説明

色変化性手術前処理溶液

本発明は、溶媒が十分に蒸発したことを示すためにpHの変化に応じ色を変化させる、薄膜形成性または薄膜非形成性のいずれかの手術前処理(surgical prep)溶液製剤を開示する。この手術前処理溶液の主要な成分は以下を含む:抗微生物剤、溶媒、pH調整薬、色変化pH指示薬、ならびに場合により、薄膜形成重合体、色素、および粘度調整薬。溶液のpHは、ヒト皮膚の酸外套の正常なpH範囲、または滅菌溶液の正常pH範囲と比べて、元の溶液のpHに応じ上昇または下降し得る。pHの変化と共に、pH指示薬は手術前処理溶液の色を変化させ得る。同時に、液体が蒸発するとともに、pH指示薬は大気中のCO2と相互作用し、溶液のpHに基づき溶液の色を変化させる。溶液は医用機器のコーティングとしても使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、手術、手術処置および静脈注入等の皮膚を破る医用手順において使用するための消毒薬に関する。特には、選択された表面、例えば術前手術部位および医用機器を消毒するために使用される手術前処理(surgical prep)溶液に本発明は関係する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
局所抗微生物剤による皮膚の術前準備は、患者が手術または手術処置の間に院内獲得感染症にかかる可能性を減らすために必要である。典型的には、例えば前処理看護士である医療従事者は、手順の前に手術または針侵入部位に局所抗微生物剤を適用する。同様に、皮膚を破る医用機器が、侵入部位において皮膚に貫通するまたは静脈系にアクセスする前に消毒されていることが必須である。医療従事者は典型的にはこれらの医用機器に抗微生物溶液、例えばアルコールを使用前に適用することにより消毒する。このような処理は、微生物の増殖を妨げるか、または、創傷、手術切開もしくは針刺し部位を消毒することにより、その部位または血流中における感染率を減少させる。
【0003】
ヒトの皮膚は通常、細菌、真菌およびウイルス等の微生物で覆われている。微生物は、皮膚表面に見出される一過性のものであるか、または、毛包等の皮膚のより深い領域に定住しているかのいずれかである。
【0004】
皮膚、ならびに汗および皮脂の混合物により形成される保護層である酸外套の物理的バリアにより微生物は体に侵入するのを妨げられている。酸外套は正常なヒト皮膚において適度に酸性の被覆を維持している。成人および新生児の正常な皮膚のpHの平均および範囲は、それぞれ、5.7±0.16(範囲:4.5〜6.7)および7.08±0.17(範囲:6.6〜7.5)である。
【0005】
皮膚表面の酸性環境は一世紀前から認知されてきているにもかかわらず、酸外套の機能は完全には理解されていない。しかしながら、障壁として機能できるよう皮膚に必要とされる脂質を加工処理するために、酸外套は体を助けていると信じられている。酸性環境はまた一般的に微生物増殖を妨げ、それゆえに細菌感染に抵抗するのを助ける。
【0006】
潜在的病原菌は通常、皮膚および酸外套が無傷のままであれば体に侵入することができない。しかしながら、皮膚バリアの完全性は手術処置の間破られ、手術部位または創傷を微生物に対し潜在的に曝露して、患者が感染する危険性を増加させる。従って、標準的な手術処置は、患者が感染する危険性を減らすために、手術部位の皮膚が手術前に消毒されることを必要とする。このため、当分野では、一過性および定住性の微生物を迅速に殺し、かつ全手術または手術処置を通して持続される抗微生物活性を提供する局所剤に対する要望がある。
【0007】
医療従事者は、手術の切開または針貫通部位における皮膚および皮膚に侵入する医用機器を消毒するため、エタノールもしくはイソプロパノールは当該部位における細菌、真菌、およびいくつかのウイルスの個体数を迅速に減らすので、これらのアルコールを単独または他の抗微生物剤と共に溶媒として長くに亘り使用してきた。アルコールはまた抗微生物剤と組み合わされた場合にも迅速かつ持続的な抗微生物活性を提供する。しかしながら、アルコールを基礎とする手術前処理溶液は引火性であり、そしてある手術処置はアルコールが完全に蒸発するまで開始することができない。病院火災は、手術前処理溶液中の蒸発していない引火性溶媒により引き起こされてきた。患者の安全のため、電気メス等の電圧を加えた手術処置を始める前に手術前処理溶液中の引火性溶媒が完全に蒸発したかどうかを医療従事者が決定できることが肝要である。
【0008】
溶媒の蒸発は幾つかの理由のため医療従事者にとって特に重大な課題となる。第一に、無色の溶媒(例えば、アルコール)が手術または手術処置を始めるのに十分蒸発したかどうかを視覚的に決定するのは困難である。第二に、医療従事者はしばしば皮膚表面または医用機器をその乾燥度合を決定するために手袋で触るであろう。しかしながら、もし触れた時に皮膚または医用機器が乾燥していない場合、このような接触は適用された前処理溶液を破り、そして微生物が皮膚または医用機器を介して体へと入るための経路を提供し得る。従って、医療従事者にとって、皮膚、医用機器または適用された手術前処理溶液に触ることなく手術前処理溶液中の溶媒が手術部位または医用機器から完全に蒸発したかどうかを決定するための簡便な方法を持つことは必要でありかつ望ましい。
【0009】
皮膚または医用機器への溶液のより良い付着力を提供するために、手術前処理溶液に効果的な薄膜形成重合体を添加してもよい。薄膜形成重合体は水溶性か不溶性のどちらかであり、そして水不溶性薄膜の多くは皮膚に不十分にしか付着しない。不十分な付着は、手術前処理溶液が乾燥した後に患者が覆われる整形外科手術または手術処置において特に問題である。手術前処理溶液が皮膚に不十分にしか付着しないかまたは水溶性の場合、ドレープ(drape)は処置中に通常落ちてしまい、滅菌の手術環境を汚染し、そして院内獲得感染の機会を増やす。
【0010】
米国特許第5,763,412号(特許文献1)はグルコン酸クロルヘキシジンを含む薄膜形成組成物を教示する。米国特許第5,547,662号(以下、「‘662特許」)(特許文献2)は、抗微生物剤、およびDowicide A、およびD&C赤色17号を含み、紫色(湿)から赤色(乾)へと色を変化させるがpH指示薬により引き起こされる色変化は教えない、手術部位として皮膚表面を準備するための薄膜形成組成物に向けられている。‘662特許の不便な点はとりわけ、この特定の組み合わせがヨウ素またはヨードフォア等の固有の色を持つ抗微生物薬に適用できず、かつ色変化が可逆的でないということを含む。さらに、米国特許第4,584,192号(特許文献3)はクロルヘキシジンまたはその誘導体を教示しているが、しかし、どのクロルヘキシジン化合物が好適であるか開示しておらず、かつ、可視化特性は有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,763,412号
【特許文献2】米国特許第5,547,662号
【特許文献3】米国特許第4,584,192号
【発明の概要】
【0012】
本発明は、手術前処理溶液がいつ完全に乾燥したかを示すために、乾燥に伴い色を変化させる薄膜形成または薄膜非形成のいずれかである手術前処理溶液製剤を開示する。外科医は、手術部位または医用機器等の選択された表面が乾燥しており、かつ溶媒が蒸発したことを、視覚判断により有利に決定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
本記載は本発明のある態様を強調するが、本発明の全範囲を包括することを意図してはいない。本発明の全ての範囲は添付の特許請求の範囲により判断される。
【0014】
手術前処理溶液は次のものを含む:局所許容性溶媒、pH調整薬、色が変化するpH指示薬、ならびに場合により、抗微生物剤、薄膜形成重合体、色素、および粘度調節剤。溶液が皮膚に適用された後、液体成分は蒸発し、そして色が変化するpH指示薬はヒト皮膚と相互作用する。溶液の残余物のpHは、ヒト皮膚の酸外套の正常なpH範囲と元の溶液のpHが異なっている場合に、上昇または下降する。残余溶液のpHが変化すると共に、手術前処理溶液中のpH指示薬は残余物の色を変化させ得る。同様かつ同時に、液体が蒸発すると共に、色が変化するpH指示薬は、大気中のCO2と相互作用し得、CO2はやや酸性のため溶液のpHを変化させる。このように、溶液があまり塩基性でなくなるかまたはより酸性になると、pH指示薬の色特性に従って色が変化する。液体が十分に蒸発したら色変化が完了するようにpH指示薬およびpH調整薬を選択することにより、色変化の速度は液体蒸発の速度と同調させ得る。さらに、特に所望の色を提供するために、異なる有色色素およびpH指示薬を使用し得る。
【0015】
本明細書中で使用される「局所許容性溶媒」という用語は、組成物の他の成分と適合性であり、かつ、ヒト皮膚に適用された場合に非毒性の液体である。好適な溶媒は、これらに限定されないが、水、アルコール、アセトン、エステル、塩素化炭化水素、およびクロロフルオロ炭化水素を含む。好ましい溶媒は、これらに限定されないが、水、ならびに/またはイソプロパノール、エタノール、および他のアルコールを含む。
【0016】
本明細書中で使用される「抗微生物剤」という用語は、微生物の増殖を損壊または阻害する、化合物または塩等の化学物質である。本明細書中で使用される「微生物」という用語は、これらに限定されないが、細菌、真菌およびウイルスを含む。抗微生物剤は、これらに限定されないが、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール)、クロルヘキシジン(例えば、ジグルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、二酢酸クロルヘキシジン、二塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸)、ヘキサクロロフェン、ヨードフォア、ポピドンヨード、ヨウ素、パラクロロメタキシレノール(PCMX)、およびトリクロサンを含む。望ましくは、抗微生物剤は皮膚の表面における微生物の増殖を阻害するのに十分な量で存在する。
【0017】
本明細書中で使用される「環境pHに感受性の抗微生物剤」という用語は、周囲pHによりその安定性が影響される抗微生物剤である。環境pHに感受性の抗微生物剤は、上記の抗微生物剤のサブセットであり、かつ、これらに限定されないが、ヨウ素、ヨードフォア、クロルへキシジン、およびその誘導体、例えばグルコン酸クロルヘキシジンを含み得る。例えば、ヨウ素およびヨードフォアは本来酸性であり、環境pHが塩基性の場合、その抗微生物活性を徐々に失い得る。選択されたpH指示薬がより高いpH範囲で色を変化させる場合(例えば、5.2より低いpHでは黄色であり、そして6.8より高いと紫色であるブロモクレゾールパープル)、ヨードフォア溶液の抗微生物活性はpH調整薬が一度添加されて、環境pHが塩基性に変化すると最大数時間しかもたない。環境pHが抗微生物剤にとって安定なものでなく、pH調整薬が使用される場合、好ましい態様において溶液はpH調整薬添加直後に適用されるべきである。より好ましい態様では、2つの異なるpH成分、(a)pH調整薬および/またはpH指示薬、ならびに(b)抗微生物剤は別個に含まれ、デュアルチャネルシリンジ等の機器を介してインサイチューで混合され得る。
【0018】
本明細書中で使用される「薄膜形成重合体」という用語は、溶液の乾燥に伴い、表面(例えば、皮膚)を覆う薄膜を形成する重合体のことである。薄膜は無傷であり、血液および食塩水の両方に耐性であり、かつ抗微生物剤を含む。このような重合体は、これらに限定されないが、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、メタクリル酸-エチルアクリレート共重合体、ビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、エチルアクリレート-メチルメタクリレート共重合体、Eudragit(登録商標)等のアクリル系重合体、およびポリアクリル酸共重合体を含み得る。
【0019】
本明細書中で使用される「pH指示薬」という用語は、手術前処理溶液に、そのpHを視覚観察によって決定するために微量で添加される化合物である。pH指示薬は手術前処理溶液のpHに応じて色を変化させる。このようなpH指示薬は、これらに限定されないが、ブロモフェノールブルー、ブロモチモールブルー、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープル、コンゴーレッド、メチルオレンジ、メチルレッド、メチルイエロー、ペンタメトキシ、フェノールフタレイン、チモフタレイン、p-ナフトールベンゼイン、4-ニトロフェノール、3-ニトロフェノール、o-クレゾールフタレイン、m-クレゾールレッド、チモールブルー、m-クレゾールパープル、フェノールレッド、およびそれらの混合物を含む。pH指示薬は別個に含まれても良く、かつ、手術部位における皮膚への適用前にインサイチューで添加されてもよい。好ましい態様において、組成物は、約6.5より高いpHから、約4.0から約5.5の間へのpHの変化により可視の色変化を起こす。また、別の好ましい態様では、組成物は、約3.0より低いpHから、約4.0から約5.5の間のpHへの変化により可視の色変化を起こす。さらに好ましくは、組成物は、約4.5より低いpHから、約4.5から5.5の間のpHへの変化により可視の色変化を起こす。
【0020】
本明細書中で使用される「有色色素」という用語は通常使用される色素または顔料である。このような有色色素は、これらに限定されないが、D&C色素(緑色5号、緑色8号、橙色4号、赤色4号、赤色17号、赤色22号、赤色28号、赤色33号、紫色2号、黄色8号、黄色10号、黄色11号)、FD&C色素(青色1号、青色2号、カルミン、エメラルドグリーン、緑色3号、赤色3号、赤色40号、黄色5号、黄色6号)、およびそれらの混合物を含む。
【0021】
本明細書中で使用される「pH調整薬」という用語は酸、塩基またはpH緩衝剤である。pH調整薬は、溶液pHが選択されたpH指示薬の色スペクトルの一方の極端内に入るように溶液pHを調整するのに使用される。色変化の速度はpH調整薬(即ち、酸、塩基またはpH緩衝剤)により制御される。例えば、pHが6より低い場合に黄色であり、かつ、pHが7.6より高い場合に青色であるブロモチモールブルーをpH指示薬として選択した場合、pH調整薬は溶液pHを6より低くまたは7.6より高く変化させる必要がある。このような酸は、これらに限定されないが、酢酸、ホウ酸、炭酸、クロム酸、クエン酸、乳酸、希塩酸、酒石酸、プロピオン酸、リンゴ酸、希釈リン酸、およびそれらの混合物を含む。このような塩基は、これらに限定されないが、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、エチルアミン、ジメチルアミン、グリシン、メチルアミン、トリメチルアミン、ジエタノールアミン、重炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ヒドラジン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、リン酸二ナトリウム、トロラミン、およびそれらの混合物を含む。pH調整薬はまた、Micro Essential Laboratory, Inc. (Brooklyn, NY)より製造されており、リン酸一カリウムおよびリン酸二ナトリウムの粉末状の混合物を含有するHydrion(登録商標)緩衝剤混合物等のpH緩衝剤を含んでもよい。いくつかの抗微生物剤はその環境のpHに依存して短い貯蔵寿命を有するため、pH緩衝薬は別個に含まれ、かつ、適用前にインサイチューで添加され得る。
【0022】
好ましい態様において、本発明に従った組成物は、水および/またはエタノールと似た粘度の液性溶液である。または、組成物は、クリーム、ゲル、ローション、乳剤、泡等の種々の物理的形態をとり得る。本発明に従った組成物の粘度および流動特性を制御するために粘度調整薬を用いてもよい。好適な粘度調整薬は、これらに限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール誘導体、エチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン/ビニル酢酸共重合体、および架橋ピロリドンを含む。
【0023】
手術前処理溶液の好ましい態様は、組成物により覆われている皮膚領域を視覚的に示す第一の色、および溶媒が蒸発により実質的に除かれたという視覚的示唆を与える第二の色を示す組成物を含む。これらの化合物は通常pH指示薬を指すが、しかし、全体の色を変化させる限り、抗微生物剤または薄膜形成重合体等の製剤中の他の有色成分であってもよい。
【0024】
代わりの態様では、色変化手術前処理溶液は、医用機器、例えば無針コネクタおよびバルブに適用される。一般に、無針静脈投与に使用される機器には、1つまたは複数の無針のコネクタが含まれる。好ましくは、無針コネクタは患者の血流にアクセス可能な中心静脈カテーテルを含む。無針コネクタは患者の血流へのアクセスポートとして機能し得、そして、薬物を注入または血液試料を吸い出すのに使用し得る。無針機器は、不慮の針刺しおよび潜在的に感染性である血液試料への曝露を減らし、静脈投与のため、針を針無し機器に置換して設計されている。バルブポートを介してバルブに継ぎ手が、好ましくはオス型ルアー継ぎ手が挿入された場合、無針バルブが開き、そしてそこを通して液体が流れ得る。継ぎ手が除かれるとバルブが閉じ、そしてその後バルブを通る液体の流れを妨げる。バルブは、例えば、ルアーロック(luer lock)シリンジ、第二の静脈投与機器または他の静脈製品により稼働させられてもよい。一般に、医療従事者は使用直前に無針コネクタおよびバルブをアルコール前処理パッドで消毒する。
【0025】
患者が感染するリスクを減らすため、これらの医用機器が徹底的に消毒されていることが必須である。好ましくは、色変化手術前処理溶液は、医用機器(例えば、無針コネクタ)のpHとは異なるpHを有する。色変化手術前処理溶液は医用機器上に綿棒で塗布され得る。溶液は医用機器の表面および大気中のCO2と相互作用し、pH変化をもたらし得る。従って、溶液がより塩基性でなくなるかまたはより酸性になると共に、pH指示薬の色特性に応じ、色が変化し得る。医療従事者は、医用機器が徹底的に消毒されたかどうか決定するために、医用機器の色を視覚により検査し得る。色変化手術前処理溶液の使用は、色変化に基づき消毒された領域を医療従事者が視覚により同定することを可能にし得る。
【0026】
別の代替的な態様では、色変化手術前処理溶液は医用機器上にコーティングとして適用され得る。コーティングは、病院で典型的に使用される消毒用液(例えば、アルコール)とは異なるpHを有するpH緩衝薬を含み得る。滅菌溶液(例えば、アルコール)がコーティングされた医用機器に適用されるや否や、溶液(例えば、アルコール)はコーティングと相互作用し、そしてpHの変化を起こし得る。従って、溶液がより塩基性でなくなるかまたはより酸性になると共に、pH指示薬の色特性に基づき色が変化し得る。医用機器が徹底的に消毒されたかどうかを決定するために、医療従事者は医用機器の色を視覚により検査し得る。
【0027】
好ましくは、コーティングおよび消毒溶液の間の相互作用は可逆性であり、そして、一度消毒用液が完全に蒸発した後にコーティングは元の色に戻る。可逆性の色変化は反復的に利用し得る。例えば、無針コネクタ等の医用機器は、機器が使用される都度消毒する必要がある。使用期間中、医療従事者は医薬を注入または血液試料を吸い出すために同じ無針コネクタにアクセスするかもしれない。コネクタは消毒溶液により消毒され、かつ色を変化させ得る。消毒溶液が一度完全に蒸発すると、コネクタは元の色に戻り得る。コネクタは消毒溶液により反復的に消毒され得る。コネクタに消毒溶液が適用される都度、色変化は起こり得、かつ、消毒溶液が完全に蒸発する都度、コネクタは元の色に戻り得る。
【0028】
本発明は従来技術と比べて幾つかの利点を提供する。第一に、従来技術は薄膜形成色変化手術前処理溶液に向けられているのに対して、本発明は、薄膜形成および薄膜非形成前処理溶液の両方に適用される。
【0029】
第二に、従来技術では固有の色を持つ抗微生物剤が除外されている。例えば、ヨウ素の含有は、従来技術の手術前処理溶液の色変化能を無効にしてしまうであろう。本発明はこのような制限を乗り越えるものであり、抗微生物剤の選択に自由度を与える。
【0030】
第三に、本発明は患者の潜在的な皮膚の色相に自由度を与える。どの二つの皮膚の色相も同じではなく、かつ、患者自身が異なる皮膚の色調または着色した刺青さえもを有する可能性がある。従って、手術前処理溶液中の色の自由度は絶対必要である。本発明では、可能な色は従来技術が許すよりも自由であり、それゆえに、手術前処理溶液の色は患者および外科医の両者の必要に応じ調整することができる。
【0031】
第四に、薄膜形成重合体を含む本発明の態様については、着色した色は薄膜内に埋め込まれており、薄膜は皮膚に強く吸着するため、簡単に洗い流すことができない。この特性は、患者の上にドレープを用いる整形外科医には特に重要である。
【0032】
第五に、本発明は引火の危険性を減らす。外科医は組織を焼却するかまたは破壊するためにたびたび電気メスを使用するので、それゆえに、引火性の気体または液体が存在しないことを絶対的に確信する必要がある。イソプロパノールは広く抗微生物剤として使用されているが、その引火性が外科医に対して問題を呈する。本発明はイソプロパノールが除去された時に外科医に知らせ、従って、出火の危険性を減らす。
【0033】
本発明はまた、pH指示薬が手術前処理溶液の色を変化させるために使用されている点でも従来技術と異なっている。公知の手術前処理溶液は、Dowicide AおよびD&C赤色17号等の化学物質を溶液の色を変化させるために使用する。本発明と反対に、溶媒和化したDowicide Aおよび色素は複合体を形成し、そして溶媒が蒸発すると、複合体が吸収する光の波長がシフトし、それにより複合体の色が変化する。この機構はpHに指示される色変化と異なっている。
【0034】
本発明はまた、手順の間に環境pH変化が起こる場合には、前処理溶液の色変化が可逆的である点でも従来技術と異なっている。
【0035】
最後に、本発明はあるpHにおいて不安定である抗微生物剤の安定性を促進する。pH指示薬および/またはpH調整薬は、抗微生物剤の完全性を維持しかつその効果を増加させるため、別々に含まれ得、そして適用前にインサイチューで添加され得る。
【0036】
実施例
以下の非限定的実施例は本発明の特定の態様を説明する。実施例は本発明の全範囲を包括することを意図していない。
【0037】
以下の表は、一段階手術前処理溶液組成物の組成および好ましい態様の両方を列挙する。

【0038】
溶液の調製において、より遅く溶解する成分(即ち、使用される場合には、薄膜形成重合体)が溶媒系に溶解する時間を与えるために、最初に重合体(粘度調整薬を含む)等の固体成分、溶媒および有色色素を混合した。後に、抗微生物剤、続いてpH指示薬およびpH調整薬を混合した。各溶液は室温にて、マグネチックスターラーバーを用いて混合した。これらの条件は以下の実施例の全てに当てはまる。
【0039】
抗微生物剤がpH感受性の場合、pH調整薬およびpH指示薬は最初は分離しておき、そして、2シリンダーシリンジ等の機器を介して、スタティックミキサーまたはその他の任意の混合機構を用いて組み合わせ、そして、適用前にインサイチューで他の成分と混合してもよい。
【0040】
実施例A:薄膜非形成

実施例Aの溶液の調製では、最初にイソプロパノールおよび水が混合された。続いて、ブロモチモールブルーを添加し、そして溶液pHを8から10の間に水酸化アンモニウムを用いて調整した。皮膚に適用された場合、実施例Aは、溶媒が蒸発した後、青色から薄い黄色/無色に変化した。
【0041】
実施例B:薄膜非形成

実施例Bの溶液の調製では、最初に赤色40号、イソプロパノール、20%CHG水溶液および水が混合された。続いて、ブロモチモールブルーを添加し、そして溶液pHを8から10の間に水酸化アンモニウムを用いて調整した。皮膚に適用された場合、実施例Bは、溶媒が蒸発した後、紫色から薄い赤色に変化した。
【0042】
実施例C:薄膜非形成

実施例Cの溶液の調製では、最初にイソプロパノール、20%CHG水溶液および水が混合された。続いて、ブロモチモールブルーを添加し、そして溶液pHを8から10の間に水酸化アンモニウムを用いて調整した。皮膚に適用された場合、実施例Cは、溶媒が蒸発した後、青色から無色に変化した。
【0043】
実施例D:薄膜形成

実施例Dの成分は溶液を形成するように組み合わされた。詳細には、最初にポリアクリレートをイソプロパノールおよび水に溶解した後、ヨウ素、ヨウ化ナトリウムおよびブロモフェノールブルーを添加した。溶液pHを3.5および4の間に調整するためにプロピオン酸を用いた。皮膚に適用された場合、溶媒が蒸発した後、ヨウ素金色から緑色に変化した。この実施例については、薄膜の完全性は数時間維持され、かつ視覚観察により確認された。
【0044】
実施例E:薄膜形成

実施例Eでは、最初にポリアクリレート共重合体およびFD&C赤色40号をイソプロパノールおよび水に溶解した。続いて、CHGおよびブロモチモールブルーを添加し、そして溶液pHを8.5および9の間にメチルアミンを用いて調整した。皮膚に適用された場合、溶媒が蒸発した後、紫色からピンク色/赤色に変化した。この実施例については、薄膜の完全性は数時間維持され、かつ視覚観察により確認された。
【0045】
時間-殺菌(Time-Kill)比較試験(実施例F〜I)
以下の実施例F〜Iは、乾いている場合の製剤の抗微生物効力を評価するために行われた。
【0046】
大腸菌ATCC番号11229および黄色ブドウ球菌ATCC番号6538の細菌懸濁液を滅菌食塩水で1.5×108CFU/mlの最終接種レベルとした。試験抗微生物溶液30マイクロリットルを、滅菌マイクロスライド上に25×25mm2の表面を覆うように無菌的に広げ、そして10分間乾燥させた。1マイクロリットルの微生物懸濁液を滅菌カバーガラス上に適用した。これらの微生物懸濁液に抗微生物薄膜は1、5または10分間の曝露時間で適用された。曝露時間が経過した後、カバーガラスおよびマイクロスライドの両方を、10ml滅菌中和溶液を含む試験管に入れた。生存細胞(CFU/ml)を数え上げるために標準的プレートカウント法を使用した。細菌数の対数減少値を、抗微生物薄膜なしであった以外は同じ手順に従って数え上げられた接種力価の対数から計算した。
【0047】
実施例F〜Iは、各々の薄膜溶液による、殺菌時間試験の結果を示す。
【0048】
実施例F:抗微生物効力

実施例Fの溶液を調製するため、薄膜形成重合体を最初にイソプロパノールおよび水に溶解した。後にヨウ素、ヨウ化ナトリウムおよびブロモフェノールブルーを添加した。それから最終pHを3.5から4の間にギ酸を用いて調整した。

【0049】
実施例G:抗微生物効力

実施例Gの溶液を調製するため、薄膜形成重合体を最初にイソプロパノールおよび水に溶解した。後にヨウ素、ヨウ化ナトリウムおよびブロモフェノールブルーを添加した。それから最終pHを3.5から4の間にギ酸を用いて調整した。

【0050】
実施例H:抗微生物効力

実施例Hの溶液を調製するため、薄膜形成重合体を最初にイソプロパノールおよび水に溶解した。後にヨウ素、ヨウ化ナトリウムおよびブロモフェノールブルーを添加した。それから最終pHを3.5から4の間にクエン酸およびギ酸の両方を用いて調整した。

【0051】
実施例I:抗微生物効力

実施例Iの溶液を調製するため、薄膜形成重合体を最初にイソプロパノールおよび水に溶解した。後にヨウ素、ヨウ化ナトリウムおよびブロモフェノールブルーを添加した。それから最終pHを3.5から4の間にクエン酸およびプロピオン酸の両方を用いて調整した。

【0052】
実施例J〜M(色変化の速度)
実施例J〜Mは異なる酸の組み合わせにより制御される色変化の速度を例証する。具体的には、皮膚に適用された場合、酸の割合が高いほど、色変化はより遅い。

【0053】
皮膚に適用された後、実施例Jは1分以内に色が変化するのに対し、実施例Kは2から3分以内に色が変化する。

【0054】
皮膚に適用された後、実施例Lは1分以内に青から無色へと色が変化するのに対し、実施例Mでは色変化に2分よりも長くかかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗微生物剤、1つまたは複数のpH調整薬、および色が変化するpH指示薬を含む組成物であって、該1つまたは複数のpH調整薬が酸、塩基、pH緩衝剤、またはそれらの組み合わせである、組成物。
【請求項2】
抗微生物剤、局所許容性溶媒、1つまたは複数のpH調整薬、および色が変化するpH指示薬を含む組成物であって、該1つまたは複数のpH調整薬が酸、塩基、pH緩衝剤、またはそれらの組み合わせである、組成物。
【請求項3】
抗微生物剤が、ジグルコン酸クロルヘキシジン、二酢酸クロルヘキシジン、二塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸、ヘキサクロロフェン、ヨードフォア、ポビドンヨード、ヨウ素、パラクロロメタキシレノール、トリクロサン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
局所許容性溶媒が水、エタノール、イソプロパノール、アセトン、またはそれらの混合物を含む、請求項2記載の組成物。
【請求項5】
1つまたは複数のpH調整薬が酢酸、ホウ酸、炭酸、クロム酸、クエン酸、乳酸、希塩酸、酒石酸、プロピオン酸、リンゴ酸、希釈リン酸、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、エチルアミン、ヒドラジン、メチルアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸二ナトリウム、トリエチルアミン、トロラミン、pH緩衝剤、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項2記載の組成物。
【請求項6】
色が変化するpH指示薬がブロモフェノールブルー、ブロモチモールブルー、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープル、コンゴーレッド、メチルオレンジ、メチルレッド、メチルイエロー、ペンタメトキシ、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、p-ナフトールベンゼイン、4-ニトロフェノール、3-ニトロフェノール、o-クレゾールフタレイン、m-クレゾールレッド、チモールブルー、m-クレゾールパープル、フェノールレッド、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項2記載の組成物。
【請求項7】
薄膜形成重合体をさらに含む、請求項2記載の組成物。
【請求項8】
薄膜形成重合体が酢酸ポリビニル、ポリビニルアルコール、メタクリル酸-エチルアクリレート共重合体、ビニルピロリドン-ビニルアセテート共重合体、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト共重合体、エチルアクリレート-メチルメタクリレート共重合体、アクリル重合体、ポリアクリレート共重合体、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
色素をさらに含む、請求項2記載の組成物。
【請求項10】
色素が緑色5号、緑色8号、橙色4号、赤色4号、赤色17号、赤色22号、赤色28号、赤色33号、紫色2号、黄色8号、黄色10号、黄色11号、青色1号、青色2号、カルミン、エメラルドグリーン、緑色3号、赤色3号、赤色40号、黄色5号、黄色6号、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
粘度調整薬をさらに含む、請求項2記載の組成物。
【請求項12】
粘度調整薬がポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール誘導体、エチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、架橋ピロリドン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
組成物がpHの変化により可視の色変化を生じる、請求項2記載の組成物。
【請求項14】
組成物がpHの変化により可視の色変化を可逆的に生じる、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
色変化の速度がpH調整薬の組み合わせにより制御される、請求項13記載の組成物。
【請求項16】
組成物が、約6.5より大きいpHから、約4.5から約5.5の間のpHへの変化により、可視の色変化を生じる、請求項13記載の組成物。
【請求項17】
組成物が、約3.0より小さいpHから、約4.0から約5.5の間のpHへの変化により、可視の色変化を生じる、請求項13記載の組成物。
【請求項18】
組成物が、約4.5より小さいpHから、約4.5から約5.5の間のpHへの変化により、可視の色変化を生じる、請求項13記載の組成物。
【請求項19】
術前手術部位を消毒するのに使用される手術前処理(surgical prep)溶液を調製するための方法であって、抗微生物剤、1つまたは複数のpH調整薬、および色が変化するpH指示薬を、溶液を形成するように組み合わせる段階であって、該1つまたは複数のpH調整薬が酸、塩基、pH緩衝剤、またはそれらの組み合わせである段階を含む、方法。
【請求項20】
術前手術部位を消毒するのに使用される手術前処理溶液を調製するための方法であって、抗微生物剤、局所許容性溶媒、1つまたは複数のpH調整薬、および色が変化するpH指示薬を、溶液を形成するように組み合わせる段階であって、該1つまたは複数のpH調整薬が酸、塩基、pH緩衝剤、またはそれらの組み合わせである段階を含む、方法。
【請求項21】
選択された表面に組成物を適用する段階、
組成物を蒸発させる段階、および
選択された表面上の組成物の残余物について、色変化を視覚により検査する段階
を含む消毒方法であって、
該組成物が、抗微生物剤、1つまたは複数のpH調整薬、および色が変化するpH指示薬を含み、かつ該1つまたは複数のpH調整薬が、酸、塩基、pH緩衝剤、またはそれらの組み合わせである、方法。
【請求項22】
選択された表面に組成物を適用する段階、
組成物を蒸発させる段階、および
選択された表面上の組成物の残余物について、色変化を視覚により検査する段階
を含む消毒方法であって、
該組成物が、抗微生物剤、局所許容性溶媒、1つまたは複数のpH調整薬、および色が変わるpH指示薬を含み、かつ該1つまたは複数のpH調整薬が、酸、塩基、pH緩衝剤、またはそれらの組み合わせである、方法。
【請求項23】
選択された表面が皮膚である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
選択された表面が医用機器である、請求項22記載の方法。
【請求項25】
医用機器が針無しの注入コネクタである、請求項24記載の方法。
【請求項26】
抗微生物剤が環境pHに感受性の抗微生物剤である、請求項22記載の方法。
【請求項27】
環境pHに感受性の抗微生物剤がヨウ素、ヨードフォア、クロルヘキシジン、およびグルコン酸クロルヘキシジンからなる群より選択される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
適用する段階の組成物を調製する段階をさらに含む、請求項22記載の方法。
【請求項29】
調製する段階が、組成物を皮膚へ適用する前に、1つまたは複数のpH調整薬をインサイチューで組成物に添加する段階を含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
調製する段階が、組成物を皮膚へ適用する前に、pH指示薬をインサイチューで組成物に添加する段階を含む、請求項28記載の方法。
【請求項31】
1つまたは複数のpH調整薬および色が変化するpH指示薬を含むコーティングを含む医用機器であって、1つまたは複数のpH調整薬が酸、塩基、pH緩衝剤、またはそれらの組み合わせである、医用機器。
【請求項32】
コーティングがpHの変化により可視の色変化を可逆的に生じる、請求項31記載の医用機器。
【請求項33】
コーティングが抗微生物剤をさらに含む、請求項31記載の医用機器。
【請求項34】
無針コネクタまたは無針バルブのうちの一つである、請求項31記載の医用機器。
【請求項35】
選択された表面に第一の色の組成物をコーティングする段階、
選択された表面に消毒溶液を適用する段階、
第二の色への色変化についてコーティングを視覚により検査する段階、
消毒溶液を蒸発させる段階、および
第一の色への色変化についてコーティングを視覚により検査する段階
を含む消毒方法であって、
1つまたは複数のpH調整薬が、酸、塩基、pH緩衝剤、またはそれらの組み合わせである、方法。

【公表番号】特表2010−505829(P2010−505829A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531407(P2009−531407)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/020925
【国際公開番号】WO2008/060355
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(509093598)アレジアンス コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】