説明

製袋包装機及び製袋包装機における包装方法

【課題】製袋包装機において、底部が形成されると共に該底部にボトムシールリブが折り込まれた袋を損傷することなく製造する。
【解決手段】前後一対のシールジョー21,21が筒状包材Fを挟んで対接しているときに、前側シールジョー21に連結された左右一対のリブ折込部材24,24の前側片24a,24aと後側片24b,24bとを、左右一対の底部折込部材23,23により形成された底部の直下方に進入させる。そして、シールジョー21,21が離反するときに、リブ折込部材24,24の後側片24b,24bを底部の直下方にさらに進入させることによりボトムシールリブを底部に折り込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状包材を両側部に折込部を有する袋に成形しつつ物品を充填して袋詰商品を製造する製袋包装機及び製袋包装機における包装方法に関し、物品包装の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スナック菓子等の物品をプラスチックフィルム等の包材で袋状に包装した商品を連続製造する製袋包装機は、チューブの周囲に帯状包材を巻き付けて筒状に曲成し、該包材を搬送しながら重合部を長手方向に縦シールしたのち、幅方向に横シール及び切断して袋状に成形しつつ、製袋過程において、例えば組合せ計量装置等から供給されて前記チューブに順次投入される物品を個々の袋に充填するものである。
【0003】
その場合に、製造される袋に高級感を付与する等の目的で、図12に示すように、袋Xに設けられた上下の横シール部(以下、トップシールリブ及びボトムシールリブという)S1,S2近傍の両側部に、内方への折込部(ガセット)G1,G2を形成し、かつ、ボトムシールリブS2を底部に折り込むことがある。
【0004】
このような袋Xを製造する製袋包装機として、例えば特許文献1に開示のものがある。この製袋包装機は、図13に示すように、筒状包材Fを両側から挟み付けて横シールする対接離反可能な一対のシールジョーA,Aと、該シールジョーA,Aの下側に配設されて上部折込部G1,G1を形成する近接離反可能な一対の上部折込部材(手前側のもののみ示す)B1,B1と、該シールジョーA,Aの上側に配設されて底部折込部G2,G2を形成する同じく近接離反可能な一対の低部折込部材(手前側のもののみ示す)B2,B2と、一方のシールジョーAの直上方を進退してボトムシールリブS2を底部に折り込むリブ折込部材B3とを有している。その場合、上部折込部材B1は、垂直方向に延びる板状に、底部折込部材B2は、平面視三角形の水平方向に延びる板状に、そして、リブ折込部材B3は、水平方向に延びる板状に、それぞれ構成されている。
【0005】
まず、一対の上部折込部材B1,B1と一対の底部折込部材B2,B2とがそれぞれ近接することにより、筒状包材Fの上下2箇所の両側が内方に折り込まれる。次いで、一対のシールジョーA,Aが筒状包材Fを挟んで対接することにより、筒状包材Fが横シールされると共に横シール部分の略中央が図示しないカッタで幅方向に切断される。
【0006】
そして、図14に示すように、上部及び底部折込部材B1,B1,B2,B2とシールジョーA,Aとがそれぞれ離反すると、下方に、上下両側部に折込部(手前側のもののみ示す)G1,G1,G2,G2が形成されると共に上下にそれぞれトップシールリブS1とボトムシールリブS2とが形成された袋Xが得られ、上方に、下部両側部に折込部(手前側のもののみ示す)G2,G2ひいては底部が形成されると共にボトムシールリブS2が形成された筒状包材Fが得られる。なお、この袋XのボトムシールリブS2は、前回の製袋サイクルにより、すでに底部に折り込まれている。
【0007】
そして、図15に示すように、リブ折込部材B3が、一方のシールジョーAの直上方を通過して進出し、筒状包材FのボトムシールリブS2を底部に折り込んだのち、図13及び図14に示したホームポジションに退避する。このような動作が繰り返されて、図12に示した構成の袋Xが連続的に製造されることになる。
【0008】
【特許文献1】特許第3179029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、前記製袋包装機では、図14及び図15に示したように、リブ折込部材B3がボトムシールリブS2を底部に折り込む際に、筒状包材Fの下部は解放状態であるため形状が不安定で、例えば図15に矢印y及び二点鎖線で示すように、該下部が下方に撓み、その状態で前記リブ折込部材B3が進出すると、該下部を損傷するおそれがある。その場合には、次回の製袋サイクルにより、下部が損傷された袋Xが得られることになる。
【0010】
そこで、本発明は、製袋包装機において、底部が形成されると共に該底部にボトムシールリブが折り込まれた袋を損傷することなく製造することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0012】
まず、請求項1に記載の発明は、筒状包材を両側から挟み付けて幅方向に横シールする対接離反可能な一対のシールジョーと、該シールジョーにより筒状包材を袋状とするときに底部を形成する近接離反可能な一対の底部折込部材と、該シールジョーにより形成されたボトムシールリブを前記底部に折り込むリブ折込部材とを有し、底部が形成されると共に該底部にボトムシールリブが折り込まれた袋を製造する製袋包装機であって、前記リブ折込部材を水平面内で移動させる駆動手段と、前記シールジョーが対接しているときに、前記リブ折込部材の少なくとも先端部を、前記底部折込部材により形成された底部の直下方に進入させるように、前記駆動手段を制御する制御手段とが備えられていることを特徴とする。
【0013】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の製袋包装機において、前記リブ折込部材は、平面視コ字状に形成されると共に、一方のシールジョーに該シールジョーの対接離反方向と直交する方向に進退可能に連結されており、前記制御手段は、シールジョーが対接するときには、該リブ折込部材を前記筒状包材の側方に退避させ、シールジョーが対接したのち、該リブ折込部材を前記筒状包材方向に移動させて前記先端部を前記底部の直下方に進入させるように、前記駆動手段を制御することを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の製袋包装機において、前記リブ折込部材は、筒状包材を挟んで一対備えられていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の製袋包装機において、前記リブ折込部材は、加熱手段を備えていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項2または請求項3に記載の製袋包装機において、前記リブ折込部材は、前記シールジョーの熱が伝達されるように該シールジョーに連結されていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の製袋包装機において、前記リブ折込部材は、移動ストロークが調節可能とされていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項1から請求項6のいずれかに記載の製袋包装機において、前記リブ折込部材は、着脱可能とされていることを特徴とする。
【0019】
そして、請求項8に記載の発明は、対接離反可能な一対のシールジョーにより筒状包材を幅方向に横シールし、かつ、該シールジョーにより筒状包材を袋状とするときに近接離反可能な一対の底部折込部材により底部を形成すると共に、該シールジョーにより形成されたボトムシールリブをリブ折込部材により前記底部に折り込んで、底部が形成されると共に該底部にボトムシールリブが折り込まれた袋を製造する製袋包装機における包装方法であって、前記シールジョーが対接しているときに、前記リブ折込部材の少なくとも先端部を前記底部折込部材により形成された底部の直下方に進入させるステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
まず、請求項1に記載の発明によれば、底部が形成されると共に該底部にボトムシールリブが折り込まれた袋を製造する製袋包装機において、シールジョーが対接して筒状包材を挟み付けているときに、リブ折込部材の少なくとも先端部を底部折込部材により形成された底部の直下方に進入させるが、その場合の筒状包材の下部は、対接状態のシールジョーに支持されて形状が安定している。したがって、リブ折込部材が前述したように移動する際に、筒状包材の下部ひいては袋の下部を損傷することはない。その上で、このリブ折込部材の先端部をさらに進入させることによりボトムシールリブを前記底部に折り込むことができる。
【0021】
次に、請求項2に記載の発明によれば、リブ折込部材はシールジョーに連結されているので、リブ折込部材におけるシールジョーの対接離反方向と同じ方向の移動は、シールジョーを移動させる駆動手段を利用して実現されるメリットがある。
【0022】
さらに、リブ折込部材は平面視コ字状とされているので、ボトムシールリブを挟む2片により筒状部材の下部を安定して受支することができ、その状態でリブ折込部材によるボトムシールリブの底部への折込動作が開始されるので、筒状包材の下部ひいては袋の下部の損傷は確実に防止される。
【0023】
また、請求項3に記載の発明によれば、リブ折込部材は一対備えられているので、1つの場合に比較して進退動作時の移動ストロークは半分で済み、移動時間の短縮あるいは設置スペースのコンパクト化を図ることができる。
【0024】
また、請求項4及び請求項5に記載の発明によれば、リブ折込部材は加熱されるので、折込時に、横シール後のまだ熱いボトムシールリブに接触しても、このボトムシールリブを急激に冷却することはない。したがって、ボトムシールリブは、底部に折り込まれたのち冷却されて硬くなり、見栄えのよい折込状態が実現される。
【0025】
その場合、特に請求項5に記載の発明によれば、リブ折込部材はシールジョーの熱が伝達されるように該シールジョーに連結されているので、特段の加熱手段を付加して備える必要はなく、部品点数を削減することができる。
【0026】
また、請求項6に記載の発明によれば、リブ折込部材は移動ストロークが調節可能とされているので、製造する袋サイズの変更に容易に対応することができ、一方、請求項7に記載の発明によれば、リブ折込部材は着脱可能とされているので、例えば清掃性を向上することができる。
【0027】
そして、請求項8に記載の発明によれば、製袋包装機における包装方法に関して、前記請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の実施の形態に係る製袋包装機について説明する。なお、この製袋包装機における包装動作は、本発明に係る製袋包装機における包装方法の実施の形態を構成する。
【0029】
図1に示す製袋包装機1は、縦型タイプのもので、図示しない直上方の組合せ計量装置により所定重量に計量されたスナック菓子のような物品が投入されるチューブ11と、図示しないロール支持部から繰り出された帯状包材Fの左右両縁部を重ね合わせて筒状に形成するフォーマ12とを有している。また、左右両側から筒状包材Fをチューブ11に押し付けながら下方に搬送する一対のプルダウンベルト13,13と、チューブ11の前面に配置されて筒状包材Fの重合部を長手方向にシールする縦シール装置14と、筒状包材Fを前後両側から挟み付けて幅方向にシールすると共にシール部分を幅方向に切断する横シール装置15とが備えられている。
【0030】
本発明の特徴部分である横シール装置15は、筒状包材Fを幅方向にシールすると共に図示しない内蔵したカッタによりシール部分の略中央を幅方向に切断する前後一対のシールジョー(手前側のみ図示)21,21と、シールジョー21,21の下方及び上方に配設されて袋に上部折込部及び底部折込部を形成する各左右一対の上部折込部材22,22及び底部折込部材23,23と、シールジョー21,21の直上方に配設されて、シールジョー21,21により形成されたボトムシールリブを水平方向に折り込む左右一対のリブ折込部材24,24とを有しており、図12に示したように、上下のトップシールリブS1及びボトムシールリブS2近傍の両側部に、内方への折込部(ガセット)G1,G2が形成され、かつ、ボトムシールリブS2が底部に折り込まれた袋Xが得られるようになっている。
【0031】
横シール装置15についてさらに詳しく説明すると、図2に示すように、この横シール装置15は、前後方向に延びるフレーム31と、該フレーム31の略中央部に架け渡された左右方向に延びる連結プレート32と、該フレーム31に沿って前後方向に延びる左右一対の支持ロッド33,33と、該支持ロッド33,33間に架け渡されて各シールジョー21,21を支持する前後のベース部材34,35と、該支持ロッド33,33間を後端部で連結する連結部材36とを備えている。また、支持ロッド33,33は、前後左右に配設されたガイド37…37を介してフレーム31にスライド自在に支持されている。そして、後側ベース部材35は、支持ロッド33,33に摺動自在に嵌合する左右一対のスリーブ38,38を介して該支持ロッド33,33にスライド自在に支持されている。
【0032】
前記連結プレート32の上面からスプライン軸39の上端部が突出し、該上端部にクランク部材40がスプライン嵌合している。また、クランク部材40の一方の回動端部と後方の連結部材36との間に、前側シールジョー21を移動させるための第1リンク部材41が、他方の回動端部と前方の後側ベース部材35との間に、後側シールジョー21を移動させるための第2リンク部材42が、それぞれ備えられている。そして、スプライン軸39の下端部は、図示しないギヤボックスを介してサーボモータ43の出力軸に取り付けられている。
【0033】
これにより、サーボモータ43の駆動によりクランク部材40が図例の状態から矢印a方向に回動すると、第1リンク部材41は連結部材36を矢印b方向に押しやるので、この連結部材36に連結された支持ロッド33,33を介して前側ベース部材34つまり前側シールジョー21は矢印b方向に移動する。また、第2リンク部材42は後側ベース部材35つまり後側シールジョー21を矢印b′方向に押しやる。その結果、前後のシールジョー21,21は、筒状包材Fを挟んで対接するようになる。次いで、クランク部材40が矢印a′方向に回動すると、連結部材36は矢印b′方向に、後側ベース部材35は矢印b方向に移動するので、前後のシールジョー21,21は筒状包材Fから離反するようになる。
【0034】
図2〜図4に示すように、フレーム31の前端部側の各内面における上下両端部に、正面視L字状の支持部材51…51がそれぞれ固設されている。一例として右側部分について説明すると、上側及び下側支持部材51,51の起立部に、それぞれ外方に延びるガイドロッド52,52が備えられており、これら上下一対のガイドロッド52,52の端部間に固定連結部材53が架け渡されている。そして、支持部材51,51と固定連結部材53との間において、側面視略逆コ字状の摺動連結部材54がスリーブ55,55を介して一対のガイドロッド52,52に摺動自在に支持されている。
【0035】
前記摺動連結部材54から内方に上下一対のアーム部材56,57が延びており、下側アーム部材56の先端部には、シールジョー21の下方に位置する前記上部折込部材22が、上側アーム部材57の先端部には、シールジョー21の上方に位置する前記底部折込部材23が取り付けられている。その場合、上部折込部材22は、垂直方向に延びる板状に、底部折込部材23は、前端部が三角形とされた平面視ホームベース状の水平方向に延びる板状に、それぞれ構成されている。
【0036】
前記摺動連結部材54の上下両端部に、前後方向に延びるL字状のブラケット58,58がそれぞれ固設されており、各ブラケット58の略中央部に、前記アーム部材56,57つまり上部及び底部折込部材22,23を着脱するときに操作する操作レバー59が設けられている。すなわち、この操作レバー59を緩めると、摺動連結部材54におけるアーム部材56,57の固定を解除することができる。なお、前述した構成は左側部分についても同じであるので、説明を省略する。
【0037】
前記連結部材36の左右端部近傍に支柱61,61が立設されており、各支柱61の上端部に、略前方に延びる連結ロッド62aを有するエアシリンダ62が揺動自在に取り付けられている。また、フレーム31の前端部側の両側部に、支軸63,63を回転自在に支持する支持ブロック64,64が固定されている。
【0038】
一例として右側部分について説明すると、前記支持ブロック64から突出する支軸63の上端部に、第1及び第2部材65a,65bでなる平面視L字状のレバー部材65が固定されている。また、第1部材65aの揺動端部は前記連結ロッド62aの先端部に結合されており、第2部材65bの揺動端部には長穴65b′が設けられている。そして、前記上側ブラケット58の後端部近傍にカムフォロワ66が回転自在に支持されており、該カムフォロワ66は前記長穴65b′内に転動自在に嵌り込んでいる。
【0039】
一方、前記支持ブロック64から突出する支軸63の下端部に、第2部材65bが固定されており、第2部材65bの揺動端部には長穴65b′が設けられている。そして、前記下側ブラケット58の後端部近傍にカムフォロワ66が回転自在に支持されており、該カムフォロワ66は前記長穴65b′内に転動自在に嵌り込んでいる。なお、前述した構成は左側部分についても同じであるので、説明を省略する。
【0040】
これにより、前記サーボモータ43の駆動により連結部材36が図例の状態から矢印b方向に移動すると、該連結部材36に立設された各シリンダ62及び連結ロッド62aを介して、左側レバー部材65は支軸63と一体に矢印c方向に、右側レバー部材65は支軸63と一体に矢印c′方向に揺動する。その結果、上下の長穴65b′,65b′とカムフォロワ66,66との嵌合を介してブラケット58,58ひいては各摺動連結部材54はガイドロッド52,52に沿って、左側摺動連結部材54は矢印d方向に、右側摺動連結部材54は矢印d′方向に摺動することになり、左側摺動連結部材54に連結された上部折込部材22及び底部折込部材23,23と右側摺動連結部材54に連結された上部折込部材22及び底部折込部材23とは近接する。
【0041】
次いで、連結部材36が矢印b′方向に移動すると、左側レバー部材65は支軸63と一体に矢印c′方向に、右側レバー部材65は支軸63と一体に矢印c方向に揺動する。その結果、前述したとは逆に、左側摺動連結部材54は矢印d′方向に、右側摺動連結部材54は矢印d方向に摺動することになり、左側の上部折込部材22及び底部折込部材23と右側の上部折込部材22及び底部折込部材23とは離反する。
【0042】
さらに、左側エアシリンダ62の出力ロッドが図例の状態から矢印e方向に伸長すると、レバー部材65は支軸63と一体に矢印c′方向に揺動するので、上部折込部材22及び底部折込部材23は矢印d′方向に移動し、右側エアシリンダ62の出力ロッドが図例の状態から同じく矢印e方向に伸長すると、レバー部材65は支軸63と一体に矢印c方向に揺動するので、上部折込部材22及び底部折込部材23は矢印d方向に移動する。その結果、左側の上部折込部材22及び底部折込部材23と右側の上部折込部材22及び底部折込部材23とは離反する。
【0043】
次いで、左側エアシリンダ62の出力ロッドが矢印e′方向に縮長すると、レバー部材65は支軸63と一体に矢印c方向に揺動し、右側エアシリンダ62の出力ロッドが同じく矢印e′方向に縮長すると、レバー部材65は支軸63と一体に矢印c′方向に揺動するので、前述したとは逆に、左側の上部折込部材22及び底部折込部材23と右側の上部折込部材22及び底部折込部材23とは近接する。
【0044】
図2及び図5に示すように、前側ベース部材34の左右両端部に、取付部材71,71を介してそれぞれエアシリンダ72,72が取り付けられている。そして、各エアシリンダ72の矢印f,f′方向に伸長及び縮長する出力ロッドの先端部にブラケット73が着脱可能に備えられており、該ブラケット73にリブ折込部材24が取り付けられている。その場合、各リブ折込部材24は、前側ベース部材34寄りの前側片24aと、該前側片24aに対向する位置関係の後側片24bと、これらを外方端部で連結する連結片24cとを有し、平面視コ字状に構成されている。さらに、図例の離反時においても後述する近接時においても、リブ折込部材24における前側片24a部分は、前側シールジョー21の直上方に位置しており、シールジョー21の熱は、この前側片24aから連結片24cを経由して後側片24bに良好に伝達されるようになっている。
【0045】
次に、この製袋包装機1の制御システムについて説明する。
【0046】
図6に示すように、前記製袋包装機1を総合的に制御するコントロールユニット80が備えられている。コントロールユニット80は、プルダウンベルト13,13及び縦シール装置14に制御信号を出力する。また、コントロールユニット80は、横シール装置15に備えられた一対のシールジョー21,21を対接離反させるサーボモータ43、各一対の上部及び底部折込部材22,22,23,23を近接離反させる一対のエアシリンダ62,62、及び一対のリブ折込部材24,24を近接離反させる一対のエアシリンダ72,72に制御信号を出力する。
【0047】
ここで、この製袋包装機1の動作を説明する。
【0048】
すなわち、ロール支持部から繰り出された帯状包材Fは、チューブ11及びフォーマ12により筒状に形成されながら、プルダウンベルト13,13により下方に搬送され、縦シール装置14により筒状包材Fの重合部が長手方向にシールされる。そして、直上方の組合せ計量装置から所定重量に計量された物品が、チューブ11を介して底部が形成された筒状包材Fに投入されると、横シール装置15により幅方向にシールされると共に切断されて、下方の物品が充填された袋Xと、上方の底部が形成された筒状包材Fとが得られる。
【0049】
その場合の横シール装置15におけるシールジョー21,21、上部折込部材22,22、底部折込部材23,23、及びリブ折込部材24,24の動作について詳しく説明する。
【0050】
まず、図7に示すように、シールジョー21,21、上部折込部材22,22、底部折込部材23,23、及びリブ折込部材24,24は、それぞれのホームポジションに位置している。すなわち、この図7は前記図2に対応した位置関係のもので、一対のシールジョー21,21は、筒状包材Fを挟んで前後に離反している。各一対の上部及び底部折込部材22,22,23,23は、筒状包材Fを挟んで左右に離反している。そして、一対のリブ折込部材24,24は、前側シールジョー21と同じ位置で、かつ、左右に離反している。
【0051】
次いで、サーボモータ43が駆動されてクランク部材40が矢印a方向に回動すると、図8に示すように、前側シールジョー21は矢印b方向に、後側シールジョー21は矢印b′方向に移動して筒状包材Fを挟んで対接し、横シールを開始する。また、前記クランク部材40の回動は左右一対のエアシリンダ62,62を介して左右一対の摺動連結部材54,54ひいては各一対の上部及び底部折込部材22,22,23,23に伝達され、左側の上部及び底部折込部材22,23は矢印d方向に、右側の上部及び底部折込部材22,23は矢印d′方向に移動して近接し、折込動作を開始する。一方、前側ベース部材34を介して前側シールジョー21に連結された左右一対のリブ折込部材24,24は、該シールジョー21と一体に矢印b方向に移動する。
【0052】
次いで、図9に示すように、一対のシールジョー21,21が対接すると共に各一対の上部及び底部折込部材22,22,23,23が近接した状態で、左右一対のエアシリンダ72,72が駆動されて出力ロッドが伸長すると、左側のリブ折込部材24は矢印f方向に、右側のリブ折込部材24は矢印f′方向に移動する。すなわち、リブ折込部材24,24の前側片24a,24aと後側片24b,24bとは、底部折込部材23,23により底部が形成された筒状包材Fの直下方に、前記前側片24a,24aと後側片24b,24bとがボトムシールリブS2を挟んで対峙するように進入する。
【0053】
次いで、一対のエアシリンダ62,62が駆動されて出力ロッドが所定ストロークだけ矢印e方向に伸長すると、図10に示すように、左側の上部及び底部折込部材22,23は矢印d′方向に、右側の上部及び底部折込部材22,23は矢印d方向に所定距離だけ離反し、折込動作を終了する。なお、シールジョー21,21とリブ折込部材24,24とは不動である。その場合、上部及び底部折込部材22,22,23,23が離反するとき、筒状包材Fの下部は、前記シールジョー21,21とリブ折込部材24,24とに支持されて形状が安定しているので、これら折込部材22,22,23,23が筒状包材Fの下部を引っ掛けて損傷することがない。
【0054】
次いで、サーボモータ43が駆動されてクランク部材40が矢印a′方向に回動すると、図11に示すように、前側シールジョー21は矢印b′方向に、後側シールジョー21は矢印b方向に移動して離反し、横シールを終了する。また、前記クランク部材40の回動は左右一対のエアシリンダ62,62を介して左右一対の摺動連結部材54,54ひいては各一対の上部及び底部折込部材22,22,23,23に伝達され、左側の上部及び底部折込部材22,23は矢印d′方向に、右側の上部及び底部折込部材22,23は矢印d方向に移動してさらに離反する。その場合、一対のリブ折込部材24,24は近接状態のまま、前側シールジョー21に連動して矢印b′方向に移動することになり、そのとき、後側片24b,24bにより今回の横シールで形成された筒状包材FのボトムシールリブS2を底部に折り込む。
【0055】
なお、従来のように、折り込みに際して往復移動するリブ折込部材(図14及び図15参照)では、往時に折り込んだボトムシールリブS2を復時にこすって起こすおそれがあるが、前記リブ折込部材24,24は折り込みに際して往復移動しないので、前述した懸念は生じない。
【0056】
そして、ボトムシールリブS2の折り込みが終了すると、一対のエアシリンダ62,62が駆動されて出力ロッドが所定ストロークだけ矢印e′方向に縮長すると、各一対の上部及び底部折込部材22,22,23,23は、図11に示した位置から若干近接して図7に示したホームポジションに戻る。また、一対のエアシリンダ72,72が駆動されて出力ロッドが矢印f,f′方向に縮長すると、一対のリブ折込部材24,24は、図11に示した位置から離反して図7に示したホームポジションに戻る。
【0057】
以上のように構成したことにより、まず、底部が形成されると共に該底部にボトムシールリブS2が折り込まれた袋Xを製造する製袋包装機1において、シールジョー21,21が対接して筒状包材Fを挟み付けているときに、リブ折込部材24,24の後側片24b,24bを底部折込部材23,23により形成された底部の直下方に進入させるが、その場合の筒状包材Fの下部は、対接状態のシールジョー21,21に支持されて形状が安定している。したがって、リブ折込部材24,24が前述したように移動する際に、筒状包材Fの下部ひいては袋Xの下部を損傷することはない。その上で、このリブ折込部材24,24の後側片24b,24bをさらに進入させることによりボトムシールリブS2を前記底部に折り込むことができる。
【0058】
次に、リブ折込部材24,24はシールジョー21に連結されているので、リブ折込部材24,24におけるシールジョー21,21の対接離反方向b,b′と同じ方向の移動は、シールジョー21,21を移動させるサーボモータ43を利用して実現されるメリットがある。
【0059】
さらに、リブ折込部材24,24は平面視コ字状とされているので、ボトムシールリブS2を挟んで対峙する前側片24a,24aと後側片24b,24bとにより筒状部材Fの下部を安定して受支することができ、その状態でリブ折込部材24,24によるボトムシールリブS2の底部への折込動作が開始されるので、筒状包材Fの下部ひいては袋Xの下部の損傷は確実に防止される。
【0060】
また、リブ折込部材24,24は一対備えられているので、1つの場合に比較して進退動作時の移動ストロークは半分で済み、移動時間の短縮あるいは設置スペースのコンパクト化を図ることができる。
【0061】
また、リブ折込部材24,24は、シールジョー21の熱が伝達されて加熱されるので、折込時に、横シール後のまだ熱いボトムシールリブS2に接触しても、このボトムシールリブS2を急激に冷却することはない。したがって、ボトムシールリブS2は、底部に折り込まれたのち冷却されて硬くなり、見栄えのよい折込状態が実現される。
【0062】
しかも、リブ折込部材24,24はシールジョー21の熱が伝達されるように該シールジョー21に連結されているので、特段の加熱手段を付加して備える必要はなく、部品点数を削減することができる。
【0063】
そして、リブ折込部材24,24は、エアシリンダ72,72により移動を制御されて、移動ストロークが調節可能とされているので、製造する袋サイズの変更に容易に対応することができ、さらに、リブ折込部材24,24は、エアシリンダ72,72に対して着脱可能とされているので、例えば清掃性を向上することができる。
【0064】
ところで、上部折込部材22,22や底部折込部材23,23も、サーボモータ43の回動量やエアシリンダ62,62の移動ストロークを調節することにより、近接間隔や離反間隔が調節可能であるので、同じく製造する袋サイズの変更に容易に対応することができ、また、操作レバー59,59を操作して摺動連結部材54,54に対して着脱可能であるので、同じく清掃性を向上することができる。
【0065】
さらに、例えば、上部及び底部折込部材22,22,23,23を取り外した上でリブ折込部材24,24を不動にすれば、折込部を有さない通常の袋を製造することができる。
【0066】
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されることはなく、本発明の趣旨に沿うものであればよい。
【0067】
例えば、前記実施の形態では、リブ折込部材24,24は、シールジョー21からの熱を伝達することにより加熱されるように構成されていたが、シールジョー21の熱を利用しない構成の場合、図7に二点鎖線で追加して示すように、加熱シート81,81を貼着して加熱されるようにしてもよい。その他、ヒータの付設やサーマルグリスの塗布も適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上説明したように、本発明によれば、製袋包装機において、底部が形成されると共に該底部にボトムシールリブが折り込まれた袋を損傷することなく製造することができる。すなわち、本発明は、物品包装の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態に係る製袋包装機の概略正面図である。
【図2】横シール装置の平面図である。
【図3】図2のII−II線による拡大矢視図であって、要部を抜粋して示す。
【図4】図2のIII−III線による拡大矢視図であって、要部を抜粋して示す。
【図5】図2のIV−IV線による拡大矢視図であって、要部を抜粋して示す。
【図6】制御システムを示すブロック図である。
【図7】横シール装置の動作を説明するための要部を抜粋した図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図8】同じく要部を抜粋した図である。
【図9】同じく要部を抜粋した図である。
【図10】同じく要部を抜粋した図である。
【図11】同じく要部を抜粋した図である。
【図12】折込部を有する袋の斜視図である。
【図13】従来の製袋包装機の動作を説明するための側面図である。
【図14】同じく側面図である。
【図15】同じく側面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 製袋包装機
21 シールジョー
23 底部折込部材
24 リブ折込部材
24b 後側片(先端部)
43 サーボモータ(駆動手段)
72 エアシリンダ(駆動手段)
80 コントロールユニット(制御手段)
81 加熱シート(加熱手段)
F 筒状包材
S2 ボトムシールリブ
X 袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状包材を幅方向に横シールする対接離反可能な一対のシールジョーと、該シールジョーにより筒状包材を袋状とするときに底部を形成する近接離反可能な一対の底部折込部材と、該シールジョーにより形成されたボトムシールリブを前記底部に折り込むリブ折込部材とを有し、底部が形成されると共に該底部にボトムシールリブが折り込まれた袋を製造する製袋包装機であって、
前記リブ折込部材を水平面内で移動させる駆動手段と、
前記シールジョーが対接しているときに、前記リブ折込部材の少なくとも先端部を、前記底部折込部材により形成された底部の直下方に進入させるように、前記駆動手段を制御する制御手段とが備えられていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項2】
前記請求項1に記載の製袋包装機において、
前記リブ折込部材は、平面視コ字状に形成されると共に、一方のシールジョーに該シールジョーの対接離反方向と直交する方向に進退可能に連結されており、
前記制御手段は、シールジョーが対接するときには、該リブ折込部材を前記筒状包材の側方に退避させ、シールジョーが対接したのち、該リブ折込部材を前記筒状包材方向に移動させて前記先端部を前記底部の直下方に進入させるように、前記駆動手段を制御することを特徴とする製袋包装機。
【請求項3】
前記請求項2に記載の製袋包装機において、
前記リブ折込部材は、筒状包材を挟んで一対備えられていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項4】
前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の製袋包装機において、
前記リブ折込部材は、加熱手段を備えていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項5】
前記請求項2または請求項3に記載の製袋包装機において、
前記リブ折込部材は、前記シールジョーの熱が伝達されるように該シールジョーに連結されていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項6】
前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の製袋包装機において、
前記リブ折込部材は、移動ストロークが調節可能とされていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項7】
前記請求項1から請求項6のいずれかに記載の製袋包装機において、
前記リブ折込部材は、着脱可能とされていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項8】
対接離反可能な一対のシールジョーにより筒状包材を幅方向に横シールし、かつ、該シールジョーにより筒状包材を袋状とするときに近接離反可能な一対の底部折込部材により底部を形成すると共に、該シールジョーにより形成されたボトムシールリブをリブ折込部材により前記底部に折り込んで、底部が形成されると共に該底部にボトムシールリブが折り込まれた袋を製造する製袋包装機における包装方法であって、
前記シールジョーが対接しているときに、前記リブ折込部材の少なくとも先端部を前記底部折込部材により形成された底部の直下方に進入させるステップを有することを特徴とする製袋包装機における包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−320653(P2007−320653A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156516(P2006−156516)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】