがなく、前進クラッチ41が完全解放状態となることを防ぐことができる。これにより、例えばアクセルペダルが踏み込まれた時の発進性を向上し、また登り坂に停車していた場合に、前進クラッチ41が締結するまでの間に車両が自重により後方へ動くことを防止することができる(請求項1に対応)。
【0087】
また、前後進切り換え機構4が上限側のユニットであると判定されている場合には、前進クラッチ41の指示油圧の下限値を、第1所定油圧よりも低い第2所定油圧に更新する。これにより、前後進切り換え機構4が上限側のユニットである場合には、前進クラッチ41の指示油圧をさらに低くし、プライマリプーリ回転数センサ23によるパルス検出を行うことができ、前進クラッチ41が締結状態から解放状態へ変わる前進クラッチ41の締結供給油圧を学習することができる(請求項1に対応)。
【0088】
シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更された時に前進クラッチ41が上限側にばらついたユニットであると判定されていた場合にのみ、シフトレバー17がDレンジであり、かつ車両が停車している場合の前進クラッチ41の指示油圧の下限値を、第1所定油圧よりも低い第2所定油圧に更新する。つまり、シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更された時に、前進クラッチ41が解放状態から締結状態へと切り換わる油圧が、第1所定油圧よりも低いと判断されていない場合には、前進クラッチ41の指示油圧の下限値は、第1所定油圧に制限されている。そのため、シフトレバー17がDレンジであり、かつ車両が停車している場合に、不用意に前進クラッチ41の油圧が下がり過ぎて前進クラッチ41を完全解放することを防止することができる。これにより、例えばアクセルペダルが踏み込まれた時の発進性を向上し、また登り坂に停車していた場合に、前進クラッチ41が締結するまでの間に車両が自重により後方へ動くことを防止することができる(請求項2に対応)。
【0089】
シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更されてから、前進クラッチ41が締結状態へ変化するまでの第1時間に基づいて、前進クラッチ41が締結状態となったかどうかを判定する。これにより、前進クラッチ41が締結状態となったことを正確に判定することができる(請求項3に対応)。
【0090】
シフトレバー17がNレンジからDレンジへ変更された時に行う判定と、シフトレバー17がDレンジであり、かつ車両が停車している時に行う判定との結果が異なる場合には、前進クラッチ41の締結油圧学習を禁止することで、学習の信頼性が低い状態で、前進クラッチ41の締結油圧学習が行われることを防止することができる(請求項4に対応)。
【0091】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0092】
1 エンジン
4 前後進切り換え機構
10 プライマリプーリ
17 シフトレバー
20 コントロールユニット
30 クラッチ圧調整装置
41 前進クラッチ
42 後退クラッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シフトレバーが走行レンジとなっており、かつ車両が停車状態である場合に、油圧が給排されることで締結または解放する摩擦締結要素が締結状態から解放状態へ変化するように前記摩擦締結要素へ供給される油圧を低下させる油圧制御手段と、
前記摩擦締結要素が前記締結状態から前記解放状態へ変化したことを検出する解放状態検出手段と、
前記解放状態検出手段によって前記摩擦締結要素が前記締結状態から前記解放状態へ変化したことが検出された時の前記摩擦締結要素に作用する油圧に基づいて、前記摩擦締結要素が前記解放状態から前記締結状態へと切り換わる油圧を推定する油圧推定手段と、を備え、前記摩擦締結要素が前記解放状態から前記締結状態へと切り換わる油圧を学習する自動変速機の制御装置において、
前記油圧制御手段によって前記摩擦締結要素へ供給される油圧を第1所定油圧まで低下させたときに前記解放状態検出手段によって前記摩擦締結要素が前記締結状態から前記解放状態へ変化したことを検出できない場合は、前記油圧制御手段によって低下される油圧の下限値を前記第1所定油圧に制限する油圧制限手段と、
前記摩擦締結要素が前記解放状態から前記締結状態へ切り換わる油圧が第1所定油圧よりも低い油圧であると判定された場合に、前記摩擦締結要素に供給されている油圧の下限値を前記第1所定油圧よりも低い第2所定油圧に更新する油圧更新手段と、を備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項2】
前記シフトレバーの操作位置が非走行レンジから前記走行レンジへ変更されたときに、前記摩擦締結要素が前記解放状態から前記締結状態へ変化したことを検出する摩擦締結要素締結検出手段と、
前記シフトレバーの操作位置が前記非走行レンジから前記走行レンジへ変更されたときに、前記摩擦締結要素が前記解放状態から前記締結状態へと切り換わる油圧が、前記第1所定油圧よりも低い油圧であるかどうか判定する判定手段と、を備え、
前記油圧更新手段は、前記判定手段によって前記摩擦締結要素が前記第1所定油圧よりも低い油圧で締結を開始すると判定された場合に、前記摩擦締結要素に供給されている油圧の下限値を前記第2所定油圧に更新することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記シフトレバーの操作位置が前記非走行レンジから前記走行レンジへ変更されてから、前記摩擦締結要素が前記解放状態から前記締結状態へと変化するまでの経過時間に基づいて、前記摩擦締結要素が前記解放状態から前記締結状態へと切り換わる油圧が、前記第1所定油圧よりも低い油圧であるかどうか判定することを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
【請求項4】
前記摩擦締結要素が前記解放状態から前記締結状態へと切り換わる油圧が前記第1所定油圧よりも高いと前記油圧推定手段によって判定され、かつ前記摩擦締結要素が前記解放状態から前記締結状態へと切り換わる油圧が前記第1所定油圧よりも低いと前記判定手段によって判定された場合には、前記摩擦締結要素の締結油圧学習を禁止する学習禁止手段を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の自動変速機の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−185384(P2011−185384A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52749(P2010−52749)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000231350)ジヤトコ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】