被印刷物上への物質の液滴の制御位置決めに対するインクジェット装置、物質の液滴の制御位置決めに対する方法、及び、インクジェット装置の使用
本発明は、被印刷物上への物質の液滴の制御位置決めに対するインクジェット装置に係る。当該装置は、液滴を吐出するよう設計されるノズルを有するプリントヘッドを少なくとも有し、更には、被印刷物上の液滴の着床を検出するよう配置される少なくとも１つの音響センサを有する。フィードバックループは、液滴の着床が所定の遅延時間内に検出されない場合にプリント工程を停止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、被印刷物（ｓｕｂｓｔａｎｃｅ）上への物質の液滴の制御位置決め（ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｄ ｐｏｓｉｔｉｏｉｎｇ）に対するインクジェット装置に係る。本発明は更に、インクジェット装置を使用する、被印刷物上への物質の液滴の制御位置決めに対する方法に係る。本発明は更に、インクジェット装置の使用に係る。
【０００２】
本発明は被印刷物への物質の液滴の制御位置決めに対するインクジェット装置、方法、及びインクジェットの使用を開示する。特に医学的診断に対して、被印刷物は、特定の被印刷物が大変正確且つ精密に位置決めされる場合に必要とされる。かかる被印刷物は通常、被印刷物上において複数の生物学的試験又は反応を行うよう、被印刷物上に位置決めされる。本発明に従ったインクジェット装置、物質の液滴の制御位置決めに対する方法、及び、インクジェットの使用は、望ましくは、被印刷物上へと物質のプリント工程に対して適用される。該プリント工程は、物質の液滴が実際に被印刷物上へと放出されているか否か、並びに被印刷物の液滴が被印刷物上に正確に位置決めされているか否かにおいて、非常に信頼性が高くなければならない。
【背景技術】
【０００３】
インクジェット装置は、一般的に既知である。例えば、米国特許出願ＵＳ ２００４／０１９６３１９ Ａ１（特許文献１）は、画像記録装置を開示する。該装置は、複数のノズルを有する記録ヘッド、キャリッジ、トランスファ機構、駆動機構、射出日（ｉｎｊｅｃｔｉｏｎ ｄａｔｅ）を光学的に検出する検出機構、及びコントローラを有する。複数のノズルは、複数のノズル群に分割される。コントローラは、他のノズル群のそれとは異なるノズル群の各々に対する射出タイミングを作る。該特許文献１に従う記録ヘッド又は複数の記録ヘッドは、プリント範囲の外側に位置決めされ得、制御動作が行われる。制御動作は、例えばインクがノズル等に詰まっているために１つ又は複数のプリントヘッド又はプリントノズルが正しく作動しないか否かという質問に応答し得る。プリントヘッドが制御又は検出範囲におけるプリント範囲の外側に位置決めされる際、プリントヘッド又はプリントノズルは、プリントヘッドがプリント範囲においてインク液滴を塗布するところの記録媒体に面さない。検出範囲において、液滴の軌道は、光検出器によって検出される光ビームに交差し、プリントヘッドの適正な作動の制御をもたらす。既知の装置の１つの欠点は、制御動作が時折行われるだけであるため、別個の液滴が実際に被印刷物上へとあるいはプリント媒体上へと蒸着されているか否かという質問に信頼性高く応答することが可能ではない、ことである。これは、特には正確且つ確実なプリント工程が必須である用途に対するプリント又はインクジェット装置の信頼性を強く制限する。
【特許文献１】米国特許出願ＵＳ ２００４／０１９６３１９ Ａ１
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
したがって本発明は、被印刷物上への液滴の位置決めにより高い信頼性を有する、被印刷物上へと物質の液滴の制御位置決めに対するインクジェット装置を与える、ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上述は、本発明に従ったインクジェット装置及び液滴の制御位置決めに対する方法によって、並びに本発明に従ったインクジェット装置の使用によって、達成される。被印刷物上への物質の液滴の制御位置決めに対するインクジェット装置は、液滴を吐出するよう設計されるノズルを有するプリントヘッドを少なくとも有し、更には、被印刷物上における液滴の着床（ランディング、ｌａｎｄｉｎｇ）を検出するよう配置される少なくとも１つの音響センサを有する。
【０００６】
本発明に従ったインクジェット装置の利点は、少なくとも１つの音響センサを使用することによって液滴の着床を検出すること、及び、噴射された液滴が被印刷物上に実際に着用されているか否かに関する信頼性の高いフィードバックを有することが可能である、ことである。
【０００７】
本発明の望ましい一実施例では、液滴の着床中の被印刷物の振動は、検出される。これによって、液滴の着床を非常に単純だが効率的且つ信頼性高く検出することが可能である。これは、液滴の検出がエラー源によって高度に大変明確且つ静かになされ得る（ｄｅｔｅｃｔｉｏｎ ｏｆ ａ ｄｒｏｐｌｅｔ ｃａｎ ｂｅ ｍａｄｅ ｈｉｇｈｌｙ ｕｎｅｑｕｉｖｏｃａｌ ａｎｄ ｕｎｄｉｓｔｕｒｂｅｄ ｔｏ ａ ｈｉｇｈ ｄｅｇｒｅｅ ｂｙ ａｎｙ ｓｏｕｒｃｅｓ ｏｆ ｅｒｒｏｒ）、ことを意味する。
【０００８】
大変望ましくは、プリントヘッドは、被印刷物の第１の側部上に与えられ、少なくとも１つの音響センサは、第１の側部に対して対向する被印刷物の第２の側部上に与えられる。これは、被印刷物の第１の側部上において音響センサに対して使用される必要がある空間が無い、という利点を有する。これは、プリントヘッドの周囲の空間が希少であるため、特に重要である。プリントヘッドが被印刷物に対してより近く位置決めされると、液滴の着床は、より正確になる。更には、被印刷物上の異なる位置において着床する液滴間のより優れた区別（ｄｉｓｔｉｎｃｔｉｏｎ）は、被印刷物の第２の側部上に取り付けられる音響センサによって可能にされる。
【０００９】
音響センサは、望ましくはマイクロフォンである。これは、本発明に従った音響センサを与える非常にコスト効率のよい方途である。
【００１０】
本発明の望ましい一実施例では、インクジェット装置は、複数の音響センサを有する。これは、被印刷物に衝突する（ｈｉｔｔｉｎｇ）液滴の位置と被印刷物上に着床する液滴との間におけるより優れた区別が可能である、という利点を有する。
【００１１】
更に望ましくは、被印刷物は、複数の被印刷物範囲を有する。各被印刷物範囲は望ましくは、膜ホルダによって保持される個別の膜である。故に複数の個別の膜は、本発明のインクジェット装置の使用を有して生成され得る。
【００１２】
大変望ましくは、少なくとも１つの音響センサは、各被印刷物範囲に対してアサインされる。これは、被印刷物に衝突する液滴と被印刷物上に着床する液滴の位置間における更により優れた区別が可能である、という利点を有する。
【００１３】
更には、複数の被印刷物範囲のうちの１つに対してアサインされる少なくとも１つの音響センサのセンサ信号は、被印刷物範囲の異なる１つの上に着床する液滴とは対照的に被印刷物範囲の１つの上に着床する液滴に対して強く異なる（ｓｔｒｏｎｇｌｙ ｄｉｆｆｅｒｓ ｆｏｒ）、ことが望ましい。これは更に、１つの被印刷物範囲上における１つの液滴の着床と隣接する被印刷物範囲上における他の液滴のそれとの間を、かかる着床が同時あるいは時間的に大変近い場合に区別することを可能にする。
【００１４】
更に望ましくは、インクジェット装置は、プリントテーブル（ｐｒｉｎｔ ｔａｂｌｅ）又は取付け板（ｆｉｘｔｕｒｅ ｐｌａｔｅ）を有する。プリントテーブル又は取付け板は、各膜ホルダに対して凹部又はホールを有し、並びに／あるいは、各被印刷物範囲に対してアサインされる音響センサは、凹部又はホールにおいて与えられる。それによって、異なる膜範囲上に着床する液滴の比較的正確な分離は、可能とされる。
【００１５】
本発明によれば、インクジェット装置を使用することは更に望ましい。該インクジェット装置は、（望ましくは安定した重い）プリントテーブル及び印字ブリッジ（ｐｒｉｎｔｉｎｇ ｂｒｉｄｇｅ）を更に有する。取付け板は、直線状ステージ（ｌｉｎｅａｒ ｓｔａｇｅ）に対して剛性に取り付けられ、プリントテーブルに対して第１の方向（Ｘ方向）における直線運動を可能にする。プリントヘッドは、直線状ステージ上に取り付けられるプリントヘッドホルダに対して取り付けられ、第２の方向（Ｙ方向）における印字ブリッジに対する直線運動を可能にする。故に、塗布の大きな範囲上へと物質の液滴をプリント又は放出することは、可能である。したがって、プリントされる製品の製造は、大きな被印刷物又は別個の膜が１つのバッチとしてプリントされ得るため、大変コスト効率をよくされ得る。
【００１６】
本発明によれば、被印刷物は、平らな被印刷物、構造化被印刷物（ｓｔｒｕｃｔｕｒｅｄ ｓｕｂｓｔｒａｃｔｏｒ）、又は多孔質膜である、ことが望ましい。より望ましくは、被印刷物は、ナイロン膜、ニトロセルロース膜、又はＰＶＤＦ膜である。被印刷物が望ましくは多孔質であるため、スポット又は液滴は、被印刷物上にのるだけではなく、膜へと浸透する。
【００１７】
更に望ましくは、被印刷物は、複数の被印刷物位置を有する。該被印刷物位置は、被印刷物位置のうちの１つにおいて位置決めされる液滴の少なくとも平均直径によって、互いに対して離される。これは、被印刷物上の正確な夫々の位置において精密且つ独立して被印刷物の異なる液滴を位置決めすることを可能とする。また、同一の被印刷物位置において複数の液滴を塗布することは、可能且つ有利である。
【００１８】
本発明によれば、物質が透明又は強く半透明（ｓｔｒｏｎｇｌｙ ｔｒａｎｓｌｕｃｅｎｔ）であることは、非常に望ましい。大変望ましくは、物質は、異なる分子又は異なる化合物、特には生体分子が存在する水溶液である。
【００１９】
本発明はまた、インクジェット装置を使用する、被印刷物上への物質の液滴の制御位置決めに対する方法を有する。該インクジェット装置は、液滴を吐出するよう設計されるノズルを有するプリントヘッドを少なくとも有し、更には被印刷物上の液滴の着床を検出するよう配置される少なくとも１つの音響センサを有する。したがって、プリント工程における大変高い信頼性は、達成され得る。
【００２０】
本発明によれば、フィードバックループは、液滴の吐出後、被印刷物上の液滴の着床が所定の遅延時間内に音響センサによって検出されない場合に、プリント工程を停止する、ことが望ましい。これは、プリント中に異常が起きる（フィードバックループがすぐにプリント工程に干渉する）際、プリント工程が停止されること、及び、プリントされている被印刷物がプリント工程全体を制御するソフトウェアによって「不適当」とマークされて適切な製品であるかのように更に処理されないようにすること、という利点を有する。多くの場合において、特には液滴が被印刷物に吸収された場合及び与えられる液滴が透明な蒸発物質を有する場合において、液滴が被印刷物上に十分に着床したか否かを後になって判断することは容易ではない。更に、ソフトウェアは、被印刷物上における液滴の各着床が残される（ｒｅｇｉｓｔｅｒｅｄ）ことを確実にする役割を有する。望ましい一実施例では、この分析は、吐出された液滴の分析がプリント中の異常を示す場合にプリンタを停止するフィードバックによって続けられる。
【００２１】
大変望ましくは、音響センサは、液滴がノズルから吐出された後にセンサ信号上にデータを記録する。液滴の吐出後の所定の遅延時間中に音響センサが被印刷物上における液滴の着床に割り当てられ得る信号を記録していない場合、プリント工程におけるエラーは、検出される。これは、各液滴が追跡可能であるという、先行技術に対する利点を有する。
【００２２】
更に望ましくは、第１の段階において、被印刷物に対するプリントヘッドの位置は測定され、第２の段階において、物質は膜上に位置決めされる。かかる方法の段階は、有利には、被印刷物又は膜上において物質の液滴を位置決めすることを可能にする。
【００２３】
更に望ましい一実施例では、複数の異なる物質は、被印刷物に対して塗布され、第１の物質が第１の被印刷物位置において位置決めされ、第２の物質が第１の被印刷物位置において位置決めされるようにする。これは、複数の異なる物質が、プリントに対する物質リザーバ又はプリントヘッドを単に交換することによって１つ及び同一のプリント工程を有して、生化学試金分析カートリッジ（ｂｉｏｃｈｅｍｉｃａｌ ａｓｓａｙ ｃａｒｔｒｉｄｇｅ）において使用され得る被印刷物上に与えられ得る、という利点を有する。
【００２４】
本発明はまた、本発明に従ったインクジェット装置の使用を有する。物質は、生物学的反応物質、及び／又は核酸、及び／又はポリペプチド、及び／又はプロテインを有する。かかる目的に対する本発明のインクジェット装置の使用は、被印刷物上において特定の数の物質を大変正確に位置決めすることを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２５】
本発明のこれらの及び他の特徴、特性、及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面から明らかにされる。該図面は、本発明の原理を例証するものである。説明は、本発明の範囲を制限せず、単なる例として与えられる。以下に記載される参照符号は、添付の図面を参照される。
【００２６】
本発明は、特定の実施例及び特定の図面を参照して説明される。しかしながら本発明は、それによって制限されることはなく、請求項によってのみ制限される。図面は、概略的であり、制限的ではない。図中、複数の要素の寸法は、誇張されており、例証を目的として実寸大にされていない。
【００２７】
単数で表わされる名詞は、特記されない限りその複数の存在も対象とする。
【００２８】
更には、明細書及び請求項における第１、第２、第３等の表現は、同様の要素を区別するよう使用されるものであり、必ずしも順次的又は時間的オーダを示していない。使用される該表現は、適切な状況において置換え可能であり、ここに記載される本発明の実施例は、説明又は図示される実施例以外の順序における動作を可能にする、ことが理解されるべきである。
【００２９】
更には、明細書及び請求項における上部、下部、上方、下方等の表現は、説明を目的として使用され、必ずしも夫々の位置を示さない。使用される該表現は、適切な状況において置換え可能であり、ここに記載される本発明の実施例は、ここに記載又は図示される以外の方向性における動作を可能にする、ことは理解されるべきである。
【００３０】
本明細書及び請求項において使用される「有する」という表現は、その後に記載される手段に対して制限されるよう解釈されるべきではなく、他の要素又は段階を除外するものではない、ことが留意されるべきである。故に、「手段Ａ及びＢを有する装置」という表現の範囲は、構成要素Ａ及びＢのみを有する装置に制限されるべきではない。該表現は、本発明に関して装置の単なる関連構成要素がＡ及びＢである、ことを意味する。
【００３１】
図１は、本発明に従ったインクジェット装置１０の概略的平面図である。プリントテーブル５０（望ましくは重いグラナイトを有して作られる）上において、取付け板５５は、グラナイトテーブルに対する直線運動を可能にする直線状ステージに対して固定して取り付けられる。膜４１を有する複数の膜ホルダ４４は、この取付け板５５において位置付けられる。膜４１は共に、被印刷物４０を形成する。従って、膜４１はまた、「被印刷物４１」とも称され得る。明確にするよう、以下において「被印刷物４０」という用語は、「膜４１」のプリント可能な範囲の全体を称する。膜ホルダ４４は、基本的には単なるリング４４である。丸い膜４１は、このリングに対して溶接される。故に、プリント後、リング４４及び膜４１は共に最終製品を形成する。印字ブリッジ（ｐｒｉｎｔｉｎｇ ｂｒｉｄｇｅ）５１は、取付け板５５に対して可動に与えられ、プリントテーブル５０に対して剛性に取り付けられる。印字ブリッジ５１は、可動のプリントヘッドホルダ５１’を有する。取付け板５５を有するステージは、第１の方向Ｘ方向において可動である。プリントヘッド２０は、可動のプリントヘッドホルダ５１’に対して取り付けられ、印字ブリッジ５１に対して第２の方向Ｙ方向において可動であるようにされる。本発明によれば、第１の方向（Ｘ方向）及び第２の方向（Ｙ方向）が互いに対して垂直である、ことは望ましい。プリントヘッド２０は、結果として取付け板５５の特定の範囲にわたって動かされ得、プリントヘッド２０の近くにおけるリザーバ（図示せず）において格納される物質の液滴を放出し得る。膜４１は、Ｘ方向における均等な距離及びＹ方向における均等な距離において、位置合わせ板（ｒｅｇｉｓｔｒａｔｉｏｎ ｐｌａｔｅ）５５とも称される取付け板５５に取り付けられる。Ｘ方向における距離は、Ｙ方向における距離とは異なり得る。本発明によれば、制御カメラ４０は与えられ、プリントヘッド２０のノズルから噴射される物質の液滴（図２中に示される）が制御カメラ３０によって検出され得るようにする。図１に示される本発明の望ましい一実施例では、制御カメラ３０は、可動のプリントヘッドホルダ５１’上のプリントヘッド２０の近くに固定して位置付けられる。
【００３２】
被印刷物４０は、感染性の病気を検出するよう使用される生体活性膜を有して作られ得る（ｍａｄｅ ｏｆ ａ ｂｉｏａｃｔｉｖｅ ｍｅｍｂｒａｎｅ）。医療診断は、プリント工程の大変高い信頼性を要求する。蛍光パターンの読出しは、特定のキャプチャプローブの位置に対して直接関連する（Ｔｈｅ ｒｅａｄ−ｏｕｔ ｏｆ ｔｈｅ ｆｌｕｏｒｅｓｃｅｎｔ ｐａｔｔｅｒｎ ｒｅｌａｔｅｓ ｄｉｓｅａｓｅｓ ｄｉｒｅｃｔｌｙ ｔｏ ｔｈｅ ｐｏｓｉｔｉｏｎｓ ｏｆ ｔｈｅ ｓｐｅｃｉｆｉｃ ｃａｐｔｕｒｅ ｐｒｏｂｅｓ）。したがって、被印刷物４０におけるキャプチャプローブの正確な位置決めに対して大変信頼性の高い工程を有することは、絶対的に必須である。インクジェットプリントは、被印刷物４０上の液滴の実際の存在及び位置に関するフィードバックを有さない精密ドージング（投与）技術である。問題は、動作がどのように進行するかに関する情報がないことである。本発明は、プリント工程のすぐ後に続く音響方法を記載する。特にはマイクロフォンである音響センサは、インクジェット装置１０上に取り付けられる。該センサは、液滴が被印刷物４０上に着床しているか否かを検出する。システムは、液滴が失われたその瞬間にプリント工程を停止し、プリントされた膜４１又は被印刷物範囲４１をマークする。操作者は、プリントヘッド（ピペット）を調整することができ、再度仕様に従って作動するようにし、プリント工程は再開され得る。その後、マークされた膜は、プリントされた膜４１のバッチから除去され得る。
【００３３】
プリントテーブル５０は、望ましくはグラナイトテーブルである。あるいは、異なる大変重い材料は、使用され得る。本発明によれば、プリントテーブル５０は、殆ど振動障害を有さない環境において配置されるべきである。精密直線状ステージは、グラナイトテーブル（プリントテーブル５０）に対して取り付けられ、ステージ上に取り付けられる取付け板５５は、明らかに（ｂｙ ｄｅｆｉｎｉｔｉｏｎ）第１の方向（Ｘ方向）において動く。
【００３４】
図２は、別個の膜ホルダ４４及び取付け板５５の一部の概略的断面図である。膜ホルダ４４は、被印刷物４０の一部として１つの膜４１を有する。１つの膜４１はまた、被印刷物範囲４１と示される。各別個の膜ホルダ４４は、取付け板５５上に位置決めされる。被印刷物４０、即ち各膜４１上では、複数の被印刷物位置４１は与えられ、別個の液滴又は液滴のドット（図２中概略的に参照符号２２出示される）は、互いに対して距離をおいて位置決めされ得る。故に、異なる種類の物質を被印刷物位置４２の各々の上に出すあるいは位置決めすることは、可能である。膜ホルダ４４は、取付け板５５又は位置合わせ板５５のホール５７において位置付けられる。インクジェット装置１０のプリントヘッド２０は望ましくは、被印刷物４０の第１（「上方」）の側部４０’上に位置決めされ、音響センサ６０は望ましくは、被印刷物４０の第２（「下方」）の側部４０’’上に位置決めされ、第２の側部４０’’は、対向する第１の側部４０’に位置決めされる。音響センサ６０は望ましくは、ホール５７において位置決めされる更なる凹部７１において位置決めされる。音響センサ６０は、図２中にのみ概略的に示され、例えば接続線等を有さない。かかる接続線は、信号を音響センサ６０から処理及び／又は制御装置（図示せず）まで導くよう存在しなければならない、ことは当業者には明らかである。該装置においては、音響センサ６０によって生成されるデータ又は信号は、処理される。望ましくは、音響センサ６０は、マイクロフォンとして構成される。
【００３５】
図３は、複数の膜範囲４１，４１ａ，４１ｂ及び音響センサ６０，６０ａ，６０ｂを有する取付け板５５の概略的平面図である。１つの音響センサ６０，６０ａ，６０ｂが、各膜範囲４１，４１ａ，４１ｂに関連付けられる。これは、例えば、液滴２２が膜範囲４１ａ上に着床する場合、膜範囲４１ａに関連付けられる音響センサ６０ａが液滴２２の着床のみを検出すること、あるいは少なくとも大変高度に（ａｔ ｌｅａｓｔ ｔｏ ａ ｖｅｒｙ ｍｕｃｈ ｈｉｇｈｅｒ ｄｅｇｒｅｅ）検出することを意味する。このことは、膜範囲４１ｂに関連付けられる音響センサ６０ｂに対して、また膜範囲４１に関連付けられる音響センサ６０に対しても、当て嵌る。被印刷物４０上の異なる位置において位置決めされるこの複数の音響センサ６０を有して、液滴２２が被印刷物４０上（のどこか）に着床しているか否かだけではなく、液滴２２が着床している正確な膜範囲４１を検出することは、可能である。
【００３６】
図４は、インクジェット装置１０の取付け板５５の他の一実施例を概略的に示す。膜ホルダ４４は、取付け板５５のこの実施例の凹部５６において位置決めされる。音響センサ６０に対する更なる凹部６１は、かかる凹部５６において概略的に示される。膜範囲４１は、膜ホルダ４４上において位置決めされる。
【００３７】
図５ａは、膜４１又は被印刷物範囲４１の一部を上方から示す。複数の被印刷物位置４２，４２ａ，４２ｂは、被印刷物範囲４１上において画定される。被印刷物位置４２，４２ａ，４２ｂは、液滴２２が本発明に従ったインクジェット装置１０によって位置付けられる場所である。単一の被印刷物位置４２において複数の液滴を置くことも可能である。プリントヘッド２０によって吐出され被印刷物４０上に着床される液滴２２は、被印刷物位置４２，４２ａ，４２ｂの相互距離４３’（又はピッチ）より小さい平均直径４３を有する被印刷物位置４２，４２ａ，４２ｂの周囲における特定の液滴範囲又はスポットをカバーする。
【００３８】
図５ｂは、複数の被印刷物位置４２が小さな円によって示される被印刷物範囲４１の平面図である。本発明によれば、多くの異なる物質は、診断を目的として被印刷物範囲４１の膜を使用するよう、かかる異なる被印刷物位置４２上に蒸着され得る。本発明によれば、被印刷物位置４２及び夫々の物質の１つの群４２’内において一式の試験を行うよう、被印刷物位置４２の複数の群４２’を画定することは可能である。
【００３９】
図６は、本発明のインクジェット装置１０の更なる一実施例を概略的且つ部分的に示す。印字ブリッジ５１に対してＹ軸に沿って動くプリントヘッドホルダ５１’は、更なるプリントヘッド３０ａ及び第３のプリントヘッド２０ｂをプリントヘッド２０に加えて備えられる。従って、更なる制御カメラ３０ａ及び第３の制御カメラ３０ｂは、プリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂの近くにおいて位置付けられる。本発明によれば、プリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂは、異なるプリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂによって吐出される液滴２２が異なる膜範囲４１，４１ａ，４１ｂ上に着床するよう位置決めされる。これによって、複数のプリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂから複数の液滴２２を同時に、あるいは少なくとも時間的に大変近接して噴射することは可能となる一方、被印刷物４０上又はその夫々の膜範囲４１，４１ａ，４１ｂ上の液滴２２の各々の着床を区別することは、依然として可能である。
【００４０】
図６に従う実施例において、ブリッジ５１上の直線状ステージ上に剛性に取り付けられる３つ又はそれより多い単一ノズルプリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂ（ピペット）は、第２の方向（Ｙ方向）において明らかに動く。プリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂは、Ｘ方向において被印刷物４０を同時に動かすこと、及び／又はＹ方向においてプリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂと共に印字ブリッジ４１を同時に動かすことによって、被印刷物４０上の位置まで動かされ得る。プリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂの距離は、可能な限り、Ｙ方向における膜範囲４１のピッチと同等である。取付け板５５は、プリントテーブル５０の上部上に剛性に取り付けられる。取付け板５５は、膜範囲４１又は膜ホルダ４４に対するキャリア５５とも称される。１つより多いプリントヘッド２０の使用は、複数の単一ノズルプリントヘッドが平行に使用されるため、より短いプリント時間が得られ得る、ことを意味する。
【００４１】
本発明によれば、プリントプロトコルは、望ましくは以下の通りに処理される。望ましくは、膜４１は、最初に、プリントテーブル５０又は取付け板５５に対して位置合わせされる。これは、液滴２２の位置情報が三次元で分かることを確実にする役割を果たす。プリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂからの液滴２２の吐出は、望ましくは、カメラによって検出され、被印刷物４０上の液滴２２の着床は、音響センサ６０，６０ａ，６０ｂによってリアルタイムで検出される。センサ又はカメラからの全ての信号及びデータは、ソフトウェアによって記録されるか、あるいはメモリにおいて格納される。
【００４２】
被印刷物範囲４１上では、例えば、１３０のスポット又は被印刷物位置４２が与えられ得、液滴２２がプリントされ得る。各液滴は、例えば約１ｎｌである容積を必要とする。スポット又は液滴２２の直径４３は、例えば、２００μｍであり、例えば４００μｍであるピッチを有するパターンに置かれる。当然のことながら、例えば３００μｍ、２００μｍ、１００μｍ、又は５０μｍであるより小さなピッチを必要とするより小さなスポットを与えることも、可能である。１３０のスポットは、例えば、異なる物質２３を与えられる１つの単一プリントヘッド２０を有してプリントされる。取付け板５５上では、例えば、１４０の膜ホルダ４４が配置され、インクジェット装置１０によって１つのプリントバッチにおいて処理される。液滴スポットのピッチ４３’は、本発明に従って１０乃至５００μｍの範囲に置かれる。液滴２２のスポットの直径４３は、実際のピッチ４３’の約２０％乃至７０％の範囲にある。液滴２２の容積は、望ましいスポットの寸法及び使用される被印刷物４０の材料に対して適合されなければならない（例えば、物質が塗布される物質を強く吸収されるかあるいは弱く吸収するかに依存する）。典型的には、液滴２２の容積は、約０．００１ｎｌ乃至１０ｎｌである。
【図面の簡単な説明】
【００４３】
【図１】本発明のインクジェット装置の一実施例の概略平面図である。
【図２】被印刷物範囲、膜ホルダ、及び取付け板の概略的断面図である。
【図３】複数の膜範囲及び音響センサを有する本発明のインクジェット装置の取付け板を概略的に図示する。
【図４】本発明のインクジェット装置の取付け板の他の実施例を概略的に図示する。
【図５】図５ａ及び５ｂは、膜ホルダ及び完全な膜を共に有する被印刷物範囲の一部を概略的に図示する。
【図６】複数のプリントヘッドを有するインクジェット装置の一実施例を概略的に図示する。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、被印刷物（ｓｕｂｓｔａｎｃｅ）上への物質の液滴の制御位置決め（ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｄ ｐｏｓｉｔｉｏｉｎｇ）に対するインクジェット装置に係る。本発明は更に、インクジェット装置を使用する、被印刷物上への物質の液滴の制御位置決めに対する方法に係る。本発明は更に、インクジェット装置の使用に係る。
【０００２】
本発明は被印刷物への物質の液滴の制御位置決めに対するインクジェット装置、方法、及びインクジェットの使用を開示する。特に医学的診断に対して、被印刷物は、特定の被印刷物が大変正確且つ精密に位置決めされる場合に必要とされる。かかる被印刷物は通常、被印刷物上において複数の生物学的試験又は反応を行うよう、被印刷物上に位置決めされる。本発明に従ったインクジェット装置、物質の液滴の制御位置決めに対する方法、及び、インクジェットの使用は、望ましくは、被印刷物上へと物質のプリント工程に対して適用される。該プリント工程は、物質の液滴が実際に被印刷物上へと放出されているか否か、並びに被印刷物の液滴が被印刷物上に正確に位置決めされているか否かにおいて、非常に信頼性が高くなければならない。
【背景技術】
【０００３】
インクジェット装置は、一般的に既知である。例えば、米国特許出願ＵＳ ２００４／０１９６３１９ Ａ１（特許文献１）は、画像記録装置を開示する。該装置は、複数のノズルを有する記録ヘッド、キャリッジ、トランスファ機構、駆動機構、射出日（ｉｎｊｅｃｔｉｏｎ ｄａｔｅ）を光学的に検出する検出機構、及びコントローラを有する。複数のノズルは、複数のノズル群に分割される。コントローラは、他のノズル群のそれとは異なるノズル群の各々に対する射出タイミングを作る。該特許文献１に従う記録ヘッド又は複数の記録ヘッドは、プリント範囲の外側に位置決めされ得、制御動作が行われる。制御動作は、例えばインクがノズル等に詰まっているために１つ又は複数のプリントヘッド又はプリントノズルが正しく作動しないか否かという質問に応答し得る。プリントヘッドが制御又は検出範囲におけるプリント範囲の外側に位置決めされる際、プリントヘッド又はプリントノズルは、プリントヘッドがプリント範囲においてインク液滴を塗布するところの記録媒体に面さない。検出範囲において、液滴の軌道は、光検出器によって検出される光ビームに交差し、プリントヘッドの適正な作動の制御をもたらす。既知の装置の１つの欠点は、制御動作が時折行われるだけであるため、別個の液滴が実際に被印刷物上へとあるいはプリント媒体上へと蒸着されているか否かという質問に信頼性高く応答することが可能ではない、ことである。これは、特には正確且つ確実なプリント工程が必須である用途に対するプリント又はインクジェット装置の信頼性を強く制限する。
【特許文献１】米国特許出願ＵＳ ２００４／０１９６３１９ Ａ１
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
したがって本発明は、被印刷物上への液滴の位置決めにより高い信頼性を有する、被印刷物上へと物質の液滴の制御位置決めに対するインクジェット装置を与える、ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上述は、本発明に従ったインクジェット装置及び液滴の制御位置決めに対する方法によって、並びに本発明に従ったインクジェット装置の使用によって、達成される。被印刷物上への物質の液滴の制御位置決めに対するインクジェット装置は、液滴を吐出するよう設計されるノズルを有するプリントヘッドを少なくとも有し、更には、被印刷物上における液滴の着床（ランディング、ｌａｎｄｉｎｇ）を検出するよう配置される少なくとも１つの音響センサを有する。
【０００６】
本発明に従ったインクジェット装置の利点は、少なくとも１つの音響センサを使用することによって液滴の着床を検出すること、及び、噴射された液滴が被印刷物上に実際に着用されているか否かに関する信頼性の高いフィードバックを有することが可能である、ことである。
【０００７】
本発明の望ましい一実施例では、液滴の着床中の被印刷物の振動は、検出される。これによって、液滴の着床を非常に単純だが効率的且つ信頼性高く検出することが可能である。これは、液滴の検出がエラー源によって高度に大変明確且つ静かになされ得る（ｄｅｔｅｃｔｉｏｎ ｏｆ ａ ｄｒｏｐｌｅｔ ｃａｎ ｂｅ ｍａｄｅ ｈｉｇｈｌｙ ｕｎｅｑｕｉｖｏｃａｌ ａｎｄ ｕｎｄｉｓｔｕｒｂｅｄ ｔｏ ａ ｈｉｇｈ ｄｅｇｒｅｅ ｂｙ ａｎｙ ｓｏｕｒｃｅｓ ｏｆ ｅｒｒｏｒ）、ことを意味する。
【０００８】
大変望ましくは、プリントヘッドは、被印刷物の第１の側部上に与えられ、少なくとも１つの音響センサは、第１の側部に対して対向する被印刷物の第２の側部上に与えられる。これは、被印刷物の第１の側部上において音響センサに対して使用される必要がある空間が無い、という利点を有する。これは、プリントヘッドの周囲の空間が希少であるため、特に重要である。プリントヘッドが被印刷物に対してより近く位置決めされると、液滴の着床は、より正確になる。更には、被印刷物上の異なる位置において着床する液滴間のより優れた区別（ｄｉｓｔｉｎｃｔｉｏｎ）は、被印刷物の第２の側部上に取り付けられる音響センサによって可能にされる。
【０００９】
音響センサは、望ましくはマイクロフォンである。これは、本発明に従った音響センサを与える非常にコスト効率のよい方途である。
【００１０】
本発明の望ましい一実施例では、インクジェット装置は、複数の音響センサを有する。これは、被印刷物に衝突する（ｈｉｔｔｉｎｇ）液滴の位置と被印刷物上に着床する液滴との間におけるより優れた区別が可能である、という利点を有する。
【００１１】
更に望ましくは、被印刷物は、複数の被印刷物範囲を有する。各被印刷物範囲は望ましくは、膜ホルダによって保持される個別の膜である。故に複数の個別の膜は、本発明のインクジェット装置の使用を有して生成され得る。
【００１２】
大変望ましくは、少なくとも１つの音響センサは、各被印刷物範囲に対してアサインされる。これは、被印刷物に衝突する液滴と被印刷物上に着床する液滴の位置間における更により優れた区別が可能である、という利点を有する。
【００１３】
更には、複数の被印刷物範囲のうちの１つに対してアサインされる少なくとも１つの音響センサのセンサ信号は、被印刷物範囲の異なる１つの上に着床する液滴とは対照的に被印刷物範囲の１つの上に着床する液滴に対して強く異なる（ｓｔｒｏｎｇｌｙ ｄｉｆｆｅｒｓ ｆｏｒ）、ことが望ましい。これは更に、１つの被印刷物範囲上における１つの液滴の着床と隣接する被印刷物範囲上における他の液滴のそれとの間を、かかる着床が同時あるいは時間的に大変近い場合に区別することを可能にする。
【００１４】
更に望ましくは、インクジェット装置は、プリントテーブル（ｐｒｉｎｔ ｔａｂｌｅ）又は取付け板（ｆｉｘｔｕｒｅ ｐｌａｔｅ）を有する。プリントテーブル又は取付け板は、各膜ホルダに対して凹部又はホールを有し、並びに／あるいは、各被印刷物範囲に対してアサインされる音響センサは、凹部又はホールにおいて与えられる。それによって、異なる膜範囲上に着床する液滴の比較的正確な分離は、可能とされる。
【００１５】
本発明によれば、インクジェット装置を使用することは更に望ましい。該インクジェット装置は、（望ましくは安定した重い）プリントテーブル及び印字ブリッジ（ｐｒｉｎｔｉｎｇ ｂｒｉｄｇｅ）を更に有する。取付け板は、直線状ステージ（ｌｉｎｅａｒ ｓｔａｇｅ）に対して剛性に取り付けられ、プリントテーブルに対して第１の方向（Ｘ方向）における直線運動を可能にする。プリントヘッドは、直線状ステージ上に取り付けられるプリントヘッドホルダに対して取り付けられ、第２の方向（Ｙ方向）における印字ブリッジに対する直線運動を可能にする。故に、塗布の大きな範囲上へと物質の液滴をプリント又は放出することは、可能である。したがって、プリントされる製品の製造は、大きな被印刷物又は別個の膜が１つのバッチとしてプリントされ得るため、大変コスト効率をよくされ得る。
【００１６】
本発明によれば、被印刷物は、平らな被印刷物、構造化被印刷物（ｓｔｒｕｃｔｕｒｅｄ ｓｕｂｓｔｒａｃｔｏｒ）、又は多孔質膜である、ことが望ましい。より望ましくは、被印刷物は、ナイロン膜、ニトロセルロース膜、又はＰＶＤＦ膜である。被印刷物が望ましくは多孔質であるため、スポット又は液滴は、被印刷物上にのるだけではなく、膜へと浸透する。
【００１７】
更に望ましくは、被印刷物は、複数の被印刷物位置を有する。該被印刷物位置は、被印刷物位置のうちの１つにおいて位置決めされる液滴の少なくとも平均直径によって、互いに対して離される。これは、被印刷物上の正確な夫々の位置において精密且つ独立して被印刷物の異なる液滴を位置決めすることを可能とする。また、同一の被印刷物位置において複数の液滴を塗布することは、可能且つ有利である。
【００１８】
本発明によれば、物質が透明又は強く半透明（ｓｔｒｏｎｇｌｙ ｔｒａｎｓｌｕｃｅｎｔ）であることは、非常に望ましい。大変望ましくは、物質は、異なる分子又は異なる化合物、特には生体分子が存在する水溶液である。
【００１９】
本発明はまた、インクジェット装置を使用する、被印刷物上への物質の液滴の制御位置決めに対する方法を有する。該インクジェット装置は、液滴を吐出するよう設計されるノズルを有するプリントヘッドを少なくとも有し、更には被印刷物上の液滴の着床を検出するよう配置される少なくとも１つの音響センサを有する。したがって、プリント工程における大変高い信頼性は、達成され得る。
【００２０】
本発明によれば、フィードバックループは、液滴の吐出後、被印刷物上の液滴の着床が所定の遅延時間内に音響センサによって検出されない場合に、プリント工程を停止する、ことが望ましい。これは、プリント中に異常が起きる（フィードバックループがすぐにプリント工程に干渉する）際、プリント工程が停止されること、及び、プリントされている被印刷物がプリント工程全体を制御するソフトウェアによって「不適当」とマークされて適切な製品であるかのように更に処理されないようにすること、という利点を有する。多くの場合において、特には液滴が被印刷物に吸収された場合及び与えられる液滴が透明な蒸発物質を有する場合において、液滴が被印刷物上に十分に着床したか否かを後になって判断することは容易ではない。更に、ソフトウェアは、被印刷物上における液滴の各着床が残される（ｒｅｇｉｓｔｅｒｅｄ）ことを確実にする役割を有する。望ましい一実施例では、この分析は、吐出された液滴の分析がプリント中の異常を示す場合にプリンタを停止するフィードバックによって続けられる。
【００２１】
大変望ましくは、音響センサは、液滴がノズルから吐出された後にセンサ信号上にデータを記録する。液滴の吐出後の所定の遅延時間中に音響センサが被印刷物上における液滴の着床に割り当てられ得る信号を記録していない場合、プリント工程におけるエラーは、検出される。これは、各液滴が追跡可能であるという、先行技術に対する利点を有する。
【００２２】
更に望ましくは、第１の段階において、被印刷物に対するプリントヘッドの位置は測定され、第２の段階において、物質は膜上に位置決めされる。かかる方法の段階は、有利には、被印刷物又は膜上において物質の液滴を位置決めすることを可能にする。
【００２３】
更に望ましい一実施例では、複数の異なる物質は、被印刷物に対して塗布され、第１の物質が第１の被印刷物位置において位置決めされ、第２の物質が第１の被印刷物位置において位置決めされるようにする。これは、複数の異なる物質が、プリントに対する物質リザーバ又はプリントヘッドを単に交換することによって１つ及び同一のプリント工程を有して、生化学試金分析カートリッジ（ｂｉｏｃｈｅｍｉｃａｌ ａｓｓａｙ ｃａｒｔｒｉｄｇｅ）において使用され得る被印刷物上に与えられ得る、という利点を有する。
【００２４】
本発明はまた、本発明に従ったインクジェット装置の使用を有する。物質は、生物学的反応物質、及び／又は核酸、及び／又はポリペプチド、及び／又はプロテインを有する。かかる目的に対する本発明のインクジェット装置の使用は、被印刷物上において特定の数の物質を大変正確に位置決めすることを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２５】
本発明のこれらの及び他の特徴、特性、及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面から明らかにされる。該図面は、本発明の原理を例証するものである。説明は、本発明の範囲を制限せず、単なる例として与えられる。以下に記載される参照符号は、添付の図面を参照される。
【００２６】
本発明は、特定の実施例及び特定の図面を参照して説明される。しかしながら本発明は、それによって制限されることはなく、請求項によってのみ制限される。図面は、概略的であり、制限的ではない。図中、複数の要素の寸法は、誇張されており、例証を目的として実寸大にされていない。
【００２７】
単数で表わされる名詞は、特記されない限りその複数の存在も対象とする。
【００２８】
更には、明細書及び請求項における第１、第２、第３等の表現は、同様の要素を区別するよう使用されるものであり、必ずしも順次的又は時間的オーダを示していない。使用される該表現は、適切な状況において置換え可能であり、ここに記載される本発明の実施例は、説明又は図示される実施例以外の順序における動作を可能にする、ことが理解されるべきである。
【００２９】
更には、明細書及び請求項における上部、下部、上方、下方等の表現は、説明を目的として使用され、必ずしも夫々の位置を示さない。使用される該表現は、適切な状況において置換え可能であり、ここに記載される本発明の実施例は、ここに記載又は図示される以外の方向性における動作を可能にする、ことは理解されるべきである。
【００３０】
本明細書及び請求項において使用される「有する」という表現は、その後に記載される手段に対して制限されるよう解釈されるべきではなく、他の要素又は段階を除外するものではない、ことが留意されるべきである。故に、「手段Ａ及びＢを有する装置」という表現の範囲は、構成要素Ａ及びＢのみを有する装置に制限されるべきではない。該表現は、本発明に関して装置の単なる関連構成要素がＡ及びＢである、ことを意味する。
【００３１】
図１は、本発明に従ったインクジェット装置１０の概略的平面図である。プリントテーブル５０（望ましくは重いグラナイトを有して作られる）上において、取付け板５５は、グラナイトテーブルに対する直線運動を可能にする直線状ステージに対して固定して取り付けられる。膜４１を有する複数の膜ホルダ４４は、この取付け板５５において位置付けられる。膜４１は共に、被印刷物４０を形成する。従って、膜４１はまた、「被印刷物４１」とも称され得る。明確にするよう、以下において「被印刷物４０」という用語は、「膜４１」のプリント可能な範囲の全体を称する。膜ホルダ４４は、基本的には単なるリング４４である。丸い膜４１は、このリングに対して溶接される。故に、プリント後、リング４４及び膜４１は共に最終製品を形成する。印字ブリッジ（ｐｒｉｎｔｉｎｇ ｂｒｉｄｇｅ）５１は、取付け板５５に対して可動に与えられ、プリントテーブル５０に対して剛性に取り付けられる。印字ブリッジ５１は、可動のプリントヘッドホルダ５１’を有する。取付け板５５を有するステージは、第１の方向Ｘ方向において可動である。プリントヘッド２０は、可動のプリントヘッドホルダ５１’に対して取り付けられ、印字ブリッジ５１に対して第２の方向Ｙ方向において可動であるようにされる。本発明によれば、第１の方向（Ｘ方向）及び第２の方向（Ｙ方向）が互いに対して垂直である、ことは望ましい。プリントヘッド２０は、結果として取付け板５５の特定の範囲にわたって動かされ得、プリントヘッド２０の近くにおけるリザーバ（図示せず）において格納される物質の液滴を放出し得る。膜４１は、Ｘ方向における均等な距離及びＹ方向における均等な距離において、位置合わせ板（ｒｅｇｉｓｔｒａｔｉｏｎ ｐｌａｔｅ）５５とも称される取付け板５５に取り付けられる。Ｘ方向における距離は、Ｙ方向における距離とは異なり得る。本発明によれば、制御カメラ４０は与えられ、プリントヘッド２０のノズルから噴射される物質の液滴（図２中に示される）が制御カメラ３０によって検出され得るようにする。図１に示される本発明の望ましい一実施例では、制御カメラ３０は、可動のプリントヘッドホルダ５１’上のプリントヘッド２０の近くに固定して位置付けられる。
【００３２】
被印刷物４０は、感染性の病気を検出するよう使用される生体活性膜を有して作られ得る（ｍａｄｅ ｏｆ ａ ｂｉｏａｃｔｉｖｅ ｍｅｍｂｒａｎｅ）。医療診断は、プリント工程の大変高い信頼性を要求する。蛍光パターンの読出しは、特定のキャプチャプローブの位置に対して直接関連する（Ｔｈｅ ｒｅａｄ−ｏｕｔ ｏｆ ｔｈｅ ｆｌｕｏｒｅｓｃｅｎｔ ｐａｔｔｅｒｎ ｒｅｌａｔｅｓ ｄｉｓｅａｓｅｓ ｄｉｒｅｃｔｌｙ ｔｏ ｔｈｅ ｐｏｓｉｔｉｏｎｓ ｏｆ ｔｈｅ ｓｐｅｃｉｆｉｃ ｃａｐｔｕｒｅ ｐｒｏｂｅｓ）。したがって、被印刷物４０におけるキャプチャプローブの正確な位置決めに対して大変信頼性の高い工程を有することは、絶対的に必須である。インクジェットプリントは、被印刷物４０上の液滴の実際の存在及び位置に関するフィードバックを有さない精密ドージング（投与）技術である。問題は、動作がどのように進行するかに関する情報がないことである。本発明は、プリント工程のすぐ後に続く音響方法を記載する。特にはマイクロフォンである音響センサは、インクジェット装置１０上に取り付けられる。該センサは、液滴が被印刷物４０上に着床しているか否かを検出する。システムは、液滴が失われたその瞬間にプリント工程を停止し、プリントされた膜４１又は被印刷物範囲４１をマークする。操作者は、プリントヘッド（ピペット）を調整することができ、再度仕様に従って作動するようにし、プリント工程は再開され得る。その後、マークされた膜は、プリントされた膜４１のバッチから除去され得る。
【００３３】
プリントテーブル５０は、望ましくはグラナイトテーブルである。あるいは、異なる大変重い材料は、使用され得る。本発明によれば、プリントテーブル５０は、殆ど振動障害を有さない環境において配置されるべきである。精密直線状ステージは、グラナイトテーブル（プリントテーブル５０）に対して取り付けられ、ステージ上に取り付けられる取付け板５５は、明らかに（ｂｙ ｄｅｆｉｎｉｔｉｏｎ）第１の方向（Ｘ方向）において動く。
【００３４】
図２は、別個の膜ホルダ４４及び取付け板５５の一部の概略的断面図である。膜ホルダ４４は、被印刷物４０の一部として１つの膜４１を有する。１つの膜４１はまた、被印刷物範囲４１と示される。各別個の膜ホルダ４４は、取付け板５５上に位置決めされる。被印刷物４０、即ち各膜４１上では、複数の被印刷物位置４１は与えられ、別個の液滴又は液滴のドット（図２中概略的に参照符号２２出示される）は、互いに対して距離をおいて位置決めされ得る。故に、異なる種類の物質を被印刷物位置４２の各々の上に出すあるいは位置決めすることは、可能である。膜ホルダ４４は、取付け板５５又は位置合わせ板５５のホール５７において位置付けられる。インクジェット装置１０のプリントヘッド２０は望ましくは、被印刷物４０の第１（「上方」）の側部４０’上に位置決めされ、音響センサ６０は望ましくは、被印刷物４０の第２（「下方」）の側部４０’’上に位置決めされ、第２の側部４０’’は、対向する第１の側部４０’に位置決めされる。音響センサ６０は望ましくは、ホール５７において位置決めされる更なる凹部７１において位置決めされる。音響センサ６０は、図２中にのみ概略的に示され、例えば接続線等を有さない。かかる接続線は、信号を音響センサ６０から処理及び／又は制御装置（図示せず）まで導くよう存在しなければならない、ことは当業者には明らかである。該装置においては、音響センサ６０によって生成されるデータ又は信号は、処理される。望ましくは、音響センサ６０は、マイクロフォンとして構成される。
【００３５】
図３は、複数の膜範囲４１，４１ａ，４１ｂ及び音響センサ６０，６０ａ，６０ｂを有する取付け板５５の概略的平面図である。１つの音響センサ６０，６０ａ，６０ｂが、各膜範囲４１，４１ａ，４１ｂに関連付けられる。これは、例えば、液滴２２が膜範囲４１ａ上に着床する場合、膜範囲４１ａに関連付けられる音響センサ６０ａが液滴２２の着床のみを検出すること、あるいは少なくとも大変高度に（ａｔ ｌｅａｓｔ ｔｏ ａ ｖｅｒｙ ｍｕｃｈ ｈｉｇｈｅｒ ｄｅｇｒｅｅ）検出することを意味する。このことは、膜範囲４１ｂに関連付けられる音響センサ６０ｂに対して、また膜範囲４１に関連付けられる音響センサ６０に対しても、当て嵌る。被印刷物４０上の異なる位置において位置決めされるこの複数の音響センサ６０を有して、液滴２２が被印刷物４０上（のどこか）に着床しているか否かだけではなく、液滴２２が着床している正確な膜範囲４１を検出することは、可能である。
【００３６】
図４は、インクジェット装置１０の取付け板５５の他の一実施例を概略的に示す。膜ホルダ４４は、取付け板５５のこの実施例の凹部５６において位置決めされる。音響センサ６０に対する更なる凹部６１は、かかる凹部５６において概略的に示される。膜範囲４１は、膜ホルダ４４上において位置決めされる。
【００３７】
図５ａは、膜４１又は被印刷物範囲４１の一部を上方から示す。複数の被印刷物位置４２，４２ａ，４２ｂは、被印刷物範囲４１上において画定される。被印刷物位置４２，４２ａ，４２ｂは、液滴２２が本発明に従ったインクジェット装置１０によって位置付けられる場所である。単一の被印刷物位置４２において複数の液滴を置くことも可能である。プリントヘッド２０によって吐出され被印刷物４０上に着床される液滴２２は、被印刷物位置４２，４２ａ，４２ｂの相互距離４３’（又はピッチ）より小さい平均直径４３を有する被印刷物位置４２，４２ａ，４２ｂの周囲における特定の液滴範囲又はスポットをカバーする。
【００３８】
図５ｂは、複数の被印刷物位置４２が小さな円によって示される被印刷物範囲４１の平面図である。本発明によれば、多くの異なる物質は、診断を目的として被印刷物範囲４１の膜を使用するよう、かかる異なる被印刷物位置４２上に蒸着され得る。本発明によれば、被印刷物位置４２及び夫々の物質の１つの群４２’内において一式の試験を行うよう、被印刷物位置４２の複数の群４２’を画定することは可能である。
【００３９】
図６は、本発明のインクジェット装置１０の更なる一実施例を概略的且つ部分的に示す。印字ブリッジ５１に対してＹ軸に沿って動くプリントヘッドホルダ５１’は、更なるプリントヘッド３０ａ及び第３のプリントヘッド２０ｂをプリントヘッド２０に加えて備えられる。従って、更なる制御カメラ３０ａ及び第３の制御カメラ３０ｂは、プリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂの近くにおいて位置付けられる。本発明によれば、プリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂは、異なるプリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂによって吐出される液滴２２が異なる膜範囲４１，４１ａ，４１ｂ上に着床するよう位置決めされる。これによって、複数のプリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂから複数の液滴２２を同時に、あるいは少なくとも時間的に大変近接して噴射することは可能となる一方、被印刷物４０上又はその夫々の膜範囲４１，４１ａ，４１ｂ上の液滴２２の各々の着床を区別することは、依然として可能である。
【００４０】
図６に従う実施例において、ブリッジ５１上の直線状ステージ上に剛性に取り付けられる３つ又はそれより多い単一ノズルプリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂ（ピペット）は、第２の方向（Ｙ方向）において明らかに動く。プリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂは、Ｘ方向において被印刷物４０を同時に動かすこと、及び／又はＹ方向においてプリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂと共に印字ブリッジ４１を同時に動かすことによって、被印刷物４０上の位置まで動かされ得る。プリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂの距離は、可能な限り、Ｙ方向における膜範囲４１のピッチと同等である。取付け板５５は、プリントテーブル５０の上部上に剛性に取り付けられる。取付け板５５は、膜範囲４１又は膜ホルダ４４に対するキャリア５５とも称される。１つより多いプリントヘッド２０の使用は、複数の単一ノズルプリントヘッドが平行に使用されるため、より短いプリント時間が得られ得る、ことを意味する。
【００４１】
本発明によれば、プリントプロトコルは、望ましくは以下の通りに処理される。望ましくは、膜４１は、最初に、プリントテーブル５０又は取付け板５５に対して位置合わせされる。これは、液滴２２の位置情報が三次元で分かることを確実にする役割を果たす。プリントヘッド２０，２０ａ，２０ｂからの液滴２２の吐出は、望ましくは、カメラによって検出され、被印刷物４０上の液滴２２の着床は、音響センサ６０，６０ａ，６０ｂによってリアルタイムで検出される。センサ又はカメラからの全ての信号及びデータは、ソフトウェアによって記録されるか、あるいはメモリにおいて格納される。
【００４２】
被印刷物範囲４１上では、例えば、１３０のスポット又は被印刷物位置４２が与えられ得、液滴２２がプリントされ得る。各液滴は、例えば約１ｎｌである容積を必要とする。スポット又は液滴２２の直径４３は、例えば、２００μｍであり、例えば４００μｍであるピッチを有するパターンに置かれる。当然のことながら、例えば３００μｍ、２００μｍ、１００μｍ、又は５０μｍであるより小さなピッチを必要とするより小さなスポットを与えることも、可能である。１３０のスポットは、例えば、異なる物質２３を与えられる１つの単一プリントヘッド２０を有してプリントされる。取付け板５５上では、例えば、１４０の膜ホルダ４４が配置され、インクジェット装置１０によって１つのプリントバッチにおいて処理される。液滴スポットのピッチ４３’は、本発明に従って１０乃至５００μｍの範囲に置かれる。液滴２２のスポットの直径４３は、実際のピッチ４３’の約２０％乃至７０％の範囲にある。液滴２２の容積は、望ましいスポットの寸法及び使用される被印刷物４０の材料に対して適合されなければならない（例えば、物質が塗布される物質を強く吸収されるかあるいは弱く吸収するかに依存する）。典型的には、液滴２２の容積は、約０．００１ｎｌ乃至１０ｎｌである。
【図面の簡単な説明】
【００４３】
【図１】本発明のインクジェット装置の一実施例の概略平面図である。
【図２】被印刷物範囲、膜ホルダ、及び取付け板の概略的断面図である。
【図３】複数の膜範囲及び音響センサを有する本発明のインクジェット装置の取付け板を概略的に図示する。
【図４】本発明のインクジェット装置の取付け板の他の実施例を概略的に図示する。
【図５】図５ａ及び５ｂは、膜ホルダ及び完全な膜を共に有する被印刷物範囲の一部を概略的に図示する。
【図６】複数のプリントヘッドを有するインクジェット装置の一実施例を概略的に図示する。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
被印刷物上への物質の液滴の制御位置決めに対するインクジェット装置であって、
液滴を吐出するよう設計されるノズルを有するプリントヘッドを少なくとも有し、
更には、少なくとも１つの音響センサを有し、
該音響センサは、該音響センサによって前記被印刷物上の前記液滴の着床が検出されるよう配置される、
インクジェット装置。
【請求項２】
前記液滴の前記着床中における前記被印刷物の振動は、検出される、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項３】
前記プリントヘッドは、前記被印刷物の第１の側部上に与えられ、
前記少なくとも１つの音響センサは、前記第１の側部に対して対向する前記被印刷物の第２の側部上に与えられる、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項４】
前記音響センサは、マイクロフォンである、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項５】
複数の音響センサを有する、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項６】
前記被印刷物は、複数の被印刷物範囲を有し、前記被印刷物範囲の各々は、望ましくは、膜ホルダによって保持される個別の膜である、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項７】
少なくとも１つの音響センサは、各被印刷物範囲に関連付けられる、
請求項５記載のインクジェット装置。
【請求項８】
前記被印刷物範囲の１つ上に着床する液滴に応じる前記複数の被印刷物範囲のうちの１つと関連付けられる前記少なくとも１つの音響センサのセンサ信号は、前記被印刷物範囲のうちの異なる１つ上に着床する液滴に応じる夫々のセンサ信号とは強く異なる、
請求項６記載のインクジェット装置。
【請求項９】
固定プリントテーブルと、可動の取付け板とを有し、
該取付け板は、各膜ホルダに対して凹部又はホールを有する、
請求項７記載のインクジェット装置。
【請求項１０】
所定の被印刷物範囲と関連付けられる前記音響センサは、前記夫々の凹部又はホールにおいて与えられる、
請求項８記載のインクジェット装置。
【請求項１１】
更には、プリントテーブルと、該テーブルに対して剛性に取り付けられる印字ブリッジとを有し、
取付け板は、第１の方向（Ｘ方向）において前記プリントテーブルに対して可動であるよう取り付けられ、
前記プリントヘッドは、前記印字ブリッジに対して取り付けられる可動のプリントヘッドホルダ上に取り付けられ、前記プリントヘッドが第２の方向（Ｙ方向）において印字ブリッジに対して可動であるようにする、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項１２】
前記第１の方向（Ｘ方向）及び前記第２の方向（Ｙ方向）は、相互に垂直である、
請求項１０記載のインクジェット装置。
【請求項１３】
前記被印刷物は、平らな被印刷物、構造化被印刷物、又は多孔質膜であり、望ましくはナイロン膜、ニトロセルロース膜、又はＰＶＤＦ膜である、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項１４】
前記被印刷物は、複数の被印刷物位置を有し、該被印刷物位置は、該被印刷物位置のうちの１つにおいて位置決めされるドットの少なくとも平均直径によって、互いに対して離される、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項１５】
複数の液滴は、１つの被印刷物位置上で重畳される、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項１６】
前記物質は、透明又は強く半透明である、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項１７】
インクジェット装置を使用する、被印刷物上への物質の液滴の制御位置決めに対する方法であって、
該インクジェット装置は、液滴を吐出するよう設計されるノズルを有するプリントヘッドを少なくとも有し、更には少なくとも１つの音響センサを有し、該音響センサは、該音響センサによって前記被印刷物上の前記液滴の着床が検出されるよう配置される、
方法。
【請求項１８】
フィードバックループは、前記液滴の吐出後、前記被印刷物上の前記液滴の前記着床が所定の遅延時間内に前記音響センサによって検出されない場合に、前記プリント工程を停止する、
請求項１７記載の方法。
【請求項１９】
前記被印刷物に対する前記プリントヘッドの位置は、第１の段階において測定され、前記物質は、第２の段階において前記被印刷物上に位置付けられる、
請求項１７記載の方法。
【請求項２０】
複数の異なる物質は、前記被印刷物上に塗布され、第１の物質が第１の被印刷物位置において位置付けられ、第２の物質が第２の被印刷物位置において位置付けられるようにする、
請求項１７記載の方法。
【請求項２１】
請求項１記載のインクジェット装置の使用であって、
前記物質は、生物学的反応物質、及び／又は核酸、及び／又はポリペプチド、及び／又はプロテインを有する、
使用。
【請求項１】
被印刷物上への物質の液滴の制御位置決めに対するインクジェット装置であって、
液滴を吐出するよう設計されるノズルを有するプリントヘッドを少なくとも有し、
更には、少なくとも１つの音響センサを有し、
該音響センサは、該音響センサによって前記被印刷物上の前記液滴の着床が検出されるよう配置される、
インクジェット装置。
【請求項２】
前記液滴の前記着床中における前記被印刷物の振動は、検出される、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項３】
前記プリントヘッドは、前記被印刷物の第１の側部上に与えられ、
前記少なくとも１つの音響センサは、前記第１の側部に対して対向する前記被印刷物の第２の側部上に与えられる、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項４】
前記音響センサは、マイクロフォンである、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項５】
複数の音響センサを有する、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項６】
前記被印刷物は、複数の被印刷物範囲を有し、前記被印刷物範囲の各々は、望ましくは、膜ホルダによって保持される個別の膜である、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項７】
少なくとも１つの音響センサは、各被印刷物範囲に関連付けられる、
請求項５記載のインクジェット装置。
【請求項８】
前記被印刷物範囲の１つ上に着床する液滴に応じる前記複数の被印刷物範囲のうちの１つと関連付けられる前記少なくとも１つの音響センサのセンサ信号は、前記被印刷物範囲のうちの異なる１つ上に着床する液滴に応じる夫々のセンサ信号とは強く異なる、
請求項６記載のインクジェット装置。
【請求項９】
固定プリントテーブルと、可動の取付け板とを有し、
該取付け板は、各膜ホルダに対して凹部又はホールを有する、
請求項７記載のインクジェット装置。
【請求項１０】
所定の被印刷物範囲と関連付けられる前記音響センサは、前記夫々の凹部又はホールにおいて与えられる、
請求項８記載のインクジェット装置。
【請求項１１】
更には、プリントテーブルと、該テーブルに対して剛性に取り付けられる印字ブリッジとを有し、
取付け板は、第１の方向（Ｘ方向）において前記プリントテーブルに対して可動であるよう取り付けられ、
前記プリントヘッドは、前記印字ブリッジに対して取り付けられる可動のプリントヘッドホルダ上に取り付けられ、前記プリントヘッドが第２の方向（Ｙ方向）において印字ブリッジに対して可動であるようにする、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項１２】
前記第１の方向（Ｘ方向）及び前記第２の方向（Ｙ方向）は、相互に垂直である、
請求項１０記載のインクジェット装置。
【請求項１３】
前記被印刷物は、平らな被印刷物、構造化被印刷物、又は多孔質膜であり、望ましくはナイロン膜、ニトロセルロース膜、又はＰＶＤＦ膜である、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項１４】
前記被印刷物は、複数の被印刷物位置を有し、該被印刷物位置は、該被印刷物位置のうちの１つにおいて位置決めされるドットの少なくとも平均直径によって、互いに対して離される、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項１５】
複数の液滴は、１つの被印刷物位置上で重畳される、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項１６】
前記物質は、透明又は強く半透明である、
請求項１記載のインクジェット装置。
【請求項１７】
インクジェット装置を使用する、被印刷物上への物質の液滴の制御位置決めに対する方法であって、
該インクジェット装置は、液滴を吐出するよう設計されるノズルを有するプリントヘッドを少なくとも有し、更には少なくとも１つの音響センサを有し、該音響センサは、該音響センサによって前記被印刷物上の前記液滴の着床が検出されるよう配置される、
方法。
【請求項１８】
フィードバックループは、前記液滴の吐出後、前記被印刷物上の前記液滴の前記着床が所定の遅延時間内に前記音響センサによって検出されない場合に、前記プリント工程を停止する、
請求項１７記載の方法。
【請求項１９】
前記被印刷物に対する前記プリントヘッドの位置は、第１の段階において測定され、前記物質は、第２の段階において前記被印刷物上に位置付けられる、
請求項１７記載の方法。
【請求項２０】
複数の異なる物質は、前記被印刷物上に塗布され、第１の物質が第１の被印刷物位置において位置付けられ、第２の物質が第２の被印刷物位置において位置付けられるようにする、
請求項１７記載の方法。
【請求項２１】
請求項１記載のインクジェット装置の使用であって、
前記物質は、生物学的反応物質、及び／又は核酸、及び／又はポリペプチド、及び／又はプロテインを有する、
使用。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５ａ】
【図５ｂ】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５ａ】
【図５ｂ】
【図６】
【公表番号】特表２００９−５１３９５２（Ｐ２００９−５１３９５２Ａ）
【公表日】平成２１年４月２日（２００９．４．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−５３４１３２（Ｐ２００８−５３４１３２）
【出願日】平成１８年１０月３日（２００６．１０．３）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＩＢ２００６／０５３６１１
【国際公開番号】ＷＯ２００７／０４２９６７
【国際公開日】平成１９年４月１９日（２００７．４．１９）
【出願人】（５９００００２４８）コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２１年４月２日（２００９．４．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１０月３日（２００６．１０．３）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＩＢ２００６／０５３６１１
【国際公開番号】ＷＯ２００７／０４２９６７
【国際公開日】平成１９年４月１９日（２００７．４．１９）
【出願人】（５９００００２４８）コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Ｆターム（参考）】
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