説明

自動車のバッテリー冷却構造

【課題】バッテリー冷却性能及び車両の運動性能の両方を良好にすることができる自動車のバッテリー冷却構造を得る。
【解決手段】バッテリー冷却構造10では、フロアパネル28に設けられた傾斜壁28Aが、車体後方側へ向かうに従い下降するように傾斜している。これにより、フロアパネル28とバッテリーモジュール12との間に形成された隙間40は、車体前後方向と垂直な断面の断面積が車体後方側へ向かうに従い漸減している。このため、車体前方側から上記隙間40に導入された走行風W1は、車体後方側へ向かうに従い流速が増加する。これにより、車両の運動性能を良好にすることができる。しかも、バッテリーモジュール12の上面に当たる走行風W1の流速が増加されるため、バッテリー冷却性能を良好にすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体床部の下側に配置されたバッテリーモジュールを冷却するための自動車のバッテリー冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に示されたバッテリー冷却システムは、車両の床下に設けられ、バッテリーを収容可能なように凹んだ凹状の収容部と、バッテリーより走行方向上流側に設けられ、前記収容部内に走行風を導入するためのバッフルと、を備えており、走行風を用いてバッテリーを冷却するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−092805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の如きバッテリー冷却システムでは、収容部内に導入された走行風がバッテリー(バッテリーモジュール)と干渉することにより、車両の運動性能に影響がでる可能性がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、バッテリー冷却性能及び車両の運動性能の両方を良好にすることができる自動車のバッテリー冷却構造を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明に係る自動車のバッテリー冷却構造は、車体床部の下側に配置されると共に、前記車体床部との間に隙間が形成され、車体前方側から前記隙間に導入される走行風が前記隙間の後端から導出されるバッテリーモジュールと、前記車体床部及び前記バッテリーモジュールの少なくとも一方に設けられ、前記隙間における車体前後方向と垂直な断面の断面積を車体後方側へ向かうに従い漸減させた断面積漸減部と、を備えている。
【0007】
請求項1に記載の自動車のバッテリー冷却構造では、車体床部及びバッテリーモジュールの少なくとも一方に設けられた断面積漸減部によって、車体床部とバッテリーモジュールとの間に形成された隙間における車体前後方向と垂直な断面の断面積が車体後方側へ向かうに従い漸減している。このため、車体前方側から上記隙間に導入された走行風の流速は、上記隙間の車体後方側へ向かうに従い増加する。これにより、車両の運動性能を良好にすることができる。しかも、バッテリーモジュールの上面に当たる走行風の流速が増加されるため、バッテリー冷却性能を良好にすることもできる。
【0008】
請求項2に記載の発明に係る自動車のバッテリー冷却構造は、請求項1に記載の自動車のバッテリー冷却構造において、前記断面積漸減部は、前記車体床部に設けられ、車体後方側へ向かうに従い下降するように傾斜した傾斜壁である。
【0009】
請求項2に記載の自動車のバッテリー冷却構造では、車体床部に設けられた傾斜壁が、車体後方側へ向かうに従い下降するように傾斜している。これにより、車体床部とバッテリーモジュールとの間に形成された隙間における車体前後方向と垂直な断面の断面積が車体後方側へ向かうに従い漸減している。このように、断面積漸減部としての傾斜壁が車体床部に設けられているため、バッテリーモジュールに断面積漸減部(傾斜部等)が設けられる場合と比較して、バッテリー容量等の設定を容易なものにすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明に係る自動車のバッテリー冷却構造は、請求項2に記載の自動車のバッテリー冷却構造において、前記車体床部は、前記傾斜壁の後端から車体後方側へ延びて前記バッテリーモジュールの後端よりも車体後方側へ至る中間壁と、前記中間壁の後端から車体下方側へ延びる縦壁と、前記縦壁の下端から車体後方側へ延びる下壁とを有し、前記バッテリーモジュールと前記縦壁との間に形成された空間を介して前記隙間が車体外側に連通されており、前記下壁が前記バッテリーモジュールの下面と同等の高さに配置されている。
【0011】
請求項3に記載の自動車のバッテリー冷却構造では、車体床部の傾斜壁とバッテリーモジュールとの間に導入されることにより流速を増加された走行風は、傾斜壁の後端から車体後方側へ延びる中間壁に沿ってバッテリーモジュールの車体後方側へ流れる。上記中間壁の後端からは縦壁が車体下方側へ延びており、当該縦壁とバッテリーモジュールとの間に形成された空間を介して上記隙間が車体の外側(下側)に連通されている。また、縦壁の下端からは、バッテリーモジュールの下面と同等の高さに配置された下壁が車体後方側へ延びている。このため、上述の如くバッテリーモジュールの車体後方側へ流れた走行風(以下、「上側の走行風」という)は、バッテリーモジュールと縦壁との間の空間内を降下すると共に、バッテリーモジュールの下側を流れる走行風(以下、「下側の走行風」という)と合流し、下壁に沿って車体後方側へと流れる。ここで、前記合流の際には、流速を増加された上側の走行風が下側の走行風と合流することにより、下側の走行風がバッテリーモジュールと縦壁との間の空間へ巻き上げることを抑制できる。これにより、例えば、バッテリーモジュールと下壁との間に設定されるアンダーカバー(走行風の巻き上げを防止する板状の部材)を省略することができる。なお、請求項3に記載の「同等」は、上述の効果が得られる程度のものであればよく、「略同じ高さ」と同義である。
【0012】
請求項4に記載の発明に係る自動車のバッテリー冷却構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の自動車のバッテリー冷却構造において、前記バッテリーモジュールは、前記車体床部と対向して配置された上壁部に、金属製の熱伝導部が設けられている。
【0013】
請求項4に記載の自動車のバッテリー冷却構造では、車体床部とバッテリーモジュールとの間の隙間に導入されることにより流速を増加された走行風が、バッテリーモジュールの上壁部に設けられた金属製の熱伝導部に当たる。これにより、当該熱伝導部を介してバッテリーモジュールの熱を良好に放散することができるので、バッテリー冷却性能を一層良好にすることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明に係る自動車のバッテリー冷却構造は、請求項4に記載の自動車のバッテリー冷却構造において、前記熱伝導部は、少なくとも前記上壁部の後部側に設けられている。
【0015】
請求項5に記載の自動車のバッテリー冷却構造では、バッテリーモジュールの上壁部における少なくとも後部側、すなわち、車体床部とバッテリーモジュールとの間の隙間に導入される走行風の流速が速くなる側に金属製の熱伝導部が設けられている。これにより、バッテリーを効率的に冷却することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明に係る自動車のバッテリー冷却構造では、バッテリー冷却性能及び車両の運動性能の両方を良好にすることができる自動車のバッテリー冷却構造を得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る自動車のバッテリー冷却構造の概略的な構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施形態の第1比較例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の実施形態の第2比較例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1〜図3を用いて、本発明に係る自動車のバッテリー冷却構造の一実施形態について説明する。なお、各図中に適宜示される矢印FRは車体前方を示し、矢印UPは車体上方を示している。
【0019】
図1には、本実施形態に係る自動車のバッテリー冷却構造10(以下、単に「バッテリー冷却構造10」という)の概略的な構成が車体幅方向一側(車体左方側)から見た縦断面図にて示されている。この自動車は、例えば、電気自動車、ガソリンハイブリッド車、燃料電池ハイブリッド車等のようにバッテリーモジュール12が搭載された自動車であり、本実施形態における自動車のバッテリー冷却構造10は、このような自動車に適用される構造である。
【0020】
図1に示されるように、本実施形態では、バッテリーモジュール12が自動車の車体床部14の下側(車体床部14と地面11との間)に配置されている。このバッテリーモジュール12は、内側にバッテリー(例えば、リチウムイオン二次電池)を収容した外装部材(ケース)16を備えている。この外装部材16は、高さ寸法が小さい箱状に形成されており、車体幅方向中央側に車体前後方向を長手方向として配置されている。この外装部材16は、上壁部16Aの略全体がスチール製(金属製)の板材からなる熱伝導部18によって構成されており、上壁部16A以外が樹脂材料等によって形成されている。この外装部材16の周囲にはバッテリーフレーム20が設けられている。
【0021】
バッテリーフレーム20は、外装部材16の前後両側に配置されて車体幅方向に延びるフロントフレーム22及びリヤフレーム24と、外装部材の左右両側に配置されて車体前後方向に延びる左右一対のサイドフレーム(図示省略)とを備えており、枠状に形成されている。バッテリーモジュール12は、このバッテリーフレーム20を介して車体の骨格(ロッカ等)に固定されている。
【0022】
一方、車体床部14は、車室26の床部を構成するフロアパネル28と、荷室30の床部を構成するラゲッジフロアパネル32とを備えており、バッテリーモジュール12は、フロアパネル28の下方に配置されている。
【0023】
フロアパネル28は、前端部がダッシュパネル34の下端部に結合されており、後端部がラゲッジフロアパネル32の前端部に結合されている。このフロアパネル28の前部側には、車体後方側へ向かうに従い緩やかに下降するように傾斜した傾斜壁28A(断面積漸減部)が設けられている。また、フロアパネル28の後部側には、車体に対して略水平に配置された中間壁28Bが設けられている。中間壁28Bは、傾斜壁28Aの後端から車体後方側へ延びており、バッテリーモジュール12の後端よりも車体後方側へ延設されている。
【0024】
一方、ラゲッジフロアパネル32は、車体に対して略垂直に配置された縦壁32Aと、当該縦壁32Aの下端から車体後方側へ延びる下壁32Bとを備えている。縦壁32Aは、バッテリーモジュール12の後面に対して車体後方側へ十分に離間して配置されており、上端部がフロアパネル28における中間壁28Bの後端部と結合されている。また、下壁32Bは、車体に対して略水平に配置されており、バッテリーモジュール12の下面と同等の高さ(ここでは、バッテリーモジュール12の下面よりも僅かに下方側)に配置されている。
【0025】
ここで、本実施形態では、フロアパネル28とバッテリーモジュール12との間には、車体前部に設けられたコンパートメント38(エンジン、モータ等が配置される空間)に連通された隙間40が形成されており、当該隙間40には、自動車の走行時にコンパートメント38内に導入された走行風や、コンパートメント38の下側を通過した走行風が、車体前方側から導入されるようになっている。この隙間40は、フロアパネル28の傾斜壁28Aとバッテリーモジュール12との間に配置された前部側の高さ寸法が、車体後方側へ向かうに従い漸減している。これにより、隙間40の前部側は、車体前後方向と垂直な断面の断面積が車体後方側へ向かうに従い漸減している。また、隙間40の後部側は、高さ寸法が略一定とされており、車体前後方向と垂直な断面の断面積が、車体前後方向における各位置において略一定とされている。
【0026】
上述の隙間40の後端は、バッテリーモジュール12の後面と縦壁32Aとの間に形成された空間42に連通されている。この空間42は、下端側が開放されており、上述の隙間40は、上記空間42を介して車体の外側(下側)に連通されている。このため、車体前方側から隙間40に導入された走行風は、隙間40の後端から空間42へ導出されると共に、空間42の下端から車体の外側へ導出されるようになっている。
【0027】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0028】
上記構成のバッテリー冷却構造10では、フロアパネル28に設けられた傾斜壁28Aが、車体後方側へ向かうに従い下降するように傾斜している。これにより、フロアパネル28とバッテリーモジュール12との間に形成された隙間40は、車体前後方向と垂直な断面の断面積が車体後方側へ向かうに従い漸減している。このため、車体前方側から上記隙間40に導入された走行風W1の流速は、隙間40の車体後方側へ向かうに従い増加する。これにより、車両の運動性能(空力性能)を良好にすることができる。しかも、バッテリーモジュール12の上面に当たる走行風W1の流速が増加されるため、バッテリー冷却性能を良好にすることもできる。
【0029】
なお、本実施形態では、バッテリーモジュール12を車体に固定するためのバッテリーフレーム20によってバッテリー冷却用の走行風が多少遮られるが、上述の如く隙間40に導入される走行風W1によってバッテリーモジュール12の上面側が冷却されるため、バッテリー冷却性能を良好にすることができる。換言すれば、バッテリーフレーム20によって衝突安全性を確保すると共にチッピング(小石の跳ね上げ)等からバッテリーを保護しつつ、バッテリー冷却性能を良好にすることができる。
【0030】
しかも、本実施形態では、上記隙間40の断面積を漸減させる傾斜壁28Aがフロアパネル28に設けられているため、バッテリーモジュール12の外装部材16等に断面積漸減部(傾斜部等)が設けられる場合と比較して、バッテリー容量等の設定を容易なものにすることができる。
【0031】
また、本実施形態では、隙間40に導入されることにより流速を増加された走行風W1は、傾斜壁28Aの後端から車体後方側へ延びる中間壁28Bに沿ってバッテリーモジュール12の車体後方側へ流れる。上記中間壁28Bの後端からは縦壁32Aが車体下方側へ延びており、当該縦壁32Aとバッテリーモジュール12の後面との間に形成された空間42を介して上記隙間が車体の外側(下側)に連通されている。また、縦壁32Aの下端からは、バッテリーモジュール12の下面と同等の高さに配置された下壁32Bが車体後方側へ延びている。このため、上述の如くバッテリーモジュール12の車体後方側へ流れた走行風W1(以下、「上側の走行風W1」という)は、バッテリーモジュール12と縦壁32Aとの間の空間42内を降下すると共に、バッテリーモジュール12の下側を流れる走行風W2(以下、「下側の走行風W2」という)と合流し、下壁32Bに沿って車体後方側へと流れる。ここで、前記合流の際には、流速を増加された上側の走行風W1が下側の走行風W2と合流することにより、下側の走行風W2がバッテリーモジュール12と縦壁32Aとの間の空間42へ巻き上げることを抑制できる。
【0032】
つまり、図2に示される第1比較例のように、上側の走行風W1が生じない構成の場合には、下側の走行風W2が空間42内へ巻き上げることにより、走行風W2の整流が妨げられてしまう。また、上述の如き巻き上げを防止するため、図3に示される第2比較例のように、バッテリーモジュール12と下壁32Bとの間に平板状のアンダーカバー46を設定した場合には、当該アンダーカバー46によって車両の質量及びコストが増加してしまう。
【0033】
これに対し、本実施形態では、上側の走行風W1の風圧によって下側の走行風W2の巻き上げが抑制されることにより、走行風が整流されるため、車両の運動性能を良好にしつつ、軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0034】
また、本実施形態では、隙間40に導入されることにより流速を増加される走行風W1が、バッテリーモジュール12の上壁部16Aに設けられたスチール製の熱伝導部18に当たる。これにより、当該熱伝導部18を介してバッテリーモジュールの熱を良好に放散することができるので、バッテリー冷却性能を一層良好にすることができる。
【0035】
<実施形態の補足説明>
上記実施形態では、バッテリーモジュール12の外装部材16における上壁部16Aの略全体がスチール製の熱伝導部18によって構成された場合について説明したが、請求項1〜請求項5に係る発明はこれに限らず、熱伝導部18が上壁部16Aの後部側だけに設けられた構成にしてもよい。すなわち、隙間40に導入された走行風W1は、上壁部16Aの後部側へ向かうに従い流速を増加されるため、走行風W1の流速が速くなるところにスチール製の熱伝導部18が設けられることにより、バッテリーモジュール12を効率的に冷却することができる。しかも、上壁部16Aの略全体がスチール製の熱伝導部18によって構成される場合と比較して、バッテリーモジュール12の軽量化を図ることができる。
【0036】
また、上記実施形態では、上壁部16Aに設けられた熱伝導部18がスチール製(金属製)とされた構成にしたが、請求項1〜請求項3に係る発明はこれに限らず、熱伝導部は、外装部材16における上壁部16A以外の部位よりも熱伝導率が高い材料によって形成されていればよい。また、請求項1〜請求項3に係る発明では、熱伝導部が省略された構成にしてもよい。
【0037】
さらに、上記実施形態では、車体床部14が傾斜壁28A、中間壁28B、縦壁32A及び下壁32Bを備え、当該下壁32Bがバッテリーモジュール12の下面と同等の高さに配置された構成にしたが、請求項1及び請求項2に係る発明はこれに限らず、車体床部の構成や下壁の配置高さは適宜変更することができる。例えば、図1において、下壁32Bがバッテリーモジュール12の下面よりも高く且つバッテリーモジュール12の上面よりも低い位置に配置された構成であっても、上側の走行風W1が下側の走行風W2と合流することにより、空間42への走行風W2の巻き上げを抑制することができる。また例えば、中間壁28B及び縦壁32Aが省略されると共に、傾斜壁28Aが車体後方側へ延長されて下壁32Bに連続するように構成してもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、隙間40の後部側では、車体前後方向と垂直な断面の断面積が車体前後方向における各位置において略一定とされた構成にしたが、請求項1〜請求項5に係る発明はこれに限らず、隙間の後部側においては、車体前後方向と垂直な断面の断面積が車体後方側へ向かうに従い増加する構成にしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、フロアパネル28(車体床部14)に設けられた傾斜壁28Aが断面積漸減部とされた構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、断面積漸減部は、車体床部及びバッテリーモジュールの少なくとも一方に設けられていればよく、その構成は適宜変更することができる。例えば、バッテリーモジュールの上壁部に、車体後方側へ向かうに従い上昇するように傾斜した傾斜部(断面積漸減部)を設定する構成にしてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、コンパートメント38内に導入された走行風や、コンパートメント38の下側を通過した走行風が、隙間40に導入される構成にしたが、請求項1〜5に係る発明はこれに限らず、コンパートメント38の下側を通過した走行風のみが、隙間40に導入される構成にしてもよい。
【0041】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0042】
10 自動車のバッテリー冷却構造
12 バッテリーモジュール
14 車体床部
16 外装部材
16A 上壁部
18 熱伝導部
28A 傾斜壁(断面積漸減部)
28B 中間壁
32A 縦壁
32B 下壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体床部の下側に配置されると共に、前記車体床部との間に隙間が形成され、車体前方側から前記隙間に導入される走行風が前記隙間の後端から導出されるバッテリーモジュールと、
前記車体床部及び前記バッテリーモジュールの少なくとも一方に設けられ、前記隙間における車体前後方向と垂直な断面の断面積を車体後方側へ向かうに従い漸減させた断面積漸減部と、
を備えた自動車のバッテリー冷却構造。
【請求項2】
前記断面積漸減部は、前記車体床部に設けられ、車体後方側へ向かうに従い下降するように傾斜した傾斜壁である請求項1に記載の自動車のバッテリー冷却構造。
【請求項3】
前記車体床部は、前記傾斜壁の後端から車体後方側へ延びて前記バッテリーモジュールの後端よりも車体後方側へ至る中間壁と、前記中間壁の後端から車体下方側へ延びる縦壁と、前記縦壁の下端から車体後方側へ延びる下壁とを有し、前記バッテリーモジュールと前記縦壁との間に形成された空間を介して前記隙間が車体外側に連通されており、前記下壁が前記バッテリーモジュールの下面と同等の高さに配置されている請求項2に記載の自動車のバッテリー冷却構造。
【請求項4】
前記バッテリーモジュールは、前記車体床部と対向して配置された上壁部に、金属製の熱伝導部が設けられている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の自動車のバッテリー冷却構造。
【請求項5】
前記熱伝導部は、少なくとも前記上壁部の後部側に設けられている請求項4に記載の自動車のバッテリー冷却構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−28192(P2013−28192A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163512(P2011−163512)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】