表面検査方法
【課題】シリコンウェーハの表面、またはSOIウェーハの表面に存在する欠陥や異物等に起因する微細な凹凸を高精度に検出することが可能な表面検査方法を提供する。
【解決手段】内部にシリコン酸化膜を形成しないシリコンウェーハの場合、シリコンウェーハの表面に入射させるレーザ光および光検出器に入射させる散乱光を共にP偏光とするPPモードか、または、シリコンウェーハの表面に入射させるレーザ光をC偏光、光検出器に入射させる散乱光を偏光させないCUモードとすることによって、表面検査時のバックグラウンドノイズを大幅に低減することが可能になる。
【解決手段】内部にシリコン酸化膜を形成しないシリコンウェーハの場合、シリコンウェーハの表面に入射させるレーザ光および光検出器に入射させる散乱光を共にP偏光とするPPモードか、または、シリコンウェーハの表面に入射させるレーザ光をC偏光、光検出器に入射させる散乱光を偏光させないCUモードとすることによって、表面検査時のバックグラウンドノイズを大幅に低減することが可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面検査方法に関し、詳しくは、前記シリコンウェーハの表面、または前記シリコン酸化膜の表面に存在する微細な凹凸を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの高集積化、微細化に伴って、半導体デバイスの基板であるシリコンウェーハの表層、特にデバイス活性領域に欠陥が存在しない結晶構造の完全性が求められている。こうした欠陥の一例としては、例えば、COP(Crystal Originated Particle)、FPD(Flow Pattern Defects)、LSTD(Laser Scattering Tomography Defects)などのGrow−in欠陥が挙げられる。これらGrown−in欠陥は、シリコンウェーハの表面で微細な凹凸となって現れ、半導体デバイスを形成した際に、例えば酸化膜耐圧特性を劣化させる。
【0003】
このようなシリコンウェーハの表面に存在する欠陥を検出する方法として、例えば、レーザー散乱型の表面検査装置を用いて、シリコンウェーハの表面の微細な凹凸を測定する方法が知られている(例えば、特許文献1)。この表面検査装置は、レーザー光をシリコンウェーハの表面に照射する。この時、シリコンウェーハの表面に欠陥などに起因する微細な凹凸が存在せず、平滑な状態であれば、照射したレーザー光はシリコンウェーハの表面で全て所定の角度で反射された正反射光として出力される。
【0004】
一方、シリコンウェーハの表面に欠陥などに起因する微細な凹凸が存在する場合、照射したレーザー光がこうした微細な凹凸に当たると、その部分で正反射光とは異なる角度の乱反射が生じる。このような散乱光を正反射光とは別な角度から受光素子や光電子倍増管などの光検出器で検出することにより、シリコンウェーハの表面に存在する欠陥などの個数、密度分布、大きさなどを検出することができる。
【0005】
図16は、上述したレーザー散乱型の表面検査装置を用いてシリコンウェーハの表面を検査した際の出力信号(受光信号)の一例を示す波形図である。この図によれば、表面検査装置からは、常に一定範囲のバックグラウンドノイズ(Haze成分)が出力され、異物、例えば欠陥に起因する凹みやコンタミネーションが存在する箇所では、バックグラウンドノイズよりも大きな振れ幅の波(異物からの散乱)が観測される。
【0006】
こうした異物からの散乱によって生じる波の振れ幅は、シリコンウェーハの表面に存在する微細な凹凸のサイズが小さいほど小さくなる。即ち、より小さいサイズの微細な凹凸(欠陥)を高精度に検出しようとすれば、バックグラウンドノイズ(N)と、シリコンウェーハの表面で生じた散乱光による波(S)との振れ幅の比率(S/N比)を大きくする必要がある。
【特許文献1】米国特許第6201601号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のレーザー散乱光を用いた表面検査方法では、バックグラウンドノイズ(N)と、シリコンウェーハの表面で生じた散乱光による波(S)との比率(S/N比)を大きくする方法に限界があった。このため、例えば、シリコンウェーハの表面に存在する、例えば0.05μm以下の微細な凹凸では、この微細な凹凸によって生じる散乱光からの信号がバックグラウンドノイズに埋もれてしまい、こうした0.05μm以下の微細な凹凸(欠陥)を検出することが困難であるという課題があった。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、シリコンウェーハの表面、またはこのシリコンウェーハの一面に形成したシリコン酸化膜の表面に存在する欠陥や異物等に起因する微細な凹凸を高精度に検出することが可能な表面検査方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は次のような表面検査方法を提供する。
すなわち、本発明の表面検査方法は、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハの表面、または該シリコンウェーハの内部にシリコン酸化膜を形成したSOIウェーハの表面に向けてレーザー光を照射し、前記シリコンウェーハの表面、または前記SOIウェーハの表面で乱反射した散乱光を光検出器で検出することにより、前記シリコンウェーハの表面、または前記SOIウェーハの表面に存在する微細な凹凸を検出する表面検査方法であって、
光の電気ベクトルの振動方向が入射面に含まれる直線偏光をP偏光、光の電気ベクトルの振動方向が入射面の法線と光の波面の法線とを含む面に垂直な直線偏光をS偏光、光の電気ベクトルの振動方向が、入射面に対して円状に回転する円偏光をC偏光、としたときに、前記表面に入射させる前記レーザ光および前記光検出器に入射させる前記散乱光を共に前記P偏光とするPPモード、または、前記表面に入射させる前記レーザ光を前記C偏光、前記光検出器に入射させる散乱光を偏光させないCUモード、あるいは、前記表面に入射させる前記レーザ光および前記光検出器に入射させる前記散乱光を共に前記S偏光とするSSモード、のうち、いずれか1つのモードに設定することを特徴とする表面検査方法。
【0010】
前記シリコンウェーハの表面を検査する際には、前記PPモード、または前記CUモード、前記SOIウェーハの表面を検査する際には、前記SSモードがそれぞれ選択されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の表面検査方法によれば、被検査対象として、内部にシリコン酸化膜を形成しないシリコンウェーハの場合、シリコンウェーハの表面に入射させるレーザ光および光検出器に入射させる散乱光を共にP偏光とするPPモードか、または、シリコンウェーハの表面に入射させるレーザ光をC偏光、光検出器に入射させる散乱光を偏光させないCUモードとすることによって、表面検査時のバックグラウンドノイズを大幅に低減することが可能になる。
【0012】
このバックグラウンドノイズ(N)を低減することにより、シリコンウェーハの表面に存在する微細な凹凸(欠陥)によって生じた散乱光による出力信号波(S)の振れ幅が小さい、即ち凹凸のサイズが極めて小さくても、S/N比を大きくすることができるため、こうした微細な凹凸を高精度に検出することが可能になる。
【0013】
また、被検査対象として、シリコンウェーハの内部にシリコン酸化膜を形成したSOIウェーハの場合、SOIウェーハの表面に入射させるレーザ光および光検出器に入射させる散乱光を共にS偏光とするSSモードにすることによって、シリコン酸化膜上に存在する単結晶薄膜の膜厚に依存せずに、表面検査時のバックグラウンドノイズを大幅に低減することが可能になる。これにより、SOIウェーハの微細な凹凸を高精度に検出することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る表面検査方法の最良の実施形態について、図面に基づき説明する。本実施形態は発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0015】
なお、本発明における微細な凹凸とは、シリコンウェーハの表面に存在する不純物、微小な塵(コンタミネーション)などの異物に起因するもの、および、COP、FPD、LSTDなどの結晶欠陥に起因するものなと、シリコンウェーハの表面において狭い範囲で局部的に存在する凹凸である。
一方、バックグラウンドノイズは、上述した微細な凹凸とは異なり、シリコンウェーハ全体になだらかに生じた傾斜(マイクロラフネス)により生じるとされる。本発明において、微細な凹凸とは、特に断りの無い限り、上述したシリコンウェーハの表面において、異物や結晶欠陥に起因する、狭い範囲で局部的に存在する凹凸を指す。
【0016】
図1は、本発明の表面検査方法に用いるレーザー散乱型表面検査装置の一例を示す概要図である。表面検査装置10は、レーザー光源11、側方集光ミラー12、および光検出器13を備えている。また、レーザー光源11の出射側、および光検出器13の入射側には、それぞれ第一の偏光手段14、第二の偏光手段15が設けられている。
【0017】
レーザー光源11は、所定の強度、波長のレーザー光Lを照射できるレーザー照射装置が用いられれば良い。照射するレーザー光Rは、例えば、波長域200〜700nm、強度1mW以上であればよい。側方集光ミラー12は、被検査対象、即ちシリコンウェーハ21の周縁部に沿って、シリコンウェーハ21の表面21aで生じた散乱光を光検出器13に向けて反射させる形状に形成されていればよい。光検出器13は、例えば、受光素子や光電子倍増管などから構成されていればよい。
【0018】
被検査対象として内部にシリコン酸化膜を形成しない、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハ21の場合、レーザー光源11の出射側に形成された第一の偏光手段14は、レーザー光源11から出射されたレーザー光Lを、光の電気ベクトルの振動方向が入射面、即ちシリコンウェーハ21の表面21aに含まれる直線偏光、いわゆるP偏光Lpになるように偏光させる。
【0019】
一方、被検査対象として内部にシリコン酸化膜を形成しない、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハ21の場合、シリコンウェーハ21の表面21aで生じた散乱光Ldを検出する光検出器13の入射側に形成した第二の偏光手段15も、第一の偏光手段14と同様に、シリコンウェーハ21の表面21aに含まれる直線偏光、いわゆるP偏光Lpdになるように偏光させる。
【0020】
内部にシリコン酸化膜を形成しないシリコンウェーハ21の表面21aを検査する際には、第一の偏光手段14を介したP偏光をシリコンウェーハ21の表面21aに入射させる。この時、図2に示すように、シリコンウェーハ21の表面21aに欠陥や異物などに起因する微細な凹凸が存在せず平滑な場合は、入射したP偏光Lpはそのまま角度で正反射され、正反射光Lfとして出射される。
【0021】
一方、シリコンウェーハ21の表面21aに異物などに起因する突起(微細な凹凸)31や、欠陥などに起因する凹み(微細な凹凸)32が存在する場合、入射したP偏光Lpは、これら突起31や凹み32などの微細な凹凸によって乱反射され、散乱光Ldとして正反射光Lf以外の角度で出射される。
【0022】
再び図1を参照して、こうした散乱光Ldは、側方集光ミラー12によって光検出器13に向けて反射される。そして、散乱光Ldは第二の偏光手段15を介してP偏光Lpdとされた後、光検出器13に入射する。光検出器13は、入射された散乱光LdのP偏光Lpdの強度に応じて、所定の信号(波形信号)を出力する。
【0023】
なお、こうしたシリコンウェーハ21の表面21aに存在する微細な凹凸は、例えば、不純物、微小な塵(コンタミネーション)などの異物に起因するもの、および、COP、FPD、LSTDなどの結晶欠陥に起因するものが例として挙げられる。
【0024】
また、シリコンウェーハ21は、検査範囲をカバーするように移動させつつ表面検査を行えば良い。また、シリコンウェーハ21を移動させずに、レーザー光Lを検査範囲で走査させて表面検査を行っても良い。
【0025】
本発明の表面検査方法では、被検査対象として、内部にシリコン酸化膜を形成しないシリコンウェーハ21においては、上述したように、シリコンウェーハ21に入射させるレーザー光Lを第一の偏光手段14によってP偏光Lpとするとともに、シリコンウェーハ21の表面21aで乱反射した散乱光Ldも第二の偏光手段15によってP偏光Lpdとして光検出器13に入射させたPPモードを用いて、シリコンウェーハ21の表面21aの検査を行う。
【0026】
また、図3に示すように、被検査対象として、内部にシリコン酸化膜を形成しないシリコンウェーハ21において、シリコンウェーハ21に入射させるレーザー光Lを、第三の偏光手段44によって、光の電気ベクトルの振動方向が入射面、即ちシリコンウェーハ21の表面21aに対して円状に回転する円偏光Lcになるように偏光させるのも好ましい。この場合、シリコンウェーハ21の表面21aで乱反射した散乱光Ldを偏光手段を介さずにそのまま光検出器13に入射させる。このようなCUモードを用いて、シリコンウェーハ21の表面21aの検査を行う。
【0027】
以上のように、内部ににシリコン酸化膜を形成しない、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハ21を検査する際に、上述したPPモード、またはCUモードを用いることによって、測定時のバックグラウンドノイズ(N)を低減することが可能になる。バックグラウンドノイズ(N)を低減できれば、微細な凹凸(欠陥)によって生じた散乱光による波(S)の振れ幅が小さい、即ち微細な凹凸のサイズが極めて小さくても、S/N比を大きくすることができるため、こうした微細な凹凸を高精度に検出することが可能になる。
【0028】
図4は、各種偏光モードで、内部にシリコン酸化膜を形成しない、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハを検査した際のバックグラウンドノイズ(Haze)、および5種類の粒子サンプルを用いて微細な凹凸を形成した際の出力波形の振れ幅の平均を示したグラフである。図4において、横軸の各偏光モードは2文字のアルファベットで示されている。即ち、各偏光モードを示す左のアルファベットは、シリコンウェーハの表面に入射させる光の偏光状態、また、各偏光モードを示す右のアルファベットは、シリコンウェーハの表面で乱反射された散乱光が光検出器に入射する際の光の偏光状態を示している。そして各アルファベットは、PがP偏光、SがS偏光、Cが円偏光、Uは偏光手段によって変更させない状態をそれぞれ示している。
【0029】
また、微細な凹凸を形成するための粒子サンプルは、ダスト粒子測定用標準ウェーハの作成などに用いられる標準粒子であるPSL(Polystyrene Latex)粒子を用いた。PSL粒子は極めて単散分に近い粒子であり、粒子径として0.499μm、0.300μm、0.240μm、0.204μm、および0.126μmの5種類の粒子を用いて、図5(a)に示すように、シリコンウェーハ21の表面21aに形成した。なお、こうした5種類の粒径のPSL粒子を形成したシリコンウェーハの測定例を図5(b)に示す。
【0030】
図4に示すように、内部にシリコン酸化膜を形成しない、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハを検査する際には、PPモード、即ち、シリコンウェーハの表面に入射させる光および光検出器に入射させる散乱光を共にP偏光とするモードか、または、CUモード、即ち、シリコンウェーハの表面に入射させる光をC偏光、光検出器に入射させる散乱光を偏光させないモードによって測定すると、バックグラウンドノイズ(Haze)を顕著に低減させることが可能となる。
【0031】
バックグラウンドノイズ(Haze)を低減させることによって、微弱な散乱光、即ち、シリコンウェーハの表面に存在する微細な凹凸サイズが極めて小さい場合でも、この微細な凹凸に起因する出力波形を正確に検出することができる。このような、PPモードやCUモードによってシリコンウェーハの表面を検査すると、例えば、波長355nmのレーザー波長を用いると、30nm以下、好ましくは20nm以下の極めて微細な結晶欠陥や異物を確実に検出することが可能になる。
【0032】
一方、シリコンウェーハの内部にシリコン酸化膜を形成したSOIウェーハの場合、シリコン酸化膜上に存在するシリコン単結晶薄膜に入射させるレーザー光をS偏光とするとともに、この単結晶薄膜の表面で乱反射した散乱光もS偏光として光検出器に入射させたSSモードを用いて、SOIウェーハの表面を検査することが好ましい。
【0033】
図6〜15は、シリコンウェーハの内部にシリコン酸化膜を形成したSOIウェーハを用いて、各種偏光モードで表面を検査した際のバックグラウンドノイズ(Haze)、および5種類の粒子サンプルを用いて微細な凹凸を形成した際の出力波形の振れ幅の平均を示したグラフである。
【0034】
シリコン酸化膜上に存在するシリコン単結晶薄膜の膜厚を、36nm,45nm,48nm,50nm,52nm,54nm,57nm,60nm,65nm,70nmの10段階に変化させたSOIウェーハを用意した。なお、シリコン酸化膜の膜厚は全て140nmとした。微細な凹凸を形成するためのPSL粒子サンプルは、粒子径として0.499μm、0.300μm、0.240μm、0.152μm、および0.126μmの5種類の粒子を用いた。
【0035】
偏光モードは、図4に示すグラフと同様に、横軸の各偏光モードは2文字のアルファベットで示されている。即ち、各モードを示す左のアルファベットは、SOIウェーハの表面に入射させる光の偏光状態、また、各モードを示す右のアルファベットは、SOIウェーハの表面で乱反射された散乱光が光検出器に入射する際の光の偏光状態を示している。そして各アルファベットは、PがP偏光、SがS偏光、Cが円偏光、Uは偏光手段によって変更させない状態をそれぞれ示している。
【0036】
図6〜15によれば、シリコン酸化膜上のシリコン単結晶薄膜の膜厚を段階的に変えた際に、全ての単結晶薄膜の膜厚において、SSモード、即ち、SOIウェーハの表面に入射させるレーザー光をS偏光とするとともに、SOIウェーハの表面で乱反射した散乱光もS偏光として光検出器に入射させると、バックグラウンドノイズ(Haze)を低減できることが分かる。このSSモードでSOIウェーハの表面を検査することによって、例えば、波長355nmのレーザー波長を用いた場合、シリコン酸化膜上のシリコン単結晶薄膜の膜厚によらず、例えば、30nm以下、好ましくは20nm以下の極めて微細な結晶欠陥や異物を確実に検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の表面検査方法に用いられる表面検査装置の一例を示した概略図である。
【図2】シリコンウェーハ表面での入射光の反射の様子を示した説明図である。
【図3】本発明の表面検査方法に用いられる表面検査装置の別な一例を示した概略図である。
【図4】酸化膜を形成しないシリコンウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図5】図4に示す検証の際に用いた標準粒子の一例を示す説明図である。
【図6】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図7】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図8】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図9】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図10】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図11】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図12】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図13】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図14】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図15】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図16】ウェーハ表面の微細な凹凸に起因する信号と、バックグラウンドノイズとの関係を示した波形図である。
【符号の説明】
【0038】
10 表面検査装置、11 レーザー光源、12 側方集光ミラー、13 光検出器、14 第一の偏光手段、15 第二の偏光手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面検査方法に関し、詳しくは、前記シリコンウェーハの表面、または前記シリコン酸化膜の表面に存在する微細な凹凸を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの高集積化、微細化に伴って、半導体デバイスの基板であるシリコンウェーハの表層、特にデバイス活性領域に欠陥が存在しない結晶構造の完全性が求められている。こうした欠陥の一例としては、例えば、COP(Crystal Originated Particle)、FPD(Flow Pattern Defects)、LSTD(Laser Scattering Tomography Defects)などのGrow−in欠陥が挙げられる。これらGrown−in欠陥は、シリコンウェーハの表面で微細な凹凸となって現れ、半導体デバイスを形成した際に、例えば酸化膜耐圧特性を劣化させる。
【0003】
このようなシリコンウェーハの表面に存在する欠陥を検出する方法として、例えば、レーザー散乱型の表面検査装置を用いて、シリコンウェーハの表面の微細な凹凸を測定する方法が知られている(例えば、特許文献1)。この表面検査装置は、レーザー光をシリコンウェーハの表面に照射する。この時、シリコンウェーハの表面に欠陥などに起因する微細な凹凸が存在せず、平滑な状態であれば、照射したレーザー光はシリコンウェーハの表面で全て所定の角度で反射された正反射光として出力される。
【0004】
一方、シリコンウェーハの表面に欠陥などに起因する微細な凹凸が存在する場合、照射したレーザー光がこうした微細な凹凸に当たると、その部分で正反射光とは異なる角度の乱反射が生じる。このような散乱光を正反射光とは別な角度から受光素子や光電子倍増管などの光検出器で検出することにより、シリコンウェーハの表面に存在する欠陥などの個数、密度分布、大きさなどを検出することができる。
【0005】
図16は、上述したレーザー散乱型の表面検査装置を用いてシリコンウェーハの表面を検査した際の出力信号(受光信号)の一例を示す波形図である。この図によれば、表面検査装置からは、常に一定範囲のバックグラウンドノイズ(Haze成分)が出力され、異物、例えば欠陥に起因する凹みやコンタミネーションが存在する箇所では、バックグラウンドノイズよりも大きな振れ幅の波(異物からの散乱)が観測される。
【0006】
こうした異物からの散乱によって生じる波の振れ幅は、シリコンウェーハの表面に存在する微細な凹凸のサイズが小さいほど小さくなる。即ち、より小さいサイズの微細な凹凸(欠陥)を高精度に検出しようとすれば、バックグラウンドノイズ(N)と、シリコンウェーハの表面で生じた散乱光による波(S)との振れ幅の比率(S/N比)を大きくする必要がある。
【特許文献1】米国特許第6201601号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のレーザー散乱光を用いた表面検査方法では、バックグラウンドノイズ(N)と、シリコンウェーハの表面で生じた散乱光による波(S)との比率(S/N比)を大きくする方法に限界があった。このため、例えば、シリコンウェーハの表面に存在する、例えば0.05μm以下の微細な凹凸では、この微細な凹凸によって生じる散乱光からの信号がバックグラウンドノイズに埋もれてしまい、こうした0.05μm以下の微細な凹凸(欠陥)を検出することが困難であるという課題があった。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、シリコンウェーハの表面、またはこのシリコンウェーハの一面に形成したシリコン酸化膜の表面に存在する欠陥や異物等に起因する微細な凹凸を高精度に検出することが可能な表面検査方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は次のような表面検査方法を提供する。
すなわち、本発明の表面検査方法は、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハの表面、または該シリコンウェーハの内部にシリコン酸化膜を形成したSOIウェーハの表面に向けてレーザー光を照射し、前記シリコンウェーハの表面、または前記SOIウェーハの表面で乱反射した散乱光を光検出器で検出することにより、前記シリコンウェーハの表面、または前記SOIウェーハの表面に存在する微細な凹凸を検出する表面検査方法であって、
光の電気ベクトルの振動方向が入射面に含まれる直線偏光をP偏光、光の電気ベクトルの振動方向が入射面の法線と光の波面の法線とを含む面に垂直な直線偏光をS偏光、光の電気ベクトルの振動方向が、入射面に対して円状に回転する円偏光をC偏光、としたときに、前記表面に入射させる前記レーザ光および前記光検出器に入射させる前記散乱光を共に前記P偏光とするPPモード、または、前記表面に入射させる前記レーザ光を前記C偏光、前記光検出器に入射させる散乱光を偏光させないCUモード、あるいは、前記表面に入射させる前記レーザ光および前記光検出器に入射させる前記散乱光を共に前記S偏光とするSSモード、のうち、いずれか1つのモードに設定することを特徴とする表面検査方法。
【0010】
前記シリコンウェーハの表面を検査する際には、前記PPモード、または前記CUモード、前記SOIウェーハの表面を検査する際には、前記SSモードがそれぞれ選択されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の表面検査方法によれば、被検査対象として、内部にシリコン酸化膜を形成しないシリコンウェーハの場合、シリコンウェーハの表面に入射させるレーザ光および光検出器に入射させる散乱光を共にP偏光とするPPモードか、または、シリコンウェーハの表面に入射させるレーザ光をC偏光、光検出器に入射させる散乱光を偏光させないCUモードとすることによって、表面検査時のバックグラウンドノイズを大幅に低減することが可能になる。
【0012】
このバックグラウンドノイズ(N)を低減することにより、シリコンウェーハの表面に存在する微細な凹凸(欠陥)によって生じた散乱光による出力信号波(S)の振れ幅が小さい、即ち凹凸のサイズが極めて小さくても、S/N比を大きくすることができるため、こうした微細な凹凸を高精度に検出することが可能になる。
【0013】
また、被検査対象として、シリコンウェーハの内部にシリコン酸化膜を形成したSOIウェーハの場合、SOIウェーハの表面に入射させるレーザ光および光検出器に入射させる散乱光を共にS偏光とするSSモードにすることによって、シリコン酸化膜上に存在する単結晶薄膜の膜厚に依存せずに、表面検査時のバックグラウンドノイズを大幅に低減することが可能になる。これにより、SOIウェーハの微細な凹凸を高精度に検出することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る表面検査方法の最良の実施形態について、図面に基づき説明する。本実施形態は発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0015】
なお、本発明における微細な凹凸とは、シリコンウェーハの表面に存在する不純物、微小な塵(コンタミネーション)などの異物に起因するもの、および、COP、FPD、LSTDなどの結晶欠陥に起因するものなと、シリコンウェーハの表面において狭い範囲で局部的に存在する凹凸である。
一方、バックグラウンドノイズは、上述した微細な凹凸とは異なり、シリコンウェーハ全体になだらかに生じた傾斜(マイクロラフネス)により生じるとされる。本発明において、微細な凹凸とは、特に断りの無い限り、上述したシリコンウェーハの表面において、異物や結晶欠陥に起因する、狭い範囲で局部的に存在する凹凸を指す。
【0016】
図1は、本発明の表面検査方法に用いるレーザー散乱型表面検査装置の一例を示す概要図である。表面検査装置10は、レーザー光源11、側方集光ミラー12、および光検出器13を備えている。また、レーザー光源11の出射側、および光検出器13の入射側には、それぞれ第一の偏光手段14、第二の偏光手段15が設けられている。
【0017】
レーザー光源11は、所定の強度、波長のレーザー光Lを照射できるレーザー照射装置が用いられれば良い。照射するレーザー光Rは、例えば、波長域200〜700nm、強度1mW以上であればよい。側方集光ミラー12は、被検査対象、即ちシリコンウェーハ21の周縁部に沿って、シリコンウェーハ21の表面21aで生じた散乱光を光検出器13に向けて反射させる形状に形成されていればよい。光検出器13は、例えば、受光素子や光電子倍増管などから構成されていればよい。
【0018】
被検査対象として内部にシリコン酸化膜を形成しない、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハ21の場合、レーザー光源11の出射側に形成された第一の偏光手段14は、レーザー光源11から出射されたレーザー光Lを、光の電気ベクトルの振動方向が入射面、即ちシリコンウェーハ21の表面21aに含まれる直線偏光、いわゆるP偏光Lpになるように偏光させる。
【0019】
一方、被検査対象として内部にシリコン酸化膜を形成しない、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハ21の場合、シリコンウェーハ21の表面21aで生じた散乱光Ldを検出する光検出器13の入射側に形成した第二の偏光手段15も、第一の偏光手段14と同様に、シリコンウェーハ21の表面21aに含まれる直線偏光、いわゆるP偏光Lpdになるように偏光させる。
【0020】
内部にシリコン酸化膜を形成しないシリコンウェーハ21の表面21aを検査する際には、第一の偏光手段14を介したP偏光をシリコンウェーハ21の表面21aに入射させる。この時、図2に示すように、シリコンウェーハ21の表面21aに欠陥や異物などに起因する微細な凹凸が存在せず平滑な場合は、入射したP偏光Lpはそのまま角度で正反射され、正反射光Lfとして出射される。
【0021】
一方、シリコンウェーハ21の表面21aに異物などに起因する突起(微細な凹凸)31や、欠陥などに起因する凹み(微細な凹凸)32が存在する場合、入射したP偏光Lpは、これら突起31や凹み32などの微細な凹凸によって乱反射され、散乱光Ldとして正反射光Lf以外の角度で出射される。
【0022】
再び図1を参照して、こうした散乱光Ldは、側方集光ミラー12によって光検出器13に向けて反射される。そして、散乱光Ldは第二の偏光手段15を介してP偏光Lpdとされた後、光検出器13に入射する。光検出器13は、入射された散乱光LdのP偏光Lpdの強度に応じて、所定の信号(波形信号)を出力する。
【0023】
なお、こうしたシリコンウェーハ21の表面21aに存在する微細な凹凸は、例えば、不純物、微小な塵(コンタミネーション)などの異物に起因するもの、および、COP、FPD、LSTDなどの結晶欠陥に起因するものが例として挙げられる。
【0024】
また、シリコンウェーハ21は、検査範囲をカバーするように移動させつつ表面検査を行えば良い。また、シリコンウェーハ21を移動させずに、レーザー光Lを検査範囲で走査させて表面検査を行っても良い。
【0025】
本発明の表面検査方法では、被検査対象として、内部にシリコン酸化膜を形成しないシリコンウェーハ21においては、上述したように、シリコンウェーハ21に入射させるレーザー光Lを第一の偏光手段14によってP偏光Lpとするとともに、シリコンウェーハ21の表面21aで乱反射した散乱光Ldも第二の偏光手段15によってP偏光Lpdとして光検出器13に入射させたPPモードを用いて、シリコンウェーハ21の表面21aの検査を行う。
【0026】
また、図3に示すように、被検査対象として、内部にシリコン酸化膜を形成しないシリコンウェーハ21において、シリコンウェーハ21に入射させるレーザー光Lを、第三の偏光手段44によって、光の電気ベクトルの振動方向が入射面、即ちシリコンウェーハ21の表面21aに対して円状に回転する円偏光Lcになるように偏光させるのも好ましい。この場合、シリコンウェーハ21の表面21aで乱反射した散乱光Ldを偏光手段を介さずにそのまま光検出器13に入射させる。このようなCUモードを用いて、シリコンウェーハ21の表面21aの検査を行う。
【0027】
以上のように、内部ににシリコン酸化膜を形成しない、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハ21を検査する際に、上述したPPモード、またはCUモードを用いることによって、測定時のバックグラウンドノイズ(N)を低減することが可能になる。バックグラウンドノイズ(N)を低減できれば、微細な凹凸(欠陥)によって生じた散乱光による波(S)の振れ幅が小さい、即ち微細な凹凸のサイズが極めて小さくても、S/N比を大きくすることができるため、こうした微細な凹凸を高精度に検出することが可能になる。
【0028】
図4は、各種偏光モードで、内部にシリコン酸化膜を形成しない、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハを検査した際のバックグラウンドノイズ(Haze)、および5種類の粒子サンプルを用いて微細な凹凸を形成した際の出力波形の振れ幅の平均を示したグラフである。図4において、横軸の各偏光モードは2文字のアルファベットで示されている。即ち、各偏光モードを示す左のアルファベットは、シリコンウェーハの表面に入射させる光の偏光状態、また、各偏光モードを示す右のアルファベットは、シリコンウェーハの表面で乱反射された散乱光が光検出器に入射する際の光の偏光状態を示している。そして各アルファベットは、PがP偏光、SがS偏光、Cが円偏光、Uは偏光手段によって変更させない状態をそれぞれ示している。
【0029】
また、微細な凹凸を形成するための粒子サンプルは、ダスト粒子測定用標準ウェーハの作成などに用いられる標準粒子であるPSL(Polystyrene Latex)粒子を用いた。PSL粒子は極めて単散分に近い粒子であり、粒子径として0.499μm、0.300μm、0.240μm、0.204μm、および0.126μmの5種類の粒子を用いて、図5(a)に示すように、シリコンウェーハ21の表面21aに形成した。なお、こうした5種類の粒径のPSL粒子を形成したシリコンウェーハの測定例を図5(b)に示す。
【0030】
図4に示すように、内部にシリコン酸化膜を形成しない、シリコン単結晶からなるシリコンウェーハを検査する際には、PPモード、即ち、シリコンウェーハの表面に入射させる光および光検出器に入射させる散乱光を共にP偏光とするモードか、または、CUモード、即ち、シリコンウェーハの表面に入射させる光をC偏光、光検出器に入射させる散乱光を偏光させないモードによって測定すると、バックグラウンドノイズ(Haze)を顕著に低減させることが可能となる。
【0031】
バックグラウンドノイズ(Haze)を低減させることによって、微弱な散乱光、即ち、シリコンウェーハの表面に存在する微細な凹凸サイズが極めて小さい場合でも、この微細な凹凸に起因する出力波形を正確に検出することができる。このような、PPモードやCUモードによってシリコンウェーハの表面を検査すると、例えば、波長355nmのレーザー波長を用いると、30nm以下、好ましくは20nm以下の極めて微細な結晶欠陥や異物を確実に検出することが可能になる。
【0032】
一方、シリコンウェーハの内部にシリコン酸化膜を形成したSOIウェーハの場合、シリコン酸化膜上に存在するシリコン単結晶薄膜に入射させるレーザー光をS偏光とするとともに、この単結晶薄膜の表面で乱反射した散乱光もS偏光として光検出器に入射させたSSモードを用いて、SOIウェーハの表面を検査することが好ましい。
【0033】
図6〜15は、シリコンウェーハの内部にシリコン酸化膜を形成したSOIウェーハを用いて、各種偏光モードで表面を検査した際のバックグラウンドノイズ(Haze)、および5種類の粒子サンプルを用いて微細な凹凸を形成した際の出力波形の振れ幅の平均を示したグラフである。
【0034】
シリコン酸化膜上に存在するシリコン単結晶薄膜の膜厚を、36nm,45nm,48nm,50nm,52nm,54nm,57nm,60nm,65nm,70nmの10段階に変化させたSOIウェーハを用意した。なお、シリコン酸化膜の膜厚は全て140nmとした。微細な凹凸を形成するためのPSL粒子サンプルは、粒子径として0.499μm、0.300μm、0.240μm、0.152μm、および0.126μmの5種類の粒子を用いた。
【0035】
偏光モードは、図4に示すグラフと同様に、横軸の各偏光モードは2文字のアルファベットで示されている。即ち、各モードを示す左のアルファベットは、SOIウェーハの表面に入射させる光の偏光状態、また、各モードを示す右のアルファベットは、SOIウェーハの表面で乱反射された散乱光が光検出器に入射する際の光の偏光状態を示している。そして各アルファベットは、PがP偏光、SがS偏光、Cが円偏光、Uは偏光手段によって変更させない状態をそれぞれ示している。
【0036】
図6〜15によれば、シリコン酸化膜上のシリコン単結晶薄膜の膜厚を段階的に変えた際に、全ての単結晶薄膜の膜厚において、SSモード、即ち、SOIウェーハの表面に入射させるレーザー光をS偏光とするとともに、SOIウェーハの表面で乱反射した散乱光もS偏光として光検出器に入射させると、バックグラウンドノイズ(Haze)を低減できることが分かる。このSSモードでSOIウェーハの表面を検査することによって、例えば、波長355nmのレーザー波長を用いた場合、シリコン酸化膜上のシリコン単結晶薄膜の膜厚によらず、例えば、30nm以下、好ましくは20nm以下の極めて微細な結晶欠陥や異物を確実に検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の表面検査方法に用いられる表面検査装置の一例を示した概略図である。
【図2】シリコンウェーハ表面での入射光の反射の様子を示した説明図である。
【図3】本発明の表面検査方法に用いられる表面検査装置の別な一例を示した概略図である。
【図4】酸化膜を形成しないシリコンウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図5】図4に示す検証の際に用いた標準粒子の一例を示す説明図である。
【図6】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図7】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図8】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図9】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図10】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図11】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図12】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図13】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図14】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図15】SOIウェーハにおけるバックグラウンドノイズの低減効果を示したグラフである。
【図16】ウェーハ表面の微細な凹凸に起因する信号と、バックグラウンドノイズとの関係を示した波形図である。
【符号の説明】
【0038】
10 表面検査装置、11 レーザー光源、12 側方集光ミラー、13 光検出器、14 第一の偏光手段、15 第二の偏光手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン単結晶からなるシリコンウェーハの表面、または該シリコンウェーハの内部にシリコン酸化膜を形成したSOIウェーハの表面に向けてレーザー光を照射し、前記シリコンウェーハの表面、または前記SOIウェーハの表面で乱反射した散乱光を光検出器で検出することにより、前記シリコンウェーハの表面、または前記SOIウェーハの表面に存在する微細な凹凸を検出する表面検査方法であって、
光の電気ベクトルの振動方向が入射面に含まれる直線偏光をP偏光、
光の電気ベクトルの振動方向が入射面の法線と光の波面の法線とを含む面に垂直な直線偏光をS偏光、
光の電気ベクトルの振動方向が、入射面に対して円状に回転する円偏光をC偏光、
としたときに、
前記表面に入射させる前記レーザ光および前記光検出器に入射させる前記散乱光を共に前記P偏光とするPPモード、
または、前記表面に入射させる前記レーザ光を前記C偏光、前記光検出器に入射させる散乱光を偏光させないCUモード、
あるいは、前記表面に入射させる前記レーザ光および前記光検出器に入射させる前記散乱光を共に前記S偏光とするSSモード、
のうち、いずれか1つのモードに設定することを特徴とする表面検査方法。
【請求項2】
前記シリコンウェーハの表面を検査する際には、前記PPモード、または前記CUモード、
前記SOIウェーハの表面を検査する際には、前記SSモードがそれぞれ選択されることを特徴とする請求項1記載の表面検査方法。
【請求項1】
シリコン単結晶からなるシリコンウェーハの表面、または該シリコンウェーハの内部にシリコン酸化膜を形成したSOIウェーハの表面に向けてレーザー光を照射し、前記シリコンウェーハの表面、または前記SOIウェーハの表面で乱反射した散乱光を光検出器で検出することにより、前記シリコンウェーハの表面、または前記SOIウェーハの表面に存在する微細な凹凸を検出する表面検査方法であって、
光の電気ベクトルの振動方向が入射面に含まれる直線偏光をP偏光、
光の電気ベクトルの振動方向が入射面の法線と光の波面の法線とを含む面に垂直な直線偏光をS偏光、
光の電気ベクトルの振動方向が、入射面に対して円状に回転する円偏光をC偏光、
としたときに、
前記表面に入射させる前記レーザ光および前記光検出器に入射させる前記散乱光を共に前記P偏光とするPPモード、
または、前記表面に入射させる前記レーザ光を前記C偏光、前記光検出器に入射させる散乱光を偏光させないCUモード、
あるいは、前記表面に入射させる前記レーザ光および前記光検出器に入射させる前記散乱光を共に前記S偏光とするSSモード、
のうち、いずれか1つのモードに設定することを特徴とする表面検査方法。
【請求項2】
前記シリコンウェーハの表面を検査する際には、前記PPモード、または前記CUモード、
前記SOIウェーハの表面を検査する際には、前記SSモードがそれぞれ選択されることを特徴とする請求項1記載の表面検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−92984(P2010−92984A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259907(P2008−259907)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(302006854)株式会社SUMCO (1,197)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(302006854)株式会社SUMCO (1,197)
【Fターム(参考)】
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