説明

表示装置、および、プログラム

【課題】下位画像から上位画像への切り替えがわかりやすい表示装置、および、プログラムを提供する。
【解決手段】画像を表示し(S101)、任意の画像を表示している際に、画面に表示されている画像を切り替える切替ボタンが選択された場合(S102:YES)、表示されている画像から切り替わる画像が、上位画像か下位画像かを判断する(S103)。上位画像への切り替えの場合(S103:YES)、上位画像から現在表示されている画像へ至るまでに選択された切替ボタンの位置に基づいて収束基準位置を決定し(S106)、収束基準位置に現在表示されている画像が収束するようにディスプレイに表示される画像を切り替える(S107)。これにより、下位画像から上位画像への切り替えが、ユーザにとってわかりやすくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばナビゲーション装置のように、操作ボタンを選択することで、画面の切り替え行うことが公知である。例えば特許文献1では、階層ごとに複数の操作ボタンが表示され、操作ボタンが選択されると、選択された操作ボタンに応じて操作画面の階層を順次遷移する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−38620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1では、画面の切り替えにおいては階層関係について何ら考慮されておらず、画面の切り替えが静的な画面の連続であるため、ユーザにとって操作に対するナビゲーション装置の反応がわかりにくいという問題点があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、下位画像から上位画像への切り替えがわかりやすい表示装置、および、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の表示装置は、画像を表示する表示手段と、任意の画像を表示している際に、画面に表示されている画像を切り替える切替ボタンがユーザにより選択された場合、表示されている画像から切り替わる画像が、表示されている画像よりも上位階層の画像である上位画像か下位階層の画像である下位画像かを判断する判断手段と、上位画像への切り替えの場合、上位画像から表示されている画像へ至るまでに選択された切替ボタンの位置に基づき、表示されている画像が収束する収束基準位置を決定する基準位置決定手段と、表示されている画像から上位画像または下位画像への切り替えを行う切替手段と、を備える。これにより、下位画像から上位画像への切り替えが、ユーザにとってわかりやすくなる。
【0006】
以上、表示装置の発明として説明したが、次に示すようなプログラムの発明として実現することもできる。
すなわち、画像を表示する表示手段、任意の画像を表示している際に、画面に表示されている画像を切り替える切替ボタンがユーザにより選択された場合、表示されている画像から切り替わる画像が、表示されている画像よりも上位階層の画像である上位画像か下位階層の画像である下位画像かを判断する判断手段、上位画像への切り替えの場合、上位画像から表示されている画像へ至るまでに選択された切替ボタンの位置に基づき、表示されている画像が収束する収束基準位置を決定する基準位置決定手段、および、表示されている画像から上位画像または下位画像への切り替えを行う切替手段、としてコンピュータを機能させるプログラムである。このようなプログラムを実行することで、上述の表示装置と同様の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるディスプレイに表示される画像の動的切り替えを説明する説明図である。
【図3】本発明の一実施形態による基準位置決定処理を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態によるディスプレイに表示される画像の遷移を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態による表示装置を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による表示装置は、車両に搭載されるナビゲーション装置に適用される。図1は、本発明の一実施形態による表示装置としてのナビゲーション装置1の全体構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、制御部10を中心に構成され、この制御部10に、操作スイッチ群20と、地図データ記憶部30と、画像データ記憶部35と、現在位置算出部40と、スピーカ50と、ディスプレイ60と、画面遷移情報記憶部70と、が接続されている。
【0009】
制御部10は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバスラインを備えたコンピュータとして構成されており、システム全体の制御を司る。
操作スイッチ群20は、ディスプレイ60と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチやリモコン装置等で構成され、各種入力に使用される。
【0010】
地図データ記憶部30は、例えばハードディスク装置(HDD)として実現される記憶装置である。なお、ここではHDDを用いたが、DVD−ROMや、メモリカード等の他の媒体を用いても差し支えない。
地図データ記憶部30は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、経路を探索するための地図データ、およびディスプレイ60に地図を描画するための画像データを記憶している。地図データには、各種データが含まれるが、その一つとして施設に関する施設情報が含まれる。施設情報は、具体的には施設を特定するIDと関連付けられて記憶されているPOI(Point Of Interest)情報である。POI情報には、施設名称、施設ID、位置座標、種別(ジャンル)、住所、電話番号を示す情報などが含まれる。
【0011】
画像データ記憶部35は、検索画面等をディスプレイ60に表示するための画像データを記憶するものであり、地図データ記憶部30と同一のHDDで構成されている。もちろん、メモリカード等の他の媒体を用いてもよい。本実施形態では、画像データ記憶部35に記憶されている画像は、階層化されている。
【0012】
現在位置算出部40は、車両の現在位置を算出するものである。例えば、地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサ、および、衛星からの電波を受信するGPS(Global Positioning System)受信機等を有している。これらは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、相互に補完しながら使用される。この現在位置算出部40によって、リアルタイムに車両の現在位置を算出することができる。
【0013】
スピーカ50は、音声を出力するためのものであり、例えば経路の案内等を音声で行う場合に使用される。また、ディスプレイ60は、液晶などを用いて構成される画面を有するカラーディスプレイ装置である。ディスプレイ60を介して地図や施設情報などが表示される。
【0014】
画面遷移情報記憶部70は、地図データ記憶部30および画像データ記憶部35と同一のHDDで構成されている。もちろん、メモリカード等の他の媒体を用いてもよい。操作スイッチ群20を介してユーザによりディスプレイ60に表示される画像を切り替える切替ボタンが選択されると、選択された切替ボタンの位置を示す情報としての切替ボタンの中心点の座標と切替ボタンが選択されたときに表示されていた画像を示す情報とが関連付けられて画面遷移情報として画面遷移情報記憶部70に記憶される。なお、ここで記憶される切替ボタンの中心点の座標とは、ディスプレイ60の画面上における座標である。
【0015】
ところで、本実施形態では、ユーザにより切替ボタンが選択されると、現在表示されている画像から選択された切替ボタンに応じた画像へと、ディスプレイ60に表示される画像を動的に切り替える。
【0016】
ここで、現在表示されている画像から他の画像へとディスプレイ60に表示される画像を動的に切り替える方法の一例を説明する。
まず、図2(a)に示すように、現在表示されている画像を複数の領域に分割する。図2(a)に示す例では、現在表示されている画像がx軸に平行する方向に所定数(この例では32)の領域に分割されている。すなわち、図2(a)中では紙面横方向に分割されている。ここでは画像がx軸に平行する方向のみに分割されているが、y軸に平行する方向に分割してもよいし、x軸に平行する方向およびy軸に平行する方向に分割してもよい。
【0017】
つぎに、移動曲線データを作成する。図2(b)に示すように、現在表示されている画像の左上端点S1と座標(xe,0)である点Eとを結ぶ直線L1、および、現在表示されている画像の右上端点S2と点Eとを結ぶ直線L2を求める。また、直線L1および直線L2にsin波を乗算することにより、移動曲線C1、C2を算出する。
【0018】
本実施形態では、表示されている画像が点Eに吸い込まれるような動きをするものとし、現在表示されている画像の移動は、2段階で行われる。まず、図2(b)に示すように、32分割された画像は、分割された領域毎にx方向における端点が移動曲線C1、C2に近づくようにx方向に縮小される。分割された各領域のx方向における端点が移動曲線C1、C2に重なると、図2(c)に示すように、移動曲線C1、C2をなぞるようにx座標およびy座標を変化させていく。また、移動先座標である点Eを超えた画像を表示しないようにすることで、現在表示されている画像が吸い込まれるような動作となる。本実施形態では、ここで説明した「画像が吸い込まれるような動作」が「画像が収束する」に対応する。また、新たに表示する画像を上述の逆の過程で変化させることにより、点Eから飛び出すような動作となる。この「画像が飛び出すような動作」が「画像が発散する」に対応する。
このように、現在表示されている画像から他の画像へとディスプレイ60に表示される画像が動的に切り替えられる。
【0019】
この例では、点Eを基準として、現在表示されている画像が点Eに吸い込まれるような動作とし、他の画像が点Eから飛び出すように動作とすることにより、現在表示されている画像から他の画像へとディスプレイ60に表示される画像を動的に切り替えている。このとき、点Eが動的表示の基準となる基準位置である。換言すると、点Eは、現在表示されている画像が点Eに収束する収束基準位置であり、他の画像が発散する発散基準位置である、ということである。
【0020】
本実施形態では、画面に表示される画像の切り替えがユーザにとって視覚的にわかりやすいように、収束基準位置および発散基準位置を切替ボタンの位置に基づいて決定している。そこで、収束基準位置および発散基準位置を決定する基準位置決定処理を図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0021】
最初のステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、ディスプレイ60に任意の画像を表示する。
【0022】
S102では、表示されている画像を切り替える切替ボタンが操作スイッチ群20を介してユーザにより選択されたか否かを判断する。切替ボタンが選択されていないと判断された場合(S102:NO)、この判断処理を繰り返すとともに、現在表示されている画像の表示を継続する。切替ボタンが選択されたと判断された場合(S102:YES)、選択された切替ボタンに基づき、現在表示されている画像に替えて次に表示される画像を特定し、S103へ移行する。また、選択された切替ボタンの位置を示す情報としての切替ボタンの中心点の座標と切替ボタンが選択されたときに表示されていた画像を示す情報とを関連付けて画面遷移情報として画面遷移情報記憶部70に記憶する。
【0023】
S103では、選択された切替ボタンが上位階層の画像である上位画像に戻るためのボタンであるか否かを判断する。選択された切替ボタンが上位画像に戻るためのボタンであると判断された場合(S103:YES)、すなわち次に表示される画像が上位画像である場合、S106へ移行する。選択された切替ボタンが上位画像に戻るためのボタンではないと判断された場合(S103:NO)、すなわち次に表示される画像が現在表示されている画像よりも下位階層の画像である下位画像である場合、S104へ移行する。
【0024】
S104では、S102にて選択された切替ボタンであって、表示されている画像から下位画像へ切り替える切替ボタンの位置に基づき、現在表示されている画像に替えて次に表示される下位画像が発散する基準となる発散基準位置を決定する。本実施形態では、S102にて選択された切替ボタンの中心点に発散基準位置を決定する。
S105では、S104で決定された発散基準位置から次に表示される下位画像が発散するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える。本実施形態では、図2に基づいて説明したように、発散基準位置から下位画像が飛び出すように表示される。
【0025】
選択された切替ボタンが上位画像に戻るためのボタンであると判断された場合(S103:YES)に移行するS106では、現在表示されている画像に替えて次に表示される上位画像(以下、適宜「遷移元画像」という。)が、現在表示されている画像が表示される前に表示されていたときに当該遷移元画像から他の画像へ切り替えるときに選択された切替ボタンの中心点の座標を画面遷移情報記憶部70から取得する。
【0026】
なお、遷移元画像の次に表示された画像が現在表示されている画像である場合、「現在表示されている画像」が「他の画像」に対応し、遷移元画像から現在表示されている画像へ切り替えるときに選択された切替ボタンの中心点の座標を取得する。一方、遷移元画像の次に表示された画像が現在表示されている画像でない場合、すなわち遷移元画像と現在表示されている画像との間に中位画像が表示された場合、遷移元画像の次に表示された中位画像へ切り替えるときに選択された切替ボタンの中心点の座標を取得する。この場合、「遷移元画像の次に表示された中位画像」が「他の画像」に対応する。なお、遷移元画像と現在表示されている画像との間に表示される中位画像は、複数であってももちろんよい。
【0027】
また、画面遷移情報記憶部70から取得された遷移元画像から他の画像へ切り替えるときに選択された切替ボタンの位置に基づき、現在表示されている画像が収束する収束基準位置を決定する。本実施形態では、遷移元画像から他の画像へ切り替えるときに選択された切替ボタンの中心点に収束基準位置を決定する。なお、遷移元画像から他の画像へ切り替えるときに選択された切替ボタンが、「上位画像から表示されている画像へ至るまでに選択された切替ボタン」に対応している。
【0028】
S107では、S106で決定された収束基準位置に現在表示されている画像が収束するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える。本実施形態では、図2に基づいて説明したように、現在表示されている画像が収束基準位置に吸い込まれるように表示される。
【0029】
ここで、図4に基づいて、基準位置決定処理の具体例を説明する。図4(a)〜(d)は、ディスプレイ60に表示される画像を示す図であり、階層が最も上位の画像は(a)であり、次いで(b)、(c)、(d)の順で階層化されているものとする。また、メニューボタン601、現在地ボタン602、戻るボタン603、目的地ボタン611、周辺検索ボタン612、ルートボタン613、情報ボタン614、設定ボタン615、住所検索ボタン621、電話番号検索ボタン622、名称検索ボタン623、ジャンル検索ボタン624、および確定ボタン631が、「切替ボタン」に対応している。また、現在地ボタン602および戻るボタン603が、「上位画像に戻るためのボタン」に対応している。この例では、車両の現在位置を示す地図画像が「最も上位階層の上位画像」であって、現在地ボタン602が「最も上位階層の上位画像に戻るためのボタン」である。また、直前に表示されていた画像が「1つ上の階層の上位画像」であって、戻るボタン603が「1つ上位階層の上位画像に戻るためのボタン」である。
【0030】
図4(a)では、車両の現在位置を示す地図画像61およびメニュー画面を表示するためのメニューボタン601がディスプレイ60に表示されている。図4(a)に示す画像が表示されているとき、操作スイッチ群20を介してユーザによりメニューボタン601が選択されると(図3中のS102:YES)、メニューボタン601の中心点P1の座標と図4(a)の画像を示す情報とが関連付けられて画面遷移情報として画面遷移情報記憶部70に記憶される。また、選択されたメニューボタン601は、上位画像に戻るためのボタンではない(S103:NO)。したがって、メニューボタン601の中心点P1に発散基準位置を決定し(S104)、二点鎖線で示すように、メニューボタン601の中心点P1から図4(b)に示す画像が発散するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える(S105)。ここでは、図4(a)に示す画像から図4(b)に示す画像へと、ディスプレイ60に表示される画像が切り替えられる。
【0031】
図4(b)では、目的地を検索するための目的地ボタン611、周辺施設を検索するための周辺検索ボタン612、ルートを設定するためのルートボタン613、各種情報を表示するための情報ボタン614、および各種設定変更を行うための設定ボタン615がディスプレイ60に表示されている。また、ディスプレイ60には、車両の現在位置を示す地図画像に戻るための現在地ボタン602、および直前に表示されていた画像に戻るための戻るボタン603が表示されている。
【0032】
図4(b)に示す画像が表示されているとき、操作スイッチ群20を介して現在地ボタン602または戻るボタン603が選択されると(S102:YES)、選択された現在地ボタン602または戻るボタン603の中心点の座標と図4(b)の画像を示す情報とが関連付けられて画面遷移情報として画面遷移情報記憶部70に記憶される。また、選択されたボタン602、603は、上位画像に戻るためのボタンである(S103:YES)。したがって、次に表示される遷移元画像である図4(a)に示す画像が表示されていたときに選択された切替ボタンであるメニューボタン601の中心点P1の座標を画面遷移情報記憶部70から取得し、メニューボタン601の中心点P1に収束基準位置を決定する(S106)。そして、二点鎖線で示すように、図4(b)に示す画像がメニューボタン601の中心点P1に収束するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える(S107)。ここでは、図4(b)に示す画像から図4(a)に示す画像へと、ディスプレイ60に表示される画像が切り替えられる。なお、ここでは、メニューボタン601が「上位画像から表示されている画像へ至るまでに選択された切替ボタン」に対応している。
【0033】
一方、図4(b)に示す画像が表示されているとき、操作スイッチ群20を介して目的地ボタン611、周辺検索ボタン612、ルートボタン613、情報ボタン614、設定ボタン615のいずれかが選択されると(S102:YES)、選択されたボタン611〜615の中心点の座標と図4(b)の画像を示す情報とが関連付けられて画面遷移情報として画面遷移情報記憶部70に記憶される。また、選択されたボタン611〜615は、上位画像に戻るためのボタンではない(S103:NO)。したがって、選択されたボタン611〜615の中心点に発散基準位置を決定し(S104)、選択されたボタン611〜615の中心点から下位画像が発散するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える(S105)。例えば、目的地ボタン611が選択されたとすると、目的地ボタン611の中心点P2に発散基準位置を決定し、二点鎖線で示すように、目的地ボタン611の中心点P2から図4(c)に示す画像が発散するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える。
【0034】
図4(c)では、目的地を住所で探すための住所検索ボタン621、目的地を電話番号で探すための電話番号検索ボタン622、目的地を施設名称で探すための名称検索ボタン623、目的地をジャンルで探すためのジャンル検索ボタン624がディスプレイ60に表示される。また、ディスプレイ60には、図4(b)と同様の現在地ボタン602および戻るボタン603が表示されている。
【0035】
図4(c)に示す画像が表示されているとき、操作スイッチ群20を介して現在地ボタン602が選択されると(S102:YES)、選択された現在地ボタン602の中心点の座標と図4(c)の画像を示す情報とが関連付けられて画面遷移情報として画面遷移情報記憶部70に記憶される。また、選択された現在地ボタン602は、最も上位階層の上位画像である車両の現在位置を示す地図画像に戻るためのボタンである(S103:YES)。したがって、次に表示される遷移元画像である図4(a)に示す画像が表示されていたときに選択された切替ボタンであるメニューボタン601の中心点P1の座標を画面遷移情報記憶部70から取得し、メニューボタン601の中心点P1に収束基準位置を決定する(S106)。そして、図4(c)に示す画像がメニューボタン601の中心点P1に収束するようにディスプレイ60に表示されている画像を切り替える(S107)。ここでは、図4(c)に示す画像から図4(a)に示す画像へと、ディスプレイ60に表示される画像が切り替えられる。なお、ここでは、メニューボタン601が「上位画像から表示されている画像へ至るまでに選択された切替ボタン」に対応している。また、図4(a)に示す画像と図4(c)に示す画像との間に表示された図4(b)に示す画像が、「遷移元画像の次に表示された中位画像」に対応する。
【0036】
また、図4(c)に示す画像が表示されているとき、操作スイッチ群20を介して戻るボタン603が選択されると(S102:YES)、選択された戻るボタン603の中心点の座標と図4(c)の画像を示す情報とが関連付けられて画面遷移情報として画面遷移情報記憶部70に記憶される。また、選択された戻るボタン603は、1つ上位階層の上位画像に戻るためのボタンである(S103:YES)。したがって、次に表示される遷移元画像である図4(b)に示す画像が表示されていたときに選択された目的地ボタン611の中心点P2の座標を画面遷移情報記憶部70から取得し、目的地ボタン611の中心点P2に収束基準位置を決定する(S106)。そして、二点鎖線で示すように、図4(c)に示す画像が目的地ボタン611の中心点P2に収束するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える(S107)。ここでは、図4(c)に示す画像から図4(b)に示す画像へと、ディスプレイ60に表示される画像が切り替えられる。なお、ここでは、目的地ボタン611が「上位画像から表示されている画像へ至るまでに選択された切替ボタン」に対応している。
【0037】
一方、図4(c)に示す画像が表示されているとき、操作スイッチ群20を介して住所検索ボタン621、電話番号検索ボタン622、名称検索ボタン623、ジャンル検索ボタン624のいずれかが選択されると(S102:YES)、選択されたボタン621〜624の中心点の座標と図4(c)の画像を示す情報とが関連付けられて画面遷移情報として画面遷移情報記憶部70に記憶される。また、選択されたボタン621〜624は、上位画像に戻るためのボタンではない(S103:NO)。したがって、選択されたボタン621〜624の中心点に発散基準位置を決定し(S104)、選択されたボタン621〜624の中心点から下位画像が発散するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える(S105)。例えば、電話番号検索ボタン622が選択されたとすると、電話番号検索ボタン622の中心点P3に発散基準位置を決定し、二点鎖線で示すように、電話番号検索ボタン622の中心点P3から図4(d)に示す画像が発散するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える。
【0038】
図4(d)では、電話番号を入力するための電話番号ボタン650、入力された電話番号をクリアするためのクリアボタン651、入力された電話番号を確定するための確定ボタン631がディスプレイ60に表示される。また、ディスプレイ60には、図4(b)、(c)と同様の現在地ボタン602および戻るボタン603が表示されている。なお、電話番号の入力に係る電話番号ボタン650およびクリアボタン651は、画面に表示されている画像の切り替えに係るボタンではないので、「切替ボタン」ではない。
【0039】
図4(d)に示す画像が表示されているとき、操作スイッチ群20を介して現在地ボタン602が選択されると(S102:YES)、選択された現在地ボタン602の中心点の座標と図4(d)の画像を示す情報とが関連付けられて画面遷移情報として画面遷移情報記憶部70に記憶される。また、選択された現在地ボタン602は、最も上位階層の上位画像である車両の現在位置を示す地図画像に戻るためのボタンである(S103:YES)。したがって、次に表示される遷移元画像である図4(a)に示す画像が表示されていたときに選択されたメニューボタン601の中心点P1の座標を画面遷移情報記憶部70から取得し、メニューボタン601の中心点P1に収束基準位置を決定する(S106)。そして、図4(d)に示す画像がメニューボタン601の中心点P1に収束するようにディスプレイ60に表示されている画像を切り替える(S107)。ここでは、図4(d)に示す画像から図4(a)に示す画像へと、ディスプレイ60に表示される画像が切り替えられる。なお、ここでは、メニューボタン601が「上位画像から表示されている画像へ至るまでに選択された切替ボタン」に対応している。また、図4(a)に示す画像と図4(d)に示す画像との間に表示された図4(b)に示す画像および図4(c)に示す画像が「中位画像」に対応し、図4(b)に示す画像が「遷移元画像の次に表示された中位画像」に対応する。
【0040】
また、図4(d)に示す画像が表示されているとき、操作スイッチ群20を介して戻るボタン603が選択されると(S102:YES)、選択された戻るボタン603の中心点の座標と図4(d)の画面を示す情報とが関連付けられて画面遷移情報として画面遷移情報記憶部70に記憶される。また、選択された戻るボタン603は、1つ上位階層の上位画像に戻るためのボタンである(S103:YES)。したがって、次に表示される遷移元画像である図4(c)に示す画像が表示されていたときに選択された電話番号検索ボタン622の中心点P3の座標を画面遷移情報記憶部70から取得し、電話番号検索ボタン622の中心点P3に収束基準位置を決定する(S106)。そして、二点鎖線で示すように、図4(d)に示す画像が電話番号検索ボタン622の中心点P3に収束するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える(S107)。ここでは、図4(d)に示す画像から図4(c)に示す画像へと、ディスプレイ60に表示される画像が切り替えられる。なお、ここでは、電話番号検索ボタン622が「上位画像から表示されている画像へ至るまでに選択された切替ボタン」に対応している。
【0041】
一方、図4(d)に示す画像が表示されているとき、操作スイッチ群20を介して電話番号ボタン650により電話番号が入力され、確定ボタン631が選択されると(S102:YES)、選択された確定ボタン631の中心点の座標と図4(d)の画像を示す情報とが関連付けられて画面遷移情報として画面遷移情報記憶部70に記憶される。また、選択された確定ボタン631は、上位画像に戻るためのボタンではない(S103:NO)。したがって、選択された確定ボタン631の中心点に発散基準位置を決定し(S104)、確定ボタン631の中心点から下位画像が発散するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える(S105)。ここで、確定ボタン631の中心点から発散するように表示される下位画像は、電話番号ボタン650により入力された電話番号に該当する施設を中心とする地図画像である。
【0042】
以上詳述したように、画像を表示し(S101)、任意の画像を表示している際に、画面に表示されている画像を切り替える切替ボタンがユーザにより選択された場合(S102:YES)、表示されている画像から切り替わる画像が、表示されている画像よりも上位階層の画像である上位画像か下位階層の画像である下位画像かを判断する(S103)。上位画像への切り替えの場合(S103:YES)、上位画像から現在表示されている画像へ至るまでに選択された切替ボタンの位置に基づいて収束基準位置を決定し(S106)、収束基準位置に現在表示されている画像が収束するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える(S107)。また、下位画像への切り替えの場合(S103:NO)、表示されている画像から下位画像へ切り替える切替ボタンの位置に基づいて発散基準位置を決定し(S104)、発散基準位置から下位画像が発散するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替える(S105)。これにより、上位画像への切り替えの場合、収束基準位置へ表示されている画像が収束するように表示し、下位画像への切り替えの場合、発散基準位置から下位画像が発散するように表示されるので、操作スイッチ群20を介した操作に対するディスプレイ60に表示される画像の切り替えが、ユーザにとってわかりやすくなる。特に、上位画像である遷移元画像が表示されていたときに選択された切替ボタンの位置に基づいて決定された収束基準位置に表示されている画像が収束するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替えるので、遷移元画像から表示されている画像へ至る過程を遡るように表示されている画像が収束し、下位画像から上位画像へと戻ることが、ユーザにとってわかりやすくなる。
【0043】
なお、本実施形態では、制御部10が「表示手段」、「判断手段」、「基準位置決定手段」、「切替手段」を構成する。また、図3中のS101が「表示手段」の機能としての処理に相当し、S103が「判断手段」の機能としての処理に相当し、S106が「基準位置決定手段」の機能としての処理に相当し、S105およびS107が「切替手段」の機能としての処理に相当する。
【0044】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
(ア)図4に示す例では、全ての切替ボタンがディスプレイ60に表示されるように構成されていた。他の実施形態では、切替ボタンの一部(例えば、メニューボタン、現在地ボタン等)がディスプレイ60の周囲に設けられるメカニカルなボタンであってもよい。切替ボタンがディスプレイ60の周囲に設けられるメカニカルなボタンである場合、例えばディスプレイ60を仮想的に拡大し、切替ボタンの座標を特定してもよい。
【0045】
(イ)上記実施形態では、切替ボタンの中心点を発散基準位置または収束基準位置に決定していた。他の実施形態では、切替ボタンに基づいて特定される領域に含まれるいずれの箇所であってもよい。また、発散基準位置および収束基準位置は、切替ボタンに基づいて特定される領域に含まれる複数の箇所であってもよい。
また、上記実施形態では、下位画像への切り替えの場合、表示されている画像から下位画像へ切り替える切替ボタンの位置に基づいて発散基準位置を決定し、発散基準位置から下位画像が発散するようにディスプレイ60に表示される画像を切り替えた。他の実施形態では、下位画像への切り替えの場合、例えば、ワイプ、ブラインド、チェッカー等、どのような切り替え動作であってもよいし、動的に切り替えず静的に切り替えてもよい。
【0046】
(ウ)上記実施形態では、表示装置はナビゲーション装置として具現化され、車両に搭載されていた。他の実施形態では、ナビゲーション装置に限らず、例えば音楽プレーヤー等、画像を表示可能な各種装置とすることができる。また、表示装置は、車両に搭載されていなくてもよい。なお、上記実施形態の表示装置における「地図データ記憶部」、「現在位置算出部」、「スピーカ」は、なくてもよい。また、ディスプレイは、制御部を有する表示装置とは別の装置として構成してもよい。
【0047】
(エ)上記実施形態では、制御部が「表示手段」、「判断手段」、「基準位置決定手段」、「切替手段」を構成していた。他の実施形態では、「表示手段」、「判断手段」、「基準位置決定手段」、「切替手段」としてコンピュータを機能させるプログラムであってもよいし、当該プログラムを記憶する記憶媒体としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1・・・ナビゲーション装置(表示装置)
10・・・制御部(表示手段、判断手段、基準位置決定手段、切替手段)
20・・・操作スイッチ群
30・・・地図データ記憶部
35・・・画像データ記憶部
40・・・現在位置算出部
50・・・スピーカ
60・・・ディスプレイ
70・・・画面遷移情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、
任意の画像を表示している際に、画面に表示されている画像を切り替える切替ボタンがユーザにより選択された場合、前記表示されている画像から切り替わる画像が、前記表示されている画像よりも上位階層の画像である上位画像か下位階層の画像である下位画像かを判断する判断手段と、
前記上位画像への切り替えの場合、前記上位画像から前記表示されている画像へ至るまでに選択された前記切替ボタンの位置に基づき、前記表示されている画像が収束する収束基準位置を決定する基準位置決定手段と、
前記表示されている画像から前記上位画像または前記下位画像への切り替えを行う切替手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
画像を表示する表示手段、
任意の画像を表示している際に、画面に表示されている画像を切り替える切替ボタンがユーザにより選択された場合、前記表示されている画像から切り替わる画像が、前記表示されている画像よりも上位階層の画像である上位画像か下位階層の画像である下位画像かを判断する判断手段、
前記上位画像への切り替えの場合、前記上位画像から前記表示されている画像へ至るまでに選択された前記切替ボタンの位置に基づき、前記表示されている画像が収束する収束基準位置を決定する基準位置決定手段、
および、前記表示されている画像から前記上位画像または前記下位画像への切り替えを行う切替手段、
としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−18469(P2012−18469A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154008(P2010−154008)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】