説明

自動車用ドアのシール構造

【課題】本来のシール性能の低下をもたらすことなく製造コストの低減を図り、もってシールリップのいわゆる反転現象の防止やシリコーン塗布量の最少限化を可能とした自動車用ドアのシール構造を提供する。
【解決手段】リアドア1のドアサッシュ3後端とリアサイドウインドガラス2の前端との突き合わせ部でのシール構造であり、ドアウエザーストリップ4側の補助シールリップ6を、リアサイドウインドガラス2の前端縁に装着されたガーニッシュ7に弾接させてシールする。ガーニッシュ7には、オーバーストローク位置P1では極小面積での接触をもって補助シールリップ6が乗り上げるも、ドア閉止位置(正規シール位置)P2では補助シールリップ6が接触しないことになる突起部11を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ドアのシール構造に関し、例えば前ヒンジ式のフロントドアまたはリアドアに隣接してその後方側にリアサイドウインドガラス(リアクウォーターガラスとも称される)が配されている場合に、ドアウエザーストリップのうちドア閉止時に少なくとリアサイドウインドガラスの前端と対峙することになる部分においてそのドアウエザーストリップをリアサイドウインドガラス側の縁飾り部材に弾接させてシールするようにした自動車用ドアのシール構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば図3に示す4ドアワゴン系の自動車のように、前ヒンジ式のリアドア1の後方側にそれと隣接してリアサイドウインドガラス2が配されている場合に、リアドア1のドアサッシュ3後端とリアサイドウインドガラス2の前端とが突き合わされるかもしくは正対することになる部分では、図4に示すようにそのリアドア1の周縁部に装着されているドアウエザーストリップ4をそのリアサイドウインドガラス2の前端に弾接させてシールすることがある。
【0003】
より具体的には、ドアサッシュ3を含むリアドア1の周縁部には、中空状のメインシールリップ5とそれよりも車室外側に位置する舌片状の補助シールリップ6とを有するドアウエザーストリップ4が装着されている一方、リアサイドウインドガラス2の少なくとも前端縁には縁飾り部材として樹脂製のガーニッシュ7が装着されている。そして、符号Mで示すドア進入軌跡のもとでのリアドア1の閉止時には、メインシールリップ5を車体パネル8のうちリアドア1を受容することになるドア開口部の開口縁に弾接させる一方、補助シールリップ6をガーニッシュ7に弾接させて、ドアウエザーストリップ4によるいわゆる二重シール構造をもってシールするようになっている。
【0004】
なお、ガーニッシュ7はリアサイドウインドガラス2に接着固定されている場合のほか、そのリアサイドウインドガラス2をインサートとするいわゆるインサート成形法によってガーニッシュ7自体を成形する際にリアサイドウインドガラス2に一体的に固定されている場合とがある。
【0005】
このような構造において、特に補助シールリップ6の挙動に着目した場合に、リアドア1の閉止状態では補助シールリップ6が大きく撓んだ上で車体パネル8に対して面接触していることから、ドア開時に両者の摩擦力のために補助シールリップ6が逆U字状に折れ曲がるようにして反転しようとし、それによってドア開時の抵抗が増大がするほか、補助シールリップ6の形状復元時に異音が発生するという不具合がある。
【0006】
より詳しくは、リアドア1を閉止しようとする際には、リアドア1は本来の閉止位置を一旦通り過ぎてわずかにオーバーストロークした上で、ドアウエザーストリップ4の反力によりドア開方向側にわずかに復元して正規の閉止位置に静止することになる。その際に、リアドア1とともにドアウエザーストリップ4の補助シールリップ6までもオーバーストロークするも、ガーニッシュ7との間の摩擦力のために補助シールリップ6の先端をオーバースストローク位置に残したままで、その補助シールリップ6の根元側のみがリアドア1に追従してドア開方向にわずかに変位することになる。この状態は補助シールリップ6の過剰変形状態にほかならず、この状態を引き金としてドア開時に補助シールリップ6が反転することになる。
【0007】
このような不具合はガーニッシュ7に対する補助シールリップ6の先端の滑りを良くすれば解消されるとの観点から、シールリップ6の表面に予めシリコーンを塗布することが従来から行われているが、シリコーン塗布作業のために作業工数が増大するほか、耐久性を考慮した場合にはシリコーンの膜厚を一定量以上確保する必要があり、それによって一段とコストアップが余儀なくされる。
【0008】
そこで、補助シールリップ6が弾接することになる相手側が上記のようなガーニッシュ7ではなく車体パネル8そのものである場合に、補助シールリップ6の先端に突起部を形成して車体パネル8に対する補助シールリップ6の接触面積ひいては摩擦力を少なくし、もって上記の各種不具合の解消を図った類似技術が特許文献1および特許文献2で提案されている。
【0009】
なお、これらの類似技術では、先に述べたようにメインシールリップ5および補助シールリップ6の双方を車体パネル8側のドア開口部の開口縁に弾接させるようにしている。
【特許文献1】特開平9−300963号公報
【特許文献2】特開2000−255267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1,2に記載の技術では、相手側部材に対する補助シールリップ6の接触面積ひいては摩擦力が少なくなることによって、補助シールリップ6のいわゆる反転現象の防止やシリコーン塗布量の最少限化またはシリコーン塗布作業そのものの廃止が期待できるものの、相手側部材に対するシールリップ6の接触面積が大幅に小さくなることによって本来のシール性能を維持できなくなるおそれがあり、実用上好ましくない。
【0011】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、とりわけ本来のシール性能の低下をもたらすことなく製造コストの低減を図り、もってシールリップのいわゆる反転現象の防止やシリコーン塗布量の最少限化を可能とした自動車用ドアのシール構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、シールリップを有するドアウエザーストリップを自動車のドアの周縁部に装着し、ドア閉止時に少なくとリアサイドウインドガラスの前端と対峙することになる部分において上記シールリップをリアサイドウインドガラス側の縁飾り部材に弾接させてシールするようにした自動車用ドアのシール構造において、上記縁飾り部材のうちドア閉時にシールリップが弾接してシール面として機能する部位よりも車室内側に極小面積をもってシールリップと接触可能な突起部を形成したことを特徴とする。
【0013】
ここで、先にも述べたように、ドアを閉止する際には、ドア自体が本来のドア閉止位置よりも一旦は所定量だけオーバーストロークした上で、ドアウエザーストリップ等の反力によりドア開方向にわずかに復元して初めてドア閉止位置で静止する。そこで、上記突起部の位置としては、上記のようにドアがオーバーストロークした際にシールリップに例えば線接触のかたちで接触するも、ドアが開方向にわずかに復元して静止した時にはシールリップに接触することがないような位置に設定する。
【0014】
特に、突起部に対するシールリップの引っ掛かり現象を防止するためには、請求項2に記載のように、上記縁飾り部材におけるシール面の長手方向に沿って不連続で且つ独立した複数の突起部を形成することが望ましい。
【0015】
また、シールリップの挙動を安定化させるためには、請求項3に記載のように、上記シールリップはドアウエザーストリップの取付基部から延出しているとともに、自由状態においてその先端部側が車室外側に向かって傾斜姿勢となるように延出方向のほぼ中央部で屈曲した形状となっていて、ドア閉止時に上記屈曲位置よりも先端側を縁飾り部材に弾接させてシール面として機能させるようになっていることが望ましい。
【0016】
この場合、請求項4に記載のように、上記縁飾り部材はリアサイドウインドガラスの前端縁に装着された樹脂製のガーニッシュであるものとする。
【0017】
また、請求項5に記載のように、上記ドアウエザーストリップは、中空状のメインシールリップとは別にそのメインシールリップよりも車室外側に位置する舌片状の補助シールリップとを備えていて、ドア閉止時に、メインシールリップを車体側の開口縁部に、補助シールリップを車体側の開口縁部よりも車室外側に位置するガーニッシュにそれぞれに弾接させるようになっていることが望ましい。
【0018】
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、ドアを閉止する際には、ドアウエザーストリップのシールリップが縁飾り部材のシール面に弾接して撓み変形し、ドアが所定量だけオーバーストロークする際にシールリップが突起部に乗り上げるかたちとなる。このように、シールリップが突起部に乗り上げることは、シールリップと縁飾り部材側のシール面との接触面積が極小となることを意味する。
【0019】
そして、やがてはドアはオーバーストローク位置からドア開方向にわずかに復元して本来のドア閉止位置で静止することになるが、その時点ではシールリップと縁飾り部材との接触面積が極小であるために、シールリップはオーバーストローク位置で留まることなく縁飾り部材との間に滑りを生じて、ドア自体の復元動作に追従して変位することになる。その結果、ドアが本来のドア閉止位置で静止した段階では、シールリップも突起部から離れて縁飾り部材のシール面に弾接しながら正規シール位置にて静止し、本来のシール機能を発揮することになる。したがって、シールリップがこの状態にあるかぎりは、ドア開動作に移行したとしてもシールリップが反転するようなことはなくなる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、縁飾り部材のうちドア閉時にシールリップが弾接してシール面として機能する部位よりも車室内側に極小面積をもってシールリップと接触可能な突起部を形成したため、ドアがオーバーストローク位置からドア閉止位置に復元する際にシールリップもドアの動きに追従して正規位置まで復元して静止することになり、シールリップ本来のシール機能を確実に維持できるとともに、ドア開時におけるシールリップの反転を未然に防止できることはもちろんのこと、シールリップへのシリコーンの塗布量も必要最少限で済むほか、場合によってはシリコーン塗布作業そのものを廃止でき、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明によれば、縁飾り部材におけるシール面の長手方向に沿って不連続で且つ独立した複数の突起部を形成したため、オーバーストローク時の縁飾り部材に対するシールリップの接触面積を一段と小さくしてその滑り性を確保することができるとともに、突起部に対するシールリップの引っ掛かりを未然に防止することができ、ドアの開閉を一段とスムーズに行える利点がある。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、シールリップは、自由状態においてその先端部側が車室外側に向かって傾斜姿勢となるように延出方向のほぼ中央部で屈曲した形状となっていて、ドア閉止時に上記屈曲位置よりも先端側を縁飾り部材に弾接させてシール面として機能させるようになっているため、特に従来のようなシールリップの根元側での過剰変形を未然に防止することができ、シールリップの反転をより確実に防止できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1の(A),(B)は本発明に係る自動車用ドアのシール構造の好ましい実施の形態を示しており、図1の(A)は図4と同様に図3のA−A線に沿うドア閉止状態での断面図を、同図(B)は同図(A)の状態に至る直前のいわゆるオーバーストローク時の要部拡大図をそれぞれ示している。なお、図1において図4と共通する部分には同一符号を付してある。
【0024】
図1に示すように、リアドア1のドアサッシュ3に装着されたドアウエザーストリップ4は取付基部9と一体に中空状のメインシールリップ5が突出形成されているほか、ドア閉止時においてそのメインシールリップ5よりも車室外側に位置するように舌片状の補助シールリップ6が一体に突出形成されている。
【0025】
この補助シールリップ6は、ドアウエザーストリップ4の取付基部9から車両後方側に延出しているとともに、自由状態においてその先端部側が車室外側に向かって傾斜姿勢となるように延出方向のほぼ中央部のノッチ部10にて屈曲した形状となっていて、ドア閉止時における静止状態では、上記ノッチ部10の位置よりも先端側をリアサイドウインドガラス2の前端縁に縁飾り部材として装着された樹脂製のガーニッシュ7に弾接させてシールするようにしてある。
【0026】
そして、符号Mで示す軌跡をドア進入軌跡とするドア閉止時においては、車体側のドア開口縁部を形成している車体パネル8の一部をシール面としてメインシールリップ5が弾接するとともに、リアサイドウインドガラス2の前端縁のガーニッシュ7に補助シールリップ6が弾接し、いわゆる二重シール構造のかたちで車室内外をシールすることになる。
【0027】
ここで、ドアウエザーストリップ4そのものは図4に示した従来構造のものと同様であるのに対して、リアサイドウインドガラス2の前端縁に装着されたガーニッシュ7はドアウエザーストリップ4側の補助シールリップ6と弾接してシール面として機能する部分、より具体的には、ガーニッシュ7のシール面7aのうちドア閉止時に静止状態となった補助シールリップ6が弾接する部位よりも車室内側に極小面積をもって弾接することになる微小な突起部11を形成してある。
【0028】
すなわち、ガーニッシュ7はリアサイドウインドガラス2の前端縁に装着された断面略L字状のものであるが、補助シールリップ6が弾接することになる折曲片17のシール面7aには断面半円状の突起部11をその長手方向に沿ってビード状に形成してある。この突起部11は、図1の(B)に示すようにドア閉止時に補助シールリップ6がリアドア1とともにオーバーストロークしたときにそのオーバーストローク位置P1にて補助シールリップ6の先端部が極小面積をもって、望ましくは線接触の状態をもって乗り上げるようにして弾接するも、リアドア1とともに補助シールリップ6がオーバーストローク位置P1からドア開方向にわずかに復元してドア閉止位置である正規シール位置P2にて静止したときには、その補助シールリップ6に接触しないような位置に設定してある。なお、シール面7aに補助シールリップ6が接触したときの両者の接触面積の極小化が図れるならば、上記突起部11の断面形状は特に問わない。
【0029】
ここで、ガーニッシュ7に対する補助シールリップ6の滑りを一段と良好なものとするためには、従来と同様に補助シールリップ6の表面にシリコーンを塗布することが望ましいが、その塗布量はきわめて少量で足り、従来のようにその塗布量を厳格に管理する必要がない。また、上記補助シールリップ6の挙動が安定化している場合には、上記シリコーンの塗布は必ずしも必要としない。
【0030】
したがって、このように構成されたシール構造によれば、図1の(A)に示すようにリアドア1を閉止したときには、先にも述べたようにドアウエザーストリップ4のメインシールリップ5が車体パネル8に弾接して撓み変形または潰れ変形するとともに、補助シールリップ6がガーニッシュ7のシール面7aに弾接して撓み変形して、いわゆる二重シール構造のかたちで車室内外をシールすることになる。
【0031】
この場合、リアドア1は本来の閉止位置よりもわずかにオーバーストロークし、それに伴いドアウエザーストリップ4の補助シールリップ6もまたわずかにオーバーストロークし、図1の(B)に示すように補助シールリップ6の先端部が線接触をもって突起部11に乗り上げるかたちとなって、ガーニッシュ7のシール面7aと補助シールリップ6との間には所定に隙間が確保されることになる。
【0032】
その後、リアドア1がメインシールリップ5等の反力のためにオーバーストローク位置からわずかに車室外側に復元して本来のドア閉止位置にて静止するようになる。その際に、補助シールリップ6が線接触または極小面積をもってガーニッシュ7側の突起部11に接触しているだけであるため、補助シールリップ6もまたリアドア1の動きに追従して突起部11に対して滑りを生じながら図1の(B)のオーバーストローク位置P1からドア開方向に変位して、本来の静止位置である正規シール位置P2まで変位して静止することになる。
【0033】
このように、リアドア1のドア開方向への復元変位に伴い補助シールリップ6の先端部もまたオーバーストローク位置P1から正規シール位置P2まで変位することで図1の(A)の状態となり、従来のように補助シールリップ6が過剰変形してしまうことがない。しかも、補助シールリップ6が正規シール位置P2にあるかぎりは、ガーニッシュ7側のシール面7aとの間に十分な接触面積が確保されているため、本来のシール性能を長期にわたって維持できることになる。
【0034】
その上、補助シールリップ6がオーバーストローク位置P1にあるか正規シール位置P2にあるかにかかわらず、ドア閉止時には補助シールリップ6の屈曲位置であるノッチ部10よりも先端側を常にガーニッシュ7に弾接させてシール面として機能させるようになっているため、従来のような補助シールリップ6の根元側での過剰変形を未然に防止することができ、補助シールリップ6の反転を防止する上で有効に作用する。
【0035】
したがって、図1の(B)の状態からリアドア1を開操作した場合に補助シールリップ6が反転してしまうようなことがなく、またドア開時の抵抗が大きくこともなければ補助シールリップ6が異音を発することもなくなる。
【0036】
図2は本発明の第2の実施の形態を示し、先に説明したガーニッシュ7の要部拡大図を示している。
【0037】
先の第1の実施の形態では、ガーニッシュ7の折曲片17におけるシール面7aに設定した突起部11を長手方向に沿って連続した単一のビード状のものとして形成しているのに対して、この第2の実施の形態では、長手方向で不連続で且つ独立した断面略半円状の複数の突起部21,21‥をその長手方向に沿って並設したものである。
【0038】
この第2の実施の形態によれば、図1の(B)と同様のいわゆるオーバーストローク時に補助シールリップ6が突起部21,21‥に乗り上げた場合に(この時、突起部21,21‥がない部分では補助シールリップ6はガーニッシュ7と非接触状態となる)、両者の接触面積を一段と小さくすることが可能であり、補助シールリップ6の挙動が一段と安定化するとともに、突起部21,21‥に対する補助シールリップ6の滑り性をより良好なものとしてその引っ掛かりを未然に防止することができ、リアドア1の開閉操作をよりスムーズに行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係るシール構造の第1の実施の形態を示す図で、(A)は図3のA−A線の沿う断面と同等部位のドア閉止時の拡大断面図、(B)は同図(A)の状態に至る直前のいわゆるオーバーストローク時の要部拡大断面図。
【図2】本発明に係るシール構造の第1の実施の形態を示す図で、図1と同様のガーニッシュの要部拡大斜視図。
【図3】4ドアタイプの自動車の後斜視図。
【図4】従来のシール構造の一例を示す図で、図3のA−A線の沿う拡大断面図。
【符号の説明】
【0040】
1…リアドア
2…リアサイドウインドガラス
3…ドアサッシュ
4…ドアウエザーストリップ
5…メインシールリップ
6…補助シールリップ
7…ガーニッシュ(縁飾り部材)
7a…シール面
8…車体パネル
11…突起部
17…折曲片
21…突起部
P1…オーバーストローク位置
P2…ドア閉止位置(正規シール位置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールリップを有するドアウエザーストリップを自動車のドアの周縁部に装着し、ドア閉止時に少なくとリアサイドウインドガラスの前端と対峙することになる部分において上記シールリップをリアサイドウインドガラス側の縁飾り部材に弾接させてシールするようにした自動車用ドアのシール構造において、
上記縁飾り部材のうちドア閉止時にシールリップが弾接してシール面として機能する部位よりも車室内側に極小面積をもってシールリップと接触可能な突起部を形成したことを特徴とする自動車用ドアのシール構造。
【請求項2】
上記縁飾り部材におけるシール面の長手方向に沿って不連続で且つ独立した複数の突起部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ドアのシール構造。
【請求項3】
上記シールリップはドアウエザーストリップの取付基部から延出しているとともに、自由状態においてその先端部側が車室外側に向かって傾斜姿勢となるように延出方向のほぼ中央部で屈曲した形状となっていて、
ドア閉止時に上記屈曲位置よりも先端側を縁飾り部材に弾接させてシール面として機能させるようになっていること特徴とする請求項1または2に記載の自動車用ドアのシール構造。
【請求項4】
上記縁飾り部材はリアサイドウインドガラスの前端縁に装着された樹脂製のガーニッシュであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用ドアのシール構造。
【請求項5】
上記ドアウエザーストリップは、中空状のメインシールリップとは別にそのメインシールリップよりも車室外側に位置する舌片状の補助シールリップを備えていて、
ドア閉止時に、メインシールリップを車体側の開口縁部に、補助シールリップを車体側の開口縁部よりも車室外側に位置するガーニッシュにそれぞれに弾接させるようになっていることを特徴とする請求項4に記載の自動車用ドアのシール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−161080(P2007−161080A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359699(P2005−359699)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(000158840)鬼怒川ゴム工業株式会社 (171)
【Fターム(参考)】