説明

蒸着装置

【課題】均一な蒸着膜厚分布と材料利用効率向上を実現し,かつ熱による基板に形成された蒸着膜へのダメージを与えず,ノズルつまりも防止する真空蒸着装置を実現する。
【解決手段】複数のノズル4が第1の方向に配列した蒸発源ユニット31が複数幅方向に配列して蒸発源3を形成している。ノズル4の出口において、蒸発源3から放射される蒸発物質を左右から挟む形で第1の反射散乱板5と第2の反射散乱板6を配置する。蒸発源3に近い第1の反射散乱板5は加熱手段によって加熱され、蒸発源3から遠く、基板に近い第2の反射散乱板6は加熱手段を有さず、冷却手段を有する。これによって、基板における蒸着膜厚分布を均一化でき、蒸着材料の利用効率を上昇させ、基板に形成された蒸発物質に対する熱によるダメージを抑えることが出来、蒸着ノズル付近における蒸発物質の堆積を防止することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空蒸着膜を形成する装置に係り、特に大型の基板上に有機EL素子等の薄膜を形成するために有効な真空蒸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL表示装置や照明装置に用いられる有機EL素子は、有機材料からなる有機層の両側を陽極と陰極の一対の電極で挟んだ構造である。この一対の電極に電圧を印加することにより陽極側から正孔が陰極側から電子がそれぞれ有機層に注入され、それらが再結合することにより発光する。
【0003】
この有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を含む多層膜構造になっている。この有機層を形成する材料として高分子材料と低分子材料を用いたものがある。このうち低分子材料を用いる場合には、真空蒸着装置を用いて有機薄膜を形成する。
【0004】
有機ELデバイスの特性は有機層の膜厚の影響を大きく受ける。一方、有機薄膜を形成する基板は年々大形化してきている。したがって、真空蒸着装置を用いる場合、大型の基板上に形成される有機薄膜の膜厚を高精度に制御する必要がある。また,有機膜形成後,金属の電極層を形成する必要があるが,一般に金属の蒸着時温度は融点が高いために有機膜の蒸着時温度より高い。この金属電極薄膜にも均一性が要求され,かつ蒸発した蒸着材料が電極薄膜として利用できる割合,材料利用効率を高くすることが望まれる。
【0005】
大型基板に均一な膜厚分布の薄膜を形成する真空蒸着装置として,「特許文献1」には,長手方向を有する蒸発源及を蒸発源の長手方向と垂直な方向に相対的に移動させて基板に蒸着する真空蒸着装置が開示されている。「特許文献2」には、坩堝が温度の高い第1熱遮蔽板と比較的温度の低い第2熱遮蔽板を有し、第1熱遮蔽板は坩堝からの熱の放射を防止し、第2熱遮蔽板は放射熱の発散防止と蒸発物質の拡散防止をする構成が記載されている。
【0006】
また,真空蒸着で基板上に均一な特性を有する薄膜を、高い蒸着効率で得ることができる製造方法として,「特許文献3」には,図17に示すように、基板1と蒸発源3との間に蒸発材料10の融点以上に昇温された発熱体12を配置して、薄膜を形成する真空蒸着装置が開示されている。また,「特許文献4」には,防着シールドが設けられ,その周囲にヒータ−が接して設けられており、防着シールド全体を加熱することができるようにし,成膜室内のクリーニングを行う真空蒸着装置が開示されている。また,「特許文献5」には,坩堝を囲むカバーのノズルの先端付近に、蒸着方向に突出した突出部を備えて,蒸着物質の側面を防止する真空蒸着装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-93667号公報
【特許文献2】特開2006-207022号公報
【特許文献3】特開平08−053763号公報
【特許文献4】特開2002-302757号公報
【特許文献5】特開2006-152440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
大型基板に均一な薄膜を形成する従来技術は以下のような問題がある。「特許文献1」,「特許文献2」では,大型基板に複数のノズルを並べて蒸着する真空蒸着装置において,均一な膜厚分布にしようとすると,基板からはみ出して蒸発材料を飛ばす必要がある。しかし,これにより材料利用効率が低下する問題が考慮されていなかった。
【0009】
一般に有機膜は熱に弱く,金属蒸着の際の発熱により特性劣化等のダメージを受け易い。材料利用効率向上に役立つ従来技術は以下のような問題がある。「特許文献3」および「特許文献4」では,加熱された発熱体が基板に近接しているので基板上の有機薄膜へダメージを与える問題がある。また,「特許文献5」では,突出部に蒸着材が蒸着されて長期的にノズル孔がつまる問題があった。
【0010】
本発明の目的は,均一な膜厚分布と材料利用効率向上を実現し,かつ基板へダメージを与えず,ノズルつまりも防止する手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本書において開示される発明のうち,代表的なものの概要を説明すれば,下記の通りである。すなわち、蒸発源開口部側面に,蒸発源に近接して加熱された第1反射散乱板と基板に近接して加熱されない第2反射散乱板を設ける。具体的な主な手段は以下のとおりである。
【0012】
(1)真空チャンバ内に複数のノズルが第1の方向にインライン状に配列した蒸発源と、基板を保持する基板保持部を有し、前記蒸発源が前記基板保持部に対して前記第1の方向と直角方向の第2の方向に移動することによって前記基板に蒸着を行う真空蒸着装置であって、前記ノズルの出口において、蒸発源から放射される蒸発物質を左右から挟む形で、前記蒸発源と前記基板保持部との間に、第1の反射散乱板が配置され、前記第1の反射散乱板と前記基板保持部の間において、前記蒸発源から放射される蒸発物質を左右から挟む形で、第2の反射散乱板が配置され、前記第1の反射散乱板は加熱される手段を有し、前記第2の反射散乱板は加熱される手段を有さないことを特徴とする真空蒸着装置。
【0013】
(2)前記ノズルの出口において、蒸発源から放射される蒸発物質を水平方向および左右から囲む形で、前記蒸発源と前記基板保持部との間に、第1の反射散乱板が配置され、前記第1の反射散乱板と前記基板保持部の間において、前記蒸発源から放射される蒸発物質を水平方向および左右から囲む形で、第2の反射散乱板が配置されていることを特徴とする真空蒸着装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明の蒸着装置によれば、基板に均一な膜厚の蒸着を行うことが出来、材料利用効率を向上することが出来、基板に形成された蒸着膜への熱によるダメージが抑制され、かつ、蒸発源におけるノズルのつまりを防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1の蒸発源の概略構成と膜厚分布を示す図である。
【図2】反射散乱板が存在しない場合の蒸発源の概略構成と膜厚分布を示す図である。
【図3】第1の反射散乱板のみを両端に配置した蒸発源の概略構成と膜厚分布を示す図である。
【図4】第1反射散乱板および第2反射散乱板を略した状態における蒸着装置の模式図である。
【図5】実施例1における他の形態の第1反射散乱板と第2反射散乱板を配置した蒸発源の構成を示す図である。
【図6】実施例1におけるさらに他の形態の第1反射散乱板と第2反射散乱板を配置した蒸発源の構成を示す図である。
【図7】有機ELディスプレイ生産工程の一例を示した工程図である。
【図8】実施例2の第1反射散乱板と第2反射散乱板を配置した蒸発源の構成を示す図である。
【図9】実施例2の第2反射散乱板に膜厚モニタ孔が形成され、これに対応して膜厚モニタ7が配置された状態を示す図である。
【図10】実施例2の第1反射散乱板に膜厚モニタ孔が形成され、これに対応して膜厚モニタが配置された状態を示す図である。
【図11】実施例3の蒸着装置の構成を示す図である。
【図12】実施例3の蒸着装置の蒸発源の構成を示す断面図である。
【図13】実施例3の蒸着装置の蒸発源の他の構成を示す断面図である。
【図14】実施例3の蒸着装置の蒸発源のさらに他の構成を示す断面図である。
【図15】蒸発源の比較例を示す断面図である。
【図16】実施例3の蒸着装置の蒸発源において、第2反射散乱板を冷却した構成の例を示す断面である。
【図17】従来技術の蒸着装置を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下,実施例を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。尚,実施形態を説明するための全図において,同一機能を有するものは同一符号を付け,その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0017】
図1から図4は本実施例を説明する図である。図1は本実施例の蒸発源の概略構成を示す図である。図示されない基板1に対向して,複数の蒸発源ユニット31を横方向(幅方向)に配置した蒸発源3,蒸発源ユニット31に設けられた複数のノズル4が配置され,基板1と蒸発源3の間に,加熱された第1反射散乱板5と、加熱されない第2反射散乱板6が設けられている。蒸発源ユニット31の中には,例えば蒸発材料の入った図示しない坩堝があり,坩堝の一端にノズル4が形成されている。
【0018】
坩堝は蒸着材の融点以上の温度に加熱されている。第1反射散乱板5,第2反射散乱板6は,蒸発源3に固定され,基板1に対して水平方向に走査される。これにより基板1の全面に蒸着材が蒸着される。
【0019】
第1反射散乱板5は抵抗加熱により蒸着材の融点から160〜60℃低い温度に加熱されている。第2反射散乱板6は水冷機構を有す。ノズルから蒸発した蒸着粒子は四方へ飛んでゆくが,第1反射散乱板5に衝突した蒸着粒子は加熱されているために反射散乱される。したがって,蒸着粒子は第1反射散乱板5には蒸着されず,基板方向へと向かい基板に蒸着される。また,第2反射散乱板6に衝突した蒸着粒子は第2反射散乱板6に蒸着されるものもあるが,再び反射散乱される粒子もある。第2反射散乱板6は水冷機構を有し,基板に近い側が60℃以下に保たれている。これにより,第2反射散乱板6を冷却しない場合より倍以上の確率で蒸着粒子の反射散乱確率が高くなることを見出した。
【0020】
さらに、反射散乱板の表面を蒸発材の酸化物塗布しておくと,塗布しない場合と比べて倍以上の確率で蒸着粒子の反射散乱確率が高くなることを見出した。つまり、有機EL表示装置における上部電極としてAgを用いる場合は、反射散乱板にAgOを塗布し、上部電極としてMgAgを用いる場合は、MgO,AgOを反射散乱板に塗布しておく。これらの金属酸化膜の塗布方法は、例えば、反射散乱板にこれらの金属を蒸着し、その後、酸化雰囲気中で加熱することによって、これらの金属を酸化して、酸化物を形成する。
【0021】
また,基板に近い側の第2反射散乱板6は第1反射散乱板5のように高温ではないので,基板上に形成されている有機薄膜への熱ダメージを与えることはない。このように,横方向の端で蒸着材が追い返される確率が高まるので,分布の均一性が増すと共に,材料利用効率が向上する。さらには,第1反射散乱板5が加熱されていないと,ノズル付近の反射散乱板に蒸着材が堆積し,成長して長期にはノズルの孔を塞ぐ、ノズルつまりの問題が発生する。しかし,本実施の形態では,ノズル近接の第1反射散乱板5は加熱されているため、蒸着材が堆積しないので,ノズルつまりが発生することはない。図1の下方に示すグラフは、基板における蒸着膜厚の分布を示す。図1に示すように、基板全体において、膜厚分布(膜厚の平均値に対する最大値,最小値)を±3%以内におさえることができる。
【0022】
図2は反射散乱板が存在しない場合の蒸発源の概略構成と膜厚分布を示す図である。マルチポイントソース蒸発源において,基板に蒸着される膜を均一な膜厚分布にしようとすると,図2示すように,幅方向に蒸発源ユニット31を基板からはみ出して設置する必要がある。図2における100はこの場合の蒸着材料の飛散範囲であるが、図からわかるように、材料利用効率が低下する。図2のグラフはこの場合の膜厚分布である。このように、蒸発源3を基板の幅よりも広げて配置した場合であっても、膜厚分布は±5%であり、図1の本実施例の場合よりも膜厚のばらつきは大きい。
【0023】
図3は第1反射散乱板5のみを使用した場合の蒸発源の概略構成と膜厚分布を示す図である。図3示すように,横方向端に反射散乱板を配置すると,基板外に向かう蒸発粒子の一部が反射散乱板に衝突して基板内に戻る。これにより,基板両端の分布強度が高くなり,蒸発源ユニット31間ピッチも小さくできる。これにより,中間の分布くぼみも浅くできるので,より均一な膜厚分布を実現することが出来、蒸発源ユニット31の配置を基板の範囲内に配置した場合でも、膜厚分布を±5%とすることが出来る。また、材料利用効率を改善する効果もある。しかし,図1に示した構造ほど膜厚の均一性は改善されず、材料利用効率の改善度合いも小さい。さらに、図3において、反射散乱板が加熱されていない場合は、ノズルつまり防止の効果は期待できない。
【0024】
図4は、本実施例の蒸着装置の第1反射散乱板5,第2反射散乱板6を略した概略構成を示す図である。高真空に維持された,真空チャンバ15の中に,基板1と,その上に成膜された有機薄膜2と,基板を保持するための図示されない基板保持部が配置されている。また、基板上にパターンを形成するためのメタルマスク13と,蒸発材料10を噴射する噴射部であるノズルが複数個、線状に配置したリニアソース、または、ノズルを1個あるいは複数個配置したポイントソースを複数個並べた蒸発源3、基板1への成膜レートをモニタする膜厚モニタ7,および蒸発源3を移動させる水平移動機構14が設けられている。この水平移動機構14によって、蒸発源3は蒸発源ガイド30に沿って真空チャンバ15内を水平移動する。
【0025】
膜厚モニタ7からの信号を受けて膜厚情報を電源16にフィードバックする膜厚制御器16と,蒸発源3が備える図示しない坩堝を加熱して蒸発源3から蒸発粒子11を発生させるために蒸発源3の温度を制御する電源17と,水平駆動機構14により蒸発源を水平に移動させる水平駆動機構制御器18と,前記電源16と前記膜厚制御器15,および水平駆動機構制御器18を制御する制御器19を備えている。
【0026】
図5は,本実施例の、外形が直方体の第1反射散乱板と外形が直方体の第2反射散乱板を配置した蒸発源の構成を示す図である。すなわち、図1が第1反射散乱板と第2反射散乱板は蒸発源と基板の間の左右のみに存在していたのに対し、図5では、蒸発源と基板の間の水平方向(走査方向)にも存在している。
【0027】
図5において、有機薄膜2が形成された基板1に対向して,複数の蒸発源ユニット31を横方向に配置した蒸発源3,蒸発源ユニット31に設けられた複数のノズル4が配置されている。基板1と蒸発源3の間に,加熱された第1反射散乱板5と第2反射散乱板6が設けられている。これら全体が図5には図示されない真空チャンバ内に配置されている。以下では,基板1とその上に形成された有機薄膜2,あるいは基板1上に形成されたそれ以外の薄膜をも含めて基板1と呼ぶことがある。蒸発源ユニット31の中には,例えば蒸発材料Agの入った図示しない坩堝があり,坩堝の一端にノズル4が形成されている。図5では図4に示したメタルマスク13は省略されている。
【0028】
坩堝は加熱されて中の蒸発材料が蒸発し,ノズル4から基板1に向かって飛散する。蒸発源は例えば基板1の上部から下部へ縦方向に走査され,基板1全体に蒸発材料Agの薄膜が均一に形成される。
【0029】
坩堝はAgの融点962℃以上の温度,例えば1200℃に加熱されている。第1反射散乱板5,第2反射散乱板6は,蒸発源に固定され,基板1に対して水平方向に走査される。これにより基板1の全面にAgが蒸着される。第1反射散乱板5は抵抗加熱により800〜900℃に加熱されている。すなわち,蒸発材料の融点の160℃から60℃低く設定されている。第2反射散乱板6は基板に近い方の半分が水冷されている。ノズルから蒸発した蒸着粒子は四方へ飛んでゆくが,第1反射散乱板5に衝突した蒸着粒子は加熱されているために反射散乱される。図5では図1と異なり、第1反射散乱板5と第2反射散乱板は、左右のみならず、水平方向にも存在しているので、蒸発材料の膜厚はより正確に制御することが出来る。その他の構成および作用は図1で説明したのと同様であるので説明を省略する。
【0030】
図6は,本実施例の、第2反射散乱板に膜厚モニタ孔8が設けられ、対応する部分に膜厚モニタ7配置した構成を示す図である。膜厚モニタ7は例えば水晶振動子とその水晶振動子を水冷する機構を有し,第2反射散乱板6あるいは蒸発源に固定されている。膜厚モニタ7は蒸発源の走査と共に走査され,ノズルから飛散する蒸発材料の蒸発(蒸着)レートをモニタする。これにより所望の膜厚の薄膜を形成する。
【0031】
図7は,有機ELディスプレイ生産工程の一例を示した工程図である。図7において、有機層と有機層に流れる電流を制御する薄膜トランジスタ(TFT)が形成されたTFT基板と、有機層を外部の湿気から保護する封止基板は別々に形成され、封止工程において組み合わされる。
【0032】
図7のTFT基板の製造工程において、ウェット洗浄された基板に対してドライ洗浄を行う。ドライ洗浄は紫外線照射による洗浄を含む場合もある。ドライ洗浄されたTFT基板に先ず、TFTが形成される。TFTの上にパッシベーション膜および平坦化膜が形成され、その上に有機EL層の下部電極が形成される。下部電極はTFTのドレイン電極と接続している。下部電極をアノードとする場合は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜が使用される。
【0033】
下部電極の上に有機EL層が形成される。有機EL層は複数の層から構成される。下部電極がアノードの場合は、下から、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層である。このような有機EL層は蒸着によって形成される。
【0034】
有機EL層の上には、各画素共通に、ベタ膜で上部電極が形成される。有機EL表示装置がトップエミッションの場合は、上部電極にはIZO等の透明電極、あるいは、Ag、MaAg等の金属あるいは合金が使用され、有機EL表示装置がボトムエミッションの場合は、Ag,Mg,Al等の金属膜が使用される。以上で説明した前記のAg蒸着等の例は本工程での上部電極の蒸着に相当する。
【0035】
図7の封止基板工程において、ウェット洗浄およびドライ洗浄を行った封止基板に対してデシカント(乾燥剤)が配置される。有機EL層は水分があると劣化をするので、内部の水分を除去するためにデシカントが使用される。デシカントには種々な材料を用いることが出来るが、有機EL表示装置がトップエミッションかボトムエミッションかによってデシカントの配置方法が異なる。
【0036】
このように、別々に製造されたTFT基板と封止基板は封止工程において、組み合わされる。TFT基板と封止基板を封止するためのシール材は、封止基板に形成される。封止基板とTFT基板を組み合わせた後、シール部に紫外線を照射して、シール部を硬化させ、封止を完了させる。このようにして形成された有機EL表示装置に対して点灯検査を行う。点灯検査において、黒点、白点等の欠陥が生じている場合でも欠陥修正可能なものは修正を行い、有機EL表示装置が完成する。なお、封止基板が存在しない、いわゆる固体封止の有機EL表示装置の製造についても、本発明の蒸着装置を使用できることは言うまでもない。
【0037】
以上のように,本発明により,基板上に形成されている有機薄膜への熱ダメージを与えることはなく,膜厚分布の均一性が増すと共に,材料利用効率が向上し,ノズルつまりも発生することはないので,特性的な再現性が高く、信頼性の高い有機EL表示装置を提供することが出来る。
【実施例2】
【0038】
図8は本実施例の第1反射散乱板と第2反射散乱板を配置した蒸発源の構成を示す図である。実施例1と異なるのは,第2反射散乱板6の構成である。本実施形態2の第2反射散乱板6は,基板1を囲む形状でチャンバに固定配置される。第1反射散乱板5は蒸発源3に固定されて,蒸発源3とともに走査される。蒸発源ユニット31の中には,例えば蒸発材料Agの入った図示しない坩堝があり,坩堝の一端にノズルが形成されている。
【0039】
実施例1と同様に,坩堝は加熱されて中の蒸発材料が蒸発し,ノズル4から基板1に向かって飛散する。蒸発源3は第1反射散乱板5とともに基板1の上部から下部へ縦方向に走査され,基板1全体に蒸発材料Agの薄膜が均一に形成される。図8の構成は、第2反射散乱板6を除いて実施例1の図1、図5等と同様の構成となっており、重複した説明は省略する。
【0040】
本実施例の特徴は、加熱された第1反射散乱板5は蒸発源3に接続されているが、加熱されない第2反射散乱板6はチャンバに固定されており、第1反射散乱板と第2反射散乱板は
が接続されていないことである。また、第1反射散乱板は移動するが第2反射散乱板は移動しないので、第2反射散乱板6全体に第1反射散乱板による熱が伝わりにくい。したがって、第2反射散乱板の温度による基板ダメージ抑制に、より有効である。
【0041】
図9は,本実施例の第2反射散乱板に縦長の膜厚モニタ孔8が設けられ、この膜厚モニタ孔8に対し膜厚モニタ7が配置されている状態を示す図である。膜厚モニタ7は水晶振動子とその水晶振動子を水冷する機構を有し,蒸発源に固定されている。第2反射散乱板に縦長の窓,膜厚モニタ孔8が開けられている。この膜厚モニタ孔8は,膜厚モニタ7のセンサである水晶振動子がノズル4から発せられる蒸発材を受けることが出来る位置設けられる。膜厚モニタ7は蒸発源の走査と共に走査され,ノズルから飛散する蒸発材料の蒸着レートをモニタする。これにより所望の膜厚の薄膜を形成する。本例では,加熱された第1反射散乱板5の距離が離れ,加熱されない第2反射散乱板の後ろに膜厚モニタ7を配置するので,膜厚モニタに第1反射散乱板の熱が伝わり難く,膜厚モニタの信頼性が高くなる効果がある。
【0042】
図10は,本実施例の第1反射散乱板に膜厚モニタ孔8が設けられ、膜厚モニタ孔8に対応して、膜厚モニタが配置された状態を示す図である。膜厚モニタ7は水晶振動子とその水晶振動子を水冷する機構を有し,蒸発源に固定されている。蒸発源の走査と共に走査され,ノズルから飛散する蒸発材料の蒸発(蒸着)レートをモニタする。これにより所望の膜厚の薄膜を形成する。本例では,第2反射散乱板に膜厚モニタ用の縦長の窓を開ける必要がなく,チャンバ汚染が抑えられる効果がある。
【実施例3】
【0043】
本実施例は第1反射散乱板5を坩堝からの放射熱によって、加熱する構成である。図11は,本実施例の蒸着装置の構成を示す図である。図11において、第2反射散乱板6は基板1側に向かって縦方向の開口径が大きくなっている。図12は、図11のA−B断面図である。図12は,本実施例の蒸着装置の蒸発源3の構成を示す図である。
【0044】
蒸発源3は、蒸発材料10を蒸発させるための坩堝20、坩堝20を加熱するためのヒータ21、ヒーター21からの熱を遮蔽して外部に出さないためのリフレクタ22、蒸発した蒸発材料10を蒸発粒子11として噴出させるためのノズル4,ノズル4から放出される蒸着粒子を反射散乱させ,かつ蒸着粒子11がリフレクタ22内やヒータ21回りに入り込んで汚染されることを防ぐための第1反射散乱板5と,冷却機構24を有する第2反射散乱板6,およびこれらを収納,固定するハウジング23から構成される。
【0045】
坩堝20は,ステンレス、チタン、モリブデン、セラミック(アルミナ、ジルコニア、PBN)等によって形成されている。リフレクタ22は、ステンレス、チタン、モリブデン等によって形成され,熱遮蔽効果を挙げるために、1〜5枚金属板を挿入する。本実施形態では、金属板3枚によるリフレクタを用いている。第1反射散乱板5はステンレス、チタン、モリブデン等により形成されるが,本実施形態では高温で使用するため,チタンを用いている。第2反射散乱板6は,ステンレス、チタン、モリブデン等により形成されるが,本実施形態では加熱されないので,ステンレスを用いている。本実施形態の冷却機構24は水冷を用いている。蒸発材料としてAgの例を示す。
【0046】
坩堝20内の蒸発材料10であるAgがヒータ21によって融点(962℃)以上に加熱されて,蒸発し蒸着粒子11となってノズル4を経て外部へ放射される。リフレクタ22が坩堝を取り囲むように配置され,ヒータ21,坩堝20からの熱をヒータ21,坩堝20へ追い返す。これにより,ハウジング23の加熱を抑制し,かつ熱源に熱を戻すことにより熱効率を高める。ハウジング23は通常冷却され(図示されない),ハウジングのノズル側面も500℃以下に保持される。
【0047】
蒸着粒子11はノズルから四方へ放射されるが,第1反射散乱板5に衝突した蒸着粒子11は第1反射散乱板5に留まることなく反射散乱され,基板1側へ向かう。したがって,第1反射散乱板5にはAgが蒸着されず,蒸着粒子の堆積の成長によって堆積物がノズル孔を塞ぐ、いわゆるノズルつまりはない。第1反射散乱板5の温度と第1反射散乱板5への蒸着を調べたところ,800℃以上に維持すれば第1反射散乱板5にAgが蒸着されないことがわかった。また,第1反射散乱板5の温度が高くなりすぎると熱輻射による基板1へのダメージが大きくなるので,なるべく温度を低くしたい。そこで,第1反射散乱板の基板側先端27が810℃になるように調整した。
【0048】
また,第2反射散乱板6は加熱されておらず,ノズルから放射された蒸着粒子11は第2反射散乱板6に堆積するものもあるが,反射散乱されるものもある。反射散乱される確率が高い方が望ましい。実験の結果,第2反射散乱板6を冷却することにより,蒸着粒子11の反射散乱確率が高くなる。本実施例では水冷により第2反射散乱板6を冷却している。これにより,第2反射散乱板6への蒸着を抑制することが出来る。長時間の蒸着後も第2反射散乱板6に蒸着された堆積物がノズルまで成長してノズル孔を防ぐことはなかった。
【0049】
図12において,第1反射散乱板5付近にリフレクタ22が存在していないため,発熱した坩堝20からの輻射熱により,第1反射散乱板5が加熱される。すなわち,坩堝22の基板1側面からの輻射熱によって第1反射散乱板5を加熱する。そのために,本例では,第1反射散乱板5と坩堝20の間にリフレクタ22を配置していない。また,図12の第1反射散乱板5は坩堝20に直接接触しているので,熱伝導によっても坩堝20の熱が第1反射散乱板5に伝わり,効果的に加熱出来る。
【0050】
図13は,本実施例の蒸着装置の蒸発源の他の構成を示す断面図である。本例では,第1反射散乱板5が坩堝に直接接触していない。第1反射散乱板5が加熱されすぎて余分な輻射熱が基板1側へ放射される場合は,第1反射散乱板5の加熱を抑制する必要がある。本例では,第1反射散乱板5が坩堝20に直接接触しないことにより,熱伝導による坩堝20の熱が第1反射散乱板5に伝わらないので,第1反射散乱板5の加熱を抑制出来る。第1反射散乱板5を坩堝20に固定する場合でも,絶縁物を介して部分的にネジ止めしても熱伝導を最小限に抑制することが出来,同様な効果が得られる。
【0051】
図14は,本実施例の蒸着装置の蒸発源の他の構成を示す断面図である。本例では,第1反射散乱板5付近のリフレクタ3枚の内,1枚のリフレクタのみが坩堝の基板側面を覆っている。これにより,第1反射散乱板5の加熱を抑制することが出来る。本図では,第1反射散乱板5が坩堝20に接触していないが,接触させてもよい。また,本例では,第1反射散乱板5付近のリフレクタ3枚の内,1枚のリフレクタのみが坩堝の基板側面を覆っている例を示したが,1枚に限定されるものではない。要は,坩堝の基板1側面から第1反射散乱板5への熱輻射強度をリフレクタの構造,配置によって調整して,第1反射散乱板5の温度,特に第1反射散乱板の基板側先端27の温度を最適化することである。図14における構成のその他の作用は実施例1で説明したのと同様であるので、その他の説明は省略する。
【0052】
図15は,本実施例の蒸着装置の蒸発源の構成と比較するための蒸発源の構成を示す図である。図15では,蒸発源3に第1反射散乱板5の代わりに蒸着粒子11がリフレクタ22内やヒーター21回りに入り込んで汚染されることを防ぐための防着板25が備えられている。防着板25は冷却されたハウジングに接続されており坩堝20とは離れており,坩堝20の基板側の面からの熱輻射を抑えるように,防着板25の坩堝20の基板側の面と防着板25の間にリフレクタ22が配置されている。この場合には,坩堝20から防着板25の熱伝導および熱輻射が遮られるので,防着板は800℃以下の温度になり,蒸着堆積物26が堆積し,時間の経過と共にノズル孔にまで堆積物が成長してノズルつまりを発生し,正常な蒸着を不可能にする。
【0053】
図15の構成に対して、以上で述べた本実施例を適用すれば,このようなノズルつまりを防止することが出来,信頼性の高い蒸着装置を提供することが出来る。
【0054】
図16は本実施例の蒸着装置の蒸発源の他の構成を示す図である。図12との違いは,冷却機構24がハウジング23に配置され,ハウジング23の冷却と第2反射散乱板6の冷却を兼用していることである。これにより,冷却機構が簡単になる。しかし,図12のような配置と,図16のような配置の両方を備えて冷却を強化してもよい。冷却としては水冷を用いることが出来る。
【0055】
以上の本実施例によれば,ノズルに近接した加熱された第1反射散乱板5により蒸着粒子11が反射散乱され,第1反射散乱板5に蒸着されないので,ノズルつまりを防止することが出来ると共に,材料利用効率を高める効果がある。また,加熱されない第2反射散乱板6により,蒸着粒子の反射散乱確率が高まるので,材料利用効率を高める効果がある。
【0056】
本発明は,上記の形態のみに制限されず,上記で述べた様々な組合わせも含まれる。また,有機EL表示装置や照明装置に用いられる有機EL素子を製造する工程を例にして述べたが,磁気テープ等,他分野の蒸着工程を含むものの全てに適用可能であることは言うまでもない。
【0057】
実施例1等における第2反射散乱板5の冷却には、水冷を用いるとして説明した。他には、ペルチェ素子を用いて、該当部分から吸熱する方式を用いることも出来る。
【0058】
以上のように,本発明による蒸着装置によれば,従来装置に比べてノズルつまりを防止し,基板への熱的ダメージを防止し,信頼性が高まると共に,材料利用効率を高めることが可能となる。すなわち,均一な膜厚分布と材料利用効率向上を実現し,かつ基板へダメージを与えず,ノズルつまりも防止する手段を提供できる。
【0059】
以上で説明した構成では、基板に対して蒸発源が所定の方向に移動して、基板に蒸着する構成である。しかし、本発明は、蒸発源が固定され、基板が所定の方向に移動する構成の蒸着装置に対しても適用することが出来る。すなわち、基板に均一な蒸着膜を形成するには、基板と蒸発源とが相対的に移動すればよい。また,前述した各実施形態の諸組み合わせで,可能なもの全てが本発明として実施可能であることは言うまでもない。
【0060】
以上,前記諸実施形態に基づき具体的に説明したが,本発明は,前記実施形態に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は,蒸着装置に関し,特に,均一な膜厚分布と材料利用効率向上を実現する装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…基板,2…有機薄膜,3…蒸発源,4…ノズル,5…第1反射散乱板,6…第2反射散乱板,7…膜厚モニタ,8…膜厚モニタ孔,9…膜厚モニタ固定具,10…蒸発材料,11…蒸発粒子,12…発熱体,13…メタルマスク,14…水平駆動機構,15…真空チャンバ,16…膜厚制御器,17…電源,18…水平駆動機構制御器,19…制御器,20…制御器,21…ヒータ,22…リフレクタ,23…ハウジング,24…冷却機構,25…防着板,26…蒸着堆積物,27…第1反射散乱板の基板側先端,30…蒸着源ガイド,31…蒸発源ユニット,100…蒸着物質飛散範囲。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバ内に複数のノズルが第1の方向に配列した長手方向を有する蒸発源と、基板を保持する基板保持部を有し、
前記蒸発源が前記基板保持部に対して前記第1の方向と直角方向の第2の方向に相対的に移動することによって前記基板に蒸着を行う真空蒸着装置であって、
前記ノズルの出口において、蒸発源から放射される蒸発物質を少なくとも前記長手方向の両側から挟む形で、前記蒸発源と前記基板保持部との間に、第1の反射散乱板が配置され、
前記第1の反射散乱板と前記基板保持部の間において、前記蒸発源から放射される蒸発物質を少なくとも前記長手方向の両側から挟む形で、第2の反射散乱板が配置され、
前記第1の反射散乱板は加熱される手段を有し、
前記第2の反射散乱板は加熱される手段を有さないことを特徴とする真空蒸着装置。
【請求項2】
真空チャンバ内に複数のノズルが第1の方向に配列した長手方向を有する蒸発源と、基板を保持する基板保持部を有し、
前記蒸発源が前記基板保持部に対して前記第1の方向と直角方向の第2の方向に相対的に移動することによって前記基板に蒸着を行う真空蒸着装置であって、
前記ノズルの出口において、蒸発源から放射される蒸発物質を四方から囲む形で、前記蒸発源と前記基板保持部との間に、第1の反射散乱板が配置され、
前記第1の反射散乱板と前記基板保持部の間において、前記蒸発源から放射される蒸発物質を四方から囲む形で、第2の反射散乱板が配置され、
前記第1の反射散乱板は加熱される手段を有し、
前記第2の反射散乱板は加熱される手段を有さないことを特徴とする真空蒸着装置。
【請求項3】
前記第2の反射散乱板は、前記真空チャンバに固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の真空蒸着装置。
【請求項4】
前記第2の反射散乱板は、前記蒸発源に固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の真空蒸着装置。
【請求項5】
前記第1の反射散乱板の温度は、前記蒸発源に存在する蒸発材料の融点よりも、160℃〜60℃低いことを特徴とする請求項1または2に記載の真空蒸着装置。
【請求項6】
前記第1の反射散乱板が加熱される手段は、抵抗加熱であることを特徴とする請求項1または2に記載の真空蒸着装置。
【請求項7】
前記蒸発源は、蒸発材料を収容する坩堝と、前記坩堝からの輻射熱を坩堝の側に反射するレフレクタを有し、
前記第1の反射散乱板が加熱される手段は、前記蒸発源に存在する坩堝からの熱輻射または熱伝導であることを特徴とする請求項1または2に記載の真空蒸着装置。
【請求項8】
前記蒸発源において、前記第1の反射散乱板と前記坩堝の間にはリフレクタが存在しないことを特徴とする請求項7に記載の真空蒸着装置。
【請求項9】
前記第1の反射散乱板は前記坩堝と接触していることを特徴とする請求項7に記載の真空蒸着装置。
【請求項10】
前記第2の反射散乱板は冷却手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の真空蒸着装置。
【請求項11】
前記冷却手段は水冷であることを特徴とする請求項10に記載の真空蒸着装置。
【請求項12】
前記第2の反射散乱板の表面に蒸発材料の酸化物を塗布したことを特徴とする請求項1または2に記載の真空蒸着装置。
【請求項13】
前記第2の反射散乱板に膜厚モニタ用の孔を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の真空蒸着装置。
【請求項14】
前記第1の反射散乱板に膜厚モニタの孔を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の蒸着装置。
【請求項15】
前記蒸発源は、複数の蒸発源ユニットによって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−117114(P2012−117114A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268331(P2010−268331)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】