説明

芳香族ポリエステルおよび/または全芳香族ポリエステルでできた反射体のパワーLEDデバイス

反射体およびLEDを含むパワーLEDデバイス。この反射体は、芳香族ポリエステルおよび/または全芳香族ポリエステルでできている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、これらの出願の全内容があらゆる目的のために参照により本明細書に援用される、2008年10月30日出願の米国仮特許出願第61/106,177号明細書、および2008年12月24日出願の米国仮特許出願第61/140,647号明細書の優先権を主張するものである。
【0002】
芳香族ポリエステルおよび/または全芳香族ポリエステルを含む組成物から製造されたパワーLED(PLED)デバイス用の反射体。光および/または放射線を発するためのパワーLEDと芳香族ポリエステルおよび/または全芳香族ポリエステルを含む組成物から製造された反射体とを含むパワーLEDデバイス。照明装置および光電子デバイスを含む、パワーLEDデバイスを含有する物品もまた本発明に含まれる。高い接合部温度で操作するための、または高いリフロー温度を用いて製造された、パワーLEDデバイス。
【背景技術】
【0003】
発光ダイオード(すなわち、LED)は、電気エネルギーで駆動されるときに発光する材料を含有するミクロエレクトロニクス構造体、例えば、順方向にバイアスをかけられたときに非干渉性の光学的放射線を発するp−n接合半導体である。LEDデバイスは、光などの放射線を発するためのデバイスを形成する構成要素のアセンブリである。LEDデバイスは、最終用途デバイスでLEDを駆動する、LEDを配置する、およびLEDを取り付けるために必要な他の構成要素に加えて1つ以上のLEDを含有する。典型的には、LEDデバイスは、フレーム、LED、LEDに接続されたリード線、およびアセンブリパッケージを含む。
【0004】
LEDデバイスは通常、LEDと熱的に接触しているヒートシンクを含む。ヒートシンクは、LEDデバイスの操作中に発生する熱を吸収し、消散させるのに役立つ。LED用途に使用されるヒートシンクは、様々な形態をとり、良好な熱伝導および、任意選択的に、不十分な電気伝導を有する材料から典型的には製造される。幾つかのLEDデバイスでは、ヒートシンクは、LEDを電源に接続する陰極または陽極リードとして機能する。
【0005】
LEDは通常、接着剤でヒートシンクのトップおよび/または反射体のボトム上の適所に保持される。LEDは、1つ以上の異なる接着剤または封入材料によってLEDデバイスのヒートシンクまたは任意の他の構成要素に埋め込まれてもおよび/または接合されてもよい。
【0006】
反射体は、LEDによって発せられる光の焦点を合わせる、光を着色するおよび/または平行にするためにLEDデバイスに含まれてもよい。LED反射体は典型的にはフレーム上へ成形され、フレームはその後チップの形態でLEDに連結される。反射体は、ヒートシンクと一体になっていてもよく、例えば反射体とヒートシンクとは、単一の成形品を形成してもよい。
【0007】
パワーLED(PLED)デバイスは、トップビューおよびサイドビューLEDデバイスなどの従来のLEDデバイスよりはるかに大量の光を発するデバイスである。パワーLEDデバイスは、従来のLEDデバイスより大幅に大量の熱および光を発生し、従って従来のLEDデバイスと比較してはるかにより大きい応力に曝される。パワーLEDデバイスは典型的には、150mA〜1,000mA超で駆動されるが、従来のLEDは150mA未満、おそらくは1mA以下まで下がって駆動される。パワーLEDデバイス操作中に遭遇する応力の大幅な増加は、反射体およびまたはアセンブリハウジングの変色および物理的劣化などの加速された、より顕著な分解影響をもたらす。
【0008】
従来のLEDデバイスの構成要素を製造するために使用される材料には、多くの場合熱可塑性ポリマーが含まれる。熱可塑性材料は、一般に、電気絶縁性であり、従ってある種のLEDデバイスのある種の構成要素を製造するために使用されてもよい。幾つかの熱可塑性材料は、ある種の添加剤の包含によって導電性を与えられてもよいし、および/または、ある種のスペシャルティ熱可塑性樹脂の場合には、下部の熱可塑性樹脂がそれ自体導電性を有してもよい。熱可塑性絶縁体の使用は、それらを迅速におよび効率的に大量生産することができるので有利である。しかしながら、従来の熱可塑性材料は、熱および放射線への感受性が強く、影響を受ける。もっとさらに、多くの熱可塑性材料は本質的に変色し(例えば、それらは黄色がかった色特性を示し)、従って反射光の色に影響を及ぼす可能性がある。
【0009】
熱応力および/または強い放射線への暴露を受ける熱可塑性材料は、変色に悩まされるのみならず、弾性などの望ましい物理的特性の損失にも悩まされ、こうして脆くなる可能性がある。強い光などの、高熱への暴露および/または放射線への暴露時に、熱可塑性材料のポリマー主鎖は分解して元の熱可塑性材料の弾性特性の大幅な低下につながる可能性がある。結果として生じた脆い材料は、破砕および/または付着を起こしやすい可能性がある。
【0010】
加えて、LEDデバイスは、操作中におよび製造中に、高熱への数サイクルの暴露を含む高熱および放射応力にさらされる。LEDデバイスは典型的には、LEDデバイスの形体の1つ以上をフレーム上に先ず成形する工程を含む方法で製造される。この成形は、射出成形および/または圧縮成形などの従来の成形技法によって実施することができる。この成形中に、形体(例えば、反射体)が製造される材料は、高温、すなわち、この材料のガラス転移温度または溶融温度より高い温度にさらされる。
【0011】
リードフレーム上へ形成された形体を含有する生じた部品は次に、LED機能をデバイスに提供するチップに接合される。このチップは、発光ダイオードを含む半導体デバイスである。LEDは、伝導性エポキシまたは他の接着材料でリードフレームに接合される。伝導性エポキシは典型的には、約180℃以下の温度で0.5〜6時間の範囲である時間加熱することによって硬化する。パワーLEDは、はんだ付けによってリードフレームに接合されてもよい。はんだ付けプロセスは、リードフレームおよびチップの少なくとも一部を、リードフレームが融解はんだ組成物と接触するときに300℃超の温度にさらすことを含み得る。チップは、チップがリードフレームに連結された後にリードフレームにワイヤボンディングされる。ワイヤボンディングには、はんだ付けが含まれてもよく、はんだ付けは、LEDデバイスを300℃超である可能性がある温度に再びさらす。
【0012】
ワイヤボンディングされたデバイスは次に、熱硬化性または熱可塑性組成物などの合成材料で封入される。封入は典型的には、熱硬化性または熱可塑性組成物を高められた温度(例えば、60〜180℃)で0.5〜6時間の期間硬化させて、LEDパッケージまたはデバイスを形成することを含む。
【0013】
LEDパッケージは、それがプリント回路基板上へ取り付けられるときに別のヒートサイクルにさらされる。LEDパッケージは、はんだ付けなどの技法によってプリント回路基板に取り付けられてもよく、はんだ付け中にLEDパッケージの部分は融解はんだ組成物と接触する。
【0014】
上述のプロセス工程に加えて、さらなる乾燥工程が実施されてもよい。乾燥は、その製造中に、LEDデバイスの任意の構成要素によって吸収された可能性がある水を除去する働きをする。乾燥は、例えば、数分間260℃ほどに高い温度まで加熱することを含む赤外線リフロー条件下に実施されてもよい。
【0015】
製造プロセスの結果として、LEDデバイスが製造されるいかなる材料も、LEDデバイスの操作温度より大幅に高い温度にさらされる可能性がある。従って、使われるように設定される前でさえ、熱可塑性材料から製造されたLED反射体などのLEDデバイスの構成要素は、かなりの熱履歴を有する可能性がある。とりわけ熱可塑性材料について、この熱履歴は、例えば、反射体の分解および着色につながる可能性がある。
【0016】
全体が参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2004/0165390号明細書は、LED構成要素を含む液晶ディスプレイデバイスおよび電子デバイスでの反射板として使用するための液晶ポリエステルを開示している。反射板が製造されるポリエステル樹脂は、重合した芳香族モノマー単位を含む。反射板は32以下の黄色度指数を有する。この特許出願は、パワーLEDデバイスの構成要素を製造するための全芳香族LCPの使用を開示していない。
【0017】
全体が参照により本明細書に援用される、特開2004−277539号公報は、反射板を製造するための液晶ポリエステル樹脂を開示している。この樹脂は、芳香族ジオールおよび芳香族ジカルボン酸モノマー単位から製造することができる。
【0018】
全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第7,138,667号明細書は、LEDが、LEDと電源との間の電気的接続としてもまた役立つヒートシンクに接合されている従来型LEDデバイスを開示している。LEDはまた、ヒートシンクと接触していないLEDの表面に接触するワイヤなどの別の手段によって、電源に電気的に接続されている。液晶ポリエステル(LCP)が、ヒートシンクおよびLEDを保持する働きをするアセンブリを製造するための材料として、およびさらにLEDデバイスのリードフレーム構成要素を形成するための材料として、使用されている。この特許は、パワーLEDデバイスの構成要素を製造するための全芳香族LCPの使用を開示していない。
【0019】
全体が参照により本明細書に援用される、国際公開第2006/064032号パンフレットは、発光装置の部分を形成するための金属酸化物および/または窒化物と組み合わせた半結晶性ポリマー(SCP)などのある種のポリマーの使用を開示している。この半結晶性ポリマー/金属酸化物組成物は、発光装置のハウジング構成要素および/または発光装置に使用されるヒートシンクを形成するために使用されてもよい。パワーLEDデバイスの構成要素を製造するための全芳香族LCPの使用は開示されていない。
【0020】
全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第7,273,987号明細書は、表面取り付けLEDデバイスの可撓性の相互接続構造体を記載している。LEDデバイスは、ポリエステル材料を含む熱可塑性ポリマーから形成される可撓性ポリマー基材上に取り付けられてもよい。パワーLEDも、LEDデバイスの任意の構成要素を製造するための全芳香族LCPの使用も、開示されていない。
【0021】
全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第6,541,800号明細書は、LEDに直接接合されたヒートシンクを含むLEDデバイスを開示している。LEDとヒートシンクとの直接接触は、LEDから離れて良好な熱伝導を提供する。LCPが、LEDパッケージの陰極および陽極構成要素を分離するために使用される。熱伝導性および電気絶縁性などの特性は、LEDパッケージの陽極および陰極構成要素を熱的に接続するのにLCPが利点を提供することを可能にする。この特許は、陽極および陰極構成要素を分離するための方法としての、または反射体などのパワーLEDデバイスの構成要素を製造するために有用な材料としての、全芳香族LCPまたはLCPを含む組成物の使用または包含を開示していない。
【0022】
全体が参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2006/0292747号明細書は、一体ヒートシンクを有する表面取り付けパワー発光体を開示している。この発光体は、LEDなどのデバイスであってもよい。この表面取り付けパワー発光体は、熱伝導性基材を含む。基材がアルミニウムまたは銅などの金属導電性材料でできているとき、誘電体層が基材とLEDとの間に存在してもよい。基材はあるいはまた熱効率的な材料が充填されたLCPなどの高温プラスチックから製造される。基材および/またはヒートシンクの構成要素としての全芳香族LCPの包含は開示されておらず、表面取り付けパワー発光体の反射体構成要素を形成するための全芳香族LCPの使用もまた記載されていない。
【0023】
全体が参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2007/0291503号明細書は、可撓性回路基板上に形成されたLEDを開示している。回路基板は、ポリエステルなどの可撓性の熱可塑性材料の層を含有してもよい。LEDと可撓性回路基板との直接接触は、熱および/または電気伝導が起こるのを可能にする。加えて、ポリエステルなどの熱可塑性材料は、LEDと直接接触していないが依然として熱を消散させるのに役立つ可撓性回路基板の他の層に使用されてもよい。反射体構成要素を形成するための全芳香族LCPの使用は開示されていない。
【0024】
全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第6,599,768号明細書はまた、基材上への高パワーLEDの表面取り付け方法を開示している。基材は、熱シンクとしての機能を果たす。好ましい基材材料には、ケイ素などの電気絶縁体より大幅に高い熱伝導性を有する金属が含まれる。熱硬化性樹脂などの透明なポリマーがLED上の無色透明の保護層を形成するために使用されてもよい。パワーLEDデバイスを形成するための全芳香族LCPの使用は開示されていない。
【0025】
全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第7,202,505号明細書は、パワーLEDを含むLEDアセンブリを開示している。LEDデバイスの熱シンクまたは反射体を形成するための全または高芳香族ポリエステルの使用は開示されていない。
【0026】
全体が参照により本明細書に援用される、特開2007−300018号公報は、LEDを含む、発光デバイスを開示している。このLEDデバイスは、金属材料から作成された反射体構成要素を含む。金属は、長い使用および熱の条件下での黄変に悩まされることが開示されている熱可塑性材料の使用に関連した問題を回避するために使用される。この公開は、LEDデバイスが黄変を受ける樹脂から作成された反射体構成要素を含有する場合にはLEDデバイスの輝度が約50%低下する可能性があることを開示している。反射体を作成するための全または高芳香族ポリエステルの使用は開示されていない。
【0027】
全体が参照により本明細書に援用される、特開2007−300018号公報は、射出材料などの絶縁材料から製造されたハウジングを含む高パワーLEDデバイスを開示している。ポリイミドフィルムなどの絶縁フィルムが、LEDパッケージの部分に存在してもよい。
【0028】
理解されるように、上述のものなどの従来のLEDデバイスは、従来の熱可塑性材料、特に、脂肪族ポリエステルなどの従来のポリエステルから製造された反射体構成要素を含む可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
パワーLED用の反射体は、優れた色と高い熱歪み温度、高い伸び、および/または高い溶融粘度などの改善された物理的特性とのとりわけ厳しい組み合わせを必要とする。従来のポリエステルは、これらの特質のそれぞれを単一樹脂で提供することができない。より一般的には、パワーLEDデバイスでの従来の熱可塑性材料の使用は、パワーLEDデバイスから発せられると考えられる光の色の変化を引き起こす熱可塑性材料の熱および放射分解のために不利である。
【0030】
パワーLEDデバイスは、高温および高強度放射線への暴露後に光歪みおよび/または不十分な発光効率に悩まされ得る。これらの問題は少なくとも一部は、放射光を反射するPLEDデバイスの構成要素を製造するために使用された材料の分解のためである。この分解は、反射体および熱シンクなどの構成要素の変色および/または物理的劣化を含む可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明者らは、パワーLEDデバイスでのマトリックス材料としての、芳香族ポリエステルおよび/または全芳香族ポリエステル(PE)、通常は液晶ポリエステル(LCP)の使用が、著しく優れた発光安定性、色の整合性およびより長い使用可能寿命を有するパワーLEDデバイスを提供することを発見した。
【0032】
本発明の芳香族ポリエステル(通常、LCP)もしくは本発明の全芳香族ポリエステル(同様に通常、LCP)、または本発明の芳香族ポリエステルおよび/または全芳香族ポリエステルを含む組成物は、ヒートシンク、接続材料、および反射体などのパワーLEDデバイスの構成要素を製造するために使用されてもよい。本発明の芳香族ポリエステルおよび/または全芳香族ポリエステルは、単独でまたは他の材料と組み合わせて、ハウジングおよびアセンブリテンプレートなどの構成要素用のマトリックス材料としてまた使用されてもよい。
【0033】
本発明のパワーLEDデバイスは、他のパワーLEDデバイスより大幅に大きく、かつ安定した光アウトプットを提供する。本発明のパワーLEDデバイスは、従来のLEDデバイスより著しく高い温度およびパワー発光レベルで操作するが、より大きい輝度効率およびより長い寿命を同時に提供する。
【0034】
それ故に、本発明は、
LEDおよび反射体
を含む、パワーLEDデバイスであって、
この反射体が(i)少なくとも80モル%の芳香族モノマー単位を有する少なくとも50重量%の少なくとも1つの芳香族ポリエステルまたは(ii)少なくとも30重量%の少なくとも1つの全芳香族ポリエステルを含む、パワーLEDデバイスに関する。
【0035】
パワーLEDデバイスは好ましくは、150mAで駆動されるときに少なくとも1,000時間のルーメン下落(lumen depreciation)値L99を有する。
【0036】
パワーLEDデバイスはまた好ましくは、150mAで駆動されるときに少なくとも50ルーメンの光を50,000時間発することができる。
【0037】
芳香族ポリエステルおよび全芳香族ポリエステルは、好ましくは以下の構造単位:
・ヒドロキノンに由来する構造単位(I)、


・4,4’−ビフェノールに由来する構造単位(II)、


・テレフタル酸に由来する構造単位(III)、


・p−ヒドロキシ安息香酸に由来する構造単位(V)、


・および、任意選択的にその上、イソフタル酸に由来する構造単位(IV)


の少なくとも1つを含む。
【0038】
より好ましくは、芳香族ポリエステルおよび全芳香族ポリエステルは、構造単位(I)、(II)、(III)および(V)を含む。
【0039】
良好な結果は、p−ヒドロキシ安息香酸に由来する構造単位が40〜80モル%の量で存在し、テレフタル酸およびイソフタル酸に由来する構造単位が10〜30モル%の量で存在し、ヒドロキノンおよび4,4’−ビフェノールに由来する構造単位が10〜30モル%の量で存在し、モル%が、p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ヒドロキノン、4,4’−ビフェノールおよびイソフタル酸に由来する重合したモノマー単位の全モル数を基準とする、p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ヒドロキノンおよび4,4’−ビフェノール、ならびに任意選択的にイソフタル酸に由来する重合した構造単位を含む芳香族ポリエステルおよび全芳香族ポリエステルでとりわけ得られる。前記芳香族ポリエステルおよび全芳香族ポリエステルにおいて、ヒドロキノンに由来する構造単位対4,4’−ビフェノールに由来する構造単位のモル比は、有利には0.1〜1.5である。
【0040】
好ましい実施形態では、反射体は全芳香族ポリエステルを含み、全芳香族ポリエステルは、
1つ以上の芳香族ジオールおよび1つ以上の芳香族カルボン酸を含む初期モノマー混合物を形成する工程であって、芳香族ジオールのヒドロキシ単位の数が芳香族カルボン酸のカルボン酸基のモル数と実質的に同じものである(ここで、「実質的に」は、約0.95〜1.05、多くの場合約0.99〜約1.01の範囲であるこれらの2つの数の比に典型的には相当する)工程と;
初期モノマー混合物を反応させて全芳香族ポリエステルを形成する工程と
を含む方法によって得られる。
【0041】
この好ましい実施形態では、全芳香族ポリエステルの製造方法は、
初期モノマー混合物をアシル化剤と混合してアシル化混合物を形成する工程であって、
反応工程が
アシル化混合物を第1温度に加熱してアシル化モノマー混合物を形成することと;
アシル化モノマー混合物を第2温度に加熱してアシル化モノマー混合物の固相重縮合を実施することと
を含む工程をさらに含む。
【0042】
反射体は、芳香族ポリエステルおよび全芳香族ポリエステルの少なくとも1つからなってもよい。あるいはまた、反射体は、芳香族ポリエステルおよび全芳香族ポリエステルの少なくとも1つと、少なくとも1つの添加剤とを含むポリマー組成物からなってもよい。好ましい実施形態では、反射体は、芳香族ポリエステルおよび全芳香族ポリエステルの少なくとも1つと、少なくとも1つの蛍光増白剤とを含むポリマー組成物からなってもよい。
【0043】
パワーLEDは、反射体と直接接触したヒートシンクをさらに含んでもよい。この場合には、ヒートシンクは、ヒートシンクの総重量を基準として少なくとも50重量%の芳香族ポリエステルおよび全芳香族ポリエステルの1つ以上を好ましくは含む。代替として、または補完的に、反射体のベースと一体になったヒートシンクをさらに含んでもよい。パワーLEDデバイスは、反射体の外面と熱的に接触した、および少なくとも1つの金属でできたヒートシンクをさらに含んでもよい。
【0044】
反射体は、反射体空洞を形成するベース、オープントップおよび壁を有してもよく、ここで、LEDは、反射体空洞内側で反射体のベースの内面上に配置され、そしてパワーLEDデバイスは、LEDを覆い、かつ、反射体の空洞を少なくとも部分的に満たす硬化した透明な樹脂をさらに含む。LEDは、反射体のベースと接触していてもよい。本パワーLEDデバイスは、LEDに接続された陽極リードおよび陰極リードをさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のパワーLEDデバイスのハイレベル線図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の追加の態様および他の特徴は、以下に続く説明である程度述べられ、下記について検討するときに当業者にある程度明らかになるであろうし、または本発明の実施から学ばれてもよい。本発明の利点は、添付のクレームに特に指摘されるように実現されても得られてもよい。実現されるように、本発明は、他のおよび異なる実施形態であることができ、その幾つかの詳細は、全てが本発明から逸脱することなく、様々な明らかな点で修正することが可能である。本説明は、本来例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものと見なされるべきではない。
【0047】
芳香族ポリエステルおよび全芳香族ポリエステル(通常LCP)は本明細書では、パワーLEDデバイス用の構成要素として使用されるときに優れた熱/物理的安定性および光反射性能を提供することが示される。本発明は、改善された発光特性を有し、かつ、芳香族PE(通常、LCP)もしくは全芳香族PE(同様に通常、LCP)から、および/または芳香族PEおよび全芳香族PEの少なくとも1つを含有する組成物から製造された1つ以上の構成要素を含むパワーLEDデバイスを含む。
【0048】
本発明の一態様は、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常、LCP)を含む1つ以上の構成要素を含有するパワーLEDデバイスを含む。本発明のパワーLEDデバイスの実施形態は、図1のようなハイレベル線図に示される。パワーLEDデバイスのLEDは参照数字(1)で特定される。LED(1)は、パワーLEDデバイスの構成要素(2)の内側に配置される。図1に示されるパワーLEDデバイスは単一LEDを含むが、本発明の他の実施形態では、追加のLEDが同じまたは異なる方位に存在してもよい。構成要素(2)は、別個の反射体(3)およびヒートシンク(4)形体の両方を含んでもよいしまたは反射体(3)とヒートシンク(4)形体とを単一構成要素として組み合わせてもよい。
【0049】
例えば、LED接合部温度およびLED駆動アンペア数がいくらか低い本発明の実施形態では、構成要素(2)は、反射体の質量より大きい質量のベースのない反射体からなってもよい。反射体の質量は、反射体アセンブリの両方から上方へ伸びる材料の量に基づいて計算され、反射体の最も厚い部分よりも大きい厚さのベースはすべて、ヒートシンクであるとみなされる。
【0050】
本発明のある種の特定の実施形態では、反射体は存在しなくてもよいし、または芳香族ポリエステルも全芳香族ポリエステルも含有しない材料でできていてもよい。本発明のパワーLEDデバイスの反射体がかかる材料から製造されているときには、少なくとも1つの他の構成要素、好ましくはヒートシンクは、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常、LCP)を含まなければならない。好ましくは、本発明のパワーLED反射体は、本発明のパワーLEDデバイスの一部である。
【0051】
図1の反射体(3)は、LEDで発生した光を集中させ、光がパワーLEDデバイスから離れて向けられるように、ビーム様またはフラッド様の方式で導くのに役立つ。光は、コウモリ翼、完全拡散、およびサイド発光を含む多くのパターンでパワーLEDデバイスのLEDから発せられてもよい。反射体は、LEDからの光アウトプットが集められ、集中されおよび/または好ましい方位に導かれることを可能にする。パワーLEDデバイスは、トップビュー、サイドビュー、透過ビューおよび/または斜ビューのうち、いずれのディスプレイまたは発光方位を有してもよい。
【0052】
図1の構成要素(2)において、反射体は隆起した壁を有し、くぼみおよび/または空洞を形成する。くぼみおよび壁は任意の形状であってもよい。幾つかの実施形態では、反射体は平らであり、ベースのみを有し、壁を持たない。好ましくは、反射体(3)は、オープントップの円筒形または管様様式でベースから伸びる円形壁を有する。壁は、角張った壁、真っ直ぐな壁、形状が放射線状の、形状が円錐形の、形状がピラミッド形の、形状が楕円形の、対称的な、非対称的なおよび/またはこれらの幾何学形の組み合わせであってもよい。好ましくは、LEDは、LEDのどの部分も反射体の壁の最高部より高くないように反射体の空洞またはくぼみに配置される。LEDは好ましくは、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも5つのLED高さが反射体の壁の上限より下であるように配置される。LED高さは、それが反射体のボトム上の水平面に平たく横たわるときのLEDの垂直高さである。
【0053】
構成要素(3)は、ヒートシンク(4)と一体になっていてもよい反射体を表す。ヒートシンクは、パワーLEDデバイスのLEDからの熱エネルギーを伝導し、移動させるのに役立つ。LEDの動作から生じた熱、例えば、パワーLEDデバイスの接合部温度によって発生した熱は好ましくは、LEDアセンブリから迅速に取り去られ、消散させられる。ヒートシンクは、LEDからの熱(すなわち、LEDのPN接合部からの熱および/またはLED接合部への結線からの熱)を捕捉し、LEDが配置されているまたは取り付けられている電子デバイスの外にそれが放出され、消散させられるようにLEDからの熱エネルギーを移動させるという目的に役立つ。
【0054】
本発明の幾つかの実施形態では、パワーLEDデバイスの反射体は、例えば、射出成形によって他の構成要素とは別に製造される。こうして、反射体(例えば、下に記載されるLED反射体)は、パワーLEDハウジングなどの1つ以上の構成要素に追加されてパワーLEDデバイスを形成してもよい。反射体は、本発明のパワーLEDデバイスの他の構成要素と直接熱的に接触して、間接的に熱的に接触して、またはそれとは断熱されて、別々に取り付けることができる。
【0055】
反射体と同様に、ヒートシンク(4)は好ましくは、全芳香族PEおよび/または芳香族PE(通常、LCP)からなる。本発明の一実施形態では、反射体およびヒートシンクは射出成形によって製造され、単一射出成形品を表す。ヒートシンクは、PLEDに応じて任意のサイズのものであってもよい。より大量の熱をPLEDから捕捉し、伝導することができるより大きいヒートシンクが好ましい。ヒートシンクの不存在は、過熱およびPLEDデバイスからの不十分な熱伝導につながる可能性がある。本発明のPLEDデバイスの実施形態では、ヒートシンクは好ましくは、LEDの質量の少なくとも10倍の質量を有する。さらにより好ましくは、ヒートシンクは、LEDの質量より少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、および100倍以上の質量を有する。
【0056】
ヒートシンク(4)は、熱がパワーLEDアセンブリから逃げるように熱をヒートシンクからパワーLEDアセンブリまたは照明装置の任意のエリアへ移動させるのに役立つ1つ以上の追加の熱伝導性構成要素と接触させられてもよい。例えば、ヒートシンクのボトム面と直接にまたは熱的に接触した基材は、熱をパワーLEDデバイスから移動させる働きをする可能性がある。基材には、プリント回路基板もしくは金属材料、および/または熱伝導性であり、かつ、少なくとも部分的に電気絶縁性である熱可塑性もしくは熱硬化性材料が含まれてもよい。
【0057】
好ましくは、LED(1)は、ヒートシンク(4)および/または反射体(3)のボトム部分と直接および連続接触している。LEDと反射体および/またはヒートシンクの平面との連続および直接の水平接触が好ましい。他の実施形態では、誘電体層または連結層(10)が、LED(1)と同様にヒートシンク(4)の一部であってもよい反射体(3)のベース部分との間に存在する。
【0058】
反射体(3)のベース上の構成要素(2)上の適所にLED(1)を保持するために連結層を使用する代わりに、LEDはあるいはまた、摩擦連結によって反射体および/またはヒートシンクに組み込まれてもよい。例えばLEDは、芳香族PE(通常、LCP)および全芳香族PE(通常、LCP)の少なくとも1つから製造され、そしてLEDの垂直面(例えば、LEDの側面)とLEDが取り付けられているくぼみ中に存在する垂直面との接触を通して生じる摩擦力によって適所に保持される反射体および/またはヒートシンクの表面とLEDのボトム面が直接接触するように、くぼみに圧入されても、反射体のベースまたはヒートシンクのトップにエンボス加工され、彫刻されまたは成形されてもよい。別の実施形態では、層がLEDの水平面と反射体および/またはヒートシンクとの直接および連続接触を全く妨げないように、LEDをその中に置かれたくぼみにはめ込むことによって、そしてさらにLEDの垂直壁と反射体のベースおよび/またはヒートシンクのトップ面に作られた任意のくぼみの垂直壁とに接着剤を適用することにより、LEDを反射体および/またはヒートシンクに接着することによって、LEDは、反射体(3)のベースまたはヒートシンク(4)のトップ面と直接および連続接触している。
【0059】
他の実施形態では、誘電体層または連結層(10)が、LED(1)と反射体および/またはヒートシンクとの間に存在する。誘電体層(10)は、LED(1)を反射体(3)および/またはヒートシンク(4)に接続する手段として働いてもよい。あるいはまた、誘電体層(10)は、LEDを反射体および/またはヒートシンクから電気的に絶縁するのに役立つ可能性がある。
【0060】
LED(1)は、陰極および陽極接続部を通して電源に接続される。陰極(5)および陽極(6)接続部は、LED(1)上の陽極および/または陰極接続部に接合され、LEDを、例えば、リードフレーム(7)に接続するワイヤによって形成されてもよい。陽極および/または陰極接続部がワイヤから形成されることは必要ではない。本発明の他の実施形態では、陽極および/または陰極接続部は、反射体および/またはヒートシンクと一体になっていてもよい。例えば、反射体および/またはヒートシンクは、ワイヤ(5)および(6)が既にそこに存在するようなやり方で射出成形されてもよい。接続ワイヤ(5)および(6)は、反射体および/または中間連結層(10)のボトム面のいずれかと直接および連続接触しているボトム面からLEDに直接接触してもよい。このように、ワイヤボンディングは、LEDから発せられる光を妨げない。
【0061】
他の構成要素が本発明のパワーLEDデバイスに存在してもよい。無色であるかまたは着色している透明な艶消しレンズがLEDを覆い、かつ、任意選択的に、反射体によって形成された空洞を密封するか、またはパワーLEDデバイスの少なくとも一部もしくは全トップ面を覆って存在してもよい。このレンズは、LEDをエレメントから保護するならびに/またはLEDから発せられる光の焦点を合わせる、光を着色する、平行にするおよび/もしくは導く働きをする。レンズは、ガラスおよびアクリル、ポリオレフィン、シリコーンおよび/またはポリカーボネート材料などの熱可塑性樹脂を含む任意のタイプの透明な材料から形成されてもよい。あるいはまた、LEDは、反射体くぼみへ射出され、硬化してLEDを両方とも覆い、そして反射体壁によって形成された空洞を少なくとも部分的に満たす熱硬化性材料に埋め込まれてもよい。エポキシ、シリコーンおよびアクリルなどの熱硬化性材料は、多くの場合不十分な熱伝導を示す。それ故、LEDデバイスは、芳香族PE(通常、LCP)および全芳香族PE(同様に通常、LCP)の少なくとも1つから製造されたヒートシンクの存在を依然として必要とする可能性がある。
【0062】
反射体の壁(8)は、1つ以上の反射材料でコートされてもよい。例えば、反射体の壁は、アルミニウムなどの金属材料でコートされてもよい。かかる金属化の目的は、PLEDデバイスから有効に発せられる光の量を向上させることである。他の照明効果は、他の方法で反射体の壁を処理することによって達成されてもよい。例えば、反射体の壁は、ギラギラする光の影響を低減するためにおよび/またはPLEDデバイスから発せられた光を着色するために、粗さまたは他の表面仕上げを施されてもよい。他の実施形態では、反射体の当該壁は、着色材料で、染色または顔料入り材料で覆われる。着色カバリングは、反射体と一体になるコーティングであっても、またはインサートなどの別個の部品であってもよい。着色材料は、PLEDデバイスから発せられる光の色または色特性を変えるために使用されてもよい。
【0063】
PLEDデバイスの前述の構成要素は、例えば、表面取り付けデバイスとして取り付けるために反射体(3)、ヒートシンク(4)、およびLED(1)の任意の組み合わせを保持する働きをするハウジングおよびまたはアセンブリパッケージ(9)中に取り付けられてもよい。パッケージ(9)は、反射体(3)および/またはヒートシンク(4)を製造するために使用される熱可塑性材料と同じものである熱可塑性材料から製造されてもよい。パッケージング(9)とヒートシンク(4)および/または反射体(3)との密な接触は、LEDからの熱消散をさらに向上させる。本発明の幾つかの実施形態では、パッケージング(9)は、ヒートシンクおよび/または反射体(3)と比較して著しくより低い熱伝導性を有する。より低い熱伝導性を有するパッケージングの提供は、最小量の熱が基材に直接移動させられるようなやり方でプリント回路基板(PCB)などの基材に連結されている表面取り付けデバイスを与える。
【0064】
同じPLEDデバイスにおいて、反射体(3)およびヒートシンク(4)は、異なる材料または芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)を含む同じ材料を含んでもよい。反射体およびヒートシンクでの異なる材料の使用は、PLEDデバイスの異なる構成要素について望ましい特性の選択を可能にする。例えば、高い耐熱性が反射体では望ましい。高い耐熱性は、反射体の熱分解および変色を低減し、こうして色劣化または色シフトなしにより長いLED寿命を可能にする。これは、パワーLEDデバイスでとりわけ重要であるかもしれない。
【0065】
本発明のPLEDデバイスは、LEDの所要電力で記述されてもよい。特に、150mA超の電流で動作するパワーLEDが本発明に含まれる。動作電流および電圧は、LEDのメーカーによって指定され、IES LM−79−08およびIES LM−80−08に従って測定される。
【0066】
本発明のパワーLEDデバイスは、パワーLEDが固定した駆動アンペア数での操作後にその初期光アウトプットを維持する程度で記述されてもよい。本発明のパワーLEDデバイスは好ましくは、50,000時間以上の使用後にその初期光アウトプットの50%以上を保有する。光アウトプットの損失は、例えば150mAで、パワーLEDのメーカーによって指定された駆動アンペア数で測定される。ルーメン単位の光アウトプットは、IES LM−79−08に従って測定される。光アウトプット損失または下落を測定する場合、初期光アウトプットを測定するときと最終光アウトプットを測定するときは、同じ条件が用いられる。
【0067】
他の実施形態では、本発明のパワーLEDデバイスは、50,000時間の操作後に、ルーメン単位でのその初期光アウトプットの60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%を維持する。初期光アウトプットは、100時間の通電テスト期間後にパワーLEDデバイスから発せられるルーメンの数である。好ましくは、本発明のパワーLEDデバイスの光アウトプットは、設計アンペア数で50,000時間の操作後にバージンパワーLEDの初期光アウトプットとスペクトル的に同じものまたはヒト視覚の限界内で同じものである。LEDによって生成する光の輝度および色を測定する一方法は、全体が参照により本明細書に援用される、Y.Zong and Y.Ohno,「New practical method for measurement of high−power LEDs.Proc.」,CIE Expert Symposium on Advances in Photometry and Colorimetry,CIE x033:2008,pp.102−106(2008)による。好ましくは、全体が参照により本明細書に援用される、IESNA LM−79,C78.377−2008 Approved Method for the Electrical and Photometric Measurements of Solid−State Lighting Productsが、光アウトプット(ルーメン)、エネルギー効率(ワット当たりのルーメン)および色度について本発明のパワーLEDデバイスを試験するために用いられる。パワーLEDデバイスにおける光下落は、全体が参照により本明細書に援用される、LM−80,「IESNA Approved Method for Measuring Lumen Depreciation of LED Light Sources」に従って測定される。
【0068】
パワーLEDデバイスはまた、指定の光アウトプットに達するために必要とされる時間で記述されてもよい。ルーメン下落値は、その寿命にわたってのパワーLEDの全体性能を反映する。パワーLEDが操作されるにつれて、それらのルーメンアウトプットは時間と共に低下する。ルーメン下落は、ある特定の程度のルーメン下落に達する前に、パワーLEDが操作される時間の量である。例えば、99%のルーメン下落値(すなわち、L99)は、デバイスがその初期光アウトプットの1%を失う前にその指定の動作電流および電圧でパワーLEDデバイスを操作するために必要とされる時間に相当する。好ましくは、本発明のPLEDデバイスは、150mAの駆動アンペア数で少なくとも1,000時間のL99値を有する。他の好ましい実施形態では、150mAでのL99は、少なくとも1,500時間、少なくとも2,000時間、少なくとも3,000時間、少なくとも4,000時間、少なくとも5,000時間、少なくとも6,000時間、少なくとも7,000時間、少なくとも8,000時間、少なくとも9,000時間または少なくとも10,000時間のものである。さらに他の好ましい実施形態では、本発明のPLEDデバイスは、200mA、250mA、300mA、350mA、400mA、500mA、600mA、700mA、800mA、900mA、1,000mA、1,500mA、2,000mAまたは5,000mAの駆動アンペア数で少なくとも1,000時間のL99値を有する。さらに他の好ましい実施形態では、本発明のPLEDデバイスは、少なくとも150mA、少なくとも200mA、少なくとも300mA、少なくとも400mA、少なくとも500mAまたは少なくとも1,000mAの駆動アンペア数で少なくとも1,000時間のL99値を有し;より好ましくは、本発明のPLEDデバイスは、少なくとも150mA、少なくとも200mA、少なくとも300mA、少なくとも400mA、少なくとも500mAまたは少なくとも1,000mAの駆動アンペア数で少なくとも2,000時間のL99値を有し;さらにより好ましくは、本発明のPLEDデバイスは、少なくとも150mA、少なくとも200mA、少なくとも300mA、少なくとも400mA、少なくとも500mAまたは少なくとも1,000mAの駆動アンペア数で少なくとも5,000時間のL99値を有し;最も好ましくは、本発明のPLEDデバイスは、少なくとも150mA、少なくとも200mA、少なくとも300mA、少なくとも400mA、少なくとも500mAまたは少なくとも1,000mAの駆動アンペア数で少なくとも10,000時間のL99値を有する。本発明のさらに他の実施形態では、PLEDデバイスは、150mA、200mA、250mA、300mA、350mA、400mA、500mA、600mA、700mA、800mA、900mA、1,000mA、1,500mA、2,000mAまたは5,000mAの指定駆動電流で、少なくとも10,000時間のLEDのメーカーによって指定される駆動電流でのL90値を有してもよい。本発明のさらに他の実施形態では、パワーLEDデバイスは、少なくとも150mA、少なくとも200mA、少なくとも250mA、少なくとも300mA、少なくとも350mA、少なくとも400mA、少なくとも500mA、少なくとも600mA、少なくとも700mA、少なくとも800mA、少なくとも900mA、または少なくとも1,000mAの指定駆動電流で、少なくとも1000、少なくとも1,500、少なくとも2,000、少なくとも3,000、少なくとも4,000、少なくとも5,000、少なくとも6,000、少なくとも7,000、少なくとも8,000、少なくとも9,000または少なくとも10,000時間のLEDのメーカーによって指定される駆動電流でのL98、L97、L96、L95、L94、L93、L92、L91またはL90値を有してもよい。
【0069】
本発明のパワーLEDはまた、反射体の厚さから普通のLEDデバイスと区別されてもよい。パワーLED反射体の厚さは、従来の反射体の厚さより大きい。反射体の厚さは、LEDチップが配置されている場所の真下のポイントで測定される。反射体厚さは、反射体が成形されたまたは別の方法で作り出された芳香族もしくは全芳香族材料の厚さのみを含む。リードフレームを表す層もしくは任意の厚さ構成要素およびまたは、反射体が形成されている材料とは異なる材料でできた任意の誘電体層は、反射体厚さの測定に含められない。反射体厚さは2つ以上の構成要素を有してもよい。例えば壁を有する反射体は、反射体壁厚さを有するであろう。壁厚さは、それが反射体ボトムと一緒になる壁のボトムで、または反射体空洞の開口部での壁のトップで、測定することができる。
【0070】
好ましくは、反射体は5〜50mm、より好ましくは6〜45mm、7〜40mm、8〜35mm、9〜30mm、10〜25mm、11〜20mm、12〜15mm、または13〜14mmの厚さを有する。好ましくは、反射体厚さは、反射体と一体になっていようと反射体に固定された別個の構成要素として存在しようと、一切のヒートシンクの厚さとは無関係に測定される。
【0071】
図1に示されるように、および上に説明されたように、PLEDデバイスは典型的には、LEDから発せられた光を所望の方位に導くための反射体を含む。反射体はまた、放射光の大部分を照明目的のために使用できるように、LEDから発せられた光を集めるのに役立つ。反射体表面から反射される光は、光が反射される表面の色によって影響を受ける。PLEDデバイスの反射体が時間とともに変色する場合、PLEDデバイスから反射される光は同様に変色するであろう。
【0072】
従来のLED反射体は、高熱または放射線に暴露すると分解する熱可塑性材料から製造される。パワーLEDデバイスで遭遇するより高い応力条件下では、かかる材料は、より短い操作でより大きい分解を受ける可能性がある。この分解は、パワーLEDデバイスによって発せられる光の色特性に影響を及ぼし得る。
【0073】
好ましくは、パワーLEDデバイスは、2,500K〜6,500Kの色温度を有するスペクトル出力の白色光を提供する。好ましくは、パワーLEDは、約3,200Kの色温度を有し、電球などの従来の白熱照明デバイスの代替品として使用されてもよい。色温度は、例えば、パワーLEDデバイスの反射体の色を変えることによって、変えられても、特注されてもよい。他の実施形態では、パワーLEDデバイスの色温度は、述べられる値間の全範囲および部分的範囲、が明らかに本明細書に含められて、2000、2010、2020、2050、2080、2200、2600、2800、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000Kであり、例えば、3000、3010、3020、3030、3040、3050、3060、3065、3066、3067、3068、3069、および3070である。本発明のPLEDの色度値は好ましくは、全体が参照により本明細書に援用される、ANSI_NEMA_ANSLA C78.377−2008(American National Standard for electric lamps−Specifications for the Chromaticity of Solid State Lighting Products)に定義されている相関色温度カテゴリー内にある。
【0074】
本発明のパワーLEDデバイスによって生成する光の白色度は、CIE standard illuminant D65(CIE標準発光体D65)に従って測定されてもよい。CIE標準白色光でのパワーLEDデバイスによって生成する光の相対測定は、時間とともにおよび/またはある種の操作条件下にパワーLEDデバイスで起こる色変化の評価を可能にする。幾つかの実施形態では、L、aおよびb値で示されるようにCIE standard illuminant D65と比べて本パワーLEDデバイスによって生成する光の白色度間の差は、50%未満、より好ましくは40%、35%、30%、20%、25%、20%、15%、10%、または5%絶対未満である。
【0075】
本発明のPLEDは良好な色安定性を示す。本明細書で述べられる芳香族PEおよび全芳香族PE(通常、LCP)などのある種のポリマーの使用は、デバイスが熱および/または放射線分解に対してより大きい抵抗を示すことができるようにする。PLEDデバイスの反射体を製造するために使用される材料が良好な色安定性を有するので、それらから製造された反射体は同様に良好な色安定性を示す。
【0076】
本発明のPLED反射体の色安定性は、時間の関数としての反射体のΔEの変化および/または時間の関数としての反射体の反射率の変化の関数として測定することができる。例えば、好ましい実施形態では、反射体のΔEは、反射体の初期ΔEを基準として、1%以下だけ変化する。初期ΔEは、LEDが反射体に組み込まれる前に、および/またはPLEDデバイスが操作される前に、測定された反射体についてのΔEである。ΔEは、初期および老化ΔE値を得るために反射体上の同じ場所で反射体の表面上で直接測定される。好ましい実施形態では、初期ΔEは、1,000時間の操作後に150mA以上での操作(すなわち、PLEDデバイスの指定の駆動アンペア数)後に1%超変化しない。他の実施形態では、初期ΔEは、1,000時間の操作後に2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、または30%を超える変化がない。さらなる実施形態では、PLEDデバイスを操作するためのPLEDのメーカーによって指定された条件下での2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、または10,000時間の操作後に、初期ΔEには前述の変化が起こらない。
【0077】
上記のように、本発明のPLED反射体の色および/または光安定性は、反射体の初期反射率の変化の関数として測定することができる。反射率の変化は、PLEDデバイスが操作される前の反射体の初期反射率を測定することによって求められる。反射率は次に、PLEDデバイスがある期間操作された後に測定される。反射率は、光の1つ以上の特定の波長で測定されてもよい。初期反射率に対しての反射率の変化が%単位の値として計算される。反射率は、例えば、20nm間隔で400〜700nmの波長範囲にわたってBYK−Gardner Color−Sphere機器を用いることによって測定することができる。反射率は、Specular Component(反射成分)が含められて、帯域通過補正なしで拡散照明(D65)および8°観察(d/8)を用いてASTM E308−06(全体を参照により本明細書に援用される)に従って測定される。測定は、それぞれ、30mmおよび36mm測定および照明エリアで実施されることが好ましい。しかしながら、反射率はまた、反射体上の特定の場所で測定することができる。
【0078】
好ましい実施形態では、本発明のPLED反射体から反射される初期光は、PLEDが1,000時間の期間そのメーカーによって指定された駆動アンペア数で操作される場合に、460nmおよび760nmで測定されたときに1%を超える変化がない。好ましい実施形態では、初期反射率は、1,000時間の操作後に150mA以上での操作(すなわち、PLEDデバイスの指定駆動アンペア数)後に1%超の変化がない。他の実施形態では、初期反射率は、1,000時間の操作後に2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、または30%超の変化がない。さらなる実施形態では、初期反射率の前述の変化は、述べられる値内の全ての値、範囲および部分的範囲が明らかに本明細書に含められて、PLEDデバイスの操作についてPLEDのメーカーによって指定される条件、例えば、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、または1,000mA下で、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、または10,000時間の操作後にも起こらない。
【0079】
PLEDデバイスの反射体は好ましくは、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)を含む組成物から製造される。ある種の好ましい実施形態では、本組成物は、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)からなる。本発明の幾つかの好ましい実施形態では、反射体は、唯一の熱可塑性ポリマーが芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)であるが、組成物が別の状況では任意の量の無機充填剤および/または顔料を含有してもよい熱可塑性組成物から成形される。本発明の他の好ましい実施形態では、反射体は、反射体の総重量を基準として、少なくとも30重量%の全芳香族PE(通常、LCP)、より好ましくは少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%の全芳香族PEを含む1つ以上の熱可塑性成分を含む組成物から製造される。本発明の他の実施形態では、反射体は、反射体の総重量を基準として、少なくとも50重量%の芳香族PE(通常、LCP)、より好ましくは少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%の芳香族PEを含む1つ以上の熱可塑性成分を含む組成物から製造される。
【0080】
芳香族および全芳香族PE(通常LCP)は、従来のLCPと比較して改善された色特性を有する。改善された色特性には、当業者に公知のCIEスケール、基準タイルおよびデルタEの計算を用いて、細かく粉砕された芳香族および全芳香族PE、例えば細かく粉砕された全芳香族PEについて測定されたより低いΔE(デルタE)およびより低い黄色度指数値が含まれる。比較的より低いデルタEを有する樹脂は、改善された白色度を示す。好ましくは、本発明の芳香族PEおよび全芳香族PE、特に全芳香族LCPは、25未満、より好ましくは24、23、22、21、または20もしくは19、18、17、16、15、14、13、12、11,または10未満のΔEを有し;本発明の芳香族PEおよび全芳香族PE、特に全芳香族LCPは22未満のΔEを有することがとりわけ好ましい。好ましくは、本発明の芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、25未満、好ましくは24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、または10未満の黄色度指数を有し;芳香族PEおよび全芳香族PE(通常、LCP)は20未満、より好ましくは10〜20の黄色度指数を有することがとりわけ好ましい。YI値およびL値は、ASTM D1925に従って色差計を用いてポリエステル樹脂の試験片を測定することによって得られる値である。
【0081】
配合樹脂の色は、400〜700nmの波長範囲および20nmの間隔、帯域通過補正なし、10°の観測角(CIE 1964 supplementary standard observer(補足標準観測者))、D65照明ならびに、それぞれ、30mmおよび36mm測定および照明エリアでBYK−Gardner Color−Sphere機器を用いてASTM E308−06に従って成形ディスク、2.5インチ直径および0.040インチ厚さについて測定される。白色基準タイルと比較してディスクについての色差が、CIELAB ΔE(Delta E)方程式を用いて計算される。L、aおよびb値についての白色基準タイル(S/N 870007)値は、それぞれ、98.86±0.01、−0.17±0.01および0.38±0.01であった。
【0082】
BYK−Gardner Color−Sphere機器が、20nm間隔で400〜700nmの波長範囲にわたってディスクのパーセント反射率を測定するために用いられる。反射率は、Specular Componentが含められて、帯域通過補正なしで、それぞれ、30mmおよび36mm測定および照明エリアで拡散照明(D65)および8°観察(d/8)を用いてASTM E308−06に従って測定された。
【0083】
本パワーLEDデバイスのルーメン単位での光アウトプットは可変であり、一実施形態では、駆動アンペア数に依存する。より高い駆動アンペア数は、より高い光アウトプットをもたらす可能性がある。好ましくは、パワーLEDは、少なくとも150mAの駆動アンペア数で操作されるのに好適である。少なくとも300mA、少なくとも500mA、少なくとも1,000mA、少なくとも1,500mAまたは少なくとも2,000mAの駆動アンペア数で操作されるのに好適なパワーLEDが本発明に含まれる。本明細書で用いるところでは、用語「に好適な」は、指定駆動アンペア数が、LED製造業者によって一般に決定されるように、パワーLEDが操作される公称条件に相当することを典型的には暗示し;他方で、十分な光アウトプットを提供するために「過度の電力を加えられ」なければならないであろうパワーLEDは、より高い駆動アンペア数が、取り返しのつかないほどにある損傷をパワーLEDに引き起こすおよび/またはその光アウトプット損失もしくは下落を時間とともに加速することによってその寿命を短くするであろうという理由で、好適なものと一般に考えられるべきではない。本発明のパワーLEDデバイスは、1,000mAで駆動されるときに100ルーメンを超えて好ましくは発光する。パワーLEDの電力性能はまた、ワット数の観点から表されてもよく、1ワット以上のアウトプットが好ましい。光アウトプットは、より高い接合部温度およびルーメン単位で測定される光アウトプットの増加に概して相当するより大きい駆動アンペア数でLEDの駆動アンペア数を調節することによってさらに変えることができる。従来のLEDデバイスと比較してパワーLEDデバイスの比較的より高い駆動アンペア数およびより高い接合部温度は、比較的より多い熱を発生させる。
【0084】
好ましくは、高い接合部温度または高い操作アンペア数で動作しているときにとりわけLEDデバイスの操作中に発生した熱を除去するためにヒートシンクが使用される。パワーLEDデバイスが比較的低いアンペア数(例えば、150〜500mA)で駆動され、低いルーメンを発するまたは低い接合部温度を有する実施形態を含む、幾つかの実施形態では、本発明のパワーLEDデバイス、すなわち、芳香族PE(通常、LCP)および全芳香族PE(同様に通常、LCP)の少なくとも1つから製造された1つ以上の構成要素を含有するパワーLEDデバイスは、別個のヒートシンクで高いアンペア数(例えば、150mA以上)の使用を可能にする熱伝導効率および耐熱性を提供する。本発明のパワーLEDデバイスは、150〜1,000mA以上の駆動アンペア数、および100℃〜200℃以上、好ましくは130℃から180℃または約150℃の接合部温度で効果的に動作して白色光を生成する。
【0085】
本発明のパワーLEDデバイスに含められる芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)は、熱が環境へ消散させられる、または後での消散のために下部の基材および/またはヒートシンクに伝導されるように熱伝導によって熱を除去する働きをする。ヒートシンクは、光の品質または色に実質的に影響を及ぼすことなくLEDデバイスから熱を除去することができる。
【0086】
本発明の別の態様は、パワーLED用途向けに使用することができるLED反射体である。本発明のLED反射体は、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)から少なくとも部分的に製造される。本発明のLED反射体は、図1に示されるPLEDデバイスの反射体(3)であってもよく、またはそれは、いかなるPLEDデバイスとも区別される物品であってもよい。
【0087】
LED反射体は、反射体の総重量を基準として少なくとも50重量%の芳香族PE(通常、LCP)を含有するか、またはLED反射体は、反射体の総重量を基準として少なくとも30重量%の全芳香族PE(通常、LCP)を含有するか、または両方のいずれかである。LED反射体は、反射体の総重量を基準として、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、または少なくとも99.5重量%の全芳香族PE(通常、LCP)を含有してもよい。LED反射体はまた、反射体の総重量を基準として、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、または少なくとも99.5重量%の芳香族PE(通常、LCP)を含有してもよい。LED反射体は、それらの累積量が100%を超えない限り、これらの2つのポリマーについての上に指定された量のいずれかで全芳香族PEと芳香族PEとの組み合わせを含有してもよい。
【0088】
他の実施形態では、LED反射体は、好ましくは芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)からなるか、またはそれらから本質的になる。
【0089】
他の実施形態では、LED反射体は、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)と1つ以上の追加の材料とを含む組成物から製造される。追加の材料は好ましくは、(1)反射体の導電性を下げる、(2)反射体の熱伝導性を向上させる、(3)材料を着色させる、および/または(4)色および/または物理的特性の変化に対して材料を安定化させる働きをする。熱伝導性は、無機材料の繊維などの充填剤、粒子状無機充填剤、および非導電性であるが全芳香族PEポリマーマトリックスを通して熱を伝えるのに役立つ他の材料を含めることによって改善されてもよい。芳香族PEおよび/または全芳香族PEを含む組成物は、下にさらに記載される。
【0090】
PLED反射体の実施形態では、反射体の壁は、1つ以上の反射材料でコートされてもよい。例えば、反射体の壁は、アルミニウムなどの金属材料でコートされてもよい。かかる金属化の目的は、PLEDデバイスから有効に発せられる光の量を向上させることである。他の照明効果は、反射体の壁を他の方法で処理することによって達成されてもよい。例えば、反射体の壁は、ギラギラする光の影響を低減するために粗さ、色または他の表面仕上げを施されてもよい。PLED反射体は、本明細書に記載されるPLEDデバイスの反射体の形体を有してもよい。
【0091】
PLEDデバイスからの熱の伝導は、デバイスのLEDによって生成する光の強度および輝度に影響を及ぼす可能性がある。LEDはそれら自体熱を生成しないが、LEDを形成する電気接合部および/またはLEDを1つ以上の電気エネルギー源に接合することによって形成される電気接合部は、LEDが電気的に駆動されるときにかなりの量の熱を放出する可能性がある。
【0092】
LEDによって生成する光の強度、色特性および輝度は、LEDの温度によって影響を受ける可能性がある。LEDデバイスの電気接合部によって発生する熱は、基本的なLEDの発光特性にかなり影響を及ぼす可能性がある。LEDから熱を迅速におよび効率的に導く能力は、LEDの発光特性を安定化させるための方法を提供する。ヒートシンクは、本明細書に記載されるパワーLEDデバイスのヒートシンクの形体を有してもよい。
【0093】
LEDから熱を引き抜く金属などの熱伝導性材料が、PLEDデバイスの構成要素の幾つかを形成するために使用されてもよい。金属材料は、熱をLEDから効率的におよび迅速に除去することができ、従ってLEDの発光特性を安定化させるのに役立ち得る。PLEDデバイスでの金属材料の使用は、金属が熱伝導性および導電性の両方であるという事実によって実質的に制限される。LEDの陽極および陰極接合部の両方から熱を伝導する手段としての金属材料の使用は、電圧漏洩が金属材料を横断して起こる可能性があるので実用的ではない。さらに、銅などの金属材料は高価であり、かつ、ある種の可撓性基材と相溶性ではない可能性があり、ある種の材料と接触したときに腐食する可能性がある。
【0094】
ヒートシンクが芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)から製造されるPLEDデバイスの実施形態では、全体ヒートシンクが前記ポリマーから製造されることが好ましい。他の実施形態では、ヒートシンクは、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)と1つ以上の追加の材料とを含む組成物から製造される。本発明のパワーLEDデバイスのヒートシンク部分を製造するために使用される組成物は、好ましくは(1)ヒートシンクの導電性を下げる、(2)ヒートシンクの熱伝導性を向上させるおよび/または(3)ヒートシンクを熱分解に対して安定化させる他の材料を含んでもよい。熱伝導性は、無機材料の繊維などの充填剤、粒子状無機充填剤、および非導電性であるがPEマトリックスを通して熱を伝えるのに役立つ他の材料を含めることによって向上させられてもよい。
【0095】
好ましくは、PLED反射体、PLEDデバイスのヒートシンク、またはPLEDデバイスの反射体およびヒートシンクの両方は、充填剤または無機材料なしの芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)のみから製造される。かかる実施形態では、PLED反射体、PLEDデバイスのヒートシンクまたはPLEDデバイスの反射体およびヒートシンクの両方(またはPLEDデバイスの他の構成要素)は、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)からなる。
【0096】
他の実施形態では、PLED反射体、PLEDデバイスのヒートシンク、またはPLEDデバイスの反射体およびヒートシンクの両方は、1つ以上の他の材料に加えて芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)を含有する組成物から製造される。幾つかの実施形態では、かかる組成物は、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)の分解をさらに防止するための有機ホスフェートなどの熱安定剤および/または蛍光増白剤を含有する。他の実施形態では、組成物は、いかなる熱安定剤も含有しない、および/またはいかなる蛍光増白剤も含有しない。
【0097】
ヒンダードアミン光判定剤(HALS)などのある種の安定剤が組成物中に存在してもよい。例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ニトリロトリアセテート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3−オキソピペラジン−4−イル)エタン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソジスピロ[5.1.11.2]ヘンエイコサン、2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジンと4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)との重縮合生成物、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との重縮合生成物、4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と1,2−ジブロモエタンとの重縮合生成物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジンと4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)との重縮合生成物、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス[(4,6−ビス(ブチル−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−アミノ−s−トリアジン−2−イル]−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン、混合[2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカン)ジエチル]1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、混合[1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカン)ジエチル]1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、オクタメチレンビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−カルボキシレート)、4,4’−エチレンビス(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン)、N−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド、N−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド、N−1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルn−ドデシルスクシンイミド、1−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ジ−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン、ポリ−{[6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジイル][2−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ−ヘキサメチレン−[4−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ]、および2,4,6−トリス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−n−ブチルアミノ]−s−トリアジンからなる群から選択されるヒンダードアミンの群の1つ以上。
【0098】
最も好ましいヒンダードアミン化合物は、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との重縮合生成物、2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジンと4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)との重縮合生成物、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス[(4,6−ビス(ブチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン−2−イル]−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン、ジ−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン、ポリ−{[6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジイル][2−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ−ヘキサメチレン−[4−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ]、または2,4,6−トリス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−n−ブチルアミノ]−s−トリアジンである。
【0099】
本組成物は、s−トリアジン類、オキサニリド類、ヒドロキシベンゾフェノン類、ベンゾエート類およびα−シアノアクリレート類からなる群から選択される1つ以上の他のUV吸収剤をさらに含有することができる。
【0100】
熱安定剤が本組成物に含まれてもよい。熱安定剤は、例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチル−1’−ウンデシル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチル−1’−ヘプタデシル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチル−1’−トリデシル)フェノール、およびそれらの混合物などの、例えば、モノフェノール類;アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール;ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、およびビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート;クマロン誘導体、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、γ−トコフェロール、およびそれらの混合物;ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール),4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド;アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチリデンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチリデンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン,エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン;O−、N−およびS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシベンジルエーテル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル−メルカプト酢酸オクタデシル、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル−メルカプト酢酸トリデシル、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプト酢酸イソオクチル;ヒドロキシベンジルマロネート、例えば、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)ジオクタデシルマロネート、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ジ−ドデシルメルカプトエチルマロネート、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネートビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル];ヒドロキシベンジル芳香族化合物、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール;トリアジン化合物、例えば、2,4−ビスオクチルメルカプト−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート;ベンジルホスホネート、例えば、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルジメチルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルジエチルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルジオクタデシルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルジオクタデシルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルモノエチルホスホン酸のカルシウム塩;アシルアミノフェノール、例えば、ラウリン酸4−ヒドロキシアニリド、ステアリン酸4−ヒドロキシアニリド、N−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバミン酸オクチル;以下の一価または多価アルコールとβ−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとのエステル、アルコールの例には、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)コハク酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられ;以下の一価または多価アルコールとβ−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオネートとのエステル、アルコールの例には、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)コハク酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられ;以下の一価または多価アルコールとβ−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとのエステル、アルコールの例には、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)コハク酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられ;以下の一価または多価アルコールとβ−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテートとのエステル、アルコールの例には、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)コハク酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられ;β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン;アミンベースの酸化防止剤、例えば、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチル
ペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチルl)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p’−ジ−第三ブチルオクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアナイド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化第三ブチル/第三ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化第三ブチル/第三ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−およびジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−およびジアルキル化第三ブチルオクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール;2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(アルファ,アルファ−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、およびそれらの混合物、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、および2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、および2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェノール];ポリエチレングリコール300での2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールのエステル化生成物;[R−CHCH−COO(CH(式中、R=3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェニル);2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクチルオキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2,4−トリヒドロキシ−、および2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体;安息香酸の置換および非置換エスエル、例えば、4−第三ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2,4−ジ−第三ブチルフェニル、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2−メチルl−4,6−ジ−第三ブチルフェニル;ヒンダードアミン、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネートビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、1−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチル−アミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、ニトリロ三酢酸トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル)マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジ−クロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、および4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンとの縮合生成物(CAS登録番号[136504−96−6]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの縮合生成物;2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシ−プロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシ−プロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン,2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジ
フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン;ホスファイトまたはホスホナイト、例えば、トリフェニルホスホナイト、ジフェニルホスホナイトアルキル、フェニルホスホナイトジアルキル、トリスノニルフェニルホスホナイト、ラウリルホスホナイト、トリオクタデシルホスホナイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスホナイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス−イソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスファイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ならびにビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイトから選択される1つ以上であってもよい。これらのうちで、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
【0101】
蛍光増白剤には、ビスベンゾオキサゾール、ビス(スチリル)ビフェニル、フェニルクマリン(具体的には、トリアジン−フェニルクマリン、ベンゾトリアゾール−フェニルクマリンおよびナフトトリアゾール−フェニルクマリン)ならびにトリアジン−スチルベンが含まれる。Tinopal(登録商標)(Ciba−Geigy,Basle,Switzerland)、Hostalux(登録商標)KS(Clariant,Germany)、またはEastobrite(登録商標)OB−1(Eastman)などの、広範囲の蛍光増白剤が商業的に入手可能である。本発明の好ましい実施形態では、組成物は、少なくとも1つの蛍光増白剤を含有する。
【0102】
好ましい実施形態では、組成物は、いかなるヒンダードアミン光安定剤も含有せず、いかなる熱安定剤も含有せず、またはヒンダードアミン光安定剤および熱安定剤のいずれも含有しない。
【0103】
他の実施形態では、PLEDデバイスは、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)と1つ以上の他の材料とを含有する組成物から製造される1つ以上の構成要素を含む。好ましくは、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)から少なくとも部分的に製造されるPLEDデバイスのいかなる構成要素も、構成要素の総重量を基準として少なくとも30重量%の芳香族LCPまたは全芳香族LCPを含有する。他の実施形態では、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)から部分的に製造される部品は、前記PEから少なくとも部分的に製造される部品の総重量を基準として、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、または少なくとも99.5重量%の前記PEを含有してもよい。他の実施形態では、パワーLEDデバイスの1つ以上の構成要素は、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)から本質的になる。
【0104】
PLEDデバイスの任意の構成要素、好ましくは反射体を製造するために使用される芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)組成物は、1つ以上の充填剤材料を含有してもよい。充填剤は、均質分散のためにナノスケールまたはマイクロスケールの粉末、繊維、フィラメント、フレーク、プレートレット、ウィスカー、ワイヤ、チューブ、または微粒子の形態にあることができる。好適な充填剤は、中実または中空であってもよく、例えば、金属(もしくは金属合金)粉末、金属酸化物および塩、セラミック、粒子状物質、炭素質材料、ポリマー材料、ガラス微小球などまたはそれらのブレンドを含む。金属(もしくは金属合金)粉末の非限定的な例には、ビスマス、真ちゅう、青銅、コバルト、銅、インコネル、鉄、モリブデン、ニッケル、ステンレススチール、チタン、アルミニウム、タングステン、ベリリウム、亜鉛、マグネシウム、マンガン、およびスズが挙げられる。充填剤は好ましくは、金属酸化物および塩などの電気絶縁性無機材料である。金属酸化物および塩の非限定的な例には、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、三酸化タングステン、酸化ジルコニウム、炭化タングステン、酸化タングステン、酸化スズ、硫化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、およびシリケートが挙げられる。炭素質材料の非限定的な例には、グラファイトおよびカーボンブラックが挙げられる。他の有用な充填剤の例には、沈澱水和シリカ、ホウ素、粘土、タルク、ガラス繊維、アラミド繊維、雲母、および珪藻土が挙げられる。
【0105】
好ましくは、充填剤は、ウォラストナイト、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛、ネソシリケート、ソロシリケート、シクロシリケート、テクトシリケート、およびイノシリケートからなる群から選択される結晶性シリケートの1つ以上である。
【0106】
充填剤は好ましくは、PE組成物の総重量を基準として5重量%以上の量で存在する。他の実施形態では、充填剤は、1〜5重量%、好ましくは2〜5重量%、3〜5重量%、または4〜5重量%の量で存在する。他の実施形態では、1つ以上の充填剤は、PE組成物の50重量%以下、好ましくは40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、または10重量%以下の総量で存在する。
【0107】
とりわけ好ましい実施形態では、充填剤は、二酸化チタンまたはタルクなどの白色充填剤である。
【0108】
PE組成物は通常、少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸モノマー化合物と少なくとも1つの芳香族ジオールモノマー化合物との重縮合生成物であるポリエステル(通常LCP)を含有する。好ましい実施形態では、芳香族PEおよび/または全芳香族PE(通常LCP)は、少なくとも1つのヒドロキシカルボン酸モノマー化合物、少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸モノマー化合物および少なくとも1つの芳香族ジオールモノマー化合物の重縮合を含有する。
【0109】
本発明の幾つかの実施形態では、パワーLEDデバイスの1つ以上の構成要素は、液晶ポリエステルであってもよい芳香族ポリエステルから製造される。本明細書で用いるところでは、芳香族ポリエステルは、少なくとも80モル%の芳香族モノマー単位を含有する。芳香族ポリエステルは、全芳香族ポリエステルについて下に記載される構造単位などの芳香族モノマーの重縮合単位を含有してもよい。好ましくは、芳香族ポリエステルは、少なくとも80モル%、少なくとも85モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも97モル%、少なくとも99モル%または少なくとも99.5モル%の重縮合した芳香族モノマー単位を含有する。本発明との関連で、用語「モノマー単位」および「構造単位」は、それらのそれぞれの重縮合形態においてポリエステルの化学構造中に存在する化学単位を意味する。芳香族ポリエステルは全芳香族ポリエステルではない。例えば、芳香族ポリエステルは、アジピン酸、セバシン酸、エチレングリコールおよびブチレングリコールモノマーの重縮合単位などの、非芳香族構造単位を、かかる非芳香族構造単位が20モル%を超えないという条件でさらに含んでもよい。芳香族ポリエステルはまた、上に説明されたような、芳香族ポリエステルの全芳香族特性を妨害する芳香族構造単位を含んでもよく;例えば、芳香族ポリエステルは、脂肪族基で連結された2つ以上の芳香族基を含有する芳香族基含有構造単位、特にジオールモノマー化合物ビスフェノールAの重合単位をさらに含んでもよい。
【0110】
芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、互いに独立して、以下の芳香族ジカルボン酸モノマー単位の1つ以上の重縮合単位を含有してもよい:テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、およびそれらのアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシまたはハロゲン置換誘導体。
【0111】
芳香族ジカルボン酸モノマー化合物の重縮合単位に加えて、芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)はまた、互いに独立して、以下のジオールモノマー単位の1つ以上の重縮合単位を含有してもよい:4,4’−ビフェノール、ヒドロキノン、レゾルシノール、3,3’−ビフェノール、2,4’−ビフェノール、2,3’−ビフェノール、および3,4’−ビフェノール、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、ならびにそれらのアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシまたはハロゲン置換誘導体。
【0112】
任意選択的に、芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、互いに独立して、以下の芳香族ヒドロキシカルボン酸モノマー単位の1つ以上の重縮合単位を含有してもよい:p−ヒドロキシ安息香酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、4’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、3’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、4’−ヒドロキシフェニル−3−安息香酸、2,6−ヒドロキシナフタル酸、3,6−ヒドロキシナフタル酸、3,2−ヒドロキシナフタル酸、1,6−ヒドロキシナフタル酸、および2,5−ヒドロキシナフタル酸、ならびにそれらのアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシまたはハロゲン置換誘導体。
【0113】
芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、互いに独立して、以下の構造単位:




の1つ以上を任意選択的に含むことができる。
【0114】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は以下の構造単位:
・ヒドロキノンに由来する構造単位(I)、


・4,4’−ビフェノールに由来する構造単位(II)、


・テレフタル酸に由来する構造単位(III)、


・p−ヒドロキシ安息香酸に由来する構造単位(V)、


・および、任意選択的にその上、イソフタル酸に由来する構造単位(IV)


の少なくとも1つを含む。
【0115】
本発明の他の実施形態では、芳香族ポリエステルおよび全芳香族ポリエステル(通常LCP)は、構造単位(I)、(II)、(III)および(V)の1つのみ、好ましくは構造単位(I)〜(V)の少なくとも2つ、より好ましくは構造単位(I)〜(V)の少なくとも3つ、さらにより好ましくは構造単位(I)〜(V)の少なくとも4つを含有する。本発明のさらに他の実施形態では、芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、構造単位(I)〜(V)の2つのみ、より好ましくは構造単位(I)〜(V)の3つのみ、さらにより好ましくは構造単位(I)〜(V)の4つのみを含有する。
【0116】
芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)はまた、互いに独立して、以下の量で構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)に相当する重合したモノマー単位を含んでもよい:5〜40モル%のヒドロキノン(I)と4,4’−ビフェノール(II)との混合物;5〜40モル%のテレフタル酸(III)およびイソフタル酸(IV)を含む混合物ならびに40〜90モル%のp−ヒドロキシ安息香酸(V)。モル%は、PE中に存在する構造単位(I)〜(V)に相当する重合したモノマー単位の全モル数に基づく。
【0117】
好ましくは、芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、以下の量で構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)に相当する重合したモノマー単位を含む:10〜30モル%のヒドロキノン(I)と4,4’−ビフェノール(II)との混合物;10〜30モル%のテレフタル酸(III)およびイソフタル酸(IV)を含む混合物;ならびに40〜80モル%のp−ヒドロキシ安息香酸(V)。モル%は、PE中に存在する構造単位(I)〜(V)に相当する重合したモノマー単位の全モル数に基づく。
【0118】
別の実施形態では、芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、以下の量で構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)に相当する重合したモノマー単位を含む:13〜28.5モル%、好ましくは15〜25モル%、より好ましくは18〜22モル%のヒドロキノン(I)と4,4’−ビフェノール(II)との混合物;13〜28.5モル%、好ましくは15〜25モル%、より好ましくは18〜22モル%のテレフタル酸(III)およびイソフタル酸(IV)を含む混合物;ならびに43〜74モル%、好ましくは45〜70モル%、より好ましくは50〜60モル%のp−ヒドロキシ安息香酸(V)。モル%は、PE中に存在する構造単位(I)〜(V)に相当する重合したモノマー単位の全モル数に基づく。
【0119】
芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)において、イソフタル酸に由来するモノマー単位のモル数対テレフタル酸に由来するモノマー単位のモル数のモル比は、0〜0.1以下であってもよい。芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、イソフタル酸に由来する構造単位を任意選択的に含んでもよい。
【0120】
芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)において、ヒドロキノンに由来するモノマー単位のモル数対4,4’−ビフェノールに由来するモノマー単位のモル数の比は、0.1〜1.50であってもよい。好ましくは、ヒドロキノンに由来するモノマー単位のモル数対4,4’−ビフェノールに由来するモノマー単位のモル数のモル比は、0.2〜1.25、0.4〜1.00、0.6〜0.8、または0.5〜0.7である。
【0121】
モノマーヒドロキノンおよび4,4’−ビフェノールに由来する構造単位対テレフタル酸およびイソフタル酸に由来する単位のモル比は、好ましくは0.95〜1.05である。
【0122】
オキシベンゾイル単位対テレフタル酸およびイソフタル酸単位の合計のモル比は、約1.33:1〜約8:1の範囲内であってもよく、すなわち、組成物は、p−ヒドロキシ安息香酸および全ジオールの合計に関して60〜85モル%のp−ヒドロキシ安息香酸を含有し、イソフタル酸およびテレフタル酸のモルの合計に関して0%〜0.09モル%のイソフタル酸含有率でさらに定義される。
【0123】
用語「構造単位」、「重合したモノマー単位」、および「に由来するモノマー単位」は、それらのそれぞれの重縮合形態において芳香族PEおよび全芳香族PEの化学構造中に存在する化学単位を意味する。上の式(I)〜(V)は、これらの単位の構造の例を示す。用語「モノマー化合物」は、それがアルコール/酸重縮合反応を受ける前に存在するような純粋な芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸または芳香族ヒドロキシカルボン酸化合物を意味する。
【0124】
芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、互いに独立して、p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヒドロキノンおよび4,4’−ビフェノール以外の1つ以上の化合物に由来する重合した芳香族モノマー単位を任意選択的に含んでもよい。
【0125】
好ましい実施形態では、芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、1つ以上のナフチル基を含有する重合したモノマー単位を含む。例えば、それらは、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、およびそれらのアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシまたはハロゲン置換誘導体の1つ以上を含んでもよい。
【0126】
好ましくは、全芳香族PE(通常LCP)は、p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヒドロキノンおよび4,4’−ビフェノールに由来するモノマー単位のみ、またはp−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ヒドロキノンおよび4,4’−ビフェノールに由来するモノマー単位のみを含有する。本発明の脈絡内で、全芳香族PE(通常LCP)は、p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヒドロキノンおよび4,4’−ビフェノールの混合物から製造された重縮合反応生成物を含み、それは、芳香族モノマー化合物中に避けられないまたは偶然の不純物として存在する他の芳香族および非芳香族モノマー化合物をさらに含む。
【0127】
好ましい実施形態では、芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、以下の量で重合したモノマー単位(すなわち、重合した構造単位)を含む:50〜70モル%のp−ヒドロキシ安息香酸;15〜25モル%のテレフタル酸およびイソフタル酸を含む混合物;ならびに15〜25モル%のヒドロキノンと4,4’−ビフェノールとの混合物。述べられる値間の全ての値および部分的範囲は、あたかも完全に記入されているかのように本明細書に明らかに含まれ、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸は、45〜75、55〜65の範囲、および約60モル%で存在してもよく、テレフタル酸とイソフタル酸との混合物は、12.5〜27.5、22.5〜27.5、および約20モル%の量で存在してもよく;ヒドロキノンと4,4’−ビフェノールとの混合物は、12.5〜27.5、27.5〜22.5、および約20モル%の量で存在してもよい。述べられる値間の全ての数は、あたかも完全に記入されているかのように本明細書に明らかに含まれ、例えば、22.5〜27.5モル%の例示的な範囲間の値は、23、24、25、26、および27モル%を含む。モル%は、PE中に存在する構造単位(I)〜(V)に相当する重合したモノマー単位の全モル数に基づく。
【0128】
好ましい実施形態では、芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、次式:


(式中、I、II、III、IVおよびVは、上記のそれぞれのモノマーのモル量を表す)
を満たす量で重合したモノマー単位(すなわち、重合した構造単位)を含む。
【0129】
さらに好ましい実施形態では、芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、以下の量で重合した構造単位を含む:55〜65モル%のp−ヒドロキシ安息香酸;16〜23モル%のテレフタル酸;0〜2モル%のイソフタル酸;1.5〜14モル%のヒドロキノン;および7〜21モル%の4,4’−ビフェノール。重合した構造単位が以下の量で存在する実施形態がさらにより好ましい:58〜62モル%のp−ヒドロキシ安息香酸;18〜21モル%のテレフタル酸;0.1〜1.0モル%のイソフタル酸;3.2〜12.6モル%のヒドロキノン;および7.5〜17.5モル%の4,4’−ビフェノール。上述のように、述べられた値間の全ての数および部分的範囲は、あたかも完全に記入されているかのように明らかに含まれる。イソフタル酸の場合には、小数量のモノマー化合物が明らかに含まれ、例えば、範囲0.1〜5モル%は、1.0〜5モル%の任意の小数量だけでなく0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、および1.0モル%を含む。好ましくは、イソフタル酸の量は2モル%以下である。
【0130】
さらに好ましい実施形態では、芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、次式:


を満たす量で重合したモノマー単位(すなわち、重合した構造単位)を含む。
【0131】
好ましい実施形態では、芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、構造単位の5、4、3、2、1モル%以下が芳香族モノマー化合物中に存在する不可避のまたは偶然の不純物に由来して、少なくとも95モル%、好ましくは96、97、98または99モル%のp−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヒドロキノンおよび4,4’−ビフェノールに由来する構造単位を含む。とりわけ好ましい実施形態では、全芳香族PE(通常LCP)は、p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヒドロキノンおよび4,4’−ビフェノールに由来する構造単位のみを含む。
【0132】
他の実施形態では、芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、構造単位の残りが他の芳香族モノマー化合物を表して、少なくとも50モル%、好ましくは60、70、80、または90モル%のp−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヒドロキノンおよび4,4’−ビフェノールに由来する構造単位を含む。
【0133】
芳香族PEにおいておよび全芳香族PE(通常LCP)において、イソフタル酸に由来するモノマー単位のモル数対テレフタル酸に由来するモノマー単位のモル数のモル比は、好ましくは0.01〜0.1未満、より好ましくは0.02〜0.5、0.03〜0.4であってもよい。上述のように、分数および小数量は、あたかも完全に記入されているかのように明らかに含まれ、例えば、範囲0.01〜0.5は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.2、0.3、および0.4ならびに述べられた値間の任意の分数、小数値および部分的範囲を含む。
【0134】
芳香族PEにおいておよび全芳香族PE(通常LCP)において、ヒドロキノンに由来するモノマー単位のモル数対4,4’−ビフェノールに由来するモノマー単位のモル数のモル比は、好ましくは0.2〜1.20、より好ましくは0.3〜1.1、0.4〜1.0、0.5〜0.9、0.6〜0.8、0.65〜0.75である。上述のように、分数および小数量は、あたかも完全に記入されているかのように明らかに含まれ、例えば、範囲0.2〜1.15は、0.21〜1.14、0.23〜1.07、0.37〜0.85ならびに述べられた値間の任意の分数、小数値および部分的範囲を含む。
【0135】
本発明の芳香族PEのおよび全芳香族PE(通常LCP)の融点(T)は、好ましくは400℃未満および300℃超、より好ましくは390℃未満および325℃超、とりわけ好ましくは約375℃である。単語「約」は、温度が述べられた温度周りに±20℃だけ変わってもよいことを意味するために用いられる。それ故、「約」375℃の温度は、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、および385℃の温度を含む。好ましい実施形態では、本発明の芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、370〜380℃または360〜385℃の融点を有する。
【0136】
本発明の芳香族PEおよび全芳香族PE(通常LCP)は、応力レベル264PSIで、ASTM D648、または応力レベル1.82MPaで、ISO 75のどちらかに従って少なくとも280℃、好ましくは少なくとも290℃、最も好ましくは少なくとも300℃以上の熱歪み温度を好ましくは有する。より高い熱歪み温度は、高温で剛性およびより少ないたるみを示す傾向がある樹脂を示す。
【0137】
成形品用途および加工に有利である、延性の特性は、当業者に公知の様々な試験手順で評価することができる。例えば、引張伸び応力および破断点歪みおよび曲げ応力および破断点歪みは、芳香族および全芳香族ポリエステル樹脂および配合物についての延性の有用な尺度である。本発明の芳香族ポリエステルおよび全芳香族ポリエステル樹脂(通常LCP)は好ましくは、0.05インチ/分の歪み速度でASTM D790に従って、または歪み速度2mm/分でISO 178に従って少なくとも1.0%の破断点曲げ歪みおよび少なくとも10,000psiの破断点曲げ応力を有する。
【0138】
本発明の芳香族ポリエステルおよび全芳香族PE(通常LCP)は好ましくは、当業者に公知の毛細管レオロジー測定に従って剪断速度100秒−1で500〜2500ポアズの380℃での溶融粘度、すなわち、繊維形成のために十分な分子量を有する。
【0139】
本発明のパワーLEDデバイスは、他の装置の構成要素として使用されてもよい。パワーLEDデバイスは好ましくは発光するが、他の放射線の発光もまた可能である。本パワーLEDデバイスは、自動車のキーレスエントリーシステム、冷蔵庫での照明、液晶ディスプレイ装置、自動車フロント・パネル照明装置、電気スタンド、ヘッドライト、家庭用電化製品インジケーターおよび交通標識などの屋外ディスプレイ装置、少なくとも1つの半導体チップを含む光電子デバイス、例えば、携帯電話およびPDAなどの携帯電化製品用途、フラッシュライト、自動車日中走行用ライト、標識およびTVなどの用途に使用されてもよい。好ましくは、本デバイスは、屋内または屋外の照明用途向け照明源などのパワーLEDデバイスである。
【0140】
本発明の別の態様は、例えば屋内または屋外の照明用途向け照明源としての、本発明によるパワーLEDデバイスの使用に関する。それは特に、例えば屋内または屋外の照明用途向け照明源としての、本発明によるパワーLEDデバイスについての上記の特性を幾らか、好ましくは全て特徴としてもよいパワーLEDデバイスの使用を指向する。好ましい実施形態では、本発明は、例えば屋内または屋外の照明用途向け照明源としての、上記の芳香族ポリエステルまたは全芳香族ポリエステルを含む少なくとも1つの部品を含むパワーLEDデバイスの使用を指向する。
【0141】
明らかに、上記の教示を踏まえると本発明の多数の修正および変形が可能である。それ故、添付のクレームの範囲内で、本発明は、本明細書に具体的に記載されるようなもの以外の別の方法で実施されてもよいことが理解されるべきである。
【実施例】
【0142】
実験手順
4×5×1cmキュベットにパックされた樹脂粉末の色は、D6500照明、CIELAB色スケール、観測角2°(CIE 1931標準観測者)、波長範囲380〜700nm、10nm測定間隔のMilton Roy Diano Color Products Scan IIを用いてASTM E 308−06に従って測定した。ポリマーを粉砕し、20メッシュ・スクリーンによって篩い分けして850ミクロンの最大粒径を得た。白色基準タイルと比較して樹脂粉末についての色差を、CIELAB ΔE(デルタE)方程式を用いて計算した。L、aおよびb値についての白色基準タイル(S/N 4DD1202002)値は、それぞれ、100.01±0.03、−0.04±0.08および0.03±0.06であった。
【0143】
破断点曲げ歪みおよび破断点応力は、0.05インチ/分、2インチ・スパンおよび23℃で方法ASTM D790に従って測定した。
【0144】
熱たわみ温度、HDTは、℃単位で報告され、応力レベル264PSI、サンプル寸法5.0インチ×0.5インチ×0.25インチで、ASTM D648に従って測定し;ASTM D−5183に従って順化した。
【0145】
熱転移、TおよびTは、TA Instruments Differential Scanning Calorimeter Model Q20もしくはQ1000、または同様な機器を用いて測定した。各サンプルを、一次加熱ランプ、引き続き1分間の等温加熱、冷却ランプおよび二次加熱ランプによって評価した。サンプルを、室温から400℃または420℃のどちらかまで20℃/分で加熱し、1分間保持し;次にサンプルを30℃まで20℃/分で冷却し、400℃または420℃まで20℃/分で再加熱した。ピーク結晶化温度、Tは、冷却サイクルから測定する。ピーク溶融温度、T(Tm2とも称される)は、二次加熱ランプから測定する。
【0146】
粘度は、LC 9kN、2000ポンド、溶融時間250秒のKayeness Galaxy V Rheometer(Model 8052 DM)を用いて380℃で測定した。ポリマーを粉砕し、20メッシュ・スクリーンで篩い分けして850ミクロンの最大粒径を得た。サンプルを試験前に150℃で15分間乾燥させた。
【0147】
ASTM曲げ試験片は、11−Ton Mini−Jector Wasp Model 55を用いて充填剤なしの樹脂サンプルから成形した。バレル温度は355℃〜385℃の範囲であり、金型温度は175℃〜190℃の範囲であった。
【0148】
実施例1〜8:パワーLEDデバイスの反射体の製造での使用に好適なポリエステルの合成
【0149】

【0150】
モノマーに加えて、当業者に公知のアシル化剤および触媒を、本発明の樹脂の合成に用いた。
【0151】
実施例1
量505.9gのA、270.6gのB、5.8gのC、85.4gのDおよび165.3gのEでのモノマーおよび触媒を、電気加熱マントル、オーバーヘッド機械撹拌機、還流冷却器、活栓アダプターおよび留出物受器を備えた2リットル反応器容器に装入した。反応器を窒素でパージし、次に無水酢酸を加えた。混合物を絶えず撹拌し、145℃の温度に加熱し、追加の1時間還流下に保持した。反応物からの酢酸の蒸留を、外温を0.5℃/分の速度で280℃まで上げながら開始した。次に加熱速度を310℃まで0.75℃/分にステップしてプレポリマーを形成した。反応が310℃に達したとき加熱マントルをターンオフし、より速い冷却のために取り外した。反応器を周囲温度に冷却した後、プレポリマーを取り出し、約1〜2mmの粒径に粉砕した。固相重合は、プレポリマー生成物について温度を室温から310℃まで12時間にわたって上げ、次に3.75時間連続的な窒素フロー下に温度を310℃に維持することによって実施した。
【0152】
このポリエステル例についての示差走査熱量測定法(DSC)測定は、329℃の結晶化温度、Tおよび370℃の溶融温度、Tを示した。100秒−1の剪断速度で380℃での粘度は890ポアズであった。
【0153】
実施例2
本実施例は、実施例1と同じ手順に従った。実施例2についての原料量は次の通りであった:p−ヒドロキシ安息香酸(pHBA)642.1g、テレフタル酸(TA)197.2g、イソフタル酸(IA)10.9g、ヒドロキノン(HQ)68.5g、4,4’−ビフェノール(BP)117.2g。固相重合は、310℃で13分間実施した。DSC分析は、T=338℃の結晶化温度およびT=382℃の溶融温度を与えた。100秒−1の剪断速度で380℃での溶融粘度は1551ポアズであった。
【0154】
実施例3
本実施例は、実施例1と同じ手順に従った。実施例3についての原料量は次の通りであった:p−ヒドロキシ安息香酸(pHBA)568.3g、テレフタル酸(TA)227.8g、ヒドロキノン(HQ)30.2g、4,4’−ビフェノール(BP)204.3g。
【0155】
固相重合は、310℃で4.5時間実施した。DSC分析は、T=335℃の結晶化温度およびT=372℃の溶融温度を与えた。100秒−1の剪断速度で380℃での溶融粘度は690ポアズであった。
【0156】
実施例4
本実施例は、実施例1と同じ手順に従った。実施例4についての原料量は次の通りであった:p−ヒドロキシ安息香酸(pHBA)568.3g、テレフタル酸(TA)218.7g、イソフタル酸(IA)9.1g、ヒドロキノン(HQ)30.2g、4,4’−ビフェノール(BP)204.3g。
【0157】
固相重合は、310℃で4.5時間実施した。DSC分析は、T=330℃の結晶化温度およびT=368℃を与えた。100秒−1の剪断速度で380℃での溶融粘度は600ポアズであった。
【0158】
実施例5
本実施例は、実施例1と同じ手順に従った。実施例5についての原料量は次の通りであった:p−ヒドロキシ安息香酸(pHBA)535.1g、テレフタル酸(TA)256.2g、イソフタル酸(IA)7.1g、ヒドロキノン(HQ)86.1g、4,4’−ビフェノール(BP)149.5g。
【0159】
固相重合は、310℃で2.75時間実施した。DSC分析は、T=333℃の結晶化温度およびT=367℃を与えた。100秒−1の剪断速度で380℃での溶融粘度は1200ポアズであった。
【0160】
実施例6
本実施例は、実施例1と同じ手順に従った。実施例6のための相対的な原料量は次の通りであった:p−ヒドロキシ安息香酸(pHBA)60モル%、テレフタル酸(TA)19.2モル%、イソフタル酸(IA)0.8モル%、ヒドロキノン(HQ)7.5モル%、4,4’−ビフェノール(BP)12.5モル%。
【0161】
固相重合は、24℃からスタートして最後の3時間310℃で終わる、段階的加熱プロフィールで窒素ブランケット下に計14.5時間実施した。DSC分析は、T=337℃の結晶化温度およびT=367℃を与えた。100秒−1の剪断速度で380℃での溶融粘度は1100ポアズであった。
【0162】
実施例7
温度が280℃に達した後、加熱を2.0℃/分の速度で実施した。また、実施例1と比較したときにより低い過剰の無水酢酸を使用した。実施例7についての原料量は次の通りであった:p−ヒドロキシ安息香酸(pHBA)541.2g、テレフタル酸(TA)248.6g、イソフタル酸(IA)17.8g、ヒドロキノン(HQ)117.7g、4,4’−ビフェノール(BP)112.8g。
【0163】
固相重合は、310℃で23分間実施した。DSC分析は、T=338℃の結晶化温度およびT=387℃を与えた。100秒−1の剪断速度で380℃での溶融粘度は1900ポアズであった。
【0164】
実施例8
実施例8は、実施例7と同じ手順に従ったが、0.5℃/分の温度速度を合成の終わりまで維持した。また、過剰の無水酢酸を2倍にし、触媒の量を減らした。実施例8についての原料量は次の通りであった:p−ヒドロキシ安息香酸(pHBA)555.5g、テレフタル酸(TA)167g、イソフタル酸(IA)55.7g、ヒドロキノン(HQ)は使用せず、4,4’−ビフェノール(BP)249.6g。
【0165】
固相重合は、310℃で30分間実施した。DSC分析は、T=310℃の結晶化温度およびT=361℃の溶融温度を与えた。100秒−1の剪断速度で370℃での溶融粘度は1800ポアズであった。
【0166】
表2は、実施例1〜8についてアシル化容器へ導入されたモノマー単位の相対比をまとめる。
【0167】

【0168】
実施例で形成された樹脂についての溶融温度(T)および結晶化温度(T)を表3に示す。
【0169】

【0170】
物理的および色特性を表4にまとめる。
【0171】

【0172】
実施例9〜16:パワーLEDデバイスの反射体の製造での使用に好適なガラス充填剤入りポリエステル配合物の調製
本発明のポリエステルのサンプルを、強化充填剤(ファイバーガラス)およびルチル型TiO顔料と配合する。配合された樹脂の組成を表5に示す。
【0173】

【0174】
実施例1〜8により合成されたニートポリエステルの配合は、次の通り成し遂げられる:ポリエステル樹脂、DuPontから商業的に入手可能なルチル型二酸化チタンおよびPPGから商業的に入手可能な刻んだファイバーガラス強化材を、12のバレルを含むCoperion ZSK−26二軸スクリュー押出機に、上の表5に明記される重量比で、個々のロス・イン・ウェイト・フィーダーによって供給する。ポリエステルおよびTiOをバレル1に供給し、その結果混合物はバレル7前に溶融し、分散される。酸化防止剤および熱安定剤を同様にバレル1に供給する。サイド・ラム押出機がバレル7でファイバーガラスを導入する。
【0175】
ファイバーガラスを、押出機のバレル8および9で溶融混合物の全体にわたって分配させる。新混合物を押出機のバレル10で真空によって脱気する。当該新混合物をバレル11および12で圧縮し、冷却する。
【0176】
押出機の熱分布は、バレル1では熱なし/バレル2〜5で360℃/バレル6および7で350℃/バレル8で330℃/バレル9で320℃/バレル10および11で310℃ならびにバレル12で300℃である。スクリュー速度は350rpmである。
【0177】
バレル12からの押出物を冷却し、従来機でペレット化する。
【0178】
実施例17〜49:パワーLEDデバイスの反射体の製造での使用に好適な充填剤なしのポリエステル配合物の調製
本発明のポリエステルのサンプルを、ルチル型TiO顔料と、および任意選択的に加えて下に詳述されるような、様々な蛍光増白剤と配合する:
・ 4,4’−ビス{(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ}スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムを含むと考えられる、BAYERから商業的に入手可能な、BLANKOPHOR(登録商標)BBH蛍光増白剤;
・ 4,4’−ビス[2−(2−メトキシフェニル)エテニル]1,1’−ビフェニルを含むと考えられる、Jinan Subang Chemical Co.Ltd.から商業的に入手可能な、CBS−127蛍光増白剤;
・ 4.4’−ビス(2−ジスルホン酸スチリル)1,1’−ビフェニルを含むと考えられる、Jinan Subang Chemical Co.Ltd.から商業的に入手可能な、CBS−X蛍光増白剤;
・ 2,2’−(2,5−チオフェンジイル)ビス(5−(1,1−ジメチルエチル)−ベンゾオキサゾールを含むと考えられる、EASTMAN Chemicalsから商業的に入手可能な、EASTOBRITE(登録商標)OB−1蛍光増白剤;
・ 2,2’−(1,2−エテンジイルジ−4,1−フェニレン)−ビス−ベンゾオキサゾールを含むと考えられる、EASTMAN Chemicalsから商業的に入手可能な、EASTOBRITE(登録商標)OB−3蛍光増白剤;
・ 2,2’−(1,4−ナフタレンジイル)ビスベンゾオキサゾールを含むと考えられる、CLARIANTから商業的に入手可能な、HOSTALUX(登録商標)KCB蛍光増白剤;
・ 1つ以上のベンゾオキサゾール誘導体を含むと考えられる、CLARIANTから商業的に入手可能な、HOSTALUX(登録商標)KSB蛍光増白剤;
・ 1つ以上のビスベンゾオキサゾリルスチルベン誘導体を含むと考えられる、CLARIANTから商業的に入手可能な、HOSTALUX(登録商標)KSN蛍光増白剤;
・ 7−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−3−フェニルクマリンを含むと考えられる、SANDOZから商業的に入手可能な、LEUKOPUR(登録商標)EGM蛍光増白剤;
・ 1つ以上のピラゾリン誘導体を含むと考えられる、MOBAY Chemical Corporationから商業的に入手可能な、PHORWITE(登録商標)K−20G2。
【0179】
配合物の組成を表6〜8に示す。
【0180】

【0181】

【0182】

【0183】
実施例2、4および6により合成されたニートポリエステルの配合は、次の通り成し遂げられる:ポリエステル樹脂、DuPontから商業的に入手可能なルチル型二酸化チタン、および任意選択的にその上蛍光増白剤を、48のL/D比を与える、12のバレルセクションを持ったCoperion ZSK−40共回転かみ合い二軸スクリュー40mm押出機に、上の表6、7および8に明記される重量比で、個々のロス・イン・ウェイト・フィーダーによって供給する。ポリエステルおよび、存在するとき、蛍光増白剤をバレル1に供給し、一方ルチル型二酸化チタンをバレル2に供給する。混合物を押出機のバレル10で真空によって脱気する。それをバレル11および12で圧縮し、冷却する。
【0184】
押出機の熱分布は、バレル1で150℃/バレル2〜5で360℃/バレル6で350℃/バレル7で340℃/バレル8で330℃/バレル9で320℃/バレル10で310℃/バレル11および12で300℃である。スクリュー速度は300rpmである。
【0185】
バレル12からの押出物を冷却し、従来機でペレット化する。
【0186】
実施例1b〜49b:ニートポリエステル、ガラス充填剤入りポリエステル配合物または充填剤なしのポリエステル配合物でできた反射体を有するパワーLEDデバイスの製造
実施例1b〜49bのパワーLEDデバイスを、反射体をフレーム上へ成形する工程を含む方法であって、反射体を、ニートポリエステル、またはガラス充填剤入りポリエステル配合物もしくは充填剤なしのポリエステル配合物のどれかである、49の相当する上に例示されるポリエステル材料の1つ(同じ数を有する)から成形する方法で製造し;このように、実施例1bのパワーLEDデバイスは従って、実施例1のポリエステル材料から成形された反射体を含み、実施例2bのパワーLEDデバイスは、実施例2のポリエステル材料から成形された反射体を含み、...そして実施例49bのパワーLEDデバイス(PLED)は、実施例49のポリエステル材料(PEM)から成形された反射体を含む。このように以下の49のパワーLEDデバイス(PLED)を製造する[反射体がそれからなるポリエステル材料(PEM)がかっこ内にある]:PLED1b(PEM1)、PLED2b(PEM2)、PLED3b(PEM3)、PLED4b(PEM4)、PLED5b(PEM5)、PLED6b(PEM6)、PLED7b(PEM7)、PLED8b(PEM8)、PLED9b(PEM9)、PLED10b(PEM10)、PLED11b(PEM11)、PLED12b(PEM12)、PLED13b(PEM13)、PLED14b(PEM14)、PLED15b(PEM15)、PLED16b(PEM16)、PLED17b(PEM17)、PLED18b(PEM18)、PLED19b(PEM19)、PLED20b(PEM20)、PLED21b(PEM21)、PLED22b(PEM22)、PLED23b(PEM23)、PLED24b(PEM24)、PLED25b(PEM25)、PLED26b(PEM26)、PLED27b(PEM27)、PLED28b(PEM28)、PLED29b(PEM29)、PLED30b(PEM30)、PLED31b(PEM31)、PLED32b(PEM32)、PLED33b(PEM33)、PLED34b(PEM34)、PLED35b(PEM35)、PLED36b(PEM36)、PLED37b(PEM37)、PLED38b(PEM38)、PLED39b(PEM39)、PLED40b(PEM40)、PLED41b(PEM41)、PLED42b(PEM42)、PLED43b(PEM43)、PLED44b(PEM44)、PLED45b(PEM45)、PLED46b(PEM46)、PLED47b(PEM47)、PLED48b(PEM48)およびPLED49b(PEM49)。
【0187】
成形は、射出成形または圧縮成形などの従来成形技法によって実施する。この成形中にポリエステル材料は、高温、すなわち、ポリエステルの溶融温度より高い温度にさらされる。
【0188】
リードフレーム上へ成形された反射体を含有する生じた部品を次に、LED機能をデバイスに提供するチップに接合する。パワーLEDをはんだ付けによってリードフレームに接合する。はんだ付けプロセスは、リードフレームが融解はんだ組成物と接触するので、リードフレームおよびチップの少なくとも一部を300℃超の温度にさらすことを含む。チップがリードフレームに接続された後に、チップをリードフレームにワイヤボンディングする。ワイヤボンディングははんだ付けを含み、はんだ付けはパワーLEDデバイスを300℃超である温度に再びさらす。
【0189】
ワイヤボンディングされたデバイスを次に、熱硬化性または熱可塑性組成物などの合成材料で封入する。封入は典型的には、合成材料を高められた温度(例えば、60〜180℃)で0.5〜6時間の期間硬化させてパワーLEDデバイスを形成することを含む。
【0190】
パワーLEDデバイスは、それがプリント回路基板上へ取り付けられるときに別のヒートサイクルにさらにさらされる。パワーLEDデバイスを、はんだ付けによってプリント回路基板に貼り付け、その間にパワーLEDデバイスの部分は融解はんだ組成物と接触する。
【0191】
上述のプロセス工程に加えてさらなる乾燥工程を実施する。乾燥は、その製造中にパワーLEDデバイスの任意の構成要素によって吸収された可能性がある水を除去する働きをする。乾燥は、260℃ほどに高い温度に数分間加熱することを含む赤外線リフロー条件下に実施する。
【0192】
パワーLEDデバイスは、操作中におよび高熱への数サイクルの暴露を含む製造中に高熱および放射応力にさらされる。実施例1b〜49bに従ったパワーLEDデバイスは、他のポリエステル材料から、例えば、脂肪族ポリエステルベースの材料から製造された反射体を含む先行技術パワーLEDデバイスより、光歪みに悩まされることが少なく、高温および高強度放射線への暴露後に高い発光効率を実質的に保有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDおよび反射体
を含む、パワーLEDデバイスであって、
前記反射体が(i)少なくとも80モル%の芳香族モノマー単位を有する少なくとも50重量%の少なくとも1つの芳香族ポリエステルおよび/または(ii)少なくとも30重量%の少なくとも1つの全芳香族ポリエステルを含む
パワーLEDデバイス。
【請求項2】
150mAで駆動されるときに少なくとも1,000時間のルーメン下落値L99を有する、請求項1に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項3】
150mAで駆動されるときに少なくとも50ルーメンの光を50,000時間発することができる、請求項1または2に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項4】
前記反射体と直接接触したヒートシンクをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項5】
前記ヒートシンクが、ヒートシンクの総重量を基準として、少なくとも50重量%の前記芳香族ポリエステルおよび前記全芳香族ポリエステルの1つ以上を含む、請求項4に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項6】
前記反射体のベースと一体になったヒートシンクをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項7】
前記反射体の外面と熱的に接触した、そして少なくとも1つの金属でできたヒートシンクをさらに含む、請求項1〜3にいずれか一項に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項8】
前記反射体が、反射体空洞を形成するベース、オープントップおよび壁を有し;
前記LEDが、前記反射体空洞内側で前記反射体のベースの内面上に配置され、かつ、前記反射体のベースと直接接触しており;
前記パワーLEDデバイスが、前記LEDを覆い、かつ、前記反射体の空洞を少なくとも部分的に満たす硬化した透明な樹脂をさらに含み;そして
前記パワーLEDデバイスが、前記LEDに接続された陽極リードおよび陰極リードをさらに含む、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項9】
前記芳香族ポリエステルおよび前記全芳香族ポリエステルが、p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ヒドロキノン、および4,4’−ビフェノール;ならびに任意選択的にイソフタル酸に由来する重合した構造単位を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項10】
p−ヒドロキシ安息香酸に由来する前記構造単位が40〜80モル%の量で存在し、テレフタル酸およびイソフタル酸に由来する前記構造単位が10〜30モル%の量で存在し、ヒドロキノンおよび4,4’−ビフェノールに由来する前記構造単位が10〜30モル%の量で存在し、モル%が、p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ヒドロキノン、および4,4’−ビフェノール;ならびにイソフタル酸に由来する重合したモノマー単位の全モル数を基準とする、請求項9に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項11】
ヒドロキノンに由来する前記構造単位対4,4’−ビフェノールに由来する前記構造単位のモル比が0.1〜1.5である、請求項9または10に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項12】
前記芳香族ポリエステルおよび前記全芳香族ポリエステルが液晶ポリエステルである、請求項1〜11のいずれか一項に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項13】
前記反射体が少なくとも50重量%の全芳香族ポリエステルを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項14】
前記反射体が前記芳香族ポリエステルおよび前記全芳香族ポリエステルの少なくとも1つからなる、請求項1〜13のいずれか一項に記載のパワーLEDデバイス。
【請求項15】
前記反射体が、前記芳香族ポリエステルおよび前記全芳香族ポリエステルの少なくとも1つならびに少なくとも1つの蛍光増白剤を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のパワーLEDデバイス。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2012−507170(P2012−507170A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533744(P2011−533744)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064400
【国際公開番号】WO2010/049531
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(502228959)ソルベイ・アドバンスト・ポリマーズ・エルエルシー (9)
【Fターム(参考)】