複合機
【課題】印刷物の汚れ等に影響されずに複写できる複合機を提供する。
【解決手段】複合機1に、プリンタエンジン6とスキャナ10にIDリーダ7、11を搭載する。文書印刷データ受信部3で受信した印刷データを画像データ描画部4、描画データ転送部5を通してプリンタエンジン6から印刷するとき、IDリーダ7でID番号を読み取り、ID対応管理テーブル17に印刷データの文書印刷データファイル名に対応して記録する。印刷データのファイルは、文書印刷データ格納バッファ14から文書印刷データファイル9に格納される。印刷した印刷物を複写するときに、印刷物のRFIDタグからID番号を読み取り、ID対応管理テーブル17を検索して、対応する文書印刷データファイル名で文書印刷データファイル9から印刷データのファイルを取り出し、これを用いて印刷することにより複写する。
【解決手段】複合機1に、プリンタエンジン6とスキャナ10にIDリーダ7、11を搭載する。文書印刷データ受信部3で受信した印刷データを画像データ描画部4、描画データ転送部5を通してプリンタエンジン6から印刷するとき、IDリーダ7でID番号を読み取り、ID対応管理テーブル17に印刷データの文書印刷データファイル名に対応して記録する。印刷データのファイルは、文書印刷データ格納バッファ14から文書印刷データファイル9に格納される。印刷した印刷物を複写するときに、印刷物のRFIDタグからID番号を読み取り、ID対応管理テーブル17を検索して、対応する文書印刷データファイル名で文書印刷データファイル9から印刷データのファイルを取り出し、これを用いて印刷することにより複写する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷機能と複写機能を持つ複合機能装置(以下複合機で示す)において、ICタグを備えた印刷用紙を使用する複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、印刷装置、ファクシミリ、複写機など複数の機能を持つOA機器が普及している。また、RFIDタグ(Radio Frequency Identificationタグ)などのICタグが付加された用紙も開発され、この用紙を複合機においても利用され始めている。
【0003】
特許文献1は、ID(識別)番号とRFIDタグの情報を照合し、複写の許可を行う複合機が開示されている。また、トレイを複数設け、RFIDタグ付き用紙と通常の用紙を収納し、受信信号にRFIDタグへの書き込みデータが含まれている時RFIDタグ付き用紙の供給を受ける技術も開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、図書にマーキングを装着し、マーキング又はIDを読み取る読み取り装置と複写可否情報を持つデータベースと複写を制限するデータ処理装置で複写機の複写の制限を行う図書不正複写防止システムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−337426号公報 (段落番号0020、0034から0038、図6、図9)
【特許文献2】特開2003−302880号公報 (段落番号0030から0039、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来例では、印刷物の表面上の画像をスキャンするため、例えば印刷物の表面が汚れている場合、汚れもスキャンし、そのまま印刷されてしまう。同様に、印刷物に何らかの書き込みが行われている場合、当該書き込みもスキャンされ、希望する印刷物を得ることができない。
【0006】
そこで、本発明は、印刷後の印刷物の複写時、当該印刷物に埋め込まれたRFIDタグなどの非接触ICタグの情報を読み取り、読み取ったID(識別情報)に対応した管理テーブルを検索して、保存した印刷データを読み出して印刷することによって、印刷物の汚れや書き込みに影響されることのない複合機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は本発明によれば、非接触でデータの読み出し又はデータの書き込みを行うICタグが内蔵された用紙にスキャナで読み取った画像を記録する印刷手段と、該印刷時、前記ICタグの識別情報を読み出し、前記識別情報と前記スキャナが読み取った画像データを対応させて記憶する記憶手段と、前記印刷手段により記録された前記用紙の画像を複写する時に、前記用紙に内蔵される前記ICタグに記憶された識別情報を読み出す読み出し手段と、読み出した該識別情報に従って、前記記憶手段を検索し、該記憶手段に識別情報に対応して記憶されている画像データを読み出し、該画像データに基づき印刷処理を行う印刷制御手段とを有する複合機を提供することによって達成できる。
【0008】
このように構成することにより、原稿が汚れていても、又原稿に書き込み等が行われている場合でも、識別情報としてのID番号の一致を判断することによって汚れや書き込みのない複写印刷を行うことができる。
【0009】
また、前記ICタグ付き用紙を給紙する給紙機構と普通用紙を給紙する給紙機構とからなる給紙手段を有し、選択に従ってICタグ付き用紙、又は普通用紙の給紙選択が可能である。
【0010】
このように構成することにより、不必要に非接触ICタグ内蔵用紙を使用せず、印刷コストを抑えることができる。
また、前記読み出し手段が、複写時において前記ICタグに記憶された識別情報の読み出しに失敗した場合、前記スキャナにより読み取った画像データに基づいて印刷処理を行うことができる。
【0011】
このように構成することにより、例え識別情報の読み出し処理に失敗した場合でも印刷データの印刷処理を行うことができる。
また、前記ICタグ付き用紙による印刷と、通常用紙による印刷の選択を、印刷データの頁毎に切り替えて行うことができる。
【0012】
このように構成することにより、頁により給紙の種類をICタグ内蔵用紙と通常用紙との間で切換制御することができ、例えば先頭頁の用紙のみ識別情報の認識が必要で、残りの頁はその必要が無いような場合に、コストの高いICタグ内蔵用紙の使用を抑えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複合機において、印刷物の複写時に印刷物の非接触ICタグを読み取り、ID対応管理テーブルを検索して、印刷データ保持手段から印刷時に保存している印刷データを取り出し、複写する。したがって、印刷後の原稿表面上の画像をスキャンすることがないので原稿表面が汚れや書き込みに影響されることなく、希望する印刷結果が得られる。
【0014】
また、原稿画面上の画像スキャンに要する時間が不要になるので複写時間が短縮される。
また、オペレータがオペレーションパネルによって用紙は非接触ICタグ内蔵用紙か通常用紙かを選択できるため、不必要に非接触ICタグ内蔵用紙を使用せず、印刷コストを抑えることができる。また、オペレータの操作により、画像スキャンによる通常の複写も可能である。
【0015】
さらに、頁により給紙の種類をICタグ内蔵用紙と通常用紙との間で切換制御することができ、コストの高いICタグ内蔵用紙の使用を抑えることができる。また、この処理により複数頁の複写時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は本実施形態の構成を示す回路構成図である。本例は印刷機能と複写機能を合わせ持つ複合機について説明するものである。以下に各部の説明を行う。
【0017】
同図において、PCはパーソナルコンピュータであり、アプリケーションプログラムに従って作成した印刷データを複合機1に供給する。複合機1は、複写制御部2、文書印刷データ受信部3、画像データ描画部4、描画データ転送部5、プリンタエンジン6、IDリーダ7、排紙制御部8、文書印刷データファイル9、スキャナ10、IDリーダ11、スキャン制御部12、オペレーションパネル13、文書印刷データ格納バッファ14、画像メモリ15、スキャン画像バッファ16、ID対応管理テーブル17、文書印刷データファイル名バッファ18で構成されている。
【0018】
文書印刷データ受信部3は、ホスト機器であるパーソナルコンピュータ(PC)から供給される文書印刷データを受信し、文書印刷データ格納バッファ14に1頁分又は1文書分の文書印刷データを格納し、印刷データの保持完了を画像データ描画部4に通知する。
【0019】
画像データ描画部4は、文書印刷データの展開完了通知を受けると、文書印刷データ格納バッファ14に記憶した印刷データを順次解析し、1頁分の描画のためのメモリである画像メモリ15に解析データを描画する。画像メモリ15には順次画像データが展開され、例えば1頁分の画像データの展開が完了すると、画像データ描画部3は、複写制御部2に対して画像メモリ描画完了通知を行う。
【0020】
画像メモリ15に画像データが展開されると、描画データ転送部5は画像データを画像メモリ15から読み出し、プリンタエンジン6に転送する。
プリンタエンジン6は、例えば感光体、帯電器、現像器、転写器等で構成され、描画データ転送部5から供給される画像データを用紙に印刷する。IDリーダ7は、プリンタエンジン6に備え付けられ、用紙に貼付或いは漉き込んで取り付けられた非接触ICタグ(以下RFIDタグという)と通信を行い、RFIDタグ内のデータを読み出し、或いは印刷した画像に関連する情報を書き込む。
【0021】
排紙制御部8は、RFIDタグが内蔵された用紙の排紙が行われる際、IDリーダ7で読み取った、例えば個々のRFID素子を識別するための識別情報、即ちID番号とID番号取得を複写制御部2に通知する。また、文書印刷データファイル9には、複写制御部2が文書印刷データ格納バッファ14から読み出した文書印刷データのファイルが格納される。
【0022】
スキャナ10は複写機能を確保する構成であり、用紙に付加されたRFIDタグとスキャン時に通信を行うIDリーダ11を備える。スキャナ制御部12は、複写制御部2の制御に従ってスキャナ10、及びIDリーダ11の制御を行い、スキャナ10で読み取った原稿画像をスキャン画像バッファ16に格納する。
【0023】
ID対応管理テーブル17は、IDリーダ7で読み取ったICタグのID番号とその用紙に記録されるとともに、文書印刷データファイル9に記憶されている文書印刷データファイルの文書印刷データファイル名とを対応付けて記憶する。
【0024】
文書印刷データファイル名バッファ18は、複写制御部2が文書印刷データ格納バッファ14からの文書印刷データファイルを作成したときにそのファイル名を保持するバッファである。ID番号読み取り後に、ID番号と文書印刷データファイル名を対応させて、ID対応管理テーブル17に書き込まれる。
【0025】
オペレーションパネル13は、例えば利用者が操作を行うものであり、例えばスキャナ10を使用する際操作する。
図2は、上記ID対応管理テーブル17のデータ構成を示す図である。同図に示すように、ID対応管理テーブル17はレコード毎に、文書印刷データファイル名とRFIDタグID(識別情報)が対応して登録されている。また、登録数も記憶される。複写制御部2によって書き込まれる文書印刷データファイル名は、例えば用紙1頁分のファイルの名前である。また、RFIDタグIDは主にID番号であるが、他のデータで構成してもよい。また、タグの製造時に予め書き込まれている素子個々に異なるシリアル番号を用いても良いし、印刷処理時にライター機能も含むIDリーダ7で個別に書き込んだ識別情報を用いることもできる。
【0026】
次に、本例の処理動作をフローチャートを用いて説明する。
先ず、図3は上記文書印刷データ受信部3の処理動作を説明するフローチャートである。先ず、文書印刷データ受信部3は前述のパーソナルコンピュータ(PC)から供給される印刷データを待ち(ステップ(以下、Sで示す)1−1がNO)、パーソナルコンピュータ(PC)から印刷データが供給されると、供給された文書印刷データを文書印刷データ格納バッファ14に格納する(S1−2)。そして、1頁分の文書印刷データの格納が完了したか判断し(S1−3)、完了していない間上記保存処理を繰り返す。一方、格納処理が完了した場合、文書印刷データ保持完了を画像データ描画部4に通知する(S1−4)。
【0027】
次に、画像データ描画部4の処理動作を図4に示すフローチャートを使用して説明する。先ず、文書印刷データ受信部3からの文書印刷データ保持完了通知があるか判断し(S2−1)、通知がある場合、文書印刷データ保持完了を複写制御部2に通知する。
【0028】
図5は上記複写制御部2のフローチャートを示し、処理(S3−1)でオペレーションパネルでのボタンの押下がない時、画像データ描画部4から文書印刷データ保存完了通知ありかを判断する(S3−13)。上記画像データ描画部4からの通知があった時、保持した文書印刷データのユニークな文書印刷データファイル名を生成し、そのファイル名を文書印刷データファイル名バッファ18に書き込む(S3−14)。また、文書印刷データ格納バッファ14のデータを決定したファイル名で文書印刷データファイル9に書き込み、格納する(S3−15)。
【0029】
すなわち、上記処理によってホスト機器から送信された新たな印刷データのファイル名を文書印刷データファイル名バッファ18に書き込み、更に印刷データを文書印刷データファイル9に登録する。
【0030】
その後、文書印刷データ展開完了を画像データ描画部4に通知し(S3−16)、図4に示す判断(S2−3)に移行する。すなわち、複写制御部2から文書印刷データ展開完了通知があるか判断する。ここで、文書印刷データ展開完了通知がある場合、文書印刷データ格納バッファ14のデータを取り出して順次解析し、画像メモリ15への描画を行う(S2−4)。
【0031】
次に、1頁分の描画処理が完了したか判断する(S2−5)。ここで、完了でない場合、処理(S2−4)に戻り、描画処理を継続する。一方、完了した場合、画像メモリ描画完了を描画データ転送部5に通知し(S2−6)、図6のフローチャートを実行する。
【0032】
図6は描画データ転送部5の動作を示すフローチャートであり、先ず画像メモリ描画完了の通知があるか判断する(S4−1)。ここで、画像データ描画部4から画像メモリ描画完了通知が送信されている場合、画像メモリ15に展開された描画データをプリンタエンジン6に転送する(S4−2)。プリンタエンジン6は描画データに基づいて印刷処理を行い、RFIDタグ付き用紙に画像を印字する。
【0033】
続いて、複写制御部2の処理により、図5に示すフローチャートを実行し、オペレーションパネル13のボタン押下がない状態で(S3−1がNO、S3−13がNO)、ID番号の取得が有るか判断する(S3−17)。この判断は、前述の排紙制御部8から送信されるRFIDタグ付き用紙からの読み取り情報によって得られる。
【0034】
ここで、ID番号の取得通知が有る場合(S3−17がYES)、当該ID番号と前述の文書印刷データのファイル名を対応してID対応管理テーブル17に記録する(S3−18)。このように構成することにより、新たにホスト機器から供給される印刷データのファイル名と当該印刷データが印刷出力された用紙(RFIDタグ付き用紙)との対応関係がID対応管理テーブル17に記録される。
【0035】
尚、RFIDタグ内蔵用紙である印刷用紙の排紙判断は図8に示すフローチャートに従って行われる。すなわち、排紙があるか判断し(S6−1)、前述のIDリーダ7にてRFIDタグ内蔵用紙のRFIDタグに記憶されているID番号を読み出す(S6−2)。そして、読み出したID番号とID番号取得を複写制御部2に通知することによって行う(S6−3)。
【0036】
以上のようにして画像データの印刷出力が行われた後、当該印刷物の複写を行う。
この処理は図5に示す複写制御部2の制御によって実行される。先ず、オペレーショパネルのボタン押下があるか判断する(S3−1)。そして、ボタン押下があると、当該ボタン押下が“複写”の指示であるか判断する(S3−2)。尚、“複写”でない場合には処理(S3−1)に戻る。
【0037】
一方、“複写”のボタン押下である場合、スキャナ制御部12にID番号読み出し依頼を通知し(S3−3)、図7に示すスキャナ制御部12の処理に移行する。この処理は、先ず複写制御部2からID番号読み出し依頼通知が有るか判断し(S5−1)、依頼通知がある場合、スキャナ原稿台上にあるRFIDタグ内蔵用紙の原稿からIDリーダ11でID番号を読み出す(S5−2)。そして、複写制御部2に対して読み出したID番号とID番号読み出し完了を通知し(S5−3)、図5に示す処理(S3−4)に移る。
【0038】
複写制御部2は、ID番号読み出し完了通知があると(S3−4がYES)、通知されたID番号をID対応管理テーブル17から検索し、ID番号と対応する文書印刷データファイルの文書印刷データファイル名より同じID番号の文書印刷データファイルの存在を確認する(S3−5)。すなわち、同じID番号が存在しない又は対応するファイル名のファイルが存在しないか判断する(S3−6)。
【0039】
ここで、同じID番号又は対応する文書印刷データファイル名が存在しない場合、画像スキャン依頼をスキャナ制御部12に通知し(S3−7)、前述の図7の処理(S5−4)に移行する。
【0040】
スキャン制御部12では、複写制御部2から画像スキャン依頼通知あると(S5−4がYES)、スキャナ原稿台上にあるRFIDタグ内蔵用紙の原稿から画像データをスキャンし、スキャンしたデータをスキャン画像バッファ16に書き込む(S5−5)。そして、画像スキャン完了を複写制御部2に通知し(S5−6)、図5に示す複写制御部2の処理に戻る。
【0041】
複写制御部2では画像スキャン完了通知が有ると(S3−8がYES)、新たな原稿データを登録する為、スキャンした画像のためのユニークなファイル名を決定し、そのファイル名を文書印刷データファイル名バッファ18に書き込む(S3−9)。また、スキャンしたスキャン画像バッファ16のデータを取り出して文書印刷データ格納バッファ14に書き込む(S3−10)。このように構成することにより、新たな原稿データの情報は複合機1に登録される。
【0042】
一方、前述の判断(S3−6)において、ID対応管理テーブル17に同じID番号が存在する又は対応するファイル名のファイルが存在する場合、処理(S3−11)に進み、同じID番号又は対応する文書印刷データファイル名で文書印刷データファイルを文書印刷データファイル9から読み出し、読み出したデータを文書印刷データ格納バッファ14に書き込む(S3−11)。ファイル名を文書印刷データファイル名バッファ18に書き込む(S3−12)。
【0043】
以後、前述の処理と同じ印刷処理を行い、文書印刷データ展開完了を画像データ描画部4に通知し(S3−16)、印刷出力を行う。
以上のように構成することによって、印刷物に汚れや書き込みがある場合でも、RFIDタグ付き用紙から読み取ったID番号に基づいて文書印刷データファイル9を検索し、汚れや書き込みのない印刷データに基づいて印刷処理を行うことができる。
【0044】
尚、本例の実施形態では文書印刷データファイルを記憶する記憶装置、つまり文書印刷データファイル9を複合機1の内部にあるものとして説明したが、ネットワークで接続された外部に記憶装置を配設する構成としてもよい。
【0045】
また、ID対応管理テーブル17はネットワークで接続された別の複合機のID対応管理テーブルを共有し、検索対象としてもよい。
さらに、RFIDタグは実施形態1ではID番号が記憶されているものとしたが、複合機1で内部的に生成したID番号を印刷用紙排紙時に書き込む構成としてもよい。
【0046】
また、ID対応管理テーブル17と文書印刷データファイル9に格納された印刷データとの対応関係は、文書印刷データファイル名を基に参照する例を示したが、ファイル作成日時など、他の区別情報を用いて参照検索できるようにしても良いし、直接文書印刷データファイル9の記憶装置アドレスを基に参照検索する構成とすることも可能である。
【0047】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
図9に本例の構成図を示す。本例においては、実施形態1で使用した図1の構成に対して、給紙制御部19と給紙用紙種バッファ20が追加された構成である。尚、他の構成については前述の構成と同様である。
【0048】
給紙制御部19は、複写制御部2から給紙選択の通知を受けた場合、給紙選択情報が保持されている給紙用紙種バッファ20から給紙用紙種を読み出し、RFIDタグ内蔵用紙か通常用紙による給紙をプリンタエンジン6に指示する。プリンタエンジン6は指示に従い、以降の印刷時における給紙は該当する給紙口から行う。給紙用紙種バッファ20には複写制御部2から複写時に給紙用紙種が書き込まれる。
【0049】
尚、排紙制御部8は、給紙用紙種を呼んでRFIDタグ内蔵用紙のときのみIDリーダ7を稼動させ、ID番号の読み取り及び通知を行う。
次に実施形態2の処理動作を説明する。文書印刷データ受信部3、画像データ描画部4、描画データ転送部5及びスキャナ制御部12は実施形態1と同じ処理を行う。また、図10は給紙制御部19の処理を示すフローチャートであり、図11は排紙制御部8の処理を説明するフローチャートであり、図12は複写制御部2の処理を説明するフローチャートである。
【0050】
先ず、図10に示すフローチャートに従って、給紙制御部19は複写制御部2から給紙選択通知が有るか判断する(S7−1)。ここで、通知がある場合、給紙用紙種バッファ20から給紙用紙種を読み出す(S7−2)。そして、給紙用紙種がRFIDタグ内蔵用紙かを判断し(S7−3)、RFIDタグ内蔵用紙であった場合、RFIDタグ内蔵用紙の給紙をプリンタエンジン6に指示する(S7−4)。一方、給紙紙種がRFIDタグ内蔵用紙でなかった場合、通常用紙の給紙をプリンタエンジン6に指示する(S7−5)。以後、実施形態1と同様に複写が行われる。
【0051】
したがって、排紙制御部8は図11に示すフローチャートに従って処理を行い、印刷用紙の排紙ありかを判断し(S6−1)、排紙がある場合、給紙用紙種バッファ20から給紙用紙種を読み出し(S6−4)、RFIDタグ内蔵用紙である場合、IDリーダ7にて排紙されているRFIDタグ内蔵用紙のRFIDタグに内蔵されているID番号を読み出す(S6−2)。そして、複写制御部2へID番号取得及びID番号を通知し(S6−3)、前述の複写制御部2による処理を行う。
【0052】
図12の複写制御部2の処理を示すフローチャートは、実施形態1の図5に対応し、判断(S3−1)と(S3−2)の間に、処理(S3−19)〜(S3−23)が挿入されたものであり、その他は図5のフローチャートの処理と同じである。したがって、本例では処理(S3−19)〜(S3−23)を説明し、他の説明は省略する。また、ここで、本方式の複写機能は、本発明の複写機能の内、印刷物のID番号による検索を行い保持している文書印刷データで複写を行う方式である。
【0053】
複写制御部2は、処理(S3−1)でオペレーションパネル13のボタン押下が有ると、当該ボタン押下は本方式の複写機能の使用可能な印刷の指示か判断する(S3−19)。そして、ボタン押下が本方式で使用可能な印刷の指示である場合、“RFIDタグ内蔵用紙”を給紙用紙種バッファ20に書き込み(S3−20)、処理(S3−23)に進む。
【0054】
一方、処理(S3−21)では、ボタン押下は本方式による複写機能を使用しない印刷の指示かを判断する。本方式を使用しない印刷の指示でない場合は、処理(S3−22)に進み、“通常用紙”を給紙用紙種バッファ20に書き込む(S3−22)。 以上のように、本例によればRFIDタグ付き用紙の使用か、又は通常用紙の使用かを選択することができ、不必要に高価なRFIDタグ内蔵用紙を使用せず、印刷コストを抑えることができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
【0055】
本例はスキャナ10のIDリーダ11で、複写対象物のRFIDタグ内蔵用紙のRFIDタグからID番号が読み出せない時、通常通りスキャナ10でスキャンして複写を行う構成である。以下、具体的に説明する。
【0056】
図13に複写制御部2のフローチャートを示し、図14にスキャナ制御部12のフローチャートを示す。他の各部の動作は、実施形態2と同等である。
図13のフローチャートと実施形態2の処理の違いは、判断(S3−4)と処理(S3−5)間に判断(S3−24)が入るものである。したがって、この処理を説明し、他の処理は実施形態2と同じであり、省略する。また、図14のスキャナ制御部12の処理動作は、実施形態1の図7のフローチャートから処理(S5−3)が削除され、新たに処理(S5−7)〜(S5−9)が加わったものである。
【0057】
先ず、図13の複写制御部2のフローチャートにおいて、ID番号読み出し依頼を通知し(S3−3)、図14のフローチャートの処理(S5−1)に処理を移行する。すなわち、スキャナ制御部12はID番号読み出し依頼通知があると、S5−2でスキャナ原稿台上の原稿からIDリーダ11にてID番号を読み出す(S5−2)。そして、ID番号読み出しが成功したか判断し(S5−7)、読み出しに成功すると、ID番号読み出し成功情報とID番号読み出し完了情報を複写制御部2に通知し(S5−8)、図13のフローチャートの処理(S3−4)に移行する。
【0058】
一方、ID番号の読み出しに失敗すると、ID番号読み出し失敗情報とID番号読み出し完了信号を複写制御部2に通知(S5−9)し、図13のS3−4に処理は移る。
したがって、ID番号読み出しに成功すると、通知されたID番号をID対応管理テーブル17から検索し、ID番号と対応する文書印刷データファイルの文書印刷データファイル名より同ID番号の文書印刷データファイルの存在を調べ確認する(S3−5)。以降、文書印刷データファイル9から文書印刷データファイルを読み出して複写を行う。一方、S3−24でID番号読み出しに失敗するとS3−7に進み、画像スキャン依頼を通知し(S3−7)、図14のS5−4に処理は移る。
【0059】
以上のように処理することによって、ID番号の読み出しに失敗した場合でも、通常のスキャン処理によって原稿の複写処理を可能とすることができる。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。
【0060】
本例は、利用者がオペレーションパネル13で画像スキャンによる通常の複写か本方式の文書印刷データファイルを利用した複写かを選択できるものである。以下、具体的に説明する。
【0061】
図15に、複写制御部2の動作をフローチャートで示す。実施形態3の複写制御部2の図13のフローチャートとの違いは処理(S3−2)の代わり、処理(S3−25)、(S3−26)を設けたものである。したがって、この処理(S3−25)、(S3−26)の処理を説明し、他は実施形態3と同等なので省略する。
【0062】
先ず、図15に示すフローチャートにおいて、判断(S3−21)でボタン押下は本方式による複写機能を使用しない印刷の指示ではないとき、つまり複写機能を使用するときに、ボタン押下は“画像スキャン複写”の指示か判断する(S3−25)。“画像スキャン複写”の指示の場合は、処理(S3−7)に進み、画像スキャン依頼を通知する。以降、画像スキャンによる複写を行う。
【0063】
処理(S3−25)で“画像スキャン複写”の指示でない場合、ボタン押下は上述の“本方式の複写”の指示かを判断する(S3−26)。“本方式の複写”の指示であった場合は、S3−3に進み、ID番号読み出し依頼をスキャナ制御部12に通知する。以降、文書印刷データファイル9から文書印刷データファイルを読み出して複写を行う。
【0064】
以上のように本例の処理によれば、本例による複写処理か通常の複写処理かを選択することができ、より利用し易い複合機とすることができる。
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5について説明する。
【0065】
図16は本例の複合機の構成を説明する回路ブロック図である。同図において、文書印刷データ受信部3は、パーソナルコンピュータ(PC)から文書印刷データが送信されてきた場合、文書印刷データを解析し、1文書分の印刷データを文書印刷データ格納バッファ14に格納する。
【0066】
画像データ描画部4は、複写制御部2から文書印刷データ展開完了の通知を受けると、文書印刷データ格納バッファ14内のデータを解析し描画を行い、1頁分の描画が完了したら例えば、文書の1頁目なら“RFIDタグ内蔵用紙”を、文書の2頁目以降なら“通常用紙”を給紙用紙種バッファ20に書き込み、給紙制御部19に給紙選択を通知する。この設定は、画像データ描画部4又は複写制御部2に設定されているか又は例えば、オペレーションパネル13で設定し、複写制御部2で備えておき、画像データ描画部4に設定する。
【0067】
給紙制御部19は、この給紙選択の通知により、1頁ずつの給紙を給紙用紙種バッファ20から読み出して給紙を制御する。プリンタエンジン6の制御によりRFIDタグ内蔵用紙又は通常用紙の給紙を行う。
【0068】
文書印刷データ受信部3と画像データ描画部4の他の各部の動作は、実施形態4と同等であるので省略する。
図17に、文書印刷データ受信部3の動作をフローチャートで示す。実施形態1の図3と比較すると処理(S1−3)に代わって、処理(S1−5)となっている。また、図18に画像データ描画部4の動作をフローチャートで示す。実施形態1の図4に加えて新たに処理(S2−7)から処理(S2−10とS2−11)までの追加がある。
【0069】
先ず、図17の処理(S1−1)で、文書印刷データ受信部3は、印刷データ受信があると、データを受信し、文書印刷データ格納バッファ14へ保持する(S1−2)。1文書分のデータ保持完了したか判断する。完了していない場合は、S1−2に戻る(S1−5)。完了した場合は、画像データ描画部4に文書印刷データ保持完了を通知し(S1−4)、図18の(S2−1)に処理は移る。
【0070】
図18の処理(S2−1)で、画像データ描画部4は、文書印刷データ保持完了の通知ありかを判断する(S2−1)。この処理(S2−1、S2−2、S2−3)から処理(S2−5)までは、図4と同じ処理である。処理(S2−1)で文書印刷データ保持完了通知がなく、文書印刷データ展開完了通知があると(S2−3)、文書印刷データ格納バッファ14のデータを取り出して順次解析し、画像メモリ15への描画を行う。(S2−4)。1頁分の描画完了したか判断する(S2−5)。
【0071】
そして、1頁分の描画が完了すると、この文書の1頁目かを判断する(S2−7)。1頁目の場合は、“RFIDタグ内蔵用紙”を給紙用紙種バッファ20に書き込む(S2−8)。1頁目でない場合は、“通常用紙”を給紙用紙種バッファ20に書き込む(S2−9)。
【0072】
次に、給紙制御部19に給紙選択を通知し(S2−10)、処理は上述の図12のS7−1に移る。図12の処理(S7−1)で、給紙制御部19は、給紙選択通知があると、上述した給紙処理を行う。
【0073】
図18に戻り、画像データ描画部4は、描画データ転送部5に画像メモリ描画完了を通知し(S2−6)、処理は図6の処理(S4−1)に移る。図6の処理(S4−1)で、描画データ転送部5は、画像メモリ描画完了通知を受けると、上述の描画データ転送処理が行われる。
【0074】
次に、図18に戻り、文書印刷データ格納バッファ14内の全データに対する解析・描画が完了したか判断する(S2−11)。完了していない場合は、S2−4に戻る。
以上のように構成することによって、頁により給紙の種類をRFIDタグ内蔵用紙か通常用紙かを制御することができ、コストの高いRFIDタグ内蔵用紙の使用を抑えることができる。
【0075】
尚、RFIDタグ内蔵用紙を用いるのは、1頁目としたが、任意に設定できる。例えば、最終頁でもよいし5頁目以降の頁、3頁と7頁などでもよい。
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6について説明する。
【0076】
図19に、実施形態6の構成図を示す。実施形態5の図16との違いは、印刷ページ番号バッファ21が設けられていることである。印刷ページ番号バッファ21は、画像データ描画部4及び複写制御部2に接続される。複写制御部2により、印刷ページ番号バッファ21は、印刷する頁を例えば“表紙のみ”や“文書全体”等のように書き込まれる。画像データ描画部4は、印刷ページ番号バッファ21を参照し、印刷の制御を表紙のみの印刷や文書全体の印刷を行う。
【0077】
画像データ描画部4と複写制御部2の動作を以下に示す。スキャナ制御部12の動作は、実施形態1の図7と同等である。他の各部の動作は実施形態5と同等であるので省略する。
【0078】
図20に、画像データ描画部4の動作をフローチャートで示す。図18の実施形態5の画像データ描画部4のフローチャートとの違いは、処理(S2−12)、(S2−13)であり、この処理を説明する。図21に、複写制御部2の動作をフローチャートで示す。実施形態2の図12のフローチャートとの違いは、処理(S3−19)から(S3−23とS3−2)に代わって、図21では処理(S3−27)から(S3−30)までの処理が入っていることである。以下、説明する。
【0079】
先ず、図20の処理(S2−6)で、画像描画データ部4が画像メモリ描画完了を通知し(S2−6)、描画データ転送部5で上述の処理をした後、処理が戻ると、印刷ページ番号バッファ21から印刷ページ番号読み出しを行う。これは、後述する図21の処理(S3−28)、又は処理(S3−30)で書き込まれたものを読み出す(S2−12)。
【0080】
次に、印刷ページ番号が表紙のみかを判断する。表紙のみの場合は処理(S2−1)に戻る。表紙のみでない場合は、文書印刷データ格納バッファ14内のデータに対する解析・描画が完了したか判断する。完了でなければ、S2−4に戻り上述した複写を続ける(S2−11)。
【0081】
図21の処理(S3−1)で、複写制御部2は、オペレーションパネル13のボタンの押下があると、ボタン押下は“表紙のみ複写”の指示かを判断する。“表紙のみ複写”の指示でないときは、処理(S3−29)に進む。“表紙のみ複写”の指示であるときは、“表紙のみ”を印刷ページ番号バッファ21に書き込む(S3−28)。
【0082】
処理(S3−29)では、ボタン押下は“文書全体複写”の指示かを判断する(S3−29)。“文書全体複写”の指示であるときは、“文書全体”を印刷ページ番号バッファ21に書き込む。尚、処理(S13)以降は、前述の実施形態2の図11の処理と同じである。
【0083】
(実施形態7)
次に、本発明の実施形態7について説明する。
実施形態7は、オペレータの指示により“複写禁止”等の付加印刷を行う形態とする。構成は、実施形態1の図1と同等である。“複写禁止”等の文字列/イメージのデータは予め複写制御部2に記憶しておく。複写制御部2は、“複写禁止”等の文字を画像スキャンしたデータに合成して文書印刷データ格納バッファ14に書き込む。オペレーションパネル13は、“複写禁止”等の選択、大きさ、位置、色の指定機能を付加指示として持つ。他の各部の動作は実施形態1と同等である。
【0084】
図22に、実施形態7の複写制御部2の動作をフローチャートで示す。実施形態1の図5のフローチャートとの違いは、処理(S3−5)、(S3−6)の削除、処理(S3−31)、(S3−32)の追加、処理(S3−10)の修正の処理(S3−33)であり、この処理の部分を説明する。
【0085】
処理(S3−4)でID番号読み出し完了通知があると、オペレーションパネル13より複写禁止文字の付加指示ありかを判断する(S3−31)。ない場合はS3−11に進み、その後、付加なしの複写を行う。処理(S3−31)で複写禁止文字の付加指示がある場合は、複写禁止文字を大きさ・位置・色の付加指示により作成する(S3−32)。画像スキャン依頼通知をし(S3−7)、処理は図7のS5−4に移る。
【0086】
図7で、スキャナ制御部12は、画像スキャン通知を受けると(S5−4)、画像スキャンし(S5−5)、画像スキャン完了を通知する(S5−6)。
図22に戻り、画像スキャン完了通知を待ち、通知を受けると(S3−8)、ユニークなファイル名を決定しそのファイル名を文書印刷データファイル名バッファ18に書き込む(S3−9)。スキャン画像バッファ16内のデータと複写禁止文字の印刷データを合成して、文書印刷データ格納バッファ14に書き込む(S3−33)。S3−16に進み、以後実施形態1と同じであり複写禁止文字の付加印刷が行われる。
【0087】
なお、“複写禁止”文字用データは、テキスト文字コードとして持っておき、フォントジェネレータを使用して生成し、文書印刷データと合成してもよい。また、オペレーションパネル13より、任意の文字列を入力指定してもよい。
【0088】
(実施形態8)
次に、本発明の実施形態8について説明する。
実施形態8の構成は実施形態1の図1と同等とする。但し、ID対応管理テーブル17においてID番号、文書印刷データファイル名に対応して“複写禁止文字を付加するか否か”の情報を記憶する。これにより、ID番号でのID対応管理テーブル17の検索時に複写禁止文字付加指示があれば、複写禁止文字を付加する。オペレーションパネル13は、“複写禁止”等の選択、大きさ、位置、色の指定機能を付加指示として持つ。勿論、複写禁止以外の文字等でもよい。
【0089】
図23に、実施形態8の複写制御部2の動作をフローチャートで示す。実施形態1の図8と同じ符号の処理は説明を省く。処理(S3−32)、(S3−33)は実施形態7と同等である。
【0090】
新たに、(S3−33)から(S3−37、S3−18)を修正した処理(S3−38)が加わっている。これらの処理を説明する。他の各部の動作は実施形態1と同等である。
【0091】
まず、処理(S3−9)で画像スキャンしたデータのユニークなファイル名を決定し、文書印刷データファイル名バッファ18に書き込む(S3−9)。
次に、複写禁止文字の付加指示ありかを判断する(S3−34)。付加支持がない場合は、スキャン画像バッファ16内のデータを文書印刷データ格納バッファ14に書き込む(S3−10)。S3−34で複写禁止文字の付加指示がある場合は、複写禁止文字を大きさ・位置・色の付加指示により作成する(S3−32)。スキャン画像バッファ16内のデータと複写禁止文字の印刷データを合成して、文書印刷データ格納バッファ14に書き込む(S3−33)。S3−10又はS3−33の後は、S3−16の文書印刷データ展開完了を通知に進み、その後は、実施形態1と同等に処理される。
【0092】
また、処理(S3−6)でID番号が存在しないまたは対応するファイル名のファイルが存在しないかの判断で、ID番号が存在するまたは対応するファイル名のファイルが存在する場合は、処理(S3−35)に進む。ID対応管理テーブル17の複写禁止文字付加の情報が付加になっているかを判断する(S3−35)。付加になっていない場合は、文書印刷データファイルを読み出して、文書印刷データ格納バッファ14に書き込み(S3−11)、処理(S3−12、S3−16)と進み、その後は実施形態1と同等に処理される。
【0093】
付加になっている場合は、複写禁止文字を大きさ・位置・色の付加指示より作成する(S3−36)。スキャン画像バッファ16内のデータと複写禁止文字の印刷データを合成して、文書印刷データ格納バッファ14に書き込む(S3−37)。その後、ファイル名を文書印刷データファイル名バッファ18に書き込み(S3−12)、S3−16に進み、その後は実施形態1と同等に処理される。
【0094】
また、S3−17で前述のID番号取得通知があると、RFIDタグから、ある場合は、“複写禁止文字を付加するか否か”の情報とその付属情報である大きさ・色・位置を取得し、文書印刷データファイル名バッファ18に格納されているファイル名と通知されたID番号とともに対応させてID対応管理テーブルに登録する(S3−38)。
【0095】
このように構成することにより、無駄な印刷を回避することができ、複合機を効率よく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施形態1の構成図を示す。
【図2】本発明のID対応管理テーブルのデータ構成を示す。
【図3】文書印刷データ受信部の動作をフローチャートで示す。
【図4】本発明の画像データ描画部の動作をフローチャートで示す。
【図5】本発明の実施形態1の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【図6】本発明の描画データ転送部の動作をフローチャートで示す。
【図7】本発明のスキャナ制御部の動作をフローチャートで示す。
【図8】本発明の排紙制御部の動作をフローチャートで示す。
【図9】本発明の実施形態2の構成図を示す。
【図10】本発明の実施形態2の排紙制御部の動作をフローチャートで示す。
【図11】本発明の実施形態2の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【図12】本発明の給紙制御部の動作のフローチャートで示す。
【図13】本発明の実施形態3の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【図14】本発明の実施形態3のスキャナ制御部の動作をフローチャートで示す。
【図15】本発明の実施形態4の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【図16】本発明の実施形態5の構成図を示す。
【図17】本発明の実施形態5の文書印刷データ受信部の動作をフローチャートで示す。
【図18】本発明の実施形態5の画像データ描画部の動作をフローチャートで示す。
【図19】本発明の実施形態6の構成図を示す。
【図20】本発明の実施形態6の画像データ描画部の動作をフローチャートで示す。
【図21】本発明の実施形態6の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【図22】本発明の実施形態7の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【図23】本発明の実施形態8の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【符号の説明】
【0097】
1・・・複合機
2・・・複写制御部
3・・・文書印刷データ受信部
4・・・画像データ描画部
5・・・描画データ転送部
6・・・プリンタエンジン
7、11・・・IDリーダ
8・・・排紙制御部
9・・・文書印刷データファイル
10・・・スキャナ
12・・・スキャナ制御部
13・・・オペレーションパネル
14・・・文書印刷データ格納バッファ
15・・・画像メモリ
16・・・スキャン画像バッファ
17・・・ID対応管理テーブル
18・・・文書印刷データファイル名バッファ
19・・・給紙制御部
20・・・給紙用紙種バッファ
21・・・印刷ページ番号バッファ
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷機能と複写機能を持つ複合機能装置(以下複合機で示す)において、ICタグを備えた印刷用紙を使用する複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、印刷装置、ファクシミリ、複写機など複数の機能を持つOA機器が普及している。また、RFIDタグ(Radio Frequency Identificationタグ)などのICタグが付加された用紙も開発され、この用紙を複合機においても利用され始めている。
【0003】
特許文献1は、ID(識別)番号とRFIDタグの情報を照合し、複写の許可を行う複合機が開示されている。また、トレイを複数設け、RFIDタグ付き用紙と通常の用紙を収納し、受信信号にRFIDタグへの書き込みデータが含まれている時RFIDタグ付き用紙の供給を受ける技術も開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、図書にマーキングを装着し、マーキング又はIDを読み取る読み取り装置と複写可否情報を持つデータベースと複写を制限するデータ処理装置で複写機の複写の制限を行う図書不正複写防止システムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−337426号公報 (段落番号0020、0034から0038、図6、図9)
【特許文献2】特開2003−302880号公報 (段落番号0030から0039、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来例では、印刷物の表面上の画像をスキャンするため、例えば印刷物の表面が汚れている場合、汚れもスキャンし、そのまま印刷されてしまう。同様に、印刷物に何らかの書き込みが行われている場合、当該書き込みもスキャンされ、希望する印刷物を得ることができない。
【0006】
そこで、本発明は、印刷後の印刷物の複写時、当該印刷物に埋め込まれたRFIDタグなどの非接触ICタグの情報を読み取り、読み取ったID(識別情報)に対応した管理テーブルを検索して、保存した印刷データを読み出して印刷することによって、印刷物の汚れや書き込みに影響されることのない複合機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は本発明によれば、非接触でデータの読み出し又はデータの書き込みを行うICタグが内蔵された用紙にスキャナで読み取った画像を記録する印刷手段と、該印刷時、前記ICタグの識別情報を読み出し、前記識別情報と前記スキャナが読み取った画像データを対応させて記憶する記憶手段と、前記印刷手段により記録された前記用紙の画像を複写する時に、前記用紙に内蔵される前記ICタグに記憶された識別情報を読み出す読み出し手段と、読み出した該識別情報に従って、前記記憶手段を検索し、該記憶手段に識別情報に対応して記憶されている画像データを読み出し、該画像データに基づき印刷処理を行う印刷制御手段とを有する複合機を提供することによって達成できる。
【0008】
このように構成することにより、原稿が汚れていても、又原稿に書き込み等が行われている場合でも、識別情報としてのID番号の一致を判断することによって汚れや書き込みのない複写印刷を行うことができる。
【0009】
また、前記ICタグ付き用紙を給紙する給紙機構と普通用紙を給紙する給紙機構とからなる給紙手段を有し、選択に従ってICタグ付き用紙、又は普通用紙の給紙選択が可能である。
【0010】
このように構成することにより、不必要に非接触ICタグ内蔵用紙を使用せず、印刷コストを抑えることができる。
また、前記読み出し手段が、複写時において前記ICタグに記憶された識別情報の読み出しに失敗した場合、前記スキャナにより読み取った画像データに基づいて印刷処理を行うことができる。
【0011】
このように構成することにより、例え識別情報の読み出し処理に失敗した場合でも印刷データの印刷処理を行うことができる。
また、前記ICタグ付き用紙による印刷と、通常用紙による印刷の選択を、印刷データの頁毎に切り替えて行うことができる。
【0012】
このように構成することにより、頁により給紙の種類をICタグ内蔵用紙と通常用紙との間で切換制御することができ、例えば先頭頁の用紙のみ識別情報の認識が必要で、残りの頁はその必要が無いような場合に、コストの高いICタグ内蔵用紙の使用を抑えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複合機において、印刷物の複写時に印刷物の非接触ICタグを読み取り、ID対応管理テーブルを検索して、印刷データ保持手段から印刷時に保存している印刷データを取り出し、複写する。したがって、印刷後の原稿表面上の画像をスキャンすることがないので原稿表面が汚れや書き込みに影響されることなく、希望する印刷結果が得られる。
【0014】
また、原稿画面上の画像スキャンに要する時間が不要になるので複写時間が短縮される。
また、オペレータがオペレーションパネルによって用紙は非接触ICタグ内蔵用紙か通常用紙かを選択できるため、不必要に非接触ICタグ内蔵用紙を使用せず、印刷コストを抑えることができる。また、オペレータの操作により、画像スキャンによる通常の複写も可能である。
【0015】
さらに、頁により給紙の種類をICタグ内蔵用紙と通常用紙との間で切換制御することができ、コストの高いICタグ内蔵用紙の使用を抑えることができる。また、この処理により複数頁の複写時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は本実施形態の構成を示す回路構成図である。本例は印刷機能と複写機能を合わせ持つ複合機について説明するものである。以下に各部の説明を行う。
【0017】
同図において、PCはパーソナルコンピュータであり、アプリケーションプログラムに従って作成した印刷データを複合機1に供給する。複合機1は、複写制御部2、文書印刷データ受信部3、画像データ描画部4、描画データ転送部5、プリンタエンジン6、IDリーダ7、排紙制御部8、文書印刷データファイル9、スキャナ10、IDリーダ11、スキャン制御部12、オペレーションパネル13、文書印刷データ格納バッファ14、画像メモリ15、スキャン画像バッファ16、ID対応管理テーブル17、文書印刷データファイル名バッファ18で構成されている。
【0018】
文書印刷データ受信部3は、ホスト機器であるパーソナルコンピュータ(PC)から供給される文書印刷データを受信し、文書印刷データ格納バッファ14に1頁分又は1文書分の文書印刷データを格納し、印刷データの保持完了を画像データ描画部4に通知する。
【0019】
画像データ描画部4は、文書印刷データの展開完了通知を受けると、文書印刷データ格納バッファ14に記憶した印刷データを順次解析し、1頁分の描画のためのメモリである画像メモリ15に解析データを描画する。画像メモリ15には順次画像データが展開され、例えば1頁分の画像データの展開が完了すると、画像データ描画部3は、複写制御部2に対して画像メモリ描画完了通知を行う。
【0020】
画像メモリ15に画像データが展開されると、描画データ転送部5は画像データを画像メモリ15から読み出し、プリンタエンジン6に転送する。
プリンタエンジン6は、例えば感光体、帯電器、現像器、転写器等で構成され、描画データ転送部5から供給される画像データを用紙に印刷する。IDリーダ7は、プリンタエンジン6に備え付けられ、用紙に貼付或いは漉き込んで取り付けられた非接触ICタグ(以下RFIDタグという)と通信を行い、RFIDタグ内のデータを読み出し、或いは印刷した画像に関連する情報を書き込む。
【0021】
排紙制御部8は、RFIDタグが内蔵された用紙の排紙が行われる際、IDリーダ7で読み取った、例えば個々のRFID素子を識別するための識別情報、即ちID番号とID番号取得を複写制御部2に通知する。また、文書印刷データファイル9には、複写制御部2が文書印刷データ格納バッファ14から読み出した文書印刷データのファイルが格納される。
【0022】
スキャナ10は複写機能を確保する構成であり、用紙に付加されたRFIDタグとスキャン時に通信を行うIDリーダ11を備える。スキャナ制御部12は、複写制御部2の制御に従ってスキャナ10、及びIDリーダ11の制御を行い、スキャナ10で読み取った原稿画像をスキャン画像バッファ16に格納する。
【0023】
ID対応管理テーブル17は、IDリーダ7で読み取ったICタグのID番号とその用紙に記録されるとともに、文書印刷データファイル9に記憶されている文書印刷データファイルの文書印刷データファイル名とを対応付けて記憶する。
【0024】
文書印刷データファイル名バッファ18は、複写制御部2が文書印刷データ格納バッファ14からの文書印刷データファイルを作成したときにそのファイル名を保持するバッファである。ID番号読み取り後に、ID番号と文書印刷データファイル名を対応させて、ID対応管理テーブル17に書き込まれる。
【0025】
オペレーションパネル13は、例えば利用者が操作を行うものであり、例えばスキャナ10を使用する際操作する。
図2は、上記ID対応管理テーブル17のデータ構成を示す図である。同図に示すように、ID対応管理テーブル17はレコード毎に、文書印刷データファイル名とRFIDタグID(識別情報)が対応して登録されている。また、登録数も記憶される。複写制御部2によって書き込まれる文書印刷データファイル名は、例えば用紙1頁分のファイルの名前である。また、RFIDタグIDは主にID番号であるが、他のデータで構成してもよい。また、タグの製造時に予め書き込まれている素子個々に異なるシリアル番号を用いても良いし、印刷処理時にライター機能も含むIDリーダ7で個別に書き込んだ識別情報を用いることもできる。
【0026】
次に、本例の処理動作をフローチャートを用いて説明する。
先ず、図3は上記文書印刷データ受信部3の処理動作を説明するフローチャートである。先ず、文書印刷データ受信部3は前述のパーソナルコンピュータ(PC)から供給される印刷データを待ち(ステップ(以下、Sで示す)1−1がNO)、パーソナルコンピュータ(PC)から印刷データが供給されると、供給された文書印刷データを文書印刷データ格納バッファ14に格納する(S1−2)。そして、1頁分の文書印刷データの格納が完了したか判断し(S1−3)、完了していない間上記保存処理を繰り返す。一方、格納処理が完了した場合、文書印刷データ保持完了を画像データ描画部4に通知する(S1−4)。
【0027】
次に、画像データ描画部4の処理動作を図4に示すフローチャートを使用して説明する。先ず、文書印刷データ受信部3からの文書印刷データ保持完了通知があるか判断し(S2−1)、通知がある場合、文書印刷データ保持完了を複写制御部2に通知する。
【0028】
図5は上記複写制御部2のフローチャートを示し、処理(S3−1)でオペレーションパネルでのボタンの押下がない時、画像データ描画部4から文書印刷データ保存完了通知ありかを判断する(S3−13)。上記画像データ描画部4からの通知があった時、保持した文書印刷データのユニークな文書印刷データファイル名を生成し、そのファイル名を文書印刷データファイル名バッファ18に書き込む(S3−14)。また、文書印刷データ格納バッファ14のデータを決定したファイル名で文書印刷データファイル9に書き込み、格納する(S3−15)。
【0029】
すなわち、上記処理によってホスト機器から送信された新たな印刷データのファイル名を文書印刷データファイル名バッファ18に書き込み、更に印刷データを文書印刷データファイル9に登録する。
【0030】
その後、文書印刷データ展開完了を画像データ描画部4に通知し(S3−16)、図4に示す判断(S2−3)に移行する。すなわち、複写制御部2から文書印刷データ展開完了通知があるか判断する。ここで、文書印刷データ展開完了通知がある場合、文書印刷データ格納バッファ14のデータを取り出して順次解析し、画像メモリ15への描画を行う(S2−4)。
【0031】
次に、1頁分の描画処理が完了したか判断する(S2−5)。ここで、完了でない場合、処理(S2−4)に戻り、描画処理を継続する。一方、完了した場合、画像メモリ描画完了を描画データ転送部5に通知し(S2−6)、図6のフローチャートを実行する。
【0032】
図6は描画データ転送部5の動作を示すフローチャートであり、先ず画像メモリ描画完了の通知があるか判断する(S4−1)。ここで、画像データ描画部4から画像メモリ描画完了通知が送信されている場合、画像メモリ15に展開された描画データをプリンタエンジン6に転送する(S4−2)。プリンタエンジン6は描画データに基づいて印刷処理を行い、RFIDタグ付き用紙に画像を印字する。
【0033】
続いて、複写制御部2の処理により、図5に示すフローチャートを実行し、オペレーションパネル13のボタン押下がない状態で(S3−1がNO、S3−13がNO)、ID番号の取得が有るか判断する(S3−17)。この判断は、前述の排紙制御部8から送信されるRFIDタグ付き用紙からの読み取り情報によって得られる。
【0034】
ここで、ID番号の取得通知が有る場合(S3−17がYES)、当該ID番号と前述の文書印刷データのファイル名を対応してID対応管理テーブル17に記録する(S3−18)。このように構成することにより、新たにホスト機器から供給される印刷データのファイル名と当該印刷データが印刷出力された用紙(RFIDタグ付き用紙)との対応関係がID対応管理テーブル17に記録される。
【0035】
尚、RFIDタグ内蔵用紙である印刷用紙の排紙判断は図8に示すフローチャートに従って行われる。すなわち、排紙があるか判断し(S6−1)、前述のIDリーダ7にてRFIDタグ内蔵用紙のRFIDタグに記憶されているID番号を読み出す(S6−2)。そして、読み出したID番号とID番号取得を複写制御部2に通知することによって行う(S6−3)。
【0036】
以上のようにして画像データの印刷出力が行われた後、当該印刷物の複写を行う。
この処理は図5に示す複写制御部2の制御によって実行される。先ず、オペレーショパネルのボタン押下があるか判断する(S3−1)。そして、ボタン押下があると、当該ボタン押下が“複写”の指示であるか判断する(S3−2)。尚、“複写”でない場合には処理(S3−1)に戻る。
【0037】
一方、“複写”のボタン押下である場合、スキャナ制御部12にID番号読み出し依頼を通知し(S3−3)、図7に示すスキャナ制御部12の処理に移行する。この処理は、先ず複写制御部2からID番号読み出し依頼通知が有るか判断し(S5−1)、依頼通知がある場合、スキャナ原稿台上にあるRFIDタグ内蔵用紙の原稿からIDリーダ11でID番号を読み出す(S5−2)。そして、複写制御部2に対して読み出したID番号とID番号読み出し完了を通知し(S5−3)、図5に示す処理(S3−4)に移る。
【0038】
複写制御部2は、ID番号読み出し完了通知があると(S3−4がYES)、通知されたID番号をID対応管理テーブル17から検索し、ID番号と対応する文書印刷データファイルの文書印刷データファイル名より同じID番号の文書印刷データファイルの存在を確認する(S3−5)。すなわち、同じID番号が存在しない又は対応するファイル名のファイルが存在しないか判断する(S3−6)。
【0039】
ここで、同じID番号又は対応する文書印刷データファイル名が存在しない場合、画像スキャン依頼をスキャナ制御部12に通知し(S3−7)、前述の図7の処理(S5−4)に移行する。
【0040】
スキャン制御部12では、複写制御部2から画像スキャン依頼通知あると(S5−4がYES)、スキャナ原稿台上にあるRFIDタグ内蔵用紙の原稿から画像データをスキャンし、スキャンしたデータをスキャン画像バッファ16に書き込む(S5−5)。そして、画像スキャン完了を複写制御部2に通知し(S5−6)、図5に示す複写制御部2の処理に戻る。
【0041】
複写制御部2では画像スキャン完了通知が有ると(S3−8がYES)、新たな原稿データを登録する為、スキャンした画像のためのユニークなファイル名を決定し、そのファイル名を文書印刷データファイル名バッファ18に書き込む(S3−9)。また、スキャンしたスキャン画像バッファ16のデータを取り出して文書印刷データ格納バッファ14に書き込む(S3−10)。このように構成することにより、新たな原稿データの情報は複合機1に登録される。
【0042】
一方、前述の判断(S3−6)において、ID対応管理テーブル17に同じID番号が存在する又は対応するファイル名のファイルが存在する場合、処理(S3−11)に進み、同じID番号又は対応する文書印刷データファイル名で文書印刷データファイルを文書印刷データファイル9から読み出し、読み出したデータを文書印刷データ格納バッファ14に書き込む(S3−11)。ファイル名を文書印刷データファイル名バッファ18に書き込む(S3−12)。
【0043】
以後、前述の処理と同じ印刷処理を行い、文書印刷データ展開完了を画像データ描画部4に通知し(S3−16)、印刷出力を行う。
以上のように構成することによって、印刷物に汚れや書き込みがある場合でも、RFIDタグ付き用紙から読み取ったID番号に基づいて文書印刷データファイル9を検索し、汚れや書き込みのない印刷データに基づいて印刷処理を行うことができる。
【0044】
尚、本例の実施形態では文書印刷データファイルを記憶する記憶装置、つまり文書印刷データファイル9を複合機1の内部にあるものとして説明したが、ネットワークで接続された外部に記憶装置を配設する構成としてもよい。
【0045】
また、ID対応管理テーブル17はネットワークで接続された別の複合機のID対応管理テーブルを共有し、検索対象としてもよい。
さらに、RFIDタグは実施形態1ではID番号が記憶されているものとしたが、複合機1で内部的に生成したID番号を印刷用紙排紙時に書き込む構成としてもよい。
【0046】
また、ID対応管理テーブル17と文書印刷データファイル9に格納された印刷データとの対応関係は、文書印刷データファイル名を基に参照する例を示したが、ファイル作成日時など、他の区別情報を用いて参照検索できるようにしても良いし、直接文書印刷データファイル9の記憶装置アドレスを基に参照検索する構成とすることも可能である。
【0047】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
図9に本例の構成図を示す。本例においては、実施形態1で使用した図1の構成に対して、給紙制御部19と給紙用紙種バッファ20が追加された構成である。尚、他の構成については前述の構成と同様である。
【0048】
給紙制御部19は、複写制御部2から給紙選択の通知を受けた場合、給紙選択情報が保持されている給紙用紙種バッファ20から給紙用紙種を読み出し、RFIDタグ内蔵用紙か通常用紙による給紙をプリンタエンジン6に指示する。プリンタエンジン6は指示に従い、以降の印刷時における給紙は該当する給紙口から行う。給紙用紙種バッファ20には複写制御部2から複写時に給紙用紙種が書き込まれる。
【0049】
尚、排紙制御部8は、給紙用紙種を呼んでRFIDタグ内蔵用紙のときのみIDリーダ7を稼動させ、ID番号の読み取り及び通知を行う。
次に実施形態2の処理動作を説明する。文書印刷データ受信部3、画像データ描画部4、描画データ転送部5及びスキャナ制御部12は実施形態1と同じ処理を行う。また、図10は給紙制御部19の処理を示すフローチャートであり、図11は排紙制御部8の処理を説明するフローチャートであり、図12は複写制御部2の処理を説明するフローチャートである。
【0050】
先ず、図10に示すフローチャートに従って、給紙制御部19は複写制御部2から給紙選択通知が有るか判断する(S7−1)。ここで、通知がある場合、給紙用紙種バッファ20から給紙用紙種を読み出す(S7−2)。そして、給紙用紙種がRFIDタグ内蔵用紙かを判断し(S7−3)、RFIDタグ内蔵用紙であった場合、RFIDタグ内蔵用紙の給紙をプリンタエンジン6に指示する(S7−4)。一方、給紙紙種がRFIDタグ内蔵用紙でなかった場合、通常用紙の給紙をプリンタエンジン6に指示する(S7−5)。以後、実施形態1と同様に複写が行われる。
【0051】
したがって、排紙制御部8は図11に示すフローチャートに従って処理を行い、印刷用紙の排紙ありかを判断し(S6−1)、排紙がある場合、給紙用紙種バッファ20から給紙用紙種を読み出し(S6−4)、RFIDタグ内蔵用紙である場合、IDリーダ7にて排紙されているRFIDタグ内蔵用紙のRFIDタグに内蔵されているID番号を読み出す(S6−2)。そして、複写制御部2へID番号取得及びID番号を通知し(S6−3)、前述の複写制御部2による処理を行う。
【0052】
図12の複写制御部2の処理を示すフローチャートは、実施形態1の図5に対応し、判断(S3−1)と(S3−2)の間に、処理(S3−19)〜(S3−23)が挿入されたものであり、その他は図5のフローチャートの処理と同じである。したがって、本例では処理(S3−19)〜(S3−23)を説明し、他の説明は省略する。また、ここで、本方式の複写機能は、本発明の複写機能の内、印刷物のID番号による検索を行い保持している文書印刷データで複写を行う方式である。
【0053】
複写制御部2は、処理(S3−1)でオペレーションパネル13のボタン押下が有ると、当該ボタン押下は本方式の複写機能の使用可能な印刷の指示か判断する(S3−19)。そして、ボタン押下が本方式で使用可能な印刷の指示である場合、“RFIDタグ内蔵用紙”を給紙用紙種バッファ20に書き込み(S3−20)、処理(S3−23)に進む。
【0054】
一方、処理(S3−21)では、ボタン押下は本方式による複写機能を使用しない印刷の指示かを判断する。本方式を使用しない印刷の指示でない場合は、処理(S3−22)に進み、“通常用紙”を給紙用紙種バッファ20に書き込む(S3−22)。 以上のように、本例によればRFIDタグ付き用紙の使用か、又は通常用紙の使用かを選択することができ、不必要に高価なRFIDタグ内蔵用紙を使用せず、印刷コストを抑えることができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
【0055】
本例はスキャナ10のIDリーダ11で、複写対象物のRFIDタグ内蔵用紙のRFIDタグからID番号が読み出せない時、通常通りスキャナ10でスキャンして複写を行う構成である。以下、具体的に説明する。
【0056】
図13に複写制御部2のフローチャートを示し、図14にスキャナ制御部12のフローチャートを示す。他の各部の動作は、実施形態2と同等である。
図13のフローチャートと実施形態2の処理の違いは、判断(S3−4)と処理(S3−5)間に判断(S3−24)が入るものである。したがって、この処理を説明し、他の処理は実施形態2と同じであり、省略する。また、図14のスキャナ制御部12の処理動作は、実施形態1の図7のフローチャートから処理(S5−3)が削除され、新たに処理(S5−7)〜(S5−9)が加わったものである。
【0057】
先ず、図13の複写制御部2のフローチャートにおいて、ID番号読み出し依頼を通知し(S3−3)、図14のフローチャートの処理(S5−1)に処理を移行する。すなわち、スキャナ制御部12はID番号読み出し依頼通知があると、S5−2でスキャナ原稿台上の原稿からIDリーダ11にてID番号を読み出す(S5−2)。そして、ID番号読み出しが成功したか判断し(S5−7)、読み出しに成功すると、ID番号読み出し成功情報とID番号読み出し完了情報を複写制御部2に通知し(S5−8)、図13のフローチャートの処理(S3−4)に移行する。
【0058】
一方、ID番号の読み出しに失敗すると、ID番号読み出し失敗情報とID番号読み出し完了信号を複写制御部2に通知(S5−9)し、図13のS3−4に処理は移る。
したがって、ID番号読み出しに成功すると、通知されたID番号をID対応管理テーブル17から検索し、ID番号と対応する文書印刷データファイルの文書印刷データファイル名より同ID番号の文書印刷データファイルの存在を調べ確認する(S3−5)。以降、文書印刷データファイル9から文書印刷データファイルを読み出して複写を行う。一方、S3−24でID番号読み出しに失敗するとS3−7に進み、画像スキャン依頼を通知し(S3−7)、図14のS5−4に処理は移る。
【0059】
以上のように処理することによって、ID番号の読み出しに失敗した場合でも、通常のスキャン処理によって原稿の複写処理を可能とすることができる。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。
【0060】
本例は、利用者がオペレーションパネル13で画像スキャンによる通常の複写か本方式の文書印刷データファイルを利用した複写かを選択できるものである。以下、具体的に説明する。
【0061】
図15に、複写制御部2の動作をフローチャートで示す。実施形態3の複写制御部2の図13のフローチャートとの違いは処理(S3−2)の代わり、処理(S3−25)、(S3−26)を設けたものである。したがって、この処理(S3−25)、(S3−26)の処理を説明し、他は実施形態3と同等なので省略する。
【0062】
先ず、図15に示すフローチャートにおいて、判断(S3−21)でボタン押下は本方式による複写機能を使用しない印刷の指示ではないとき、つまり複写機能を使用するときに、ボタン押下は“画像スキャン複写”の指示か判断する(S3−25)。“画像スキャン複写”の指示の場合は、処理(S3−7)に進み、画像スキャン依頼を通知する。以降、画像スキャンによる複写を行う。
【0063】
処理(S3−25)で“画像スキャン複写”の指示でない場合、ボタン押下は上述の“本方式の複写”の指示かを判断する(S3−26)。“本方式の複写”の指示であった場合は、S3−3に進み、ID番号読み出し依頼をスキャナ制御部12に通知する。以降、文書印刷データファイル9から文書印刷データファイルを読み出して複写を行う。
【0064】
以上のように本例の処理によれば、本例による複写処理か通常の複写処理かを選択することができ、より利用し易い複合機とすることができる。
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5について説明する。
【0065】
図16は本例の複合機の構成を説明する回路ブロック図である。同図において、文書印刷データ受信部3は、パーソナルコンピュータ(PC)から文書印刷データが送信されてきた場合、文書印刷データを解析し、1文書分の印刷データを文書印刷データ格納バッファ14に格納する。
【0066】
画像データ描画部4は、複写制御部2から文書印刷データ展開完了の通知を受けると、文書印刷データ格納バッファ14内のデータを解析し描画を行い、1頁分の描画が完了したら例えば、文書の1頁目なら“RFIDタグ内蔵用紙”を、文書の2頁目以降なら“通常用紙”を給紙用紙種バッファ20に書き込み、給紙制御部19に給紙選択を通知する。この設定は、画像データ描画部4又は複写制御部2に設定されているか又は例えば、オペレーションパネル13で設定し、複写制御部2で備えておき、画像データ描画部4に設定する。
【0067】
給紙制御部19は、この給紙選択の通知により、1頁ずつの給紙を給紙用紙種バッファ20から読み出して給紙を制御する。プリンタエンジン6の制御によりRFIDタグ内蔵用紙又は通常用紙の給紙を行う。
【0068】
文書印刷データ受信部3と画像データ描画部4の他の各部の動作は、実施形態4と同等であるので省略する。
図17に、文書印刷データ受信部3の動作をフローチャートで示す。実施形態1の図3と比較すると処理(S1−3)に代わって、処理(S1−5)となっている。また、図18に画像データ描画部4の動作をフローチャートで示す。実施形態1の図4に加えて新たに処理(S2−7)から処理(S2−10とS2−11)までの追加がある。
【0069】
先ず、図17の処理(S1−1)で、文書印刷データ受信部3は、印刷データ受信があると、データを受信し、文書印刷データ格納バッファ14へ保持する(S1−2)。1文書分のデータ保持完了したか判断する。完了していない場合は、S1−2に戻る(S1−5)。完了した場合は、画像データ描画部4に文書印刷データ保持完了を通知し(S1−4)、図18の(S2−1)に処理は移る。
【0070】
図18の処理(S2−1)で、画像データ描画部4は、文書印刷データ保持完了の通知ありかを判断する(S2−1)。この処理(S2−1、S2−2、S2−3)から処理(S2−5)までは、図4と同じ処理である。処理(S2−1)で文書印刷データ保持完了通知がなく、文書印刷データ展開完了通知があると(S2−3)、文書印刷データ格納バッファ14のデータを取り出して順次解析し、画像メモリ15への描画を行う。(S2−4)。1頁分の描画完了したか判断する(S2−5)。
【0071】
そして、1頁分の描画が完了すると、この文書の1頁目かを判断する(S2−7)。1頁目の場合は、“RFIDタグ内蔵用紙”を給紙用紙種バッファ20に書き込む(S2−8)。1頁目でない場合は、“通常用紙”を給紙用紙種バッファ20に書き込む(S2−9)。
【0072】
次に、給紙制御部19に給紙選択を通知し(S2−10)、処理は上述の図12のS7−1に移る。図12の処理(S7−1)で、給紙制御部19は、給紙選択通知があると、上述した給紙処理を行う。
【0073】
図18に戻り、画像データ描画部4は、描画データ転送部5に画像メモリ描画完了を通知し(S2−6)、処理は図6の処理(S4−1)に移る。図6の処理(S4−1)で、描画データ転送部5は、画像メモリ描画完了通知を受けると、上述の描画データ転送処理が行われる。
【0074】
次に、図18に戻り、文書印刷データ格納バッファ14内の全データに対する解析・描画が完了したか判断する(S2−11)。完了していない場合は、S2−4に戻る。
以上のように構成することによって、頁により給紙の種類をRFIDタグ内蔵用紙か通常用紙かを制御することができ、コストの高いRFIDタグ内蔵用紙の使用を抑えることができる。
【0075】
尚、RFIDタグ内蔵用紙を用いるのは、1頁目としたが、任意に設定できる。例えば、最終頁でもよいし5頁目以降の頁、3頁と7頁などでもよい。
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6について説明する。
【0076】
図19に、実施形態6の構成図を示す。実施形態5の図16との違いは、印刷ページ番号バッファ21が設けられていることである。印刷ページ番号バッファ21は、画像データ描画部4及び複写制御部2に接続される。複写制御部2により、印刷ページ番号バッファ21は、印刷する頁を例えば“表紙のみ”や“文書全体”等のように書き込まれる。画像データ描画部4は、印刷ページ番号バッファ21を参照し、印刷の制御を表紙のみの印刷や文書全体の印刷を行う。
【0077】
画像データ描画部4と複写制御部2の動作を以下に示す。スキャナ制御部12の動作は、実施形態1の図7と同等である。他の各部の動作は実施形態5と同等であるので省略する。
【0078】
図20に、画像データ描画部4の動作をフローチャートで示す。図18の実施形態5の画像データ描画部4のフローチャートとの違いは、処理(S2−12)、(S2−13)であり、この処理を説明する。図21に、複写制御部2の動作をフローチャートで示す。実施形態2の図12のフローチャートとの違いは、処理(S3−19)から(S3−23とS3−2)に代わって、図21では処理(S3−27)から(S3−30)までの処理が入っていることである。以下、説明する。
【0079】
先ず、図20の処理(S2−6)で、画像描画データ部4が画像メモリ描画完了を通知し(S2−6)、描画データ転送部5で上述の処理をした後、処理が戻ると、印刷ページ番号バッファ21から印刷ページ番号読み出しを行う。これは、後述する図21の処理(S3−28)、又は処理(S3−30)で書き込まれたものを読み出す(S2−12)。
【0080】
次に、印刷ページ番号が表紙のみかを判断する。表紙のみの場合は処理(S2−1)に戻る。表紙のみでない場合は、文書印刷データ格納バッファ14内のデータに対する解析・描画が完了したか判断する。完了でなければ、S2−4に戻り上述した複写を続ける(S2−11)。
【0081】
図21の処理(S3−1)で、複写制御部2は、オペレーションパネル13のボタンの押下があると、ボタン押下は“表紙のみ複写”の指示かを判断する。“表紙のみ複写”の指示でないときは、処理(S3−29)に進む。“表紙のみ複写”の指示であるときは、“表紙のみ”を印刷ページ番号バッファ21に書き込む(S3−28)。
【0082】
処理(S3−29)では、ボタン押下は“文書全体複写”の指示かを判断する(S3−29)。“文書全体複写”の指示であるときは、“文書全体”を印刷ページ番号バッファ21に書き込む。尚、処理(S13)以降は、前述の実施形態2の図11の処理と同じである。
【0083】
(実施形態7)
次に、本発明の実施形態7について説明する。
実施形態7は、オペレータの指示により“複写禁止”等の付加印刷を行う形態とする。構成は、実施形態1の図1と同等である。“複写禁止”等の文字列/イメージのデータは予め複写制御部2に記憶しておく。複写制御部2は、“複写禁止”等の文字を画像スキャンしたデータに合成して文書印刷データ格納バッファ14に書き込む。オペレーションパネル13は、“複写禁止”等の選択、大きさ、位置、色の指定機能を付加指示として持つ。他の各部の動作は実施形態1と同等である。
【0084】
図22に、実施形態7の複写制御部2の動作をフローチャートで示す。実施形態1の図5のフローチャートとの違いは、処理(S3−5)、(S3−6)の削除、処理(S3−31)、(S3−32)の追加、処理(S3−10)の修正の処理(S3−33)であり、この処理の部分を説明する。
【0085】
処理(S3−4)でID番号読み出し完了通知があると、オペレーションパネル13より複写禁止文字の付加指示ありかを判断する(S3−31)。ない場合はS3−11に進み、その後、付加なしの複写を行う。処理(S3−31)で複写禁止文字の付加指示がある場合は、複写禁止文字を大きさ・位置・色の付加指示により作成する(S3−32)。画像スキャン依頼通知をし(S3−7)、処理は図7のS5−4に移る。
【0086】
図7で、スキャナ制御部12は、画像スキャン通知を受けると(S5−4)、画像スキャンし(S5−5)、画像スキャン完了を通知する(S5−6)。
図22に戻り、画像スキャン完了通知を待ち、通知を受けると(S3−8)、ユニークなファイル名を決定しそのファイル名を文書印刷データファイル名バッファ18に書き込む(S3−9)。スキャン画像バッファ16内のデータと複写禁止文字の印刷データを合成して、文書印刷データ格納バッファ14に書き込む(S3−33)。S3−16に進み、以後実施形態1と同じであり複写禁止文字の付加印刷が行われる。
【0087】
なお、“複写禁止”文字用データは、テキスト文字コードとして持っておき、フォントジェネレータを使用して生成し、文書印刷データと合成してもよい。また、オペレーションパネル13より、任意の文字列を入力指定してもよい。
【0088】
(実施形態8)
次に、本発明の実施形態8について説明する。
実施形態8の構成は実施形態1の図1と同等とする。但し、ID対応管理テーブル17においてID番号、文書印刷データファイル名に対応して“複写禁止文字を付加するか否か”の情報を記憶する。これにより、ID番号でのID対応管理テーブル17の検索時に複写禁止文字付加指示があれば、複写禁止文字を付加する。オペレーションパネル13は、“複写禁止”等の選択、大きさ、位置、色の指定機能を付加指示として持つ。勿論、複写禁止以外の文字等でもよい。
【0089】
図23に、実施形態8の複写制御部2の動作をフローチャートで示す。実施形態1の図8と同じ符号の処理は説明を省く。処理(S3−32)、(S3−33)は実施形態7と同等である。
【0090】
新たに、(S3−33)から(S3−37、S3−18)を修正した処理(S3−38)が加わっている。これらの処理を説明する。他の各部の動作は実施形態1と同等である。
【0091】
まず、処理(S3−9)で画像スキャンしたデータのユニークなファイル名を決定し、文書印刷データファイル名バッファ18に書き込む(S3−9)。
次に、複写禁止文字の付加指示ありかを判断する(S3−34)。付加支持がない場合は、スキャン画像バッファ16内のデータを文書印刷データ格納バッファ14に書き込む(S3−10)。S3−34で複写禁止文字の付加指示がある場合は、複写禁止文字を大きさ・位置・色の付加指示により作成する(S3−32)。スキャン画像バッファ16内のデータと複写禁止文字の印刷データを合成して、文書印刷データ格納バッファ14に書き込む(S3−33)。S3−10又はS3−33の後は、S3−16の文書印刷データ展開完了を通知に進み、その後は、実施形態1と同等に処理される。
【0092】
また、処理(S3−6)でID番号が存在しないまたは対応するファイル名のファイルが存在しないかの判断で、ID番号が存在するまたは対応するファイル名のファイルが存在する場合は、処理(S3−35)に進む。ID対応管理テーブル17の複写禁止文字付加の情報が付加になっているかを判断する(S3−35)。付加になっていない場合は、文書印刷データファイルを読み出して、文書印刷データ格納バッファ14に書き込み(S3−11)、処理(S3−12、S3−16)と進み、その後は実施形態1と同等に処理される。
【0093】
付加になっている場合は、複写禁止文字を大きさ・位置・色の付加指示より作成する(S3−36)。スキャン画像バッファ16内のデータと複写禁止文字の印刷データを合成して、文書印刷データ格納バッファ14に書き込む(S3−37)。その後、ファイル名を文書印刷データファイル名バッファ18に書き込み(S3−12)、S3−16に進み、その後は実施形態1と同等に処理される。
【0094】
また、S3−17で前述のID番号取得通知があると、RFIDタグから、ある場合は、“複写禁止文字を付加するか否か”の情報とその付属情報である大きさ・色・位置を取得し、文書印刷データファイル名バッファ18に格納されているファイル名と通知されたID番号とともに対応させてID対応管理テーブルに登録する(S3−38)。
【0095】
このように構成することにより、無駄な印刷を回避することができ、複合機を効率よく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施形態1の構成図を示す。
【図2】本発明のID対応管理テーブルのデータ構成を示す。
【図3】文書印刷データ受信部の動作をフローチャートで示す。
【図4】本発明の画像データ描画部の動作をフローチャートで示す。
【図5】本発明の実施形態1の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【図6】本発明の描画データ転送部の動作をフローチャートで示す。
【図7】本発明のスキャナ制御部の動作をフローチャートで示す。
【図8】本発明の排紙制御部の動作をフローチャートで示す。
【図9】本発明の実施形態2の構成図を示す。
【図10】本発明の実施形態2の排紙制御部の動作をフローチャートで示す。
【図11】本発明の実施形態2の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【図12】本発明の給紙制御部の動作のフローチャートで示す。
【図13】本発明の実施形態3の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【図14】本発明の実施形態3のスキャナ制御部の動作をフローチャートで示す。
【図15】本発明の実施形態4の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【図16】本発明の実施形態5の構成図を示す。
【図17】本発明の実施形態5の文書印刷データ受信部の動作をフローチャートで示す。
【図18】本発明の実施形態5の画像データ描画部の動作をフローチャートで示す。
【図19】本発明の実施形態6の構成図を示す。
【図20】本発明の実施形態6の画像データ描画部の動作をフローチャートで示す。
【図21】本発明の実施形態6の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【図22】本発明の実施形態7の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【図23】本発明の実施形態8の複写制御部の動作をフローチャートで示す。
【符号の説明】
【0097】
1・・・複合機
2・・・複写制御部
3・・・文書印刷データ受信部
4・・・画像データ描画部
5・・・描画データ転送部
6・・・プリンタエンジン
7、11・・・IDリーダ
8・・・排紙制御部
9・・・文書印刷データファイル
10・・・スキャナ
12・・・スキャナ制御部
13・・・オペレーションパネル
14・・・文書印刷データ格納バッファ
15・・・画像メモリ
16・・・スキャン画像バッファ
17・・・ID対応管理テーブル
18・・・文書印刷データファイル名バッファ
19・・・給紙制御部
20・・・給紙用紙種バッファ
21・・・印刷ページ番号バッファ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触でデータの読み出し又はデータの書き込みを行うICタグが内蔵された用紙にスキャナで読み取った画像を記録する印刷手段と、
該印刷時、前記ICタグの識別情報を読み出し、前記識別情報と前記スキャナが読み取った画像データを対応させて記憶する記憶手段と、
前記印刷手段により記録された前記用紙の画像を複写する時に、前記用紙に内蔵される前記ICタグに記憶された識別情報を読み出す読み出し手段と、
読み出した該識別情報に従って、前記記憶手段を検索し、該記憶手段に識別情報に対応して記憶されている画像データを読み出し、該画像データに基づき印刷処理を行う印刷制御手段と、
を有することを特徴とする複合機。
【請求項2】
前記ICタグ付き用紙を給紙する給紙機構と普通用紙を給紙する給紙機構とからなる給紙手段を有し、選択に従ってICタグ付き用紙、又は普通用紙の給紙選択が可能であることを特徴とする請求項1記載の複合機。
【請求項3】
前記読み出し手段が、複写時において前記ICタグに記憶された識別情報の読み出しに失敗した場合、前記スキャナにより読み取った画像データに基づいて印刷処理を行うことを特徴とする請求項1、又は2記載の複合機。
【請求項4】
前記ICタグ付き用紙による印刷と、通常用紙による印刷の選択を、印刷データの頁毎に行うことを特徴とする請求項1、2、又は3記載の複合機。
【請求項1】
非接触でデータの読み出し又はデータの書き込みを行うICタグが内蔵された用紙にスキャナで読み取った画像を記録する印刷手段と、
該印刷時、前記ICタグの識別情報を読み出し、前記識別情報と前記スキャナが読み取った画像データを対応させて記憶する記憶手段と、
前記印刷手段により記録された前記用紙の画像を複写する時に、前記用紙に内蔵される前記ICタグに記憶された識別情報を読み出す読み出し手段と、
読み出した該識別情報に従って、前記記憶手段を検索し、該記憶手段に識別情報に対応して記憶されている画像データを読み出し、該画像データに基づき印刷処理を行う印刷制御手段と、
を有することを特徴とする複合機。
【請求項2】
前記ICタグ付き用紙を給紙する給紙機構と普通用紙を給紙する給紙機構とからなる給紙手段を有し、選択に従ってICタグ付き用紙、又は普通用紙の給紙選択が可能であることを特徴とする請求項1記載の複合機。
【請求項3】
前記読み出し手段が、複写時において前記ICタグに記憶された識別情報の読み出しに失敗した場合、前記スキャナにより読み取った画像データに基づいて印刷処理を行うことを特徴とする請求項1、又は2記載の複合機。
【請求項4】
前記ICタグ付き用紙による印刷と、通常用紙による印刷の選択を、印刷データの頁毎に行うことを特徴とする請求項1、2、又は3記載の複合機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
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【図21】
【図22】
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【公開番号】特開2006−7674(P2006−7674A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190475(P2004−190475)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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