説明

荷電粒子感応性レジストの為のシステム及び方法

パターンを走査する為の装置および方法。方法は、(i)第1走査路に沿ってパターンと相互作用する等の為に荷電粒子ビームを導くステップと、(ii)第2走査路に沿ってパターンと相互作用する等の為に荷電粒子ビームを導くステップと、を含む。ビームとの相互作用の結果、パターンは、その特性の一つを変える。第1走査路と第2走査路間の距離は、荷電粒子径より大きくてもよい。第1走査路と第2走査路の各々は、複数の連続したサンプルを含み、第1走査路と第2走査路との間の距離は、隣接したサンプル間の距離より大きくてもよい。走査路の位置は、測定間、特に、測定セッション間で変更してもよい。荷電粒子ビームの横断面は、楕円面でもよい。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[0001]本願は、2002年2月4日に出願された"A system and method for reducing resist layer shrinkage resulting from charged particle beam"と題する米国仮出願第60/354260号の優先権を主張する。
【発明の分野】
【0002】
[0002]本発明は、回路製造中に半導体ウエハを検査する為の装置および方法に関し、特に、荷電粒子ビームに感応するレジスト材料を検査する為の装置および方法に関する。
【発明の背景】
【0003】
[0003]集積回路は、非常に複雑なデバイスであり、多層を含む。各層は、導電材及び/又は絶縁材を含み、他の層は、半導体材料を含んでもよい。これらの様々な材料は、通常、集積回路の予想される機能性に応じて、パターン内で並べられる。これらのパターンは、集積回路の製造プロセスにも影響する。
【0004】
[0004]集積回路は、複雑な複数段階のプロセスにより製造される。これらの複数段階のプロセス中、レジスト材料は、(i)基板/層上に堆積され、(ii)フォトリソグラフィ・プロセスにより露光され、(iii)後でエッチングされる一部の領域を画成するパターンを生成する為に現像される。
【0005】
[0005]レジスト材料は、通常、狭い範囲の所定周波数(波長)で、光に対して感応するように選択される。通常利用されるレジスト材料は、ArF光源から放出される193nm光に感応する。このレジスト材料は、193nmレジストと呼ばれている。
【0006】
[0006]製作段階中、及び連続した製造段階の間の両方で、製造プロセスとの組合せ(インライン検査という。)又は組合せ以外(オフラインプロセスという。)で、集積回路を検査する為に、様々な検査及び不良分析技術が発展した。様々な光学及び荷電粒子ビーム検査用工具、更に、点検用工具が当該技術分野で知られており、例えば、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社の工具VeraSEM(商標), Compluss(商標), SEMVision(商標)がある。
【0007】
[0007]製造不良は、集積回路の電気特性に影響する。これらの不良の一部は、パターンの要求寸法からの不必要なズレから生じる。「限界寸法」は、パターン化された線の幅又はパターン化された2本の線間の距離である。
【0008】
[0008]検査プロセスの目標の一つは、検査されたウエハが、これらの限界寸法からずれているかを決定することである。この検査は、通常、前記ズレを測定する為に必要な高解像度を提供する荷電粒子ビーム結像により行われる。
【0009】
[0009]様々なレジスト材料は、同様に、電子顕微鏡(SEM)結像中に放出される電子ビームのような荷電粒子ビームに感応性を有する。例えば、193nmレジストは、電子ビームとの相互作用の結果、収縮する。収縮は、量子効果(化学結合の破壊)と局所的加熱効果による。そのため、SEM結像は、半導体上に転写されたパターンに不要な変化を引き起こす。
【発明の概要】
【0010】
[0010]本発明は、前記結像及び測定の不必要な副作用を減じる一方、荷電粒子結像を可能にする、様々な走査方式を提供する。
【0011】
[0011]本発明の一態様によると、レジストの収縮は、電子ビームとレジスト材料の間の相互作用から生じる結像電荷密度の減少により減じられる。
【0012】
[0012]本発明の一実施形態によると、第1走査方式は、複数の平行走査路に沿って電子ビームで走査することであるが、2つの隣接する走査路間の距離を電子ビーム径より、かなり大きいものを含む。
【0013】
[0013]本発明の他の実施形態によると、走査路は、走査用ウインドウ内に含まれる。走査用ウインドウは、互いに間隔を開けて配置され、線幅変動のスペクトル分析に感応して画成可能である。本発明の更なる態様によると、走査用ウインドウ内の、隣接する走査路の間隔は、前記線幅変動の高空間周波数の構成要素に感応する。換言すると、線(線粗さ)に沿ったサンプリングは、線(線粗さ)に沿って線変動を満足し、疑似ライン効果による精度ロスを発生するかもしれない粗さ情報を失うことなく、線変動の決定を容易にする。
【0014】
[0014]本発明の更なる態様によると、走査用ウインドウの幅は、線幅変動を持った低空間周波数の構成要素に感応する。
【0015】
[0015]多くの走査用デバイスにおいて、走査路は、画素を画成し−各走査路は複数のサンプルを含み−各サンプルは、画素として画成される。そのような画素は、2本の隣接した走査路間の距離と実質的に等しい長さを有し、2つの連続したサンプル間の、電子ビームが通過する距離に対応する幅を持つ。したがって、2つの連続したサンプル間の、電子ビームが通過する距離より2本の隣接した走査路間の距離が大きい場合、画素は矩形になる。
【0016】
[0016]そのため、レジスト材料を矩形画素で走査することにより、走査方向に直交する方向において電子ビーム束が減少し、よって、収縮が減少する。矩形画素は、また、画像を提供する為に配置されてもよい。
【0017】
[0017]そのため、本発明は、荷電粒子ビームでパターンを走査する方法であって:(i)第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップであって、当該パターンは、荷電粒子との相互作用の結果、その特性の一つを変える、上記ステップと;(ii)第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップであって、第1走査路と第2走査路間の距離は、荷電粒子径より大きい、上記ステップと;を含む。
【0018】
[0018]本発明は、また、荷電粒子ビームでパターンを走査する為の更なる方法を提供するが、当該方法は、(i)第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップであって、当該パターンは、荷電粒子との相互作用の結果、その特性の一つを変える、上記ステップと;(ii)第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップであって、第1走査路と第2走査路の各々は、複数の連続したサンプルを備え、第1走査路と第2走査路間の距離は、隣接したサンプル間の距離より大きい、上記ステップと;を含む。
【0019】
[0019]本発明の他の実施形態によると、隣接した走査路間の距離は、SEM結像プロセス中に変更される。したがって、もし、パターンが再結像されるとき、電子ビームは、先の電子ビームと同一軌跡を辿らない。矩形画素内の異なるビーム位置は、測定再訪の場合、減少された縮小を考慮に入れる。
【0020】
[0020]本発明は、荷電粒子ビームでパターンを走査する為の方法も提供するが、当該方法は:(i)第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップであって、当該パターンは、荷電粒子との相互作用の結果、その特性の一つを変える、上記ステップと;(ii)第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップと;(iii)第1走査路と第2走査路間の距離を変更し、荷電粒子ビームを導くステップを繰り返すステップと;を含む。
【0021】
[0021]本発明の更なる実施形態によると、電子ビームは(好ましくは、所定画素の限界内で)焦点がずらされる。焦点ずれは、レジスト層と相互作用する比較的に大きなスポットが生じる。
【0022】
[0022]そのため、本発明は、荷電粒子ビームでパターンを走査する為の方法を提供するが、当該方法は:(i)第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップであって、当該パターンは、荷電粒子との相互作用の結果、その特性の一つを変え、その荷電粒子ビームの横断面は、楕円形である、上記ステップと;(ii)第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップと;を含む。
【0023】
[0023]さらに、本発明は、荷電粒子ビームでパターンを走査する為の装置を提供するが、当該装置は:荷電粒子ビームを発生させる手段と;第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導く手段と;を含む。パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性を変える。導く手段は、更に、第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くように動作可能であり、第1走査路と第2走査路間の距離は、荷電粒子ビーム径より大きい。
【0024】
[0024]本発明は、また、荷電粒子ビームでパターンを走査する為の装置を提供するが、当該装置は:荷電粒子ビームを発生させる手段と;第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導く手段と;を含む。パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性を変える。導く手段は、更に、第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くように動作可能である。第1走査路と第2走査路の各々は、複数の連続したサンプルを備え、第1走査路と第2走査路間の距離は、隣接したサンプル間の距離より大きい。
【0025】
[0025]本発明は、更に、荷電粒子ビームでパターンを走査する為の装置を提供するが、当該装置は:荷電粒子ビームを発生させる手段と;第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導く手段と;を含む。パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性を変える。導く手段は、更に、第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導く為に動作可能であり、第1走査路及び第2走査路の位置を変える為に動作可能であり、荷電粒子ビームを導くステップを繰り返す。
【0026】
[0026]さらに、本発明は、荷電粒子ビームでパターンを走査する為の装置を提供する。この装置は、横断面が楕円形の荷電粒子ビームを発生させる手段と;第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導く手段と;を含む。パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性の一つを変える。導く手段は、更に、第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導く為に動作可能である。
【0027】
[0027]少なくとも一部の実施形態は、組み合わされてもよい。例えば、走査は、再訪の為に矩形画素内の異なるビーム位置において実施されてもよく、更に/又は、ビームの集束により、2つの矩形画素の幅を覆うスポットが生じてもよい。
【0028】
[0028]本発明を理解し、実用的に、それがどのように実行されるかを知る為に、以下、限定されない実施例により、添付図面を参照しつつ、好適な実施形態を説明する。
【図面の詳細な説明】
【0029】
[0034]以下の説明は、ステップと反復型SEMを含む荷電粒子型顕微鏡(例えば、SEM)に関し、ウエハは、繰り返しのステップ(ウエハのエリア(SEMの視野により規定されるエリア)を走査するステップと、ウエハとSEM間の運動を機械的に導入し、他のエリアの走査を容易にするステップ)により走査される。前記運動は、レンズ、デフレクタ等の様々な静電素子及び/又は磁性素子により導かれた静電界及び/又は磁界により実施可能である。他の荷電粒子、或いはフォトンでさえ、電圧対比の為に利用可能であることに注意されたい。さらに、本発明は、SEMとウエハ間の実質的な一定運動を導入することにより実施可能である点にも注意されたい。この運動は、直線、さらに回転、及び/又は、両方の運動の組合せでもよい。
【0030】
[0035]図1を参照すると、本発明の一実施形態に従って構成されたSEM10が例示されている。SEM10は、様々な電圧(例えば、例示的に加速電源14として説明される加速電圧)に晒される電子銃12、第1電子レンズ16、磁性静電型対物レンズ18、検出器20、コントローラ/プロセッサ22、ステージ24を含む。レンズ16,18は、荷電粒子を集束、案内、走査する為にコントローラ/プロセッサ22により制御される。これらは、技術的に知られる方式で荷電粒子を形成する為に動作可能であってもよい。これらの構成要素/ユニットの各々は、技術的に周知なので、詳細な説明は不用である。要約すると、SEM10は、(特に、電子銃12と電源14により)荷電粒子ビームを発生させ、そのビームを試料(例えば、ステージ24上に配置されてもよいウエハ30)に当該ビームを案内し、集束し、荷電粒子を走査する。
【0031】
[0036]図2を参照すると、ウエハ30の部分40が例示されている。部分40には、アライメント用十字形ターゲット42、複数の垂直線44〜50が含まれる。一定の線44の幅、線間距離は、以下に掲げられる方式の一つにより測定可能である。通常、一定の線の幅が測定される前に、その一定の線が位置決めされていなければならない。前記位置決めは、予め大まかに知られていてもよいが、ターゲット42は、一定の線を位置決めすることを援助する。都合のよいことに、位置を決定することは、部分40の低解像度画像を発生させることを含む。例えば、部分40は、0.5×0.5平方ミクロン画素を持つ480×480画素により結像可能であるが、限界寸法測定用の画素寸法幅は、約数ナノメートルである。
【0032】
[0037]図3を参照すると、線44と線幅変動のスペクトル表示(線幅粗さとも呼ばれる。)が、本発明の一実施態様に従って、詳細に例示されている。前記スペクトル表示は、線44の複数線幅測定値を高速フーリエ変換により変換することにより発生可能であるが、前記変換を実施する為の他の手段(例えば、相互相関関数法)も適用可能である。
【0033】
[0038]線44の幅は、複数の測定60(j,k)、ここで、kは、測定セッションを識別する正の整数、jは1とJの間の範囲であり、Jは、様々な精度、信号対ノイズ比及び/又は一貫性の要求に従って定義可能な所定値を有する。線数は、使用者により定義可能であるが、数本から千本の範囲でもよい。線数は、走査用ウインドウの長さと2つの隣接した線間の垂直変位との間の比により定義可能である。走査路当たりの画素数は、変更可能であることに注意されない。典型的な線は、240から960画素を含む。
【0034】
[0039]曲線70は、線幅粗さのスペクトル表示を例示し、低空間周波数(Dlow)構成要素78、高空間周波数(Dhigh)構成要素74のような多くの空間周波数構成要素を含むが、各構成要素は、かなりの量のスペクトルエネルギを含む。高空間周波数構成要素74は、隣接した走査路間の距離を定義するが、低空間周波数構成要素78は走査用ウインドウ80の幅を定義し、反復性の限界寸法測定を可能にする。
【0035】
[0040]多くの場合、高空間周波数の閾値(例えば、閾値72)が与えられる。これは、製造プロセス限界、より具体的には、非常に高い空間周波数線幅変動を補償する限界能力を表示する。したがって、閾値を超える周波数は、無視される。通常、高い空間周波数の閾値は、約50ナノメートルに設定されるが、将来の製造技術は、その閾値を減少させることが期待されている。
【第1実施形態】
【0036】
[0041]図4を参照すると、本発明の実施形態が例示されている。線44のセッションは、走査路60(1,1)−60(3,1)のような水平走査路により走査される。走査路60(1,1)の連続した画素61(1,1,1)−100(1,1,m)間の水平変位は、走査路60(1,1)と、隣接した走査路60(2,1)間の垂直変位より、かなり小さくなる。換言すると、画素61(1,1,1,)のような各画素は、矩形であり、画素61(1,1,1)の幅WDは、およそ数ナノメートルの長さより小さくてもよいが、その長さL(高さ)は、数百ナノメートルを超えてもよい。更なる画素が例示されることに注意されたい。
【0037】
[0042]通常、画素の幅WDは、必要なSEM解像度に応じて定義される。それは、実質的にはビームスポット径に等しくてもよい。画素の長さは、(Lに反比例の)所定の縮小減少レベル、線幅粗さスペクトル、特に、低い周波数構成要素、他のファクタのような様々なファクタに感応してもよい。通常、画素幅WDは、約数ナノメートルであるが、高さは約25ナノメートルから数ミクロンでもよい。
【0038】
[0043]線幅の変動を突き止める為には、2つの連続した走査路間の距離(画素の幅)が、線(線粗さ)に沿った線変動、特に、高空間周波数の構成要素に感応すべきである。Dhighによる高い空間周波数構成要素74の空間周波数を表示する場合、各画素の長さはDhigh/2以下になる。画素の幅は、システム要求解像度に応じて定義される。
【0039】
[0044]本発明の態様に従って、走査路は、走査用ウインドウ(例えば、走査用ウインドウ90)内に含まれる。走査用ウインドウの高さは、低空間周波数の構成要素78の空間周波数Dlowに応答可能である。限界寸法測定の反復性は、低い空間周波数構成要素78の空間周波数より大きいか実質的に等しい幅を選択することにより、増加される。
【0040】
[0045]図7〜図8を参照すると、本発明の態様に従う方法120、140が例示されている。方法120は、都合良く、測定される寸法の一つを有する検査されるパターンを配置するステップ122により開始する。以前の実施例を参照すると、線44のセクション45は、線44の幅を測定する為に検査されるものである。
【0041】
[0046]ステップ122の後には、第1走査路60(1,1)のような走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップ124が続く。パターンは、荷電粒子との相互作用の結果、その特性の一つを変える。以前の例示的な図を参照すると、SEM10は、走査路60(1,1)に沿って線44のセクション45と相互作用するようにウエハ30に向かって荷電粒子ビームを導く。走査路60(1,1)は、更に、部分40の他の線と相互作用することに注意されたい。特性の変更は、線44を形成するレジストの縮小である。
【0042】
[0047]荷電粒子とレジスト間の相互作用の結果、散乱された電子を収集し、幅測定を与える為に検出された電子を処理するステップ126が、ステップ124の後に続く。
【0043】
[0048]ステップ126の後には、第2走査路のような走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップ128が続く。第1走査路と第2走査路間の距離は、荷電粒子ビーム径より大きい。以前に例示した図を参照すると、SEM10は、走査路60(2,1)に沿って線44のセクション45と相互作用するように荷電電子ビームをウエハ30に導く。荷電粒子ビーム径は、約3ナノメートルであるが、走査路60(1,1)と60(2,1)間の距離は、約25ナノメートルである。これらの数値は、本発明の範囲を逸脱することなく、変更可能であることに注意されたい。
【0044】
[0049]荷電粒子ビームとレジスト間の相互作用の結果、散乱された電子を収集し、他の幅測定を与える為に検出された電子を処理するステップ130が、ステップ128の後に続く。
【0045】
[0050]ステップ124−ステップ130は、多数回(走査ウインドウ当たり、数百回または数千回)繰り返すことが可能であり、少なくとも一つの限界測定結果を与える為に、これらの幅測定が処理されることに注意されたい。
【0046】
[0051]図8に示された方法140は、方法120に似ているが、第1走査路と第2走査路が複数の連続したサンプルを含めることにより特徴付けられ、第1走査路と第2走査路間の距離は、(方法120によると、第1走査路と第2走査路間の距離が荷電粒子ビーム径より大きいが、)隣接したサンプル間の距離より大きい。したがって、この違いがステップ128と148で例示されている点に注意されたい。走査路間の距離は、約25ナノメートルであるが、連続したサンプル間の距離は、約1.5ナノメートルである点に注意されたい。これらの数値は、本発明の範囲を逸脱することなく、変更可能であることに注意されたい。
【第2実施形態】
【0047】
[0052]パターンの一区分は、いろいろな理由(例えば、先の測定不良、測定精度の向上、精度検査などの実行があるが、これらに限定されない。)から、再審査されてもよい。前記繰り返しは、前記区分の収縮効果を加重するかもしれない。
【0048】
[0053]本発明の一態様によると、走査路の位置は、審査セッション間で変更される。審査セッションは、限界寸法表示を与えるように処理される複数の審査が含まれる。例示的な審査セッションは、単一の走査ウインドウの測定を含んでもよい。この第2実施形態によると、走査路の位置は、たとえ、走査ウインドウが重複しても、一の走査用ウインドウは他の走査用ウインドウと異なる。
【0049】
[0054]走査路の位置の変更または走査用ウインドウの位置の変更でさえ、所定パターンに感応するが、ランダム(無作為)またはセミランダムでもよい。所定パターンは、走査路間で所定の垂直シフトを導入してもよいが、セミランダム及び/又はランダム方式は、いろいろなシフトを提供可能である。
【0050】
[0055]図5を参照すると、3つの別個の測定セッション間に走査される3本の走査路60(1,1)、60(1,2)、60(1,3)と、幾つかの対応する画素61(1,1,1)−61(1,1,6)、61(1,2,7)−61(1,2,12)、61(1,3,13)−61(1,3,18)が例示されている。走査路60(1,1)は、第2測定セッション中に追従され、走査路60(1,2)は第2測定セッション中に追従され、走査路60(1,3)は第3測定セッション中に追従される。走査路60(1,2)と60(1,3)は、反復性測定セッションが同一の検査セッションの更なる収縮を発生させないように別個の位置で、荷電粒子に線44と相互作用させる。
【0051】
[0056]図9を参照すると、本発明の一態様による方法160が例示されている。方法160の間、走査路の位置は、測定間、特に測定セッション間で変更される。
【0052】
[0057]方法160は、測定される寸法の一つを都合良く有するように、検査されるべきパターンを配置するステップで開始する。線44の、先の例示セッション45を参照すると、線44は、線44の幅を測定する為に検査されるものである。
【0053】
[0058]ステップ162の後には、走査路60(1,1)のような走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップ164が続く。パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性を変える。先の例示された図を参照すると、SEM10は、走査路60(1,1)に沿って線44の区分45と相互作用するように荷電電子ビームをウエハ30の方に導く。走査路60(1,1)は、部分40の他の線と更に相互作用する点に注意されたい。特性の変更は、線44を形成するレジストの収縮である。
【0054】
[0059]ステップ164の後には、荷電粒子ビームとレジスト間の相互作用の結果、散乱された電子を収集し、幅測定を与える為に検出された電子を処理するステップ166が続く。
【0055】
[0060]ステップ166の後には、第2走査路60(2,1)のような走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップ168が続く。第1走査路と第2走査路間の距離は、荷電電子ビーム径より大きい。先に例示された図を参照すると、SEM10は、走査路60(2,1)に沿って線44の区分45と相互作用するように荷電電子ビームをウエハ30の方に導く。荷電粒子ビーム径は、約3ナノメートルであるが、走査路60(1,1)と60(2,1)間の距離は約25ナノメートルである。これらの数値は、本発明の範囲を逸脱することなく変更可能であることに注意されたい。
【0056】
[0061]ステップ168の後には、荷電粒子ビームとレジスト間の相互作用の結果、散乱された電子を収集し、他の幅測定を与える為に検出された電子を処理するステップ170が続く。
【0057】
[0062]ステップ170の後には、測定セッションが終了したかを決定するステップ172が続く。測定セッションが終了していないとき、ステップ172の後にはステップ164が続く。ステップ164−170は、多数回(走査ウインドウ当たり数百回または数千回)、繰り返されてもよいこと、これらの幅測定は、少なくとも一つの限界測定結果を与える為に(通常、統計的分析により)処理されることに注意されたい。もし、測定セッションが終了し、実質的に同一区分を再審査する必要性がある場合、ステップ172の後に、走査路の位置を変更し、ステップ164に飛ぶステップ174が続く。走査路の位置は将来の使用(例えば、測定の繰り返し)の為に保存可能であることに注意されたい。走査路の位置は、当該方法が走査パターンの位置を変更し、走査ステップを繰り返す時期を決めなければならない場合、測定セッションに拘わらず変更可能であることに更に注意されたい。
【第3実施形態】
【0058】
[0063]多くの場合、システム解像度は、線幅粗さ帯域より、かなり小さい。前記別個の要求に応じて荷電粒子ビームを形成することにより、低い荷電粒子ビーム濃度は、システム性能を減じることなく、達成可能である。
【0059】
[0064]換言すれば、円形ビームの代わりに楕円形ビームがウエハの方に導かれてもよい。例えば、図6を参照すると、画素61(1,1,1)の幅は、約3ナノメートルであること、画素の長さが約25ナノメートルであり、ビーム99は約25ナノメートルの主軸と約3ナノメートルの副軸を有する楕円として形成可能である。
【0060】
[0065]楕円形ビームは、軸状、特に経線の非点収差を(抑制することなく)導入することにより発生可能である。
【0061】
[0066]図10を参照すると、本発明の一態様による方法180が例示されている。方法180は、測定される寸法の一つを都合よく有する、検査すべきパターンを配置するステップ182により開始する。先の実施例を参照すると、線44の区分45は、線44の幅を測定する為に検査される。
【0062】
[0067]ステップ182の後には、第1走査路60(1,1)のような走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップ184が続く。このビームは、矩形画素形状に従って形成される。都合のよいことに、ビームは、検査されるパターンの軸に実質的に沿った主軸と、その検査されるパターン軸と実質的に直交する副軸を有する楕円として、形成されている。当該パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性の一つが変化する。先の例示された図を参照すると、SEM10は、線44の区分45と相互作用するようにウエハ30の方に荷電電子ビームを導く。走査路60(1,1)は、部分40の他の線と更に相互作用することに注意されたい。特性の一つは、線44を形成するレジストの収縮である。線44は、垂直なので、そのパターン軸である。
【0063】
[0068]ステップ184の後には、荷電粒子とレジストとの相互作用の結果、散乱された電子を収集し、幅測定を与える為に検出電子を処理するステップ186が続く。
【0064】
[0069]ステップ186の後には、第2走査路のような走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップ188が続く。
【0065】
[0070]ステップ188の後には、荷電粒子とレジストとの相互作用の結果、散乱された電子を収集し、他の幅測定を与える為に検出電子を処理するステップ190が続く。
【0066】
[0071]ステップ184−190は、多数回(走査用ウインドウ当たり数百回または数千回)繰り返してもよく、それらの幅測定は、少なくとも一つの限界測定結果を与える為に(通常、統計的分析を適用することにより)処理される点に注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】[0029]図1は、本発明の実施形態に従う、走査型電子顕微鏡を例示する概略図である。
【図2】[0030]図2は、本発明の実施形態に従う、検査されるウエハの一部を例示する概略図である。
【図3】[0031]図3は、本発明の実施形態に従う、図2の一部の一定の線の、線幅のスペクトル表示を例示する概略図である。
【図4】[0032]本発明の実施形態に従う、様々な走査方式を例示する図である。
【図5】[0032]本発明の実施形態に従う、様々な走査方式を例示する図である。
【図6】[0032]本発明の実施形態に従う、様々な走査方式を例示する図である。
【図7】[0033]本発明の実施形態に従う、荷電粒子感応性レジストを結像する為の方法を例示するフローチャートである。
【図8】[0033]本発明の実施形態に従う、荷電粒子感応性レジストを結像する為の方法を例示するフローチャートである
【図9】[0033]本発明の実施形態に従う、荷電粒子感応性レジストを結像する為の方法を例示するフローチャートである
【図10】[0033]本発明の実施形態に従う、荷電粒子感応性レジストを結像する為の方法を例示するフローチャートである
【符号の説明】
【0068】
10…SEM、12…電子銃、14…加速電源、16…第1電子レンズ、18…磁性静電型対物レンズ、20…検出器、22…コントローラ/プロセッサ、24…ステージ、30…ウエハ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビームでパターンを走査する方法であって:
第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップであって、パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性の一つを変える、前記ステップと;
第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップであって、第1走査路と第2走査路との間の距離は、荷電粒子径より大きい、前記ステップと;
を備える、前記方法。
【請求項2】
パターンは、実質的にレジストで形成されている、請求項1記載の方法。
【請求項3】
荷電粒子ビームは、電子ビームである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
パターンとの相互作用から生じる荷電粒子を収集するステップを更に備える、請求項1記載の方法。
【請求項5】
収集された荷電粒子を処理するステップを更に備える、請求項4記載の方法。
【請求項6】
処理するステップは、パターンの限界寸法表示を提供する工程を備える、請求項5記載の方法。
【請求項7】
パターンを配置する予備ステップを更に備える、請求項1記載の方法。
【請求項8】
荷電粒子ビームでパターンを走査する方法であって:
第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップであって、パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性の一つを変える、前記ステップと;
第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップであって、第1走査路と第2走査路の各々は、複数の連続したサンプルを備え、第1走査路と第2走査路間の距離は、隣接したサンプル間の距離より大きい、前記ステップと;
を備える、前記方法。
【請求項9】
パターンは、実質的にレジストで形成されている、請求項8記載の方法。
【請求項10】
荷電粒子ビームは、電子ビームである、請求項8記載の方法。
【請求項11】
パターンとの相互作用から生じる荷電粒子を収集するステップを更に備える、請求項8記載の方法。
【請求項12】
収集された荷電粒子を処理するステップを更に備える、請求項11記載の方法。
【請求項13】
処理するステップは、パターンの限界寸法表示を提供する工程を備える、請求項12記載の方法。
【請求項14】
パターンを配置する予備ステップを更に備える、請求項8記載の方法。
【請求項15】
荷電粒子ビームでパターンを走査する方法であって:
第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップであって、パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性の一つを変える、前記ステップと;
第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップと;
第1走査路と第2走査路の位置を変え、荷電粒子ビームを導くステップを繰り返すステップと;
を備える、前記方法。
【請求項16】
パターンは、実質的にレジストで形成されている、請求項15記載の方法。
【請求項17】
荷電粒子ビームは、電子ビームである、請求項15記載の方法。
【請求項18】
パターンとの相互作用から生じる荷電粒子を収集するステップを更に備える、請求項15記載の方法。
【請求項19】
収集された荷電粒子を処理するステップを更に備える、請求項18記載の方法。
【請求項20】
処理するステップは、パターンの限界寸法表示を提供する工程を備える、請求項19記載の方法。
【請求項21】
パターンを配置する予備的なステップを更に備える、請求項15記載の方法。
【請求項22】
荷電粒子ビームでパターンを走査する方法であって:
第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップであって、パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性の一つを変え、荷電粒子ビームの横断面は楕円面である、前記ステップと;
第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導くステップと;
を備える、前記方法。
【請求項23】
パターンは、実質的にレジストで形成されている、請求項22記載の方法。
【請求項24】
荷電粒子ビームは、電子ビームである、請求項22記載の方法。
【請求項25】
パターンとの相互作用から生じる荷電粒子を収集するステップを更に備える、請求項22記載の方法。
【請求項26】
収集された荷電粒子を処理するステップを更に備える、請求項25記載の方法。
【請求項27】
処理するステップは、パターンの限界寸法表示を提供する工程を備える、請求項26記載の方法。
【請求項28】
パターンを配置する予備ステップを更に備える、請求項22記載の方法。
【請求項29】
荷電粒子ビームでパターンを走査する装置であって:
荷電粒子ビームを発生させる手段と;
第1走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導く手段であって、パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性の一つを変え、前記導く手段は更に、第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子を導く為に動作可能であり、第1走査路と第2走査路間の距離は、荷電粒子径より大きい、前記手段と;
を備える、前記装置。
【請求項30】
荷電粒子ビームでパターンを走査する装置であって:
荷電粒子ビームを発生させる手段と;
第1走査路および第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導く手段であって、第1走査路と第2走査路の各々は、複数の連続したサンプルを備える、前記手段と;
を備え、
パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性の一つを変え、第1走査路と第2走査路間の距離は、隣接したサンプル間の距離より大きい、前記装置。
【請求項31】
荷電粒子ビームでパターンを走査する装置であって:
荷電粒子を発生させる手段と;
第1走査路および第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導く手段と;
を備え、
パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性の一つを変え、前記導く手段は、荷電粒子ビームを導くステップを繰り返すときに第1走査路と第2走査路の位置を変える、前記装置。
【請求項32】
荷電粒子ビームでパターンを走査する装置であって:
荷電粒子ビームを発生させる手段と;
第1走査路および第2走査路に沿ってパターンと相互作用するように荷電粒子ビームを導く手段と;
を備え、
パターンは、荷電粒子ビームとの相互作用の結果、その特性の一つを変える、前記装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−505093(P2006−505093A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−566896(P2003−566896)
【出願日】平成15年1月27日(2003.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/002415
【国際公開番号】WO2003/067652
【国際公開日】平成15年8月14日(2003.8.14)
【出願人】(504273782)アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド (18)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】