説明

表面カバーを有する繊維強化熱可塑性シート

【課題】多孔質コア層を含む一実施形態の複合シート材料を提供すること。
【解決手段】この多孔質コア層は、多孔質コア層の総重量をベースとする約20重量パーセント〜約80重量パーセントの強化繊維の熱可塑性ポリマー、および有効量の難燃剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔性の繊維強化熱可塑性ポリマー複合シートに関し、特に火炎伝播の低減、煙濃度の低減、放熱の低減およびガス放出の低減のうちの少なくとも1つを実現する表面カバーを有する、難燃剤、発煙抑制剤および/または相互依存化合物を有する多孔性の繊維強化熱可塑性ポリマー複合シートに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2004年3月26日付けの米国特許出願第10/810,739号の一部継続出願(特許文献1)であり、参照によりその全文を本明細書に組み込むものとする。
【0003】
特許文献2および特許文献3に、多孔性の繊維強化熱可塑性複合シートが記載されており、この繊維強化熱可塑性シートは容易に物品に成形することができるために、製品製造業界で多数の種々の用途に使用されている。繊維強化熱可塑性シートから物品をうまく形成するために、例えば、熱スタンピング、圧縮成形および熱成形のような周知の技術が使用されてきた。
【0004】
種々の用途に使用されるために、繊維強化熱可塑性シートに対しては種々の性能試験が行われる。例えば、形成した物品を火事のような火炎現象に曝されるかも知れない環境で使用する場合には、繊維強化熱可塑性シートの火炎伝播、煙濃度、およびガス放出の特性は重要なものである。
【特許文献1】米国特許出願第10/810,739号
【特許文献2】米国特許第4,978,489号
【特許文献3】米国特許第4,670,331号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
繊維強化熱可塑性シート製品の火炎、煙および毒性についての性能は安全上の見地から改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一態様においては、多孔質コア層を含む複合シート材料を提供する。この多孔質コア層は、熱可塑性ポリマーと、多孔質コア層の総重量をベースとして約20重量パーセント〜約80重量パーセントの強化繊維と有効量の難燃剤を含む。
【0007】
他の態様においては、本発明は、多孔性の繊維強化熱可塑性シートの製造方法を提供する。この方法は、熱可塑性材料、約20重量パーセント〜約80重量パーセントの強化繊維および有効量の難燃剤を含む少なくとも1つの多孔質コア層を有する多孔性の繊維強化熱可塑性シートを供給するステップを含む。また、この方法は、多孔性の繊維強化熱可塑性シートの表面に少なくとも1つのスキンを積層するステップを含む。各スキンは、多孔性の繊維強化熱可塑性シートの火炎特性、煙特性、放熱特性、およびガス排出特性のうちの少なくとも1つを強化するために、熱可塑性フィルム、エラストマー・フィルム、金属箔、熱硬化性コーティング、無機コーティング、繊維系スクリム、不織布、織布のうちの少なくとも1つを含み、スキンは、ISO4589により測定した場合に、約22より大きい限界酸素指数を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
低火炎伝播特性、低煙密度特性、低放熱特性、および低ガス放出特性を有する多層多孔性の繊維強化熱可塑性複合シートについて以下に詳細に説明する。例示としての実施形態の場合には、多層多孔性の繊維強化熱可塑性シートは、1つまたは複数の熱可塑性材料と、熱可塑性材料内に分散している約20重量パーセント〜約80重量パーセントの繊維と、有効量のハロゲン難燃剤とから形成されている1つまたは複数の多孔質コア層を含む。コア層の少なくとも1つの表面は、接着剤または結合層を使用してまたは使用しないで、熱および/または圧力によりコア層に積層されているスキンによりカバーされている。スキン材料は、少なくとも一部は、炎に触れた場合に、複合シートの火炎伝播、放熱、煙濃度およびガス放出を所望の低減を行うように選択される。また、異なる熱可塑性材料および/または異なる繊維を有する2つ以上の多孔質コア層を一緒に積層することにより、処理特性、成形特性および最終使用の際の性能を改善することができる。さらに、性能特性を改善するためにコア層の間にスキンを積層することができる。さらに、コア層の表面に少なくとも1つのスキンを積層することにより、成形特性および形成特性を改善することができる。この場合、スキンは、繊維系スクリム、不織布および織布のうちの少なくとも1つである。
【0009】
図1を参照すると、この図は、多孔質コア層12と、その外表面18および20にスキン14および16が積層されている例示としての繊維強化熱可塑性複合シート10の断面図である。一実施形態の場合には、複合シート10は、約0.5ミリメートル(mm)〜約50mmの厚さを有し、他の実施形態の場合には、約0.5mm〜約25mmの厚さを有する。また、一実施形態の場合には、スキン14および16は、それぞれ、約25ミクロン〜約5mmの厚さを有し、他の実施形態の場合には、約25ミクロン〜約2.5mmの厚さを有する。
【0010】
コア層12は、1つまたは複数の熱可塑性樹脂により、少なくとも一部を、一緒に保持されている強化繊維上をランダムに横切ることにより形成された開放セル構造(open cell structure)からできているウェブから形成される。この場合、多孔質コア層12の隙間は、通常、コア層12の全容積の約5%〜約95%の範囲であり、特に約30%〜約80%の範囲である。他の実施形態の場合には、多孔質コア層12は、1つまたは複数の熱可塑性樹脂により、少なくとも一部を、一緒に保持されている強化繊維上をランダムに横切ることにより形成された開放セル構造からできている。この場合、セル構造の約40%〜約100%は開いていて、空気および気体が通り抜けることができる。一実施形態の場合には、コア層12は、約0.2gm/cc〜約1.8gm/ccの密度を有し、他の実施形態の場合には、約0.3gm/cc〜約1.0gm/ccの密度を有する。コア層12は、例えば、湿式堆積(wet laid)工程、エアレイド工程、ドライブレンド工程、カーディングおよびニードル工程、および不織製品を製造するために使用される他の周知の工程のような周知の製造工程により形成される。このような製造工程の組合せも使用することができる。コア層12は、高引張弾性率で平均長さが約7〜約200mmの約20重量%〜約80重量%の繊維と、約20重量%〜約80重量%の完全にまたは実質的に固化していない繊維状のまたは微粒子状の熱可塑性材料を含む。この場合、重量百分率はコア層12の総重量をベースにしている。他の実施形態の場合には、コア層は約35重量%〜約55重量%の繊維を含む。ウェブは、プラスチック材料を実質的に軟化させるためにコア層12上で熱可塑性樹脂のガラス遷移温度以上の温度に加熱され、例えば、ニップ・ローラ、カレンダー・ロール、ダブルベルト・ラミネータ、位置合わせプレス、多段プレス機、オートクレーブ、およびプラスチック材料が、流動し、繊維を濡らすことができるように、シートおよび織物を積層し、固化するために使用する他のこのようなデバイスのような1つまたは複数の固化デバイスを通過する。固化デバイス内の固化要素間のギャップは、固化していないウェブのギャップよりは小さく、完全に固化した場合のウェブのギャップよりは大きく設定され、そのためウェブは膨張し、ローラを通過した後でも実質的に浸透性を維持する。一実施形態の場合には、上記ギャップは、完全に固化した場合、ウェブの寸法より約5%〜約10%大きい寸法に設定される。完全に固化したウェブとは、完全に圧縮され、実質的に隙間を含んでいないウェブを意味する。完全に固化したウェブは5%未満の空隙を有し、無視できる程度の開いたセル構造を有する。
【0011】
高引張弾性率という用語は、引張弾性率が、ウェブ構造から形成することができる固化シートのそれよりかなり高いことを意味する。この分類に入る繊維としては、金属繊維、金属化無機繊維、金属化合成繊維、ガラス繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、セラミック繊維、およびKevlarおよびNomexという商標で販売されているアラミド繊維のような繊維があり、一般的に、常温、常圧で約10,000メガパスカル以上の引張弾性率を有する任意の繊維を含む。
【0012】
微粒子プラスチック材料は、製造中にウェブ構造の結合力を強化するために内蔵させることができる短いプラスチック繊維を含む。接着は、ウェブ構造内のプラスチック材料の熱特性を利用して行われる。その表面のところで隣接する粒子および繊維に熱可塑性成分を溶融させるために、ウェブ構造は十分加熱される。
【0013】
一実施形態の場合には、個々の強化繊維は平均的に約7mmより短くてはいけない。何故なら、これより繊維が短いと、通常、最終成形物品を適当に強化できないからである。また、繊維は平均して約200mmより長くてはいけない。何故なら、このように長い繊維は製造工程中の取り扱いが難しくなるからである。
【0014】
一実施形態の場合には、ガラス繊維が使用され、構造を強化するために、繊維は、約7〜約22ミクロンの平均直径を有する。約7ミクロンより短い直径の繊維は、容易に空気中に浮遊し、環境上の健康および安全に関する問題を引き起こす恐れがある。約22ミクロンより大きな直径の繊維は、製造工程中の取り扱いが難しくなり、成形後プラスチック・マトリックスを効率的に強化しない。
【0015】
一実施形態の場合には、熱可塑性材料の少なくとも一部は微粒子の形をしている。適当な熱可塑性材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテラクロレート、および可塑化したおよび可塑化していないポリ塩化ビニル、およびこれらの材料相互の混合物、またはこれらの材料と他のポリマー材料との混合物等があるが、これらに限定されない。他の適切な熱可塑性樹脂としては、ポリアリレン・エーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリエーテルイミド、アクリロニトリル−ブチルアクリレート−スチレン・ポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリレン・エーテル・ケトン、ポリフェニレン・スルフィド、ポリアリル・スルフォン、ポリエーテル・スルフォン、液晶性ポリマー、PARMAX(登録商標)という商標で市販されているポリ(1,4フェニレン)化合物、バイエル(Bayer)社のAPEC(登録商標)PCのような耐熱性ポリカーボネート、耐熱ナイロン、およびシリコーン、並びに合金およびこれらの材料相互の混合物、またはこれらの材料と他のポリマー材料との混合物等があるが、これらに限定されない。好適には、熱可塑性材料は、1996年3月15日付けのISO4589−2、第二版の試験方法で測定した場合、約22以上の限界酸素指数(LOI)を有することが好ましい。水に化学的に侵されない、また化学的または熱的に分解しないでも溶融および/または成形することができるように、熱により十分軟化することができる任意の熱可塑性樹脂を使用することができることが予想される。
【0016】
一実施形態の場合には、プラスチック粒子はそれほど細かくなくてもよいが、約1.5mmより大きい粒子は、等質の構造を形成するための成形工程中十分な流動性を持たないので望ましくない。もっと大きな粒子を使用した場合には固化した場合材料の曲げ弾性率が小さくなる恐れがある。一実施形態の場合には、プラスチック粒子のサイズは、約1mm程度である。
【0017】
コア層12は、さらに、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、F、Cl、Br、IおよびAtのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの有効量の難燃剤を含む。ある例示としての実施形態の場合には、難燃剤はハロゲン難燃剤である。他の実施形態の場合には、難燃剤は、例えば、テトラブロモ・ビスフェノールAのようなハロゲン化熱可塑性ポリマーである。一実施形態の場合には、コア層12内の難燃剤の量は、約2重量パーセント〜約13重量パーセントの範囲内で変えることができるし、他の実施形態の場合には、約2重量パーセント〜約5重量パーセントの範囲内で変えることができるし、さらに他の実施形態の場合には、約5重量パーセント〜約13重量パーセントの範囲内で変えることができる。
【0018】
また、コア層12は、約0.2重量パーセント〜約10重量パーセントの量の1つまたは複数の発煙抑制組成物を含むことができる。適当な発煙抑制組成物としては、錫酸塩、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、珪酸マグネシウム、モリブデン酸亜鉛カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化カルシウムおよびその混合物等があるが、これらに限定されない。
【0019】
また、コア層12は、ハロゲン難燃剤の効果を増大するための相互依存材料を含むことができる。適当な相互依存材料としては、トリクロロベンゼン・ナトリウム・スルフォネート・カリウム、ジフェニル・スルフォン−3−スルフォネート、およびその混合物等があるが、これらに限定されない。
【0020】
図1を参照すると、スキン14および16は、約200℃〜約425℃の処理温度に耐えることができる材料から形成される。スキン14および16は、熱可塑性フィルム、エラストマー・フィルム、金属箔、熱硬化性コーティング、無機コーティング、繊維強化スクリム、織布または不織布材料であってもよい。1996年3月15日付けのISO4589−2、第二版の試験方法で測定した場合、約22以上のLOIを有する熱可塑性材料の混合物を含む任意の適当な熱可塑性材料を、例えば、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテル・ケトン)、ポリ(エーテルエーテル・ケトン)、ポリ(フェニレン・スルフィド)、ポリ(エーテル・スルフォン)、ポリ(アミドイミド)、ポリ(アリル・スルフォン)、およびその組合わせのような熱可塑性フィルムを形成するために使用することができる。スクリムを形成するのに適している繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、無機繊維、金属繊維、金属化合成繊維、金属化無機繊維およびその組合わせ等があるが、これらに限定されない。好適には、スクリムを形成する際に使用する繊維は、1996年3月15日付けのISO4589−2、第二版の試験方法で測定した場合、約22以上のLOIを有するものであることが好ましい。
【0021】
一実施形態の場合には、無機コーティングは、石膏ペースト、炭酸カルシウム・ペースト、モルタルおよびコンクリートのうちの少なくとも1つの層を含む。繊維系スクリムは、湿式堆積、エアレイド、スパンボンド、およびスパンレース工程により製造した軽量不織被覆材料を含む。繊維系スクリムは、例えば、ガラス、炭素、ポリアクリロニトリル、アラミド、ポリ(p−フェニレン−ベンゾビスオキサゾール)、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(フェニレン・スルフィド)等を含む。不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダ、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含む。
【0022】
スキン14および16は、例えば、ニップ・ローラまたは積層機械を使用して、接着剤または結合層を使用してまたは使用しないで、熱および/または圧力を使用する任意の適当な積層工程によりコア層12に積層される。スキン14および16は、形成後にコア12に積層され、一実施形態の場合には、スキン14および16は、所定のサイズのシートに切断される前にコア層12に積層される。他の実施形態の場合には、スキン14および16は、シートに切断された後でコア層12に積層される。一実施形態の場合には、積層工程の温度は、スキンおよびコア層の熱可塑性樹脂のガラス遷移温度より高い。例えば、約100℃より高い。他の実施形態の場合には、スキン14および16は、熱硬化性接着剤および圧力により室温でコア層12に接着される。
【0023】
図2は、コア層32および34、およびコア層32および34に積層されているスキン36、38および40を含むもう1つの例示としての繊維強化熱可塑性シート30の断面図である。より詳細に説明すると、コア層32は、第1の表面42および第2の表面44を含み、コア層34は、第1の表面46および第2の表面48を含む。コア層32および34は、コア層32の第2の表面44がコア層34の第1の表面46に隣接するように配置される。スキン36は、コア層32の第1の表面42上に位置していて、スキン38は、コア層34の第2の表面48上に位置していて、スキン40は、コア層32の第2の表面44とコア層34の第1の表面46との間に位置する。コア層32および34およびスキン36、38および40は、繊維強化熱可塑性シート30を形成するために一緒に積層される。
【0024】
上記コア層12に類似のコア層32および34は、高引張弾性率の約20重量%〜約80重量%の繊維、および約20重量%〜約80重量%の熱可塑性材料を含む。熱可塑性材料および/またはコア層32の繊維は、シート30の所望の特性により、コア層34の熱可塑性材料および/または繊維と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0025】
上記スキン14および16に類似のスキン36、38および40は、約200℃〜約425℃の処理温度に耐えることができる材料から形成される。スキン36、38および40は、熱可塑性フィルム、繊維強化スクリム、および織布材料または不織布材料であってもよい。スキン36、38および40は、シート30の所望の特性により、同じ材料から形成することもできるし、異なる材料から形成することもできる。
【0026】
他の実施形態の場合には、シート30は、コア層32および34の間に積層されているスキン40を含んでいない。さらに他の実施形態の場合には、シート30の外表面のうちの一方だけがスキンおよび/またはコア層32および34間に積層されているスキンを含む。さらに他の実施形態の場合には、シート30は、スキン、またはコア層32の第2の表面44およびコア層34の第1の表面46の少なくとも一部をカバーするコア層32および34の間に積層されているスキン40を含む。
【0027】
図3は、多孔質コア層62、64および66、およびコア層62、64および66に積層されているスキン68、70、72および74を含むもう1つの例示としての繊維強化熱可塑性シート60の断面図である。より詳細に説明すると、コア層62は、第1の表面76および第2の表面78を含み、コア層64は、第1の表面80および第2の表面82を含み、コア層66は、第1の表面84および第2の表面86を含む。コア層62、64および66は、コア層62の第2の表面78が、コア層64の第1の表面80に隣接するように、またコア層64の第2の表面82が、コア層66の第1の表面84に隣接するように配置されている。スキン68はコア層62の第1の表面76上に位置していて、スキン70はコア層66の第2の表面86上に位置していて、スキン72はコア層62の第2の表面78およびコア層64の第1の表面80の間に位置し、スキン74はコア層64の第2の表面82およびコア層66の第1の表面84の間に位置している。コア層62、64および66およびスキン68、70、72および74は、繊維強化熱可塑性シート60を形成するために一緒に積層される。
【0028】
上記コア層12に類似のコア層62、64および66は、高弾性率の約20重量%〜約80重量%の繊維、および約20重量%〜約80重量%の1つまたは複数の熱可塑性材料を含む。各コア層62、64および66の熱可塑性材料および/または繊維は、シート60の所望の特性により他の各コア層の熱可塑性材料および/または繊維と同じものであっても異なるものであってもよい。
【0029】
上記スキン14および16に類似のスキン68、70、72および74は、約200℃〜約425℃の処理温度に耐えることができる材料から形成される。スキン68、70、72および74は、熱可塑性フィルム、繊維強化スクリム、および織布材料または不織布材料であってもよい。スキン68、70、72および74は、シート60の所望の特性により、同じ材料から形成することもできるし、異なる材料から形成することもできる。他の実施形態の場合には、シート60は、スキン68、70、72および74のうちの1つまたは複数を含むが、4つのスキンすべては含んでいない。他の実施形態の場合には、シート60は、コア層62、64および66の表面の少なくとも一部をカバーしているスキン68、70、72および74のうちの1つまたは複数を含む。
【0030】
上記多孔性の繊維強化熱可塑性複合シートは、ビルのインフラストラクチャ、航空機、列車、および船舶の側壁パネル、天井パネル、貨物船、オフィスの隔壁、エレベータ・シャフト・ライニング、天井タイル、照明器具用の収容凹部、および現在ハニカム・サンドイッチ構造、熱可塑性シートおよびFRPでできている他のこのような用途に使用することができるが、使用できる用途はこれらに限定されない。この複合シートは、例えば、圧力形成、熱形成、熱打ち抜き、真空形成、圧縮形成、およびオートクレーブ処理を含む当業者であれば周知の方法により種々の物品に成形することができる。重量に対する高い剛性比、深い絞り断面で熱形成することができること、使用後のリサイクル性、音響および望ましい低火炎伝播指数、放熱性、煙濃度、およびガス放出性をすべて有しているので、現在使用されている製品と比較すると、この多孔性の繊維強化熱可塑性複合シートはより望ましいものである。
【0031】
下記の例を参照しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、これらの例は単に例示としてのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。別段の指示がない限り、表示のすべての量は重量部である。
【0032】
サンプルAと呼ぶ対照試料およびサンプルBおよびCと呼ぶ本発明のある実施形態の例示としてのサンプルの火炎、煙およびガス放出を比較するための比較例試験を行った。サンプルAは、ULTEMという商標でGeneral Electric Company社が市販しているポリ(エーテルイミド)、およびLEXANという商標でGeneral Electric Company社が市販している臭素系難燃性添加物を含む、5パーセント:55パーセントの重量比で混合したビスフェノールAポリカーボネートの混合物から形成した多孔性繊維強化シートである。この混合樹脂は、16ミクロンの公称繊維直径および12.7mmの平均の長さを有する約40重量パーセントのガラス繊維を含む多孔性繊維強化シート内に分散した。サンプルBは、本発明のある実施形態による、ULTEMという商標でGeneral Electric Company社が市販している76ミクロンの厚さのポリ(エーテルイミド)フィルムで積層したサンプルAの多孔性繊維強化シートである。サンプルCは、本発明のある実施形態による、外表面上に積層したKEVLARという商標でE.I.du Pont de Nemours and Company社が市販している27g/mのアラミド・スクリムで積層したサンプルAの多孔性繊維強化シートである。サンプルDは、8ミルの厚さのポリプロピレン・フィルムで積層したサンプルAの多孔性繊維強化シートである。サンプルDは、17のLOIを有する積層したポリプロピレン・フィルムを含む比較用サンプルである。表1および表2に結果を示す。
【0033】
それぞれが直径16ミクロン、長さ12.7mmの50重量パーセントのガラス繊維を含む25パーセントの重量比のポリ(エーテルイミド)およびポリカーボネート樹脂の混合物から形成した多孔性繊維強化シートであるサンプルE;ポリ(エーテルイミド)および直径16ミクロン、長さ12.7mmの40重量パーセントのガラス繊維と結合している、5:55パーセントの重量比の環境に優しい難燃剤をベースとするポリカーボネート樹脂の混合物から形成した多孔性繊維強化シートであるサンプルF;直径16ミクロン、長さ12.7mmの50重量パーセントのガラス繊維を含むポリカーボネート樹脂から形成した多孔性繊維強化シートであるサンプルG;直径16ミクロン、長さ12.7mmの55重量パーセントのガラス繊維を含むポリプロピレンから形成した多孔性繊維強化シートであるサンプルH;50重量パーセントのガラス繊維を含むポリアリレン・エーテル樹脂から形成した多孔性繊維強化シートであるサンプルI;それぞれ直径16ミクロン、長さ12.7mmの50重量パーセントのガラス繊維を含む33パーセント:17パーセントの重量比で結合しているポリカーボネートおよびポリブチレン・テレフタレートの混合物から形成した多孔性繊維強化シートであるサンプルJの火炎および煙特性を比較するための比較例試験の結果を下記の表4に示す。
【0034】
英国特許第1129757号および第1329409号に記載されている湿式製紙工程により、サンプルA−J用の繊維強化熱可塑性シートを製造した。この繊維強化熱可塑性シートを、シートを部分的に硬化し、繊維を樹脂で湿らせるために、325℃および2バールでダブルベルト・ラミネータ内でさらに加熱し、加圧した。サンプルAと同じものであるが、上記条件でダブルベルト・ラミネータにより表面をカバーしている75ミクロンの厚さのポリ(エーテルイミド)フィルムを含む繊維強化熱可塑性シートからサンプルBを作成した。サンプルAと同じものであるが、上記条件でダブルベルト・ラミネータにより表面をカバーしている27g/mのアラミド・スクリムを含む繊維強化熱可塑性シートからサンプルCを作成した。サンプルAと同じものであるが、上記条件でダブルベルト・ラミネータにより表面をカバーしている8ミルの厚さのポリプロピレン・フィルムを含む繊維強化熱可塑性シートからサンプルDを作成した。
【0035】
「放射熱エネルギー源を使用する材料の表面可燃性のための標準方法」(Standard
Method for Surface Flammability of Materials Using a Radiant Heat Energy
Source)という名称のASTM法E−162−02Aにより、放射熱源およびサンプル材料の斜めの試料を使用して火炎特性を測定した。火炎伝播指数は、試験している材料の火炎先端部の進行速度および放熱速度から入手した。重要な基準は、火炎伝播指数(FSI)およびドリッピング/燃焼ドリッピング観察である。内装材についての乗客用バスの米国およびカナダの必要条件は、FSIが35以下であることおよび火炎滴下を起こさないことである。Underwriters Laboratory(UL)は、ULからのリストを入手するためには、10平方フィート以上の部分のFSIが200以下でなければならないと規定している。
【0036】
「固体材料が発生した煙の特定光学濃度の標準試験法」(Standard Test
Method for Specific Optical Density of Smoke Generated by Solid Materials)という名称のASTM法E−662−03により、密閉チャンバ内で火炎および非火炎条件に試験片を曝すことにより煙特性を測定した。試験中に発生した煙の特定の光学濃度を計算するために光透過測定を行い使用した。重要な基準は、放熱炉または放熱炉および複数の炎に曝されたサンプルが発生した煙の光学濃度(D)である。ほぼ20分間の時間を横軸にして光学濃度のグラフを描く。この最大値に達する最大光学濃度および時間は重要な出力である。米国およびカナダの鉄道規則およびいくつかの米国およびカナダのバス・ガイドラインは、1.5分経過後の最大値Dを100以下、4分経過後で200以下と規定している。Global Air社の規定は、多くの大型の内部用途の場合、4分経過後のDを200以下に設定している。
【0037】
また、ボーイング(Boeing)社が開発したFAA試験BSS−7239、およびFAR25.853(a)付録F、第IV部(OSU65/65)カロリーメータにより、毒性および火炎に対するFAA要件を測定した。
【0038】
航空機客室の内部の大部分は、通常、上記ASTM E162およびASTM E662に適合しなければならないし、4分経過後の最大値Dは200でなければならない。プラスチックに対する難しい試験は、従来からOSU 65/65放熱試験であった。この試験の場合、試験材料は規定の放射熱源に曝され、カロリーメータによる測定値が記録される。重要な基準は、5分間の試験中、平均最大放熱が65kW/mを超えてはならないことであり、試験の最初の2分間の平均全放熱が65kW−分/mを超えてはならないことである。
【0039】
60秒垂直燃焼試験の場合には、一部が60秒間小さな開放炎に曝されるが、重要な基準は、燃焼長さが150mm以下であることであり、後火炎時間が15秒以下であることであり、火炎時間ドリッピングが3秒以下であることである。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
【表3】

上記試験結果は、サンプルBのポリ(エーテルイミド)スキンおよびサンプルCのアラミド・スクリムを含む繊維強化熱可塑性シートが、サンプルAと比較した場合、火炎伝播指数Fが低減し、煙密度Dが低減し、放熱が低減し、ガス放出が低減したことを示している。表Iに示すように、サンプルBおよびCの試験結果は、サンプルAの試験結果より優れている。例えば、サンプルBおよびCの火炎伝播指数Fはそれぞれ5.5および6.0であり、サンプルAの火炎伝播指数Fの10より小さい。より詳細に説明すると、サンプルBおよびCのASTM E−162、ASTM E−662、FAR25.853(a)および60秒垂直燃焼試験による試験結果は低い数値であった。唯一異常だったのは、サンプルCの4分煙密度Dの結果である。僅か17のLOIを有する熱可塑性フィルムを含む比較例Dの火炎伝播指数Fは200より大きく、火炎滴下が見られた。さらに、各サンプルE−Jは、サンプルBおよびCの火炎伝播指数Fおよび4分煙密度Dより有意に高い火炎伝播指数Fおよび4分煙密度Dの少なくとも一方を示す。
【0043】
さらに、サンプルKと呼ぶ対照試料およびサンプルLおよびMと呼ぶ本発明のある実施形態の例示としてのサンプルの火炎、煙およびガス放出を比較する他の比較例試験を行った。サンプルLは上記サンプルA類似のサンプルである。サンプルKは上記サンプルG類似のサンプルであり、ULTEMという商標でGeneral Electric Company社が市販しているポリ(エーテルイミド)、およびLEXANという商標でGeneral Electric Company社が市販している難燃性添加物を含んでいないビスフェノールAポリカーボネート樹脂の混合物から形成した多孔性繊維強化シートである。
【0044】
さらに、サンプルKと呼ぶ対照試料およびサンプルLおよびMと呼ぶ本発明のある実施形態の例示としてのサンプルの火炎、煙およびガス放出を比較する他の比較例試験を、公称16ミクロン、長さ12.7mmの湿式切断ガラス繊維、および粉末ポリエーテルイミド樹脂、公称MFI≧25g/10min(300℃/12kgf)の比較的流動性の高いビスフェノールAポリカーボネート(BPA−PC)樹脂、およびビスフェノールAおよび公称26%臭素含有量およびMFI≧7g/10min(300℃/12kgf)を含む高分子主鎖内のテトラブロモ・ビスフェノールA(TBBPA)ユニットを含むランダム・コポリマー・ポリカーボネート樹脂の混合物を使用して行った。コア・ウェブで使用する樹脂の総臭素含有量を調整するために、異なる混合比によるポリカーボネート樹脂の粉末混合を行うことができる。コア・ウェブは、約2000±100g/mの面積重量、および約45%±5%のw/wガラス含有量を含んでいた。サンプルKを臭素を含む樹脂を使用しないで作成した。サンプルK−Mの繊維強化熱可塑性シートを、英国特許第1129757号および1329409号に記載されている湿式製紙工程により作成した。この繊維強化熱可塑性シートを、シートを部分的に硬化し、繊維を樹脂で湿らせるために、325℃および2バールでダブルベルト・ラミネータ内でさらに加熱し、加圧した。
【0045】
【表4】

サンプルK−Mの試験結果は、サンプルLおよびMに臭素を添加すると、対照試料Mと比較した場合、火炎伝播指数Fが低減することを示す。この表に示すように、サンプルLおよびMに臭素を添加すると、対照試料Mと比較した場合、最大煙密度Dが低減する。
【0046】
その任意のおよびすべての実施形態を含む、本明細書に記載および/または図示する方法および物品の要素の説明においては、冠詞「a」、「an」、「the」および「前記」は、1つまたは複数の要素が存在することを意味する。「備える」、「含む」および「有する」という用語は、包括的に使用されていて、記載した要素以外の追加の要素が存在する場合があることを意味する。
【0047】
種々の特定の実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、当業者であれば本発明の精神および特許請求の範囲から逸脱することなしに本発明を修正することができることを理解することができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態による例示としての繊維強化熱可塑性シートの断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態による例示としての繊維強化熱可塑性シートの断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態による例示としての繊維強化熱可塑性シートの断面図である。
【符号の説明】
【0049】
10 繊維強化熱可塑性複合シート
12 多孔質コア層
14,16 スキン
18,20 外表面
32,34 コア層
26,38,40 スキン
42 第1の表面
44 第2の表面
46 第1の表面
48 第2の表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質コア層を有し、前記コア層が、熱可塑性ポリマーと、前記多孔質コア層の総重量をベースとする約20重量パーセント〜約80重量パーセントの強化繊維と、有効量の難燃剤とを含む複合シート材料。
【請求項2】
前記難燃剤が、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、F、Cl、Br、IおよびAtのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の複合シート材料。
【請求項3】
前記難燃剤がハロゲン化熱可塑性ポリマーを含む請求項1に記載の複合シート材料。
【請求項4】
前記ハロゲン化熱可塑性ポリマーが、テトラブロモ・ビスフェノールAポリカーボネートを含む請求項3に記載の複合シート材料。
【請求項5】
前記コア層が、約2.0重量パーセント〜約13.0重量パーセントの臭素を含む請求項3に記載の複合シート材料。
【請求項6】
前記コア層が、約2.0重量パーセント〜約5.0重量パーセントの臭素を含む請求項3に記載の複合シート材料。
【請求項7】
発煙抑制組成物をさらに含み、前記発煙抑制組成物が、錫酸塩、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、珪酸マグネシウム、モリブデン酸亜鉛カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化カルシウムのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の複合シート材料。
【請求項8】
トリクロロベンゼン・ナトリウム・スルフォネート・カリウムおよびジフェニル・スルフォン−3−スルフォネートのうちの少なくとも1つをさらに含む請求項1に記載の複合シート材料。
【請求項9】
少なくとも1つのスキンをさらに含み、前記各スキンが前記多孔質コア層の表面の少なくとも一部をカバーし、前記スキンが、熱可塑性フィルム、エラストマー・フィルム、金属箔、熱硬化性コーティング、無機コーティング、繊維系スクリム、不織布および織布のうちの少なくとも1つを含み、前記スキンが、1996年付けのISO4589−2、第一版により、前記多孔質コア層の表面の少なくとも一部をカバーするために使用している所定の厚さで測定した場合に、約22以上の限界酸素指数を有する請求項1に記載の複合シート材料。
【請求項10】
前記熱可塑性フィルムが、ポリ(エーテル・イミド)、ポリ(エーテル・ケトン)、ポリ(エーテルエーテル・ケトン)、ポリ(フェニレン・スルフィド)、ポリ(アリレン・スルフォン)、ポリ(エーテル・スルフォン)、ポリ(アミドイミド)、ポリ(1,4フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、およびシリコーンのうちの少なくとも1つを含む請求項9に記載の複合シート材料。
【請求項11】
前記繊維系スクリムが、ガラス繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含む請求項9に記載の複合シート材料。
【請求項12】
前記繊維系スクリムが、ポリアクリロニトリル、p−アラミド、m−アラミド、ポリ(p−フェニレン2,6,ベンゾビスオキサゾール)、ポリ(エーテルイミド)およびポリ(フェニレン・スルフィド)のうちの少なくとも1つを含む請求項11に記載の複合シート材料。
【請求項13】
前記熱硬化性コーティングが、不飽和ポリウレタン、ビニル・エステル、フェノール類およびエポキシ類のうちの少なくとも1つを含む請求項9に記載の複合材料。
【請求項14】
前記無機コーティングが、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、TiおよびAlから選択したカチオンを含有する鉱物を含む請求項9に記載の複合材料。
【請求項15】
前記無機コーティングが、石膏、炭酸カルシウムおよびモルタルのうちの少なくとも1つを含む請求項14に記載の複合材料。
【請求項16】
第1の表面および第2の表面を有する第1の多孔質コア層と、
前記第1および第2の表面のうちの少なくとも一方の少なくとも一部をカバーしている少なくとも1つのスキンとを備える請求項9に記載の複合シート材料。
【請求項17】
第1および第2の多孔質コア層であって、前記コア層それぞれが第1および第2の表面を含み、前記第1のコア層の前記第2の表面が前記第2のコア層の前記第1の表面に隣接して位置している第1および第2の多孔質コア層と、
前記第1のコア層の前記第1および第2の表面および前記第2のコア層の前記第1および第2の表面の少なくとも1つの少なくとも一部をカバーしている少なくとも1つのスキンと
を備える請求項9に記載の複合シート材料。
【請求項18】
前記第1の多孔質コア層が、前記第2の多孔質コア層とは異なる熱可塑性材料および異なる繊維のうちの少なくとも1つを含む請求項17に記載の複合シート材料。
【請求項19】
第1、第2および第3の多孔質コア層であって、前記コア層それぞれが第1および第2の表面を有し、前記第1のコア層の前記第2の表面が前記第2のコア層の前記第1の表面に隣接して位置し、前記第2のコア層の前記第2の表面が前記第3のコア層の前記第1の表面に隣接して位置している第1、第2および第3の多孔質コア層と、
前記第1のコア層の前記第1および第2の表面、前記第2のコア層の前記第1および第2の表面、および前記第3のコア層の前記第1および第2の表面のうちの少なくとも1つをカバーしている少なくとも1つのスキンと
を備える請求項9に記載の複合シート材料。
【請求項20】
前記多孔質コア層のうちの1つが、前記他の層のうちの少なくとも1つとは異なる熱可塑性材料および異なる繊維のうちの少なくとも1つを含む請求項19に記載の複合シート材料。
【請求項21】
前記熱可塑性ポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレン・エーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリエーテルイミド、アクリロニトリル−ブチルアクリレート−スチレン・ポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリレン・エーテル・ケトン、ポリフェニレン・スルフィド、ポリアリル・スルフォン、ポリエーテル・スルフォン、ポリ(1,4フェニレン)化合物およびシリコーンのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の複合シート材料。
【請求項22】
約20重量パーセント〜約80重量パーセントの繊維の熱可塑性材料と、有効量の難燃剤とを含む少なくとも1つの多孔質コア層を備える多孔性の繊維強化熱可塑性シートを供給するステップと、
前記多孔性の繊維強化熱可塑性シートの表面に少なくとも1つのスキンを積層するステップであって、各スキンが、前記多孔性の繊維強化熱可塑性シートの火炎特性、煙特性、放熱特性、およびガス放出特性のうちの少なくとも1つを強化するために、熱可塑性フィルム、エラストマー・フィルム、金属箔、熱硬化性コーティング、無機コーティング、繊維系スクリム、不織布および織布のうちの少なくとも1つを備え、前記スキンが、1996年のISO4589−2、第一版により測定した場合、約22以上の制限酸素指数を有するステップと
を含む多孔性の繊維強化熱可塑性シートの製造方法。
【請求項23】
前記難燃剤が、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、F、Cl、Br、IおよびAtのうちの少なくとも1つを含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記難燃剤がハロゲン化熱可塑性ポリマーを含む請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記ハロゲン化熱可塑性ポリマーが、テトラブロモ・ビスフェノールAポリカーボネートを含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記コア層が、約2.0重量パーセント〜約13.0重量パーセントの臭素を含む請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記コア層が発煙抑制組成物をさらに含み、前記発煙抑制組成物が、錫酸塩、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、珪酸マグネシウム、モリブデン酸亜鉛カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化カルシウムのうちの少なくとも1つを含む請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記コア層が、トリクロロベンゼン・ナトリウム・スルフォネート・カリウムおよびジフェニル・スルフォン−3−スルフォネートのうちの少なくとも1つをさらに含む請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−313893(P2007−313893A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127521(P2007−127521)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(506324666)アズデル,インコーポレイティド (5)
【Fターム(参考)】