説明

表示装置

【課題】全体に占める有効表示領域の割合の拡大に適した構造の表示装置を提供する。
【解決手段】この表示装置は、少なくとも一方が光透過性を有すると共に互いの対向面に第1および第2の電極がそれぞれ設けられた第1および第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に設けられた表示素子とを備える。第1の基板および第1の電極は、第2の基板の端面の少なくとも一部を覆うように折り曲げられた外縁部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気泳動素子などの表示素子を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆる電子書籍端末と呼ばれる読書用途のディスプレイとして、反射型ディスプレイが提案されている。なかでも、電気泳動現象を利用してコントラストを生じさせる電気泳動型ディスプレイが注目されている。低消費電力であると共に高速応答性に優れるからである。
【0003】
電気泳動型ディスプレイは、例えば、マトリックス状に画素電極を配置した第1の基板と、対向電極が設けられた第2の基板との間に、表示材料として電気泳動分散液を封入した構造を有している。電気泳動分散液は液相分散媒に電気泳動粒子を添加したものである。画素電極と対向電極との間の電位差により電気泳動粒子の分布状態が変化し、その結果、電気泳動分散液の光学特性が変化するので、これを利用して画像や文字の形成を行う。このような電気泳動型ディスプレイとしては、例えば以下の特許文献1〜4に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−125149号公報
【特許文献2】特開2006−227053号公報
【特許文献3】特開2009−145833号公報
【特許文献4】特開2010−231230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の電気泳動型ディスプレイでは、例えば特許文献1の図1にあるように、対向する一対の基板のうちの少なくとも一方の対向面に、接続用電極や外部接続端子、あるいは信号処理回路などが設けられている。その結果、一対の基板の占有面積に占める有効表示領域を縮小せざるを得ない状況であった。
【0006】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、全体に占める有効表示領域の割合の拡大に適した構造の表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の表示装置は、少なくとも一方が光透過性を有すると共に互いの対向面に第1および第2の電極がそれぞれ設けられた第1および第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に設けられた表示素子とを備える。第1の基板および第1の電極は、第2の基板の端面の少なくとも一部を覆うように折り曲げられた外縁部を有する。
【0008】
本開示の表示装置では、第1の基板および第1の電極の外縁部が、第2の基板の端面の少なくとも一部を覆うように折り曲げられている。これにより、第2の基板の側から外縁部を介して第1の電極に電圧の供給が可能となるので、第1の基板の外面(第2の基板との対向面と反対側の面)が表示面として利用可能となる。そのうえ、第1および第2の基板の対向面における周縁部においても表示素子を設けることが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の表示装置によれば、第1の電極と第2の電極との間に所定の電圧を印加することで表示素子の動作を制御することができる。そのうえ、第1の基板および第1の電極の外縁部が折り曲げられていない場合と比較して、全体構造を拡大することなく、より大きな有効表示領域を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態に係る表示装置の回路構成を表すブロック図である。
【図2】図1に示した表示装置の概略構成を表す上面図および背面図である。
【図3】図1に示した表示装置の一部の構成を表す断面図である。
【図4】図1に示した表示装置の一部の構成を表す断面図である。
【図5】図1に示した表示装置の第1の変形例としての構成を表す断面図である。
【図6】図1に示した表示装置の第2の変形例としての構成を表す断面図である。
【図7】図1に示した表示装置の第3の変形例としての構成を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態としての、電気泳動素子1を用いた表示装置の構成を表す回路図である。この表示装置は、電気泳動現象を利用して画像(例えば文字情報など)を表示する電気泳動型ディスプレイ(いわゆる電子ペーパーディスプレイ)である。この表示装置は、例えば駆動基板10の上に、文字情報などの画像が表示される主表示部110と、その周囲を取り囲む補助表示部111とが形成されたものである。駆動基板10の背面には、例えば映像表示用のドライバである信号線駆動回路120および走査線駆動回路130が形成されている。
【0013】
主表示部110には、マトリクス状に二次元配置された複数の画素PXと、それらを駆動するための画素駆動回路150とが形成されている。画素駆動回路150において、列方向(Y軸方向)には複数の信号線120A(120A1,120A2,・・・,120Am,・・・)が配置され、行方向(X軸方向)には複数の走査線130A(130A1,130A2,・・・,130An,・・・)が配置されている。各信号線120Aと各走査線130Aとの各交差点に、画素PXが1つずつ設けられている。各画素PXには、駆動トランジスタTrと、電気泳動素子1とが設けられている。各信号線120Aは信号線駆動回路120に接続され、一方の各走査線130Aは走査線駆動回路130に接続されている。
【0014】
信号線駆動回路120は、信号供給源(図示せず)から供給される明るさ情報に応じた映像信号の信号電圧を、信号線120Aを介して選択された画素PXに供給するものである。
【0015】
走査線駆動回路130は、入力されるクロックパルスに同期してスタートパルスを順にシフト(転送)するシフトレジスタなどによって構成されている。走査線駆動回路130は、各画素PXへの映像信号の書き込みに際し行単位でそれらを走査し、各走査線130Aに走査信号を順次供給するものである。
【0016】
画素駆動回路150は、駆動基板10の支持基体11(後出)と電気泳動素子1との間の階層に設けられている。画素駆動回路150は、信号線120A、走査線130Aおよび駆動トランジスタTrをそれぞれ複数含んで構成されている。駆動トランジスタTrは、一般的な薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により構成され、その構成は例えば逆スタガー構造(いわゆるボトムゲート型)でもよいしスタガー構造(トップゲート型)でもよく特に限定されない。なお、駆動トランジスタTrがTFTである場合、チャネル層として無機半導体層を用いた無機TFTでもよいし、有機半導体層を用いた有機TFTでもよい。駆動トランジスタTrは、例えばゲート電極が走査線130Aと接続されており、走査線駆動回路130からの走査信号が供給されるようになっている。また、駆動トランジスタTrのソース電極は信号線120Aと接続されており、信号線駆動回路120からの映像信号が供給されるようになっている。さらに、駆動トランジスタTrのドレイン電極は画素PXにおける電気泳動素子1の一端と接続されている。電気泳動素子1の他端は駆動基板10と対向配置される対向電極22(後出)と接続される。
【0017】
図2に、XY平面に広がる主表示部110を含む表示装置の一構成例を表す。図2(A)は、画像が表示される表示面の側から眺めた上面図であり、図2(B)は、それとは反対側から眺めた背面図である。また、図3は、図2に示したIII−III線に沿った矢視方向の断面図である。
【0018】
この表示装置では、図3に示したように、駆動基板10と対向基板20とが複数のマイクロカプセル30Aからなる電気泳動素子層30を介して対向配置されている。この表示装置では、対向基板20の側から画像の観察が可能となっている。
【0019】
駆動基板10は、例えば支持基体11の表面に互いに立体交差する複数の信号線120Aおよび走査線130Aを含む配線層12と、駆動トランジスタTrを含む半導体層13と、複数の画素電極14とがこの順に形成されたものである。駆動トランジスタTrおよび画素電極14は、画素PXの配置に応じてマトリクス状に配置されている。さらに、半導体層13の上には、画素電極14をXY平面内において取り囲むように(すなわち主表示部110を取り囲むように)環状電極15が設けられている。環状電極15と対向電極22との間にも電気泳動素子層30が設けられており、補助表示部111を形成している。
【0020】
支持基体11は、例えば、無機材料、金属材料またはプラスチック材料などにより形成されている。無機材料は、例えば、ケイ素(Si)、酸化ケイ素(SiOx )、窒化ケイ素(SiNx )または酸化アルミニウム(AlOx )などである。この酸化ケイ素には、ガラスまたはスピンオングラス(SOG)などが含まれる。金属材料は、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)またはステンレスなどである。プラスチック材料は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリエチルエーテルケトン(PEEK)などである。
【0021】
この支持基体11は、光透過性でもよいし、非光透過性でもよい。対向基板20側において画像が表示されるため、支持基体11は必ずしも光透過性である必要がないからである。また、支持基体11は、ウェハなどの剛性を有する基板でもよいし、可撓性を有する薄層ガラスまたはフィルムでもよいが、中でも、後者であることが好ましい。軽量かつフレキシブル(折り曲げ可能)な、取り扱い性に優れた表示装置を実現できるからである。
【0022】
駆動トランジスタTrは、画素を選択するためのスイッチング用素子である。なお、配線層12および半導体層13では、信号線120Aおよび走査線130A、ならびに駆動トランジスタTrが、例えば、ポリイミドなどの絶縁性樹脂材料により埋設されている。
【0023】
画素電極14は、例えば、金(Au)、銀(Ag)もしくは銅(Cu)などの金属材料、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)などの化合物、またはその他の合金などの、各種導電性材料により形成されている。この画素電極14は、例えば半導体層13に設けられたコンタクトホール(図示せず)を通じて駆動トランジスタTrと接続されている。
【0024】
環状電極15には、画素電極14と同様に、半導体層13に設けられたTFTなどのスイッチング素子(図示せず)を介して電圧が供給されるようになっている。このため、補助表示部111は全域に亘って一様な表示(例えば白表示または黒表示)がなされ、主表示部110の額縁部分(余白部分)として機能する。なお、スイッチング素子を介して電圧供給をするのではなく、例えば金属配線を別途挿入して外部から環状電極15へ電圧供給を行ってもよい。同様に、例えばフレキシブルケーブル等により外部回路から環状電極15への電圧供給を行うことも可能である。但し、そのような金属配線やフレキシブルケーブル等を介して外部回路からの電圧供給により補助表示部111の表示駆動を行うには、環状電極15へ比較的大きなパルス電圧(例えば±15V振幅程度)が必要となる。その場合、主表示部110において表示する画像用の低振幅信号(例えば3.3V振幅)に対するノイズが懸念される。これに対し、環状電極15の直下の半導体層13にスイッチング素子を設けるようにすれば、主表示部110への画像用信号と同程度の低振幅の信号を環状電極15へ供給することで、補助表示部111の表示駆動が可能となる。よって、ノイズ対策を講じる必要性がなく、より簡素な構成を維持できる。
【0025】
対向基板20は、例えば、支持基体21の一面に対向電極22が全面形成されたものである。すなわち、対向電極22は、複数の画素に対して共通に設けられた共通電極である。ただし、対向電極22は、帯状に配置されていてもよい。
【0026】
支持基体21は、光透過性であることを除き、支持基体11と同様の材料により形成されている。対向基板20側において画像が表示されるため、支持基体21は光透過性である必要があるからである。対向電極22は、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)、酸化アンチモン−酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)またはアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)などの光透光性導電性材料(透明電極材料)により形成されている。
【0027】
対向基板20側において画像を表示する場合には、対向電極22を介して電気泳動素子層30を見ることになるため、その対向電極22の光透過性(透過率)は、できるだけ高いことが好ましく、例えば、80%以上である。また、対向電極22の電気抵抗は、できるだけ低いことが好ましく、例えば、100Ω/□以下である。
【0028】
また、対向基板20の外縁部は、駆動基板10(支持基体11)の端面11TSの少なくとも一部を覆うように折り曲げられており、折り返し部23を形成している。対向基板20の折り返し部23は、駆動基板10の背面の周縁部(外縁部)をも覆うように形成されている。駆動基板10の外縁部近傍には外部接続用の共通電位駆動電極40(以下、単に駆動電極40と記す)が設けられており、この駆動電極40と対向電極22の外縁部とが駆動基板10の背面において接続されている。また、接続方法については、通常用いられる圧着法や圧接法、半田接合など多種の手法を選択することができる。駆動電極40は、対向電極22と、外部に設けられた電源供給回路(図示せず)とを電気的に接続し、対向電極22へ所定の電位を付与する機能を担うものである。駆動電極40は、例えば蒸着法やスパッタ法によって金属膜を付着させることで作成することができる。また、駆動電極40は、粘着性の金属箔テープ等を貼付したものとしてもよい。なお、電源供給回路を駆動基板10の背面に設け、この回路の電極端子と対向電極22とを直接接続してもよい。
【0029】
図4は、図2に示したIV−IV線に沿った矢視方向の断面図である。図4に示した断面には、X軸方向に延在する走査線130Aが含まれている。走査線130Aは支持基体11の端縁まで達しており、支持基体11の端縁には引出部60が取り付けられている。引出部60は、支持基体61の表面に銅などの引出配線62が形成されたものであり、支持基体11の端縁から端面11TSを経由して背面11BSに至るまで折り返すように延在している。すなわち、引出部60は、引出配線62が支持基体11とほぼ接するように対向基板20の折り返し部23と駆動基板10との間に挟まれている。走査線130Aの端部上面は半導体層13などによって覆われておらず、他端が走査線駆動回路130に接続された引出配線62の一端と接続されている。したがって、走査線130Aは、引出配線62を介して走査線駆動回路130と接続される。なお、環状電極15の下層として(支持基体11と画素電極14および環状電極15を含む階層との間に)走査線駆動回路130を形成してもよい。その場合、引出配線62を、走査線駆動回路130と接続される電源線および信号線と接続すればよい。これにより、多数の走査線130Aを直接外部へ引き出す必要性がなくなり、構造が簡素化される。信号線駆動回路120についても同様の構造を採用することができる。環状電極15は、半導体層13と引出部60との突き合わせ部分をも乗り越えて、支持基体11の端縁に対応する領域まで覆うように設けられている。また、環状電極15と、それと対向する対向電極22との間には電気泳動素子層30(マイクロカプセル30A)が隅まで充填されている。よって、駆動基板10の外縁に至るまで無駄なく補助表示部111として機能させることができる。なお、引出部60の厚さは可能な限り半導体層13の厚さと同等とすることが望ましい。補助表示部111における表示状態の均質性を確保するため、環状電極15と対向電極22との間隔を一定に保つことが望ましいからである。
【0030】
電気泳動素子層30は、例えば電気泳動素子1を封入した複数のマイクロカプセル30Aが密に配列されたものであり、駆動基板10における対向基板20と対向する領域の全てに対応して設けられている。なお、マイクロカプセル30Aと画素電極14とは必ずしも同数ずつ存在する必要はない。電気泳動素子1は、電気泳動現象を利用してコントラストを生じさせるものであり、絶縁性液体51および複数の電気泳動粒子52を含んでいる。
【0031】
電気泳動粒子52が明表示する場合、外部から電気泳動素子1を見たときに視認される電気泳動粒子52の色は、コントラストを生じさせることができれば特に限定されないが、中でも、白色に近い色が好ましく、白色がより好ましい。一方、電気泳動粒子52が暗表示する場合、外部から電気泳動素子1を見たときに視認される電気泳動粒子52の色は、コントラストを生じさせることができれば特に限定されないが、中でも、黒色に近い色が好ましく、黒色がより好ましい。いずれの場合においても、コントラストが高くなるからである。
【0032】
なお、電気泳動素子1は、マイクロカプセル30Aに封入されていなくともよい。その場合、電気泳動素子1は、絶縁性液体51中に、複数の電気泳動粒子52と共に、電気泳動粒子52とは異なる光学的反射特性を有する複数の非泳動粒子を含有する多孔質の構造体、あるいは適当な間隔で配置した隔壁(リブ)によって空間を区切るようにした構造を含むようにしてもよい。
【0033】
[表示装置の動作]
この表示装置では、図3に示したように、初期状態において、複数の電気泳動粒子52が対向基板20から離れた位置に存在している。この場合には、対向基板20側から電気泳動素子層30を見ると、コントラストが生じていない(画像が表示されていない)状態にある。
【0034】
駆動トランジスタTrにより所定の画素が選択され、画素電極14と対向電極22との間に電圧が印加されて電界が生ずると、電気泳動粒子52が対向電極22の近傍に移動する。その結果、電気泳動素子層30においては、対向基板20から離れている電気泳動粒子52と、対向基板20の近くに存在する電気泳動粒子52とが併存することとなる。その結果、対向基板20側から電気泳動素子層30を見ると、コントラストが生じている状態になる。これにより、画像が表示される。
【0035】
[実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、光透過性を有する対向基板20の外縁部が、駆動基板10の支持基体11の端面11TSおよび背面11BSを覆うように折り曲げられた折り返し部23となっている。折り返し部23の対向電極22は、駆動基板10の背面11BSに設けられた駆動電極40と接続されている。こうすることにより、駆動基板10に設けられた駆動電極40を介して対向電極22へ電圧供給が可能となるので、対向電極22および駆動電極40に所定の電圧を印加することで電気泳動素子1の動作を制御することができる。その結果、主表示部110および補助表示部111に画像を表示することができ、対向基板20の側からその画像を観察することができる。そのうえ、駆動基板10および対向基板20における、互いの対向面の周縁部まで電気泳動素子1を充填することが可能となる。そのため、駆動基板10および対向基板20の外縁部が折り曲げられていない場合と比較して、全体構造を拡大することなく、より大きな有効表示領域を確保することができる。
【0036】
以上、実施の形態を挙げて本技術を説明したが、本技術は実施の形態で説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、第1の基板としての対向基板20の外縁部を、第2の基板としての駆動基板10の背面に至るまで回り込むようにしたが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、図5に示した第1の変形例のように、対向基板20の外縁部が、駆動基板10の端面11TSと対向する位置まで延在するようにし、駆動基板10の背面については覆わないようにしてもよい。その場合、駆動電極40Aを支持基体11における端面11TSから背面11BSに至るまで連続的に設けるようにすれば、対向電極22と駆動電極40Aとの電気的接続が確保される。
【0037】
また、上記実施の形態では、複数のマイクロカプセル30Aからなる電気泳動素子層30を例示して説明するようにしたが、電気泳動素子層30はこの態様に限定されるものではない。例えば、図6に示した第2の変形例のように、絶縁性液体51および複数の電気泳動粒子52をマイクロカプセルに封入することなく、そのまま駆動基板10と対向基板20との間に封入するようにしてもよい。この場合、絶縁性液体51および電気泳動粒子52のうち、各画素電極14と対応する領域に存在する部分が電気泳動素子1となる。
【0038】
また、上記実施の形態では、表示素子として電気泳動素子を用いた表示装置(電気泳動型ディスプレイ)について説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。本技術は、例えば図7に示した第3の変形例のように、電気泳動素子の代わりに液晶表示素子を表示素子用いた表示装置(液晶表示装置)にも適用可能である。この液晶表示装置は、電気泳動素子層30の代わりに液晶層70を備えることを除いては、上記実施の形態の表示装置と同様の構成である。具体的には、この液晶表示装置では、駆動基板10と対向基板20との間に、複数の液晶分子を含む液晶層70が封入されている。液晶層70に含まれる液晶分子の種類は任意に選択可能である。この液晶表示装置は、他に、例えば位相差板、偏光板、配向膜およびバックライトユニットなどの他の構成要素(いずれも図示せず)を備えていてもよい。なお、この液晶表示装置を駆動させるための回路は、図1に示したものと同様である。
【0039】
この液晶表示装置では、駆動トランジスタTrにより所定の液晶表示素子が選択され、その画素電極14と対向電極22との間に電界が印加されると、その電界強度に応じて液晶層70における液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶分子の配向状態に応じて光の透過量(透過率)が制御されるため、階調画像が表示される。ここでは液晶層70のうち各画素電極14と対応する領域に存在する部分が液晶表示素子1Sとなり、その液晶表示素子1Sを単位として画像表示がなされる。このような液晶表示装置においても、上記実施の形態の電気泳動素子を用いた表示装置と同様の効果が得られる。すなわち、折り返し部23を有することで、全体構造を拡大することなく、より大きな有効表示領域を確保することができる。
【0040】
また、本技術は以下のような構成を取り得るものである。
(1)
少なくとも一方が光透過性を有すると共に互いの対向面に第1および第2の電極がそれぞれ設けられた第1および第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられた表示素子とを備え、
前記第1の基板および第1の電極は、前記第2の基板の端面の少なくとも一部を覆うように折り曲げられた外縁部を有する。
表示装置。
(2)
前記第1の電極の外縁部は、前記第2の基板に設けられた第3の電極と接続されている
上記(1)記載の表示装置。
(3)
前記第1の基板および第1の電極の外縁部は、前記第2の基板の背面の少なくとも一部をも覆うように折り返されている
上記(2)記載の表示装置。
(4)
前記第3の電極は、前記第2の基板の背面に設けられている
上記(3)記載の表示装置。
(5)
前記第1の電極は複数の画素に対して共通に設けられた共通電極であり、
前記第2の電極は前記画素ごとに複数設けられた画素電極であり、
前記第3の電極は前記第1の電極の電位を決定する駆動電極である
上記(2)から(4)のいずれか1つに記載の表示装置。
(6)
前記表示素子は、前記第2の基板の対向面の全てに対応して設けられている
上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の表示装置。
(7)
前記第2の基板と前記第2の電極との間に、互いに交差するように設けられた複数の第1および第2の信号線を備え、
前記複数の第1の信号線のうちの少なくとも一端と、前記複数の第2の信号線のうちの少なくとも一端とが、それぞれ前記第2の基板の端面から背面へ至るまで折り返されている
上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の表示装置。
(8)
前記第2の基板の背面に、前記第1および第2の信号線へ信号を供給する信号処理回路が設けられている
上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の表示装置。
(9)
前記第2の基板の上面に、前記第1および第2の信号線へ信号を供給する信号処理回路が設けられている
上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の表示装置。
(10)
前記表示素子は電気泳動素子であって、
絶縁性液体中に、複数の電気泳動粒子と、前記電気泳動粒子とは異なる光学的反射特性を有する複数の非泳動粒子を含有する多孔質の構造体とを含む
上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の表示装置。
【符号の説明】
【0041】
1…電気泳動素子、10…駆動基板、11…支持基体、12…配線層、13…半導体層、14…画素電極、15…環状電極、20…対向基板、21…支持基体、22…対向電極、30…電気泳動素子層、30A…マイクロカプセル、40…共通電位駆動電極、51…絶縁性液体、52…電気泳動粒子、70…液晶層、110…主表示部、111…補助表示部、120…信号線駆動回路、120A…信号線、130…走査線駆動回路、130A…走査線、150…画素駆動回路、PX…画素。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が光透過性を有すると共に互いの対向面に第1および第2の電極がそれぞれ設けられた第1および第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられた表示素子とを備え、
前記第1の基板および第1の電極は、前記第2の基板の端面の少なくとも一部を覆うように折り曲げられた外縁部を有する
表示装置。
【請求項2】
前記第1の電極の外縁部は、前記第2の基板に設けられた第3の電極と接続されている
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の基板および第1の電極の外縁部は、前記第2の基板の背面の少なくとも一部をも覆うように折り返されている
請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記第3の電極は、前記第2の基板の背面に設けられている
請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1の電極は複数の画素に対して共通に設けられた共通電極であり、
前記第2の電極は前記画素ごとに複数設けられた画素電極であり、
前記第3の電極は前記第1の電極の電位を決定する駆動電極である
請求項2記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示素子は、前記第2の基板の対向面の全てに対応して設けられている
請求項1記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2の基板と前記第2の電極との間に、互いに交差するように設けられた複数の第1および第2の信号線を備え、
前記複数の第1の信号線のうちの少なくとも一端と、前記複数の第2の信号線のうちの少なくとも一端とが、それぞれ前記第2の基板の端面から背面へ至るまで折り返されている
請求項1記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2の基板の背面に、前記第1および第2の信号線へ信号を供給する信号処理回路が設けられている
請求項1記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2の基板の上面に、前記第1および第2の信号線へ信号を供給する信号処理回路が設けられている
請求項1記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示素子は電気泳動素子であって、
絶縁性液体中に、複数の電気泳動粒子と、前記電気泳動粒子とは異なる光学的反射特性を有する複数の非泳動粒子を含有する多孔質の構造体とを含む
請求項1記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−215841(P2012−215841A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−38708(P2012−38708)
【出願日】平成24年2月24日(2012.2.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】