説明

表示オブジェクト移動装置、その移動プログラム、および、その移動方法

【課題】移動元画面に表示された表示オブジェクトを操作者のドラッグ操作によって移動元画面からその移動元画面と異なる移動先画面に画面間移動させることができる。
【解決手段】表示オブジェクト選択部220は、ドラッグ操作に関するドラッグ情報に基づいて、移動対象の表示オブジェクトを選択する。画面間移動判定部230は、ドラッグ情報に基づいて、表示オブジェクトを画面間移動させるか否かを判定する。移動先画面選択部240は、移動先画面を選択し、画面内位置決定部250は、移動先画面内の位置を決定する。位置情報更新部270は、表示オブジェクト情報を書き換えて、表示オブジェクト読み出し部280,330は、書き換えられた表示オブジェクト情報を読み込んで、表示オブジェクトを表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動元画面に表示された表示オブジェクトを操作者のドラッグ操作によって移動元画面から移動先画面に画面間移動させる表示オブジェクト移動装置、表示オブジェクト移動プログラム、および、表示オブジェクト移動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、医用画像の読影作業におけるカーソルの長距離移動に伴う操作者の負担を低減する医用画像読影装置が開示されている。
【0003】
この医用画像読影装置は、画面に医用画像、読影レポートおよびカーソルが表示され、カーソルの初動情報と移動先情報とを対応付けて記憶している。操作者が、ポイティングデバイスによりカーソルを移動すると、この医用画像読影装置は、記憶している初動情報の中からその移動に対応した初動情報を検索・取得し、取得した移動先情報に基づいてカーソルを移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−275558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
監視システムや管制システムは、複数の画面(例えば、複数の個別操作処理装置に接続された個別画面、および、俯瞰表示処理装置に接続された俯瞰画面)を有し、それらの画面にレポート情報や付箋表示などの表示オブジェクトを表示させる。これらのシステムは、表示オブジェクトを移動元画面からそれと異なる移動先画面に移動させることができる。
【0006】
表示オブジェクトを移動元画面から移動先画面に移動させる場合には、操作者は、マウス操作により、マウスカーソルを表示オブジェクトの所定の領域内まで移動させた後、表示オブジェクトをドラッグした状態で所望の移動先画面までカーソルを長距離移動させなければならない。このような表示オブジェクトをドラッグした状態でのカーソルの長距離移動は、操作者にとって多大な負担となる。
【0007】
ここで、特許文献1には、カーソルの長距離移動に伴う操作者の負担を低減する医用画像読影装置が開示されている。しかし、特許文献1には、表示オブジェクトを移動元画面から移動先画面に移動させるために、表示オブジェクトをドラッグした状態でのカーソルの長距離移動に伴う操作者の負担を低減する具体的手段は開示されていない。また、この医用画像読影装置は、予め記憶している初動情報の中から、操作者によるカーソルの移動に対応した初動情報を取得して、取得した移動先情報に基づいてカーソルを移動させる。そのため、カーソルが常に操作者の所望する位置に移動するとは限らない。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、移動元画面に表示された表示オブジェクトを操作者のドラッグ操作によって移動元画面からその移動元画面と異なる移動先画面に画面間移動させる表示オブジェクト移動装置、表示オブジェクト移動プログラム、および、表示オブジェクト移動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る表示オブジェクト移動装置は、表示オブジェクトが表示されている第一画面または第二画面の位置に関する情報、および前記表示オブジェクトが表示されている前記第一画面または前記第二画面内の位置に関する情報を含む表示オブジェクト情報を収納する表示オブジェクト情報収納部と、前記第一画面および前記第二画面の配置に関する情報を含む画面情報を収納する画面情報収納部と、前記表示オブジェクトのドラッグ操作に関するドラッグ情報を作成するドラッグ情報作成部と、前記表示オブジェクト情報および前記ドラッグ情報に基づいて移動対象の表示オブジェクトを選択する表示オブジェクト選択部と、前記ドラッグ情報から得られるドラッグ時間に基づいて表示オブジェクトを前記第一画面から前記第二画面に画面間移動させるか否かを判定する画面間移動判定部と、前記画面間移動判定部の判定結果に基づいて前記第一画面または前記第二画面を選択する移動先画面選択部と、前記画面情報に基づいて前記移動先画面選択部が選択した前記第一画面または前記第二画面内のどの位置に前記移動対象の表示オブジェクトを移動させるかを決定する画面内位置決定部と、前記移動先画面選択部が選択した前記第一画面または前記第二画面および前記画面内位置決定部が決定した位置に基づいて前記移動対象の表示オブジェクトの画面間移動前の表示オブジェクト情報を書き換える位置情報更新部と、前記位置情報更新部が書き換えた表示オブジェクト情報に基づいて前記移動対象の表示オブジェクトを表示させる表示オブジェクト読み出し部とを具備することを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る表示オブジェクト移動プログラムは、1又は複数のコンピュータを、表示オブジェクトのドラッグ操作に関するドラッグ情報を作成するドラッグ情報作成手段と、前記表示オブジェクトが表示されている第一画面または第二画面の位置に関する画面情報、前記表示オブジェクトが表示されている前記第一画面または前記第二画面内の位置に関する情報を含む表示オブジェクト情報、および前記ドラッグ情報に基づいて移動対象の表示オブジェクトを選択する表示オブジェクト選択手段と、前記ドラッグ情報から得られるドラッグ時間に基づいて表示オブジェクトを前記第一画面から前記第二画面に画面間移動させるか否かを判定する画面間移動判定手段と、前記画面間移動判定部の判定結果に基づいて前記第一画面または前記第二画面を選択する移動先画面選択手段と、前記画面情報に基づいて前記移動先画面選択部が選択した前記第一画面または前記第二画面内のどの位置に前記移動対象の表示オブジェクトを移動させるかを決定する画面内位置決定手段と、前記移動先画面選択部が選択した前記第一画面または前記第二画面および前記画面内位置決定部が決定した位置に基づいて前記移動対象の表示オブジェクトの画面間移動前の表示オブジェクト情報を書き換える位置情報更新手段と、前記位置情報更新部が書き換えた表示オブジェクト情報に基づいて前記移動対象の表示オブジェクトを表示させる示オブジェクト読み出し手段として機能させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0011】
さらに、上記目的を達成するために、本発明に係る表示オブジェクト移動方法は、1又は複数のコンピュータを用いて、表示オブジェクトのドラッグ操作に関するドラッグ情報を作成するドラッグ情報作成工程と、前記表示オブジェクトが表示されている第一画面または第二画面の位置に関する画面情報、前記表示オブジェクトが表示されている前記第一画面または前記第二画面内の位置に関する情報を含む表示オブジェクト情報、および前記ドラッグ情報に基づいて移動対象の表示オブジェクトを選択する表示オブジェクト選択工程と、前記ドラッグ情報から得られるドラッグ時間に基づいて表示オブジェクトを前記第一画面から前記第二画面に画面間移動させるか否かを判定する画面間移動判定工程と、前記画面間移動判定部の判定結果に基づいて前記第一画面または前記第二画面を選択する移動先画面選択工程と、前記画面情報に基づいて前記移動先画面選択部が選択した前記第一画面または前記第二画面内のどの位置に前記移動対象の表示オブジェクトを移動させるかを決定する画面内位置決定工程と、前記移動先画面選択部が選択した前記第一画面または前記第二画面および前記画面内位置決定部が決定した位置に基づいて前記移動対象の表示オブジェクトの画面間移動前の表示オブジェクト情報を書き換える位置情報更新工程と、前記位置情報更新部が書き換えた表示オブジェクト情報に基づいて前記移動対象の表示オブジェクトを表示させる表示オブジェクト読み出し工程とを実行する方法であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、移動元画面に表示された表示オブジェクトを操作者のドラッグ操作によって移動元画面からその移動元画面と異なる移動先画面に画面間移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置が適用された監視システムの構成を示したブロック図である。
【図2】図1の個別操作端末の構成を示したブロック図である。
【図3】発電所の監視室内における図1の監視システムの配置例を示した斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置のブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動方法のフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の表示オブジェクト収納部に収納された表示オブジェクト情報の内容の一例を示した図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の画面情報収納部に収納された画面情報の内容の一例を示した図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置のドラッグ情報作成部が作成するドラッグ情報の内容の一例を示した図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の画面間移動判定部の処理を示したフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の画面間移動判定部の処理に用いられるカーソル移動領域の一例を示した図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の移動先画面選択部の処理に用いられるカーソル移動領域と移動先画面との対応関係の一例を示した表である。
【図12】図3の正面図であって、個別画面および俯瞰画面を示した図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の移動経路決定部が作成する移動経路情報の内容を示した図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の画面間移動判定部の処理を示したフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の画面間移動判定部の処理に用いられるカーソル移動領域の一例を示した図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置が適用された監視システムの構成を示したブロック図である。
【図17】図16の個別操作端末の構成を示したブロック図である。
【図18】発電所の監視室内における図16の監視システムの配置例を示した斜視図である。
【図19】本発明の第3の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置のブロック図である。
【図20】本発明の第3の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の移動先画面選択部の処理を示したフローチャートである。
【図21】本発明の第4の実施形態に係るカーソル移動領域画像の画面上へ表示を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施形態]
本発明に係る表示オブジェクト移動装置、表示オブジェクト移動プログラムおよび表示オブジェクト移動方法の第1の実施形態について、図1ないし図13を用いて説明する。以下、本実施形態に係る表示オブジェクト移動装置を発電所の監視システムに適用した例を用いて説明する。
【0015】
まず、本実施形態に係る表示オブジェクト移動装置が適用された発電所の監視システムについて図1ないし図3を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置が適用された監視システムの構成を示したブロック図である。図2は、図1の個別操作端末の構成を示したブロック図である。図3は、発電所の監視室内における図1の監視システムの配置例を示した斜視図である。
【0016】
発電所の監視システム100は、原子炉系およびタービン系等の設備の運転を行い、その運転に関する情報を管理する。
【0017】
監視システム100は、個別操作端末110,130、俯瞰表示盤150、および、共有情報収納部160を有する。個別操作端末110,130、俯瞰表示盤150、および、共有情報収納部160は、ローカルエリアネットワーク170により相互に接続されている。
【0018】
個別操作端末110は、個別操作処理装置111、マウス112、キーボード113、および、3つの個別画面114〜116を有する。マウス112、キーボード113、および、3つの個別画面114〜116は、それぞれ個別操作処理装置111に接続されている。なお、ここでは、ポインティングデバイスとしてマウス112を採用しているが、トラックボール、ジョイスティック、タッチパッド、および、タッチパネルなどを採用しても良い。
【0019】
個別操作処理装置111は、プロセッサ117、RAM(ランダムアクセスメモリ)118、HDD(ハードディスクドライブ)119、および、ROM(リードオンリーメモリ)120を有する。プロセッサ117、RAM118、HDD119、および、ROM120は、バス121により相互に接続されている。個別操作処理装置111は、ネットワーク接続装置122を介して、ローカルエリアネットワーク170に接続されている。個別操作端末130も、個別操作端末110と同様の構成を有する。
【0020】
俯瞰表示盤150は、俯瞰表示処理装置151、および、3つの俯瞰画面152〜154を有する。俯瞰画面152〜154のサイズは、通常、個別操作端末110,130の個別画面114〜116,134〜136のサイズに比べて大きい。俯瞰表示処理装置151は、個別操作処理装置111と同様の構成を有する。
【0021】
共有情報収納部160は、記録かつ読み取りが可能な記憶媒体であり、例えば、1または2以上のHDD(ハードディスクドライブ)を有する。
【0022】
監視システム100は、発電所の監視室内に設置されている。個別操作端末110,130は、互いに同一の方向を向いて並んで配置されている。また。俯瞰表示盤150は、個別操作端末110,130の正面(操作者123,143の立ち位置に対して前方)上部に配置されている。
【0023】
2人の操作者123,143の各人は、個別操作端末110,130を操作する。操作者123は、個別操作端末110の個別画面114〜116、および、俯瞰表示盤150の俯瞰画面152〜154を見ながら、個別操作端末110を操作できる。同様に、操作者143は、個別操作端末130の個別画面134〜136、および、俯瞰表示盤150の俯瞰画面152〜154を見ながら、個別操作端末130を操作できる。すなわち、俯瞰画面152〜154は、操作者123,143、および、その他の作業者が共通して見る画面であり、俯瞰画面152〜154には、主に共有情報が表示される。
【0024】
個別画面114〜116,134〜136および俯瞰画面152〜154のそれぞれには、1以上の表示オブジェクトが表示されうる。例えば、図3に示した時点では、個別画面115の中央および個別画面116の左上に、それぞれ1つずつの表示オブジェクト181,182が表示されている。また、個別画面136の左右には、それぞれ1つずつの表示オブジェクト183,184が表示されている。また、俯瞰画面152の右側には、3つの表示オブジェクト185〜187が上下方向に並んで表示されている。さらに、俯瞰画面154には、2つの表示オブジェクト188,189が表示されている。図3に示した時点では、個別画面114,134および俯瞰画面153には、表示オブジェクトは表示されていない。また、個別画面116の右下には、表示されずに隠されている表示オブジェクト190が存在する。
【0025】
ここで、表示オブジェクトとは、個別画面114〜116,134〜136および俯瞰画面152〜154に表示されるオブジェクトであり、監視システム100のマルチタスクオペレーティングシステムの、いわゆるウインドウである。具体的には、表示オブジェクトには、原子炉の制御のためのアプリケーションに割り当てられたウインドウが含まれる。また、表示オブジェクトには、操作者123,143同士の連絡事項を書き込んで画面上に表示させた付箋、および、原子炉の異常時に操作者123,143や他の作業者に警告するために画面に表示される標識なども含まれる。
【0026】
個別操作端末110の操作画面114〜116のいずれかの画面には、マウスカーソル(以下「カーソル」という)124が表示され、操作者123によるマウス112の移動に対応して、カーソル124が移動する。このカーソル124は、操作画面114〜116および俯瞰画面152〜154間を相互に移動できる。個別操作端末130の操作画面134〜136についても同様である。
【0027】
操作者123,143の各人は、表示オブジェクトの所定の領域内にカーソル124,144を移動させ、マウス112,132のボタンを押した状態でカーソル124,144を所望の位置まで移動させ、ボタンを離す(以下「ドラッグ操作」という)ことにより、表示オブジェクトを所望の位置まで移動させることができる。
【0028】
俯瞰画面152〜154には、主に共有情報が表示される。例えば、俯瞰画面154の背面には、発電所の設備配置図が常時表示され、表示オブジェクトは通常時には表示されていない。しかし、発電所の設備の一部に異常が生じた場合には、その異常を知らせる表示オブジェクト188,189が、俯瞰画面154の設備配置図の上であって、その異常が生じた部分に対応した位置に表示される。例えば、表示オブジェクト188,189は、それぞれポンプおよび炉心に異常が生じたことを警告するものであり、それぞれ設備配置図のポンプおよび炉心の近くに表示される。
【0029】
次に、本実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の構成について図4を用いて説明する。また、本実施形態に係る表示オブジェクト移動方法の概要について図5を用いて説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置のブロック図である。図5は、本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動方法のフローチャートである。
【0030】
表示オブジェクト移動装置1は、ドラッグ情報作成部210、表示オブジェクト選択部220、画面間移動判定部230、移動先画面選択部240、画面内位置決定部250、移動経路決定部260、位置情報更新部270、表示オブジェクト情報収納部310、画面情報収納部320、および、表示オブジェクト読み出し部280,330を有する。
【0031】
個別操作処理装置111,131のそれぞれが、ドラッグ情報作成部210、表示オブジェクト選択部220、画面間移動判定部230、移動先画面選択部240、画面内位置決定部250、移動経路決定部260、位置情報更新部270、および、表示オブジェクト読み出し部280の機能を果たす。また、俯瞰表示処理装置151が、表示オブジェクト読み出し部330の機能を果たす。
【0032】
共有情報収納部160は、表示オブジェクト情報収納部310および画面情報収納部320を有する。
【0033】
表示オブジェクト情報収納部310は、個別画面114〜116,134〜136および俯瞰画面152〜154に表示された各表示オブジェクト181〜190の表示オブジェクト情報を収納している。この表示オブジェクト情報には、各表示オブジェクト181〜190がどの画面に表示されているか、および、各表示オブジェクト181〜190が画面内のどの位置に表示されているか等の情報が含まれている。
【0034】
また、画面情報収納部320は、個別画面114〜116,134〜136および俯瞰画面152〜154のそれぞれについての画面情報を収納している。この画面情報には、その画面が個別画面であるか俯瞰画面であるか等の情報が含まれている。
【0035】
表示オブジェクト移動装置1の処理は、例えば、操作者123がマウス112を用いてドラッグ操作を行った時点で開始される(S1)。
【0036】
ドラッグ情報作成部210は、マウス112と接続されていて、マウス112からドラッグ操作に基づく信号を入力し(S2)、ドラッグ情報を作成し(S3)、出力する。ここで、ドラッグ情報には、ドラッグ開始時(マウス112のボタンを押した時)およびドラッグ終了時(マウス112のボタンを離した時)にカーソル124がどの画面に表示されているか、ドラッグ開始時およびドラッグ終了時にカーソル124が画面内のどの位置に表示されているか等の情報が含まれている。なお、ドラッグ情報に基づいて、ドラッグ時間およびドラッグ経路(カーソル124の移動経路)が得られる。
【0037】
表示オブジェクト選択部220は、ドラッグ情報作成部210および表示オブジェクト情報収納部310に接続されている。表示オブジェクト選択部220は、表示オブジェクト情報収納部310に収納された表示オブジェクト情報を検索して、ドラッグ情報作成部210が出力したドラッグ情報に基づいて、ドラッグ開始時のカーソル124の位置に表示オブジェクトが存在するか否かを判定する(S4)。
【0038】
ドラッグ開始時のカーソル124の位置に表示オブジェクトが存在しないと判定した場合には、表示オブジェクト移動装置1の処理は終了する。一方、ドラッグ開始時のカーソル124の位置に表示オブジェクトが存在すると判定した場合には、表示オブジェクト選択部220は、その表示オブジェクトを移動対象として選択し(S5)、その選択結果を含む情報を出力する。
【0039】
画面間移動判定部230は、ドラッグ情報作成部210に接続されている。画面間移動判定部230は、ドラッグ情報作成部210が出力したドラッグ情報に基づいて、操作者のドラッグ操作が画面間移動を指示するものなのか、画面内移動を指示するものなのかを判定する(S6,S7)。
【0040】
ここで、画面間移動とは、カーソル124を移動対象の表示オブジェクトの移動前の位置から移動先の位置に移動させることなく、移動対象の表示オブジェクトを移動元画面から移動先画面に移動させることをいう。一方、画面内移動とは、カーソル124の移動に対応して、移動対象の表示オブジェクトを移動元画面内で移動させることをいう。
【0041】
具体的には、画面間移動判定部230は、ドラッグ時間が所定時間未満である場合には、画面内移動であると判定する。(S6)。また、ドラッグ開始後、ドラッグを継続したままの状態で、所定時間経過時にカーソル124が所定の距離以上移動したかどうかを判定する(S7)。所定時間経過時のドラッグ距離が所定距離以上であれば、画面間移動であると判定し、所定距離未満であれば、画面内移動であると判定する(S7)。
【0042】
画面間移動判定部230が画面間移動であると判定した場合について説明する。移動対象の表示オブジェクト181を個別画面115(移動元画面)から俯瞰画面152(移動先画面)に移動させる処理を例にして説明する。
【0043】
画面間移動判定部230は、画面間移動であると判定した後、画面間移動判定結果を作成し(S8)、出力する。画面間移動判定結果には、画面間移動と判定した旨、および、ドラッグ開始時のカーソル124の位置に対するドラッグ終了時のカーソル124の相対的な位置(ドラッグ終了時の相対位置)の情報が含まれている。
【0044】
移動先画面選択部240は、表示オブジェクト選択部220、画面間移動判定部230、および、画面情報収納部320に接続されている。移動先画面選択部240は、表示オブジェクト選択部220の出力情報、および、画面間移動判定部230が出力した画面間移動判定結果に基づいて、移動対象の表示オブジェクト181をどの画面に移動させるか(移動先画面)を選択し(S9)、その選択結果を含む情報を出力する。
【0045】
画面内位置決定部250は、移動先画面選択部240および画面情報収納部320に接続されている。画面内位置決定部250は、移動先画面選択部240の出力情報に基づいて、移動対象の表示オブジェクト181を移動先画面選択部240が選択した俯瞰画面152のどの位置に移動するかを決定し(S10)、その決定結果を含む情報を出力する。
【0046】
移動経路決定部260は、画面内位置決定部250に接続されている。移動経路決定部260は、画面内位置決定部250の出力情報に基づいて、移動対象の表示オブジェクト181の移動経路を決定し(S11)、その決定結果を含む情報を出力する。
【0047】
位置情報更新部270は、移動経路決定部260および表示オブジェクト情報収納部310に接続されている。位置情報更新部270は、移動経路決定部260の出力情報に基づいて、表示オブジェクト情報収納部310に収納された、移動対象の表示オブジェクト181の表示オブジェクト情報を書き換える(S12)。
【0048】
俯瞰表示盤150の表示オブジェクト読み出し部330は、表示オブジェクト情報収納部310に接続されている。表示オブジェクト読み出し部330は、表示オブジェクト情報収納部310に収納された表示オブジェクト情報を定期的に読み込み、表示オブジェクト181を俯瞰画面152上の画面内位置決定部250および移動経路決定部260が決定した位置に表示させる(S13)。
【0049】
一方、画面間移動判定部230が画面内移動であると判断した場合について説明する。移動対象の表示オブジェクト181を個別画面115(移動元画面)内で移動させる処理を例にして説明する。
【0050】
移動先画面選択部240は、表示オブジェクト選択部220の出力情報、および、画面間移動判定部230が出力情報を入力し、移動先画面の選択を行わず、これらの出力情報をそのまま出力する。
【0051】
画面内位置決定部250は、移動先画面選択部240の出力情報に基づいて、移動対象の表示オブジェクト181を個別画面115のどの位置に移動するかを決定し(S14)、その決定結果を含む情報を出力する。
【0052】
移動経路決定部260は、画面内位置決定部250の出力情報を入力し、移動対象の表示オブジェクト181の移動経路の決定を行わず、この出力情報をそのまま出力する。
【0053】
位置情報更新部270は、移動経路決定部260の出力情報に基づいて、表示オブジェクト情報収納部310に収納された、移動対象の表示オブジェクト181の表示オブジェクト情報を書き換える(S15)。
【0054】
個別端末110の表示オブジェクト読み出し部280は、表示オブジェクト情報収納部310に収納された表示オブジェクト情報を定期的に読み込み、表示オブジェクト181を個別画面115の画面内位置決定部250が決定した位置に表示させる(S16)。
【0055】
次に、本実施形態に係る表示オブジェクト移動装置を構成している各部について詳細に説明する。
【0056】
表示オブジェクト情報収納部310について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の表示オブジェクト収納部に収納された表示オブジェクト情報の内容の一例を示した図である。
【0057】
表示オブジェクト情報収納部310は、個別画面114〜116,134〜136および俯瞰画面152〜154に表示されている表示オブジェクト181〜189および隠されている表示オブジェクト190に関する表示オブジェクト情報を収納している。表示オブジェクト情報は、表示オブジェクトID、表示状態、画面ID、位置、表示サイズ、表示の前後関係、親子関係、および、表示内容を有している。
【0058】
例えば、図6に示した表示オブジェクト情報311は、図3に示した個別画面115に表示された表示オブジェクト181に関するものである。「表示オブジェクトID」は「181」となっていて、表示オブジェクト情報311が表示オブジェクト181に関するものであることを示している。「表示状態」は「表示」となっていて、表示オブジェクト181が隠されずに表示されていることを示している。「画面ID」は「115」となっていて、表示オブジェクト181が個別画面115に表示されていることを示している。「位置」は「(400,850)」となっていて、表示オブジェクト181の左上が個別画面115のどの位置にあるか(座標)を示している。「表示サイズ」は「(400,300)」となっていて、表示オブジェクト181の幅および高さを示している。「表示の前後関係」は「1」となっていて、表示オブジェクト181が最前面に表示されていることを示している。「親子関係」は「−」となっていて、表示オブジェクト181が他の表示オブジェクトと連動しないことを示している。「表示内容」は「警告」となっていて、表示オブジェクト181の内容が警告であることを示している。
【0059】
また、図6に示した表示オブジェクト情報312は、図3に示した個別画面116に存在するが表示されずに隠された表示オブジェクト190に関するものである。「表示オブジェクトID」は「190」となっていて、表示オブジェクト情報312が表示オブジェクト190に関するものであることを示している。「表示状態」は「非表示」となっていて、表示オブジェクト190が表示されずに隠されていることを示している。「位置」および「表示サイズ」は、それぞれ「(900,400)」,「(300,300)」となっていて、表示オブジェクト190が表示された場合の位置および大きさを示している。「表示の前後関係」は「2」となっていて、表示オブジェクト190が表示された場合には、個表示オブジェクト182の背面に表示されることを示している。「親子関係」は「(子,182)」となっていて、表示オブジェクト190は、表示オブジェクト182が移動・消去されると、それに連動して移動・消去されることを示している。「表示内容」は「連絡」となっていて、表示オブジェクト190の内容が連絡事項であることを示している。
【0060】
画面情報収納部320について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の画面情報収納部に収納された画面情報の内容の一例を示した図である。
【0061】
画面情報収納部320は、個別画面114〜116,134〜136および俯瞰画面152〜154に関する画面情報を収納している。画面情報は、画面ID、画面種別、操作者、配置、画面サイズ、解像度、および、配列条件を有している。
【0062】
例えば、図7に示した画面情報321は、図3に示した個別画面115に関するものである。「画面ID」は「115」となっていて、画面情報321が個別画面115に関するものであることを示している。「画面種別」は「個別画面」となっていて、個別画面115が俯瞰画面でなく個別画面であることを示している。「操作者」は「123」となっていて、個別画面115を有する個別操作端末110の操作者を示している。「配置」は「中央」となっていて、個別画面115が個別操作端末の3つの個別画面114〜116のうち中央に配置されていることを示している。「画面サイズ」は「19インチ」となっていて、個別画面115の大きさを示している。「解像度」は「1280×1024」となっていて、個別画面115の解像度を示している。「配列条件」は「自由にレイアウト可能」となっていて、表示オブジェクトを個別画面115の所望の位置に表示させることができるという、表示オブジェクトの配列のルールを示している。
【0063】
また、図7に示した画面情報322は、図3に示した俯瞰画面152に関するものである。「画面種別」は「俯瞰画面」となっていて、俯瞰画面152が個別画面でなく俯瞰画面であることを示している。「配置」は「左」となっていて、俯瞰画面152が俯瞰表示盤の3つの俯瞰画面152〜154のうち左側に配置されていることを示している。「配列条件」は「垂直方向にスタック」となっていて、俯瞰画面152に複数の表示オブジェクト185〜187が表示される場合には、それらの表示オブジェクト185〜187が垂直方向に並んで表示されることを示している。
【0064】
また、図7に示した画面情報323は、図3に示した俯瞰画面154に関するものである。「配列条件」は「設備配置図上に配置」となっていて、俯瞰画面152に複数の表示オブジェクト188,189が表示される場合には、それらの表示オブジェクト188,189が設備配置図上の所定の位置に表示されることを示している。
【0065】
さらに、図7に示した画面情報324は、図3に示した俯瞰画面153に関するものである。「配列条件」は「配置不可」となっていて、俯瞰画面153には表示オブジェクトを表示させることができないことを示している。
【0066】
ドラッグ情報作成部210について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置のドラッグ情報作成部が作成するドラッグ情報の内容の一例を示した図である。
【0067】
ドラッグ情報作成部210は、操作者123によるマウス112を用いたドラッグ操作に基づく信号を入力し(S2)、ドラッグ情報を作成する(S3)。ドラッグ情報には、ドラッグ開始時からドラッグ終了時までの間の複数の時刻、および、各時刻でのカーソル124が表示されている画面および座標(位置)が含まれている。また、ドラッグ情報には、各時刻でのマウス112およびキーボード113のボタンの押下状態が含まれている。
【0068】
ドラッグ情報には、ドラッグ終了時の時刻およびドラッグ開始時の時刻が含まれているため、ドラッグ情報からドラッグ時間が得られる。また、ドラッグ情報には、各時刻でのカーソル124の位置が含まれているため、ドラッグ情報からドラッグ経路が得られる。
【0069】
表示オブジェクト選択部220について説明する。
【0070】
表示オブジェクト選択部220は、ドラッグ情報作成部210が出力したドラッグ情報に基づいて、ドラッグ開始時のカーソル124の位置に表示オブジェクトが存在するか否かを判定する(S4)。
【0071】
具体的には、表示オブジェクト選択部220は、表示オブジェクト情報収納部310に収納された表示オブジェクト情報を検索して、ドラッグ開始時のカーソル124の位置が、いずれかの表示オブジェクト情報の「位置」および「表示サイズ」から得られる表示オブジェクトの表示領域に属するか否かを判定する(S4)。
【0072】
表示領域に属する場合には、その表示オブジェクトを移動対象として選択し(S5)、移動対象の表示オブジェクトの表示オブジェクト情報を出力する。例えば、表示オブジェクト181を移動対象として選択した場合には、表示オブジェクト選択部220は、表示オブジェクト情報収納部310から表示オブジェクト181の表示オブジェクト情報311を読み込んで、その情報{表示オブジェクト情報311}を出力する。
【0073】
ここで、ドラッグ開始時のカーソル124の位置が同時に複数の表示オブジェクトの表示領域に属する場合には、表示オブジェクトのうち最前面に表示されているものを選択する。すなわち、表示オブジェクト情報の「表示状態」が「表示」となっていて、かつ、「表示の前後関係」が最も小さい値の表示オブジェクトを選択する。
【0074】
画面間移動判定部230について、図9および図10を用いて説明する。図9は、本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の画面間移動判定部の処理を示したフローチャートである。図10は、本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の画面間移動判定部の処理に用いられるカーソル移動領域の一例を示した図である。
【0075】
図10に示すように、9つのカーソル移動領域が定義されている。ドラッグ開始時のカーソル124の位置を原点231として、左上側の領域(UL)、上側の領域(U)、右上側の領域(UR)、左側の領域(L)、右側の領域(R)、左下側の領域(DL)、下側の領域(D)、および、右下側の領域(DR)、中央の領域(C)に区画されている。
【0076】
画面間移動判定部230は、ドラッグ情報からドラッグ時間を算出して(S22)、そのドラッグ時間が所定時間以内(例えば、0.3秒以内)であるかどうかを判定する(S23)。ドラッグ時間が所定時間以内であれば、画面内移動であると判断し、ドラッグ時間が所定時間以内でなければ、カーソル移動距離判定処理に遷移する(S23)。
【0077】
カーソル移動距離判定処理に遷移した場合には、画面間移動判定部230は、ドラッグ情報から、ドラッグ開始時のカーソル124の位置に対する各時刻におけるドラッグ時のカーソル124の相対的な位置(ドラッグ相対位置)を算出する(S24)。
【0078】
次いで、ドラッグ開始後、所定時間以内にドラッグ相対位置が、左上側の領域(UL)、上側の領域(U)、右上側の領域(UR)、左側の領域(L)、右側の領域(R)、左下側の領域(DL)、下側の領域(D)、および、右下側の領域(DR)の、中央の領域(C)を除く8つのカーソル移動領域のうち、いずれかのカーソル移動領域に属するかを判定する(S25)。所定時間以内にドラッグ相対位置がカーソル移動領域のうちのいずれかのカーソル移動領域に属する場合には画面間移動であると判定する。所定時間以内にドラッグ相対位置が8つのカーソル移動領域のうちのいずれにも属していない場合は、画面内移動であると判定する(S25)。画面間移動判定部230は、そのドラッグ終了時の相対位置が9つのカーソル移動領域のうちのどのカーソル移動領域に属するかを判定する(S26)。
【0079】
例えば、操作者123がマウス112を操作者123に対して左前方に移動させてドラッグ操作を行った場合には、ドラッグ終了時の相対位置はカーソル移動領域ULに属する。同様に、操作者123がマウス112を操作者123に対して右側に移動させてドラッグ操作を行った場合には、ドラッグ終了時の相対位置はカーソル移動領域Rに属する。
【0080】
なお、各カーソル移動領域の大きさ、形状、位置、および、カーソル移動領域の区画数は、マウス112の移動速度に対するカーソル124の移動速度、操作者123の熟練度および身体特性、ならびに、表示オブジェクトの個数および配置などに応じて任意に定義できる。また、表示オブジェクト毎に異なるカーソル移動領域が定義されていても良い。
【0081】
ドラッグ終了時の相対位置の属するカーソル移動領域を判定した後、画面間移動判定部230は、ドラッグ情報に、画面間移動する旨、および、ドラッグ終了時の相対位置が属するカーソル移動領域を加えた画面間移動判定結果を作成して(S27)、出力する(S28)。例えば、ドラッグ終了時の相対位置はカーソル移動領域{UL}内に属すると判断した場合には、画面間移動判定部230は、画面間移動判定結果{ドラッグ情報,“画面間移動”,UL}を作成する(S27)。ドラッグ終了時の相対位置が中央の領域(C)内に属すると判断した場合には、画面間移動は行わずに画面内かつドラッグ終了時の位置へ表示オブジェクトを移動する。
【0082】
なお、上述した画面間移動は、移動対象の表示オブジェクトを移動元画面から削除して移動先画面に表示させる移動(画面間単純移動)でも良いし、移動対象の表示オブジェクトを移動元画面に残して移動先画面にも表示させる移動(画面間複製移動)であっても良い。画面間複製移動の場合には、例えば、画面間移動判定部230が作成する画面間移動判定結果は、{ドラッグ情報,“画面間複製”,UL}となる。
【0083】
移動先画面選択部240について、図11を用いて説明する。図11は、本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の移動先画面選択部の処理に用いられるカーソル移動領域と移動先画面との対応関係の一例を示した表である。
【0084】
移動先画面選択部240は、表示オブジェクト選択部220の出力情報、および、画面間移動判定部230が出力した画面間移動判定結果に基づいて、移動先画面を選択する(S9)。
【0085】
具体的には、移動先画面選択部240は、図11に示すようなカーソル移動領域と移動先画面との対応関係に従って、移動先画面を選択する(S9)。
【0086】
ここで、移動先画面選択部240が、表示オブジェクト選択部220の出力情報{表示オブジェクト181の表示オブジェクト情報311}、および、画面間移動判定部230が出力した画面間移動判定結果{ドラッグ情報,“画面間移動”,UL}を入力した場合を例にして説明する。
【0087】
移動先画面選択部240は、表示オブジェクト選択部220の出力情報{表示オブジェクト情報311}から、移動対象の表示オブジェクト181の移動元画面の画面ID{115}を取得する。同時に、移動先画面選択部240は、画面間移動判定結果{ドラッグ情報,“画面間移動”,UL}から、カーソル移動領域{UL}を取得する。取得後、移動先画面選択部240は、図11に示したカーソル移動領域と移動先画面との対応関係から、移動先画面の画面ID{152}を取得する。
【0088】
移動先画面の画面ID{152}の取得後、移動先画面選択部240は、「画面ID:152」をキーにして画面情報収納部320に収納された画面情報を検索し、画面152の画面情報322の配列条件が「配置不可」でないことを確認する。
【0089】
この確認後、移動先画面選択部240は、移動先画面として俯瞰画面152を選択し(S9)、表示オブジェクト情報311およびドラッグ情報に移動先画面の画面IDを加えた情報{表示オブジェクト情報311,ドラッグ情報,152}を作成し、出力する。
【0090】
図11に示した対応関係においては、カーソル124の移動方向と移動元画面に対する移動先画面の方向とが一致している。このような対応関係に従って移動先画面が選択されると、操作者は表示オブジェクトをマウス112の移動方向に対応した画面に画面間移動できるため、操作者に混乱が生じず、操作者の作業性が向上する。
【0091】
なお、図11に示した対応関係は、単なる例示であって、自由に定義される。また、必ずしもマウス112の移動方向と移動元画面に対する移動先画面の方向とが対応するように定義される必要はない。
【0092】
画面内位置決定部250について説明する。
【0093】
画面内位置決定部250は、移動先画面選択部240の出力情報に基づいて、移動対象の表示オブジェクトを移動先画面選択部240が選択した画面のどの位置に移動するかを決定する(S10)。
【0094】
ここで、移動先画面選択部240が、移動先画面選択部240の出力情報{表示オブジェクト情報311,ドラッグ情報,152}を入力した場合を例にして説明する。
【0095】
出力情報の入力後、画面内位置決定部250は、移動先画面の「画面ID:152」をキーにして、画面情報収納部320に収納された画面情報を検索し、画面152の画面情報322の「配列条件」を読み出す。画面内位置決定部250は、読み出した「配列条件」に従い、垂直方向にスタックするように表示オブジェクト181の移動先画面152内での位置を決定する(S10)。
【0096】
移動先画面152内での位置の決定後、画面内位置決定部250は、移動先画面選択部240の出力情報に移動先画面152内での位置を加えた情報{表示オブジェクト情報311,ドラッグ情報,152,移動先画面152内での位置}を作成し、出力する。
【0097】
なお、「表示内容」が「炉心の異常」である表示オブジェクトを俯瞰画面154に画面間移動させる場合には、画面内位置決定部250は、移動先画面154内での位置として、俯瞰画面154の設備配置図の炉心に最も近い位置を選択する。
【0098】
また、移動先画面の背景の一部の領域に重要な情報が表示されている場合には、画面内位置決定部250は、その重要な情報を隠さないように、その重要な情報が表示されている領域を避けて移動先画面内での位置を決定する。
【0099】
移動経路決定部260について、図12および図13を用いて説明する。図12は、図3の正面図であって、個別画面および俯瞰画面を示した図である。図13は、本発明の第1の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の移動経路決定部が作成する移動経路情報の内容を示した図である。
【0100】
移動経路決定部260は、画面内位置決定部250の出力情報に基づいて、移動対象の表示オブジェクト181の移動経路を決定する(S11)。
【0101】
図12に示すように、表示オブジェクト181が個別画面116から俯瞰画面154に画面間移動する場合、移動経路決定部260は、移動対象の表示オブジェクト181の画面間移動前の位置および画面間移動後の位置を直線的に結ぶ移動経路を決定する(S11)。
【0102】
移動経路の決定後、移動経路決定部260は、移動経路情報を作成する。移動経路情報には、表示オブジェクト190の移動開始時から移動終了までの間の複数の時刻、および、各時刻での表示オブジェクト190が表示されている画面および座標(位置)が含まれている。移動開始から移動終了までの移動時間は、任意に(例えば、1秒)設定可能である。移動時間は一定でもよいし、表示オブジェクトの移動距離が長い場合には移動時間を長くし、移動距離が短い場合に移動時間を短くしてもよい。
【0103】
移動経路情報の作成後、移動経路決定部260は、画面内位置決定部250の出力情報に移動経路情報を加えた情報{表示オブジェクト情報,ドラッグ情報,移動先画面の画面ID,移動先画面内での位置,移動経路情報}を作成し、出力する。
【0104】
なお、移動経路は、直線である必要はなく、カーブでも良い。また、移動対象の表示オブジェクト190の移動速度が移動先の位置に近づくにつれて遅くなるように、移動経路を決定しても良い。さらには、移動経路情報に表示オブジェクトの移動中の状態を含めないことにより、表示オブジェクトが瞬時に画面間移動されるようにしても良い。
【0105】
位置情報更新部270について説明する。
【0106】
位置情報更新部270は、移動経路決定部260の出力情報に基づいて、表示オブジェクト情報収納部310に収納された、移動対象の表示オブジェクトの表示オブジェクト情報を書き換える(S12)。
【0107】
具体的には、位置情報更新部270は、表示オブジェクト情報の「画面ID」および「位置」を書き換える(S12)。また、表示オブジェクト情報に移動経路情報を書き加える。
【0108】
表示オブジェクトが個別画面から俯瞰画面に画面間移動する場合には、位置情報更新部270は、その表示オブジェクト情報の「サイズ」を大きく補正しても良い。
【0109】
ここで、画面間移動が画面間単純移動である場合には、位置情報更新部270は、上述の通り、移動対象の表示オブジェクトの表示オブジェクト情報を書き換えれば良い。
【0110】
一方、画面間移動が画面間複製移動である場合には、位置情報更新部270は、まず、移動前の表示オブジェクトに関する表示オブジェクト情報を複製し、その複製した表示オブジェクト情報を書き換えて、移動後の表示オブジェクトに関する表示オブジェクト情報を作成する。作成後、移動後の表示オブジェクトに関する表示オブジェクト情報を表示オブジェクト情報収納部310に新規保存する。あるいは、位置情報更新部270は、移動前の表示オブジェクトの表示オブジェクト情報の「画面ID」および「位置」に、移動後の「画面ID」および「位置」を書き加えても良い。
【0111】
表示オブジェクト読み出し部280,330について説明する。
【0112】
表示オブジェクト読み出し部280は、表示オブジェクト情報収納部310に収納された表示オブジェクト情報を定期的に読み込み、読み込んだ表示オブジェクト情報に基づいて、個別画面114〜116に表示オブジェクトを表示させる(S13)。同様に、表示オブジェクト読み出し部280は、俯瞰画面152〜154に表示オブジェクトを表示させる(S13)。
【0113】
表示オブジェクト読み出し部280,330は、表示オブジェクト情報が更新され、その表示オブジェクト情報に移動経路情報が含まれている場合には、その移動経路情報に基づいて、移動対象の表示オブジェクトが移動経路に沿って移動する様子を視覚的に表示させる。
【0114】
なお、表示オブジェクト読み出し部280,330は、画面114〜116,152〜154ごとに異なる描画方法で表示オブジェクトを表示させても良い。また、表示オブジェクト読み出し部280,330は、複数の表示オブジェクトが重なり合う場合には、それらの表示オブジェクトを半透明で表示しても良い。
【0115】
以下、本実施形態に係る表示オブジェクト移動装置、表示オブジェクト移動プログラム、および、表示オブジェクト移動方法の効果について説明する。
【0116】
本実施形態によれば、操作者は、ドラッグ操作により、移動元画面に表示された任意の表示オブジェクトを移動元画面から所望する移動先画面に画面間移動させることができる。すなわち、操作者は、表示オブジェクトをドラッグした状態で移動元画面上から移動先画面上までカーソルを長距離移動させることなく、表示オブジェクトを短時間に移動させることができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、操作者は、ドラッグ開始後所定時間内のドラッグ移動距離の長短により、表示オブジェクトを画面間移動させるか画面内移動させるかを区別できる。
【0118】
また、本実施形態によれば、移動対象の表示オブジェクトに関する表示オブジェクト情報の表示内容、または、移動先画面に関する画面情報の配列条件に基づいて移動先画面内での表示オブジェクトの位置が決まるため、操作者は、移動先画面内での表示オブジェクトの位置を指定する必要がなく、操作者の操作負担が軽減する。
【0119】
さらに、本実施形態によれば、表示オブジェクトが画面間移動する場合に、移動経路情報に基づいて、移動対象の表示オブジェクトが移動経路に沿って移動する様子が視覚的に表示されるため、操作者が移動対象の表示オブジェクトを見失いにくい。
【0120】
[第2の実施形態]
本発明の表示オブジェクト移動装置、表示オブジェクト移動プログラム、および、表示オブジェクト移動方法の第2の実施形態について、図14ないし図15を用いて説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であるため、重複説明を省略する。図14は、本発明の第2の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の画面間移動判定部の処理を示したフローチャートである。図15は、本発明の第2の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の画面間移動判定部の処理に用いられるカーソル移動領域の一例を示した図である。
【0121】
本実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の画面間移動判定部230は、操作者123によるドラッグ操作が画面間単純移動を指示するものなのか、画面間複製移動を指示するものなのかを判定できる。画面間移動判定部230は、ドラッグ操作においてカーソル124が9つのカーソル移動領域のうちのどのカーソル移動領域を通過したかを検出して、その検出結果から画面間単純移動か画面間複製移動かを判定する。
【0122】
9つのカーソル移動領域は、図15に示すように、左上側の領域(UL)、上側の領域(U)、右上側の領域(UR)、左側の領域(L)、中央の領域(C)、右側の領域(R)、左下側の領域(DL)、下側の領域(D)、および、右下側の領域(DR)に区画されている。画面間移動判定部230は、カーソル移動領域ごとに領域バッファを有し、各領域バッファには、整数値が記録される。
【0123】
ここで、本実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の画面間移動判定部230の処理について説明する。
【0124】
画面間移動判定部230の処理は、画面間移動判定部230がドラッグ情報を入力した時点で開始される(S31)。ドラッグ情報の入力後、画面間移動判定部230は、各領域バッファを初期化して、各領域バッファに記録された値を0にする(S32)。
【0125】
初期化後、画面間移動判定部230は、ドラッグ情報からドラッグ時間を算出して(S33)、そのドラッグ時間が所定時間以内(例えば、0.3秒以内)であるかどうかを判定する(S34)。ドラッグ時間が所定時間以内であれば、画面内移動であると判断し、ドラッグ時間が所定時間以内でなければ、カーソル移動距離判定処理に遷移する(S34)。
【0126】
カーソル移動距離判定処理に遷移した場合には、画面間移動判定部230は、ドラッグ情報に基づいて、ドラッグ開始時のカーソル124の位置に対する各時刻でのカーソル124の相対的な位置(各時刻でのカーソル124の相対位置)を算出する(S35)。
【0127】
ドラッグ開始後所定時間以内にドラッグ相対位置が、左上側の領域(UL)、上側の領域(U)、右上側の領域(UR)、左側の領域(L)、右側の領域(R)、左下側の領域(DL)、下側の領域(D)、および、右下側の領域(DR)の、中央の領域(C)を除く8つのカーソル移動領域のうちのいずれかのカーソル移動領域に属するかを判定する(S35A)。所定時間以内にドラッグ相対位置がカーソル移動領域のうちのいずれかのカーソル移動領域に属する場合には、画面間移動であると判定する(S36)。所定時間以内にドラッグ相対位置が8つのカーソル移動領域のうちのいずれにも属していない場合は、画面内移動であると判定する(S36)。
【0128】
画面間移動判定部230は、算出した各時刻でのカーソル124の相対位置が9つのカーソル移動領域のうちのどのカーソル移動領域に属するかを判定し(S37)、例えば、カーソル移動領域URに属した時刻が10あれば、カーソル移動領域URの領域バッファに10を記録する(S38)。
【0129】
全ての時刻についての記録が終了した後、画面間移動判定部230は、左上側の領域(UL)、上側の領域(U)、右上側の領域(UR)、左側の領域(L)、右側の領域(R)、左下側の領域(DL)、下側の領域(D)、および、右下側の領域(DR)の、中央の領域(C)を除く8つのカーソル移動領域バッファの記録値が1以上であるカーソル移動領域の数が1つか否かを判定する(S39)。1つであれば、画面間移動であると判断し、1つでなければ、画面内移動であると判断する(S39)。
【0130】
画面間移動であると判断した場合には、画面間移動判定部230は、ドラッグ終了時のカーソル124の相対位置がカーソル移動領域Cに属するか否かを判定する(S40)。カーソル移動領域Cに属する場合には、画面間複製移動であると判断し、カーソル移動領域Cに属さない場合には、画面間単純移動であると判断する(S40)。
【0131】
ドラッグ時間が所定時間内のドラッグ操作において、カーソル124が、カーソル移動領域C→URと移動した場合(移動経路233)には、移動対象の表示オブジェクトが画面間単純移動される。これに対して、ドラッグ時間が所定時間内のドラッグ操作において、カーソル124が、カーソル移動領域C→UR→Cと移動した場合(移動経路234)には、移動対象の表示オブジェクトが画面間複製移動される。
【0132】
本実施形態によれば、操作者は、簡単なドラッグ操作の違いにより、表示オブジェクトを画面間複製移動させるか画面間単純移動させるかを区別できる。
【0133】
[第3の実施形態]
本発明の表示オブジェクト移動装置、表示オブジェクト移動プログラム、および、表示オブジェクト移動方法の第3の実施形態について、図16ないし図20を用いて説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であるため、重複説明を省略する。
【0134】
本実施形態に係る表示オブジェクト移動装置が適用された発電所の監視システムについて図16ないし図18を用いて説明する。図16は、本発明の第2の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置が適用された監視システムの構成を示したブロック図である。図17は、図16の個別操作端末の構成を示したブロック図である。図18は、発電所の監視室内における図16の監視システムの配置例を示した斜視図である。
【0135】
図16および図17に示す通り、個別操作端末110は、個別操作処理装置111、マウス112、キーボード113、3つの個別画面114〜116、および、カメラ125を有する。マウス112、キーボード113、3つの個別画面114〜116、および、カメラ125は、それぞれ個別操作処理装置111に接続されている。
【0136】
また、図18に示す通り、カメラ125は、その撮影方向が操作者123の顔に向くように配置されている。なお、カメラ125の代わりにビデオカメラでも良い。個別操作端末130も、個別操作端末110と同様の構成を有する。
【0137】
本実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の構成について図19を用いて説明する。図19は、本発明の第2の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置のブロック図である。
【0138】
表示オブジェクト移動装置1は、ドラッグ情報作成部210、表示オブジェクト選択部220、画面間移動判定部230、移動先画面選択部240、画面内位置決定部250、移動経路決定部260、位置情報更新部270、表示オブジェクト情報収納部310、画面情報収納部320、表示オブジェクト読み出し部280,330、および、注目位置検出部290を有する。
【0139】
個別操作処理装置111,131のそれぞれが、ドラッグ情報作成部210、表示オブジェクト選択部220、画面間移動判定部230、移動先画面選択部240、画面内位置決定部250、移動経路決定部260、位置情報更新部270、表示オブジェクト読み出し部280、および、注目位置検出部290の機能を果たす。
【0140】
注目位置検出部290は、カメラ125と接続されている。注目位置検出部290は、カメラ125から操作者123の顔画像に関する情報を入力し、この顔画像を解析して、操作者123の注目している位置(注目位置)を検出し、注目位置に関する情報を出力する。
【0141】
本実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の移動先画面選択部の処理について図20を用いて説明する。図20は、本発明の第2の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の移動先画面選択部の処理を示したフローチャートである。
【0142】
本実施形態に係る表示オブジェクト移動装置1の移動先画面選択部240の処理は、移動先画面選択部240が表示オブジェクト選択部220の出力情報、画面間移動判定部230が出力した画面間移動判定結果、および、注目位置検出部290の出力情報を入力した時点から開始される(S41)。
【0143】
入力後、移動先画面選択部240は、ドラッグ情報に基づいて、カーソル124が個別画面114〜116内に存在しているのか、俯瞰画面152〜154内に存在しているのかを判定する(S42)。
【0144】
ここで、カーソル124が個別画面114〜116内に存在している場合には、画面間移動判定結果に基づいて、カーソル移動領域がUL、U、URのいずれかであるか否かを判定する(S43)。カーソル移動領域がUL、U、URのいずれかでない場合には、移動先画面選択部240は、図11に示すようなカーソル移動領域と移動先画面との対応関係に従って、移動先画面を決定する(S44)。一方、カーソル移動領域がUL、U、URのいずれかである場合には、移動先画面選択部240は、注目位置検出部290の出力情報に基づいて、操作者123が俯瞰画面152〜154を注目しているか否かを判定する(S45)。注目している場合には、注目している画面を移動先画面に決定し(S46)、注目していない場合には、移動先画面を選択せずに処理を終了する。
【0145】
一方、カーソル124が俯瞰画面152〜154内に存在している場合には、画面間移動判定結果に基づいて、カーソル移動領域がDL、D、DRのいずれかであるか否かを判定する(S47)。カーソル移動領域がDL、D、DRのいずれかでない場合には、移動先画面選択部240は、図11に示すようなカーソル移動領域と移動先画面との対応関係に従って、移動先画面を決定する(S44)。一方、カーソル移動領域がDL、D、DRのいずれかである場合には、移動先画面選択部240は、注目位置検出部290の出力情報に基づいて、操作者123が個別画面114〜116を注目しているか否かを判定する(S48)。注目している場合には、注目している画面を移動先画面に決定し(S49)、注目していない場合には、移動先画面を選択せずに処理を終了する。
【0146】
本実施形態によれば、移動先画面選択部240は、ドラッグ情報および注目位置検出部290の出力情報に基づいて、移動対象の表示オブジェクトを移動させるので、移動先画面の選択の正確性が向上する(操作者123の所望の画面を選択する可能性が高くなる)。
【0147】
[第4の実施形態]
本発明の表示オブジェクト移動装置、表示オブジェクト移動プログラム、および、表示オブジェクト移動方法の第4の実施形態について、図21を用いて説明する。図21は、本発明の第4の実施形態に係るカーソル移動領域画像の画面上へ表示を説明する図である。なお、本実施形態は、第1ないし第3の各実施形態の変形例であるため、重複説明を省略する。
【0148】
操作者123がマウス112のボタンを押下しドラッグ操作を開始した後、所定時間以内に、所定距離以上のドラッグ操作を行った場合には、画面間移動判定処理に遷移する(図5のステップS7、図9のS25、または、図14のS36の各条件分岐において「Yes」に分岐した場合)。このとき、画面115上に図21に示すようなドラッグ開始位置を基点としたカーソル移動領域画像235を表示する。カーソル移動領域画像235は、画面内の他の表示オブジェクトを隠蔽しないように半透明で表示してもよいし、領域の境界線のみを線画で描画しても良い。マウスボタンを離すとカーソル移動領域画像235は画面から消去される。
【0149】
本実施形態によれば、操作者123は、現在のドラッグ操作が画面間移動という通常のドラッグ動作とは異なる操作であることを、マウスボタンを離す以前に認識できる。第2の実施の形態の様に、領域ごとにバッファを設けて移動先画面を決定する処理を用いる場合、操作者123がドラッグ操作で移動先画面を確定した後、マウスボタンを離す前にこの操作を取り消したいと思った際には、画面上に表示されたカーソル移動領域画像235を参考にして、複数の領域を横断するようにマウスを動かすことができる(操作の取り消しが可能となる)。
【0150】
[他の実施形態]
上記各実施形態は単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0151】
また、各実施形態の特徴を組み合わせても良い。例えば、第2の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の移動先画面選択部の代わりに、第3の実施形態に係る表示オブジェクト移動装置の移動先画面選択部を採用しても良い。
【符号の説明】
【0152】
1…表示オブジェクト移動装置、100…監視システム、110…個別操作端末、111…個別操作処理装置、112…マウス、113…キーボード、114〜116…個別画面、117…プロセッサ、118…RAM、119…HDD、120…ROM、121…バス、122…ネットワーク接続装置、123…操作者、124…(マウス)カーソル、125…カメラ,130…個別操作端末、131…個別操作処理装置、132…マウス、133…キーボード、134〜136…個別画面、143…操作者、144…(マウス)カーソル、145…カメラ,150…俯瞰表示盤、151…俯瞰表示処理装置、152〜154…俯瞰画面、160…共有情報収納部、170…ローカルエリアネットワーク、181〜190…表示オブジェクト、210…ドラッグ情報作成部、220…表示オブジェクト選択部、230…画面間移動判定部、240…移動先画面選択部、250…画面内位置決定部、260…移動経路決定部、270…位置情報更新部、280…表示オブジェクト読み出し部、290…注目位置検出部、310…表示オブジェクト情報収納部、320…画面情報収納部、330…表示オブジェクト読み出し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示オブジェクトが表示されている第一画面または第二画面の位置に関する情報、および前記表示オブジェクトが表示されている前記第一画面または前記第二画面内の位置に関する情報を含む表示オブジェクト情報を収納する表示オブジェクト情報収納部と、
前記第一画面および前記第二画面の配置に関する情報を含む画面情報を収納する画面情報収納部と、
前記表示オブジェクトのドラッグ操作に関するドラッグ情報を作成するドラッグ情報作成部と、
前記表示オブジェクト情報および前記ドラッグ情報に基づいて移動対象の表示オブジェクトを選択する表示オブジェクト選択部と、
前記ドラッグ情報から得られるドラッグ時間に基づいて表示オブジェクトを前記第一画面から前記第二画面に画面間移動させるか否かを判定する画面間移動判定部と、
前記画面間移動判定部の判定結果に基づいて前記第一画面または前記第二画面を選択する移動先画面選択部と、
前記画面情報に基づいて前記移動先画面選択部が選択した前記第一画面または前記第二画面内のどの位置に前記移動対象の表示オブジェクトを移動させるかを決定する画面内位置決定部と、
前記移動先画面選択部が選択した前記第一画面または前記第二画面および前記画面内位置決定部が決定した位置に基づいて前記移動対象の表示オブジェクトの画面間移動前の表示オブジェクト情報を書き換える位置情報更新部と、
前記位置情報更新部が書き換えた表示オブジェクト情報に基づいて前記移動対象の表示オブジェクトを表示させる表示オブジェクト読み出し部と
を具備することを特徴とする表示オブジェクト移動装置。
【請求項2】
前記移動先画面選択部は、前記ドラッグ操作の開始位置に対する前記ドラッグ操作の終了位置の配置と第一画面に対する第二画面の配置とが対応するように移動先画面を選択することを特徴とする請求項1に記載の表示オブジェクト移動装置。
【請求項3】
前記操作者の顔画像情報から前記操作者の注目位置を検出する注目位置検出部を備え、
前記移動先画面選択部は、移動先画面として前記操作者の注目位置に配置された画面を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の表示オブジェクト移動装置。
【請求項4】
前記画面内位置決定部は、第二画面の前記画面情報に含まれる表示オブジェクトの配置条件に基づいて第二画面内のどの位置に前記移動対象の表示オブジェクトを移動させるかを決定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の表示オブジェクト移動装置。
【請求項5】
第一画面内の位置および第二画面内の位置を結ぶ移動経路を決定する移動経路決定部を具備することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表示オブジェクト移動装置。
【請求項6】
前記画面間移動判定部は、前記ドラッグ操作の経路に折り返し点があるか否かにより画面間単純移動させる旨を判定するか画面間複製移動させる旨を判定するかを区別することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の表示オブジェクト移動装置。
【請求項7】
1又は複数のコンピュータを、
表示オブジェクトのドラッグ操作に関するドラッグ情報を作成するドラッグ情報作成手段と、
前記表示オブジェクトが表示されている第一画面または第二画面の位置に関する画面情報、前記表示オブジェクトが表示されている前記第一画面または前記第二画面内の位置に関する情報を含む表示オブジェクト情報、および前記ドラッグ情報に基づいて移動対象の表示オブジェクトを選択する表示オブジェクト選択手段と、
前記ドラッグ情報から得られるドラッグ時間に基づいて表示オブジェクトを前記第一画面から前記第二画面に画面間移動させるか否かを判定する画面間移動判定手段と、
前記画面間移動判定部の判定結果に基づいて前記第一画面または前記第二画面を選択する移動先画面選択手段と、
前記画面情報に基づいて前記移動先画面選択部が選択した前記第一画面または前記第二画面内のどの位置に前記移動対象の表示オブジェクトを移動させるかを決定する画面内位置決定手段と、
前記移動先画面選択部が選択した前記第一画面または前記第二画面および前記画面内位置決定部が決定した位置に基づいて前記移動対象の表示オブジェクトの画面間移動前の表示オブジェクト情報を書き換える位置情報更新手段と、
前記位置情報更新部が書き換えた表示オブジェクト情報に基づいて前記移動対象の表示オブジェクトを表示させる示オブジェクト読み出し手段
として機能させるための表示オブジェクト移動プログラム。
【請求項8】
1又は複数のコンピュータを用いて、
表示オブジェクトのドラッグ操作に関するドラッグ情報を作成するドラッグ情報作成工程と、
前記表示オブジェクトが表示されている第一画面または第二画面の位置に関する画面情報、前記表示オブジェクトが表示されている前記第一画面または前記第二画面内の位置に関する情報を含む表示オブジェクト情報、および前記ドラッグ情報に基づいて移動対象の表示オブジェクトを選択する表示オブジェクト選択工程と、
前記ドラッグ情報から得られるドラッグ時間に基づいて表示オブジェクトを前記第一画面から前記第二画面に画面間移動させるか否かを判定する画面間移動判定工程と、
前記画面間移動判定部の判定結果に基づいて前記第一画面または前記第二画面を選択する移動先画面選択工程と、
前記画面情報に基づいて前記移動先画面選択部が選択した前記第一画面または前記第二画面内のどの位置に前記移動対象の表示オブジェクトを移動させるかを決定する画面内位置決定工程と、
前記移動先画面選択部が選択した前記第一画面または前記第二画面および前記画面内位置決定部が決定した位置に基づいて前記移動対象の表示オブジェクトの画面間移動前の表示オブジェクト情報を書き換える位置情報更新工程と、
前記位置情報更新部が書き換えた表示オブジェクト情報に基づいて前記移動対象の表示オブジェクトを表示させる表示オブジェクト読み出し工程と
を実行する表示オブジェクト移動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−218393(P2010−218393A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66419(P2009−66419)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】