説明

製本装置及びこれを備えた画像形成システム

【課題】製本処理する際に表紙シートに施されたタイトル画像が表紙にバランス良くレイアウトされる製本装置を提供する。
【解決手段】束状の中紙シートを所定の製本位置に移送する製本処理経路と、この経路に交差配置され製本位置に表紙シートを給送セットする表紙給送経路と、製本位置に配置され、中紙シート束を表紙シートでくるみ製本する表紙綴じ手段と、表紙シートのセット姿勢を位置修正するアライニング手段と、給送セットされた表紙シートのタイトル画像の少なくとも一部を撮像する画像読取手段と、アライニング手段を制御する制御手段とを備える。そして制御手段は、(1)表紙綴じ手段による製本仕上げ状態の表紙画像を表示する画像表示手段と、(2)製本位置における表紙シートのセット姿勢の位置修正量を指定するオフセット量設定手段とを有し、このオフセット量設定手段からの位置修正量に基づいてアライニング手段を制御するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリンタ、印刷機、複写機などの画像形成装置からのシートを束状に部材揃えし、このシート束を表紙シートでくるみ製本する製本装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の装置はプリンタ、印刷機などの画像形成装置の端末装置として、画像形成されたシートをページに積重ね、冊子状に整合した後、その端面を糊付けして表紙シートに綴じ合せる整本システムとして広く使用されている。特に最近電子出版などのオンデマンド印刷として、例えば特許文献1で示す様な、所定の情報の印刷と同時に、これを自動的に綴じ合わせて表装し、この表装シート束の周縁をトリミングカットして製本仕上げする製本システムが知られている。
【0003】
このような製本装置は例えば特許文献1に開示されているように画像形成装置からのシート(中紙シート)を束状に部材揃えし、その背部端面に接着剤を塗布する製本処理経路と、この製本処理経路と交差する方向に表紙給送経路を設け、この両経路の交差部で表紙シートと中紙シート(束)を逆T字状に接合して表紙シートを背折り成型して綴じ合わせてくるみ製本する装置が提案されている。
【0004】
このような装置では表紙シートは所定の綴じ位置に正確に給送セットされる必要がある。例えばこの表紙シートが左右方向にスキューしていると製本後の表表紙と裏表紙は中紙シートに傾いた状態で綴じ合わされる。また表紙シートの中心が中紙シートの基準と前後方向に位置ズレすると製本後の表表紙と裏表紙が不揃いとなることが知られている。
【0005】
そこで特許文献2には表紙シートを給送セットする際に表紙シートの形態をCCDカメラで撮像し、表紙シートの端縁又はこれに形成した目印を認識して表紙シートを位置決めすることが提案されている。
【特許文献1】特開2005−335262号公報
【特許文献2】特開2001−096944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように表紙シートを製本位置に給送して位置決めセットする際に、従来はシート端縁(先端又は後端)を検出して搬送機構を制御して表紙シートのセンターを基準位置と一致するように制御する場合には正確な位置にセットすることは搬送斑或いは用紙サイズの誤差などから不可能に近いとされている。従って製本綴じ後の冊子はタイトル文字が位置ズレして標記され、或いは背表紙タイトルが背折肩部からはみ出して製本されることがある。このようなタイトル位置のズレが著しいときには、例えば背表紙タイトルの印字位置を予め位置調整して再度印刷と製本を実行し直すことが余儀なくされている。
【0007】
そこで前掲特許文献2には、表紙シートに形成されたタイトル画像をカメラ撮影し、この画像から、例えば周囲余白部が左右均等となるように表紙シートのセット位置を調整することが提案されている。
【0008】
まず特許文献1の画像識別で表紙シートを位置決めする場合には、タイトル文字が模様などの背景と同時印刷されているときにはタイトル位置を割り出すことが出来ない。またタイトル文字が洋書のように横書きである場合、タイトル文字が縦書きであっても複数行である場合にはタイトル左右の余白バランスを判別することは非常に困難であり、この判別が不適切なときには従来と同様に再製本を行わなければならない。
【0009】
また、特許文献2のように位置判別のマーカを施す場合には、このマーカを表紙面から外れた例えば裏表紙面、断裁カット領域などに印刷しなければならないためマーカの印字位置が制約される。
【0010】
そこで本発明者は、中紙シート束の背部に接着剤(糊、テープなど)を塗布する前に、製本位置に表紙シートを給送し、この表紙シートのタイトル画像を製本処理したシミュレーション画像を目視しながら表紙シートの位置を前後左右に位置調整するとの着想に至った。これにより表紙シートに施されたタイトル画像を製本処理したときのシミュレーション画像(疑似画像)でより正確な位置に表紙シートを位置決めセットすることが可能となった。
【0011】
本発明は、中紙シート束を表紙シートでくるみ製本する際に、表紙シートに施されたタイトル画像が背表紙或いは表・表紙のバランスの良い位置にレイアウトされる製本装置の提供をその課題としている。
更に本発明は、表紙シートに施されたタイトル画像を製本折り処理したシミュレーション画像を目視しながら表紙シートの位置を修正可能に構成することにより、非常に正確なタイトル位置を簡単な構成で割り出すことが可能な製本装置の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記課題を解決するために以下の構成を採用したものである。
束状に部揃えされた中紙シート束を所定の製本位置に移送する製本処理経路と、上記製本処理経路に交差配置され上記製本位置に表紙シートを給送セットする表紙給送経路と、上記製本位置に配置され、上記中紙シート束を表紙シートでくるみ製本する表紙綴じ手段と、上記製本位置に配置され、上記表紙シートのセット姿勢を位置修正するアライニング手段と、上記製本位置に配置され、給送セットされた上記表紙シートの表紙画像の少なくとも一部を撮像する画像読取手段と、上記アライニング手段を制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、(1)上記表紙綴じ手段による製本仕上げ状態の表紙画像(以下「シミュレーション画像」という)を表示する画像表示手段と、(2)上記製本位置における表紙シートのセット姿勢の位置修正量を指定するオフセット量設定手段とを有し、このオフセット量設定手段からの位置修正量に基づいて上記アライニング手段を制御するように構成する。上記シミュレーション画像は、上記画像読取手段からのタイトル画像情報と、上記中紙シート束の束厚さ情報と、上記表紙シートのサイズ情報とから画像形成される。
【0013】
前記アライニング手段は、前記製本位置に給送セットされた表紙シートを給紙方向と給紙直交方向にそれぞれ指定された移動量で位置移動するように構成される。
【0014】
前記製本位置には、前記表紙給送経路からの表紙シートを案内するガイド手段を配置し、前記画像読取手段は、上記ガイド手段にバックアップ支持された表紙シートのタイトル画像を撮像するように配置すると共に、このガイド手段は開閉自在及び/又は透明部材で構成される。
【0015】
前記表紙シートにタイトル画像を形成する画像形成手段を更に備え、前記画像読取手段は、前記表紙シートに画像形成されたタイトル画像の一部を撮像するように構成されると共に、前記画像表示手段は、上記画像読取手段からのタイトル画像の一部と、上記画像形成手段からのタイトル画像の原画像とから前記製本処理状態の表紙画像を形成する。
【0016】
前記製本処理経路の製本位置の上流側には、順次給送される中紙シートを束状に部揃え集積する集積スタッカと、この集積スタッカからの中紙シート束を下流側に移送するシート束搬送手段とを設け、上記集積スタッカ若しくは上記シート束搬送手段には中紙シートの束厚さを検出する厚さ検出手段を配置し、前記シミュレーション画像を形成するための前記中紙シート束の束厚さ情報は、上記厚さ検出手段の検出値から取得する。
【0017】
本発明に係わる製本装置は、順次シート上に画像形成する画像形成装置と、上記画像形成装置で画像形成された中紙シートを束状に部揃え集積して所定の製本位置に移送する製本処理経路と、上記画像形成装置で画像形成された表紙シートを上記製本位置移送する表紙給送経路とから構成し、上記製本装置は上述の構成を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明は束状に部揃えした中紙シートを表紙シートでくるみ製本する際に、製本位置に給送セットした表紙シートを背折り処理したシミュレーション画像を目視しながら表紙シートの位置を前後左右に位置調整するようにしたものであるから次の顕著な効果を奏する。
【0019】
製本位置に給送された表紙シートを、その用紙サイズ情報と、タイトル画像情報と、中紙シート束の束厚さ情報とから製本仕上げ状態のシミュレーション画像を表示し、このシミュレーション画像を目視しながら表紙シートの位置を前後左右に位置調整するオフセット量を設定するようにしたものであるから、製本仕上げ時のタイトル画像のレイアウトを正確に設定することが出来る。
【0020】
更に本発明は中紙シート束に接着剤を塗布するなど接着剤層を付与する前に、表紙シートのタイトル画像位置を位置調整することによって位置調整不可能な場合、或いはタイトル画像が間違っている場合に、表紙シートを再給送することによって不要な製本処理を未然に防止することができる。
【0021】
更に本発明は、製本位置に給送セットされた表紙シートに施されたタイトル画像を読み取って製本仕上げ状態のシミュレーション画像を像形成し、この画像に従って表紙シートを位置修正するものであるから、品位に富んだ製本処理が可能であるなどの顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下図示の好適な実施の形態に基づいて本発明を詳述する。図1は、本発明に係わる製本装置と、これを用いた画像形成システムの全体構成の説明図であり、図2は製本装置の詳細説明図である。
【0023】
図1に示す画像形成システムは、シートに順次印刷を施す画像形成装置Aと、この画像形成装置Aの下流側に付設された製本装置B、この製本装置Bの下流に配置された後処理装置Cとから構成されている。そして画像形成装置Aで画像形成したシートを製本装置Bで製本処理する。また製本処理しないシートについてはこの製本装置Bを通過して後処理装置Cでシートに後処理を施すように構成されている。
【0024】
[画像形成装置の構成]
まず画像形成装置Aは複写機、プリンタ、印刷機など種々の構造のものが採用可能であるが静電印刷装置を図示する。この画像形成装置Aはケーシング1内に給紙部2と、印字部(画像形成手段;以下同様)3と、排紙部4と制御部(後述の制御CPU70)とが内蔵されている。給紙部2にはシートサイズに応じた複数のカセット5が準備され、制御部70から指示されたサイズのシートが給紙経路6に繰り出される。この給紙経路6にはレジストローラ7が設けられ、シートを先端揃えした後所定のタイミングで下流側の印字部3に給送する。
【0025】
印字部3には静電ドラム10が設けられ、この静電ドラム10の周囲には印字ヘッド9、現像器11、転写チャージャ12などが配置されている。そして印字ヘッド9は例えばレーザ発光器などで構成され、静電ドラム上に静電潜像を形成し、この潜像に現像器11でトナーインクを付着し、転写チャージャ12でシートに印刷する。この印刷シートは定着器13で定着され排紙経路17に搬出される。排紙部4には上記ケーシング1に形成した排紙口14と排紙ローラ15が配置されている。尚図示16は循環経路であり、排紙経路17からの印刷シートをスッチバック経路で表裏反転した後再びレジストローラ7に送り、印刷シートの裏面に画像形成する。このように片面若しくは両面に画像形成された印刷シートは排紙口14から排紙ローラ15で搬出される。
【0026】
尚図示20はスキャナユニットであり、上記印字ヘッド9で印刷する原稿画像を光学的に読み取る。その構造は一般的に知られているように原稿シートを載置セットするプラテン23と、このプラテン23に沿って原稿画像をスキャンするキャリッジ21と、このキャリッジ21からの光学像を光電変換する光学読取手段(例えばCCDディバイス)22とから構成されている。また図示のものは原稿シートを自動的にプラテンに給送する原稿送り装置25がプラテン上に装備してある。
【0027】
[画像形成制御部の構成]
そこで上述のように構成された画像形成装置Aは、後述する制御部70で画像形成するデータのジョブ指定がなされる。このジョブ指定は、「プリントアウトモード」「製本仕上げモード」「フィニッシャ仕上げモード」などに指定される。
【0028】
「プリントアウトモード」は指定された画像データに従って指定されたサイズのシートに画像形成し排紙部4に搬出する。また、「製本仕上げモード」は指定された画像データに従って指定されたサイズのシートに画像を形成し、その画像形成後に指定されたサイズの表紙シートに表紙画像(タイトル画像;以下同様)を形成して排紙部4に搬出する。そして排紙部4には後述する製本装置Bが連結され、この製本装置Bで画像ページ順に部揃え集積された中紙シート束と、所定の表紙画像を形成した表紙シートとを製本綴じする。製本綴じされたシート束はスタッカに収容される。
【0029】
また「フィニッシャ仕上げモード」は指定された画像データに従って指定されたサイズのシートに画像を形成して排紙部4に搬出する。そして排紙部4に連結されたフィニッシャ装置(後処理装置)Cに移送し、この後処理装置でステイプル綴じ、パンチ処理、捺印処理などの後処理を施し、排紙スタッカ37に収納する。
【0030】
上記画像データの指定は、スキャナユニット20からの画像データに基づいて画像形成するか、或いはネットワーク(コンピュータネツトワーク、FAX通信ネットワークなど)から転送された画像データに基づいて画像形成するか指定する。前者のスキャナユニット20からの画像データによるときはプラテン上に準備された原稿から中紙シートを画像形成し、その終了後に表紙画像をプラテン上に準備して表紙シート上に画像形成する。
【0031】
上記「製本仕上げモード」のとき、中紙シートには原画像データ(コンテンツデータなど)に従って画像形成され、表紙シートには表紙原画像データに従ってタイトル画像が形成される。このときくるみ製本の場合の表紙シートShと中紙シートSnのサイズは、図6(b)に示すように天地方向の長さLyは両者が略々均しく(Lyh=Lyn)選定され、その直交方向寸法(Lx;以下小口部長さという)が表紙シートShは中紙シートSnの2倍以上の寸法を有するサイズに選定される。つまり表紙シートShの小口部長さLxhは中紙シートの小口部長さLxnの2倍に中紙シート束の束厚さ(d)を加算した値に均しくなるように選定される。
Lxh=Lxn×2+d (式1)
このとき、中紙シートの束厚さ(d)を許容最大厚さに設定すると製本後の中紙シートの端縁が表紙シートの端縁の外側に飛び出すことがない。
【0032】
[製本装置の構成]
次に、画像形成装置Aに付設された製本装置Bについて説明する。この製本装置Bはケーシング30内に印刷シートを束状に集積して部揃えする集積部40と、この集積部40からのシート束に接着糊を塗布する接着剤塗布手段55と、接着剤を塗布されたシート束に表紙シートを綴じ合わせる表紙綴じ手段60とから構成されている。
【0033】
[搬送経路の構成]
各シートの搬送経路について説明すると、上記ケーシング内には画像形成装置Aの排紙口14に連なる搬入口31aを有する搬入経路31が設けられ、この搬入経路31から中紙搬送経路32と表紙給送経路34が経路切換フラッパ36を介して連結されている。そして中紙搬送経路32には集積部40を介して製本処理経路33が連接され、表紙給送経路34には後処理経路38が連設されている。製本処理経路33は略々鉛直方向に装置を縦断する方向に、表紙給送経路34は略々水平方向に装置を横断する方向に配置されている。
【0034】
上記製本処理経路33と表紙給送経路34とは互いに交差(直交)し、その交差部に後述する表紙綴じ手段60が配置されるようになっている。以上のように構成された搬入経路31は前記画像形成装置Aの排紙口14に連なり、画像形成装置Aから印刷シートを受入れる。この場合画像形成装置Aからはコンテンツ情報を印刷された印刷シート(中紙シート)Snと表紙カバーとして使用するタイトルなどを印刷された印刷シート(表紙シート)Shとが搬出される。このように搬入経路31は中紙搬送経路32と表紙給送経路34とに分岐され経路切換フラッパ36を介して各印刷シートをそれぞれの経路に振り分け搬送することとなる。
【0035】
上記搬入経路31には搬送ローラ31bが上記表紙給送経路34には搬送ローラ34aが、上記製本処理経路33には後述するグリップ搬送手段47がそれぞれ配置され、各搬送経路には図2に示す位置にシートセンサSe1乃至Se6が配置しされている。そして上記各搬送ローラは制御CPU75で構成する搬送制御手段に接続され、上記各シートセンサSe1乃至Se6はこの搬送制御手段に検知信号を転送するように接続されている。
【0036】
[インサータ装置]
一方、上記搬入経路31にはインサータ装置26が連結してあり、画像形成装置Aで印刷処理しない表紙シートShを給紙トレイ26aから1枚ずつ分離して搬入経路31に供給するように構成してある。このインサータ装置26は1つ若しくは複数段の給紙トレイ26aを備え、このトレイ先端には積載されたシートを1枚ずつ分離して給送する給紙手段と、この給紙手段の下流側に給紙経路27が設けられ、前記搬入経路31に連結している。
【0037】
また上記搬入経路31には搬送ローラ31bが、中紙搬送経路32には搬送ローラ32aが、製本処理経路33にはグリップ搬送手段47と後述する束姿勢偏向手段64と排紙ローラ66が配置されている。また表紙給送経路34には搬送ローラ34aが、後処理経路38には搬送ローラ38aがそれぞれ配置され、それぞれ駆動モータに連結されている。
【0038】
[集積部の構成]
前記中紙搬送経路32の排紙口32bに配置された集積トレイ41は排紙口32bからのシートを束状に積載収納する。図2に示すように集積トレイ41は略々水平姿勢に配置されたトレイ部材で構成され、その上方には正逆転ローラ42aと搬入ガイド42bが設けられている。そして排紙口32bからの印刷シートを搬入ガイド42bで集積トレイ上に案内し、正逆転ローラ42aで収納する。この正逆転ローラ42aは正回転で印刷シートを集積トレイ41の先端側に移送し、逆回転でトレイ後端(図1右端)に配置された後端規制部材43にシート後端を突き当て規制する。また集積トレイ41には図示しないシートサイド整合手段が設けられトレイ上に収納した印刷シートの両側縁を基準位置に幅寄せ整合する。このような構成で中紙搬送経路32からの印刷シートは集積トレイ上に順次積み上げられ束状に部揃えされる。
【0039】
[束厚さ検出手段]
また、上記集積トレイ41には集積されたシート束の厚さを検知する束厚さ検出手段が配置されている。この束厚さ検出手段は図示しないが例えば集積トレイ41に最上シートと当接するニップ片をトレイ上下方向に移動自在に配置し、このニップ片がトレイ上の最上シートと当接する位置をスライダックセンサなどで検出する。そしてこのニップ片の当接位置とホームポジションなどの基準位置との間の距離(間隔)を検出することによってトレイ上に集積されたシート束の束厚さを算出する。尚この束厚さの検出は集積トレイ上に全てのシートが集積された段階で例えば画像形成装置Aからのジョブ終了信号で実行する。そしてこの束厚さ情報は後続する製本処理、例えば表紙シートShの製本位置へのセット位置の割り出しなどに用いる。
【0040】
上述の束厚さ検出手段(不図示)は、集積トレイ41に配置しても、或いは後述するグリップ搬送手段47に配置してもいずれでも良い。このグリップ搬送手段47に束厚さ検出手段を配置する場合には、例えば後述する可動側のグリップ部材47bの移動量(ニップ動作量)をスライドセンサ(図4にSSeで示す)などで検出することによって固定グリップ部材47aとの間にニップされたシート束の厚さを検出することが出来る。更に束厚さ検出手段は、図2にSe3で示す排紙口センサで集積トレイ41に集積されるシートの端縁を検出し、その検出値をカウントすることによって集積トレイ上に集積される中紙シート束の総枚数を検知する。そしてこの総枚数に例えば平均的なシート厚さ又は最大シート厚さを乗算することによって束厚さを実測することなく検知することが出来る。
【0041】
[グリップ搬送手段の構成]
前記製本処理経路33には上記集積トレイ41からシートを下流側の接着剤塗布位置Eに移送するグリップ搬送手段47が配置されている。このグリップ搬送手段47は図2に示すように集積トレイ41に集積したシート束を水平姿勢から鉛直姿勢に偏向し、このシート束を略々鉛直方向に配置された製本処理経路33に沿って接着剤塗布位置Eに搬送セットする。このため、集積トレイ41は集積位置(図2実線)から引き渡し位置(図2破線)に移動し、この引き渡し位置で準備されたグリップ搬送手段47にシート束を引き渡すようになっている。
【0042】
そこで、図2破線位置に移動した集積トレイ41からグリップ搬送手段47でシート束を引き継ぎ搬送する。このグリップ搬送手段47は、図4に示すようにシート束を把持する一対のグリップ部材47a,47bと、これらにグリップ動作を行わせるグリップモータMGとを搭載したグリッパユニットで構成されている。そしてこのグリッパユニット(グリップ搬送手段)47は装置フレームに回転軸47rで回動可能に支持され、装置フレーム側に配置したユニット回転モータMUで旋回動される。このグリッパユニット(グリップ搬送手段)47に固定側のグリップ部材47aと可動側のグリップ部材47bが装備され、可動側のグリップ部材47bはグリップモータMGで固定側のグリップ部材47a側に接近及び離間するようになっている。
【0043】
これと同時に上記可動側及び固定側のグリップ部材47a,47bはグリップモータMGと共にグリッパフレーム47fに支持され、このグリッパフレーム47fはユニットフレーム(不図示)にガイドレール47gで図4上下方向に移動自在に支持されている。そしてシフトモータMSでピニオン47pとラック47Lによって上下駆動される。このような構成でグリッパユニット(グリップ搬送手段)47は、グリップモータMGで集積トレイ上のシート束をグリップ部材47a,47bで把持し、ユニット回転モータMUでシート束を水平姿勢から鉛直姿勢に偏向する。そしてこの垂直姿勢のシート束をグリップ部材47a,47bで把持した状態でシフトモータMSによって製本処理経路33に沿って下流側に移送するように構成されている。
【0044】
[接着剤塗布部の構成]
前記製本処理経路33の接着剤塗布位置Eには接着剤塗布手段55が配置されている。この接着剤塗布手段55は図3(a)に示すように熱溶融性の接着剤を収容する糊容器56と、塗布ロール57と、ロール回転モータMRとで構成されている。糊容器56は液状接着剤収容室(以下液剤収容室という)56aと固形接着剤収容室(以下固形剤収容室という)56bに区割され、液剤収容室56aには塗布ロール57が回転自在に組み込まれている。また液剤収容室56aには接着剤の残量を検出する糊センサ56Sが配置されている。図示の糊センサ56Sは接着剤の温度センサを兼用し、液剤収容室内の液化した接着剤の温度を検出するのと同時に接着剤に浸された部位の温度差によって接着剤の残量を検出する。また、糊容器56には電熱ヒータなどの加熱素子(加熱手段)50が埋設してある。そしてこの糊センサ56Sと加熱手段50は後述する制御CPU75に結線され、液剤収容室内の接着剤を所定の溶融温度に温度調整する。また上記塗布ロール57は耐熱性の多孔質材で構成され、糊を含侵してロール周囲に糊の層が盛り上がるように構成されている。
【0045】
上述のように構成された糊容器56はシート束に沿って往復駆動する。図3(b)にその概念図を示すが、シート束の下端縁(製本時の背表紙部)S1に対し糊容器56は短い長さ(寸法)に形成してあり、これに内蔵した塗布ロール57と伴にシート束の下端縁S1に沿って移動するように装置フレームのガイドレール52に支持されている。そしてこの糊容器56は装置フレームに取り付けられたタイミングベルト53に連結され、このタイミングベルト53には駆動モータMTが連結してある。
【0046】
そこで糊容器56はホームポジションHPと、シート束に沿って復動作を開始するリターン位置RPとの間で前記駆動モータMTによって往復動する。そして各位置は図3(b)に示す位置関係に設定され、リターン位置RPはシート幅のサイズ情報によって設定される。また、装置電源投入時(イニシャル時)にはホームポジションHPに設定され、先行する例えば前記グリップ搬送手段47に設けたグリップエンドセンサSgのシートグリップ信号から所定時間後(シート束が接着剤塗布位置Eに到達する見込み時間)にホームポジションHPからリターン位置RPに向けて移動する。この移動と同時に塗布ロール57はロール回転モータMRで回転を開始する。尚図示SPは上記糊容器56のホームポジションセンサである。
【0047】
このように構成された接着剤塗布手段55は駆動モータMTの回転で、糊容器56はガイドレール52に沿って図3(b)左側から右側に移動を開始する。この往路では塗布ロール57はシート束に圧接してシート端部をバラけさせ、リターン位置RPからホームポジションHPに戻る復路ではシート端と所定のギャップを形成して接着剤を塗布するように、前述のグリップ搬送手段47の送り量を図示しない昇降モータで調整するようになっている。
【0048】
[表紙給送経路の構成]
前記表紙給送経路34は経路切換フラッパ36から表紙シートを製本位置Fに案内する。その詳細を図5に示すが製本処理経路33との交差部に製本位置Fが設定され、この製本位置Fには後述する表紙綴じ手段60が配置されている。そこでこの表紙給送経路34には製本位置Fに表紙シートを位置決めする表紙シート位置決め機構(アライニング手段;以下同様)44が配置されている。
【0049】
[アライニング手段の構成]
上記アライニング手段44は、製本位置Fに配置された給紙方向シフト手段45と給紙直交方向シフト手段46で構成される。この2方向のシフト手段45、46は表紙シートをニップする一対のローラ(アライニングローラ)で構成することが可能であり、図5はアライニングローラ44rにその構成を示す。図示のアライニングローラ44rは互いに圧接したローラ対で構成され、このローラ対は例えば図5(a)に示すように給紙方向前後に2つ(フロントローラ、リアローラ)配置される。そしてこのローラ対を図5時計方向に回転すると表紙シートShを同図左側に前進させることが出来、反時計方向に回転すると表紙シートShを同図右側に後退させることが出来る。
【0050】
上記アライニングローラ44rは、表紙シートShをニップした状態で給紙直交方向に位置移動可能に構成されている。図7(a)にその構成を示すように、例えばアライニングローラ44rは給紙直交方向に例えば3列のローラ対(1列であっても良い)で構成され、このローラ対44rは回転軸44Sに一体的に固定されている。この回転軸44Sには図示しないシフトモータ(MO1)が連結されている。またこの3列のローラ対44rを一体的に固定した回転軸44Sは軸方向(図7(a)左右方向)に位置移動可能に図示しない装置フレームに支持されている。
【0051】
そして回転軸44Sには同図左右方向にラック歯車44Lが設けられ、このラック歯車44LにシフトモータMO2のピニオン44pが連結されている。従ってシフトモータMO2を図7(a)時計方向に回転すると回転軸44Sとこれに取付けられたアライニングローラ44rは同図右側に位置移動し、シフトモータMO2を反時計方向に回転するとアライニングローラ44rは同図左側に位置移動する。これによってアライニングローラ44rにニップされた表紙シートShは給紙直交方向(図7(a)左右方向)にオフセット移動することとなる。
【0052】
このようにアライニングローラ44rは図示しないシフトモータ(MO1)を正逆回転することによって表紙シートShを給紙方向に前後退移動し、シフトモータMO2を正逆回転させて給紙直交方向に幅寄せ移動することが可能となる。そしてシフトモータMO1、MO2の回転量で移動量を制御することが可能となる。この移動量は例えばシフトモータMO1、MO2をステッピングモータで構成し、各モータの駆動回路に供給する電源パルス数でモータの回転量を制御し、アライニングローラ44rの回転量と回転軸方向の変位量を制御する。
【0053】
[表紙綴じ手段の構成]
上記製本処理経路33の製本位置Fには表紙綴じ手段60が配置されている。この表紙綴じ手段60は図5(a)に示すように背当プレート61と背折プレート62と折ロール63で構成される。この製本位置Fには前述の表紙給送経路34が配置され、画像形成装置A又はインサータ装置26から表紙シートShを給送する。そこで背当プレート61は表紙シートShをバックアップする板状部材で構成され、製本処理経路33に進退自在に配置されている。この背当プレート61に支持された表紙シートに(中紙)シート束が逆T字状に接合される。そこで上記背折プレート62は左右一対のプレス部材で構成され、逆T字状に接合された表紙シートの背部を背折り成型するため、図示しない駆動手段で互いに接近及び離反するように構成されている。また上記折ロール63は背折り成型されたシート束を挟圧して表装仕上げする一対のローラで構成されている。
【0054】
図5に示す背当プレート61と背折プレート62の構成について説明する。図5(a)に示すように製本位置Fには表紙給送経路34を構成する搬送ガイド34gが設けられている。この搬送ガイド34gは、図示下側ガイドは装置フレームに固定されたガイド板で構成され、上側ガイドは実線で示すシートガイド姿勢と破線で示す退避姿勢との間で開閉自在に構成されている。そしてこの上側ガイドにはガイド姿勢と退避姿勢との間で姿勢偏向するカムなどのシフト手段(不図示)が配置されている。またこの上下ガイドには前述したアライニングローラ44rが各ガイド板に軸受け支持されている。このアライニングローラ44rにはシフトモータMO1(不図示)が前述したように連結されている。
【0055】
そこで背当プレート61は表紙給送経路34の製本位置Fに配置され、表紙給送経路34を給送される表紙シートShを製本位置Fに案内するプレート部材で構成されている。この背当プレート61は製本位置Fで表紙シートShに対して中紙シート束Sn1を逆T字状に突き当て整合し、後述する背折プレート62で背折成形する際に表紙シートShをバックアップ支持する。このように構成された背当プレート61は、製本処理経路33に進入退避自在に構成されている。つまり製本位置Fに表紙シートShを給送する際、及び中紙シート束Sn1をくるみ製本する際には背当プレート61は製本処理経路内に進入した位置に位置する図5(a)、(b)の状態となる。また、これらの処理後に製本シート束Sn2を下流側に搬出する際にはその排紙動作を妨害しないように処理経路から外部に退避する図5(c)の状態となる。
【0056】
背折プレート62は製本位置Fに配置され、表紙シートの背部をプレス成型するように左右一対の板部材或いはブロック部材で構成される。左右の背折プレート62R、62Lは互いに接近及び離間するようにガイド部材に配置され図示しないシフトモータに連結されている。そしてこの左右一対配置された背折プレート62は、図5(a)の互いに接近した密着状態で表紙シートShを製本位置Fに案内ガイドし、同図(b)の離間状態で後述する画像読取手段90が表紙シートShに施されたタイトル画像を読取る。この画像読取手段90によるタイトル画像の読取り完了後に背当プレート61は表紙シートの背折り成形をバックアップする作動位置に移動する。
【0057】
そして左右一対の背折プレート62R、62Lはシフトモータ(不図示)の作用で左右離間した位置から互いに圧接した位置に移動する。すると表紙シートShと中紙シート束Sn1とは製本綴じ処理されることとなる。
【0058】
[画像読取手段の構成]
上述の製本位置Fには表紙給送経路34から供給された表紙シートのタイトル画像を読み取る画像読取手段90が配置されている。この画像読取手段90は、表紙シートShに例えば前述の画像形成手段3で形成されているタイトル画像を読み取る。図示の画像読取手段90は密着読取り式のイメージセンサ(CIS)で構成されている。そしてこの画像読取手段90は前述の背当プレート61に一体的に支持され、製本処理経路33の直交方向に位置移動自在に構成されている。
【0059】
画像読取手段90は、例えば光電変換素子のセンサにタイトル画像を光学的に結像して電気信号として出力する撮像手段で構成する。図8(b)にこのような構成の画像読取手段90の一例(密着型センサ)を示す。91はユニットフレーム95に設けたコンタクトガラスであり、このユニットフレーム内に充填された樹脂層94にセンサアレイ93が配置され、この樹脂層94にはセルホックスレンズ92が埋設され、コンタクトガラス上の画像をセンサアレイ上に結像するように構成されている。そして樹脂層内には光源素子(LEDアレイなど)96が配置され、コンタクトガラス上の画像に光を照射する。このように構成された画像読取手段90は背当プレート61に一体形成され、この両者は製本処理経路内に進退自在にシフトモータMO3に連結されている。
【0060】
上記シフトモータMO3の回転制御で画像読取手段90と背当プレート61とは図5(a)の製本位置Fに背当プレート61が位置する状態と、同図(b)に示すように画像読取手段90が製本位置Fに位置する状態と、同図(c)に示すように製本処理経路33の外部に退避した位置にそれぞれ位置制御されることとなる。そして図5(a)の状態では背当プレート61が表紙シートShの搬入をガイドする作動位置に位置し図5(b)の状態では、画像読取手段90が製本位置Fに給送セットされた表紙シートのタイトル画像を読み取る作動位置に位置する。また図5(c)の状態では製本処理されたシート束を製本処理経路33から下流側に搬出する。
【0061】
[束姿勢偏向手段と断裁手段の構成]
上記折ロール63の下流側に位置する断裁位置Gにはシート束の天地方向を偏向する束姿勢偏向手段64と、シート束の周縁を断裁する断裁手段65が配置してある。上記束姿勢偏向手段64は製本位置Fから表装されたシート束を所定方向(姿勢)に偏向して下流側の断裁手段65又は収納スタッカ67に給送する。また断裁手段65はシート束の周縁を切り揃える。このため束姿勢偏向手段64は前記折ロール63から送られたシート束を把持して回転する回転テーブル64a、64bを備える。図2に示すようにこの回転テーブル64a、64bは装置フレームに昇降自在に取り付けられたユニットフレーム(不図示)に設けられている。このユニットフレームに製本処理経路33を挟んで一対の回転テーブル64a、64bがそれぞれ回転自在に軸受支持され、一方の可動回転テーブル64bはシート束厚さ方向(製本処理経路33に対して直交する方向)に移動自在に支持されている。そして各回転テーブル64a、64bには製本処理経路内でシート束を姿勢偏向するように旋回モータ(不図示)が設けられている。
【0062】
従って製本処理経路内に導かれたシート束は、左右一対の回転テーブル64a、64bでグリップ把持され図示しない旋回モータによってシート束の姿勢方向を偏向する。例えば背部を下側に搬入されたシート束を180度旋回して小口部を下側に下流側の排紙ローラ66に送る。またシート束を順次90度ずつ回転して下流側の断裁位置Gに天部・地部・小口部をそれぞれ下側に偏向させシート束の周縁3方向を断裁するトリミングカットが可能となる。なお、上記可動側の回転テーブル64bにはグリップセンサ(図示せず)が設けられ、左右の回転テーブル間にシート束が確実にグリップされたのを検知し、この検知後回転テーブル64a、64bを旋回駆動するように構成されている。そして上記ユニットフレームは昇降モータMAによってシート束を製本処理経路33に沿って上下昇降させるように構成されている。
【0063】
そして上記回転テーブル64a、64bは図9に示すようにこれらを搭載したユニットフレーム64fが製本処理経路33に沿って上下動自在に構成され、このユニットフレーム64fは昇降モータMAに移送ベルト64Vで連結されている。そこでこの回転テーブル64a、64bで製本綴じ後のシート束を下流側の断裁位置Gに位置付ける。
【0064】
[断裁手段の構成]
上記束姿勢偏向手段64の下流側には断裁手段65が配置されている。この断裁手段65はシート束の断裁縁を刃受部材65aに押圧支持する断裁縁プレス部材65bと、断裁刃ユニット65cで構成されている。上記断裁縁プレス部材65bは製本処理経路33に配置した刃受部材65aと対向する位置に配置され、図示しない駆動手段によってシート束と直交する方向に移動する加圧部材から構成されている。上記断裁刃ユニット65cは平刃状の断裁刃65xと、これを駆動するカッタモータMCとから構成されている。このような構成の断裁手段65により、冊子状に製本処理されたシート束の背部を除く周縁を所定量裁断して切り揃える。
【0065】
上記断裁位置Gの下流側には排紙ローラ66と収納スタッカ67が配置されている。この収納スタッカ67は図2に示すようにシート束を立位姿勢で収納するようになっている。そしてこの収納スタッカ67は図1に示すようにケーシング30に引出状に配置され、装置フロント側(図1紙面手前側)に引出可能に構成されている。装置フロント側に引き出した状態で使用者が視認できるようになっている。尚図示67Sfは満杯検出センサであり、収納スタッカ67に収納されるシート束の満杯状態を検出して、オペレータにその除去を警告する。
【0066】
一方、前記製本処理経路33は製本位置Fから上記収納スタッカ67にシート束を導く排紙経路33aを構成し、この排紙経路33aに上記排紙ローラ66が配置されている。この排紙ローラ66は一対のローラ対で構成されシート束をニップして収納スタッカ67に案内する排紙手段を構成している。本発明はこのような構成においてシート束を立位姿勢で収納スタッカ67に収納する際、その背部を使用者が視認できる状態で収納したことを特徴としている。
【0067】
[屑収納ボックスの構成]
前記断裁位置Gの下方には収納スタッカ67と並列に屑収納ボックス68が設けられ、断裁刃65xで切断した紙片を収納する。このため、断裁位置Gの直下にはスイーパ手段69が設けられ、このスイーパ手段69は図示しない駆動モータによって図2左右方向に揺動し、シート束を断裁する際は断裁位置Gの直下に位置して切断片を屑収納ボックス68に案内し、断裁後は断裁位置Gから退避してシート束を収納スタッカ67に収容可能に退避するようになっている。また、上記屑収納ボックス68には内部に収納された切断紙片の収納量を検出するフル検出センサ(満杯検出センサ)68Sfとニアフル検出センサ68Snが配置してある。このニアフル検出センサ68Snはシート束の断裁中に満杯とならないように例えばシート束の周縁を断裁する1回分に相当する紙片を収容可能な状態でこれを検出するように配置されている。
【0068】
[後処理装置の構成]
上述の製本装置Bには後処理装置Cが配置され、この後処理装置Cは前記表紙給送経路34に連なる後処理経路38が設けられ、この後処理経路38にステイプルユニット、パンチユニット、スタンプユニットなどの後処理機器が配置され、画像形成装置Aからの印刷シートを、表紙給送経路34を介して受け取り、この印刷シートにステイプル処理、パンチ処理、捺印処理を施し排紙トレイ37に搬出する。また、このような後処理を施すことのない画像形成装置Aからのシートを排紙トレイ37に収納するようになっている。
【0069】
本発明は、上述したように表紙給送経路34から製本位置Fに表紙シートShを給送セットする際に、所定位置(中紙シート束を表紙シートに綴じ合わせる位置)に表紙シートShをセンター基準でセットする。そしてこの製本位置Fに配置された前述の画像読取手段90で表紙シートShに施されたタイトル画像を読み取る。この画像読取と同時に製本位置Fに配置したアライニング手段44でタイトル画像に応じて表紙シートShを位置補正することを特徴としている。このとき表紙シートShをセンター基準で給送セットするため、図5(a)に示すように表紙給送経路34にはシート先端センサSe10が配置され、このセンサで表紙シートの先端を検知した後、表紙給送経路34に配置されたアライニングローラ44rを所定回転駆動することによって表紙シートShを製本位置Fに給送セットする。アライニングローラ44rの回転量は表紙シートのサイズ情報から搬送方向長さを算出し、シートセンタScが所定位置(基準位置)に一致するように制御する(図5(a)参照)。
【0070】
そこで表紙シートShに施されたタイトル画像を画像読取手段90で読み取る。その画像データを後述する表示手段74に表示すると、図11(a)に示すように画郭gx、gyに対してタイトル画像の位置ズレ量が目視可能となる。つまり水平方向画郭gxに対して右間隔x1と左間隔x2が目視出来る。そこでこの目視によってx1=x2のときには表紙シートShは正しいセンター位置に位置決めされている。同様に縦方向画郭gyに対してタイトル画像の間隔y1が目視される。そこでオペレータは表紙シートShが製本位置Fにセットされた段階で表示手段74に表示されたタイトル画像から判断して、例えばx1≠x2のとき、或いはy1が狭小、広幅であるときには表紙シートShの位置をオフセット修正する。このため後述する制御部70にはオフセット量設定手段83が設けてあり、表紙シートShを図11(a)水平方向(x方向)又は垂直方向(y方向)にオフセット移動する移動量を設定するようになっている。そしてこのオフセット量設定手段83で設定された移動量(例えばx方向にαmm前進移動、y方向にβmm後退移動)に応じて前述のアライニング手段44を制御する。このアライニング手段44の制御は前述のアライニングローラ44rのシフトモータMO1(X方向位置移動)とシフトモータMO2(Y方向位置移動)によって実行する。
【0071】
[シミュレーション画像の合成]
前述の画像読取手段90で読み取ったタイトル画像によって表紙シートの位置を修正する場合に、画像読取手段90で表紙シートに施された背表紙タイトル或いは表表紙タイトルの全体を画像読取する場合には前述したイメージセンサの構成が大型化することがある。このような場合には、画像読取手段90でタイトル画像の一部を撮像するように構成する。そしてタイトル画像の一部を例えば図11(b)のように撮像する。この画像データを輪郭抽出する。すると同図における「タ」の輪郭が抽出される。この一部撮像データを輪郭抽出したデータである「タ」gx1に基づいて前述の画像形成手段3で画像形成した原タイトルデータである「タイトル」gx2を拡縮する。つまり輪郭抽出した撮像データの一部と原タイトルデータとが一致するように原データを拡縮する。これによってタイトル画像の実像gx3が描出される。このように描出したタイトル画像が例えば背表紙部にバランス良く、左右の余白代が均等であるか否かを目視判別する。
【0072】
[制御手段の構成]
次に上述の装置に於ける制御手段の構成を図12に基づいて説明する。制御手段の構成について説明すると、図1に示すような画像形成装置Aと製本装置Bとを連結したシステムでは、例えば画像形成装置Aに備えられた制御部(制御CPU)70にコントローラ71を設ける。このコントローラ71にはモード設定手段72が設けられる。このコントローラ71は前述の画像形成装置Aのデータ管理、シートサイズ選別、画像形成、給排紙制御などを司る。このため、コントローラ71には入力手段73と表示手段74が備えられ、キィボードなどの入力手段73から、画像形成条件が設定され、その内容がLCDなどの表示手段74に表示される。
【0073】
上記画像形成条件はモノクロ、カラーなどの色指定と、拡大縮小率設定、画像形成部数などとして設定され、これと同時に仕上げモードが設定される。この仕上げモード指定は、前述した「プリントアウトモード」「製本仕上げモード」「フィニッシャ仕上げモード」などの仕上げ処理条件として設定される。
【0074】
このような構成の制御部(制御CPU)70は、モード設定手段72で製本仕上げモードの指定が可能となり、その場合の表紙シートと中紙シートのサイズ指定と形成する画像のレイアウト構成がそれぞれ設定されるようになっている。そして製本装置Bの制御部には制御CPU75が設けられ、この制御CPU75は制御部(制御CPU)70で「製本仕上げモード」が指定されると製本処理実行プログラムをROM76から呼び出して製本処理経路33における各処理を実行する。
【0075】
[製本装置の制御構成]
上記制御CPU75には画像形成装置Aの制御CPU70から後処理モード指示信号、ジョブ終了信号、シートサイズ情報その他製本に要する情報及びコマンド信号を受信する。一方前記搬入経路31、製本処理経路33、表紙給送経路34には搬送するシート(シート束)を検出するシートセンサSe1乃至Se6が図2にそれぞれ図示する位置に配置されている。そこで制御CPU75には各シートセンサSe1乃至Se6の検出信号が伝達され、制御CPU75は「集積部制御部75a」「接着剤塗布手段制御部75b」「表紙綴じ手段制御部75c」「断裁手段制御部75d」「スタック制御部75e」と「表紙給送制御部80」をそれぞれ備えている。そして図13に示すフローチャートに従って製本処理を実行する。
【0076】
上記表紙給送制御部80は表紙給送経路34に配置されている搬送ローラ34aの駆動モータ(不図示)と、アライニングローラ44rのシフトモータMO1(給紙方向オフセット)及びMO2(給紙直交方向オフセット)を制御する。シフトモータMO1、MO2はステッピングモータで構成され、それぞれの電源パルス発生器に制御CPU75から指定された電源パルスを供給することによって各モータの回転角度を制御するように構成されている。
【0077】
このため表紙給送制御部80には、表示手段とオフセット量設定手段83が設けられている。表示手段は前述したコントローラ71の表示手段(LCD等)74で構成されている。またオフセット量設定手段83は前述したコントローラ71の入力手段73で構成されている。表示手段74には前述の画像読取手段90で撮像したタイトル画像が表示され、オフセット量設定手83はキィボードなどの入力手段73から入力された数値データに従って前述のアライニングローラ44rを回転制御する。
【0078】
[排紙動作の説明]
次に図13のフローチャートに従って上述の制御CPU75による製本処理動作を説明する。前記画像形成装置Aのコントローラ71で画像形成条件と後処理モードを設定する(St001)。この後処理モードは例えば「プリントアウトモード」「製本処理モード」「ステイプルモード」「スタンプモード」「パンチモード」「ジョグモード」などに設定する。「プリントアウトモード」は画像形成したシートを製本及び後処理することなく排紙トレイ37に搬出収納する。「製本処理モード」は画像形成されたシートを部揃え集積して表紙シートと綴合わせて収納スタッカ67に収納する。また、「ステイプルモード」は画像形成されたシートを後処理装置Cに備えられたステイプルユニットによってステイプル綴じし、スタンプモードは捺印処理し、同様にパンチモードはパンチ処理を、ジョグモードは仕分け処理をそれぞれ後処理装置Cで実行し、その後排紙トレイ37に収納する。
【0079】
そこで後処理モードとして「製本処理モード」が選択された場合、画像形成装置Aは画像形成動作を実行し、画像形成したシートを排紙口14に搬出する(St002)。製本装置Bではこのシートを搬入経路31に受入れる。このとき制御CPU75は経路切換フラッパ36を図2の状態に位置させてシートを中紙搬送経路32に案内する。このシートは搬送ローラ32aで排紙口32bに送られ、集積トレイ上に順次積載収納する(St003)。
【0080】
そこで画像形成装置Aからジョブ終了信号(St004)を受けると、制御CPU75は前記グリップ搬送手段47で集積トレイ上のシート束を搬出し、その束姿勢を90度偏向する。これによって集積トレイ上に部揃えされたシート束は水平姿勢から鉛直姿勢に偏向され製本処理経路33を下流側の接着剤塗布位置Eに移送される(St005)。
【0081】
「表紙シートの給送セット」
上記シート束の接着剤塗布位置Eへの給送セットと前後して制御CPU75は表紙シートShを表紙給送経路34から給送する。この表紙シートShは画像形成装置Aから画像形成されて供給される場合と前記インサータ装置26から供給される場合がある。インサータ装置26から供給する場合には制御CPU75は給紙手段(図示せず)を作動して給紙トレイ26aからシートを1枚ずつ分離して給紙経路27に給送し、搬入経路31に搬送する。
【0082】
また、表紙シートShを画像形成装置Aで画像形成する場合は前述のコントローラ71は所定サイズの表紙シートを選択して画像形成手段3に送り、その背表紙部又は表表紙部にタイトル画像を形成する。そして排紙口14に搬出された表紙シートShは搬入経路31に引き継がれる。このように搬入経路31に送られた表紙シートShは表紙給送経路34のアライニングローラ44rで製本位置Fに向けて給送される。
【0083】
制御CPU75は、表紙給送経路34に沿って送られた表紙シートの先端をシート先端センサSe10が検知すると、その検知信号から所定の遅延時間の後、アライニングローラ44rの駆動モータを停止する。すると表紙シートは製本位置Fに給送セットされることとなる(St006)。この場合、表紙給送制御部80は、(1)上記シート先端センサSe10の先端検知信号と、(2)表紙シートのサイズ情報(給紙方向長さ)と、(3)前述の中紙シート束の束厚さ検知手段からの厚さ情報とから、表紙シートのセンターが基準位置に一致するようにアライニングローラ44rの送り量を設定する。
【0084】
上記表紙給送制御部80の制御によって表紙シートShに形成されたタイトル画像は、背表紙タイトルのとき表紙シートの中央に位置し、中紙シートの厚さ方向中央と一致する(図6(a)参照)。ところが表紙シートの給紙方向長さにバラツキ(許容誤差)があるとタイトル画像の表示位置が偏ることがある。例えば背表紙タイトルのとき、タイトル画像が背折肩部(稜線)から外側(表表紙面)に突き出すことがある。このようなタイトル画像の位置ズレを防止するためタイトル画像を撮像してその位置を割り出すことが必要となる。
【0085】
そこで表紙給送制御部80は、シート先端センサSe10からの検知信号でアライニングローラ44rの駆動モータを停止した後、その所定時間後に画像読取手段90を作動させて(St007)製本位置Fにセットされた表紙シートのタイトル画像を撮像する(St008)。このタイトル画像の撮像は、表紙給送経路34の下方に位置する背当プレート61と一体的に形成されている画像読取手段90を製本処理経路33の退避位置から経路内に移動する。この移動は前述した作動手段を制御して行う。つまり、画像読取手段90は製本処理経路33に対して経路外の退避位置(図5(c)の状態)から経路内に進入した位置(図5(b)の状態)に移動する。この移動は作動手段(シフトモータMO3)の回転制御によって行う。
【0086】
次に表紙給送制御部80は製本位置Fに位置する表紙シートのタイトル画像を撮像した後、その読み取り画像(第1画像)を前述のコントローラ71の表示手段74に表示する(St009)。この画像は、図11(a)で説明したように画郭(カメラの撮像範囲)gx、gyに対してタイトル画像が表示される。従ってオペレータはこの第1画像から表紙シートのセット位置が位置ズレしているか否か判断する(St010)。つまり図11(a)において右余白(右間隔)x1と左余白(左間隔)x2が等しい位置関係にないとき、或いは上下余白y1が広狭バランスされていないとき、これを視覚的に判断する。
【0087】
そしてオペレータは、タイトル画像から判断して表紙シートのセット位置を修正する。この位置修正は、表紙給送制御部80に設けられたオフセット量設定手段83で移動量を指示する(St011)、そして表紙給送制御部80は指定された移動量に従って前述のアライニング手段44を駆動して表紙シートを位置修正する。図示のものは表示手段74に表示されたタイトル画像(第1画面)を目視しながら入力手段73で表紙シートのオフセット量を入力する。例えば製本位置Fに対して水平方向(図11(a)x方向)にαmm前進移動或いは後退移動を指示し、垂直方向に(図11(a)y方向)にβmm前進又は後退動を指示する。
【0088】
上記オフセット量設定手段83で表紙シートのオフセット量が指定されると、表紙給送制御部80はアライニングローラ44rのシフトモータMO1、MO2を表紙シートがαmm、又はβmm位置移動するように供給電源パルスを設定する。これによってアライニングローラ44rはx方向に所定回転及びy方向に所定量変位する(St012)。
【0089】
以上のように表紙シートが製本位置Fにセットされた後、制御CPU75は接着剤塗布手段55を駆動して接着剤塗布位置Eにセットされているシート束に接着剤を塗布する(St013)。塗布ロール57を備えた糊容器56は図3(b)右方向にシート束の下端縁S1に沿って移動し、ロール表面に含浸した接着剤をシート束に塗布する。
【0090】
この接着剤塗布動作の終了後、制御CPU75はシート束を前記グリップ搬送手段47で下流側の製本位置Fに移送する。するとこの位置には表紙シートがセットされているため表紙シートは背当プレート61にバックアップされ、表紙シートとシート束が逆T字状に接合される。次いでシート束はこの状態で前記背折プレート62が表紙シートの背部をプレス成形して表装する(St014)。
【0091】
以上の表装処理の後、制御CPU75は断裁モードが選択されているか否か判断する(St015)。断裁モードの場合にはグリップ搬送手段47をシート束から解除して初期位置に復帰させる。このとき断裁刃65xは断裁位置Gに位置付けられ、落下する表装シート束を受け止める(St016)。この状態で可動回転テーブル64bを待機位置からシート把持位置に移動して、そして固定回転テーブル64aとの間で表装シート束をニップ保持する(St017)。次いで制御CPU75は断裁刃65xを待機位置に移動した後、回転テーブル64a、64bを90度旋回してシート束の天部が下端となるように偏向する(St018)。
【0092】
以上のように表装シート束が所定姿勢に旋回された後、制御CPU75は束姿勢偏向手段64の昇降モータMAを駆動して表装シート束を断裁位置Gに給送セットする(St019)する。
【0093】
そこで断裁縁プレス部材65bで表装シート束を押圧保持し、断裁刃65xで所定量断裁する(St020)。次いで制御CPU75は断裁縁プレス部材65bを待機位置に退避させた後、表装シート束を180度旋回し、地部が下端となるように姿勢偏向し、その下端部を断裁する。次いで制御CPU75は同様に断裁縁プレス部材65bを待機位置に退避させた後、シート束を90度旋回して小口部が下端となるように姿勢偏向しその下端部を断裁する。このように表装シート束の周縁を断裁揃えした後、制御CPU75は表装シート束の3方向の断裁を終了すると排紙動作に移行する(St021,St022)。
【0094】
一方上記ステップSt015で断裁モードが選択されないとき制御CPU75は次の排紙動作に移行する。排紙動作では制御CPU75は排紙ローラ66を動作させシート束を収納スタッカ67に収納する(St023)。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の表紙シート位置決め機構を備えた製本装置及び画像形成システムの全体構成の説明図。
【図2】図1のシステムに於ける製本装置の要部説明図。
【図3】図2の装置に於ける接着剤塗布手段の構成を示す説明図であり、(a)はその構造説明図、(b)は動作状態の説明図。
【図4】図2の装置に於けるグリップ搬送手段の構成説明図。
【図5】図2の装置に於ける表紙シートの給紙方向シフト手段の構成説明図。
【図6】図2の装置に於ける表紙シートに施されたタイトル画像の位置説明図。
【図7】図2の装置に於ける表紙シートの製本位置へのアライニングローラ構造の説明図であり、(a)は表紙シートを幅方向に移送する機構を、(b)は表紙シートの幅寄せ状態を示す説明図。
【図8】図2の装置における画像読取手段の構成を示す説明図であり(a)はその縦断説明図、(b)は要部の説明図。
【図9】図2の装置における断裁機構の説明図。
【図10】図2の装置において表紙シートに施されたタイトル画像を示し、(a)は背表紙に横書き印刷されたタイトル画像を、(b)は縦書き印刷されタイトル画像を、(c)表表紙に横書き印刷されたタイトル画像をそれぞれ示す。
【図11】図2の装置においてタイトル画像の一部を撮像した場合の「製本状態におけるタイトル画像」の合成方法を示す説明図であり、(a)はタイトル画像の表示データ、(b)は画像読取手段で読み取ったタイトル画像の一部の読取データ、(c)はタイトル画像の印刷原データ、(d)は(b)(c)データから合成したタイトル画像の全体データをそれぞれ示す。
【図12】図2の装置における制御手段の構成を示すブロック図。
【図13】図12の制御構成における製本処理動作の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0096】
A 画像形成装置
B 製本装置
C 後処理装置
33 製本処理経路
34 表紙給送経路
44 表紙シート位置決め機構(アライニング手段)
44r アライニングローラ
44S 回転軸
44L ラック歯車
44p ピニオン
45 給紙方向シフト手段
46 給紙直交方向シフト手段
47 グリップ搬送手段(グリッパユニット)
56 糊容器
57 塗布ロール
60 表紙綴じ手段
61 背当プレート
62 背折プレート
63 折ロール
64 束姿勢偏向手段
65 断裁手段
70 制御部(制御CPU)
71 コントローラ
72 モード設定手段
73 入力手段
74 表示手段(画像表示手段)
75 制御部(制御CPU)
75a 集積部制御部
75b 接着剤塗布手段制御部
75c 表紙綴じ手段制御部
75d 断裁手段制御部
75e スタック制御部
76 ROM
80 表紙給送制御部
82 表示手段
83 オフセット量設定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
束状に部揃えされた中紙シート束を所定の製本位置に移送する製本処理経路と、
上記製本処理経路に交差配置され上記製本位置に表紙シートを給送セットする表紙給送経路と、
上記製本位置に配置され、上記中紙シート束を表紙シートでくるみ製本する表紙綴じ手段と、
上記製本位置に配置され、上記表紙シートのセット姿勢を位置修正するアライニング手段と、
上記製本位置に配置され、給送セットされた上記表紙シートの表紙画像の少なくとも一部を撮像する画像読取手段と、
上記アライニング手段を制御する制御手段と、
を備え、
上記制御手段は、
(1)上記表紙綴じ手段による製本仕上げ状態の表紙画像を表示する画像表示手段と、(2)上記製本位置における表紙シートのセット姿勢の位置修正量を指定するオフセット量設定手段と、を有し、
このオフセット量設定手段からの位置修正量に基づいて上記アライニング手段を制御するように構成され、
上記表紙画像は、
上記画像読取手段からの表紙画像情報と、上記中紙シート束の束厚さ情報と、上記表紙シートのサイズ情報と、から画像形成されることを特徴とする製本装置。
【請求項2】
前記アライニング手段は、前記製本位置に給送セットされた表紙シートを給紙方向と給紙直交方向にそれぞれ指定された移動量で位置移動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
【請求項3】
前記製本位置には、前記表紙給送経路からの表紙シートを案内するガイド手段が配置され、
前記画像読取手段は、上記ガイド手段にバックアップ支持された表紙シートの表紙画像を撮像するように配置されると共に、
このガイド手段は開閉自在及び/又は透明部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
【請求項4】
前記表紙シートに表紙画像を形成する画像形成手段を更に備え、
前記画像読取手段は、前記表紙シートに画像形成された表紙画像の一部を撮像するように構成されると共に、
前記画像表示手段は、
前記画像読取手段からの表紙画像の一部と、
前記画像形成手段からの表紙画像の原画像と、
から前記製本処理状態の表紙画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
【請求項5】
前記製本処理経路の製本位置の上流側には、順次給送される中紙シートを束状に部揃え集積する集積スタッカと、
この集積スタッカからの中紙シート束を下流側に移送するシート束搬送手段とが設けられ、
上記集積スタッカ若しくは上記シート束搬送手段には中紙シート束の束厚さを検出する厚さ検出手段が配置され、
前記製本処理状態の表紙画像を形成するための前記中紙シート束の束厚さ情報は、上記厚さ検出手段の検出値から取得されることを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
【請求項6】
束状に部揃えされた中紙シート束を所定の製本位置に移送する製本処理経路と、
上記製本処理経路に交差配置され上記製本位置に表紙シートを給送セットする表紙給送経路と、
上記製本位置に配置され、上記中紙シート束を表紙シートでくるみ製本する表紙綴じ手段と、
上記製本位置に配置され、上記表紙シートのセット姿勢を位置修正するアライニング手段と、
上記製本位置に配置され、給送セットされた上記表紙シートの表紙画像の少なくとも一部を撮像する画像読取手段と、
上記画像読取手段により撮像されたデ−タに基づいて、上記アライニング手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする製本装置。
【請求項7】
前記表紙シートの表紙画像を撮像する作動位置と、前記作動位置から退避した退避位置との間で前記画像読取手段を移動自在に支持する支持手段とを備えた請求項6に記載の製本装置。
【請求項8】
順次シート上に画像形成する画像形成装置と、
上記画像形成装置で画像形成された中紙シートを束状に部揃え集積して所定の製本位置に移送する製本処理経路と、
上記画像形成装置で画像形成された表紙シートを上記製本位置に移送する表紙給送経路とを備えた製本装置と、
から構成され、
上記製本装置は請求項1乃至7の何れかの項に記載の構成を備えていることを特徴とする画像形成システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−83077(P2010−83077A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256512(P2008−256512)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】