説明

自動弁装置

【課題】 延長ホ−ス先のノズル等の閉開が,元栓側に設けた弁が連動する様に装置した自動弁装置を提供する。
【解決手段】 元栓に取付けた,メンパイプ(1)を貫いて自動弁室(2),副自動弁室(3)を設け,圧力の変化で両方の内側を移動する様に設けた,動弁体(4)の往復運動が,弁の閉開をする様にした「請求項1」の自動弁装置。 自動弁室(2)の隣に補助弁室(15)を設け,内部に設けた補助弁(16)の往復運動が,動弁体(4)の運動を後押しする様にした,「請求項2」の自動弁装置。 自動弁室(2),副自動弁室(3)の装置の代わりに,ベロ−ズ(24)の弾性力を利用しての,動弁体(4)の往復運動が弁の閉開をする,「請求項3」の自動弁装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,水等の給配水,消毒薬の散布,ガス等の配送等,すべて元栓よりホ−スや,パイプ等で,延長した先のノズル等の閉開に即応して,元栓側に取付けた弁が連動して自動的に閉開する,自動弁装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては,概ね,ホ−ス先のレバ−の動きや,流量の変化や,圧力の変化等を捉えて作動させるものが主力で,このため変化を捉えて作動させるための装置や,この装置を動かす為の動力等も必要で,高価,複雑,嵩張る等が原因で特別なものにしか利用出来なかつた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のものの欠点は,高度な工作技術による複雑な装置,この装置を作動させるための動力,このような原因で,高価,嵩張る,使用する場所等の制限もあり,特別なものにしか利用できなく,農家が消毒薬の散布や,一般大衆が散水や洗車等手軽に使用出来なかつたのである,本発明は,以上のような諸々の欠点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
メンパイプ(1)に十字形に交差する如く,内側が円筒形の中空とした,一方を自動弁室(2),他方を副自動弁室(3)として気密を保つ様にして取付ける。自動弁室(2)には,メンパイプ(1)を貫いて副自動弁室(3)にまで,気密を保ちながら自在に往復する動弁体(4)を設け,端部にはメンパイプ(1)間に,バイパス形の連結溝(8)を気密を保つように取付ける,更に先端にはストッパー(10)を固着した蓋(9)を密着させる,動弁体(4)は丸棒形の単体で,自動弁(5),中間にボビン形の流通溝(6),副自動弁(7)からなる。副自動弁室(3)には,内側を気密を保ちながら自在に往復できる動弁体(4)を設け.端に通気孔(13)を施し,ストッパ−(12)を固着した蓋(11)をする,副自動弁(7)と蓋(11)との間にスプリング(14)を設ける。蓋(11)の気密を悪くして,通気孔(13)を省くこともある。
以上の如く構成された「請求項1」に記述の自動弁装置。
【0005】
「請求項1」に記述の自動弁室(2)の外側を底部として,メンパイプ(1)沿いに,内側が円筒形の中空とした,補助弁室(15)を気密を保つ様にして取付け,その端部とメンパイプ(1)の間に,バイパス形の,連結溝(19)を気密を保つ様に取付け,更に先端にはストッパ−(22)を固着した蓋(20)を密着する。補助弁室(15)の内部には,気密を保ちながら往復自在の補助弁(16)を設け,底部にはメンパイプ(1)に近い順に,注入孔(17),排出孔(18)を設け,中央辺にストッパ−(23)を固着するか,或いは,底部に突起部を設けてストッパ−(23)を省くこともある,底部と補助弁(16)間にスプリング(21)を設ける。
以上の如く,補助弁装置を加えた「請求項2」に記述の自動弁装置。
【0006】
「請求項1」に記述の自動弁室(2)の装置と,副自動弁室(3)の装置の代わりに,副自動弁室(3)に,ベロ−ズ(24)を気密を保つ様に取付ける,或は,例えば合成樹脂等で成型をする,ベロ−ズ(24)の取付口と,メンパイプ(1)間をバイパス形の,連結溝(26)を気密を保つ様に取付ける,ベロ−ズ(24)の端と動弁体(4)を,連結棒(25)で連結,自動弁室(2)の端に通気孔(27)を設ける。従って自動弁室(2)の,連結溝(8),ストッパ−(10),副自動弁室(3)の蓋(11),ストッパ−(12),通気孔(13),スプリング(14)は廃止する。
以上の如く,自動弁室の装置と,副自動弁室の装置を,ベロ−ズに代えた「請求項3」に記述の自動弁装置。
【発明の効果】
【0007】
水道等の元栓に取付けた本発明の自動弁装置に,延長ホ−スを取付け,ホ−スの先端に取付けたノズルの閉開が,元栓に取付けた本自動弁装置が,連動して閉開するのでホ−ス等の破裂が防止され,破損に起因する諸々のトラブルが解消され,農薬散布等,ホ−スの破裂による危害防止のための人手も不要となる,更に日常,散水,洗車等,手軽に水を利用することが実現出来,廉価のため誰でも容易に使用することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施をするために,元栓に取付けたメンパイプ(1)を貫いて,十字形になる如く気密を保つ様に取付けた,内部を円筒形の中空とした自動弁室(2),副自動弁室(3)内に,機密を保つ様に設けた動弁体(4)が,延長ホ−ス先等のノズルの閉開による圧力の変化による往復運動が,元栓に取付けた本自動弁が連動して閉開をするもので,この動弁体(4)を作動させる方法が,用途別に最良の形態としては次の3つの実施例に大別される。実施例1の自動弁装置は,動弁体(4)のみの単動形の自動弁装置。実施例2の自動弁装置は,実施例1の動弁体(4)の装置に,補助弁(16)の装置を加えた複動形の自動弁装置。実施例3の自動弁装置は,自動弁室(2)と,副自動弁室(3)の装置を,ベロ−ズ(24)に代えた簡易形の自動弁装置で,以下用途別に最良の形態の3つの実施例について,水を使用したときについて個別に説明する。
【実施例1】
【0009】
「請求項1」の自動弁装置で,元栓に取付けたメンパイプ(1)に,十字形になる如く内部を円筒形の中空としたものを,一方を自動弁室(2),他方を副自動弁室(3)として,気密を保つ様にして取付ける,自動弁室(2)には,メンパイプ(1)を貫いて副自動弁室(3)にまで,気密を保ちながら往復自在の動弁体(4)を設け,端にはメンパイプ(1)との間に,バイパス形の連結溝(8)を気密をもって取付け,先端にはストッパ−(10)を固着した蓋(9)を密着させる。動弁体(4)は単体丸棒形のもので,自動弁(5),中央がボビン形の流通溝(6),副自動弁(7)からなる。副自動弁室(3)の端部に通気孔(13)を設け,ストッパ−(12)を固着した蓋(11)をを取付け,副自動弁(7)と蓋(11)間にスプリング(14)を設ける。蓋(11)の気密を悪くして,通気孔(13)を省くこともある。
本発明の,「請求項1」に記述の自動弁装置は以上のような構造で,これを使用するときは次の如し。
【0010】
(通水時)。 延長ホ−ス,メンパイプ(1),連結溝(8),自動弁室(2),(以後,以上の各部を単に各所と記述する),ともに均等の水圧下,通気孔(13)により通気自在な副自動弁室(3)の,(以後,通気孔(13)にて通気自在はは省く),スプリング(14)の張力と,自動弁(5)内側の円盤状面への流水無抵抗位置と共通の,自動弁室(2)のストッパ−(10)え自動弁(5)を圧着させ,流通溝(6)はメンパイプ(1)の真下にあり,最大の通水を維持している。
【0011】
(ノズル閉)。 各所の水圧が揚がると,自動弁(5)の端の面と,副自動弁(7)の内側の円盤状面も共に押され,唯一の逃げ場として,副自動弁室(3)のスプリング(14)を押し退けて,ストッパ−(12)迄押しつけてゆき,自動弁(5)が,メンパイプ(1)を塞ぎ水を止める。ときにより,メンパイプ(1)からの水圧が弱くなつてくると延長ホ−スの弾力が働いて,自動弁(5)の移動するのを助ける。
【0012】
(ノズル開)。 各所の残留水が放出され始め水圧も低下すると,先ず初めに通気自在の副自動弁室(3)の,スプリング(14)の反発力で,同室(3)の動弁体(4)を押すので,自動弁(5)とメンパイプ(1)間に隙間ができると,自動弁(5)内側の円盤状面に水圧がかかり,スプリング(14)と共々,自動弁(5)をついにはストッパ−(10)に押しつけ,流通溝(6)をメンパイプ(1)の真下に位置させ,水を放出する。
【実施例2】
【0013】
「請求項2」の自動弁装置で,「請求項1」の自動弁装置には,概ね次の如き場合に作動し難い弱点がある。延長ホ−ス等が短い,或いは材質により弾力が得られ難い。水圧,油圧,気圧等の圧力を低圧で使用する。粘着性が高いもの,摩擦抵抗が大なるもの等を使用する。この様な弱点を補完す為に次の如く加えたものである,即ち「請求項1」の自動弁室(2)が,メンパイプ(1)と交差する隣接部を底部として,メンパイプ(1)に平行して,内部を円筒形の中空とした補助弁室(15)を気密を保つ様に取付け,その端部とメンパイプ(1)の間に,バイパス形の連結溝(19)を気密を保つ様に取付け,先端はストッパ−(22)を固着した蓋(20)を密着して,補助弁(16)の上の面が連結溝(19)下面と同一面になる様にする。補助弁室(15)内部には気密を保ちながら往復自在の補助弁(16)を設け,底部にはメンパイプ(1)に近い順に,流水時自動弁(5)が塞がない位置に注入孔(17),排出孔(18),中心部にストッパ−(23)を固着するか,或いは底部を突起させてストッパ−(23)を省く,補助弁(16)の下面には,補助弁室(15)の底部間に,スプリング(21)を設ける。
「請求項2」の自動弁装置は,以上のような構造でこれを使用するときは次の如し。
【0014】
(流水時)。 各所は均等の水圧で,動弁体(4)はスプリング(14)による設定移動位置と,自動弁(5)内側へかかる流氷無抵抗位置と共通の、ストッパ−(10)に圧着され,流通溝(6)はメンパイプ(1)の真下に位置して流水をしており,このとき注入孔(17)の取り入れ口が開いているので,スプリング(21)の力で,補助弁室(15)は注水満杯,排出孔(18)は自動弁(5)で塞がれている,補助弁(16)上面はストッパ−(22)により,連結溝(19)の下面と同一面にある。
【0015】
(ノズル閉)。 各所の水圧が揚がり,自動弁(5)と,副自動弁(7)内側の円盤状面も,共々押されて副自動弁室(3)へ移動して行くに従つて,次第に動弁体(4)を押す力も弱まつてくる,その頃自動弁(5)が,排出孔(18)を通り過ぎ始め隙間ができ始めると,連結溝(19)により補助弁(16)にかかつている水圧が,スプリング(21)に押し勝て,補助弁室(15)内の水を排出孔(18)より自動弁室(2)に圧送して,作動の鈍化してきた自動弁(5)を強力に後押して,副自動弁室(3)のストッパ−(12)まで圧着して,自動弁(5)をメンパイプ(1)の真下迄移動して水を完全に止める。このとき注入孔(17)は自弁動弁(5)で塞がれており,補助弁(16)は排出孔(18)が開いていているので,補助弁(16)より下に残留水が残つていても排出可能なので,連結溝(19)からの水圧は,スプリング(21)に押勝つて,補助弁室(15)のストッパ−(23)に押し付けられ,注水孔(17),排出孔(18)を塞いで自動弁室(2)への通水を完全に断つ。
【0016】
(ノズル開)。 各所の残留水が放水を始め水圧が下り始めるので,先ず始めに自動弁(5)は,スプリング(14)の反発力により,ストッパ−(10)向きへ移動させられると,メンパイプ(1)間に隙間ができ,自動弁(5)内側の円盤状面に水圧がかかり,スプリング(14)共々,自動弁室(2)のストッパ−(10)まで押しつけて,流通溝(6)をメンパイプ(1)の真下までに位置させて流水状態となる,又自動弁(5)が注入孔(17)の取り入れ口を開くので,スプリング(21)の反発力にて,補助弁室(15)へ注水満杯,補助弁(16)はストッパ−(22)に留まり,連結溝(19)下面と同一面にあり,排出孔(18)は自動弁(5)に塞がれている。
【実施例3】
【0017】
「請求項3」の自動弁装置は,「請求項1」の自動弁室(2)と,副自動弁室(3)の装置の代わりに,ベロ−ズ(24)を,副自動弁室(3)に気密をもって取付けるか,或いは,合成樹脂等で一体成型等するとかする,ベロ−ズ(24)の取付口と,メンパイプ(1)の間に,バイパス形の連結溝(26)を気密を保つように取付ける,ベロ−ズ(24)の端と動弁体(4)を,連結棒(25)で連結,自動弁室(2)の先端に通気孔(27)を設けて,蓋(9)をする,時により蓋(9)を,必然的に通気孔(27)も省くこともある。 自動弁室(2)の連結溝(8),ストッパ−(10),副自動弁室(3)の蓋(11),ストッパ−(12),通気孔(13),スプリング(14)は廃止する。
「請求項3」の自動弁装置は,以上の様な構造で,これを使用するときは次の如し。
【0018】
(流水時)。 メンパイプ(1),流通溝(26),副自動弁室(3),ベロ−ズ(24)も共々均等の水圧で,本来の縮小安定した状態にて,連結棒(25)の連結先の流通溝(6)はメンパイプ(1)真下に位置し流水を持続している。
【0019】
(ノズル閉)。 メンパイプ(1),流通溝(26),副自動弁室(3)の行き場の無くなった総ての水は,伸縮可能なベロ−ズ(24)に突入すると,他端に連結されてる自動弁(5)は,通気孔(27)で通気自在な自動弁室(2)内にあるので,ベロ−ズ(24)は膨張して,自動弁(5)をメンパイプ(1)の真下に位置させて通水を止める。
【0020】
(ノズル開)。 メンパイプ(1),流通溝(26),副自動弁室(3),ベロ−ズ(24)内の残留水が放出され,ベロ−ズ(24)は,連結先の自動弁室(2)が通気孔(27)で通気自在なので,自身の弾力で復元縮小し,連結棒(25)で連結先の流通溝(6)を,メンパイプ(1)の真下に迄位置させて通水を行なう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 請求項1の側断面図で,流通溝が開いている状態。
【図2】 図1から,流通溝が塞がれている状態。
【図3】 請求項2で,図1に補助弁装置を取付けた状態。
【図4】 図3から,注入孔が開き始めた状態。
【図5】 請求項3で,図1の副自動弁の装置をベロ−ズに代え状態。
【図6】 図5から,ベロ−ズが膨張,流通溝が塞がれた状態。
【符号の説明】
【0022】
1はメンパイプ 8は連結溝 15は補助弁室 22はストッパ−
2は自動弁室 9は蓋 16は補助弁 23はストッパ−
3は副自動弁室 10はストッパ− 17は注入孔 24はベロ−ズ
4は動弁体 11は蓋 18は排出孔 25は連結棒
5は自動弁 12はストッパ− 19は連結溝 26は連結溝
6は流通溝 13は通気孔 20は蓋 27は通気孔
7は副自動弁 14はスプリング 21はスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)メンパイプ(1)に交差する如く,内部を中空状とたものを,一方を自動弁室(2),他方を副自動弁室(3)として,気密を保つ様にして取付ける。
(ロ)自動弁室(2)内部には,副自動弁室(3)内部にまで,気密を保ちながら往復自在の動弁体(4)を設け,端部にはメンパイプ(1)との間に,連結溝(8)を気密を保つ様にして取付け,先端にはストッパ−(10)を施して,蓋(9)を密着させる。
(ハ)動弁体(4)は,自動弁(5),流通溝(6),副自動弁(7)からなる。
(ニ)副自動弁室(3)の内部には,動弁体(4)を気蜜を保ちながら往復自在に設ける,端に近い部分に通気孔(13)を施して,端に蓋(11)をする。
(ホ)副自動弁(7)と,蓋(11)との間に,ストッパ−(12)と,スプリング(14)を設ける。
以上の如く構成された自動弁装置。
【請求項2】
(ヘ)補助弁室(15)を,自動弁室(2)の隣に気密を保つ様にして取付け,その端部とメンパイプ(1)間に連結溝(19)を気密を保つ様にして取付け,先端にストッパ−(22)を施し,蓋(20)を密着させる。
(ト)補助弁室(15)の底部に,メンパイプ(1)に近い順に,注入孔(17),排出孔(18)を,更に中央部にストッパ−(23)を設けて,内部には気蜜を保ちながら往復自在の補助弁(16)を設ける。
(チ)補助弁(16)には,補助弁室(15)の底部との間に,スプリング(21)を設ける。
以上の如く,補助弁の装置を加えた請求項1の自動弁装置。
【請求項3】
(リ)自動弁室(2),副自動弁室(3)の装置の代わりに,副自動弁室(3)にベロ−ズ(24)を気密を保つ様にして取付ける,ベロ−ズ(24)の取付け口とメンパイプ(1)間に,連結溝(26)を気密を保つ様に取付ける,ベロ−ズ(24)と,動弁体(4)を連結棒(25)で連結,自動弁室(2)に通気孔(27)を設ける,連結溝(8)ストッパ−(10),蓋(11),ストッパ−(12),通気孔(13),スプリング(14)は廃止する。
以上の如く,自動弁室の装置と,副自動弁室の装置を,ベロ−ズに代えた請求項1の自動弁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−329416(P2006−329416A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179858(P2005−179858)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(591116472)
【Fターム(参考)】