説明

装飾用感圧転写テープ及び塗膜転写具

【課題】基材テープ上に離型層を介して金属蒸着層が形成され、さらにその上に、印刷によりパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取る様に感圧接着層が形成されたことを特徴とする装飾用感圧転写テープ及び塗膜転写具を提供する。
【解決手段】装飾用感圧転写テープ8は基材1上に離型層を介して金属蒸着層2が形成され、さらにその上に感圧接着層3が印刷によって、パターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るよう形成されている。前記装飾用感圧転写テープ8は内部に繰出し部、転写ヘッド12、巻取り部を有している塗膜転写具4の繰出し部に前記装飾用感圧転写テープ8が備えられており、該塗膜転写具4により紙面等の被転写体に押し付けることによりパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を形成した感圧転写層が被転写体に押圧転写される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材テープ上に離型層を介して金属蒸着層が形成され、さらにその上に感圧接着層が、印刷によってパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るように形成された装飾用感圧転写テープ及び塗膜転写具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、取り扱いの容易さから両面接着テープや転写式感圧接着テープが注目を集めている。この種の転写式感圧接着テープとしては、例えば、特開平08−027433号公報に開示されているように紙や有機高分子フィルムなどの基材の片面に感圧接着層を設けた構造のものが知られている。この転写式感圧接着テープは手持ち型の転写具に収納して使用されている。
【0003】
また、コピー防止機能を有するシートを感圧転写テープとして用いるコピー防止用テープ転写具が特開2004−058546号公報に開示されている。この転写具は回動自在な一対のリールに感圧転写テープが巻回状態で、且つ、該転写テープの一部がケースの先端開口から露出するようにしてケース内に収容され、該転写テープの感圧接着層を被転写面に押圧するための押圧部をケース先端開口に近接して設けた構造を有しており、該転写テープの基材と感圧接着層との間に金属蒸着層を有しており、簡便なコピー防止具の用法として提供されている。
【0004】
さらに、転写シールに関して特開平06−135122号公報が開示されている。この転写シールは、箔のアルミ蒸着面に紫外線硬化型インキを用いてスクリーン印刷で図柄を印刷し、該印刷層を乾燥させ、その上に同じ版を用いて感圧粘着剤を塗布し、次いで該感圧粘着剤上面に保護紙を覆わせることで製造され、軟体物や球面あるいは曲面に対しても容易に貼付できるという特徴を有している。
【0005】
また、シールやラベル等の製造において、熱を使用しないで箔の転写を基材に行う箔転写方法が特開2002−059694号公報に開示されている。このシールやラベル等は、印刷インキと同様に版を用いて基材に箔を転写させるための紫外線硬化型粘着剤層を印刷塗布し、その紫外線硬化型粘着剤層を印刷塗布した基材に箔を重合し、熱を加えず圧力のみで紫外線硬化型粘着剤に対する箔部分を基材に転写させ、紫外線硬化型粘着剤層の印刷塗布と箔の転写をインラインでかつ一定速度で連続に行うことを特徴とする熱を使用しない箔転写方法によって製造されている。
【特許文献1】特開平08−027433号公報
【特許文献2】特開2004−058546号公報
【特許文献3】特開平06−135122号公報
【特許文献4】特開2002−059694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記第1の従来例では、紙等を貼り付ける際に被転写面に転写されるものであって、確実な接着を達成するために転写後の粘着剤は一直線状のラインを形成しており、転写後の粘着剤によって文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等をパターン化して型取る様に形成することが困難であるという問題がある。
【0007】
また、前記第2の従来例では、塗膜が基材上に離型層を介して金属蒸着層を有しており、さらにその上に感圧接着層を有した構造となっており、紙面等の被転写体に一度貼付すると、転写部分が金属蒸着層によって判読不可能となる。しかし、転写後の塗膜は部分的に判読不可能とするためには判読不可能とする箇所を完全に隠蔽するために感圧接着層がテープ全面に覆われていなければならず、転写後塗膜は正方形ないし長方形の形状を有することが効果的であり、転写後塗膜によるデザイン的及び/又は視覚的な楽しみを得ることが困難であるといえる。
【0008】
さらに、前記第3の従来例の転写シールでは、箔の蒸着面上に紫外線硬化型インキを用いてスクリーン印刷で印刷層を形成し、さらにその上にスクリーン印刷で使用した同じ版を用いて感圧粘着層を塗布するという作業工程となっている。このため、一連の作業には時間がかかり、また同じ版を用いて印刷層と感圧粘着層とを順に積層するため位置合わせ等に慎重になる必要があり、生産性、作業能率が悪いという問題がある。さらに前記第3の従来例では、感圧粘着剤上面に保護紙が覆われているため、転写シールを貼付する作業においては保護紙を除去する作業が必要であり、不要なゴミが発生する。また、この転写シールを貼付するときは手作業にならざるをえず、一直線上に連続的に転写シールを配置する作業においては位置合わせ等の作業が慎重になってしまうため作業効率が低下してしまうという問題がある。
【0009】
また、前記第4の従来例では、基材に箔を転写させるための紫外線硬化型粘着剤層を印刷塗布し、その紫外線硬化型粘着剤層を印刷塗布した基材に箔を重合し、熱を加えず圧力のみで紫外線硬化型粘着剤層に対応する箔部分を基材に転写させる方法を特徴としている。しかし、基材上に紫外線硬化型粘着剤層を印刷塗布し、その紫外線硬化型粘着剤層を印刷塗布した基材に箔を圧力で重合させる際に、細かなデザインや複雑なデザインでは箔を重合させる圧力によってはデザインが潰されてしまい当初のデザインを再現できないという問題がある。
【0010】
本発明は、上記した問題点に鑑み、基材上に離型層を介して金属蒸着層を形成し、さらにその上に感圧接着層が印刷によりパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取る様に形成された装飾用感圧転写テープを提供する。また、前記装飾用感圧転写テープを繰り出す繰出し部と、前記装飾用感圧転写テープを被転写体に押圧して圧転写する転写ヘッドと、転写後の基材テープを巻き取る巻取り部を有する自動巻取り式塗膜転写具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の装飾用感圧転写テープは、基材テープ上に離型層を介して金属蒸着層が形成され、さらにその上に感圧接着層が印刷によってパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るように形成されている。
【0012】
さらに、本発明の装飾用感圧転写テープは、前記装飾用感圧転写テープを繰り出す繰出し部と、前記装飾用感圧転写テープを被転写体に押圧して圧転写する転写ヘッドと、転写後の基材テープを巻き取る巻取り部を有する自動巻取り式の塗膜転写具に具備され、該塗膜転写具により紙面等の被転写体に押し付けることにより印刷によってパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るように形成された前記装飾用感圧転写テープの感圧転写層が被転写体に容易にかつ素早く押圧転写されるように構成されている。
【0013】
また本発明の装飾用感圧転写テープは、基材テープ上に離型層を介して金属蒸着層が形成され、さらにその上に形成された感圧接着層がパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るようにシルクスクリーン印刷法によって印刷されて形成されており、デザイン的及び又は視覚的に楽しむことができるよう構成されている。
【0014】
さらに、本発明の装飾用感圧転写テープを構成する感圧接着層は、パターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るよう形成されるため、印刷による文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等の鮮明性や乾燥性の問題から紫外線硬化型粘着剤が用いられている。
【0015】
また、本発明の装飾用感圧転写テープを構成する感圧接着層はパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るよう形成されており、前記形状を形成する感圧接着層が立体感のある表現が可能となる厚みを有している。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、以下のような顕著な効果が達成される。
【0017】
本発明の装飾用感圧転写テープは、基材上に離型層を介して金属蒸着層が塗布されており、さらにその上に感圧接着層が印刷によって、パターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るように形成されており、前記装飾用感圧転写テープを繰り出す繰出し部と、前記装飾用感圧転写テープを押圧転写させるための転写ヘッドと、転写後の基材テープを巻き取る巻取り部を有する自動巻取り式の塗膜転写具内に備えられ、前記塗膜転写具によって前記形状を有する感圧転写層を紙等の被転写体に転写することによって転写後のパターンがあたかも金属性の光沢を有したような豪華で荘重な外観を呈し、視覚的及び/又はデザイン的に楽しむことを可能にした。
【0018】
また、前記装飾用感圧転写テープは、繰出し部、転写ヘッド、巻取り部を有した自動巻取り式の塗膜転写具に備えられているため、均一で、容易に前記感圧転写層を紙等の被転写体に手を汚すことなく素早く転写することを可能にした。
【0019】
公知の粘着剤を使用する技術とは異なり、紫外線硬化型粘着剤は温度依存性を示さないため、硬化の際に紫外線硬化剤からなる感圧接着層の接着力や保持力のバラツキが乾燥工程を有する場合に比べて少なく、さらに常温において極めて短時間で硬化されるので作業効率が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0021】
図1は本発明の装飾用感圧転写テープ8の断面構造を示す模式的断面図である。図1に示した装飾用感圧転写テープ8は、初めにロール状に巻かれた帯状の基材1を準備し、次に、基材1の上に、金属蒸着層2が形成されている。なお、図示していないが基材1と金属蒸着層2の間には離型層が形成されている。さらに前記金属蒸着層2の上に、公知の印刷法によってパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るように形成された感圧接着層3を形成させる。上記のように、基材1にはロール状に巻かれた帯状の材料を用いているので、金属蒸着層2上にパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取った感圧接着層3を形成した後、所定の幅、長さに裁断する。
【0022】
基材1は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂製フィルムや、グラシン紙や、人造樹脂フィルム、洋紙和紙等のフィルム状物、あるいはこれらの複合フィルム状物などで構成されている。なお、前記基材1の厚みは特に限定されるものではないが、通常10μm〜50μm程度である。また、基材1の上には図示していないがグラビア印刷法、ダイ印刷法、リバース印刷法などの公知の方法によりシリコン樹脂やフッ素樹脂やワックス等などで構成された離型層を設けている。前記離型層は、無色透明でもよく、場合によっては公知の顔料もしくは染料によって着色してもよい。
【0023】
離型層を介して基材1上に形成された金属蒸着層2は、たとえば金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、錫、クロム等の蒸着が可能な金属の単体またはそれらの混合物あるいは合金を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンブレイディング法等の公知の金属薄膜形成法により成膜形成されるが、コストの面からアルミニウムを用いることが最も好ましい。また、金属蒸着層2は、基材1上に設けられた離型層との関係によって、種々の色彩に富んだ金属光沢を形成することができる。例えば、金属蒸着層2をアルミニウムの真空蒸着等で形成し、基材1上に設けられた離型層を黄色染料または黄色顔料で透明に形成すれば金色の金属光沢を表示することができ、また基材1上に設けられた離型層を無色透明とすれば、銀色の金属光沢を表示することができるし、他の適宜の色彩を用いることにより種々の異なった色彩感覚を得ることができる。
【0024】
なお、金属蒸着層2上には、感圧接着層3が印刷によってパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を形成されて設けられている。前記感圧接着層3は連続していても、非連続で文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取る様に形成されていてもよい。また、前記感圧接着層3は、アクリル系、ビニルエーテル系などの合成樹脂やゴム系の粘着性を有する材料が適しているが、感圧粘着剤の乾燥性及び、細字、細線、写真等の文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を鮮明に表現するために紫外線硬化型粘着剤を用いることが最も好ましい。なお、必要に応じて、前記感圧接着層3中にロジン及びロジン誘導体、テルペン重合体、石油樹脂などの粘着付与剤、フェノール系やリン系等の酸化防止剤、可塑剤等の添加剤を含んでいてもよい。そして、前記感圧接着剤層3は無色で透明或いは半透明であってもよく、または着色されていてもよい。また、感圧接着剤層3の厚みは、必ずしも限定されるものではないが、5〜40μm程度で、好ましくは10〜30μmが最適である。
【0025】
また、基材1上に離型層を介して設けられた金属蒸着層3の上に形成された感圧接着層3は、感圧接着層3の厚みの振れが少なく、厚盛りの可能なシルクスクリーン印刷法で印刷されることが最も好ましい。前記紫外線硬化型粘着剤を用いることによってシルクスクリーン印刷の途中で空気に接触しても粘度が上昇することがなく、スクリーン版上で目詰まり等がなく鮮明に印刷することができる。なお、基材1上に離型層を介して設けられた金属蒸着層2の上に形成された感圧接着層3の厚みが最適な範囲に属するように、オフセット印刷法、ロールコーティング法、グラビア印刷(コーティング)法、リバースコーティング法、スプレイコーティング法、ドクターナイフコーティング法等の一般的なコーティング法により塗布し、乾燥させることによって印刷可能であればこれに限定されるものではない。なお、使用する樹脂によってはさらに熱や電子線照射、紫外線照射による硬化処理を行う必要がある。
【0026】
なお、図示していないが、離型性を有する基材1上に設けられた剥離層と金属蒸着層2の間に表面保護層を設けてもよい。前記表面保護層は、機械的強度が弱く、摩擦等により損傷を受けやすい金属蒸着層2を保護するために設けられるものである。その材料には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂のいずれであっても使用可能であり、前記表面保護層は透明な層であることが基本であるが、場合によってはある程度の透明度を保持した状態で染料等で着色されたものであってもよい。
【0027】
図2は本発明の実施の形態に係る装飾用感圧転写テープが具備された塗膜転写具4を示す。前記塗膜転写具4は、ケース本体5と図示していないがカバーに分割され、先端側にはケース4内に植設した2個の支軸6、7に基材テープの片面に感圧転写塗膜を備えた装飾用感圧転写テープ8を巻回した繰出しロール9と、使用後の転写テープを回収する巻取りロール10とを連動して回動自在に支持するとともに、先端には押圧転写部11を備えた転写ヘッド12をその押圧転写部11がケース本体5外に突出するように設け、ケース本体5は図示していないがカバーで覆われている。繰出しロール9に巻回された装飾用感圧転写テープ8は引き出され、転写ヘッド12の押圧転写部11で装飾用感圧転写テープ8の塗膜を被転写体に押圧して転写し、転写後の基材テープを巻取りロール10で巻き取るようになっている。
【0028】
装飾用感圧転写テープを構成する感圧接着層3の厚みが5μm未満の場合には、自動巻取り式の塗膜転写具によって紙面等の被転写体に転写させた際に、基材1上に離型層を介して設けられた金属蒸着層2が基材1より剥離せず、文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等パターン化されて形成された感圧接着層2が被転写面に転写されず転写不良が生じる恐れがある。また、前記感圧接着層3の厚みが40μmを超える場合には、テープをロール状に加工して、長期保存した際に基材1の背面へのブロッキングが生じる恐れがある。
【実施例1】
【0029】
図3に示すように、基材1として両面離型加工したグラシン紙の片面に、公知の方法によりアルミ蒸着が施された箔の金属蒸着層2上に、帝国インキ製造(株)製紫外線硬化型粘着剤、UV TAC(登録商標)を着色し、シルクスクリーン印刷法によってパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るよう印刷し、メタルハイドライトランプ(180mJ/cm)により紫外線を照射し、厚みが15μmの文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等パターン化されて形成された感圧接着層3を得た。次に、これを10mm幅にスリット加工したロールを繰出し部、押圧転写部、巻取り部を備えた自動巻取り式の塗膜転写具に装着して被転写体に押圧転写したところ、均一幅で極めて鮮明なパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等が形成された感圧転写層が得られた。
【実施例2】
【0030】
図3に示すように、基材1として両面離型加工したポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、公知の方法によりアルミ蒸着が施された箔の金属蒸着層2上に、帝国インキ製造(株)製紫外線硬化型粘着剤、UV TAC(登録商標)をシルクスクリーン印刷法によってパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るよう印刷し、メタルハイドライトランプ(100mJ/cm)により紫外線を照射し、厚みが20μmの文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等パターン化されて形成された感圧接着層3を得た。次に、これを10mm幅にスリット加工したロールを繰出し部、押圧転写部、巻取り部を備えた自動巻取り式の塗膜転写具に装着して被転写体に転写したところ、均一幅で極めて鮮明なパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等が形成された感圧転写層が得られた。
【実施例3】
【0031】
図3に示すように、基材1として両面離型加工したグラシン紙の片面に、公知の方法によりアルミ蒸着が施された箔の金属蒸着層2上に、帝国インキ製造(株)製紫外線硬化型粘着剤、UV TAC(登録商標)を着色し、シルクスクリーン印刷法によってパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るよう印刷し、メタルハイドライトランプ(125mJ/cm)により紫外線を照射し、厚みが30μmの文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等パターン化されて形成された感圧接着層3を得た。次に、これを10mm幅にスリット加工したロールを繰出し部、押圧転写部、巻取り部を備えた自動巻取り式の塗膜転写具に装着して被転写体に転写したところ、均一幅で極めて鮮明なパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等が形成された感圧転写層が得られた。
【実施例4】
【0032】
紫外線硬化型粘着剤からなる感圧接着層3の厚みが4μmである以外は実施例1と同様にして文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等パターン化されて形成された感圧接着層3を得た。次に、これを10mm幅にスリット加工したロールを繰出し部、押圧転写部、巻取り部を備えた自動巻取り式の塗膜転写具に装着して被転写体に転写したところ、感圧接着層3の接着力が不十分であったため、基材1より金属蒸着層が剥離せず当初のデザインを形成した感圧転写層を紙等の被転写面に感圧転写することができなかった。
【実施例5】
【0033】
紫外線硬化型粘着剤からなる感圧接着層3の厚みが42μmである以外は実施例3と同様にして文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等パターン化されて形成された感圧接着層3を得た。次に、これを10mm幅にスリット加工したロールを繰出し部、押圧転写部、巻取り部を備えた自動巻取り式の塗膜転写具に装着して被転写体に転写したところ、紫外線硬化型粘着剤が印刷塗布されていない金属蒸着層2も基材1から剥離してしまい、均一幅で鮮明なパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等が形成された感圧転写層が得られなかった。また、ロールの巻き芯近くでは前記感圧接着層3が基材1の背面に移行するというブロッキング現象が生じていた。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の装飾用感圧転写テープの断面構造を示す模式的断面図
【図2】本発明の装飾用感圧転写テープを備えた塗膜転写具の外観図
【図3】本発明の装飾用感圧転写テープの外観を示す模式的斜視図
【符号の説明】
【0035】
1. 基材
2. 金属蒸着層
3. 印刷によりパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るように形成された感圧接着層
4. 塗膜転写具
5. ケース本体
6、7. 支軸
8. 装飾用感圧転写テープ
9. 繰出しロール
10. 巻取りロール
11. 押圧転写部
12. 転写ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に離型層を介して金属蒸着層が形成されており、さらに前記金属蒸着層の上に形成される感圧接着層が、印刷によってパターン化された文字、記号、絵柄、模様、網点、図形等を型取るように形成されていることを特徴とする装飾用感圧転写テープ。
【請求項2】
外枠を構成するケース内に感圧転写テープの繰出し部及び巻取り部と、転写ヘッドとを備え、前記感圧転写テープが、前記繰出し部から繰り出され、前記転写ヘッドを経て前記巻取り部に巻き取られるように構成され、前記感圧転写テープが請求項1に記載の感圧転写テープによって構成されていることを特徴とする自動巻取り式の塗膜転写具。
【請求項3】
前記感圧接着層の印刷がシルクスクリーン印刷によってなされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装飾用感圧転写テープ。
【請求項4】
前記感圧接着層が紫外線硬化型粘着剤からなることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の装飾用感圧転写テープ。
【請求項5】
前記感圧接着層の厚みが10〜30μmであることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4記載の装飾用感圧転写テープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−106014(P2007−106014A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300012(P2005−300012)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000115119)ユニオンケミカー株式会社 (67)
【Fターム(参考)】