説明

蓄電システム、電子機器、電動車両および電力システム

【課題】電池の電圧が規定値より小となるか、或いは電池の残容量が0となると、放電を停止し、さらにシステムの電源が維持できなくなったときシステムの電源を自動的に落としてシャットダウン状態とする。
【解決手段】電池モニタ11からの電池の電圧或いはSOCが規定値より小さいと判定されると、放電制御スイッチ22がオフとされる。端子T1およびT2間の電圧に対応する電圧Vxが制御部21のA/Dポートに入力され、その値が監視される。A/Dポートに入力された電圧Vxが規定値より小さいと判定されると、制御部21によってスイッチ回路12がオフとされ、電池モニタ11に対する電源が断たれる。これと共に、スイッチ制御信号S1によって、制御スイッチ25がオフとされる。その結果、DC−DCコンバータ24の動作が停止し、シャットダウンがなされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願開示は、蓄電システム、並びに蓄電システムからの電力を利用する電子機器、電動車両および電力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、リチウムイオン電池などの二次電池の用途が太陽電池、風力発電などの新エネルギーシステムと組み合わせた電力貯蔵用蓄電装置、自動車用蓄電池等に急速に拡大している。大出力を発生するために多数の蓄電素子例えば単位電池(単電池、セルとも呼ばれる。以下の説明では、単に電池と適宜称する。)を使用する場合、複数の蓄電モジュールを直列に接続する構成が採用される。蓄電モジュールは、複数個例えば4個の電池を並列および/または直列に接続して、電池ブロックを構成する。多数の電池ブロックが外装ケースに収納されて蓄電モジュール(組電池とも呼ばれる。)が構成される。
【0003】
さらに、複数の蓄電モジュールを接続し、複数の蓄電モジュールに対して共通の制御装置を設ける構成(かかる構成を電池システムと称する。)が知られている。各蓄電モジュールが処理手段(マイクロプロセッサMPU)を有し、MPUと制御装置との間で通信手段を介して通信する構成とされている。
【0004】
電池システムにおいては、電池の過放電を防止するために、電池電圧が所定の電圧以下になったり、電池部のSOC(State Of Charge)が殆ど0になる場合には、蓄電システム
をシャットダウン(またはパワーダウン)させる必要がある。そして、充電電圧が入力されると、オフから充電状態に復帰するために、充電電圧の入力を検出してシャットダウン状態から充電状態に復帰するための制御が必要とされる。この制御のための回路には、シャットダウン状態でも電力の供給を継続する必要がある。下記の特許文献1には、過放電を検出した場合に、シャットダウン状態となり、シャットダウン状態における回路に流れる電流を少なくして放電を抑制し、長時間にわたって回路に対して電力を供給できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−104015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1では、シャットダウン状態における放電電流を減少させる対策がとらているが、放電電流を0とすることができない。したがって、シャットダウン状態において、長時間が経過すると、電池の容量が減少し、回路に対する電力が不足する状態となり、シャットダウン状態から充電を開始できなくなるおそれがあった。さらに、蓄電モジュール等の電池の個数が変化する場合には、最小限必要な充電電圧が変化する。このような充電電圧の変化を考慮してシャットダウン状態から充電状態に復帰することは、従来では、行われていなかった。
【0007】
したがって、シャットダウン状態における放電電流を0とすることができ、さらに、電池の接続数の相違を考慮してシャットダウン状態から充電状態に復帰することができる蓄電システム、電子機器、電動車両および電力システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本願開示の蓄電システムは、充放電可能な蓄電部と、
電源および負荷の少なくとも一方が接続される正および負の端子と、
蓄電部の正極側と正の端子との間に配される正の電源ラインと、
蓄電部の負極側と負の端子との間に配される負の電源ラインと、
正の電源ラインおよび負の電源ラインの一方に対して挿入される放電制御スイッチ素子と、
蓄電部の電圧および容量の少なくとも一方を検出する検出部と、
検出部からの検出情報に基づいて、放電制御スイッチ素子を制御する制御部と、
正および負の電源ラインとそれぞれ接続され、正および負の端子間の電圧に対応する電圧を制御部に対して供給する制御電源部と、
制御部からの指示に従って制御電源部をオフとする制御スイッチと、
を備え、
放電制御スイッチ素子がオンとされる放電時に、検出部によって、蓄電部の電圧および容量の少なくとも一方が所定値より小と検出されると、制御部によって、放電制御スイッチ素子がオフとされ、その後、
制御部によって検出部の電源をオフとすると共に、制御スイッチによって制御電源部をオフとして蓄電部の放電が停止される蓄電システムである。
【0009】
かかる構成によって、蓄電部が機能しなくなった場合には、自動的に放電を停止することができる。停止後には、検出部および制御部の電源がオフとされるので、シャットダウン状態において電力が不要となり、蓄電部が放電して充電電圧の入力を検出して充電を開始できなくなるおそれを解消できる。
【0010】
本願開示の蓄電システムは、充放電可能な蓄電部と、
電源および負荷の少なくとも一方が接続される正および負の端子と、
蓄電部の正極側と正の端子との間に配される正の電源ラインと、
蓄電部の負極側と負の端子との間に配される負の電源ラインと、
制御部と、
正および負の電源ラインとそれぞれ接続され、正および負の端子間の電圧に対応する電圧を制御部に対して供給する制御電源部と、
正および負の端子間の電圧から形成された電源電圧によって動作し、正および負の端子間の電圧と対応する電圧が入力され、基準電圧と比較して出力を発生する比較部と、
制御部からの指示に従って制御電源部をオフとし、比較部からの指示に従って制御電源部をオンとする制御スイッチと、
を備え、
充電および放電がなされていないオフ時に、比較部に入力される電圧が基準電圧より大となると、比較部からの指示に従って制御スイッチにより制御電源部がオンとされ、
制御部によって検出部の電源がオンとされて蓄電部の充電が開始される蓄電システムである。
【0011】
かかる構成によって、放電を停止した後に、充電電圧の入力を検出して充電を開始することができる。比較部の電源電圧が出力電圧から形成されているので、シャットダウン状態において、比較部は、電源を必要としない。さらに、比較部の入力電圧および基準電圧の一方を蓄電部の蓄電素子の接続数に応じて変化させることによって、蓄電素子の接続数に対応する充電電圧の入力を検出することができる。
【0012】
本願開示の蓄電システムは、充放電可能な蓄電部と、
電源および負荷の少なくとも一方が接続される正および負の端子と、
蓄電部の正極側と正の端子との間に配される正の電源ラインと、
蓄電部の負極側と負の端子との間に配される負の電源ラインと、
正の電源ラインおよび負の電源ラインの一方に対して挿入される放電制御スイッチ素子と、
蓄電部の電圧および容量の少なくとも一方を検出する検出部と、
検出部からの検出情報に基づいて、放電制御スイッチ素子を制御する制御部と、
正および負の電源ラインとそれぞれ接続され、正および負の端子間の電圧に対応する電圧を制御部に対して供給する制御電源部と、
正および負の端子間の電圧から形成された電源電圧によって動作し、正および負の端子間の電圧と対応する電圧が入力され、基準電圧と比較して出力を発生する比較部と、
制御部からの指示に従って制御電源部をオフとし、比較部からの指示に従って制御電源部をオンとする制御スイッチと、
を備え、
放電制御スイッチ素子がオンとされる放電時に、検出部によって、蓄電部の電圧および容量の少なくとも一方が所定値より小と検出されると、制御部によって、放電制御スイッチ素子がオフとされ、その後、
制御部によって検出部の電源をオフとすると共に、制御スイッチによって制御電源部をオフとして蓄電部の放電が停止され、
充電および放電がなされていないオフ時に、比較部に入力される電圧が基準電圧より大となると、比較部からの指示に従って制御スイッチにより制御電源部がオンとされ、
制御部によって検出部の電源がオンとされて蓄電部の充電が開始される蓄電システムである。
本願開示は、上述した蓄電システムに接続される電子機器に電力を供給する蓄電システムである。
本願開示は、上述した蓄電システムから、電力の供給を受ける電子機器である。
本願開示は、上述した蓄電システムから、電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、蓄電システムに関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両である。
本願開示は、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、
送受信部が受信した情報に基づき、上述した蓄電システムの充放電制御を行う電力システムである。
本願開示は、上述した蓄電システムから、電力の供給を受け、または発電装置または電力網から蓄電システムに電力を供給する電力システムである。
【発明の効果】
【0013】
蓄電部が機能しなくなった場合には、自動的に放電を停止することができる。停止後には、検出部および制御部の電源がオフとされるので、シャットダウン状態において電力が不要となり、蓄電部が放電して充電電圧の入力を検出して充電を開始できなくなるおそれを解消できる。さらに、放電を停止した後に、充電電圧の入力を検出して充電を開始することができる。さらに、比較部の入力電圧および基準電圧の一方を蓄電部の蓄電素子の接続数に応じて変化させることによって、蓄電素子の接続数に対応する充電電圧の入力を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】蓄電システムの一例のブロック図である。
【図2】蓄電システムの他の例のブロック図である。
【図3】蓄電システムの具体的構成を示すブロック図である。
【図4】図3の一部のより詳細なブロック図である。
【図5】図4の説明に用いる略線図である。
【図6】電源シャットダウン時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】電源オン時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】蓄電システムの応用例を説明するためのブロック図である。
【図9】蓄電システムの応用例を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に説明する実施の形態は、この発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
【0016】
「蓄電システムの概略」
大出力を発生するために多数の蓄電素子例えば電池セルを使用する場合、複数の蓄電ユニット(以下、蓄電モジュールと称する)を接続し、複数の蓄電モジュールに対して共通に制御装置を設ける構成が採用される。かかる構成を電池システムと称する。蓄電モジュールは、複数の電池セル例えばリチウムイオン二次電池とコントローラとを組み合わせた単位である。
【0017】
図1に示すように、N個の蓄電モジュールMOD1〜MODNが直列に接続される。蓄電モジュールMOD1〜MODNが絶縁部ISを介してインターフェースバスBSと接続されている。各蓄電モジュールMODには、モジュールコントローラCNTと外部のインターフェースバスBSとの間を接続するために絶縁インターフェースIFが設けられている。この絶縁インターフェースIFが蓄電モジュールMODとインターフェースバスBSとの間の絶縁を受け持っている。さらに、各モジュールコントローラが全体の制御装置(以下、出力コントローラと適宜称する。)ICNTと接続され、出力コントローラICNTが充電管理、放電管理、劣化抑制等のための管理を行う。
【0018】
蓄電モジュール内のバス、並びに蓄電モジュールMOD1〜MODNと出力コントローラICNTとを接続するバスBSとしては、シリアルインターフェースが使用される。シリアルインターフェースとしては、具体的にSMバス(System Management Bus)等が使用
される。例えばI2Cバスを使用することができる。I2Cバスは、SCL(シリアルクロック)と双方向のSDA(シリアル・データ)の2本の信号線で通信を行う同期式のシリアル通信である。
【0019】
各蓄電モジュールMODのコントローラCNTと出力コントローラICNTとが通信を行う。すなわち、各蓄電モジュールの内部状態の情報を出力コントローラICNTが受け取り、各蓄電モジュールの充電処理および放電処理が管理される。出力コントローラICNTがN個の蓄電モジュールの直列接続の出力を負荷に対して供給する。蓄電モジュール同士が接続可能とされている。一つの蓄電モジュールの出力電圧を例えば80Vとし、N=1〜N=5の場合では、出力コントローラICNTから(80V〜400V)の出力電圧が発生する。
【0020】
図2は、蓄電システムの他の例を示す。他の例では、N個の蓄電モジュールMOD1〜MODNが直列に接続される。蓄電モジュールMOD1〜MODNのそれぞれは、蓄電モジュールの間を絶縁する絶縁インターフェースを有する。絶縁インターフェースとしてのホトカプラIFS1〜IFSNを通じて各蓄電モジュールのモジュールコントローラが上位或いは下位の蓄電モジュールとの間の通信、または外部の出力コントローラとの間の通信を行う。
【0021】
最下位の蓄電モジュールMOD1に対して出力コントローラICNTが接続される。出力コントローラICNTは、電池システムの全体を制御する。各蓄電モジュールの内部状態の情報を出力コントローラICNTが受け取り、各蓄電モジュールに対する充電電流、並びに放電電流を供給および遮断することによって、各蓄電モジュールの充電および放電が制御される。
【0022】
「蓄電システム」
図3を参照して電池システムについて説明する。電池部BTは、例えば上述したような蓄電モジュールの一つまたは複数により構成される。直列接続される電池の数は、用途等に応じて適宜設定される。電池部BTには、各電池の電圧を検出し、さらに、SOC(State Of Charge)を算出する検出部としての電池モニタ11が設けられている。電池モニタ
11の電源電圧として、電池部BTの出力電圧がスイッチ回路12を介して供給される。なお、実際には、スイッチ回路12は、電池モニタ11の内部に設けられているが、説明の都合上、電池モニタ11と分離して表されている。
【0023】
各電池の電圧が設定された上限値に達したこと、各電池の電圧が設定された下限値に達したこと、SOC等がインターフェースBSを介して出力コントローラICNTの制御部21に対して通知される。制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)な
どにより構成されるマイクロコンピュータである。制御部21は、CPUに対して、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等が接続された構成を有する。制御部PRは、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、電池部BTを管理する。
【0024】
電池部BTの電池の正極側と正の端子T1との間に正の電源ラインL1が配され、電池の負極側と負の端子T2との間に負の電源ラインL2が配される。端子T1およびT2に対しては、出力制御部41を介して電源42または負荷43が接続される。電源42によって電池部BTの電池が充電され、電池部BTの電池の電力が負荷43に供給される。
【0025】
電源42は、電力供給網の交流電力(商用電源)を整流して形成された直流電源、または再生可能なエネルギーを利用した発電装置(ソーラパネル、風力発電装置)である。負荷43は、例えば家庭内の電子機器であり、通常、蓄電システムの直流電力が交流電力に変換されて電子機器に供給される。出力制御部41は、端子T1およびT2に電源42および負荷43の何れを接続するかを制御する。
【0026】
例えばソーラパネルを電源42として使用する場合、その発電量は、天候、時間帯等で変動する。したがって、ソーラパネルの発電量が多い昼間には、ソーラパネルの出力によって蓄電システムの電池部BTの電池が充電されると共に、ソーラパネル出力が負荷43に供給される。そして、夜間には、ソーラパネルが発電しないので、負荷43に対しては、蓄電システムの電池部BTの電池から電力が供給される。このような制御を出力制御部41が行う。但し、この制御は、単純な例であって、負荷43の電力消費量を考慮したり、商用電源の利用が組み合わされ、より複雑な制御がなされる。このような電源42を使用する場合には、端子T1およびT2に対して充電電力が供給される時に、シャットダウン状態の蓄電システムが充電を開始することが必要となる。
【0027】
正の電源ラインL1および負の電源ラインL2の一方、例えば正の電源ラインL1に対して充電制御スイッチ22および放電制御スイッチ23が挿入される。これらのスイッチとしては、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)
を使用することができる。充電制御スイッチ22と並列に放電電流に対して順方向にダイオード22aが接続される。放電制御スイッチ23と並列に充電電流に対して順方向にダイオード23aが接続される。
【0028】
充電制御スイッチ22および放電制御スイッチ23のそれぞれは、制御部21によってオンまたはオフされる。すなわち、充電時には、充電制御スイッチ22がオンし、放電制御スイッチ23がオフし、充電電流がダイオード23aおよび充電制御スイッチ22を通じて電池部BTの電池に供給される。放電時には、充電制御スイッチ22がオフし、放電制御スイッチ23がオンし、放電電流がダイオード22aおよび放電制御スイッチ23を通じて負荷に供給される。なお、充電制御スイッチ22および放電制御スイッチ23は、負の電源ラインL2に挿入しても良い。
【0029】
制御部21に対して電源部としてのDC−DCコンバータ24から電源電圧が供給される。DC−DCコンバータ24には、充電制御スイッチ22と放電制御スイッチ23の間の電源ラインL1から入力電圧が供給される。したがって、DC−DCコンバータ24に対しては、電池部BTからの電圧のみならず、端子T1およびT2に接続される電源42からの電圧も入力される。DC−DCコンバータ24の−側が制御スイッチ25を介して負の電源ラインL2に接続されている。制御スイッチ25は、オン状態でDC−DCコンバータ24が動作し、オフ状態でDC−DCコンバータ24を非動作とするものである。DC−DCコンバータ24は、一例として+80V〜+400Vの入力電圧から+12Vの電源電圧を形成し、形成された電源電圧が制御部21に供給される。
【0030】
制御スイッチ25は、制御部21が出力するスイッチ制御信号S1によってオフとされる。制御部21は、電池モニタ11からの何れかの電池の電圧が設定された下限値に達したことの通知を受けるか、またはSOCが予め設定した値に達したことの通知を受けると、放電制御スイッチ23をオフにする制御信号を出力する。例えば残存容量が0%に達すると放電制御スイッチ23がオフされる。この動作によって、電池の過放電が防止される。
【0031】
さらに、端子T1およびT2間の電圧が制御部21に対して供給され、この電圧が予め設定した規定値(しきい値)より小さくなると制御部21が判定すると、電池モニタ11のスイッチ回路12をオフにする制御信号と、スイッチ制御信号S1を出力する。端子T1および端子T2間に抵抗26および可変抵抗27の直列回路が挿入される。可変抵抗27の抵抗値は、後述するように、電池部BTの電池の接続数に応じてスイッチ部によって設定される。スイッチ部は、ユーザによって設定される。
【0032】
抵抗26および可変抵抗27の接続点に発生する電圧Vxが制御部21のA/D(アナログ/デジタル)ポートに供給され、デジタル信号に変換される。電圧Vxが規定値より小さくなることは、DC−DCコンバータ24が制御部21が動作するのに必要な電源電圧を形成できなくなることを意味する。このような状態まで、端子T1およびT2間の電圧が低下した場合には、スイッチ回路12をオフし、シャットダウンするようになされる。シャットダウン状態では、電池モニタ11、制御部21並びにDC−DCコンバータ24に対する電流が流れない。
【0033】
シャットダウン状態において、端子T1およびT2に対して電源42から充電に必要な電圧が加わると、充電が開始される。端子T1およびT2に対して充電に必要な電圧が加わったことを検出するための比較部として比較器29が設けられている。抵抗26および可変抵抗27の接続点に発生する電圧Vxが比較器29の正側の入力端子に供給される。比較器29の正の電源端子には、ツェナーダイオード30により形成された電源電圧例えば+15Vが供給され、その負の電源端子が電源ラインL2に接続される。ツェナーダイオード30のアノードが電源ラインL2に接続され、そのカソードが抵抗31を介して電源ラインL1に接続される。
【0034】
さらに、比較器29に対する電源電圧が抵抗32および33によって分圧されることによって、基準電圧Vref が形成される。基準電圧Vref が比較器29の負側の入力端子に供給される。比較器29は、入力される二つの電圧の関係が(Vx>Vref )の場合にハイレベルの比較出力を発生し、それ以外の場合でローレベルの比較出力を発生する。比較器29の比較出力がスイッチ制御信号S2として制御スイッチ25に供給される。スイッチ制御信号S2がハイレベルの時に制御スイッチ25がオンとされる。
【0035】
図4および図5を参照して可変抵抗27一例について説明する。なお、図4においては省略されているが、比較器29の出力するスイッチ制御信号S2が図3の構成と同様に、制御スイッチ25に供給されている。例えば抵抗r1およびスイッチS1の直列回路、抵抗r2およびスイッチS2の直列回路、抵抗r3およびスイッチS3の直列回路、抵抗r4およびスイッチS4の直列回路が並列に接続される。スイッチS1〜S4からなるスイッチ部28は、ユーザの操作によって設定可能な構成とされている。抵抗r1〜r4の関係は、例えば(r1=4r4,r2=3r4,r3=2r4)と設定されている。
【0036】
図5に示すように、電池部BTの電池モジュール(複数の電池の直列接続からなる)の接続数(1〜12)に応じてスイッチ部28が設定され、スイッチ部28の設定によって、抵抗r1〜r4の接続が決定される。例えば直列接続数が1の場合には、スイッチS1のみがオンとされ、可変抵抗27の合成抵抗がR1(=r1)となる。(Vx>Vref )となり、比較器29の出力がハイレベルとなるために必要なON電圧V1が決定される。ON電圧V1は、電源42によって抵抗26および可変抵抗27の直列接続に対して印加される電圧である。
【0037】
例えば直列接続数が7の場合には、スイッチS1、S2およびS3がオンとされ、可変抵抗27の合成抵抗がR7(=r1/r2/r3(/は、並列接続を表す)となる。比較器29の出力がハイレベルとなるためのON電圧V7が決定される。さらに接続ユニット数が12の場合には、スイッチS3およびS4がオンとされ、可変抵抗27の合成抵抗がR12(=r3/r4)となる。比較器29の出力がハイレベルとなるためのON電圧V12が決定される。
【0038】
電池モジュールの直列接続数が多いほど、電池部BTの充電を行うのに必要な充電電圧が高くなるために、可変抵抗27が設けられている。上述したように、スイッチ部28の設定によって可変抵抗27の抵抗値が設定される。すなわち、合成抵抗が(R1>R2>R3>R4>R5>R6>R7>R8>R9>R10>R11>R12)の関係とされ、ON電圧が(V1<V2<V3<V4<V5<V6<V7<V8<V9<V10<V11<V12)の関係とされる。例えば直列接続数が最小の1の場合には、ON電圧V1が45V程度であるのに対して、直列接続数が最大の12の場合には、ON電圧V12が670V程度となる。
【0039】
なお、図4においては、省略しているが、可変抵抗27と並列にツェナーダイオードが接続され、制御部21のA/Dポートに供給される電圧がツェナーダイオードのツェナー電圧以下に抑えられるようになされている。
【0040】
「シャットダウン動作」
放電を停止し、さらに、制御部21および電池モニタ11の電源をオフするシャットダウン動作について図6のフローチャートを参照して説明する。フローチャートに示す動作は、予めROM等に格納されているプログラムにしたがって制御部21の制御によってなされる。
【0041】
最初のステップST1において、電池モニタ11から通信によって、電池部BTの各電池の電圧或いはSOCがインターフェースバスBSを介して取得される。取得された電圧或いはSOCが規定値(しきい値)より小さいか否かがステップST2において判定される。取得された電圧或いはSOCが規定値より小さいと判定されると、放電制御スイッチ23がオフとされる。これによって放電が停止する。なお、放電時には、充電制御スイッチ22がオフとされている。
【0042】
ステップST4において、端子T1およびT2間の電圧に対応する電圧Vxが制御部21のA/Dポートに入力され、その値が監視される。電圧Vxは、電池部BTの電圧のみならず、電源42からの電圧が入力される場合には、電源42の電圧も監視している。ステップST5において、A/Dポートに入力された電圧Vxが規定値より小さいか否かが判定される。
【0043】
電圧Vxが規定値より小さいと判定されると、ステップST6において、制御部21によってスイッチ回路12がオフとされ、電池モニタ11に対する電源が断たれる。これと共に、スイッチ制御信号S1によって、制御スイッチ25がオフとされる。その結果、DC−DCコンバータ24の動作が停止する。このようにしてシャットダウンがなされる。シャットダウン状態では、電池モニタ11、制御部21およびDC−DCコンバータ24に対する電流が流れず、消費電力が発生しない。
【0044】
「電源オン動作」
図7を参照してシャットダウン状態から充電を開始する動作の制御について説明する。シャットダウン状態において、端子T1およびT2間に加わる電圧が比較器29によって監視される(ステップST11)。ステップST12において、この電圧が規格値より大きいか否かが判定される。電圧が規格値より大きいと、比較器29がハイレベルの出力を発生する。電池部BTの電池モジュールの直列接続数に応じて可変抵抗27の抵抗値が可変され、基準電圧Vref が一定でも、直列接続数に応じたオン電圧が端子T1およびT2に加わると、比較器29の出力がハイレベルとなる。
【0045】
ステップST12において、電圧が規格値より大きいと判定されると、ステップST13において、比較器29の出力(スイッチ制御信号S2)によって制御スイッチ25がオンとされる。この結果、ステップST14において、DC−DCコンバータ24の電源がオンとされ、制御部21に対して電源が供給される。制御部21の制御によって、充電制御スイッチ22がオンとされると共に、スイッチ回路12がオンとされ、電池モニタ11の電源がオンとされる(ステップST15)。そして、ステップST16で示すように、電池部BTの電池に対する充電が開始され、電池部BTの電池の電圧およびSOCの監視か開始される。
【0046】
上述した本願開示によれば、電池の電圧が規定値より小となるか、或いは電池の残容量が0(または極めて小)となると、放電を停止し、さらにシステムの電源が維持できなくなったときシステムの電源を自動的に落としてシャットダウン状態とする。さらに、電池を充電できる電力が入力されると、自動的にシステムの電源を立ち上げ、電池の監視を行う。したがって、電池の過放電による劣化を防ぎ、電池の残量があるときだけシステムの動作を行うことができる。さらに、シャットダウン状態でも、電力の入力を検出して充電を開始することができる。
【0047】
上述した説明では、蓄電素子として、リチウムイオン二次電池を使用している。しかしながら、リチウムイオン二次電池以外の二次電池を使用しても良い。さらに、二次電池以外の蓄電素子例えば電気二重層キャパシタ (Electric Double Layer Capaciter)を使用しても良い。
【0048】
本願開示は、上述した蓄電システムに接続される電子機器に電力を供給する蓄電システムである。
本願開示は、上述した蓄電システムから、電力の供給を受ける電子機器である。
本願開示は、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、送受信部が受信した情報に基づき、上述した蓄電システムの充放電制御を行う電力システムである。
本願開示は、上述した蓄電システムから、電力の供給を受け、または発電装置または電力網から蓄電システムに電力を供給する電力システムである。
これらの電子機器および電力システムは、例えば住宅の電力供給システムとして実施される。さらに、外部の電力供給網と協働して電力の効率的な供給を図るシステムとして実施される。
さらに、本願開示は、上述した蓄電システムから、電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、蓄電システムに関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両である。
「応用例としての住宅における蓄電システム」
本願開示を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図8を参照して説明する。例えば住宅101用の蓄電システム100においては、火力発電102a、原子力発電102b、水力発電102c等の集中型電力系統102から電力網109、情報網112、スマートメータ107、パワーハブ108等を介し、電力が蓄電装置103に供給される。これと共に、家庭内発電装置104等の独立電源から電力が蓄電装置103に供給される。蓄電装置103に供給された電力が蓄電される。蓄電装置103を使用して、住宅101で使用する電力が給電される。住宅101に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
【0049】
住宅101には、発電装置104、電力消費装置105、蓄電装置103、各装置を制御する制御装置110、スマートメータ107、各種情報を取得するセンサー111が設けられている。各装置は、電力網109および情報網112によって接続されている。発電装置104として、太陽電池、燃料電池等が利用され、発電した電力が電力消費装置105および/または蓄電装置103に供給される。電力消費装置105は、冷蔵庫105a、空調装置105b、テレビジョン受信機105c、風呂105d等である。さらに、電力消費装置105には、電動車両106が含まれる。電動車両106は、電気自動車106a、ハイブリッドカー106b、電気バイク106cである。
【0050】
蓄電装置103に対して、上述した本願開示の蓄電システムが適用される。蓄電装置103は、二次電池又はキャパシタから構成されている。例えば、リチウムイオン電池によって構成されている。リチウムイオン電池は、定置型であっても、電動車両106で使用されるものでも良い。スマートメータ107は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網109は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせても良い。
【0051】
各種のセンサー111は、例えば人感センサー、照度センサー、物体検知センサー、消費電力センサー、振動センサー、接触センサー、温度センサー、赤外線センサー等である。各種センサー111により取得された情報は、制御装置110に送信される。センサー111からの情報によって、気象の状態、人の状態等が把握されて電力消費装置105を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置110は、住宅101に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社等に送信することができる。
【0052】
パワーハブ108によって、電力線の分岐、直流交流変換等の処理がなされる。制御装置110と接続される情報網112の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Tranceiver:非同期シリアル通信用送受信回路)等の通信インターフェースを使う方法、Bluetooth、ZigBee、Wi−Fi等の無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network) またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
【0053】
制御装置110は、外部のサーバ113と接続されている。このサーバ113は、住宅101、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ113が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機等)から送受信しても良い。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等に、表
示されても良い。
【0054】
各部を制御する制御装置110は、CPU(Central Processing Unit )、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成され、この例では、蓄電装置103に格納されている。制御装置110は、蓄電装置103、家庭内発電装置104、電力消費装置105、各種センサー111、サーバ113と情報網112により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能等を備えていても良い。
【0055】
以上のように、電力が火力102a、原子力102b、水力102c等の集中型電力系統102のみならず、家庭内発電装置104(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置103に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置104の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置103に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置103に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置103によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
【0056】
なお、この例では、制御装置110が蓄電装置103内に格納される例を説明したが、スマートメータ107内に格納されても良いし、単独で構成されていても良い。さらに、蓄電システム100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
【0057】
「応用例としての車両における蓄電システム」
本願開示を車両用の蓄電システムに適用した例について、図9を参照して説明する。図9に、本願開示が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
【0058】
このハイブリッド車両200には、エンジン201、発電機202、電力駆動力変換装置203、駆動輪204a、駆動輪204b、車輪205a、車輪205b、バッテリー208、車両制御装置209、各種センサ210、充電口211が搭載されている。バッテリー208に対して、上述した本願開示の蓄電システムが適用される。
【0059】
ハイブリッド車両200は、電力駆動力変換装置203を動力源として走行する。電力駆動力変換装置203の一例は、モータである。バッテリー208の電力によって電力駆動力変換装置203が作動し、この電力駆動力変換装置203の回転力が駆動輪204a、204bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置203が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ210は、車両制御装置209を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ210には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれる。
【0060】
エンジン201の回転力は発電機202に伝えられ、その回転力によって発電機202により生成された電力をバッテリー208に蓄積することが可能である。
【0061】
図示しない制動機構によりハイブリッド車両が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置203に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置203により生成された回生電力がバッテリー208に蓄積される。
【0062】
バッテリー208は、ハイブリッド車両の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
【0063】
図示しないが、二次電池に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていても良い。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。
【0064】
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モーターで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモーターの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モーターのみで走行、エンジンとモーター走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本願開示は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本願開示は有効に適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
MOD,MOD1〜MODN・・・蓄電モジュール
ICNT・・・出力コントローラ
BS・・・バスインターフェース
BT・・・電池部
L1,L2・・・電源ライン
11・・・電池モニタ
12・・・スイッチ回路
21・・・制御部
22・・・充電制御スイッチ
23・・・放電制御スイッチ
24・・・DC−DCコンバータ
25・・・制御スイッチ
27・・・可変抵抗
29・・・比較器
30・・・ツェナーダイオード
42・・・電源
43・・・負荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電可能な蓄電部と、
電源および負荷の少なくとも一方が接続される正および負の端子と、
前記蓄電部の正極側と前記正の端子との間に配される正の電源ラインと、
前記蓄電部の負極側と前記負の端子との間に配される負の電源ラインと、
前記正の電源ラインおよび負の電源ラインの一方に対して挿入される放電制御スイッチ素子と、
前記蓄電部の電圧および容量の少なくとも一方を検出する検出部と、
前記検出部からの検出情報に基づいて、前記放電制御スイッチ素子を制御する制御部と、
前記正および負の電源ラインとそれぞれ接続され、前記正および負の端子間の電圧に対応する電圧を前記制御部に対して供給する制御電源部と、
前記制御部からの指示に従って前記制御電源部をオフとする制御スイッチと、
を備え、
前記放電制御スイッチ素子がオンとされる放電時に、前記検出部によって、前記蓄電部の電圧および容量の少なくとも一方が所定値より小と検出されると、前記制御部によって、前記放電制御スイッチ素子がオフとされ、その後、
前記制御部によって前記検出部の電源をオフとすると共に、前記制御スイッチによって前記制御電源部をオフとして前記蓄電部の放電が停止される蓄電システム。
【請求項2】
充放電可能な蓄電部と、
電源および負荷の少なくとも一方が接続される正および負の端子と、
前記蓄電部の正極側と前記正の端子との間に配される正の電源ラインと、
前記蓄電部の負極側と前記負の端子との間に配される負の電源ラインと、
制御部と、
前記正および負の電源ラインとそれぞれ接続され、前記正および負の端子間の電圧に対応する電圧を前記制御部に対して供給する制御電源部と、
前記正および負の端子間の電圧から形成された電源電圧によって動作し、前記正および負の端子間の電圧と対応する電圧が入力され、基準電圧と比較して出力を発生する比較部と、
前記制御部からの指示に従って前記制御電源部をオフとし、前記比較部からの指示に従って前記制御電源部をオンとする制御スイッチと、
を備え、
充電および放電がなされていないオフ時に、前記比較部に入力される前記電圧が前記基準電圧より大となると、前記比較部からの指示に従って前記制御スイッチにより前記制御電源部がオンとされ、
前記制御部によって前記検出部の電源がオンとされて前記蓄電部の充電が開始される蓄電システム。
【請求項3】
充放電可能な蓄電部と、
電源および負荷の少なくとも一方が接続される正および負の端子と、
前記蓄電部の正極側と前記正の端子との間に配される正の電源ラインと、
前記蓄電部の負極側と前記負の端子との間に配される負の電源ラインと、
前記正の電源ラインおよび負の電源ラインの一方に対して挿入される放電制御スイッチ素子と、
前記蓄電部の電圧および容量の少なくとも一方を検出する検出部と、
前記検出部からの検出情報に基づいて、前記放電制御スイッチ素子を制御する制御部と、
前記正および負の電源ラインとそれぞれ接続され、前記正および負の端子間の電圧に対応する電圧を前記制御部に対して供給する制御電源部と、
前記正および負の端子間の電圧から形成された電源電圧によって動作し、前記正および負の端子間の電圧と対応する電圧が入力され、基準電圧と比較して出力を発生する比較部と、
前記制御部からの指示に従って前記制御電源部をオフとし、前記比較部からの指示に従って前記制御電源部をオンとする制御スイッチと、
を備え、
前記放電制御スイッチ素子がオンとされる放電時に、前記検出部によって、前記蓄電部の電圧および容量の少なくとも一方が所定値より小と検出されると、前記制御部によって、前記放電制御スイッチ素子がオフとされ、その後、
前記制御部によって前記検出部の電源をオフとすると共に、前記制御スイッチによって前記制御電源部をオフとして前記蓄電部の放電が停止され、
充電および放電がなされていないオフ時に、前記比較部に入力される前記電圧が前記基準電圧より大となると、前記比較部からの指示に従って前記制御スイッチにより前記制御電源部がオンとされ、
前記制御部によって前記検出部の電源がオンとされて前記蓄電部の充電が開始される蓄電システム。
【請求項4】
前記放電制御スイッチ素子が挿入されているラインと同一のラインに、充電時にオンとされる充電制御スイッチ素子が挿入されており、
前記制御電源部に前記充電制御スイッチ素子および前記放電制御スイッチ素子の接続点から入力電圧が供給される請求項3に記載の蓄電システム。
【請求項5】
前記制御部によって、前記放電制御スイッチ素子がオフとされた後、前記制御部に入力される前記電圧が所定値より小の場合に、前記検出部の電源オフと前記制御電源部のオフを行う、請求項1、3または4に記載の蓄電システム。
【請求項6】
前記蓄電部の蓄電素子の個数が変更可能とされ、前記制御電源部は、前記個数に応じた入力電圧から一定の前記制御部の電源を形成する請求項1〜5の何れかに記載の蓄電システム。
【請求項7】
前記蓄電部の蓄電素子の個数が変更可能とされ、前記蓄電素子の個数に応じて前記比較部の入力電圧および基準電圧の一方が切り替えられる請求項2、3または4に記載の蓄電システム。
【請求項8】
前記正および負の端子に接続される電源が再生可能エネルギーから発電を行う発電装置である請求項1〜7の何れかに記載の蓄電システム。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載の蓄電システムを有し、前記蓄電システムに接続される電子機器に電力を供給する蓄電システム。
【請求項10】
請求項1〜8の何れかに記載の蓄電システムから、電力の供給を受ける電子機器。
【請求項11】
請求項1〜8の何れかに記載の蓄電システムから、電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、前記蓄電システムに関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両。
【請求項12】
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、
前記送受信部が受信した情報に基づき、請求項1〜8の何れかに記載の蓄電システムの充放電制御を行う電力システム。
【請求項13】
請求項1〜8の何れかに記載の蓄電システムから、電力の供給を受け、または発電装置または電力網から前記蓄電システムに電力を供給する電力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−125045(P2012−125045A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273364(P2010−273364)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】