説明

表皮細胞増殖促進剤

【課題】子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の新規用途を提供する。
【解決手段】子のう菌類セイヨウショウロ科菌類、特にトリュフ(Tuber magnatum及び/又はTuber melanosporum)の菌糸体の酵素分解物の表皮細胞増殖促進剤としての使用。並びに、老化防止又は改善用皮膚外用組成物、美白用皮膚外用組成物、創傷治癒用皮膚外用組成物における、表皮細胞増殖促進剤としての子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体の酵素分解物の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子のう菌類セイヨウショウロ科の菌類の菌糸体を酵素により分解して得られる酵素分解物の表皮細胞増殖促進剤としての新規な用途に関する。
【背景技術】
【0002】
加齢をはじめとする様々な要因によって表皮細胞の増殖能が衰え、その機能が低下すると、皮膚のターンオーバーが正常にいかず、メラニンの排出が滞り、肌の荒れ、くすみ、色素沈着といった肌トラブルをもたらすことになる。また、創傷、火傷の治療においては、表皮細胞の増殖を促進して、皮膚の再生を促すことが早期治癒のために望まれることである。このような肌トラブルの予防や改善、創傷治癒に適用することを目的として、従来より、様々な表皮細胞増殖成分を含有する細胞増殖促進剤、化粧料、創傷治癒剤の提案がなされてきた(例えば、特許文献1〜4)。
【0003】
トリュフは子のう菌類に属するキノコで、西洋料理においては高級食材として食用に供されてきた。食品素材以外の利用に関しては、トリュフの抽出物を有効成分として含有する抗炎症剤が報告されている(特許文献5)。また、トリュフの希少性から、その子実体を培養して菌糸体を得、その培養菌糸体を有効利用する試みもなされいる。例えば、培養菌糸体の凍結乾燥粉砕物の食品組成物や化粧料への利用が報告されている(特許文献6、7)。
【0004】
【特許文献1】特開平6−263627号公報
【特許文献2】特開平10−236940号公報
【特許文献3】特開2003−52366号公報
【特許文献4】特開2005−213184号公報
【特許文献5】特許第3199283号明細書
【特許文献6】特開2005−295858号公報
【特許文献7】特開2005−314309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、トリュフの新規な用途を見出し、付加価値性の高いトリュフを有効利用するための新しい手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、トリュフの新規用途を見出さんと鋭意研究を重ねた結果、トリュフの菌糸体を酵素で分解することによって得られる分解物に表皮細胞増殖促進効果という、新規の有用効果を見出し、これに基き本発明を完成させるに至った。即ち、本願第1の発明は、表皮細胞増殖促進剤としての、子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体の酵素分解物の使用にある。
【0007】
本願第2の発明は、老化防止又は改善用皮膚外用組成物における、表皮細胞増殖促進成分としての子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体の酵素分解物の使用にあり、第3の発明は、美白用皮膚外用組成物における、表皮細胞増殖促進成分としての子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体の酵素分解物の使用にある。また、本願第4の発明は、創傷治癒用皮膚外用組成物における、表皮細胞増殖促進成分としての子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体の酵素分解物の使用にある。
【0008】
本願第5の発明は、菌糸体が培養菌糸体であることを特徴とする上記の使用にあり、第6の発明は、菌類がTuber magnatum及び/又はTuber melanosporumであることを特徴とする上記の使用にある。
【0009】
本願第7の発明は、酵素がグルカナーゼ、キチナーゼ、プロテアーゼ、ペクチナーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、マンナナーゼ又はヘミセルラーゼから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする上記の使用にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体の酵素分解物の、表皮細胞増殖促進剤としての新規の効果が見出され、老化防止又は改善、美白を目的とした皮膚外用組成物、創傷治癒のための皮膚外用組成物における表皮細胞増殖促進成分としての、子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体酵素分解物の有効な新規用途を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明において使用される菌類は、子のう菌類セイヨウショウロ科に属する菌類であれば良く、このうち所謂トリュフと呼ばれ食用とされている菌類は、後述の理由からも使用が好ましい。
【0012】
トリュフはブナ、クリ、松等の樹木の林の土中において形成された子実体からなる菌塊であり、黒トリュフはイオウ酸化物様の強烈な匂いを、白トリュフはややニンニク臭的な匂いを有し、その成分としては、乾燥重量に対して、約20質量%の粗タンパク質、約30質量%の食物繊維、約10質量%のミネラル等の栄養素や機能性成分に加えて、ビタミンDの前駆体として知られるエルゴステロールも豊富に含まれていることが報告されている(Food Chemistry、第43巻、189-192頁、1993年)。トリュフは、生産量が限られ人工栽培も難しいことから、西洋料理において高級食材として有名である。トリュフはその高級さ故に、化粧料への配合が可能となれば、機能面だけでなく高付加価値商品として消費者に対する訴求力を高めることができる。従って、本願発明の子のう菌類セイヨウショウロ科に属する菌類としては、白トリュフ(Tuber magnatum)及び/又は黒トリュフ(Tuber melanosporum)が好ましく用いられる。
【0013】
本発明で使用される子のう菌類セイヨウショウロ科に属する菌類の菌糸体としては、例えばトリュフ等の子実体を使用することも可能であるが、上述のように、トリュフは生産量が限られ、高価であることから、菌類から種菌を得て、これを培養することより得られる培養菌糸体を用いることが好ましい。培養菌糸体を用いることで、安定して菌糸体を供給することが可能となり、また培養条件を整えることにより、品質的にも一定のものを供給することが可能となる。
【0014】
菌糸体培養に用いる種菌は、子のう菌類セイヨウショウロ科に属する菌類から適当な方法により無菌操作によって採取することができる。特に子実体を形成する菌類にあっては、生子実体の内部組織から無菌的に一部を切り出すことで、容易に種菌を得ることができる。
【0015】
本願発明で使用される菌糸体は、種菌を公知の各種培養方法により培養することにより調製することができる。菌糸体の培養は、液体培養、固体培養、寒天培養等いずれにおいても可能であるが、培養後菌糸体を回収して利用するので、液体培養が好ましい。液体培養としては、深部培養、振盪培養、静置液面培養等、通常用いられる方法であればいずれでも良い。特にトリュフを用いる場合、その菌糸体は生育が旺盛なので、実用的には、大きな培養設備装置が不要な静置液面培養法で充分培養生産が可能である。
【0016】
培養に用いる培地は、一般に糸状菌(従属栄養型の腐生菌)の培地が使用可能である。望ましくは、窒素源としてイーストエキストラクト、モルトエキストラクト、コーンスチープリカー、乾燥酵母及びその粕、ペプトン、ブイヨン、各種アミノ酸類、各種アンモニウム塩及びアンモニア化合物等が使用できる。また、野菜類の抽出物も有効で、特にジャガイモ、タマネギ、ニンジン等の根菜類がより好ましい。炭素源は、天然物抽出液から得られるデンプン、デキストリン、オリゴ糖の他、一般に培地に利用されるグルコース、キシロース、シュークロース、マルトース、ガラクトース、マンノース等が望ましい。培地に添加する塩類は、硫酸マグネシウム、リン酸水素2カリウム、リン酸2水素アンモニウム等が好ましい。
【0017】
培養菌糸体は、回収、洗浄後、必要に応じて適当な大きさに、例えば5cm程度以下の大きさに細断すると、後の破砕又は粉砕操作が容易となる。得られた湿菌糸体はそのまま酵素分解に供しても良いが、保存の面や扱い易さの面から乾燥させても良い。乾燥方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、噴霧乾燥等の方法が挙げられるが、凍結乾燥法を用いると、熱による変質が無く、破砕や粉砕が容易であるため好ましい。凍結乾燥の場合、−20℃以下に設定された雰囲気下、例えば−20℃以下に設定された公知の冷凍庫で凍結する工程を行う。この凍結工程は、氷晶が生じないように−30℃以下雰囲気下、さらに好ましくは−40℃以下に設定された雰囲気下で急速凍結すると好適である。凍結後、真空乾燥により凍結乾燥させる。真空度の条件は、1.0〜0.01mmHgの範囲とすると良い。
【0018】
上記により得られた菌糸体は、必要に応じて破砕又は粉砕操作を経て微細化する。微細化することにより、後の酵素分解が効率的に行われる。破砕又は粉砕操作は公知の粉砕、破砕装置を用いて行えば良い。必要に応じて破砕、粉砕操作を経た菌糸体は、次いで酵素による分解反応に供される。
【0019】
本発明で使用される酵素としては、細胞壁を形成する多糖を基質とする酵素とそれ以外の成分を基質とする酵素を挙げることができ、その本質としてはグルカナーゼ、キチナーゼ、プロテアーゼ、ペクチナーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、マンナナーゼ、ヘミセルラーゼ、ヌクレアーゼ等が挙げられ、これらを組み合わせて使用することが好ましい。特にプロテアーゼと他の酵素との組み合わせが好ましい。また、酵素の由来としては特に限定されないが、Aspergillus nigerAspergillus melleusAspergillus oryzaeRhizopus niveusBacillus subtilisArthrobacter sp.Trichoderma viride由来のものが収率の面から好ましい。
【0020】
酵素による分解は、酵素反応を起こさせる条件で行えば良く、例えば水やpHを調節した緩衝液のような液体中、必要であれば撹拌下で行えば良い。温度は20℃〜50℃、好ましくは37℃とすることが望ましい。添加する酵素の量は、使用する酵素のグレードや酵素の組み合わせにより、適宜決定すれば良い。概ね、数時間〜数日の酵素反応により菌糸体の分解が終了する程度の量を添加すれば良い。一般的には、菌糸体乾燥重量に対して、重量比で0.5〜3%の酵素を添加し、12時間〜36時間反応させるのが良い。反応後、酵素反応を適当な方法により停止させるが、熱処理よる方法が簡便であり、50℃〜120℃、好ましくは100℃で、30分〜5時間、好ましくは1時間撹拌する工程により、反応を停止させるのが望ましい。得られた菌糸体酵素分解物は、必要に応じて遠心分離、ろ過、脱塩、濃縮又は乾燥、或いは溶媒抽出、希釈、防腐剤の添加等の操作により、望ましい形態や性状とすることが可能である。
【0021】
本発明では、表皮細胞の増殖能の低下に伴う皮膚の老化症状の防止又は改善を目的とする皮膚外用組成物、あるいは、皮膚ターンオーバーを正常化してメラニン排出を促すこと
を目的とする美白用皮膚外用組成物において、表皮細胞増殖促進成分として、子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体酵素分解物を使用する。
【0022】
また表皮細胞の増殖を促して創傷治癒を促進させることを目的とする創傷治癒用皮膚外用組成物においても、表皮細胞増殖促進成分として、子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体酵素分解物を使用する。
【0023】
上記の各種組成物において、表皮細胞増殖促進成分としての子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体酵素分解物は、その製造工程中の適当な段階で配合すれば良い。配合量としては、その目的と効果に応じて適宜決定すれば良いが、一般的には、酵素分解物の乾燥質量換算で、皮膚外用組成物の総量を基準として、0.00001〜10質量%が好ましく、特に好ましくは、0.0001〜1.0質量%である。配合量が0.00001質量%未満では十分な効果が得られない場合があり、また10質量%を超えて配合してもそれに見合った効果が得られるとは限らない。
【実施例】
【0024】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。尚、実施例における配合量は全て質量%である(以下、%と表記する。)。
【0025】
製造例1(菌糸体の培養)
黒トリュフ(Tuber melanosporum)の子実体から無菌的に採取した菌糸体を予め寒天培地で培養しておいたものを、クリーンベンチ内で無菌的に液体培地に1片接種し、室温20℃近傍の培養室で無菌下静置培養して菌糸体を増殖させた。培地としては、菌類の培養に用いられる一般的な液体培地を使用した。適当な期間培養して菌糸体を十分に増殖させた後、菌糸体を取り出して培養液と分離し、さらに水洗して培養菌糸体を得た。得られた培養菌糸体を凍結乾燥した後ジェットミルで粉砕し、菌糸体凍結乾燥粉砕物を得た。
【0026】
製造例2(菌糸体酵素分解物の調製)
製造例1で得られた菌糸体凍結乾燥粉砕物10gを200mLの精製水に懸濁させ、アクチナーゼE(科研製薬社製)とツニカーゼFN(大和化成社製)をそれぞれ100mgずつ添加し、37℃にて24時間撹拌下に分解させた。反応溶液を100℃で1時間撹拌し酵素反応を停止させ、不溶物を遠心分離により除去した。さらにろ過した後、凍結乾燥して「菌糸体酵素分解物1」を得た。菌糸体凍結乾燥粉砕物からの菌糸体酵素分解物1の収率は41.2%であった。
【0027】
製造例3(菌糸体酵素分解物の調製)
分解酵素としてニューラーゼF3G(天野エンザイム社製)とツニカーゼFN(大和化成社製)を用いた他は製造例2と同様にして、「菌糸体酵素分解物2」を得た。菌糸体凍結乾燥粉砕物からの菌糸体酵素分解物2の収率は43.0%であった。
【0028】
製造例4(菌糸体酵素分解物の調製)
分解酵素としてヌクレイシン(エイチビィアイ社製)とツニカーゼFN(大和化成社製)を用いた他は製造例2と同様にして、「菌糸体酵素分解物3」を得た。菌糸体凍結乾燥粉砕物からの菌糸体酵素分解物3の収率は37.8%であった。
【0029】
比較製造例(菌糸体溶媒抽出物の調製)
製造例1で得られた菌糸体凍結乾燥粉砕物10gにクロロホルム/メタノール混液(1:1(v/v))400mLを加え、室温で30分間攪拌後ろ過し、ろ液を回収した。これを3回繰り返し、回収したろ液の溶媒を留去して「菌糸体溶媒抽出物」を得た。菌糸体凍結
乾燥粉砕物からの菌糸体溶媒抽出物の収率は27.5%であった。
【0030】
実施例1(表皮細胞増殖促進効果の評価)
(試験方法)
24wellコラーゲンコート培養プレートに正常ヒト表皮細胞Epidercell NHEK(F)(クラボウ社)を1×10個/wellとなるように播種し、増殖培地(EGFとBPEを添加したMCDB153培地)で1日前培養した。EGF、BPEフリーのMCDB153培地に評価試料を所定量添加した試験培地に交換し、3日間培養後、細胞数を測定した。細胞数は、Cell Count Reagent SF(ナカライテスク社)を使用して測定した。プロトコールに従って細胞を処理し、生成したホルマザン色素を450nmにおける吸光度で測定し、吸光度を細胞数の相対的指標とした。評価試料は、まず50%(w/v)のエタノール水溶液に1質量%となるように溶解し、この溶解液を培地に添加して所定の評価濃度となるようにした。試験は各評価濃度ごとn=4で行い、試料の細胞増殖促進効果は、試料を添加しなかった場合の吸光度と比較することにより評価した。
【0031】
(結果)
評価結果を表1に示す。表中の数値は450nmにおける吸光度(平均値±標準偏差)である。本願発明に係る菌糸体酵素分解物1、2、3は、表皮細胞に対して濃度依存的に増殖促進効果を示した。一方、菌糸体溶媒抽出物の場合には増殖促進効果は見られず、逆に抑制傾向を示した。
【0032】
(表1)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
菌糸体酵素分解物
評価濃度 ―――――――――――――――――――――― 菌糸体
(質量%) 1 2 3 溶媒抽出物
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
0 0.319±0.015 0.276±0.025 0.263±0.019 0.401±0.036
0.0003 0.339±0.018 0.290±0.017 0.304±0.016* ―
0.001 0.347±0.017* 0.304±0.010 0.322±0.019* 0.363±0.019*
0.003 0.358±0.013* 0.348±0.018* 0.363±0.023* 0.384±0.021
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(*:p<0.05、対試料無添加)
【0033】
実施例2(老化防止用スキンローション)
下記組成の老化防止用スキンローションを常法に従って調製した。
(組成)
―――――――――――――――――――――――――
原 料 成 分 配合量(%)
―――――――――――――――――――――――――
(1) ブチレングリコール 5.0
(2) モノラウリン酸 0.5
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン
(3) プロピレングリコール 10.0
(4) グリセリン 3.0
(5) メチルパラベン 0.1
(6) エタノール 7.0
(7) 菌糸体酵素分解物1(製造例2) 3.0
(8) 精製水 残 量
―――――――――――――――――――――――――
【0034】
実施例3(美白用クリーム)
下記組成の美白用クリームを常法に従って調製した。
(組成)
―――――――――――――――――――――――――
原 料 成 分 配合量(%)
―――――――――――――――――――――――――
(1) 密ロウ 2.0
(2) ステアリン酸 5.0
(3) ステアリルアルコール 5.0
(4) 還元ラノリン 2.0
(5) スクワレン 20.0
(6) モノステアレートソルビタン 3.0
(7) モノステアレート 3.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン
(8) プロピレングリコール 5.0
(9) メチルパラベン 0.2
(10)菌糸体酵素分解物2(製造例3) 1.0
(11)精製水 残 量
―――――――――――――――――――――――――
【0035】
実施例4(創傷治癒用親水性軟膏)
下記組成の創傷治癒用親水性軟膏を常法に従って調製した。
(組成)
―――――――――――――――――――――――――
原 料 成 分 配合量(%)
―――――――――――――――――――――――――
(1) 白色ワセリン 25.0
(2) ステアリルアルコール 22.0
(3) プロピレングリコール 12.0
(4) ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
(5) メチルパラベン 0.4
(6) 菌糸体酵素分解物3(製造例4) 0.5
(7) 精製水 残 量
―――――――――――――――――――――――――
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明により、子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体酵素分解物に表皮細胞増殖促進効果が見出された。そして、表皮細胞増殖促進成分として子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体の酵素分解物を配合することにより、老化防止又は老化改善、美白、創傷治癒などを目的とする、各種の皮膚外用組成物として利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表皮細胞増殖促進剤としての、子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体酵素分解物の使用。
【請求項2】
老化防止又は改善用皮膚外用組成物における、表皮細胞増殖促進成分としての子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体酵素分解物の使用。
【請求項3】
美白用皮膚外用組成物における、表皮細胞増殖促進成分としての子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体酵素分解物の使用。
【請求項4】
創傷治癒用皮膚外用組成物における、表皮細胞増殖促進成分としての子のう菌類セイヨウショウロ科菌類の菌糸体酵素分解物の使用。
【請求項5】
菌糸体が培養菌糸体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用。
【請求項6】
菌類がTuber magnatum及び/又はTuber melanosporumであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
酵素がグルカナーゼ、キチナーゼ、プロテアーゼ、ペクチナーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、マンナナーゼ又はヘミセルラーゼから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の使用。

【公開番号】特開2008−88121(P2008−88121A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−272331(P2006−272331)
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】