説明

表示デバイス、及び、表示装置

【課題】映像に生じる輝度のバラツキを視認しにくくする表示デバイスを提供する。
【解決手段】表示データを入力するデータ入力部31と、画素データを並び換えるデータ並び換え処理部32と、駆動電圧信号を生成する駆動ドライバ33と、データ並び換え処理部32を制御する制御部34とが設けられた駆動ドライバ基板3と、駆動電圧信号をパネル基板5へ伝送する信号配線41〜46が設けられた配線基板4と、データ線とゲート線との交差部に画素が接続された表示パネル51と、各データ線に駆動電圧信号を順次供給するデータ線ドライバ52と、信号配線41〜46から伝送されてくる駆動電圧信号をデータ線ドライバ52に供給する接続配線541〜546と、制御部34の制御に応じて、接続配線541〜546に接続する信号配線41〜46を切り換える配線切換部55とが設けられたパネル基板5とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルが設けられたパネル基板と、表示パネルを駆動する駆動手段が設けられた駆動ドライバ基板とを配線基板を介して接続した表示デバイス、及び、この表示デバイスが組み込まれた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、反射型表示デバイスは、光透過型の表示デバイスに比べて光利用効率が高いため、プロジェクションシステムの高精細化、小型化、高輝度化が可能なディスプレイデバイスとして実用化されている。反射型表示デバイスの一例として、例えば、一方に透明電極を形成したガラス基板と、C−MOS半導体回路からなるシリコン基板に駆動電極を配置した駆動素子基板とをガラス基板に対向させ、これら一対の基板間に液晶を注入した反射型液晶表示パネルを備えたものがある。
【0003】
このような反射型液晶表示パネルは、ガラス基板上の透明電極と駆動素子基板上の駆動電極との間に電圧を加えることで液晶に電圧を印加する。このようにして電圧が印加された液晶は、その電圧値に応じて光学的な特性が変化し、ガラス基板側から入射した光を変調することで輝度が制御される。一般的に、反射型液晶表示パネルでは、列方向に並んだデータ線と、行方向に並んだゲート線との交差部に画素電極が行列配置されており、これらデータ線とゲート線と電気的に接続された駆動ドライバによって、各画素電極に印加する駆動電圧信号が供給される。
【0004】
このような反射型表示デバイスが組み込まれた表示装置では、表示パネルへ光を供給させるための光学デバイス等も組み込む必要があるので、筐体内部に各デバイスを効率よく配置することが小型化を図るために必要となる。
【0005】
筐体内部に各デバイスを効率よく配置するため、反射型表示デバイスは、上述した駆動ドライバが、反射型表示パネルが設けられたパネル基板に対して次のようにして外付けされる。すなわち、反射型表示デバイスでは、駆動ドライバが設けられた駆動ドライバ基板と、反射型表示パネルが設けられたパネル基板とを、駆動電圧信号を伝送するための信号線が複数設けられた配線基板を介して電気的に接続している。
【0006】
このような配線基板には、柔軟性があり変形可能な信号配線が複数設けられたプリント基板(以下、フレキシブルプリント配線基板という。)が広く用いられている。
【0007】
ところで、反射型表示デバイスでは、複数の駆動電圧信号を同時に出力する駆動ドライバの各出力端子間に出力偏差があるため、この出力偏差の影響によって表示パネル上に表示される各画素の輝度値にもバラツキが生じてしまい、結果として画質が劣化してしまう。
【0008】
上述した駆動ドライバの各出力端子間の出力偏差による画質劣化を低減するためには、例えば次に示すような改善手法がある。
【0009】
改善手法としては、駆動ドライバを製造する製造過程において、出力値を均一にする作業や、キャリブレーション作業などを行うことで、出力端子間の出力偏差を低減することができる。しかしながら、上述した改善方法により製造された駆動ドライバは、出力端子間の出力偏差を低減することができるが、製造コストが高くなってしまうという問題がある。
【0010】
また、フレキシブルプリント配線基板に設けられた複数本の信号線は、それぞれ固有のインダクタンス成分を持っており、駆動ドライバから流れる電流によってそれぞれ異なる値の逆起電力が発生する。このインダクタンス量は、フレキシブルプリント配線基板内における信号線の位置によって異なる。例えば、信号配線の両端側にそれぞれ接地線が設けられているフレキシブルプリント配線基板には、基板内の中央に位置する信号線から外側に位置する信号線に向かってインダクタンス成分が単調に変化してしまう。
【0011】
反射型表示デバイスでは、フレキシブルプリント配線基板の長さが数十[mm]以上になってくると、この基板内に設けられた各信号線のインダクタンスのバラツキによって表示される各画素の輝度値にもバラツキが生じてしまい、結果として画質がより劣化してしまう。
【0012】
このようなフレキシブルプリント配線基板内の信号線のインダクタンスのバラツキによる画質劣化の低減を実現する発明が、特許文献1に記載されている。
【0013】
特許文献1には、配線基板を経由した後のパネル基板内における信号線の配列を、配線基板内においてインダクタンス成分の影響が相対的に大きい信号線を経由した駆動電圧信号とインダクタンス成分の影響が相対的に小さい信号線を経由した駆動電圧信号とが、表示パネルの隣り合う画素に互い違いに供給されるように入れ替えた配線構造に係る発明が記載されている。
【0014】
【特許文献1】特願2006−336059
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
特許文献1に記載された発明では、フレキシブルプリント配線基板内の信号線のインダクタンス成分のバラツキによる画質の劣化を低減することはできるが、駆動ドライバの出力端子間の出力偏差による画質の劣化を低減することはできない。
【0016】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、駆動ドライバの出力端子間の出力偏差、及び配線基板内の信号線のインダクタンス成分のバラツキによって表示される各画素の輝度値のバラツキを視認しにくくすることにより、画質の劣化を低減する表示デバイス、及び、この表示デバイスが組み込まれた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決するための手段として、本発明に係る表示デバイスは、列方向に並んだ複数のデータ線と行方向に並んだ複数のゲート線との交差部に接続された複数の画素からなる表示パネルと、上記表示パネル上の列方向に連続して並んだ所定数の画素からなる画素群毎に、該表示パネルの各データ線に接続された画素に印加するための駆動電圧信号を順次供給するパネルドライバとが設けられたパネル基板を備える表示デバイスであって、所定の走査方向に並んだ複数の画素データからなる表示データを入力する入力手段と、上記入力手段により入力される上記画素群を構成する各画素データを該画素群内で並び換えるデータ並び換え手段と、上記データ並び換え手段により並び換えた各画素データに応じた上記駆動電圧信号を上記画素群毎に生成する生成手段と、上記データ並び換え手段により並び換えられる画素データのデータ配列を制御する制御手段とが設けられた駆動ドライバ基板と、上記駆動ドライバ基板に設けられた上記生成手段により生成される駆動電圧信号を上記画素群毎に上記パネル基板へ伝送する複数の信号配線が並列して設けられた配線基板とを備え、上記パネル基板には、上記配線基板に設けられた複数の信号配線から伝送されてくる上記駆動電圧信号を上記パネルドライバに供給する複数の接続配線と、上記走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が上記表示パネルの列方向に連続して並んだデータ線に供給されるように、上記制御手段により制御された画素データのデータ配列に応じて、上記接続配線に接続する上記信号配線を切り換える切換手段とが設けられている。
【0018】
また、本発明に係る表示デバイスは、列方向に並んだ複数のデータ線と行方向に並んだ複数のゲート線との交差部に接続された複数の画素からなる表示パネルと、上記表示パネルの列方向に連続して並んだ所定数の画素からなる画素群毎に、該表示パネルの各データ線に接続された画素に印加するための駆動電圧信号を順次供給するパネルドライバとが設けられたパネル基板を備える表示デバイスであって、所定の走査方向に並んだ複数の画素データからなる表示データを入力する入力手段と、上記入力手段により入力される上記画素群を構成する各画素データを該画素群内で並び換えるデータ並び換え手段と、上記データ並び換え手段により並び換えた各画素データに応じた上記駆動電圧信号を上記画素群毎に生成する生成手段と、上記データ並び換え手段により並び換えられる画素データのデータ配列を制御する制御手段とが設けられた駆動ドライバ基板とを備え、上記駆動ドライバ基板に設けられた上記生成手段により生成される駆動電圧信号を上記画素群毎に上記パネル基板へ伝送する複数の信号配線が並列して設けられた配線基板と、上記表示パネルは、上記画素群を構成する画素と接続される各データ線が、互い違いに交差して該画素群を構成する各画素と接続される配線構造を有し、上記制御手段は、上記走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が上記表示パネルの列方向に連続して並んだ各画素に印加されるように、上記表示パネルの配線構造に応じて、上記データ並び換え手段を制御する。
【0019】
また、本発明に係る表示装置は、列方向に並んだ複数のデータ線と行方向に並んだ複数のゲート線との交差部に接続された複数の画素からなる表示パネルと、上記表示パネルの列方向に連続して並んだ所定数の画素からなる画素群毎に、該表示パネルの各データ線に接続された画素に印加するための駆動電圧信号を順次供給するパネルドライバとが設けられたパネル基板を有する表示デバイスを備え、光源から放出した光を上記表示デバイスの表示パネルに入射させ、所定の走査方向に並んだ複数の画素データからなる表示データに応じて上記表示デバイスの表示パネルで変調した光を投写させる表示装置であって、上記表示デバイスは、上記画素群を構成する上記表示データの各画素データを該画素群内で並び換えるデータ並び換え手段と、上記データ並び換え手段により並び換えた各画素データに応じた上記駆動電圧信号を上記画素群毎に生成する生成手段と、上記データ並び換え手段により並び換えられる画素データのデータ配列を制御する制御手段とが設けられた駆動ドライバ基板と、上記駆動ドライバ基板に設けられた上記生成手段により生成される駆動電圧信号を上記画素群毎に上記パネル基板へ伝送する複数の信号配線が並列して設けられた配線基板とを有し、上記パネル基板には、上記配線基板に設けられた複数の信号配線から伝送されてくる上記駆動電圧信号を上記パネルドライバに供給する複数の接続配線と、上記走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が上記表示パネル上の列方向に連続して並んだデータ線に供給されるように、上記制御手段により制御された画素データのデータ配列に応じて、上記接続配線に接続する上記信号配線を切り換える切換手段とが設けられている。
【0020】
また、本発明に係る表示装置は、列方向に並んだ複数のデータ線と行方向に並んだ複数のゲート線との交差部に接続された複数の画素からなる表示パネルと、上記表示パネル上の列方向に連続して並んだ所定数の画素からなる画素群毎に、該表示パネルの各データ線に接続された画素に印加するための駆動電圧信号を順次供給するパネルドライバとが設けられたパネル基板を有する表示デバイスを備え、光源から放出される光を上記表示デバイスの表示パネルに入射させ、所定の走査方向に並んだ複数の画素データからなる表示データに応じて該表示パネルで変調した光を投写させる表示装置であって、上記表示デバイスは、上記画素群を構成する上記表示データの各画素データを該画素群内で並び換えるデータ並び換え手段と、上記データ並び換え手段により並び換えた画素データに応じた上記駆動電圧信号を上記画素群毎に生成する生成手段と、上記データ並び換え手段により並び換えられる画素データのデータ配列を制御する制御手段とが設けられた駆動ドライバ基板と、上記駆動ドライバ基板に設けられた上記生成手段により生成される駆動電圧信号を上記画素群毎に上記パネル基板へ伝送する複数の信号配線が並列して設けられた配線基板とを有し、上記パネル基板には、上記配線基板に設けられた信号配線から伝送されてくる上記画素群毎に駆動電圧信号を上記パネルドライバに供給する複数の接続配線と、上記走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が上記表示パネルの列方向に連続して並んだ各画素に印加されるように、上記制御手段により制御された画素データのデータ配列に応じて、上記接続配線に接続する上記信号配線を切り換える切換手段とが設けられている。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、表示デバイスのドライバ基板側で、制御手段が、データ並び換え手段により並び換えられる画素データのデータ配列を制御し、表示デバイスのパネル基板側で、切換手段が、走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が表示パネルの列方向に連続して並んだデータ線に供給されるように、制御手段により制御された画素データのデータ配列に応じて、接続配線に接続する信号配線を切り換えるので、生成手段で同時に生成される駆動電圧信号間に生じる出力偏差、及び配線基板内の信号配線のインダクタンス成分のバラツキによって表示される各画素の輝度値のバラツキを視認しにくくすることによって、画質の劣化を低減することができる。
【0022】
また、本発明では、表示デバイスの表示パネルが、画素群を構成する画素と接続される各データ線が、互い違いに交差して該画素群を構成する各画素と接続される配線構造を有しており、表示パネルの駆動ドライバ側で、制御手段が、走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が表示パネルの列方向に連続して並んだ各画素に印加されるように、表示パネルの配線構造に応じて、データ並び換え手段を制御するので、生成手段で同時に生成される駆動電圧信号間に生じる出力偏差、及び配線基板内の信号配線のインダクタンス成分のバラツキによって表示される各画素の輝度値のバラツキを視認しにくくすることによって、画質の劣化を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
本発明が適用された表示装置は、表示パネルが設けられたパネル基板と、表示パネルを駆動する駆動ドライバが設けられた駆動ドライバ基板とが配線基板を介して接続された表示デバイスが組み込まれた投写型表示装置である。以下では、このような表示デバイスの一例として、反射型液晶表示デバイスを用いて、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0025】
図1は、反射型液晶デバイスが組み込まれた投写型表示装置1の構成を模式的に示した図である。
【0026】
投写型表示装置1は、スクリーン20上に表示データに応じた映像を表示するため、放電ランプ11から放出される光を赤色、緑色、及び青色の三原色に分離し、それぞれの色に対して液晶表示パネルが設けられた表示デバイスを3つ用い、分離した三原色に変調処理を施して、カラー映像表示を行う三板式の投写光学系である。
【0027】
投写型表示装置1は、放電ランプ11から放出される光のうち赤色光を表示データに応じて変調する表示デバイス2Rと、放電ランプ11から放出される光のうち緑色光を表示データに応じて変調する表示デバイス2Gと、放電ランプ11から放出される光のうち青色光を表示データに応じて変調する表示デバイス2Bとを備える。
【0028】
また、投写型表示装置1は、各表示デバイス2R、2G、2Bにそれぞれ赤色光、緑色光、及び青色光を入射させるために、次のような光学素子を備えている。
【0029】
すなわち、投写型表示装置1は、放電ランプ11から放出される光を略平行光にするリフレクタ12と、リフレクタ12により略平行光にされた光を集光する集光レンズ13と、集光レンズ13により集光された光から青色光を分離するダイクロイックミラー141と、ダイクロイックミラー141により青色光が色分離された他の色成分の光を反射する反射ミラー142と、反射ミラー142により反射された光から赤色光と緑色光とに分離するダイクロイックミラー143とを備えている。また、投写型表示装置1は、ダイクロイックミラー141により色分離された青色光を光軸に対して90°曲げて表示デバイス2Bの表示パネル上に入射させるとともにこの液晶表示パネルにより変調された反射光を透過させる偏光ビームスプリッター15Bと、ダイクロイックミラー143により色分離された緑色光を光軸に対して90°曲げて表示デバイス2Gの表示パネルに入射させるとともにこの表示パネルにより変調された反射光を透過させる偏光ビームスプリッター15Gと、ダイクロイックミラー143により色分離された赤色光を光軸に対して90°曲げて表示デバイス2Rの表示パネルに入射させるとともにこの液晶表示パネルにより変調された反射光を透過させる偏光ビームスプリッター15Rと、各偏光ビームスプリッター15B、15G、15Rをそれぞれ透過した青色光、緑色光、及び赤色光を合成するクロスプリズム17と、クロスプリズム17により合成されたカラー映像をスクリーン20に投写させる投写レンズ18とを備えている。
【0030】
放電ランプ11は、カラー映像を表示するために必要な赤色光、緑色光、及び青色光を含んだ白色光を放射する光源である。放電ランプ11は、例えば、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプやキセノンランプ等により構成されている。
【0031】
リフレクタ12は、放電ランプ11から放射された光を反射、及び集光することにより略平行光にする光学素子から構成されている。
【0032】
集光レンズ13は、リフレクタ12により略平行光にされた光をダイクロイックミラー141へ集光する。
【0033】
ダイクロイックミラー141は、集光レンズ13により集光された白色光のうち、青色光を反射させるとともに、青色光以外の光すなわち緑色光と赤色光とが合成されている光を透過する。
【0034】
反射ミラー142は、ダイクロイックミラー141を透過した光を反射させる。
【0035】
ダイクロイックミラー143は、反射ミラー142により反射された光のうち、緑色光を反射させ赤色光を透過する。
【0036】
偏光ビームスプリッター15Bは、ダイクロイックミラー141により反射された青色光を光軸に対して90°曲げて表示デバイス2Bの表示パネルに入射させる。また、偏光ビームスプリッター15Bは、表示デバイス2Bの表示パネルから反射されてくる変調処理が施された青色光を透過する。
【0037】
偏光ビームスプリッター15Gは、ダイクロイックミラー143により反射された緑色光を光軸に対して90°曲げて表示デバイス2Gの表示パネルに入射させる。また、偏光ビームスプリッター15Bは、表示デバイス2Gの表示パネルから反射されてくる変調処理が施された緑色光を透過する。
【0038】
偏光ビームスプリッター15Rは、ダイクロイックミラー143により反射された赤色光を光軸に対して90°曲げて表示デバイス2Rの表示パネルに入射させる。また、偏光ビームスプリッター15Rは、表示デバイス2Rの表示パネルから反射されてくる変調処理が施された赤色光を透過する。
【0039】
表示デバイス2Bは、後述する駆動ドライバで表示データに応じた駆動電圧を生成し、生成した駆動電圧に応じて表示パネルを駆動することにより、偏光ビームスプリッター15Bから入射される青色光に変調処理を施して反射させる。
【0040】
表示デバイス2Gは、後述する駆動ドライバで表示データに応じた駆動電圧を生成し、生成した駆動電圧に応じて表示パネルを駆動することにより、偏光ビームスプリッター15Gから入射される緑色光に変調処理を施して反射させる。
【0041】
表示デバイス2Rは、後述する駆動ドライバで表示データに応じた駆動電圧を生成し、生成した駆動電圧に応じて表示パネルを駆動することにより、偏光ビームスプリッター15Rから入射される赤色光に変調処理を施して反射させる。
【0042】
クロスプリズム17は、各偏光ビームスプリッター15B、15G、15Rをそれぞれ透過した青色光、緑色光、及び赤色光を合成して、合成したカラー映像を投写レンズ18に入射させる。
【0043】
投写レンズ18は、クロスプリズム17により入射されたカラー映像をスクリーン20に投写させる。
【0044】
また、投写型表示装置1は、赤色信号、緑色信号、青色信号に応じた各表示データと、各デバイス間での動作の同期をとるための制御データを、各表示デバイス2R、2G、2Bに供給する映像信号処理部19を備えている。
【0045】
以上のような構成を備える投写型表示装置1において、表示デバイス2R、2G、2B(以下、総称して表示デバイス2)は、筐体内のスペースを効率よく用いるために、図2に示すように、駆動電圧信号を生成する駆動ドライバが設けられたドライバ基板3と、駆動ドライバから出力される駆動電圧信号を伝送するための信号配線が複数設けられた配線基板4と、配線基板4に設けられた信号配線を介して伝送されてきた駆動電圧信号に応じて入射された光に変調処理を施す複数の画素が配列された表示パネルが設けられたパネル基板5とから構成される。すなわち、表示デバイス2では、駆動ドライバと表示パネルとがそれぞれ別の基板上に設けられた構成となっている。
【0046】
各表示デバイス2のドライバ基板3には、赤色信号、緑色信号、又は青色信号を変調するための表示データが映像信号処理部19から入力され、この入力された表示データに応じて表示パネルを駆動するための駆動電圧信号を生成して、配線基板4に設けられた信号配線へ出力する。
【0047】
配線基板4は、柔軟性があり変形可能な信号配線が複数設けられたプリント基板であって、ドライバ基板3に設けられた駆動ドライバから出力される駆動電圧信号をパネル基板5へ伝送する。
【0048】
パネル基板5には、図3に示すように、列方向Hに並んだ複数のデータ線と行方向Vに並んだ複数のゲート線との交差部に接続された複数の画素からなる表示パネル51と、この表示パネル51の各データ線へ印加する電圧を制御するデータ線ドライバ52と、表示パネル51の各ゲート線の駆動を制御するゲート線ドライバ53とが設けられている。
【0049】
表示パネル51は、たとえば図3に示すように、列方向Hに24画素、行方向Vに10画素の画サイズの映像を表示するパネルである。表示パネル51では、列方向Hに並んだ複数のデータ線と行方向Vに並んだ複数のゲート線との交差部に行列配置された各画素が入射光に変調処理を施す。
【0050】
データ線ドライバ52は、表示パネル51の同一ゲート線に並んだ複数の画素に印加する電圧値を同時に更新するため、表示パネル51の列方向Hに並んだ所定数の画素からなる画素群毎に駆動信号をデータ線に順次供給する。具体的に、データ線ドライバ52は、表示パネル51に並んだ24列のデータ線のうち6列のデータ線を順次選択して、選択した6列のデータ線に対して同時に駆動電圧信号を供給する。
【0051】
ゲート線ドライバ53は、表示パネル51に並んだ10行のゲート線のうち、データを更新する行のみに電圧を印加する。
【0052】
データ線ドライバ52と、ゲート線ドライバ53とによって、表示パネル51では、図3の破線で囲まれた6つの画素からなる画素群毎にデータが順次書き込まれる。なお、画素群は6つの画素からなる場合に限定されることなく、たとえば24画素単位、又は48画素単位で構成されるようにしてもよい。
【0053】
以上のような構成からなる表示デバイス2では、ドライバ基板3とパネル基板5とを柔軟性があり変形可能なプリント基板である配線基板4を介して接続しているため、投写型表示装置1の筐体内のスペースを効率的に用いて他のデバイスを組み込むことができる。
【0054】
このような表示デバイス2では、駆動ドライバから同時に出力される駆動電圧信号間に出力偏差があり、配線基板4に設けられた複数本の信号配線のインダクタンス成分にバラツキがある。ここで、輝度の値が0であることを示す画素データに応じた駆動電圧の電圧レベルを基準電圧レベルとすると、表示デバイス2では、表示パネル51の各画素に印加される駆動電圧値の基準電圧レベルに偏差が生じてしまうため、スクリーン20上に表示される映像を構成する各画素の輝度値にもバラツキが生じてしまう。
【0055】
以下では、このような輝度値のバラツキを見えにくくすることによって画質の劣化を低減する表示デバイス2の構成と動作に注目して説明する。
【0056】
図4は、ドライバ基板3、配線基板4、パネル基板5に設けられている構成を模式的に示した図である。
【0057】
ドライバ基板3には、表示データを入力するデータ入力部31と、データ入力部31により入力される表示データを構成する各画素データのデータ配列を並び換える並び換え処理部32と、並び換え処理部32により並び換えた各画素データに応じた駆動電圧信号を生成する駆動ドライバ33と、これらの処理部の動作を制御する制御部34が設けられている。
【0058】
データ入力部31は、映像信号処理部19から、赤色信号、緑色信号、又は青色信号のいずれかの色信号に応じた表示データが入力される。また、データ入力部31には、表示パネルの駆動を制御するための制御データが入力される。
【0059】
表示データは、走査方向に並んだ複数の画素データから構成されている。また、制御データは、表示デバイス2R、2G、2Bで同期をとるためのデータであって、表示する1フレーム内の画像に対して水平方向(列方向)に同期を図る水平同期信号と、フレーム間での同期を図る垂直同期信号とを含んで構成されている。
【0060】
また、データ入力部31は、入力した表示データを構成する画素データのうち、走査方向に並んだ複数の画素データを、6つの画素データを1組とした画素群毎に並び換え処理部32に供給する。また、データ入力部31は、入力した制御データを制御部34に供給する。
【0061】
並び換え処理部32は、画素群を構成する各画素データを、この画素群内で並び換える。そして、並び換え処理部32は、並び換えた画素データを画素群毎に駆動ドライバ33へ供給する。なお、具体的な並び換え処理については後述する。
【0062】
駆動ドライバ33は、並び換え処理部32から供給された各画素データに応じた駆動電圧信号を生成する。駆動ドライバ33は、同時に6つの画素データに応じた駆動電圧信号を生成し、これら6つの駆動電圧信号をそれぞれ出力端子33a、33b、33c、33d、33e、33fから出力する。
【0063】
制御部34は、データ入力部31から供給される制御データに応じて、並び換え処理部32により並び換えられる画素データのデータ配列を変化させる。また、制御部34は、配線基板4を介して、並び換え処理部32により並び換えられるデータ配列を示す配列制御信号を、後述するパネル基板5に設けられた切換部55に供給する。また、制御部34は、配線基板4を介して、データ入力部31から供給される制御データを、パネル基板5に設けられたデータ線ドライバ52と、ゲート線ドライバ53とに供給する。
【0064】
次に、配線基板4には、ドライバ基板3に設けられた駆動ドライバ33から生成された駆動信号を画素群毎にデータ線ドライバ52へ伝送するための合計6本の信号配線41、42、43、45、46と、制御部34から出力される配列制御信号を後述するパネル基板5に設けられた切換部55に伝送する信号配線47と、制御部34から出力される制御データを、パネル基板5に設けられているデータ線ドライバ及びゲート線ドライバ53に伝送する信号配線48とが設けられている。配線基板4は、たとえば図示しない2本の接地線が設けられており、これらの2本の接地線の間に、信号配線41〜48が設けられている。
【0065】
次に、パネル基板5には、上述した表示パネル51と、データ線ドライバ52と、ゲート線ドライバ53とに加えて、配線基板4に設けられた6本の信号配線41〜46から伝送されてくる駆動電圧信号をデータ線ドライバ52に供給する6本の接続配線541、542、543、544、545、546と、配線基板4に設けられた信号配線41〜46に接続する接続配線541〜546を切り換える配線切換部55とを設けている。
【0066】
データ線ドライバ52は、上述したように6画素を1組とした画素群毎に駆動電圧信号を表示パネル51の6本のデータ線に供給するため、次のような構成を備えている。すなわち、データ線ドライバ52は、図4に示すように、各画素群に接続されたデータ線と接続配線541〜546との接続を切り換える合計4つのデータ線切換部521、522、523、524と、データ線切換部521〜524の動作を制御するデータ線切換制御部525とを備えている。
【0067】
データ線切換部521〜524は、表示パネル51内に配列されている合計24本のデータ線を4分割した6本1組のデータ線とそれぞれ接続されている。また、各データ線切換部521〜524は、データ線切換制御部525からの制御信号が供給されたとき、接続配線541〜546を介して同時に供給される6つの駆動電圧信号を各データ線に供給する。
【0068】
データ線切換制御部525は、配線基板4に設けられている信号配線48を介して伝送されてくる制御データの水平同期信号に基づいて駆動電圧信号を供給するデータ線を選択して、選択したデータ線に応じたデータ線切換部521〜524に対して制御信号を供給する。
【0069】
また、ゲート線ドライバ53は、配線基板4に設けられている信号配線48を介して伝送されてくる制御データの水平同期信号、及び垂直同期信号に基づいて、合計10本のゲート線のうち、駆動電圧を更新する画素が並んだ1本のゲート線のみをデータ線と電気的に接続させて、画素に駆動電圧を印加する。
【0070】
また、合計6本の接続配線541〜546は、それぞれ一端が配線切換部55と接続されており、他端がデータ線ドライバ52と接続されている。
【0071】
また、配線切換部55は、配線基板4に設けられた信号配線47から伝送されてくる配列制御信号に応じて、配線基板4に設けられた信号配線41〜46と、接続配線541〜546との接続を切り換える。また、配線切換部55は、初期設定として、信号配線41と接続配線541を接続し、信号配線42と接続配線542とを接続し、信号配線43と接続配線543とを接続し、信号配線44と接続配線544とを接続し、信号配線45と接続配線545とを接続し、信号配線46と接続配線546とを接続している。
【0072】
以上のような構成を備える表示デバイス2では、配線基板4に設けられた6本の信号配線41〜46が、それぞれ固有のインダクタンス成分を持っている。たとえば、配線基板4において、2本の接地線の間に6本の信号配線41〜46を順番に並べて配置したとき、信号配線41〜46のそれぞれ固有のインダクタンスは、図5(A)に示すように、中央に位置する信号配線43、44で極大となり、接地線が設けられている端部に向かって単調に変化する特徴がある。
【0073】
また、表示デバイス2において、データ並び換え処理部32でデータ配列を画素データの走査方向に対して並び換えないで駆動信号を生成したとき、信号配線41と接続配線541とが接続され、信号配線42と接続配線542とが接続され、信号配線43と接続配線543とが接続され、信号配線44と接続配線544とが接続され、信号配線45と接続配線545とが接続され、信号配線46と接続配線546とが接続される。
【0074】
このとき、接続配線541〜546には、上述したインダクタンス成分のバラツキに加えて、駆動ドライバ33の各出力端子33a、33b、33c、33d、33e、33fにも出力偏差が生じるため、図5(B)に示すように、接続配線541〜546で伝送される駆動電圧信号の基準電圧レベルに偏差が生じてしまう。このため、表示パネル51では、図6に示すように、1つの画素群毎に輝度の明暗を切り返す輝度ムラをスクリーン20上に表示させる光変調処理を入射光に施してしまう。
【0075】
そこで、表示デバイス2では、次に示すような処理を制御部34が行うことによって、図7に示すように、パネル基板5側に同時に供給された駆動電圧信号の基準電圧レベルの偏差によって生じる輝度ムラの間隔を短くすることにより視覚特性上輝度ムラを見えにくくして、画質劣化の低減を図る。
【0076】
具体的に、表示デバイス2では、輝度ムラの間隔を短くするため、たとえば、第1の制御方法として、制御部34が、データ並び換え処理部32により並び換えられる画素データのデータ配列を変化させるとともに、このデータ配列に応じた配列制御信号を配線切換部55に供給する処理を行う。
【0077】
データ入力部31は、入力した表示データのうち、走査方向に連続して並んだ6つの画素データD11、D12、D13、D14、D15、D16からなる画素群データB11をデータ並び換え処理部32に供給する。
【0078】
データ並び換え処理部32は、データ入力部31から供給されたD11、D12、D13、D14、D15、D16の順番に並んだ画素群データB11に対して、制御部34からの制御命令に従い、図8(A)に示すように、6つの画素データをD12、D13、D11、D16、D14、D15の順番に並び換えた画素群データB12を駆動ドライバ33に供給する。
【0079】
駆動ドライバ33では、データ並び換え処理部32から供給される画素群データB12の各画素データに応じた駆動電圧信号を生成して、出力端子33a、33b、33c、33d、33e、33fからそれぞれ出力する。具体的に、駆動ドライバ33は、出力端子33aから画素データD12に応じた駆動電圧信号S12を信号配線41へ出力し、出力端子33bから画素データD13に応じた駆動電圧信号S13を信号配線42へ出力し、出力端子33cから画素データD11に応じた駆動電圧信号S11を信号配線43へ出力し、出力端子33dから画素データD16に応じた駆動電圧信号S16を信号配線44へ出力し、出力端子33eから画素データD14に応じた駆動電圧信号S14を信号配線45へ出力し、出力端子33fから画素データD15に応じた駆動電圧信号S15を信号配線46へ出力する。
【0080】
また、配線切換部55では、制御部34から信号配線47を介して伝送されてくる配列制御信号に従い、配線基板4に設けられた信号配線41、42、43、44、45、46を、図8(B)に示すように、それぞれパネル基板5に設けられた接続配線542、543、541、546、545、544に接続する。このように配線切換部55が配線の接続を行うことによって、接続配線541、542、543、544、545、546には、それぞれ駆動電圧信号S11、S12、S13、S14、S15、S16が供給される。
【0081】
このようにして、配線切換部55は、走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が表示パネル51の列方向に連続して並んだデータ線に供給されるように、各信号配線41〜46と、各接続配線541〜546とを切り換えて接続する。
【0082】
表示パネル51では、走査方向に並んだ画素データに応じた駆動電圧信号が、各画素に印加される。このとき、駆動電圧信号S11、S12、S13、S14、S15、S16は、それぞれ配線基板4に設けられた信号配線43、42、41、45、46、44を介して伝送されるため、上述した配線基板4におけるインダクタンス成分のバラツキに応じて、表示パネル51に供給されるとき、図8(C)に示すように、駆動電圧信号の基準電圧レベルに偏差が生じる。すなわち、図8(C)に示すように、各画素群の駆動電圧信号には、駆動電圧信号S12、S15においてピークを有する偏差が生じる。このような偏差が画素群毎に生じるため、表示デバイス2では、図7に示すように、パネル基板5側に同時に供給された駆動電圧信号の基準電圧レベルの偏差によって生じる輝度ムラの間隔を画素群の間隔に対して短くすることにより視覚特性上輝度ムラを見えにくくして、画質劣化の低減を図ることができる。
【0083】
また、表示デバイス2では、具体的には次に示すような第2の制御方法により、図7に示した輝度ムラに対して位相が反転した図9に示すような輝度ムラを表示パネル51に生じさせ、視覚特性上輝度ムラを見えにくくして、画質劣化の低減を図ることができる。
【0084】
データ入力部31は、入力した表示データのうち、走査線方向に連続して並んだ6つの画素データD21、D22、D23、D24、D25、D26からなる画素群データB21をデータ並び換え処理部32に供給する。
【0085】
データ並び換え処理部32は、データ入力部31から供給されたD21、D22、D23、D24、D25、D26からなる画素群データB21に対して、制御部34からの制御命令に従い、図10(A)に示すように、6つの画素データをD22、D21、D23、D24、D26、D25の順番に並び換えた画素群データB22を駆動ドライバ33に供給する。
【0086】
そして、駆動ドライバ33では、データ並び換え処理部32から供給される画素群データB22の各画素データに応じた駆動電圧信号を生成して、出力端子33a、33b、33c、33d、33e、33fからそれぞれ出力する。具体的に、駆動ドライバ33は、出力端子33aから画素データD22に応じた駆動電圧信号S22を信号配線41に出力し、出力端子33bから画素データD21に応じた駆動電圧信号S21を信号配線42に出力し、出力端子33cから画素データD23に応じた駆動電圧信号S23を信号配線43に出力し、出力端子33dから画素データD24に応じた駆動電圧信号S24を信号配線44に出力し、出力端子33eから画素データD26に応じた駆動電圧信号S26を信号配線45に出力し、出力端子33fから画素データD25に応じた駆動電圧信号S25を信号配線46に出力する。
【0087】
また、配線切換部55では、制御部34から信号配線47を介して伝送されてくる配列制御信号に従い、配線基板4に設けられた信号配線41、42、43、44、45、46を、図10(B)に示すように、それぞれパネル基板5に設けられた接続配線542、541、543、544、546、545に接続する。このように配線切換部55が配線の接続を行うことによって、接続配線541、542、543、544、545、546には、それぞれ駆動電圧信号S21、S22、S23、S24、S25、S26が供給される。
【0088】
このようにして、配線切換部55は、走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が表示パネル51の列方向に連続して並んだデータ線に供給されるように、各信号配線41〜46と、各接続配線541〜546とを切り換えて接続する。
【0089】
表示パネル51では、走査方向に並んだ画素データに応じた駆動電圧信号が、各画素に印加される。このとき、駆動電圧信号S21、S22、S23、S24、S25、S26は、それぞれ配線基板4に設けられた信号配線42、41、43、44、46、45を介して伝送されるため、上述した配線基板4におけるインダクタンス成分のバラツキに応じて、表示パネル51上の各画素に印加されるとき、図10(C)に示すように、駆動電圧信号の基準電圧レベルに偏差が生じる。すなわち、図10(C)に示すように、各画素群の駆動電圧信号には、S21、S23、S24でピークを有する偏差が生じる。このような偏差が各画素群において生じるため、表示デバイス2では、図9に示すように、パネル基板5側に同時に伝送された駆動電圧信号の基準電圧レベルの偏差によって生じる輝度ムラの間隔を、画素群の間隔に対して短くすることにより視覚特性上ムラを見えにくくして、画質劣化の低減を図ることができる。
【0090】
以上のように、第1の制御方法及び第2の制御方法により、表示デバイス2では、ドライバ基板3側で、制御部34が、データ並び換え処理部32により並び換えられる画素データのデータ配列を制御し、パネル基板5側で、配線切換部55が、データ線ドライバ52によって走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号を表示パネル51の列方向に連続して並んだデータ線に供給されるように、制御部34により制御された画素データのデータ配列に応じて、接続配線541〜546に接続する信号配線41〜46を切り換えるので、駆動ドライバ33で同時に生成される駆動電圧信号間での出力偏差、及び配線基板4内の信号配線41〜46のインダクタンス成分のバラツキによって表示される各画素の輝度値のバラツキを、視認しにくくすることによって、画質の劣化を低減することができる。
【0091】
また、表示デバイス2では、制御部34が、次に示すような第3の制御方法によって、パネル基板5側に同時に伝送された駆動電圧信号の基準電圧レベルの偏差によって生じる輝度ムラを、より見えにくくすることができる。
【0092】
具体的に、制御部34は、データ入力部31から供給される制御データのうち、水平同期信号に同期して上述した第1の制御方法及び第2の制御方法を切り換える。すなわち、制御部34は、データ並び換え処理部32により並び換えるデータ配列を、表示パネル51の行方向に連続して並んだ24画素を1組とする画素列毎に変化させる。
【0093】
表示デバイス2では、例えば図11に示すように、表示パネル51上の奇数番目のゲート線V1、V3、V5、V7、V9の画素列に対して第1の制御方法により輝度ムラを生じさせ、偶数番目のゲート線V2、V4、V6、V8、V10の画素列に対して第2の制御方法により輝度ムラを生じさせる。このようにして、表示デバイス2では、隣接した画素列毎に、位相が異なる輝度ムラを生じさせるように表示パネル51を駆動することので、画素群毎に輝度ムラの間隔を短くする上述した第1及び第2の制御方法に比べて、さらに視覚特性上輝度ムラを見えにくくすることができ、画像劣化をより低減することができる。
【0094】
さらに、表示デバイス2では、次に示すような第4の制御方法によって、パネル基板5側に同時に伝送された駆動電圧信号の基準電圧レベルの偏差によって生じる輝度ムラを、時間軸に対して拡散することでさらに見えにくくすることができる。
【0095】
具体的に、制御部34は、データ入力部31から供給される制御データの水平同期信号及び垂直同期信号に同期して、上述した第1の制御方法及び第2の制御方法を切り換える。
【0096】
制御部34は、第1のフレーム画像において、図12(A)に示すように、水平同期信号に同期して、表示パネル51上の奇数番目のゲート線に並んだ画素に対して第1の制御方法により輝度ムラを生じさせ、偶数番目のゲート線に対して第2の制御方法により輝度ムラを生じさせる。次に、制御部34は、垂直同期信号に基づいて第1のフレームの時間的に次に位置する第2のフレーム画像において、図12(B)に示すように、表示パネル51上の奇数番目のゲート線に並んだ画素に対して第2の制御方法により輝度ムラを生じさせ、偶数番目のゲート線に並んだ画素に対して第1の制御方法により輝度ムラを生じさせる。
【0097】
このようにして垂直同期信号に同期して、フレーム単位で表示パネル51上に生じる輝度ムラを変化させることによって、表示デバイス2では、第3の制御方法に比べて輝度ムラをさらに視覚特性上見えにくくすることができ、画質劣化をより低減することができる。
【0098】
ところで、上述した表示デバイス2では、配線切換部55によって、配線基板4に設けられた信号配線41〜46に接続するパネル基板5に設けられた接続配線541〜546を切り換える動作を行っているが、配線切換部55をパネル基板5に設けることなく、たとえば図13に示すように、画素群を構成する画素と接続される各データ線が、互い違いに交差してこの画素群を構成する各画素と接続される配線構造からなる表示パネル60を用いて、制御部34が、このような配線構造に応じてデータ並び換え処理部32により並び換えるデータ配列を制御することにより、輝度ムラを見えにくくすることができる。
【0099】
ここでは、表示パネル60の配線構造の一部の画素群、すなわち、図13に示すような画素群61を構成する画素に印加される駆動電圧信号に注目して説明する。
【0100】
表示パネル60では、図13に示すように、画素群61において、画素611がデータ線を介して接続配線543と接続され、画素612がデータ線を介して接続配線541と接続され、画素613がデータ線を介して接続配線542と接続され、画素614がデータ線を介して接続配線545と接続され、画素615がデータ線を介して接続配線546と接続され、画素616がデータ線を介して接続配線544と接続された配線構造となっている。以下では、このような画素群61の配線構造に応じて、制御部34が画素群毎に生じる輝度ムラの間隔を短くする処理を行う。
【0101】
例えば、データ入力部31は、表示パネル60の画素群61を構成する各画素611、612、613、614、615、616に駆動電圧を印加するための、走査方向に連続して並んだ6つの画素データD31、D32、D33、D34、D35、D36からなる画素群データB31を並び換え処理部32に供給する。
【0102】
データ並び換え処理部32は、データ入力部31から供給されたD31、D32、D33、D34、D35、D36からなる画素群データB31に対して、制御部34からの制御命令に従い、図14(A)に示すように、6つの画素データをD32、D33、D31、D36、D34、D35の順番に並び換えた画素群データB32を駆動ドライバ33に供給する。
【0103】
駆動ドライバ33では、データ並び換え処理部32から供給される画素群データB32の各画素データに応じた駆動電圧信号を生成して、出力端子33a、33b、33c、33d、33e、33fからそれぞれ出力する。具体的に、駆動ドライバ33は、出力端子33aから画素データD32に応じた駆動電圧信号S32を信号配線41に出力し、出力端子33bから画素データD33に応じた駆動電圧信号S33を信号配線42に出力し、出力端子33cから画素データD31に応じた駆動電圧信号S31を信号配線43に出力し、出力端子33dから画素データD36に応じた駆動電圧信号S36を信号配線44に出力し、出力端子33eから画素データD34に応じた駆動電圧信号S34を信号配線45に出力し、出力端子33fから画素データD35に応じた駆動電圧信号S35を信号配線46に出力する。
【0104】
パネル基板5では、接続配線541〜546のそれぞれが、配線基板4に設けられている各信号配線41〜46と固定して電気的に接続されている。よって、接続配線541、542、543、544、545、546には、それぞれ駆動電圧信号S32、S33、S31、S36、S34、S35が供給される。
【0105】
表示パネル60では、画素群61において、画素611がデータ線を介して接続配線543と接続され、画素612がデータ線を介して接続配線541と接続され、画素613がデータ線を介して接続配線542と接続され、画素614がデータ線を介して接続配線545と接続され、画素615がデータ線を介して接続配線546と接続され、画素616がデータ線を介して接続配線544と接続された配線構造となっている。したがって、画素群61において、画素611、612、613、614、615、616には、それぞれ駆動電圧信号S31、S32、S33、S34、S35、S36が印加される。すなわち、表示パネル60には、画素群61を構成する各画素611〜616に対して、走査方向に連続して並んだ画素データに応じた駆動電圧が供給される。
【0106】
このようにして、制御部34は、走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が表示パネル51の列方向に連続して並んだ各画素に印加されるように、表示パネル51の配線構造に応じて、データ並び換え処理部32を制御する。
【0107】
このとき、駆動電圧信号S31、S32、S33、S34、S35、S36は、それぞれ配線基板4に設けられた信号配線43、41、42、45、46、44を介して伝送されるので、上述した配線基板4におけるインダクタンス成分のバラツキに応じて、表示パネル51の画素群61の各画素に駆動電圧信号が印加されるとき、図14(C)に示すように、駆動電圧信号の基準電圧レベルに偏差が生じる。すなわち、図14(C)に示すように、各画素群61の各画素611〜616に供給される駆動電圧信号には、駆動電圧信号S32、S35でピークを有するような偏差が生じる。このような偏差が行方向に並んだ他の画素群においても生じるため、表示デバイス2では、上述した図7に示すように、パネル基板5側に同時に伝送された駆動電圧信号の基準電圧レベルの偏差によって生じる輝度ムラの間隔を画素群の間隔に対して短くすることにより、輝度ムラを見えにくくして、画質劣化の低減を図ることができる。
【0108】
また、図13に示す表示パネル60では、画素群毎に連続して並んだデータ線が行方向に対して互い違いに交差する位置が、ゲート線毎に異なる配線構造を有しており、このような配線構造に応じて制御部34がデータ並び換え処理部32で並び換えられるデータ配列を変化させることにより、例えば、奇数番目のゲート線上に並んだ画素群に生じさせる輝度ムラと、偶数番目のゲート線上に並んだ画素群に生じさせる輝度ムラの位相を略反転させることで、単に画素群毎に生じる輝度ムラの間隔を短くするよりも、効果的に視覚特性上輝度ムラを見えにくくすることで、画質劣化をより低減することができる。
【0109】
なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0110】
上述した実施形態においては、本発明を適用した表示デバイスは、次のような構成を有する液晶表示パネルを設けたものである。すなわち、液晶表示パネルは、少なくとも片側の基板が透明である2枚の電極を配した基板を対向させ、これら対向させた基板間に液晶を挟持し、この挟持した液晶に駆動電圧信号を印加することで、入射光に変調処理を施すものである。
【0111】
しかしながら、本発明を適用した表示デバイスは、液晶表示パネルに限定するものではなく、駆動電圧を生成する駆動ドライバと表示パネルとが配線基板を介して異なる基板上に設けられているデバイスであればよく、例えば、パネル基板上に電界電子放出型表示(Field Emission Display: FED)パネル、有機エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence: EL)表示パネル、及び無機EL表示パネルが設けられたものでもよい。
【0112】
ここで、電界電子放出型表示パネルとは、蛍光体を塗布したアノード基板と、電界電子放出素子を有するカソード基板とを対向させるとともに、この対向させた基板間を真空にして、駆動電圧信号を印加したカソード基板から放出した電子により蛍光体を発光させるものである。
【0113】
また、有機EL表示パネルは、少なくとも片側の基板が透明である2枚の電極を配した基板を対向させるとともに、この対向させた基板間に有機物を挟持して、挟持した有機物に駆動電圧を印加することで発光させるものである。
【0114】
また、無機EL表示パネルは、少なくとも片側の基板が透明である2枚の電極を配した基板を対向させるとともに、この対向させた基板間に無機物を挟持して、挟持した無機物に駆動電圧を印加することで発光させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】投写型表示装置の全体構成を示した模式図である。
【図2】表示デバイスの外部形状の一例を示す斜視図である。
【図3】表示パネルの構成を示す模式図である。
【図4】表示デバイスの内部構成を示す模式図である。
【図5】図5(A)は、配線基板に設けられた各信号配線のインダクタンスを示すグラフであり、図5(B)は、パネル基板に同時に伝送される駆動電圧信号の基準電圧レベルを示すグラフである。
【図6】スクリーン上に表示される映像上に生じる輝度ムラを示す図である。
【図7】第1の制御方法によって、スクリーン上に表示される映像上に生じる輝度ムラを示す図である。
【図8】図8(A)は、第1の制御方法におけるデータ並び換え処理部に係る処理の説明に供する図であり、図8(B)は、第1の制御方法における配線切換部の係る処理の説明に供給する図であり、図8(C)は、パネル基板に同時に伝送される駆動電圧信号の基準電圧レベルを示すグラフである。
【図9】第3の制御方法によって、スクリーン上に表示される映像上に生じる輝度ムラを示す図である。
【図10】図10(A)は、第2の制御方法におけるデータ並び換え処理部に係る処理の説明に供する図であり、図10(B)は、第2の制御方法における配線切換部の係る処理の説明に供給する図であり、図10(C)は、パネル基板に同時に伝送される駆動電圧信号の基準電圧レベルを示すグラフである。
【図11】第3の制御方法によって、スクリーン上に表示される映像上に生じる輝度ムラを示す図である。
【図12】第4の制御方法によって、スクリーン上に表示される映像上に生じる輝度ムラを示す図である。
【図13】画素群を構成する画素と接続される各データ線が、互い違いに交差してこの画素群を構成する各画素と接続される配線構造からなる表示パネルを有する表示デバイスの内部構成を示す模式図である。
【図14】図14(A)は、データ並び換え処理部に係る処理の説明に供する図であり、図14(B)は、配線切換部の係る処理の説明に供給する図であり、図14(C)は、表示パネルの複数のデータ線に同時に供給される各駆動電圧信号の基準電圧レベルを示すグラフである。
【符号の説明】
【0116】
1 投写型表示装置、11 放電ランプ、12 リフレクタ、13 集光レンズ、141、143 ダイクロイックミラー、142 反射ミラー、15R、15G、15B 偏光ビームスプリッター、17 クロスプリズム、18 投写レンズ、19 映像信号処理部、20 スクリーン、2、2R、2G、2B 表示デバイス、3 ドライバ基板、31 データ入力部、32並び換え処理部、33 駆動ドライバ、33a、33b、33c、33d、33e、33f 出力端子、34 制御部、4 配線基板、41、42、43、44、45、46 信号配線、5 パネル基板、51 表示パネル、52 データ線ドライバ、521、522、523、524 データ線切換部、525 データ線切換制御部、53 ゲート線ドライバ、541、542、543、544、545、546 接続配線、55 配線切換部、60 表示パネル、61 画素群、611、612、613、614、615、616 画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列方向に並んだ複数のデータ線と行方向に並んだ複数のゲート線との交差部に接続された複数の画素からなる表示パネルと、上記表示パネル上の列方向に連続して並んだ所定数の画素からなる画素群毎に、該表示パネルの各データ線に接続された画素に印加するための駆動電圧信号を順次供給するパネルドライバとが設けられたパネル基板を備える表示デバイスにおいて、
所定の走査方向に並んだ複数の画素データからなる表示データを入力する入力手段と、上記入力手段により入力される上記画素群を構成する各画素データを該画素群内で並び換えるデータ並び換え手段と、上記データ並び換え手段により並び換えた各画素データに応じた上記駆動電圧信号を上記画素群毎に生成する生成手段と、上記データ並び換え手段により並び換えられる画素データのデータ配列を制御する制御手段とが設けられた駆動ドライバ基板と、
上記駆動ドライバ基板に設けられた上記生成手段により生成される駆動電圧信号を上記画素群毎に上記パネル基板へ伝送する複数の信号配線が並列して設けられた配線基板とを備え、
上記パネル基板には、上記配線基板に設けられた複数の信号配線から伝送されてくる上記駆動電圧信号を上記パネルドライバに供給する複数の接続配線と、上記走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が上記表示パネルの列方向に連続して並んだデータ線に供給されるように、上記制御手段により制御された画素データのデータ配列に応じて、上記接続配線に接続する上記信号配線を切り換える切換手段とが設けられている表示デバイス。
【請求項2】
上記制御手段は、上記データ並び換え手段により画素データが並び換えられるデータ配列を、上記表示パネルの行方向に連続して並んだ画素列単位で変化させることを特徴とする請求項1記載の表示デバイス。
【請求項3】
上記制御手段は、上記データ並び換え手段により画素データが並び換えられるデータ配列を、上記入力手段に入力される表示データを構成するフレーム単位で変化させることを特徴とする請求項1記載の表示デバイス。
【請求項4】
上記表示パネルは、少なくとも片側の基板が透明である2枚の電極を配した基板を対向させ、これら対向させた基板間に液晶を挟持した上記複数の画素からなり、この挟持した液晶に上記駆動電圧信号を印加することを特徴とする請求項1記載の表示デバイス。
【請求項5】
上記表示パネルは、蛍光体を塗布したアノード基板と電界電子放出素子を有するカソード基板とを対向させるとともに、この対向させた基板間を真空にした上記複数の画素からなり、上記駆動電圧信号を印加した上記カソード基板から放出した電子により上記蛍光体を発光させることを特徴とする請求項1記載の表示デバイス。
【請求項6】
上記表示パネルは、少なくとも片側の基板が透明である2枚の電極を配した基板を対向させるとともに、この対向させた基板間に有機物を挟持した上記複数の画素からなり、この挟持した有機物に駆動電圧を印加することで発光させることを特徴とする請求項1記載の表示デバイス。
【請求項7】
上記表示パネルは、少なくとも片側の基板が透明である2枚の電極を配した基板を対向させるとともに、この対向させた基板間に無機物を挟持した上記複数の画素からなり、この挟持した無機物に駆動電圧を印加することで発光させることを特徴とする請求項1記載の表示デバイス。
【請求項8】
列方向に並んだ複数のデータ線と行方向に並んだ複数のゲート線との交差部に接続された複数の画素からなる表示パネルと、上記表示パネルの列方向に連続して並んだ所定数の画素からなる画素群毎に、該表示パネルの各データ線に接続された画素に印加するための駆動電圧信号を順次供給するパネルドライバとが設けられたパネル基板を備える表示デバイスにおいて、
所定の走査方向に並んだ複数の画素データからなる表示データを入力する入力手段と、上記入力手段により入力される上記画素群を構成する各画素データを該画素群内で並び換えるデータ並び換え手段と、上記データ並び換え手段により並び換えた各画素データに応じた上記駆動電圧信号を上記画素群毎に生成する生成手段と、上記データ並び換え手段により並び換えられる画素データのデータ配列を制御する制御手段とが設けられた駆動ドライバ基板とを備え、
上記駆動ドライバ基板に設けられた上記生成手段により生成される駆動電圧信号を上記画素群毎に上記パネル基板へ伝送する複数の信号配線が並列して設けられた配線基板と、
上記表示パネルは、上記画素群を構成する画素と接続される各データ線が、互い違いに交差して該画素群を構成する各画素と接続される配線構造を有し、
上記制御手段は、上記走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が上記表示パネルの列方向に連続して並んだ各画素に印加されるように、上記表示パネルの配線構造に応じて、上記データ並び換え手段を制御する表示デバイス。
【請求項9】
列方向に並んだ複数のデータ線と行方向に並んだ複数のゲート線との交差部に接続された複数の画素からなる表示パネルと、上記表示パネルの列方向に連続して並んだ所定数の画素からなる画素群毎に、該表示パネルの各データ線に接続された画素に印加するための駆動電圧信号を順次供給するパネルドライバとが設けられたパネル基板を有する表示デバイスを備え、光源から放出した光を上記表示デバイスの表示パネルに入射させ、所定の走査方向に並んだ複数の画素データからなる表示データに応じて上記表示デバイスの表示パネルで変調した光を投写させる表示装置において、
上記表示デバイスは、
上記画素群を構成する上記表示データの各画素データを該画素群内で並び換えるデータ並び換え手段と、上記データ並び換え手段により並び換えた各画素データに応じた上記駆動電圧信号を上記画素群毎に生成する生成手段と、上記データ並び換え手段により並び換えられる画素データのデータ配列を制御する制御手段とが設けられた駆動ドライバ基板と、
上記駆動ドライバ基板に設けられた上記生成手段により生成される駆動電圧信号を上記画素群毎に上記パネル基板へ伝送する複数の信号配線が並列して設けられた配線基板とを有し、
上記パネル基板には、上記配線基板に設けられた複数の信号配線から伝送されてくる上記駆動電圧信号を上記パネルドライバに供給する複数の接続配線と、上記走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が上記表示パネル上の列方向に連続して並んだデータ線に供給されるように、上記制御手段により制御された画素データのデータ配列に応じて、上記接続配線に接続する上記信号配線を切り換える切換手段とが設けられている表示装置。
【請求項10】
列方向に並んだ複数のデータ線と行方向に並んだ複数のゲート線との交差部に接続された複数の画素からなる表示パネルと、上記表示パネル上の列方向に連続して並んだ所定数の画素からなる画素群毎に、該表示パネルの各データ線に接続された画素に印加するための駆動電圧信号を順次供給するパネルドライバとが設けられたパネル基板を有する表示デバイスを備え、光源から放出される光を上記表示デバイスの表示パネルに入射させ、所定の走査方向に並んだ複数の画素データからなる表示データに応じて該表示パネルで変調した光を投写させる表示装置において、
上記表示デバイスは、
上記画素群を構成する上記表示データの各画素データを該画素群内で並び換えるデータ並び換え手段と、上記データ並び換え手段により並び換えた画素データに応じた上記駆動電圧信号を上記画素群毎に生成する生成手段と、上記データ並び換え手段により並び換えられる画素データのデータ配列を制御する制御手段とが設けられた駆動ドライバ基板と、
上記駆動ドライバ基板に設けられた上記生成手段により生成される駆動電圧信号を上記画素群毎に上記パネル基板へ伝送する複数の信号配線が並列して設けられた配線基板とを有し、
上記パネル基板には、上記配線基板に設けられた信号配線から伝送されてくる上記画素群毎に駆動電圧信号を上記パネルドライバに供給する複数の接続配線と、上記走査方向に並んだ画素データから生成される駆動電圧信号が上記表示パネルの列方向に連続して並んだ各画素に印加されるように、上記制御手段により制御された画素データのデータ配列に応じて、上記接続配線に接続する上記信号配線を切り換える切換手段とが設けられている表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−299003(P2008−299003A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143964(P2007−143964)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】