裸眼立体視画像処理方法および装置ならびに演算プログラムを記録した記録媒体
【課題】 撮影後に立体画像の、より自然な奥行き感の調整を行い得る裸眼立体視画像処理方法および装置ならびに演算プログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】 本発明は、撮像装置(カメラ)3から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置(ディスプレイ)5に供給するときの裸眼立体視画像処理装置であって、前記多視差画像に注視点を付与する注視点付与手段と、この注視点付与手段で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点変更用ポインタPP等の注視点位置変更手段とを備える。
【解決手段】 本発明は、撮像装置(カメラ)3から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置(ディスプレイ)5に供給するときの裸眼立体視画像処理装置であって、前記多視差画像に注視点を付与する注視点付与手段と、この注視点付与手段で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点変更用ポインタPP等の注視点位置変更手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像の奥行き感を調節し違和感の無い裸眼立体視を可能とする裸眼立体視画像処理方法および装置ならびに演算プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、裸眼で画像を立体視可能とする技術が種々、提供されるようになってきている。また、最近では、漠然とした立体視映像では無く、自然な裸眼立体視映像を提供しようとする試みを提案するものも見られる。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の技術にあっては、課題として、視差分割方式において、視点を微妙にずらして視差を生じさせた2枚の2次元画像を「交差法」や「平行法」によって1枚の立体画像として認識させようとする際に、人間の個々の個人差により立体視映像を享受できない場合が想定されている。
【0004】
特許文献1に記載の技術は、このように極めて不自然な映像、つまり微妙にずれた2枚の画像が交互に合成された映像としてか認識できない場合の不具合を少しでも軽減しようとするものである。
【0005】
例えば特許文献1の実施例4に記載の技術にあっては、視差分割方式の「交差法」において、その視線の交差ポイントを算出し、ユーザに対して表示画面上で交差ポイントを位置を知らせる機能を備える。
【0006】
つまり、この特許文献1の実施例4に記載の技術は、視線の交差ポイントを知らせることにより、個人差による立体視映像の享受可否を解消しようとするものである。
【特許文献1】特開2005−318421号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、従来の立体視映像表示装置では、特定の方式、例えば視差分割方式の「交差法」における課題を解決するに過ぎないものであり、裸眼立体視画像表示におけるより自然な奥行き感で立体視が可能な視差画像を提供するものはなかった。また、カメラから得られる視差画像に対する処理は、通常はカメラの光軸変更等、撮像前または撮像時に設定あるいは処理されるものであるという認識が一般的であることから、撮像後に視差の調整等の処理を行うことは全く想定されていなかった。
【0008】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、その目的は、撮影後に立体画像の奥行き位置を制御し、より自然な奥行き感の立体画像情報を提供することができる裸眼立体視画像処理方法および装置ならびに演算プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の裸眼立体視画像処理方法は、画像供給手段から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理方法であって、前記多視差画像から得られる立体画像の任意の奥行き位置に注視点を付与することを要旨とする。
【0010】
請求項1の裸眼立体視画像処理方法によれば、撮影後には変更できなかった立体画像の奥行き感を撮影後に制御し、より自然な奥行き感の立体画像情報を提供することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の裸眼立体視画像処理方法は、それぞれの光軸が平行となるように設置される複数のカメラにより構成される画像供給手段から供給される多視差画像を処理して、裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理方法であって、前記多視差画像から得られる立体画像の任意の奥行き位置に注視点を付与する注視点付与工程と、この注視点付与工程で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点位置変更工程とを備えることを要旨とする。
【0012】
請求項2の裸眼立体視画像処理装置によれば、撮影後には変更できなかった立体画像の奥行き感を撮影後に制御し、より自然な奥行き感の立体画像情報を提供することが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の裸眼立体視画像処理装置は、画像供給手段から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理装置であって、前記多視差画像から得られる立体画像に対し設定される注視点の奥行き位置を任意の奥行き位置に変更する注視点位置変更手段を備えることを要旨とする。
【0014】
請求項4に記載の裸眼立体視画像処理装置は、画像供給手段から供給される多視差画像を処理し、裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理装置であって、前記多視差画像から得られる立体画像の任意の奥行き位置に注視点を付与する注視点付与手段と、この注視点付与手段で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点位置変更手段とを備えることを要旨とする。
【0015】
請求項5に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項3又は4のいずれかに記載の画像供給手段が、それぞれの光軸が平行となるように設置される複数の撮像手段により構成されることを要旨とする。
【0016】
請求項6に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項5記載の任意の奥行き位置に注視点を付与する処理または前記注視点の奥行き位置を変更する処理が、前記画像供給手段を構成する各カメラの光軸を当該注視点に擬似的に傾けたときの注視点位置の横方向の移動量を計算し、この移動量を前記多視差画像に反映することを要旨とする。
【0017】
請求項7に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項3乃至6のいずれかに記載の注視点位置変更手段が、立体画像表示装置の画面に、常態でまたは操作時に一時的に表示される注視点変更用ポインタで示された奥行き位置に注視点位置を変更することを要旨とする。
【0018】
請求項8に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項3乃至6のいずれかに記載の注視点位置変更手段が、立体画像表示装置の画面に画面縦方向に、常態でまたは操作時に一時的に表示される注視点変更用カーソルを移動して示された奥行き位置に注視点位置を変更することを要旨とする。
【0019】
請求項9に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項3乃至6のいずれかに記載の注視点位置変更手段が、前記立体画像表示装置の画面に表示される注視点変更用カーソル位置から水平に注視点変更用注視点表示ラインを表示することを要旨とする。
【0020】
請求項10に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項3乃至6のいずれかに記載の注視点位置変更手段が、立体画像表示装置の画面に、常態でまたは操作時に一時的に表示される注視点変更用数値入力ウィンドウに入力される数値に対応する奥行き位置に注視点位置を変更することを要旨とする。
【0021】
請求項11に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項3乃至6のいずれかに記載の注視点位置変更手段が、前記注視点変更用数値入力ウィンドウに入力される数値に対応する奥行き位置に水平に注視点変更用注視点表示ラインを表示することを要旨とする。
【0022】
請求項12に記載の裸眼立体視画像処理演算プログラムは、画像供給手段から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理演算プログラムであって、前記多視差画像に注視点を付与する注視点付与処理と、この注視点付与処理で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点位置変更処理とを含み、これらの処理をコンピュータに実行させることを要旨とする。
【0023】
請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、請求項12に記載の裸眼立体視画像処理演算プログラムを記録したことを要旨とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の裸眼立体視画像処理方法および装置ならびに演算プログラムを記録した記録媒体によれば、従来、撮影後には変更できなかった立体画像の奥行き感を撮影後に制御し、より自然な奥行き感の立体画像情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0026】
図1は本発明に係る立体視画像処理装置を含む裸眼立体視画像処理システム全体の構成を示すブロック図である。
【0027】
図1を参照するに、立体画像処理装置1は画像供給手段としての撮像装置(カメラ)3と立体画像表示装置(ディスプレイ)5との間に設けられる。
【0028】
撮像装置3は、本実施形態では光軸が平行となる向きに固定された7台のデジタルカメラ若しくは1台の筐体中に7つのCCD(1つのCCDを7台分と区分する場合を含む)が設けられたカメラにより構成され、7カメラ分の非圧縮フルHDハイビジョン画像を多視差画像として立体画像処理装置1に供給する。なお、本実施の形態においては、複数のカメラ等からなる撮像装置3を例にして説明するが、画像供給手段としては放送、通信回線を介して供給されるもの、記録媒体等を介して供給されるもの、また画像としてはコンピュータグラフィックス(Computer Graphics;CG)等の任意の画像を供給するものが含まれることは言うまでもない。
【0029】
立体画像処理装置1は、後述するように、この供給された多視差画像を裸眼立体視が可能なように画像処理を施し、立体画像表示装置5に出力する。
【0030】
立体画像表示装置5は立体画像処理装置1から供給された処理画像を裸眼立体視が可能な画像として表示する。立体画像表示装置5には、多視差画像をソースとして生成できる立体画像が表示できる全てのディスプレイが含まれ、例えば、2眼式の表示方式では、アナグリフ方式、シャッターグラス方式、偏向レンズ方式、レンチキュラー方式が含まれ、多眼式の表示方式ではレンチキュラー方式、マイクロレンズアレイ方式(フライアイレンズ方式)、パララックスバリア方式などが含まれる。また、必要視差数が足りない場合は各カメラ間を補間し、必要視差数を補うことにより立体視が可能となる。
【0031】
次に、立体画像処理装置1の構成を詳細に説明する。
【0032】
ディスクストレージ装置11はハードディスクドライブ(HDD)等で構成される大容量の記憶媒体であり、撮像装置3から取得した7台分のカメラ(以下、7カメラ分と略記することもある)からの非圧縮フルHDハイビジョン画像、あるいはを記録するための装置である。DVDやMO(光磁気ディスク)等のディスクタイプの外、半導体を用いたフラッシュメモリタイプのものを利用することにより、より高速なアクセス・スピードを確保するようにしても良い。
【0033】
データ圧縮解凍装置13は、例えばディスクストレージ装置11に記録・蓄積された多視差画像(本実施形態では7カメラ分の視差画像)を一つのファイルにまとめる処理をソフトウェア若しくは専用チップによりリアルタイムに行う。
【0034】
このデータ圧縮解凍装置13は、現状の7カメラ分の非圧縮フルHDハイビジョン(フルスペックハイビジョン)画像を圧縮して扱いやすくするために設けられる。具体的には、非圧縮でのフルHDハイビジョン画像7枚のデータ量は435.4MB/秒になるため、現在のパソコン(PC)における最大転送レートに対応するファイルサイズまで圧縮しておく。これにより制御領域の確保やデータへのアクセスタイムの短縮、さらには記録媒体への記録が容易となる。
【0035】
立体画像編集装置15は、母体となる既存のソフトウェアに対し補助的な「立体画像編集・合成プログラム」を搭載し、既存の編集、合成システムと同じ感覚で立体画像の編集、合成を行う。このとき立体画像編集装置15は、後述するアルゴリズムにより、立体画像を生成する際カメラの間隔(視差)を変化させることで立体感(奥行き感)を変化させる等の処理を行う。
【0036】
データ変換装置17は、多視差の画像情報から立体像表示装置にリアルタイムで表示する画像変換を行う。
【0037】
次に図2乃至図8を参照して、本実施形態における裸眼立体視画像処理システムでの注視点の変更処理について説明する。
【0038】
図2は本実施形態における撮像条件の前提条件を示すものであり、便宜的に被写体Tとカメラ及びそれぞれのカメラで撮像された画像内容を3組として示している(本実施形態では本来7カメラ分の視差画像を得るため7組が必要である)。
【0039】
図2では、被写体Tとして、カメラ側からみて右側かつ遠方にある右側被写体TRと、中央かつ中間距離にある中央被写体TCと、左側かつより近距離にある左側被写体TLと、撮像装置3としての3台のカメラC0、C1、C2が示される。なお、3台のカメラC0、C1、C2は等間隔に配置され、またそれぞれの光軸は平行である。
【0040】
さらに各カメラC0、C1、C2で撮像された画像I0、I1、I2が視差画像としてそれぞれのカメラC0、C1、C2に対応して示されている。例えば、カメラC1で被写体Tを撮像して得られた画像I1には、右側から右側被写体TRの撮像画像である右側被写体画像(TR)と、中央被写体TCの撮像画像である中央被写体画像(TC)と、左側被写体TLの撮像画像である左側被写体画像(TL)が示されている。また画像I0、I1、I2とを比較すると、カメラC0、C1、C2毎に視差が生じた画像となっていることが示されている。
【0041】
次に図3、4を参照して、注視点と擬似的な注視点操作により自然な奥行き感が得られることについて説明する。
【0042】
図3、4の(a)にはカメラC0、C1、C2で撮像された画像I0、I1、I2と注視点(点線で示す)との関係が示され、図3、4の(b)にはユーザUが立体画像表示装置5の表示画面(図中ILで示すディスプレイ面)を介して右側被写体TR、中央被写体TC、及び左側被写体TLを眺めている様子がそれぞれ模式的に示される。
【0043】
さらに図3、4(b)にはユーザUが自然な奥行き感の立体画像と感じる領域である「適切な立体表示領域」が点線で示される。つまり表示画面ILは、「適切な立体表示領域」の前後中心にあり、注視点でもある。なお、ここではユーザUが注視する場合、点であることから注視点としているが、現実的には感覚的には面であり、そのため図3、4(b)では、その横断面を示す線で注視点が示されている。
【0044】
図3(b)を参照するに、左側被写体TLに注視点をもってきた場合(図3(a)を参照)、ユーザUにとって右側被写体TRが「適切な立体表示領域」の領域外にあることから、全体として不自然な奥行き感の立体画像と感じることになる。
【0045】
そこで、図4(b)に示すように中央被写体TCに注視点を持ってくる(図4(a)を参照)。この場合、手前側にも、奥行き側にも自然な奥行き感のある立体画像として認識されることになる。
【0046】
次に、図5、6、7を参照してトリミング領域について説明する。
【0047】
図5では、カメラCの光軸を45度づつずらして撮影し、3枚の画像(A1、A2、A3)を得、これら3枚の画像(A1、A2、A3)を繋ぎ合わして1枚の連続した画像とする様子を示す。また、図6ではカメラCを左から右に振りながら撮影した場合を示す。この場合にも連続した画像が得られ、逆には単にパンしたときと同じ効果の画像(A4、A5)が得られる。
【0048】
次に図7を参照するに、図7ではカメラC1、C2の光軸が平行になるように設置し撮像した様子を点線で、カメラC1、C2の光軸が注視点Aで一致するように設置し撮像した様子を2点鎖線で示す。このどちらの場合も図5、6と同様に連続した画像が得られる。
【0049】
今回、発明者らの実験で、2点鎖線で示す場合には注視点の存在により自然な立体画像が得られ、一方、点線で示す平行な光軸の場合には、注視点が存在しないため裸眼立体視した場合には、奥行き感に違和感のある画像となることが判った。このような場合、トリミングによって注視点を与えているような効果を作り出すことができる。
【0050】
次に、図8を参照して擬似的な注視点操作について説明する。この擬似的な注視点操作は、図5、6、7で説明したように平行光軸で撮影した画像、すなわち注視点の存在しない画像に対して、任意の位置に注視点を与え、これにより、より違和感のない立体画像を提供することを可能とすると共に、任意の位置に与えられる注視点を適宜、最適位置に変更することで(注視点操作)、さらに自然な奥行き感のある立体画像を提供することを可能にしている。
【0051】
また従来、撮影後には変更できなかった表示奥行き位置のコントロールを、立体画像製作者が立体画像表示時に擬似的に注視点操作を行うことにより、、撮影後もしくはCG 製作後に表示された立体画像の奥行き情報を維持した状態で、表示奥行き位置を前後させ、見やすい立体画像を表示、作成できるようにするものである。
【0052】
図8において、7台のカメラC0、C1、C2、C3、C4、C5、C6は等間隔(カメラ間隔d)になるように配置される。また7台のうちの中央のカメラC0の撮像面Bと注視点Aとの距離を注視点距離Dとする。この図3では説明のために各カメラC0、C1、C2、C3、C4、C5、C6は注視点Aの方向を向いており、それぞれの傾き角をθ0、θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、θ6とする。逆に言えば、各カメラC0、C1、C2、C3、C4、C5、C6の光軸を平行にした場合の、各光軸の注視点との傾きとなる。
【0053】
このように配置した例において、等間隔で平行に配置した撮像装置上で得られた画像に対して(但し、atan=arctan)、
atan(カメラ間隔)÷( 注視距離)=(傾き角)
(画像サイズ(横))÷( 画角)÷θ=(移動するピクセル数(横方向))
という式により、各画像の配置X 座標を決定し、各画像それぞれ決定した位置に配置、合成を行う。合成方法は各裸眼立体ディスプレイに伴い変化する。合成された立体画像に「表示奥行き位置情報」が付加され、擬似的に注視点操作を行った結果、各ディスプレイ表示時に立体画像の「表示奥行き位置」を前後に変更でき、結果、見やすい立体画像を確認しながら生成できる。
【0054】
次に、立体画像の奥行き表示位置変更方法について説明する。
【0055】
まず、ステップS11において、均等な間隔dでかつ光軸が平行となるように配置された撮像装置3の7台のカメラCにより、7個の視点から撮影された7つの画像を得る。この7つの画像は、ディスクストレージ装置11の図示しないHDDに撮像装置3の7台カメラCの毎に設けられた(設定された)7つのフォルダにそれぞれ一時的に保存される。この保存された画像は、保存性・取扱性を高めるためにデータ圧縮解凍装置13Aで圧縮され、解凍され、立体画像編集装置15に出力される。
【0056】
次に、ステップS13において、立体画像編集装置15は、撮影時もしくはCG製作時に使用したカメラ情報を画像移動量算出プログラムに入力、実行し、各画像の横移動量を算出する。
【0057】
各画像をディスクストレージ装置11から、データ圧縮解凍装置13Aを介して立体画像編集装置15に読み込み、その演算部が演算を行う。入力するカメラ情報としては、
カメラ間隔(距離)単位:mm
レンズのmm数;f
撮像素子の横幅(CCD、CMOS、フィルムなど)単位:mm
撮影した画像のサイズ(横)単位:ピクセル数
撮影に使用したカメラの数(視点数)単位:台
擬似的に与えたい注視点距離 単位:mm
がある。またCPUが行う演算としては、このカメラ情報を入力し後述するステップS23の式を計算する。計算後、各カメラから得た画像の移動量が分かるので、それに伴い各画像の表示位置を横方向に移動させる。
【0058】
次に、ステップS15において、算出した画像移動量に伴い、各画像を移動し、各立体画像表示装置に合わせた合成方法で多視点画像の合成を行う。このPCに読み込まれた画像を、一時的にメモリに記録し、CPUが画像の合成を行う。
【0059】
さらにステップS17において、画像合成後、各立体画像表示装置に表示する。CPUが演算した結果(各立体画像表示装置にあわせた合成方法で合成した結果)をGPUを通して各表示装置に転送し、各立体画像表示装置に表示する。
【0060】
ステップS19においては、立体画像表示時に見にくい場合、任意に注視距離の変更を行い、表示奥行き位置を変更する。ステップS15と同じく、PCに読み込まれた画像を、一時的にメモリに記録し、再度CPUが画像の合成を行う。
【0061】
さらにステップS21において、各立体画像表示装置に自然な立体画像を表示する。ステップS17と同じく、CPUが演算した結果(各立体画像表示装置にあわせた合成方法で合成した結果)をGPUを通して各表示装置に転送し、各立体画像表示装置に表示する。
【0062】
なお、以上の作業をフレーム毎(日本国内での通常のビデオ、テレビなどでは29.97fps)に連続して上記の作業を繰り返すことで、動画に対応する。
【0063】
次に、画像の横移動算出プログラムについて説明する。
【0064】
まず、ステップS23においては、下記の入力を行う。
【0065】
・立体画像合成に使用する各画像の幅を入力(印刷物の場合はmmなど、モニタなどへの表示用にはピクセル数など出力先によって単位を変更)
・撮影時もしくはCG製作時に使用したカメラの撮像素子サイズwを入力(縦、もしくは対角線の長さ)
・撮影時もしくはCG製作時に使用したカメラのレンズmm数fを入力
・撮影時もしくはCG製作時に使用したカメラ間隔dを入力
・撮影時もしくはCG製作時に使用したカメラの数(n=7)を入力
・擬似的に与える注視距離を入力
続いて、ステップS25において、撮影時に使用したカメラの画角(θ)を算出する。
【0066】
{atan((w/2)÷f)}×2=θ
ステップS27では、平行、また均等な間隔に並べられたカメラから、擬似的に注視点を設けるため、カメラの光軸の角度θを算出する。
【0067】
{(d×(n−1))/2}+d×((左からm台目のカメラ)−1)=L
{atan(L)}÷D=θ
但し、
d;カメラ間隔
n;カメラ台数
D;注視距離
θ;カメラの傾き角
L;原点からカメラmまでの距離
またステップS29では、撮影した各画像の横移動量を各画像ごとに算出する。
【0068】
{(画角)÷θ}/(画像の横方向サイズ)=(画像の横方向移動量)
これにより撮影時に使用したカメラの台数分、横移動量を算出する。
【0069】
次に、図9,10,11を参照して、注視点の変更操作について説明する。
【0070】
まず、図9を参照するに、立体画像表示装置5の表示画面5aには、裸眼立体視可能な右側被写体立体画像I(TR)、中央被写体画像I(TC)、左側被写体画像I(TL)が表示されているものとする。また(+)は注視点変更用ポインタPPである。
【0071】
ここでユーザUが 立体画像表示装置5の表示画面5a上の裸眼立体視可能な被写体立体画像I(右側被写体立体画像I(TR)、中央被写体画像I(TC)、左側被写体画像I(TL)を含む画面全体)を眺めて、立体視に不自然さを覚えたものとする。
【0072】
そこでユーザUは、マウスの右クリック等により、注視点変更モードに表示画面5aを切り換え、表示画面5a上に注視点変更用ポインタPPを表示させる。次に、マウスを用いて注視点変更用ポインタPPを移動し、違和感の無い、自然な立体視が出来る位置に注視点変更用ポインタPPを配置する。
【0073】
図9では、注視点変更用ポインタPPは中央被写体画像I(TC)上に配置され、これにより注視点位置は中央被写体画像I(TC)位置に移動される。この注視点の移動処理はリアルタイムに行われるため、ユーザUは表示画面5a上で立体視の効果を確認しながら、注視点の変更をおこなうことができる。
【0074】
なお、このとき注視点変更用ポインタPPの位置は、特に被写体画像I(T)上にある必要は無く、例えば右側被写体立体画像I(TR)、中央被写体画像I(TC)との間に設定しても構わない。この場合、対象となる被写体が無くなることがあるが、その場合には右側被写体立体画像I(TR)と中央被写体画像I(TC)との間の中間距離等の位置に応じた比率の位置に設定すれば良い。
【0075】
次に、図10を参照して他の注視点の変更操作例について説明する。
【0076】
この図10に示す例では、図9に示した注視点変更用ポインタPPに替えて、注視点変更用カーソルPCを用いて注視点を変更するようにしている。
【0077】
ユーザ操作は図9に示す例と同様に、表示画面5b上に注視点変更用カーソルPCを表示させ、この注視点変更用カーソルPCをマウスで画面上下方向に移動する。これにより立体視の効果が変更されるので、ユーザUは被写体画像I(T)の立体視が自然と感じる位置に注視点変更用カーソルPCを移動する。これにより注視点位置は、例えば中央被写体画像I(TC)位置に移動される。
【0078】
この注視点の移動処理はリアルタイムに行われるため、ユーザUは表示画面5b上で立体視の効果を確認しながら、注視点の変更をおこなうことができる。
【0079】
また、この注視点変更用カーソルPCの上下方向の移動に連動して移動する注視点変更用注視点表示ラインPLを表示させるようにしてもよい。この注視点変更用注視点表示ラインPLの表示により、ユーザUは視覚的に注視点位置を知ることができ、注視点の変更がより容易となる。
【0080】
なお、この注視点変更用注視点表示ラインPLの表示位置は、必ずしも注視点変更用カーソルPCと画面上下方向の同位置にある必要はない。これは表示画面5b上に表示される画像内容により、当然のことであり、また注視点変更用カーソルPCのカーソル有効長を画面最大に確保するためにも有効である。
【0081】
次に、図10を参照して他の注視点の変更操作例について説明する。
【0082】
この図11に示す例では、図9に示した注視点変更用ポインタPPに替えて、注視点変更用数値入力ウィンドウPWを用いて注視点を変更するようにしている。
【0083】
ユーザ操作は図9に示す例と同様にして、表示画面5c上に注視点変更用数値入力ウィンドウPWを表示させ、この注視点変更用数値入力ウィンドウPWに任意の数値を手入力もしくはプルダウンによる数値表示を選択することで行う。これにより立体視の効果が変更されるので、ユーザUは被写体画像I(T)の立体視が自然と感じる数値となるまで注視点変更用数値入力ウィンドウPWを操作入力する。これにより注視点位置は、例えば中央被写体画像I(TC)位置に移動される。
【0084】
この注視点の移動処理はリアルタイムに行われるため、ユーザUは表示画面5c上で立体視の効果を確認しながら、注視点の変更をおこなうことができる。
【0085】
また、この注視点変更用数値入力ウィンドウPWに入力された数値に連動して移動する注視点変更用注視点表示ラインPLを表示させるようにしてもよい。この注視点変更用注視点表示ラインPLの表示により、ユーザUは視覚的に注視点位置を知ることができ、注視点の変更がより容易となる。
【0086】
上述してきたように、本実施形態によれば、裸眼立体視画像による映像を視聴している際に、ユーザ自らがより自然な奥行き感の立体画像となるように、裸眼立体視画像を視覚的に確認しながら変更することが可能となる。
【0087】
本発明の実施形態に係る裸眼立体視画像処理演算は、プログラム化しコンピュータ読取り可能な記録媒体に保存しても良い。そして、裸眼立体視画像処理を行う際は、この記録媒体をコンピュータシステムにより構成される立体画像処理装置1に読み込ませ、立体画像処理装置1内のメモリ等の記憶部にプログラムを格納し、裸眼立体視画像処理演算プログラムを演算装置で実行することにより、本発明の裸眼立体視画像処理演算システムおよびその方法を実現することができる。ここで、記録媒体とは、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録することができるようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体等が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の裸眼立体視画像処理装置を含むシステム全体の構成を示すブロック図である。
【図2】被写体とカメラ及びそれぞれのカメラで撮像された画像内容を示す図である。
【図3】注視点の変更処理について説明する図である。
【図4】注視点の変更処理について説明する図である。
【図5】注視点の変更処理について説明する図である。
【図6】注視点の変更処理について説明する図である。
【図7】注視点の変更処理について説明する図である。
【図8】注視点の変更処理について説明する図である。
【図9】注視点の変更方法について説明する図である。
【図10】注視点の変更方法について説明する図である。
【図11】注視点の変更方法について説明する図である。
【符号の説明】
【0089】
1…立体画像処理装置
3…撮像装置(カメラ)
5…立体画像表示装置(ディスプレイ)
11…ディスクストレージ装置
13…データ圧縮解凍装置
15…立体画像編集装置
17…データ変換装置
A…注視点
B…撮像面
C…カメラ
D…注視点距離
d…カメラ間隔
I…表示画像
PP…注視点変更用ポインタ
PC…注視点変更用カーソル
PL…注視点変更用注視点表示ライン
PW…注視点変更用数値入力ウィンドウ
T…被写体
TR…右側被写体
TC…中央被写体
TL…左側被写体
(T)…被写体画像
(TR)…右側被写体画像
(TC)…中央被写体画像
(TL)…左側被写体画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像の奥行き感を調節し違和感の無い裸眼立体視を可能とする裸眼立体視画像処理方法および装置ならびに演算プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、裸眼で画像を立体視可能とする技術が種々、提供されるようになってきている。また、最近では、漠然とした立体視映像では無く、自然な裸眼立体視映像を提供しようとする試みを提案するものも見られる。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の技術にあっては、課題として、視差分割方式において、視点を微妙にずらして視差を生じさせた2枚の2次元画像を「交差法」や「平行法」によって1枚の立体画像として認識させようとする際に、人間の個々の個人差により立体視映像を享受できない場合が想定されている。
【0004】
特許文献1に記載の技術は、このように極めて不自然な映像、つまり微妙にずれた2枚の画像が交互に合成された映像としてか認識できない場合の不具合を少しでも軽減しようとするものである。
【0005】
例えば特許文献1の実施例4に記載の技術にあっては、視差分割方式の「交差法」において、その視線の交差ポイントを算出し、ユーザに対して表示画面上で交差ポイントを位置を知らせる機能を備える。
【0006】
つまり、この特許文献1の実施例4に記載の技術は、視線の交差ポイントを知らせることにより、個人差による立体視映像の享受可否を解消しようとするものである。
【特許文献1】特開2005−318421号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、従来の立体視映像表示装置では、特定の方式、例えば視差分割方式の「交差法」における課題を解決するに過ぎないものであり、裸眼立体視画像表示におけるより自然な奥行き感で立体視が可能な視差画像を提供するものはなかった。また、カメラから得られる視差画像に対する処理は、通常はカメラの光軸変更等、撮像前または撮像時に設定あるいは処理されるものであるという認識が一般的であることから、撮像後に視差の調整等の処理を行うことは全く想定されていなかった。
【0008】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、その目的は、撮影後に立体画像の奥行き位置を制御し、より自然な奥行き感の立体画像情報を提供することができる裸眼立体視画像処理方法および装置ならびに演算プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の裸眼立体視画像処理方法は、画像供給手段から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理方法であって、前記多視差画像から得られる立体画像の任意の奥行き位置に注視点を付与することを要旨とする。
【0010】
請求項1の裸眼立体視画像処理方法によれば、撮影後には変更できなかった立体画像の奥行き感を撮影後に制御し、より自然な奥行き感の立体画像情報を提供することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の裸眼立体視画像処理方法は、それぞれの光軸が平行となるように設置される複数のカメラにより構成される画像供給手段から供給される多視差画像を処理して、裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理方法であって、前記多視差画像から得られる立体画像の任意の奥行き位置に注視点を付与する注視点付与工程と、この注視点付与工程で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点位置変更工程とを備えることを要旨とする。
【0012】
請求項2の裸眼立体視画像処理装置によれば、撮影後には変更できなかった立体画像の奥行き感を撮影後に制御し、より自然な奥行き感の立体画像情報を提供することが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の裸眼立体視画像処理装置は、画像供給手段から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理装置であって、前記多視差画像から得られる立体画像に対し設定される注視点の奥行き位置を任意の奥行き位置に変更する注視点位置変更手段を備えることを要旨とする。
【0014】
請求項4に記載の裸眼立体視画像処理装置は、画像供給手段から供給される多視差画像を処理し、裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理装置であって、前記多視差画像から得られる立体画像の任意の奥行き位置に注視点を付与する注視点付与手段と、この注視点付与手段で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点位置変更手段とを備えることを要旨とする。
【0015】
請求項5に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項3又は4のいずれかに記載の画像供給手段が、それぞれの光軸が平行となるように設置される複数の撮像手段により構成されることを要旨とする。
【0016】
請求項6に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項5記載の任意の奥行き位置に注視点を付与する処理または前記注視点の奥行き位置を変更する処理が、前記画像供給手段を構成する各カメラの光軸を当該注視点に擬似的に傾けたときの注視点位置の横方向の移動量を計算し、この移動量を前記多視差画像に反映することを要旨とする。
【0017】
請求項7に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項3乃至6のいずれかに記載の注視点位置変更手段が、立体画像表示装置の画面に、常態でまたは操作時に一時的に表示される注視点変更用ポインタで示された奥行き位置に注視点位置を変更することを要旨とする。
【0018】
請求項8に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項3乃至6のいずれかに記載の注視点位置変更手段が、立体画像表示装置の画面に画面縦方向に、常態でまたは操作時に一時的に表示される注視点変更用カーソルを移動して示された奥行き位置に注視点位置を変更することを要旨とする。
【0019】
請求項9に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項3乃至6のいずれかに記載の注視点位置変更手段が、前記立体画像表示装置の画面に表示される注視点変更用カーソル位置から水平に注視点変更用注視点表示ラインを表示することを要旨とする。
【0020】
請求項10に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項3乃至6のいずれかに記載の注視点位置変更手段が、立体画像表示装置の画面に、常態でまたは操作時に一時的に表示される注視点変更用数値入力ウィンドウに入力される数値に対応する奥行き位置に注視点位置を変更することを要旨とする。
【0021】
請求項11に記載の裸眼立体視画像処理装置は、前記請求項3乃至6のいずれかに記載の注視点位置変更手段が、前記注視点変更用数値入力ウィンドウに入力される数値に対応する奥行き位置に水平に注視点変更用注視点表示ラインを表示することを要旨とする。
【0022】
請求項12に記載の裸眼立体視画像処理演算プログラムは、画像供給手段から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理演算プログラムであって、前記多視差画像に注視点を付与する注視点付与処理と、この注視点付与処理で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点位置変更処理とを含み、これらの処理をコンピュータに実行させることを要旨とする。
【0023】
請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、請求項12に記載の裸眼立体視画像処理演算プログラムを記録したことを要旨とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の裸眼立体視画像処理方法および装置ならびに演算プログラムを記録した記録媒体によれば、従来、撮影後には変更できなかった立体画像の奥行き感を撮影後に制御し、より自然な奥行き感の立体画像情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0026】
図1は本発明に係る立体視画像処理装置を含む裸眼立体視画像処理システム全体の構成を示すブロック図である。
【0027】
図1を参照するに、立体画像処理装置1は画像供給手段としての撮像装置(カメラ)3と立体画像表示装置(ディスプレイ)5との間に設けられる。
【0028】
撮像装置3は、本実施形態では光軸が平行となる向きに固定された7台のデジタルカメラ若しくは1台の筐体中に7つのCCD(1つのCCDを7台分と区分する場合を含む)が設けられたカメラにより構成され、7カメラ分の非圧縮フルHDハイビジョン画像を多視差画像として立体画像処理装置1に供給する。なお、本実施の形態においては、複数のカメラ等からなる撮像装置3を例にして説明するが、画像供給手段としては放送、通信回線を介して供給されるもの、記録媒体等を介して供給されるもの、また画像としてはコンピュータグラフィックス(Computer Graphics;CG)等の任意の画像を供給するものが含まれることは言うまでもない。
【0029】
立体画像処理装置1は、後述するように、この供給された多視差画像を裸眼立体視が可能なように画像処理を施し、立体画像表示装置5に出力する。
【0030】
立体画像表示装置5は立体画像処理装置1から供給された処理画像を裸眼立体視が可能な画像として表示する。立体画像表示装置5には、多視差画像をソースとして生成できる立体画像が表示できる全てのディスプレイが含まれ、例えば、2眼式の表示方式では、アナグリフ方式、シャッターグラス方式、偏向レンズ方式、レンチキュラー方式が含まれ、多眼式の表示方式ではレンチキュラー方式、マイクロレンズアレイ方式(フライアイレンズ方式)、パララックスバリア方式などが含まれる。また、必要視差数が足りない場合は各カメラ間を補間し、必要視差数を補うことにより立体視が可能となる。
【0031】
次に、立体画像処理装置1の構成を詳細に説明する。
【0032】
ディスクストレージ装置11はハードディスクドライブ(HDD)等で構成される大容量の記憶媒体であり、撮像装置3から取得した7台分のカメラ(以下、7カメラ分と略記することもある)からの非圧縮フルHDハイビジョン画像、あるいはを記録するための装置である。DVDやMO(光磁気ディスク)等のディスクタイプの外、半導体を用いたフラッシュメモリタイプのものを利用することにより、より高速なアクセス・スピードを確保するようにしても良い。
【0033】
データ圧縮解凍装置13は、例えばディスクストレージ装置11に記録・蓄積された多視差画像(本実施形態では7カメラ分の視差画像)を一つのファイルにまとめる処理をソフトウェア若しくは専用チップによりリアルタイムに行う。
【0034】
このデータ圧縮解凍装置13は、現状の7カメラ分の非圧縮フルHDハイビジョン(フルスペックハイビジョン)画像を圧縮して扱いやすくするために設けられる。具体的には、非圧縮でのフルHDハイビジョン画像7枚のデータ量は435.4MB/秒になるため、現在のパソコン(PC)における最大転送レートに対応するファイルサイズまで圧縮しておく。これにより制御領域の確保やデータへのアクセスタイムの短縮、さらには記録媒体への記録が容易となる。
【0035】
立体画像編集装置15は、母体となる既存のソフトウェアに対し補助的な「立体画像編集・合成プログラム」を搭載し、既存の編集、合成システムと同じ感覚で立体画像の編集、合成を行う。このとき立体画像編集装置15は、後述するアルゴリズムにより、立体画像を生成する際カメラの間隔(視差)を変化させることで立体感(奥行き感)を変化させる等の処理を行う。
【0036】
データ変換装置17は、多視差の画像情報から立体像表示装置にリアルタイムで表示する画像変換を行う。
【0037】
次に図2乃至図8を参照して、本実施形態における裸眼立体視画像処理システムでの注視点の変更処理について説明する。
【0038】
図2は本実施形態における撮像条件の前提条件を示すものであり、便宜的に被写体Tとカメラ及びそれぞれのカメラで撮像された画像内容を3組として示している(本実施形態では本来7カメラ分の視差画像を得るため7組が必要である)。
【0039】
図2では、被写体Tとして、カメラ側からみて右側かつ遠方にある右側被写体TRと、中央かつ中間距離にある中央被写体TCと、左側かつより近距離にある左側被写体TLと、撮像装置3としての3台のカメラC0、C1、C2が示される。なお、3台のカメラC0、C1、C2は等間隔に配置され、またそれぞれの光軸は平行である。
【0040】
さらに各カメラC0、C1、C2で撮像された画像I0、I1、I2が視差画像としてそれぞれのカメラC0、C1、C2に対応して示されている。例えば、カメラC1で被写体Tを撮像して得られた画像I1には、右側から右側被写体TRの撮像画像である右側被写体画像(TR)と、中央被写体TCの撮像画像である中央被写体画像(TC)と、左側被写体TLの撮像画像である左側被写体画像(TL)が示されている。また画像I0、I1、I2とを比較すると、カメラC0、C1、C2毎に視差が生じた画像となっていることが示されている。
【0041】
次に図3、4を参照して、注視点と擬似的な注視点操作により自然な奥行き感が得られることについて説明する。
【0042】
図3、4の(a)にはカメラC0、C1、C2で撮像された画像I0、I1、I2と注視点(点線で示す)との関係が示され、図3、4の(b)にはユーザUが立体画像表示装置5の表示画面(図中ILで示すディスプレイ面)を介して右側被写体TR、中央被写体TC、及び左側被写体TLを眺めている様子がそれぞれ模式的に示される。
【0043】
さらに図3、4(b)にはユーザUが自然な奥行き感の立体画像と感じる領域である「適切な立体表示領域」が点線で示される。つまり表示画面ILは、「適切な立体表示領域」の前後中心にあり、注視点でもある。なお、ここではユーザUが注視する場合、点であることから注視点としているが、現実的には感覚的には面であり、そのため図3、4(b)では、その横断面を示す線で注視点が示されている。
【0044】
図3(b)を参照するに、左側被写体TLに注視点をもってきた場合(図3(a)を参照)、ユーザUにとって右側被写体TRが「適切な立体表示領域」の領域外にあることから、全体として不自然な奥行き感の立体画像と感じることになる。
【0045】
そこで、図4(b)に示すように中央被写体TCに注視点を持ってくる(図4(a)を参照)。この場合、手前側にも、奥行き側にも自然な奥行き感のある立体画像として認識されることになる。
【0046】
次に、図5、6、7を参照してトリミング領域について説明する。
【0047】
図5では、カメラCの光軸を45度づつずらして撮影し、3枚の画像(A1、A2、A3)を得、これら3枚の画像(A1、A2、A3)を繋ぎ合わして1枚の連続した画像とする様子を示す。また、図6ではカメラCを左から右に振りながら撮影した場合を示す。この場合にも連続した画像が得られ、逆には単にパンしたときと同じ効果の画像(A4、A5)が得られる。
【0048】
次に図7を参照するに、図7ではカメラC1、C2の光軸が平行になるように設置し撮像した様子を点線で、カメラC1、C2の光軸が注視点Aで一致するように設置し撮像した様子を2点鎖線で示す。このどちらの場合も図5、6と同様に連続した画像が得られる。
【0049】
今回、発明者らの実験で、2点鎖線で示す場合には注視点の存在により自然な立体画像が得られ、一方、点線で示す平行な光軸の場合には、注視点が存在しないため裸眼立体視した場合には、奥行き感に違和感のある画像となることが判った。このような場合、トリミングによって注視点を与えているような効果を作り出すことができる。
【0050】
次に、図8を参照して擬似的な注視点操作について説明する。この擬似的な注視点操作は、図5、6、7で説明したように平行光軸で撮影した画像、すなわち注視点の存在しない画像に対して、任意の位置に注視点を与え、これにより、より違和感のない立体画像を提供することを可能とすると共に、任意の位置に与えられる注視点を適宜、最適位置に変更することで(注視点操作)、さらに自然な奥行き感のある立体画像を提供することを可能にしている。
【0051】
また従来、撮影後には変更できなかった表示奥行き位置のコントロールを、立体画像製作者が立体画像表示時に擬似的に注視点操作を行うことにより、、撮影後もしくはCG 製作後に表示された立体画像の奥行き情報を維持した状態で、表示奥行き位置を前後させ、見やすい立体画像を表示、作成できるようにするものである。
【0052】
図8において、7台のカメラC0、C1、C2、C3、C4、C5、C6は等間隔(カメラ間隔d)になるように配置される。また7台のうちの中央のカメラC0の撮像面Bと注視点Aとの距離を注視点距離Dとする。この図3では説明のために各カメラC0、C1、C2、C3、C4、C5、C6は注視点Aの方向を向いており、それぞれの傾き角をθ0、θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、θ6とする。逆に言えば、各カメラC0、C1、C2、C3、C4、C5、C6の光軸を平行にした場合の、各光軸の注視点との傾きとなる。
【0053】
このように配置した例において、等間隔で平行に配置した撮像装置上で得られた画像に対して(但し、atan=arctan)、
atan(カメラ間隔)÷( 注視距離)=(傾き角)
(画像サイズ(横))÷( 画角)÷θ=(移動するピクセル数(横方向))
という式により、各画像の配置X 座標を決定し、各画像それぞれ決定した位置に配置、合成を行う。合成方法は各裸眼立体ディスプレイに伴い変化する。合成された立体画像に「表示奥行き位置情報」が付加され、擬似的に注視点操作を行った結果、各ディスプレイ表示時に立体画像の「表示奥行き位置」を前後に変更でき、結果、見やすい立体画像を確認しながら生成できる。
【0054】
次に、立体画像の奥行き表示位置変更方法について説明する。
【0055】
まず、ステップS11において、均等な間隔dでかつ光軸が平行となるように配置された撮像装置3の7台のカメラCにより、7個の視点から撮影された7つの画像を得る。この7つの画像は、ディスクストレージ装置11の図示しないHDDに撮像装置3の7台カメラCの毎に設けられた(設定された)7つのフォルダにそれぞれ一時的に保存される。この保存された画像は、保存性・取扱性を高めるためにデータ圧縮解凍装置13Aで圧縮され、解凍され、立体画像編集装置15に出力される。
【0056】
次に、ステップS13において、立体画像編集装置15は、撮影時もしくはCG製作時に使用したカメラ情報を画像移動量算出プログラムに入力、実行し、各画像の横移動量を算出する。
【0057】
各画像をディスクストレージ装置11から、データ圧縮解凍装置13Aを介して立体画像編集装置15に読み込み、その演算部が演算を行う。入力するカメラ情報としては、
カメラ間隔(距離)単位:mm
レンズのmm数;f
撮像素子の横幅(CCD、CMOS、フィルムなど)単位:mm
撮影した画像のサイズ(横)単位:ピクセル数
撮影に使用したカメラの数(視点数)単位:台
擬似的に与えたい注視点距離 単位:mm
がある。またCPUが行う演算としては、このカメラ情報を入力し後述するステップS23の式を計算する。計算後、各カメラから得た画像の移動量が分かるので、それに伴い各画像の表示位置を横方向に移動させる。
【0058】
次に、ステップS15において、算出した画像移動量に伴い、各画像を移動し、各立体画像表示装置に合わせた合成方法で多視点画像の合成を行う。このPCに読み込まれた画像を、一時的にメモリに記録し、CPUが画像の合成を行う。
【0059】
さらにステップS17において、画像合成後、各立体画像表示装置に表示する。CPUが演算した結果(各立体画像表示装置にあわせた合成方法で合成した結果)をGPUを通して各表示装置に転送し、各立体画像表示装置に表示する。
【0060】
ステップS19においては、立体画像表示時に見にくい場合、任意に注視距離の変更を行い、表示奥行き位置を変更する。ステップS15と同じく、PCに読み込まれた画像を、一時的にメモリに記録し、再度CPUが画像の合成を行う。
【0061】
さらにステップS21において、各立体画像表示装置に自然な立体画像を表示する。ステップS17と同じく、CPUが演算した結果(各立体画像表示装置にあわせた合成方法で合成した結果)をGPUを通して各表示装置に転送し、各立体画像表示装置に表示する。
【0062】
なお、以上の作業をフレーム毎(日本国内での通常のビデオ、テレビなどでは29.97fps)に連続して上記の作業を繰り返すことで、動画に対応する。
【0063】
次に、画像の横移動算出プログラムについて説明する。
【0064】
まず、ステップS23においては、下記の入力を行う。
【0065】
・立体画像合成に使用する各画像の幅を入力(印刷物の場合はmmなど、モニタなどへの表示用にはピクセル数など出力先によって単位を変更)
・撮影時もしくはCG製作時に使用したカメラの撮像素子サイズwを入力(縦、もしくは対角線の長さ)
・撮影時もしくはCG製作時に使用したカメラのレンズmm数fを入力
・撮影時もしくはCG製作時に使用したカメラ間隔dを入力
・撮影時もしくはCG製作時に使用したカメラの数(n=7)を入力
・擬似的に与える注視距離を入力
続いて、ステップS25において、撮影時に使用したカメラの画角(θ)を算出する。
【0066】
{atan((w/2)÷f)}×2=θ
ステップS27では、平行、また均等な間隔に並べられたカメラから、擬似的に注視点を設けるため、カメラの光軸の角度θを算出する。
【0067】
{(d×(n−1))/2}+d×((左からm台目のカメラ)−1)=L
{atan(L)}÷D=θ
但し、
d;カメラ間隔
n;カメラ台数
D;注視距離
θ;カメラの傾き角
L;原点からカメラmまでの距離
またステップS29では、撮影した各画像の横移動量を各画像ごとに算出する。
【0068】
{(画角)÷θ}/(画像の横方向サイズ)=(画像の横方向移動量)
これにより撮影時に使用したカメラの台数分、横移動量を算出する。
【0069】
次に、図9,10,11を参照して、注視点の変更操作について説明する。
【0070】
まず、図9を参照するに、立体画像表示装置5の表示画面5aには、裸眼立体視可能な右側被写体立体画像I(TR)、中央被写体画像I(TC)、左側被写体画像I(TL)が表示されているものとする。また(+)は注視点変更用ポインタPPである。
【0071】
ここでユーザUが 立体画像表示装置5の表示画面5a上の裸眼立体視可能な被写体立体画像I(右側被写体立体画像I(TR)、中央被写体画像I(TC)、左側被写体画像I(TL)を含む画面全体)を眺めて、立体視に不自然さを覚えたものとする。
【0072】
そこでユーザUは、マウスの右クリック等により、注視点変更モードに表示画面5aを切り換え、表示画面5a上に注視点変更用ポインタPPを表示させる。次に、マウスを用いて注視点変更用ポインタPPを移動し、違和感の無い、自然な立体視が出来る位置に注視点変更用ポインタPPを配置する。
【0073】
図9では、注視点変更用ポインタPPは中央被写体画像I(TC)上に配置され、これにより注視点位置は中央被写体画像I(TC)位置に移動される。この注視点の移動処理はリアルタイムに行われるため、ユーザUは表示画面5a上で立体視の効果を確認しながら、注視点の変更をおこなうことができる。
【0074】
なお、このとき注視点変更用ポインタPPの位置は、特に被写体画像I(T)上にある必要は無く、例えば右側被写体立体画像I(TR)、中央被写体画像I(TC)との間に設定しても構わない。この場合、対象となる被写体が無くなることがあるが、その場合には右側被写体立体画像I(TR)と中央被写体画像I(TC)との間の中間距離等の位置に応じた比率の位置に設定すれば良い。
【0075】
次に、図10を参照して他の注視点の変更操作例について説明する。
【0076】
この図10に示す例では、図9に示した注視点変更用ポインタPPに替えて、注視点変更用カーソルPCを用いて注視点を変更するようにしている。
【0077】
ユーザ操作は図9に示す例と同様に、表示画面5b上に注視点変更用カーソルPCを表示させ、この注視点変更用カーソルPCをマウスで画面上下方向に移動する。これにより立体視の効果が変更されるので、ユーザUは被写体画像I(T)の立体視が自然と感じる位置に注視点変更用カーソルPCを移動する。これにより注視点位置は、例えば中央被写体画像I(TC)位置に移動される。
【0078】
この注視点の移動処理はリアルタイムに行われるため、ユーザUは表示画面5b上で立体視の効果を確認しながら、注視点の変更をおこなうことができる。
【0079】
また、この注視点変更用カーソルPCの上下方向の移動に連動して移動する注視点変更用注視点表示ラインPLを表示させるようにしてもよい。この注視点変更用注視点表示ラインPLの表示により、ユーザUは視覚的に注視点位置を知ることができ、注視点の変更がより容易となる。
【0080】
なお、この注視点変更用注視点表示ラインPLの表示位置は、必ずしも注視点変更用カーソルPCと画面上下方向の同位置にある必要はない。これは表示画面5b上に表示される画像内容により、当然のことであり、また注視点変更用カーソルPCのカーソル有効長を画面最大に確保するためにも有効である。
【0081】
次に、図10を参照して他の注視点の変更操作例について説明する。
【0082】
この図11に示す例では、図9に示した注視点変更用ポインタPPに替えて、注視点変更用数値入力ウィンドウPWを用いて注視点を変更するようにしている。
【0083】
ユーザ操作は図9に示す例と同様にして、表示画面5c上に注視点変更用数値入力ウィンドウPWを表示させ、この注視点変更用数値入力ウィンドウPWに任意の数値を手入力もしくはプルダウンによる数値表示を選択することで行う。これにより立体視の効果が変更されるので、ユーザUは被写体画像I(T)の立体視が自然と感じる数値となるまで注視点変更用数値入力ウィンドウPWを操作入力する。これにより注視点位置は、例えば中央被写体画像I(TC)位置に移動される。
【0084】
この注視点の移動処理はリアルタイムに行われるため、ユーザUは表示画面5c上で立体視の効果を確認しながら、注視点の変更をおこなうことができる。
【0085】
また、この注視点変更用数値入力ウィンドウPWに入力された数値に連動して移動する注視点変更用注視点表示ラインPLを表示させるようにしてもよい。この注視点変更用注視点表示ラインPLの表示により、ユーザUは視覚的に注視点位置を知ることができ、注視点の変更がより容易となる。
【0086】
上述してきたように、本実施形態によれば、裸眼立体視画像による映像を視聴している際に、ユーザ自らがより自然な奥行き感の立体画像となるように、裸眼立体視画像を視覚的に確認しながら変更することが可能となる。
【0087】
本発明の実施形態に係る裸眼立体視画像処理演算は、プログラム化しコンピュータ読取り可能な記録媒体に保存しても良い。そして、裸眼立体視画像処理を行う際は、この記録媒体をコンピュータシステムにより構成される立体画像処理装置1に読み込ませ、立体画像処理装置1内のメモリ等の記憶部にプログラムを格納し、裸眼立体視画像処理演算プログラムを演算装置で実行することにより、本発明の裸眼立体視画像処理演算システムおよびその方法を実現することができる。ここで、記録媒体とは、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録することができるようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体等が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の裸眼立体視画像処理装置を含むシステム全体の構成を示すブロック図である。
【図2】被写体とカメラ及びそれぞれのカメラで撮像された画像内容を示す図である。
【図3】注視点の変更処理について説明する図である。
【図4】注視点の変更処理について説明する図である。
【図5】注視点の変更処理について説明する図である。
【図6】注視点の変更処理について説明する図である。
【図7】注視点の変更処理について説明する図である。
【図8】注視点の変更処理について説明する図である。
【図9】注視点の変更方法について説明する図である。
【図10】注視点の変更方法について説明する図である。
【図11】注視点の変更方法について説明する図である。
【符号の説明】
【0089】
1…立体画像処理装置
3…撮像装置(カメラ)
5…立体画像表示装置(ディスプレイ)
11…ディスクストレージ装置
13…データ圧縮解凍装置
15…立体画像編集装置
17…データ変換装置
A…注視点
B…撮像面
C…カメラ
D…注視点距離
d…カメラ間隔
I…表示画像
PP…注視点変更用ポインタ
PC…注視点変更用カーソル
PL…注視点変更用注視点表示ライン
PW…注視点変更用数値入力ウィンドウ
T…被写体
TR…右側被写体
TC…中央被写体
TL…左側被写体
(T)…被写体画像
(TR)…右側被写体画像
(TC)…中央被写体画像
(TL)…左側被写体画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像供給手段から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理方法であって、
前記多視差画像から得られる立体画像の任意の奥行き位置に注視点を付与することを特徴とする裸眼立体視画像処理方法。
【請求項2】
それぞれの光軸が平行となるように設置される複数のカメラにより構成される画像供給手段から供給される多視差画像を処理して、裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理方法であって、
前記多視差画像から得られる立体画像の任意の奥行き位置に注視点を付与する注視点付与工程と、
この注視点付与工程で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点位置変更工程と
を備えることを特徴とする裸眼立体視画像処理方法。
【請求項3】
画像供給手段から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理装置であって、
前記多視差画像から得られる立体画像に対し設定される注視点の奥行き位置を任意の奥行き位置に変更する注視点位置変更手段を備えることを特徴とする裸眼立体視画像処理装置。
【請求項4】
画像供給手段から供給される多視差画像を処理し、裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理装置であって、
前記多視差画像から得られる立体画像の任意の奥行き位置に注視点を付与する注視点付与手段と、
この注視点付与手段で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点位置変更手段と
を備えることを特徴とする裸眼立体視画像処理装置。
【請求項5】
前記画像供給手段は、それぞれの光軸が平行となるように設置される複数の撮像手段により構成されることを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項6】
前記任意の奥行き位置に注視点を付与する処理または前記注視点の奥行き位置を変更する処理は、
前記画像供給手段を構成する各カメラの光軸を当該注視点に擬似的に傾けたときの注視点位置の横方向の移動量を計算し、この移動量を前記多視差画像に反映することを特徴とする請求項5記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項7】
前記注視点位置変更手段は、立体画像表示装置の画面に、常態でまたは操作時に一時的に表示される注視点変更用ポインタで示された奥行き位置に注視点位置を変更することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項8】
前記注視点位置変更手段は、立体画像表示装置の画面に画面縦方向に、常態でまたは操作時に一時的に表示される注視点変更用カーソルを移動して示された奥行き位置に注視点位置を変更することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項9】
前記注視点位置変更手段は、前記立体画像表示装置の画面に表示される注視点変更用カーソル位置から水平に注視点変更用注視点表示ラインを表示することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項10】
前記注視点位置変更手段は、立体画像表示装置の画面に、常態でまたは操作時に一時的に表示される注視点変更用数値入力ウィンドウに入力される数値に対応する奥行き位置に注視点位置を変更することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項11】
前記注視点位置変更手段は、前記注視点変更用数値入力ウィンドウに入力される数値に対応する奥行き位置に水平に注視点変更用注視点表示ラインを表示することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項12】
画像供給手段から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理演算プログラムであって、
前記多視差画像に注視点を付与する注視点付与処理と、
この注視点付与処理で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点位置変
更処理とを含み、
これらの処理をコンピュータに実行させることを特徴とする裸眼立体視画像処理演算プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の裸眼立体視画像処理演算プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
画像供給手段から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理方法であって、
前記多視差画像から得られる立体画像の任意の奥行き位置に注視点を付与することを特徴とする裸眼立体視画像処理方法。
【請求項2】
それぞれの光軸が平行となるように設置される複数のカメラにより構成される画像供給手段から供給される多視差画像を処理して、裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理方法であって、
前記多視差画像から得られる立体画像の任意の奥行き位置に注視点を付与する注視点付与工程と、
この注視点付与工程で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点位置変更工程と
を備えることを特徴とする裸眼立体視画像処理方法。
【請求項3】
画像供給手段から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理装置であって、
前記多視差画像から得られる立体画像に対し設定される注視点の奥行き位置を任意の奥行き位置に変更する注視点位置変更手段を備えることを特徴とする裸眼立体視画像処理装置。
【請求項4】
画像供給手段から供給される多視差画像を処理し、裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理装置であって、
前記多視差画像から得られる立体画像の任意の奥行き位置に注視点を付与する注視点付与手段と、
この注視点付与手段で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点位置変更手段と
を備えることを特徴とする裸眼立体視画像処理装置。
【請求項5】
前記画像供給手段は、それぞれの光軸が平行となるように設置される複数の撮像手段により構成されることを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項6】
前記任意の奥行き位置に注視点を付与する処理または前記注視点の奥行き位置を変更する処理は、
前記画像供給手段を構成する各カメラの光軸を当該注視点に擬似的に傾けたときの注視点位置の横方向の移動量を計算し、この移動量を前記多視差画像に反映することを特徴とする請求項5記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項7】
前記注視点位置変更手段は、立体画像表示装置の画面に、常態でまたは操作時に一時的に表示される注視点変更用ポインタで示された奥行き位置に注視点位置を変更することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項8】
前記注視点位置変更手段は、立体画像表示装置の画面に画面縦方向に、常態でまたは操作時に一時的に表示される注視点変更用カーソルを移動して示された奥行き位置に注視点位置を変更することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項9】
前記注視点位置変更手段は、前記立体画像表示装置の画面に表示される注視点変更用カーソル位置から水平に注視点変更用注視点表示ラインを表示することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項10】
前記注視点位置変更手段は、立体画像表示装置の画面に、常態でまたは操作時に一時的に表示される注視点変更用数値入力ウィンドウに入力される数値に対応する奥行き位置に注視点位置を変更することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項11】
前記注視点位置変更手段は、前記注視点変更用数値入力ウィンドウに入力される数値に対応する奥行き位置に水平に注視点変更用注視点表示ラインを表示することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の裸眼立体視画像処理装置。
【請求項12】
画像供給手段から供給される多視差画像を裸眼での立体視を可能とする立体画像表示装置に供給するときの裸眼立体視画像処理演算プログラムであって、
前記多視差画像に注視点を付与する注視点付与処理と、
この注視点付与処理で付与された注視点の奥行き位置を変更する注視点位置変
更処理とを含み、
これらの処理をコンピュータに実行させることを特徴とする裸眼立体視画像処理演算プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の裸眼立体視画像処理演算プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−167310(P2008−167310A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−356356(P2006−356356)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507003281)株式会社ディードライヴ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507003281)株式会社ディードライヴ (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]