説明

表示装置および表示装置の駆動方法

【課題】発光型表示パネルと、発光型表示パネルの前面に配置された遮光部材との境目や、発光型表示パネル同士の境界部分が目立たない表示装置、および発光型表示パネルを複数、面内方向に並べて互いに連動する画像を表示したときでも、画像に違和感の発生しない表示装置の駆動方法を提供すること。
【解決手段】表示装置500では、3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cと、板状の遮光部材120と、遮光部材120の前側で遮光部材120および3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aに対向する円偏光板130と、ベース板600とが順に配置されている。有機ELパネル100A、100B、100Cを駆動するにあたっては、1ライン分の画像データを各有機ELパネルに転送した後、次の1ライン分の画像データを各有機ELパネルに転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという)などの発光型パネルを備えた表示装置、および複数の発光型パネルを備えた表示装置の駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機ELパネルなどの発光型表示パネルは、液晶装置と比較して視野角が広く、かつ、明るい環境下でも画像を視認しやすいなどの利点がある。このため、車載用の表示装置などとして用いることが提案されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
このような表示装置では、通常、有機ELパネルなどの発光型表示パネルの前面に遮光部材が配置され、遮光部材に形成された開口部から、発光型表示パネルで表示された画像を視認することになる。
【特許文献1】特開2002−109868号公報
【特許文献2】特開2001−83913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発光型表示パネルでは、液晶装置と違ってバックライト光の漏れがないので、黒を表示した領域の暗黒度に優れているという特徴が従来の表示装置では十分に活かされていないという問題点がある。すなわち、発光型表示パネルにおいて、画像表示領域の周辺が黒表示になった際に遮光部材との境目が見えにくいように、黒色の遮光部材を用いても、発光型表示パネルで表示された黒色領域と遮光部材の黒色とでは、暗黒度が相違するため、発光型表示パネルの画像と遮光部材との境目が目立ってしまうのである。
【0005】
また、本願発明者は、発光型表示パネルを複数、面内方向に並べて意匠性の高い画像を表示することを提案するものである。しかしながら、発光型表示パネルを複数並べると、その境界部分が目立ってしまうという問題点がある。かかる問題点は、発光型表示パネルを端部同士が接するように並べても解消することができない。
【0006】
さらに、本願発明者は、発光型表示パネルを複数、面内方向に並べて、連動した画像を表示することを提案するものである。しかしながら、1つの発光型表示パネルに1フレーム分の画像データを転送した後、次の発光型表示パネルに1フレーム分の画像データを転送する方式を採用すると、複数の発光型表示パネルにおいて画像が更新されるタイミングがずれるという問題点がある。かかる問題は、複数の発光型表示パネルを離間して配置した場合には気にならないが、複数の発光型表示パネルを隣接して配置すると、大きな違和感を有してしまう。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、発光型表示パネルと、発光型表示パネルの前面に配置された遮光部材との境目を目立たなくすることのできる表示装置を提供することにある。
【0008】
次に、本発明の課題は、発光型表示パネルを複数、面内方向に並べても境界部分が目立つことなく、画像表示領域内で連続した画像として認識できる表示装置を提供することにある。
【0009】
次に、本発明の課題は、発光型表示パネルを複数、面内方向に並べて、互いに連動する画像を表示したときでも、画像に違和感の発生しない表示装置の駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る表示装置では、発光型表示パネルと、該発光型表示パネルの前面に当該発光型表示パネルの画像表示領域を避けて設けられた黒色の遮光部材と、該遮光部材の前面および前記画像表示領域に対向するように設けられた円偏光板と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明において、前記発光型表示パネルは、例えば、有機エレクトロルミネッセンス表示パネルである。
【0012】
本発明では、遮光部材の前面に円偏光板が設けられているため、遮光部材の前面で反射した光が視認されない。すなわち、円偏光板を透過した光が遮光部材の前面で反射する際、逆回転の円偏光であるため、円偏光板を透過しない。このため、発光型表示パネルで表示された黒色領域と遮光部材の黒色とでは、暗黒度が同等であるため、発光型表示パネルの画像と遮光部材との境目が目立たない。従って、発光型表示パネルで表示した画像の外側領域で黒表示を行なった際、かかる外側領域と遮光部材とは一体の黒色領域となって画像の背景を構成することになる。それ故、発光型表示パネルでは優れた黒表示を行なうことができるという利点を最大限活かして、意匠性に優れた表示装置を構成することができる。
【0013】
本発明において、前記発光型表示パネルは、複数が隣接して設けられ、前記遮光部材は、前記複数の発光型表示パネルのうち、隣接する発光型表示パネルの境界領域に前側で重なる境界遮光部を備えていることが好ましい。このように構成すると、隣接する発光型表示パネルの境界領域は、遮光部材の境界遮光部で隠され、見えない。また、遮光部材の前面に円偏光板が設けられているため、発光型表示パネルで表示した黒表示領域と境界遮光部とが繋がった状態に視認され、境界遮光部の存在が視認されない。従って、発光型表示パネルを複数で構成したことが分からない。
【0014】
かかる構成を採用した場合、前記複数の発光型表示パネルのうち、隣接する発光型表示パネル同士は、端部が接していることが好ましい。遮光部材に形成した境界遮光部は非表示領域になるが、隣接する発光型表示パネルの端部が接している構成を採用すれば、境界遮光部の幅寸法を狭くすることができるので、隣接する発光型表示パネルの間に存在する非表示領域の幅寸法を狭くすることができる。
【0015】
本発明において、発光型表示パネルを複数用いる場合、前記発光型表示パネルは、前記遮光部材に固定されていることが好ましい。このように構成すると、複数の発光型表示パネルを用いる場合でも、遮光部材と一体化したテバイスとして扱うことができる。それ故、表示装置の組み立て作業の効率を向上することができる。
【0016】
本発明において、発光型表示パネルを複数用い、かつ、前記発光型表示パネルに対して面内方向で隣接する位置に別の表示器を有し、前記円偏光板の前には、前記表示器の背景を構成するベース板が設けられている場合、当該ベース板には、前記複数の発光型表示パネルの画像表示領域に重なる領域が連続して切り欠かれた切り欠きが形成されている構成を採用することが好ましい。このように構成すると、多くの情報を表示することができる。また、複数の発光型表示パネルの画像表示領域が繋がって大きな表示領域を構成しているように視認させることができる。また、かかる構成を採用した場合でも、本発明によれば、隣接する発光型表示パネルの境界領域は、遮光部材の境界遮光部で隠され、かつ、遮光部材の前面に円偏光板が設けられている。このため、発光型表示パネルで表示した黒表示領域と境界遮光部とが繋がった状態に視認され、境界遮光部の存在が視認されない。従って、発光型表示パネルを複数したことが分からない。
【0017】
本発明において、前記発光型表示パネルに対して面内方向で隣接する位置に別の表示器を有し、前記円偏光板の前には、前記表示器の背景を構成するベース板が配置され、当該ベース板には、前記発光型表示パネルの画像表示領域に重なる領域が切り欠かれた切り欠きが形成されている構成となる。このように構成すると、多くの情報を表示することができる。
【0018】
本発明において、前記ベース板を用いる場合、ベース板は黒色であることが好ましい。このように構成すると、ベース板および遮光部材が一体となって発光型表示装置および別の表示器に対する黒色の背景を構成するので、表示器および発光型表示装置との一体感を高めることができる。
【0019】
本発明おいて、前記発光型表示パネルに対して面内方向で隣接する位置に別の表示器を設けられ、前記遮光部材は、前記表示器の背景を構成していることが好ましい。すなわち、前記遮光部材は、前記表示器のベース板を兼ねていることが好ましい。このように構成すると、別の表示器を設けて多くの情報を表示する場合でも部品点数を削減することができる。また、遮光部材は、発光型表示装置および別の表示器の双方に対する黒色の背景を構成するので、表示器および発光型表示装置との一体感を高めることができる。
【0020】
本発明において、前記発光型表示パネルによる表示領域は、一部が前記表示器による表示領域の輪郭線の内側まで張り出していることが好ましい。このように構成すると、表示器および発光型表示装置との一体感を高めることができる。
【0021】
本発明において、前記表示器は、例えばメカニカルメータである。
【0022】
本発明では、発光型表示パネルを複数用いた表示装置の駆動方法において、表示制御部から前記複数の発光型表示パネルに1フレーム分の画像データを転送するにあたっては、前記複数の発光型表示パネルの各々の1フレーム分の画像データをフレームメモリに記憶しておき、当該フレームメモリに記憶されている画像データのn分の1に相当するラインデータを前記複数の発光型表示パネルに転送するデータ転送処理を行なった後、次のn分の1に相当するラインデータを前記複数の発光型表示パネルに転送することが好ましい。このように構成すると、複数の発光型表示パネルに1フレーム分の画像データを順次転送した場合と比較して、発光型表示パネルで画像を更新するタイミングのずれが目立たない。特に複数の発光型表示パネルを隣接して配置すると、かかるタイミングのずれが大きな違和感となるが、本発明によれば、かかる違和感の発生を防止することができる。
【0023】
かかる駆動方法を採用するにあたっては、前記データ転送処理において、前記ラインデータを、対応する前記発光型表示パネルに順次転送する構成を採用すればよい。また、前記データ転送処理では、前記ラインデータを、対応する前記発光型表示パネルに同時転送してもよい。
【0024】
さらに、前記複数の発光型表示パネルをデータ転送ラインでカスケード接続しておき、前記データ転送処理では、前記ラインデータを前記複数の発光型表示パネル分、1つの発光型表示パネルに転送するという構成を採用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材や各層の形状や縮尺を異ならしめてある。なお、有機ELパネルでは、複数の画素がマトリクス状に配置された画素配列領域を備えているが、以下の説明では、有機ELパネルに対して「画像表示領域」という用語も用いている。画素配列領域の全体が画像表示領域として利用されている場合には、画素配列領域と画像表示領域とは同一の領域を意味する。但し、画素配列領域の一部が遮光部材やベース板で覆われている場合、画像表示領域のうち、遮光部材やベース板から露出されている領域のみが画像表示領域として利用されることになるので、有機ELパネルの画像表示領域は画素配列領域よりわずかに狭い領域を意味することになる。
【0026】
[実施の形態1]
(表示装置の全体構成)
図1(a)、(b)は、本発明の実施の形態1に係る表示装置を車のフロントパネルに搭載した様子を示す説明図、および表示装置を抜き出して示す正面図である。
【0027】
図1(a)、(b)において、本形態の表示装置500は、車のフロントパネルに搭載されて、各種情報を表示する。また、表示装置500は、中央の第1表示領域510と、第1表示領域510の両側に位置する第2表示領域560とを備えており、第1表示領域510は、後述する有機ELパネル(発光型表示パネル)による表示を行なう。第2表示領域560には、速度メータ561、タコメータ562、冷却水の温度を示す水温計563、燃料の残量を示す燃料計564が配置され、かかるメータは、いずれも指針式のメカニカルメータである。また、第2表示領域560は、第1表示領域510の上方部分で左右が繋がっており、第1表示領域510の上部の左右には、ウインカーやハサードランプを採用した際の点滅ランプ565、566が配置されている。
【0028】
かかる表示装置500において、第1表示領域510は、逆T字形状を備えており、略台形形状の下半部515と、下半部515の左右方向の略中央部分から矩形形状をもって上方に突出する上半部516とからなる。ここで、下半部515の右半部512は、タコメータ562の円形文字板の内側まで張り出しており、左半部511は、速度メータ561の円形文字板の内側まで張り出している。
【0029】
このようにして、本形態では、有機ELパネルによる第1表示領域510は、メカニカルメータによる第2表示領域560の近傍(第2表示領域560の輪郭線の内側)まで張り出している。より具体的には、速度メータ561およびタコメータ562は全体として円形の表示領域になっているが、本形態では、速度メータ561およびタコメータ562は、円形の一部を切り欠いた形状になっており、かかる切り欠いた部分に第1表示領域510の端部が位置している。このため、第1表示領域510と第2表示領域560との一体感を高めることができる。
【0030】
(各部材の構成)
図2(a)、(b)は、本発明の実施の形態1に係る表示装置の要部を拡大して示す正面図、および画像を表示した様子を示す説明図である。図3(a)、(b)は、本発明の実施の形態1に係る表示装置の分解斜視図、および有機ELパネルを抜き出して示す説明図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る表示装置に用いた各部材の位置関係を示す説明図である。
【0031】
図2(a)に示すように、第1表示領域510の上半部516は、「P」「R」「N」「D」からなる文字によって運転モードを表示するとともに、走行距離を数字表示するようになっている。下半部515に右半部512は、時計を図形表示しており、左半部511は、日時や温度を文字表示するようになっている。
【0032】
図2(a)および図3(a)、(b)に示すように、表示装置500を構成するにあたって、本形態では、後側から前側に向かって、3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cと、板状の遮光部材120と、遮光部材120の前側で遮光部材120および3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aに対向する円偏光板130と、ベース板600とが順に配置されている。
【0033】
3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cは、第1表示領域510の上半部516、下半部515の右半部512、および下半部515の左半部511を構成するように、逆T字形に配置されている。また、下半部に配置された有機ELパネル100A、100Cは、一方端を構成する辺部同士が接するように配置され、上半部に配置された有機ELパネル100Bは、下端部を構成する辺部が下半部の有機ELパネル100A、100Cの側端辺に接するように配置されている。3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cは、他の有機ELパネルと接する側の端部と反対側の端部の前面側に駆動用IC60が実装されており、駆動用IC60よりもさらに端にはフレキシブル基板40が接続されている。フレキシブル基板40は、有機ELパネル100A、100B、100Cの端部で折り曲げられて有機ELパネル100A、100B、100Cの後面側で、表示装置500の表示制御部(図示せず)に接続されている。本形態において、3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cはいずれも、有機EL素子などが構成された素子基板10と、この素子基板10において有機EL素子などが形成されている面側に貼られた封止基板20とを備えている。素子基板10および封止基板20はいずれも0.5mm程度の厚さであり、有機ELパネル100A、100B、100Cの厚さは1mm程度である。
【0034】
遮光部材120は、第1表示領域510に対応する逆T字形の外形形状を備えており、上半部129および下半部128には、有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aのうち、画像表示領域10bとして利用される部分と対向する部分に開口部121、122、126が形成されている。従って、遮光部材120は、有機ELパネル100A、100B、100Cの画像表示領域10bを避けるように配置されていることになる。なお、有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aの外側には、黒色遮光部(図示せず)が所定の領域に配置されているが、黒色遮光部が配置されていない領域や、有機ELパネル100A、100B、100Cを構成する部材を貼り合わせるためのシール部材が配置されている領域が少なからず存在する。従って、遮光部材120は、画像表示領域10bとして利用される部分と対向する部分に開口部121、122、126を備えているとともに、これら黒色遮光部が配置されていない領域やシール部材が配置されている領域等、視認されて欲しくない領域を外光から遮光するように配置されていることが望ましい。
【0035】
また、遮光部材120は、下半部128に形成された2つの開口部121、122の間には、有機ELパネル100Aと有機ELパネル100Cとの境界部分106に対して前側で重なる帯状の境界遮光部123を備えている。また、遮光部材120において、上半部129と下半部128との連接部分には、有機ELパネル100Aと有機ELパネル100B、100Cとの境界部分107に対して前側で重なる帯状の境界遮光部124を備えている。
【0036】
かかる遮光部材120は、厚さが0.2mm程度の金属板の表面に黒色の塗装を施したものであり、黒色である。
【0037】
円偏光板130は、遮光部材120全体を覆うサイズの矩形シートであり、直線偏光フィルムと1/4位相差フィルム(1/波長板)とを貼り合せた構造になっている。かかる円偏光板130の厚さは2mm程度である。本形態では、円偏光板130として、直線偏光フィルムと1/4位相差フィルムとが貼り合せたものを用いているが、直線偏光フィルムと1/4位相差フィルムとが各々別体になっているものを用いてもよい。
【0038】
ベース板600は、第2表示領域560の背景を構成しており、黒色樹脂製のパネル状である。従って、ベース板600には、図1(a)、(b)および図2(a)に示すように、速度メータ561、タコメータ562、水温計563、燃料計564などに対する文字板を構成する数字や目盛りが印刷されている。また、ベース板600には、第1表示領域510に相当する領域に切り欠き610が形成されている。かかる切り欠き610も、下半部605および上半部606によって逆T字形状に形成されている。また、切り欠き610は、第1表示領域510を構成する有機ELパネル100A、100B、100Cの画像表示領域10bや遮光部材120の開口部121、122、126と重なる領域が連続して切り欠かれた形状になっている。本形態では、かかる切り欠き610によって、タコメータ562や速度メータ561の文字板の一部が途切れた構造になっている。但し、上半部606の根元部分では、第1表示領域510に向けて突出した小突起によって、切り欠き610に凹み608、609が形成されており、凹み608、609の分だけ、第2表示領域560が第1表示領域510に食い込んだ形状になっている。
【0039】
このような構成の有機ELパネル100A、100B、100C、遮光部材120、円偏光板130、およびベース板600を重ねると、ベース板600の切り欠き610、遮光部材120の開口部121、122、126、および有機ELパネル100A、100B、100Cの位置関係は図4に示すようになる。
【0040】
図4に示すように、まず、有機ELパネル100A、100B、100C(外形を二点鎖線で示す)は、遮光部材120の開口部121、122、126(細い実線で示す)より大きく、開口部121、122、126からは有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aのみが見える。また、隣接する有機ELパネル100A、100B、100Cの境界部分106、107は、遮光部材120の境界遮光部123、124で覆われている。かかる境界遮光部123、124は、ベース板600の切り欠き610(太い実線で示す)から露出している。
【0041】
ベース板600の切り欠き610は、遮光部材120において開口部121、122、126が形成されている領域よりわずかに大きい。このため、ベース板600の切り欠き610からは、遮光部材120の開口部121、122、126の周辺部分がわずかに露出した状態にある。
【0042】
なお、ベース板600の切り欠き610を遮光部材120において開口部121、122、126が形成されている領域より小さくする構成も好ましい。すなわち、遮光部材120の開口部121、122、126をベース板の切り欠き610よりも大きくし、遮光部材120の一部をベース板600で覆う構成である。但し、このような構成を採用した場合でも、遮光部材120の境界遮光部123、124は、ベース板600の切り欠き610から露出している。すなわち、いずれの構成を採用した場合も、遮光部材120の一部はベース板600の切り欠き610から露出することになる。
【0043】
また、図4において、ベース板600の凹み608の左端から左側に伸びる縁、凹み609の右端から右側に伸びる縁により形成される切り欠きの縁の位置を、境界部分107に対して意図的にずらして配置するのも好ましい。この場合、意図的なずらし量としては、有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aに、凹み608から左側に伸びる縁、凹み609から右側に伸びる縁により形成される切り欠きの縁の延長線が含まれる量とするのが好ましい。
【0044】
(本形態の構造上の作用、主な効果)
このように構成した表示装置500において、有機ELパネル100A、100B、100Cでの表示を停止している間、図1(b)に示すように、第1表示領域510の全体が暗黒領域である。また、ベース板600の切り欠き610からは、遮光部材120の開口部121、122、126の周辺部分や、境界遮光部123、124が露出しているが、遮光部材120は金属板の表面に黒色の塗装が施された構成を備え、かつ、遮光部材120の前面には円偏光板130が配置されている。このため、有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aと、遮光部材120との境目が視認できない。すなわち、円偏光板130を透過した光が遮光部材120や有機ELパネル100A、100B、100Cの画像配列領域10aで反射する際、逆回転の円偏光になるため、円偏光板130を透過せず、視認されない。従って、有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aと、遮光部材120との境目が目立たない。また、本形態では、ベース板600も黒色であるため、ベース板600、遮光部材120および有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aが一体の黒領域になっている。
【0045】
また、表示装置500において表示を行なうと、図2(b)に示すように、第1表示領域510では、有機ELパネル100A、100B、100Cによって各種の情報が表示される。その際、第1表示領域510の外周領域は黒領域となる。しかも、有機ELパネル100A、100B、100Cは発光型表示パネルであるため、黒領域は暗黒領域となる。この状態でも、有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aと、遮光部材120との境目が視認できない。すなわち、円偏光板130を透過した光が遮光部材120や有機ELパネル100A、100B、100Cで表示された暗黒の外周領域で反射する際、逆回転の円偏光になるため、円偏光板130を透過せず、視認されない。従って、有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aと、遮光部材120との境目が目立たない。また、本形態では、ベース板600も黒色であるため、ベース板600、遮光部材120および有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aの外周領域が一体の黒の背景領域となる。
【0046】
このように本形態の表示装置500では、遮光部材120の前面に円偏光板130が設けられているため、遮光部材120の前面で反射した光が視認されない。このため、有機ELパネル100A、100B、100Cで情報を表示しても、有機ELパネル100A、100B、100Cで表示された暗黒領域と、遮光部材120との境目が視認できない。それ故、有機ELパネル100A、100B、100Cで表示された暗黒領域と、遮光部材120とは一体の黒色領域となって画像の背景を構成することになる。それ故、有機ELパネル100A、100B、100Cでは優れた黒表示を行なうことができるという利点を最大限活かして、表示装置500の意匠性を高めることができる。
【0047】
また、有機ELパネル100A、100B、100Cの境界領域は、遮光部材120の境界遮光部123、124で隠され、見えない。また、遮光部材120の前面に円偏光板130が設けられているため、有機ELパネル100A、100B、100Cで表示した黒色領域と境界遮光部123、124とが繋がった状態に視認され、境界遮光部123、124の存在が視認されない。従って、第1表示領域510が3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cによって構成されていることが分からない。
【0048】
さらに、遮光部材120の開口部121、122、126をベース板の切り欠き610よりも大きくし、遮光部材120の一部をベース板600で覆う構成とした場合、遮光部材120がより視認されなくなる。
【0049】
また、ベース板600の凹み608の左端から左側に伸びる縁、凹み609の右端から右側に伸びる縁により形成される切り欠きの縁の位置を、境界部分107に対して意図的にずらして配置した場合においては、凹み608から左側に伸びる縁、凹み609から右側に伸びる縁の延長線により形成される主観的輪郭線と、境界遮光部124とをずらすことになる。その結果、境界遮光部124の存在がより効果的に視認されなくなる。従って、画像表示領域内で連続した画像として認識でき、表示装置500の意匠性をより高めることができる。
【0050】
しかも、本形態では、有機ELパネル100A、100B、100Cの端部が接しているため、境界部分106、107、および遮光部材120の境界遮光部123、124の幅寸法を狭くすることができる。それ故、隣接する有機ELパネル100A、100B、100Cの間に存在する非表示領域の幅寸法を狭くすることができる。
【0051】
また、有機ELパネル100A、100B、100Cによる第1表示領域510に対して面内方向で隣接する位置に、別の表示器(メカニカルメータ)による第2表示領域560が配置されているが、第1表示領域510の一部が第2表示領域560の内側まで張り出している。このため、第1表示領域510で表示された画像と第2表示領域560で表示された画像の一体感を高めることができる。しかも、第2表示領域560の背景を構成するベース板600も黒色であるため、ベース板600、遮光部材120および有機ELパネル100A、100B、100Cの画素配列領域10aの黒表示領域が一体の黒の背景領域となる。それ故、表示装置500では、表示された情報が鮮明かつ明瞭であるため、車載用など、環境照度が大きく変動する条件で使用される場合に特に便利である。
【0052】
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2に係る表示装置の説明図である。なお、本形態の表示装置の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0053】
本形態でも、図1および図2に示す表示装置500を構成するにあたって、本形態では、後側から前側に向かって、3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cと、板状の遮光部材120と、円偏光板130とを順に配置する。ここで、遮光部材120は、円偏光板130と略同一サイズの矩形である。本形態では、3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cを予め遮光部材120に固定しておき、表示用モジュール110として一体化しておく。このため、表示装置500を組み立てる際、3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cおよび遮光部材120を表示用モジュール110として組み込めばよいので、表示装置500の組み立て作業を効率よく行なうことができる。
【0054】
また、円偏光板130についても、3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cと同様、遮光部材120に貼り付けた表示用モジュール110を構成してもよい。この場合には、表示装置500の組み立て作業をさらに効率よく行なうことができる。
【0055】
[実施の形態3]
図6は、本発明の実施の形態3に係る表示装置の説明図である。なお、本形態の表示装置の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0056】
本形態でも、図1および図2に示す表示装置500を構成するにあたって、本形態では、後側から前側に向かって、3枚の有機ELパネル100A、100B、100Cと、板状の遮光部材120と、円偏光板130とを順に配置する。ここで、遮光部材120は、スピードメータ561やタコメータ562などの第2表示領域560の背景として用いられており、図3(a)などに示すベース板600が用いられていない。このため、表示装置500の部品点数を削減することができるので、表示装置500の薄型化、軽量化、低コスト化を図ることができる。
【0057】
かかる構成でも、遮光部材120は、黒色であり、有機ELパネル100A、100B、100Cにより第1表示領域510の背景、および第2表示領域560の背景を構成する。かかる構成の場合でも、遮光部材120の前側には円偏光板130が配置されているため、有機ELパネル100A、100B、100Cの黒表示領域と、遮光部材120とは、一体の黒の背景領域となる。
【0058】
[表示装置500の駆動方法]
上記実施の形態では、3つの有機ELパネル100A、100B、100Cを備えていることから、有機ELパネル100A、100B、100Cで表示される画像を連動させることができる。この場合、表示制御部は、有機ELパネル100A、100B、100Cに対して共通の表示制御部を設けることが好ましい。その際、表示制御部は、3つの有機ELパネル100A、100B、100Cのうち、1つの有機ELパネル100Aに1フレーム分の画像データを転送した後、次の有機ELパネル100Bに1フレーム分の画像データを転送し、しかる後に、次の有機ELパネル100Cに1フレーム分の画像データを転送する方式を採用すればよい。但し、かかる方式を採用すると、3つの有機ELパネル100A、100B、100Cにおいて画像が更新されるタイミングがずれる。従って、図8〜図10を参照して説明する方式の駆動方法を採用することが好ましい。
【0059】
以下、有機ELパネル100A、100B、100Cの電気的な構成を説明した後、図8〜図10を参照して本形態の駆動方法を説明する。
【0060】
(有機ELパネル100A、100B、100Cおよび有機EL装置の構成)
図7は、本発明を適用した有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。図7に示すように、有機EL装置100xにおいて、有機ELパネル100A、100B、100Cは、素子基板10上に、複数の走査線3aと、走査線3aに対して交差する方向に延びる複数のデータ線6aと、走査線3aに対して並列して延在する複数の電源線3eとを有している。また、素子基板10において、矩形形状の画素配列領域10a(画素領域)には複数の画素10eがマトリクス状に配列されている。かかる有機ELパネル100A、100B、100Cにおいては、画素配列領域10aの全体が画像表示領域10bとして利用されている場合と、画素配列領域10aの一部が図3などを参照して説明した遮光部材120やベース板600で覆われて残りの領域のみが画像表示領域10bとして利用される場合とがある。
【0061】
データ線6aにはデータ線駆動回路101が接続され、走査線3aには走査線駆動回路104が接続されている。データ線駆動回路101は、後述する画像表示制御回路から出力された画像データおよび制御信号に基づいて各データ線6aに画像信号を出力し、走査線駆動回路104は、後述する画像表示制御回路から出力された制御信号に基づいて各走査線3aに走査信号を出力する。本形態では、データ線駆動回路101および走査線駆動回路104は、図3(b)に示す駆動用IC60に内蔵されている。
【0062】
有機ELパネル100A、100B、100Cにおいて、画素10eの各々には、走査線3aを介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の薄膜トランジスタ30bと、このスイッチング用の薄膜トランジスタ30bを介してデータ線6aから供給される画像信号を保持する保持容量70と、保持容量70によって保持された画像信号がゲート電極に供給される駆動用の薄膜トランジスタ30cと、この薄膜トランジスタ30cを介して電源線3eに電気的に接続したときに電源線3eから駆動電流が流れ込む第1電極81(陽極層)と、この第1電極81と陰極層との間に有機機能層が挟まれた有機EL素子80とが形成されている。
【0063】
かかる構成によれば、走査線3aが駆動されてスイッチング用の薄膜トランジスタ30bがオンになると、そのときのデータ線6aの電位が保持容量70に保持され、保持容量70が保持する電荷に応じて、駆動用の薄膜トランジスタ30cのオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用の薄膜トランジスタ30cのチャネルを介して、電源線3eから第1電極81に電流が流れ、さらに有機機能層を介して対極層に電流が流れる。その結果、有機EL素子80は、これを流れる電流量に応じて発光する。
【0064】
有機ELパネル100A、100B、100Cにおいて、複数の画素10eは各々、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応し、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3つの画素10eによって1つのピクセルを構成している。本形態において、有機EL素子80は、白色光、または赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の混合色光が出射され、画素10eが赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれに対応するかは、カラーフィルタ層によって規定されている。また、有機EL素子80自身が、対向する色の光が出射する場合もある。
【0065】
なお、図7に示す構成では、電源線3eは走査線3aと並列していたが、電源線3eがデータ線6aに並列している構成を採用してもよい。また、図7に示す構成では、電源線3eを利用して保持容量70を構成していたが、電源線3eとは別に容量線を形成し、かかる容量線によって保持容量70を構成してもよい。
【0066】
(駆動方法の第1例)
図8は、本発明を適用した表示装置500の駆動方法の第1例を示す説明図であり、図8(a)は、表示制御部などのブロック、および転送される画像データの説明図である。
【0067】
図8(a)に示すように、表示制御部200は、表示制御回路210およびフレームメモリ220を備えており、表示制御回路210は、上位の制御部から出力された画像データに基づいて、3つの有機ELパネル100A、100B、100Cの1フレーム分の画像データD(A)、D(B)、D(C)を生成してフレームメモリ220に一時記憶しておく。また、表示制御回路210は、フレームメモリ220に記憶されている画像データのn分の1に相当するラインデータ、例えば、1ライン分のラインデータを制御信号とともに転送ライン231、232、233を介して有機ELパネル100A、100B、100Cに転送するデータ転送処理を行なった後、次の1ライン分のラインデータを制御信号とともに有機ELパネル100A、100B、100Cに転送する。表示制御回路210は、かかるデータ転送処理を1フレーム分の画像データを転送し終えるまで繰り返す。そして、1フレーム分の画像データの終了した後、同様な方法で次の1フレーム分の画像データの転送を行なう。
【0068】
ここで、表示制御回路210は、データ転送処理の際、図8(b)に示すように、1ライン分の画像データD(A)1有機ELパネル100Aに転送した後、1ライン分の画像データD(B)1を有機ELパネル100Bに転送し、しかる後に、1ライン分の画像データD(C)1を有機ELパネル100Cに転送する。そして、かかるデータ転送処理を繰り返す。
【0069】
このような構成によれば、1フレーム分の画像データ毎に有機ELパネル100A、100B、100Cに転送する場合と比較して、有機ELパネル100A、100B、100Cでの画像更新のずれが目立たない。特に有機ELパネル100A、100B、100Cを隣接して配置すると、かかるずれが大きな違和感となるが、本形態によれば、かかる違和感の発生を防止することができる。
【0070】
(駆動方法の第2例)
図9は、本発明を適用した表示装置500の駆動方法の第2例を示す説明図であり、図9(a)は、表示制御部などのブロック、および転送される画像データの説明図である。
【0071】
図9(a)に示すように、本形態でも、表示制御部200は、表示制御回路210およびフレームメモリ220を備えており、表示制御回路210は、上位の制御部から出力された画像データに基づいて、3つの有機ELパネル100A、100B、100Cの1フレーム分の画像データD(A)、D(B)、D(C)を生成してフレームメモリ220に一時記憶しておく。また、表示制御回路210は、フレームメモリ220に記憶されている画像データのn分の1に相当するラインデータ、例えば、1ライン分のラインデータを制御信号とともに転送ライン241、242、243を介して有機ELパネル100A、100B、100Cに転送するデータ転送処理を行なった後、次の1ライン分のラインデータを制御信号とともに有機ELパネル100A、100B、100Cに転送する。
【0072】
ここで、表示制御回路210は、バッファ215を備えており、フレームメモリ220から各有機ELパネル100A、100B、100Cの1ライン分のラインデータをバッファ215に保持した後、図9(b)に示すように、画像データD(A)1、D(B)1、画像データD(C)1を有機ELパネル100A、100B、100Cに同時に転送する。そして、かかるデータ転送処理を繰り返す。
【0073】
このような構成でも、1フレーム分の画像データ毎に有機ELパネル100A、100B、100Cに転送する場合と比較して、有機ELパネル100A、100B、100Cでの画像更新のずれが目立たないなど、第1例と同様な効果を奏する。
【0074】
(駆動方法の第3例)
図10は、本発明を適用した表示装置500の駆動方法の第3例を示す説明図であり、図10(a)は、表示制御部などのブロック、および転送される画像データの説明図である。
【0075】
図10(a)に示すように、本形態でも、表示制御部200は、表示制御回路210およびフレームメモリ220を備えており、表示制御回路210は、上位の制御部から出力された画像データに基づいて、3つの有機ELパネル100A、100B、100Cの1フレーム分の画像データD(A)、D(B)、D(C)を生成してフレームメモリ220に一時記憶しておく。また、表示制御回路210は、フレームメモリ220に記憶されている画像データのn分の1に相当するラインデータ、例えば、1ライン分のラインデータを制御信号とともに有機ELパネル100A、100B、100Cに転送するデータ転送処理を行なった後、次の1ライン分のラインデータを制御信号とともに有機ELパネル100A、100B、100Cに転送する。
【0076】
ここで、有機ELパネル100A、100B、100Cは、転送ライン256、257によってカスケード接続されている。そこで、表示制御回路210は、図10(b)に示すように、有機ELパネル100A、100B、100Cに対するラインデータD(A)1、D(B)1、D(C)1を一括して転送ライン251に転送する。次に、表示制御回路210は、有機ELパネル100A、100B、100Cに対する次のラインデータD(A)2、D(B)2、D(C)2を一括して転送ライン251に転送する。その際、表示制御回路210は、転送ライン251、252、253を介して制御信号を有機ELパネル100A、100B、100Cに転送する。従って、有機ELパネル100A、100B、100Cでは、制御信号に基づいて、供給されてくるラインデータのうち、所定のラインデータに基づいて画像を表示する。
【0077】
このような構成でも、1フレーム分の画像データ毎に有機ELパネル100A、100B、100Cに転送する場合と比較して、有機ELパネル100A、100B、100Cでの画像更新のずれが目立たないなど、第1例と同様な効果を奏する。
【0078】
なお、図10(a)、(b)を参照して説明した構成において、各有機ELパネル100A、100B、100Cに所定の識別コードを付しておき、ラインデータを転送する際、識別コードに対応するIDデータをラインデータに付して転送してもよい。かかる構成によれば、有機ELパネル100A、100B、100Cでは、ラインデータに付与されたIDデータに基づいて、所定のラインデータを選択して表示を行なうことができる。
【0079】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、3つの有機ELパネル100A、100B、100Cを用いた例を説明したが、1つの有機ELパネルを用いた表示装置に本発明を適用してもよい。
【0080】
上記実施の形態では、発光型表示パネルとして有機ELパネルを用いた例に説明したが、プラズマ表示装置などの発光型表示パネルを用いた表示装置に本発明を適用してもよい。また、上記、表示装置500の駆動方法においては、プラズマ表示装置などの発光型表示パネルを用いた表示装置はもちろんのこと、液晶表示装置や電気泳動表示装置などの受光型表示パネルを含む電気光学表示装置に本発明を適用してもよい。
【0081】
上記実施の形態では、1ライン分の画像データを3つの有機ELパネル100A、100B、100Cに転送した後、次の1ライン分の画像データを3つの有機ELパネル100A、100B、100Cに転送したが、複数ライン分の画像データを3つの有機ELパネル100A、100B、100Cに転送した後、次の複数ライン分の画像データを3つの有機ELパネル100A、100B、100Cに転送してもよい。すなわち、画像データのn分の1に相当するラインデータを3つの有機ELパネル100A、100B、100Cに転送した後、次のn分の1に相当するラインデータを3つの有機ELパネル100A、100B、100Cに転送すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】(a)、(b)は、本発明の実施の形態1に係る表示装置を車のフロントパネルに搭載した様子を示す説明図、および表示装置を抜き出して示す正面図である。
【図2】(a)、(b)は、本発明の実施の形態1に係る表示装置の要部を拡大して示す正面図、および画像を表示した様子を示す説明図である。
【図3】(a)、(b)は、本発明の実施の形態1に係る表示装置の分解斜視図、および有機ELパネルを抜き出して示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る表示装置に用いた各部材の位置関係を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る表示装置の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る表示装置の説明図である。
【図7】本発明を適用した有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
【図8】本発明を適用した表示装置の駆動方法の第1例を示す説明図である。
【図9】本発明を適用した表示装置の駆動方法の第2例を示す説明図である。
【図10】本発明を適用した表示装置の駆動方法の第3例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0083】
10a・・画素配列領域、10b・・画像表示領域、10e・・画素、100A、100B、100C・・有機ELパネル(発光型表示パネル)、120・・遮光部材、121、122、126・・遮光部材の開口部、123、124・・遮光部材の境界遮光部、130・・円偏光板、200・・表示制御部、500・・表示装置、510・・第1表示領域、560・・第2表示領域、600・・ベース板、610・・ベース板の切り欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光型表示パネルと、
該発光型表示パネルの前面に当該発光型表示パネルの画像表示領域を避けて設けられた黒色の遮光部材と、
該遮光部材の前面および前記画像表示領域に対向するように設けられた円偏光板と、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記発光型表示パネルは有機エレクトロルミネッセンス表示パネルであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記発光型表示パネルは、複数が隣接して設けられ、
前記遮光部材は、前記複数の発光型表示パネルのうち、隣接する発光型表示パネルの境界領域に前側で重なる境界遮光部を備えていることを特徴とする請求項1または2に表示装置。
【請求項4】
前記複数の発光型表示パネルのうち、隣接する発光型表示パネル同士は、端部が接していることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の発光型表示パネルは、前記遮光部材に固定されていることを特徴とする請求項3または4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記発光型表示パネルに対して面内方向で隣接する位置に別の表示器を有し、
前記円偏光板の前には、前記表示器の背景を構成するベース板が設けられ、
当該ベース板には、前記複数の発光型表示パネルの画像表示領域に重なる領域が連続して切り欠かれた切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記発光型表示パネルに対して面内方向で隣接する位置に別の表示器を有し、
前記円偏光板の前には、前記表示器の背景を構成するベース板が配置され、
当該ベース板には、前記発光型表示パネルの画像表示領域に重なる領域が切り欠かれた切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記ベース板は、黒色であることを特徴とする請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記発光型表示パネルに対して面内方向で隣接する位置に別の表示器が設けられ、
前記遮光部材は、前記表示器の背景を構成していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記発光型表示パネルによる表示領域は、一部が前記表示器による表示領域の輪郭線の内側まで張り出していることを特徴とする請求項6乃至9の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示器はメカニカルメータであることを特徴とする請求項6乃至10の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
請求項3乃至6の何れか一項に記載の表示装置の駆動方法であって、
表示制御部から前記複数の発光型表示パネルに1フレーム分の画像データを転送するにあたっては、
前記複数の発光型表示パネルの各々の1フレーム分の画像データをフレームメモリに記憶しておき、
当該フレームメモリに記憶されている画像データのn分の1に相当するラインデータを前記複数の発光型表示パネルに転送するデータ転送処理を行なった後、
次のn分の1に相当するラインデータを前記複数の発光型表示パネルに転送することを特徴とする表示装置の駆動方法。
【請求項13】
前記データ転送処理では、前記ラインデータを、対応する前記発光型表示パネルに順次転送することを特徴とする請求項12に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項14】
前記データ転送処理では、前記ラインデータを、対応する前記発光型表示パネルに同時転送することを特徴とする請求項12に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項15】
前記複数の発光型表示パネルをデータ転送ラインでカスケード接続しておき、
前記データ転送処理では、前記ラインデータを前記複数の発光型表示パネル分、1つの発光型表示パネルに転送することを特徴とする請求項12に記載の表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−107551(P2010−107551A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276435(P2008−276435)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】