説明

薄い転写フィルムまたはメタライゼーションを備えた熱インターフェイス材料組立体、それを備えた装置、及びそれを製造する方法

様々な態様によると、例示的実施形態は熱インターフェイス材料組立体を提供する。一つの例示的実施形態において、熱インターフェイス材料組立体は一般に、第一側面および第二側面を有する熱インターフェイス材料と、約0.0005インチ(0.0127mm)以下の厚さを有する乾燥材料とを備える。前記乾燥材料は前記熱インターフェイス材料の第一側面の少なくとも一部に沿って配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は一般には、発熱部品から、熱放散部材および熱発散部材の少なくとも一方(簡略のため、以降ヒートシンクとする)に至るまでの熱伝導性熱経路を設ける熱インターフェイス材料に関する。
【背景技術】
【0002】
ここでは、本願に関する背景事情について述べるに留め、それは従来技術を構成するものではない。
半導体、トランジスタ等の電気部品は一般的に、最適に作動する所定の温度を有する。理想的には、該所定温度は周囲の空気の温度に近い。しかし、電気部品を作動することによって熱が生じ、もし熱が除去されない場合には、電気部品が通常の、もしくは所望の作動温度よりも相当高い温度で作動することになる。このような過剰な温度は、電気部品の作動特性や関連装置の作動に不利な影響を及ぼす。
【0003】
発熱による不利な作動特性を防ぐか、または少なくとも減少させるために、例えば、作動する電気部品からヒートシンクへ熱を伝達させることなどによって、熱を除去すべきである。ヒートシンクは、その後、従来の対流技術及び放熱技術の少なくとも一方によって冷却され得る。熱は、伝達の間、電気部品及びヒートシンクの間の直接的な面接触か、中間媒体または熱インターフェイス材料(TIM)を通した電気部品及びヒートシンク表面の接触かの少なくとも一方によって、作動する電気部品からヒートシンクへ伝わる。比較的質の悪い熱導体である空気で充填された空隙の場合と比較して、伝熱効率を向上させるために、伝熱面の間の空隙を充填するように、熱インターフェイス材料が用いられる。いくつかの装置においては、電気部品とヒートシンクとの間に電気絶縁体も設けられ、多くの場合、これはTIM自体である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な態様によると、熱インターフェイス材料組立体について例示的実施形態が提供される。一つの例示的実施形態において、熱インターフェイス材料組立体は、一般に、第一側面及び第二側面を備える熱インターフェイス材料と、約0.0005インチ(0.0127mm)以下の厚みを有する乾燥材料とを備える。乾燥材料は熱インターフェイス材料の第一側面の少なくとも一部に沿って配置される。
【0005】
別の例示的実施形態において、熱界面組立体は一般に、第一側面および第二側面を有する熱インターフェイス材料と、約0.0005インチ(0.0127mm)以下の厚さを有する金属層とを備える。前記金属層は第一および第二側面を備える。前記金属層の第一側面は前記熱インターフェイス材料の第一側面の少なくとも一部に沿って配置される。ポリマ塗膜が前記金属層の第二側面の少なくとも一部上に配置される。
【0006】
さらなる態様は、熱界面組立体の使用法や製造法等の熱インターフェイス材料組立体に関連する方法を提供する。一つの例示的実施形態において、熱インターフェイス材料組立体の製造法は、一般に、乾燥材料が約0.0005インチ(0.0127mm)以下の厚みを有するように、熱インターフェイス材料の第一側面の少なくとも一部に沿って、前記熱インターフェイス材料に前記乾燥材料を設ける工程を含む。
【0007】
別の例示的実施形態は、発熱部品からの熱伝導に関連する方法を提供する。この例示的実施形態において、該方法は一般に、熱インターフェイス材料組立体を、概して発熱部品の表面とヒートシンクの表面との間に設置し、それにより前記発熱部品、前記熱インターフェイス材料組立体、及び前記ヒートシンクによって画定される熱伝導性熱経路を確立する工程を含む。前記熱インターフェイス材料組立体は、熱インターフェイス材料と、前記熱インターフェイス材料の少なくとも一部に沿って配置された約0.0005インチ(0.0127mm)以下の厚さを有する乾燥材料とを備え得る。
【0008】
本願のさらなる態様および特徴が以下の詳細な説明によって明らかになる。さらに、本願の任意の一つ以上の態様は、独立して、あるいは、本願の他の任意の態様の一つ以上と組合わせて実施可能である。詳細な説明および具体的な例は、本願の例示的実施形態を示すものであるが、説明のみを目的とするものであり、本願の権利範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】例示的実施形態による熱インターフェイス材料と、メタライゼーションまたは金属層と、剥離コーティングと、剥離ライナとを有する熱インターフェイス材料組立体の断面図。
【図2】例示的実施形態によるメタライゼーション層または転写フィルムを熱相変化材料にラミネートする工程を含む例示的方法の工程流れ図。
【図3】例示的実施形態によるメタライゼーション層または転写フィルムを熱ギャップ充填材にラミネートする工程を含む別の例示的方法の工程流れ図。
【図4】熱インターフェイス材料と、メタライゼーションまたは金属層とを含む熱インターフェイス材料組立体を製造するための別の例示的方法の工程流れ図。
【図5】熱インターフェイス材料と、メタライゼーションまたは金属層と、下側剥離コーティングと、下側剥離ライナとを有する熱インターフェイス材料組立体の別の例示的実施形態の断面図。
【図6】例示的実施形態による熱インターフェイス材料と熱インターフェイス材料の上側面にわたって乾燥フィルムとを有する熱インターフェイス材料組立体の断面図。
【図7】熱インターフェイス材料と熱インターフェイス材料の一部にわたって縞パターンで乾燥材料とを有する熱インターフェイス材料組立体の別の例示的実施形態の斜視図。
【図8】熱インターフェイス材料と熱インターフェイス材料の一部にわたって乾燥材料とを有する熱インターフェイス材料組立体の別の例示的実施形態の斜視図。
【図9】熱インターフェイス材料および乾燥材料を有する熱インターフェイス材料組立体を製造するための別の例示的方法の工程流れ図。
【図10A】例示的実施形態による熱インターフェイス材料に薄い乾燥材料を設ける例示的パターンを示す図。
【図10B】例示的実施形態による熱インターフェイス材料に薄い乾燥材料を設ける例示的パターンを示す図。
【図10C】例示的実施形態による熱インターフェイス材料に薄い乾燥材料を設ける例示的パターンを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載の図面は説明のためにすぎず、如何なる方法によっても本願の権利範囲を限定するものではない。以下の記載は本来、例示的なものにすぎず、本願の開示、応用、あるいは利用を限定するものではない。
【0011】
熱伝達経路を形成するために、発熱部品とヒートシンクとの間には、厚手の金属箔を備えた熱インターフェイス材料が用いられてきた。しかしながら、本願の発明者の認識によると、(例えば、1ミル(0.0254mm)厚、2ミル(0.0508mm)厚等の)金属箔の厚さは比較的長い熱伝達経路をもたらし、ひいては金属箔の厚さは熱インピーダンスを増大させ、熱特性に悪影響を及ぼす。こうした熱的な悪影響があるにも係らず、1ミル(0.0254mm)の厚さを有する金属箔、もしくは2ミル(0.0508mm)の厚さを有する金属箔でさえも、担体ライナを用いることなく熱インターフェイス材料として適用可能な自己支持性、独立性、自立性の材料として用いられている。さらに、薄い金属層、又は転写フィルムは、通常脆すぎるため、自己支持性にはできず、従って、独立性の層としては扱われない。
【0012】
本願の発明者はより薄い金属箔を用いることによって、より短い熱伝導性経路がもたらされると認識したため、本願の発明者は、本明細書において様々な例示的実施形態を開示し、これらの例示的実施形態は、熱インターフェイス材料であって、少なくとも一部に沿って薄いメタライゼーションと、薄い金属層と、少なくとも一部にポリマ塗膜(例えば、熱インターフェイス材料に対向する金属層の側面上の5オングストローム(5×10−10m)厚のポリマ塗膜等)を施した薄い金属層とのうち一つ以上を有する熱インターフェイス材料、及び薄い乾燥材料(例えば、熱インターフェイス材料の一部または前面にわたるポリマ又は他の乾燥材料のフィルムまたは層、縞パターン(図10A)、均一な点パターン(図10B)、不均一な点パターン(図10C)等の所定のパターン状の乾燥材料等)の少なくとも一つを含む。メタライゼーション、金属層、金属層/ポリマ塗膜、及び乾燥材料の少なくとも一つの厚さを薄くすることにより、相当厚い金属箔を備える熱インターフェイス材料組立体と比較して、熱インターフェイス材料組立体の熱特性を改良することが可能となる。
【0013】
熱伝導性経路のより低い熱インピーダンスをもたらす短い熱経路に加えて、メタライゼーション、金属層、金属層/ポリマ塗膜、及び乾燥フィルムの少なくとも一つの薄さは、接合面との良好な適合をも可能とし、熱インピーダンスは、少なくともある程度は、有効な表面の面接触の度合いにも依存するため、より低い熱インピーダンスをももたらす。接合面の適合能力はヒートシンクの表面にとって重要であり、かつ/あるいは、発熱部品は一般的には完全に平坦、かつ/又は、平滑ではなく、そのため一様でない接合面の間に空隙または空間が存在しがちであり、ひいては、経路の熱伝導性に関するインピーダンスを増加させる(空気は比較的質の悪い熱伝導体である)。従って、空隙を除去することによって、熱伝導性経路の熱インピーダンスをより低減させ、かつ経路の熱伝導性を増加させ、それによって経路に沿った熱の伝導を促進させることができる。
【0014】
本明細書で開示される様々な実施形態は、薄いメタライゼーション、薄い金属層、薄い金属層/ポリマ塗膜、及び薄い乾燥材料(例えば、薄い乾燥フィルム、層、パターン等)の少なくとも一つを備え、より厚い金属箔を有する熱インターフェイス材料と比較して、熱インターフェイス材料の熱特性に悪影響を及ぼすことは少ない(熱インピーダンス、又は抵抗の増加量がより少ない)。この事実を説明するために、以下の限定するものではない例及び試験結果が、説明の目的のためだけに、限定しないものとして提供される。レアード テクノロジーズ社から利用可能なT−pcm(商標)580Sシリーズ熱相変化材料から製造された試験片の熱抵抗を測定した。試験片として、金属箔を熱相変化材料上に異なる厚さで、塗布または塗膜した。ポリエステルフィルムによる転写によってT−pcm(商標)580Sシリーズ熱相変化材料に塗布した厚さ0.0001インチ(0.00254mm)の金属箔を備える試験片の熱抵抗は、0.019℃in/W(約12.26℃mm/W)と測定された。比較として、厚さ0.0007インチ(0.01778mm)の自己支持性フィルム即ち自立フィルムを備えた試験片の熱抵抗は0.04℃in/W(約25.81℃mm/W)と測定された。
【0015】
熱特性の改善に加え、本明細書において開示するいくつかの例示的実施形態は、一つ以上の比較的薄い層またはフィルム(例えば、メタライゼーション、薄い金属層、薄い金属層/ポリマ塗膜、薄い乾燥材料、フィルム、又は層等)上に、又はそれを覆って保護ライナも備える。このような実施形態において、保護ライナは熱インターフェイス材料組立体を設置する前に除去することができる。いかなる保護ライナも用いずに自己支持性すなわち自立性、独立性の薄い金属箔が用いられる際にしばしば起こり得る薄い層またはフィルムの表面欠陥の可能性は、保護ライナを使用することによって、低減可能である。
【0016】
従って、薄いメタライゼーション、薄い金属層、薄い金属層/ポリマ塗膜、及び薄い乾燥材料/フィルム/層の少なくとも一つを備える熱インターフェイス材料を有する熱インターフェイス材料組立体の様々な例示的実施形態が本明細書で開示される。熱インターフェイス材料(例えば、ポリマ塗膜、乾燥フィルム、転写フィルム等)の少なくとも一部上に薄い材料、フィルム、層、又は塗膜が存在することによって、熱インターフェイス材料組立体を接合部品から清潔、かつ容易に取り除くことが可能となり、例えば、プリント基板、中央処理装置、画像処理装置、記憶モジュール、又は他の発熱部品をすぐ再加工することを可能とする。さらに、薄いメタライゼーション、薄い金属層、薄い金属層/ポリマ塗膜、及び薄い乾燥材料(例えば、乾燥フィルム、乾燥層、乾燥パターン等)のすくなくとも一つは、特定の実施形態において、以下の利点のうちの一つ以上を有することもできる。熱インターフェイス材料の静電気放電を減少させることができ、熱インターフェイス材料の構成物質(例えば、シリコーン等)が、接合面に接触し、かつ接合面を汚すことを防ぐ(又は、少なくともその可能性を低減する)ことができ、メタライゼーション、金属層、又は導電性フィルムを備える熱インターフェイス材料の側面上において導電性または電気絶縁性を有することができ、メタライゼーション、金属層、金属、又は乾燥材料を備える熱インターフェイス材料の側面においてLED又は他の光源からの光を反射することができる。
【0017】
さらに本明細書で開示されるものは、厚さ0.0005インチ(0.0127mm)以下(例えば、0.0005インチ(0.0127mm)、5オングストローム(5×10−10m)等)の比較的薄い乾燥材料を備える熱インターフェイス材料組立体の例示的実施形態であり、前記薄い乾燥材料は応従性または形状適合性の熱インターフェイス材料(例えば、ギャップ充填材、相変化材料、パテ、熱伝導性絶縁体など)の片面または両面に配置される。例として、前記薄い乾燥材料は、薄い乾燥フィルム、薄い乾燥層、所定のパターンの薄い乾燥材料(例えば、縞パターン(図10A)、均一な点パターン(図10B)、及び不均一な点パターン(図10C)等)、ポリマ、金属、プラスチック、又は紙の材料、フィルム、又は層などを備える。薄い乾燥材料を備えるこれらの例示的実施形態において、前記薄い乾燥材料は、前記乾燥材料が配置されていた表面からの前記熱インターフェイス材料組立体の比較的清潔で容易な剥離を可能にするように構成される。例えば、前記熱インターフェイス材料組立体は、ヒートシンクと、発熱部品(例えば、プリント基板組立体、中央処理装置、グラフィック処理装置、記憶モジュール、他の発熱部品など)との間に配置されるか、挟まれるか、設置され、前記乾燥材料は前記発熱部品の面に接触し、それによって、熱伝導性熱経路が、前記発熱部品から、前記乾燥材料、前記熱インターフェイス材料を介して、前記ヒートシンクまで画定される。この後者の例において、前記乾燥材料は前記発熱部品からの前記熱インターフェイス材料組立体の清潔な剥離を可能にし、保守、修理、交換などのために前記発熱部品を扱うことが可能となる。別の例として、前記熱インターフェイス材料組立体は、乾燥材料がヒートシンクの表面に接触した状態で、発熱部品と、前記ヒートシンクとの間に配置されるか、挟まれるか、設置され、前記発熱部品から、前記熱インターフェイス材料、前記乾燥材料を介して、前記ヒートシンクまで熱伝導性熱経路が画定される。この二番目の例において、保守、修理、交換などのために前記発熱部品を扱うため、前記ヒートシンクが取り外されるときなどに、前記乾燥材料は前記ヒートシンクからの前記熱インターフェイス材料組立体の清潔な剥離を可能とする。
【0018】
さらに、前記乾燥材料は一部の実施形態の以下の利点の一つ以上も提供することができる。例えば、前記乾燥材料は、発熱部品よりむしろヒートシンクに接着または粘着するために、所望の表面から優先的に剥離するように構成されることもできる。前記乾燥材料は、設置者の手や部品の表面などへの接着力、付着力、又は粘着力を抑制することによって、より容易な取扱いや設置を可能とする。熱インターフェイス材料組立体が二つ以上の剥離ライナの代わりに一つの剥離ライナだけを備える場合、前記乾燥材料は製造ラインの速度を向上させ、製造および出荷の少なくとも一方の費用を削減することも可能とする。前記乾燥材料は、グラスファイバによって強化された製品と比較して、熱特性に関して不都合な衝撃が少なく、製品の強度を改善することが可能である。様々な実施形態において、前記乾燥材料は彩色され、または前記熱インターフェイス材料とは異なる色を有することにより、前記乾燥材料はより容易に認識され、前記熱インターフェイス材料と識別することを可能とする。この彩色することは、前記TIM組立体のどの面が前記ヒートシンクに接触して配置されるべきかや、どの面が発熱する電気部品に接触して配置されるべきかなど、前記TIM組立体を設置するために適切な角度を設置者がより迅速に、かつ容易に決定することを可能とする。前記TIM組立体に用いられる特定の材料に応じて、乾燥材料は熱インターフェイス材料より高いか、または低い熱伝導率を有し、かつ/または熱インターフェイス材料104よりも大きいか、または小さい形状適合性を有することができる。
【0019】
ここで、図1を参照すると、本開示の一つ以上の態様を具体化する多層構造すなわち熱インターフェイス材料(TIM)組立体100の例示的実施形態が示されている。図1に示すように、図示したTIM組立体100は、一般に、熱インターフェイス材料104と、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料(例えば乾燥フィルムまたは層など)116と、剥離コーティング120、128と、剥離ライナ132、140(またはより広くは、基材または支持層132、140)とを備える。TIM組立体100の様々な部分104、116、120、128、132、140については、本明細書においてより詳細に説明する。
【0020】
代替的に、他の実施形態は、剥離コーティング120、128のいずれか一方または双方を備えておらず、かつ/あるいは、剥離ライナ132、140のいずれか一方または双方を備えていないTIM組立体を有する。例えば、TIM組立体の別の実施形態は、一般に、熱インターフェイス材料(例えば104等)と、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料(例えば116等)とを備え、いかなる剥離コーティング120もしくは128、または剥離ライナ132、140も有さない。TIM組立体のさらなる実施形態は、一般に、熱インターフェイス材料(例えば104等)と、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料(例えば116等)と、上側剥離ライナおよび下側剥離ライナ(例えば120、128等)とを備え、下側剥離ライナと熱インターフェイス材料との間、または上側剥離ライナとメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料との間に、いかなる剥離コーティング(例えば120、128等)も有さない。TIM組立体の付加的な実施形態は、一般に、熱インターフェイス材料(例えば104等)と、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料(例えば116等)と、上側剥離ライナおよび下側剥離ライナ(例えば120、128等)と、下側剥離ライナおよび熱インターフェイス材料の間に位置する剥離コーティングのみ(例えば128等)とを備える。その結果、これらのTIM組立体の実施形態は上側剥離ライナとメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料との間にいかなる剥離コーティング(例えば120等)を有さない。TIM組立体の一つの特定の実施形態は、一般に、熱インターフェイス材料(例えば104等)と、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料(例えば116、すなわち乾燥材料のフィルムまたは層など)と、上側剥離ライナおよび下側剥離ライナ(例えば120、128等)と、下側剥離ライナと熱インターフェイス材料との間に位置する剥離コーティングのみ(例えば128等)とを備える。その結果、上側剥離ライナと乾燥材料との間には剥離コーティング(例えば120等)は存在しない。この特定の例では、乾燥材料は上側剥離ライナに直接接しており、乾燥材料は、上側剥離ライナと乾燥材料との間に剥離コーティングを必要とすることなく、上側剥離ライナから剥離するように形成されている。しかしながら、代替的な実施形態は、乾燥材料と剥離ライナとの間に剥離コーティングを備えてもよい。
【0021】
本明細書に開示する様々な実施形態において、熱インターフェイス材料104は様々な材料から形成されてもよく、それらの材料の一部は、以下において、ミズーリ州セントルイスのレアード テクノロジーズ インコーポレイテッドからの、従ってレアード テクノロジーズ インコーポレイテッドの商標によって識別される、例示的な材料を説明する表に列記されている。該表およびその表に列記されている材料は、本明細書に開示する任意の一つ以上の例示的実施形態における熱インターフェイス材料として用いられてもよく、これらは説明のみを目的として提供されており、限定を目的とするものではない。
【0022】
一部の実施形態において、熱インターフェイス材料104は、ギャップ充填材(例えばレアード テクノロジーズからのT−flex(商標)ギャップ充填材またはT−pli(商標)ギャップ充填材など)である。例として、ギャップ充填材は、約3W/mKの熱伝導率と、約0.46℃in/W(約296.77℃mm/W)、または0.62℃in/W(約400.00℃mm/W)、または0.85℃in/W(約548.39℃mm/W)、または1.09℃in/W(約703.22℃mm/W)、または1.23℃in/W(約793.54℃mm/W)などの熱インピーダンス(ASTM D5470(修正試験法)を用いて、10ポンド毎平方インチ(約68.95kPa)で測定)とを有し得る。さらなる例として、ギャップ充填材は、約1.2W/mKの熱伝導率と、約0.84℃in/W(約541.93℃mm/W)、または1.15℃in/W(約741.93℃mm/W)、または1.50℃in/W(967.74℃mm/W)、または1.8℃in/W(約1161.89℃mm/W)、または2.22℃in/W(約1432.26℃mm/W)などの熱インピーダンス(ASTM D5470(修正試験法)を用いて、10ポンド毎平方インチ(約68.95kPa)で測定)とを有し得る。付加的な具体例としてのギャップ充填材は、約6W/mKの熱伝導率と、約0.16℃in/W(約103.23℃mm/W)、または0.21℃in/W(約135.48℃mm/W)、または0.37℃in/W(約238.71℃mm/W)、または0.49℃in/W(約316.13℃mm/W)、または0.84℃in/W(約541.93℃mm/W)などの熱インピーダンス(ASTM D5470(修正試験法)を用いて、10ポンド毎平方インチ(約68.95kPa)で測定)とを有し得る。
【0023】
他の実施形態において、熱インターフェイス材料104は、相変化材料(例えばレアード テクノロジーズ インコーポレイテッドからのT−pcm(商標)580Sシリーズ相変化材料など)である。例として、相変化材料は、約50℃の相変化軟化点、約−40℃〜125℃の動作温度範囲、約3.8W/mKの熱伝導率、および約0.019℃in/W(約12.26℃mm/W)または0.020℃in/W(約12.90℃mm/W)の熱インピーダンス(ASTM D5470(修正試験法)を用いて、10ポンド毎平方インチ(約68.95kPa)で測定)などを有し得る。
【0024】
さらなる実施形態において、熱インターフェイス材料104は、熱伝導性絶縁体(例えばレアード テクノロジーズからのT−gard(商標)500熱伝導性絶縁体など)である。例として、熱伝導性絶縁体は、約0.6℃in/W(約387.10℃mm/W)の熱インピーダンス(ASTM D5470(修正試験法)を用いて、10ポンド毎平方インチ(約68.95kPa)で測定)などを有し得る。
【0025】
すぐ下の表は、本明細書に記載および/または図示する任意の一つ以上の例示的実施形態において熱インターフェイス材料として用いられ得る様々な例示的な熱インターフェイス材料を列記している。これらの例示的な材料は、ミズーリ州セントルイスのレアード テクノロジーズ インコーポレイテッドから市販されており、従って、レアード テクノロジーズ インコーポレイテッドの商標によって識別される。この表および該表に列記する材料および特性は、説明のみを目的として提供されており、限定を目的とするものではない。
【0026】
【表1】

【0027】
上記の表に列記した例に加えて、好ましくは空気単体よりも良好な熱導体である他の熱インターフェイス材料も用いられ得る。他の例示的な材料としては、応従する、または形状適合性のシリコーンパッド、非シリコーン系材料(例えば非シリコーン系ギャップ充填材料、熱可塑性および/または熱硬化性ポリマエラストマ材料など)、シルクスクリーン材料、ウレタンフォームまたはゲル、熱パテ、熱グリース、熱伝導性添加物などが挙げられる。一部の実施形態においては、一つ以上の形状適合性熱インターフェイスパッドが用いられ、該熱インターフェイスパッドは、電気部品を覆ってプリント基板にシールド装置が設置される場合、その電気部品に接触させて配置されるときに、前記熱インターフェイスパッドが電気部品の寸法および外形に比較的緊密に適合するのに十分な圧縮性および可撓性を有する。この比較的緊密に適合して閉じ込める方法で電気部品に係合することによって、形状適合性熱インターフェイスパッドは熱エネルギを放散する際に電気部品からカバーへと熱を奪うことができる。さらに、熱インターフェイスはまた、本明細書に開示されるようなカバーの孔の中に容易に押し込まれるかまたは押し出されるのに十分に柔軟であり、形状適合可能であり、かつ/または応従可能な材料から形成され得る。
【0028】
さらに図1を参照すると、TIM組立体100は、概して剥離コーティング120と、熱インターフェイス材料104の上面すなわち第一側面108との間に配置されたメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116を備える。メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は、好ましくは熱抵抗への影響を全く有さないかそれに近く、表面(例えば、発熱部品またはヒートシンクなどの表面)に適合するために比較的応従性を有するか、形状適合可能であるか、または可撓的である様々な材料から形成され得る。良好な熱導体であり、かつ合わせ面との良好な適合が可能な材料を用いることは、より低い熱インピーダンスを与える。メタライゼーションまたは金属層または材料116は、TIM組立体100と共に用いられる特定の材料によって、熱インターフェイス材料104より高いか、または低い熱伝導率を有し、かつ/または熱インターフェイス材料104よりも形状適合性が大きいか、または小さい材料から形成され得る。さらに、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116はまた、例えば、発熱部品の再加工または修理のために、熱インターフェイス材料104を発熱部品またはヒートシンクから、清潔かつ容易に取り外すことを補助する。いくつかの例示的実施形態において、乾燥材料116は、発熱部品またはヒートシンクの表面からの比較的清潔かつ容易な取り外しを可能にするように構成された材料(例えばポリマ、紙、プラスチックなど)のフィルムまたは層を備える。従って、このような実施形態では、乾燥フィルムおよび熱インターフェイス材料(乾燥フィルムが設けられ、または貼り付けられて熱インターフェイス材料組立体を形成する)は、乾燥フィルムが熱インターフェイス材料に沿って付着され、または配置されたまま、乾燥フィルムが配置された表面から、単一の複合組立体として一緒に除去され得る。他の例示的実施形態では、銅を含むメタライゼーションまたは金属層116が存在する。さらに別の例示的実施形態では、熱インターフェイス材料は、熱インターフェイス材料とは概して反対側のメタライゼーションまたは金属層の表面上にコーティング(例えばポリマコーティングなど)を有するメタライゼーションまたは金属層116を含むか、または備えていてもよい。代替的な実施形態は、銅以外の他の金属(例えば銀、スズなど)、合金、非金属材料、ポリマ、プラスチック、紙材料などを含む、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116に用いられる一つ以上の他の材料を含み得る。さらなる例として、例示的実施形態は、約0.0005インチ(0.0127mm)以下の厚さを有するアルミニウムを含むメタライゼーションまたは金属層116を備えてもよい。他の実施形態は、約0.0002インチ(0.00508mm)、0.0001インチ(0.00254mm)、5オングストローム(5×10−10m)、0.0001インチ(0.00254mm)未満、5オングストローム(5×10−10m)未満などの厚さを有するメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116を有し得る。本明細書において開示するように、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は、一部の実施形態においては、Dun−ranという商標名の製品などの、ペンシルバニア州ブリストルのダンモア(Dunmore) コーポレイションからの製品(例えば熱活性化接着剤層を有するダンモアDT273メタライゼーションフィルム、ダンモアDT101メタライゼーション転写層など)、またはポリマコーティングを備えたメタライゼーションまたは金属の層またはフィルムを有する他の製品のサブコンポーネントまたは一部として設けられ得る。
【0029】
熱インターフェイス材料にメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料を設けるために、特定の実施形態によって、様々なプロセスおよび技術が用いられ得る。一部のプロセスの例としては、他の適当なプロセスの中でも、蒸着、真空メタライゼーション、ラミネート法、カレンダ法、スパッタリング、電解メッキ、気化、フラッシュコーティング、グラビア印刷を用いたコーティング、フレキソ印刷コーティング、パターンでの印刷、他のコーティング技術、転写担体(例えばポリエステルライナなど)を介して転写する、または設けることが挙げられる。例として、乾燥材料は、担体ライナから剥離して熱インターフェイス材料に転写するように構成されていてもよい。従って、そのような例においては、乾燥材料を担体ライナから熱インターフェイス材料に転写することにより、熱インターフェイス材料に乾燥材料を設け得る。
【0030】
さらに、図1は、単一のメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料の層/フィルム116のみを示している。代替的な実施形態は、熱インターフェイス材料の下方に第二/下側メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料の層/フィルムを備えてもよい。さらに、一部の実施形態は、熱インターフェイス材料の一方、双方またはすべての側面および/または表面の上に、完全にまたは部分的に、配置された、被覆された、転写された、施された、または他の方法で設けられた一つ以上のメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料の層/フィルム(例えば、異なる金属材料の複数の層、同一の材料の複数の層、異なる合金の複数の層、非金属層の複数の層、一つ以上の金属層および/または一つ以上の非金属層を含む複数の層、乾燥材料の複数の層など)を備えてもよい。例えば、別の実施形態は、熱インターフェイス材料の上部に直接形成された第一銅メタライゼーションまたは金属層と、耐酸化性を改善するために、例えばスパッタリング技術によって前記銅の上部に直接形成された第二ニッケルメタライゼーションまたは金属層とを備え得る。別の例は、メタライゼーションまたは金属層の上部に直接ポリマコーティングを有する、熱インターフェイス材料の上部に直接形成されたメタライゼーションまたは金属層を備え得る。さらに別の例は、熱インターフェイス材料の上部に乾燥材料(例えば乾燥ポリマフィルムなど)の層またはフィルムを直接備え得る。さらに他の実施形態は、同一の材料、異なる材料、異なる合金、非金属材料などの複数の層を備えてもよい。
【0031】
図1の示す実施形態において、TIM組立体100は、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116の上面すなわち側面124の上部に示された剥離コーティング120を備える。TIM組立体100はまた、熱インターフェイス材料104の下面すなわち第二側面112の直下に示された別の剥離コーティング128も備える。熱インターフェイス材料組立体100は、剥離コーティング120の上面すなわち側面136の上部に示された剥離ライナ132をさらに備える。TIM組立体100は、剥離コーティング128の下面すなわち第二側面144の直下に示された剥離ライナ140をさらに備える。
【0032】
引き続き図1を参照すると、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は、剥離コーティング120および剥離ライナ140とは別の層として図示されている。しかしながら、一部の実施形態においては、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116、剥離コーティング120、および剥離ライナ140は、部分組立体として設けられてもよく、その部分組立体は、次いで熱インターフェイス材料104にラミネートされるか、カレンダ処理されるか、または他の方法で設けられる。これらの例示的実施形態において、剥離ライナ140は、剥離コーティング120およびメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116が施される基材または支持層を備え得る。メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は、約0.0005インチ(0.0127mm)以下(例えば0.0002インチ(0.00508mm)、0.0001インチ(0.00254mm)、5オングストローム(5×10−10m)など)の厚さを有するフィルムまたは層であり得る。ほんの一例として、金属または乾燥材料のフィルムまたは層は、基材または支持層または剥離ライナ132の剥離側面(上に剥離コーティング120を有する側面)上に設けられてもよいし、施されてもよいし、被覆されてもよい。金属または乾燥材料は、蒸着、真空メタライゼーション、スパッタリング技術、電解メッキ、気化、フラッシュコーティング、グラビア印刷を用いたコーティング、フレキソ印刷コーティング、パターンでの印刷、他のコーティング技術などを用いることにより、剥離側面上に設けられてもよいし、施されてもよいし、被覆されてもよい。次に、熱インターフェイス材料104および部分組立体(剥離ライナ132、剥離コーティング120、およびメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116を含む)は、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116が、図1に示すように概して剥離コーティング120と熱インターフェイス材料104との間に配置されるようにラミネートされ得る。
【0033】
別の例として、その片面上にポリマコーティングを有する金属のフィルムまたは層が、基材または支持層または剥離ライナ132の剥離側面(上に剥離コーティング120を有する側面)上に設けられるか、または施されてもよい。次に、熱インターフェイス材料104および部分組立体(剥離ライナ132、剥離コーティング120、および金属層/ポリマコーティング116を含む)は、金属層/ポリマコーティング116が概して熱インターフェイス材料104と剥離コーティング120との間に配置されるように、ラミネートされるか、または他の方法で設けられ得る。このような実施形態では、ポリマコーティングは剥離コーティング120と金属層との間に位置してもよく、ひいては前記金属層はポリマコーティングと熱インターフェイス材料104との間に位置し得る。
【0034】
さらに例示的実施形態として、乾燥材料(例えば乾燥したポリマフィルム、転写フィルムなど)の層またはフィルムが、基材または支持層または剥離ライナ132の剥離側面(上に剥離コーティング120を有する側面)上に設けられるか、施されるか、または被覆され得る。次に、熱インターフェイス材料104および部分組立体(剥離ライナ132、剥離コーティング120、および乾燥材料116を備える)は、乾燥材料116が、概して剥離コーティング120と熱インターフェイス材料104との間に配置されるようにラミネートされるか、または他の方法で設けられ得る。
【0035】
図5は、熱インターフェイス材料(TIM)組立体500の別の実施形態を示している。図5に示すように、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料516は、例えば、他の適当なプロセスの中でも、蒸着、真空メタライゼーション、スパッタリング、フラッシュコーティング、電解メッキ、気化、グラビア印刷を用いたコーティング、フレキソ印刷コーティング、材料のパターンでの印刷、他のコーティング技術によって、熱インターフェイス材料504の表面または側面に直接設けられるか、または施され得る。この例では、TIM組立体500は下側剥離コーティング528および剥離ライナ540を備える。しかしながら、この代替的な実施形態では、TIM組立体500は、上側剥離コーティングまたは上側剥離ライナを有さないで図5に示されている。この実施形態においては、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料516は熱インターフェイス材料504に直接設けられたり、施されたり、メタライゼーションされたりなどするため、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料516は、支持層または基材を含む部分組立体のラミネートまたはカレンダ処理によって熱インターフェイス材料504に設けられない。比較として、図1に示したTIM組立体100のメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は、熱インターフェイス材料104と、剥離ライナ132および剥離コーティング120およびそれらによって支持されたメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116からなる部分組立体とをラミネートまたはカレンダ処理することによって設けられ得る。本明細書に開示されるように、一つ以上の金属(例えば銅、アルミニウムなど)、非金属(例えばポリマ、プラスチック、紙、乾燥フィルム材料、転写フィルム材料など)およびそれらの組合わせを、上に剥離コーティング120を有する剥離ライナまたは基材または支持層132の剥離側面に堆積させることにより、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116はTIM組立体100に設けられ得る。金属または乾燥材料を設けるいくつかのプロセスの例としては、他の適当なプロセスの中でも、蒸着、真空メタライゼーション、ラミネート法、カレンダ法、スパッタリング、電解メッキ、気化、フラッシュコーティング、グラビア印刷を用いたコーティング、フレキソ印刷コーティング、乾燥材料のパターンでの印刷、他のコーティング技術、転写担体(例えばポリエステルライナなど)によって転写するまたは設けることが挙げられる。
【0036】
図1に示した剥離コーティング120、128および剥離ライナ140、並びに本明細書で開示する他の例示的実施形態には、様々な材料が用いられ得る。さらなる例として、剥離ライナ132、140は、上に剥離コーティング120、128を設けるためにシリコーン化されている紙、ポリエステル、プロピレンなどから形成された基材、支持層、フィルム、またはライナを備え得る。他の実施形態は、処理(例えば、シリコーン化など)されていない担体ライナを備えてもよいが、その代りに、乾燥材料自体が、担体ライナから剥離し、かつ熱インターフェイス材料に転写するように構成されている。例えば、図6は、熱インターフェイス材料604と、熱インターフェイス材料604の第一側面全体に沿って配置された乾燥材料616とを備えた例示的なTIM組立体600を示している。この例示的実施形態では、乾燥材料616自体が、未処理の担体ライナから剥離して熱インターフェイス材料604に転写するように構成されていた。
【0037】
再び図1を参照して、剥離ライナ132、140は、対応する剥離コーティング120、128のための支持基材、層またはフィルムとして構成されていてもよい。前記剥離コーティング120、128は、例えば、熱インターフェイス材料からの支持基材、層またはフィルムの容易な剥離を可能にするために、前記支持基材、層またはフィルム上において表面エネルギの低いコーティングとして構成され得る。一部の実施形態において、剥離ライナ132、140は、例えば、輸送、出荷などの間に、TIM組立体100の他の層104、116を保護することを補助するように構成される。
【0038】
例示的な設置プロセスの間に、剥離ライナ132、140はTIM組立体100から除去(例えば、剥離など)されてもよい。剥離ライナ132、140の除去は、剥離コーティング120、128によって容易にされる。次に、熱インターフェイス104およびメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は、概してヒートシンクと発熱部品(例えば、高周波マイクロプロセッサ、プリント基板、中央処理装置、グラフィック処理装置、ラップトップコンピュータ、ノート型コンピュータ、デスクトップパーソナルコンピュータ、コンピュータサーバ、熱試験台などの構成部品)との間に配置され得る。例えば、熱インターフェイス材料の下面すなわち側面112(この時点では、剥離ライナ140の除去により露出されている)は、ヒートシンクの表面に対して、該表面と熱的に接触した状態で配置され得る。メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116の上面すなわち側面124(同様に剥離ライナ132の除去により露出されている)は、発熱部品の表面に対して、該表面に熱的に接触した状態で配置され得る。一部の実施形態において、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116の上面すなわち側面124は、発熱部品の表面に対して、該表面と熱的に接触した状態で配置されたポリマコーティングを備えてもよい。他の実施形態において、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116の上面すなわち側面124は、発熱部品の表面に対して、該表面に熱的に接触した状態で配置された乾燥フィルムまたは転写フィルム(乾燥ポリマフィルムなど)の一部を備えてもよい。さらに別の実施形態において、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料の上面すなわち側面124は、発熱部品の表面に対して、該表面と熱的に接触した状態で配置されたメタライゼーションまたは金属層116を形成する金属、複数の金属、または合金の一部を含んでもよい。発熱部品からヒートシンクへの熱伝導性熱経路は、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116および熱インターフェイス材料104を介して確立され得る。代替的な実施形態は、発熱部品およびヒートシンクに対する熱インターフェイス104およびメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116の配置を逆転させてもよい。すなわち、一部の実施形態は、熱インターフェイス材料104の下面すなわち側面112を発熱部品の表面に対して、該表面に熱的に接触した状態で配置することと、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116の上面すなわち側面124をヒートシンクに対して、該ヒートシンクと熱的に接触した状態で配置することとを有する。さらに他の実施形態において、熱インターフェイス104およびメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は、他の場所に用いられ、設置されてもよい。TIM組立体の他の実施形態は、異なって構成および/または設置されてもよいため、TIM組立体100の例示的な設置プロセスに関して上述の説明は、説明のみを目的として提供されるものである。例えば、一部の実施形態は、熱インターフェイス材料の上面および下面の上に少なくとも一つのメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料(例えば乾燥フィルム、転写フィルムなど)を有するTIM組立体を備える。従って、このような実施形態では、設置プロセスは、上側のメタライゼーションまたは金属層または乾燥材料をヒートシンクの表面に対して、該表面に熱的に接触した状態で配置することと、下側メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料を発熱部品の表面に対して、該表面に熱的に接触した状態で配置することとを含み得る。
【0039】
一部の実施形態はまた熱活性化層を備えてもよい。例えば、約0.0003インチ(0.00762mm)の厚さを有する熱活性化層が、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116の上部に配置されてもよい。さらなる例として、一部の実施形態は、熱インターフェイス材料は、剥離ライナまたは基材または支持層がラミネートされたギャップ充填材を備えてもよく、剥離ライナまたは基材または支持層は、次に、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料、剥離コーティング、および熱活性化層を備え得る。このような例示的実施形態において、熱活性化層は、ギャプ充填材が曲げられる場合、例えば発熱部品とヒートシンクとの間の間隙に設置される間に、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料が破断および/または剥離することを抑制するために、強固性を増し得る。熱活性化層はまた、いかなるものにも接着することが困難であり得るシリコーンから製造されるギャップ充填材への付着をより確実にし得る。
【0040】
引き続き図1を参照すると、例示的実施形態は、約0.0075インチ(0.1905mm)の層厚(第一側面108と第二側面112との間)を有する熱インターフェイス材料104を備える。引き続きこの例について、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は、約0.0005インチ(0.0127mm)以下(例えば、一部の実施形態において、0.0002インチ(0.00508mm)、0.0001インチ(0.00254mm)、5オングストローム(5×10−10m)、0.0001インチ(0.00254mm)未満、5オングストローム(5×10−10m)未満など)の層厚を有してもよい。剥離コーティング120、124は、各々、約0.00025インチ(0.00635mm)〜0.00075インチ(0.01905mm)の範囲内の各層厚を有し得る。剥離ライナ132、140は、各々、約0.001インチ(0.0254mm)の各層厚を有し得る。一つの特定の実施形態において、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は、約0.0005インチ(0.0127mm)の層厚を有し得る。別の実施形態では、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は約0.0002インチ(0.00508mm)の層厚を有し得る。さらなる実施形態では、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は約0.0001インチ(0.00254mm)の層厚を有し得る。さらに別の実施形態では、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は約5オングストローム(5×10−10m)の層厚を有し得る。付加的な実施形態では、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料116は0.0001インチ(0.00254mm)未満または5オングストローム(5×10−10m)未満の層厚を有し得る。本明細書に開示された数値寸法は、説明のみを目的として提供されるものである。寸法は他の実施形態については、例えばその実施形態が用いられる特定の用途に応じて、変更され得るため、特定の寸法は本開示の範囲を限定するものではない。
【0041】
図6は、乾燥材料616が、熱インターフェイス材料604の上側面全体に沿って連続的に配置されたフィルムまたは層を備えるTIM組立体600(図6)の例示的実施形態を示している。他の例示的実施形態において、TIM組立体は、熱インターフェイス材料の側面の一つ以上の部分に沿ってのみ配置された乾燥材料を備えてもよい。このような実施形態において、乾燥材料は、熱インターフェイス材料に沿って、特定用途向けの剥離に適合したパターンで、構成され配置され得る。様々な実施形態において、乾燥材料は、縞パターン(図10A)、均一な点パターン(図10B)および不均一な点パターン(図10C)などの、熱インターフェイス材料の一部にわたる所定パターンで設けられ得る。例えば、乾燥材料は、点が存在する場所においてのみギャップ充填材上の粘着性が弱められるように、点パターンで設けられるか、またはレイアウトされ得る。従って、これは、粘着性の程度を特別に調整することを可能にする。例として、点パターンにパターン化された乾燥材料は、ライナを保持するが、TIM組立体の縁がライナから比較的容易に剥がれるようにするために用いられ得る。
【0042】
さらなる例として、図7は、熱インターフェイス材料704および乾燥材料716を有するTIM組立体700の別の例示的実施形態を示している。この例において、乾燥材料716は、熱インターフェイス材料704の一部に沿って縞パターンを形成する乾燥材料716の細片を備える。別の例として、図8は、熱インターフェイス材料804および乾燥材料816を有するTIM組立体800の別の例示的実施形態を示している。この例において、乾燥材料816は、熱インターフェイス材料804の一部に沿って点パターンを形成する乾燥材料816の略円形のパッチからなる。代替的な実施形態は、例えば、エンドユーザまたは顧客によって所望される剥離の程度によって、広範囲の他のパターンを備え得る。
【0043】
さて、TIM組立体(例えば100(図1)、500(図5)、600(図6)、700(図7)、800(図8)など)を製造または生産する様々な例示的な方法について説明する。これらの例は、説明を目的として提供されるものであり、他の方法、材料、および/または構成も用いられ得る。
【0044】
図2は、TIM組立体が形成され得る例示的な方法200を図示する。特にこの例示的な方法200において、プロセス204は上側剥離ライナおよび下側剥離ライナ(例えば140など)に付着されている熱相変化材料(例えば104など)を選択する工程を含む。例として、熱相変化材料は、レアード テクノロジーズ インコーポレイテッドからのT−pcm(商標)580Sシリーズ熱相変化材料であってもよい。剥離ライナを有さない熱インターフェイス材料、一つのみの剥離ライナを有する熱インターフェイス材料、および熱相変化材料でない熱インターフェイス材料を含む代替材料も用いられ得る。
【0045】
引き続き図2を参照すると、プロセス208は、熱相変化材料から剥離ライナのうちの一つを除去する工程を含む。プロセス204で選択された熱相変化材料が先在する剥離ライナを備えていないか、または剥離ライナを一つのみ備えている実施形態においては、プロセス208は必要でないことがある。
【0046】
プロセス212は、プロセス208において剥離ライナが予め除去された熱相変化材料の露出面に、メタライゼーションまたは金属層または乾燥材料(例えば、116、銅層、アルミ層、スズ層、他の金属から形成された一つ以上の層、ポリマコーティングを備えた金属層、乾燥フィルム、転写フィルムなど)をラミネートする工程を含む。ラミネートプロセス212の間に、例えば、様々な材料は、ラミネートニップを形成する一対のラミネートローラの間に引き込まれ得る。例として、プロセス212は、熱相変化材料の露出面に、熱活性化接着剤層を有するダンモアDT273メタライゼーションフィルムをラミネートする工程を含み得る。その場合、熱相変化材料およびダンモアDT273メタライゼーションフィルムは、ラミネートニップを形成する一対のラミネートローラの間に引き込まれ得る。別の例として、プロセス212は、熱相変化材料の露出面にダンモアDT101メタライゼーション転写層をラミネートする工程を含み得る。この後者の例では、熱相変化材料およびダンモアDT101メタライゼーション転写層は、ラミネートニップを形成する一対のラミネートローラの間に引き込まれ得る。ダンモアDT273メタライゼーションフィルムは、一般に、約1ミル(0.0254mm)または2ミル(0.0508mm)の厚さを有するシリコーン化(または剥離コーティング)ライナ(または、支持層、基材またはフィルム)を備える。前記ライナは、約0.1ミル(0.00254mm)の厚さのアルミニウムでメタライゼーションされており、メタライゼーション層の上部には約0.3ミル(0.00762mm)の厚さでヒートシール層が堆積されている。ダンモアDT101メタライゼーション転写フィルムは、DT273と同様に、だがヒートシール層なしで構成されている。プロセス212において、熱相変化材料の露出面には、一つ以上の他の金属、合金、非金属材料、乾燥フィルム、転写フィルムなどを含む、代替の材料がラミネートされてもよい。
【0047】
方法200に従って製造した試験片の熱抵抗を測定した。この試験のために、第一試験片、第二試験片、および第三試験片を作製した。第一試験片は、その下側面に剥離ライナを有するT−pcm(商標)580Sシリーズ熱相変化材料と、該熱相変化材料の上側面(すなわちプロセス208において剥離ライナが除去された側面)にラミネートされたダンモアDT273メタライゼーションフィルムとを備える。第二試験片は、その下側面に剥離ライナを有するT−pcm(商標)580Sシリーズ熱相変化材料と、該熱相変化材料の上側面(すなわちプロセス208において剥離ライナが除去された側面)にラミネートされたダンモアDT101メタライゼーション転写フィルムとを備える。第三試験片はT−pcm(商標)580S相変化材料および乾燥フィルムを備える。
【0048】
第一、第二および第三試験片の熱抵抗について、以下のように別々に試験した。下側剥離ライナ(すなわちプロセス208において除去されなかった下側の先在する剥離ライナ)を熱相変化材料から除去した。次に熱相変化材料を、ASTM D5470プラテン上に露出した側面(下側剥離ライナが除去された側面、すなわちダンモア製品がラミネートされていない側面)を下にして配置した。第一試験片のダンモアDT273メタライゼーションフィルムおよび第二試験片のダンモアDT101メタライゼーション転写フィルムから保護剥離ライナを除去した。各試験片については、圧力は50ポンド毎平方インチ(約344.74kPa)に近く、温度は70℃で熱抵抗を測定した。この例示的な試験を実施したところ、T−pcm(商標)580Sシリーズ相変化材料およびダンモアDT273メタライゼーションフィルムから形成された第一試験片については、熱抵抗は約0.08℃in/W(約51.61℃mm/W)であった。T−pcm(商標)580Sシリーズ相変化材料およびダンモアDT101メタライゼーション転写フィルムから形成された第二試験片については、熱抵抗は約0.02℃in/W(約12.90℃mm/W)であった。T−pcm(商標)580Sシリーズ相変化材料と、8ミル(0.2032mm)の試料厚さおよび1インチ平方ディスクの試料面積を有する乾燥フィルムとから形成された第三試験片については、熱抵抗は約0.022℃in/W(約14.19℃mm/W)であった。比較として、T−pcm(商標)580Sシリーズ相変化材料単体(すなわち、その上にいかなるメタライゼーション、金属層、またはフィルムもラミネートされておらず、かついかなる剥離ライナまたは剥離コーティングも有さない)の熱抵抗は、0.01℃in/W(約6.45℃mm/W)であった。さらに、0.7ミル(0.01778mm)の厚さのアルミ箔上のT−pcm(商標)580Sシリーズ相変化材料については、熱抵抗は約0.042℃in/W(約27.10℃mm/W)であった。
【0049】
図3は、TIM組立体が形成され得る例示的な方法300を示している。特にこの例示的な方法300において、プロセス304は、上側剥離ライナ(例えば104など)および下側剥離ライナ(例えば140など)が付着している熱ギャップ充填材を選択する工程を含む。例として、熱ギャップ充填材は、レアード テクノロジーズ インコーポレイテッドからのT−flex(商標)600シリーズギャップ充填材であってもよい。他の実施形態では、熱相変化材料は、レアード テクノロジーズ インコーポレイテッドからのT−pcm(商標)580Sシリーズ熱相変化材料であってもよい。いかなる剥離ライナも有さない、または一つのみの剥離ライナを有さない熱インターフェイス材料を含む代替材料もまた用いてもよい。
【0050】
引き続き図3を参照すると、プロセス308は熱ギャップ充填材から剥離ライナのうちの一つを除去する工程を含む。プロセス304で選択された熱ギャップ充填材が、先在する剥離ライナを有さないか、一つのみの剥離ライナを備える実施形態では、プロセス308は必要ではないことがある。
【0051】
プロセス312は、プロセス308において剥離ライナが予め除去された熱ギャップ充填材の露出面に、メタライゼーション、金属層またはフィルム(例えば116など)をラミネートする工程を含む。ラミネート工程312の間に、例えば、様々な材料は、ラミネートニップを形成する一対のラミネートローラの間で引き込まれ得る。例として、プロセス312は、熱ギャップ充填材の露出面に、熱活性化接着剤層を有するダンモアDT273またはGK14341メタライゼーションフィルムをラミネートする工程を含み得る。その場合には、熱ギャップ充填材およびダンモアDT273またはGK14341メタライゼーションフィルムは、ラミネートニップを形成する一対のラミネートローラの間に引き込まれ得る。別の例として、プロセス312は、熱ギャップ充填材の露出面にダンモアDT101メタライゼーション転写層をラミネートする工程を含む。よって、この後者の例では、熱ギャップ充填材およびダンモアDT101メタライゼーション転写層は、ラミネートニップを形成する一対のラミネートローラの間に引き込まれ得る。一つ以上の他の金属、合金、非金属材料、乾燥フィルム、転写フィルムなどを含む代替材料もまた、プロセス312において熱相変化材料の露出面にラミネートされてもよい。
【0052】
方法300に従って製造した第一試験片の熱抵抗を測定した。試験片は、一方の側面上に剥離ライナを有するギャップ充填材と、プロセス308において剥離ライナが予め除去されたギャップ充填材の他方の側面にラミネートされたダンモアGK14341メタライゼーションフィルムとを備える。この試験片の熱抵抗を以下のように試験した。下側剥離ライナ(すなわちプロセス308において除去されなかった下側の先在する剥離ライナ)をギャップ充填材から除去した。次にギャップ充填材を、ASTM D5470プラテン上に露出した側面(下側剥離ライナが除去された側面、すなわちGK14341メタライゼーションフィルムがラミネートされていない側面)を下にして配置した。保護剥離ライナをダンモアGK14341メタライゼーションフィルムから除去した。圧力は10ポンド毎平方インチ(約68.95kPa)に近く、温度は50℃で熱抵抗を測定した。この例示的な試験を用いると、ギャップ充填材およびダンモアGK14341メタライゼーションフィルムから形成されたこの試験片について、熱抵抗は約0.539℃in/W(約347.74℃mm/W)であった。他の試験片も上述の試験条件を用いて試験した。例えば、ギャップ充填材およびダンモア14071非メタライゼーションフィルムから形成された試験片については、熱抵抗は約0.516℃in/W(約332.90℃mm/W)であった。比較として、ギャップ充填材単体(すなわち、その上にいかなるメタライゼーションまたは金属層もラミネートされておらず、かついかなる剥離ライナまたは剥離コーティングも有さない)の熱抵抗は、0.511℃in/W(約329.68℃mm/W)であった。さらに、比較的厚いシリコーン系コンフォーマルドライコーティングを有するギャップ充填材については、熱抵抗は約0.840℃in/W(約541.93℃mm/W)であった。
【0053】
図4は、TIM組立体が形成され得る別の例示的な方法300を示している。一般に、この方法400は、ライナとしてメタライゼーション転写フィルムまたは他の適当なフィルム(例えば非メタライゼーション転写フィルム、乾燥フィルムまたは層など)を用いて、溶媒または非溶媒プロセスによって、熱インターフェイス材料(例えば熱相変化材料、熱伝導性絶縁体、ギャップ充填材、パテなど)をキャストする工程を含む。例えば、相変化材料を用いる実施形態では、相変化材料をその融点より高温に加熱し、二つのライナのうちの一方としてメタライゼーション転写フィルムを用いて押し出しを行ってもよい。
【0054】
図4に示す特定の図示した実施形態400において、プロセス404は、熱相変化材料を選択する工程を含む。例えば、熱インターフェイス相変化材料はいかなる剥離ライナも有さないバルクの状態であってもよい。このような実施形態において、熱インターフェイス相変化材料は、ディスペンサから剥離被覆ライナまたはメタライゼーションまたは金属層上に送出され得る。さらなる例として、熱相変化材料は、レアード テクノロジーズ インコーポレイテッドから市販されているT−pcm(商標)580Sシリーズ熱相変化材料であってもよい。任意の剥離ライナ、一つのみの剥離ライナ、または上側剥離ライナおよび下側剥離ライナを有さない熱インターフェイス材料を含む代替材料も用いられ得る。熱相変化材料が一つ以上の剥離ライナを備える実施形態では、方法400は剥離ライナを除去する工程も含む。
【0055】
プロセス408は、熱相変化材料をその融点よりも高い温度に加熱する工程を含む。例えば、一部の実施形態は、熱相変化材料を100℃に加熱する工程を含む。他の実施形態は、プロセス404で選択された特定の熱相変化材料およびそれらの融解温度に応じて、熱相変化材料をより高い温度またはより低い温度に加熱する工程を含み得る。
【0056】
プロセス412はラミネートニップおよび台を加熱する工程を含む。例えば、一部の実施形態は、ラミネートニップおよび台を約100℃に加熱する工程を含む。他の実施形態は、プロセス400において選択された特定の熱相変化材料に応じて、ラミネートニップおよび台をより高い温度または低い温度に加熱する工程を含む。ラミネートニップは一対のラミネートローラによって形成され得る。
【0057】
プロセス416は、加熱された台の上に剥離ライナを配置する工程を含む。一部の実施形態では、剥離ライナはシリコーン化ポリエステルまたは紙からなる。他の実施形態は、他の適当な材料からなる剥離ライナを備えてもよい。
【0058】
プロセス420は、概して剥離ライナの少なくとも一つの縁の幅にわたって、加熱溶融した相変化材料を延展する工程を含む。
プロセス424は熱相変化材料の上にメタライゼーション転写フィルム(または他の実施形態では他のフィルム)を配置する工程を含む。従って、熱相変化材料は、概して剥離ライナ(下側)とメタライゼーション転写フィルム(上側)との間に配置されるか、概して剥離ライナ(下側)とメタライゼーション転写フィルム(上側)とによって挟まれ得る。代替的な方法の実施形態において、熱相変化材料が、概して剥離ライナ(上側)とメタライゼーション転写フィルム(下側)との間に配置されるか、概して剥離ライナ(上側)とメタライゼーション転写フィルム(下側)とによって挟まれ得るように、層の向きまたは配置は逆転してもよい。このような代替的な方法において、メタライゼーション転写フィルムはプロセス416において加熱された台上に配置され、次にプロセス420において、加熱溶融した相変化材料が、概してメタライゼーション転写フィルムの少なくとも一つの縁の幅にわたって延展される。
【0059】
プロセス428は、加熱されたラミネートニップを通して、材料(例えば剥離ライナ、熱相変化材料およびメタライゼーションされた転写フィルム)の積層体を引っ張るかまたは引き出し、熱相変化材料が側方に流動して、メタライゼーション転写フィルムおよび剥離ライナを被覆することを可能にする工程を含む。
【0060】
プロセス432は材料(剥離ライナ、熱相変化材料およびメタライゼーション転写フィルム)のラミネートされた積層体を室温まで冷却する工程を含む。
図9は、TIM組立体が形成され得る別の例示的方法900を示している。一般に、この方法900は、未硬化のバルクギャップパッド材料が、該ギャップパッド材料の硬化前に、その間に挟まれるか、または配置される担体のうちの一つとして乾燥フィルムを用いる工程を含む。積層された又は挟まれた材料は、上側に剥離ライナを、下側に乾燥フィルムを、中間に未硬化のバルクギャップパッド材料を備え得る。積層された材料は、間隙を有するニップを通して引っ張られて、炉内に引き入れられ、次いで炉内では未硬化のバルクギャップパッドが硬化させられる。
【0061】
引き続き図9を参照すると、方法900は、未硬化のバルクギャップパッド材料が剥離ライナと乾燥フィルムとの間に配置されるか、または挟まれるプロセス904を有し得る。例として、未硬化のギャップパッド材料は、レアード テクノロジーズからの未硬化T−flex(商標)ギャップ充填材料またはT−pli(商標)ギャップ充填材料などであり、剥離ライナはポリエステル担体ライナであり、また、乾燥フィルムはポリマ乾燥フィルムであり得る。また、ギャップパッド材料、剥離ライナおよび乾燥フィルムに対して代替材料を用いてもよい。
【0062】
プロセス908は、未硬化のバルクギャップ材料、乾燥フィルムおよび剥離ライナを、間隙を有するニップに通して炉内に引き込む工程を含む。例として、炉の温度は約100℃であり、硬化時間は約30分であり得る。
【0063】
プロセス912は、未硬化のバルクギャップパッド材料を炉内で硬化させる工程を含む。プロセス916は材料の積層体(すなわち剥離ライナ、今硬化したギャップパッド材料および乾燥フィルム)を炉から取り出す工程を含む。
【0064】
プロセス916において炉から取り出した後、前記材料組立体は、次の設置のために、後に顧客に出荷され得る。特にこの例示的な方法900において、材料組立体は一つのみの剥離ライナを備える。これは、製造ラインでの速度を向上させ、二つ以上の剥離ライナを有する材料組立体と比較して、材料費および輸送費がより少なくなるなど、コストの削減を可能にし得る。具体例としての設置の間、硬化したギャップパッド材料から上部剥離ライナが除去(例えば剥離など)され得る。様々な実施形態において、剥離ライナの除去は剥離コーティングによって容易にされ得る。剥離ライナを除去した後、次に、上に乾燥フィルムを備えた硬化したギャップパッド材料は、概してヒートシンクと発熱部品(例えば、高周波マイクロプロセッサプリント基板、中央処理装置、グラフィック処理装置、ラップトップコンピュータ、ノート型コンピュータ、デスクトップパーソナルコンピュータ、コンピュータサーバ、熱試験台の構成部品など)との間に配置され得る。例えば、硬化したギャップパッド材料の露出面(剥離ライナの除去により露出されている)は、ヒートシンクの表面に対して、該表面に熱的に接触した状態で配置され得る。乾燥フィルムの外面または側面は、発熱部品の表面に対して、該表面に熱的に接触した状態で配置され得る。よって、発熱部品からヒートシンクへの熱伝導性熱経路は、乾燥フィルムおよび硬化したギャップパッド材料によって確立され得る。他の実施形態は、発熱部品およびヒートシンクに関して、硬化したギャップパッド材料および乾燥フィルムの設置方向を逆転させてもよい。すなわち、一部の実施形態は、硬化したギャップパッド材料の露出面または側面を発熱部品の表面に対して該表面に熱的に接触した状態で配置する工程と、乾燥フィルムの外面または側面をヒートシンクに対して熱的に接触した状態で配置する工程とを含み得る。さらに他の実施形態において、硬化したギャップパッド材料および乾燥フィルムは他の場所に用いられ設置されてもよい。TIM組立体を製造する例示的な方法に関する上述の説明、および具体例としての設置プロセスは、説明のみを目的とするものであり、TIM組立体の他の実施形態は、異なるように製造、構成、かつ/または設置されてもよい。
【0065】
TIM組立体が上記に開示し図2から4および図8に示すような熱インターフェイス材料およびメタライゼーション、金属層および乾燥材料から形成され得るとしても、そのようなものはすべての実施形態に必要ではない。例えば、他の実施形態は、ラミネート(図2および図3)、キャスト(図4)および炉内での硬化(図9)以外の他のプロセスを含んでいてもよい。例として、他の実施形態は、ラミネートではなく、蒸着、スパッタリングまたは真空メタライゼーションによって熱インターフェイス材料の表面を直接メタライゼーションする工程を含み得る。付加的な実施形態は、担体(例えばポリエステルライナ、など)からの転写によって施されるか、または熱インターフェイス材料上に直接フラッシュコーティングされる薄い金属層、薄い乾燥材料または薄い転写フィルムを備えてもよい。さらなる実施形態は、ローラの間でカレンダ処理する工程を含み得る。金属または乾燥材料を熱インターフェイス材料に設ける他のプロセスの例としては、他の適当なプロセスの中でも、電解メッキ、気化、グラビア印刷を用いたコーティング、フレキソ印刷コーティング、パターンでの印刷、他のコーティング技術が挙げられる。
【0066】
本願に開示した実施形態(例えば100、500、600、700、800など)は、広範囲の発熱部品、ヒートシンクおよび関連する装置と共に用いられ得る。ほんの一例として、プリント基板、高周波マイクロプロセッサ、中央処理装置、グラフィック処理装置、ラップトップコンピュータ、ノート型コンピュータ、デスクトップパーソナルコンピュータ、コンピュータサーバ、熱試験台などの例示的用途が挙げられる。従って、本開示の態様は、いずれか一つの特定の種類の発熱部品または関連する装置との使用に限定されるべきではない。
【0067】
本明細書に記載の寸法及び材料は例示的なものにすぎない。本明細書に記載の特定の寸法及び材料は本願の権利範囲を限定するものではなく、例えば、他の実施形態は、特定の応用例や所望の最終用途に応じて、異なる寸法、異なる寸法で構成され、かつ/あるいは異なる材料から構成されることができる。
【0068】
本明細書では参照のみの目的のために特定の用語が用いられており、限定するものではない。例えば、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「上部」、及び「下部」等の用語は、参照される図面における方向を言及する。「前方」、「後方」、「後部」、「底部」、「側部」等の用語は、上述の構成要素を説明する本文及び対応する図面を参照することによって明確になる方向であって、一貫しているが任意である座標系内の構成要素の部分の方向を示す。このような用語は、特に上述した単語、それらの派生語、及び同様の重要な単語を含む。同様に、構成を言及する用語「第一」、「第二」、及び他の数を示す用語は、文中で特に明記がない限り、並びや順序を示すものではない。
【0069】
要素又は特徴と例示的実施形態とを導入する際に、単数で記載されているものは一つ以上のそのような要素又は特徴を有しても良いことを意味する。「からなる」、「含む」、「備える」等の用語は、包括的であって、特記したもの以外の付加的な要素または特徴を有しても良いことを意味する。さらに、本明細書に記載の方法の工程、プロセス、動作は、実行の順序として特筆されていない限り、必ず、論じられた、あるいは示された特定の順序で行なう必要があると解釈されるべきではない。また、追加の、あるいは代替的な工程を用いても良い。
【0070】
本願の記載は、本来例示的なものに過ぎず、従って、本願の趣旨から逸脱しない変形は本願の権利範囲内にある。このような変形は、本願の精神及び権利範囲から逸脱するものであるとされてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一側面および第二側面を有する熱インターフェイス材料と、
約0.0005インチ(0.0127mm)以下の厚さを有する乾燥材料とを備え、前記乾燥材料は、前記熱インターフェイス材料の第一側面の少なくとも一部に沿って配置される熱インターフェイス材料組立体。
【請求項2】
前記乾燥材料は、前記熱インターフェイス材料の第一側面全体にわたって配置された乾燥フィルムを含む請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項3】
前記乾燥材料は、所定パターンで、前記熱インターフェイス材料の第一側面の二箇所以上の部分に沿って配置される請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項4】
前記所定パターンは、縞パターンまたは点パターンを含む請求項3に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項5】
前記乾燥材料は、該乾燥材料と接触する表面からの熱インターフェイス材料組立体の比較的清潔で容易な剥離を可能にするように構成される請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項6】
前記乾燥材料は0.0005インチ(0.0127mm)の厚さを有する請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項7】
前記乾燥材料は5オングストローム(5×10−10m)の厚さを有する請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項8】
前記乾燥材料は、ポリマ、プラスチック、紙および金属のうちの少なくとも一つを含む請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項9】
上に剥離コーティングを備えた剥離側面を有する剥離ライナをさらに備え、前記乾燥材料は、概して前記剥離ライナの剥離側面上の前記剥離コーティングを覆って配置される請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項10】
前記乾燥材料を支持する基材をさらに備え、前記基材は、前記乾燥材料が概して前記基材と前記熱インターフェイス材料の第一側面との間に位置するように、前記熱インターフェイス材料にラミネートされる請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項11】
剥離コーティングを備え、かつ前記乾燥材料が概して前記剥離コーティングと前記熱インターフェイス材料の第一側面との間に位置するように、前記乾燥材料を支持する上側剥離ライナと、
上に剥離コーティングを備えた剥離側面を有する下側剥離ライナとをさらに備え、前記下側剥離ライナは、前記剥離コーティングが概して下側剥離ライナと前記熱インターフェイス材料の第二側面との間に位置するようにラミネートされる請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項12】
前記乾燥材料は前記熱インターフェイス材料上に直接堆積される請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項13】
前記熱インターフェイス材料は、ギャップ充填材、ギャップパッド、相変化材料、パテまたは熱伝導性絶縁体のうちの一つ以上を含む、応従性または形状適合性の熱インターフェイス材料を含む請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項14】
剥離コーティングを備えた剥離側面を有する剥離ライナをさらに備え、前記乾燥材料は前記剥離ライナの剥離側面上に配置されており、前記剥離ライナは、前記乾燥材料が概して前記剥離ライナと前記熱インターフェイス材料の第一側面との間に位置するように、前記熱インターフェイス材料にラミネートされる請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項15】
前記乾燥材料は前記熱インターフェイス材料とは異なる色を有し、それにより、異なる色は、使用者が該乾燥材料をより容易に認識し、前記熱インターフェイス材料と識別することを可能にする請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項16】
請求項1に記載の熱インターフェイス材料組立体と、発熱部品と、ヒートシンクとを備える装置であって、前記熱インターフェイス材料組立体は、前記発熱部品、前記熱インターフェイス材料組立体および前記ヒートシンクによって熱伝導性熱経路が画定されるように、概して前記発熱部品と前記ヒートシンクとの間に配置される装置。
【請求項17】
第一側面および第二側面を有する熱インターフェイス材料と、
約0.0005インチ(0.0127mm)以下の厚さを有する金属層であって、該金属層は第一側面および第二側面を有し、該金属層の第一側面は、前記熱インターフェイス材料の第一側面の少なくとも一部に沿って配置される金属層と、
前記金属層の第二側面の少なくとも一部の上に位置するポリマコーティングとを備える熱インターフェイス材料組立体。
【請求項18】
前記金属層およびポリマコーティングは、0.0005インチ(0.0127mm)の総厚を有する請求項17に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項19】
前記金属層およびポリマコーティングは0.0001インチ(0.00254mm)の総厚を有する請求項17に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項20】
前記ポリマコーティングは約5オングストローム(5×10−10m)の厚さを有する請求項17に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項21】
前記熱インターフェイス材料は、ギャップ充填材、ギャップパッド、相変化材料、パテまたは熱伝導性絶縁体のうちの一つ以上を含む、応従性または形状適合性の熱インターフェイス材料を含む請求項17に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項22】
請求項17に記載の熱インターフェイス材料組立体と、発熱部品と、ヒートシンクとを備える装置であって、前記熱インターフェイス材料組立体は、前記発熱部品、前記熱インターフェイス材料組立体および前記ヒートシンクによって熱伝導性熱経路が画定されるように、概して前記発熱部品と前記ヒートシンクとの間に配置される装置。
【請求項23】
熱インターフェイス材料組立体を製造する方法であって、該方法は、乾燥材料が約0.0005インチ(0.0127mm)以下の厚さを有するように、熱インターフェイス材料の第一側面の少なくとも一部に沿って、前記熱インターフェイス材料に前記乾燥材料を設ける工程を含む方法。
【請求項24】
前記乾燥材料は、前記熱インターフェイス材料組立体が発熱部品またはヒートシンクの表面から比較的清潔にかつ容易に剥離することを可能にするように構成される請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記熱インターフェイス材料に前記乾燥材料を設ける工程は、前記熱インターフェイス材料の表面部上に直接、または次に前記熱インターフェイス材料に転写するための剥離ライナの表面部上に、材料を堆積させる工程を含む請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記熱インターフェイス材料に乾燥材料を設ける工程は、蒸着、真空メタライゼーション、フラッシュコーティング、グラビア印刷を用いたコーティング、フレキソ印刷コーティング、または前記乾燥材料のパターンでの印刷のうちの一つ以上を含む請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記熱インターフェイス材料に前記乾燥材料を設ける工程は、前記熱インターフェイス材料と、前記乾燥材料を支持する基材とを、前記乾燥材料が概して前記基材と前記熱インターフェイス材料の第一側面との間に位置するようにラミネートする工程を含む請求項23に記載の方法。
【請求項28】
蒸着、真空メタライゼーション、スパッタリング、グラビア印刷を用いたコーティング、フレキソ印刷コーティング、または前記乾燥材料の基材上へのパターンでの印刷の一つ以上によって、前記基材上に乾燥材料を堆積する工程をさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記基材は、剥離コーティング備える剥離側面を有する剥離ライナを備え、前記乾燥材料は、概して前記剥離コーティングを覆って配置される請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記熱インターフェイス材料に前記乾燥材料を設ける工程は、乾燥材料を担体ライナから前記熱インターフェイス材料に転写する工程を含む請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記熱インターフェイス材料に前記乾燥材料を設ける工程は、前記熱インターフェイス材料に、約0.0005インチ(0.0127mm)または約5オングストローム(5×10−10m)の厚さを有する乾燥フィルムを設ける工程を含む請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記熱インターフェイス材料に前記乾燥材料を設ける工程は、ライナとして転写フィルムを用いて、溶媒または非溶媒プロセスによって、前記熱インターフェイス材料をキャストする工程を含む請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記熱インターフェイス材料は相変化材料を含み、前記熱インターフェイス材料に前記乾燥材料を設ける工程は、
前記相変化材料を該相変化材料の融解温度より高い温度に加熱する工程と、
ライナとして転写フィルムを用いながら、溶融した前記相変化材料を押し出す工程とを含む請求項23に記載の方法。
【請求項34】
前記熱インターフェイス材料は相変化材料を含み、前記熱インターフェイス材料に前記乾燥材料を設ける工程は、
相変化材料を該相変化材料の融解温度より高い温度に加熱する工程と、
ラミネートニップおよび台を加熱する工程と、
加熱した前記台上に剥離ライナまたは転写フィルムのうちの一方を配置する工程と、
加熱溶融した前記相変化材料を、概して、前記加熱した台上に配置された前記剥離ライナまたは転写フィルムのうちの前記一方の少なくとも一つの縁の幅にわたって延展する工程と、
前記剥離ライナおよび転写フィルムのうちの他方を、前記相変化材料が概して前記剥離ライナと転写フィルムとの間に位置するように、前記相変化材料上に配置する工程と、
前記剥離ライナ、相変化材料および転写フィルムを、加熱した前記ラミネートニップを通して引き出し、前記相変化材料が側方方向に流動して、前記転写フィルムおよび剥離ライナを被覆することを可能にする工程と、
前記剥離ライナ、相変化材料および転写フィルムを室温まで冷却する工程とを含む請求項23に記載の方法。
【請求項35】
前記熱インターフェイス材料はギャップパッド材料を備え、前記熱インターフェイス材料に前記乾燥材料を設ける工程は、
乾燥フィルムと剥離ライナとの間に挟まれた未硬化のバルクギャップパッド材料を、間隙を有するニップを通して炉内に引き込む工程と、
前記未硬化のバルクギャップパッド材料を前記炉内で硬化させる工程とを含む請求項23に記載の方法。
【請求項36】
発熱部品からの熱伝導に関する方法であって、該方法は、熱インターフェイス材料組立体を、概して前記発熱部品の表面とヒートシンクの表面との間に設置し、それにより前記発熱部品、前記熱インターフェイス材料組立体および前記ヒートシンクによって画定される熱伝導性熱経路を確立する工程を含み、前記熱インターフェイス材料組立体は、熱インターフェイス材料と、該熱インターフェイス材料の少なくとも一部に沿って配置された約0.0005インチ(0.0127mm)以下の厚さを有する乾燥材料とを備える方法。
【請求項37】
前記乾燥材料は乾燥フィルムを備え、前記乾燥フィルムは、前記熱インターフェイス材料組立体が前記発熱部品と前記ヒートシンクとの間に設置されたときに、その乾燥フィルムが配置された表面から前記熱インターフェイス材料組立体が比較的清潔かつ容易に剥離することを可能にするように構成される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
第一側面および第二側面を有する熱インターフェイス材料と、
約0.0005インチ(0.0127mm)以下の層厚を有するメタライゼーション層とを備え、前記メタライゼーション層は、前記熱インターフェイス材料の第一側面の少なくとも一部に沿って配置される熱インターフェイス材料組立体。
【請求項39】
前記メタライゼーション層は0.0005インチ(0.0127mm)の層厚を有する請求項38に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項40】
前記メタライゼーション層は0.0001インチ(0.00254mm)未満の層厚を有する請求項38に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項41】
前記メタライゼーション層は前記熱インターフェイス材料より高い熱伝導率を有し、前記メタライゼーション層は、前記熱インターフェイス材料よりも形状適合性に劣る請求項38に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項42】
剥離コーティングを備えた剥離側面を有する剥離ライナをさらに備え、前記メタライゼーション層は、概して前記剥離ライナの剥離側面上の前記剥離コーティングを覆って配置される請求項38に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項43】
剥離コーティングを備えた剥離側面を有する剥離ライナをさらに備え、前記メタライゼーション層は、概して前記剥離ライナの剥離側面上の前記剥離コーティングを覆って配置される金属フィルムである請求項38に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項44】
前記メタライゼーション層を支持する基材をさらに備え、前記基材は、前記メタライゼーション層が概して前記基材と前記熱インターフェイス材料の第一側面との間に位置するように、前記熱インターフェイス材料にラミネートされる請求項38に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項45】
剥離コーティングを備え、かつ前記メタライゼーション層が概して前記剥離コーティングと前記熱インターフェイス材料の第一側面との間に位置するように、前記メタライゼーション層を支持する上側剥離ライナと、
剥離コーティングを備えた剥離側面を有する下側剥離ライナとをさらに備え、前記下側剥離ライナは、前記剥離コーティングが概して前記下側剥離ライナと前記熱インターフェイス材料の第二側面との間に位置するようにラミネートされる請求項38の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項46】
前記メタライゼーション層は前記熱インターフェイス材料上に直接堆積された金属の層を含む請求項38に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項47】
前記メタライゼーション層はアルミニウム、スズまたは銅である請求項38に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項48】
前記熱インターフェイス材料は、ギャップ充填材、相変化材料、パテまたは熱伝導性絶縁体のうちの一つ以上を含む、応従性または形状適合性の熱インターフェイス材料を含む請求項38に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項49】
剥離コーティングを設けるためにシリコーン化された剥離側面を有する剥離ライナをさらに備え、前記メタライゼーション層は、前記剥離ライナのシリコーン化された剥離側面上においてメタライゼーションを備え、前記剥離ライナは、前記メタライゼーション層が概して前記剥離ライナと前記熱インターフェイス材料の第一側面との間に位置するように、前記熱インターフェイス材料にラミネートされる請求項38に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項50】
請求項38に記載の熱インターフェイス材料組立体と、発熱部品と、ヒートシンクとを備え、前記組立体は、概して前記発熱部品と前記ヒートシンクとの間に配置され、それにより前記発熱部品から前記ヒートシンクへの熱伝導性熱経路を有する装置。
【請求項51】
第一側面および第二側面を有する熱インターフェイス材料と、
約0.0005インチ(0.0127mm)以下の層厚を有するメタライゼーション層と、
剥離コーティングを備え、かつ前記メタライゼーション層を支持し、かつ前記メタライゼーション層が概して前記剥離コーティングと前記熱インターフェイス材料の第一側面との間に位置するように前記熱インターフェイス材料にラミネートされる上側剥離ライナと、
剥離コーティングを備える下側剥離ライナであって、前記剥離コーティングが概して該下側剥離ライナと前記熱インターフェイス材料の第二側面との間に位置するように、前記熱インターフェイス材料にラミネートされる下側剥離ライナとを備える熱インターフェイス材料組立体。
【請求項52】
前記メタライゼーション層は0.0001インチ(0.00254mm)未満の層厚を有する請求項51に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項53】
前記上側剥離ライナは、前記剥離コーティングを設けるためにシリコーン化された剥離側面を有する基材を備え、前記メタライゼーション層は、前記基材のシリコーン化された剥離側面上においてメタライゼーションを備える請求項51に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項54】
前記熱インターフェイス材料は、ギャップ充填材、相変化材料、パテまたは熱伝導性絶縁体のうちの一つ以上を含む、応従性または形状適合性の熱インターフェイス材料を含む請求項51に記載の熱インターフェイス材料組立体。
【請求項55】
熱インターフェイス材料組立体を製造する方法であって、該方法は、メタライゼーション層が約0.0005インチ(0.0127mm)以下の層厚を有するように、熱インターフェイス材料の第一側面の少なくとも一部に沿って、前記熱インターフェイス材料に前記メタライゼーション層を設ける工程を含む方法。
【請求項56】
前記熱インターフェイス材料に前記メタライゼーション層を設ける工程は、前記熱インターフェイス材料の表面部分をメタライゼーションすることにより、前記メタライゼーション層を形成する工程を含む請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記熱インターフェイス材料に前記メタライゼーション層を設ける工程は、前記熱インターフェイス材料の表面部上に直接、または次に前記熱インターフェイス材料に転写するための剥離ライナの表面部上に、金属を堆積させる工程を含む請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記金属を堆積させる工程は、蒸着、真空メタライゼーションまたはフラッシュコーティングのうちの一つ以上を含む請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記熱インターフェイス材料に前記メタライゼーション層を設ける工程は、前記熱インターフェイス材料と前記メタライゼーション層を支持する基材とを、前記メタライゼーション層が概して前記基材と前記熱インターフェイス材料の第一側面との間に位置するように、ラミネートする工程を含む請求項55に記載の方法。
【請求項60】
蒸着、真空メタライゼーションまたはスパッタリングのうちの一つ以上により、前記基材上に金属を堆積させる工程をさらに含む請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記基材は、剥離コーティングを設けるためにシリコーン化された剥離側面を有する剥離ライナを備え、前記メタライゼーション層は、概して前記剥離コーティングを覆って配置された金属を含む請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記熱インターフェイス材料に前記メタライゼーション層を設ける工程は、前記熱インターフェイス材料に0.0001インチ(0.00254mm)未満の層厚を有するメタライゼーション層を設ける工程を含む請求項55に記載の方法。
【請求項63】
前記熱インターフェイス材料に前記メタライゼーション層を設ける工程は、ライナとしてメタライゼーション転写フィルムを用いて、溶媒または非溶媒プロセスによって、前記熱インターフェイス材料をキャストする工程を含む請求項55に記載の方法。
【請求項64】
前記熱インターフェイス材料は相変化材料を含み、前記熱インターフェイス材料に前記メタライゼーション層を設ける工程は、
前記相変化材料を該相変化材料の融解温度より高い温度に加熱する工程と、
ライナとしてメタライゼーション転写フィルムを用いながら、溶融した前記相変化材料を押し出す工程とを含む請求項55に記載の方法。
【請求項65】
前記熱インターフェイス材料は相変化材料を含み、前記熱インターフェイス材料に前記メタライゼーション層を設ける工程は、
前記相変化材料を該相変化材料の融解温度より高い温度に加熱する工程と、
ラミネートニップおよび台を加熱する工程と、
加熱した前記台上に剥離ライナまたはメタライゼーション転写フィルムのうちの一方を配置する工程と、
加熱溶融した前記相変化材料を、概して前記加熱した台上に配置された前記剥離ライナまたはメタライゼーション転写フィルムのうちの一方の少なくとも一つの縁の幅にわたって延展する工程と、
前記剥離ライナおよび転写フィルムのうちの他方を、前記相変化材料が概して前記剥離ライナと前記メタライゼーション転写フィルムとの間に位置するように、前記相変化材料上に配置する工程と、
前記剥離ライナ、相変化材料およびメタライゼーション転写フィルムを、加熱した前記ラミネートニップを通して引き出し、前記相変化材料が側方方向に流動して、前記メタライゼーション転写フィルムおよび剥離ライナを被覆することを可能にする工程と、
剥離ライナ、相変化材料およびメタライゼーション転写フィルムを室温まで冷却する工程とを含む請求項55に記載の方法。
【請求項66】
発熱部品からの熱伝導に関する方法であって、該方法は、熱インターフェイス材料組立体を、概して前記発熱部品の表面とヒートシンクの表面との間に設置し、それにより前記発熱部品から前記ヒートシンクへの熱伝導性熱経路を確立する工程を含み、前記熱インターフェイス材料組立体は、熱インターフェイス材料と、該熱インターフェイス材料の少なくとも一部に沿って配置された約0.0005インチ(0.0127mm)以下の層厚を有するメタライゼーション層を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【公表番号】特表2011−503874(P2011−503874A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533134(P2010−533134)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/075172
【国際公開番号】WO2009/134280
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(507358446)レアード テクノロジーズ インコーポレイテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】LAIRD TECHNOLOGIES,INC.
【Fターム(参考)】