説明

自動車のハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための液圧回路装置

本発明は、自動車のハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための液圧回路装置であって、ハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置に液圧媒体を供給するための電気式の液圧ポンプと、該液圧ポンプに後置されていて増圧器スレーブシリンダ及び増圧器マスタシリンダを備えた増圧器と、該増圧器とハイブリッドクラッチとの間に配置されていて増圧器マスタシリンダを備えたハイドロスタティック区間と、ハイブリッドクラッチを制御するためのハイブリッドクラッチスレーブシリンダとが設けられている形式のものに関する。このような形式の液圧回路装置において本発明の構成では、増圧器スレーブシリンダに配属されていて該増圧器スレーブシリンダから液圧媒体を供給される後吸込み装置が、ハイドロスタティック区間に液圧媒体を補充するために設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための液圧回路装置であって、ハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置に液圧媒体を供給するための電気式の液圧ポンプと、該液圧ポンプに後置されていて増圧器スレーブシリンダ及び増圧器マスタシリンダを備えた増圧器と、該増圧器とハイブリッドクラッチとの間に配置されていて増圧器マスタシリンダを備えたハイドロスタティック区間と、ハイブリッドクラッチを制御するためのハイブリッドクラッチスレーブシリンダとが設けられている形式のものに関する。
【0002】
液圧回路装置は公知であり、例えばハイブリッド技術を備えた自動車のような自動車のユニットを液圧式に制御するために使用される。液圧エネルギを準備するためもしくは液圧媒体を循環させるためには、電気式の液圧ポンプを使用することができる。
【0003】
本発明は、自動車のハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための液圧回路装置、特に電気式の液圧ポンプを備えた液圧回路装置を改良して、可能な限り僅かな電力消費しか必要としない液圧回路装置を提供することである。
【0004】
この課題を解決するために本発明の構成では、自動車のハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための液圧回路装置であって、ハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置に液圧媒体を供給するための電気式の液圧ポンプと、該液圧ポンプに後置されていて増圧器スレーブシリンダ及び増圧器マスタシリンダを備えた増圧器と、該増圧器とハイブリッドクラッチとの間に配置されていて増圧器マスタシリンダを備えたハイドロスタティック区間と、ハイブリッドクラッチを制御するためのハイブリッドクラッチスレーブシリンダとが設けられている形式のものにおいて、増圧器スレーブシリンダに配属されていて該増圧器スレーブシリンダから液圧媒体を供給される後吸込み装置が、ハイドロスタティック区間に液圧媒体を補充するために設けられているようにした。
【0005】
古典的に貫流される液圧回路の一部である増圧器スレーブシリンダが、ハイブリッドクラッチを制御するために古典的なハイドロスタティック式のマスタ・スレーブシリンダ区間と組み合わせられていて、有利である。増圧器スレーブシリンダが戻り運動時に液圧媒体を後吸込み装置に供給するようになっており、有利である。つまりこの液圧媒体は液圧媒体をハイドロスタティック区間に補充するために利用される。これによって、ハイドロスタティック区間を補充するための大型の蓄え容器を省くことができ、有利である。また、ハイドロスタティック区間を補充するための液圧媒体に対する需要は、増圧器スレーブシリンダが戻り運動を実施するのと正確に同じ長さであり、つまり液圧媒体を所属の後吸込み装置に供給するのと正確に同じ長さであり、そして特に、電気式の液圧ポンプを駆動するための電気エネルギを必要とせず、有利である。
【0006】
前記課題を解決するための別の構成では、自動車のハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための液圧回路装置であって、ハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置に液圧媒体を供給するための電気式の液圧ポンプと、該液圧ポンプに後置されていて増圧器スレーブシリンダ及び増圧器マスタシリンダを備えた増圧器と、該増圧器とハイブリッドクラッチとの間に配置されていて増圧器マスタシリンダを備えたハイドロスタティック区間と、ハイブリッドクラッチを制御するためのハイブリッドクラッチスレーブシリンダとが設けられている形式のものにおいて、液圧エネルギを選択的に蓄積、受容及び/又は供給するための、接続可能な後吸込み装置もしくはエネルギアキュムレータが設けられているようにした。自動車の運転時に可能な限り迅速なハイブリッドクラッチの遮断が望まれることがある。これを実現するためには、かなり大量の液圧エネルギが必要である。大量の、しかしながら短時間だけ必要なこのエネルギ量の少なくとも一部は、接続可能なエネルギアキュムレータによって有利に準備することができる。これによって電気式の液圧ポンプの電気的な出力最高値を有利に低減することができる。理想的に、電気式の液圧ポンプのほぼコンスタントな電気出力を得ることができる。また、電気式の液圧ポンプを小型にもしくは弱く設計することができ、有利である。このことはまた、可能な最大吐出量についても、電気式の液圧ポンプに配属された電気式の駆動装置、例えば電動機の最大電力消費についても言える。液圧系の他の消費機による所要出力がまったく又は僅かしか存在しない状態においては、接続可能なエネルギアキュムレータを電気式の液圧ポンプによってチャージすることができる。これにより全体として、電気エネルギを節約して使用することが可能になる。
【0007】
前記課題を解決するためのさらに別の構成では、自動車のハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための液圧回路装置であって、ハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置に液圧媒体を供給するための電気式の液圧ポンプと、該液圧ポンプに後置されていて増圧器スレーブシリンダ及び増圧器マスタシリンダを備えた増圧器と、該増圧器とハイブリッドクラッチとの間に配置されていて増圧器マスタシリンダを備えたハイドロスタティック区間と、ハイブリッドクラッチを制御するためのハイブリッドクラッチスレーブシリンダとが設けられている形式のものにおいて、オートマチック伝動装置に液圧媒体を供給するための、機械式の液圧ポンプが設けられているようにした。ハイブリッド構成部材を備えていない従来の自動車は通常、液圧式の制御装置を備えたオートマチック伝動装置もしくは自動変速装置を有していることができる。このようなオートマチック伝動装置は内燃機関の停止時に液圧式の制御を必要としないので、通常、機械式の液圧ポンプを有している。このようなオートマチック伝動装置を、ハイブリッド構成部材と、特に電気式の液圧ポンプを備えた液圧制御式のハイブリッド構成部材と組み合わせることが、有利に可能である。電気式の液圧ポンプは内燃機関の停止時に、従って同様に機械式の液圧ポンプのスイッチオフ時に、オートマチック伝動装置への液圧エネルギの供給を引き受けることができ、その結果内燃機関の停止時にもオートマチック伝動装置の液圧式の制御装置が機能可能となり、有利である。つまり電気式の液圧ポンプは、オートマチック伝動装置への液圧エネルギの外的な供給を引き受ける。そのためには、既存のオートマチック伝動装置を僅かに変更するだけでよく、有利である。これに対して内燃機関の運転中には、機械式の液圧ポンプの運転によって、高価な電気エネルギを節約することができる。
【0008】
前記課題を解決するためのさらに別の構成では、自動車のハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための液圧回路装置であって、ハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置に液圧媒体を供給するための電気式の液圧ポンプと、該液圧ポンプに後置されていて増圧器スレーブシリンダ及び増圧器マスタシリンダを備えた増圧器と、該増圧器とハイブリッドクラッチとの間に配置されていて増圧器マスタシリンダを備えたハイドロスタティック区間と、ハイブリッドクラッチを制御するためのハイブリッドクラッチスレーブシリンダとが設けられている形式のものにおいて、電気式の液圧ポンプの電動機の排熱を液圧媒体に排出するための、熱交換器が設けられているようにした。このように構成されていると、電気式の液圧ポンプの電動機を過熱から有利に保護することができる。そのために液圧媒体は、液圧回路装置の残りの構成部材に供給される前に、熱交換器を完全に貫いて流れることができる。この際に、電気式の液圧ポンプによって生ぜしめられた排熱を回収することができる。そのためには液圧媒体が電気式の液圧ポンプもしくは該電気式の液圧ポンプの電気式の駆動装置の熱的に重要なハウジング領域を、電動機内に流れ込むことなしに、擦過して流れるようになっていると有利である。
【0009】
本発明による液圧回路装置の実施形態では、第1の4ポート3位置方向切換え比例弁が設けられていて、第1の切換え位置において電気式の液圧ポンプが増圧器スレーブシリンダと連結され、第2の切換え位置において電気式の液圧ポンプが機械式の液圧ポンプと並列接続され、かつ第3の切換え位置において電気式の液圧ポンプと機械式の液圧ポンプとが並列接続されて、増圧器スレーブシリンダがオイル後吸込み装置と接続されている。この第1の比例弁は電磁式の作動装置を有していて、中間位置を占めることができる。この第1の比例弁は電磁式は、ハイブリッドクラッチを備えた自動車の種々異なった走行状態を制御するために働く。
【0010】
第1の切換え位置において増圧器スレーブシリンダは、電気式の液圧ポンプから供給されるエネルギによって負荷されることができ、その結果ハイブリッドクラッチのスレーブシリンダが操作され、つまりハイブリッドクラッチを遮断する。第2の切換え位置においても同様に増圧器スレーブシリンダは液圧エネルギによって負荷されることができる。しかしながらこの場合付加的にオートマチック伝動装置にも、電気式の液圧ポンプを用いて液圧エネルギを供給することができる。第3の切換え位置においても同様にオートマチック伝動装置に液圧エネルギを供給することができる。しかしながらこの場合第2の切換え位置とは異なり、増圧器スレーブシリンダはオイル後吸込み装置と接続されており、つまりほぼ無圧に接続されているので、その結果増圧器スレーブシリンダは戻ることができる。さらに電気式の液圧ポンプはハイブリッドクラッチからもしくは増圧器から遮断されている。
【0011】
本発明の別の有利な実施形態では、電気式の液圧ポンプと機械式の液圧ポンプとの間に、該機械式の液圧ポンプから電気式の液圧ポンプへの逆流を阻止するための逆止弁が配置されている。このように構成されていると、オートマチック伝動装置の通常運転時に、つまり内燃機関の運転時に、電気式の液圧ポンプに向かって液圧媒体が逆流することを確実に阻止することができる。これによってまた、例えば電気式の液圧ポンプを、これが不要な場合、つまり例えばハイブリッドクラッチが遮断されている場合に、スイッチオフすることができ、有利である。そしてこれにより有利に、電気式の液圧ポンプを運転するための電気エネルギを節約することができる。
【0012】
本発明の別の有利な実施形態では、後吸込み装置が、増圧器スレーブシリンダとハイドロスタティック区間との間に配置されたオイル溜を有している。オイル溜は有利には増圧器スレーブシリンダから液圧媒体を供給される。オイル溜は有利には、ハイドロスタティック区間の後吸込みもしくは補充のために必要な、液圧媒体のリザーバもしくはアキュムレータとして働く。オイル溜は比較的小さく設計することができるので、有利である。それというのは、オイル溜は、必要な場合、つまりハイドロスタティック区間が補充されねばならない場合に、つまり増圧器スレーブシリンダの戻り運動時に、まさにこの増圧器スレーブシリンダによって液圧媒体を供給されるからである。
【0013】
本発明の別の実施形態では、後吸込み装置が、オイル溜と増圧器スレーブシリンダとの間に配置され空気セパレータを有している。ハイドロスタティック区間をエラーなしに機能させるために、ハイドロスタティック区間が気泡を有することは許されない。空気セパレータは、後続のオイル溜を介して純然たる液圧媒体だけが、つまり空気を含まない液圧媒体だけが、ハイドロスタティック区間に後吸込みもしくは補充されることを、保証する。
【0014】
本発明の別の実施形態では、エネルギアキュムレータが皿ばねアキュムレータを有している。皿ばねアキュムレータは有利に製造可能であり、皿ばねの戻し力に抗して液圧媒体を所定の圧力下で蓄えることができる。
【0015】
本発明の別の実施形態では、エネルギアキュムレータが2ポート2位置方向切換え弁を介して接続可能である。2ポート2位置方向切換え弁を介して、例えば有利にはいわゆる座構造形式の単純なアキュムレータ・チャージ弁(Speicher-Lade-Ventil)を介して、エネルギアキュムレータは必要な場合に、残りの液圧系に対して、接続もしくは遮断することができる。遮断された状態においてエネルギアキュムレータは液圧エネルギを蓄えることができる。接続された状態においては基本的に2つの別の異なった運転形式が可能であり、つまりエネルギの需要もしくは液圧エネルギの供給といった2つの運転形式が可能である。液圧エネルギの供給は、出力需要の高められた段階において行うことができ、取出しは、出力需要の僅かな段階において行うことができる。
【0016】
本発明の別の実施形態では、エネルギアキュムレータが2ポート2位置方向切換え弁を介して第1の比例弁と増圧器との間の接続管路に接続可能である。このようになっていると、エネルギアキュムレータは2ポート2位置方向切換え弁の開放時に、液圧エネルギを直に増圧器もしくは増圧器スレーブシリンダに供給することができ、有利である。このことは例えば、ハイブリッドクラッチの迅速な遮断動作を実現するために有利に使用され得る。
【0017】
本発明の別の実施形態では、第2の3ポート3位置方向切換え比例弁が設けられていて、第1の切換え位置においてエネルギアキュムレータが遮断されて電気式の液圧ポンプが第1の比例弁と接続され、第2の切換え位置においてエネルギアキュムレータ及び電気式の液圧ポンプが第1の比例弁と接続され、かつ第3の切換え位置において電気式の液圧ポンプがエネルギアキュムレータと接続されている。つまり第2の比例弁は、第1の比例弁の切換え位置とは無関係に独立して、エネルギアキュムレータの接続・遮断を行うことができる。
【0018】
第1の切換え位置においてエネルギアキュムレータは基本的には遮断されており、つまり残りの液圧系に対して影響を与えない。第2の切換え位置においてエネルギアキュムレータと電気式の液圧ポンプとは互いに並列接続されており、つまり例えば一緒に液圧エネルギを残りの液圧系に供給することができる。第3の切換え位置において電気式の液圧ポンプとエネルギアキュムレータとは互いに接続されており、この場合液圧式のエネルギアキュムレータは電気式の液圧ポンプを用いてチャージされることができる。さらに第3の切換え位置において電気式の液圧ポンプ及びエネルギアキュムレータは残りの液圧系から完全に遮断されている。つまり、エネルギアキュムレータを電気式の液圧ポンプを用いてチャージすることができ、しかもこの場合これによって残りの液圧系に対して影響が及ぼされることはなく、例えば必然的にこれによって生じる圧力変動もしくは圧力変化による影響が及ぼされることはない。
【0019】
本発明の別の実施形態では、エネルギアキュムレータが、液圧エネルギを蓄積及び/又は受容するために電気式の液圧ポンプに並列接続可能である。並列接続によってエネルギアキュムレータと電気式の液圧ポンプとは互いに次のように、すなわちエネルギアキュムレータが自動的にバッファとして作用し、つまりピーク負荷時に液圧エネルギを放出し、負荷の少ない段階に液圧エネルギを受容するように、連通されている。これによってエネルギアキュムレータを用いて、発生する圧力変動をも緩衝することができ、有利である。
【0020】
本発明の別の実施形態では、エネルギアキュムレータが第2の比例弁の第2の切換え位置において、予め蓄えられている場合には液圧エネルギを解放もしくは放出するようになっている。このように構成されていると、エネルギアキュムレータはこの第2の切換え位置においてピーク負荷を緩衝することができ、有利である。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態では、エネルギアキュムレータが第2の比例弁の第3の切換え位置において、電気式の液圧ポンプから供給された液圧エネルギを受容するようになっている。このようになっていると、エネルギアキュムレータはこの第3の切換え位置において補充されることができる。
【0022】
本発明の課題はさらに、上記のように構成された液圧回路装置を備えた自動車によって解決されている。
【0023】
以下においては図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。なお、図面において、同じもしくは類似の部材及び/又は同一機能を有する部材は、同一符号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】後吸込み装置を備えた、ハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための、自動車の液圧回路装置を示す回路図である。
【図2】図1に示された後吸込み装置を示す断面図である。
【図3】図1に示された液圧回路装置とは異なり、付加的なエネルギアキュムレータを備えた別の液圧回路装置を示す回路図である。
【図4】エネルギアキュムレータが付加的な第2の比例弁を介して接続可能な、さらに別の液圧回路装置を示す回路図である。
【0025】
図1には、自動車のハイブリッドクラッチ3及びオートマチック伝動装置5を制御するための、自動車2の液圧回路装置1が示されている。この液圧回路装置1は電気駆動式の液圧ポンプ7を有している。液圧ポンプ7にはそのために電動機9が配属されている。液圧ポンプ7は吸込みフィルタ11を介してタンク13に配属されている。タンク13は液圧媒体、例えば相応な液圧オイルを貯えている。電動機9を冷却するために電動機9には下流側に熱交換器15が後置されている。熱交換器15は、液圧ポンプ7から圧送された液圧媒体が電動機9に、特に電動機9の熱負荷される個所に、この電動機9の冷却を目的として流れるように、形成されている。
【0026】
液圧ポンプ7から圧送された液圧媒体は、電動機9によって生ぜしめられた排熱を吸収することができる。液圧ポンプ7及び熱交換器15には、下流側に第1の比例弁17が後置されている。この第1の比例弁17は、電磁式の作動装置19を備えた4ポート3位置方向切換え弁として形成されている。第1の比例弁17は液圧回路装置1の残りの構成部材を制御するために設計されている。
【0027】
第1の比例弁17の下流には、オートマチック伝動装置5とハイブリッドクラッチ3とが後置されている。電気式の液圧ポンプ7からオートマチック伝動装置5を遮断するために、第1の比例弁17には下流側に逆止弁21が後置されており、この逆止弁21は、オートマチック伝動装置5からの液圧媒体の逆流を阻止する。オートマチック伝動装置5に液圧媒体を供給するために、機械式の液圧ポンプ23が設けられており、この液圧ポンプ23には同様に吸込みフィルタ11を介してタンク13から液圧媒体が供給される。
【0028】
機械式の液圧ポンプ23は第1の比例弁17を介して、電気式の液圧ポンプ7に対して並列に接続可能であり、この場合しかしながら逆止弁21は電気式の液圧ポンプ7への液圧媒体のオーバフローを阻止する。逆止弁21によって、例えばスイッチオフされた又は遮断された電気式の液圧ポンプ7の場合にオートマチック伝動装置5に汎用の形式で、つまり機械式の液圧ポンプ23を介して液圧媒体が供給可能であることが、保証されている。しかしながら液圧ポンプ23のスイッチオフ時には、つまり例えば自動車2の内燃機関の停止時にはオートマチック伝動装置5には、逆止弁21の開放時に、電気作動式の液圧ポンプ7を用いて液圧媒体を供給することができる。
【0029】
第1の比例弁17には下流側に増圧器25が後置されている。増圧器25は増圧器スレーブシリンダ27と増圧器マスタシリンダ29とを有している。増圧器スレーブシリンダ27は、電気式の液圧ポンプ7を用いて液圧媒体によって満たされることができる。増圧器スレーブシリンダ27と増圧器マスタシリンダ29との面積が異なっていることによって、増圧器25の出力側には高い圧力レベルが生じ、この場合増圧器マスタシリンダ29は増圧器スレーブシリンダ27に比べて小さな面積を有している。この相応に高い圧力レベルは、ハイブリッドクラッチ3のハイブリッドクラッチスレーブシリンダ31を制御するために必要である。
【0030】
増圧器25の増圧比は有利には、ハイブリッドクラッチ3の遮断のために必要な増圧器スレーブシリンダにおける圧力レベルがほぼオートマチック伝動装置5のレベルに位置するように、設計されている。つまり、電気式の液圧ポンプ7を比較的低い圧力レベルのために設計すること、並びに、ハイブリッドクラッチ3とオートマチック伝動装置5とに等しく液圧エネルギを供給することが、有利に可能である。これによって、例えば場合によっては必要であった減圧ユニットを省くことによって、電気式の液圧ポンプ7を運転するために高価な電気エネルギを節約することができる。
【0031】
増圧器マスタシリンダ29とハイブリッドクラッチスレーブシリンダ31とは、ハイドロスタティック区間33を実現する。増圧器スレーブシリンダ27の後退時には、ハイドロスタティック区間33は液圧媒体によって補充されねばならない。そのために増圧器25もしくはハイドロスタティック区間33には後吸込み装置35が配属されている。この後吸込み装置35は空気セパレータ37とオイル溜39とを有している。有利には空気セパレータ37及びオイル溜39は、増圧器マスタシリンダ29の戻り時にこの増圧器マスタシリンダ29から液圧媒体を満たされる。有利にはハイドロスタティック区間33は増圧器マスタシリンダ29の戻り時に補充されねばならず、この場合戻り中にオイル溜39は常に液圧媒体を補充される。余剰の液圧媒体はオイル溜39からタンク管路43を介してタンク13内に戻されることができる。
【0032】
図2には、図1に示された後吸込み装置35が断面図で示されており、この場合図2の断面図は、図1に破線で示された領域Aに相当する。後吸込み装置35には、戻し管路45を介して液圧媒体が供給され、この場合戻し管路45はそのために第1の比例弁17を介して増圧器スレーブシリンダ27に配属されることができる。
【0033】
戻し管路45は空気セパレータ37に開口している。この空気セパレータ37は空気セパレータ管片47を有している。空気セパレータ37はさらにオイル溜39を有しており、このオイル溜39は同様に、空気が後吸込み管路41内に達することを阻止する。場合によって液圧媒体内に存在する空気は、図2で見て上に位置するタンク管路43を介して、タンク13に供給されることができる。管路41,43,45におけるそれぞれの流れ方向は矢印49で示されている。
【0034】
後吸込み装置35は、カバー51によって閉鎖された液圧ハウジング53を有している。液圧ハウジング53に対してカバー51をシールするために、シール部材55が設けられている。
【0035】
第1の比例弁17は3つの切換え位置を占めることができ、この場合第1の切換え位置において電気式の液圧ポンプ7は増圧器スレーブシリンダ27と接続されている。つまりこの切換え位置において電気式の液圧ポンプ7は増圧器スレーブシリンダ27に液圧媒体を供給することができ、これは最終的にハイドロスタティック区間33を介してハイブリッドクラッチ3の遮断を生ぜしめる。ハイブリッドクラッチ3は、ノーマルクローズ式のクラッチであってもノーマルオープン式のクラッチであってもよい。第1の比例弁17の第2の切換え位置において付加的にオートマチック伝動装置5は、逆止弁21を介して電気式の液圧ポンプ7に配属されている。この第2の切換え位置においてはつまり、増圧器スレーブシリンダ27への液圧媒体の供給に加えて、オートマチック伝動装置5にも、電気式の液圧ポンプ7からの液圧媒体を供給することができる。この切換え状態は例えば内燃機関の停止時及びハイブリッドクラッチ3の遮断時に有利である。自動車2の内燃機関の停止にもかかわらず、オートマチック伝動装置5に液圧媒体を供給することができ、かつこれによりオートマチック伝動装置5を制御することができ、有利である。図1に示されているような、第1の比例弁17の第3の切換え位置においては、電気式の液圧ポンプ7には単にオートマチック伝動装置5が後置されているだけであり、つまりオートマチック伝動装置5には液圧ポンプ7から液圧エネルギを供給することができる。さらにこの第3の切換え位置において増圧器スレーブシリンダ27は戻し管路45を介して後吸込み装置35と接続されている。つまり第1の比例弁17の第3の切換え位置においてはハイドロスタティック区間33の補充を行うことができる。
【0036】
図3には、自動車2のハイブリッドクラッチ3及びオートマチック伝動装置5を制御するための別の液圧回路装置1が示されている。図3に示されたこの液圧回路装置1は、皿ばねアキュムレータ59を備えたエネルギアキュムレータ57を有している。皿ばねアキュムレータ59は2ポート2位置方向切換え弁61を介してその他の液圧系に接続されることもしくは該液圧系から遮断されることができる。2ポート2位置方向切換え弁61は、ばね戻し位置を備えた電気式の作動装置63を有している。2ポート2位置方向切換え弁61を介して皿ばねアキュムレータ59は接続管路65に接続されることができる。この接続管路65は増圧器スレーブシリンダ27と第1の比例弁17とを接続している。2ポート2位置方向切換え弁61の開放時に、エネルギアキュムレータ57もしくは皿ばねアキュムレータ59は液圧エネルギを受容もしくは放出することができる。例えば第1の比例弁17の第2の機能位置において2ポート2位置方向切換え弁61が開放されると有利であり、この場合皿ばねアキュムレータ59は蓄えられた液圧エネルギを、ハイブリッドクラッチ3の遮断動作のために解放又は受容することができる。第1の比例弁17の第1の切換え位置においてエネルギアキュムレータ57は同様に電気式の液圧ポンプ7を用いて液圧エネルギをチャージされるか又は液圧エネルギを放出することができる。
【0037】
図4には別の液圧回路装置1が示されており、この液圧回路装置1では、図3に示された液圧回路装置1とは異なり、ばね戻し位置を有する電気式の作動装置69を備えた第2の比例弁67が設けられている。この第2の比例弁67はエネルギアキュムレータ57の皿ばねアキュムレータ59の種々異なった運転状態を、第1の比例弁17の切換え位置とは無関係に制御することができ、有利である。この場合、図4に示された第1の切換え位置では、エネルギアキュムレータ57はその他の液圧系から完全に遮断されている。さらにこの場合電気式の液圧ポンプ7は第1の比例弁17と接続されている。その点ではこの切換え位置においては、液圧回路装置1の、図1について述べた機能が生ぜしめられる。
【0038】
第2の比例弁67の第2の切換え位置では、電気式の液圧ポンプ7は付加的にエネルギアキュムレータ57に配属されている。つまりこの切換え位置では例えばエネルギアキュムレータ57の皿ばねアキュムレータ59は付加的に蓄えられた液圧エネルギを、後置された液圧系に供給すること又はポンプ出力を受容することができる。
【0039】
第3の切換え位置においては、エネルギアキュムレータ57の皿ばねアキュムレータ59も電気式の液圧ポンプ7も、残りの液圧系から遮断されている。さらにこの皿ばねアキュムレータ59と電気式の液圧ポンプ7とは第3の切換え位置において互いに接続されている。つまりこの第3の切換え位置において、エネルギアキュムレータ57の皿ばねアキュムレータ59は電気式の液圧ポンプ7を用いて液圧エネルギをチャージされることができる。
【0040】
皿ばねアキュムレータ59のチャージ状態は例えば圧力センサ71を用いて監視することができる。択一的に又は付加的に、チャージ状態は距離センサ73を用いて監視することも可能である。圧力センサ71及び/又は距離センサ73の応答に応じて、チャージ過程及び/又は第2の比例弁67の切換え位置は制御及び/又は調整されることができる。そのためには例えば、皿ばねアキュムレータ59の十分なチャージ状態が得られるやいなや、電気式の液圧ポンプ7の電動機9を相応に絞る及び/又はスイッチオフする及び/又は第2の比例弁67の切換え状態を相応に変化させることが可能である。
【0041】
増圧器25の増圧器マスタシリンダ29は、ハイブリッドクラッチ3のためのマスタシリンダの機能を果たす。このコンセプトにおいて有利には、ハイブリッドクラッチ3を制御するための古典的なハイドロスタティック区間33が、電気式の液圧ポンプ7によって供給される液圧回路と組み合わせられている。このようにすると、ハイドロスタティック区間33を補充するための、比較的大型のタンク容器を省くことができる。オイル後吸込みもしくはオイル補充の機能は有利には後吸込み装置35が引き受け、この後吸込み装置35はハイブリッドクラッチ3の不作動位置において、ハイドロスタティック区間33が補充され得ること、例えば真空充填され得ることを保証する。通常運転において増圧器マスタシリンダ29の相応な後吸込み孔が、後吸込み装置35の液圧ハウジング53における、汎用の蓄え容器に比べて小さなオイル溜39と接続されていると、有利である。
【0042】
これによって、常に十分な液圧媒体もしくはオイルがオイル溜39内に存在することが保証される。そのためには、増圧器25から後退時に戻る液圧媒体がオイル溜39のところを通過して、タンク13にもしくは相応な他のオイル溜に導くことができるようになっていると、有利である。戻る液圧媒体はこの場合オイル溜39において次のように、すなわち後吸込み管路41の領域において空気の混合した液圧媒体が存在しないように、導かれる。このことは、ハイドロスタティック区間33が確実に機能するために特に重要である。空気セパレータ37はそのために基本的に2つの機能部分を、つまり制御ブロックに組み込まれたオイル溜39もしくは通過領域(Umlegungsbereich)と、空気セパレータ管片47を備えたカバー51とを有している。戻し管路45及びタンク管路43を密につまりシール作用をもって閉鎖する付加的な充填カバーを介して、ハイドロスタティック区間33を汎用のように真空充填することができる。
【0043】
自動車2の内燃機関ひいてはオートマチック伝動装置5の機械式の液圧ポンプ23が停止している場合には、オートマチック伝動装置5には外部から液圧媒体が供給されねばならない。オートマチック伝動装置5の液圧制御における面倒もしくは高価な変更を回避するために、単に機械式の液圧ポンプ23のハウジングを僅かだけ変更すると有利である。このような変更を実現する有利な構成では、ハウジングが流出領域に付加的な接続部を有していて、この接続部を介して、電気式の液圧ポンプ7によって準備された液圧媒体が、通常時におけると同じ経路で、オートマチック伝動装置5の液圧制御装置に達するようになっている。液圧制御装置の機能が、電気式の液圧ポンプ7を用いた外部からの供給なしの運転状態において影響されることを確実に回避するために、逆止弁21が設けられており、この逆止弁21は、液圧媒体が機械式の液圧ポンプ23から電気式の液圧ポンプ7に向かって戻り流れることを阻止する。
【0044】
電気式の液圧ポンプ7の運転時に有利には、高温の排熱を発生させる電動機9の運転ポイントのために、過熱の防止を目的として、熱交換器15が設けられている。熱交換器15を用いて電動機9は、熱に対して重要なハウジング領域、つまり高温になり冷却が望まれているハウジング領域において、電気式の液圧ポンプ7の搬送流から成る液圧媒体によって周囲を環流されることができ、しかしながらこの場合電動機9の内部は液圧媒体が流れない。熱交換器15は直に液圧ブロックに組み込まれることができる。電気式の液圧ポンプ7から搬送された液圧媒体は、それが後続の弁機能のために準備される前に、すべてが熱交換器15を貫いて導かれるようになっていてよい。
【0045】
ハイブリッドクラッチ3の遮断によって電気的な出力最高値は、有利に減じられることができる。そのために、この遮断状態において、電気式の液圧ポンプ7によって準備された容積流は、付加的な容積流源によって、つまりエネルギアキュムレータ57の皿ばねアキュムレータ59によって助成されることができる。これによって有利に電気式の液圧ポンプ7のサイズを減じることができる。従って必要な最大電気出力を減じること、及び残りの負荷ポイントに接近させることができる。エネルギアキュムレータ57のチャージは、他の消費機(Abnehmer)による出力需要が僅かか又はまったく存在しない状態において行うことができる。
【0046】
エネルギアキュムレータ57の皿ばねアキュムレータ59は、第1の比例弁17と増圧器25との間に、つまり接続管路65内に、平行にもしくは並列的に接続されることができる。2ポート2位置方向切換え弁61、例えば単純なアキュムレータチャージ弁として有利にはいわゆる座構造形式(Sitzbauweise)において構成することができる2ポート2位置方向切換え弁61を介して、エネルギアキュムレータ57は残りの液圧系に接続又は遮断される。ハイブリッドクラッチ3の遮断時に、チャージされたエネルギアキュムレータ57は残りの液圧系に接続されて、空になり、これにより遮断動作を助成する。ハイブリッドクラッチ3の遮断動作が終了するやいなや、第1の比例弁17のメインスプールは、エネルギアキュムレータ57が再びチャージされるまでそのポジションに留まる。チャージ動作は圧力センサ71及び/又は距離センサ73によって監視されることができる。2ポート2位置方向切換え弁61はチャージ動作が行われた後で閉鎖されることができる。
【0047】
図4に示された液圧回路装置1によれば、エネルギアキュムレータ57は、第1の比例弁17の位置とは無関係に独立して制御されることができる。エネルギアキュムレータ57のチャージ状態は持続的に監視されることができる。有利にはエネルギアキュムレータ57は、残りの液圧系のエネルギ需要が許されている限り、無関係に独立して補充チャージされ得る。このようになっていると、ハイブリッドクラッチ3の各遮断動作の前には十分な液圧エネルギがエネルギアキュムレータ57内に存在することが保証され、有利である。
【0048】
別の利点としては、エネルギアキュムレータ57の容積流と電気式の液圧ポンプ7の容積流とを一緒に第1の比例弁17を介して調整できるということが挙げられる。
【0049】
全体として、自動車2のオートマチック伝動装置5及びハイブリッドクラッチ3の液圧制御の可能性が生ぜしめられ、しかもこの場合、液圧エネルギを生ぜしめるために使用される電気エネルギは特に僅かで済む。
【符号の説明】
【0050】
1 液圧回路装置、 2 自動車、 3 ハイブリッドクラッチ、 5 オートマチック伝動装置、 7 電気式の液圧ポンプ、 9 電動機、 11 吸込みフィルタ、 13 タンク、 15 熱交換器、 17 第1の比例弁、 19 電磁式の作動装置、 21 逆止弁、 23 機械式の液圧ポンプ、 25 増圧器、 27 増圧器のスレーブシリンダ、 29 増圧器のマスタシリンダ、 31 ハイブリッドクラッチのスレーブシリンダ、 33 ハイドロスタティック区間、 35 後吸込み装置、 37 空気セパレータ、 39 オイル溜、 41 後吸込み管路、 43 タンク管路、 45 戻し管路、 47 空気セパレータ管片、 49 矢印、 51 カバー、 53 液圧ハウジング、 55 シール部材、 57 エネルギアキュムレータ、 59 皿ばねアキュムレータ、 61 2ポート2位置方向切換え弁、 63 電気式の作動装置、 65 接続管路、 67 第2の比例弁、 69 電気式の作動装置、 71 圧力センサ、 73 距離センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(2)のハイブリッドクラッチ(3)及びオートマチック伝動装置(5)を制御するための液圧回路装置(1)であって、ハイブリッドクラッチ(3)及びオートマチック伝動装置(5)に液圧媒体を供給するための電気式の液圧ポンプ(7)と、該液圧ポンプ(7)に後置されていて増圧器スレーブシリンダ(27)及び増圧器マスタシリンダ(29)を備えた増圧器(25)と、該増圧器(25)とハイブリッドクラッチ(3)との間に配置されていて増圧器マスタシリンダ(29)を備えたハイドロスタティック区間(33)と、ハイブリッドクラッチ(3)を制御するためのハイブリッドクラッチスレーブシリンダ(31)とが設けられている形式のものにおいて、増圧器スレーブシリンダ(27)に配属されていて該増圧器スレーブシリンダ(27)から液圧媒体を供給される後吸込み装置(35)が、ハイドロスタティック区間(33)に液圧媒体を補充するために設けられていることを特徴とする、自動車のハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための液圧回路装置。
【請求項2】
請求項1の上位概念部記載の液圧回路装置、特に請求項1記載の液圧回路装置であって、液圧エネルギを選択的に蓄積、受容及び/又は供給するための、接続可能な後吸込み装置(35)が設けられていることを特徴とする、自動車のハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための液圧回路装置。
【請求項3】
請求項1の上位概念部記載の液圧回路装置、特に請求項1又は2記載の液圧回路装置であって、オートマチック伝動装置(5)に液圧媒体を供給するための、機械式の液圧ポンプ(23)が設けられていることを特徴とする、自動車のハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための液圧回路装置。
【請求項4】
請求項1の上位概念部記載の液圧回路装置、特に請求項1から3までのいずれか1項記載の液圧回路装置であって、電気式の液圧ポンプ(7)の電動機(9)の排熱を液圧媒体に排出するための、熱交換器(15)が設けられていることを特徴とする、自動車のハイブリッドクラッチ及びオートマチック伝動装置を制御するための液圧回路装置。
【請求項5】
第1の4ポート3位置方向切換え比例弁(17)が設けられていて、第1の切換え位置において電気式の液圧ポンプ(7)が増圧器スレーブシリンダ(27)と連結され、第2の切換え位置において電気式の液圧ポンプ(7)が機械式の液圧ポンプ(23)と並列接続され、かつ第3の切換え位置において電気式の液圧ポンプ(7)と機械式の液圧ポンプ(23)とが並列接続されて、増圧器スレーブシリンダ(27)がオイル後吸込み装置(35)と接続されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の液圧回路装置。
【請求項6】
電気式の液圧ポンプ(7)と機械式の液圧ポンプ(23)との間に、該機械式の液圧ポンプ(23)から電気式の液圧ポンプ(7)への逆流を阻止するための逆止弁(21)が配置されている、請求項3記載の液圧回路装置。
【請求項7】
後吸込み装置(35)が、増圧器スレーブシリンダ(27)とハイドロスタティック区間(33)との間に配置されたオイル溜(39)を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載の液圧回路装置。
【請求項8】
後吸込み装置(35)が、オイル溜(39)と増圧器スレーブシリンダ(27)との間に配置され空気セパレータ(37)を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の液圧回路装置。
【請求項9】
エネルギアキュムレータ(57)が皿ばねアキュムレータ(59)を有している、請求項2から8までのいずれか1項記載の液圧回路装置。
【請求項10】
エネルギアキュムレータ(57)が2ポート2位置方向切換え弁(61)を介して接続可能である、請求項2から9までのいずれか1項記載の液圧回路装置。
【請求項11】
エネルギアキュムレータ(57)が2ポート2位置方向切換え弁(61)を介して第1の比例弁(17)と増圧器(25)との間に接続可能である、請求項2から10までのいずれか1項記載の液圧回路装置。
【請求項12】
第2の3ポート3位置方向切換え比例弁(67)が設けられていて、第1の切換え位置においてエネルギアキュムレータ(57)が遮断されて電気式の液圧ポンプ(7)が第1の比例弁(17)と接続され、第2の切換え位置においてエネルギアキュムレータ(57)及び電気式の液圧ポンプ(7)が第1の比例弁(17)と接続され、かつ第3の切換え位置において電気式の液圧ポンプ(7)がエネルギアキュムレータ(57)と接続されている、請求項2から11までのいずれか1項記載の液圧回路装置。
【請求項13】
エネルギアキュムレータ(57)が、液圧エネルギを蓄積及び/又は受容するために電気式の液圧ポンプ(7)に並列接続可能である、請求項2から12までのいずれか1項記載の液圧回路装置。
【請求項14】
エネルギアキュムレータ(57)が第2の比例弁(67)の第2の切換え位置において、予め蓄えられている場合には液圧エネルギを解放もしくは放出する、請求項2から13までのいずれか1項記載の液圧回路装置。
【請求項15】
エネルギアキュムレータ(57)が第2の比例弁(67)の第3の切換え位置において、電気式の液圧ポンプ(7)から供給された液圧エネルギを受容する、請求項2から14までのいずれか1項記載の液圧回路装置。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか1項記載の液圧回路装置(1)を備えた自動車(2)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−512493(P2010−512493A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540593(P2009−540593)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際出願番号】PCT/DE2007/002075
【国際公開番号】WO2008/071140
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(390009070)ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト (236)
【氏名又は名称原語表記】LuK Lamellen und Kupplungsbau  Beteiligungs KG
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 3, D−77815 Buehl, Germany
【Fターム(参考)】