説明

血管アクセスシミレーションシステムへの器具の接続のためのインターフェース装置

【課題】血管アクセス手順のシミュレーションにおいて模倣の医療器具の形の種々の抹消部をインターフェース装置を経由して医療手順シミュレーションシステム内の現実性を向上すること。
【解決手段】血管アクセスシミレーションシステムへの器具の接続のためのインターフェース装置30及び方法が、医療手順のシミレーションを可能にするために、シミレーションシステムの模倣又は実際の医療器具の形の末梢に接続するように作用し、インターフェース装置30が、カテーテルニードルアセンブリを収容するためのカテーテルユニットアセンブリ、及び医療手順を遂行するために皮膚の牽引又は別の解剖部位の操作を模擬するための皮膚牽引機構を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1996年9月19日に公開された題名「コンピュータに基づく医療手順のシミレーションシステム」の国際公開番号第WO96/28800号、1997年9月4日出願の題名「介在的な放射線写真術のインターフェース装置及び方法」の米国特許出願第08/923,477号、及び1999年1月27日出願の題名「医療手順シミレーションシステムへの器具の接続のためのインターフェース装置及び方法」の米国特許出願に一般的に開示されている種類のコンピュータ化されたシミレーションシステムに関する。上記参照の国際公開及び特許出願の開示事項の全ては、本明細書の一部をなすものとする。特に本発明は、到達した血管からの血液の採取及び血管への種々の流体の供給のために血管への到達について医学的専門家を訓練するためのシミレーションシステムへの器具の接続(インターフェース)のためのインターフェース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、血管アクセス手順等の種々の医療手順の実施には、患者を傷つける可能性のある複雑性を回避する十分な技術が必要である。患者への好結果な医療を確保するために、医療従事者は一般的に、これらの種類の手順を実施するために必要な技術水準及び経験を所持する必要がある。生きている患者への医療手順の実施は、優れた訓練を提供するが、手順は通常は特定の生きている患者に、限られた回数で実施出来るだけであり、患者への傷害を回避するために、手順を管理及び監督する熟練した実務者による立ち会いが必要である。更に生きている患者への医療手順における医療専門家の訓練は、適切な設備及び機器(例えば病院設備及び機器)の使用が必要であり、従って実質的な費用が発生し、更に手順の実行は特定の時間及び場所に制限される。
【0003】
従来技術では、医師又はその他の医療専門家のシミレーション技術を使用することによる種々の医療手順の実施訓練のために、生きている患者を使用することの上記の欠点を克服する試みが行なわれてきた。特に米国特許第4907973号(Hon)は、現実的な内部環境のモデル化のためのエクスパート(専門家の)システムシミレータを開示する。シミレータは、内視鏡手順を模擬(シミレーション)するために使用可能であり、それにより模倣の内視鏡が挿入されモデル内で操作される。モデルは対象の模倣の身体の区域及び内視鏡の位置を検知する複数のセンサーを備える。コンピュータはセンサーから信号を受信し、実際の手術において計測された内視鏡の位置から観察された映像に代用するこれらの信号に従いメモリからデータを検索する。データはその後ビデオ画面に表示され、それにより表示された画像は、モデル内の内視鏡の動きに基づいて調整される。これとは別にシミレータは、血管形成バルーン手術を模擬するために使用でき、その場合には模倣のカテーテル(管)が挿入され、内部動脈モデル化装置内で操作される。内部動脈モデル化装置は、模倣の動脈経路内で挿入されたカテーテルの進行を追跡するセンサーを有する模倣の動脈経路を具備できる。コンピュータは内部センサーから受信したセンサーデータに基づく記憶部からのデータを検索し、処理し、現実的な環境を模擬するように視覚的に表示する(例えば動脈ネットワーク内のカテーテルの画像)表示装置に処理データを送信する。
【0004】
米国特許第4642055号(Saliterman)は、血流力学監視訓練システムを開示しており、それは血流力学監視(例えば、心肺疾患の種類及び程度を決定し、治療方法を評価し、心臓機能を監視するために、心臓内の肺動脈及びウェッジ(wedge)圧力を計測する目的で、遠くの血管から心臓を通り肺血管へ通過するカテーテルの設置)において医療専門家に実質的な経験を可能にする。システムはトレーナー(trainer)、コンピュータ、表示装置、キーボード及びマウスを具備し、カテーテル挿入プロセスを模擬する。遠位端部に設置されたバルーンを有するカテーテルが、カテーテル挿入地点においてトレーナーのマネキン内に挿入される。バルーンは一般的に、心臓を通るカテーテルの先端部を補助するために膨張されており、ウェッジ圧力を計測するために肺動脈内で膨張できる。マネキンは挿入地点から内側に伸張する血管を代用する管及びセンサーを越えるカテーテル先端部の進行を計測する位置センサーを具備する。センサーデータは、コンピュータによりトレーナーのマネキン内のカテーテルの操作に基づいて、対応する実際の人体内のカテーテル先端部の位置を決定することが可能である。コンピュータはトレーナーから信号を受信し、心臓及び血管を通るカテーテルの模擬された動きを表示する模擬の蛍光透視鏡画像を表示装置に表示できる。
【0005】
Hon and Salitermanシステムには幾つかの欠点がある。特にこれらのシステムは身体的なモデルを使用しており、それによりそのモデルにより形成される特定の身体的な区域又は動脈経路に対する医療手順の訓練に制限する。更に、モデルは通常は実際の体と実質的に同じ解剖的構造を具備せず、医師又はその他の医療専門家が同じモデルの解剖的構造による手順の実行に慣れることが出来ないので、身体モデルの使用は、シミレーションの現実性を低下し、シミレーション訓練の効果を減少する。Hon and Salitermanシステム内の別の身体の区域又は異なる動脈経路による手順の実施は一般的に新しいモデル又は既存のモデルの実質的な改造を必要とし、それによりシステムの柔軟性を制限し、システム費用を増大する。その上、Salitermanシステムには器具へのコンピュータ制御の力のフィードバックがなく、それによりシミレーションの現実性を低下し、シミレーション訓練の効果を減少する。言い換えれば、Salitermanシステムは、実際の医療手順において器具に適用される力のコンピュータによる模擬感覚を具備しない。
【0006】
上記の身体モデル適用の欠点を克服するために、医療手順シミレーションシステムは、対象の仮想の身体区域において医療手順の実践を模擬するために、仮想現実(バーチャルリアリティ)技術を使用する。種々のタイプのインターフェース装置は一般的に、使用者のシミレーションシステムとの相互作用が可能なように、これらのシステムにより適用される。更にインターフェース装置は、実際の医療手順において遭遇する力を模擬するために、使用者に力のフィードバックを提供できる。例えば国際公開第WO95/02233(Jacobus他)は、内視鏡医療手順の正確なシミレーションを提供するために、仮想現実技術及び力のフィードバックを適用する医療手順シミレーションシステムを開示する。システムは、表示装置、音響装置、画像/イメージ処理エンジンと記憶モジュール、及び医療器具の「感じ」及び解剖シミレーションと医療器具の相互作用の「感じ」を生じる力のフィードバックを提供するプログラム可能な立体感のある/力の反射機構(例えばインターフェース装置に配置される)を備える。力のフィードバックは一般的に、力及びトルクを使用者の手に医療器具の代用部材を介してその部材の操作に対応して伝える4軸装置を経由して立体感のある/力の反射機構により実現される。力及びトルクは、医療手順環境の仮想現実シミレーション又は器官の幾何学的モデルの特性に関して部材の位置に基づいて使用者の手に適用される。力及びトルクは一般的に、シミレーションにおいて現実的感覚を形成するように部材を操作する4基のサーボモータにより形成される。
【0007】
米国特許第5623582号(Rosenberg)は、一般的に仮想現実シミレーションシステムに使用するための人/コンピュータインターフェースツールを開示する。インターフェースツールは、シミレーションシステムのコンピュータに対して外科医の道具の軸等の実質的に円筒状の対象を接続(インターフェース)することが好ましいので、コンピュータは対象に適用される力のフィードバックを有する仮想現実シミレーションを提供するように信号を生成できる。インターフェースツールは、2自由度を有していて支持に接続していて好適には3基の電気機械式送信器であるジンバル機構を備える。ジンバル機構が係合する場合に、対象は球状座標空間内で3自由度で動くことが出来、それにより各送信器は対象の動きのそれぞれの自由度に関連し、検知する。第4の送信器は軸の周りの対象の回転を計測するためにインターフェースツールにより適用できる。これとは別にインターフェースツールは、カテーテル挿入仮想現実システムを収納可能であり、一般的に2次の自由度の動きを有するカテーテルを使用しており、それによりインターフェースツールは、カテーテルの並進及び回転にそれぞれ関連し検知する2基の送信器を備える。インターフェースツールの送信器は、使用者に力のフィードバックを提供するために対象物への力を伝えるアクチュエータを具備できる。
【0008】
米国特許第5821920号(Rosenberg他)は、対象収容部分及び回転送信器を備える電気システムを有する長い柔軟な対象物に接続(インターフェース)するための装置を開示する。対象が対象収容部分に係合して、対象と電気システムの間の電気化学的インターフェースを形成する場合に、回転送信器は長い対象の回転運動を決定する。回転送信器は更に、対象と電気システムの間の並進電気化学的インターフェースを更に形成するように、アクチュエータ及び並進送信器を具備できる。前後一列(タンデム)の形態が、外部の軸及び長い柔軟な対象を有する装置を収容するために使用できる。この形態は、外部の軸と長い対象物をそれぞれ収容する第1と第2の対象収容部分を備える。各第1と第2の対象収容部分は、アクチュエータ及び並進送信器を有しており、それにより回転送信器は第2の対象収容部分に回転可能に接続する。これとは別の実施の形態において、対象収容部分は、ジンバル装置の部分を形成できる。インターフェース装置の送信器は、動きを検知するための入力送信器又は長い対象に力を伝えるための出力送信器として稼働できる。
【0009】
米国特許第5704791号(Gillio)は、患者と、実際の手順において外科医が使用する身体用器具と、を模擬する装置の画像データを使用する手術手順のシミレーションを可能にする仮想手術システムを開示する。画像データは、3次元データにおける解剖的構造の一部分に対応しており、コンピュータの記憶装置に記憶されており、それにより使用者入力装置は画像データを介して動くように使用され、その一方で画像データは表示装置に表示される。仮想手術は、入力装置の操作及び画像データに基づいて模擬できる。更に力のフィードバックは、身体的拘束モデル又は角部と、仮想ツール及び画像データの壁又は角部の間の衝突検知と、に基づいて形成できる。更に仮想シミレータは、実際の手術手順のデータの記録又は遠隔外科処理装置として使用できる。更にシステムの手術シミレータ使用者入力装置は、第1の仮想オリフィス及びボックス装置を通りその内に伸張するホースの端部に取り付けられた第1の仮想内視(scope)装置を備える。第1の仮想オリフィスは、ボックス装置の頂部に取り付けられており、ホースを収納する一方で、ボックス装置はホースに対して力のフィードバックを取り扱い更に適用できる配置を具備する。第2の器具は、第1の仮想内視(scope)装置に形成される第2の仮想オリフィスを通り伸張する軸に取り付けられる。第1の仮想内視(scope)装置、第2の器具及び/又は第1と第2の仮想オリフィスからの信号は、手術手順のシミレーションを可能にするようにコンピュータに送信される。
【0010】
上記の仮想現実システムには、幾つかの欠点がある。特に仮想現実システムは一般的に、医療手順を模擬するために器具に接続(インターフェース)する。しかしこれらのシステムは、手順が実施される解剖部位の操作及び準備を模擬する方法を備えていないので、それにより医療手順の一部分にシミレーション及び訓練が限定される。更に仮想現実システムに接続する器具は一般的に、インターフェース装置力反射機構(例えばアクチュエータを有する)に伸張するか、あるいはインターフェース装置及びインターフェースの多数の構成要素を通り伸張しており、それにより操作において器具並進運動が急であったり、矛盾を生じる可能性がある。その上、Jacobus and Rosenberg(米国特許第5623582号)システムは一般的に、単一の器具に力のフィードバックを形成するために複数のアクチュエータを使用するので、それによりシステムの複雑性と費用が増大する。
【0011】
手術シミレーションシステムのためのこれとは別のコンピュータインターフェース装置は、カリフォルニアのImmersion Corporation of Palo Altoにより製造されるImmersion PROBE(浸漬プローブ)を具備する。このインターフェース装置は、6次の自由度を有する軽量の機械的なリンケージ(連結部材)に支持されるペンの様な針(stylus)を備えており、針の位置と方向を一連の接続口インターフェースを経由してコンピュータに伝える。センサーはリンケージ状接続部に配置されており、針の空間座標(即ちX,Y,Z)及び方向(即ちロール(横揺れ)、ピッチ(縦揺れ)、ヨー(左右揺れ))をコンピュータに送信する。しかしこのインターフェース装置は、通常の医療器具に似ていないし、インターフェース装置にコンピュータ制御の力のフィードバックを適用する方法を備えていないので、シミレーションの現実性を低下し、シミレーション訓練の効果を減じている。
【発明の開示】
【0012】
・発明の目的及び概要
従って本発明の目的は、医療手順の種々の形態の現実的なシミレーションを可能にするために、模倣の医療器具の形の種々の末梢部をインターフェース装置を経由して医療手順シミレーションシステムに接続(インターフェース)することにより、医療手順シミレーションシステム内の現実性を向上することである。
【0013】
本発明のこれとは別の目的は、医療従事者に対してこれらの手順の現実的な訓練を提供するために、インターフェース装置を経由して血管アクセス手順のシミレーションを容易にすることである。
【0014】
本発明の更にこれとは別の目的は、手順が実施される解剖部位の操作及び準備を、医療従事者が模擬することを可能にすることにより、医療従事者に対して医療手順の向上した訓練を提供することである。
【0015】
本発明のやはりこれとは別の目的は、血管アクセス及び/又はカテーテル挿入手順の現実的なシミレーションを可能にするように、インターフェース装置を経由して医療手順シミレーションシステムに対して複数の血管アクセス器具(例えばニードル及びカテーテルアセンブリ)を接続することにより、従事者に対して医療手順の向上した訓練を提供し、更に医療手順シミレーションシステム内の現実性を向上することである。
【0016】
本発明の更なる目的は、模擬手順において器具の円滑な動き及び器具への力のフィードバックの適用を可能にするインターフェース装置を経由して医療手順シミレーションシステムに器具を接続(インターフェース)することである。
【0017】
前述の目的は、個別に更に組み合わせて達成され、本明細書に記述する請求項によりはっきりと要求されない限り、本発明について、2以上の目的を組み合わせる必要があるとして解釈されることは意図されない。
【0018】
本発明に従い、血管アクセスシミレーションシステムへの器具の接続(インターフェース)のためのインターフェース装置及び方法は、一般的にコンピュータシステムと表示装置を備えており、医療手順のシミレーションを可能にするために、シミレーションシステムに対して模倣の又は実際の医療器具の形の末梢部を接続するように作用する。インターフェース装置は、カテーテルニードルアセンブリを収容するためにカテーテルユニットアセンブリ、及び解剖部位の操作を模擬するために皮膚牽引機構を備える。カテーテルニードルアセンブリ及び皮膚牽引機構は、医療手順において使用者により操作される。カテーテルユニットアセンブリは、ベースと、ハウジングと、ベアリングアセンブリと、カテーテルニードルアセンブリを収容する軸とを備える。ハウジングはベースに回転可能に接続しており、一方でベアリングアセンブリはハウジングに回転可能に接続しており、それにより2自由度(例えば、それぞれヨー及びピッチ)でカテーテルニードルアセンブリの操作を可能にする。ベアリングアセンブリはカテーテルニードルアセンブリの並進を可能にしており、カテーテルニードルアセンブリの操作に従い軸を並進可能にするベアリングを備える。軸は、軸の近位及び遠位端部の間で、これらの端部の間に配置されたプーリーの周りに伸長するテンション部材に接続する。テンション部材及びプーリーの配置は、カテーテルニードルアセンブリの円滑な動きを可能にする。力のフィードバック装置は、プーリーの回転を妨げ、カテーテルニードルアセンブリに力のフィードバックを適用するように使用しても良い。
【0019】
軸は一般的に、カテーテルニードルアセンブリのニードルの並進運動を計測するためにエンコーダを具備する。これとは別に軸は、カテーテルニードルアセンブリを通りインターフェース装置に挿入される器具の並進運動を計測するために、これとは別のエンコーダを具備しても良い。更にインターフェース装置は、種々の自由度(例えば、並進、ピッチ及びヨー)でカテーテルニードルアセンブリの操作を計測するために、エンコーダを具備する。
【0020】
皮膚牽引機構は、医療手順を実施するために、皮膚の牽引又は別の解剖部位の操作を模擬するために使用される。該機構は、第1と第2のプーリーの間に部分的に伸長しており、周りに配置されるベルトを具備しており、そこではベルトは使用者による操作に抗してばねで押しつけられている。第1のプーリーの近位に配置されるエンコーダは、機構の操作を計測するように使用される。
【0021】
シミレーションシステムは、インターフェース装置のエンコーダからの計測を受信し、カテーテルニードルアセンブリ及び/又は解剖部位の操作を反映するために表示及びシミレーションを最新化する。シミレーションシステムは更に、カテーテルニードルアセンブリへの力のフィードバックの適応を可能にするために、力のフィードバック装置へ制御信号を送信する。
【0022】
本発明の上記及びその上更なる目的、特徴及び利点は、それの特定の実施の形態の以下の詳細な説明を、特に添付図と共に検討することにより明確になると考えられる。添付図では種々の図面における同じ参照番号は、同じ構成要素を指定するために使用されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
医療専門家の血管アクセスの訓練のための血管アクセス訓練システムを図1と2に示す。血管アクセス訓練システムでは、到達(アクセス)した血管に流体を供給したり、血管から血液を採取するために、病院及び/又は臨床環境における血管へのアクセスのために医療専門家を訓練する。基本的に血管アクセス訓練システムは、医療専門家に対する、末梢の血管アクセス、静脈内カテーテル挿入、末梢に挿入された中央(central)カテーテルの設置及び中央静脈(central venous)カテーテル挿入等の種々の技術の実践の訓練に使用できる。特に血管アクセス訓練システムは、コンピュータシステム25とインターフェース装置30の間で信号を伝送するために、コンピュータシステム25と、インターフェース装置30と、通信インターフェース24とを備える。コンピュータシステム25は、表示装置28と、ベース26(例えばプロセッサ、メモリ及び付属するハードウェア)と、キーボード20と、マウス22とを備えており、IBM、Dell、Silicon Graphics,Inc.等により製造される従来の又は市販のワークステーションにより一般的に実施される。医療専門家はインターフェース装置30と相互作用する(interact)一方で、表示装置28で相互作用の効果を観察する。手の甲部の血管を表示する血管アクセス訓練システムの例の表示を図2に示す。コンピュータシステム25は、インターフェース装置との相互作用に基づいて表示装置28を調整するように、インターフェース装置30から、通信インターフェース24を経由して受信した信号を処理する。通信インターフェース24は、インターフェース装置30から信号を採取して、これらの信号をコンピュータシステム25に伝送するプロセッサー又はその他の電気回路を含む。コンピュータシステムは人体の皮膚の表面及び表面下(subsurface)の解剖のシミレーションを実施し、それによりインターフェース装置30により適用される種々の器具(例えばカテーテル及びニードル)の位置決め情報が、最新のサイクル当たり少なくとも1度の採取される。コンピュータシステム25は、位置決め情報に基づいて模擬された人体の解剖における器具の動きの影響を決定する。解剖モデルは変形するかさもなければ、コンピュータシステム25により表示装置28上に表示されたシミレーションの結果により、ニードル及び/又はカテーテルの動きを反映するように調整される。更に実際の手順において医療の専門家が経験する抵抗力又は反作用力は、シミレーションに下記の様に現実的な感じを持たせるために、インターフェース装置の器具に、力のフィードバック機構を経由して伝達される。
【0024】
インターフェース装置30は、図3に示すように医療専門家の血管アクセスを模擬可能にする。特にインターフェース装置30は、カテーテルユニットアセンブリ34と、皮膚牽引機構36と、ケース32とを備える。カテーテルユニットアセンブリ34は、ケース内に配置されており、実際の血管アクセス手順において医療専門家により操作されるカテーテルニードルアセンブリの位置を模擬する。皮膚牽引機構36は、ケース32の外面に取り外し可能に取り付けられており、人体の解剖の一部分へ適用される圧力及び牽引を模擬しており、その一方で血管アクセス手順を遂行する。医療専門家は、血管アクセス手順の実施を模擬するために、カテーテルユニットアセンブリ34のカテーテルニードルアセンブリ及び皮膚牽引機構36を操作する。
【0025】
カテーテルとニードルの位置決めを模擬するためのカテーテルユニットアセンブリ34を、図4及び図5aに図示する。特にカテーテルユニットアセンブリ34は、ベース60と、ベース60に配置されたハウジング50と、ハウジングに配置されたベアリングアセンブリ45と、カテーテルニードルアセンブリ47と、カテーテルニードルアセンブリ47を受容するための軸44とを具備する。カテーテルニードルアセンブリ(図5a)は一般的に、医療専門家により操作され、ニードルアセンブリ68及びカテーテルハブ46を具備する。ニードルアセンブリ68は、ニードルハンドル48と、ニードル肩部74と、ニードル軸72とを具備する。ニードルハンドルは、ニードルハンドルに近接して設置されるニードル肩部74を有するニードルアセンブリの近位端部に配置される。ニードル軸72は、ニードル肩部74からニードルアセンブリの遠位端部に向かって伸張する。カテーテルハブ46は、カテーテルハブを回転させるために、回転するベアリング90を経由して軸方向に伸張するカテーテルチューブ91を有する軸44に接続する。カテーテルハブは、カテーテルハブにニードル軸を収容するためにニードル軸72の横断面寸法より大きい横断面寸法を有する。カテーテルハブは更に、ニードル軸がカテーテルハブに入るために、ニードル肩部74に係合することにより止めるか又は掴むように作用するようにOリング76を具備する。回転するベアリング90に近接するカテーテルハブ46に形成される開口は、ニードル軸をカテーテルハブを通り配置させており、軸44内のカテーテルチューブ91に伸張する。ニードルアセンブリは、カテーテルハブ46内に挿入されるので、ニードル軸72は回転するベアリング90を通り軸44内のカテーテルチューブ91に伸張する。ニードル軸は、軸44内でエッチングされたベアリング80に対してばねクリップ88(例えばカテーテルチューブはそのチューブ内で器具をばねクリップにより操作できるように十分に弾性がある)により固定されるので、それによりニードル軸はカテーテルチューブ91内の開口(図示されない)を経由してエッチングされたベアリングに接触する。ニードル軸72の軸44への挿入又は引き抜きの際に、エッチングされたベアリングは回転し、更にエッチングされたベアリングは明暗の帯を具備する。光式エンコーダ82は、帯を検知し、エッチングされたベアリングの回転を計測するためにエッチングされたベアリング80に近接して配置されており、それによりカテーテルハブにおけるニードル軸の並進運動の指示を送信する。通信インターフェースは、ニードル軸の並進運動を指示するエンコーダ82のパルス計数を決定し、この情報をコンピュータシステム25に伝送する。
【0026】
これとは別にカテーテルユニットアセンブリは、図5bに図示するように、ニードルを通り挿入されるワイア又はカテーテル等の、同軸の装置の操作を計測するように形成されても良い。ワイアがカテーテルニードルアセンブリを通り配置されており、軸44がワイア操作を計測するための追加のエンコーダを備える以外は、カテーテルユニットアセンブリは、図5aに関して上記したカテーテルユニットアセンブリと実質的に同様である。特にカテーテルニードルアセンブリは、上記のように軸44に挿入されており、それによりエンコーダアセンブリ87は、ニードル軸72の並進運動を計測するために軸近位端部に向かって配置される。エンコーダアセンブリ87は、摩擦車輪85と、エンコーダディスク83と、エンコーダセンサー81とを具備する。摩擦車輪85はカテーテルチューブ91のすぐ近くに配置されており、エンコーダディスク83に接続する。エンコーダディスク83には、エンコーダディスクの回転を計測するために、エンコーダセンサー81により検知される反射及び非反射マークが交互に配置される。エンコーダセンサー81は、Hewlett Packard HEDR−8000等の反射光式表面設置式エンコーダにより実施されることが好ましい。ニードル軸72は、ばねクリップ92により軸44内の摩擦車輪85に対して押しつけられる。ニードル軸はカテーテルチューブ91に形成された開口93を経由して摩擦車輪85に接触する。ニードル軸72の並進運動は、摩擦車輪85を回転させるので、それによりエンコーダディスク83は回転する。エンコーダセンサー81はエンコーダディスクの回転を計測し、それによりニードル軸の並進運動の指示を送る。
【0027】
ワイア49は、ニードルアセンブリ68を通過して、カテーテルチューブ91内のニードル軸の遠位端部を越えて軸の遠位端部に向かって伸長しても良い。エンコーダアセンブリ89は、ワイア49の並進運動を計測するために、軸の遠位端部に向かって配置される。エンコーダアセンブリ89は、エンコーダアセンブリ87と実質的に同じであり、それぞれエンコーダアセンブリ87に関して上記したように、摩擦車輪84と、エンコーダディスク86と、エンコーダセンサー88とを備える。ワイアはばねクリップ94により、軸44内で摩擦車輪84に対して押しつけられる。ワイアは、カテーテルチューブ91内に形成された開口95を経由して摩擦車輪84に接触する。ワイア49の並進動作により摩擦車輪84が回転し、それによりエンコーダディスク86を回転する。エンコーダセンサー88はエンコーダディスクの回転を計測し、それによりワイア並進運動の指示が送られる。
【0028】
中央静脈カテーテル(CVC)の設置シミレーションに関連するこれとは別の形態の例示のオペレーションについて説明する。特にニードル軸72が軸44に挿入されるので、それによりニードル軸の並進運動は、上記のようにエンコーダアセンブリ87により計測される。ワイア49は、ニードルアセンブリ68を通り実質的に挿入されており、それによりワイアの並進運動は上記のようにエンコーダアセンブリ89により計測される。ニードルアセンブリ68はインターフェース装置から完全に移動され、適切な寸法のカテーテル(図示されていない、例えばニードル軸と近似の寸法を有する)が、ワイア49の上に通され、ハブ46を通りカテーテルチューブ91に挿入される。カテーテルの並進運動及びニードルアセンブリ68の移動は、エンコーダアセンブリ87により検知される。ワイア49は、カテーテルを通り流体を流すために同様に移動しており、それによりワイアの並進運動及び移動は、エンコーダアセンブリ89により検知される。シミレーション及び表示を最新化するために、エンコーダアセンブリの計測が、コンピュータシステムに送信される。
【0029】
再度図4を参照すると、カテーテルニードルアセンブリが、軸に回転可能に接続するカテーテルハブ46により軸44の近位端部に挿入される。軸44の遠位端部は、軸を並進可能にするために、ベアリングアセンブリ45を通り配置される。ベアリングアセンブリ45は、ベアリング38、40、42を具備しており、ベアリング40、42の間にベアリング38が設置される三角形の状態で配置されている。軸44の遠位端部は、ベアリングアセンブリ45を通り配置されるので、軸はベアリング40、42に載っており、ベアリング40、42とベアリング38の間に位置する。ベアリングにより、軸44従ってカテーテルニードルアセンブリ47は、ハウジング50に向かって且つハウジングから離れて並進可能である。軸44は、軸の遠位及び近位端部に向かってそれぞれ配置される止め部41、43を更に具備する。止め部41は、ベアリング40に接続(インターフェース)しており、一方で止め部43は、ベアリングアセンブリ45内で軸を保持するために軸の並進運動を制限するためにベアリング38に接続する。
【0030】
ベアリングアセンブリ45は、ハウジング50に回転可能に取り付けられており、ベアリング42の回転軸の周りでハウジング50に関して操作されても良い。ベアリングアセンブリの回転は、カテーテルニードルアセンブリ47を種々のピッチ(例えば、前方及び後方)で操作可能にしており、それにより模擬される人体解剖へのニードルの挿入の種々の角度のシミレーションを可能にする。ハウジング50はベアリング42を支持しており、それによりベアリングアセンブリ45をハウジングに接続する。ハウジング従ってカテーテルニードルアセンブリをベースに関して回転可能にするために、ハウジングはベアリング58を経由してベース60に取り付けられる。ハウジング50の回転運動は、種々のヨー運動の位置を有するニードル挿入シミレーションを実現する。ベアリングアセンブリ、ハウジング及び軸の種々の動きは、システムによるカテーテルニードルアセンブリの3次の自由度(例えば、ピッチ、ヨー及び並進)のシミレーションを可能にする。
【0031】
カテーテルニードルアセンブリの動きの自由度は、ポテンショメータ及びエンコーダを介して計測される。特にピッチポテンショメータ56は、ハウジング50に取り付けられており、ハウジング内に配置されたカップリング59を経由してベアリングアセンブリ45に接続する。カップリング59は、長手方向のバー55及び横方向のバー53を具備する。長手方向のバー55が、ベアリングアセンブリ45からハウジング50の長手方向の軸に沿って実質的に伸長する一方で、横方向のバー53は、長手方向のバー55の遠位端部からカップリング軸57へハウジングの横方向の軸に沿って実質的に伸長する。横方向のバー53の遠位端部は、実質的に環状の円板51を経由して軸57に固定される。ポテンショメータ56は、軸の回転従ってカテーテルニードルアセンブリ47のピッチを計測するために、カップリング軸57に取り付けられる。基本的にベアリング42の回転軸の周りのベアリングアセンブリ45の操作により、長手方向のバー55はハウジングの長手方向の軸に実質的に沿って並進する。並進運動は同様に、横方向のバー53の近位端部を長手方向のバー55と共に並進させる。横方向のバー53の近位端部の並進運動は、横方向のバーの遠位端部によるカップリング軸57の回転を可能にしており、それによりポテンショメータ56はカップリング軸の回転を計測するので、軸44のピッチ角度(例えば、前方又は後方の角度)を指示する。ヨーポテンショメータ62は、下部に配置されており、アームをベースに接続するピン66及びアーム64を経由してベース60に取り付けられる。軸61は、ヨーポテンショメータ62からベース60を通りベアリング58及びハウジング50へ伸長しており、それによりヨーポテンショメータは、ハウジング50の回転従ってカテーテルニードルアセンブリ47のヨー位置を計測する。通信インターフェースは、カテーテルニードルアセンブリの操作(例えば、ピッチ及びヨー)を指示するポテンショメータ56、62から信号を受信し、処理のためにコンピュータシステム25へ信号を伝送する。力のフィードバックユニット54は、現実的なシミレーションのためにカテーテルニードルアセンブリへフィードバック力を提供するために、ハウジング50内に配置される。力のフィードバックユニットは、コンピュータシステム25から通信インターフェース24を経由して受信された制御信号に基づいて軸の動きを妨げるために、テンション部材33を経由して軸44に接続する。通信インターフェースは、力のフィードバックユニットを制御するために、コンピュータシステム25からの制御信号をアナログ信号に変換するために、デジタル−アナログ変換器(DAC)を具備しても良い。並進エンコーダ52は、ハウジング50に取り付けられており、力のフィードバックユニットの軸の回転又は軸44の並進運動を計測するために、力のフィードバックユニット54の軸(図示されていない)に接続する。通信インターフェースは、カテーテルニードルアセンブリの並進運動を指示するエンコーダのパルス計数を決定しており、この情報をコンピュータシステム25に伝送する。
【0032】
力のフィードバックユニット54は、軸44の動きを妨げ、カテーテルニードルアセンブリ47に現実的な感じを形成するために、図6に示すように、力を適用する。特に力のフィードバックユニット54は、軸102を有する力のフィードバック装置98及びオフセットプーリー100を具備する。力のフィードバック装置98は、電磁ブレーキ又は電動モータあるいは他の力発生装置により実施されても良く、一般的にオフセットプーリー100内に部分的に配置される。軸102は力のフィードバック装置98を通り伸長しており、それによりオフセットプーリー100はセットスクリュー104を経由して軸に取り付けられる。力のフィードバック装置98は一般的に、固定具97を経由してハウジング50に取り付けられており、オフセットプーリーの回転を妨げるように軸102に力を適用する。テンション部材33は、軸44の近位及び遠位端部にそれぞれ取り付けられる各テンション部材端部によりオフセットプーリー100の周りに巻き付けられる。言い換えれば、テンション部材33は、ベアリング42上の軸44の遠位端部(図4)からオフセットプーリー100へ伸長しており、それによりテンション部材はオフセットプーリーの周りに伸長して、軸の近位端部までベアリング42上を戻り伸長する。従って軸44を並進する際に、テンション部材33は、オフセットプーリー100を回転させる。力のフィードバック装置98はオフセットプーリーの回転を妨げており、それにより軸44を動かすために追加の力が必要であり、シミレーションに対する現実的な感じを伝える。並進エンコーダ52はハウジング50に配置されており、軸102の回転を計測し、軸44又はカテーテルニードルアセンブリの並進運動の指示を送るために、軸102に接続する。
【0033】
図7に示すように、血管アクセス手順を開始する前に、皮膚牽引機構36は、人体解剖の準備を模擬する。特に皮膚牽引機構36は、ケーシング127(図3)と、ベルトプーリー112、115と、ベルト108と、ベルトテンションばね122と、ベルト位置決めばね118と、弾性のある裏板113とを具備する。ベルトプーリー112、115は一般的に、実質的に円筒状であり、ケーシング127の向き合う端部に配置される。ベルト108は、ベルトプーリーの周りに配置されており、プーリーの周りの経路の長さより少し短い長さであるので、少しの隙間がベルト端部間に存在する。ベルト端部は、グロメット124を備えており、それによりベルトテンションばね122は、プーリーの周りでベルトをしっかり固定するために、各ベルト端部のグロメット内に配置される。ベルト位置決めばね118は、ベルトグロメット124内に配置されており、そのグロメットからケーシング127内の支持部121まで伸長する。力がベルトに適用される場合に(例えば、ベルトが医療専門家により操作される場合に)、ベルト位置決めばねは、ベルト位置決めばねテンションに反対の方向に、ベルトプーリー112、115上でベルトを動かす。弾性のある裏板113は、皮膚の弾性をシミレーション可能にするために、ベルト108の下に配置される。2つの面のベアリング部材126は、ベルト108上で圧力を支持し低摩擦のベルトの動きを可能にするために、2つの滑らかなベアリング面を形成するように、弾性のある裏板113の下に配置される。ポテンショメータ114は、ベルトプーリーの回転を計測し、コンピュータシステム25に通信インターフェース24を経由してベルトの動きの指示を送るために、ベルトプーリー112の軸に接続する。皮膚牽引機構は更に、該機構をインターフェース装置のケース32(図3)に接続するために、スロット130及びピン132を備える。従って皮膚牽引機構は、人体の解剖面の現実的な感じを提供する。
【0034】
血管アクセス訓練システムのオペレーションを、図1から7を参照すると共に説明する。最初に血管アクセス訓練システムは、末梢の血管アクセスをカバーする血管アクセスモジュール等の種々のモジュールを具備しており、それにより医療専門家は希望するシミレーションに対応するモジュールを選択する。システムは、選択されたモジュールを実行し、医療専門家はケーススタディーを選択することが可能であり、その一方で選択されたケースのためのケースの経歴を提供する。一連のビデオ及び別の訓練要素が、医療専門家に提示されるので、それにより医療専門家は、照会への回答及び/又は選択の実施のために、キーボード及びマウスを経由してシステムと交信する。訓練に続いて、血管アクセス手順が、インターフェース装置30の操作により模擬されており、それによりシステムは、選択されたケースに対応して解剖を模擬する。例えばもし手順が、手の甲部のカテーテル挿入を含む場合には、手は表示装置28に表示される(例えば、図2に示すように)。模擬された手は、皮膚牽引機構36及びカテーテルユニットアセンブリ34の操作に基づいてシステムにより修正される。
【0035】
実際の手順において、皮膚は一般的に、血管の設置を容易にするように収縮される。その様な力が患者の皮膚に適用される方法と同様に、医療専門家が一般的に、ベルト108(例えば、親指で)に力を適用するこの操作手順を、皮膚牽引機構36は模擬する。ベルト108に適用される力は、患者の皮膚を変形するのと同様の方法で、弾性のある裏板113を変形する。ベルトは一般的に、患者の皮膚を牽引する感じを模擬するために、医療専門家に向かってインターフェース装置から離れるように操作される。力がベルトに適用される時に、ベルト位置決めばね118は、医療専門家により感じられる抵抗力を形成する。ベルトの動きは、ベルトプーリー112、115を回転させており、そこではベルトプーリー112の回転は、ポテンショメータ114により計測される。ポテンショメータは通信インターフェース24を介してコンピュータシステム25に信号を送信し、ベルトの動きを指示する。コンピュータシステム25は、信号を処理し、実際の患者のそれと同様の方法で、牽引の下の模擬された皮膚の変形を表示する。言い換えれば、シミレーションシステムは、牽引されている模擬された皮膚を表示装置28上に画像で表示し、皮膚の下の模擬された血管は、模擬されたニードルによるより容易なアクセスのために引き伸ばされて表示される。
【0036】
模擬された皮膚が牽引されると、医療専門家はマウス22を使用して仮想ニードルを血管上に設置する。カテーテルニードルアセンブリは、模擬される患者内にニードルを設置するために、種々の自由度(例えば、ピッチ、ヨー、並進)で操作される。システムは、操作に基づいて表示を変更するために各自由度を計測する。特にカテーテルニードルアセンブリ47の並進運動は、軸44を並進させる。軸44の並進運動は、テンション部材33によりオフセットプーリー100を回転させる。エンコーダ52は、オフセットプーリー100の回転を計測し、エンコーダは通信インターフェース24を経由してコンピュータシステム25に信号を送信し、ニードルの並進運動を指示する。
【0037】
ピッチを変えるカテーテルニードルアセンブリ47の操作は、上記のように、長手方向及び横方向のバー53、55によりカップリング軸57を回転する。カップリング軸の回転は、信号を通信インターフェースを経由してコンピュータシステム25に送るポテンショメータ56により計測されて、ニードルのピッチを指示する。更にヨーを変えるカテーテルニードルアセンブリの操作は、上記のように、ハウジング50をベアリング58上で回転させる。ポテンショメータ62は、この回転を計測して、通信インターフェース24を経由してコンピュータシステム25に信号を送り、ニードルのヨーを指示する。医療専門家がニードルを適切な位置及び角度に操作する際に、操作の自由度は、コンピュータシステム25により表示装置28の表示を調整可能にするために計測される。
【0038】
ニードルを、表示装置28に画像表示されるように必要な位置に操作する場合に、医療専門家はニードルをカテーテルユニットアセンブリ内に押し込む。表示装置は、ニードルがニードル操作に基づいて皮膚に近づき、窪ませる様子を、上記のエンコーダ及びポテンショメータにより計測されるように表示する。システムは、ニードルが模擬される患者の皮膚を破ることを検知し、力のフィードバック装置98により上記のようにオフセットプーリー100の回転を妨げることにより、医療専門家に力のフィードバックを提供するように制御する。種々のエラーが、血管の通過等の模擬される手順において発生する場合に、システムは血腫を模擬し、種々の痛みのような音を発生する。シミレーションは更にフラッシュバックの様に、表示装置に示されるニードルアセンブリの透明なハンドルにより見ることが出来る適切な対応を、医療専門家に示す。
【0039】
上記及び図面に示された実施の形態は、血管アクセスシミレーションシステムに器具を接続(インターフェース)するために、インターフェース装置及び方法を実施する多くの方法の2、3の例だけを示していることが認識される。
【0040】
各ポテンショメータ及びエンコーダは、光学的エンコーダ、リニアエンコーダ又は送信器、あるいはポテンショメータ等の任意の従来のエンコーダ又はポテンショメータにより実施しても良い。例えば、直線的な(a linear set of)明暗の線が軸44に配置されても良く、それによりエンコーダを直線的な(linear)目標を有する軸の動きを検知するために使用しても良い。力のフィードバックユニットは、機械式ブレーキ、電磁ブレーキ、電動モータ又は他のアクチュエータにより実施されても良く、器具を操作するために、追加又はより少ない力をそれぞれ必要とするようにプーリーの回転を妨害又は助長しても良い。更に追加の力のフィードバックユニットは、カテーテルニードルアセンブリの回転運動を妨害又は助長するために、更にシミレーションにおいて使用される追加の器具(例えば、ワイア、カテーテル等)に回転及び並進の力のフィードバックを提供するために使用されても良い。更に力のフィードバックユニットの回転要素は、リニア磁気駆動又はラック−ピニオン駆動等のリニア要素により実施されても良い。加えて、摩擦ブレーキが、軸の動きを妨げるために、軸44に直接的に適用されても良い。
【0041】
皮膚牽引機構は、計測された伸長の方向及び大きさの両方を可能にするために、二次元の動きを提供するように、タッチパッド(例えば、コンピュータタッチパッド)を使用しても良い。更にIBMが製作している様なフォーススティックが、二次元の皮膚牽引を提供するために、皮膚牽引機構により使用されても良い。更に繊維状の光ケーブルが織り込まれた柔軟な織物組織によりカバーされた柔軟なモデルが、皮膚牽引機構を実施するように使用されても良い。柔軟な繊維状の光ケーブルは、伸長により光の伝達特性を変化し、それにより前腕、手又はその他の解剖要素の皮膚牽引の決定を可能にする。加えて、皮膚牽引機構は、任意の又は任意の量の、方向又は寸法で、動きを形成するか又は伸長するように形成されても良い。
【0042】
インターフェース装置は、解剖要素への圧力の適用又は接触(例えば、カテーテルハブの端部に取り付けられた装置が変更された場合に、血流を停止すること)を検知するために、インターフェース装置上及び/又は内の種々の位置に追加の検知装置を備えても良い。これらの圧力装置は、圧電技術又は柔軟な組織を使用したもの等の、種々の圧力パッドにより実施されても良い。更にインターフェース装置は、向上したシミレーションのための任意又は任意の量の自由度で力のフィードバックを計測し、適用しても良い。例えばインターフェース装置は更に、向上したシミレーションのためにカテーテルニードルアセンブリの回転を可能にし、計測しても良い。
【0043】
本発明のインターフェース装置は、種々の医療手順を模擬するために、種々の長い又は別の器具(例えば、ニードル、カテーテル、ワイア、シース等)で適用されても良く、本明細書で開示される特定の器具又は用途に限定されない。シミレーションシステムは、模擬される手順を実施するために、任意の解剖部位及び/又は任意の種類の血管(例えば、静脈、動脈等)を模擬しても良い。更にインターフェース装置に、医療従事者を医療手順において使用される器具を使用して訓練するために、実際の器具を適用しても良い。シミレーションシステムのコンピュータシステムは、任意の従来の又は別の処理システムにより実施されても良い。通信インターフェースが、インターフェース装置及び処理システムの間の調和のために信号を伝送及び/又は変換するために、任意の電気回路(例えば、アナログ−デジタル変換器、デジタル−アナログ変換器等)及び/又はプロセッサを具備しても良い。通信インターフェースの機能は更に、インターフェース装置又は処理システム内で実施されても良い。
【0044】
本発明の種々のエンコーダ、ポテンショメータ、プーリー、ベルト及びその他の構成要素は、上記の機能を実施できる任意の従来の又は別の種類の構成要素により実施されても良い。構成要素は任意の形状又は寸法であって良く、任意の適当な材料で製作されても良く、インターフェース装置内で任意の形で配置されても良い。ベルト及びテンション部材は、任意の適切な材料で製作されて良く、任意のベルト、ケーブル、ロープ、チェーン又は別の適当な装置により実施されても良い。ベルト及びテンション部材は、インターフェース装置内で任意の形で配置されて良い。プーリーは任意の種類のプーリー、ギア又は別の装置により実施されても良く、一方でベアリングは、軸の動きを可能にする任意の種類の従来のベアリング、ローラー又は別の装置により実施されて良い。インターフェース装置、カテーテルユニットアセンブリ及び牽引機構のハウジング又はケーシング及び構成要素は、任意の寸法又は形状であって良く、任意の適切な材料から製作されて良い。本発明で使用されるセットスクリューは、任意の従来のセットスクリュー又は任意の別の従来の固定装置により実施されても良い。
【0045】
「上部」、「下部」、「頂部」、「底部」、「側部」、「長さ」、「上へ」、「下へ」、「前」、「後」及び「背部」という用語は、参照する地点を単に説明するために本明細書で使用しており、本発明を任意の特定の形態又は方向に限定するものではないことが認識されるべきである。
【0046】
前の記述により、本発明は、種々の血管アクセス手順の遂行を模擬するために、血管アクセスシミレーションシステムに器具を接続するための新規なインターフェース装置及び方法を有効にするものであると認識されると考えられる。
【0047】
血管アクセスシミレーションシステムへの器具の接続のための新規で改善されたインターフェース装置及び方法の好適な実施の形態について記述したが、これとは別の修正、変形及び変化が本明細書で記述された教えの観点において、当業者には推測できると信じられる。従って、その様な全ての変形、修正及び変化は、記述した請求項により規定されるように、本発明の範囲に収まると考えられることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明によるインターフェース装置を具備する血管アクセス訓練システムのブロック図である。
【図2】図2は、図1の血管アクセス訓練システムのための例の表示の図式的な図である。
【図3】図3は、図1の血管アクセス訓練システムのインターフェース装置の立体図である。
【図4】図4は、図3のインターフェース装置のカテーテルユニットアセンブリの側面立体図である。
【図5a】図5aは、図4のカテーテルユニットアセンブリ内に挿入されたカテーテルニードルアセンブリの側面及び部分断面の分解図である。
【図5b】図5bは、図5aのカテーテルユニットアセンブリのこれとは別の実施の形態の側面及び部分断面の側面図である。
【図6】図6は、図4のカテーテルユニットアセンブリの力のフィードバックユニットの側面及び部分断面の側面図である。
【図7】図7は、図3のインターフェース装置の皮膚牽引機構の側面立体図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置において、この装置は、
第1のプーリーと、
第2のプーリーと、
対向する自由端間に空間を形成していて該第1のプーリーと該第2のプーリーの周りに配設される、ベルトであって、該ベルトが該ベルトに適用される力に対向するように付勢されるベルトと、
該空間の範囲内において該ベルトに接続される弾性部材と、更に
該ベルトに接続されるセンサと、
を具備する装置。
【請求項2】
該ベルトに隣接し且つ接触して配設される、弾性のある部材を更に具備する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
該弾性部材は、該ベルトの自由端間において該ベルトに接続されるバネを具備する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、ハウジング部を更に具備しており、
該ベルトは、バネにより付勢されて、適用される力に対向しており、
該バネは前記ベルトの自由端の一方と前記ハウジング部との間を接続する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
該バネは該弾性部材に隣接して接続される請求項4に記載の装置。
【請求項6】
該センサに接続されるプロセッサを更に具備しており、
前記プロセッサは、該センサから受信された信号に基づいて、模擬の皮膚表面のグラフィック表示を最新化するように形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
該センサは、該第1のプーリーと該第2のプーリーの少なくとも一つに接続される、回転を計測するための手段を具備する請求項6に記載の装置。
【請求項8】
該回転を計測するための手段はポテンショメータである請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、該回転を計測のための手段から受信された信号に相互関係する、力のフィードバック・データを生成するように形成される請求項8に記載の装置。
【請求項10】
装置において、この装置は、
入力軸と、
該入力軸に接続されていて、該入力軸の位置を計測するように形成されていて、更に前記入力軸の前記計測された位置に基づいた信号を伝送するように形成される、少なくとも一つのセンサと、
通信インターフェースを経由して前記少なくとも一つのセンサに接続されるプロセッサと、
を具備しており、
前記プロセッサは前記信号に基づいて、該入力軸のグラフィック表示に関連する値を最新化するように形成されており、
前記グラフィック表示の値は、模擬された対象に対する該入力軸の位置に関連しており、更に
該プロセッサは、前記信号に相互関係する力のフィードバック・データを生成するように形成される、装置。
【請求項11】
装置において、この装置は、
入力軸と、
前記入力軸に接続されていて、該入力軸の位置の第1の変化を計測するように形成されていて、更に前記計測された位置の第1の変化に基づいた第1の位置信号を伝送するように形成される、第1の位置センサと、
前記入力軸に接続されていて、該入力軸の位置の第2の変化を計測するように形成されていて、更に前記計測された位置の第2の変化に基づいた第2の位置信号を伝送するように形成される、第2の位置センサと、
前記第1の入力軸と前記第1の位置センサと前記第2の位置センサとに接続されていて、該第1の位置信号と該第2の位置信号に少なくとも部分的に基づいて力のフィードバックを該入力軸に送信するように形成される力のフィードバックユニットと、
を具備する装置。
【請求項12】
該力のフィードバックユニットを支持するように形成されるハウジングと、
該ハウジングに可動に接続されるベアリングアセンブリと、
を更に具備しており、
該第1の位置センサは、該ベアリングアセンブリに接続されており、更に
該入力軸は該ベアリングアセンブリに接続されるので、該入力軸の該ハウジングに対する動きは、該第1の位置センサにより計測される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
該第1の位置センサは、前記ハウジングに関連する基準点に対する該入力軸のピッチを計測するように形成される請求項12に記載の装置。
【請求項14】
ベースと、
該ベースに接続されたハウジングと、
を更に具備しており、
該第2の位置センサは、該ハウジングに接続されており、更に
該入力軸は該ハウジングに接続されるので、該入力軸の該ベースに対する動きは、該第2の位置センサにより計測される、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
該第2の位置センサは、前記ハウジングに関連する基準点に対する該入力軸の回転を計測するように形成される請求項14に記載の装置。
【請求項16】
該入力軸に滑動可能に接続されるチューブと、
該チューブの位置の変化を計測するように形成されていて、前記計測された位置の変化に基づいてチューブの位置信号を伝送するように形成される第3の位置センサと、
を更に具備する請求項11に記載の装置。
【請求項17】
該第3の位置センサは該入力軸に接続されるので、該チューブの該入力軸に対する動きが、該第3の位置センサにより計測される請求項16に記載の装置。
【請求項18】
該第3の位置センサは、該入力軸に対する該チューブの移動を計測するように形成される請求項17に記載の装置。
【請求項19】
装置において、この装置は、
力のフィードバックデバイスに接続された入力軸の第1の位置を計測するための第1の手段と、
前記入力軸の第2の位置を計測するための第2の手段と、
前記第1の位置と前記第2の位置とに基づいた信号を生成するための第1の手段と、
前記信号に基づいて、前記力のフィードバックデバイスから前記入力軸へのフィードバック力を生成するための第2の手段と、
を具備する装置。
【請求項20】
装置において、この装置は、
力のフィードバックデバイスに接続された入力軸の第1の位置を計測するための第1の手段と、
前記入力軸の第2の位置を計測するための第2の手段と、
前記第1の位置と前記第2の位置とに基づいた信号を生成するための手段と、
前記伝送された信号に基づいて、前記入力軸のグラフィック表示に関連する値を最新化するように形成されたプロセッサに前記信号を伝送するための手段と、
を具備する装置。
【請求項21】
前記第1の計測手段は、ハウジングに接続されたポテンショメータを使用して、前記入力軸の前記ハウジングに対する位置を計測するように形成される請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第2の計測手段は、ハウジングに接続されたポテンショメータを使用して、前記入力軸のベース部材に対する位置を計測するように形成される請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記伝送手段は、前記計測のための第1の手段と前記計測のための第2の手段からの信号を、通信インターフェースを経由して前記プロセッサに伝送するように形成される請求項20に記載の装置。
【請求項24】
装置において、この装置は、
入力軸に接続されたセンサからの位置データであって、前記入力軸に接続されたハウジングに対する前記入力軸の位置を表す、該位置データに基づいた信号を受信するための受信手段と、
前記受信された位置データに基づいて、前記入力軸のグラフィック表示に関連する値を最新化するための手段と、
を具備する装置。
【請求項25】
前記信号は第1の信号であり、
前記装置は、フィードバック力を前記入力軸に提供するように形成されたデバイスに、第2の信号を伝送するための手段を更に具備する請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記受信手段は、前記入力軸に接続されたポテンショメータからの位置データを受信するように形成される請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記受信手段は、第1の位置センサと第2の位置センサからの位置データを受信するように形成される請求項24に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−184922(P2006−184922A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−24967(P2006−24967)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【分割の表示】特願2000−529698(P2000−529698)の分割
【原出願日】平成11年1月28日(1999.1.28)
【出願人】(500352199)イマージョン メディカル,インコーポレイティド (7)
【Fターム(参考)】