説明

蓄電装置

【課題】簡易な構成で異常を検知できる蓄電装置を提供する。
【解決手段】蓄電装置は、電池セル25と、第1金属板11と第2金属板12とが積層された集電箔29を備える。第1金属板11と第2金属板12との電位差を測定するための電圧計測器13を備える。第1金属板11および第2金属板12は、互いに異なる金属で形成されている。集電箔29は、電池セル25に接触するように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気を蓄える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池などの蓄電装置は、内部に配置された蓄電セルの電気化学反応によって発熱して温度が上昇する場合がある。蓄電装置は高温になると発電効率が低下する場合があるために内部の温度管理を行なうことが好ましい。
【0003】
特開2000−243370号公報においては、電池ケースの各電池の隔壁に、隣接する電池の電極を電気的に接続するための貫通孔を形成し、この貫通孔に、導電性と熱伝導性に優れた材料により形成された熱伝導部材を配置した集合電池が開示されている。この集合電池においては、熱伝導部材が、陰極側集電板や陽極側集電板と当接する2つの集電板接続体で挟持されている。熱伝導部材は、その一部が、集合電池の外部に突出するように形成されて、突出した部分にサーミスタなどを取り付けることにより集合電池内部の温度を検出することが開示されている。
【0004】
特開平10−55825号公報においては、負極と正極とをセパレータを介して積層するとともに、熱電対を巻込んだ積層電極体を備える非水電解液二次電池が開示されている。熱電対の両端は、電池本体の表面に配置された内部温度計測用端子に接続されている。内部温度計測用端子に制御回路を接続して電圧を測定するとともに、予め設定された適正電圧範囲から外れたときには充放電を抑制する制御を行なうことが開示されている。この非水電解液二次電池においては、安全性を高めつつ電池性能を最大限に引き出すことが可能になると開示されている。
【0005】
特開2004−253155号公報においては、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極を、電解質を挟んで複数枚直列に積層したバイポーラリチウムイオン二次電池において、電極周辺部の一部に、絶縁処理がされておらず、集電体が露出している部分があるバイポーラ電池が開示されている。
【0006】
特開平8−7926号公報においては、正極活物質としてリチウム化合物を用いた正極と、負極活物質としてリチウムをドープし、且つ脱ドープしえる炭素質材料を用いた負極と非水電解液からなる非水電解液二次電池において、正極活物質と負極活物質が1枚の集電体の両側に保持されるバイポーラ型電極を使用した非水電解液二次電池が開示されている。
【特許文献1】特開2000−243370号公報
【特許文献2】特開平10−55825号公報
【特許文献3】特開2004−253155号公報
【特許文献4】特開平08−7926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献においては、電池ケースに熱伝導部材を挿入して、この熱伝導部材の温度を測定することにより、電池の温度を測定することが開示されている。または、巻回された積層体の中心部に熱電対を挿入することにより、電池の温度を測定することが開示されている。しかしながら、これらの電池においては、電池の温度を測定するための構造が複雑であるという問題があった。
【0008】
本発明は、簡易な構成で異常を検知できる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に基づく蓄電装置は、蓄電セルと、第1金属板と第2金属板とが積層された積層金属板とを備える。上記第1金属板と上記第2金属板との電位差を測定するための電位差測定手段を備える。上記第1金属板および上記第2金属板は、互いに異なる金属で形成されている。上記積層金属板は、上記蓄電セルに接触するように配置されている。
【0010】
上記発明において好ましくは、上記蓄電セルに面接触するように配置された集電板を備え、上記集電板は、上記積層金属板を含む。
【0011】
上記発明において好ましくは、複数の上記蓄電セルが積層された積層体を備える。
上記発明において好ましくは、上記電位差測定手段は、上記第1金属板の端部および上記第2金属板の端部にそれぞれ接続されている導線と、上記導線に接続され、上記電位差を測定するための電圧計測器とを含む。
【0012】
上記発明において好ましくは、上記蓄電セルは、電池セルを含む。
上記発明において好ましくは、上記電位差に基づいて温度を検出するための温度検出手段を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構成で異常を検知できる蓄電装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(実施の形態1)
図1から図4を参照して、実施の形態1における蓄電装置について説明する。蓄電装置は、電気を蓄えるための装置であり二次電池やキャパシタ等を含む。本実施の形態においては、蓄電装置として、複数の電池セルが一体化された蓄電装置を例に取り上げて説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態における蓄電装置の概略斜視図である。本実施の形態における蓄電装置は、複数の電池セルを含む二次電池である。また、本実施の形態における蓄電装置は、バイポーラ電極を含むバイポーラ電池である。
【0016】
蓄電装置2は、複数の電池セルが積層された積層体31を備える。矢印100は、複数の電池セルの積層方向を示す。蓄電装置2は、負電極21および正電極23を備える。積層体31は、負電極21および正電極23に挟まれている。負電極21および正電極23は、固定部材35によって互いに固定されている。負電極21および正電極23のそれぞれの表面には、絶縁フィルム24が配置されている。絶縁フィルム24により、蓄電装置2と蓄電装置2が固定される部材との絶縁が形成される。
【0017】
蓄電装置2は、積層体31の周りに配置された樹脂37を備える。樹脂37は、負電極21および正電極23との間に配置されている。樹脂37は、積層体31を取り囲むように配置されている。
【0018】
図2に、本実施の形態における積層体の部分の拡大概略断面図を示す。積層体31は、複数の電池セル25が積層されることにより一体化されている。それぞれの電池セル25は、板状に形成されている。電池セル25は、正極をなす正極活物質層28と、負極をなす負極活物質層26と、正極活物質層28と負極活物質層26との間に介在する電解質層27とから構成されている。
【0019】
電解質層27は、イオン伝導性を示す材料から形成される層である。電解質層27は、固体電解質であっても良いし、ゲル状電解質であっても良い。電解質層27を介在させることにより、正極活物質層28および負極活物質層26間のイオン伝導性を高めることができ、電池の出力を向上させることができる。
【0020】
複数の電池セル25は、矢印100に示す積層方向に隣り合う位置で正極活物質層28と負極活物質層26とが対向するように積層されている。複数の電池セル25同士の間には、集電箔29が配置されている。集電箔29は、板状に形成されている。集電箔29は、電池セル25に面接触している。
【0021】
集電箔29は、面積が最大である面積最大面が電池セル25の活物質層に接合されている。集電箔29の一方の面29bに正極活物質層28が配置され、集電箔29の他方の面29aに負極活物質層26が配置されている。正極活物質層28および負極活物質層26は、たとえばスパッタリングにより集電箔29の表面上に形成されている。
【0022】
バイポーラ電極30は、電池セル25の積層方向に隣り合う電解質層27同士の間に配置された正極活物質層28、集電箔29および負極活物質層26の組により構成されている。バイポーラ電池では、1つのバイポーラ電極30に、正極をなす正極活物質層28と負極をなす負極活物質層26との双方を含む。
【0023】
複数の電池セル25は、負電極21に最も近い側に配置される電池セル25jと、正電極23に最も近い側に配置される電池セル25kとを含む。電池セル25jは、負電極21側の端に負極活物質層26が配置されるように設けられている。電池セル25kは、正電極23側の端に正極活物質層28が配置されるように設けられている。これにより電池セル25jの負極活物質層26に負電極21が接触して、電池セル25kの正極活物質層28に正電極23が接触する。
【0024】
図3に本実施の形態における蓄電装置の端部の概略断面図を示す。樹脂37は、積層体31を密封するように配置されている。樹脂37が配置されることにより、電解質層27が漏出することを防止できる。本実施の形態における積層体は、樹脂封止されている。
【0025】
電解質層の漏出を防止する構造としては、樹脂封止に限られず、任意の形態を採用することができる。たとえば、積層体31が密閉型のケースに覆われていてもよい。または、樹脂に代えて集電箔29同士の間にパッキンが配置されていても構わない。または、電解質層27が固体電解質から形成されている場合には、樹脂37が配置されていなくてもよい。
【0026】
次に、バイポーラ電池を構成する各部材について詳細な説明を行なう。本実施の形態における集電箔29は、異種金属が積層された積層金属板である。集電箔29は、第1金属板11と第2金属板12とを含む。第2金属板12は、第1金属板11と異なる金属で形成されている。本実施の形態における第1金属板11および第2金属板12は、互いにほぼ同じ大きさに形成されている。第1金属板11と第2金属板12とは、面接触している。本実施の形態における第1金属板11は銅箔であり、第2金属板12はアルミニウム箔である。
【0027】
第1金属板および第2金属板は、この形態に限られず、互いに異なる金属であればよい。また、第1金属板および第2金属板は、合板であってもよい。金属板の材質としては、たとえば、銅およびアルミニウムの他に、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)もしくはこれらの合金等を採用することができる。
【0028】
正極活物質層28は、正極活物質および固体高分子電解質を含む。正極活物質層28は、イオン伝導性を高めるための支持塩(リチウム塩)、電子伝導性を高めるための導電助剤、スラリー粘度の調整溶媒としてのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)、重合開始剤としてのAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等を含んでも良い。
【0029】
正極活物質としては、リチウムイオン二次電池で一般的に用いられる、リチウムと遷移金属との複合酸化物を使用することができる。正極活物質として、たとえば、LiCoO2等のLi・Co系複合酸化物、LiNiO2等のLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMn24等のLi・Mn系複合酸化物、LiFeO2等のLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。その他、LiFePO4等の遷移金属とリチウムとのリン酸化合物や硫酸化合物;V25、MnO2、TiS2、MoS2、MoO3等の遷移金属酸化物や硫化物;PbO2、AgO、NiOOH等が挙げられる。
【0030】
固体高分子電解質は、イオン伝導性を示す高分子であれば、特に限定されず、たとえば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体などが挙げられる。このようなポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252等のリチウム塩を容易に溶解する。固体高分子電解質は、正極活物質層28および負極活物質層26の少なくとも一方に含まれる。より好ましくは、固体高分子電解質は、正極活物質層28および負極活物質層26の双方に含まれる。
【0031】
支持塩としては、Li(C25SO22N、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2252、もしくはこれらの混合物等を使用することができる。導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等を使用することができる。
【0032】
負極活物質層26は、負極活物質および固体高分子電解質を含む。負極活物質層は、イオン伝導性を高めるための支持塩(リチウム塩)、電子伝導性を高めるための導電助剤、スラリー粘度の調整溶媒としてのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)、重合開始剤としてのAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等を含んでも良い。
【0033】
負極活物質としては、リチウムイオン二次電池で一般的に用いられる材料を使用することができる。但し、固体電解質を使用する場合、負極活物質として、カーボンもしくはリチウムと金属酸化物もしくは金属との複合酸化物を用いることが好ましい。より好ましくは、負極活物質は、カーボンもしくはリチウムと遷移金属との複合酸化物である。さらに好ましくは、遷移金属はチタンである。つまり、負極活物質は、チタン酸化物もしくはチタンとリチウムとの複合酸化物であることがさらに好ましい。
【0034】
電解質層27を形成する固体電解質としては、たとえば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体等、固体高分子電解質を使用することができる。固体電解質は、イオン伝導性を確保するための支持塩(リチウム塩)を含む。支持塩としては、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、もしくはこれらの混合物等を使用することができる。
【0035】
さらに、正極活物質層28、負極活物質層26および電解質層27を形成する材料の具体例を表1から表3に示す。表1は、電解質層27が有機系固体電解質である場合の具体例を示し、表2は、電解質層27が無機系固体電解質である場合の具体例を示し、表3は、電解質層27がゲル状電解質である場合の具体例を示す。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】
図3を参照して、本実施の形態における蓄電装置2は、第1金属板11と第2金属板12との電位差を測定するための電位差測定手段備え、電位差測定手段は、電圧計測器13を含む。電圧計測器13は、第1金属板11と第2金属板12とに電気的に接続されている。電位差測定手段は、導線14を含む。第1金属板11および第2金属板12は、それぞれが導線14によって電圧計測器13に接続されている。導線14は、第1金属板11の端部に接続されている。また、導線14は、第2金属板12の端部に接続されている。導線14は、積層体31の外側の領域にて第1金属板11および第2金属板12に接続されている。
【0040】
それぞれの導線14は、樹脂37が配置されている領域において、第1金属板11および第2金属板12に接続されている。電圧計測器13は、ゼーベック効果により異種金属同士の間に生じる電位差(電圧)を測定できるように形成されている。
【0041】
本実施の形態における蓄電装置は、電圧計測器13で計測された電位差に基づいて、温度を検出するための温度検出手段として温度検出器を備える(図示せず)。温度検出器においては、予め確認された温度と異種金属同士の間に生じる電位差との相関関係により、集電箔29の温度を検出できるように形成されている。
【0042】
また、本実施の形態における温度検出器は、第1金属板11と第2金属板12との間に生じる電位差から検出された温度と、積層体31の内部における温度との相関関係により、検出された温度を補正する機能を有する。本実施の形態における温度検出器は、積層体31の集電箔29を平面視したときのほぼ中央部分の温度を検出できるように形成されている。このように、温度検出器は、積層体31の内部の温度を検出できるように形成されている。
【0043】
通常の充放電においては、それぞれの集電箔29から検出される電位差は、所定の範囲内である。この電位差範囲を基準電位差範囲としたときに、蓄電装置に異常が生じたときには、それぞれの集電箔29から検出される電位差は、基準電位差範囲から逸れる。集電箔29から検出される電位差を測定することにより、蓄電装置の異常を検知することができる。たとえば、蓄電セル同士の接続不良や電気回路の短絡などを検知することができる。
【0044】
さらに、本実施の形態においては、測定された電位差から積層体の内部の温度が検出可能に形成されているため、積層体の温度が異常であることを検出できる。また、導線が第1金属板の端部および第2金属板の端部に接続されているために、積層体の内部に部品を挿入する必要がなく、簡易な構成で積層体の内部の温度を測定することができる。たとえば、積層体の内部に熱電対などの温度測定機器を挿入しなくても、積層体の内部の温度を測定できる。
【0045】
本実施の形態における蓄電装置は、電池セル25の内部における化学反応に影響を与えることなく、第1金属板11および第2金属板12の電位差を計測することができる。電池セル25の内部における化学反応に影響を与えることなく、蓄電装置の内部の温度を測定することができる。
【0046】
たとえば、電池セルの積層体の内部に熱電対などの温度測定機器が挿入されると、電池セルの内部の化学反応に影響を与えるが、本実施の形態においては、電池セルの積層体の内部に温度を測定するための部材を挿入しないために、電池セルに影響を与えずに積層体の内部の温度を測定することができる。
【0047】
本実施の形態における蓄電装置は、異常が生じたときに充放電を制御する制御装置を備える。制御装置は、たとえば、積層体31の内部の温度が基準電位差範囲を超えている場合には、充放電を抑制するように形成されている。または、積層体31の内部が高温のときには、蓄電装置に接続されている電気回路から蓄電装置を電気的に隔離するように形成されている。
【0048】
本実施の形態においては、それぞれの集電箔29に対して電圧計測器13が接続されている。複数の集電箔29のそれぞれに対して電圧計測器13が接続されている。この構成により、それぞれの集電箔における温度を個別に測定することができ、異常が生じている電池セルを特定することができる。
【0049】
また、それぞれの集電箔に対して電圧計測器が接続されていることにより、微小部分の異常を検知することができるため、早期に蓄電装置全体の異常を検出することができる。または、複数の電池セルのうち、一の電池セルにおいて異常が発見された場合には、蓄電装置全体に異常が生じていると判断しても構わない。
【0050】
本実施の形態における蓄電装置は、電池セルに面接触するように配置された集電板を備え、集電板は積層金属板を含む。この構成により、集電板に異常を検知する機能を持たせることができる。または、構成を簡略化することができる。
【0051】
本実施の形態における蓄電装置は、複数の電池セルが積層された積層体を備える。この構成により、蓄電池装置の容量を大きくしたり、出力電圧を大きくしたりすることができる。
【0052】
図4に、本実施の形態における蓄電装置の製造方法を説明する概略断面図を示す。本実施の形態における蓄電装置の製造方法は、電池セル25の両側に第1金属板11および第2金属板12が配置された単位セルを製造する工程と、これらの単位セルを積層する工程とを含む。
【0053】
本実施の形態における蓄電装置の製造方法においては、第1金属板11と第2金属板12とが表面に配置された電池セル25を、矢印101,102に示すように互いに接合する。一の電池セル25において表面に配置された第1金属板11と、他の電池セル25に配置された第2金属板12とが互いに接合される。
【0054】
このように、本実施の形態においては、電解質層、活物質層および集電箔を順に積層していく必要はなく、それぞれの電池セルを含む単位セルを製造しておいて、後に、これらの単位セルを積層して製造することができる。このため、積層型電池の製造工程が簡略化され、容易に製造を行なうことができる。または、電池セルの積層体を製造した後の試験において、導線の接続不良を発見したとしても、容易に補修を行なうことができて歩留まりが向上する。
【0055】
本実施の形態における蓄電セルは電池セルを含むが、この形態に限られず、蓄電セルはキャパシタを含んでいても構わない。積層体としては単一のキャパシタが複数積層されていても構わない。
【0056】
また、本実施の形態における積層体は、複数の電池セルが一の側を向くように積層されているが、特にこの形態に限られず、任意の積層方法を採用することができる。たとえば、電池セルを並列に接続するために互いに反対側を向く電池セルが含まれていても構わない。
【0057】
(実施の形態2)
図5を参照して、実施の形態2における蓄電装置について説明する。
【0058】
図5は、本実施の形態における蓄電装置の端部の概略断面図である。本実施の形態において、第1金属板11と第2金属板12との電位差を測定するための電位差測定手段は、電圧計測器13を備える。電位差測定手段は、導線15を備える。第1金属板11および第2金属板12は、それぞれが導線15によって電圧計測器13に接続されている。本実施の形態における蓄電装置は、電圧計測器13で計測された電位差に基づいて温度を検出するための温度検出手段として温度検出器を備える(図示せず)。
【0059】
それぞれの導線15は、第1金属板11の端部および第2金属板12の端部に接続されている。本実施の形態において、それぞれの導線15は、電池セル25の積層体の外側の領域にて接続されている。さらに、導線15は、樹脂37が配置されている領域の外側の領域にて接続されている。
【0060】
本実施の形態の蓄電装置においては、電池セル25を積層した後に、導線15を第1金属板11の端部および第2金属板12の端部に接続することができ、容易に製造を行なうことができる。または、導線15が樹脂37の外側の領域に接続されているために、樹脂37で積層体31を固化した後に、導線15の接続を行なうことができ、容易に製造を行なうことができる。
【0061】
本実施の形態の蓄電装置においては、蓄電装置を製造した後の試験において、導線15の接続不良を発見したとしても、容易に補修を行なうことができて歩留まりが向上する。
【0062】
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0063】
上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には、同一の符号を付している。
【0064】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施の形態1における蓄電装置の概略斜視図である。
【図2】実施の形態1における蓄電装置の概略断面図である。
【図3】実施の形態1における蓄電装置の拡大概略断面図である。
【図4】実施の形態1における蓄電装置の製造方法を説明する概略断面図である。
【図5】実施の形態2における蓄電装置の拡大概略断面図である。
【符号の説明】
【0066】
2 蓄電装置、11 第1金属板、12 第2金属板、13 電圧計測器、14,15 導線、21 負電極、23 正電極、24 絶縁フィルム、25,25j,25k 電池セル、26 負極活物質層、27 電解質層、28 正極活物質層、29 集電箔、29a,29b 面、30 バイポーラ電極、31 積層体、35 固定部材、37 樹脂、100〜102 矢印。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電セルと、
第1金属板と第2金属板とが積層された積層金属板と、
前記第1金属板と前記第2金属板との電位差を測定するための電位差測定手段と
を備え、
前記第1金属板および前記第2金属板は、互いに異なる金属で形成され、
前記積層金属板は、前記蓄電セルに接触するように配置されている、蓄電装置。
【請求項2】
前記蓄電セルに面接触するように配置された集電板を備え、
前記集電板は、前記積層金属板を含む、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
複数の前記蓄電セルが積層された積層体を備える、請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記電位差測定手段は、前記第1金属板の端部および前記第2金属板の端部にそれぞれ接続されている導線と、
前記導線に接続され、前記電位差を測定するための電圧計測器と
を含む、請求項1から3のいずれかに記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記蓄電セルは、電池セルを含む、請求項1から4のいずれかに記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記電位差に基づいて温度を検出するための温度検出手段を備える、請求項1から5のいずれかに記載の蓄電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−47510(P2008−47510A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−104963(P2007−104963)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】