説明

表示ルート作成方法、表示ルート作成装置及び表示ルート作成プログラム

【課題】本発明は、従来に比して一段と直感的かつ認識し易い表示ルートを作成できるようにする。
【解決手段】本発明は、地図上に設定される出発地STT及び目的地GOLに基づいて走行ルートを決定し、その走行ルート上に存在する方面看板情報DSを地図データベースから読み出し、方面看板情報DSにおける道路の方面を示す表示画像部分と走行ルートとを合成することによって走行ルートと方面看板情報DSの表示画像部分とを融合させたデフォルメルートDRTを作成することができる。これによりデフォルメルートDRTによって、実際の方面看板の内容と一致した方面看板情報DSの表示画像部分を移動中の目印としてユーザに提示しながら案内することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示ルート作成方法、表示ルート作成装置及び表示ルート作成プログラムに関し、例えばカーナビゲーション装置において出発地から目的地までの見易く分かり易いルート地図を作成する場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地下街に配設されている行先案内看板の案内看板データと地図データとに基づいて地下経路を案内する案内データを作成し、その案内データに基づいて案内看板の文字列を表示画面に表示させるための送信データを作成する歩行者用経路案内データ配信装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この歩行者用経路案内データ配信装置では、現在地の認識が困難な地下街を通過する場合でも、適切に現在地を認識させ、目的地までの経路を容易に把握させることができるようになされている。
【特許文献1】特開2003-344093公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでかかる構成の歩行者用経路案内データ配信装置においては、案内看板の文字列が実際の案内看板の文字列と同様に表示するが、あくまで文字列によって案内するだけであるため、当該文字列をユーザに読み取らせなければならず、目的地までの経路を直感的に認識させる地図としては不十分であった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来に比して一段と直感的かつ認識し易い表示ルートを作成し得る表示ルート作成方法、表示ルート作成装置及び表示ルート作成プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明においては、地図上に設定される出発地及び目的地に基づいてルートを決定し、そのルート上に存在する方面看板情報を地図情報格納手段から読み出し、上記方面看板情報における道路の方面を示す表示画像部分とルートとを合成することによってルートと表示画像部分とを融合させた表示ルートを作成するようにした。
【0007】
これにより、方面看板情報の表示画像部分と、出発地から目的地までのルートとを融合させた表示ルートによって、実際の方面看板の内容と一致した方面看板情報の表示画像部分を移動中の目印としてユーザに提示しながら案内することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、地図上に設定される出発地及び目的地に基づいてルートを決定し、そのルート上に存在する方面看板情報を地図情報格納手段から読み出し、方面看板情報に含まれた道路方面を示す表示画像部分とルートとを合成することによってルートと表示画像部分とを融合させた表示ルートを作成することにより、方面看板情報の表示画像部分と、出発地から目的地までのルートとを融合させた表示ルートによって、実際の方面看板の内容と一致した方面看板情報の表示画像部分を移動中の目印としてユーザに提示しながら案内することができ、かくして従来に比して一段と直感的かつ認識し易い表示ルートを作成し得る表示ルート作成方法、表示ルート作成装置及び表示ルート作成プログラムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0010】
(1)表示ルート作成装置の構成
図1において、1は全体として、本発明を適用した表示ルート作成装置の構成を示し、図2は当該表示ルート作成装置1による表示ルート作成方法による表示ルート作成描画処理手順を示す。
【0011】
この表示ルート作成装置1は、マイクロコンピュータ構成でなり、所定のアプリケーションプログラムに従って、ルート計算部2、ルート読込部3、方面看板情報抽出部4、方面看板表示情報読込部5、複数方面看板合成部6、ルート簡略化部7、ルート方面看板合成部8、デフォルメ部9及び地図描画部10をソフトウェア的に構築し、表示ルート作成描画処理手順を実行し得るようになされている。
【0012】
実際上、図2に示すように表示ルート作成装置1では、ルーチンRT1の開始ステップから表示ルート作成描画処理手順に入って次のステップSP1へ移る。
【0013】
ステップSP1において表示ルート作成装置1は、図3に示すように、例えば液晶ディスプレイ等でなる表示部11(図1)に表示した地図に対し、ユーザの操作により出発地(品川区東五反田)STT及び目的地(品川インターシティ)GOLが設定された場合、出発地STT及び目的地GOLからなるルート設定情報R1をルート計算部2に取り込み、次のステップSP2へ移る。
【0014】
ステップSP2において表示ルート作成装置1は、ルート計算部2により、ルート設定情報R1に基づいて出発地STTから目的地GOLまでの経路を探索することにより、図4に示すような複数のノード点NPを繋ぎ合わせた集合体からなる走行ルートRTを算出し、次のステップSP3へ移る。
【0015】
このとき表示ルート作成装置1は、ルート計算部2で算出した走行ルートRTを、ルート読込部3によって読み込み、その走行ルートRTを方面看板情報抽出部4、複数方面看板合成部6、ルート簡略化部7へ供給するようになされている。
【0016】
ステップSP3において表示ルート作成装置1は、図5に示すように、走行ルートRT上に設定されている複数の方面看板情報DSを、方面看板情報抽出部4により地図データベース(図示せず)から全て抽出し、これらを方面看板表示情報読込部5へ送出した後、次のステップSP4へ移る。
【0017】
ここで方面看板情報DSとは、実際上、幹線道路等のT字路、分岐路等を含む交差点に設置されている方面看板と同じ表示画像や、方面看板の具体的内容を含むデータであり、実際にユーザが走行ルートRTに沿って車両を走行した場合に目視する実在の方面看板と、方面看板情報DSの表示画像とは同一である。
【0018】
因みに、この実施の形態では、方面看板情報DSは交差点に設置されていることを前提としているが、必ずしもそれだけではなく、道なりに続く道路に設置されている場合も対象とすることができる。
【0019】
この場合、表示ルート作成装置1は、走行ルートRT上の交差点に対応したノード点NPAに設定されている方面看板情報DSAを取得し、次の交差点に対応したノード点NPBに設定されている方面看板情報DSB1〜DSB4、その次の交差点に対応したノード点NPCに設定されている方面看板情報DSC1〜DSC4を抽出することになる。
【0020】
ここで、ノード点NPAは分岐路の交差点に位置しており、1種類の方面看板情報DSAしか存在しないのに対し、ノード点NPB及びノード点NPCは一般的な交差点に位置しており、4つの方向から見たときの方面看板情報DSB1〜DSB4、方面看板情報DSC1〜DSC4が存在する。
【0021】
因みに、図5における走行ルートRTでは、説明の便宜上、方面看板情報DSが存在するノード点NPA、NPB及びNPCだけを示し、残りのノード点NPについては省略している。
【0022】
ステップSP4において表示ルート作成装置1は、方面看板表示情報読込部5により、ステップSP3で抽出した方面看板情報DSA、DSB1〜DSB4及びDSC1〜DSC4から、それぞれの表示画像を方面看板表示情報DSAG、DSB1G〜DSB4G及びDSC1G〜DSC4Gとして読み込み、次のステップSP5へ移る。
【0023】
ステップSP5において表示ルート作成装置1は、同一地点に複数の方面看板情報DSがある場合、すなわちノード点NPBに方面看板情報DSB1〜DSB4が存在する場合や、ノード点NPCに方面看板情報DSC1〜DSC4が存在する場合、複数方面看板合成部6によりノード地点NPB、NPC毎にそれぞれの方面看板表示情報DSB1G〜DSB4G及びDSC1G〜DSC4Gをマージし、そのマージ結果をルート簡略化部7へ送出した後、次のステップSP6へ移る。
【0024】
実際上、表示ルート作成装置1は、例えばノード点NPCに4つの方面看板情報DSC1〜DSC4が存在するので、図6に示すように、複数方面看板合成部6により、それぞれの方面看板表示情報DSC1G〜DSC4Gをマージすることにより、そのノード地点NPCの交差点に特有の4方向を示す新たな方面看板表示情報DSC5Gを生成することができる。
【0025】
因みに表示ルート作成装置1は、図示しないが、ノード点NPBにも4つの方面看板情報DSB1〜DSB4が存在するので、それぞれの方面看板表示情報DSB1G〜DSB4Gをマージすることにより、そのノード地点NPBの交差点に特有の4方向を示す新たな方面看板表示情報DSB5G(図示せず)を生成することができる。
【0026】
ステップSP6において表示ルート作成装置1は、ステップSP2で算出した走行ルートRTが多数のノード点NPを繋ぎ合わせた結果であるところ、地図としての見易さの観点からルート簡略化部7により省略可能なノード点NPを間引くことにより、走行ルートRTの表示態様を簡略化した簡略化走行ルートRTNを生成し、これをルート方面看板合成部8へ送出した後、次のステップSP7へ移る。
【0027】
実際上、表示ルート作成装置1は、図7(A)に示すように、ルート簡略化部7により、まず出発地点STTから方面看板情報DSAが存在するノード点NPAまでの区間の線分L1、ノード点NPAから次の方面看板情報DSB1〜DSB4が存在するノード点NPBまでの区間の線分L2、ノード点NPBから次の方面看板情報DSC1〜DSC4が存在するノード点NPCまでの区間の線分L3、及びノード点NPCから目的地GOLまでの区間の線分L4に分ける。
【0028】
次にルート簡略化部7は、図7(B)に示すように、線分L1〜L4毎に、方面看板情報DSが設定されている交差点のノード点NPA〜NPCについては間引くことなく残すようにする。
【0029】
その理由は、方面看板情報DSが設定されている例えばノード点NPCについては、ステップSP5で生成した方面看板表示情報DSC5Gを簡略化走行ルートRTNのノード点NPCに埋め込んで表示したとき、方面看板表示情報DSC5Gと実際の方面看板とをユーザが照らし合わせて走行中の進行方向を目視確認するためのポイントだからである。
【0030】
同時にルート簡略化部7は、ノード点NP間を結ぶ線分によって形成される角度AG1〜AG10のように、その角度が例えば160度以下のときは走行経路の曲がり具合が大きいと判断し、その角度AG1〜AG10を形成している3つのノード点NPを全て残す一方、角度AG1〜AG10を形成していない他のノード点NP(図示せず)を全て間引くことにより簡略化走行ルートRTNを生成するようになされている。
【0031】
これにより表示ルート作成装置1は、走行ルートRTを簡略化した場合でも、実際の道路の曲がり具合と、簡略化走行ルートRTNの曲がり具合との視覚的なイメージを一致させ得るようになされている。
【0032】
ステップSP7において表示ルート作成装置1は、ノード点NPAに対応した方面看板表示情報DSAG、ノード点NPBに対応したマージ後の方面看板表示情報DSB5G(図示せず)、及びノード点NBCに対応した方面看板表示情報DSC5Gを、ルート方面看板合成部8により、簡略化走行ルートRTNの所定位置に埋め込むことにより合成ルートMRTを生成し、これをデフォルメ部9へ送出した後、次のステップSP8へ移る。
【0033】
この場合、表示ルート作成装置1のルート方面看板合成部8は、図8に示すように、簡略化走行ルートRTNにおけるノード点NPAに対しては、当該ノード点NPAに対応した方面看板表示情報DSAGの矢印表示で示されるベクトル表示部分を簡略化走行ルートRTNにおける経路に沿わせ、かつ方向を一致させた状態で重ね合わせるように埋め込む。
【0034】
また表示ルート作成装置1のルート方面看板合成部8は、簡略化走行ルートRTNにおけるノード点NPBに対しては、当該ノード点NPBに対応した方面看板表示情報DSB5G(図示せず)の矢印表示で示されるベクトル表示部分を簡略化走行ルートRTNにおける経路に沿わせ、かつ方向を一致させた状態で重ね合わせるように埋め込む。
【0035】
さらに表示ルート作成装置1のルート方面看板合成部8は、図8に示すように、簡略化走行ルートRTNにおけるノード点NPCに対しては、当該ノード点NPCに対応した方面看板表示情報DSC5Gの矢印表示で示されるベクトル表示部分を簡略化ルートRTNにおける経路に沿わせ、かつ方向を一致させた状態で重ね合わせるように埋め込む。
【0036】
このようにして表示ルート作成装置1は、ルート方面看板合成部8により、簡略化走行ルートRTNのノード点NPA、NPB及びNPCに対して、方面看板表示情報DSAG、方面看板表示情報DSB5G及び方面看板表示情報DSC5Gの矢印表示で示されるベクトル表示部分を簡略化ルートRTNにおける経路に沿わせ、かつ方向を一致させた状態で重ね合わせるように埋め込むことにより、合成ルートMRTを生成するようになされている。
【0037】
ステップSP8において表示ルート作成装置1は、図9に示すように、合成ルートMRTを構成している線分XXm、YYm、ZZm、AAm……、が一定以上の長さを有しているか否かをデフォルメ部9によって判定する。
【0038】
この合成ルートMRTでは、ノード点NPX1及びNPX2間を線分XXmとし、ノード点NPY1(NPX2)及びNPZ2間を線分YYmとし、ノード点NPZ1(NPY2)及びNPZ2間を線分ZZmとし、ノード点NPA(NPZ2)及びNPA2間を線分AAmとして、以下説明する。
【0039】
因みに、合成ルートMRTは線分XXm、YYm、ZZm及びAAmだけではないが、ここでは便宜上、他の線分については説明の対象から除外する。
【0040】
このステップSP8で否定結果が得られると、このことは合成ルートMRTを構成している線分XXm、YYm、ZZm、AAm……、の何れもが短縮化によるデフォルメの対象条件となる一定以上の長さを有していないことを表しており、このとき表示ルート作成装置1は合成ルートMRTを構成している全ての線分に対して短縮化によるデフォルメを行うことなく、次のステップSP12へ移る。
【0041】
これに対してステップSP8で肯定結果が得られると、このことは合成ルートMRTを構成している線分XXm、YYm、ZZm、AAm……、の何れか若しくは全部が、短縮化によるデフォルメの対象となる一定以上の長さを有していることを表しており、このとき表示ルート作成装置1は次のステップSP9へ移る。
【0042】
ここで表示ルート作成装置1のデフォルメ部9は、合成ルートMRTを構成している線分XXm、YYm、ZZm、AAm、……、に対してそれぞれ短縮化によるデフォルメの対象であるか否かを判別するようになされている。
【0043】
具体的には表示ルート作成装置1のデフォルメ部9は、例えば線分XXmであれば、その線分XXmの長さが、当該線分XXm以外の他の全ての線分に対する長さ平均の例えば2倍以上であるか否かを判別し、2倍以上のときに肯定結果を得るようになされている。
【0044】
同様に表示ルート作成装置1のデフォルメ部9は、例えば線分YYmであれば、その線分YYmの長さが、当該線分YYm以外の他の全ての線分に対する長さ平均の2倍以上であるか否かを判別し、2倍以上のときに肯定結果を得るようになされている。
【0045】
さらに表示ルート作成装置1のデフォルメ部9は、例えば線分ZZmについても、その線分ZZmの長さが、当該線分ZZm以外の他の全ての線分に対する長さ平均の2倍以上であるか否かを判別し、2倍以上のときに肯定結果を得るようになされている。
【0046】
さらに表示ルート作成装置1のデフォルメ部9は、例えば線分AAmについても、その線分AAmの長さが、当該線分AAm以外の他の全ての線分に対する長さ平均の2倍以上であるか否かを判別し、2倍以上のときに肯定結果を得るようになされている。
【0047】
この場合、表示ルート作成装置1では、線分ZZmについては短縮によるデフォルメの対象条件を満たしていないため除外し、線分XXm、YYm及びAAm(破線で示す)についてのみ短縮化によるデフォルメの対象とする。
【0048】
ステップSP9において表示ルート作成装置1は、デフォルメ部9により、短縮化によるデフォルメの対象とした合成ルートMRTの線分XXm、YYm及びAAmに対する方面看板情報DSの集中度を計算し、次のステップSP10へ移る。
【0049】
この場合、表示ルート作成装置1のデフォルメ部9は、短縮化対象である線分XXm、YYm、AAmの両側端点にあるノード点NP毎に、合成ルートMRTを構成する全ての線分の平均長さを半径とした円CIRの内側に存在する方面看板情報DSの個数DSnを計数し、その個数DSnの平均値(以下、これを方面看板情報個数平均値と呼ぶ。)DSnAを算出する。
【0050】
例えば、デフォルメ部9では、線分XXmの場合、左側端点であるノード点NPX1を中心とした円CIR1の内側に方面看板情報DSが0個であり、また右側端点であるノード点NPX2を中心とした円CIR2の内側にも方面看板情報DSが0個であるため、線分XXmの方面看板情報個数平均値DSnAとして「0」を算出する。
【0051】
また、デフォルメ部9では線分YYmの場合、左側端点であるノード点NPY1(NPX2)を中心とした円CIR2の内側に方面看板情報DSが0個であり、また右側端点であるノード点NPY2を中心とした円CIR3の内側に方面看板情報DSが1個存在するため(図5)、線分YYmの方面看板情報個数平均値DSnAとして「0.5」を算出する。
【0052】
さらに、デフォルメ部9では線分AAmの場合、左側端点であるノード点NPA1(NPA)を中心とした円CIR4の内側に方面看板情報DSAが1個存在し(図5)、また右側端点であるノード点NPA2を中心とした円CIR5の内側にも方面看板情報DSB1〜DSB4が4個存在するため(図5)、線分AAmの方面看板情報個数平均値DSnAとして「2.5」を算出する。
【0053】
すなわち表示ルート作成装置1のデフォルメ部9では、短縮化対象である線分XXm、YYm、AAm毎に方面看板情報個数平均値DSnAを、線分XXm、YYm、AAmに対する方面看板情報DSの集中度としてそれぞれ算出するようになされている。
【0054】
この場合、表示ルート作成装置1のデフォルメ部9は、方面看板情報個数平均値DSnAが所定の閾値「1」未満となる線分XXm及びYYmについては、方面看板情報DSの集中度「低」であると判定し、短縮化によるデフォルメの対象とする。
【0055】
一方、表示ルート作成装置1のデフォルメ部9は、方面看板情報個数平均値DSnAが「1」以上の線分AAmについては、方面看板情報DSの集中度「高」であると判定し、短縮化によるデフォルメの対象から除外する。
【0056】
ところで表示ルート作成装置1のデフォルメ部9は、上述した方法で線分XXm、YYm、AAm毎に対する方面看板情報DSの集中度を算出すると同時に、図10(A)に示すように、合成ルートMRTが含まれている地図上の範囲を1地域当たり約2.6Km×約2.0Kmからなる領域AR1〜AR4に区切り、その領域AR1〜AR4毎に存在する方面看板情報DSの全個数DSnTに応じて当該方面看板情報DSの集中度を判別するようになされている。
【0057】
実際上、デフォルメ部9は、領域AR1〜AR4の内側にそれぞれ存在する方面看板情報DSの全個数DSnT1〜DSnT4を計数する。ここでデフォルメ部9は、領域AR1〜AR4の内側に存在するのであれば、合成ルートMRTの線分とは無関係に存在する方面看板情報DSについても計数対象としてカウントするようになされている。
【0058】
そしてデフォルメ部9は、領域AR1〜AR4毎における方面看板情報DSの全個数DSnT1〜DSnT4について、例えば、図10(B)に示すように、全個数DSnT1〜DSnT4が30個以上であれば集中度「高」であり、全個数DSnT1〜DSnT4が15個以上であれば集中度「中」であり、全個数DSnT1〜DSnT4が14個以下であれば集中度「低」であると判定するようになされている。
【0059】
ステップSP10において表示ルート作成装置1では、デフォルメ部9により、線分XXm、YYm、AAmに対する方面看板情報個数平均値DSnAが所定の閾値「1」よりも小さいものを、方面看板情報DSの集中度「低」の線分XXm、YYmであると判定し、その線分XXm、YYmを実際の縮尺に応じた長さよりも短縮化してデフォルメすることにより、表示部11に表示すべき最終的なデフォルメルートDRTを生成し、これを地図描画部10へ送出した後、次のステップSP11へ移る。
【0060】
一方、表示ルート作成装置1は、方面看板情報DSの全個数DSnT1〜DSnT4が14個以下の領域AR1、AR3に含まれる線分XXm、YYm、AAmが存在するときには、その線分XXm、YYm、AAmを集中度「低」であると判定し、その線分XXm、YYm、AAmを短縮化してデフォルメするようになされている。
【0061】
すなわち表示ルート作成装置1では、ステップSP8において、合成ルートMRTを構成している線分XXm、YYm、ZZm、AAm……、の中から、一定以上の長さを有している短縮化対象となる線分XXm、YYm、AAmを選定した後、ステップSP9において、線分XXm、YYm、AAm毎もしくは領域AR1〜AR4毎に、方面看板情報DSの集中度「低」の線分XXm、YYm、AAmを短縮化対象として更に絞り込むようになされている。
【0062】
ここで表示ルート作成装置1は、デフォルメ部9により、例えば短縮化対象の線分YYmを実際の縮尺に応じた長さよりも短縮化する際、図11に示すように、合成ルートMRTにおける短縮化対象の線分YYmと隣接した線分XXm及びZZmとの長さ関係を崩すことなく短縮化するようになされている。
【0063】
実際上、表示ルート作成装置1のデフォルメ部9は、短縮化対象の線分YYmが線分XXm及び線分ZZmよりも長いという長さ関係を崩さない範囲で短縮化可能な最大長さを算出し、その最大長さになるよう線分YYmを短縮化するようになされている。
【0064】
具体的には、合成ルートMRTにおける短縮化対象の線分YYmが、その隣接した線分XXmの約2倍の長さを持ち、かつ隣接した線分ZZmの約3倍の長さを持つため、線分YYmを少なくとも線分XXmよりも長くなるような倍率(例えば「0.7」)で短縮化したのであれば、短縮化後のデフォルメルートDRTにおける短縮後線分YYmSが隣接した線分XXm及び線分ZZmよりも長いという長さ関係を維持し得るようになされている。
【0065】
因みに、図11では、合成ルートMRT及びデフォルメルートDRTの何れについても、説明の便宜のため、方面看板表示情報DSAG、DSB5G及びDSC5Gの矢印表示で示されるベクトル表示部分については省略されている。
【0066】
そして、このとき表示ルート作成装置1のデフォルメ部9は、図12に示すように、短縮後線分YYmSが短くなったことに合わせて、隣接した線分XXmを移動(破線から実線のように)して短縮後線分YYmSと接続することにより、表示部11に表示すべきデフォルメルートDRTを生成し得るようになされている。
【0067】
ステップSP11において表示ルート作成装置1は、図13(A)に示すように、合成ルートMRTを構成する例えば線分AAmが同一の道路番号もしくは同一の道路名称である場合には、デフォルメ部9により同じ道路が続く道なりの線分(以下、これを道なり線分と呼ぶ)であるため短縮化によるデフォルメの対象であると判定し、上述したように、線分AAmと隣接した線分ZZm等との長さ関係を崩すことなく当該線分AAmを短縮化することによりデフォルメルートDRTを生成し、これを地図描画部10へ送出した後、次のステップSP12へ移る。
【0068】
しかしながら表示ルート作成装置1は、図13(B)に示すように、合成ルートMRTを構成する例えば線分AAmが異なる通り名で示される場合には、デフォルメ部9により道なり線分であると判定することが出来ず、このときは短縮化によるデフォルメの対象とすることなく、次のステップSP12へ移る。
【0069】
ステップSP12において表示ルート作成装置1は、地図描画部10により、合成ルートMRT又はデフォルメルートDRTに対し、方面看板情報DSの表示画像部分おける道路表示の矢印の先に、当該表示画像部分に含まれる地図上の方面を示すテキスト(例えば「銀座」、「日本橋」や、「大崎」、「五反田」等)を付加すると共に、線分上に道路を特定するための名称を示したテキスト(例えば「第一京浜」や「山手通り」等)を付加することにより、図14に示すような合成ルートMRT又はデフォルメルートDRTを含んだルート地図画面RG1を生成し、これを表示部11に描画した後、次のステップSP13へ移って処理を全て終了する。
【0070】
このルート地図画面RG1では、出発地STTから目的地GOLまでの簡略化走行ルートRTNに、方面看板情報DSの表示画像部分が融合された合成ルートMRT又はデフォルメルートDRTが表示されると同時に、そのルート上に道路番号マークM1〜M3や道路名称マークN1及びN2が付され、かつ交差点毎に「銀座」、「日本橋」方面であるとか、「大崎」、「品川」方面であることを示す方面テキストが付されている。
【0071】
またルート地図画面RG1では、周囲の地図画像を表示することなく、合成ルートMRT又はデフォルメルートDRTだけが表示され、表示ルート作成装置1としては、道路番号マークM1〜M3、道路名称マークN1及びN2と、方面テキストとだけをユーザに対して目視確認させることにより、目的地GOLまでの経路を直感的に理解させ得るようになされている。
【0072】
(2)動作及び効果
以上の構成において、表示ルート作成装置1は、出発地STTから目的地GOLまでの走行ルートRTを簡略化した簡略化走行ルートRTNの交差点部分に対し、その交差点部分に存在する方面看板情報DSの表示画像部分を埋め込んで融合することにより、今までに無い全く新しい表示形態の合成ルートMRTを生成することができる。
【0073】
続いて表示ルート作成装置1は、合成ルートMRTを構成している線分XXm、YYm、ZZm、AAm、……、のうち、一定以上の長さを有している線分XXm、YYm、AAmを短縮化対象として選定した後、線分XXm、YYm、AAm毎もしくは領域AR1〜AR4毎に、方面看板情報DSの集中度「低」の例えば線分YYmを最終的な短縮化対象として更に絞り込む。
【0074】
すなわち表示ルート作成装置1は、方面看板情報DSの集中度「低」の線分YYmについては、その両側端点近傍に方面看板情報DSが集中して存在している度合いが低いため、ユーザの走行中に実在の方面看板が設置された交差点に遭遇する機会が少なく、線分YYmを短縮化しても実際の走行中に違和感を覚えさせることがないと考えられる。
【0075】
従って表示ルート作成装置1は、短縮化対象となった例えば線分YYmを隣接の線分XXm及びZZmとの長さ関係を崩すことのない範囲の最大長さになるよう短縮化することにより、元の合成ルートMRTの視覚的バランスを短縮化後についても壊すことなく、コンパクトにまとめたデフォルメルートDRTを生成することができる。
【0076】
実際上ドライバーは、走行中、又はデフォルメルートDRTを目視しているときには、隣接道路との長さ関係を無意識に確認しているため、表示ルート作成装置1では線分YYmを短縮化する際、隣接の線分XXm及びZZmとの長さ関係を崩していないので、当該ドライバーに対して違和感を生じさせずに済む。
【0077】
これに対して、従来のナビゲーション装置では、出発地から目的地までの走行ルートが示されている程度で、その走行ルート全体が地図の中に埋没し、走行ルート自体もユーザにとって見易いようなデフォルメが何ら施されていない状態であるため直感的に理解し難いものとなっている。
【0078】
つまり従来のナビゲーション装置は、主要な交差点等の必要十分な情報だけが必ずしも提示されている訳ではなく、ユーザにとって不要な情報も多く、リアルな走行ルートであればあるほど、ある意味でユーザにとっては理解し難いものとなっているのが実情である。
【0079】
しかしながら表示ルート作成装置1は、このようなデフォルメルートDRTを含んだルート地図画面RG1を表示部11に表示することにより、道路番号マークM1〜M3、道路名称マークN1及びN2、交差点毎の方面を示す文字とだけをユーザに対して目視確認させ、出発地STTから目的地GOLまでの経路を従来に比して一段と少ない情報により直感的に理解させることができる。
【0080】
従って表示ルート作成装置1は、シンプルかつ必要最小限の情報で構成されたルート地図画面RG1におけるデフォルメルートDRTの表示内容と、実際の道路上にある方面看板とを走行中のユーザに見比べさせながら、出発地STTから目的地GOLまで容易に導くことができる。
【0081】
特に表示ルート作成装置1では、シンプルなルート地図画面RG1だけで容易に出発地STTから目的地GOLまで導くことが出来ることは、地図の見ることに慣れていない女性や、細かな地図を見ることが視力的に困難な高齢者に対して特に有益である。
【0082】
以上の構成によれば、表示ルート作成装置1は、ユーザが実際の走行中に得られる実在の方面看板の表示内容を用いて生成したシンプルな表示形態でなるデフォルメルートDRTをルート地図画面RG1により表示部11に表示することにより、ユーザに対して出発地STTから目的地GOLまでの進行方向を交差点毎に直感的に理解させ、容易に目的地GOLまで導くことができる。
【0083】
(3)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、出発地STTとして「品川区東五反田」及び目的地として「品川インターシティ」が設定されたことに応じて生成したデフォルメルートDRTをルート地図画面RG1により表示部11に表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図15に示すように、出発地STTとして「新宿パークタワー」及び目的地GOLとして「品川区東五反田」が設定されたことに応じて生成したデフォルメルートをルート地図画面により表示部11に表示するようにしても良い。
【0084】
この場合、表示ルート作成装置1では、図16に示すように、出発地STT及び目的地GOLに基づいて探索した走行ルートRT上に存在している複数の方面看板情報DSを抽出し、1つのノード点NPに対して複数の方面看板情報DSが存在する場合、それぞれの方面看板表示情報をマージすることによって方面看板表示情報を生成する。
【0085】
そして表示ルート作成装置1は、各ノード点NPにおいて、方面看板表示情報の矢印表示で示されるベクトル表示部分を走行ルートRTにおける経路に沿わせ、かつ方向を一致させた状態で重ね合わせるように埋め込み、上述したように短縮化対象の線分を短縮化することによってデフォルメルートDRT2を生成し、図17に示すように、当該デフォルメルートDRT2を含むルート地図画面RG2を表示部11に表示するようになされている。
【0086】
従って表示ルート作成装置1は、ルート地図画面RG2のデフォルメルートDRT2を介して、道路番号マークM4〜M6、道路名称マークN3及びN4、交差点毎の方面テキストだけをユーザに目視確認させ、出発地STTから目的地GOLまでの経路を従来に比して一段と少ない情報により直感的に理解させることができる。
【0087】
また上述の実施の形態においては、出発地STTとして「品川区東五反田」及び目的地として「品川インターシティ」が設定されたことに応じて生成したデフォルメルートDRTをルート地図画面RG1により表示部11に表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図18に示すように、出発地STTとして「日光市明智平」及び目的地GOLとして「日光市上鉢石町」が設定され、かつ中継地TT1及びTT2が設定されたことに応じて生成したデフォルメルートをルート地図画面により表示部11に表示するようにしても良い。
【0088】
この場合、表示ルート作成装置1では、図19に示すように、出発地STT及び目的地GOLに基づいて探索した走行ルートRT上に存在している複数の方面看板情報DSを抽出し、1つのノード点NPに対して複数の方面看板情報DSが存在する場合、それぞれの方面看板表示情報をマージすることによって方面看板表示情報を生成する。
【0089】
そして表示ルート作成装置1は、各ノード点NPにおいて、方面看板表示情報の矢印表示で示されるベクトル表示部分を走行ルートRTにおける経路に沿わせ、かつ方向を一致させた状態で重ね合わせるように埋め込み、上述のように短縮化対象の線分を短縮化することによってデフォルメルートDRT3を生成し、図20に示すように、当該デフォルメルートDRT3を含むルート地図画面RG3を表示部11に表示するようになされている。
【0090】
従って表示ルート作成装置1は、ルート地図画面RG3のデフォルメルートDRT3を介して、道路番号マークM7及びM8、交差点毎の方面テキスト、建物名称、場所名称等の文字表示をユーザに対して目視確認させ、出発地STTから中継地TT1及びTT2を介した目的地GOLまでの経路を従来に比して一段と少ない情報により直感的に理解させることができる。
【0091】
さらに上述の実施の形態においては、出発地STTとして「品川区東五反田」及び目的地として「品川インターシティ」が設定されたことに応じて生成したデフォルメルートDRTをルート地図画面RG1により表示部11に表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図21に示すように、出発地STTとして「五反田」及び目的地GOLとして「木更津市北浜町」が設定されたことに応じて生成したデフォルメルートをルート地図画面により表示部11に表示するようにしても良い。
【0092】
この場合、表示ルート作成装置1では、図22に示すように、出発地STT及び目的地GOLに基づいて探索した走行ルートRT上に存在している複数の方面看板情報DSを抽出し、1つのノード点NPに対して複数の方面看板情報DSが存在する場合、それぞれの方面看板表示情報をマージすることによって方面看板表示情報を生成する。
【0093】
そして表示ルート作成装置1は、各ノード点NPにおいて、方面看板表示情報の矢印表示で示されるベクトル表示部分を走行ルートRTにおける経路に沿わせ、かつ方向を一致させた状態で重ね合わせるように埋め込み、上述のように短縮化対象の線分を短縮化することによってデフォルメルートDRT4を生成し、図23に示すように、当該デフォルメルートDRT4を含むルート地図画面RG4を表示部11に表示するようになされている。
【0094】
従って表示ルート作成装置1は、ルート地図画面RG4のデフォルメルートDRT4を介して、道路番号マークM1〜M3、M6及びM9、道路名称マークN5〜N8、交差点毎の方面テキスト、他とは異なる色(斜線表示)でなる高速道路の表示マークHM1〜HM6、及び他の線分とは異なる色(斜線表示)でなる高速道路の線分LH等をユーザに目視確認させることが出来るので、一般道及び高速道路を色により直感的に区別させながら従来に比して一段と少ない情報だけで出発地STTから目的地GOLまでの高速道路を介した走行経路を直感的に理解させることができる。
【0095】
さらに上述の実施の形態においては、表示ルート作成描画処理手順RT1のステップSP8で合成ルートMRTの線分XXm、YYm、ZZm、AAm、……、の何れか若しくは全部が一定以上の長さを有している線分XXm、YYm、AAmを短縮化対象として、次のステップSP9において方面看板情報DSの集中度を計算するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ステップSP8による判定を行うことなく、ステップSP9において方面看板情報DSの集中度だけを計算し、短縮化の対象となる線分を選定するようにしても良い。
【0096】
さらに上述の実施の形態においては、表示ルート作成描画処理手順RT1のステップSP9で線分XXm、YYm、AAmに対する方面看板情報DSの集中度を計算し、ステップSP10で集中度「低」の例えば線分YYmを短縮化した後、ステップSP11で道なり線分AAmについても短縮化するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、集中度「低」の線分YYmを短縮化するか、道なり線分AAmを短縮化するかの何れか一方だけを行うようにしても良い。
【0097】
さらに上述の実施の形態においては、表示ルート作成描画処理手順RT1のステップSP9で線分XXm、YYm、AAmの両側端点にあるノード点NP毎に、合成ルートMRTを構成する全ての線分の平均長さを半径とした円CIRの内側に存在する方面看板情報DSの個数DSnを計数し、その個数DSnの方面看板情報個数平均値DSnAを算出し、その方面看板情報個数平均値DSnAが所定の閾値「1」未満となる線分を方面看板情報DSの集中度「低」であると判定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、円CIRの内側に存在する方面看板情報DSの個数DSnを算出し、その個数DSn自体が所定の閾値未満となる線分を方面看板情報DSの集中度「低」であると判定するようにしても良い。
【0098】
さらに上述の実施の形態においては、表示ルート作成装置1が予めインストールされた所定のアプリケーションプログラムに従って、ルート計算部2、ルート読込部3、方面看板情報抽出部4、方面看板表示情報読込部5、複数方面看板合成部6、ルート簡略化部7、ルート方面看板合成部8、デフォルメ部9及び地図描画部10をソフトウェア的に構築し、ルーチンRT1の表示ルート作成描画処理手順(図2)を実行するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、記録媒体からインストールしたアプリケーションプログラムや、インターネットからダウンロードしたアプリケーションプログラム、その他種々のルートによってインストールしたアプリケーションプログラムに従って上述したルート計算部2、ルート読込部3、方面看板情報抽出部4、方面看板表示情報読込部5、複数方面看板合成部6、ルート簡略化部7、ルート方面看板合成部8、デフォルメ部9及び地図描画部10をソフトウェア的に構築し、ルーチンRT1の表示ルート作成描画処理手順(図2)を実行するようにしても良い。
【0099】
さらに上述の実施の形態においては、所定のアプリケーションプログラムに従って、ルート計算部2、ルート読込部3、方面看板情報抽出部4、方面看板表示情報読込部5、複数方面看板合成部6、ルート簡略化部7、ルート方面看板合成部8、デフォルメ部9及び地図描画部10をソフトウェア的に構築するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ルート計算部2、ルート読込部3、方面看板情報抽出部4、方面看板表示情報読込部5、複数方面看板合成部6、ルート簡略化部7、ルート方面看板合成部8、デフォルメ部9及び地図描画部10をハードウェア的に構成するようにしても良い。
【0100】
さらに上述の実施の形態においては、ルート決定手段としてのルート計算部2、方面看板画像読出手段としての方面看板情報抽出部4、合成手段としてのルート方面看板合成部8によって本発明の表示ルート作成装置を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなるルート決定手段、方面看板画像読出手段及び合成手段によって本発明の表示ルート作成装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の表示ルート作成方法、表示ルート作成装置及び表示ルート作成プログラムは、例えばカーナビゲーション装置以外にも、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal
Digital Assistant)、携帯電話機及びゲーム機等のその他種々の電子機器において出発地から目的地までの見易く分かり易い表示ルートを作成する場合に適用して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明における表示ルート作成装置の回路構成を示す略線的ブロック図である。
【図2】表示ルート作成描画処理手順を示すフローチャートである。
【図3】ルート情報(出発地、目的地)の入力例を示す略線図である。
【図4】走行ルート算出結果を示す略線図である。
【図5】走行ルート上の方面看板情報を抽出するときの説明に供する略線図である。
【図6】方面看板表示情報のマージの説明に供する略線図である。
【図7】走行ルートの簡略化の説明に供する略線図である。
【図8】方面看板表示情報の簡略化走行ルートへの埋め込みの説明に供する略線図である。
【図9】方面看板情報の集中度を計算(1)するときの説明に供する略線図である。
【図10】方面看板情報の集中度を計算(2)するときの説明に供する略線図である。
【図11】線分の短縮化例を示す略線図である。
【図12】線分の移動の説明に供する略線図である。
【図13】道なり線分の短縮化の説明に供する略線図である。
【図14】表示ルートの描画結果を示す略線図である。
【図15】他の実施の形態におけるルート情報(出発地、目的地)の入力例(1)を示す略線図である。
【図16】他の実施の形態における走行ルート上の方面看板情報抽出例(1)を示す略線図である。
【図17】他の実施の形態における表示ルートの描画結果(1)を示す略線図である。
【図18】他の実施の形態におけるルート情報(出発地、目的地)の入力例(2)を示す略線図である。
【図19】他の実施の形態における走行ルート上の方面看板情報抽出例(2)を示す略線図である。
【図20】他の実施の形態における表示ルートの描画結果(2)を示す略線図である。
【図21】他の実施の形態におけるルート情報(出発地、目的地)の入力例(3)を示す略線図である。
【図22】他の実施の形態における走行ルート上の方面看板情報抽出例(3)を示す略線図である。
【図23】他の実施の形態における表示ルートの描画結果(3)を示す略線図である。
【符号の説明】
【0103】
1……表示ルート作成装置、2……ルート計算部、3……ルート読込部、4……方面看板情報抽出部、5……方面看板表示情報読込部、6……複数方面看板合成部、7……ルート簡略化部、8……ルート方面看板合成部、9……デフォルメ部、10……地図描画部、11……表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上に設定される出発地及び目的地に基づいてルート決定手段によりルートを決定するルート決定ステップと、
上記ルート上に存在する方面看板情報を読出手段により地図情報格納手段から読み出す方面看板情報抽出ステップと、
上記方面看板情報に含まれた道路方面を示す表示画像部分と上記ルートとを合成手段により合成することによって上記ルートと上記表示画像部分とを融合させた表示ルートを作成するルート作成ステップと
を具えることを特徴とする表示ルート作成方法。
【請求項2】
上記ルート作成ステップでは、上記表示ルートを構成している線分の一部を実際の縮尺に応じた長さよりも短縮化してデフォルメする
ことを特徴とする請求項1に記載の表示ルート作成方法。
【請求項3】
上記ルート作成ステップでは、上記線分を形成しているノード点を結ぶ当該線分上に上記方面看板情報が存在する場合の上記ノード点、又は上記線分がなす角度変化が基準角度よりも大きい場合の上記ノード点については残しながら、上記線分の一部を実際の縮尺に応じた長さよりも短縮化してデフォルメする
ことを特徴とする請求項2に記載の表示ルート作成方法。
【請求項4】
上記ルート作成ステップでは、上記表示画像部分における上記道路表示の矢印の先に上記地図上の方面を示すテキストを付加することにより上記表示ルートを作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示ルート作成方法。
【請求項5】
上記ルート作成ステップでは、上記ルート上における1つの交差点に対応付けられている複数の方面看板情報をマージすることにより当該交差点における方面看板表示情報を生成し、その表示画像部分と上記ルートとを合成する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示ルート作成方法。
【請求項6】
上記ルート作成ステップでは、上記表示ルートを構成している線分上に道路を特定するための名称を示したテキストを付加することにより上記表示ルートを作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示ルート作成方法。
【請求項7】
地図上に設定される出発地及び目的地に基づいてルートを決定するルート決定手段と、
上記ルート上に存在する方面看板情報を地図情報格納手段から読み出す方面看板情報抽出手段と、
上記方面看板情報に含まれた道路方面を示す表示画像部分と上記ルートとを合成することによって上記ルートと上記表示画像部分とを融合させた表示ルートを作成する合成手段と
を具えることを特徴とする表示ルート作成装置。
【請求項8】
コンピュータに対して、
地図上に設定される出発地及び目的地に基づいてルートを決定するルート決定ステップと、
上記ルート上に存在する方面看板情報を地図情報格納手段から読み出す方面看板情報抽出ステップと、
上記方面看板情報に含まれた道路方面を示す表示画像部分と上記ルートとを合成することによって上記ルートと上記表示画像部分とを融合させた表示ルートを作成するルート作成ステップと
を実行させることを特徴とする表示ルート作成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図23】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図16】
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【図19】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−103533(P2009−103533A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274313(P2007−274313)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】