説明

自発的な燃料/ペダルオフ時の自動車の自動変速機を制御する方法

【課題】自発的な燃料/ペダルオフ(ファストオフ)時の自動車の自動変速機を制御する方法を提供する。
【解決手段】自動変速機は加速ペダルを介して影響を受ける内燃機関によって駆動され、ペダル位置に比例した信号がシフトマップを内蔵する電子式変速機制御装置へ送られ、ペダル位置グラジエント(PSTG)がペダル位置グラジエント限界値(KF_PSTG)よりも小である場合に自発的な燃料/ペダルオフ(ファストオフ)が認識されてアップシフトブロック(FFO=1)が実行される。アップシフトブロック(FFO=1)の状態は、エンジン回転数(NMO)と等価の関数として設定されたトラクション・エンジンブレーキ特性曲線(KL_ZS)を実際のエンジンモーメント(MMM)が上回った場合に、トラクション運転を認識するのに伴い、全走行抵抗(GFW)に関連した車加速度/減速度及びペダル位置グラジエント限界値に関連して解消される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、自発的な燃料/ペダルオフの際の自動車の自動変速機を制御する方法であって、請求項1中に詳細に特定した形式のものに関する。
【0002】
周知の通り、今日の自動車の自動変速機は電子式変速機制御装置(EGS)によって制御される。この制御装置は、例えば公知のドライバータイプ認識、周囲認識、走行状況認識又は手動操作認識を表出するシフトプログラムの自動的な選択と、状況に即した変速段の選択とを目的として、種々の集合装置の計算並びに制御ユニットに関連している。電子式自動変速機制御装置からアップシフト又はダウンシフトの命令が油圧装置へ送られることになる作動点は、電子式自動変速機制御装置内に設定されたシフト特性曲線によって決められる。このシフト特性曲線は通例では車速及び加速ペダル位置の関数として表されている。かつての自動車の場合に加速ペダル位置はスロットルバルブ開度を介して機械的に検出されたのに対して、今日の「電子制御燃料」の自動車においては加速ペダル位置の検出は電子式になされる。
【0003】
経験の教えるところによれば、自動車のドライバーは一定の走行状況下で急速に足を加速ペダルから離す。この場合、十分高い車速の時には、しばしば経済的な変速段への、例えば第3速から第4速へのアップシフトがなされる。また、エンジンブレーキ状態ではアップシフトと共にエンジン回転数が低下する。
【0004】
このようなアップシフトは引き続く所要もしくは所望の加速の際に支障となる。というのは、所望のエンジン出力を供給できるようにするために、再び少なくとも1回は時間を費やすダウンシフトを行わなければならないからである。
【0005】
若干の走行状況においてはこのようなアップシフト並びに引き続くダウンシフトは単に走行快適性の減退を生ずるだけではない。「ファストオフ」とも呼ばれる短いペダルオフもしくは燃料オフの際にもこのようなアップシフト並びにダウンシフトが生じ、このことは、例えば追い越しを中途で止めた際や一時中断した際には危険な状況にもつながることになる。というのは、第1に、「ファストオフ」の際に自動車の所望の減速が発生せず、第2には、例えば追い越し過程が継続される際に最大駆動出力を伴う所望の回転数範囲が得られないからである。
【0006】
EP−0574965A1号公報によれば、シフト特性マップからシフト信号を検出するための方法が知られており、この方法は、エンジンブレーキ運転及び大きな横方向加速度を受けた場合に変速機のアップシフトを阻止しようとする。このため、瞬間的な車速及びスロットルバルブ開度から得られる作動点によってシフトマップのアップシフト線の超過が確認される。加速ペダルの位置が測定され、アップシフト線の超過に伴い、加速ペダル速度に変換される。こうして得られた加速ペダル速度の測定値は変速機制御装置内に設定されている限界値と比較され、限界値が下回る場合にアップシフトのためのシフト信号が発せられる。かくして加速ペダル速度は変速機がアップシフトされるかどうかの尺度をなす。この公知の方法の場合さらに、アップシフト過程が場合により横方向加速度限界を上回った時にも抑制される。
【0007】
しかしながら、このような加速ペダル角度の負のグラジエント(勾配)に関連してアップシフトブロックが行われる公知の方法は、実地において特に短時間のペダルオフの際にアップシフトブロックの感度が不良であることが難点として指摘されている。すなわち、アップシフトブロックがしばしば早過ぎるか又は遅過ぎて働くことになるか、又は、長過ぎるか又は短か過ぎて実際の運転状況にとっては高過ぎる回転数で走行することになることが分かった。これらいずれのケースも走行快適性を明らかに制限する結果となる。
【0008】
変速機制御の別の方法がDE−4120566号公報によって知られているが、この方法の場合には、アップシフトブロックを実行するために、ペダル角度グラジエント以外に、付加的にトラクション・エンジンブレーキ特性曲線を介して基準「エンジンブレーキ運転」が認識されなければならない。「トラクション運転」が認識され、かつ一定の遅れ時間が経過するか、又はこのいずれかの場合に、アップシフトブロックの状態は解除される。しかしながら、この方法は自発的な燃料オフ時の正しいシフト挙動を保証するには不十分であることが分かった。
【0009】
DE−19849059A1号公報には改良された一方法が開示されている。この方法によれば、ペダル位置グラジエントが、1つの特性マップ内にペダル位置値及びドライバータイプ評価カウンタの関数として設定されているペダル位置グラジエント限界値よりも小さくなった際に、自発的な燃料/ペダルオフ(ファストオフ)が認識されてアップシフトブロックが実行される。このアップシフトブロックの状態は、実際のペダル位置値が、特性マップ内にエンジン回転数と等価の値及び路面勾配値と等価の加速ポテンシャル値の関数として設定されているトラクション・エンジンブレーキ特性曲線を上回り、トラクション運転が認識されるまで有効に働く。
【0010】
このアップシフトブロックの状態は、補足的に、又は別の選択形として、一定期間の後にある時間が経過するまで有効に働く。この場合、アップシフトブロックの状態は、ペダル位置グラジエントが第1の時間内に正のペダル位置グラジエント限界値以下である場合に第1の一定期間の経過後に解消され、正のペダル位置グラジエント限界値を上回って再び下回るような場合に第2の時間がスタートされる。この場合のアップシフトブロックの状態は、正のペダル位置グラジエント限界値を第2の一定期間中に新たに上回らない場合に、この第2の一定期間の経過後に解消される。
【0011】
このように、この公知の方法の場合、機能「ファストオフ」の発生及び解消に関する基準が拡大され、厳密にされている。しかしながら、その固定された一定期間の設定は常に難点を伴い、実際の自動車挙動が十分には考慮されず、その結果、アップシフトブロックの状態が場合により短か過ぎるか又は不都合に長くなる。
【0012】
本発明の課題は、自発的な燃料/ペダルオフ時の自動車の自動変速機を制御する方法において、自発的なペダルオフ並びに車速低下の後に引き続く加速への高度の自発性を可能にするアップシフトブロックが、走行状況に適っている限りは有効に働くようにすることである。
【0013】
このような課題を本発明は請求項1に示す構成の方法によって解決した。
【0014】
本発明による方法の場合、自発的な燃料/ペダルオフの後のアップシフトブロックの状態の解消が有利な形式で車両加速度/減速度の評価に関連して実行される。このことは、従来の技術から知られているような固定した遅延時間の設定を省略することができるという利点を有する。というのは、遅延時間の代わりに自動車挙動に適合した速度変化が利用されるからである。
【0015】
従来の技術と異なる1つの改良点として、本発明によれば、エンジブレーキ運転又はトラクション運転の認識がペダル位置を介してではなく実際のエンジンモーメントに従ってなされる。すなわち、エンジンモーメントがエンジン回転数に関連した1つの特性曲線を上回った場合、トラクション運転状態にあることを確実に前提することができる。これに対して、ペダル位置に従った走行態様の評価は明らかに大きな不安定性を有していた。本発明の場合特に、加速ペダルのオフがスロットルバルブによって与えられるような電子加速制御において利点となる。
【0016】
アップシフトブロックの状態の持続時間が車両の加速度/減速度に関連するので、自発的な燃料/ペダルオフの際に、加速度/減速度が一定の値、即ちドライバーが定速走行へ移ろうとするのか、再び加速しようとするのかの信号となる値に達するまで、所望の減速が確実に発生することになる。この場合、車両の加速度/減速度は全走行抵抗、即ち走行抵抗及び車体重量を含み、本発明の方法の高精度化のために上り勾配又は下り勾配のような環境条件をも考慮した全走行抵抗に関連して設定される。
【0017】
本発明の別の利点及び有利な実施の態様は請求項2以降並びに図示の実施の形態に示す通りである。
【0018】
次に、図面に示した実施の形態に従って本発明を詳述する。図面は、自発的な燃料/ペダルオフの際の自動車の自動変速機を制御する本発明の方法を状態図で示している。
【0019】
概略的に図示する本発明の方法によって自動変速機が、「ファストオフ」と呼ばれる自発的な燃料/ペダルオフの間に制御される。この場合、自動変速機は加速ペダルを介して影響を受ける内燃機関によって駆動され、シフト特性マップを内蔵した電子式変速機制御装置を備えている。
【0020】
図中には1つの状態が常に有効に働いている状態図として、本方法の構成が示されている。各プログラム継続ごとにそのつどの状態の固有条件が検査され、固有条件の1つに該当すると、条件次第で実際の状態が切り替えられる。条件に該当しない場合、最後の状態が新たに続行する。
【0021】
まず最初に、状態1に関して自発的な燃料オフもしくはペダルオフがないと定義され、従って状態1は「ファストオフ不作動」として表記されている。この状態1において、電子式変速機制御装置によって、自発的なペダルオフの状態を表す変数FFO(ファストオフフラグ)が“0”を有し、条件を満たしてないことが認識される。これに従い、電子式変速機制御装置からもアップシフトブロックのための命令が送られない。
【0022】
この、アップシフトブロックが働いてない状態1において、実際のペダル位置値PSTが状態1用のペダル位置値PST1として記憶される。このペダル位置値PSTはペダル位置に比例するスロットルバルブ開度の信号か又は電子制御燃料の信号を介して電子式変速機制御装置によって検出され、出力値としてペダル位置グラジエントPSTGの計算に活用される。
【0023】
不作動のアップシフトブロックの状態1では常に実際のペダル位置グラジエントPSTGがペダル位置グラジエント限界値KF_PSTG[PST,COUNT]よりも小さいかどうかが監視される。このペダル位置グラジエント限界値KF_PSTGは特性マップ内に、ペダル位置値PST、並びに例えばDE−3922051号公報及びDE−19618805号公報によって公知である従来の形式のものであってよいドライバータイプ評価カウンタCOUNTの関数として設定されている。かくして、このドライバータイプ評価カウンタCOUNTを介して自発的な燃料/ペダルオフの認識の際に走行挙動のスポーツ性も考慮される。
【0024】
実際のペダル位置グラジエントPSTGがペダル位置グラジエント限界値KF_PSTGを上回ると、アップシフトブロックがスタートされ、図中の状態図に状態「ファストオフ認識」として定義されている別の状態2aへ切り替えられる。
【0025】
この状態2aで、電子式変速機制御装置によって変数が“FFO=1”であることが認識される。アップシフトブロックが今や有効に働くのに伴い、状態2aにおいて、トラクション運転、即ち、実際のエンジンモーメントMMMがエンジン回転数NMOに関連したトラクション・エンジンブレーキ特性曲線KL_ZS[NMO]に該当するか又は上回り、実際のペダル位置値PSTが自発的な燃料/ペダルオフの認識時のペダル位置値PST1とオフセット値KW_PSTO1との和よりも大であるトラクション運転の有無が検査される。この場合、エンジン回転数NMOの代わりにもちろんこれと等価の値を検査することもできる。
【0026】
トラクション運転が存在してペダル位置がスタート状態におけるよりも大である場合には、アップシフトブロック“FFO=1”が解消され、再びアップシフトブロックの働かない状態1へ切り替えられる。
【0027】
しかし、実際のエジンモーメントMMMがトラクション・エンジンブレーキ特性曲線KL_ZS[NMO]を下回れば、エンジンブレーキ運転が認識されて、状態2bへ切り替えられる。この状態2bは図示の状態図の場合「解消待機」の状態として定義されている。この状態2bではアップシフトブロック“FFO=1”も有効に働いている。
【0028】
状態2bにおいては最低車速を下回るかどうか検査される。変速機出力回転数NABがプリセットされた最小変速機出力回転数KW_NABMINよりも小さい時に、下回ったことが認識される。最低車両速度を下回ると、アップシフトブロックの状態が解消され、アップシフトブロックの働かない状態1へ戻る。
【0029】
加えて状態2bでは、燃料/ペダルオフ及び引き続くエンジンブレーキ運転の後に再びトラクション運転が生ずるかどうか検査される。
【0030】
このトラクション運転は、実際のエンジンモーメントMMMがトラクション・エンジンブレーキ特性曲線KF_ZS[NMO]とオフセット値KW_ZSOとの和を上回った時に確実に認識される。オフセット値KW_ZSOは応用可能な1つの変数であって、エンジンモーメントMMMのヒステリシスを補償するのに役立ち、その結果、エンジンモーメントMMMが単に短かな瞬間にその限界値を上回るだけでなく、一定限の範囲にわたって上回ることが判断できることになる。
【0031】
別の実施の態様として、実際のペダル位置値PSTを状態2a「ファストオフ認識」に記憶されたペダル位置値PST2とオフセット値KW_PSTO2との和と比較して、実際のペダル位置値PSTの方が上回っている場合、ペダル位置値の明白な増大を介してトラクション運転状態を認識することもできる。
【0032】
以上これまでの方法の経過を実際の走行挙動に適用するとして、例えば田舎道をスポーツ走行中に対向車があって追い越しが許されず、前を行く農用車両のために大幅に減速するとする。ドライバーはとっさに加速ペダルを緩め、その結果、状態1「ファストオフ不作動」から状態2a「ファストオフ認識」へ移行する。追い越すべき農用車両に接近した車はアップシフトブロックの状態を呈して大幅に減速する。というのは、追い越し過程のために用意された低速段にとどまるからである。今ここで状態2b「解消待機」中にトラクション運転が認識されると、車両加速度/減速度AISTが1つの値、即ちコンスタント走行に相当して、追い越し過程が最終的に中止されたことを表す値、又は明白な加速を表してアップシフトブロックを解消し得る値に達したかどうかを、検査する必要がある。
【0033】
トラクション運転が明確に認識された際に図中に破線で囲むアップシフトブロックの状態の多くの解消基準の内の1つに達したかどうかを検査するために、「解消用意」の状態として定義されている状態3へ切り替えられる。アップシフトブロックの状態の解消の場合、3つのケースに区別されており、これら3つのケースの基準はペダルグラジエント限界値及び全走行抵抗GFWに関連した車両加速度/減速度AISTの限界値である。
【0034】
第1のケースとして考察すべき場合は、状態3「解消用意」において、車両加速度/減速度AISTがとりわけ路面勾配を考慮した全走行抵抗GFWに関連して設定された限界値KL_AFZG[GFW]を上回ることが認識されるケースである。このケースに該当すると、状態3は不作動のアップシフトブロックの状態1へ切り替えられる。
【0035】
別の可能性として、車両加速度/減速度AISTがその所定の限界値KL_AFZG[GFW]よりも小さく、ペダル位置グラジエントPSTGが正のペダル位置グラジエント限界値KW_PSTGPOSを上回るケースがある。この第2のケースでは状態3「解消用意」から状態4へ切り替わる。この状態4では燃料増加にも拘わらずアップシフトブロックが依然有効に働いている。ペダル位置グラジエントPSTGが再び正のペダル位置グラジエント限界値KW_PSTGPOS以下に下がると、再び前の状態3「解消用意」へ切り替えられる。このケースは、ペダル位置値PSTがアップシフトブロックの解消傾向を呈するものの、例えば上り勾配のため極めてゆっくりと加速されるので車両挙動がまだ反応を示さないような場合に該当する。大きなペダル位置グラジエントPSTGに続く明白な加速が現れてはじめて、アップシフトブロックは解消される。この場合には、車両加速度/減速度がその限界値KL_AHZG[GFW]を上回る前述のケースと同様に経過する。
【0036】
以上述べたアップシフトブロックの解消の両方のケースは、燃料増加中の望ましいアップシフトを妨げず、コンスタントな加速ペダル位置が確かに認識されるか、又は明白な車両加速が現れるか、又はその両方の場合にはじめて解消が実行されるように保証する。
【0037】
さらに、図面の状態図にはアップシフトブロックの状態の解消のためのケースとして、トラクション運転の認識時に第2の負のペダル位置グラジエント限界値KW_PSTNEGを下回って、車両加速度/減速度AISTがその限界値AFZG[GFW]よりも大であるケースが示されている。この第3のケースでは、状態図に「大きな負のグラジエント時で解消なし」と定義された状態5へ切り替わる。このアップシフトブロックがまだ有効中である状態5は、ペダル位置グラジエントPSTGが負のペダル位置グラジエント限界値KW_PSTNEGを再び上回った場合にはじめて直接に状態1「ファストオフ不作動」へ移行することになるか、又は、実際のエンジンモーメトMMMがトラクション・エンジンブレーキ特性曲線KL_ZS[NMO]を下回るエンジンブレーキ運転が認識された場合にはじめて直接に状態2b「解消待機」へ移行することになる。
【0038】
この、最後に述べたアップシフトブロックの解消の第3のケースは、ドライバーがアップシフトブロックの作動後に繰り返し加速ペダルを軽く例えば30%程踏み込んでから完全にペダルを放す場合に発生する。要するに、状態3「解消用意」の時に加速ペダルが急に放された際には、ドライバーがアップシフトブロックを解消しようとしていると推測される。
【0039】
いずれのケースにおいても、実際のエンジンモーメントMMMに従ってエンジンブレーキ運転が認識されると、状態3「解消用意」から再び状態2b「解消待機」へ戻される。
【0040】
以上述べた第2及び第3の解消ケースで用いられる正及び負のペダル位置グラジエント限界値KW_PSTGPOS、KW_PSTGNEGは、走行挙動評価のために電子式変速機制御装置のプログラムモジュール内でその量が検出されるペダル位置PST及びドライバータイプ評価カウンタCOUNTに関連して設定されている。
【0041】
自明のことであるが、アップシフトブロックの状態は、上述した全ての状態のいずれにおいても、エンジンや変速機の支障を避けるために最大エンジン制限回転数を超えない場合にのみ有効に働く。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】燃料/ペダルオフ時の自動変速機を制御する、本発明の方法の概略を示す状態図。
【符号の説明】
【0043】
AIST 全走行抵抗に関連した車両加速度
COUNT ドライバータイプ評価カウンタ
FastOff ファストオフ(急の燃料/ペダルオフ)
FFO アップシフトブロック用のフラグ
GFW 全走行抵抗
KF_PSTG ペダル位置グラジエント限界値
KL_AFZG 車両加速度/減速度の限界値
KL_ZS トラクション・エンジンブレーキ特性曲線
KW_NABMIN ファストオフ時の最小被動回転数
KW_PSTGNEG 負のペダル位置グラジエント限界値
KW_PSTGPOS 正のペダル位置グラジエント限界値
KW_PSTO1 トラクション運転の確実な認識用のオフセット値
KW_PSTO2 ペダル位置値の増大を除くためのオフセット値
KW_ZSO ファストオフ解消用のスロットルバルブのオフセット値
MMM 実際のエンジンモーメント
NAB 変速機被動回転数
NAB_MIN 最小変速機被動回転数
NMO エジン回転数
PST ペダル位置
PST1 ファストオフ認識時のペダル位置値、スロットルバルブ開度
PST2 ペダル位置値、スロットルバルブ開度
PSTG ペダル位置グラジエント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自発的な燃料/ペダルオフ(ファストオフ)時の自動車の自動変速機を制御する方法であって、自動変速機は加速ペダルを介して影響を受ける内燃機関によって駆動され、ペダル位置に比例した信号がシフトマップを内蔵する電子式変速機制御装置へ送られ、ペダル位置グラジエント(PSTG)がペダル位置グラジエント限界値(KF_PSTG)よりも小である場合に自発的な燃料/ペダルオフ(ファストオフ)が認識されてアップシフトブロック(FFO=1)が実行される形式のものにおいて、アップシフトブロック(FFO=1)の状態は、エンジン回転数(NMO)と等価の関数として設定されたトラクション・エンジンブレーキ特性曲線(KL_ZS)を実際のエンジンモーメント(MMM)が上回った場合に、トラクション運転を認識するのに伴い、全走行抵抗(GFW)に関連した車両加速度/減速度(AIST)及びペダル位置グラジエント限界値(KW_PSTGPOS、KW_PSTGNEG)に関連して解消されることを特徴とする、自動変速機を制御する方法。
【請求項2】
トラクション運転が認識されて実際のペダル位置値(PST)が自発的な燃料/ペダルオフ(ファストオフ)の認識時のペダル位置値(PST1)とオフセット値(KW_PSTO1)との和よりも大である場合に、アップシフトブロックの状態(FFO=1)が解消されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アップシフトブロックの状態(FFO=1)は、最低の車速を下回った時に解消されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
アップシフトブロックの状態(FFO=1)は、トラクション運転が認識された際に、車両加速度/減速度(AIST)が全車両抵抗(GFW)に関連して特性曲線内に設定された限界(KL_AFZG)よりも大であるか、又は少なくともほぼコンスタントなペダル位置が認識されるか、又はこれら両方である場合に、解消されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
アップシフトブロックの状態(FFO=1)は、トラクション運転が認識された際に、負のペダル位置グラジエント限界値(KW_PSTGNEG)を下回り、次いで上回る場合に解消されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
自発的な燃料/ペダルオフ(ファストオフ)及びそれに続くエンジンブレーキ運転の認識後、実際のエンジンモーメト(MMM)がエジン回転数(NMO)に関連したトラクション・エンジンブレーキ特性曲線(KL_ZS)とオフセット値(KW_ZSO)との和に相当するか、又はそれを上回っている場合に、状態「解消待機」から状態「解消用意」へ切り替えられることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
自発的な燃料/ペダルオフ(ファストオフ)及びそれに続くエンジンブレーキ運転の認識後、実際のペダル位置値(PST)が自発的な燃料/ペダルオフ(ファストオフ)の時点のペダル位置値(PST2)とオフセット値(KW_PSTO2)との和よりも大である場合に、状態「解消待機」から状態「解消用意」へ切り替えられることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
アップシフトブロックの(FFO=1)が実行された際に実際のエンジンモーメント(MMM)がトラクション・エンジンブレーキ特性曲線(KL_ZS)を下回る時に、状態「解消用意」から状態「解消待機」へ戻されることを特徴とする、請求項6又は請求項7に記載の方法。
【請求項9】
車両加速度/減速度(AIST)が全走行抵抗(GFW)に関連して設定された限界(KL_AFZG)よりも小であり、これに対して正のペダル位置グラジエント限界値(KW_PSTGPOS)を上回っている時に、アップシフトブロック(FFO=1)が有効に保たれることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
ペダル位置グラジエント(PSTG)が再び正のペダル位置グラジエント限界値(KW_PSTGPOS)を下回った時に、状態「解消用意」へ分岐されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
車両加速度/減速度(AIST)が全走行抵抗(GFW)に関連して設定された限界(KL_AFZG)よりも小であり、これに対して負のペダル位置グラジエント限界(KW_PSTGNEG)を下回っている時に、アップシフトブロック(FFO=1)が有効に保たれ、負のペダル位置グラジエント限界値(KW_PSTGNEG)を上回った時にアップシフトブロック(FFO=1)が解消されることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
正及び負又はそのいずれかのペダル位置グラジエント限界値(KW_PSTGPOS、KW_PSTGNEG)がペダル位置(PST)及びドライバータイプ評価カウンタ(COUNT)に関連して設定されることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
ペダル位置グラジエント限界値(KF_PSTG)が特性マップ内にペダル位置値(PST)及びドライバータイプ評価カウンタ(COUNT)の関数として設定されていることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
ドライバータイプ評価カウンタ(COUNT)の数値が電子式変速機制御装置のプログラムモジュール内で走行挙動の評価のために検出されることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
最大エンジン回転数(NMO_MAX)を上回った時にアップシフトブロックの状態(FFO=1)が無効にされることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−64330(P2011−64330A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261327(P2010−261327)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【分割の表示】特願2002−541278(P2002−541278)の分割
【原出願日】平成13年11月7日(2001.11.7)
【出願人】(500045121)ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト (312)
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
【Fターム(参考)】