表面観察装置および表面観察方法
【課題】初心者であっても、試行錯誤することなく、様々な評価対象パターンに対して、最適な評価指標を容易に選択可能な表面観察装置を実現する技術の提供。
【解決手段】画像処理部から評価画像入力部に複数の評価画像が入力される(ステップ901)。入力された評価画像はディスプレイ115に表示され、ユーザはディスプレイを参照しながらユーザの評価基準で画像を並べ替えて評価基準を定義する(ステップ902)。入力された評価画像に対して複数の評価指標で評価値を算出する(ステップ903)。各評価指標における評価値と、ユーザが定義した評価基準とを比較して、相関係数を算出して(ステップ904)、ユーザが定義した評価基準に対して、相関係数の絶対値が最大の評価指標を、最も近い評価基準として自動選択する(ステップ905)。相関係数順に、画像が並びけられ、ディスプレイに評価値順に一覧表示される(ステップ906)。
【解決手段】画像処理部から評価画像入力部に複数の評価画像が入力される(ステップ901)。入力された評価画像はディスプレイ115に表示され、ユーザはディスプレイを参照しながらユーザの評価基準で画像を並べ替えて評価基準を定義する(ステップ902)。入力された評価画像に対して複数の評価指標で評価値を算出する(ステップ903)。各評価指標における評価値と、ユーザが定義した評価基準とを比較して、相関係数を算出して(ステップ904)、ユーザが定義した評価基準に対して、相関係数の絶対値が最大の評価指標を、最も近い評価基準として自動選択する(ステップ905)。相関係数順に、画像が並びけられ、ディスプレイに評価値順に一覧表示される(ステップ906)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察条件を登録したレシピに基づき、様々な観察条件で試料の表面の観察を行なう表面観察装置および表面観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造等において、高い歩留りを確保するためには、製造工程で発生する欠陥を早期に発見して、対策を施すことが重要である。近年、半導体の微細化に伴い、微小な欠陥であっても、歩留りに与える影響を無視できなくなり、観察対象となる欠陥の多様化が進んでいる。
【0003】
SEM(Scanning Electron Microscope)式欠陥観察装置は、このような多様な欠陥を観察するための装置であり、一般に上位の検査装置で検出した欠陥位置をもとに、欠陥を観察するものである。ところが、半導体の微細化に伴い、上位の検査装置では欠陥が検出できない事例が増えたため、SEM式観察装置で、観察位置・範囲をSEM式観察装置上で設定して観察する定点観察機能の重要性が高まってきている。
【0004】
また、定点観察、特に半導体製造工程におけるプロセスモニタリングの用途では、測長SEMが用いられてきた。測長SEMでは、指定パターンの長さを計測して、管理値とすることで、プロセスの完成度を定量化している。ところが、測長対象となるパターンの変動が大きすぎる場合、例えば、ラインパターンのオープンやショートなど、極端なプロセス変動に弱いという欠点がある。
【0005】
さらに、ユーザの評価指標が多様化しており、測長値だけでは、十分な評価ができない事例が発生しており、SEM式欠陥観察装置の定点観察機能を用いて、様々な評価指標で、プロセスの完成度を定量化したいという要望が増加してきている。
【0006】
このため、特許文献1に記載の技術では、評価対象パターンに応じて、複数のパターンエッジ検出アルゴリズムを使い分け、測長精度を向上させる方法が開示されている。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術では、欠陥検査装置において、欠陥画像や算出したコントラスト、輝度分布を並べて表示し、ユーザが最適テスト条件を選択することが容易となるように、構成されている。
【0008】
さらに、特許文献2に記載の技術では、欠陥検査装置において、画面上に設定条件毎の画像を一覧表示すると共に評価指標も一覧表示することにより、ユーザによる最適な条件選択を支援している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−147113号公報
【特許文献2】特開2002−303586号公報
【特許文献3】特開2004−294358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に開示されている方法により、評価対象パターンに応じて、最適な測長アルゴリズムを選択することができるが、プロセスの完成度を定量化する場合には、評価対象パターンは、多様で、測長値のみでは評価できない事例が増加している。
【0011】
また、測長値をはじめ、複数の評価指標を搭載した装置が存在するが、複数の評価指標のうち、最適な評価指標を選択する作業は、特に、初心者にとっては困難な作業である。
【0012】
特許文献2や3のように、欠陥画像や算出したコントラスト、輝度分布を並べて表示したり、評価指標も一覧表示することにより、ユーザによる条件選択の支援を行なうことはできるが、依然として、複数の条件からユーザが最適な条件を選択する必要があり、初心者にとっては、依然として困難な作業であった。また、熟練者であっても、さらに短時間に最適条件を判断することができれば、欠陥検査の時間短縮が可能であるが、従来の技術では、欠陥検査の時間短縮が困難であった。
【0013】
本発明の目的は、初心者であっても、試行錯誤することなく、様々な評価対象パターンに対して、最適な評価指標を容易に選択可能な表面観察装置および表面観察方法を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成される。
【0015】
試料の表面を観察する表面観察装置において、試料の表面の複数部分の表面画像を処理する画像処理部と、この画像処理部により処理された複数の表面画像のそれぞれを、複数の評価指標に従って、評価値を算出する指標別評価値算出部と、入力手段により入力された評価基準と上記複数の評価指標のそれぞれとの相関係数を算出し、算出した相関係数が最大の評価指標を選択する相関係数算出部と、相関係数算出部により選択された最大の評価指標を推奨する評価指標として、画面に表示する表示部とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、初心者であっても、試行錯誤することなく、観察画像に最適な評価指標を選択できるため、指標選択に要する時間を削減することができる。また、既存の評価指標を組み合わせて新たな評価指標を作成することができるので、ソフトウェア開発のコストを抑えて、新たな評価指標を導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明が適用されるSEM式欠陥観察装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施例の動作フローチャートであり、複数の評価指標で評価値を算出し、ユーザの評価基準に合う評価指標を選択する手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例におけるGUIの一例であり、複数の評価指標別、評価値順に画像を一覧表示する例を示す図である。
【図4】本発明の実施例におけるGUIの一例であり、着目する評価指標に対して、評価値順に画像を表示し、選択した画像の詳細情報、特に基準画像を表示する例を示す図である。
【図5】本発明の実施例におけるGUIの一例であり、着目する評価指標に対して、評価値順に画像を表示し、選択した画像の詳細情報、特にウェーハマップを表示する例を示す図である。
【図6】本発明の実施例におけるGUIの一例であり、着目する評価指標に対して、評価値順に画像を表示し、選択した画像の詳細情報、特に撮像条件を表示する例を示す図である。
【図7】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、複数の評価指標で評価値を算出し、ユーザの評価基準に合う評価指標を選択する手順において、サンプリングにより評価対象を限定することで、処理時間を短縮するフローチャートである。
【図8】本発明の実施例における処理時間短縮のためのサンプリングの説明図である。
【図9】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、画像を並べ替えることで評価基準を定義し、定義した評価基準に最も近い評価指標を自動選択する動作フローチャートである。
【図10】本発明の実施例における全体制御部の内部機能ブロック図である。
【図11】本発明の実施例において、画像を並べ替えることで、評価基準を定義する手順を示す説明図である。
【図12】本発明の実施例におけるGUIの一例であり、ユーザが定義した評価基準と、各評価指標での評価結果、さらには各評価指標における各画像の評価内容の詳細を確認することができる例を示す図である。
【図13】本発明の実施例の動作フローチャートであり、画像を並べ替えることで評価基準を定義し、定義した評価基準に最も近い評価指標を自動選択する手順において、サンプリングにより評価対象を限定することで、評価基準の設定作業、および評価値の算出処理時間を短縮するフローチャートである。
【図14】本発明の実施例の動作フローチャートであり、既存の評価指標を合成して新たな評価指標を作成するフローチャートである。
【図15】本発明の実施例におけるGUIの一例であり、指令合成評価指標を設定、確認する例を示す図である。
【図16】本発明の実施例であり、複数の表面監察装置についてネットワークを介して接続するネットワークシステムの一例を示す図である。
【図17】本発明の実施例であり、複数の表面監察装置についてネットワークを介して接続するネットワークシステムの他の例を示す図である。
【0018】
観察画像の評価機能を有する、観察装置のネットワークシステムの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0020】
本発明の実施例1について説明する。
【0021】
図1は、本発明の表面観察装置の一例であるSEM式欠陥観察装置の概略構成図である。図1において、SEM式欠陥観察装置は、電子銃101、レンズ102、偏向器103、対物レンズ104、ステージ106、二次粒子検出器109、電子光学系制御部110、A/D変換部111、ステージ制御部112、全体制御部113、画像処理部114、ディスプレイ115、キーボード116、記憶装置117、マウス118を備えている。
【0022】
電子銃101から発射された電子ビーム107は、レンズ102で集束され、偏向器103で偏向された後、対物レンズ104で集束されて、試料105に照射される。電子ビーム107が照射された試料105から、試料の形状や材質に応じて二次電子や反射電子等の二次粒子108が発生する。
【0023】
発生した二次粒子108は、二次粒子検出器109で検出され、A/D変換部111でデジタル信号に変換されて、SEM画像が形成される。生成したSEM画像を使用して、欠陥検出などの画像処理が画像処理部114で実行される。レンズ102、偏向器103、対物レンズ104の制御は、電子光学系制御部110で行われる。試料105の位置制御は、ステージ制御部112により制御されたステージ106で実行される。全体制御部113は、キーボード116、マウス118、記憶装置117からの入力を解釈し、電子光学系制御部110、ステージ制御部112、画像処理部114等を制御して、必要に応じてディスプレイ115、記憶装置117に処理内容を出力する。
【0024】
図2は、ユーザの評価指標に最も近い評価指標を選択する手順を示すフローチャートである。
【0025】
ここで、評価指標の具体例としては、観察画像と基準画像との差分面積、差分面積から算出される欠陥個数、観察画像と基準画像との比較した相関値、観察画像における特定パターンの大きさ、形状、色、特定パターン間の距離等がある。
【0026】
図2において、まず、複数の評価画像を入力する(ステップ201)。入力された複数の評価画像のそれぞれに対して、複数の評価指標で評価値を算出する(ステップ202)。このとき、評価に使用する評価指標をユーザが選択できる機能があれば、ある程度の経験を積んだユーザは評価指標を絞り込むことができるので、評価値算出の処理時間を短縮することができる。評価結果は、評価指標別に、評価値順に並べて画像表示する(ステップ203)。ユーザは評価値順に表示された画像を確認して、最適と思われる評価指標を容易に選択することができる(ステップ204)。
【0027】
図3は、複数の評価指標で評価した結果を一覧表示したGUIの一例を示す図である。図3において、指標1〜4の4種類の評価指標で評価した結果を表示している。指標1〜4のうちのいずれかのラジオボタン301を選択することにより、一つの指標を選択することができる。
【0028】
各評価指標に基づき算出した評価値の昇順または降順に、複数の評価画像に対して通し番号302を割り当てて表示している。評価指標の良し悪しを容易に確認できるように、ページ単位のスクロールボタン303と画像単位のスクロールボタン304を配置している。
【0029】
図4は、注目する評価指標と評価内容の詳細を確認するためのGUIの一例を示す図である。図4において、注目する評価指標に基づき算出された評価値順に、画像を並べ替えて画面領域401に表示している。サムネイル上で選択した画像402は拡大画像403として拡大表示される。拡大画像403と並べて、基準画像404を表示する。
【0030】
基準画像404とは、Golden Imageとも表現される画像で、一般に、この基準画像404と評価画像403とを比較して、差分を抽出し、この差分から評価値を算出する。差分を評価画像上に、例えば表示色を変えてオーバーレイ表示することで、基準画像との違いを明確に判断することができる。405は差分表示を示し、406は評価値を示す。評価値を示すことで、評価指標の妥当性を、より詳細に確認することができる(図示した例では、評価値は76)。
【0031】
図5は、注目する評価指標と評価内容の詳細を確認するためのGUIの一例を示す図である。図5において、注目する評価指標に基づき算出された評価値順に、画像を並べ替えて画面領域501に表示している。サムネイル上で選択した画像502は拡大画像503として拡大表示する。拡大表示した画像503の近辺には、基準画像との差分を、例えば表示色を変えてオーバーレイ表示する(差分表示505)。また、選択画像の評価値506が分かると、指標選択のための詳細情報として役に立つ。さらに、選択した画像がウェーハ上のどの位置に存在するか確認できるように、ウェーハマップ504を表示する。
【0032】
図6は、注目する評価指標と評価内容の詳細を確認するためのGUIの一例を示す図である。図6において、注目する評価指標に基づき算出された評価値順に、画像を並べ替えて画面領域601に表示している。サムネイル上で選択した画像602は拡大画像603として拡大表示する。拡大表示した画像603の近辺には、基準画像との差分を、例えば表示色を変えてオーバーレイ表示する(差分表示605)。また、選択画像の評価値606が分かると、指標選択のための詳細情報として役に立つ。さらに、評価画像の取得条件、例えばFOV(視野サイズ)、Mag(倍率)、Vac(加速電圧)、Ip(プローブ電流)、評価値1(評価指標1による評価値)、評価値2(評価指標2による評価値)等を、インフォメーション604として表示することで、より詳細な解析が可能となる。
【0033】
図7は、ユーザが求める評価指標に最も近い評価指標を選択する手順で、サンプリングを導入することで、評価値算出処理時間を短縮するフローチャートである。
【0034】
図7において、まず、複数の評価画像を入力する(ステップ701)。次に、複数の評価指標で評価したい画像を選択する(ステップ702)。サンプリングした結果に対して、複数の評価指標で評価値を算出する(ステップ703)。評価値を算出した画像は、評価指標別に、評価値順に並べ替えて一覧表示する(ステップ704)。評価指標別、評価値順の画像一覧から、ユーザの評価指標に最も近い評価指標を選択する(ステップ705)。
【0035】
このように、全入力画像に対して、複数の評価指標で評価値を算出するのではなく、評価対象とする画像を代表的な画像に限定することで、評価値算出の処理時間を短縮することができる。さらに、評価に使用する評価指標をユーザが選択できる機能があれば、ある程度の経験を積んだユーザは評価指標を絞り込むことができるので、評価値算出の処理時間を大幅に短縮することができる。
【0036】
評価対象を限定して得られた結果に対して不安がある場合には、全入力画像を対象に評価値を算出し(ステップ706)、評価値順に画像を並べ替えて表示することも可能である(ステップ707)。この場合でも、選択した1種類の評価指標でのみ評価値を算出するので、サンプリングをしない場合と比較して、処理時間は短縮できる。
【0037】
図8は、N個の全入力画像801から、M(N以下の値)個の評価対象画像802を選択するサンプリングの概念図である。サンプリングはユーザが選択してもよいし、自動でサンプリングしてもよい。
【0038】
自動サンプリングの場合、ランダムサンプリングでもよいが、より代表的と思われる画像を選択するためには、例えば、SEM画像の場合は、輝度値のヒストグラム分布を算出し、分布に差がある画像を選択するなど、サンプリングアルゴリズムを工夫することで、必要最小限のサンプルで評価結果の精度を向上させることができる。但し、サンプリングのための解析処理時時間がかかり過ぎると、本来の目的である時間短縮の効果が薄くなるので、バランスに注意する必要がある。
【0039】
図9は、ユーザの希望する評価基準で画像を並べ替えることで、予め最適な評価基準指標を定義し、その定義に最も近い評価基準(評価指標)を自動選択する手順を示すフローチャートである。
【0040】
また、図10は、図9に示したフローチャートの動作を実行する全体制御部113の内部機能ブロック図である。
【0041】
図9及び図10において、画像処理部114から評価画像入力部113aに、複数の評価画像が入力される(ステップ901)。次に、入力された評価画像は、指標別評価値算出部113b、表示画像制御部113dを介してディスプレイ115に表示される。
【0042】
続いて、ユーザは、キーボード116、マウス118等を使用して、ディスプレイ115を参照しながら、画像評価画像に対して、ユーザの評価基準で画像を並べ替えることで、評価基準を定義する(ステップ902)。この定義は、キーボード116、マウス118から、表示画像制御部113dを介して指標別評価値算出部113bに入力される。
【0043】
次に、入力された評価画像に対して、指標別評価値算出部113bは複数の評価指標で評価値を算出する(ステップ903)。そして、ユーザ評価基準画像並び替え処理部113e及び相関係数算出画像並び替え処理部113fは、各評価指標と、ユーザが定義した評価基準とを比較して、例えば、相関係数を算出して(ステップ904)、ユーザが定義した評価基準に対して、相関係数の絶対値が最大の評価指標を、最も近い評価基準として自動選択する(ステップ905)。
【0044】
ここで、相関係数は、ユーザが定義した評価基準順のデータ列をx、データ列xの平均値をxバー、評価指標における評価値順に並べ替えたデータ列をy、データ列yの平均値をyバーとして、次式(1)から算出する。
【0045】
【数1】
【0046】
また、相関係数算出画像並び替え処理部113fにより相関係数順に、画像が並び替えられ、表示画像制御部113dを介してディスプレイ115に評価値順に一覧表示される(ステップ906)。この表示により、自動選択結果の妥当性評価、確認に有効である。
【0047】
なお、図10中の評価指標別評価順画像並び替え処理部113cは、図3に示した画像表示を行なうための処理部である。
【0048】
図11は、複数の画像を並べ替えることで、ユーザが求める評価基準を定義する手順を示す説明図である。図11において、複数の入力画像1001をユーザの評価基準、例えば、観察視野内に存在する複数配線パターンの出来栄え順に並べ替えている(並べ替えた後の複数の画像1002)。
【0049】
図11に示した例は比較的単純な事例であるが、従来技術における測長SEMでは、複数配線パターンの太りあるいは細りを総合的に評価するのは困難である。特に、配線パターンが完全に崩れているような場合には、測長値が算出できないなどの課題がある。変動幅が限定されている範囲で、測長値を正確にかつ再現性よく算出するのには適しているが、観察視野内の総合的な出来栄えを評価するのには適していない。
【0050】
図12は、図11を用いて説明したようにしてユーザが定義した評価基準と、各評価指標での評価結果、さらには各評価指標における各画像の評価内容の詳細を確認することができる、GUIの一例を示す図である。
【0051】
図12において、ユーザの定義に基づき並べ替えた複数の画像が1101表示されている。これに対して、複数の評価指標1〜3で評価値を算出し、各指標内で評価値順に複数の画像1102を表示している。複数の評価指標は、ユーザの評価基準との相関係数の絶対値が高い順に表示されており、各指標にはユーザ定義の基準との相関係数1103を併記している。
【0052】
ユーザの定義と負の相関が強い場合には、画像の表示順を逆転させれば、相互の比較をしやすいので、表示順を逆転させるボタン104を配置している。また、選択画像1105は強調表示して、拡大画像、基準画像、基準画像との差分、評価値、ウェーハマップ1106、画像取得条件などの情報を表示している。
【0053】
図13は、図9に示したフローチャートの変形例であり、ユーザが定義した評価基準に最も近い評価基準を、自動選択する手順において、入力画像をサンプリングすることで、評価基準を定義する手間と、評価値を算出する処理時間を短縮する方法を示したフローチャートである。
【0054】
まず、評価画像を入力する(ステップ1201)。次に、複数の評価指標で評価したい画像をサンプリングする(ステップ1202)。画像のサンプリングは、評価画像入力部113aで自動的に行なうこともできるし、ユーザにより行なうこともできる。
【0055】
サンプリングした画像に対して、評価基準を定義するために、画像を並べ替える(ステップ1203)。また、サンプリングした画像を対象に、複数の評価指標で評価値を算出する(ステップ1204、指標別評価値算出部13b)。さらに、サンプリングした画像に対してユーザが定義した評価基準と、評価指標との相関係数を算出し(ステップ1205、処理部113e、113f)、相関係数の絶対値が最大の指標を推奨指標として自動選択する(ステップ1206、処理部113f)。評価値を算出した画像は、評価指標別に、評価値順に並べて一覧表示する(ステップ1207、制御部b113d、ディスプレイ115)。
【0056】
このように、全入力画像に対して、複数の評価指標で評価値を算出するのではなく、評価対象とする画像を代表的な画像に限定することで、評価値算出の処理時間を短縮することができる。さらに、評価に使用する評価指標をユーザが選択できる機能があれば、ある程度の経験を積んだユーザは評価指標を絞り込むことができるので、さらに評価値算出の処理時間を大幅に短縮することができる。
【0057】
評価対象を限定して得られた結果に対して不安がある場合には、全入力画像を対象に評価値を算出し(ステップ1208)、評価値順に画像を並べ替えて表示することも可能である(ステップ1209)。この場合でも、選択した1種類の評価指標でのみ評価値を算出するので、サンプリングをしない場合と比較して、処理時間を短縮することができる。
【0058】
図14は、図9に示したフローチャートの他の変形例であり、既存の評価指標を合成して、新たな評価指標を作成する手順を示すフローチャートである。図14において、まず、評価画像を入力する(ステップ1301)。次に、ユーザの評価基準に従い、画像を並べ替えることにより、分類基準を定義する(ステップ1302)。入力画像に対して、複数の評価指標で評価値を算出する(ステップ1303)。続いて、ユーザが定義した評価基準と、各評価指標との相関係数を算出する(ステップ1304)。
【0059】
相関係数算出画像並び替え処理部113fは、相関係数の絶対値が高い、上位N個の指標を合成して、新たな評価指標を作成し(ステップ1305)、重みを変化させた場合の相関係数を評価する。例えば、合成評価指標の相関係数の絶対値が、ある閾値以上である場合は、効果的な評価指標が作成できたと判断して、相関係数の絶対値が最大の評価指標を選択して終了する。あるいは、合成評価指標の相関係数の絶対値が、既存の単独評価指標の相関係数の絶対値より小さい場合は、合成により効果的な評価指標は作成できないと判断して、既存の単独評価指標の中から、相関係数の絶対値が最大の評価指標を選択して終了する(ステップ1306)。
【0060】
合成した評価指標の相関係数の絶対値が、ステップ1305で選択した上位N個に入る場合は、評価を継続して、より最適な合成指標作成の可能性を追求してもよい(ステップ1307)。評価指標別に、評価値順に画像を一覧表示することで、選択した評価指標の妥当性を確認することが容易にできる(ステップ1308)。
【0061】
図15は、合成評価指標を設定、確認するGUIの一例を示す図である。評価指標の合成式は、fは合成評価指標、gは単独の評価指標、wは単独の評価指標に掛ける重み、cは定数として、次式(2)で表される。この式(2)は説明のため、最も単純と思われる式を例示したものであり、別の式でもよい。
【0062】
【数2】
【0063】
図15において、まず、合成対象とする評価指標を選択する(指標名称番号1401を選択する)。単独の評価指標としては、基準画像と評価画像との差分面積、差分をグルーピングした結果から算出できる欠陥個数、アライメント精度の評価に有効な特定パターン間距離、SEM画像の場合各画素はグレースケールで表現されるので、この分布を表す輝度分布、測長SEMに用いられる測長値、主に穴形状のパターンを想定した円形度、ラインパターンを想定したエッジラフネス、パターン断線数、パターンショート数などが考えられる(指標名称1402)。
【0064】
選択基準としては、単独の評価指標の相関係数が考えられるので、ソート機能があると便利である(相関係数1403)。自動で合成対象とする評価指標を選択する場合は、単独の評価指標の相関係数の絶対値が大きいものから選択すればよい。重みは手動で微調整することができる(重み1404)。
【0065】
指標を自動選択する場合は、複数の組合せで合成評価指標を作成し、最も相関係数の絶対値が大きかったものを選択すればよい。この際、実験計画法などを用いれば、相関係数算出の処理時間を短縮することができる。重みを変更して試行した結果は、メモ情報として保存することができる(メモ情報1405)。
【0066】
このように、評価指標名称と、重みを変更した際の相関係数の関係を評価する経験を積むことで、評価サンプルに応じて、どの評価指標が有効かの予想精度が向上させることができる。予想精度が向上すると、評価指標を選択する際の精度も向上するので、不要な評価指標における評価処理を削減することができる。
【0067】
図16、図17は、本発明の評価機能を有する観察装置が、複数台ネットワーク接続された観察システムを示す図である。
【0068】
図16において、表面観察装置のそれぞれは、情報の送受信を行なう信号送受信部を備え、複数台の観察装置(1501、1502、1503)が、それぞれの信号送受信部を介してネットワーク1504に接続されている。ネットワーク1504は、データの受け渡しが可能であれば、有線、無線等の形態は問わない。
【0069】
観察装置1503には、出来栄え評価機能が搭載されていないため、観察装置1503上では出来栄え評価することができないが、観察装置1501または観察装置1502のレシピ解析機能を使って、観察装置1503に保存された評価対象画像を評価することができる。
【0070】
図17は、観察装置には出来栄え評価機能を持たずに、出来栄え管理サーバ1505で一括管理する観察システムである。評価対象画像は出来栄え管理サーバで一括管理され、必要に応じて、観察装置(1506、1507、1508)に転送することができる。
【0071】
以上のように、本発明の実施例によれば、評価対象試料の複数部分の表面画像に対して、複数の指標を用いて評価し、指標別に評価画像を評価順に配列して表示し、複数の画像に対して、ユーザが配列した複数の画像の配列に従って決定される評価基準と評価指標との相関係数が自動的に算出され、算出された相関係数が最大の評価指標を検出して、画面に表示される。
【0072】
したがって、表面観察装置に記憶された複数の評価指標のうち、ユーザが希望する判断基準に最も近いものが自動的に検出されるため、初心者であっても、試行錯誤することなく、様々な評価対象パターンに対して、最適な評価指標を容易に選択可能な表面観察装置および表面観察方法を実現することができる。
【符号の説明】
【0073】
101・・・電子銃、102・・・レンズ、103・・・偏向器、104・・・対物レンズ、105・・・試料、106・・・ステージ、107・・・電子ビーム、108・・・二次粒子、109・・・二次粒子検出器、110・・・電子光学系制御部、111・・・A/D変換部、112・・・ステージ制御部、113・・・全体制御部、113a・・・評価画像入力部、113b・・・指標別評価値算出部、113c・・・評価指標別評価順画像並び替え処理部、113d・・・表示画像制御部、113e・・・ユーザ評価基準画像並び替え処理部、113f・・・相関係数算出画像並び替え処理部、114・・・画像処理部、115・・・ディスプレイ、116・・・キーボード、117・・・記憶装置、118・・・マウス、1501、1502・・・評価機能付観察装置、1503、1506、1507、1508・・・評価機能無し観察装置、1504・・・ネットワーク、1505・・・評価機能
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察条件を登録したレシピに基づき、様々な観察条件で試料の表面の観察を行なう表面観察装置および表面観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造等において、高い歩留りを確保するためには、製造工程で発生する欠陥を早期に発見して、対策を施すことが重要である。近年、半導体の微細化に伴い、微小な欠陥であっても、歩留りに与える影響を無視できなくなり、観察対象となる欠陥の多様化が進んでいる。
【0003】
SEM(Scanning Electron Microscope)式欠陥観察装置は、このような多様な欠陥を観察するための装置であり、一般に上位の検査装置で検出した欠陥位置をもとに、欠陥を観察するものである。ところが、半導体の微細化に伴い、上位の検査装置では欠陥が検出できない事例が増えたため、SEM式観察装置で、観察位置・範囲をSEM式観察装置上で設定して観察する定点観察機能の重要性が高まってきている。
【0004】
また、定点観察、特に半導体製造工程におけるプロセスモニタリングの用途では、測長SEMが用いられてきた。測長SEMでは、指定パターンの長さを計測して、管理値とすることで、プロセスの完成度を定量化している。ところが、測長対象となるパターンの変動が大きすぎる場合、例えば、ラインパターンのオープンやショートなど、極端なプロセス変動に弱いという欠点がある。
【0005】
さらに、ユーザの評価指標が多様化しており、測長値だけでは、十分な評価ができない事例が発生しており、SEM式欠陥観察装置の定点観察機能を用いて、様々な評価指標で、プロセスの完成度を定量化したいという要望が増加してきている。
【0006】
このため、特許文献1に記載の技術では、評価対象パターンに応じて、複数のパターンエッジ検出アルゴリズムを使い分け、測長精度を向上させる方法が開示されている。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術では、欠陥検査装置において、欠陥画像や算出したコントラスト、輝度分布を並べて表示し、ユーザが最適テスト条件を選択することが容易となるように、構成されている。
【0008】
さらに、特許文献2に記載の技術では、欠陥検査装置において、画面上に設定条件毎の画像を一覧表示すると共に評価指標も一覧表示することにより、ユーザによる最適な条件選択を支援している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−147113号公報
【特許文献2】特開2002−303586号公報
【特許文献3】特開2004−294358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に開示されている方法により、評価対象パターンに応じて、最適な測長アルゴリズムを選択することができるが、プロセスの完成度を定量化する場合には、評価対象パターンは、多様で、測長値のみでは評価できない事例が増加している。
【0011】
また、測長値をはじめ、複数の評価指標を搭載した装置が存在するが、複数の評価指標のうち、最適な評価指標を選択する作業は、特に、初心者にとっては困難な作業である。
【0012】
特許文献2や3のように、欠陥画像や算出したコントラスト、輝度分布を並べて表示したり、評価指標も一覧表示することにより、ユーザによる条件選択の支援を行なうことはできるが、依然として、複数の条件からユーザが最適な条件を選択する必要があり、初心者にとっては、依然として困難な作業であった。また、熟練者であっても、さらに短時間に最適条件を判断することができれば、欠陥検査の時間短縮が可能であるが、従来の技術では、欠陥検査の時間短縮が困難であった。
【0013】
本発明の目的は、初心者であっても、試行錯誤することなく、様々な評価対象パターンに対して、最適な評価指標を容易に選択可能な表面観察装置および表面観察方法を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成される。
【0015】
試料の表面を観察する表面観察装置において、試料の表面の複数部分の表面画像を処理する画像処理部と、この画像処理部により処理された複数の表面画像のそれぞれを、複数の評価指標に従って、評価値を算出する指標別評価値算出部と、入力手段により入力された評価基準と上記複数の評価指標のそれぞれとの相関係数を算出し、算出した相関係数が最大の評価指標を選択する相関係数算出部と、相関係数算出部により選択された最大の評価指標を推奨する評価指標として、画面に表示する表示部とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、初心者であっても、試行錯誤することなく、観察画像に最適な評価指標を選択できるため、指標選択に要する時間を削減することができる。また、既存の評価指標を組み合わせて新たな評価指標を作成することができるので、ソフトウェア開発のコストを抑えて、新たな評価指標を導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明が適用されるSEM式欠陥観察装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施例の動作フローチャートであり、複数の評価指標で評価値を算出し、ユーザの評価基準に合う評価指標を選択する手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例におけるGUIの一例であり、複数の評価指標別、評価値順に画像を一覧表示する例を示す図である。
【図4】本発明の実施例におけるGUIの一例であり、着目する評価指標に対して、評価値順に画像を表示し、選択した画像の詳細情報、特に基準画像を表示する例を示す図である。
【図5】本発明の実施例におけるGUIの一例であり、着目する評価指標に対して、評価値順に画像を表示し、選択した画像の詳細情報、特にウェーハマップを表示する例を示す図である。
【図6】本発明の実施例におけるGUIの一例であり、着目する評価指標に対して、評価値順に画像を表示し、選択した画像の詳細情報、特に撮像条件を表示する例を示す図である。
【図7】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、複数の評価指標で評価値を算出し、ユーザの評価基準に合う評価指標を選択する手順において、サンプリングにより評価対象を限定することで、処理時間を短縮するフローチャートである。
【図8】本発明の実施例における処理時間短縮のためのサンプリングの説明図である。
【図9】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、画像を並べ替えることで評価基準を定義し、定義した評価基準に最も近い評価指標を自動選択する動作フローチャートである。
【図10】本発明の実施例における全体制御部の内部機能ブロック図である。
【図11】本発明の実施例において、画像を並べ替えることで、評価基準を定義する手順を示す説明図である。
【図12】本発明の実施例におけるGUIの一例であり、ユーザが定義した評価基準と、各評価指標での評価結果、さらには各評価指標における各画像の評価内容の詳細を確認することができる例を示す図である。
【図13】本発明の実施例の動作フローチャートであり、画像を並べ替えることで評価基準を定義し、定義した評価基準に最も近い評価指標を自動選択する手順において、サンプリングにより評価対象を限定することで、評価基準の設定作業、および評価値の算出処理時間を短縮するフローチャートである。
【図14】本発明の実施例の動作フローチャートであり、既存の評価指標を合成して新たな評価指標を作成するフローチャートである。
【図15】本発明の実施例におけるGUIの一例であり、指令合成評価指標を設定、確認する例を示す図である。
【図16】本発明の実施例であり、複数の表面監察装置についてネットワークを介して接続するネットワークシステムの一例を示す図である。
【図17】本発明の実施例であり、複数の表面監察装置についてネットワークを介して接続するネットワークシステムの他の例を示す図である。
【0018】
観察画像の評価機能を有する、観察装置のネットワークシステムの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0020】
本発明の実施例1について説明する。
【0021】
図1は、本発明の表面観察装置の一例であるSEM式欠陥観察装置の概略構成図である。図1において、SEM式欠陥観察装置は、電子銃101、レンズ102、偏向器103、対物レンズ104、ステージ106、二次粒子検出器109、電子光学系制御部110、A/D変換部111、ステージ制御部112、全体制御部113、画像処理部114、ディスプレイ115、キーボード116、記憶装置117、マウス118を備えている。
【0022】
電子銃101から発射された電子ビーム107は、レンズ102で集束され、偏向器103で偏向された後、対物レンズ104で集束されて、試料105に照射される。電子ビーム107が照射された試料105から、試料の形状や材質に応じて二次電子や反射電子等の二次粒子108が発生する。
【0023】
発生した二次粒子108は、二次粒子検出器109で検出され、A/D変換部111でデジタル信号に変換されて、SEM画像が形成される。生成したSEM画像を使用して、欠陥検出などの画像処理が画像処理部114で実行される。レンズ102、偏向器103、対物レンズ104の制御は、電子光学系制御部110で行われる。試料105の位置制御は、ステージ制御部112により制御されたステージ106で実行される。全体制御部113は、キーボード116、マウス118、記憶装置117からの入力を解釈し、電子光学系制御部110、ステージ制御部112、画像処理部114等を制御して、必要に応じてディスプレイ115、記憶装置117に処理内容を出力する。
【0024】
図2は、ユーザの評価指標に最も近い評価指標を選択する手順を示すフローチャートである。
【0025】
ここで、評価指標の具体例としては、観察画像と基準画像との差分面積、差分面積から算出される欠陥個数、観察画像と基準画像との比較した相関値、観察画像における特定パターンの大きさ、形状、色、特定パターン間の距離等がある。
【0026】
図2において、まず、複数の評価画像を入力する(ステップ201)。入力された複数の評価画像のそれぞれに対して、複数の評価指標で評価値を算出する(ステップ202)。このとき、評価に使用する評価指標をユーザが選択できる機能があれば、ある程度の経験を積んだユーザは評価指標を絞り込むことができるので、評価値算出の処理時間を短縮することができる。評価結果は、評価指標別に、評価値順に並べて画像表示する(ステップ203)。ユーザは評価値順に表示された画像を確認して、最適と思われる評価指標を容易に選択することができる(ステップ204)。
【0027】
図3は、複数の評価指標で評価した結果を一覧表示したGUIの一例を示す図である。図3において、指標1〜4の4種類の評価指標で評価した結果を表示している。指標1〜4のうちのいずれかのラジオボタン301を選択することにより、一つの指標を選択することができる。
【0028】
各評価指標に基づき算出した評価値の昇順または降順に、複数の評価画像に対して通し番号302を割り当てて表示している。評価指標の良し悪しを容易に確認できるように、ページ単位のスクロールボタン303と画像単位のスクロールボタン304を配置している。
【0029】
図4は、注目する評価指標と評価内容の詳細を確認するためのGUIの一例を示す図である。図4において、注目する評価指標に基づき算出された評価値順に、画像を並べ替えて画面領域401に表示している。サムネイル上で選択した画像402は拡大画像403として拡大表示される。拡大画像403と並べて、基準画像404を表示する。
【0030】
基準画像404とは、Golden Imageとも表現される画像で、一般に、この基準画像404と評価画像403とを比較して、差分を抽出し、この差分から評価値を算出する。差分を評価画像上に、例えば表示色を変えてオーバーレイ表示することで、基準画像との違いを明確に判断することができる。405は差分表示を示し、406は評価値を示す。評価値を示すことで、評価指標の妥当性を、より詳細に確認することができる(図示した例では、評価値は76)。
【0031】
図5は、注目する評価指標と評価内容の詳細を確認するためのGUIの一例を示す図である。図5において、注目する評価指標に基づき算出された評価値順に、画像を並べ替えて画面領域501に表示している。サムネイル上で選択した画像502は拡大画像503として拡大表示する。拡大表示した画像503の近辺には、基準画像との差分を、例えば表示色を変えてオーバーレイ表示する(差分表示505)。また、選択画像の評価値506が分かると、指標選択のための詳細情報として役に立つ。さらに、選択した画像がウェーハ上のどの位置に存在するか確認できるように、ウェーハマップ504を表示する。
【0032】
図6は、注目する評価指標と評価内容の詳細を確認するためのGUIの一例を示す図である。図6において、注目する評価指標に基づき算出された評価値順に、画像を並べ替えて画面領域601に表示している。サムネイル上で選択した画像602は拡大画像603として拡大表示する。拡大表示した画像603の近辺には、基準画像との差分を、例えば表示色を変えてオーバーレイ表示する(差分表示605)。また、選択画像の評価値606が分かると、指標選択のための詳細情報として役に立つ。さらに、評価画像の取得条件、例えばFOV(視野サイズ)、Mag(倍率)、Vac(加速電圧)、Ip(プローブ電流)、評価値1(評価指標1による評価値)、評価値2(評価指標2による評価値)等を、インフォメーション604として表示することで、より詳細な解析が可能となる。
【0033】
図7は、ユーザが求める評価指標に最も近い評価指標を選択する手順で、サンプリングを導入することで、評価値算出処理時間を短縮するフローチャートである。
【0034】
図7において、まず、複数の評価画像を入力する(ステップ701)。次に、複数の評価指標で評価したい画像を選択する(ステップ702)。サンプリングした結果に対して、複数の評価指標で評価値を算出する(ステップ703)。評価値を算出した画像は、評価指標別に、評価値順に並べ替えて一覧表示する(ステップ704)。評価指標別、評価値順の画像一覧から、ユーザの評価指標に最も近い評価指標を選択する(ステップ705)。
【0035】
このように、全入力画像に対して、複数の評価指標で評価値を算出するのではなく、評価対象とする画像を代表的な画像に限定することで、評価値算出の処理時間を短縮することができる。さらに、評価に使用する評価指標をユーザが選択できる機能があれば、ある程度の経験を積んだユーザは評価指標を絞り込むことができるので、評価値算出の処理時間を大幅に短縮することができる。
【0036】
評価対象を限定して得られた結果に対して不安がある場合には、全入力画像を対象に評価値を算出し(ステップ706)、評価値順に画像を並べ替えて表示することも可能である(ステップ707)。この場合でも、選択した1種類の評価指標でのみ評価値を算出するので、サンプリングをしない場合と比較して、処理時間は短縮できる。
【0037】
図8は、N個の全入力画像801から、M(N以下の値)個の評価対象画像802を選択するサンプリングの概念図である。サンプリングはユーザが選択してもよいし、自動でサンプリングしてもよい。
【0038】
自動サンプリングの場合、ランダムサンプリングでもよいが、より代表的と思われる画像を選択するためには、例えば、SEM画像の場合は、輝度値のヒストグラム分布を算出し、分布に差がある画像を選択するなど、サンプリングアルゴリズムを工夫することで、必要最小限のサンプルで評価結果の精度を向上させることができる。但し、サンプリングのための解析処理時時間がかかり過ぎると、本来の目的である時間短縮の効果が薄くなるので、バランスに注意する必要がある。
【0039】
図9は、ユーザの希望する評価基準で画像を並べ替えることで、予め最適な評価基準指標を定義し、その定義に最も近い評価基準(評価指標)を自動選択する手順を示すフローチャートである。
【0040】
また、図10は、図9に示したフローチャートの動作を実行する全体制御部113の内部機能ブロック図である。
【0041】
図9及び図10において、画像処理部114から評価画像入力部113aに、複数の評価画像が入力される(ステップ901)。次に、入力された評価画像は、指標別評価値算出部113b、表示画像制御部113dを介してディスプレイ115に表示される。
【0042】
続いて、ユーザは、キーボード116、マウス118等を使用して、ディスプレイ115を参照しながら、画像評価画像に対して、ユーザの評価基準で画像を並べ替えることで、評価基準を定義する(ステップ902)。この定義は、キーボード116、マウス118から、表示画像制御部113dを介して指標別評価値算出部113bに入力される。
【0043】
次に、入力された評価画像に対して、指標別評価値算出部113bは複数の評価指標で評価値を算出する(ステップ903)。そして、ユーザ評価基準画像並び替え処理部113e及び相関係数算出画像並び替え処理部113fは、各評価指標と、ユーザが定義した評価基準とを比較して、例えば、相関係数を算出して(ステップ904)、ユーザが定義した評価基準に対して、相関係数の絶対値が最大の評価指標を、最も近い評価基準として自動選択する(ステップ905)。
【0044】
ここで、相関係数は、ユーザが定義した評価基準順のデータ列をx、データ列xの平均値をxバー、評価指標における評価値順に並べ替えたデータ列をy、データ列yの平均値をyバーとして、次式(1)から算出する。
【0045】
【数1】
【0046】
また、相関係数算出画像並び替え処理部113fにより相関係数順に、画像が並び替えられ、表示画像制御部113dを介してディスプレイ115に評価値順に一覧表示される(ステップ906)。この表示により、自動選択結果の妥当性評価、確認に有効である。
【0047】
なお、図10中の評価指標別評価順画像並び替え処理部113cは、図3に示した画像表示を行なうための処理部である。
【0048】
図11は、複数の画像を並べ替えることで、ユーザが求める評価基準を定義する手順を示す説明図である。図11において、複数の入力画像1001をユーザの評価基準、例えば、観察視野内に存在する複数配線パターンの出来栄え順に並べ替えている(並べ替えた後の複数の画像1002)。
【0049】
図11に示した例は比較的単純な事例であるが、従来技術における測長SEMでは、複数配線パターンの太りあるいは細りを総合的に評価するのは困難である。特に、配線パターンが完全に崩れているような場合には、測長値が算出できないなどの課題がある。変動幅が限定されている範囲で、測長値を正確にかつ再現性よく算出するのには適しているが、観察視野内の総合的な出来栄えを評価するのには適していない。
【0050】
図12は、図11を用いて説明したようにしてユーザが定義した評価基準と、各評価指標での評価結果、さらには各評価指標における各画像の評価内容の詳細を確認することができる、GUIの一例を示す図である。
【0051】
図12において、ユーザの定義に基づき並べ替えた複数の画像が1101表示されている。これに対して、複数の評価指標1〜3で評価値を算出し、各指標内で評価値順に複数の画像1102を表示している。複数の評価指標は、ユーザの評価基準との相関係数の絶対値が高い順に表示されており、各指標にはユーザ定義の基準との相関係数1103を併記している。
【0052】
ユーザの定義と負の相関が強い場合には、画像の表示順を逆転させれば、相互の比較をしやすいので、表示順を逆転させるボタン104を配置している。また、選択画像1105は強調表示して、拡大画像、基準画像、基準画像との差分、評価値、ウェーハマップ1106、画像取得条件などの情報を表示している。
【0053】
図13は、図9に示したフローチャートの変形例であり、ユーザが定義した評価基準に最も近い評価基準を、自動選択する手順において、入力画像をサンプリングすることで、評価基準を定義する手間と、評価値を算出する処理時間を短縮する方法を示したフローチャートである。
【0054】
まず、評価画像を入力する(ステップ1201)。次に、複数の評価指標で評価したい画像をサンプリングする(ステップ1202)。画像のサンプリングは、評価画像入力部113aで自動的に行なうこともできるし、ユーザにより行なうこともできる。
【0055】
サンプリングした画像に対して、評価基準を定義するために、画像を並べ替える(ステップ1203)。また、サンプリングした画像を対象に、複数の評価指標で評価値を算出する(ステップ1204、指標別評価値算出部13b)。さらに、サンプリングした画像に対してユーザが定義した評価基準と、評価指標との相関係数を算出し(ステップ1205、処理部113e、113f)、相関係数の絶対値が最大の指標を推奨指標として自動選択する(ステップ1206、処理部113f)。評価値を算出した画像は、評価指標別に、評価値順に並べて一覧表示する(ステップ1207、制御部b113d、ディスプレイ115)。
【0056】
このように、全入力画像に対して、複数の評価指標で評価値を算出するのではなく、評価対象とする画像を代表的な画像に限定することで、評価値算出の処理時間を短縮することができる。さらに、評価に使用する評価指標をユーザが選択できる機能があれば、ある程度の経験を積んだユーザは評価指標を絞り込むことができるので、さらに評価値算出の処理時間を大幅に短縮することができる。
【0057】
評価対象を限定して得られた結果に対して不安がある場合には、全入力画像を対象に評価値を算出し(ステップ1208)、評価値順に画像を並べ替えて表示することも可能である(ステップ1209)。この場合でも、選択した1種類の評価指標でのみ評価値を算出するので、サンプリングをしない場合と比較して、処理時間を短縮することができる。
【0058】
図14は、図9に示したフローチャートの他の変形例であり、既存の評価指標を合成して、新たな評価指標を作成する手順を示すフローチャートである。図14において、まず、評価画像を入力する(ステップ1301)。次に、ユーザの評価基準に従い、画像を並べ替えることにより、分類基準を定義する(ステップ1302)。入力画像に対して、複数の評価指標で評価値を算出する(ステップ1303)。続いて、ユーザが定義した評価基準と、各評価指標との相関係数を算出する(ステップ1304)。
【0059】
相関係数算出画像並び替え処理部113fは、相関係数の絶対値が高い、上位N個の指標を合成して、新たな評価指標を作成し(ステップ1305)、重みを変化させた場合の相関係数を評価する。例えば、合成評価指標の相関係数の絶対値が、ある閾値以上である場合は、効果的な評価指標が作成できたと判断して、相関係数の絶対値が最大の評価指標を選択して終了する。あるいは、合成評価指標の相関係数の絶対値が、既存の単独評価指標の相関係数の絶対値より小さい場合は、合成により効果的な評価指標は作成できないと判断して、既存の単独評価指標の中から、相関係数の絶対値が最大の評価指標を選択して終了する(ステップ1306)。
【0060】
合成した評価指標の相関係数の絶対値が、ステップ1305で選択した上位N個に入る場合は、評価を継続して、より最適な合成指標作成の可能性を追求してもよい(ステップ1307)。評価指標別に、評価値順に画像を一覧表示することで、選択した評価指標の妥当性を確認することが容易にできる(ステップ1308)。
【0061】
図15は、合成評価指標を設定、確認するGUIの一例を示す図である。評価指標の合成式は、fは合成評価指標、gは単独の評価指標、wは単独の評価指標に掛ける重み、cは定数として、次式(2)で表される。この式(2)は説明のため、最も単純と思われる式を例示したものであり、別の式でもよい。
【0062】
【数2】
【0063】
図15において、まず、合成対象とする評価指標を選択する(指標名称番号1401を選択する)。単独の評価指標としては、基準画像と評価画像との差分面積、差分をグルーピングした結果から算出できる欠陥個数、アライメント精度の評価に有効な特定パターン間距離、SEM画像の場合各画素はグレースケールで表現されるので、この分布を表す輝度分布、測長SEMに用いられる測長値、主に穴形状のパターンを想定した円形度、ラインパターンを想定したエッジラフネス、パターン断線数、パターンショート数などが考えられる(指標名称1402)。
【0064】
選択基準としては、単独の評価指標の相関係数が考えられるので、ソート機能があると便利である(相関係数1403)。自動で合成対象とする評価指標を選択する場合は、単独の評価指標の相関係数の絶対値が大きいものから選択すればよい。重みは手動で微調整することができる(重み1404)。
【0065】
指標を自動選択する場合は、複数の組合せで合成評価指標を作成し、最も相関係数の絶対値が大きかったものを選択すればよい。この際、実験計画法などを用いれば、相関係数算出の処理時間を短縮することができる。重みを変更して試行した結果は、メモ情報として保存することができる(メモ情報1405)。
【0066】
このように、評価指標名称と、重みを変更した際の相関係数の関係を評価する経験を積むことで、評価サンプルに応じて、どの評価指標が有効かの予想精度が向上させることができる。予想精度が向上すると、評価指標を選択する際の精度も向上するので、不要な評価指標における評価処理を削減することができる。
【0067】
図16、図17は、本発明の評価機能を有する観察装置が、複数台ネットワーク接続された観察システムを示す図である。
【0068】
図16において、表面観察装置のそれぞれは、情報の送受信を行なう信号送受信部を備え、複数台の観察装置(1501、1502、1503)が、それぞれの信号送受信部を介してネットワーク1504に接続されている。ネットワーク1504は、データの受け渡しが可能であれば、有線、無線等の形態は問わない。
【0069】
観察装置1503には、出来栄え評価機能が搭載されていないため、観察装置1503上では出来栄え評価することができないが、観察装置1501または観察装置1502のレシピ解析機能を使って、観察装置1503に保存された評価対象画像を評価することができる。
【0070】
図17は、観察装置には出来栄え評価機能を持たずに、出来栄え管理サーバ1505で一括管理する観察システムである。評価対象画像は出来栄え管理サーバで一括管理され、必要に応じて、観察装置(1506、1507、1508)に転送することができる。
【0071】
以上のように、本発明の実施例によれば、評価対象試料の複数部分の表面画像に対して、複数の指標を用いて評価し、指標別に評価画像を評価順に配列して表示し、複数の画像に対して、ユーザが配列した複数の画像の配列に従って決定される評価基準と評価指標との相関係数が自動的に算出され、算出された相関係数が最大の評価指標を検出して、画面に表示される。
【0072】
したがって、表面観察装置に記憶された複数の評価指標のうち、ユーザが希望する判断基準に最も近いものが自動的に検出されるため、初心者であっても、試行錯誤することなく、様々な評価対象パターンに対して、最適な評価指標を容易に選択可能な表面観察装置および表面観察方法を実現することができる。
【符号の説明】
【0073】
101・・・電子銃、102・・・レンズ、103・・・偏向器、104・・・対物レンズ、105・・・試料、106・・・ステージ、107・・・電子ビーム、108・・・二次粒子、109・・・二次粒子検出器、110・・・電子光学系制御部、111・・・A/D変換部、112・・・ステージ制御部、113・・・全体制御部、113a・・・評価画像入力部、113b・・・指標別評価値算出部、113c・・・評価指標別評価順画像並び替え処理部、113d・・・表示画像制御部、113e・・・ユーザ評価基準画像並び替え処理部、113f・・・相関係数算出画像並び替え処理部、114・・・画像処理部、115・・・ディスプレイ、116・・・キーボード、117・・・記憶装置、118・・・マウス、1501、1502・・・評価機能付観察装置、1503、1506、1507、1508・・・評価機能無し観察装置、1504・・・ネットワーク、1505・・・評価機能
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の表面を観察する表面観察装置において、
試料の表面の複数部分の表面画像を取得する画像取得部と、
上記画像取得部により取得された複数の表面画像が入力され、入力された複数の表面画像を処理する画像処理部と、
上記画像処理部により処理された複数の表面画像のそれぞれを、複数の評価指標に従って、評価値を算出する指標別評価値算出部と、
評価基準が入力される入力手段と、
上記入力手段により入力された評価基準と、上記複数の評価指標のそれぞれとの相関係数を算出し、算出した相関係数が最大の評価指標を選択する相関係数算出部と、
上記相関係数算出部により選択された最大の評価指標を推奨する評価指標として、画面に表示する表示部と、
を備えることを特徴とする表面観察装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表面観察装置において、上記画像処理部は、上記画像取得部により取得された複数の表面画像のうちの観察すべき表面画像を自動的にサンプリングする機能を有することを特徴とする表面観察装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表面観察装置において、上記相関係数算出部は、算出した相関係数が大きい複数の評価指標を合成し、合成評価指標を作成し、作成した合成評価指標と上記評価基準との相関係数を算出し、上記選択した最大の評価指標と比較して、大の評価指標を選択することを特徴とする表面観察装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表面観察装置において、上記評価基準、上記評価基準に従って配列された複数の表面画像、上記評価指標、上記評価指標に従って配列された複数の表面画像、これら複数の表面画像のうちの評価画像として選択された画像の拡大画像、基準画像の拡大表示画像、ウェーハマップ、画像の撮像条件のうちの1つ以上を上記表示部の一画面上に表示することを特徴とする表面観察装置。
【請求項5】
請求項1に記載の表面観察装置において、定義した評価基準に基づく観察画像の並び順と、複数の各評価指標に基づく観察画像の並び順とを比較して、並び順の類似度を数値化した値と、複数の評価指標を合成する際に各評価指標に掛け合わせる重みの値と、合成した評価指標に基づく観察画像の並び順の類似度を数値化した値のうち、2つ以上を上記表示部の一画面上に表示することを特徴とする表面観察装置。
【請求項6】
請求項1に記載の表面観察装置において、上記試料は半導体であることを特徴とする表面観察装置。
【請求項7】
請求項1に記載の表面観察装置は、情報の送受信を行なう信号送受信部を備え、複数の表面観察装置が、それぞれの信号送受信部を介して情報ネットワークに接続され、観察システムを形成することを特徴とする表面観察装置。
【請求項8】
試料の表面を観察する表面観察法において、
試料の表面の複数部分の表面画像を取得し、
取得した複数の表面画像を画像処理し、
画像処理した複数の表面画像のそれぞれを、複数の評価指標に従って、評価値を算出し、
入力手段により入力された評価基準と、上記複数の評価指標のそれぞれとの相関係数を算出し、算出した相関係数が最大の評価指標を選択し、
上記選択した最大の評価指標を推奨する評価指標として、画面に表示することを特徴とする表面観察方法。
【請求項9】
請求項8に記載の表面観察方法において、上記取得された複数の表面画像のうちの観察すべき表面画像は、自動的にサンプリングされることを特徴とする表面観察方法。
【請求項10】
請求項8に記載の表面観察方法において、上記算出した相関係数が大きい複数の評価指標を合成し、合成評価指標を作成し、作成した合成評価指標と上記評価基準との相関係数を算出し、上記選択した最大の評価指標と比較して、大の評価指標を選択することを特徴とする表面観察方法。
【請求項11】
請求項8に記載の表面観察方法において、上記評価基準、上記評価基準に従って配列された複数の表面画像、上記評価指標、上記評価指標に従って配列された複数の表面画像、これら複数の表面画像のうちの評価画像として選択された画像の拡大画像、基準画像の拡大表示画像、ウェーハマップ、画像の撮像条件のうちの1つ以上を上記表示部の一画面上に表示することを特徴とする表面観察方法。
【請求項12】
請求項8に記載の表面観察方法において、定義した評価基準に基づく観察画像の並び順と、複数の各評価指標に基づく観察画像の並び順とを比較して、並び順の類似度を数値化した値と、複数の評価指標を合成する際に各評価指標に掛け合わせる重みの値と、合成した評価指標に基づく観察画像の並び順の類似度を数値化した値のうち、2つ以上を上記表示部の一画面上に表示することを特徴とする表面観察方法。
【請求項13】
請求項8に記載の表面観察方法において、上記試料は半導体であることを特徴とする表面観察方法。
【請求項1】
試料の表面を観察する表面観察装置において、
試料の表面の複数部分の表面画像を取得する画像取得部と、
上記画像取得部により取得された複数の表面画像が入力され、入力された複数の表面画像を処理する画像処理部と、
上記画像処理部により処理された複数の表面画像のそれぞれを、複数の評価指標に従って、評価値を算出する指標別評価値算出部と、
評価基準が入力される入力手段と、
上記入力手段により入力された評価基準と、上記複数の評価指標のそれぞれとの相関係数を算出し、算出した相関係数が最大の評価指標を選択する相関係数算出部と、
上記相関係数算出部により選択された最大の評価指標を推奨する評価指標として、画面に表示する表示部と、
を備えることを特徴とする表面観察装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表面観察装置において、上記画像処理部は、上記画像取得部により取得された複数の表面画像のうちの観察すべき表面画像を自動的にサンプリングする機能を有することを特徴とする表面観察装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表面観察装置において、上記相関係数算出部は、算出した相関係数が大きい複数の評価指標を合成し、合成評価指標を作成し、作成した合成評価指標と上記評価基準との相関係数を算出し、上記選択した最大の評価指標と比較して、大の評価指標を選択することを特徴とする表面観察装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表面観察装置において、上記評価基準、上記評価基準に従って配列された複数の表面画像、上記評価指標、上記評価指標に従って配列された複数の表面画像、これら複数の表面画像のうちの評価画像として選択された画像の拡大画像、基準画像の拡大表示画像、ウェーハマップ、画像の撮像条件のうちの1つ以上を上記表示部の一画面上に表示することを特徴とする表面観察装置。
【請求項5】
請求項1に記載の表面観察装置において、定義した評価基準に基づく観察画像の並び順と、複数の各評価指標に基づく観察画像の並び順とを比較して、並び順の類似度を数値化した値と、複数の評価指標を合成する際に各評価指標に掛け合わせる重みの値と、合成した評価指標に基づく観察画像の並び順の類似度を数値化した値のうち、2つ以上を上記表示部の一画面上に表示することを特徴とする表面観察装置。
【請求項6】
請求項1に記載の表面観察装置において、上記試料は半導体であることを特徴とする表面観察装置。
【請求項7】
請求項1に記載の表面観察装置は、情報の送受信を行なう信号送受信部を備え、複数の表面観察装置が、それぞれの信号送受信部を介して情報ネットワークに接続され、観察システムを形成することを特徴とする表面観察装置。
【請求項8】
試料の表面を観察する表面観察法において、
試料の表面の複数部分の表面画像を取得し、
取得した複数の表面画像を画像処理し、
画像処理した複数の表面画像のそれぞれを、複数の評価指標に従って、評価値を算出し、
入力手段により入力された評価基準と、上記複数の評価指標のそれぞれとの相関係数を算出し、算出した相関係数が最大の評価指標を選択し、
上記選択した最大の評価指標を推奨する評価指標として、画面に表示することを特徴とする表面観察方法。
【請求項9】
請求項8に記載の表面観察方法において、上記取得された複数の表面画像のうちの観察すべき表面画像は、自動的にサンプリングされることを特徴とする表面観察方法。
【請求項10】
請求項8に記載の表面観察方法において、上記算出した相関係数が大きい複数の評価指標を合成し、合成評価指標を作成し、作成した合成評価指標と上記評価基準との相関係数を算出し、上記選択した最大の評価指標と比較して、大の評価指標を選択することを特徴とする表面観察方法。
【請求項11】
請求項8に記載の表面観察方法において、上記評価基準、上記評価基準に従って配列された複数の表面画像、上記評価指標、上記評価指標に従って配列された複数の表面画像、これら複数の表面画像のうちの評価画像として選択された画像の拡大画像、基準画像の拡大表示画像、ウェーハマップ、画像の撮像条件のうちの1つ以上を上記表示部の一画面上に表示することを特徴とする表面観察方法。
【請求項12】
請求項8に記載の表面観察方法において、定義した評価基準に基づく観察画像の並び順と、複数の各評価指標に基づく観察画像の並び順とを比較して、並び順の類似度を数値化した値と、複数の評価指標を合成する際に各評価指標に掛け合わせる重みの値と、合成した評価指標に基づく観察画像の並び順の類似度を数値化した値のうち、2つ以上を上記表示部の一画面上に表示することを特徴とする表面観察方法。
【請求項13】
請求項8に記載の表面観察方法において、上記試料は半導体であることを特徴とする表面観察方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−283079(P2010−283079A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134284(P2009−134284)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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